JPH11141856A - 減温塔及び減温塔の運転方法 - Google Patents

減温塔及び減温塔の運転方法

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JPH11141856A
JPH11141856A JP9312196A JP31219697A JPH11141856A JP H11141856 A JPH11141856 A JP H11141856A JP 9312196 A JP9312196 A JP 9312196A JP 31219697 A JP31219697 A JP 31219697A JP H11141856 A JPH11141856 A JP H11141856A
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JP
Japan
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exhaust gas
tower
cooling tower
partition plate
flow
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Pending
Application number
JP9312196A
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English (en)
Inventor
Keizo Hamaguchi
敬三 浜口
Hiroshi Osada
容 長田
Shuichi Hirata
修一 平田
Kazuhisa Kowata
和寿 小綿
Masato Kato
正人 加藤
Takehiko Inada
武彦 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集塵温度の低温下にも対応できる高性能の減
温塔を提供すること。 【解決手段】 減温塔本体の外塔1に対して内塔4を同
心円上に設置し、この二重塔部分に排ガス導入ダクト2
を接続し,外塔と内塔の間における排ガス流れが,排ガ
ス導入ダクトの中心線に対して非対称になるように仕切
板11を設置し、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路4
aの排ガスに旋回流れを発生させながら,二重塔下部の
隙間aから所定の流速以上の下降流れを生じさせたの
ち,減温塔上部へ排ガスを誘導させる減温塔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ごみ焼却施設、
可燃性廃棄物処理施設等の焼却装置などから排出される
排ガスを廃水を生じることなく冷却するための減温塔お
よび減温塔の運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】焼却炉等から排出される800℃以上の
高温排ガスは、ボイラやエコノマイザ等の熱エネルギー
回収手段か、水の蒸発潜熱を利用した水噴射式の冷却塔
によって、250〜350℃程度に減温され、後段の電
気集塵機などの集塵機に導入され処理されていた。とこ
ろが、ごみ焼却において、近年、猛毒であるダイオキシ
ン類が300℃付近の温度において生成することが知ら
れるようになり、300℃付近の集塵処理は敬遠され、
200℃以下でパグフィルターを用いた低温集塵が主流
となりつつある。
【0003】排ガスを200℃以下にするためには、ボ
イラ等により熱回収された250〜350℃程度の排ガ
スを、例えば、スプレーノズルを用いた水噴霧によりさ
らに減温する方法が用いられている。すなわち、ボイラ
と集塵機の間に減温塔を設置させて、ダイオキシン類の
発生の少ない200℃以下の低温化を実施するケースが
増えている。
【0004】従来、減温塔は図10に示すように円筒型
胴部21の下部に排ガス導入ダクト22を設置し、導入
した排ガスを直接出口まで誘導させていた。また、特開
平9−33031に開示される減温塔は、図11に示す
ように減温塔下部の排ガス導入部に内塔24を同心円上
に設置し、内塔径D2が外塔径D1の0.55〜0.6
5倍となるように形成し、塔壁の接線方向に排ガス導入
ダクト22を設置し、旋回流を発生させることを特徴と
する減温塔が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
形状の減温塔では、噴霧水の蒸発潜熱により排ガスを冷
却するための減温領域である本体胴部において、導入す
る排ガス流れが均一に胴部断面全体に亘って拡散しない
ために、噴霧水滴の活発かつ効率的な蒸発が行われず
に、未蒸発水滴による塔内壁の濡れ面形成、後段のバグ
フィルターへの未蒸発水滴の流出、濡れダストの生成に
よりダストの固着、ダスト排出困難等の問題を生じてい
た。
【0006】図10を用いて説明すると、排ガス導入ダ
クト22から導入された排ガスは減温塔胴部24に至る
過程で、十分に拡散できずに、排ガス排出ダクト22に
短絡して到達する。
【0007】すなわち、所定の排ガス滞留時間が得られ
ないために、噴霧水滴の十分な蒸発時間が得られないこ
と、また排ガス流れが胴部断面において均一でないの
で、噴霧水滴の恭発が均一に効果的に行われず、温度分
布に偏りが生じること、により噴霧水滴の完全蒸発が得
られなくなり、以て上記問題を生じるに至る。これらの
問題は、先に述べたように近年の集塵温度の低温下と共
により顕著に発生した問題である。
【0008】また、図11(特開平9−33031)に
開示される減温塔では、排ガス導入部に内塔を設置させ
二重塔とするので、排ガス導入部から排出部にかけて、
排ガス流が短絡する前記問題は解決できるが以下の欠点
を有している。
【0009】すなわち、内塔径を外塔径の0.55〜
0.65倍とするので、内塔24からその上部の外塔2
1へ排ガス流が拡散する際に、断面積は少なくとも2倍
以上となるので、排ガス流が均一に拡散することが困難
であること、および、排ガス導入ダクト22を塔壁の接
線方向に設置するので、旋回流は常に強い状態で発生
し、旋回流の強度や旋回流の方向を調整することができ
ない欠点を生じている。
