JPH11144532A - 電気通信ケーブル - Google Patents

電気通信ケーブル

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JPH11144532A
JPH11144532A JP30774797A JP30774797A JPH11144532A JP H11144532 A JPH11144532 A JP H11144532A JP 30774797 A JP30774797 A JP 30774797A JP 30774797 A JP30774797 A JP 30774797A JP H11144532 A JPH11144532 A JP H11144532A
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JP
Japan
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insulated wire
quad
conductor
wire core
cable
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Application number
JP30774797A
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English (en)
Inventor
Yasushi Horie
靖 堀江
Ryoji Ono
良次 大野
Katsuhiro Yokoyama
桂広 横山
Masahiro Tanaka
正浩 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送速度がGbitレベルのLAN間伝送
用に使用される特性インピ−ダンスが150±10(Ω)のシ
−ルド層付きカッド撚り電気通信ケ−ブルを提供するこ
とにある。 【解決手段】 4本の絶縁線芯を星形カッド状に撚り合
わせ、その外側に押さえ絶縁層、電磁シ−ルド層、その
外側に熱可塑性樹脂製シース層を順次被覆した100Mbps
以上の高速デ−タ伝送に使用される電気通信ケ−ブルに
おいて、絶縁線芯に使用される導体の半径rとケ−ブル
の中心に対して点対称に配置された2本の絶縁線芯の導
体間距離Dおよびカッドの撚ピッチPが 6.5≦D/r≦9 (1) 7≦P/D≦18 (2) であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SCSI伝送より
も高速な100Mbps以上の信号伝送を行うコンピュ−タイ
ンタ−フェ−ス用、あるいは伝送速度がGbitレベルの
LAN間伝送用に使用される特性インピ−ダンスが150
±10(Ω)のシ−ルド層付きカッド撚り構造の電気通信ケ
−ブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、LANや高速インタ−フェ−ス用
の伝送媒体として平衡ケ−ブルが使用されるケースが増
えている。平衡ケ−ブルとして一般に、ツイストペア型
とカッド撚り型のものとがある。一般に、前述した高速
デ−タ伝送の用途では、ツイストペア型ケ−ブルが主に
使用されている。しかし、信号伝送用の伝送路として2
回線必要な場合、対撚ケ−ブルの2対構造では大きな収
納体積を占めるものとなる。また更に、回線間の漏話を
考慮して対撚線毎にシ−ルドを施す場合、100Ω以上
の特性インピ−ダンスにするにはケーブル外径が大き
く、ケーブルが硬く曲げ難く且つ重いものとなる。
【0003】他方、カッド撚り型ケ−ブルは、対撚線に
比べ4線芯の収納性か良く、2回線必要な場合には、2
対ケ−ブルに比べ外径を小さくできる。しかし、ツイス
トペア型ケ−ブルのように数十Mbps以上の高速伝送に
使用された実績が少ない。また、カッド撚り型ケ−ブル
については、電話用ケ−ブルとして過去に多数の研究論
文が発表されている。かかる多くの発表論文には、特性
インピ−ダンスが約160Ωで、カッドの対角に位置する2
本の絶縁線芯の導体間距離Dと導体径rの関係を5≦D/r
≦12(好ましくは5≦D/r≦7)とした複数カッド撚り型
ケ−ブルが記述されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、ツイ
