JPH11142219A - 圧電式トナーセンサ - Google Patents

圧電式トナーセンサ

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JPH11142219A
JPH11142219A JP30261697A JP30261697A JPH11142219A JP H11142219 A JPH11142219 A JP H11142219A JP 30261697 A JP30261697 A JP 30261697A JP 30261697 A JP30261697 A JP 30261697A JP H11142219 A JPH11142219 A JP H11142219A
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JP
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case
diaphragm
piezoelectric
circuit board
piezoelectric vibrator
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JP30261697A
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Minoru Takahashi
実 高橋
Takehiro Imai
健裕 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は圧電式トナーセンサに関し、熟練に頼
っていたリード線の半田付け作業を無くし組み立て作業
を容易にすると共に、振動板及びセラミック振動子から
の導体の引き出しを、殆ど振動板の負荷にならずに行え
るようにする。 【解決手段】セラミック振動子15を貼りつけた振動板
14上の一部に絶縁膜25を設け、該絶縁膜25上に、
セラミック振動子15の一対の電極を、振動が殆どしな
い振動板14の周辺部まで引き出すための引き出しパタ
ーン26、27を形成すると共に、振動板14の周辺部
にも引き出しパターン28を形成し、各引き出しパター
ンの端部に、ケース11の側壁に沿って設けた弾性を有
する弾性金属電極端子32を弾性接触させることで、セ
ラミック振動子15及び振動板14の電極を回路基板1
2に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
等に利用される圧電式トナーセンサに関し、特に、セラ
ミック振動子を貼り付けた振動板を利用して、トナータ
ンク内のトナーの残量を検出する圧電式トナーセンサに
関する。
【0002】
【従来の技術】以下、従来例を説明する。 §1:従来例1の説明・・・図3のA図参照 図3のA図は従来例1の説明図である。以下、図3のA
図に基づいて従来例1を説明する。この例は、トナータ
ンク内のトナーエンドを振動により検出する振動板を備
え、この振動板表面を掃除するクリーニング部材を前記
トナータンク内に設けたトナーエンド検知装置の例であ
る(実開昭56−167362号公報参照)。
【0003】前記トナーエンド検知装置は、例えば、複
写機に取り付けられて使用されるが、前記複写機には感
光ドラム1と、現像タンク2と、該現像タンク2の一部
に取り付けたトナータンク3を備えている。そして、ト
ナータンク3を構成する筐体の一部には振動板14を有
する圧電式トナーセンサ5が取り付けられている。
【0004】また、トナータンク3の内部にはトナー6
を攪拌するための攪拌羽根4が設けてある。更に、前記
攪拌羽根4の先端部にはクリーニング部材7が取り付け
てあり、このクリーニング部材7により圧電式トナーセ
ンサ5を構成する振動板14の検知面をクリーニングす
るようになっている。
【0005】§2:従来例2の説明・・・図4、図5参
照 図4は従来例2の説明図(その1)、図5は従来例2の
説明図(その2)である。図4において、A図は圧電式
トナーセンサの分解斜視図、B図はセラミック振動子を
貼り付けた振動板の拡大図、C図はケースの円筒部の斜
視図、D図はC図の一部断面図である。また、図5にお
いて、E図はケースに振動板を取り付ける際の作業工程
説明図、F図は振動板の取り付け位置調整作業工程を示
した図、G図は完成した圧電式トナーセンサの一部拡大
