JPH11139963A - 薬学的活性成分を含有する粘着材料及びその製造方法 - Google Patents

薬学的活性成分を含有する粘着材料及びその製造方法

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JPH11139963A
JPH11139963A JP9322062A JP32206297A JPH11139963A JP H11139963 A JPH11139963 A JP H11139963A JP 9322062 A JP9322062 A JP 9322062A JP 32206297 A JP32206297 A JP 32206297A JP H11139963 A JPH11139963 A JP H11139963A
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JP9322062A
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English (en)
Inventor
Masaaki Miyata
昌亮 宮田
Masafumi Kaneshiro
雅文 金城
Shiro Morioka
史朗 森岡
Masaharu Taniguchi
政晴 谷口
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Kyowa KK
Original Assignee
Kyowa KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘着剤中に均一分散する高吸水性樹脂中の薬
学的活性成分が被着体面上に徐放されて、薬学的活性成
分効果を持続できるような粘着材料を得ることを目的と
する。 【構成】 全面に上下に貫通する細孔を有し、かつ粘着
剤中に薬学的活性成分を含包した高吸水性樹脂を均一分
散させた粘着剤層の片面に通気性を有する支持材が積層
されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は主として絆創膏,
粘着包帯,スポーツ用粘着テープ,心電図用粘着テープ
・ラベル,創傷部等を保護する皮膚保護材,大型絆,ド
レープ,除菌シート等に用いる薬学的活性成分を徐放で
きる薬学的活性成分を含有する粘着材料及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の薬学的活性成分を含有す
る粘着材料としては例えば特開平1−99564号公報
に記載される薬学的活性成分を含有する粘着包帯,特願
平9−143252号に記載する皮膚保護材等がある。
【0003】即ち、特開平1−99564号公報には支
持材と粘着剤層からなる粘着包帯において粘着剤層がポ
リイソブチレンと水溶性及び/又は水膨潤性物質を主成
分としこれに種々の任意の成分の均質混合物を加えてな
る粘着剤に薬学的活性成分を含有させた粘着剤層からな
る粘着包帯が開示されている。
【0004】さらに、特願平9−143252号(平成
9年5月16日出願)の皮膚保護材は本出願人が先に出
願したものであるが、「疎水性粘着剤」と「水溶性高分
子を主成分とする親水性粘着剤」とを一体的に積層した
皮膚保護材において親水性粘着剤中に薬剤を練り込んだ
皮膚保護材を開示する。
【0005】しかしながら、これらの粘着包帯ないし皮
膚保護材は単にポリイソブチレンと水溶性及び/又は水
膨潤性物質を主成分とする粘着剤中に直接薬学的活性成
分を含有せしめてあるか、親水性粘着剤中に薬剤を直接
混合したものであって、このように粘着剤中に直接混合
したものは当該粘着剤との相溶性の悪さから薬学的活性
成分が短時間の内に表層へマイグレーションするという
大きな欠点があり、被着体に対する短期的な薬剤効果は
あるが、薬剤の持続効果即ち含有した薬剤を徐放するこ
とができないといううらみがある。
【0006】一方、特公昭63−41585号公報には
透気性接着テープの製造方法が開示されており、水又は
水と吸着性高分子を分散させた粘着剤を塗工乾燥させて
粘着剤同士の隔離膜となっている水分を蒸発させ、粘着
剤層に泡を生じさせることによって粘着剤層を多孔性に
する方法が記載されている。
【0007】しかしながら、特公昭63−41585号