ストペア型ケ−ブルでは、ケ−ブル外径が大きく、硬
く、更に重いものとなる欠点があった。また、カッド撚
り型ケ−ブルについては、過去において上記したように
導体間距離Dと導体径rの好ましい関係が特定されてい
たが、一般に高い周波数帯域での耐ノイズ特性向上の目
的からカッド撚の周囲にシ−ルド層を施し特性インピ−
ダンスを150(Ω)とするには、対角に位置する導体間隔
を大きくする必要があり、上記条件の5≦D/r≦7を採用
することができない。この場合、一般に空気層を多く含
む絶縁体を導体上に被覆する方法がとられるが、カッド
撚りした際に絶縁体が潰れる可能性が高い。また絶縁体
を潰れ難くする為にピッチ長を長くすると、100MHz以上
の周波数で近端漏話が大きくなる欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる点に鑑み
なされたもので、外径が等しい4本の絶縁線芯を星形カ
ッド状に撚り合わせ、その外側に押さえ絶縁層を被覆
し、その外側に電磁シ−ルド層を形成し、その外側に熱
可塑性樹脂製シース層を施し、100Mbps以上の高速デ−
タ伝送に使用される電気通信ケ−ブルにおいて、絶縁線
芯に使用される導体の半径rとケ−ブルの中心に対して
点対称に配置された2本の絶縁線芯の導体間の特性イン
ピ−ダンスが10MHZ以上の周波数帯域で150±1
0(Ω)でかつ、前記点対称に配置された2本の絶縁線芯
の導体間距離Dおよびカッドの撚ピッチPが 6.5≦D/r≦9 ・・・(1) 7≦P/D≦18 ・・・(2) であることを特徴とする。
【0006】また、絶縁線芯を被覆する熱可塑性樹脂は
誘電率が2.3より小さいものを使用する。特にポリエチ
レンを発泡させることによって、誘電率を1.75から2の
間で制御した絶縁線芯を使用する時に、カッド撚りされ
た4本の絶縁線芯の内、ケ−ブルの中心に対して点対称
に配置された絶縁線芯の導体間の特性インピ−ダンスを
150±10(Ω)に設定するために、カッド撚の上に
被覆される押さえ絶縁層と絶縁線芯を構成する絶縁体と
の総厚さTと導体間隔D、導体径dの関係を以下の回帰
式を満足するようにする。 T/D=1986.1−1380.8・(D/r)+399.4・(D/r)2−61.475
・(D/r)3+5.3079・(D/r)4−0.24368・(D/r)5+0.00465
・(D/r)6 ケ−ブル中心に対して点対称に位置する導体間に必要に
応じて電気通信ケ−ブルの断面方向の中心にカッド構造
防止のため比誘電率が2.3以下の介在を入れる。
【0007】
【発明の実施の形態】このようにカッド撚りケ−ブルに
おいて、絶縁線芯に使用される導体の外径dと対角に位
置する導体間の距離Dの関係が6.5≦D/r≦9となる様
に構成することによって、カッド撚りケ−ブルで100MHz
〜1GHzの周波数帯域で減衰量特性が良好になる。
【0008】カッド撚りピッチについては、1Gbps程度
の高速デ−タ伝送を行うには近端漏話減衰量を1GHzで
0.05%以下にするのが好ましく、カッド撚りピッチPをP
/D≦18の範囲に特定することで達成することができ
る。また、誘電率が2.3より小さい絶縁体を使用するこ
とにより、減衰量を低減しケ−ブル外径を小さくできる
効果がある。
【0009】1Gbps以上の高速伝送が検討されている特
性インピ−ダンス150Ωの平衡ケ−ブルとするには、カ
ッド撚の上に被覆された押さえ巻き絶縁層と絶縁線芯を
構成する絶縁体との総厚さTと導体間隔D、導体半径r
を以下の回帰式を満足するようにすることにより、ケー
ブルの特性インピーダンスを150±10Ωの範囲にするこ
とができる。 T/D=1986.1−1380.8・(D/r)+399.4・(D/r)2−61.475
・(D/r)3+5.3079・(D/r)4−0.24368・(D/r)5+0.00465
・(D/r)6 カッド撚の中心に介在を入れるのはカッド形状を崩れ難
くし、漏話特性を劣化させ難くするためである。
【0010】以下、上記のとおり数値限定した根拠につ
いて説明する。まず始め、図7に示すように、周波数に
対する減衰量の特性を測定する目的で、直径0.65mmの錫
メッキ軟銅線の導体1に絶縁体2の厚さを変えて仕上り
外径2.5mm、2.4mm、2.3mm、2.2mm、2.1mm、2.0mm、1.9m