【0010】このように排ガス流が均一に拡散しない
と、スプレーノズル30による噴霧水滴を効果的に蒸発
できない問題を誘発することや、旋回流の強度や方向を
調整できないので、旋回流が過度に強い場合はスプレー
ノズルの水滴噴霧流を吹き飛ばし、水滴噴霧流が内壁に
衝突して内壁が濡れ面を形成してダスト堆積等の問題を
生じるに至る。本発明は集塵温度の低温下にも対応で
き、上記問題の発生しない高性能の減温塔および減温塔
の運転方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第一に、排ガスを減温塔
下部より導入し,排ガスを廃水を生じることなく水噴霧
により冷却して、冷却した排ガスを塔上部より排出する
円筒型の減温塔であって、排ガス導入部形状に関して、 イ)減温塔本体の外塔に対して内塔を同心円上に設置
し、 ロ)内塔の上部はテーパ状に広がりを持たせて、外塔に
対して隙間なく設置させ、 ハ)排ガス導入ダクトを上記二重塔を構成する部分に設
置させて排ガスを導入させ、 ニ)外塔と内塔の間における断面内の排ガス流が、排ガ
ス導入ダクト中心線に対して非対称となるように、排ガ
ス導入ダクトと内塔との間、または、外塔と内塔との間
の排ガス流路に、排ガス流路の一部または全部が遮蔽さ
れるように仕切板を設置させ、 ホ)外塔と内塔の間の環状の排ガス流路の排ガスに旋回
流を発生させながら、二重塔の下部の隙間より所定の流
速以上となる下降流を生じさせたのち、減温塔上部へ排
ガスを誘導させることを特徴とする減温塔である。
【0012】このように減温塔の排ガス導入部を構成す
ることにより、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路の排
ガスは旋回流を生じながら、ダストホッパ部へ下降流を
生じ、ダストホッパ部へ衝突した排ガスは、排ガス相互
の衝突と旋回流により、効果的に整流され、同整流され
た排ガスは旋回流を維持したまま、誘引ファン等のガス
吸引作用により、内塔内部を通過し、減温塔胴部に誘導
される。
【0013】胴部に誘導された排ガスは、排ガス排出部
(減温塔胴部上段)に近づくにつれて、旋回流は徐々に
小さくなりながら、排ガス流の均一さを維持したまま、
排ガス排出部より排出される。
【0014】すなわち、噴霧水滴の蒸発に係わる減温塔
胴部において、排ガス流れが均一であるので、スプレー
ノズルにより水噴霧を行った際に効果的に噴霧水滴の蒸
発がなされる作用が得られる。
【0015】第二に、請求項1において、前記所定の流
速が10m/s以上となるように、内塔と外塔の隙間を
設置したことを特徴とする減温塔である。旋回流を伴う
排ガスの下降流速を10m/s以上とするので、排ガス
下降流がダストホッパ部へ衝突する際の整流効果が一層
高められ、第一の発明の作用がより効果的に得られる。
10m/s以下とすると、排ガス下降流がダストホッパ
部ヘ衝突する作用が弱くなり、排ガス流れの整流効果、
均一化効果が顕著に得られない。
【0016】第三に、請求項1または2において、内塔
径を外塔径の0.7〜0.95倍とすることを特徴とす
る減温塔てある。内塔径を外塔径に対して0.7倍以下
とすると、内塔断面積が外塔断面積(減温塔胴部断面
積)に対しておよそ0.5倍以下となり、内塔から胴部
へガスが移動する際に、ガスが2倍以上拡散しなければ
ならない。
【0017】このように狭い断面から広い断面にガスが
拡散する場合、ガスの粘性や流速等の条件により、テー
パ部分が設置されていたとしても、効果的にガス流れが
胴部断面全体に亘って拡散することができないことが本
発明者らの調査により判明している。したがって、胴部
において均一なガス流れを得るためには、内塔径を外塔
径の0.7倍以上とする必要がある。
【0018】さらに、内塔径を外塔径の0.95倍以上
とすると、内塔と外塔の隙間が狭くなり、内塔と外塔の
間にガスが極端に流れにくくなるため好ましくない。以
上から、内塔径を外塔径の0.7〜0.95倍とするの
で、内塔を通過し胴部に至る旋回流を伴う排ガスが効果
的に分散するので、第一または第二の発明の作用がより
効果的に得られる。
【0019】第四に、請求項1〜3の何れか一つにおい
て、排ガス導入ダクトを設置する位置の外塔周方向に沿
って外塔壁をドーナツ状に覆うように排ガス導入ダクト
を設置し、ドーナツ状導入ダクト内の前記外塔は、複数
の開口を設置するか空洞とすることを特徴とする減温塔
である。
【0020】このように、外塔壁をドーナツ状に般置
し、ドーナツ状導入ダクト内の外塔は、複数の穴を開け
るか空洞とする、すなわち、外塔と内塔の間の環状の排
ガス流路をより大きくするので、内塔下部の外周に沿っ
て旋回流および下降流を生じさせるときの該下降流が内
塔外周に沿ってより均−に生じる作用が得られる。
【0021】第五に、請求項1〜4の何れか一つにおい
て、仕切板の設置位置が、排ガス導入ダクトの側面で、
外塔と内塔の間の空間内であることを特徴とする減温塔
である。
【0022】このように、旋回流を発生させるための仕
切板を、排ガス導入ダクトの側面で、外塔と内塔の間の
空間に設置することにより、外塔と内塔の間の環状の排
ガス流路で、排ガスに旋回流を容易に与えることが可能
となる。
【0023】第六に、請求項5における仕切板が、開度
調整整可能な開閉式ダンパであることを特徴とする減温
塔である。このように、仕切板を開度調整可能な開閉式
ダンパとすると、ダンパの開度を大とすれば旋回流が弱
くなり、開度を小とすれば旋回流が強くなるといったよ
うな旋向流強度の調整が可能となる。
【0024】旋回流の強度の調整が可能であるので、例
えば、排ガス処理量やその他運転条件により、旋回流が
強すぎる場合に、胴部において水滴噴霧流が旋回流によ
り内壁に到達して濡れ面を形成させる不具合を容易に回
避することが可能であることや、運転条件に適合した旋
回流の強さを設定できる利点がある。
【0025】第七に、請求項1〜4の何れか一つにおい
て、仕切板の設置位置が、排ガス導入ダクトと内塔の間
の空問内であり、排ガス導入ダクト中心線に一致しない
位鷹で、排ガス導入方向と平行に設置させることを特徴
とする減温塔である。
【0026】このように、排ガス導入ダクトと内塔の間
の空間であって、排ガス導入ダクト中心線の一致しない
