JPH11138422A - 半導体基板の加工方法 - Google Patents

半導体基板の加工方法

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JPH11138422A
JPH11138422A JP31773597A JP31773597A JPH11138422A JP H11138422 A JPH11138422 A JP H11138422A JP 31773597 A JP31773597 A JP 31773597A JP 31773597 A JP31773597 A JP 31773597A JP H11138422 A JPH11138422 A JP H11138422A
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wafer
semiconductor wafer
polishing
oxide
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JP31773597A
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Toshihiro Kiyono
敏廣 清野
Shiyunji Hakomori
駿二 箱守
Takeshi Amano
健史 天野
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Original Assignee
SpeedFam Co Ltd
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Publication date
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  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明方法は、半導体ウェーハの鏡面仕上げに
いたるまでの一連の製造加工プロセスにおいて、加工ダ
メージ層の発生を抑制する加工プロセスに関わる。 【構成】ラッピング、エッチング、ポリッシング等の工
程よりなる、IC、LSIあるいは超LSI等の原材料
である鏡面仕上げの半導体ウェーハを製造加工する方法
において、ラッピング工程を終えたウェーハを、砥粒を
固定した研磨パッドを表面に貼付した加工機の定盤面に
配置し、乾式で押圧回転を行う加工工程を組み込むこと
を特徴とする半導体ウェーハの加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、IC、LSIある
いは超LSI等の素材であるシリコン単結晶や化合物系
の単結晶のインゴットのスライシング以降、即ちアズカ
ットウェーハから鏡面ウェーハまでの一連の加工方法の
改良に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、IC、LSIあるいは超LSI等
の素材である鏡面仕上げを施したシリコンウェーハある
いは化合物系のウェーハ(以下鏡面ウェーハと総称す
る)は以下の一連の製造プロセスを経て製造されるのが
一般的であった。すなわち、単結晶引き上げ法によって
製造されたシリコン等の単結晶インゴットの外周研削を
行なった後、結晶方向の位置決めの為の例えばオリエン
テーションフラット加工を施し、内周刃ソーあるいはワ
イヤソーにてスライシングを行いアズカットウェーハを
得る。このアズカットウェーハを、ベベリングによる外
周部の面取りを行なった後、両面ラッピング加工により
均一な厚みと平行度、平面度及びある程度の面粗さを持
つまでに仕上げる。得られたラップドウェーハを酸また
はアルカリにてエッチング加工を行ない加工変質層を除
去、然るのちポリッシングによる鏡面仕上げを行う。こ
こで得られる鏡面ウェーハは優れた面粗さと形状精度を
持ったものでなくてはならない。
【0003】近年、IC、LSIあるいは超LSIの記
憶容量のアップと生産性の向上といった必要性から、ウ
ェーハの加工精度、特に寸法安定性の向上と同時にウェ
ーハ自体のサイズの大型化の進行が著しく、加工プロセ
スにおける効率や能率あるいは歩留まりの向上が極めて
