JPH11143064A - ポジ型画像記録材料 - Google Patents

ポジ型画像記録材料

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JPH11143064A
JPH11143064A JP30196997A JP30196997A JPH11143064A JP H11143064 A JPH11143064 A JP H11143064A JP 30196997 A JP30196997 A JP 30196997A JP 30196997 A JP30196997 A JP 30196997A JP H11143064 A JPH11143064 A JP H11143064A
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史和 小林
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幾生 河内
Katsushi Kitatani
克司 北谷
Yasuhito Oshima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線レーザを用いて記録することにより、
コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能で
あり、さらに保存安定性に優れ、白灯下でも取り扱うこ
とのできるポジ型の平版印刷用版材の画像記録材料を提
供すること。 【解決手段】 少なくとも下記式で表されるジアゾニウ
ム塩と、赤外線吸収剤と、アルカリ可溶性バインダーと
を含有するポジ型画像記録材料である。 【化1】 1 及びR2 は夫々独立に炭素数20以下の置換もしく
は未置換の炭化水素基を表し、R4 及びR5 は夫々独立
に水素、又は炭素数20以下の置換もしくは未置換の炭
化水素基を表し、R3 は水素原子、炭素数20以下の置
換もしくは未置換のアルキルオキシ基、アリールオキシ
基、又はアラルキルオキシ基を示す。Xは、F、Cl、
Br、I、ClO4 、BF4 、PF6 、SbF6 、As
6 、アルキル又はアリールスルホン酸イオンから選ば
れるカウンターアニオンを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷用版材とし
て使用できる画像記録材料に関するものであり、特にコ
ンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザを用い直
接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷
用版材用として使用できるポジ型画像記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータのデジタルデータか
ら直接製版するシステムとしては、電子写真法による
もの、青色または緑色を発光するレーザを用い露光す
る光重合系によるもの、銀塩を感光性樹脂上に積層し
たもの、銀塩拡散転写法によるもの等が提案されてい
る。しかしながらの電子写真法を用いるものは、帯
電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装
置が複雑で大がかりなものになる。の光重合系による
ものでは、青色や緑色の光に対して高感度な版材である
ため、明室での取扱いが難しくなる。、の方法では
銀塩を使用するため現像等の処理が煩雑になる、さらに
当然ながら処理廃液中に銀が含まれる欠点がある。
【0003】一方、近年におけるレーザの発展は目ざま
しく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を
放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小
型のものが容易に入手できる様になっている。コンピュ
ータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源
として、これらのレーザは非常に有用である。しかし、
実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が76
0nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線レー
ザでは画像記録できない。このため、赤外線レーザで記
録可能な材料が望まれている。
【0004】このような赤外線レーザにて記録可能な画
像記録材料としては、特開平7−20629号に記載さ
れている、オニウム塩、レゾール樹脂、ノボラック樹
脂、及び赤外線吸収剤よりなる記録材料がある。特にオ
ニウム塩としてジアゾニウム塩を用いた画像記録材料
は、管理、能率上の観点より感度が良好である、比較的
安価である等の利点を有する。しかし、ジアゾニウム塩
は反応性が高いため、画像記録材料として用いた場合に
保存安定性が低く、また白灯下では反応してしまうため
取り扱うことができないという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、赤外線を放射する固体レーザまたは半導体レーザを
用いて記録することにより、コンピューター等のデジタ
ルデータから直接製版可能であり、さらに保存安定性に
優れ、白灯下でも取り扱うことのできるポジ型の平版印
刷用版材の画像記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。即ち、本発明は、少なくとも下記
一般式(1)で表されるジアゾニウム塩と、赤外線吸収
剤と、アルカリ可溶性バインダーとを含有することを特
徴とするポジ型画像記録材料である。 ・一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に炭
素数20以下の炭化水素基を表し、R4 およびR5 はそ
れぞれ独立に水素、または炭素数20以下の炭化水素基
を表し、R3 は水素原子、炭素数20以下のアルキルオ
キシ基、アリールオキシ基、またはアラルキルオキシ基
を示す。Xは、F、Cl、Br、I、ClO4 、B
4 、PF6 、SbF6 、AsF6 、アルキルスルホン
酸イオン、またはアリールスルホン酸イオンから選ばれ
るカウンターアニオンを表す。
【0009】本発明のポジ型画像記録材料を用いた平版
印刷用版材においては、赤外線を放射する固体レーザま
たは半導体レーザにより付与されたエネルギーが、赤外
線吸収剤によって熱エネルギーに変換され、その熱によ
ってジアゾニウム塩が分解することによって画像が形成
されるものである。即ち、ジアゾニウム塩の分解により
バインダーの溶解性が向上し、画像記録即ち記録材料の
製版が行われるものである。本発明においては、前記一
般式(1)に示すジアゾニウム塩を用いることにより、
特に、保存安定性に優れたポジ型の画像記録材料を提供
することができるものである。また、本発明における前
記一般式(1)に示すジアゾニウム塩は、400nm以
上の光に全く吸収領域を有さないため、これを用いたポ
ジ型の画像記録材料は、白灯下でも問題なく取り扱うこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の各構成成分などにつ
いて順次、詳細に説明するが、まず、本発明の特徴的な
成分であるジアゾニウム塩について述べる。
【0011】[ジアゾニウム塩]本発明で用いるジアゾ
ニウム塩は、下記一般式(1)で示されるものである。 ・一般式(1)
【0012】
【化3】
【0013】式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に炭
素数20以下の置換もしくは未置換の炭化水素基を表
し、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水素、または炭素
数20以下の置換もしくは未置換の炭化水素基を表し、
3 は水素原子、炭素数20以下の置換もしくは未置換
のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、またはアラル
キルオキシ基を示す。Xは、F、Cl、Br、I、Cl
4 、BF4 、PF6 、SbF6 、AsF6 、アルキル
スルホン酸イオン、またはアリールスルホン酸イオンか
ら選ばれるカウンターアニオンを表す。
【0014】上記一般式(1)について、さらに詳細に
説明する。上記一般式(1)において、式中、好ましく
は、R1 およびR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜12
の直鎖、分枝、または脂環式アルキル基、または炭素数
6〜10の芳香環、または炭素数7〜12のアラルキル
基であり、R4 およびR5は水素原子または炭素数1〜
10の直鎖、分枝、または脂環式のアルキル基であり、
3 は水素原子、炭素数1〜12の直鎖、分枝、または
脂環式アルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオ
キシ基、または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基で
ある。上記一般式(1)で表されるジアゾニウム塩のう
ち特に好ましくは、下記一般式(2)で示されるもので
ある。 一般式(2)
【0015】
【化4】
【0016】式中、R1 、R2 およびR6 は、それぞれ
独立に炭素数1〜12の直鎖、分枝、または脂環式アル
キル基、または炭素数6〜10の芳香環、または炭素数
7〜12のアラルキル基を示す。R4 、R5 は水素原子
または炭素数1〜10の直鎖、分枝、または脂環式のア
ルキル基を表す。Xは、F、Cl、Br、I、Cl
4 、BF4 、PF6 、SbF6 、AsF6 、アルキル
スルホン酸イオン、またはアリールスルホン酸イオンか
ら選ばれるカウンターアニオンを表す。一般式(2)に
おいてR1 、R2 およびR6 で表される炭化水素基の具
体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等
のアルキル基、ビニル基、1−メチルビニル基、2−フ