位置で、排ガス導入方向と平行に、仕切板を設置させる
ことにより、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路の排ガ
ス流量バランスを、容易に一方向に偏らせて排ガスに旋
回流を与えることが可能となる。
【0027】第八に、請求項1〜4の何れか一つにおい
て、仕切板の設置位置が、排ガス導入ダクトと内塔の間
の空間内であり、排ガス導入方向に対して傾けて設置さ
せることを特徴とする減温塔である。
【0028】このように、排ガス導入ダクトと内塔の間
の空間であって、排ガス導入方向に対して、仕切板を傾
けて設置させることにより、第七の発明と同様に、外塔
と内塔の間の環状の排ガス流路の排ガス流量バランス
を、容易に一方向に偏らせて排ガスに旋回流を与えるこ
とが可能となる。
【0029】第九に、請求項8における仕切板は、傾け
て設置する際の設置角度が調整可能なダンパであること
を特徴とする減温塔である。このように、設置角度が調
整可能なダンパを仕切板として用いれば、第六の発明の
作用が同様に得られる。
【0030】第十に、請求項1〜9の何れか一つに記載
の仕切板が、駆動可能であることを特徴とする減温塔で
ある。第一から第九の発明に記載の仕切板を駆動可能と
することにより、仕切板が開度調整型のダンパまたは設
置角度調整型のダンパであっても、ダンパの開閉や設置
角度を変更することなく、仕切板自体を駆動可能とする
ことにより、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路の排ガ
ス旋回流の強度を調整可能とすることができ、以て第六
の発明の作用が同等に得られる。
【0031】第十一に、請求項6における開閉式ダンパ
の開度を、排ガス処理量が所定の流量より多いときに大
きくし、所定の流量より少ないときに小さくすることを
特徴とする請求項6に記載の減温塔を用いた減温塔の運
転方法である。
【0032】開閉式ダンパの開度を大きくすると、外塔
と内塔の間の環状の排ガス流路で、排ガス流が一方向に
偏る程度が小さくなるので、排ガスの旋回流が相対的に
弱くなり、ダンパの開度を小さくすると、逆に旋回流が
相対的に強くなる。
【0033】また、排ガス処理量が多いときは、同じダ
ンパの開度であっても、相対的に旋回流が強くなり、排
ガス処理量が小さいときは、相対的に旋回流が弱くな
る。これらのことから、排ガス処理量が所定の流量より
多いときに、開閉式ダンパの開度を大きくし、所定の流
量より少ないときに小さくすると、旋回流の強さが排ガ
ス処理量に関わらず、ほぼ一定とすることが可能とな
る。
【0034】このようにダンパの開度を制御することに
より、排ガス処理量が多いときに旋回流が極端に強くな
って、スプレーノズルによる水滴噴霧流が強い旋回流に
より吹き飛ばされ、内壁に濡れ面を形成する不具合を事
前に回避することが可能となる。
【0035】第十二に、請求項9における設置角度調整
可能なダンパの設置角度を、排ガス処理量が所定の流量
より多いときに小さくし、所定の流量より少ないときに
大きくすることを特徴とする請求項9に記戦の減温塔を
用いた減温塔の運転方法である。
【0036】設置角度調整可能なダンパの設置角度を大
きくすると、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路で、排
ガス流が一方向に偏る偏り程度が大きくなるので、排ガ
スの旋回流が相対的に強くなり、設置角度を小さくする
と、逆に旋回流が相対的に弱くなる。
【0037】また、排ガス処理量が多いときは、同じ設
置角度であっても、相対的に旋回流が強くなり、排ガス
処理量が小さいときは、相対的に旋回流が弱くなる。こ
れらのことから、排ガス処理最が所定の流量より多いと
きに、設置角度調整可能なダンパの設置角度を小さく
し、所定の流量より少ないときに設置度を大きくする
と、旋回流の強さが排ガス処理量に関わらず、ほぼ一定
とすることが可能となる。
【0038】このように設置角度調整ダンパの設置角度
を制御することにより、排ガス処理量が多いときに旋回
流が極端に強くなって、スプレーノズルによる水滴噴霧
流が強い旋回流により吹き飛ばされ、内壁に濡れ面を形
成する不具合を事前に回避することが第十一の発明の作
用と同様に可能となる。
【0039】第十三に、請求項10における駆動可能な
仕切板を駆動させる際に、排ガス処理量が所定の流量よ
り多いときに、外塔と内塔の間の環状の排ガス流の非対
称性が小さくなる方向に駆動させ、所定の流量より少な
いときに、外塔と内塔の間の環状の排ガス流の非対称性
が大きくなる方向に駆動させることを特徴とする請求項
10に記載の減温塔を用いた減温塔の運転方法である。
【0040】このように、駆動可能な仕切板を駆動させ
ると、旋回流の強さが排ガス処理量に関わらず、ほぼ一
定とすることが可能となる。以て、排ガス処理量が多い
ときに旋回流が極端に強くなって、スプレーノズルによ
る水滴噴霧流が強い旋回流により吹き飛ばされ、内壁に
濡れ面を形成する不具合を事前に回避することが第十
一、第十二の発明の作用と同様に可能となる。
【0041】第十四に、請求項6、9、10の何れか一
つに記載の仕切板の開閉、設置角度調整または駆動動作
を一定周期で行うことを特微とする請求項6、9、10
の対応する何れか一つの減温塔を用いた減温塔の運転方
法である。
【0042】このように仕切板の開閉、設置角度調整ま
たは駆動動作を一定周期で行うと、外塔と内塔の間の環
状の排ガス流路での旋回流およびこれから誘発される減
温塔胴部での旋回流の発生を一定周期で行わせるか、旋
回流の強度を一定周期で変化させることが可能となる。
【0043】一般に、スプレーノズルによる水滴噴霧流
が固定されている場合は、塔内での排ガス流の軌跡が一
定であるため、塔内で水滴蒸発が活発な部分とそうでな
い部分に、恒常的に分割されてしまうことが多い。すな
わち、塔内で低温領域が形成され、低温であるため水滴
が完全蒸発せずに、未蒸発水滴が生じることが多い。
【0044】第一から第十三の発明では仕切板を設置し
て旋回流を発生させることにより、塔内で低温領域が恒
常的に形成されることを回避する効果があり、低温領域
形成による未蒸発水滴の発生やこれに伴う湿りダストの
