JPH11143762A - データ処理装置 - Google Patents

データ処理装置

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JPH11143762A
JPH11143762A JP9310336A JP31033697A JPH11143762A JP H11143762 A JPH11143762 A JP H11143762A JP 9310336 A JP9310336 A JP 9310336A JP 31033697 A JP31033697 A JP 31033697A JP H11143762 A JPH11143762 A JP H11143762A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多次元データベースの生成を効率的に行う。 【解決手段】 明細データ及び多次元データベース(M
DDB)14における次元の階層構造を定義した付加情
報に基づきMDDB14を生成するDBMS11と、明
細データベース13への明細データの追加又は参照のみ
をデータ操作手続きとして提供して明細データの変更を
許可しない明細データベース管理部12とを有し、明細
データの追加の手続きを、付加情報の内容の修正を要す
る新規追加と修正を要しない単純追加とに分けて認識す
るデータ処理装置10において、MDDB16の生成処
理中に単純追加が発生したときにはそのまま生成処理
(明細データの参照処理)を実行し、新規追加が発生し
たときにはその生成処理を中断する。新規追加及び付加
情報更新処理終了後に更新後の付加情報に基づきMDD
B17の生成処理を再開し、MDDB16とMDDB1
7とを結合することによって目的とするMDDB14を
生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明細データに基づ
き多次元データベースを生成するデータ処理装置、特に
明細データベースへのデータの追加又は参照のみをデー
タ操作手続きとして提供してデータの変更を許可しない
データ処理装置における多次元データベース生成処理の
効率化に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、登録済の元データについては
追加又は参照だけをデータ操作手続きとして提供し、元
データの変更を許可しない明細データベースにデータを
蓄積して、この明細データベースの内容に基づいて多次
元データベースを生成するよう構成されたデータ処理装
置やデータ処理機能を有する計算機システムが普及して
きている。図10は、このようなデータ処理装置の元デ
ータとなる明細データを記憶した明細データベースの内
容例を示した図である。従来の関係データベースなどと
異なり、明細データベースには、各製品の販売実績であ
る明細データなど明細書や伝票レベルの細かい情報が直
接蓄積される。このようにすると、例えば小売店では売
上データを加工せずにそのまま明細データベースに入力
することができるので、売上データの入力漏れや関係デ
ータベースにデータを入力する際に発生するデータの切
り捨てなどをなくすことができる。また、この明細デー
タベースの明細データそのものとこの明細データに基づ
き多次元集計処理を行うことで得た集計データとを多次
元データベース(以下「MDDB」)に蓄積すれば、地
区別や製品別の売上集計表を容易に作成することができ
る。このように、MDDBをいったん生成してしまえ
ば、柔軟でかつ多角的なデータ分析を高速に行うことが
できる。
【0003】図11は、従来のデータ処理装置の概念図
である。従来、盛んに用いられていた関係データベース
1や明細データベース2などからデータをMDDB3に
ロードする場合、専用の変換ソフトウェア4を用いてM
DDB3にデータをロードするためのデータの中間ファ
イル5及び多次元データベースを構成するための付加情
報の定義ファイル6を生成している。このようなMDD
B3を実現した製品に日本オラクル社のOracle
Personal Expressなどがある。ここで
は、このOracle Personal Expre
ssに基づくMDDBを例にして説明する。
【0004】図12は、ある会社で販売している製品の
日本国内における地区毎の売上高を表形式で示した図で
あり、縦軸方向に製品販売地区を、横軸方向に販売時期
をそれぞれ示している。図12において、「売上高」の
データを表すのは、表の中味の数字である。これに対し
て、「JAN96」や「東京」は、各売上高の表におけ
る位置を示す情報である。ここでは両者を区別するため
