JPH11138709A - 蓄光性樹脂積層板及びその製造方法 - Google Patents

蓄光性樹脂積層板及びその製造方法

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JPH11138709A
JPH11138709A JP23085098A JP23085098A JPH11138709A JP H11138709 A JPH11138709 A JP H11138709A JP 23085098 A JP23085098 A JP 23085098A JP 23085098 A JP23085098 A JP 23085098A JP H11138709 A JPH11138709 A JP H11138709A
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JP
Japan
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weight
parts
pvc
luminous
resin
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JP23085098A
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English (en)
Inventor
Yuzuru Kamitsubara
譲 上津原
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MUSASHI KASEI KK
JNC Corp
Original Assignee
MUSASHI KASEI KK
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度の蓄光性蛍光体を含有する塩ビ樹脂積
層板を提供すること。 【解決手段】 表皮が、厚さ50〜300μmであって
波長域が330〜400nmでの各波長での光透過率が
40%以上である透明硬質塩ビフィルムであり、中間層
が、10〜60重量%の蓄光性蛍光体(MAl24
Mはカルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群
から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素)で表され
る化合物を母結晶とし、これに賦活剤、共賦活剤を添加
したもの)を含有する軟質ポリ塩化ビニルシートであ
り、下層が白色の硬質ポリ塩化ビニルシートからなり、
それらが一体化されており、全体の酸素指数が26以上
である蓄光性樹脂積層板による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄光性樹脂積層板、
特に屋内外で主に非常表示用として使用することが出来
る塩ビ樹脂からなる蓄光性樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄光性蛍光体については、極めて長時間
の残光特性を有する化合物が開示され(特開平7−11
250号公報)、それらを用いた蓄光性構造体について
も各種樹脂を用いたものが市販されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在主として市販され
ているものはポリオレフィン、ポリスチレン、アクリル
或いはポリエステル樹脂を用いた構造体である。これら
の樹脂はあるものは透明性が不十分であり、或いは成形
性に劣り、或いは難燃性に劣り、或いは値段が高価であ
るなどの欠点を有している。塩ビ樹脂は比較的にこれら
のバランスがとれているため、塩ビ樹脂を用いた構造体
も検討され、一部市販されているものもある。しかし、
本発明で使用される蓄光性蛍光体はアルカリ性物質であ
るため、塩ビ樹脂と混合し高温雰囲気下で長時間共存さ
せると中和反応を起こし、互いにその性質を失ってしま
う。即ち、本蛍光体は蓄光性能を失い、塩ビ樹脂は脱塩
酸により劣化、変色する。従って、市販されている塩ビ
樹脂製構造体は蓄光性蛍光体の低濃度のものに限られて
いるため発光性能の劣るものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこの様な従来技