公報は単に接着テープ自体に透気性を付与するだけの方
法であって、高吸水性樹脂の吸湿と放湿を容易にするた
めの細孔形成方法ではなく、また高吸水性樹脂に含有す
る薬学的活性成分を毛細管現象により被着体面上に徐放
できるような細孔形成方法でもないので、本願目的を達
し得ないうらみがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明は薬学的
活性成分含有粘着材料において、従来その解決が困難と
されていた薬学的活性成分の被着体に対する持続的効果
(徐放効果)を得るという課題を解決するために創案さ
れたものであり、粘着剤中に均一分散する高吸水性樹脂
中の薬学的活性成分が被着体面上に徐放されてその効果
を持続できるような粘着材料を得ることまたこのような
粘着材料を製造する方法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、粘着剤
層の片面に通気性を有する支持材が積層されてなる粘着
材料において、粘着剤層が薬学的活性成分含有水媒体を
含包させた高吸水性樹脂を原料粘着剤の有機溶媒溶液中
に均一に分散した粘着剤を乾燥したものから形成され、
かつ、該粘着剤層が前記高吸水性樹脂の吸湿と放湿を容
易にし、前記薬学的活性成分を被着体面上に徐放できる
上下に貫通した多数の細孔を有することを特徴とする薬
学的活性成分を含有する粘着材料である。また、本発明
は粘着剤が原料粘着剤の有機溶媒溶液100重量部に対
し薬学的活性成分含有水媒体を含包させた高吸水性樹脂
を20〜50重量部混入したものであることを特徴とす
る薬学的活性成分を含有する粘着材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により詳述するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。図1は短冊形状を有する本発明粘着材料の縦断
面図、図2は図1に示す粘着剤層中に分散する薬学的活
性成分含有高吸水性樹脂2cの拡大図、図3は円形ラベ
ル形状を有する本発明粘着材料の断面図、図4はテープ
形状を有する本発明粘着材料の斜視図、図5はシート形
状を有する本発明粘着材料の斜視図である。ここにおい
て図中1は通気性を有する支持材、2は粘着剤層、2a
は粘着剤、2bは粘着剤層を上下に貫通した細孔、2c
は粘着剤層中に分散する高吸水性樹脂、2dは高吸水性
樹脂中に分散された薬学的活性成分、3は離型処理基材
である。
【0011】即ち、図1は例えば粘着剤層2の片面に通
気性を有する支持材1が、他面に離型処理基材3が貼り
合わされてなる絆創膏、図3は粘着剤層2の片面に通気
性を有する支持材1が、他面に離型処理基材3が貼り合
わされ円盤状に材型加工された心電図用粘着ラベルまた
は皮膚保護材、図4は粘着剤層2の片面に通気性を有す
る支持材1が貼り合わされてロール状に巻かれた粘着包
帯またはスポーツ用粘着テープ、図5は粘着剤層2の片
面に通気性を有する支持材1が、他面に離型処理基材3
が貼り合わされた大型絆,ドレープ,除菌シート等の用
途に用いることのできるものである。
【0012】なお、本発明の形状について、図1,図
3,図4,図5に示されるような形状の粘着材料を例示
したが、本発明粘着材料は図1,図3,図4,図5に示
す形状に制限されることなく、その用途に応じて所望の
形状に材型加工することができることは言うまでもな
い。
【0013】ここにおいて、本発明者等は高吸水性樹
脂2cに、薬学的活性成分2dを水に分散又は溶解せし
めた水媒体を含包せしめることができること、加熱乾
燥により粘着剤の有機溶媒を除去すると共に、高吸水性
樹脂に含まれる水分を一定量蒸散させることにより粘着
剤層に細孔を設け、かつ高吸水性樹脂2c中に薬学的活
性成分2dを残留せしめ得ること、粘着剤中に残留し
た高吸水性樹脂2cに呼吸性のあること即ち粘着剤層中
の高吸水性樹脂が平衡吸湿率を有しており、この結果、
通気性を有する支持材1及び粘着剤層中に設けた細孔2
bを通じてこの樹脂が吸湿、放湿を繰り返す性質を有す
ること、高吸水性樹脂2cの吸湿と放湿により高吸水
性樹脂2c中の薬学的活性成分2dが粘着剤層中に設け
た上下に貫通する細孔2bの毛細管現象により被着体面
へ徐放されること、などを見出して本発明に至ったので
ある。