発生のトラブルはほとんど生じない作用がある。
【0045】しかしながら、旋回流が強い場合や、旋回
流の影響を大きく受ける位置にスプレーノズルが設置さ
れている場合など場合によっては、一定の旋回流の影響
を常時同じ態様で受けてしまうため、スプレーノズルに
よる水滴噴霧流による低温領域の形成が、部分的になさ
れる場合がある。
【0046】第十四の発明によれば、旋回流の発生を一
定周期で行わせるか、旋回流の強度を一定周期で変化さ
せることにより、スプレーノズル設置近辺での排ガス流
を強制的に変化させて、低温領域の形成を事前に回避す
ることが可能となる。
【0047】
【発明の実施の形熊】図1〜図9は、本発明に係わる減
温塔の一実施形態を示す図である。但し、図3は本発明
に係わる仕切板をはずした場合の比較例である。図1
0.図11は、本発明と比較のため従来の減温塔を示す
図である。
【0048】ここで、1は減温塔外塔または本体胴部、
2は排ガス導入ダクト、2aはドーナツ状の排ガス導入
ダクト、3は内塔のテーパ部、4は内塔の直胴部、4a
は環状の排ガス流路,aは隙間,5はダス卜捕集ホッパ
部、6はダスト排出部、7は排ガス導入部における開口
部、7aは空洞,10はスプレーノズル、11は仕切
板、21は減温塔本体胴部、22は排ガス導入ダク卜、
24は内塔、25はダスト捕集ホッパ部、26はダスト
排出部、29は排ガス排出ダクト、30はスプレーノズ
ルである。なお、図中の矢印は排ガス流れ方向を示す。
【0049】以下、図1〜図9に基づいて本発明の実施
形態を説明する。焼却炉などから排出されボイラなどに
より熱回収されたあとの200℃以上の排ガスは、減温
塔下部に設置される排ガス導入ダクト2を介して、減温
塔1に導入され、スプレーノズル10による水噴霧の結
果、水滴の有する蒸発潜熱により排ガスは冷却されて、
減温塔上部に設置される排ガス排出ダクト(図示しな
い)から排出される。排出された排ガスは後段に設置さ
れる集塵機に導入される。但し、ここで述べた焼却炉、
ボイラ、集塵機は図示していない。
【0050】減温塔で減温された排ガスの温度は、後段
の集塵機の条件やその他運転に係わる条件によって異な
るが、例えば、ごみ焼却施設に設置される減温塔の場合
は、150〜200℃のダイオキシン類の発生のごく少
ない低温域に冷却することが近年、大いに望まれてい
る。減温塔での温度降下、すなわち、入口温度と出口温
度の差は、減温塔の大きさやスプレーノズルの噴霧性能
にもよるが、通常、30〜200℃程度である。
【0051】図1に示すのは、排ガス導入ダクト2を減
温塔下部の側面に設置し、減温塔下部に内塔4を外塔1
の同心円上に設置し、内塔4と外塔1をテーパ部3で接
続した排ガス導入部の形状で、外塔1と内塔4の間の環
状の排ガス流路4aに仕切板11を設置した場合を示す
図である。
【0052】仕切板11は排ガス導入ダクト2から見て
左側に設置し、外塔1と内塔4の間の環状の排ガス流路
4aの一部をしゃへいしている。これに対し、図2は排
ガス導入ダクト2から見て左側の排ガス流路全体をしゃ
へいしている。
【0053】仕切板11の設置位置は、排ガス導入ダク
ト2と内塔4の間、または、外塔1と内塔4の間の環状
の排ガス流路4aであればよく、排ガス流路の一部また
は全部が遮蔽されればよい。
【0054】排ガス導入ダクト2から導入された排ガス
は、外塔1と内塔4の間の環状の排ガス流路4aに行き
渡る際に、排ガス導入ダクト中心線に対して非対称な流
れ、すなわち、図1、図2において、排ガス導入ダクト
から見て右側の排ガス流れが多くなり、外塔1と内塔4
の間の排ガス流路4aで、排ガスに左回りの旋回流が発
生する。
【0055】このとき、内塔下部外周と外塔内周(また
はダスト捕集ホッパ部5上部)の隙間aから、内塔下部
外周の周方向に亘って、ダスト捕集ホッパ部5に向け
て、排ガスは旋回流を伴いながら、下降流となって噴射
される。
【0056】隙間aは外塔径D1よりも極端に小さいの
で、隙間aを通過する排ガスは流速が胴部平均流速より
も大きいため、勢いよくダスト捕集ホッパ部5に衝突す
るとともに、周辺からの下降流とも衝突するので、排ガ
ス導入ダクト部2で偏りがある流れであっても,旋回流
を伴う衝突作用により、ガス流れの偏りは効果的に解消
される。
【0057】ここで、隙聞aにおける排ガス下降流の平
均流速が10m/s以上の高流速となるように隙間aを
設定することがより望ましい。排ガスの下降流速を10
m/s以上とするので、排ガス下降流がダストホッパ部
5へ衝突する際の整流効果が一層高められ、上記の作用
がより効果的に得られる。10m/s以下とすると、排
ガス下降流がダストホッパ部へ衝突する作用が弱くな
り、排ガス流れの整流効果、均一化効果が顕著に得られ
ない。
【0058】次に、排ガスは旋回流を維持したまま、内
塔直胴部4を上昇し、胴部へ移動する。この際に、内塔
径D2は外塔径Dlに対して極端には小さくないので、
内塔内を通過した排ガスは旋回流を維持したまま胴部に
おいて効率よく分散する。
【0059】このように、二重塔を構成することにより
排ガス導入部における排ガスは整流されるとともに旋回
流を与えられ、内塔から胴部に至る過程で効率よく分散
するので、減温塔胴部において偏りの少ない旋回流が得
られる。
【0060】ここで、内塔径D2は外塔径D1に対して
0.7〜0.95倍とすることが望ましい。内塔径を外
塔径に対して0.7倍以下とすると、内塔断面積が外塔
断面積(減温塔胴部断面積)に対しておよそ0.5倍以
下となり、内塔から胴部へガスが移動する際に、ガスが
2倍以上拡散しなければならない。このように狭い断面
から広い断面にガスが拡散する場合、ガスの粘性や流速
等の条件により、テーパ部分が設置されていたとして
も、効果的にガス流れが胴部断面全体に亘って拡散する
ことができないことが本発明者らの調査により判明して
いる。
【0061】したがって、胴部において均一なガス流れ
を得るためには、内塔径を外塔径の0.7倍以上とする
必要がある。さらに、内塔径を外塔径の0.95倍以上
とすると、内塔と外塔の隙間が狭くなり、内塔と外塔の
間にガスが極端に流れにくくなるため好ましくない。
【0062】以上から、内塔径を外塔径の0.7〜0.