術の欠点を改良するものであり、高濃度の蓄光性蛍光体
を含有する塩ビ樹脂製の蓄光性樹脂積層板に関するもの
であり、以下の構成によりこの課題を解決したものであ
る。 (1) 表皮が、厚さ30〜300μmであって波長域
が330〜400nmでの各波長での光透過率が40%
以上である透明塩ビフィルム(以下透明PVCフィルム
と略称する)であり、中間層が、10〜60重量%の蓄
光性蛍光体(以下本蓄光体と略称する)を含有する軟質
ポリ塩化ビニルシート(以下軟質PVCシートと略称す
る)であり、本蓄光体はMAl24(Mはカルシウム、
ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少な
くとも1つ以上の金属元素)で表される化合物を母結晶
とし、これに賦活剤としてユウロビウムをMで表わす金
属元素に対し、0.002%以上20%以下添加し、更
に共賦活剤を添加したものであり、下層が白色の硬質ポ
リ塩化ビニルシート(以下硬質PVCシートと略称す
る)からなり、それらが一体化されており、全体の難燃
指数が26以上である蓄光性樹脂積層板。 (2) 透明PVCフィルムが100重量部の懸濁法ポ
リ塩化ビニル樹脂と1〜4.5重量部の有機錫系安定剤
を含有する硬質塩ビフィルムである(1)項に記載の蓄
光性樹脂積層板。 (3) 透明PVCフィルムが100重量部の懸濁法ポ
リ塩化ビニル樹脂、1〜4.5重量部の有機錫系安定剤
及び120重量部以下の可塑剤を含有する塩ビフィルム
である(1)項に記載の蓄光性樹脂積層板。 (4) 中間層が下記〜よりなる樹脂組成物である
(1)項に記載の蓄光性樹脂積層板。 重合度500〜2500の懸濁法ポリ塩化ビニル樹脂
(以下懸濁法PVCと略称する)100重量部 乳化法ポリ塩化ビニル樹脂(以下乳化法PVCと略称
する)10〜80重量部 MAl24( Mはカルシウム、ストロンチウム、バ
リウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金
属元素)で表される化合物を母結晶とし、これに賦活剤
としてユウロビウムをMで表わす金属元素に対するモル
%で0.002%以上20%以下添加し、更に共賦活剤
を添加した本蓄光体20〜300重量部 可塑剤20〜250重量部 透明用安定剤1.0〜4.5重量部 (5) 厚みが1.0〜1.5mmである(1)項に記
載の蓄光性樹脂積層板。 (6) 中間層が、30〜60重量%の本蓄光体を含有
する軟質PVCシートである(1)項記載の蓄光性樹脂
積層板。 (7) 表皮、中間層及び下層を別々に作製した後、ラ
ミネーターにより一体化することを特徴とする(1)項
に記載の蓄光性樹脂積層板の製造方法。 (8) 中間層を、予め乳化法PVC100重量部に対
して可塑剤50〜300重量部及び安定剤1〜4.5重
量部からなる塩ビコンパウンドを調製し、このコンパウ
ンド100重量部に対して本蓄光体50〜350重量部
を混合して軟質塩ビシートを作製した後このシートをマ
スターバッチとして用いることにより、作製することを
特徴とする(6)項に記載の蓄光性樹脂積層板の製造方
法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の積層板は表皮、中間層及
び下層から構成され、この各々をシート成形した後、こ
れらをラミネーターで三層に積層し、積層板を得るので
ある。表皮は懸濁法PVC、中間層は乳化法PVC、懸
濁法PVC、可塑剤及び本蓄光体、下層は懸濁法PVC
及び白の顔料がそれぞれ必須成分である。
【0006】ここでいう懸濁法PVCとは水を溶媒とし
た塩化ビニルの懸濁重合により得られる塩ビ樹脂をい
う。重合度は500−2500の範囲で実施可能である
が700−1500の範囲が更に好ましい。2500以
上では通常の成型法及び成型条件では成型が困難であっ
た。500以下では混合、混練は可能であり成型も可能
であるが成型品の実用物性に問題がある。懸濁法PVC
には懸濁法で製造される塩化ビニル単独重合体以外にも
塩化ビニルとエチレン、プロピレン等のオレフィン、酢
酸ビニル、アクリル酸エステル類等のビニルモノマーと
の共重合物も含まれる。
【0007】乳化法PVCとは別名ペーストレジンとも