【0014】即ち、本発明は薬学的活性成分を含有する
粘着材料を形成するにあたり、薬学的活性成分2dの水
媒体を含包させた高吸水性樹脂2cを原料粘着剤中に均
一に分散させた粘着剤2aを準備し、次いで粘着剤2a
を離型処理基材3上に塗工して加熱乾燥し粘着剤中に含
まれる有機溶媒溶液と共に高吸水性樹脂2c中に含包さ
れる薬学的活性成分2dの水媒体の水分もあわせて蒸散
させ、乾燥された粘着剤層2の全面に、高吸水性樹脂2
cの吸湿と放湿の繰り返しにより高吸水性樹脂2c中の
薬学的活性成分2dが毛細管現象により被着体表面に徐
放される働きを持つ、上下に貫通する多数の細孔2bを
設けて薬学的活性成分の持続性を高めようとしたもので
ある。
【0015】なお、粘着剤層2に上述の作用を有する細
孔2bが得られるわけは、粘着剤2a中に薬学的活性成
分2dの水媒体を含む高吸水性樹脂2cを分散せしめて
おくと塗工時の粘着剤層2に均一に該高吸水性樹脂2c
が分散した塗膜が得られ、そして該高吸水性樹脂2cは
水に溶解せずかつ圧力を加えても水分を離脱させないた
め乾燥途中まで粘着剤同士の融着を防止するが、加熱乾
燥により該高吸水性樹脂2cに含包する水分を一定量蒸
散し、粘着剤層2に薬学的活性成分含有高吸水性樹脂2
cを残存させつつ上下に貫通する毛細管機能を有する細
孔2bを設けることができるからである。
【0016 】本発明粘着材料に用いられる構成材料の
うち通気性を有する支持材1としては、細孔を有するポ
リマーフィルム,織布,不織布及び連続気泡を有するポ
リマーフォームが用いられる。このうち、細孔を有する
ポリマーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム,ポ
リウレタンフィルム,ポリプロピレンフィルム,エチレ
ン−メチルメタアクリレート複合フィルム,エチレン−
ブタジエン複合フィルム,ポリ塩化ビニルフィルム,ポ
リエチレンテレフタレートフィルム,ポリエーテルポリ
アミドブロックコポリマーフィルム,スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロックコポリマーフィルム及びその水
添化物フィルム,スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ックコポリマーフィルム及びその水添加物フィルム等が
好適に用いられる。
【0017】また、織布としては、コットン,コットン
−合成繊維混紡布が、不織布としては、ポリプロピレン
繊維,ポリエステル繊維,ナイロン繊維,合成オレフィ
ン繊維,セルロース繊維からなる不織布があげられる。
又、連続気泡を有するポリマーフォームとしては、ポリ
塩化ビニルフォーム,ポリエチレンフォーム,ポリウレ
タンフォーム等が推奨される。
【0018】一方、粘着剤層2を構成する粘着剤2aの
主成分たる原料粘着剤としては、有機溶媒溶液を溶媒と
する天然もしくは合成ゴム系又はこれらのブレンドゴム
系あるいはアクリル系の粘着剤が主として用いられる
が、本発明ではこれらに限らず、本発明分野に用いるこ
とのできる有機溶媒溶液に溶解又は分散された粘着剤は
いずれも用いることができる。
【0019】なお、本発明の粘着剤2aに使用される有
機溶媒溶液としては例えば、酢酸エチル,トルエン,ヘ
キサン,鉱油,石油エーテル等が用いられる。また、使
用する粘着剤2aには必要により、粘着付与剤,可塑
剤,酸化防止剤,充填剤,硬化剤等を配合することがで
きる。
【0020】次に、本発明の粘着剤層2を構成する他の
主要な構成材料として、原料粘着剤中に混合分散される
1種又は2種以上の高吸水性樹脂2cとしては自重の略
50倍〜500倍の水を吸収して膨潤し、しかも水に溶
解することなく、圧力を加えられても吸水した水を離脱
することのない物質が用いられるが、例えばこれらの物
質にはグラフトデンプン系重合体,セルロース系重合
体,ポリビニルアルコール系重合体,アクリル系重合
体,カルボキシル基,カルボン酸塩,水酸基,スルホン
酸基等を含む重合体,ポリエチレンオキシド系重合体,
ポリエチレングリコール,ジアクリレート架橋重合体,
ポリビニルピロリドン系架橋重合体等の重合体がある。
【0021】さらに、グラフトデンプン系重合体として
は、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体,デン