ェニルビニル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェネ
チル基等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル
基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル
基等のアリール基が挙げられる。
【0017】これらの炭化水素基は、例えばハロゲン原
子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アニリノ基、アセトアミド基、
等の置換基を有していても良い。置換基を有する炭化水
素基の具体例としては、トリフルオロメチル基、2−メ
トキシエチル基、10−カンファーニル基、フルオロフ
ェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨー
ドフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニ
ル基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シア
ノフェニル基、カルボキシフェニル基、アニリノフェニ
ル基、アニリノカルボニルフェニル基、モルホリノフェ
ニル基、フェニルアゾフェニル基、メトキシナフチル
基、ヒドロキシナフチル基、ニトロナフチル基、ジメト
キシアントラセニル基、ジエトキシアントラセニル基、
アントラキノニル基等が挙げられる。また、R4 および
5 が炭化水素基を表す場合には、上記R1 、R2 およ
びR 6 で表される炭化水素基と同様のものを挙げること
ができる。
【0018】一般式(1)または一般式(2)で表され
るジアゾニウム塩のカチオン部としては、具体的には下
記構造で示されるジアゾニウムイオンがあげられる。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】一方、これらのジアゾニウム塩のカウンタ
ーアニオンとして良好に用いられるアニオンとしては、
1)F、2)Cl、3)Br、4)I、5)ClO4
6)BF4 、7)PF6 、8)SbF6 、9)As
6 、等の無機イオン、またはアルキルスルホン酸イオ
ン、アリールスルホン酸イオン等のスルホン酸イオンが
挙げられ、好ましいスルホン酸イオンとしては、 11)メタンスルホネート、 12)エタンスルホネート、 13)1−プロパンスルホネート、 14)2−プロパンスルホネート、 15)n−ブタンスルホネート、 16)アリルスルホネート、 17)10−カンファースルホネート、 18)トリフルオロメタンスルホネート、 19)ペンタフルオロエタンスルホネート、 20)ベンゼンスルホネート、 21)p−トルエンスルホネート、 22)3−メトキシベンゼンスルホネート、 23)4−メトキシベンゼンスルホネート、 24)4−ヒドロキシベンゼンスルホネート、 25)4−クロロベンゼンスルホネート、 26)3−ニトロベンゼンスルホネート、 27)4−ニトロベンゼンスルホネート、 28)4−アセチルベンゼンスルホネート、 29)ペンタフルオロベンゼンスルホネート、 30)4−ドデシルベンゼンスルホネート、
【0026】31)メシチレンスルホネート、 32)2、4、6−トリイソプロピルベンゼンスルホネ
ート、 33)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホネート、 34)イソフタル酸ジメチル−5−スルホネート、 35)ジフェニルアミン−4−スルホネート、 36)1−ナフタレンスルホネート、 37)2−ナフタレンスルホネート、 38)2−ナフトール−6−スルホネート、 39)2−ナフトール−7−スルホネート、 40)アントラキノン−1−スルホネート、 41)アントラキノン−2−スルホネート、 42)9、10−ジメトキシアントラセン−2−スルホ
ネート、 43)9、10−ジエトキシアントラセン−2−スルホ
ネート、 44)キノリン−8−スルホネート、 45)8−ヒドロキシキノリン−5−スルホネート、 46)8−アニリノ−ナフタレン−1−スルホネート などがあげられる。
【0027】また、 51)m−ベンゼンジスルホネート、 52)ベンズアルデヒド−2、4−ジスルホネート、 53)1、5−ナフタレンジスルホネート、 54)2、6−ナフタレンジスルホネート、 55)2、7−ナフタレンジスルホネート、 56)アントラキノン−1、5−ジスルホネート、 57)アントラキノン−1、8−ジスルホネート、 58)アントラキノン−2、6−ジスルホネート、 59)9、10−ジメトキシアントラセン−2、6−ジ
スルホネート、 60)9、10−ジエトキシアントラセン−2、6−ジ
スルホネート、 61)ドデシルジフェニルエーテルジスルホネート などのジスルホネート類とジアゾニウム塩カチオン2当
量との塩も用いることができる。
【0028】本発明に用いられる上記ジアゾニウム塩の
具体例を以下に示す。尚、各化合物の後ろに示された番
号は、前二つの項(ローマ数字とアルファベットの小文
字、例えば「I−a」)が、前述のジアゾニウム塩のカ
チオン部の好ましい例として挙げたものの番号を示し、
最終項(アラビア数字、例えば「2」)が前述のカウン
ターアニオンの好ましい例として挙げたものの番号を示
すものである。
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】本発明の画像記録材料のジアゾニウム塩以
外の構成成分について、以下に説明する。
【0038】[赤外線吸収剤]本発明において使用され
る赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmの
赤外線を有効に吸収する染料または顔料である。好まし
くは、波長760nmから1200nmに吸収極大を有
する染料または顔料である。染料としては、市販の染料
および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編
集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用
できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピ
ラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン
染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノン
イミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体などの染料
が挙げられる。好ましい染料としては例えば特開昭58
−125246号、特開昭59−84356号、特開昭
59−202829号、特開昭60−78787号等に
記載されているシアニン染料、特開昭58−17369
6号、特開昭58−181690号、特開昭58−19
4595号等に記載されているメチン染料、特開昭58
−112793号、特開昭58−224793号、特開
昭59−48187号、特開昭59−73996号、特
開昭60−52940号、特開昭60−63744号等
に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−11
2792号等に記載されているスクワリリウム色素、英
国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げる
ことができる。
【0039】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号公報に開示されているピ
リリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料とし
て好ましい別の例として米国特許第4,756,993
号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近
赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のう
ち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリ
リウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が
挙げられる。
【0040】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便
覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977
年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986
年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類と
しては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔
料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔
料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられ
る。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮
合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系
顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロ
ン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ま
しいものはカーボンブラックである。
【0041】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)およ
び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)
に記載されている。
