JPH11138020A - ハニカム状の触媒担持体とその製造方法 - Google Patents

ハニカム状の触媒担持体とその製造方法

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JPH11138020A
JPH11138020A JP9320414A JP32041497A JPH11138020A JP H11138020 A JPH11138020 A JP H11138020A JP 9320414 A JP9320414 A JP 9320414A JP 32041497 A JP32041497 A JP 32041497A JP H11138020 A JPH11138020 A JP H11138020A
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honeycomb
layer
catalyst carrier
plate
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Yoshimasa Negishi
良昌 根岸
Seiji Mizuno
誠司 水野
Tatsuya Kawahara
竜也 川原
Tsuneji Yoshimura
常治 吉村
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒担持体における触媒反応効率の向上と触
媒担持体の耐久性の向上を図る。 【解決手段】 触媒担持体30は、細孔33を波板32
と平板31で区画形成して備え、細孔33の内周壁面に
は、上面触媒層34、下面触媒層36および内面触媒層
35,外面触媒層37を有する。これら触媒層は、触媒
原料粉末(Cu−Zn粉末)のバインダ溶液の印刷等を
経て形成される塗布層を還元することで形成される。そ
して、この塗布層は、板体の状態で平板31および波板
32にそれぞれ形成され、その際、平板31と波板32
とが接合した場合に形成されるコーナー領域38に該当
する領域には形成されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒をハニカムの
各細孔の内周壁面に担持したハニカム状の触媒担持体と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のハニカム状の触媒担持体は、メ
タノール等の炭化水素化合物を水蒸気改質して水素リッ
チなガスを生成する改質装置に用いられている。この場
合、触媒担持体は、炭化水素化合物を水と共に蒸発させ
る蒸発器の下流に設置され、送り込まれたガスをハニカ
ムの各細孔を通過する間に触媒反応に供して水素リッチ
なガスとし、その下流に送り出す。なお、こうして送り
出された水素リッチなガスは、固体高分子型の燃料電池
のアノードにて電池反応の燃料ガスとされる。
【0003】ところで、このような触媒担持体は、製造
工程の簡略化から、図1に示すように、波板101に平
板102で挟持して波板101に平板102を接合し、
これら板材で細孔103を区画形成したハニカムとされ
る。なお、図2に示すように、波板101に替えて、矩
形の凹凸板104が用いられることもある。更には、図
3に示すように、波板101を接合して、ハニカム状の
触媒担持体とすることもある。
【0004】そして、このハニカム状の触媒担持体への
触媒担持に当たっては、以下のような手法を採ることが
一般的であった。例えば上記したメタノールの水蒸気改
質のための合金系触媒(CuO−ZnO系触媒、Cu−
ZnO系触媒)では、共沈法により生成したCuO−Z
nO系触媒を粉末状に調製する。そして、この粉末状の
CuO−ZnO系触媒をAl23等のバインダに混合し
てバインダ溶液(スラリー)を調製する。次いで、この
スラリーを用いたいわゆるディッピング、バキュームコ
ート等の手法にてスラリーを塗布し、その後の加熱処理
(焼成)を経てバインダを硬化させていた。このような
工程を経て、上記製造済みのハニカムに、詳しくはハニ
カムの細孔の内周壁面にCuO−ZnO系触媒を担持し
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ハニカム状の触媒担持体では、次のような問題点が指摘
されるに至った。
【0006】上記したハニカム状の触媒担持体では、上
記の手法を採る都合上、担持した触媒層の厚みは、焼成
前の細孔の内周壁面におけるスラリーの残存量に依存し
て定まる。そして、スラリーの残存量は当該スラリーの
呈する表面張力に依存し、細孔の内周壁面周りでスラリ
ー残存量を均一にすることは困難である。しかも、波板
101と平板102とが接合して形成されるコーナー部
では、スラリー残存量が多くなる。このため、図4に示
すように、細孔103の内周壁面周りで触媒層105の
厚みが不均一となる。より具体的には、波板101や平
板102の表面に沿った領域であっても、触媒層105
の厚みが薄い触媒層領域105aと触媒層105の厚み
が厚い触媒層領域105bが生じる。コーナー部では、
特に触媒層105の厚みが厚い触媒層領域105cとな
る。
【0007】従って、触媒層105の厚みが薄い触媒層
領域105aでは、触媒反応に関与する触媒量が少なく
なる。また、触媒層105の厚みが厚い触媒層領域10
5b,105cでは、当該領域の深層部の触媒が触媒反
応に関与できないので、不活性部分が増大する。また、
それぞれの細孔103で触媒層105の厚みが厚い触媒
層領域105b,105cができるので、触媒層105
の表面積が小さくなる。この結果、触媒利用率の低下を
きたし、触媒反応効率、即ちメタノールの水蒸気改質効
率を十分向上できないでいた。
【0008】また、細孔103の内周壁面周りにとぎれ
ることなく触媒層105が形成されるよう、或いは触媒
層105の厚みが薄い触媒層領域105aであっても実
用に耐える程度の厚みとなるようにする必要がある。こ
のため、ディッピング若しくはバキュームコートを多数
回繰り返し、細孔103にスラリーを比較的厚めにコー
トする必要があった。この場合、細孔103が小径の細
孔であるといわゆる目詰まりが起きるので、細孔103
を比較的大きなものとする必要がある。よって、単位面
積当たりの細孔数を多くすることができず、このことか
らも触媒層105の表面積が小さくなり、メタノールの
水蒸気改質効率を十分向上できないでいた。
【0009】また、細孔103の内周壁面には、硬化し
たバインダによってのみ触媒層105が担持されている
に過ぎず、その耐剥離性はバインダの硬化強度に依存す
る。しかも、スラリーコート時における細孔103の目
詰まり防止の上から、スラリーを水分量の多い低粘度の
ものとする必要があり、触媒担持に寄与するバインダ量
は比較的少量に過ぎなかった。このため、この触媒担持
体に振動が伝播すると触媒層105が剥離することがあ
った。この場合、波板101と平板102のコーナー部
では、両板材の振動の様子が異なるため、触媒層105
がより剥離し易かった。また、細孔103におけるガス
の流れに伴う力が触媒層105に加わって、触媒層10
5が剥離することもあった。更に、触媒担持体を有する
改質装置では、反応効率向上のため高温環境下(メタノ
ール改質装置では約300℃)に置かれ、波板101や
平板102と触媒層105との熱膨張率は相違する。こ
のことも、触媒層105の剥離の一因である。なお、触
媒担持体への振動伝播は、メタノール改質装置と固体高
分子型の燃料電池およびモータ等を搭載したいわゆる電
気自動車ではその走行中において頻繁に起きる。
【0010】また、上記したように細孔103の目詰ま
り防止の上からスラリーは水分量の多い低粘度のもので