いわれ通常、可塑剤と溶融混合してプラスチゾルの形態
で使用される。添加量は10−80重量部で使用可能で
あるが20−40重量部が更に好ましい範囲である。1
0重量部以下では効果が不充分であり、80重量部以上
では乳化法PVCの欠点である熱安定性の悪さがあらわ
れ変色が顕著になる。乳化法PVCには乳化法で製造さ
れる塩化ビニル単独重合体以外にも塩化ビニルとエチレ
ン、プロピレン等のオレフィン、酢酸ビニル等のビニル
モノマー、アクリル酸エステル類等との共重合物も含ま
れる。
【0008】本蓄光体とは、根本特殊化学社が開発した
蓄光性蛍光体をさし基本的構造がMAl24( Mはカ
ルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選
ばれる少なくとも1つ以上の金属元素)で表される化合
物を母結晶とし、これに賦活剤としてユウロビウムをM
で表わす金属元素に対するモル%で0.002%以上2
0%以下添加し、更に共賦活剤としてセリウム、プラセ
オジム、ネオジム、サマリウム、テルビウム、ジスプロ
シウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテル
ビウム、ルテチウム、ランタン、ガドリニウムからなる
群の少なくとも1つ以上の元素をMで表す金属元素に対
するモル%で0.002%以上20%以下添加したもの
であり既に公開されているものである(特開平7―11
250号公報、特開平7―324186号公報、特開平
8―127772号公報、特開平9−13028号公
報)。これらの特許に示された蓄光性蛍光体はすべて含
まれる。
【0009】本発明の積層板の表皮に使われる透明PV
Cは、ポリ塩化ビニール樹脂100重量部に対し、可塑
剤が0〜120重量部使われる。可塑剤には、フタル酸
ジー2−エチルヘキシル、フタル酸ジー2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、
アジピン酸ジー2−エチルヘキシル、トリメリット酸エ
ステル等が挙げられる。可塑剤の配合量は、ポリ塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対し、10〜50重量部が好ま
しい。また、積層板の表皮に使われる透明PVCフィル
ムは、紫外線の波長域が330〜400nmでの各波長
での透過率が40%以上であるものである。好ましく
は、この値が70%以上であるものであり、さらに好ま
しくは、80%以上のものである。
【0010】この様な透明PVCフィルムを得るには、
成型加工時の熱劣化を防ぐため安定剤の添加が必要であ
る。しかし、安定剤は紫外線領域に吸収ピークを有する
化合物が多く、それらの中では例えば、懸濁法PVC1
00重量部に1〜4.5重量部の安定剤(好ましくはジ
ブチル錫マレエート、ジブチル錫ラウレート、ジブチル
錫オレエート等の有機錫系安定剤)を添加した系が好ま
しい。それ以外にも必要により8重量部以下のアクリル
系強化剤(三菱レーヨン(株)製Pー530等)および
微量のアクリル系加工助剤等を用いることもできる。成
型は通常の塩ビカレンダー加工法および押出法などで行
うことができる。表皮の厚さは、30〜300μmのも
のが用いられる。30μm未満では、積層品にした場合
に使用時におけるそりの発生があり、また難燃性が低下
する。300μmを超えた場合には、積層品の特性であ
るりん光輝度が低下する。好ましくは、100〜200
μmである。
【0011】更に、表皮の表面に塗布剤処理または、フ
ィルムのラミネート処理を行うことができる。これは、
積層品の表面をこの様な処理をすることにより、耐候性
等の物性の向上および印刷等の後加飾の操作性向上およ
び積層品の柔軟性向上等が期待できるためである。塗布
剤は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等一般
に使用されているものが使われる。また、塗布膜の厚み
は、1〜50μmの範囲である。フィルムのラミネート
処理は、軟質塩ビフィルム、アクリル樹脂フィルム等熱
により、表皮と密着することができるフィルムが使われ
る。このフィルムの厚さは、15〜200μmのものが
使われる。15μm未満では、ラミネートの作業性が悪