95倍とするので、内塔を通過し胴部に至る旋回流を伴
う排ガスが効果的に分散するので、すでに述べた作用が
より効果的に得られる。
【0063】次に、旋回流を伴う排ガスは胴部に設置さ
れる水噴霧スプレーノズル10の噴霧水滴により均一に
冷却される。冷却された排ガスは減温塔胴部を上昇する
過程で旋回流の強さを弱めながら、排ガス排出部(図示
しない)より排出される。
【0064】図1に対し、図2は仕切板11を外塔1と
内塔4の間の環状の排ガス流路4aを部分的に遮蔽する
のでなく、全体を遮蔽するように設置している。したが
って、より強い旋回流が得られる。部分遮蔽するか全体
遮蔽するかは、旋回流強度を考慮して排ガス処理量その
他運転条件により決定される。
【0065】図3は本発明の排ガス導入部の形状におい
て、仕切板のみをはずした場合の比較図である。仕切板
をはずすと断面において排ガス導入ダクト中心線に対し
て対称な流れとなり、旋回流は発生しない。
【0066】図4、図5に示すのは本発明の減温塔排ガ
ス導入部の別の実施形態である。図4に示すのは、排ガ
ス導入ダクトを設置する位置の外塔周方向に沿って外塔
壁をドーナツ状に覆うように排ガス導入ダクトを設置
し、ドーナツ状排ガス導入ダクト2a内の前記外塔に、
複数の開口7を設置した排ガス導入部の形状である。
【0067】図5に示すのは、排ガス導入ダクトを設置
する位置の外塔周方向に沿って外塔壁をドーナツ状に覆
うように排ガス導入ダクトを設置し、ドーナツ状排ガス
導入ダクト2a内の前記外塔を、空洞7aとした排ガス
導入部の形状である。
【0068】このように、外塔壁をドーナツ状に設置
し、ドーナツ状排ガス導入ダクト2a内の外塔は、複数
の孔を開けるか空洞とする、すなわち、外塔と内塔の間
の環状の排ガス流路をより大きくするので、内塔下部の
外周に沿って旋回流および下降流を生じさせるときの該
下降流が内塔外周に沿ってより均一に生じる作用が得ら
れる。
【0069】図6に示すのは旋回流を発生させるための
仕切板11を、排ガス導入ダクト2の側面で、外塔と内
塔の間の空間内に設置し、該仕切板が開度調整可能な開
閉式ダンパである場合の図である。
【0070】開度調整可能な開閉式ダンパは、仕切弁や
バタフライ弁など公知の弁(ダンパ)を用いればよく、
開度が調整可能であれば様式は問わない。また、開度調
整のための開度調整装置を付属させてもよいし、制御室
から遠隔操作ができる開度制御可能な様式であってもよ
い。必要に応じてこれら付属装置は用いるものとする。
【0071】このように、旋回流を発生させるための仕
切板11を、排ガス導入ダクトの側面で、外塔と内塔の
間の空間に設置することにより、外塔と内塔の間の環状
の排ガス流路4aで、排ガスに旋回流を容易に与えるこ
とが可能となる。
【0072】さらに、仕切板を開度調整可能な開閉式ダ
ンパとすると、ダンパの開度を大とすれば旋回流が弱く
なり、開度を小とすれば旋回流が強くなるといったよう
な旋回流強度の調整が可能となる。
【0073】旋回流の強度の調整が可能であるので、例
えば、排ガス処理量やその他の運転条件により、旋回流
が強すぎる場合に、胴部において水滴噴霧流が旋回流に
より内壁に到達して濡れ面を形成させる不具合を容易に
回避することが可能てあることや、運転条件に適合した
旋回流の強さを設定できる利点がある。
【0074】図7に示すのは、旋回流を発生させるため
の仕切板11を、排ガス導入ダクト2と内塔4の間の空
間であり、排ガス導入ダクト中心線に一致しない位置
で、排ガス導入方向と平行に設置させた場合の図であ
る。
【0075】排ガス導入ダクト中心線に一致させて設置
すると、仕切板左右の排ガス流量が等しくなり、外塔と
内塔の間の環状の排ガス流路の排ガス流量バランスに偏
りが生じなく、旋回流が発生しないので好ましくない。
【0076】このように、排ガス導入ダクトと内塔の間
の空間であって、排ガス導入ダクト中心線の一致しない
位置で、排ガス導入方向と平行に、仕切板を設置させる
ことにより、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路4aの
排ガス流量バランスを、容易に一方向に偏らせて排ガス
に旋回流を与えることが可能となる。
【0077】図9に示すのは、旋回流を発生させるため
の仕切板11を、排ガス導入ダクト2と内塔4の間の空
間内であり、排ガス導入方向に対して傾けて設置した場
合の図である。
【0078】このように、排ガス導入ダクトと内塔の間
の空間であって、排ガス導入方向に対して、仕切板を傾
けて設置させることにより、図7に示したことと同様
に、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路4aの排ガス流
量バランスを、容易に一方向に偏らせて排ガスに旋回流
を与えることが可能となる。
【0079】傾けて設置する際の設置角度は、期待する
旋回流の強さに応じて設定すればよく、さらに、旋回流
の設置角度を調整可能なダンパを仕切板として用いれ
ば、図6の説明で示した作用が同様に得られる。
【0080】次に、図7の説明では仕切板11を固定す
る場合を示したが、図7に二点鎖線で示すように、仕切
板自体を駆動可能としてもよい。駆動させるためには公
知の機械的な駆動装置が用いられる。また、図8に示す
ように、排ガス導入グクト中心線をまたいで、駆動させ
てもよい。さらに、図1〜図6、図9で示した仕切板自
体を駆動させてもよい。
【0081】このように第一から第九の発明に記載の仕
切板を駆動可能とすることにより、仕切板が開度調整型
のダンパまたは設置角度調整型のダンパであっても、ダ
ンパの開閉や設置角度を変更することなく、仕切板自体
を駆動可能とすることにより、外塔と内塔の間の環状の
排ガス流路の排ガス旋回流の強度を調整可能とすること
ができ、以て図6の説明で示した作用が同等に得られ
る。
【0082】次に、今まで示した減温塔を用いた減温塔
の運転方法について説明する。減温塔の運転方法とし
て、請求項6における開閉式ダンパ(図6)の開度を、
排ガス処理量が所定の流量より多いときに大きくし、所