あるため、図5に示すように、水分過多に起因してスラ
リー乾燥時にスラリー塗布層にクラックが発生し、触媒
層105にもこのクラックが生じることもあった。この
クラックも触媒層105の剥離をもたらしていた。この
ように触媒層105の剥離が生じると、その剥離の程度
に応じて触媒反応効率が低下するので、耐用時間が短く
なる。つまり、上記した従来の触媒担持体では、耐久性
の点で問題があった。
【0011】更に、バインダとしてAl23を用いた場
合やAl23を用いてCu−ZnO系等の触媒を共沈法
にて生成する場合には、AlとCuの複合酸化物を生成
することがある。この複合酸化物は触媒反応には無関係
であることから、この複合酸化物が存在する分だけ、C
u−ZnO系触媒が減少して触媒活性の低下を来してい
た。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、触媒担持体における触媒反応効率の向上と触媒担
持体の耐久性の向上を図ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1のハニカム状の触媒担持体は、触媒をハニカムの各細
孔の内周壁面に担持したハニカム状の触媒担持体であっ
て、凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合すること
で、前記細孔を区画形成してハニカムを形成すると共
に、前記第1の板材と前記第2の板材とが接合すること
で形成されるコーナー領域を除く前記第1の板材の表面
領域と、前記コーナー領域を除く前記第2の板材の表面
領域の少なくとも一方の表面領域に、前記触媒を担持し
ていることことを特徴とする。
【0014】上記構成を有する本発明の第1のハニカム
状の触媒担持体では、触媒層の厚みが他の箇所より厚く
なるコーナー領域に触媒を担持しないので、触媒の担持
領域における触媒層厚みの均一化を図ることが可能とな
る。よって、活性部分の増大を通して、触媒反応効率の
向上をもたらすことができる。
【0015】この場合、凹凸状の第1の板材と第2の板
材の接合は、第1の板材の頂上部が第2の板材に完全に
接合している場合は勿論、細孔を区画形成して実質的な
ハニカムを形成できるのであれば第1の板材の頂上部と
第2の板材が僅かに離間している場合をも含む概念であ
る。なお、凹凸状の第1の板材を波板材とし、第2の板
材を平板材とすることができる。また、第1の板材を凹
凸が連続した矩形の板材とし、第2の板材を平板材とす
ることもできる。或いは、第1、第2の板材を共に波板
材とすることもできる。
【0016】本発明のハニカム状の触媒担持体の第1の
製造方法は、凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合す
ることで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、触媒
を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体の製造方法であって、成形されると前記凹
凸状の第1の板材となる第1の平板材と、前記第2の板
材とを準備する工程(a)と、前記第1の平板材の表面
のうち、前記凹凸状の第1の板材に前記第2の板材を接
合させた場合に形成されるコーナー領域を除いた領域
に、前記触媒を含有するバインダ溶液の塗布層を形成す
る工程(b)と、前記第2の板材の表面のうち、前記コ
ーナー領域を除いた領域に、前記バインダ溶液の塗布層
を形成する工程(c)と、前記塗布層形成済みの前記第
1の平板材を前記凹凸状の第1の板材に成形する工程
(d)と、バインダの硬化を通した該凹凸状の第1の板
材と前記第2の板材の板材表面への触媒担持と、前記凹
凸状の第1の板材と前記第2の板材の接合とを行う工程
(e)とを備えることを特徴とする。
【0017】この本発明のハニカム状の触媒担持体の第
1の製造方法では、触媒層の厚みが他の箇所より厚くな
るコーナー領域に触媒を担持しない触媒担持体を、この
コーナー領域を除く領域へのバインダ溶液の塗布層形成
という工程を経ることで製造することができる。このよ
うな特定領域への塗布層形成は、スクリーン印刷で代表
される印刷手法で、具体的には、塗布層の非形成領域
(コーナー領域)のマスキング、その後のスキージによ
るバインダ溶液塗布およびマスク除去からなる印刷手法
で、或いは、塗布層の非形成領域へのマスキングを併用
した刷毛塗り、スプレー又はディッピング等の手法で容
易に行うことができる。よって、この本発明の第1の製
造方法によれば、触媒層の厚みが他の箇所より厚くなる
コーナー領域に触媒を担持しない触媒担持体を、容易に
製造することができる。しかも、本発明の第1の製造方
法では、バインダ溶液の塗布層形成箇所における厚み、
即ち細孔の内周壁周りは勿論、細孔のガス通過方向に亘
る触媒担持領域での触媒層の厚みを工程(b),(c)
により容易に均一化することができる。そして、触媒層
の厚みの均一化により、触媒層の表面積を拡張すること
ができる。よって、本発明の第1の製造方法によれば、
触媒担持領域における触媒層厚みの均一化を通して、活
性部分を増大でき触媒反応効率の向上をもたらす触媒担
持体を容易に製造することができる。
【0018】また、特定領域への塗布層形成に際して
は、板体への印刷、刷毛塗り、スプレー又はディッピン
グで済み、細孔の目詰まりを考慮する必要がない。よっ
て、バインダ溶液を水分量の少ないものとすることがで
き、触媒担持量に対するバインダ量を増大することがで
きる(バインダの選定に粘度の制約がなくなる。)。こ
のため、Cuと反応を起こさないような理想的なバイン
ダにて触媒を担持でき触媒の剥離強度を高めることがで
きるので、耐久性の向上を図ることができる。
【0019】上記の構成を有する本発明のハニカム状の
触媒担持体の第1の製造方法は、以下の態様を採ること
もできる。第1の態様は、本発明の第1の製造方法にお
いて、前記工程(e)は、前記凹凸状の第1の板材と前
記第2の板材の板材表面への触媒担持を、前記凹凸状の
第1の板材と前記第2の板材の接合の後に行う。
【0020】この第1の態様によれば、触媒担持を第1
と第2の板材について同時に且つ同一条件、具体的には
同一のバインダ硬化条件で行うことができる。よって、
細孔を区画形成する第1と第2の板材で触媒担持が均等
となり、触媒反応効率の向上の観点から好ましい。
【0021】また、上記課題の少なくとも一部を解決す
るため、本発明の第2のハニカム状の触媒担持体は、触
媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体であって、前記触媒は、前記細孔の内周壁
周りに該内周壁に倣って形成された触媒層として担持さ
れ、該触媒層は、前記内周壁周りの厚さが略均一とされ
ていることを特徴とする。
【0022】上記構成を有する本発明の第2のハニカム
状の触媒担持体では、触媒層は細孔の内周壁に倣ってい
るので、細孔の内周壁が鋭角のコーナーを形成していれ
ば触媒層も当該コーナー領域に入り込み、触媒層の表面
積を拡張することができる。このため、内周壁周りの触
媒層の厚さが略均一なことと相俟って、活性部分の増大
を通して、触媒反応効率の向上をもたらすことができ
る。
【0023】本発明のハニカム状の触媒担持体の第2の
製造方法は、触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担持
したハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、前記
ハニカムの各細孔の内周壁面に前記触媒を含有するバイ
ンダ溶液の塗布層を形成する工程(f)と、該塗布層形