【0042】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点
で好ましくなく、また、10μmを超えると画像記録層
の均一性の点で好ましくない。顔料を分散する方法とし
ては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分
散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、
サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミ
ル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミ
ル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加
圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0043】これらの染料もしくは顔料は、画像記録材
料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5
〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは1.0〜10
重量%の割合で画像記録材料中に添加することができ
る。顔料もしくは染料の添加量が0.01重量%未満で
あると感度が低くなり、また50重量%を超えると印刷
時非画像部に汚れが発生する。これらの染料もしくは顔
料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を
設けそこへ添加してもよい。
【0044】[アルカリ可溶性バインダー]本発明にお
いて使用されるアルカリ可溶性バインダー(以下、単に
「バインダー」という場合がある)としては、前記一般
式(1)で表されるジアゾニウム塩が分解しない状態で
は溶解性が低下し、分解した状態では溶解性が向上する
樹脂であり、好ましくは以下のノボラック樹脂が挙げら
れる。好ましいノボラック樹脂としては、例えばフェノ
ールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアル
デヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o
−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合ク
レゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾー
ル(m−、p−、o−またはm−/p−、m−/o−、
o−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒ
ド樹脂など、クレゾールホルムアルデヒド樹脂等が挙げ
られる。その他レゾール型のフェノール樹脂類も好適に
用いられ、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−
またはm−/p−、m−/o−、o−/p−混合のいず
れでもよい)混合物ホルムアルデヒド樹脂が好ましく、
特に特開昭61−217034号公報に記載されている
フェノール樹脂類が好ましい。
【0045】また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレ
ン、特開昭51−34711号公報に開示されているよ
うなフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂、特開平
2−866号公報に記載のスルホンアミド基を有するア
クリル樹脂や、ウレタン系の樹脂等、種々のアルカリ可
溶性の高分子化合物も用いることができる。スルホンア
ミド基を有するアクリル系樹脂が特に好ましい。
【0046】ウレタン系の樹脂としては、特開昭63−
124047号公報、同63−261350号公報、同
63−287942号公報、同63−287943号公
報、同63−287944号公報、同63−28794
6号公報、同63−287947号公報、同63−28
7948号公報、同63−287949号公報、特開平
1−134354号公報、同1−255854号公報に
記載されているものが好ましく用いられる。これらのア
ルカリ可溶性バインダーは、重量平均分子量が500〜
200,000で数平均分子量が200〜60,000
のものが好ましい。かかるアルカリ可溶性バインダー
は、1種類あるいは2種類以上を組み合わせて使用して
もよく、画像形成材料全固形分中5〜99重量%、好ま
しくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重
量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性バインダー
の添加量が5重量%未満であると記録層の耐久性が悪化
し、99重量%を超えると感度、耐久性の両面で好まし
くない。
【0047】本発明に使用されるバインダーとして、特
に好ましくは、フェノール性水酸基を有するアルカリ水
溶液可溶性樹脂(以下、「フェノール性水酸基を有する
樹脂」という。)と、下記(a)から(c)のうち少な
くとも一つを共重合成分として10モル%以上含む共重
合体(以下、「特定の共重合体」という。)があげられ
る。 (a)1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素
原子が結合したスルホンアミド基を有するモノマー (b)1分子中に、下記の式で表される活性イミノ基を
有するモノマー
【0048】
【化19】
【0049】(c)それぞれフェノール性水酸基を有す
るアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、またはヒドロキシスチレ
【0050】フェノール性水酸基を有する樹脂として
は、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレ
ゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムア
ルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデ
ヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,また
はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデ
ヒド樹脂などのノボラック樹脂を挙げることができる。
【0051】これらのフェノール性水酸基を有する樹脂
は、重量平均分子量が500〜20000で数平均分子
量が200〜10000のものが好ましい。更に、米国
特許第4123279号明細書に記載されているよう
に、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オク
チルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数
3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールと
ホルムアルデヒドとの縮合物を併用してもよい。かかる
フェノール性水酸基を有する樹脂は、1種類あるいは2
種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0052】本発明の特定の共重合体は、前記(a)か
ら(c)のうち少なくとも一つを共重合成分として10
モル%以上含んでいることが必要とされ、20モル%以
上含むものがより好ましい。10モル%より少ないと、
フェノール性水酸基を有する樹脂との相互作用が不十分
となり現像ラチチュードが低下する。また、前記(a)
から(c)以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。
【0053】(a)に該当するモノマーとは、1分子中
に、窒素原子上に少なくとも一つの水素原子が結合した
スルホンアミド基と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ
一つ以上有する低分子化合物からなるモノマーである。
その中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロ
キシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基ま
たは置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が
好ましい。このような化合物としては、例えば、下記一
般式(I)〜(V)で示される化合物が挙げられる。
【0054】
【化20】
【0055】式中、X1 、X2 はそれぞれ−O−又は−
NR7 −を示す。R1 、R4 はそれぞれ水素原子又は−
CH3 を表す。R2 、R5 、R9 、R12、R16はそれぞ
れ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラルキ
レン基を表す。R3 、R7 、R13は水素原子、それぞれ
置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を
示す。また、R6 、R17は、それぞれ置換基を有してい
てもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基を示す。R8 、R10、R
14は水素原子又は−CH3 を表す。R11、R15はそれぞ
れ単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12
のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又
はアラルキレン基を表す。Y1 、Y 2 はそれぞれ単結合
または−CO−を表す。
【0056】具体的には、m−アミノスルホニルフェニ
ルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができ
る。
【0057】(b)に該当するモノマーとは、1分子中