定の流量より少ないときに小さくする運転方法を提供す
る。
【0083】開閉式ダンパの開度を大きくすると、外塔
と内塔の間の環状の排ガス流路4aで、排ガス流が一方
向に偏る偏り程度が小さくなるので、排ガスの旋回流が
相対的に弱くなり、ダンパの開度を小さくすると、逆に
旋回流が相対的に強くなる。
【0084】また、排ガス処理量が多いときは、同じダ
ンパの開度であっても、相対的に旋回流が強くなり、排
ガス処理量が小さいときは、相対的に旋回流が弱くな
る。これらのことから、排ガス処理量が所定の流量より
多いときに、開閉式ダンパの開度を大きくし、所定の流
量より少ないときに小さくすると、旋回流の強さが排ガ
ス処理量に関わらず、ほぼ一定とすることが可能とな
る。
【0085】このようにダンパの開度を制御することに
より、排ガス処理量が多いときに旋回流が極端に強くな
って、スプレーノズルによる水滴噴霧流が強い旋回流に
より吹き飛ばされて内壁に濡れ面を形成する不具合を事
前に回避することが可能となる。
【0086】あるいは、請求項9(図9)における設置
角度調整可能なダンパの設置角度を、排ガス処理量が所
定の流量より多いときに小さくし、所定の流量より少な
いときに大きくする運転方法を提供する。
【0087】設置角度調整可能なダンパの設置角度を大
きくすると、外塔と内塔の聞の環状の排ガス流路で、排
ガス流が一方向に偏る偏り程度が大きくなるので、排ガ
スの旋回流が相対的に強くなり、設置角度を小さ<する
と、逆に旋回流が相対的に弱くなる。
【0088】また、排ガス処理量が多いときは、同じ設
置角度であっても、相対的に旋回流が強くなり、排ガス
処理量が小さいときは、相対的に旋回流が弱くなる。こ
れらのことから、排ガス処理量が所定の流量より多いと
きに、設置角度調整可能なダンパの設置角度を小さく
し、所定の流量より少ないときに設置角度を大きくする
と、旋回流の強さが排ガス処理量に関わらず、ほぼ一定
とすることが可能となる。
【0089】このように設置角度調整ダンパの設置角度
を制御することにより、排ガス処理量が多いときに旋回
流が極端に強くなって、スプレーノズルによる水滴噴霧
流が強い旋回流により吹き飛ばされ、内壁に濡れ面を形
成する不具合を事前に回避することが上記の作用と同様
に可能となる。
【0090】あるいは、請求項10における駆動可能な
仕切板を駆動させる際に、排ガス処理量が所定の流量よ
り多いときに、外塔と内塔の間の環状の排ガス流の非対
称性が小さくなる方向に駆動させ、所定の流量より少な
いときに、外塔と内塔の間の環状の排ガス流の非対称性
が大きくなる方向に駆動させる運転方法を提供する。
【0091】このように、駆動可能な仕切板を駆動させ
ると、旋回流の強さが排ガス処理量に関わらず、ほぼ一
定とすることが可能となる。以て、排ガス処理量が多い
ときに旋回流が極端に強くなって、スプレーノズルによ
る水滴噴霧流が強い旋回流により吹き飛ばされ、内壁に
濡れ面を形成する不具合を事前に回避することが上記の
作用と同様に可能となる。
【0092】別の連転方法として、請求項6、9、10
の何れか一つに記載の仕切板の開閉、設置角度調整また
は駆動動作を一定周期で行う運転方法を提供する。この
ように仕切板の開閉、設置角度調整または駆動動作を一
定周期で行うと、外塔と内塔の間の環状の排ガス流路で
の旋回流およびこれから誘発される減温塔胴部での旋回
流の発生を一定周期で行わせるか、旋回流の強度を一定
周期で変化させることが可能となる。
【0093】一般に、スプレーノズルによる水滴噴霧流
が固定されている場合は、塔内での排ガス流の軌跡が一
定であるため、塔内で水滴蒸発が活発な部分とそうでな
い部分に、恒常的に分割されてしまうことが多い。すな
わち、塔内で低温領域が形成され、低温であるため水滴
が完全蒸発せずに、未蒸発水滴が生じることが多い。
【0094】第一から第十三の発明では仕切板を設置し
て旋回流を発生させることにより、塔内で低温領域が恒
常的に形成されることを回避する効果があり、低温領域
形成による未蒸発水滴の発生やこれに伴う湿りダストの
発生のトラブルはほとんど生じない作用がある。
【0095】しかしながら、旋回流が強い場合や、旋回
流の影響を大きく受ける位置にスプレーノズルが設置さ
れている場合など場合によっては、一定の旋回流の影響
を常時同じ態様で受けてしまうため、スプレーノズルに
よる水滴噴霧流による低温領域の形成が部分的になされ
る場合がある。
【0096】この運転方法により、旋回流の発生を一定
周期で行わせるか、旋回流の強度を一定周期で変化させ
ることにより、スプレーノズル設置近辺での排ガス流を
強制的に変化させて、低温領域の形成を事前に回避する
ことが可能となる。
【0097】一定周期の時間は、特に限定しないが、減
温塔に排ガスが導入されて、排出されるまでの排ガスの
平均滞留時間に対して、2〜20倍程度の間隔が望まし
い。別の表現をすると、一周期には通常2回の動作が含
まれるので、例えば、ダンパの開度を小さくしてから大
きくするまでの時聞、または、旋回流を発生させてから
停止するまでの時間は、前記滞留時間の1〜10倍程度
であることが望ましい。
【0098】さて、今までに述べた減温塔の運転方法を
用いず、本発明の減温塔を用いて通常の運転を行っても
よく、すでに述べた第一から第十の発明の作用が得られ
ることは明らかである。
【0099】本発明の減温塔における水噴霧のためのス
プレーノズル10の設置位置は特に限定しないが、十分
に水滴の蒸発時間を確保できる胴部下段などの位置がよ
い。設置本数は冷却温度やノズルの性能などにより決定
される。複数本を同一断面に設置する場合は、周方向に
等間隔に設置するなど、断面での水噴霧流の対称性が得
られるように配置させることが望ましい。
【0100】使用するスプレーノズルは、運転条件によ
っても異なるが、例えば、200℃以下に冷却するよう
な低温用の減温塔の場合は、より微細な噴霧水滴が得ら
れる水と空気を用いる二流体ノズルを採用するのが好ま
しいが特に限定しない。また、噴霧水として、消石灰ス
ラリ等のアルカリ性吸収液を用いて、排ガス中の酸性成
分を除去してもよく、水の潜熱を用いて排ガスを冷却で