くしわが発生し、200μmを超えると、積層品のりん
光輝度特性が低下する欠点がある。
【0012】本発明の積層品の中間層は10〜60重量
%の本蓄光体を含む軟質塩ビシートである。10重量%
未満では蓄光性能が不十分であり本蓄光体の性能を十分
発揮することが出来ず、60重量%を超えると加工中に
本蓄光体と塩ビ樹脂が反応し塩ビ樹脂の劣化と本蓄光体
の性能低下をきたす場合があり何れも好ましくない。本
蓄光体の性能をより顕著に発現するためには30〜60
重量%が好ましい。
【0013】中間層は以下のような方法で調製する。即
ち、予め本蓄光体を乳化法PVC、可塑剤等で希釈した
マスターバッチ(以下ゲルバッチ品と称す)を用い、軟
質塩ビにブレンドすることにより調製する。このとき上
記本蓄光体濃度が10〜60重量%になるよう調整す
る。ゲルバッチ品の組成は、特に限定はしないが、例え
ば、乳化法PVC100重量部に対し可塑剤成分50〜
300重量部、安定剤成分1〜4.5重量部を用いるこ
とができる。
【0014】ゲルバッチ品に用いられる本蓄光体は、上
記コンパウンド100重量部に対し50〜350重量部
が用いられる。好ましくは、100〜250重量部が用
いられる。50重量部未満では、目標とする中間層の含
量濃度を達成するのが困難な場合があり好ましくない。
また、350重量部を超えると、コンパウンドと混合し
難くなり、コンパウンドと本蓄光体が不均一のままであ
り、積層した製品の輝度がまばらになるという欠点が生
じ好ましくない。
【0015】軟質塩ビシートとは、懸濁法PVC(好ま
しくは塩ビ単独重合体またはエチレン塩ビコポリマー樹
脂)の100重量部に対し、可塑剤50〜200重量
部、安定剤1〜4.5重量部、が通常用いられる。中間
層で使用される可塑剤は、特に制限されるものではない
が、炭素原子数4〜13のアルキル基を有するジアルキ
ルフタレート、ジアルキルアジペート、トリアルキルト
リメリテート若しくはポリエステル系可塑剤が使用でき
る。具体的には、フタ−ル酸ジ−n−ブチル、フタ−ル
酸ジ−n−オクチル、フタ−ル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(DOP)、フタール酸ジイソオクチル、アジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、トリメリット酸ト
リー2ーエチルヘキシル(TOTMと略称する)等が挙
げられ、これらの一種または二種以上を混合して使用す
ることができる。これらの中ではブリードしにくいトリ
メリット酸エステル系が好ましく使用される。
【0016】可塑剤および安定剤その他添加剤の使用量
は、特に限定されるものではない。中間層の厚みは、1
50〜800μmである。150μm未満では、積層品
のりん光輝度特性が不十分であり、800μmを超える
と、加工生産性が低下すると共に、積層品の厚さが厚く
なり、製品の用途が限定される欠点を生じる。好ましく
は、300〜500μmである。
【0017】本発明の積層品の下層である硬質PVCシ
ートは、以下のようにして調製する。即ち、懸濁法PV
Cに安定剤および白の顔料(チタン系他)をブレンド
し、通常のシート成形機によりシート化することにより
得られる。下層の厚さは、0.4〜1.1mmである。
0.4mm未満では、積層品の光が透過し易くなり、蓄
光性能が低下し、1.1mmを超えると、積層品の厚さ
が厚くなりすぎ製品の用途が限定される欠点が生じ好ま
しくない。三層を積層した積層品は、通常1.0mm〜
1.5mmが使われる。この様な構成によりなる本発明の
積層板は難燃指数が26以上であり、難燃性においても
優れたものである。本発明の積層品には、その他必要に
応じて各層に、安定剤、光安定剤、滑剤、充填剤、エポ
キシ化合物、顔料、強化剤、加工助剤、スリップ剤等を
含有させることができる。
【0018】本発明の積層体は、夜間表示用として屋内
外で使用される。特に緊急時夜間表示による安全標識板
として使われる。昼間に光を蓄光し、日の入り後約8時
間昼間の光を放出し、残光特性および耐久性に優れた蓄
光体である。
【0019】
【実施例】次に実施例を示すが、本発明はこれらの実施
例に制限されるものではない。
【0020】[実施例−1]乳化法PVC(鐘淵化学工
業(株)製PSL−31)100g、可塑剤(TOT
