JPH1113905A - ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造 - Google Patents

ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造

Info

Publication number
JPH1113905A
JPH1113905A JP9168909A JP16890997A JPH1113905A JP H1113905 A JPH1113905 A JP H1113905A JP 9168909 A JP9168909 A JP 9168909A JP 16890997 A JP16890997 A JP 16890997A JP H1113905 A JPH1113905 A JP H1113905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
port
pressure side
piston ring
valve body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9168909A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Sugita
三男 杉田
Noburu Kasai
宣 笠井
Noboru Nakagawa
昇 中川
Kazuto Aihara
一登 相原
Kazue Suzuki
和重 鈴木
Kazuo Hirata
和夫 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saginomiya Seisakusho Inc filed Critical Saginomiya Seisakusho Inc
Priority to JP9168909A priority Critical patent/JPH1113905A/ja
Publication of JPH1113905A publication Critical patent/JPH1113905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B41/00Fluid-circulation arrangements
    • F25B41/20Disposition of valves, e.g. of on-off valves or flow control valves
    • F25B41/26Disposition of valves, e.g. of on-off valves or flow control valves of fluid flow reversing valves

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンリングの熱膨張や冷媒膨潤により圧
力室と高圧側ポートとの連通度が低減することを回避
し、主弁体が動作不良を起こさないようにする。 【解決手段】 パイロット弁9を有するロータリ式流路
切換弁において、主弁体3の外周部に形成されたピスト
ンリング溝45に装着されるピストンリング47を、フ
ッ素樹脂等の高滑性耐熱成形樹脂材73に金属製心材7
5をインサート成形することで略C字状に形成して、ピ
ストンリング47の両端面間に形成されるスリット部4
9と、主弁体3及び弁ハウジング1間のバイパス間隙4
3とを介して高圧側ポート19と圧力室41とを連通さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロータリ式流路
切換弁に関し、特にヒートポンプシステムで使用される
パイロット弁付きの四方弁や三方弁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】四方弁や三方弁として使用されるロータ
リ式流路切換弁として、円筒状の弁ハウジングと、前記
弁ハウジングに回転変位可能に且つ回転軸方向に移動可
能に設けられた主弁体と、前記弁ハウジングに固定され
低圧側配管を接続される低圧側ポート、高圧側配管を接
続される高圧側ポート、及び、少なくとも一つの切換ポ
ートを有する弁座板と、前記主弁体の一方の端面側に画
定されて高圧側ポートの圧力を導入される圧力室及び前
記低圧側ポートを選択的に連通接続するパイロット弁
と、前記主弁体を回転駆動すると共に前記パイロット弁
の開閉駆動を行う電磁ソレノイドとを有し、前記主弁体
は、前記圧力室とは反対の側の端面にて前記弁座板と接
触し、回転変位により前記切換ポートを前記低圧側ポー
トと前記高圧側ポートのいずれか一方に選択的に連通接
続するように構成されたパイロット弁付きのロータリ式
流路切換弁が知られている。
【0003】このロータリ式流路切換弁では、定常状態
では、圧力室に高圧側ポートの圧力を導入されているこ
とにより主弁体は弁座板に押し付けられ、各ポート間の
気密性を保ち、流路切換時には主弁体の回転変位に先だ
ってパイロット弁を開き、圧力室と低圧側ポートとを連
通接続して圧力室の高圧状態を解除し、圧力室と弁座板
側との圧力差で主弁体を弁座板より浮上させ、低抵抗で
主弁体を回転変位させることができる。
【0004】上述のようなロータリ式流路切換弁におい
ては、主弁体が低抵抗で弁ハウジング内を回転軸方向
(浮上方向)に移動でき、パイロット弁が開けば圧力室
の内圧は低圧側ポートの圧力に近い圧力になり、パイロ
ット弁が閉じている場合には圧力室の内圧が高圧側ポー
トの圧力になるように、主弁体の回転変位及び回転軸方
向への移動を円滑にするためのピストンリングが、主弁
体の外周に嵌着される。
【0005】そして、例えば本出願人が過去に提案した
特願平8−139284号の四方弁の場合には、ピスト
ンリングを略C字状に形成して、主弁体の外周に嵌着し
た状態でピストンリングの両端間に若干の隙間が生じる
ようにし、この隙間を利用して前記高圧側ポートと前記
圧力室とを連通させている。
【0006】ところで、上述した従来の略C字状のピス
トンリングとしては、全体をフッ素系樹脂等の高滑性樹
脂により構成された成形品が使用され、このピストンリ
ングをピストンリング溝に装填されたインナばねによっ
てハウジングの内周面に摺動可能に押し付けることが行
われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】全体をフッ素系樹脂等
の高滑性樹脂により構成されたピストンリングでは、熱
変動により伸縮したり、湿気を含んで膨張することがあ