に、下記の式で表される活性イミノ基と、重合可能な不
飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からな
るモノマーである。このような化合物としては、具体的
には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルイミ
ド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルイミド等
を好適に使用することができる。
【0058】(c)に該当するモノマーとは、それぞれ
フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリ
ルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、またはヒドロキシスチレンからなるモノマーであ
る。このような化合物としては、具体的には、N−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシ
フェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリ
レート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒ
ドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェ
ニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリ
レート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチ
レン、p−ヒドロキシスチレン等を好適に使用すること
ができる。
【0059】他の共重合成分としては、例えば、下記
(1)〜(12)に挙げるモノマーを用いることができ
る。 (1)例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまた
は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸
基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸
エステル類。 (2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルア
クリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等
のアルキルアクリレート。 (3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ク
ロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト。 (4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−
ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリ
ルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−
フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリル
アミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等の
アクリルアミドもしくはメタクリルアミド。 (5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。
【0060】(6)ビニルアセテート、ビニルクロロア
セテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニ
ルエステル類。 (7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 (8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類。 (9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類。 (10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等。 (11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド。 (12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0061】本発明の特定の共重合体は、重量平均分子
量が2000以上、数平均分子量が1000以上のもの
が好ましく用いられる。さらに好ましくは、重量平均分
子量が5000〜300000、数平均分子量が200
0〜250000であり、分散度(重量平均分子量/数
平均分子量)が1.1〜10のものである。
【0062】かかる特定の共重合体は、1種類あるいは
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0063】前記フェノール性水酸基を有する樹脂と前
記特定の共重合体との配合重量比は50:50から5:
95の範囲にあることが必要であり、40:60から1
0:90の範囲にあることがより好ましい。これより前
記フェノール性水酸基を有する樹脂の配合量が多くなる
と、海島構造が逆転し、耐溶剤性等を改善することがで
きない。逆に、これより前記共重合体の配合量が多くな
ると、前記フェノール性水酸基を有する樹脂による表面
層が薄くなり過ぎ、現像ラチチュードの向上が不十分と
なる。
【0064】これらフェノール性水酸基を有する樹脂と
特定の共重合体とからなるアルカリ可溶性バインダー
は、それぞれ1種類あるいは2種類以上を組み合わせて
使用してもよく、全印刷版材料固形分中、30〜99重
量%、好ましくは40〜95重量%、特に好ましくは5
0〜90重量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性
バインダーの添加量が30重量%未満であると記録層の
耐久性が悪化し、また、99重量%を越えると感度、耐
久性の両面で好ましくない。
【0065】[その他の成分]本発明では、必要に応じ
てこれら以外に種々の化合物を添加しても良い。例え
ば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤と
して使用することができる。具体的にはオイルイエロー
#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#3
12、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイ
ルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラッ
クBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化
学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタ
ルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレッ
ト(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミ
ンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(C
I42000)、メチレンブルー(CI52015)な
ど、あるいは特開昭62−293247号公報に記載さ
れている染料を挙げることができる。これらの染料は、
画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいの
で、添加する方が好ましい。尚、添加量は、画像記録材
料全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合であ
る。
【0066】また、本発明における画像記録材料中に
は、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特開平3−208514
号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特
開昭59−121044号公報、特開平4−13149
号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加す
ることができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、
アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリア
ミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボ
キシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベ
タインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例え
ば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げ
られる。 上記非イオン界面活性剤および両性界面活性
剤の画像記録材料中に占める割合は、0.05〜15重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。
【0067】更に本発明の画像記録材料中には必要に応
じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられ
る。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。これ
ら以外にも、エポキシ化合物、ビニルエーテル類等を添
加しても良い。
【0068】本発明の画像記録材料は、通常上記各成分