に、「売上高」のような表の中味に相当する情報を「デ
ータの値」と呼び、「JAN96」や「東京」など表の
各座標軸上の情報を「次元の値」と呼ぶことにする。な
お、図13は、図12のMDDBを構成する製品販売地
区の次元のうち「東京」を含む次元までの構造を示した
図である。
【0005】図14は、図12に示した地区毎の売上高
表を地方毎に集計したときの図である。これは、図13
に示す次元の構造において「東京」等を含む階層から1
つ上のレベルの「関東」等を含む階層に集計単位を切り
替えたものと考えることができる。このように、次元の
要素を階層構造の1つ上のレベルで集計するような操作
は、MDDBにおいては一般に「ロールアップ」と呼
ぶ。一方、図15は、図14に示した地方毎の売上高表
において関東地方だけを下位階層まで詳しく表示した図
である。このように、次元の要素を階層構造の1つ下の
レベルで詳しく表示するような操作は、MDDBにおい
ては一般に「ドリル・ダウン」と呼ぶ。
【0006】ところで、図12,14,15では、地方
又は地区別に各種製品の合計の売上高を示しているが、
これに対して製品毎に売上を分析するために集計単位を
製品毎に切り替えることができる。この表示の状態を図
16に示す。図16では、「洗濯機」を選択してその売
上高を表示した場合を例示している。この例において
は、表の縦軸方向を製品販売地区、表の横軸方向を販売
時期とすると、製品の種類を示す次元の軸は、表の垂直
方向にあると仮想的に考えることができる。そして、垂
直方向にある製品毎の売上データの中から「洗濯機」が
選択されたということができる。
【0007】上記各図における売上高表を表示するため
の一連の操作は、販売地域、販売時期、製品の種類の3
次元からなるデータベースを操作しているとみなすこと
ができる。なお、図17は、図12等のMDDBを構成
する次元のうち「製品の種類」の次元の軸の階層構造を
示した図である。
【0008】図18は、図12における販売地区(縦軸
方向)と製品の種類(垂直方向)とを入れ替えて売上高
を示した図である。MDDBでは、この他にも必要に応
じて表やグラフに表示する次元の数を、元データの許す
範囲で増減したりする操作を提供している。これらの操
作は、一般的に「次元に対する操作」とみなすことがで
きる。
【0009】MDDBは、上述した「ロールアップ」、
「ドリル・ダウン」、「次元に対する操作」などを基本
操作としたデータの多角的かつ柔軟な分析ツールに対応
可能である。従来からある代表的なデータベースである
関係データベース(RDB)で同じような処理を実現し
ようとすると、RDBがサポートするデータ問合せ言語
であるSQLの“group by”文や結合演算“join”など
計算量の多い命令を含む複雑なプログラムを作成する必
要があった。これに対し、MDDBは、データの内部表
現やデータベースマネジメントシステム(DBMS)が
提供するデータ参照機能に適した実現方式になっている
ので、MDDBをいったん生成してしまえば、データ操
作の容易さや効率の点でRDBなど既存のデータベース
より優れている。
【0010】また、MDDBは、「ロールアップ」、
「ドリル・ダウン」、「次元に対する操作」を実現する
ために、図13や図17のような次元の階層構造の情報
を予め用意しておく必要がある。この次元の階層構造の
情報をここではMDDBを構成するための付加情報と呼
ぶことにする。図19に多次元データベースを構成する
ための付加情報の定義の例を示す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、MDDBを構成するための付加情報の変更
は、MDDB生成処理とは独立に行われていたため、M
DDB生成処理中に付加情報を変更する必要が生じた場
合、MDDB生成処理をいったん中止し、付加情報の更
新を行った後、MDDB生成処理を初めからやり直して
いた。これは、MDDB生成処理を行う従来のデータ処
理装置が付加情報の更新とMDDBの生成処理とを並列
に実行できるように設計されていないためである。な
お、MDDBの生成は、付加情報に基づき行われること
は前述したとおりである。このため、MDDBを利用し
た計算機システムでは、実運用上次のような課題が生じ
ていた。
【0012】第一に、例えば上記において図示した売上
票を表示するデータ処理装置において製品の売上分析を
行うためにMDDBを毎月生成する場合を考える。ある
日、新製品が発売になると、図13に示した付加情報の
修正が必要になる。MDDBの生成処理は、発売日以
降、この修正後の付加情報を用いることになるが、通常