きるものであればいかなる様式でもよい。
【0101】スプレーノズル10を減温塔に設置する場
合の取り付け方法として、例えば、内壁から数10cm
突き出してもよいし、そうでなくともよい。ノズルの耐
久性を確保するために、ノズルの外周に保護管を取り付
けてもよいし、ノズルと保護管の間にパージエアー等を
用いてもよい。
【0102】また、ノズルを断面に対して仰角を持たせ
て設置するか、ノズル先端部をガス流れ方向に屈曲させ
てもよい。何れの場合においても、本発明の効果が同様
に得られることは明らかである。
【0103】水噴霧量の制御は、所定の減温塔出口温度
となるようにフィードパック制御やその他の制御手法を
用いて制御すればよく、本発明の減温塔の運転方法と併
用して用いられる。 「実施例」本発明の減温塔を既設のごみ焼却場に付設す
る減温塔に実施し、本発明の減温塔の運転方法を用いて
本発明の効果を調べるための試験を行った。
【0104】実施例は、図1に示す排ガス導入部の形状
で、仕切板は図6に示す開度調整制御可能な開閉式ダン
パとした。運転方法は, 1)本発明の運転方法を実施しない通常の運転方法(実
施例1)、 2)排ガス量に応じてダンパの開度を制御する請求項1
1に記載の運転方法(実施例2)、 3)ダンパの開閉を一定周期20秒で行う請求項14に
記載の運転方法(実施例3) の3水準行った。
【0105】排ガス導入部形状の詳細として、内塔径D
2と外塔径D1の比をD2/D1=0.8とし、二重塔
の下部に生じる下降流の平均流速(図1の隙間a部分の
流速)が15m/sとなるように隙間aを設定した。排
ガス排出部の形状は従来の減温塔(図10)と同様とし
た。
【0106】比較例は、図10に示す従来の形状の減温
塔とした。共通の条件として、減温塔の外形は同一寸法
とし、排ガス処理量4000ONm3 /h、減温塔排ガ
ス滞留時問4秒(容積と排ガス量で算定される)、減温
塔入口排ガス温度約200℃、出口排ガス温度(水噴霧
量を調整して一定とする)150℃とした。
【0107】スプレーノズルは4本同一断面に等間隔に
設置し、二流体ノズルを用いた。水噴霧運転を連続一ケ
月行い、一ケ月後の塔内のダストの堆積状況を確認し
た。ダストの堆積は、未蒸発水滴が塔壁に付着したり、
ダストの凝集効果を促進させるために発生するので、水
滴が完全蒸発し、以て安定した運転がなされたかどうか
の判断指標となる。
【0108】この結果、−ケ月後の塔内ダスト堆積を観
察すると、比較例では、塔内壁の広範囲に亘って噴霧水
滴の不完全蒸発による湿りダストが10cm以上の厚み
で堆積し、一部は排ガス顕熱により固着していたのに対
し、本発明の実施例1では、塔内のダストの堆積は部分
的に観察されたのみであった。
【0109】さらに本発明の減温塔の運転方法を用いた
実施例2および実施例3では、ダストの堆積がほとんど
観察されず、内壁にうっすらとダストが付着している程
度であり、実施例1より好結果となった。
【0110】すなわち、本発明の減温塔および本発明の
運転方法を用いた減温塔は、塔内で旋回流を生じながら
均一な排ガス流れが得られ、150℃と低温であっても
効果的に噴霧水滴を蒸発させ、もって不完全蒸発による
ダスト堆積等の問題の生じない優れた減温塔であること
が確認できた。
【0111】
【発明の効果】本発明の減温塔または減温塔の運転方法
を用いれば、排ガス導入部で排ガスを整流しながら効果
的に旋回流を与え、胴部において、偏りのない旋回流が
得られるので、ダイオキシン類の発生のごく少ない15
0℃程度の低温であっても、スプレーノズルによる噴霧
水滴を効果的に蒸発させ、以て不完全蒸発による塔内の
ダスト堆積等の問題の生じない優れた排ガス冷却が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部形状の一
実施形態を示す、排ガス流路を部分的に遮蔽した図。
【図2】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部形状の一
実施形態を示す、排ガス流路を全て遮蔽した図。
【図3】比較のための、減温塔の排ガス導入部に仕切板
を設置しない場合の説明図。
【図4】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部形状の一
実施形態を示す、外塔に複数の開口を設けた図。
【図5】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部形状の一
実施形態を示す、外塔を空洞とした場合の図。
【図6】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部における
仕切板の一実施形態を示す、仕切板を開度調整可能な開
閉式ダンパとした場合の図。
【図7】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部における
仕切板のー実施形態を示す、仕切板を排ガス導入方向に
平行とした場合の図。
【図8】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部における
仕切板の一実施形態を示す、図7に類似の他の実施形態
例の図。
【図9】本発明に係わる減温塔の排ガス導入部における
仕切板の一実施形態を示す、仕切板を排ガス導入方向に
傾けて設置した場合の図。
【図10】従来の減温塔の一例を示す図。
【図11】従来の減温塔の排ガス導入部の一例を示す
図。
【符号の説明】 1…減温塔外塔または本体胴部、2…排ガス導入ダク
ト、2a…ドーナッ状の排ガス導入ダクト、3…内塔の
テーパ部、4…内塔の直胴部、4a…環状の排ガス流
路、a…隙間、5…ダスト捕集ホッパ部、6…ダスト排
出部、7…排ガス導入部における開口部、7a…空洞、
10…スプレーノズル、11…仕切板、21…減温塔本
体胴部、22…排ガス導入ダクト、24…内塔、25…
ダスト捕集ホッパ部、26…ダスト排出部、29…排ガ