を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することによ
り製造することができる。ここで使用する溶媒として
は、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メト
キシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテー
ト、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキ
シエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
メチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、
水等をあげることができるがこれに限定されるものでは
ない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用され
る。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度
は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥
後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によ
って異なるが、平版印刷用版材についていえば一般的に
0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法とし
ては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バ
ーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくな
るにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録膜の
皮膜特性は低下する。
【0069】本発明における画像記録層中には、塗布性
を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−17
0950号公報に記載されているようなフッ素系界面活
性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全画
像記録材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好まし
くは0.05〜0.5重量%である。
【0070】本発明に使用される支持体としては、寸度
的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属が
ラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチ
ックフィルム等が含まれる。
【0071】本発明の支持体としては、ポリエステルフ
ィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法
安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に
好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板
およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む
合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは
蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウ
ム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.3mmである。
【0072】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように両者を組み合わせた方法も利用すること
ができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必
要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理され
た後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形
成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、
リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適
宜決められる。
【0073】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、
印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚
れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アル
ミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発
明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,7
14,066号、同第3,181,461号、第3,2
80,734号および第3,902,734号に開示さ
れているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸
ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支
持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまた
は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報
に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国
特許第3,276,868号、同第4,153,461
号、同第4,689,272号に開示されているような
ポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられ
る。
【0074】本発明の画像記録材料は、必要に応じて支
持体上に下塗層を設けることができる。下塗層成分とし
ては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシ
メチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−
アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホ
ン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナ
フチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホス
ホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホ
ン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェ
ニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグ
リセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよい
フェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキ
ルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機
ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸
類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロ
キシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種
以上混合して用いてもよい。有機下塗層の被覆量は、2
〜200mg/m2 が適当である。
【0075】以上のようにして、本発明の画像記録材料
を用いた平版印刷用版材を作製することができる。この
平版印刷用版材は、波長760nmから1200nmの
赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画
像露光され、アルカリ性水溶液にて現像される。
【0076】本発明の画像記録材料の現像液および補充
液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用
できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3
リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2
リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸
ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウ
ム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなど
の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチ
レンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機ア
ルカリ剤も用いられる。これらのアルカリ剤は単独もし
くは2種以上を組み合わせて用いられる。これらのアル
カリ剤の中で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理
由はケイ酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ
金属酸化物M2 Oの比率と濃度によって現像性の調節が