るので、熱変動や冷媒の膨潤に伴う収縮により上述した
ピストンリングの両端間の隙間の寸法が変化して、ピス
トンリングの両端間の隙間を経て高圧側ポートから圧力
室に流入する流体流量が変化してしまい、高圧側ポート
と圧力室との圧力差に変化が生じて、パイロット弁の開
閉に応じて主弁体を良好に移動させることができなくな
ってしまう。
【0008】このことに対して、ピストンリングを熱膨
張や冷媒膨潤が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂
(PPS)により構成することが考えられるが、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂は、硬質で、高剛性のため、C
形リングでは、これを開いてピストンリング溝に嵌め込
む際に大きな力をかけて拡開しなければならず、このた
め、治具等を用いないと嵌着できなくなってしまい、あ
るいは、大きな力をかけた拡開により、ピストンリング
が折損したり、塑性変形して元の形状に復帰できなくな
ってしまう。
【0009】この発明は、上述の如き問題点に着目して
なされたものであり、この発明の第1の目的は、パイロ
ット弁を用いたロータリ式流路切換弁において、弁ハウ
ジング内における主弁体の回転変位及び回転軸方向への
移動を円滑にするピストンリングを、主弁体に対する嵌
着が容易で、しかも、弁ハウジングと弁本体とのシール
性を高く設定できる構成とすることが可能な、ロータリ
式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造を提供
することにある。
【0010】また、この発明の第2の目的は、周囲の熱
変動や冷媒の膨潤に対する変形を抑制し、弁ハウジング
と弁本体との間を流れる流体の流量を正確に設定するこ
とが可能な、ロータリ式流路切換弁における弁体用ピス
トンリング構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の第1の目的を達成
する請求項1に記載の発明によるロータリ式流路切換弁
における弁体用ピストンリング構造は、円筒状の弁ハウ
ジングと、前記弁ハウジングに回転変位可能に且つ回転
軸方向に移動可能に設けられた主弁体と、前記弁ハウジ
ングに固定され低圧側配管を接続される低圧側ポート、
高圧側配管を接続される高圧側ポート、及び、少なくと
も一つの切換ポートを有する弁座板と、前記主弁体の一
方の端面側に画定されて高圧側ポートの圧力を導入され
る圧力室及び前記低圧側ポートを選択的に連通接続する
パイロット弁と、前記主弁体を回転駆動すると共に前記
パイロット弁の開閉駆動を行う電磁ソレノイドとを有
し、前記主弁体は、前記圧力室とは反対の側の端面にて
前記弁座板と接触し、回転変位により前記切換ポートを
前記低圧側ポートと前記高圧側ポートのいずれか一方に
選択的に連通接続するように構成されたロータリ式流路
切換弁において、前記主弁体の外周部に形成された環状
溝に嵌着されて前記弁ハウジングの内周面に摺接するピ
ストンリングの構造であって、前記ピストンリングは、
金属製心材を高滑性樹脂材により被覆することで、前記
主弁体の周方向における全体の寸法が前記環状溝の前記
周方向における全周の寸法よりも小さい寸法の円弧状に
形成されていて、前記金属製心材のばね力により前記弁
ハウジングの内周面に摺動可能に押し付けられており、
前記ピストンリングの前記周方向における両端間に、前
記主弁体の外周部と前記弁ハウジングの内周面との間に
画定される環状通路のうち、前記高圧側ポート側の通路
部分と前記圧力室側の通路部分とを連通させるスリット
部が形成されているものである。
【0012】また、上述の第2の目的を達成する請求項
2に記載のロータリ式流路切換弁における弁体用ピスト
ンリング構造は、前記高滑性樹脂材がフッ素系樹脂材で
あるものである。
【0013】請求項3に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁における弁体用ピストンリング構造は、円筒状
の弁ハウジングと、前記弁ハウジングに回転変位可能に
且つ回転軸方向に移動可能に設けられた主弁体と、前記
弁ハウジングに固定され低圧側配管を接続される低圧側
ポート、高圧側配管を接続される高圧側ポート、及び、
少なくとも一つの切換ポートを有する弁座板と、前記主
弁体の一方の端面側に画定されて高圧側ポートの圧力を
導入される圧力室及び前記低圧側ポートを選択的に連通
接続するパイロット弁と、前記主弁体を回転駆動すると
共に前記パイロット弁の開閉駆動を行う電磁ソレノイド
とを有し、前記主弁体は、前記圧力室とは反対の側の端
面にて前記弁座板と接触し、回転変位により前記切換ポ
ートを前記低圧側ポートと前記高圧側ポートのいずれか
一方に選択的に連通接続するように構成されたロータリ
式流路切換弁において、前記主弁体の外周部に形成され
た環状溝に嵌着されて前記弁ハウジングの内周面に摺接
するピストンリングの構造であって、前記ピストンリン
グは、前記主弁体の周方向において分割された複数のリ
ング要素により、前記周方向における各リング要素全体
の寸法の総和が前記環状溝の前記周方向における全周の
寸法よりも小さくなるように形成され、前記複数のリン
グ要素のうち前記周方向において隣接する少なくとも一
対のリング要素間に、前記主弁体の外周部と前記弁ハウ
ジングの内周面との間に画定される環状通路のうち、前
記高圧側ポート側の通路部分と前記圧力室側の通路部分
とを連通させるスリット部が形成されているものであ
る。
【0014】請求項4に記載のロータリ式流路切換弁に
おける弁体用ピストンリング構造は、前記リング要素が
ポリフェニレンスルフィド樹脂あるいはこれと同等の低
熱膨張・低冷媒膨潤の硬質材料により構成されているも
のである。
【0015】また、請求項5に記載のロータリ式流路切
換弁における弁体用ピストンリング構造は、前記弁座板
が切換ポートとして第一の切換ポートと第二の切換ポー
トの二つの切換ポートを有し、前記主弁体は、前記低圧
側ポートと前記第一の切換ポートとを連通接続すると共
に前記高圧側ポートと前記第二の切換ポートとを連通接
続する第一の回転位置と、前記低圧側ポートと前記第二
の切換ポートとを連通接続すると共に前記高圧側ポート
と前記第一の切換ポートとを連通接続する第二の回転位
置との間に回転変位するように設けられ、ヒートポンプ
システムで使用される四方弁として構成されているもの
である。