図である。
【0006】従来例2は、従来例1で説明したようなト
ナータンクに取り付けられ、トナーの残量を検出(トナ
ーエンド検出)する圧電式トナーセンサの具体例であ
る。図4のA図に示したように、この圧電式トナーセン
サはケース11に設けた円筒部13の開口端側に、セラ
ミック振動子(圧電振動子)15を貼り付けた振動板1
4を取り付け、更に、ケース11には駆動回路の回路部
品を搭載した回路基板12を取り付けたものである。前
記構成において、ケース11は亜鉛ダイカスト製の箱状
ケースであり、振動板14はリン青銅製である。
【0007】図4のB図に示したように、振動板14上
にはセラミック振動子15が貼り付けられており、該セ
ラミック振動子15には電極16、17が設けてある。
そして、セラミック振動子15の電極16、17、及び
振動板14には、それぞれリード線18の一端部が半田
付けされると共に、該リード線18の他端部は回路基板
12の電極に半田付けされている。この場合、振動板1
4から引き出したリード線18はGND(接地)側の配
線である。
【0008】なお、前記リード線18は極めて細いワイ
ヤ(例えば、直径30μmの被覆導線)を3本撚り合わ
せた撚り線で構成されているが、これは、振動板14の
振動特性に悪影響を与えないようにするためである。ま
た、ケース11に設けた円筒部13の寸法は、例えば、
内径が8mmで、外形が11mmである。また、ケース
11の開口端の寸法は、例えば、一辺の長さが20mm
である。
【0009】前記圧電式トナーセンサを組み立てる場
合、ケース11に設けた円筒部13の先端部、すなわ
ち、円筒部13の開口端に振動板14を取り付け、回路
基板12を取り付けない状態で、振動板14及びセラミ
ック振動子15と回路基板12との間をリード線18で
接続し、その後、回路基板12をケース11に接着剤で
接着するが、この作業は次のようにして行う。
【0010】先ず、回路基板12を取り付けない状態
で、振動板14及びセラミック振動子15にリード線1
8の一端部を半田付けし、前記リード線18の他端部を
回路基板12に半田付けする。この場合の回路基板への
半田付けは、回路基板12をケース11に取り付けた場
合にケース11の内面側となる面(配線面)で行う。こ
のようにしてリード線18の半田付けが終了したら、次
に、回路基板12をケース11に取り付けるが、この場
合、リード線18は極めて細くて見にくく、かつ断線し
易いので、断線しないように取り扱いながら該リード線
18をケース11内に収納し、回路基板12をケース1
1に接着剤で接着する。
【0011】前記のように、振動板14はケース11に
設けた円筒部13の先端部、すなわち、円筒部13の開
口端に取り付けられるが、この場合、円筒部13の開口
端の内側には段部21が設けてあり、この段部21上に
複数の(この例では3個)の振動板載せ台(小突起)1
9を形成し、この振動板載せ台19やその周辺部にシリ
コーン樹脂を垂らし、その上に振動板14を載せて貼り
付ける。このように、前記段部21と振動板14の間の
隙間にはシリコーン樹脂を充填する。
【0012】前記振動板14の取り付け作業を図5に示
す。先ず、図5のE図に示したように、前記円筒部13
の開口端に設けた段部21上にシリコーン樹脂20を垂
らし、その上にセラミック振動子15を貼り付けた振動
板14を載せる。その後、スキージ22によりシリコー
ン樹脂20をかき寄せて振動板14の周辺部に均等に充
填し、更に不要なシリコーン樹脂20を除去するなどし
て、振動板14上を平らにする作業を行う。
【0013】前記のようにしてケース11と振動板14
との隙間にシリコーン樹脂20を充填した後、前記シリ
コーン樹脂20が硬化しない内に、図5のF図に示した
ように、振動板14の位置決めを行う。この作業は人の
指先により振動板14を動かし、振動板14とケース1
1の内側との間のギャップgが均等になるようにする。
このような工程を経て、図5のGに示したように、ケー
ス11に振動板14を固着することができる。
【0014】§3:従来例3の説明・・・図3のB図参
照 図3のB図は従来例3の説明図である。以下、図3のB
図に基づいて従来例3を説明する。この例は従来例2の
圧電式トナーセンサに使用されていたリード線の代わり
に、スプリングで導通をとるようにした例(実開平3−
17530号公報参照)である。