重要な要素となりつつある。特に、シリコンウェーハの
場合はその原料となるシリコン単結晶インゴットの製造
技術が向上し、直径8インチ、12インチといった大口
径のものの生産も行われるようになって来ている。従っ
て、このような大口径のものの加工を生産効率よく行う
ためには、従来の小口径用の加工プロセスから変わりつ
つある。
【0004】上述のプロセスにおいて特にポイントとな
るのはラッピング工程、エッチング工程及びポリッシン
グ工程である。ラッピング工程においては、例えば金属
性の定盤を上下両面に配置した両面ラッピング加工機を
用い、その上下定盤間にウェーハを押圧挾持し定盤を回
転させ、その加工面にアルミナ系の砥粒スラリーを供給
して行なう。この加工の目的は、スライシングによる厚
みのバラツキやソーマークを除去し、かつ均一な厚みと
平行度、平面度と精密な面粗さを得ることにある。砥粒
の作用によってウェーハの面が少しずつ除去されて行
き、平坦かつ均質な面が創成されて行く。この場合、生
産性と作業能率の向上のため数十枚のウェーハを同時に
加工する方法が取られるのが一般的であるが、上述のよ
うにウェーハの口径が大型化して行くと、加工精度の維
持が難しくなる。加工においては剛性の高い定盤と砥粒
との作用による高い応力が起因してウェーハの単結晶が
歪みを受け、単結晶として要求される性能を阻害する加
工ダメージ層が形成される。この加工ダメージ層は半導
体としては全く使えない部分であるので、次のエッチン
グ工程において除去されねばならない。
【0005】上述の加工ダメージ層の深さはラッピング
加工条件によっても異なるが、一般的には数ミクロンか
ら十数ミクロンに及ぶ。このダメージ層の除去には、混
酸あるいはアルカリ液でのエッチング手法が使われる。
酸またはアルカリの化学的作用によりウェーハの表面が
侵食され除去されるのであり、液の種類、温度、浸漬時
間等の諸条件を調節し、除去に必要な厚さを調整する。
この工程においては、加工ダメージ層の除去はできる
が、ラッピング工程で得られた形状を再び崩し、また平
行度、平面度等を悪化させる。ここで用いられる酸とし
ては酢酸、弗酸、硝酸等を適宜混合した混酸があげら
れ、また、アルカリとしては水酸化カリウムの水溶液を
挙げることができるが、比較的均質なエッチングができ
ることから、近年はアルカリエッチングが主流となりつ
つある。また、この工程においては、例えば弗酸や水酸
化カリウムといった有害物を多量に使用するため、その
廃水処理に多大の負荷がかかる等の問題点が指摘されて
いる。エッチング後のウェーハは洗浄、乾燥され、検査
による選別を経て、最終的な鏡面を得るために次のポリ
ッシング工程に移る。
【0006】ポリッシング工程においては、前段のエッ
チング工程において悪化した形状精度を是正し、均一な
厚みと優れた平行度、平面度を得るとともに極めて精密
な鏡面を得ることを目標にして加工を行なうのである
が、加工機は不織布等からなるポリッシングパッドを貼
付した定盤を有するポリッシング機が使用される。ポリ
ッシングは一般的には下定盤を有した片面タイプを用い
るが、特に形状精度を出すための1次ポリッシングで
は、やや粗く硬目の不織布を上下定盤に貼付した両面タ
イプのものが使用され、また最終ポリッシング工程で
は、スェ−ド調の不織布を下定盤に貼付した片面タイプ
のものを使用する。不織布を用いる理由は、加工ダメー
ジを与えずにエッチングで悪化させた形状を修正しなが
ら鏡面を得るためであるが、強い摩擦力によるウェーハ
の局部的な温度上昇をはかることで水酸化カリウム(K
OH)などのアルカリ水溶液の化学的作用(反応速度
は、温度に依存する)と、水溶液に分散させた酸化珪素
などの超微粉末砥粒による除去作用との複合作用に負う
ところが大きい。いわゆるメカノケミカルポリッシング
と言われる加工であるが、化学腐食作用によりできた軟
質の反応生成物を、ウェーハ(被加工物)より軟らかい
超微粉末砥粒で除去することにより、ラッピングなどの
物理的加工で生ずる加工ダメージ層を生成させずに精密
な鏡面をえることができる。この加工速度はラッピング
の1/10以下の緩やかな除去速度であるため、形状修
正の効果が少なく、除去すべき深さ(加工ダメージ層)
が深ければ深いほど加工時間が比例的に増える問題があ
る。
【0007】以上述べた通り、鏡面ウェーハは上述の一