【0016】請求項1に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁によれば、ピストンリングが金属製心材を高滑
性樹脂材により被覆することで形成されていることか
ら、金属材単体で形成して径を太くするのに比べて弁ハ
ウジングの内周面に対する摺動抵抗が低くなり、また、
金属製心材のばね力によりピストンリングが弁ハウジン
グの内周面に摺動可能に押し付けられ、ピストンリング
の内側に従来配設しているインナばねを省略することが
できる。
【0017】請求項2に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁によれば、高滑性樹脂材がフッ素系樹脂材によ
り構成されているので、フッ素系樹脂材と金属製心材と
の組み合わせにより、周辺温度の変化や冷媒膨潤に伴う
ピストンリングの伸縮が低減し、スリット部の間隔が変
動することが抑制され、これにより、主弁体の外周と弁
ハウジングの内周壁との間から各リング要素間の隙間を
経て高圧側ポートから圧力室に流れる流体の流量が変化
して、高圧側ポートと圧力室との圧力差が変動するのが
回避される。
【0018】請求項3に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁によれば、ピストンリングが、主弁体の周方向
において分割された複数のリング要素により構成されて
いることから、各リング要素が環状溝の全周の寸法に比
べてある程度小さい寸法となり、従って、各リング要素
を例えば熱膨張や冷媒膨潤の小さい硬質、高剛性材料で
構成しても、各リング要素を拡開せずそのままの状態で
主弁体の環状溝に難なく嵌着することが可能となる。
【0019】請求項4に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁によれば、高滑性樹脂材がフッ素系樹脂材によ
り構成されているので、フッ素系樹脂材と金属製心材と
の組み合わせにより、周辺温度の変化や冷媒膨潤に伴う
各リング要素の伸縮が低減し、主弁体の周方向における
各リング要素全体の寸法の総和、つまり、ピストンリン
グの寸法と環状溝の全周の寸法との寸法差が変動するこ
とが抑制され、これにより、主弁体の外周と弁ハウジン
グの内周壁との間から各リング要素間の隙間を経て高圧
側ポートから圧力室に流れる流体の流量が変化して、高
圧側ポートと圧力室との圧力差が変動するのが回避され
る。
【0020】請求項5に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁によれば、弁座板が切換ポートとして第一の切
換ポートと第二の切換ポートの二つの切換ポートを有
し、主弁体が、前記低圧側ポートと前記第一の切換ポー
トとを連通接続すると共に前記高圧側ポートと前記第二
の切換ポートとを連通接続する第一の回転位置と、前記
低圧側ポートと前記第二の切換ポートとを連通接続する
と共に前記高圧側ポートと前記第一の切換ポートとを連
通接続する第二の回転位置との間に回転変位することに
より、ロータリ式流路切換弁がヒートポンプシステムで
使用される四方弁になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】(実施の形態1)図1〜図9はこの発明に
よるロータリ式流路切換弁の実施の形態1を示してい
る。ロータリ式流路切換弁は、円筒状の弁ハウジング1
と、弁ハウジング1内に回転変位可能に且つ回転軸方向
に移動可能に設けられた主弁体3と、弁ハウジング1の
底部に固定された弁座板5と、主弁体3に設けられたパ
イロット弁9と、弁ハウジング1の上部に取り付けられ
た電磁ソレノイド11とを有している。
【0023】このロータリ式流路切換弁は、図5及び図
6に示されているように、ヒートポンプシステムで使用
される四方弁100として構成され、弁座板5には、ヒ
ートポンプシステムにおけるコンプレッサPの吸入側か
らの低圧側配管13を接続される低圧側ポート15と、
コンプレッサPの吐出側からの高圧側配管17を接続さ
れる高圧側ポート19と、エバポレータ(室内熱交換
器)Eの配管21を接続される第一の切換ポート23
と、コンデンサ(室外熱交換器)Cの配管25を接続さ
れる第二の切換ポート27とを有している。
【0024】主弁体3は、図1に示されているように、
底部に設けられた中心ガイト孔29にて弁座板5に固定
されたセンタピン31に嵌合していると共に、上部に舌
片状に突出形成されたガイド部4にて、弁ハウジング1
の上部に大径円筒部2と同心に設けられた主弁体案内円
筒部6に軸線方向に移動可能に嵌合し、これらの嵌合ガ
イドにより自身の中心軸線の周りに第一の回転位置と第
二の回転位置との間に回転変位し、軸線方向に直線的に
上昇位置と降下位置との間に上下変位する。
【0025】なお、ガイド部4は後述する高圧側連絡溝
37の側とは反対側に形成され、主弁体案内円筒部6と
の当接関係により、高圧側の流入圧力による主弁体3の
傾き偏倚を抑制する。
【0026】主弁体3は降下位置においては、底面(圧
力室41とは反対の側の端面)33にて弁座板5と接触
しており、その底面部に互いに独立した低圧側連絡溝3
5と高圧側連絡溝37とを有している。
【0027】主弁体3は、第一の回転位置では、図5に
示されているように、低圧側連絡溝35により低圧側ポ
ート15と第一の切換ポート23とを連通接続すると共
に高圧側連絡溝37によって高圧側ポート19と第二の
切換ポート27とを連通接続し、第二の回転位置では、
図6に示されているように、低圧側連絡溝35により低
圧側ポート15と第二の切換ポート27とを連通接続す
ると共に高圧側連絡溝37によって高圧側ポート19と
第一の切換ポート23とを連通接続する。
【0028】これにより、主弁体3が第一の回転位置で
ある切換状態では、図5に示されているように、コンプ
レッサP→四方弁100→コンデンサC→絞りD→エバ
ポレータE→四方弁100→コンプレッサPと云う冷媒
循環路が確立し、ヒートポンプシステムは冷房モードに
なる。
【0029】これに対し、主弁体3が第二の回転位置で
ある切換状態では、図6に示されているように、コンプ
レッサP→四方弁100→エバポレータE→絞りD→コ
ンデンサC→四方弁100→コンプレッサPと云う冷媒
循環路が確立し、ヒートポンプシステムは暖房モードに
なる。
【0030】なお、高圧側配管17の先端は、高圧側ポ
ート19を貫通して高圧側連絡溝37内に突出してお
り、高圧側連絡溝37の内壁面との当接により、主弁体
3の回動変位範囲を第一の回転位置と第二の回転位置と