【0015】従来の圧電式トナーセンサ(例えば、従来
例2)は、リード線としてセラミック振動子(圧電素
子)15の振動面に外力を与え易い被覆銅線等を使用し
ていたので、リード線(例えば、従来例2のリード線1
8)の影響を受けてインピーダンス等が変動し易くなっ
てセンサ特性がばらつき易い、という問題があった。こ
の問題を解決するための技術として従来例3が開発され
た。
【0016】従来例3では、圧電式トナーセンサ5はト
ナータンク3の筐体の一部に取り付けられ、該圧電式ト
ナーセンサ5を構成する振動板14がトナー6と接する
ようにして取り付けられる。なお、この圧電式トナーセ
ンサ5の振動板14にはセラミック振動子が貼り付けて
ある。この圧電式トナーセンサ5はトナー6により加え
られる圧力の変化を検出し、電気信号に変換してトナー
6の残量を検出するものであり、圧電式トナーセンサ5
と回路基板12との間をスプリング10により接続して
いる。
【0017】すなわち、従来の圧電式トナーセンサで
は、リード線としてセラミック振動子15の振動面に外
力を与え易い被覆銅線等が使用されていたので、リード
線(例えば、従来例2のリード線18)の影響を受けて
インピーダンス等が変動し易くなってセンサ特性がばら
つき易い、という問題があった。そこで、従来例3で
は、前記のようにスプリング10により、回路基板12
と振動板14上に貼りつけられたセラミック振動子との
間を電気的に接続することにより、リード線の外力等の
影響を受けないようにしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のも
のにおいては、次のような課題があった。 (1) :従来例1に示したような装置(例えば、複写機)
に取り付けて、トナータンク内のトナーの残量を検出す
る圧電式トナーセンサとして、従来例2に示した圧電式
トナーセンサが知られていた。この従来例2の圧電式ト
ナーセンサでは、箱状ケースの円筒部開口端に、セラミ
ック振動子(圧電振動子)が貼り付けられた振動板がシ
リコーン樹脂で接着され、該振動板に貼り付けられたセ
ラミック振動子の片面に電極を設け、この電極から引き
出したリード線の他端部を回路基板に半田付けしてい
た。
【0019】そして、リード線は回路基板に半田付けさ
れた後、ケースに組み込まれるが、リード線が極めて細
いためリード線の存在が見極めにくく、半田付け等の組
み立て作業に手間と時間がかかっていた。また、ケース
にリード線や回路基板を組み込む際、挟み込みによるリ
ード線の断線不良が発生していた。従って、製品の歩留
りが悪く、特性も安定しなかった。
【0020】(2) :従来例3の圧電式トナーセンサで
は、従来例2の圧電式トナーセンサに使用されていたリ
ード線の代わりにスプリングで導通をとるようにしてい
るが、電極の振動する部分から弾性接触で導通をとる方
式のため、安定した特性が得られない、という課題があ
った。
【0021】(3) :従来の圧電式トナーセンサでは、発
振の停止付近を検知レベルに利用するため、振動体の負
荷をできるだけ少なくするために、圧電振動子の電極に
半田付けする場合、半田量を最小にしたり、リード線を
できるだけ軽いものにする必要があった。このため、作
業者の熟練が必要とされ、作業のばらつきが製品のばら
つきとなり、安定な製造が難しかった。
【0022】本発明は前記のような従来の課題を解決
し、熟練に頼っていたリード線の半田付け作業を無くす
ことで組み立て作業を容易にすると共に、振動板及びセ
ラミック振動子からの導体の引き出しを、殆ど振動板の
負荷にならずに行えるようにすることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の目的を達
成するため、次のように構成した。 (1) :両側に開口端を有するケースと、圧電振動子を貼
りつけた振動板と、回路部品を搭載した回路基板とを有
し、前記振動板は振幅最大の中央部をケースに支持せ
ず、振動が殆どしない周辺部をケースの一方側の開口端
に固着し、前記回路基板はケースの他方側の開口端に固
着すると共に、前記圧電振動子及び振動板の電極を導体
により前記回路基板に接続した圧電式トナーセンサにお
いて、前記圧電振動子を貼りつけた振動板上の一部に絶
縁膜を設け、該絶縁膜上に、前記圧電振動子の電極を、
振動が殆どしない前記振動板の周辺部まで引き出すため