プン−アクリル酸グラフト重合体,デンプン−スチレン
スルホン酸グラフト重合体,デンプン−ビニルスルホン
酸グラフト重合体等を、セルロース系重合体としてはセ
ルロース−アクリロニトリルグラフト重合体,セルロー
ス−スチレンスルホン酸グラフト重合体,カルボキシメ
チルセルロース架橋重合体等、ポリビニルアルコール系
重合体としては、ポリビニルアルコール架橋重合体,ア
クリル−酢酸ビニルケン化物重合体等、アクリル系重合
体としては、ポリアクリル酸塩架橋重合体,ポリアクリ
ロニトリル系重合体ケン化物等を好適に使用することが
できる。
【0022】また、図2に示すような高吸水性樹脂2c
中に含有させる薬学的活性成分2cとしては、トリアム
シノロンアセトニド,ハルシノニド,ベタメタゾンバレ
レート,ヒドロコルチゾン,チプレダンなどのステロイ
ド類を含有する局所抗炎症剤および止痒剤,ブフェキサ
マク,アスピリン,ケトプロフェン,インドメタシン,
フルルビプロフェンなどの非ステロイド系薬剤,ジスラ
ノール,コールタール抽出物などの抗乾癬剤,サリチル
酸,サリチル酸メチル,尿素などの角質溶解剤,リドカ
イン,ベンゾカインなどの局所麻酔薬,塩化ベンザルコ
ニウム,塩化ベンゼトニウム,アルキルジアミノエチル
グリシン塩酸塩,グルコン酸クロルヘキシジン,次亜塩
素酸ナトリウム,フシジン酸などの抗細菌剤,ナイスタ
チン,ジスラノール,アムホテリシン,エコナゾールな
どの抗真菌剤および抗ウイルス剤,過酸化ベンゾイル,
ビタミンA誘導体などの抗貧血剤,ウロキサナーゼ,組
織プラスミノーゲン活性化因子などの生物学的活性剤,
フィブリン溶解酵素,タンパク分解酵素などの酵素,ハ
ッカ油,メントール,ノナン酸バニリルアミド(カプサ
イシン),カンフルなどのその他薬効剤が用途により適
宜選択されて用いられる。なお、これらのうち抗菌性を
有する薬学的活性成分としては塩化ベンザルコニウム,
塩化ベンゼトニウム,アルキルジアミノエチルグリシン
塩酸塩,グルコン酸クロルヘキシジン,次亜塩素酸ナト
リウム,フシジン酸などがあり、温熱効果を有する薬学
的活性成分としてはノナン酸バニリルアミド(カプサイ
シン)などがあげられる。
【0023】次に、本発明をその製造過程に基づいて説
明すれば、本発明においてはまず、上述のように薬学的
活性成分2dを水に分散させるかあるいは溶解させた薬
学的活性成分含有水媒体を準備する。薬学的活性成分2
dの水への混入比率は略0.01重量%〜20重量%の
濃度が選択される。これは水への混入比率が0.01重
量%に満たないもの及び20重量%を超えるものでは最
終的に粘着剤層2中への薬学的活性成分の混入比率を効
果ある範囲に留めることができにくいためである。即ち
0.01重量%に満たない混入比率では薬学的活性成分
水媒体含包高吸水性樹脂2cを粘着剤層2中へ必要以上
に多く加えねばならず、ひいては粘着剤層の粘着力低下
などの悪影響を与えかねないからであり、20重量%を
超える濃度では、適切な細孔を得るため一定量以上の薬
学的活性成分水媒体含包高吸水性樹脂を加える必要があ
り、この結果逆に粘着剤層2への薬学的活性成分の混入
量が必要以上に多くなりすぎ、コストアップの要因とな
るばかりで、それ以上の増量効果も得られにくいからで
ある。
【0024】次にこのようにして準備した薬学的活性成
分2d含有水媒体を前述したような1種又は2種以上を
ブレンドした高吸水性樹脂2cに含包させる。
【0025】この際の薬学的活性成分2d含有水媒体の
重量は高吸水性樹脂重量の略50倍〜500倍が望まし
い。これは50倍に満たないものでは高吸水性樹脂2c
への水媒体の含包が不均一となりやすいこと、逆に50
0倍を超えるものだと水媒体の含包に時間がかかりすぎ
ること及び原料粘着剤の増粘が著しいことなど、工程
上、作業上の問題が生じやすい。
【0026】また、薬学的活性成分2dの水媒体を高吸
水性樹脂2cに加えるにあたっては水媒体が十分に高吸
水性樹脂2cに含浸するよう水媒体を高吸水性樹脂2c
に加えて十分攪拌した後、好ましくは1日〜2日間程度
放置後再攪拌をおこなうと良い。
【0027】次に、このようにして得た薬学的活性成分
水媒体含包高吸水性樹脂2cを前述のような原料粘着剤
中に加えて均一に攪拌する。
【0028】この場合の原料粘着剤の固形分は塗工条件
等により定められるが、通常20重量%〜50重量%の