可能となるためであり、例えば、特開昭54−6200
4号公報、特公昭57−7427号に記載されているよ
うなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0077】更に自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量の平版印刷用版材を処理
できることが知られている。本発明においてもこの補充
方式が好ましく適用される。現像液および補充液には現
像性の促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部
の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤があげられる。更に現像液および補充液には
必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、
亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩
等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤
を加えることもできる。上記現像液および補充液を用い
て現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有
するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂
化液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷用版
材として使用する場合の後処理としては、これらの処理
を種々組み合わせて用いることができる。
【0078】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広
く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と
後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理
液槽およびスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を
水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をス
プレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。
また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイ
ドロールなどによって印刷用版材を浸漬搬送させて処理
する方法も知られている。このような自動処理において
は、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補
充しながら処理することができる。また、実質的に未使
用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用
できる。
【0079】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニング処理する場合には、バーニング処理前に、
特公昭61−2518号、同55−28062号、特開
昭62−31859号、同61−159655号の各公
報に記載されているような整面液で処理することが好ま
しい。その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポ
ンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液
を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法
や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、
塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラー
で、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果
を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g
/m2 (乾燥重量)が適当である。
【0080】整面液が塗布された平版印刷版は必要であ
れば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば
富士写真フイルム(株)より販売されているバーニング
プロセッサー:BP−1300)などで高温に加熱され
る。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成してい
る成分の種類にもよるが、100〜300℃の範囲で1
〜20分の範囲が好ましい。バーニング処理された平版
印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従
来より行われている処理を施こすことができるが水溶性
高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合には
ガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することが
できる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオ
フセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられ
る。
【0081】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、本実施例(合成例および比較例を含む)中の試薬、
溶媒は東京化成(株)、和光純薬工業(株)、Aldrich
製のものを購入してそのまま使用した。
【0082】[ジアゾニウム塩の合成]実施例に用いる
ジアゾニウム塩の合成例について示す。 (合成例1) 化合物(II−b−33)の合成 1,3,5−ベンゼントリオールを定法によりニトロ化
して、2−ニトロベンゼン−1,3,5−トリオールを
得た。得られた2−ニトロベンゼン−1,3,5−トリ
オール(12g)を、ヨウ化エチル(33g)、炭酸カ
リウム(29g)とN,N−ジメチルアセトアミド(3
0ml)中、80℃で5時間反応させた後、水(300
ml)中に注ぎ、析出した固体をろ過、水洗して、2−
ニトロ−1,3,5−トリエトキシベンゼン(13.4
g)を得た。2−ニトロ−1,3,5−トリエトキシベ
ンゼン(12.8g)をイソプロピルアルコール(80
ml)中、鉄粉(28g)、塩化アンモニウム水溶液
(2.85g/水8.4ml)を加えて90℃で2時間
反応させた後、酢酸エチルで抽出、溶媒留去し、さらに
濃塩酸(6ml)を加え、少量のアセトンで洗浄して、
2,4,6−トリエトキシアニリン・塩酸塩(4.7
g)を得た。2,4,6−トリエトキシアニリン・塩酸
塩(2.6g)をメタノール(50ml)に溶かし、濃
塩酸(3.5ml)で酸性にした後、亜硝酸ナトリウム
水溶液(1.4g/水10ml)を氷冷しながらゆっく
り加えた。2時間後、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸(6.2g)を加え、さ
らに1時間後、塩化メチレンで抽出、水洗後、溶媒留去
し、2,4,6−トリエトキシベンゼンジアゾニウム
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−ス
ルホネート(4.5g)を得た。淡黄色粉末。
【0083】また、同様の手順により、下記ジアゾニウ
ム塩を合成した。 2,4,6−トリス(n−オクチルオキシ)ベンゼンジ
アゾニウム 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホネート(II−f−33)淡黄色粉末、
融点:124℃(分解) 2,4,6−トリス(n−ヘキシルオキシ)ベンゼンジ
アゾニウム 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホネート(II−e−33)淡黄色粉末、
融点:129℃(分解) 2,4,6−トリス(n−ヘキシルオキシ)ベンゼンジ
アゾニウム p−トルエンスルホネート(II−e−2
1)淡黄色固体。 2,4,6−トリス(n−ヘキシルオキシ)ベンゼンジ
アゾニウム ヘキサフルオロホスフェート(II−e−
7)黄色液体状(冷蔵庫内では固化) 2,4,6−トリス(n−プロピルオキシ)ベンゼンジ
アゾニウム 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホネート(II−c−33)淡黄色粉末。 2,4,6−トリス(n−ブチルオキシ)ベンゼンジア
ゾニウム 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン−5−スルホネート(II−d−33)淡黄色粉末。
【0084】(合成例2) 化合物(II−i−33)の合成 2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン(51g)
を、n−オクチルブロミド(112g)、炭酸カリウム
(81g)とN,N−ジメチルアセトアミド(200m
l)中、100℃で4時間反応させた後、水中に注ぎ、
酢酸エチルで抽出、水洗後、ロータリーエバポレーター
で濃縮後、ヘキサンを加えて析出した固体をろ過して、
4,6−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ヒドロキシ
アセトフェノン(97g)を得た。4,6−ビス(n−
オクチルオキシ)−2−ヒドロキシアセトフェノン(2
0g)をp−トルエンスルホン酸メチル(20g)、炭
酸カリウム(7g)とN,N−ジメチルアセトアミド
(50ml)中、100℃で6時間反応させて、4,6
−ビス(n−オクチルオキシ)−2−メトキシアセトフ
ェノンとした後、エタノール(90ml)中、水酸化カ
リウム(3.3g)、ヒドロキシアミン・塩酸塩(3.