連の製造プロセスを経て製造されるのが一般的であった
が、この工程においてはその前半のラッピング工程を経
ることによって、半導体素材としては使うことのできな
い加工ダメージ層が形成されるということ、及びその加
工ダメージ層を除去するためのエッチング工程が必要と
され、そのことによりウェーハの形状精度を悪化させる
のみならず、そのエッチング工程が作業環境的に見て好
ましくなく、またその廃水処理装置に及ぼす負荷も大変
高いこと、およびポリッシング工程における形状修正の
効果が少なく、加工時間も長いということが大きな問題
点として指摘されていた。このような問題点の解決方法
の一つとして、例えば、ダイヤモンド微細砥粒を固定砥
粒として埋め込んだグラインダー(カップ状砥石)によ
る加工がある。固定砥粒、すなわちグラインダーによる
加工は、遊離砥粒を利用したラッピング手法に比較して
加工ダメージ層の深さが10分の1程度になり、従って
次工程であるエッチング工程での除去量を少なくさせる
効果があり、エッチングによる加工精度の悪化を抑制す
ることが期待できる。しかしながら、このグラインダー
加工の場合枚葉式の加工でしかも片面ずつの仕上げを基
本とするため、複数枚を両面同時加工を基本とするラッ
ピング加工に比較して生産効率が低い上、反りの問題が
出やすく、また加工痕が方向性のある線状痕であるため
特に深い条痕があった場合、次のエッチング工程でそれ
をさらに拡大する危険性を有する。すなわち、ダイヤモ
ンド砥粒の刃先管理技術が極めて難度高く現段階ではま
だ実用化には至っていない。また、ラッピング定盤の代
わりに平板状砥石定盤を用いてラッピングを行う方法も
提案されているが(特公平6−71708)、これは上
述と同様の問題点を有するのと同時に定盤の面の形状
(平面度、平行度)の維持管理が難しく完全な方法とは
言い難かった。更にラッピング工程において使用する研
磨液中の砥粒粒度を細かくすることも対策として考えら
れるが、これをFO1500番より細かい粒度にすると
ウェーハ表面にスクラッチ(線状傷)が発生しやすくな
り、実用的ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現状での一般的なラッ
ピング工程においては、鋳鉄定盤を用い、砥粒番手12
00番(平均粒径:7〜8ミクロン)のFO砥粒を含む
スラリーを加工液として用いるがこれにより得られる表
面粗さはRaで0.15ミクロン程度でありまたTTV
(トータルシックネスバリェーション)は1.0ミクロ
ン程度である。同時に加工ダメージ層の深さは大略10
〜20ミクロン程度となる。即ち、ラッピング後のエッ
チング工程においてはこの10〜20ミクロン程度の加
工ダメージ層を除去するのであるが、これにより表面粗
さは向上するものの、TTVは1〜3ミクロン程度にま
で悪化する。本発明者等は、この現状に鑑み、鋭意研究
を行なった結果、以下のことを解明するに至ったもので
ある。すなわち、ラッピング工程においては、極めて剛
性の高いラッピング定盤と硬度の高い微細砥粒を使用す
るため高い応力がウェーハ表面に作用し単結晶構造の破
壊が行われ結晶内部に加工ダメージ層を生成させる。よ
って、この応力を軽減することが加工ダメージ層の深さ
を減らすことになるのであるが、単に物理的に応力を軽
減する方法、例えば加工圧力を低くする方法では加工時
間を延長することになり、問題解決にはならない。
【0009】本発明者等は、通常のラッピング加工を行
なった後に、既に得られた形状精度を崩さない方法で、
加工ダメージ層の除去のみを行なう方法について検討を
行なった結果、通常のラッピング加工の後に、定盤の上
に不織布等を貼付したものに研磨用の微細砥粒を固定せ
しめた研磨布を用いて、ある一定の条件下で該研磨布に
よる加工を行なえば、鋳鉄等の定盤の剛性が緩和され、
既に得られた面の形状精度を大きく崩すことなく加工ダ
メージ層の除去が行なえることを見出し本発明方法を完
成したものである。本発明の目的は、上述の通り特にT
TV等形状精度に大きな影響を与えるエッチング工程の
省略、あるいはエッチング工程での条件を軽減すること
でその除去量を少なくさせるための改良された一連の鏡
面ウェーハの加工プロセスを提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、ラッピン