ものが使用される。また粘着剤2aに対する薬学的活性
成分水媒体含包高吸水性樹脂2cの添加量は原料粘着剤
の有機溶媒溶液100重量部に対し20重量部〜50重
量部が推奨される。このわけは20重量部に満たないも
のでは粘着剤層2に均一な細孔を与えることができず、
50重量部を超えるものでは過剰な水分供給により、粘
着剤層2にあばた面を作るなどして粘着剤2aの粘着力
を低下させてしまうおそれがあるからである。
【0029】さらに述べれば、薬学的活性成分量は最終
的には用いる薬学的活性成分の効能と粘着剤2aの固形
分との関係により定められるが、実験によれば、抗菌性
を有する薬学的活性成分量は粘着剤固形分の略1.0重
量%〜20重量%、温熱効果を有する薬学的活性成分量
は略0.005重量%〜0.1重量%の範囲が適当であ
った。即ち、抗菌性を有する薬学的活性成分2dの量は
原料粘着剤固形分に対し1.0重量%に満たない添加で
は薬効が期待するほど得られず、20重量%を超えるも
のでは薬効はあるものの量的過剰となり、コストアップ
に見合う効果が期待できなかった。また、温熱効果を有
する薬学的活性成分2dの量は原料粘着剤固形分に対し
0.005重量%に満たない添加では温熱効果が得られ
ず、0.1重量%を超えるものでは量的過剰となり、皮
膚への刺激が被験者によっては強すぎ、好ましくなかっ
た。
【0030】このようにして調製された薬学的活性成分
水媒体含包高吸水性樹脂分散粘着剤2aは離型紙処理基
材3上に塗布される。離型紙処理基材3には例えば、シ
リコン塗布紙,シリコン塗布フィルム,ポリラミ紙,ポ
リラミフィルム等が用いられる。なお、接着剤塗布量は
所望の厚みを形成する量を用いることができる。
【0031】また、粘着剤2aの塗工方法は通常用いら
れる方法を用いる。塗工後の乾燥工程における乾燥温度
は40℃〜120℃で通常多段ゾーン乾燥機を用いる
が、他の乾燥装置を用いることも自由である。塗工速度
は1m/分〜100m/分が望ましい。
【0032】以上のような操作で離型処理基材3上に上
下に貫通する粘着剤層2が形成されると次にこの上から
前述のような通気性を有する支持材1を積層する。得ら
れた粘着材料は離型処理基材3が積層されたままロール
状に巻かれるかシート状(図5)に裁断され、所望の形
状、例えば図1,図3のような形状に材型加工される。
【0033】また図4のように、離型処理基材3を除去
し、ロール状に巻き保管することも可能で、この場合
は、支持材1の背面に粘着剤2aが付着しないようにす
ることが必要である。
【0034】さらにまた、離型処理基材3を除去しつつ
材型加工を行い、粘着面に新たな所望の離型処理基材3
を添付して製品化することももちろん可能である。ま
た、製品化されたこれらの粘着材料をEOGや放射線滅
菌することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。な
お、実施例中の%は重量基準による。 実施例 1 3%,10%,20%の塩化ベンザルコニウム水溶液を
準備し、これを高吸水性樹脂(サンウェットIM−50
00:三洋化成工業)に含包せしめ、表1に示す吸水倍
率(50倍,100倍,500倍)の塩化ベンザルコニ
ウム水溶液含包高吸水性樹脂を得た。
【0036】
【表1】
【0037】次に、天然ゴムをベースとする原料粘着剤
を用いて表2に示す粘着剤の配合サンプルを作成した。
【0038】
【表2】
【0039】次いで#40織布(縦糸綿70本、横糸レ
ーヨン40本)と離型処理基材(KCL−WS70C,
リンテック社製)を準備し、表2の各種粘着剤(1〜2
0,比較1)を離型処理基材上に塗工し、乾燥した後、
#40織布に貼り合わせ転写して巻き取り、38mm×
12mに裁断し、これらのサンプルについて性能を評価
したところ表3〜表7の結果を得た。なお、塗工はライ
ン速度20m/分で行い、乾燥は多ゾーン乾燥機(第1
ゾーン:60℃ 第2ゾーン:90℃ 第3ゾーン:1
00℃)を用いて行った。
【0040】
【表3】
【0041】表3の結果に認められるとおり、薬学的活
性成分水溶液の含有率が異なる即ち吸水倍率が異なる高
吸水性樹脂を、混入比率を一定(28.6%)にして原
料粘着剤溶媒溶液に配合した場合は高吸水性樹脂の薬学
的活性成分水溶液の含有倍率に係わらず高吸水性樹脂に