は発売日に付加情報の修正処理を行うため、この修正処
理の終了を待ってからでしか明細データベースへのデー
タの追加とMDDBの生成処理を行うことができなかっ
た。その分、MDDBの生成処理の開始が遅れてしまっ
ていた。
【0013】第二に、明細データベースからMDDBを
生成する処理には、通常多くの時間を要するため、その
生成処理開始後に付加情報の修正をしようとすると、途
中まで集計した結果を全て破棄して初めから生成処理を
やり直さなくてはならなかった。
【0014】MDDB生成処理は、例えば夜間にバッチ
処理で集計を行い、翌日その集計結果に基づきデータ分
析を行うというように、一般にデータの新しさが非常に
重要であるが、従来のデータ処理装置では、付加情報の
更新に柔軟に対応しうる機能を提供していなかったた
め、MDDBの生成を大幅に遅らせてしまうことになっ
ていた。前述の製品の売上分析を行う例でいうと、新製
品の付加情報への追加を待ってMDDB生成処理を開始
していたのでは、翌日の製品発注に間に合わないなどの
支障をきたすおそれがあった。
【0015】仮に、このような装置において付加情報の
更新処理とMDDBの生成処理とを強制的に同時並行し
て実行するとMDDBの内容の一貫性が失われてしまう
おそれがあった。従来技術においてMDDBの内容の一
貫性を保つために、例えば特開平9−62550号公報
には、トランザクションと呼ばれるデータの更新又は参
照の処理の単位を基本とし、トランザクション毎に処理
を排他制御するオンライントランザクションシステムが
開示されており、このシステムによれば、データの更新
と参照の処理の並列性を高めてデータ処理効率を高める
ことができる。しかし、トランザクション単位でのデー
タ更新・参照処理の並列化では、MDDB生成のように
大量のデータを連続的に長時間参照する処理には、頻繁
なデータ更新の発生を前提とするトランザクションは処
理単位としては細分化しすぎであり、また、MDDB生
成処理ではほとんど使用しないレコード単位の排他制御
機構やジャーナル保存機構などの実現にオーバーヘッド
がかかりすぎるため、本発明の対象とする明細データベ
ースを用いたデータ処理装置にそのまま適用できない
か、適用したとしてもデータ処理装置の高速化を実現で
きるとは限らない。
【0016】本発明は以上のような問題を解決するため
になされたものであり、その目的は、多次元データベー
スの生成を効率的に行うことのできるデータ処理装置を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、第1の発明に係るデータ処理装置は、多次
元データベース生成の元データとなる明細データを記憶
する明細データベースと、受け付けた前記明細データベ
ースへの処理要求に対して前記明細データベースへの明
細データの追加又は参照のみをデータ操作手続きとして
提供して明細データの変更を許可しないデータ管理手段
と、前記多次元データベースにおける次元の階層構造を
定義した付加情報を管理する付加情報管理手段と、前記
データ管理手段から取得した明細データ及び前記付加情
報管理手段から取得した付加情報に基づいて多次元デー
タベースを生成する多次元データベース管理手段とを有
し、前記データ管理手段は、前記明細データベースへの
明細データの追加の手続きを付加情報の内容の修正を要
する新規追加と修正を要しない単純追加とに分けて認識
し、受け付けた前記明細データベースへの処理要求に対
して提供する追加の手続きが単純追加の場合は、当該単
純追加を実行中の明細データの参照処理と並行して実施
し、当該処理要求に対して提供する追加の手続きが新規
追加の場合は、当該新規追加を実行中の明細データの参
照処理を中止してから実施するものである。
【0018】第2の発明に係るデータ処理装置は、第1
の発明において、前記多次元データベース管理手段は、
多次元データベースの生成処理実行中に前記データ管理
手段に新規追加の手続きが発生したことを検出するとそ
の実行中の生成処理を中断し、前記データ管理手段にお
ける新規追加と前記付加情報管理手段における付加情報
の更新との双方の処理の終了を確認した後に中断した多
次元データベース生成処理を再開することによって更新
後の付加情報に基づき多次元データベースを新たに生成
し、中断前に生成した多次元データベースと中断後に生
成した多次元データベースとを結合することによって多
次元データベースを生成するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施の形態について説明する。
【0020】実施の形態1.図1は、本発明に係るデー