グ、エッチング、ポリッシング等の一連の工程よりなる
半導体ウェーハの加工方法において、ラッピング工程を
終えたウェーハを、砥粒を固定した研磨パッドを貼付し
た加工機の加工作用面に設置し、乾式で押圧回転を行な
う加工工程を組み込むことを特徴とする半導体ウェーハ
の加工方法にて達成できる。研磨パッドに固定する砥粒
が酸化珪素、酸化セリウム、酸化クロム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、酸化マンガン及び酸化ジルコニウム
よりなる砥粒微粉のうち少なくとも一つであることが好
ましい。そしてその砥粒の粒度は平均粒径0.01ミク
ロンから20ミクロン程度のものが選択的に使用され
る。また、研磨パッド用の素材としては、不織布、合成
樹脂、合成樹脂発泡体、合成皮革あるいは布帛等をシー
ト状にしたもの、それ等を一種あるいはそれ以上を積層
してシート状にしたものが用いられる。これ等のパッド
の製造工程中に、砥粒微粉末を添加して砥粒内添型のも
のとしてもよいし、また加工時に砥粒微粉末を供給して
パッドに砥粒を半固定にするようにしてもよい。更に、
この両者を組み合わせるようにしてもよい。この加工を
行う装置としては、特に限定を受けるものではなく、片
面あるいは両面のラッピング加工機、両頭型の研磨機等
を任意に使用することができるが、特に上下両面に定盤
を有するラッピング加工機を用いることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明でいうウェーハとは、シリ
コン単結晶、あるいはガリウム/砒素などの化合物半導
体単結晶のインゴットをスライシングしたものであっ
て、前述の諸工程を経て鏡面仕上げのウェーハとなすも
のである。鏡面仕上げを施したウェーハは、その後のデ
バイス工程において、IC、LSI等のベースとなるチ
ップに仕上げられて行く。複雑かつ微細、精密な回路を
このデバイス工程においてウェーハ面に書き込んで行く
のであるから、その前段階のウェーハ工程においては、
少なくとも書き込みを行う面は、極めて精密な面粗さ
と、形状精度を持ったものでなくてはならない。一般的
に鏡面ウェーハに要求される数値はTTV1.0ミクロ
ン以下、厚さ720ミクロン、鏡面側の面粗さRa0.
0002ミクロン程度である。本発明方法においては、
まず通常のラッピング工程によりウェーハの厚さのバラ
ツキを修正し、好ましい平行度と平面度および面粗さを
持ったラップドウェーハを得るのであるが、ここでのラ
ップドウェーハとは大略次の如き数値を持ったものであ
る。すなわち、厚さ:760ミクロン、TTV:1.0
ミクロン以下、面粗さ:Ra0.15ミクロン程度であ
り、かつその両面には、10〜20ミクロン程度の加工
ダメージ層を有する。
【0012】この加工ダメージ層を持ったラップドウェ
ーハを、本発明でいう砥粒を固定した研磨パッドで研磨
液を供給することなく乾式で研磨を行なう(以降乾式研
磨と記載する)ことにより、該加工ダメージ層の全てま
たはその一部を効果的に除去することができる。ここで
いう研磨パッドとは以下の如きものをいうのである。即
ち、その基材となるものは例えば、合成繊維、天然繊維
を織あるいは編加工した布帛類、同じく合成繊維、天然
繊維を使用したスパンテックスや、フェルト状あるいは
スェード状に仕立てた不織布、合成樹脂や合成樹脂の発
泡体、布帛あるいは不織布に合成樹脂を含浸加工した合
成皮革類、あるいはこれらの素材を一種あるいはそれ以
上積層複合化したもの等を挙げることができる。これ等
の素材を0.2〜数mm程度の均一な厚みを持ったシー
ト状にして用いることができる。これ等のシートはミク
ロ的に見ると、その表面はボイド構造であったり、繊維
同士の交絡による微小起伏を有するものであるから、こ
の部分に砥粒粉末を均質に施与してやれば砥粒微粉末は
該ボイドや繊維の間隙に入り込み、固定されることにな
る。この状態で軽く樹脂処理を行なえば、その固定の状
態は更に強固なものとなる。また、表面に固定された砥
粒量が不足であったり脱落等で不足した場合は、加工の
段階でその間に砥粒を供給してやれば、その不足を補う
ことは可能である。上述の研磨パッドがその基材の製造