M)100g、Ba−Zn安定剤(旭電化(株)製AC
212)2.5g、本蓄光体( 根本特殊化学(株)製
N夜光G−300M )472.5gを3リットルの
ビーカーに入れ、マグネチックスターラーにより低回転
速度で5分間撹拌、混合した。混合物をオーブン中で1
40℃、10分間加熱後、室温で放冷した。この放冷物
を本蓄光体ゲルバッチ品と称し、以下に説明するように
して使用した。
【0021】表皮用透明PVCフィルムは、硬質PVC
(チッソ(株)製SE )200g、安定剤(オクチル
酸スズ系)5g、エポキシ大豆油(旭電化工業(株)製
O130S)6.0gを8インチロール(西村(株)
製)で、150μmの厚さにシート化した。中間層の軟
質PVCシートは、硬質PVC(チッソ(株)製SL
)100重量部、可塑剤(旭電化工業(株)製C−
8)47重量部、安定剤(旭電化工業(株)製AC−2
12)2重量部、エポキシ大豆油3.0重量部、からな
るコンパウンド100gに本蓄光体ゲルバッチ品を本蓄
光体濃度が40%濃度になる用ブレンドし、8インチロ
ール[西村(株)製]で、320μmの厚さにシート化
した。下層硬質PVCシートは、懸濁法PVC(チッソ
(株)製SE)200g、安定剤(オクチル酸スズ系)
4.0g、強化剤(三菱レーヨン(株)製C−303A
)10g、チタン白10gをブレンドし、8インチロ
ール(西村(株)製)で1.0mmの厚さにシート化し
た。上記テストロールにてシート化した、表皮および中
間層および下層を36トンプレス機(庄司鉄工(株)
製)で圧着し、三層にラミネートした積層品を作成し
た。
【0022】積層品の評価は以下の方法により測定し
た。 1.りん光輝度の測定 JISZ9107により行った。輝度計の数値[Mcd
/m2]の大きい方が良く輝いており、良好である。 2.ウエザロ照射後色度座標範囲確認試験 JISZ9107により行った。デュ−サイクル式促進
耐候試験機により試験片を温度63℃、表面への雨なし
の条件下、蓄光面に20時間照射後、試験片を取出し、
色測定後XYZの表色系によって表示する。表示が表色
系の中にあれば耐候性および色が良好である。 3.難燃性の測定 JISD1201難燃試験方法により行った。難燃指数
の大きいもの程、難燃性が大である。
【0023】[実施例−2]実施例−1の表皮の厚さを
0.15mmから0.20mmに変更した以外は、実施
例−1と同様に試験を実施した。
【0024】[実施例−3]実施例−1の表皮の厚さを
0.15mmから0.25mmに変更し、中間層の本蓄
光体濃度を40%から50%に変更し、そのシートの厚
さを0.32mmから0.3mmに変更し、下層の厚さ
を1.0mmから0.8mmに変更した以外は、実施例
−1と同様に試験を実施した。
【0025】[実施例−4]実施例−1の表皮の厚さを
0.15mmから0.10mmに変更し、中間層の本蓄
光体濃度を40%から32%に変更し、そのシートの厚
さを0.32mmから0.8mmに変更し、下層の厚さ
を1.0mmから0.6mmに変更した以外は、実施例
−1と同様に試験を実施した。
【0026】[実施例−5]実施例−2の中間層の濃度
を40%から30%に変更した以外は、実施例−2と同
様に試験を実施した。
【0027】[実施例−6]実施例−1において、表皮
用透明PVCフィルムを、PVC(チッソ(株)製S
L)200g、可塑剤(旭電化工業(株)製C−8)5
0g、安定剤(オクチル酸スズ系)5g、エポキシ大豆
油(旭電化工業(株)製O130S)6.0gに変更し
た以外は、実施例−1と同様に試験を実施した。
【0028】[比較例−1]実施例−1の表皮の厚さを
0.15mmから0.02mmに変更し、中間層の成形
加工において、本蓄光体のゲルバッチ品を使用せず、本
蓄光体のパウダーそのままで成形した以外は、実施例−
1と同様に試験を実施した。
【0029】[比較例−2]実施例−1の表皮の厚さを
0.15mmから0.36mmに変更した以外は、実施
例−1と同様に試験を実施した。
【0030】[比較例−3]実施例−1の表皮と下層を
使用せず、中間層の厚さを0.32mmから0.80m
mに変更した以外は、実施例−1と同様に試験を実施し