の引き出しパターンを形成し、前記各引き出しパターン
の端部に、ケースの側壁に沿って設けた弾性を有する端
子を弾性接触させることで、前記圧電振動子及び振動板
の電極を前記回路基板に接続した。
【0024】(2) :両側に開口端を有するケースと、圧
電振動子を貼りつけた振動板と、回路部品を搭載した回
路基板とを有し、前記振動板は振幅最大の中央部をケー
スに支持せず、振動が殆どしない周辺部をケースの一方
側の開口端に固着し、前記回路基板はケースの他方側の
開口端に固着すると共に、前記圧電振動子及び振動板の
電極を導体により前記回路基板に接続した圧電式トナー
センサにおいて、前記圧電振動子を貼りつけた振動板上
の一部に絶縁膜を設け、該絶縁膜上に、前記圧電振動子
の電極を、振動が殆どしない前記振動板の周辺部まで引
き出すための引き出しパターンを形成すると共に、前記
振動板の周辺部にも引き出しパターンを形成し、前記各
引き出しパターンの端部に、ケースの側壁に沿って設け
た弾性を有する端子を弾性接触させることで、前記圧電
振動子及び振動板の電極を前記回路基板に接続した。
【0025】(作用)前記構成に基づく本発明の作用を
説明する。 (a) :前記構成(1) の作用 圧電式トナーセンサを製作する場合、両側に開口端を有
するケースと、圧電振動子を貼りつけた振動板と、回路
部品を搭載した回路基板等を用意する。そして、振動板
は振幅最大の中央部をケースに支持せず、振動が殆どし
ない周辺部をケースの一方側の開口端に固着し、回路基
板はケースの他方側の開口端に固着すると共に、圧電振
動子及び振動板の電極を導体により回路基板に接続す
る。
【0026】この場合、圧電振動子を貼りつけた振動板
上の一部に絶縁膜を設け、該絶縁膜上に、圧電振動子の
電極を、振動が殆どしない前記振動板の周辺部まで引き
出すための引き出しパターンを形成する。そして、前記
各引き出しパターンの端部に、ケースの側壁に沿って設
けた弾性を有する端子を弾性接触させることで、圧電振
動子及び振動板の電極を前記回路基板に接続する。ま
た、振動板の端部にはリード線を半田付けして、回路基
板への配線(GND側の配線)を行う。
【0027】(b) :前記構成(2) の作用 圧電式トナーセンサを製作する場合、両側に開口端を有
するケースと、圧電振動子を貼りつけた振動板と、回路
部品を搭載した回路基板等を用意する。そして、振動板
は振幅最大の中央部をケースに支持せず、振動が殆どし
ない周辺部をケースの一方側の開口端に固着し、回路基
板はケースの他方側の開口端に固着すると共に、圧電振
動子及び振動板の電極を導体により回路基板に接続す
る。
【0028】この場合、圧電振動子を貼りつけた振動板
上の一部に絶縁膜を設け、該絶縁膜上に、圧電振動子の
電極を、振動が殆どしない前記振動板の周辺部まで引き
出すための引き出しパターンを形成する。更に、振動板
の周辺部にも引き出しパターンを形成し、前記各引き出
しパターンの端部に、ケースの側壁に沿って設けた弾性
を有する端子を弾性接触させることで、圧電振動子及び
振動板の電極を前記回路基板に接続する。
【0029】前記のようにすれば、次のような特徴があ
る。 :従来例2では、極めて細いリード線の半田付け等の
熟練を要する面倒な組み立て作業が必要であったが、本
発明では、前記従来例2のような面倒なリード線の半田
付け作業が無いので、リード線の断線も発生せず、組み
立て作業が短時間で簡単にできる。
【0030】:従来例2では、ケースにリード線や回
路基板を組み込む際、挟み込みによるリード線の断線不
良が発生していた。従って、製品の歩留りが悪く、特性
も安定しなかった。これに対して本発明では、前記従来
例2のような極めて細いリード線の半田付け作業を必要
としないので、製品の歩留りが向上し、特性も安定す
る。
【0031】:従来例3では、電極の振動する部分か
ら弾性接触で導通をとる方式のため、安定した特性が得
られなかった。これに対して本発明では、振動が殆どし
ない振動板の端部まで引き出しパターンを引き出し、各
引き出しパターンの端部に、ケースの側壁に沿って設け
た弾性を有する端子を弾性接触させることで、圧電振動
子及び振動板の電極を回路基板に接続している。従っ
て、振動板の振動特性に影響を与えない状態で電極の引
き出しを行うことができる。すなわち、振動板及びセラ
ミック振動子からの導体の引き出しを、殆ど振動板の負