時あるいは加工時において、微細砥粒の粉末をその内部
に内添した型のものであれば、上述の乾式研磨の効率と
安定性をより優れたものとすることができる。
【0013】また、ここで用いる微細砥粒粉末の種類は
特に限定を受けるものではないが、ウェーハ面に特に強
い応力を与えることのないように、被加工体より硬度の
低いものあるいは同程度のもの、具体的には被加工体が
新モース硬度で8の数値を持つシリコンウェーハの場合
は、同等またはそれ以下の硬度の酸化珪素、酸化セリウ
ム、酸化クロム、酸化マンガン、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、酸化ジルコニウム等から選定されることが好
ましい。また、その粒度は、その前工程であるラッピン
グで得られた面粗さを悪化させることのないものである
ことが望ましく、具体的には0.01〜20ミクロン程
度の平均粒径を持つものであることが望ましい。
【0014】実際の加工においては、前工程がラッピン
グ加工であり、本乾式研磨工程の目的が前述の通り、両
面ラッピング加工で生じたウェーハの両面に発生した加
工ダメージ層の除去にあるのであるから、前述の研磨布
を加工機の定盤面に貼付して精度よく、効率よく加工を
行なうためには、加工機も、前工程と同じく両面方式に
よる加工であることが好ましい。具体的には、上下両面
に定盤を有する両面加工機の面に、前記研磨布を貼付し
て加工することが好ましい。加工に当たっては、前記研
磨布を上下両面に貼付した両面加工機の定盤の間にラッ
プドウェーハを挟持し、研磨液を供給することなく上下
定盤を一定の圧力で押圧しつつ回転、同時にラップドウ
ェーハも、それを把持するキャリアプレートと太陽歯車
およびインターナルギアの動きで自転せしめ、それらの
作用で加工を行なう。剛性の強い鋳鉄定盤等に比較し
て、研磨布にクッション性のあること、並びに砥粒自体
が、ラッピング工程で使用されたアルミナやFO砥粒に
比較して軟質であるので、被加工物であるラップドウェ
ーハに対して応力が低くてダメージを与え難い。従っ
て、この加工を行なうことにより、ラッピング工程で得
られたTTVのレベルを悪化させることなく、加工ダメ
ージ層の大部分を除去でき、しかも湿式での加工に比較
して加工速度が数倍大きい。
【0015】ついで、ここで得られたウェーハを次の工
程であるエッチング工程で処理するのであるが、加工ダ
メージ層の深さが2〜3ミクロン程度に抑えられ、表面
粗さRaも0.0005ミクロン程度に改善されている
ため、エッチングによる除去量を、従来の20〜30ミ
クロンから5ミクロン程度にまで軽減することができ
て、従来のエッチングによるTTVの悪化量も1〜3ミ
クロンから0.5ミクロン以下にまで軽減することが可
能となる。
【0016】上述の如く、エッチングによるTTVの悪
化量が大きく軽減されるため、次工程であるポリッシン
グ工程における形状修正に要する負荷が少なくなり、加
工に要する時間を飛躍的に短縮することができる。具体
的には、従来、エッチング工程において悪化した形状精
度を是正し、均一な厚みと優れた平行度と平面度を得る
ことを主目的とした一次ポリッシングに要する時間を大
きく短縮することを可能にする。
【0017】
【実施例及び比較例】以下実施例をあげて本発明方法を
具体的に説明するが、それにより特に限定を受けるもの
ではない。また、以下の実施例および比較例においては
200mmサイズのアズカットシリコンウェーハの加工
を行なうものであり、使用された装置、消耗品、加工条
件および評価実験の方法は以下に示す通りである。 <ラッピング工程> 加工機:両面ラップ盤24B−5L型(スピードファム
ジャパン社製) 定盤外径:1,592mm 定盤内径:554mm
定盤厚さ:70mm 加工液:FO#1200、30重量%スラリー ワーク:200mmアズカットシリコンウェーハ 加工条件: 上定盤回転数;−10rpm(時計回り) 下定盤回転数;40rpm(反時計回り) 太陽歯車回転数;18rpm(反時計回り) インターナルギア回転数;10rpm 加工液流量;1000mL/分 加工除去量;80μ
m <乾式研磨工程> 加工機:両面ラップ盤24B−5L型(スピードファム
ジャパン社製) 定盤外形:1,592mm 定盤内径:554mm