含まれる水溶液量が略一定となるため、いずれも良好な
透湿性及び細孔形成性を得ることができた。
【0042】
【表4】
【0043】表4の結果に認められるように、10%の
薬学的活性成分水溶液を含有する高吸水性樹脂の原料粘
着剤への添加量を変化させた場合、原料粘着剤の溶媒溶
液への混入比率が略20〜50%(No.5,11,1
2,13)となるものにおいては、良好な透湿性及び細
孔形成性を得たが、原料粘着剤溶媒溶液への混入比率が
14.3%のもの(No.10)については透湿性が、
57.1%(No.14)のものについては細孔形成性
がそれぞれ不良であった。これは、原料粘着剤に混入す
る水溶液量が少なすぎても多すぎても透湿性又は細孔形
成性に問題があることを示すものである。
【0044】
【表5】
【0045】さらに、原料粘着剤の固形分を20%(N
o.16),30%(No.5),50%(No.1
9)に調整した配合についても、表5の結果に認められ
るように薬学的活性成分水溶液含有高吸水性樹脂の原料
粘着剤の溶媒溶液への混入比率が25〜40%の範囲に
おいて良好な透湿性並びに粘着剤層の細孔形成性を得
た。
【0046】
【表6】
【0047】表6の結果に認められるように原料粘着剤
固形分に対する薬学的活性成分(塩化ベンザルコニウ
ム)混合比が略1.0〜20%の範囲において、抗菌性
が認められた。
【0048】
【表7】
【0049】表7の結果に認められるように原料粘着剤
固形分に対する薬学的活性成分(塩化ベンザルコニウ
ム)混合比が略1.0〜20%の範囲において抗菌性の
持続性(薬学的活性成分の徐放性)が認められた。
【0050】実施例 2 原料粘着剤にアクリル系粘着剤を用い、これに高吸水性
樹脂(IM−5000:三洋化成工業)1gに対して1
0%の塩化ベンゼトニウム水溶液75gを包含せしめた
塩化ベンゼトニウム水溶液包含高吸水性樹脂を加えて表
8のような粘着剤を作製した。次にこの粘着剤を用いて
塗工速度30m/分で離型処理基材(KP−11 白リ
ンテック社製)に塗工し、多ゾーン乾燥機(第1ゾー
ン:90℃ 第2ゾーン:90℃ 第3ゾーン:120
℃)を用いて乾燥し、粘着剤層全面に上下に貫通する細
孔を設けた後、通気性を有する不織布(ソンタラ#80
27 デュポン社製)に転写して心電図用ラベル原反を
得た。そしてこの原反の性能を測定した。
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】表9に示すとおり、本発明で得られた心電
図用ラベルは透湿性に優れたものであった。また経時的
にもその性能を維持するものであった。
【0054】実施例 3 原料粘着剤にアクリル系粘着剤を用い、これに高吸水性
樹脂(IM−5000:三洋化成工業)1gに対して略
0.01%のノナン酸バニリルアミド(コンゴー化学社
製)水溶液99gを包含せしめたカプサイシン水溶液包
含高吸水性樹脂を加えて表10のような粘着剤を作製し
た。次にこれらの粘着剤を用いて塗工速度30m/分で
離型処理基材(KP−11 白 リンテック社製)に塗
工し、多ゾーン乾燥機(第1ゾーン:90℃ 第2ゾー
ン:90℃ 第3ゾーン:120℃)を用いて乾燥し、
粘着剤層全面に上下に貫通する細孔を設けた後、通気性
を有する#40織布(縦糸綿70本、横糸レーヨン40
本)に転写して巻取り、38mm×12mmに裁断して
医療用テープを得た。このテープについて性能を評価し
たところ表11の結果を得た。
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】表11に示す通り本発明で得られた医療用
テープは透湿性に優れたものであった。また、被験者に
対して温熱効果を与えることができかつその効果の持続
性も十分なものであった。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は粘着剤中に均一分
散する高吸水性樹脂に含包する薬学的活性成分が、粘着
剤層の全面に設けられ上下に貫通する毛細管機能を有す
る細孔を通じて徐放され薬学的活性成分効果を持続する
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】短冊形状を有する本発明粘着材料の縦断面図で
ある。
【図2】図1の薬学的活性成分包含高吸水性樹脂の拡大
図である。