成済みの各細孔内を、細孔の内周壁面の側に向けて力が
加わるように加圧する工程(g)とを備えることを特徴
とする。
【0024】上記構成を有する本発明の第2の製造方法
では、各細孔の内周壁面に形成されたバインダ溶液の塗
布層に、内周壁面の側に向けて力を加える。このため、
塗布層はこの力を受けて内周壁面に倣うので、塗布層の
厚みが内周壁周り或いは細孔のガス通過方向の途中で不
均一であっても、この厚みは、細孔の内周壁周りは勿
論、ガス通過方向に亘っても均一化される。そして、塗
布層の厚みの均一化により、この塗布層から形成される
触媒層もその厚みは均一となるので、触媒層の表面積を
拡張することができる。よって、本発明の第2の製造方
法によっても、触媒担持領域における触媒層厚みの均一
化を通して、活性部分を増大でき触媒反応効率の向上を
もたらす触媒担持体を容易に製造することができる。
【0025】また、本発明の第2の製造方法では、細孔
内の加圧を行うので、塗布層の厚みの均一化に加え、薄
膜化を図ることもできる。よって、触媒層の表面積拡張
による活性部分の増大のみならず、少量の触媒で高い触
媒反応効率を発揮できる。
【0026】更に、本発明の第2の製造方法では、細孔
内の加圧により、塗布層、延いては触媒層における触媒
の細孔内周壁面への担持強度(接合強度)を向上させ
る。このため、触媒の剥離強度を高めることができ、耐
久性の向上を図ることができる。
【0027】上記の構成を有する本発明の第2の製造方
法において、前記工程(g)を、前記塗布層形成済みの
各細孔内を水で満たし、該細孔に静水圧をかける工程を
有するものとしたり、該細孔内の水を凍結させる工程を
有するものとすることができる。
【0028】このようにすれば、特殊な機械器具を必要
としないので好ましい。
【0029】また、上記課題の少なくとも一部を解決す
るため、本発明の第3のハニカム状の触媒担持体は、触
媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体であって、前記触媒は、表面粗さ調整され
た前記内周壁面にバインダにて担持されていることを特
徴とする。
【0030】上記構成を有する本発明の第3のハニカム
状の触媒担持体では、表面粗さ調整により細孔における
内周壁面に微少な凹凸が存在し、この内周壁面に触媒が
バインダで担持されている。よって、内周壁面に対する
バインダの接触面積が増えてこのバインダによる触媒の
担持力が増大し、触媒の耐剥離性が高まる。このため、
本発明のこの第3のハニカム状の触媒担持体によれば、
触媒の剥離強度が高くなり耐久性を向上することができ
る。
【0031】本発明のハニカム状の触媒担持体の第3の
製造方法は、凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合す
ることで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、触媒
を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体の製造方法であって、前記凹凸状の第1の
板材と、前記第2の板材の表面に凹凸を形成し、表面粗
さを調整する工程と、前記表面粗さ調整済みの前記凹凸
状の第1の板材と前記第2の板材の表面に、前記触媒を
含有するバインダ溶液を用いて、前記触媒を担持する工
程とを備えることを特徴とする。
【0032】上記構成を有する本発明の第3の製造方法
では、凹凸状の第1の板材と第2の板材を接合してハニ
カムの細孔を区画形成するので、両板材の表面を細孔の
内周壁面とする。よって、細孔の内周壁面となる凹凸状
の第1の板材と第2の板材の表面に、板材の状態で予め
凹凸を形成し、両板材の表面に対するバインダ接触面積
を増大させておく。そして、この板材表面にバインダ溶
液を用いて触媒を担持するので、バインダによる触媒の
担持力が増大し、触媒の耐剥離性が高まる。このため、
本発明のこの第3の製造方法によれば、触媒の剥離強度
の向上を通して高い耐久性を有するハニカム状の触媒担
持体を、板材表面への表面粗さの調整という簡単な工程
で、容易に製造することができる。しかも、市販の波板
や矩形板を凹凸状の第1の板材にそのまま利用できるの
で、製造コストの点からも好ましい。
【0033】この場合、凹凸状の第1の板材と第2の板
材の表面が約5〜10μm程度の粗さに調整されている
と、バインダ接触面積の拡張の点からは勿論、粗さ調整
のしやすさからも好ましい。そして、粗さ調整には、シ
ョットブラスト、液体ホーニング等の通常の手法を適用
できる。
【0034】また、上記課題の少なくとも一部を解決す
るため、本発明の第4のハニカム状の触媒担持体は、触
媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体であって、前記触媒は、前記内周壁面に形
成された多孔質層に担持されていることを特徴とする。
【0035】上記構成を有する本発明の第4のハニカム
状の触媒担持体では、触媒の担持領域を、細孔の内周壁
面ではなく、この内周壁面に形成された多孔質層の孔お
よび多孔質層表面とする。このため、触媒は、多孔質層
において、その孔に入り込んだ状態で多孔質層表面に担
持され、触媒の担持面積は広くなる。よって、細孔の内
周壁面に触媒をバインダにより直接担持する場合に比べ
て触媒の担持力が増大し、触媒の耐剥離性が高まる。こ
のため、本発明のこの第4のハニカム状の触媒担持体に
よれば、触媒の剥離強度が高くなり耐久性を向上するこ
とができる。
【0036】本発明のハニカム状の触媒担持体の第4の
製造方法は、凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合す
ることで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、触媒
を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体の製造方法であって、前記凹凸状の第1の
板材と、前記第2の板材の表面に多孔質層を形成する工
程と、前記凹凸状の第1の板材と前記第2の板材の表面
に形成済みの前記多孔質層に、前記触媒を担持する工程
とを備えることを特徴とする。
【0037】上記構成を有する本発明の第4の製造方法
では、凹凸状の第1の板材と第2の板材を接合してハニ
カムの細孔を区画形成するので、両板材の表面を細孔の
内周壁面とする。よって、細孔の内周壁面となる凹凸状
の第1の板材と第2の板材の表面に多孔質層を形成し、
この多孔質層の孔および多孔質層表面を触媒の担持領域
とする。そして、この多孔質層の孔および多孔質層表面
に触媒を担持するので、触媒は広い面積で担持され、触
媒の担持力が増大して耐剥離性が高まる。このため、本
発明のこの第4の製造方法によっても、触媒の剥離強度
の向上を通して高い耐久性を有するハニカム状の触媒担
持体を、板材表面への多孔質層形成という簡単な工程
で、容易に製造することができる。しかも、市販の波板
や矩形板を凹凸状の第1の板材にそのまま利用できるの
で、製造コストの点からも好ましい。
【0038】この場合、凹凸状の第1の板材と第2の板
材の表面に形成する多孔質層には、その孔径に特段の制
約はない。そして、多孔質層を形成するに当たっては、
種々の金属粉末を溶射して当該金属の多孔質層を板材表
面に形成したり、化学エッチング或いは熱処理等により
板材の表面領域を多孔質層に変異させるといった通常の
手法を適用できる。
【0039】また、触媒を担持する工程を、凹凸状の第
1の板材と第2の板材を接合してハニカムを形成する以
前に行えば、板材の状態でその表面の多孔質層に予め触