加工圧力:35kPa 上定盤回転数:−10rpm(時計方向回り) 下定盤
回転数:40rpm 太陽歯車回転数:18rpm(反時計方向回り) インターナルギア回転数:10rpm パッド材:SUBA800(ロデール・ニッタ社製)に
平均粒径0.1ミクロンの炭酸バリウムを半固定状態に
して使用 加工除去量:50ミクロン(片面25ミクロン) <エッチング工程> 液組成:1(弗酸)/1(硝酸)/8(酢酸) 浸漬時間:1分間液浸漬後、15分間リンシング <ポリッシング工程> 加工機:ポリッシング装置59SPAW−II(スピード
ファムジャパン社製) 定盤直径:1,504mm 加工圧力:1次研磨;15kPa 2次〜4次;10
kPa以下 定盤回転数:40rpm 加工液流量:1次〜3次;6L/min(循環) 4
次;6L/min パッド材:1次;SUBA800 2次〜3次;SU
BA400 4次;ポリテックス 〈評価実験方法〉評価対象となる各加工段階よりサンプ
リングしたウェーハを垂直にたて、下端よりライトエッ
チング液に徐々に浸漬してゆき、(経過)時間の差によ
って図1のように緩い角度5で斜めにエッチングする方
法(アングルエッチング)で標本を作成し、結晶の状態
(加工ダメージ層の程度と深さ)を調べた。図1(a)
はウェーハ1の正面図であり図1(b)はその側面図で
ある。ライトエッチング液の浸漬面を破線2で示す。加
工ダメージ層の状態は、X線トポグラフ法による写真で
観察し調べたものであり、加工によるダメージが強いほ
ど黒点が多く観察される。エッチングされていないウェ
ーハ表面とエッチングされた各部分のX線トポグラフ写
真の撮影を行ない、黒点の観察されなくなった点を求
め、その部分の深さ、すなわちダメージ層の深さ6をエ
ッチング角度から計算で求めた。
【0018】実施例 インゴットから切断したアズカットウェーハの外周をべ
べリングしたものを、更にラッピング加工し、得られた
ラップドウェーハを出発材料とした。このラップドウェ
ーハ材料を上述の条件にて乾式研磨加工を行なった。こ
こで得られた研磨加工後のウェーハを供試料とし、上述
の評価実験方法にて観察を行なった。図2はその結果を
示すX線トポグラフ写真であり、図2(a)は乾式研磨
した表面でありその表面から約5ミクロンの深さの部分
の状態を示す図2(b)の写真とを比較するとその状態
はほとんど変わらず、加工ダメージ層の深さは5ミクロ
ン以下であることがわかった。
【0019】比較例1 インゴットから切断したアズカットウェーハの外周をべ
べリングしたものを、ラッピング加工し、得られたラッ
プドウェーハを供試料とし、上述の評価実験方法にて観
察を行なった。図3はその結果を示すX線トポグラフ写
真であり、ラッピングを行った表面の写真図3(a)か
らは、明らかに加工ダメージやクラックがあることが観
察されるが、その表面から約20ミクロンの深さまでは
徐々にX線トポグラフの黒点が減少してゆき、20ミク
ロンの深さ(図3(b)の写真)でほぼ一定に達するこ
とが観察された。すなわち、通常のラップドウェーハに
おいてはその加工ダメージ層の深さは、約20ミクロン
であることが判った。
【0020】比較例2 インゴットから切断したアズカットウェーハの外周をべ
べリングしたものを、ラッピング加工し、更に上述の条
件にてエッチングを行なったものを供試料とした。この
供試料につき、上述の評価実験方法に従って観察を行な
った。図4はその結果を示すX線トポグラフ写真であ
り、図4(a)はエッチングを行なった表面を示し、そ
の表面から約5ミクロンの深さの状態を示す図4(b)
の写真とを比較するとその状態はほとんど変わらず、従
って通常のエッチドウェーハの場合は、加工ダメージ層
の深さは実用的に皆無であることがわかった。
【0021】比較例3 実施例で得られた乾式研磨後の供試料を、更に上述の条
件にてポリッシングを行なったものを供試料とした。こ
の供試料につき、上述の評価実験方法に従って観察を行
なった。図5はその結果を示すX線トポグラフ写真であ
り、図5(a)はエッチングを行なった表面を示し、そ
の表面から約5ミクロンの深さの状態を示す図5(b)
の写真とを比較するとその状態はほとんど変わらず、従
って本発明の乾式研磨を行なった後にポリッシング加工
を施した場合の加工ダメージ層の深さも実用的に皆無で
あることがわかった。