【図3】円形ラベル形状を有する本発明粘着材料の断面
図である。
【図4】テープ又は包帯形状を有する本発明粘着材料の
斜視図である。
【図5】シート形状を有する本発明粘着材料の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 通気性を有する支持材 2 粘着剤層 2a 粘着剤 2b 細孔 2c 高吸水性樹脂 2d 薬学的活性成分 3 離型処理基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 政晴 大阪府大阪市西成区橘3丁目20番28号 株 式会社共和内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤層の片面に通気性を有する支持材
    が積層されてなる粘着材料において、粘着剤層が薬学的
    活性成分含有水媒体を含包させた高吸水性樹脂を原料粘
    着剤の有機溶媒溶液中に均一に分散した粘着剤を乾燥し
    たものから形成され、かつ、該粘着剤層が前記高吸水性
    樹脂の吸湿と放湿を容易にし、前記薬学的活性成分を被
    着体面上に徐放できる上下に貫通した多数の細孔を有す
    ることを特徴とする薬学的活性成分を含有する粘着材
    料。
  2. 【請求項2】 粘着剤が原料粘着剤の有機溶媒溶液10
    0重量部に対し薬学的活性成分含有水媒体を含包させた
    高吸水性樹脂を20〜50重量部混入したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の薬学的活性成分を含有す
    る粘着材料。
  3. 【請求項3】 薬学的活性成分含有水媒体の重量が高吸
    水性樹脂の重量の50〜500倍であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の薬学的活性成分を含有する粘着
    材料。
  4. 【請求項4】 薬学的活性成分が抗菌性を有し、その成
    分量が原料粘着剤の固形分に対して1.0〜20重量%
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の
    薬学的活性成分を含有する粘着材料。
  5. 【請求項5】 薬学的活性成分が温熱効果を有し、その
    成分量が原料粘着剤の固形分に対して0.005〜0.
    1重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か記載の薬学的活性成分を含有する粘着材料。
  6. 【請求項6】 粘着剤層中の上下に貫通する細孔が薬学
    的活性成分を徐放できる毛細管現象を有する細孔である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の薬学的
    活性成分を含有する粘着材料。
  7. 【請求項7】 薬学的活性成分含有水媒体を含包させた
    高吸水性樹脂を原料粘着剤の有機溶媒溶液中に均一に分
    散した後,この粘着剤を離型処理基材上に塗工して加熱
    乾燥し、有機溶媒と共に高吸水性樹脂に含包した水分を
    蒸発させて、上下に貫通する多数の細孔を現出せしめる
    と共に、薬学的活性成分を含包する高吸水性樹脂を粘着
    剤中に残留せしめた粘着剤層を形成し、ついで該粘着剤
    層の片面に通気性を有する支持材を積層してなることを
    特徴とする薬学的活性成分を含有する粘着材料の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000351727A (ja) * 1999-06-09 2000-12-19 Hitoshi Saito 貼用薬及びその製造装置
JP2002255241A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Fujimori Kogyo Co Ltd 包装体及び包装方法
JP2003501221A (ja) * 1999-06-15 2003-01-14 ボストン サイエンティフィック リミテッド 生体安定コーティング物質からの遺伝情報の局所的放出

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