の間の往復回動範囲に制限するストッパを兼ねている。
【0031】主弁体3の上側(一方の端面側)には、図
1に示されているように、弁ハウジング1と、弁ハウジ
ング1の上部に形成されているパイロット弁案内筒部3
9に嵌合しているパイロット弁9とによって圧力室41
が画定されている。圧力室41は、パイロット弁9と主
弁体3との間のバイパス間隙43や、主弁体3のピスト
ンリング溝45に嵌め込まれているピストンリング47
の両端間に形成されるスリット部49(図8参照)を経
て、高圧側連絡溝37、高圧側ポート19と連通してお
り、高圧側ポート19の圧力を導入される。
【0032】パイロット弁案内筒部39は大径円筒部2
や主弁体案内筒部6と同心に設けられており、パイロッ
ト弁9のステム部10は、パイロット弁案内筒部39
や、主弁体3の中心部に形成された円形横断面の弁保持
孔51に、軸線方向に移動可能に嵌合しており、先端の
ニードル弁部53にて主弁体3に形成された弁ポート5
5を開閉する。
【0033】この構造により、パイロット弁9は、弁ハ
ウジング1側のパイロット弁案内筒部39と主弁体3側
の弁保持孔51に軸線方向に移動可能に嵌合し、弁ハウ
ジング1と主弁体3の両方より個別に支持されているこ
とになる。
【0034】なお、ステム部10の具体的な形状として
は、例えば、図7(a)〜(c)に示されているよう
に、外周面にカット面12を有していて、D形横断面形
状あるいは多角形横断面形状をなしており、残された円
周面14だけでパイロット弁案内筒部39や弁保持孔5
1に嵌合するものが考えられる。
【0035】この場合には、パイロット弁9のカット面
12と弁保持孔51との間に、圧力室41と弁ポート5
5とを連通する通路(図示せず)が形成される。
【0036】また、ステム部10の他の具体的な形状と
しては、図7(d)に示されているように、パイロット
弁案内筒部39や弁保持孔51の内径に対応した外径の
略円柱状をなしており、円周面14の全周においてパイ
ロット弁案内筒部39や弁保持孔51に嵌合するものが
考えられる。
【0037】この場合には、図7(e)に示されている
ように、ステム部10のニードル弁部53寄りの先端部
分に小径部10aが形成され、この小径部10aにステ
ム部10の中心を通る貫通通路10bがステム部10の
径方向に貫設されると共に、ニードル弁部53とは反対
側のパイロット弁案内筒部39側に位置する端面から貫
通通路10bの中央に至る連絡通路10cがステム部1
0の軸方向に形成され、この貫通通路10bと連絡通路
10c、及び、小径部10aと弁保持孔51との間の空
間により、圧力室41と弁ポート55とを連通する通路
が構成される。
【0038】弁ポート55は、弁保持孔51の底部中央
にあり、一方でバイパス間隙43を介して圧力室41に
連通し、他方で連通孔57によって低圧側連絡溝35に
連通している。
【0039】また、弁ハウジング1は主弁体を受け入れ
る円筒部である大径円筒部2と主弁体案内筒部6とパイ
ロット弁案内筒部39とを互いに同心にプレス深絞り加
工により一体成形されている。
【0040】パイロット弁9は、電磁ソレノイド11の
固定吸引子59との間に設けられたばね61により閉弁
方向に付勢され、電磁ソレノイド11の電磁コイル63
に通電が行われることにより、ばね61のばね力に抗し
て固定吸引子59に吸着し、弁ポート55を開放、すな
わち開弁する。
【0041】主弁体3の上部にはプラスチックスマグネ
ットによる多極マグネット71がインサート成形により
一体的に設けられている。多極マグネット71は、主弁
体3と同心のリング状をなし、主弁体3の回転方向にN
極部とS極部とを交互に2個ずつ有している。
【0042】電磁ソレノイド11には、電磁コイル63
の上側の一方の磁極と磁気的に連結されているステープ
ル形状の主磁極部材65がボルト67により固定されて
おり、また電磁コイル63の下側の他方の磁極と磁気的
に連結されて、主磁極部材65とは弁ハウジング1の中
心軸線周りに90度回転変位した位置に、ステープル形
状の副磁極部材69が固定されている。
【0043】上述のような電磁ソレノイド11と多極マ
グネット71による電磁アクチュエータ構造では、電磁
ソレノイド11に対し通電する電流の方向により主磁極
部材65がN極、副磁極部材69がS極に帯磁、あるい
はその反対の極性に帯磁し、多極マグネット71との磁
気作用により、主弁体3を第一の回転位置より第二の回
転位置へ回転変位、あるいはその反対に回転変位させ
る。
【0044】ピストンリング溝45は主弁体3の外周部
に周溝状に形成されており、ピストンリング47は、図
8、図9に示されているように、口径が35〜40mm
程度のもので、スリット幅が1.0〜1.5mm程度の
スリット部49を有してC形をなし、高滑性耐熱成形樹
脂材、たとえばフッ素系樹脂材73に、ばね鋼線材やス
テンレス鋼線材等の金属製心材75をインサート成形し
た成形品により構成されている。
【0045】ピストンリング47は、スリット部49の
間隔が大きくなるように拡げつつピストンリング溝45
に嵌着することで、金属製心材75の復元力により元の
形状に復元し、この状態で弁ハウジング1の大径円筒部
2に主弁体3ごと収容されることで、フッ素系樹脂材7
3の外周面は金属製心材75のばね力により、弁ハウジ
ング1の大径円筒部2の内周面に摺動可能に押し付けら
れている。
【0046】そして、この実施の形態では、高圧側連絡
溝37やバイパス間隙43、ピストンリング47のスリ
ット部49を経て高圧側ポート19から圧力室41に流
入する冷媒の流量が、圧力室41から、パイロット弁9
のカット面12と弁保持孔51との間の通路や、パイロ
ット弁9のステム部10内部の通路を介して弁ポート5
5に至り、さらに、連通孔57を経て低圧側連絡溝35
に流入する冷媒の流量を下回るように構成されている。
【0047】上述のような構成による四方弁100で
は、図1に示されているような状態において、電磁ソレ
ノイド11の電磁コイル63に通電が行われると、固定
吸引子59が励磁し、パイロット弁9がばね61のばね
力に抗して上昇変位して固定吸引子59に吸着し、弁ポ
ート55が開放される。
【0048】これにより圧力室41が低圧側連絡溝3
5、低圧側ポート15と連通し、コンプレッサPの吸入
圧により、圧力室41の内圧が高圧側ポート19と同じ
高圧から低圧側ポート15と同じ低圧に向かって低下す
る。これにより主弁体3の下側に比べて主弁体3の上側
が低圧になり、圧力差で主弁体3が上昇変位し、弁座板
5より離れ、低抵抗で回転変位し得る状態になる。