荷にならずに行える。
【0032】:従来の圧電式トナーセンサでは、振動
体の負荷をできるだけ少なくするために、圧電振動子の
電極に半田付けする場合、半田量を最小にしたり、リー
ド線をできるだけ軽いものにする必要があった。このた
め、作業者の熟練が必要とされ、作業のばらつきが製品
のばらつきとなり、安定な製造が難しかった。
【0033】これに対して本発明は、前記のような半田
付けをしないので、半田量の調整も不要であり、作業者
の熟練も必要としない。そして、各電極の引き出しを引
き出しパターンにより行うので、圧電素子のインピーダ
ンスの変化は殆どなく、常に安定したインピーダンスが
得られる。このため、製品の特性が安定し、歩留りも向
上する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図面に
基づいて詳細に説明する。 §1:圧電式トナーセンサの説明・・・図1参照 図1は圧電式トナーセンサの説明図であり、A図は圧電
振動子部の平面図、B図は圧電式トナーセンサの断面図
である。この例は、前記従来例2と同じ機能を有する圧
電式トナーセンサの例であるが、リード線の引き出し構
造が異なっている。
【0035】図1に示した圧電式トナーセンサは、両側
に開口端を有するケース11と、セラミック振動子(圧
電振動子)15を貼りつけた振動板14を有する圧電振
動子部24と、発振制御回路部31を含む回路部品を搭
載した回路基板12とを有する。
【0036】そして、振動板14は、振幅最大の中央部
をケース11に支持せず、振動が殆どしない周辺部をケ
ース11の一方側の開口端に固着し、回路基板12はケ
ース11の他方側の開口端に固着すると共に、セラミッ
ク振動子15及び振動板14の電極を導体(後述する)
により回路基板12に接続した構造となっている。この
場合、ケース11は亜鉛ダイカスト製の箱状ケースであ
り、振動板14はリン青銅製である。
【0037】また、セラミック振動子15を貼りつけた
振動板14上の一部に絶縁膜25を設け、該絶縁膜25
上に、セラミック振動子15の一対の電極を振動が殆ど
しない振動板14の周辺部まで引き出すための引き出し
パターン(第1の引き出しパターン26、及び第2の引
き出しパターン27)を形成すると共に、振動板14の
周辺部にも第3の引き出しパターン28を形成し、前記
各引き出しパターンの端部に、ケース11の側壁に沿っ
て設けた弾性を有する弾性金属電極端子32を弾性接触
させることで、セラミック振動子15及び振動板14の
電極を回路基板12に接続する。以下、更に詳細に説明
する。
【0038】前記のように、圧電振動子部24では振動
板14上にセラミック振動子15が貼り付けられてお
り、該セラミック振動子15には一対の電極16、17
が設けてある。そして、セラミック振動子15の一対の
電極16、17、及び振動板14からの引き出し導体を
回路基板12に接続するが、この接続構造を次のように
する。
【0039】圧電振動子部24は、振動板14にセラミ
ック振動子15を貼り付けたもので構成されるが、この
場合、振動板14を金属製(例えば、リン青銅製)の薄
い円板で構成し、その上に円形のセラミック振動子15
を貼り付ける。この場合、セラミック振動子15は、振
動板14と略同心円状に、一方の面は全面に、他方の面
(図示した面)は同心円状に圧電素子駆動用の一対の電
極16、17が形成されている。また、振動板14は振
動を検出するためのGND(接地)電極となっている。
【0040】前記のように構成された圧電振動子部24
の各電極と回路基板12上の所定の電極とを導体で接続
するが、この場合、先ず、振動板14上のセラミック振
動子15の電極16、17が形成された面上において、
その一部に絶縁膜25を形成する。この絶縁膜25は、
エポキシ系、ポリイミド系樹脂等をコーティングするこ
とで形成する。なお、前記絶縁膜25は電極16、17
及び振動板14上に跨がるようにして振動板14の周辺
部(端部)まで形成する。
【0041】そして、絶縁膜25上に電極16、17か
ら導体を引き出すための、第1、第2の各引き出しパタ
ーンを振動板14の周辺部まで延びるように形成する。
更に、振動板14上にもGND側の引き出しパターンを
形成する。すなわち、絶縁膜25上には電極17に接続
された第1の引き出しパターン26と、電極16に接続