媒を担持できる。よって、触媒担持が容易となり好まし
い。なお、多孔質層を形成する工程を板材の接合後に行
うには、化学エッチングにより板材表面領域を多孔質層
に変異する手法を採ることができる。また、触媒担持
は、従来と同様にバインダにより行うことができる。
【0040】上記課題の少なくとも一部を解決するた
め、本発明の第5のハニカム状の触媒担持体は、触媒を
ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状の触
媒担持体であって、前記触媒は、触媒原材料を溶射して
形成された多孔質層として、前記細孔の内周壁面に担持
されていることを特徴とする。
【0041】上記構成を有する本発明の第5のハニカム
状の触媒担持体では、細孔の内周壁面に担持された触媒
は、触媒原材料を溶射して形成された多孔質層として存
在する。このため、この多孔質層の最下部では、即ち、
最初に溶射された触媒原材料は細孔の内周壁面に溶射に
より埋没し、この埋没した触媒原材料によりいわゆるア
ンカー効果が発揮される。そして、その後に溶射された
触媒原材料がこの埋没した触媒原材料に堆積するように
して触媒の多孔質層が形成される。よって、細孔の内周
壁面に触媒をバインダにより直接担持する場合に比べて
触媒の担持力が増大し、触媒の耐剥離性が高まる。この
ため、本発明のこの第5のハニカム状の触媒担持体によ
れば、触媒の剥離強度が高くなり耐久性を向上すること
ができる。
【0042】また、触媒は多孔質層をなすので、この多
孔質層表面のみならずその孔表面をも触媒反応領域とす
る。よって、触媒活性を高めて、触媒担持体における触
媒反応効率を向上することができる。しかも、触媒担持
にAl23等のバインダを用いないことから、触媒多孔
質層において、触媒反応に無関係なAlの複合酸化物を
生成することがない。よって、担持する触媒がCu−Z
nO系触媒、CuO−ZnO系触媒などである場合に
は、この複合酸化物(AlとCuの複合酸化物)の生成
によりCu−ZnO系触媒やCuO−ZnO系触媒が減
少するといった事態が起きないので触媒活性の低下を来
すことがなく、触媒担持体における触媒反応効率をより
一層向上することができる。
【0043】本発明のハニカム状の触媒担持体の第5の
製造方法は、凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合す
ることで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、触媒
を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム状
の触媒担持体の製造方法であって、前記凹凸状の第1の
板材と前記第2の板材の接合前に、前記凹凸状の第1の
板材と前記第2の板材の表面に、前記触媒の触媒原材料
を溶射して、該触媒原材料からなる多孔質層を形成する
ことを特徴とする。
【0044】上記構成を有する本発明の第5の製造方法
では、凹凸状の第1の板材と第2の板材を接合してハニ
カムの細孔を区画形成するので、両板材の表面を細孔の
内周壁面とする。よって、細孔の内周壁面となる凹凸状
の第1の板材と第2の板材の表面に、両板材の接合前に
触媒原材料の溶射を通して触媒の多孔質層を予め形成す
る。そして、この多孔質層形成の際に、最初に溶射され
た触媒原材料を板材の表面に埋没させアンカー効果をも
たらし、触媒の耐剥離性を高める。このため、本発明の
この第5の製造方法によっても、触媒の剥離強度の向上
を通して高い耐久性を有するハニカム状の触媒担持体
を、板材表面への溶射による触媒多孔質層形成という簡
単な工程で、容易に製造することができる。しかも、市
販の波板や矩形板を凹凸状の第1の板材にそのまま利用
できるので、製造コストの点からも好ましい。
【0045】この場合、凹凸状の第1の板材と第2の板
材の表面に形成する触媒多孔質層には、その孔径に特段
の制約はなく、触媒多孔質層の孔表面を確実に触媒反応
領域として触媒活性を高めることができればよい。
【0046】上記課題の少なくとも一部を解決するた
め、本発明のハニカム状の触媒担持体の第6の製造方法
は、金属Xの酸化物XOと金属Y又はその酸化物YOを
含有する合金系触媒を、ハニカムの各細孔の内周壁面に
担持したハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、
メッキ処理を経て形成された前記酸化物XO又は前記金
属Yの第1の被覆層を、前記細孔の内周壁面に有するハ
ニカムを準備する工程(h)と、該ハニカムの前記第1
の被覆層に、前記合金系触媒を形成する上で前記第1の
被覆層に不足する前記酸化物XO、前記金属Y又は前記
酸化物YOのいずれかを含有する第2の被覆層をコーテ
ィングし、前記第1の被覆層において前記合金系触媒を
生成する工程(i)とを備えることを特徴とする。
【0047】上記構成を有する本発明の第6の製造方法
では、合金系触媒は、ハニカムの細孔の内周壁面に形成
された第1の被覆層をなす酸化物XO又は金属Yと第2
の被覆層における金属又は酸化物、具体的には、第1の
被覆層をなす酸化物Xと第2の被覆層における金属Y又
は前記酸化物YOのいずれかとから、或いは、第1の被
覆層をなす金属Yと第2の被覆層における酸化物XOと
から、この第1の被覆層において生成される。よって、
合金系触媒の担持に際しては、Al23等のバインダを
用いないことから、第1の被覆層において、触媒反応に
無関係なAlの複合酸化物を生成することがない。よっ
て、担持する合金系触媒がCu−ZnO系触媒、CuO
−ZnO系触媒などである場合には、この複合酸化物
(AlとCuの複合酸化物)の生成によりCu−ZnO
系触媒やCuO−ZnO系触媒が減少するといった事態
が起きないので触媒活性の低下を来すことがなく、触媒
担持体における触媒反応効率を向上することができる。
【0048】また、合金系触媒を生成するための第1の
被覆層は、メッキ処理を経ていることから、その厚みは
細孔の内周壁周りは勿論、ガス通過方向に亘っても均一
化される。このため、この第1の被覆層にて生成される
合金系触媒は、この第1の被覆層の厚みに規定された均
一の厚みの触媒層をなす。よって、触媒層の表面積を拡
張することができ、触媒の活性部分の増大を通して触媒
反応効率のより一層の向上をもたらすことができる。
【0049】また、合金系触媒は、バインダによって担
持されるのではなく、第1の被覆層において生成されて
合金としての結合状態を有すると共に、この第1の被覆
層は、メッキ処理を経ていることから細孔の内周壁面に
強固に密着・固定される。このため、細孔の内周壁面に
対する合金系触媒の担持力が増大して触媒の剥離強度が
向上し、高い耐久性を発揮することができる。
【0050】これらの結果、本発明の第6の製造方法に
よれば、高い触媒反応効率と高い耐久性を有する触媒担
持体を提供することができる。
【0051】この場合、第1の被覆層への第2の被覆層
のコーティングに当たっては、金属Yの蒸着、メッキ等
の手法や、酸化物XO或いは酸化物YOの懸濁スラリー
の付着、その後の焼成といった手法を採ることができ
る。
【0052】この本発明の第6の製造方法は、以下の態
様を採ることもできる。第1の態様は、本発明の第6の
製造方法において、前記工程(h)は、ハニカムにおけ
る細孔を区画形成するための凹凸状の第1の板材と第2
の板材を準備する工程と、該凹凸状の第1の板材と第2
の板材とに、メッキ処理により前記金属Xのメッキ層又
は前記金属Yの前記第1の被覆層としての前記金属Yの
メッキ層を形成する工程と、前記金属Xのメッキ層の前
記酸化物XOの前記第1の被覆層への変遷と、前記凹凸
状の第1の板材と第2の板材を接合することで細孔を区