【0049】なお、パイロット弁9が開弁すれば、圧力
室41の内圧が低下するのは、ピストンリング47のス
リット部49によって圧力室41と高圧側連絡溝37、
高圧側ポート19との連通度が絞られてあり、この連通
度がパイロット弁9が開弁した時の圧力室41と低圧側
連絡溝35との連通度より低い値に設定されているから
である。従って、ピストンリング47のスリット部49
のスリット幅の寸法精度は、安定した弁切換動作上、重
要な要件である。
【0050】上述の状態になると、主磁極部材65、副
磁極部材69の帯磁と多極マグネット71との磁気作用
により、主弁体3が第一の回転位置より第二の回転位置
へ回転変位、あるいはその反対に回転変位し、ヒートポ
ンプサイクルが冷房モードあるいは暖房モードに切り換
えられる。
【0051】この後に、電磁コイル63に対する通電を
停止すると、ばね61のばね力によりパイロット弁9が
降下して閉弁し、圧力室41と低圧側連絡溝35との連
通が遮断され、バイパス用間隙43やピストンリング4
7のスリット部49を経て、高圧側連絡溝37、高圧側
ポート19の圧力が圧力室41に導入され、圧力室41
が主弁体3の下部の圧力と同圧になり、ばね61のばね
力と主弁体3の自重とによって主弁体3が元の降下位置
に戻り、弁座板5と密着する。
【0052】上述のような動作において、ピストンリン
グ47がフッ素系樹脂材等の高滑性耐熱成形樹脂材73
に金属製心材75をインサート成形したものにより構成
されていることにより、この材料の組み合わせから、周
辺温度の変化や冷媒膨潤によるピストンリング47の膨
張や収縮が低減し、スリット部49のスリット幅が変動
することが回避され、圧力室41と高圧側ポート19と
の連通度が大きく変動することがない。
【0053】このことにより、主弁体3の上下動作が、
温度変化に拘わらず安定して行われ、主弁体3が弁ハウ
ジング1内でこじれて動作不良を起こすことがないとと
もに、高圧側ポート19と圧力室41との連通度が変動
して、これによる動作不良を起こすこともない。
【0054】また、金属製心材75のばね力によりピス
トンリング47の表面の高滑性耐熱成形樹脂材73が弁
ハウジング1の内周面に摺動可能に押し付けられるか
ら、インナばねを省略することができ、部品点数、組立
工数が減り、その上で、ピストンリング47による弁ハ
ウジング1の内周面と弁本体3の外周との間のシール性
が向上する。
【0055】また、ピストンリング47の表面はフッ素
系樹脂材等の高滑性耐熱成形樹脂材73により構成され
ているので、高滑性耐熱成形樹脂材73が弁ハウジング
1の内周面に接触して摺動することとなり、従って、ピ
ストンリング47を金属棒単体で構成するのに比べて充
分な高滑性が得られ、ピストンリング47の摩耗が低減
し耐久性が向上する。
【0056】(実施の形態2)図10〜図13はこの発
明によるロータリ式流路切換弁の実施の形態2を示して
いる。なお、図10において、図1に対応する部分は図
1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略す
る。
【0057】この実施の形態では、主弁体3のピストン
リング溝45に、複数個、この場合、2分割されて全体
で円環状をなす2個のピストンリング構成部材81(リ
ング要素)と、ピストンリング構成部材81を弁ハウジ
ング1の内周面に摺動可能に押し付けるインナばね85
とが取り付けられており、前記2個のピストンリング構
成部材81によりピストンリング47が構成されてい
る。
【0058】ピストンリング構成部材81は、半割の略
円弧形状をなし、ピストンリング溝45に対する組み付
け状態で、ピストンリング構成部材81間に連通用間隙
83を作り、この連通用間隙83によって高圧側ポート
19と圧力室41とを連通させている。
【0059】ピストンリング構成部材81は、図11に
示されているように、口径が35〜40mm程度のもの
で、2つのピストンリング構成部材81をつなげたピス
トンリング47全体としての寸法が、ピストンリング溝
45の全周の寸法よりも1.0〜1.5mm程度短くな
るように、つまり、各ピストンリング構成部材81の両
端面間の2箇所の連通用間隙83,83の合計が1.0
〜1.5mmとなるように、両ピストンリング構成部材
81が互いに同じ寸法で形成されている。
【0060】これにより、高圧側連絡溝37やバイパス
間隙43、各ピストンリング構成部材81間の連通用隙
間83を経て、高圧側ポート19から圧力室41に流入
する冷媒の流量が、圧力室41から通路56、弁ポート
55、連通孔57を経て低圧側連絡溝35に流入する冷
媒の流量を下回るように構成されている。
【0061】そして、各ピストンリング構成部材81
は、図12(a)、(b)に示されているような断面形
状をもって、全体をポリフェニレンスルフィド樹脂(P
PS)あるいはこれと同等の低熱膨張・低冷媒膨潤の硬
質材料により構成されている。
【0062】この実施の形態では、ピストンリングが複
数個に分割されたピストンリング構成部材81の組み合
わせにより構成されているから、ピストンリング構成部
材81をポリフェニレンスルフィド樹脂あるいはこれと
同等の低熱膨張・低冷媒膨潤の硬質、高剛性材料により
構成しても、これを変形や歪みを生じることなく、難な
くピストンリング溝45に嵌め込むことができ、その複
数個のピストンリング構成部材81間の間隙により高圧
側ポート19と圧力室41とが連通路が確保される。
【0063】これにより、所要の低熱膨張度、低冷媒膨
潤度が得られ、圧力室41と高圧側ポート19との連通
度が大きく変動することがない。
【0064】このことにより、主弁体3の上下動作が、
温度変化に拘わらず安定して行われ、主弁体3が弁ハウ
ジング1内でこじれて動作不良を起こすことがないとと
もに、高圧側ポート19と圧力室41との連通度が変動
して、これによる動作不良を起こすこともない。
【0065】また、ピストンリング構成部材81が高剛
性であることにより、ピストンリング構成部材81の弁
ハウジング内周面に対する押付力はインナばね85のば
ね力だけで単純に決まり、この押付力の設定が容易にな
り、また安定する。
【0066】また、ピストンリング構成部材81が高剛
性であることにより、ピストンリング構成部材81の弁
ハウジング内周面に対する押付力はインナばね85のば
ね力だけで単純に決まり、この押付力の設定が容易にな
り、また安定する。
【0067】なお、ピストンリング溝45内での各ピス
トンリング構成部材81の位置は、各ピストンリング構