された第2の引き出しパターン27とを、振動板14の
周辺部まで延びるように形成すると共に、振動板14上
にもGND側電極を引き出すための第3の引き出しパタ
ーン28が、該振動板14の周辺部に形成される。
【0042】前記第1、第2、第3の各引き出しパター
ン26、27、28は、導電ペースト、或いは導電接着
剤の印刷により厚膜パターンとして形成しても良く、ま
た蒸着により薄膜パターン(蒸着膜)として形成しても
良い。更に、絶縁膜25も、絶縁性物質により厚膜、或
いは蒸着で形成する。
【0043】このようにして形成された振動板14の周
辺部を、ケース11の一方側の開口端に接着剤により接
着し、ケース11の他方側の開口端には、回路基板12
を接着剤により接着し、第1、第2、第3の各引き出し
パターン26、27、28を回路基板12の所定のパタ
ーンに接続するが、この場合、回路基板には端子ホール
ド部33と、該端子ホールド部33にホールドされた弾
性金属電極端子32をケース11の側壁に沿って設けて
おき、この弾性金属電極端子32の先端部を、前記第
1、第2、第3の各パターンと弾性接触させることで、
前記引き出し導体の接続を行う。
【0044】この場合、前記弾性金属電極端子32は弾
性のある導体で構成し、端子ホールド部33は絶縁体で
構成し、前記弾性金属電極端子32をホールド(保持)
する。また、前記第1、第2、第3の各引き出しパター
ン26、27、28と弾性金属電極端子32との弾性接
触は、振動板14の端部において行うようにする。
【0045】§2:圧電式トナーセンサの動作と特徴点
の説明 前記構成の圧電式トナーセンサは、従来例1で説明した
ように、例えば、トナータンクの一部に取り付けられ、
トナーの残量を検知するために使用される。使用時に
は、セラミック振動子15を貼りつけた振動板14を共
振させ、その振動を被検知体であるトナーに接触させて
伝え、この時のトナーの残量に従って、セラミック振動
子15のインピーダンス特性が変化することを利用して
トナーの残量を検知する。
【0046】この場合、セラミック振動子15の初期イ
ンピーダンス、初期位相等の変化により、発振の停止や
停止期間の変化を利用し、トナー量の変化に従った電気
出力を出す。なお、振動板14はその周辺部をケース1
1で支持されており、中央部はケース11に支持されて
いない。従って、振動板14の周辺部は殆ど振動せず、
中央部が振幅最大となる。
【0047】前記のように、振動板14にセラミック振
動子15を貼りつけた圧電振動子部24の一部に絶縁膜
25を形成し、その上に第1、第2の引き出しパターン
26、27を形成すると共に、振動板14に第3の引き
出しパターン28を形成することによって、殆ど振動し
ない圧電振動子部24の端まで電極部分を引き出すこと
ができる。
【0048】そして、圧電振動子部24を支持、及び固
着しているケース11の側壁に沿って組み立てられた弾
性を有する弾性金属電極端子32を接触させるようにし
ている。このため、セラミック振動子15のインピーダ
ンスの変化を殆ど発生させないリード引き出し構造とな
る。
【0049】§3:実験例の説明・・・図2参照 図2は実験例の説明図である。前記圧電式トナーセンサ
を評価するため、サンプルを用いて実験を行ったので、
以下、その実験結果について説明する。なお、比較のた
め、従来例のサンプルについても実験を行い、その結果
を図示してある。図2において、A図、C図は従来例の
圧電式トナーセンサのサンプルに関するデータであり、
B図、D図は本発明の圧電式トナーセンサのサンプルに
関するデータである。
【0050】図2のA図、B図において、縦軸はサンプ
ル数、横軸はセラミック振動子15の共振インピーダン
スR0 (Ω)を示す。また、図2のC図、D図におい
て、縦軸はサンプル数、横軸はトナーレベル(mm)を
示す。なお、前記トナーレベルは、振動板14を縦にし
てトナータンクの側壁に圧電式トナーセンサを取り付
け、トナータンク内にトナーを充填していったとき、ト
ナーセンサが「トナー有」を検出した時点の振動板14
の上側からトナーまでの距離を表す。なお、トナーセン
サは、充填されたトナーが消費され、トナー上面のレベ
ルが所定のレベル迄低下したとき「トナー無」を検出す
る使い方もできる。
【0051】図2のA図に示した実験例1(従来例)で
は、共振インピーダンスRO (Ω)の平均値は206.