画形成したハニカムの形成とを行う工程とを有する。
【0053】この第1の態様によれば、金属X又は金属
Yのメッキ層を板体に形成するので、その取り扱いが容
易となる。この場合、金属Xのメッキ層を酸化物XOの
第1の被覆層に変遷するに当たっては、金属Xのメッキ
層の酸化処理や、このメッキ層に金属Xと共に含まれる
他の金属の溶出並びにその後の酸化といった手法を採る
ことができる。
【0054】第2の態様は、上記の本発明の第6の製造
方法において、前記工程(h)は、細孔を区画形成済み
のハニカムを準備する工程と、該ハニカムの前記細孔の
内周壁面に、メッキ処理により前記金属Xのメッキ層又
は前記金属Yの前記第1の被覆層としての前記金属Yの
メッキ層を形成する工程と、前記金属Xのメッキ層を前
記酸化物XOの前記第1の被覆層に変遷する工程とを有
する。
【0055】この第2の態様によれば、既存のハニカム
を利用でき好ましい。
【0056】上記課題の少なくとも一部を解決するた
め、本発明のハニカム状の触媒担持体の第7の製造方法
は、金属Xの酸化物XOと金属Yの酸化物YOを含有す
る合金系触媒を、ハニカムの各細孔の内周壁面に担持し
たハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、前記金
属Xと金属Yを含有する合金のメッキ層がメッキ処理に
より前記細孔の内周壁面に形成されたハニカムを準備す
る工程と、該ハニカムの前記メッキ層を前記酸化物XO
と前記酸化物YOを含有する前記合金触媒の触媒層に変
遷する工程とを備えることを特徴とする。
【0057】上記構成を有する本発明の第7の製造方法
では、合金系触媒は、ハニカムの細孔の内周壁面に形成
されたメッキ層の触媒層への変遷を通して生成され、こ
の触媒層をなす。よって、合金系触媒の担持に際して
は、Al23等のバインダを用いないことから、触媒反
応に無関係なAlの複合酸化物を生成することがない。
このため、担持する合金系触媒がCuO−ZnO系触媒
などの酸化物からなる触媒である場合には、この複合酸
化物(AlとCuの複合酸化物)の生成によりCuO−
ZnO系触媒が減少するといった事態が起きないので触
媒活性の低下を来すことがなく、触媒担持体における触
媒反応効率を向上することができる。
【0058】また、合金系触媒を生成するためのメッキ
層は、メッキ処理を経ていることから、その厚みは細孔
の内周壁周りは勿論、ガス通過方向に亘っても均一化さ
れる。このため、生成される合金系触媒のなす触媒層
も、このメッキ層の厚みに規定された均一の厚みとな
る。よって、触媒層の表面積を拡張することができ、触
媒の活性部分の増大を通して触媒反応効率のより一層の
向上をもたらすことができる。
【0059】また、合金系触媒は、バインダによって担
持されるのではなく、その触媒層において合金としての
結合状態を有すると共に、この触媒層は、メッキ層を前
駆のものとすることから細孔の内周壁面に強固に密着・
固定される。このため、細孔の内周壁面に対する合金系
触媒の担持力が増大して触媒の剥離強度が向上し、高い
耐久性を発揮することができる。
【0060】これらの結果、本発明の第7の製造方法に
よれば、高い触媒反応効率と高い耐久性を有する触媒担
持体を提供することができる。しかも、一旦形成したメ
ッキ層を、メッキ層の酸化処理や、このメッキ層に金属
X,Yと共に含まれる他の金属の溶出並びにその後の酸
化といった簡便な手法により、触媒層に変遷するに過ぎ
ない。よって、本発明の第7の製造方法によれば、高い
触媒反応効率と高い耐久性を有する触媒担持体を容易に
提供することができる。
【0061】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の他の態様は、上記した本
発明の第1の製造方法において、工程(b)は、前記第
1の平板材の表面に前記バインダ溶液を塗布する工程
と、前記バインダ溶液が塗布された前記第1の平板材の
塗布領域のうち、前記コーナー領域については前記塗布
されたバインダ溶液を除去する工程とを有し、工程
(c)は、前記第2の板材の表面に前記バインダ溶液を
塗布する工程と、前記バインダ溶液が塗布された前記第
2の板材の塗布領域のうち、前記コーナー領域について
は前記塗布されたバインダ溶液を除去する工程とを有す
る。
【0062】第2の他の態様は、凹凸状の第1の板材に
第2の板材を接合することで細孔を区画形成したハニカ
ム形状を有し、触媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に
担持したハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、
前記凹凸状の第1の板材と、前記第2の板材とを準備す
る工程と、前記凹凸状の第1の板材の表面のうち、前記
凹凸状の第1の板材に前記第2の板材を接合させた場合
に形成されるコーナー領域を除いた領域に、前記触媒を
含有するバインダ溶液の塗布層を形成する工程と、前記
第2の板材の表面のうち、前記コーナー領域を除いた領
域に、前記バインダ溶液の塗布層を形成する工程と、バ
インダの硬化を通した前記凹凸状の第1の板材と前記第
2の板材の板材表面への触媒担持と、前記凹凸状の第1
の板材と前記第2の板材の接合とを行う工程とを備え
る。
【0063】これら第1、第2の他の態様によっても、
触媒層の厚みが他の箇所より厚くなるコーナー領域に触
媒を担持しない触媒担持体を、容易に製造することがで
きる。特に、第2の他の態様によれば、市販の波板や矩
形板を凹凸状の第1の板材にそのまま利用でき、成形工
程も不要となるので、製造コストの点から好ましい。な
お、凹凸状の第1の板材の表面における特定領域への塗
布層形成にあっても、印刷手法やマスキングを併用した
適宜な手法で容易に行うことができる。
【0064】第3の他の態様は、凹凸状の第1の板材に
第2の板材を接合することで細孔を区画形成したハニカ
ム形状を有し、触媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に
担持したハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、
成形されると前記凹凸状の第1の板材となる第1の平板
材と、前記第2の板材との表面粗さを調整する工程と、
前記表面粗さ調整済みの前記第1の平板材を前記凹凸状
の第1の板材に成形する工程と、前記凹凸状の第1の板
材と前記前記表面粗さ調整済みの前記第2の板材の表面
に、前記触媒を含有するバインダ溶液を用いて、前記触
媒を担持する工程とを備える。
【0065】この第3の他の態様では、凹凸状の第1の
板材については、凹凸状に成形前の第1の平板材の状態
でその表面に凹凸を形成し、このように表面が凹凸とさ
れた第1の平板材から凹凸状の第1の板材を成形する。
そして、別途に表面が凹凸とされた第2の板材とこの凹
凸状の第1の板材の表面に、バインダ溶液を用いて触媒
を担持するので、バインダによる触媒の担持力が増大
し、触媒の耐剥離性が高まる。このため、この第3の他
の態様によっても、触媒の剥離強度の向上を通して高い
耐久性を有するハニカム状の触媒担持体を容易に製造す
ることができる。
【0066】なお、凹凸状の第1の板材への第1の平板
材の成形に先立ち、第1の平板材における表面粗さ調整
済みの表面にバインダ溶液を用いて触媒を担持すること
もできる。また、バインダ溶液を用いた触媒担持に当た
っては、凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合させた
場合に形成されるコーナー領域を除いた領域に、バイン
ダ溶液にて触媒を担持することもできる。