m、1.8mm、1.7mm、1.6mm、1.5mmの絶縁線芯3を用意
し、それぞれをカット撚りしてカット撚線芯4を構成し
た。
【0011】次に、4芯のカッド撚線芯4の上に0.2mm
の厚みを持つ絶縁テ−プで押え巻きを施して押さえ絶縁
層5を構成し、その上にアルミペットテープを巻くこと
によって電磁シールド層6を形成した。このようにして
シ−ルド層6とカッド撚線芯4との間に押さえ絶縁層5
によって間隔を設けた。このようにして製造された導体
間距離を変えた電気通信ケーブルの実験例1〜11の1
1種類を表1に示すよう製造し、導体間距離がケ−ブル
の伝送特性に影響を及ぼすか否かを調査した。具体的に
は、各サンプルをそれぞれ長さ20mについて周波数1M
Hzから1GHzの範囲で減衰量を測定した。この際、ケ−ブ
ルの特性インピ−ダンスの外径による変化を無視した。
その測定結果の主要なものを図8〜10に示す。
【0012】
【表1】
【0013】この結果、絶縁外径が大きく導体間距離が
大きい実験例1のサンプルは100MHz以上の周波数帯域で
減衰量の変動が大きかった。導体間距離を小さくした実
験例5では、変動が改善されたものの700MHz以上の帯域
でやや変動が認められた。更に絶縁外径を小さくした実
験例7では周波数変動が認められなくなった。(ここで
変動としているのは短い周期で起こっている小さい変動
では無く、図に矢印で示した大きな変動のことであ
る。)
【0014】100MHz以上の減衰量特性に実験例1のよう
に変動が認められるものは×とし、実験例5のようにや
や変動が認められるものは△、実験例7のように変動が
認められないものは○としてそれぞれを判定すると、表
2に示す結果となった。これにより、導体間隔Dが小さ
くなると変動が無くなっていくことが確認された。ここ
で、表2においてD/rの値を示したのは、平衡ケ−ブル
の高周波帯域での変動の要因であるインダクタンスと静
電容量は、D/rの関数として表せるので変動が起こるケ
−ブル構造上の指標として有効と考えたからである。こ
れによるとD/r<9であれば変動が認められなくなる。
【0015】
【表2】
【0016】以上の検討の妥当性を確かめるために、導
体径を変えた確認サンプルを5種類(確認例1〜5)製
造して周波数1MHzから1GHzまでの減衰量特性を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0017】
【表3】
【0018】確認例1は、露悪実験である。先に、絶縁
線芯の絶縁体厚が大きい場合のカッド撚線芯の例は実験
例1で示したが、ここでは、導体径および絶縁外径を小
さくした絶縁線芯を用い、導体半径と変わらない程度の
絶縁体厚で被覆した絶縁線芯を用いて、導体間隔Dと導
体半径rとの関係がD/r>9になるような太い中心介在
を介在させたサンプルを製造し、実験した。
【0019】具体的には、図11および表3に示したよ
うに1.5mmφのポリエチレン介在紐の周りに絶縁線芯0.8
0mmを4芯と0.8mmのポリエチレン介在紐4本を交互に配
列して集合撚りし、各絶縁線芯がケ−ブル断面の中心点
から等しい距離にあり中心点からみた位置が互いに90度
づつずれた構造のカッドケ−ブルとした。こうすること
で、介在紐中心に対して 点対称に位置する絶縁線芯間
の導体間隔は、(1.5+0.80)mmとなり、D/r=2・(1.5+
0.80)/0.48=9.58>9となる。
【0020】確認例2、3、4、は、シ−ルド層無しの
カッド撚り構造のケ−ブルであり、シ−ルド層が無い場
合であっても、D/r<9であれば100MHz以上の減衰量周
波数特性が変動しないことを確かめるための実験であ
る。
【0021】確認例2は、0.65mmの錫メッキ軟銅単線に
ポリエチレンを外径が1.25mmになるように被覆した絶縁
線芯をカッド撚したのち、PVCでジャッケットを施し
たサンプルである。
【0022】確認例3は、0.5mmの錫メッキ軟銅単線に
ポリエチレンを外径が0.94mmになるように被覆した絶縁
線芯をカッド撚したのち、同様にPVCでジャッケット
を施したサンプルである。
【0023】確認例4は、導体に単線ではなく撚線を使
用した例で、0.1mmの錫メッキ軟銅単線を7本撚合わせ
た導体にポリエチレンを外径が0.90mmになるように被覆