ス排出ダクト、30…スプレーノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小綿 和寿 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加藤 正人 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 稲田 武彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスを減温塔下部より導入し,排ガス
    を廃水を生じることなく水噴霧により冷却して、冷却し
    た排ガスを塔上部より排出する円筒型の減温塔であつ
    て、排ガス導入部形状に関して、 イ)減温塔本体の外塔に対して内塔を同心円上に設置
    し、 ロ)内塔の上部はテーパ状に広がりを持たせて、外塔に
    対して隙間なく設置させ、 ハ)排ガス導入ダクトを上記二重塔を構成する部分に設
    置させて排ガスを導入させ、 ニ)外塔と内塔の間における断面内の排ガス流が、排ガ
    ス導入ダクト中心線に対して非対称となるように、排ガ
    ス導入グクトと内塔との間、または、外塔と内塔との間
    の排ガス流路に、徘ガス流路の一部または全部が遮蔽さ
    れるように仕切板を設置させ、 ホ)外塔と内塔の間の環状の排ガス流路の排ガスに旋回
    流を発生させながら、二重塔の下部の隙間より所定の流
    速以上となる下降流を生じさせたのち、減温塔上部へ排
    ガスを誘導させる、 ことを特徴とする減温塔。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記所定の流速が1
    0m/s以上となるように、内塔と外塔の隙間を設置し
    たことを特徴とする減温塔。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、内塔径を外
    塔径の0.7〜0.95倍とすることを特徴とする減温
    塔。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一つにおいて、排
    ガス導入ダクトを設置する位置の外塔周方向に沿って外
    塔壁をドーナツ状に覆うように排ガス導入ダクトを設置
    し、ドーナツ状導入ダクト内の前記外塔は、複数の開口
    を設置するか空洞とすることを特徴とする減温塔。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一つにおいて、仕
    切板の設置位置が、排ガス導入ダクトの側面で、外塔と
    内塔の間の空間内であることを特微とする減温塔。
  6. 【請求項6】 請求項5における仕切板が、開度調整可
    能な開閉式ダンパであることを特徴とする減温塔。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4の何れか一つにおいて、仕
    切板の設置位置が、排ガス導入ダクトと内塔の間の空間
    内であり、排ガス導入ダクト中心線に一致しない位置
    で、排ガス導入方向と平行に設置させることを特徴とす
    る減温塔。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4の何れか一つにおいて、仕
    切板の設置位置が、排ガス導入ダクトと内塔の間の空間
    内であり、排ガス導入方向に対して傾けて設置させるこ
    とを特徴とする減温塔。
  9. 【請求項9】 請求項8における仕切板は、傾けて設置
    する際の設置角度が調整可能なダンパであることを特徴
    とする減温塔。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか一つに記戦の仕
    切板が、駆動可能であることを特徴とする減温塔。
  11. 【請求項11】 請求項6における開閉式ダンパの開度
    を、排ガス処理量が所定の流量より多いときに大きく
    し、所定の流量より少ないときに小さくすることを特徴
    とする請求項6に記載の減温塔を用いた減温塔の運転方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項9における設置角度調整可能な
    ダンパの設置角度を、排ガス処理量が所定の流量より多
    いときに小さくし、所定の流量より少ないときに大きく
    することを特徴とする請求項9に記載の減温塔を用いた
    減温塔の運転方法。
  13. 【請求項13】 請求項10における駆動可能な仕切板
    を駆動させる際に、排ガス処理最が所定の流量より多い
    ときに、外塔と内塔の間の環状の排ガス流の非対称性が
    小さくなる方向に駆動させ、所定の流量より少ないとき
    に、外塔と内塔の問の環状の排ガス流の非対称性が大き
    くなる方向に駆動させることを特徴とする請求項10に
    記載の減温塔を用いた減温塔の運転方法。
  14. 【請求項14】 請求項6、9、10の何れか一つに記
    載の仕切板の開閉、設置角度調整または駆動動作を一定
    周期で行うことを特徴とする請求項6、9、10の対応
    する何れか一つの減温塔を用いた減温塔の運転方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002177725A (ja) * 2000-12-14 2002-06-25 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガス冷却塔
JP2009168381A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Hitachi Zosen Corp 排ガス冷却促進装置
CN113932618A (zh) * 2020-07-13 2022-01-14 江苏集萃冶金技术研究院有限公司 基于熔渣自清理的高温烟尘粉体流化冷却塔

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