【0067】第4の他の態様は、凹凸状の第1の板材に
第2の板材を接合することで細孔を区画形成したハニカ
ム形状を有し、触媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に
担持したハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、
成形されると前記凹凸状の第1の板材となる第1の平板
材と、前記第2の板材の表面に多孔質層を形成する工程
と、前記多孔質層形成済みの前記第1の平板材を前記凹
凸状の第1の板材に成形する工程と、前記凹凸状の第1
の板材と前記第2の板材の表面に形成済みの前記多孔質
層に、前記触媒を担持する工程とを備える。
【0068】この第4の他の態様によっても、細孔の内
周壁面となる凹凸状の第1の板材と第2の板材の表面に
形成した多孔質層の孔および多孔質層表面を触媒の担持
領域とする。よって、広い面積での触媒担持により触媒
の耐剥離性を向上でき、高い耐久性を有するハニカム状
の触媒担持体を容易に製造することができる。また、こ
の第4の他の態様では、板材の状態でその表面に予め多
孔質層を形成できる。よって、多孔質層を容易に形成す
ることができる。
【0069】第5の他の態様は、上記した本発明の第4
の製造方法において、前記多孔質層を形成する工程は、
二以上の金属の合金系触媒における少なくとも一の金属
からなる多孔質層を形成する工程を有し、前記触媒を担
持する工程は、前記少なくとも一の金属以外の金属を粉
末状に含有する溶液を前記多孔質層に含浸する工程と、
前記多孔質層を形成する金属と前記含浸した粉末状の金
属とから、前記合金系触媒を前記多孔質層において生成
する工程とを有する。
【0070】この第5の他の態様では、合金系触媒を、
多孔質層の孔および多孔質層表面という広い領域に亘っ
て生成し、この合金系触媒を多孔質層の有する広い面積
において合金としての結合状態でもって担持する。この
ため、この第5の他の態様によっても、触媒の担持力が
増大して触媒の剥離強度が向上し、高い耐久性を有する
ハニカム状の触媒担持体を容易に製造することができ
る。しかも、触媒担持にAl23等のバインダを用いな
いことから、触媒反応に無関係なAlの複合酸化物を生
成することがない。よって、担持する合金系触媒がCu
−ZnO系触媒、CuO−ZnO系触媒などである場合
には、この複合酸化物(AlとCuの複合酸化物)の生
成によりCu−ZnO系触媒やCuO−ZnO系触媒が
減少するといった事態が起きないので触媒活性の低下を
来すことがなく、触媒担持体における触媒反応効率をよ
り一層向上することができる。
【0071】なお、合金系触媒を多孔質層において生成
するに際しては、その合金系触媒の組成にあわせて適宜
な処理を行えばよい。例えば、合金系触媒がCu−Zn
O系触媒であれば、酸化剤や還元剤を用いた酸化・還元
処理や酸化・還元ガス環境下での熱処理による酸化・還
元処理を採ることができる。
【0072】第6の他の態様は、上記の本発明の第7の
製造方法でハニカムを準備するに際して、以下の工程を
採る。ハニカムにおける細孔を区画形成するための凹凸
状の第1の板材と第2の板材を準備し、該凹凸状の第1
の板材と第2の板材とに、メッキ処理により前記合金の
メッキ層を形成し、前記凹凸状の第1の板材と第2の板
材を接合することで細孔を区画形成したハニカムを形成
する。
【0073】このようによれば、メッキ層を板体に形成
するので、その取り扱いが容易となる。
【0074】また、第7の他の態様は、上記の本発明の
第7の製造方法でハニカムを準備するに際して、以下の
工程を採る。細孔を区画形成済みのハニカムを準備し、
該ハニカムの前記細孔の内周壁面に、メッキ処理により
前記合金のメッキ層を形成する。
【0075】このようによれば、既存のハニカムを利用
でき好ましい。
【0076】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図6は、第1実施例の触媒担持体
30の概略構成を表した概略斜視図、図7は、その要部
拡大断面図、図8ないし図12は、触媒担持体30の製
造工程を説明するための説明図である。
【0077】図6に示すように、触媒担持体30は、一
枚の平板31と一枚の波板32とを有し、波板32の頂
上部に平板31を接合させて、これら板材は螺旋状に巻
き取られている。このため、触媒担持体30は、平板3
1と波板32とで区画形成された細孔33を螺旋の軌跡
に沿って有する円柱状のハニカム形状をなしている。こ
の場合、触媒担持体30は、600セル/平方インチの
割合で細孔33を有するよう形成されている。なお、こ
の触媒担持体30の最外部領域における平板31の端部
は、スポット溶接にて内周部の平板31と固定されてい
る。そして、触媒担持体30は、図示しない円筒状の筐
体に収納されている。
【0078】図7に示すように、細孔33は、平板31
の上面31aと波板32の内側面32bとで取り囲まれ
た細孔33Aと、平板31の下面31bと波板32の外
側面32aとで取り囲まれた細孔33Bとに区分され、
この細孔33Aと細孔33Bとが螺旋の軌跡に沿って交
互に連続している。そして、細孔33Aにあっては、そ
の内周壁面のうち上面31aに上面触媒層34を担持し
て備え、内側面32bに内面触媒層35を担持して備え
る。また、細孔33Bにあっては、その内周壁面のうち
下面31bに下面触媒層36を担持して備え、外側面3
2aに外面触媒層37を担持して備える。各触媒層は、
平板31と波板32とが上記したように接合した場合に
形成されるコーナー領域38に入り込まないよう、それ
ぞれ形成されている。この際、触媒担持体30の最外部
領域を占める範囲においては、平板31の上面31aの
側に細孔33が形成されることはないため、平板31の
下面31bにしか触媒層は形成されない。
【0079】ここで、触媒層の形成の様子について、波
板32から説明する。まず、図8に示すように、平板3
9を用意しその上面39aに印刷金型40を載置する。
この平板39は、後述する波形成形を受けると波板32
となる。この際、平板39の幅寸法LHは、波板32と
同じとされているが、平板39の長手方向寸法LLは、
触媒担持体30における波板32の波の形状、波の数、
ピッチ等を考慮して、定められている。そして、この幅
寸法LHと長手方向寸法LLでのシャーリング、プレス
等を経て、平板39が準備される。
【0080】印刷金型40は、平板39と同寸法の外形
をなし、透孔41を等ピッチに連続して有する。透孔4
1は、平板39の上面39aに後述の触媒含有スラリー
を印刷塗布するためのものであり、その開口幅41a
は、図9に示した波板32の曲面に沿った外面触媒層3
7の形成長さLSとされている。また、隣り合う透孔4
1の間隔41bは、波板32の頂上部において外面触媒
層37が形成されていない領域の波板32の曲面に沿っ
た長さL0とされている。この印刷金型40は、ステン
レス鋼鈑或いは電気鋳造法で製造されたニッケル板から
形成されており、その厚みは約30μmとされている。
【0081】平板39の上面39aへの印刷金型40の
載置に続いては、印刷金型40に所定角度で当接したス
キージ42と印刷金型40との間に触媒含有スラリーS
Sをセットする。そして、このスキージ42を図中矢印
方向に印刷金型40の表面に沿って移動させ、触媒含有
スラリーSSを透孔41に入れ込んで平板39の上面3
9aに印刷する。その後、印刷金型40を取り外して平
板39を約200℃程度の環境下に置き、円札済みの印
刷済みの触媒含有スラリーSSを乾燥させる。こうする
ことで、平板39の上面39aには、触媒含有スラリー