した絶縁線芯をカッド撚したのち、同様にPVCでジャ
ッケットを施したサンプルである。
【0024】確認例5は、比較例より絶縁外径が小さい
絶縁線芯でカッド撚した場合で、シ−ルド層を設けたタ
イプである。
【0025】以上の確認例をケーブル長が5mで評価し
た。その結果、表4に示すように、確認例1は減衰量周
波数特性に変動が有り、確認例2〜5は、変動が無いこ
とが確認できた。これより、導体径を変えた場合でもD
/r>9であれば周波数特性が変動し、D/r≦9であれば
変動しないことが確認された。
【0026】
【表4】
【0027】なお、D/r>9となる実験例1のサンプル
に、図12に示す1GbpsのNRZ信号のアイパターン
をランダムなパターンで伝送させたときのアイ・パタ−
ンをみると図13に示すとおりであり、アイパターンが
確認できなく、高速デ−タ伝送用として好ましくないこ
とが予想される。また、導体と導体間隔をD/r≧6.5に
設定したのは、導体と導体間隔をD/r<6.5となってい
る場合に、本発明のシ−ルド付きのカッドケ−ブルで15
0Ωとするにはカッド撚した絶縁線芯の回りにかなり厚
く絶縁層を施す必要があり実用的でないためである。以
上の結果から数式(1)の数値が特定された。
【0028】次に数式(2)の根拠について説明する。近
端漏話減衰量は、一般に0.5%以下にするのが好ましい。
このためカッド撚ピッチの長さを小さくすることで漏話
減衰量が低減できるかを、表5に示す構造のサンプルで
検討した。近端漏話の測定は、パルスジェネレ−タによ
ってカッド撚の対角に位置する絶縁線芯間に振幅180mV
の1GbpsのNRZ信号をランダムなパタ−ンで入力
し、近端側の残りの絶縁線芯間に漏話してくる信号をオ
シロスコ−プで検出した。実験例3の近端漏話の電圧を
図14に示す。漏話の評価は、図14に示された振幅の
大きさを測定して判断した。実験したケ−ブルの構造と
漏話電圧の評価結果も表5に示した。
【0029】
【表5】
【0030】漏話してくる信号電圧と実験したサンプル
のカッド撚ピッチの関係(p/D)をプロットすると図15
となる。このプロットについて3次の多項式近似を行う
と、近端漏話電圧:Vn=-48.843+13.848・(p/D)-1.121・
(p/D)2+0.030099(p/D)3と表せる。
【0031】目標値である近端漏話減衰量0.5%以下、
即ち23dB以下となるのは、入力電圧が180mVであるから2
3=−20・log(Vn/180)式からVn=12.75mV 以下となる。
上記多項式で12.75以下となるのは、P/Dが18以下の
時である。これにより、カッド撚ピッチPを P/D≦1
8の範囲で特定する必要があることがわかる。
【0032】また、下限値として7を設定したのは、7未
満にするとカッドの絶縁線芯が互いに押しつぶし合い、
星型カッドの形状を維持できなくなる。これが、数式
(2)の数値限定をした理由である。
【0033】ここで、本発明が目的としているのは、特
性インピ−ダンスの値が150±10(Ω)となるケ−ブルで
ある。以上のように導体外径と導体間距離との関係をD
/r<9に特定するとカッド撚りしたケ−ブルに直接シ−
ルドを施して10MHz以上の周波数帯域で150±10(Ω)の範
囲の特性インピ−ダンスを確保するには絶縁線芯に被覆
する絶縁材料として比誘電率が1.56以下の絶縁体を使用
する必要がある。この場合、絶縁体としてポリエチレン
を使用すると約60%以上の高発泡率が必要となる。
【0034】50%以上に発泡させたポリエチレンを被覆
した絶縁線芯は、側圧による潰れが生じやすく:上記に
数値限定した7≦ P/D≦18の範囲となるような撚ピ
ッチで絶縁体の潰れが無いようにカッド撚するのは困難
である。15から30%程度の発泡率のポリエチレンで被覆
した絶縁線芯であればカッド撚の際の側圧程度では潰れ
にくい。この程度の発泡絶縁線芯で6.5<D/r<9の範囲
を満足するようにカッド撚りして150±10(Ω)の特性イ
ンピ−ダンスとするには、シ−ルド層とカッド撚された
絶縁線芯表面との間にスペ−サを設ける必要がある。ス
ペ−サの厚さは、絶縁線芯の外径によって異なり、絶縁
線芯の外径が小さい場合は絶縁線芯の外径が大きい場合
よりも厚めにする必要がある。
【0035】ここで、以下の実験を行った。導体外径0.