成部材81の両端面間の2箇所の連通用間隙83,83
が同寸法である状態でなくてもよく、たとえば、各ピス
トンリング構成部材81の一方の端面どうしが接触し、
その分、各ピストンリング構成部材81の他方の端面ど
うしの間隔83が大きくなった状態であっても良い。
【0068】また、ピストンリング構成部材81の分割
数は、図13に示されているように、3個であってもよ
く、また必要に応じてそれ以上の分割数であってもよ
い。
【0069】さらに、本実施形態では四方弁を例に取っ
て説明したが、本発明はロータリ式の三方弁においても
同様に適用可能であることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項
1に記載の発明によるロータリ式流路切換弁における弁
体用ピストンリング構造によれば、円筒状の弁ハウジン
グと、前記弁ハウジングに回転変位可能に且つ回転軸方
向に移動可能に設けられた主弁体と、前記弁ハウジング
に固定され低圧側配管を接続される低圧側ポート、高圧
側配管を接続される高圧側ポート、及び、少なくとも一
つの切換ポートを有する弁座板と、前記主弁体の一方の
端面側に画定されて高圧側ポートの圧力を導入される圧
力室及び前記低圧側ポートを選択的に連通接続するパイ
ロット弁と、前記主弁体を回転駆動すると共に前記パイ
ロット弁の開閉駆動を行う電磁ソレノイドとを有し、前
記主弁体は、前記圧力室とは反対の側の端面にて前記弁
座板と接触し、回転変位により前記切換ポートを前記低
圧側ポートと前記高圧側ポートのいずれか一方に選択的
に連通接続するように構成されたロータリ式流路切換弁
において、前記主弁体の外周部に形成された環状溝に嵌
着されて前記弁ハウジングの内周面に摺接するピストン
リングの構造であって、前記ピストンリングは、金属製
心材を高滑性樹脂材により被覆することで、前記主弁体
の周方向における全体の寸法が前記環状溝の前記周方向
における全周の寸法よりも小さい寸法の円弧状に形成さ
れていて、前記金属製心材のばね力により前記弁ハウジ
ングの内周面に摺動可能に押し付けられており、前記ピ
ストンリングの前記周方向における両端間に、前記主弁
体の外周部と前記弁ハウジングの内周面との間に画定さ
れる環状通路のうち、前記高圧側ポート側の通路部分と
前記圧力室側の通路部分とを連通させるスリット部が形
成されているものとした。
【0071】このため、ピストンリングが金属製心材を
高滑性樹脂材により被覆することで形成されていること
から、金属材単体で形成して径を太くするのに比べて弁
ハウジングの内周面に対する摺動抵抗が低くなり、ま
た、金属製心材のばね力によりピストンリングが弁ハウ
ジングの内周面に摺動可能に押し付けられ、ピストンリ
ングの内側に従来配設しているインナばねを省略するこ
とができる。
【0072】請求項2に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁における弁体用ピストンリング構造によれば、
前記高滑性樹脂材がフッ素系樹脂材であるものとした。
【0073】このため、高滑性樹脂材がフッ素系樹脂材
により構成されているので、フッ素系樹脂材と金属製心
材との組み合わせにより、周辺温度の変化や冷媒膨潤に
伴うピストンリングの伸縮が低減し、スリット部の間隔
が変動することが抑制され、これにより、主弁体の外周
と弁ハウジングの内周壁との間から各リング要素間の隙
間を経て高圧側ポートから圧力室に流れる流体の流量が
変化して、高圧側ポートと圧力室との圧力差が変動する
のを回避することができる。
【0074】請求項3に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁における弁体用ピストンリング構造によれば、
円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジングに回転変位
可能に且つ回転軸方向に移動可能に設けられた主弁体
と、前記弁ハウジングに固定され低圧側配管を接続され
る低圧側ポート、高圧側配管を接続される高圧側ポー
ト、及び、少なくとも一つの切換ポートを有する弁座板
と、前記主弁体の一方の端面側に画定されて高圧側ポー
トの圧力を導入される圧力室及び前記低圧側ポートを選
択的に連通接続するパイロット弁と、前記主弁体を回転
駆動すると共に前記パイロット弁の開閉駆動を行う電磁
ソレノイドとを有し、前記主弁体は、前記圧力室とは反
対の側の端面にて前記弁座板と接触し、回転変位により
前記切換ポートを前記低圧側ポートと前記高圧側ポート
のいずれか一方に選択的に連通接続するように構成され
たロータリ式流路切換弁において、前記主弁体の外周部
に形成された環状溝に嵌着されて前記弁ハウジングの内
周面に摺接するピストンリングの構造であって、前記ピ
ストンリングは、前記主弁体の周方向において分割され
た複数のリング要素により、前記周方向における各リン
グ要素全体の寸法の総和が前記環状溝の前記周方向にお
ける全周の寸法よりも小さくなるように形成され、前記
複数のリング要素のうち前記周方向において隣接する少
なくとも一対のリング要素間に、前記主弁体の外周部と
前記弁ハウジングの内周面との間に画定される環状通路
のうち、前記高圧側ポート側の通路部分と前記圧力室側
の通路部分とを連通させるスリット部が形成されている
ものとした。
【0075】このため、ピストンリングが、主弁体の周
方向において分割された複数のリング要素により構成さ
れていることから、各リング要素が環状溝の全周の寸法
に比べてある程度小さい寸法となり、従って、各リング
要素を例えば熱膨張や冷媒膨潤の小さい硬質、高剛性材
料で構成しても、各リング要素を拡開せずそのままの状
態で主弁体の環状溝に難なく嵌着することができる。
【0076】請求項4に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁における弁体用ピストンリング構造によれば、
前記リング要素がポリフェニレンスルフィド樹脂あるい
はこれと同等の低熱膨張・低冷媒膨潤の硬質材料により
構成されているものとした。
【0077】このため、高滑性樹脂材がフッ素系樹脂材
により構成されているので、フッ素系樹脂材と金属製心
材との組み合わせにより、周辺温度の変化や冷媒膨潤に
伴う各リング要素の伸縮が低減し、主弁体の周方向にお
ける各リング要素全体の寸法の総和、つまり、ピストン
リングの寸法と環状溝の全周の寸法との寸法差が変動す
ることが抑制され、これにより、主弁体の外周と弁ハウ
ジングの内周壁との間から各リング要素間の隙間を経て