SSの塗布層STaが、印刷金型40の厚み(約30μ
m)で規定される一定の厚みで形成される。しかも、こ
の塗布層STaは、その形状が透孔41で規定されるこ
とから、外面触媒層37の上記した形成長さLSで形成
され、外面触媒層37が形成されていない領域の上記し
た長さL0に等しい間隔をあけて連続して形成される。
【0082】ここで、触媒含有スラリーSSについて、
第1実施例の触媒担持体30がメタノールを水蒸気改質
して水素リッチガスを生成するための触媒(CuO−Z
nO系触媒)を担持したものであるとして説明する。こ
の触媒含有スラリーSSの調製に当たっては、まず、共
沈法等にて生成した粉末状のCu−Zn合金を、アルミ
ナゾル、シリカゾル等のバインダ溶液に、固形分比で約
20:1の割合で混合する。そして、この混合溶液に適
宜な量の水を加え、具体的にはバインダ溶液に対して容
積比で約1:1程度の水を加え、ペースト状で高粘度の
触媒含有スラリーSSを調製する。この触媒含有スラリ
ーSSは、既にハニカム状とされた触媒担持体にディッ
ピング等の手法にて触媒を担持する従来のスラリーに比
べ、次のようにその性状が相違する。つまり、従来のス
ラリーでは、バインダに対する触媒の固形分比が約1
9:1程度であり、バインダ溶液に対する水の容積比が
約10:1程度であるのに対し、触媒含有スラリーSS
は、触媒の固形分比と水の容積比が共に従来のスラリー
より大きく、触媒の担持量(含有量)に対するバインダ
量も自由に選定できる。
【0083】上記したように平板39の上面39aへの
塗布層STa形成後には、平板39の下面39bへの塗
布層STbの形成を行う。この塗布層形成は、上面39
aの場合と同様であり、下面39bへの印刷金型載置、
スキージ42による触媒含有スラリーSSの印刷塗布、
その後の乾燥が行われ、図11に示すように、平板39
の下面39bに塗布層STbが形成される。なお、この
際の図示しない印刷金型は、図7および図9に示すよう
に、波板32における内面触媒層35と外面触媒層37
が同じ形成長さLSを有し、触媒層の非形成領域の長さ
L0も同じであることから、印刷金型40と同様にして
透孔41を連続して有する。
【0084】こうして平板39の上下面に塗布層STa
および塗布層STbが形成されると、図12に示すよう
に、この平板39を金型面形状が波形とされた下金型K
Dと上金型KUの間にセットして、平板39をプレス成
形する。これにより、図9に示すように、外面触媒層3
7の形成領域に該当する領域に塗布層STaを有し、内
面触媒層35の形成領域に該当する領域に塗布層STb
を有する波板32が製造される。
【0085】上記した波板32の製造と同時に、或いは
波板32の製造と相前後して、平板31が準備されその
上下面に触媒含有スラリーSSを用いて塗布層が形成さ
れる。この際にも、波板32の場合と同様に、図示しな
い印刷金型が使用される(図8参照)。この印刷金型
は、平板31における上面触媒層34、下面触媒層36
の形成のためのものであるので、これら触媒層の長さ、
これら触媒層の非形成領域の長さに適合した透孔を有す
る。なお、平板31の準備に当たっては、その長手方向
長さは、図6に示す触媒担持体30とした場合の螺旋の
軌跡長さを考慮して定められる。また、図6および図7
に示すように、触媒担持体30の最外部領域を占める範
囲においては、平板31の下面31bにしか塗布層は形
成されない。
【0086】このようにして平板31と波板32に塗布
層を形成した後には、図13に示すように平板31と波
板32を接合し、この状態で一端の側から螺旋状に巻き
上げる。そして、触媒担持体30の最外部領域において
平板31の端部をその内周部の平板31にスポット溶接
して固定する。こうすることで、細孔33を平板31と
波板32で区画形成したハニカムが製造される。なお、
平板31と波板32を接合させた際に、適宜な間隔で両
板をスポット溶接にて固定してもよい。
【0087】次に、このハニカムを大気中で約350℃
程度まで加熱して、平板31および波板32のそれぞれ
の塗布層を焼成処理に処し、バインダを硬化させた。続
いて、約250℃程度のN2−H2の還元ガス環境下に置
いて還元処理に処し、バインダによりCuO−ZnO系
触媒を担持したハニカム状の触媒担持体30を製造し
た。このように製造した触媒担持体30は、平板31お
よび波板32に形成したそれぞれの塗布層の厚みが既述
したように均一であることから、バインダの硬化を経て
担持形成された上面触媒層34、下面触媒層36、内面
触媒層35および外面触媒層37は、細孔33の内周壁
周りは勿論、細孔33のガス通過方向に亘っても、その
厚みが均一となる。また、他の領域に比べて大きな厚み
を有する触媒層が存在しないことから、細孔33を取り
囲む触媒層全体としての表面積も広くなり、活性部分を
増大することもできる。
【0088】この場合、塗布層形成済みの平板39およ
び平板31をホットプレス等の加圧処理に処すと、両板
材のそれぞれの塗布層をより均一な厚みとすることがで
き、これを通して触媒層もより均一な厚みとなるので好
ましい。
【0089】ここで、上記のように製造した触媒担持体
30の評価について説明する。対比する触媒担持体(対
比触媒担持体)は、既にハニカム状とされた触媒担持体
にディッピング等の手法にてCuO−ZnO系触媒を担
持した従来品である。この対比触媒担持体の製造(ディ
ッピング)に際しては、バインダに対する触媒の固形分
比が約19:1程度で、バインダ溶液に対する水の容積
比が約10:1程度であるため、水分量の多いスラリー
(従来品)を用いた。なお、第1実施例における触媒含
有スラリーSSでは、既述したように水分量が少ないこ
とから、ハニカム状の触媒担持体をディッピングすると
目詰まりを起こす。
【0090】まず、第1実施例の触媒担持体30と上記
の対比触媒担持体とについて、メタノールの改質効率の
推移を調べた。
【0091】この触媒担持体30と対比触媒担持体に、
図示しない蒸発器で生成したメタノールガスと水蒸気の
混合ガスを導くと、当該混合ガスが触媒担持体のそれぞ
れの細孔を通過する間にCuO−ZnO系触媒による下
記の触媒反応が進行する。
【0092】CH3OH+H20→3H2+CO2
【0093】このため、両触媒担持体の下流には、理論
的には水素と二酸化炭素が流れ出るに過ぎず、メタノー
ルが触媒担持体の下流に流れることはない。よって、触
媒担持体の下流と上流においてメタノール(濃度)を検
出すれば、導入した混合ガスにおけるメタノールのうち
触媒反応に関与したメタノール量が判明する。従って、
導入した混合ガスにおけるメタノール濃度をma、触媒
担持体の下流におけるメタノール濃度をmbとすれば、
(ma−mb)/maにてメタノールの改質効率(改質
率)が判明する。そして、この改質率を、メタノール処
理速度LHSV(単位時間当たりのメタノール導入量)
が一定の条件下で、第1実施例の触媒担持体30と対比
触媒担持体とについてそれぞれ求めた。その結果を図1
4に示す。
【0094】この図14から明らかなように、対比触媒
担持体では、運転初期にあっては80%を越える改質率
を発揮するものの、500時間経過後から改質率が低下
し、5000時間経過後には、約10%程度の改質率し
か得られなかった。このような現象は、次のように説明
できる。対比触媒担持体では、ハニカム形成後のディッ
ピングを採る都合上、既述したように、細孔を取り囲む
触媒層の表面積が小さくなり(図4参照)、触媒利用率
が初期の時点から低い。また、水分量の多い低粘度のス
ラリーを用いて比較的少量のバインダでしか触媒を担持
しないために、或いは触媒層にクラックが発生している
ために(図5参照)、触媒層の剥離が起きる。従って、