65mmの錫メッキ軟銅単線の上に発泡率20%の発泡ポリエ
チレン材でその厚さを変えて絶縁外径の異なる11種類
の絶縁線芯をした。各々の外径の絶縁線芯をカッド撚り
し、シ−ルド層とカッド撚り表面との間に絶縁層として
ポリエチレンテ−プを重ね巻きし、10MHz以上の周波数
帯域でカッド撚りの対角に位置する絶縁線芯の導体間の
特性インピ−ダンスが150±5(Ω)になるようにし、その
ときのテ−プ巻きの厚さを測定した。導体外径0.50mmの
導体についても同様に11種類作成し、同様の測定を行
った。この結果を表6に示す。
【0036】
【表6】
【0037】かかる導体外径 0.65mm錫メッキ軟銅撚線
を使用した結果と導体外径0.50mm錫メッキ軟銅撚線を使
用した結果をD/rとT/D(D:カッド撚外径、d:導体外
径、T:押さえ巻き絶縁層と絶縁線芯を構成する絶縁体
の厚さ)との関係を各例についてプロットすると 図1
6に示す通りとなり、プロットは以下の近似式で表され
る。 T/D=1986.1−1380.8・(D/r)+399.4・(D/r)2−61.475
・(D/r)3+5.3079・(D/r)4−0.24368・(D/r)5+0.00465
・(D/r)6 これらの結果を請求項1及び2で特定した。
【0038】
【実施例】以下本発明を図1〜3にそれぞれ図示した実
施例により説明する。図は通信ケーブル全体を示す断面
図であり、1は導線、2はその上に被覆された絶縁体、
3は錫メッキ軟導線1と絶縁体2とで構成された絶縁線
芯、4は絶縁線芯3がカット撚りして構成されたカット
撚線芯、5はカット撚線芯4の上を覆うように巻き付け
られた押さえ絶縁層、6はその上に被覆された電磁シー
ルド層、7は電磁シールド層の上に被覆されたシース
層、8はカット撚りされた絶縁線芯の中心に配置された
介在紐である。
【0039】図1に示す実施例1の導線1は、直径0.65
mmの錫メッキ軟導線を用いた。絶縁体2は約50%発泡さ
せた高密度ポリエチレンで外径が2.0mmになるように被
覆して形成した。介在紐8は直径0.8mmのポリエチレン
製のものを用い、その周りに前記したように形成した絶
縁線芯3の4本を星型カッド状に撚合わせて集合撚し
た。集合撚ピッチは40mmとした。
【0040】押さえ絶縁層5は、前記集合撚りされたカ
ット撚線芯4の外側に、15mm幅0.22mm厚の不織布をテ−
プ幅の1/3がラップするように巻くことにより形成し
た。電磁シールド層6はアルミニウムとポリエステルを
ラミネ−トしたテ−プをアルミウムの面が外側になるよ
うにラップ巻きし、その上に直径0.1mmの錫メッキ軟導
線で編組したものを被覆することにより形成した。シー
ス層7は0.6mm厚のPVCをパイプ状に被覆することにより
構成した。
【0041】図2に示す実施例2の絶縁線芯3は、直径
0.65mmの錫メッキ軟導線に約20%発泡させた高密度ポリ
エチレンで外径が2.0mmになるように被覆することによ
り構成した。この絶縁線芯3の4本を前記と同じ介在紐
8の周りに星型カッド状に撚合わせて集合撚し、カッド
を構成した。集合撚ピッチは40mmとした。集合撚したカ
ット撚線芯4の外側に15mm幅0.41mm厚の不織布をテ−プ
幅の1/3がラップするように巻いて押さえ巻きによる押
さえ絶縁層5を構成した。電磁シ−ルド層6およびシー
ス層7の形成方法は上記と同様である。
【0042】実施例3は、直径0.65mmの錫メッキ軟導線
による導体1の上に約20%発泡させた高密度ポリエチレ
ンで外径が1.6mmになるように被覆して絶縁線芯3を構
成した。同様に直径0.8mmのポリエチレン製の介在紐8
の周りに前記したように形成した絶縁線芯4本を星型カ
ッド状に撚合わせて集合撚した。このときのカッド撚ピ
ッチは20mmとした。カット撚線芯4の外側に0.41mm厚の
不織布をラップ巻きし、この例ではさらにその上に0.41
mm厚の不織布をラップ巻きし、押さえ絶縁層5を2重に
構成した。電磁シ−ルド層6とシース層7は先の2つの
実施例と同様に形成した。
【0043】上記3つの実施例は、2.0mmおよび1.6mmの
絶縁線芯3がカッド状に配列されるから導体間隔Dは、
2.0×√2=2.83mm、1.6×√2=2.26mmとなり、導体径dが
0.65mmであるからそれぞれD/rは、実施例1・2で8.71
また実施例3で6.95であり、ともに9以下の条件を満足
する。カッド撚ピッチPについてもP/Dの値は、それぞ
れ実施例1・2で14.83、実施例3で8.85となり、とも
に18以下の条件を満足している。
【0044】また、押え巻き厚さについて発泡率が小さ
い実施例2および3において、実施例2は、0.41mm厚さ
の不織布をテ−プ幅の1/4がラップするようにしている
ので、厚さは等価的に0.55mmとなり、また実施例3は2
重に巻いているので1.1mmの厚さで押え巻きしたことに