タ処理装置の実施の形態1を示したブロック構成図であ
る。本実施の形態におけるデータ処理装置10は、デー
タ処理を行う計算機システムに搭載されており、ユーザ
やアプリケーションプログラムからの要求に応じてデー
タベースのアクセス、管理を行うデータベースマネージ
メントシステム(以下、「DBMS」)11及び明細デ
ータベース管理部12を有している。DBMS11は、
ユーザプログラムからのデータ処理装置に対する問合せ
(明細データベース13への明細データの追加、明細デ
ータの参照、多次元データベース(MDDB)の生成)
を受け付け、その問合せの内容に応じて明細データベー
ス管理部12に対して要求を発行する。また、DBMS
11は、多次元データベース管理手段としても機能し、
明細データベース管理部12から取得した明細データ及
び付加情報に基づいてMDDB14を生成する。明細デ
ータベース管理部12は、受け付けた明細データベース
13への処理要求に対して明細データベース13への明
細データの追加又は参照のみをデータ操作手続きとして
提供して明細データの変更を許可しないデータ管理手段
として、更にMDDB14における次元の階層構造を定
義した付加情報を管理する付加情報管理手段として設け
られている。明細データベース管理部12は、付加情報
を付加情報保持部15に保存して管理している。明細デ
ータベース13は、MDDB14の生成の元データとな
る明細データを記憶しているが、その内部構成は従来例
で示した図10と同じもので実現することができる。付
加情報保持部15に保存された付加情報の構造も従来例
で示した図13及び図17と同じような概念で表現する
ことができる。
【0021】本実施の形態では、以上のように構成して
いるが、付加情報管理手段をDBMS11に組み込み付
加情報の管理をDBMS11にさせるようにしてもよい
し、付加情報管理手段を独立して構成するようにしても
よい。また、本実施の形態では、DBMS11と明細デ
ータベース管理部12とを別構成としたが、共にデータ
ベースを管理する手段であるので明細データベース管理
部12をDBMS11に組み込むように構成してもよ
い。これは、データ処理装置を実現する方針に基づき構
成を決定すればよい。
【0022】本実施の形態におけるデータ処理装置は、
登録済の明細データについては追加又は参照だけをデー
タ操作手続きとして提供し、登録済みの明細データの変
更を許可しない装置であって、明細データを蓄積した明
細データベース13の内容に基づいてDMMB14を生
成するように構成されている。
【0023】本実施の形態において特徴的なことは、デ
ータ操作手続きとして提供している明細データの追加の
手続きを、付加情報の内容の修正を要する新規追加と修
正を要しない単純追加とに分類し、新規追加と単純追加
の種別によってそれぞれに適切な処理を行えるようにし
たことである。これにより、MDDB14の生成処理と
明細データの単純追加の処理については同時並行して実
行することができる。
【0024】次に、本実施の形態におけるMDDB14
の生成処理について図2及び図3に示したフローチャー
トを用いて説明する。
【0025】図2は、DBMS11における処理を示し
たフローチャートであるが、図2においてDBMS11
は、ユーザ等からMDDB14の生成要求を受け付ける
と、MDDB14の生成のための参照要求を明細データ
ベース管理部12に発行する(ステップ101)。この
参照要求は、図13及び図17に示した付加情報に基づ
きMDDB14の各次元の階層の要素毎に明細データを
集計して図12等に示した売上高を表示できるようにす
るために明細データベース13から図10に示したよう
な明細データを取得するための参照要求処理の集合であ
る。すなわち、取得したい明細データが明細データベー
ス13に必ずしも連続した格納場所に格納されていると
は限らないので、通常はユーザ等からのMDDB生成要
求に対応した1つの参照要求に対して複数に分割された
明細データベース管理部12への参照要求が発生するこ
とになる。なお、この分割とは別に、明細データベース
管理部12の都合で中断される可能性があるのでこの参
照要求処理自身を独立して実行可能な処理の単位に予め
分割しておくことが望ましい。この分割は、ユーザが明
示的に実施してもよいし、DBMS11が自動的に実施
してもよい。
【0026】DBMS11は、ユーザからのMDDB生
成要求に基づく分割された参照要求が途中で中断されず
に完了したかを確認する(ステップ102)。中断の有
無は、参照要求毎に明細データベース管理部12に応答