8Ωであり、標準偏差は74.6であった。この場合、
共振インピーダンスRO の規格は280Ω以下であり、
不良率は16.4%であった。
【0052】これに対して図2のB図に示した実験例2
(本発明)では、共振インピーダンスRO (Ω)の平均
値は170.2Ωであり、標準偏差は35.9であっ
た。この場合、共振インピーダンスRO の規格は280
Ω以下であり、不良率は1.1%で小さく、不良率も良
好であった。このように、本発明によれば、従来例に比
べて標準偏差が35.9と極めて小さく、不良率も1.
1%と小さかった。
【0053】この実験結果によれば、従来のサンプル
は、RO の値のばらつきが大きく、製品の歩留りが悪い
ことを示している。しかし、図2のB図に示した本発明
のサンプルでは、RO の値のばらつきが極めて小さく、
殆どのサンプルが極めて良好な特性であり、特性の安定
した製品が高歩留りで製造できることを示している。
【0054】また、図2のC図に示した実験例3(従来
例)では、トナーレベルのばらつきが大きく、良好な特
性は得られなかった。しかし、図2のD図に示した実験
例4(本発明)では、トナーレベルのばらつきが極めて
小さく、トナーレベルの検出精度が極めて高く、良好な
特性が得られることが分かった。このように、本発明に
係る圧電式トナーセンサは、従来のサンプルに比べて、
ばらつきが極めて小さく、特性が安定し、製品の歩留り
が非常に高いことを示している。
【0055】§4:他の実施の形態の説明 前記実施の形態では、セラミック振動子15を貼りつけ
た振動板14上の一部に絶縁膜25を設け、該絶縁膜2
5上に、セラミック振動子15の一対の電極を振動が殆
どしない振動板14の周辺部まで引き出すための引き出
しパターン(第1の引き出しパターン26、及び第2の
引き出しパターン27)を形成すると共に、振動板14
の周辺部にも第3の引き出しパターン28を形成し、前
記各引き出しパターンの端部に、ケース11の側壁に沿
って設けた弾性を有する弾性金属電極端子32を弾性接
触させることで、セラミック振動子15及び振動板14
の電極を回路基板12に接続している。
【0056】しかし、本発明はこのような例に限らず、
次のようにしても実施可能である。すなわち、前記振動
板14は金属製なので、前記のように第3の引き出しパ
ターン28を形成することなく、振動板14の端部に直
接リード線を半田付けし、このリード線の他端を回路基
板上の所定の電極(GND側の電極)に半田付けして接
続することもできる。
【0057】また、前記圧電振動子部24は、セラミッ
ク振動子15の電極が一対(2つ)と、GND電極が1
つの3線式であるが、本発明は、このような例に限ら
ず、2線式のものにも同様に適用可能である。この2線
式のものでは、セラミック振動子15に1つの電極が有
り、振動板14に1つのGND電極がある。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1) :従来例2では、極めて細いリード線の半田付け等
の熟練を要する面倒な組み立て作業が必要であったが、
本発明では、前記従来例2のような面倒なリード線の半
田付け作業が無いので、リード線の断線も発生せず、組
み立て作業が短時間で簡単にできる。
【0059】(2) :従来例2では、ケースにリード線や
回路基板を組み込む際、挟み込みによるリード線の断線
不良が発生していた。従って、製品の歩留りが悪く、特
性も安定しなかった。これに対して本発明では、前記従
来例2のような極めて細いリード線の半田付け作業を必
要としないので、製品の歩留りが向上し、特性も安定す
る。
【0060】(3) :従来例3では、電極の振動する部分
から弾性接触で導通をとる方式のため、安定した特性が
得られなかった。これに対して本発明では、振動が殆ど
しない振動板の端部まで引き出しパターンを引き出し、
各引き出しパターンの端部に、ケースの側壁に沿って設
けた弾性を有する端子を弾性接触させることで、圧電振
動子及び振動板の電極を回路基板に接続している。従っ
て、振動板の振動特性に影響を与えない状態で電極の引
き出しを行うことができる。すなわち、セラミック振動
子からの導体の引き出しを、殆ど振動板の負荷にならず
に行える。
【0061】(4) :従来の圧電式トナーセンサでは、振
動体の負荷をできるだけ少なくするために、圧電振動子
の電極に半田付けする場合、半田量を最小にしたり、リ
ード線をできるだけ軽いものにする必要があった。この
ため、作業者の熟練が必要とされ、作業のばらつきが製
品のばらつきとなり、安定な製造が難しかった。
【0062】これに対して本発明は、前記のような面倒
な半田付けをしないので、半田量の調整も不要であり、
作業者の熟練も必要としない。そして、各電極の引き出