高圧側ポートから圧力室に流れる流体の流量が変化し
て、高圧側ポートと圧力室との圧力差が変動するのを回
避することができる。
【0078】請求項5に記載の発明によるロータリ式流
路切換弁における弁体用ピストンリング構造によれば、
前記弁座板が切換ポートとして第一の切換ポートと第二
の切換ポートの二つの切換ポートを有し、前記主弁体
は、前記低圧側ポートと前記第一の切換ポートとを連通
接続すると共に前記高圧側ポートと前記第二の切換ポー
トとを連通接続する第一の回転位置と、前記低圧側ポー
トと前記第二の切換ポートとを連通接続すると共に前記
高圧側ポートと前記第一の切換ポートとを連通接続する
第二の回転位置との間に回転変位するように設けられ、
ヒートポンプシステムで使用される四方弁として構成さ
れているものとした。
【0079】このため、主弁体が、前記低圧側ポートと
前記第一の切換ポートとを連通接続すると共に前記高圧
側ポートと前記第二の切換ポートとを連通接続する第一
の回転位置と、前記低圧側ポートと前記第二の切換ポー
トとを連通接続すると共に前記高圧側ポートと前記第一
の切換ポートとを連通接続する第二の回転位置との間に
回転変位することにより、ロータリ式流路切換弁がヒー
トポンプシステムで使用される四方弁になり、四方弁に
おいて、主弁体の上下動作が温度変化に拘わらず安定し
て行われようになり、主弁体が動作不良を起こすことを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリ式流路切換弁の実施の
形態1を示す縦断面図である。
【図2】図1のロータリ式流路切換弁の平面図である。
【図3】図1のロータリ式流路切換弁の底面図である。
【図4】図1のロータリ式流路切換弁の側面図である。
【図5】図1のロータリ式流路切換弁をヒートポンプシ
ステムに組み込んだ際の冷房運転時における冷媒回路構
成を示す説明図である。
【図6】図1のロータリ式流路切換弁をヒートポンプシ
ステムに組み込んだ際の暖房運転時における冷媒回路構
成を示す説明図である。
【図7】(a)〜(d)は図1のパイロット弁の端面
図、(e)は(d)のパイロット弁の断面図である。
【図8】図1のピストンリングの平面図である。
【図9】図8のピストンリングのA−A線拡大断面図で
ある。
【図10】この発明によるロータリ式流路切換弁の実施
の形態2を示す縦断面図である。
【図11】図10のピストンリングの一例を示す平面図
である。
【図12】(a)、(b)は図11のピストンリング構
成部材のB−B線拡大断面図である。
【図13】図10のピストンリングの他の例を示す平面
図である。
【符号の説明】
1 弁ハウジング 3 主弁体 5 弁座板 9 パイロット弁 11 電磁ソレノイド 15 低圧側ポート 19 高圧側ポート 23 第一の切換ポート 27 第二の切換ポート 35 低圧側連絡溝 37 高圧側連絡溝 41 圧力室 45 ピストンリング溝 47 ピストンリング 55 弁ポート 59 固定吸引子 63 電磁コイル 65 主磁極部材 69 副磁極部材 71 多極マグネット 73 フッ素系樹脂材 75 金属製心材 81 ピストンリング構成部材 83 間隙 85 インナばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 一登 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製作 所狭山事業所内 (72)発明者 鈴木 和重 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製作 所狭山事業所内 (72)発明者 平田 和夫 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製作 所狭山事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の弁ハウジングと、 前記弁ハウジングに回転変位可能に且つ回転軸方向に移
    動可能に設けられた主弁体と、 前記弁ハウジングに固定され低圧側配管を接続される低
    圧側ポート、高圧側配管を接続される高圧側ポート、及
    び、少なくとも一つの切換ポートを有する弁座板と、 前記主弁体の一方の端面側に画定されて高圧側ポートの
    圧力を導入される圧力室及び前記低圧側ポートを選択的
    に連通接続するパイロット弁と、 前記主弁体を回転駆動すると共に前記パイロット弁の開
    閉駆動を行う電磁ソレノイドとを有し、 前記主弁体は、前記圧力室とは反対の側の端面にて前記
    弁座板と接触し、回転変位により前記切換ポートを前記
    低圧側ポートと前記高圧側ポートのいずれか一方に選択
    的に連通接続するように構成されたロータリ式流路切換
    弁において、 前記主弁体の外周部に形成された環状溝に嵌着されて前
    記弁ハウジングの内周面に摺接するピストンリングの構
    造であって、 前記ピストンリングは、金属製心材を高滑性樹脂材によ
    り被覆することで、前記主弁体の周方向における全体の
    寸法が前記環状溝の前記周方向における全周の寸法より
    も小さい寸法の円弧状に形成されていて、前記金属製心
    材のばね力により前記弁ハウジングの内周面に摺動可能
    に押し付けられており、 前記ピストンリングの前記周方向における両端間に、前
    記主弁体の外周部と前記弁ハウジングの内周面との間に
    画定される環状通路のうち、前記高圧側ポート側の通路
    部分と前記圧力室側の通路部分とを連通させるスリット
    部が形成されている、 ことを特徴とするロータリ式流路切換弁における弁体用
    ピストンリング構造。
  2. 【請求項2】 前記高滑性樹脂材はフッ素系樹脂材であ
    ることを特徴とする請求項1記載のロータリ式流路切換
    弁における弁体用ピストンリング構造。
  3. 【請求項3】 円筒状の弁ハウジングと、 前記弁ハウジングに回転変位可能に且つ回転軸方向に移
    動可能に設けられた主弁体と、 前記弁ハウジングに固定され低圧側配管を接続される低
    圧側ポート、高圧側配管を接続される高圧側ポート、及
    び、少なくとも一つの切換ポートを有する弁座板と、 前記主弁体の一方の端面側に画定されて高圧側ポートの
    圧力を導入される圧力室及び前記低圧側ポートを選択的
    に連通接続するパイロット弁と、 前記主弁体を回転駆動すると共に前記パイロット弁の開
    閉駆動を行う電磁ソレノイドとを有し、 前記主弁体は、前記圧力室とは反対の側の端面にて前記