た。実施例、比較例の評価結果を表−1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明は特定の樹脂成分及び加工法を採
用することにより高濃度の蓄光性蛍光体を含有する塩ビ
樹脂積層板の提供を可能にしたものであり、蓄光安全標
識板として使用した場合、夜間または昼間屋内で不慮の
事故により発生する停電時に安全誘導板として特に効果
を発揮するものである。また、従来の蓄光板に比べ、蓄
光持続時間が長いため消費電力削減効果も発揮するもの
である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮が、厚さ30〜300μmであって
    波長域が330〜400nmでの各波長での光透過率が
    40%以上である透明塩ビフィルム(以下透明PVCフ
    ィルムと略称する)であり、中間層が、10〜60重量
    %の蓄光性蛍光体(以下本蓄光体と略称する)を含有す
    る軟質ポリ塩化ビニルシート(以下軟質PVCシートと
    略称する)であり、本蓄光体はMAl24(Mはカルシ
    ウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれ
    る少なくとも1つ以上の金属元素)で表される化合物を
    母結晶とし、これに賦活剤としてユウロビウムをMで表
    わす金属元素に対し、0.002%以上20%以下添加
    し、更に共賦活剤を添加したものであり、下層が白色の
    硬質ポリ塩化ビニルシート(以下硬質PVCシートと略
    称する)からなり、それらが一体化されており、全体の
    難燃指数が26以上である蓄光性樹脂積層板。
  2. 【請求項2】 透明PVCフィルムが100重量部の懸
    濁法ポリ塩化ビニル樹脂と1〜4.5重量部の有機錫系
    安定剤を含有する硬質塩ビフィルムである請求項1に記
    載の蓄光性樹脂積層板。
  3. 【請求項3】 透明PVCフィルムが100重量部の懸
    濁法ポリ塩化ビニル樹脂、1〜4.5重量部の有機錫系
    安定剤及び120重量部以下の可塑剤を含有する塩ビフ
    ィルムである請求項1に記載の蓄光性樹脂積層板。
  4. 【請求項4】 中間層が下記〜よりなる樹脂組成物
    である請求項1に記載の蓄光性樹脂積層板。 重合度500〜2500の懸濁法ポリ塩化ビニル樹脂
    (以下懸濁法PVCと略称する)100重量部 乳化法ポリ塩化ビニル樹脂(以下乳化法PVCと略称
    する)10〜80重量部 MAl24( Mはカルシウム、ストロンチウム、バ
    リウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金
    属元素)で表される化合物を母結晶とし、これに賦活剤
    としてユウロビウムをMで表わす金属元素に対するモル
    %で0.002%以上20%以下添加し、更に共賦活剤
    を添加した本蓄光体20〜300重量部 可塑剤20〜250重量部 透明用安定剤1.0〜4.5重量部
  5. 【請求項5】 厚みが1.0〜1.5mmである請求項
    1に記載の蓄光性樹脂積層板。
  6. 【請求項6】 中間層が、30〜60重量%の本蓄光体
    を含有する軟質PVCシートである請求項1記載の蓄光
    性樹脂積層板。
  7. 【請求項7】 表皮、中間層及び下層を別々に作製した
    後、ラミネーターにより一体化することを特徴とする請
    求項1に記載の蓄光性樹脂積層板の製造方法。
  8. 【請求項8】 中間層を、予め乳化法PVC100重量
    部に対して可塑剤50〜300重量部及び安定剤1〜
    4.5重量部からなる塩ビコンパウンドを調製し、この
    コンパウンド100重量部に対して本蓄光体50〜35
    0重量部を混合して軟質塩ビシートを作製した後このシ
    ートをマスターバッチとして用いることにより、作製す
    ることを特徴とする請求項6に記載の蓄光性樹脂積層板
    の製造方法。
JP23085098A 1997-08-29 1998-08-17 蓄光性樹脂積層板及びその製造方法 Pending JPH11138709A (ja)

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