しを引き出しパターンにより行うので、圧電素子のイン
ピーダンスの変化は殆どなく、常に安定したインピーダ
ンスが得られる。このため、製品の特性が安定し、歩留
りも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における圧電式トナーセン
サの説明図である。
【図2】実施の形態における実験例の説明図である。
【図3】従来例1、3の説明図である。
【図4】従来例2の説明図(その1)である。
【図5】従来例2の説明図(その2)である。
【符号の説明】
10 スプリング 11 ケース 12 回路基板 13 円筒部 14 振動板 15 セラミック振動子 16、17 電極 18 リード線 19 振動板載せ台 20 シリコーン樹脂 21 段部 22 スキージ 24 圧電振動子部 25 絶縁膜 26 第1の引き出しパターン 27 第2の引き出しパターン 28 第3の引き出しパターン 31 発振制御回路部 32 弾性金属電極端子 33 端子ホールド部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両側に開口端を有するケースと、圧電振動
    子を貼りつけた振動板と、回路部品を搭載した回路基板
    とを有し、前記振動板は振幅最大の中央部をケースに支
    持せず、振動が殆どしない周辺部をケースの一方側の開
    口端に固着し、前記回路基板はケースの他方側の開口端
    に固着すると共に、前記圧電振動子及び振動板の電極を
    導体により前記回路基板に接続した圧電式トナーセンサ
    において、 前記圧電振動子を貼りつけた振動板上の一部に絶縁膜を
    設け、該絶縁膜上に、前記圧電振動子の電極を、振動が
    殆どしない前記振動板の周辺部まで引き出すための引き
    出しパターンを形成し、 前記各引き出しパターンの端部に、ケースの側壁に沿っ
    て設けた弾性を有する端子を弾性接触させることで、前
    記圧電振動子及び振動板の電極を前記回路基板に接続し
    たことを特徴とする圧電式トナーセンサ。
  2. 【請求項2】両側に開口端を有するケースと、圧電振動
    子を貼りつけた振動板と、回路部品を搭載した回路基板
    とを有し、前記振動板は振幅最大の中央部をケースに支
    持せず、振動が殆どしない周辺部をケースの一方側の開
    口端に固着し、前記回路基板はケースの他方側の開口端
    に固着すると共に、前記圧電振動子及び振動板の電極を
    導体により前記回路基板に接続した圧電式トナーセンサ
    において、 前記圧電振動子を貼りつけた振動板上の一部に絶縁膜を
    設け、該絶縁膜上に、前記圧電振動子の電極を、振動が
    殆どしない前記振動板の周辺部まで引き出すための引き
    出しパターンを形成すると共に、前記振動板の周辺部に
    も引き出しパターンを形成し、 前記各引き出しパターンの端部に、ケースの側壁に沿っ
    て設けた弾性を有する端子を弾性接触させることで、前
    記圧電振動子及び振動板の電極を前記回路基板に接続し
    たことを特徴とする圧電式トナーセンサ。
JP30261697A 1997-11-05 1997-11-05 圧電式トナーセンサ Withdrawn JPH11142219A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100440062C (zh) * 2003-12-31 2008-12-03 太雄实业株式会社 墨粉量级别传感器
US10295618B2 (en) 2014-09-19 2019-05-21 Hitachi Metals, Ltd. Magnetic permeability sensor and magnetic permeability detecting method, dielectric permittivity sensor and dielectric permittivity detecting method, and magnetic permeability and dielectric permittivity sensor and magnetic permeability and dielectric permittivity detecting method
JP2019203809A (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 一般社団法人日本建設機械施工協会 Pc構造物の劣化現象検査用の移動型aeセンサ

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