6g)、水(20ml)を加え、80℃で5時間反応さ
せて、4,6−ビス(n−オクチルオキシ)−2−メト
キシアセトフェノンオキシム(16g)を得た。4,6
−ビス(n−オクチルオキシ)−2−メトキシアセトフ
ェノンオキシム(16g)をギ酸(50ml)に溶かし
100℃で3時間反応させた後、水中に注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出、水洗後、溶媒留去後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより、4,6−ビス(n−オクチルオ
キシ)−2−メトキシアセトアニリド(8g)を得た。
4,6−ビス(n−オクチルオキシ)−2−メトキシア
セトアニリド(1.9g)をメタノール(25ml)に
溶かし、濃塩酸(5ml)を加え1時間加熱した。放冷
後、濃塩酸(1ml)を追加して酸性にした後、亜硝酸
ナトリウム水溶液(0.5g/水10ml)を氷冷しな
がらゆっくり加えた。3時間後、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(2.4g)
を加えた。さらに1時間後、水を加え、ろ過、水洗し
て、4,6−ビス(n−オクチルオキシ)−2−メトキ
シベンゼンジアゾニウム 2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン−5−スルホネート(2.9g)を得
た。淡黄色粉末。
【0085】(合成例3) 化合物(I−e−33)等の合成 合成例2と同様の手順で2,4−ジヒドロキシアセトフ
ェノンから合成した。 2,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)ベンゼンジアゾニ
ウム 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホネート(I−e−33)淡黄色粉末。 2,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)ベンゼンジアゾニ
ウム ヘキサフルオロホスフェート(I−e−7)淡黄
色粉末。 2,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)ベンゼンジアゾニ
ウム p−トルエンスルホネート(I−e−21)淡黄
色粉末。
【0086】[支持体の作製]厚さ0.30mmのアル
ミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄
して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパ
ミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく
水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウ
ム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、更
に2%HNO3に20秒間浸漬して水洗した。この時の
砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。
次にこの板を7%H2 SO4 を電解液として電流密度1
5A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた
後、水洗乾燥した。次にこのアルミニウム板に下記下塗
り液を塗布し、80℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被
覆量は10mg/m2 であった。得られた支持体を支持
体Aと称する。 (下塗り液の組成) ・β−アラニン 0.1 g ・フェニルスルホン酸 0.05g ・メタノール 40 g ・純水 60 g
【0087】実施例1〜3 下記溶液〔A〕において、本発明における一般式(1)
または(2)で表される化合物の種類を表1に示す如く
変えて、3種類の溶液〔A−1〕〜〔A−3〕を調製し
た。この溶液をそれぞれ、上記支持体Aに塗布し、11
0℃で1分間乾燥してポジ型平版印刷用版材〔A−1〕
〜〔A−3〕を得た。乾燥後の被覆重量は1.8g/m
2 であった。
【0088】 (溶液〔A〕の組成) ・本発明における一般式(1)または(2)で表される化合物 0.15g ・赤外線吸収剤NK-2014 (日本感光色素研究所(株)製) 0.10g ・クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂 (メタ:パラ比=8:2、重量平均分子量5800) 1.5 g ・メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製、 フッ素系界面活性剤) 0.03g ・メチルエチルケトン 15 g ・1−メトキシ−2−プロパノール 10 g ・メチルアルコール 5 g
【0089】
【表1】
【0090】得られたポジ型平版印刷用版材〔A−1〕
〜〔A−3〕を、波長830nmの赤外線を発する半導
体レーザで露光した(版面での露光エネルギー150m
J/cm2 相当)。露光後、白色蛍光灯下に30分放置