メッセージを出させるようにすることで判断することが
できる。もし、参照要求が中断された場合には、その中
断された参照要求に対する参照処理を明細データベース
管理部12に再度実行させるために参照要求を再送する
(ステップ103)。また、中断されなかった場合は分
割された一連の参照要求のうちの最後であるかどうかを
確認して、最後でなければ次の参照要求を発行する(ス
テップ104,105)。最後であれば、ユーザ等から
のMDDB生成要求に対する参照要求が終了したことに
なる。最後の参照要求がどうかの判定は、分割した方法
によって様々な方法で判定できる。例えば、1月間の明
細データを取得するために1週間毎に分割したのであれ
ば、販売時期の値を比較することによって判定すること
ができる。そして、参照要求に応じて明細データベース
管理部12から明細データを全て取得した後に付加情報
に基づいて多次元集計処理を行いMDDB14を完成さ
せる(ステップ106)。なお、最後のまとめて集計処
理を行わなくても明細データを分割した各参照要求に応
じて受け取る度に逐次集計処理を行うようにしてもよ
い。
【0027】なお、DBMS11がユーザ等から新規追
加、単純追加の要求を受け取った場合は、明細データベ
ース管理部12にその要求を直接送るようにすればよ
い。
【0028】次に、DBMS11からの要求を受け取っ
た明細データベース管理部12における処理について図
3に示したフローチャートを用いて説明する。
【0029】まず、明細データベース管理部12は、D
BMS11からの処理要求が明細データベース13に対
する参照、単純追加若しくは新規追加であるかを判定す
る(ステップ111)。判定した結果、処理要求が新規
追加のとき、実行中のデータの参照処理があった場合、
その参照処理を中断する(ステップ112)。なお、こ
の参照処理は、前述したDBMS11が発行する参照要
求に応じて実行される処理である。そして、明細データ
ベース13をロックした後(ステップ113)、追加処
理すなわち明細データの書込みを行い(ステップ11
4)、書込み終了後にアンロックする(ステップ11
5)。このロック処理は、図3に示した処理が同時並行
して行われることを想定しているため、同時並行して行
われる手続きが同じ追加の場合に発生しうるデータ破壊
を防止するために行っている。通常のデータベースシス
テムは、このようなロック機構を有しているのでフロー
チャートにあえて図示する必要はないが確認的に示すこ
とにした。また、新規追加手続きは、付加情報の内容の
修正を要するが、明細データベース管理部12は、明細
データベース13へのデータ書込みと並行して付加情報
の更新処理を行う(ステップ116)。
【0030】また、処理要求が単純追加のときには実行
中のデータの参照処理を中断することなく明細データベ
ース13をロックした後(ステップ117)、明細デー
タの書込みを行い(ステップ118)、書込み終了後に
アンロックする(ステップ119)。
【0031】また、処理要求が参照のとき、実行中の新
規追加処理又は付加情報の更新処理の有無を確認し(ス
テップ120)、これらの処理が実行中でない場合は参
照処理を実行し(ステップ121)、いずれかの処理が
実行中の場合は参照処理を実行しない(ステップ12
2)。なお、実行しないことは、DBMS11からして
みれば中断された場合と同様に扱う。
【0032】このように、本実施の形態におけるデータ
処理装置10は、明細データベース13への単純追加の
場合は、明細データベース13の参照を伴うMDDB1
4の生成作業と同時並行して実施する。明細データベー
ス13に格納される明細データは、1つの次元の値とな
る時間の軸に沿って蓄積されていくものであるから、い
ったん蓄積されたら変更されない明細データを時間とい
う軸に沿って参照する限りは、単純追加前の明細データ
の参照結果に基づく多次元集計処理による集計結果に単
純追加後の明細データに基づく集計結果を後から加えた
としても何ら問題は生じないはずである。そこで、本実
施の形態では、MDDB14の生成作業中に単純追加が
発生した場合、あるいは明細データの単純追加の実施中
にMDDB14の生成要求をユーザ等から受け付けた場
合でもその生成作業に基づく明細データの参照処理を中
断させずに単純追加と並行して実施するようにした。
【0033】本実施の形態によれば、明細データベース
13への明細データの追加の手続きを付加情報の内容の
修正を要する新規追加と修正を要しない単純追加とに分
類して扱うようにしたので、明細データベース13への
明細データの単純追加とMDDB14の生成処理とを同
時並行して行うことができる。