    弁座板と接触し、回転変位により前記切換ポートを前記
    低圧側ポートと前記高圧側ポートのいずれか一方に選択
    的に連通接続するように構成されたロータリ式流路切換
    弁において、 前記主弁体の外周部に形成された環状溝に嵌着されて前
    記弁ハウジングの内周面に摺接するピストンリングの構
    造であって、 前記ピストンリングは、前記主弁体の周方向において分
    割された複数のリング要素により、前記周方向における
    各リング要素全体の寸法の総和が前記環状溝の前記周方
    向における全周の寸法よりも小さくなるように形成さ
    れ、 前記複数のリング要素のうち前記周方向において隣接す
    る少なくとも一対のリング要素間に、前記主弁体の外周
    部と前記弁ハウジングの内周面との間に画定される環状
    通路のうち、前記高圧側ポート側の通路部分と前記圧力
    室側の通路部分とを連通させるスリット部が形成されて
    いる、 ことを特徴とするロータリ式流路切換弁における弁体用
    ピストンリング構造。
  4. 【請求項4】 前記リング要素はポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂あるいはこれと同等の低熱膨張・低冷媒膨潤の
    硬質材料により構成されていることを特徴とする請求項
    3記載のロータリ式流路切換弁における弁体用ピストン
    リング構造。
  5. 【請求項5】 前記弁座板は切換ポートとして第一の切
    換ポートと第二の切換ポートの二つの切換ポートを有
    し、前記主弁体は、前記低圧側ポートと前記第一の切換
    ポートとを連通接続すると共に前記高圧側ポートと前記
    第二の切換ポートとを連通接続する第一の回転位置と、
    前記低圧側ポートと前記第二の切換ポートとを連通接続
    すると共に前記高圧側ポートと前記第一の切換ポートと
    を連通接続する第二の回転位置との間に回転変位するよ
    うに設けられ、ヒートポンプシステムで使用される四方
    弁であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載
    のロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング
    構造。
JP9168909A 1997-06-25 1997-06-25 ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造 Pending JPH1113905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9168909A JPH1113905A (ja) 1997-06-25 1997-06-25 ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9168909A JPH1113905A (ja) 1997-06-25 1997-06-25 ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1113905A true JPH1113905A (ja) 1999-01-22

Family

ID=15876819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9168909A Pending JPH1113905A (ja) 1997-06-25 1997-06-25 ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1113905A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020053618A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 日本電産トーソク株式会社 ソレノイド

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020053618A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 日本電産トーソク株式会社 ソレノイド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6783110B2 (en) Proportional solenoid valve
EP1876380B1 (en) Selector valve
JP4246975B2 (ja) 容量制御弁
JP5080612B2 (ja) 流路切換弁
EP2184523B1 (en) Control valve
KR20010082103A (ko) 사방 변환 밸브
EP3620728A1 (en) Motor operated valve
EP3677820A1 (en) Electromagnetic valve
US20090256092A1 (en) Electrohydraulic valve having a solenoid actuator plunger with an armature and a bushing
JP7483014B2 (ja) 電子膨張弁
EP3260745A1 (en) Flow control valve
JP4492649B2 (ja) ブリード式バルブ装置
JPH1113905A (ja) ロータリ式流路切換弁における弁体用ピストンリング構造
WO2019129190A1 (zh) 电磁切换阀
JP4146652B2 (ja) 容量制御弁
CN111226294A (zh) 电磁的致动器装置及其应用
JP4301318B2 (ja) ブリード式バルブ装置
JPH084934A (ja) 流体制御用電磁弁
JP4100924B2 (ja) 容量制御弁
EP4063765A1 (en) Control valve
JP2001208224A (ja) 四方切換弁
JP2000097358A (ja) パイプ継手構造
JP2006194351A (ja) 電磁弁
CN109751417B (zh) 一种先导式电磁阀
KR101864881B1 (ko) 가변 용량 압축기용 제어 밸브 및 이를 갖는 가변 용량 압축기

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060404