【0022】
【発明の効果】以上の結果から明らかな通り、本発明に
なる方法にて半導体ウェーハの加工を行なえば、通常の
加工方法とほぼ同等の品質のものをエッチング工程を省
略した条件で得られることは明らかである。すなわち、
乾式研磨方法、換言すれば、乾式のメカノケミカルポリ
ッシングの作用により、前加工の加工精度を維持しなが
ら、物理的な加工で生じた前加工の表面粗さや加工ダメ
ージ層を軽減することにより、次工程であるエッチング
(化学的除去加工)の処理を軽減し、加工精度の悪化を
抑制し、またはエッチング工程自体を省略することも可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アングルエッチング法を説明する概念図であ
る。(a)はウェーハの正面図、(b)はその側面図で
ある。ウェーハのライトエッチングを行なった境界面上
の点3のX線トポグラフ写真を撮影し、加工ダメージ層
の存在を示す黒点のなくなった点4のX線トポグラフ写
真を撮影する。
【図2】 実施例により得られたウェーハの表面と内層
の結晶の状態を示すX線トポグラフ観察写真である。
(a)はウェーハ表面のX線トポグラフ観察写真であ
り、(b)は加工ダメージ層が観察されなくなった深さ
の層のX線トポグラフ観察写真である。
【図3】 比較例1により得られたウェーハの表面と内
層の結晶の状態を示すX線トポグラフ観察写真である。
(a)はウェーハ表面のX線トポグラフ観察写真であ
り、(b)は加工ダメージ層が観察されなくなった深さ
の層のX線トポグラフ観察写真である。
【図4】 比較例2により得られたウェーハの表面と内
層の結晶の状態を示すX線トポグラフ観察写真である。
(a)はウェーハ表面のX線トポグラフ観察写真であ
り、(b)は加工ダメージ層が観察されなくなった深さ
の層のX線トポグラフ観察写真である。
【図5】 比較例3により得られたウェーハの表面と内
層の結晶の状態を示すX線トポグラフ観察写真である。
(a)はウェーハ表面のX線トポグラフ観察写真であ
り、(b)は加工ダメージ層が観察されなくなった深さ
の層のX線トポグラフ観察写真である。
【符号の説明】
1 ウェーハ 2 エッチング液の浸漬面 3 ライトエッチングを行なった境界面の観察点 4 加工ダメージ層が観察されなくなる層の観察点 5 エッチング角度 6 加工ダメージ層の深さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラッピング、エッチング、ポリッシング
    等の一連の工程よりなる半導体ウェーハの加工方法にお
    いて、ラッピング工程を終えたウェーハを、砥粒を固定
    した研磨パッドを貼付した加工機の加工作用面に設置
    し、乾式で押圧回転を行なう加工工程を組み込むことを
    特徴とする半導体ウェーハの加工方法。
  2. 【請求項2】 研磨パッドに固定する砥粒が酸化珪素、
    酸化セリウム、酸化クロム、炭酸カルシウム、炭酸バリ
    ウム、酸化マンガンおよび酸化ジルコニウムよりなる砥
    粒微粉のうち少なくとも一つであることを特徴とする請
    求項第1項記載の半導体ウェーハの加工方法。
  3. 【請求項3】 研磨パッドに固定する砥粒が平均粒径
    0.01ミクロンから20ミクロンの微細砥粒であるこ
    とを特徴とする請求項第1項および第2項記載の半導体
    ウェーハの加工方法。
  4. 【請求項4】 研磨パッドが、不織布、合成樹脂、合成
    樹脂発泡体、合成皮革あるいは布帛等をシート状にした
    もの、あるいはその一種あるいはそれ以上を積層してシ
    ート状にしたものであることを特徴とする請求項第1項
    ないし第3項記載の半導体ウェーハの加工方法。
  5. 【請求項5】 研磨パッドが、砥粒内添型のものである
    ことを特徴とする請求項第1項ないし第4項記載の半導
    体ウェーハの加工方法。
  6. 【請求項6】 乾式加工を行う加工機が、上下両面に定
    盤を有する両面式のラッピング加工機であることを特徴
    とする請求項第1項ないし第5項記載の半導体ウェーハ
    の加工方法。
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