【0034】実施の形態2.上記実施の形態1では、M
DDBの生成処理の途中で明細データベースへの新規追
加が発生した場合、その生成処理を中断していたが、本
実施の形態では、中断した生成処理を再開させてMDD
Bを効率的に完成させるようにした。図4は、本発明に
係るデータ処理装置の実施の形態2を示したブロック構
成図であるが、基本的構成は実施の形態1と同じであ
る。本実施の形態においては、図4に示したように中断
前までに生成したMDDB16を有効利用してそのMD
DB16と中断後に生成したMDDB17とを結合する
ことによってユーザ等が要求したMDDB14を完成さ
せるようにしたことを特徴としている。これにより、M
DDB14の生成を初めからやり直す必要がなくなるた
め、MDDB生成処理全体の効率を向上することができ
る。
【0035】次に、本実施の形態におけるMDDB14
の生成処理について図5に示したフローチャートを用い
て説明する。なお、実施の形態1と同じ処理には同じ符
号を付ける。
【0036】図5は、DBMS11における処理を示し
たフローチャートであるが、図5においてDBMS11
は、ユーザ等からMDDB14の生成要求を受け付ける
と、MDDB14の生成のための参照要求を明細データ
ベース管理部12に発行する(ステップ101)。DB
MS11は、ユーザからのMDDB生成要求に基づく分
割された参照要求が途中で中断されずに完了したかを確
認する(ステップ102)。もし、中断がされなけれ
ば、実施の形態1と同様に目的とするMDDB14を、
本実施の形態において特徴的な結合処理を行うことなく
生成することができる(ステップ104〜106)。一
方、参照要求が中断された場合、すなわち新規追加が発
生した場合、本実施の形態では、中断前に取得した明細
データ及び付加情報に基づきMDDB16を生成するこ
とになる(ステップ201)。なお、このときに使用さ
れる付加情報は、新規追加に伴い更新される前の情報で
ある。その後、その中断された参照要求に対する参照処
理を明細データベース管理部12に再度実行させるため
に参照要求を再送する(ステップ103)。
【0037】DBMS11からの要求を受け取った明細
データベース管理部12における処理は、図3を用いて
説明した実施の形態1と同じなので説明を省略する。
【0038】DBMS11は、ステップ103における
参照要求の再送後、その参照要求が中断されなかった場
合は分割された一連の参照要求のうちの最後であるかど
うかを確認して、最後でなければ次の参照要求を発行す
る(ステップ104,105)。最後であれば、ユーザ
等からのMDDB生成要求に対する参照要求が終了した
ことになる。
【0039】ところで、参照要求の中断後のステップ1
03における再送による参照要求が中断されずに終了す
るということは、明細データベース管理部12における
新規追加と付加情報の更新との双方の処理が終了したと
いうことである。すなわち、DBMS11は、その双方
の処理が終了するまで再送処理(ステップ103)を繰
り返し行い、その双方の処理の終了を確認した後に中断
したMDDB14の生成処理を再開することになる(ス
テップ102,104,105)。
【0040】ステップ104において、発行した参照要
求が最後のものであれば、この時点でDBMS11は、
MDDB17を生成することになるが(ステップ10
6)、参照要求の再送後においては、中断後に明細デー
タベース管理部12から取得した明細データと中断時に
更新された付加情報に基づきMDDB17を生成するこ
とになる。
【0041】そして、DBMS11は、MDDBが複数
生成されたかどうかを調べ、複数生成されている場合に
はそれらのMDDB16,17を結合することによって
目的とするMDDB14を生成する(ステップ202,
203)。ここで、本実施の形態において行う結合処理
の原理について説明する。
【0042】結合処理において用いる付加情報は、更新
後の付加情報を用いる。図6は、本実施の形態において
MDDB14を構成する更新後の製品販売地区の次元の
構造を示した図である。この図によると、図13を更新
前の付加情報とした場合、「福岡」が新たに付加情報と
して追加されたことになる。
【0043】DBMSは、MDDB14の生成のための
多次元集計処理を開始するに先立ち、記憶装置上に図7
に示したような仮想的な多次元空間の箱を用意する。こ
のとき、DBMS11は、付加情報の構造を下位から上
位にたどることで、新規追加後のMDDBにおいて新規
追加の影響を受けない部分の記憶装置上での位置を知る
ことができる。図7の例では、「東京」から「熊本」ま