した後、富士写真フイルム(株)製現像液DP−4
(1:8)、リンス液FR−3(1:7)を仕込んだ自
動現像機を通して処理した。次いで富士写真フイルム
(株)製ガムGU−7(1:1)で版面を処理し、ハイ
デルKOR−D機で印刷したところ、いずれも良好な印
刷物が得られた。
【0091】比較例1 上記実施例1〜3にて使用した溶液〔A〕において、本
発明の一般式(1)または(2)で表されるジアゾニウ
ム塩の代わりに、下記構造のジアゾニウム塩(X−7)
を用い、それ以外は実施例1〜3と同様にしてポジ型平
版印刷用版材〔B−1〕を作製した。
【0092】
【化21】
【0093】得られた平版印刷用版材〔B−1〕を、実
施例1〜3と同様に半導体レーザで露光し、白色蛍光灯
下で30分放置した後、現像したところ、画像が形成さ
れなかった。なお、白色蛍光灯にさらさず、露光後直ち
に現像した場合は、良好に画像を形成した。実施例1〜
3及び比較例1より、本発明のポジ型画像記録材料を用
いた平版印刷用版材は、白色灯下での取り扱い安定性に
優れていることがわかる。
【0094】実施例4〜6 下記溶液〔C〕において、本発明の一般式で表される化
合物の種類を下記表2に示す如く変えて、3種類の溶液
〔C−1〕〜〔C−3〕を調製した。この溶液をそれぞ
れ、実施例1〜3で用いた支持体Aに塗布し、100℃
で2分間乾燥してポジ型平版印刷用版材〔C−1〕〜
〔C−3〕を得た。乾燥後の被覆重量は1.3g/m2
であった。
【0095】 (溶液〔C〕の組成) ・本発明における一般式(1)または(2)で表される化合物 0.15g ・下記構造のIR色素 0.10g ・クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂 (メタ:パラ比=8:2、重量平均分子量5800) 1.1 g ・下記構造のアクリル系樹脂(重量平均分子量20000) 1.0 g ・メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製、 フッ素系界面活性剤) 0.06g ・メチルエチルケトン 20 g ・1−メトキシ−2−プロパノール 7 g
【0096】
【化22】
【0097】得られたポジ型平版印刷用版材〔C−1〕
〜〔C−3〕を、45℃で3日間保存した後、波長83
0nmの赤外線を発する半導体レーザで露光し、富士写
真フイルム(株)製現像液、DP−4(1:8)、リン
ス液FR−3(1:7)を仕込んだ自動現像機を通して
処理した。次いで富士写真フイルム(株)製ガムGU−
7(1:1)で版面を処理し、ハイデルKOR−D機で
印刷した。この際得られた印刷枚数を調べた。結果を表
−3に示す。いずれも良好な印刷物が5万枚以上得られ
た。
【0098】比較例2 実施例4〜6にて使用した溶液〔C〕において、本発明
の一般式(1)または(2)で表される化合物の代わり
に、下記ジアゾニウム塩(Y−33)を用い、それ以外
は実施例4〜6と同様にして平版印刷用版材〔D〕を作
製した。
【0099】
【化23】
【0100】得られた平版印刷用版材〔D〕を、実施例
4〜6と同様に、45℃で3日間保存した後、波長83
0nmの赤外線を発する半導体レーザで露光し、現像、
リンス、ガム処理し、ハイデルKOR−D機で印刷し
た。この際得られた印刷枚数を調べた。結果を表2に示
す。表2に示す通り、良好な印刷物は5000枚以下し
か得られなかった。
【0101】
【表2】
【0102】実施例4〜6及び比較例2より、本発明の
ポジ型画像記録材料を用いた平版印刷用版材は、保存安
定性に優れていることがわかる。
【0103】
【発明の効果】本発明のポジ型画像記録材料によれば、
赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて
記録することにより、コンピューター等のデジタルデー
タから直接製版可能であり、さらに保存安定性に優れ、
かつ白灯下でも取り扱い可能なポジ型の平版印刷用版材
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 康仁 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記一般式(1)で表される
    ジアゾニウム塩と、赤外線吸収剤と、アルカリ可溶性バ
    インダーとを含有することを特徴とするポジ型画像記録
    材料。 一般式(1) 【化1】 式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に炭素数20以下
    の炭化水素基を表し、R4 およびR5 はそれぞれ独立に
    水素、または炭素数20以下の炭化水素基を表し、R3
    は水素原子、炭素数20以下のアルキルオキシ基、アリ
    ールオキシ基、またはアラルキルオキシ基を示す。X
    は、F、Cl、Br、I、ClO4 、BF 4 、PF6
    SbF6 、AsF6 、アルキルスルホン酸イオン、また
    はアリールスルホン酸イオンから選ばれるカウンターア
    ニオンを表す。
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