なる。よって、実施例2はD/r=2.83×2/0.65=8.7
1、T/D=0.55/2.83=0.19、実施例3は、D/r=2.2
6×2/0.65=6.95、T/D=1.1/2.26=0.49でいずれ
も以下の回帰式に従って厚さが調整されている。 T/D=1986.1−1380.8・(D/r)+399.4・(D/r)2−61.475
・(D/rd)3+5.3079・(D/r)4−0.24368・(D/r)5+0.0046
5・(D/r)6 これら実施例による電気通信ケ−ブルは、押さえ絶縁層
5を、必要に応じて設けられる介在紐を介して4本の絶
縁線芯3が星形カッド状に撚合わせた上に、熱可塑性樹
脂をパイプ状に押し出し成形するなどの手段を用いて形
成することもできる。
【0045】かかる実施例1〜3の特性インピーダンス
及び近端漏話の測定値は表7に示す通りであった。また
各実施例の減衰量ー周波数特性はそれぞれ図14〜16
に示す通りであった(長さ20mで測定)。このことか
ら、かかる実施例1〜3は、いづれも100MHz以上1GHzの
周波数帯域で特性インピーダンスが150±10(Ω)の範囲
内であり、近端漏話は12.75mV 以下となっていることが
確認できた。また減衰量の周波数特性についても100MHz
以上の周波数帯域において変動が無く良好であった。ケ
ーブル外径については、いづれも約8mm となり、実際の
配線上で特に問題とならない値である。
【0046】
【表7】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように導体半径
r、導体間距離D、集合撚ピッチp、集合撚とシ−ルドま
での距離Tの関係を上記のように数値限定することで、1
00MHz以上の周波数帯域で安定して伝送できる特性イン
ピ−ダンス150±10(Ω)のカッド型の電気通信ケ−ブル
を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における減衰量ー周波数
特性図である。
【図5】本発明の第2の実施例における減衰量ー周波数
特性図である。
【図6】本発明の第3の実施例における減衰量ー周波数
特性図である。
【図7】本発明を発明するために行った実験例の断面図
である。
【図8】実験例1の減衰量ー周波数特性図である。
【図9】実験例5の減衰量ー周波数特性図である。
【図10】実験例7の減衰量ー周波数特性図である。
【図11】本発明の効果を確認するために行った確認例
の断面図である。
【図12】測定時におけるアイパターン入力波形図であ
る。
【図13】実験例1のアイパターンである。
【図14】実験例3の近端漏話波形図である。
【図15】実験例における近端漏話とP/Dとの関係を
示す特性図である。
【図16】実験例における2D/dとT/dとの関係を
示す特性図である。
【符号の説明】
1は導体、 2は絶縁体、 3は絶縁線芯 4はカット撚線芯、 5は押さえ絶縁層、 6は電磁シールド層、 7はシース層、 8は介在紐 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正浩 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外径が等しい4本の絶縁線芯を星形カッ
    ド状に撚り合わせ、その外側に押さえ絶縁層を被覆し、
    その外側に電磁シ−ルド層を形成し、その外側に熱可塑
    性樹脂製シース層を施し、100Mbps以上の高速デ−タ伝
    送に使用される電気通信ケ−ブルにおいて、絶縁線芯に
    使用される導体の半径rとケ−ブルの中心に対して点対
    称に配置された2本の絶縁線芯の導体間の特性インピ−
    ダンスが10MHZ以上の周波数帯域で150±10
    (Ω)でかつ、前記点対称に配置された2本の絶縁線芯の
    導体間距離Dおよびカッドの撚ピッチPが 6.5≦D/r≦9 (1) 7≦P/D≦18 (2) であることを特徴とする通信ケ−ブル。
  2. 【請求項2】 前記絶縁線芯の絶縁体の誘電率が1.75か
    ら2の範囲内であり、かつ前記押さえ絶縁層と絶縁線芯
    を構成する絶縁体との総厚さT、導体間隔D、導体半径
    rの関係が、 T/D=1986.1−1380.8・(D/r)+399.4・(D/r)2−61.475
    ・(D/r)3+5.3079・(D/r)4−0.24368・(D/r)5+0.00465
    ・(D/r)6 の回帰式を満足する請求項1記載の電気通信ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記各絶縁線芯の間に比誘電率が2.3 以
    下の介在を介在させたことを特徴とする請求項1記載の
    電気通信ケーブル。
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