での集計値は、MDDB16とMDDB17の結合時に
おいてそれぞれ対応する位置の値(A1〜A11、A
1’〜A11’)を単純に加算(A1+A1’〜A11
+A11’)すればよい。本実施の形態におけるデータ
処理装置は、中断後のMDDB17のための多次元空間
の箱を記憶装置上に確保する際、このような新規追加の
影響を受けないデータの記憶領域のリストを生成するこ
とができる。このようなリストを例えばハッシングなど
により高速アクセスを可能にしておけば、新規追加発生
の度に明細データベース13を参照し直す必要がなく、
再計算の必要な項目(図7においてはD1とD2)だけ
を計算し直せばよい。このため、本実施の形態では、新
規追加が発生した場合でもMDDB14の生成処理の高
速化を実現することができる。
【0044】以上のように、本実施の形態によれば、M
DDB14の生成処理中に明細データベース13への新
規追加が発生した場合でも、新規追加に伴う生成処理中
断前までに取得した明細データに基づきMDDB16を
生成、保持するようにしたので、MDDB14の生成処
理を初めからやり直す必要がない。このため、MDDB
14の生成処理全体における処理効率を向上させること
ができる。
【0045】図8は、本実施の形態におけるMDDB1
4の生成処理のタイムチャートを示した図である。図8
に示したように、本実施の形態においては、明細データ
ベース13への単純追加とMDDB16の生成処理(集
計処理)を同時並行して行うことができる。一方、明細
データベース13への新規追加が発生した場合には、M
DDB16の生成処理を中断して新規追加処理を実行す
る。このとき、付加情報の更新処理も並行して行う。そ
して、新規追加処理と付加情報更新処理の双方が終了し
た時点でMDDB17の生成処理を再開して、中断後に
おける生成処理が終了した時点で上記処理で生成したM
DDB16とMDDB17とを結合して目的とするMD
DB14を生成することになる。
【0046】ところで、本実施の形態において、付加情
報の更新は、例えばユーザが予め用意した新たな付加情
報で置換するようにしてもよいし、ユーザに対話的に新
しい付加情報を入力させるグラフィカル・ユーザ・イン
タフェース(GUI)を提供するようにしてもよい。あ
るいは、要素名の変更などのように階層構造を変更しな
いような場合には変更対象となる要素名を指定させるな
どしてしてもよい。あるいは、新たな要素を追加する場
合などは、付加情報の差分情報のみを入力するようにし
てもよい。この差分情報に相当する部分をプログラムの
実行によって追加する場合の簡易プログラミング言語の
例を図9に示す。このように差分情報のみを扱うように
すれば、付加情報の更新情報として残すことができる。
【0047】また、本実施の形態では、追加の分類すな
わち新規追加若しくは単純追加の識別方法については特
に明示していなかったが、この識別も様々な方法が考え
られる。例えば、付加情報の更新情報の有無や指定内容
を参照することによって識別することができる。あるい
は、参照した明細データの次元の値(要素名)と付加情
報とを比較し、付加情報に登録されていないよう要素名
を検出した時点で単純追加から新規追加に処理を切り替
えるようにするなどしてもよい。
【0048】なお、本実施の形態においては、2つのM
DDB17,17を結合する例で説明したが、図5に示
した処理に従えば、3つ以上のMDDBが生成された場
合でも結合することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、明細データベースへの
明細データの追加の手続きを付加情報の内容の修正を要
する新規追加と修正を要しない単純追加とに分類して扱
うようにしたので、明細データベースへの明細データの
単純追加と多次元データベースの生成処理とを同時並行
して行うことができる。従って、多次元データベースの
生成処理中に単純追加の要求が発生したとしてもその生
成処理をを初めからやり直す必要が生じない。
【0050】また、多次元データベースの生成処理中に
明細データベースへの新規追加が発生した場合でも、新
規追加に伴う生成処理中断前までに取得した明細データ
に基づき多次元データベースを生成、保持するようにし
たので、目的とする多次元データベースの生成処理を初
めからやり直す必要がない。このため、多次元データベ
ース生成処理全体における処理効率を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデータ処理装置の実施の形態1
を示したブロック構成図である。
【図2】 実施の形態1における多次元データベース生
成処理のうちデータベースマネージメントシステムが行
う処理を示したフローチャートである。
【図3】 実施の形態1における多次元データベース生
成処理のうち明細データベース管理部が行う処理を示し
たフローチャートである。
【図4】 本発明に係るデータ処理装置の実施の形態2
を示したブロック構成図である。
【図5】 実施の形態2における多次元データベース生
成処理のうちデータベースマネージメントシステムが行
う処理を示したフローチャートである。
【図6】 実施の形態2における多次元データベースを
構成する更新後の製品販売地区の次元の構造を示した図
である。
【図7】 実施の形態2における多次元データベースの
結合処理の原理を説明するために用いる図である。
【図8】 実施の形態2における多次元データベース生
成処理のタイムチャートを示した図である。
【図9】 実施の形態2における多次元データベースを
構成するための付加情報を更新するための簡易プログラ
ミング言語の例を示した図である。
【図10】 明細データベースの内容例を示した図であ
る。
【図11】 従来のデータ処理装置の概念図である。
【図12】 製品の日本国内における地区毎の売上高を
表形式で示した図である。
【図13】 多次元データベースを構成する製品販売地
区の次元の構造を示した図である。
【図14】 図12に示した地区毎の売上高表を地方毎
に集計したときの図である。
【図15】 図14に示した地方毎の売上高表において
関東地方だけを下位階層まで詳しく表示した図である。
【図16】 集計単位を製品毎に切り替えたときの売上
高を表形式で示した図である。
【図17】 多次元データベースを構成する製品の種類
の次元の構造を示した図である。
【図18】 図12における販売地区(縦軸方向)と製
品の種類(垂直方向)とを入れ替えて売上高を示した図
である。
【図19】 多次元データベースを構成するための付加
情報の定義の例を示した図である。
【符号の説明】
10 データ処理装置、11 データベースマネージメ
ントシステム(DBMS)、12 明細データベース管
理部、13 明細データベース、14 多次元データベ
ース(MDDB)、15 付加情報保持部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多次元データベース生成の元データとな
    る明細データを記憶する明細データベースと、 受け付けた前記明細データベースへの処理要求に対して
    前記明細データベースへの明細データの追加又は参照の
    みをデータ操作手続きとして提供して明細データの変更
    を許可しないデータ管理手段と、 前記多次元データベースにおける次元の階層構造を定義
    した付加情報を管理する付加情報管理手段と、 前記データ管理手段から取得した明細データ及び前記付
    加情報管理手段から取得した付加情報に基づいて多次元
    データベースを生成する多次元データベース管理手段
    と、 を有し、 前記データ管理手段は、前記明細データベースへの明細
    データの追加の手続きを付加情報の内容の修正を要する
    新規追加と修正を要しない単純追加とに分けて認識し、
    受け付けた前記明細データベースへの処理要求に対して
    提供する追加の手続きが単純追加の場合は、当該単純追
    加を実行中の明細データの参照処理と並行して実施し、
    当該処理要求に対して提供する追加の手続きが新規追加
    の場合は、当該新規追加を実行中の明細データの参照処
    理を中止してから実施することを特徴とするデータ処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記多次元データベース管理手段は、多
    次元データベースの生成処理実行中に前記データ管理手
    段に新規追加の手続きが発生したことを検出するとその
    実行中の生成処理を中断し、前記データ管理手段におけ
    る新規追加と前記付加情報管理手段における付加情報の
    更新との双方の処理の終了を確認した後に中断した多次
    元データベース生成処理を再開することによって更新後
    の付加情報に基づき多次元データベースを新たに生成
    し、中断前に生成した多次元データベースと中断後に生
    成した多次元データベースとを結合することによって多
    次元データベースを生成することを特徴とする請求項1
    記載のデータ処理装置。
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