初期の時点から触媒利用率が低い触媒層において、僅か
でも触媒層の剥離が起きると改質率は著しく低下する。
【0095】これに対し、第1実施例の触媒担持体30
では、運転初期から約92%程度の高い改質率を発揮で
き、初期性能の向上を図ることができた。また、約25
00時間経過しても、運転初期の改質率のまま推移し
た。そして、5000時間経過後にあっても、約85%
程度まで低下するものの依然として高い改質率であっ
た。つまり、5000時間という長時間の連続運転を経
ても、高い改質率を維持できた。このような現象は、次
のように説明できる。第1実施例の触媒担持体30で
は、図8ないし図13を用いて説明した製造工程を採る
ので、既述したように、細孔周りの上面触媒層34、下
面触媒層36、内面触媒層35および外面触媒層37を
細孔33の内周壁周りとガス通過方向とに亘って均一の
厚みの触媒層とでき、他の領域より厚い触媒層を有しな
いことと相俟って、細孔を取り囲む触媒層の表面積を広
くでき、高い触媒利用率を得ることができる。しかも、
水分量が少なく高粘度の触媒含有スラリーSSを用いる
ので、多量のバインダで触媒を強固に担持できると共
に、触媒層に不用意にクラックを発生させない。このた
め、触媒層の剥離を長時間に亘って回避することができ
る。従って、触媒担持体30によれば、図14に示すよ
うに長時間に亘って高い改質率を維持でき、耐久性の向
上を図ることができる。
【0096】次に、第1実施例の触媒担持体30と対比
触媒担持体とについて、触媒層の耐剥離性を調べた。こ
の耐剥離性の評価は、触媒層の担持領域に超音波振動を
与えた場合の剥離率で下すこととした。その結果を図1
5に示す。なお、この評価を下すに当たっては、車両の
排ガス浄化用に既に広く普及している排ガス触媒担持体
の剥離率を評価基準とした。
【0097】この図15から明らかなように、対比触媒
担持体では、その剥離率は排ガス触媒担持体の剥離率
(約5%)の約3倍となり、約15%にも達した。よっ
て、対比触媒担持体では、触媒層の剥離が起き易いこと
が実証され、その理由として、上記したように比較的少
量のバインダでしか触媒を担持しないことと、触媒層に
クラックが発生していることが挙げられる。
【0098】これに対し、第1実施例の触媒担持体30
では、その剥離率は約4.5%であり、市場実績のある
排ガス触媒担持体の剥離率(約5%)と同程度かそれよ
りも小さかった。よって、第1実施例の触媒担持体30
では、触媒層の剥離が起き難く耐剥離強度に優れている
ことが実証された。その理由として、上記したように多
量のバインダで触媒を強固に担持しており、触媒層に不
用意にクラックを発生させないことが挙げられる。この
ため、触媒担持体30が振動の伝播を受ける環境下で使
用されても、振動による触媒層の剥離が起き難く、高い
改質率を維持できる。よって、触媒担持体30は、車両
に搭載する際の高い実用性を有する。
【0099】以上説明したように、この第1実施例によ
れば、細孔33を取り囲む触媒層の厚みの均一化並びに
触媒層の表面積の拡張を通して、更には、多量のバイン
ダでの触媒の強固な担持を通して、初期性能の向上と高
い改質率の維持と耐久性の向上を図ることのできる触媒
担持体30を製造することができる。しかも、この触媒
担持体30を製造する上で採用したそれぞれの工程は、
スラリーの印刷(図8〜図11)、プレス成形(図1
2)、板材の接合並びに巻き取り(図13)といったあ
りふれた工程に過ぎず、容易に実施することができる。
よって、この第1実施例によれば、上記したように初期
性能の向上等を図ることのできる優れた触媒担持体30
を容易に製造することができる。
【0100】また、この第1実施例では、バインダの硬
化を経て平板31と波板32に触媒を担持するに当た
り、両板材の接合と巻き取りを経て触媒担持体30とし
ての外観を有するハニカムを先に製造し、その後に触媒
担持を行った。このため、平板31と波板32でバイン
ダの硬化が同時に且つ同一条件で行われる。よって、細
孔33を区画形成する平板31と波板32で触媒担持が
均等となり、初期性能の向上、改質効率の向上等の観点
から好ましい。
【0101】次に、上記した第1実施例の変形例につい
て説明する。第1の変形例は、平板31と波板32にお
ける触媒含有スラリーSSの塗布層形成工程の様子が異
なる。図16は、この第1の変形例における塗布層形成
工程を説明するための説明図である。この第1の変形例
では、図示するように、波板32を製造するための平板
39の上下面にマスキングテープ44を貼り付ける。こ
のマスキングテープ44は、その貼着領域には触媒含有
スラリーSSを塗布しないようにするためのものであ
り、図9に示す触媒層の非形成領域の長さL0と等しい
幅を有する。そして、マスキングテープ44は、図9に
示す内面触媒層35、外面触媒層37の形成長さLSと
等しい間隔で貼り付けられている。次に、この平板39
の上下面に、刷毛45等の適宜な塗布器具を用いて、触
媒含有スラリーSSを隣り合うマスキングテープ44の
間に塗布する。この際、触媒含有スラリーSSがマスキ
ングテープ44に重なるように塗布されても支障はな
い。続いて、塗布した触媒含有スラリーSSを第1実施
例と同様に乾燥させ、マスキングテープ44を剥ぎ取
る。すると、平板39の上下面には、図11に示したよ
うに塗布層STa,STbが形成される。その後は、第
1実施例と同様の工程を採って触媒担持体30を製造す
る。
【0102】この第1の変形例によっても、マスキング
というありふれた容易な工程を採るに過ぎないので、初
期性能の向上等を図ることのできる優れた触媒担持体3
0を容易に製造することができる。
【0103】この第1の変形例は、マスキングテープ4
4が貼り付けられた平板39を触媒含有スラリーSSの
中にディッピングするよう更に変形することもできる。
【0104】第2の変形例は、上記の第1の変形例と同
様、塗布層形成工程の様子が異なる。図17は、この第
2の変形例における塗布層形成工程を説明するための説
明図である。この第2の変形例では、図示するように、
波板32を製造するための平板39の上下面に、刷毛塗
り、ディッピング等により直に触媒含有スラリーSSを
塗布する。次いで、塗布した触媒含有スラリーSSを第
1実施例と同様に乾燥させる。こうすることで、平板3
9の上下面には、一面に塗布層が形成される。次に、ス
クレーパ46等の適宜な剥離器具を用いて、既に形成済
みの塗布層を図17に示す剥離領域HRに亘って部分的
に剥離する。この剥離領域HRの幅は、図9に示す触媒
層の非形成領域の長さL0と等しい幅とされ、その間隔
は、図9に示す内面触媒層35、外面触媒層37の形成
長さLSと等しい間隔とされている。すると、平板39
の上下面には、図11に示したように塗布層STa,S
Tbが形成される。その後は、第1実施例と同様の工程
を採って触媒担持体30を製造する。
【0105】この第2の変形例によっても、刷毛塗り又
はディッピングによる塗布層形成、その後の塗布層の部
分的剥離というありふれた容易な工程を採るに過ぎない
ので、初期性能の向上等を図ることのできる優れた触媒
担持体30を容易に製造することができる。
【0106】次に、第3の変形例について説明する。こ
の第3の変形例は、波板32に触媒含有スラリーSSの
塗布層を直接形成する点に特徴がある。図18は、この
第3の変形例における波板32への塗布層形成工程を説
明するための説明図である。この第3の変形例では、図
示するように、まず、波板32とこの波板32にその上
面で密着する上面印刷金型47と下面で密着する下面印
刷金型49とを用意する。上面印刷金型47は、透孔4
8を等ピッチに連続して有する。透孔48は、波板32
の上面に触媒含有スラリーSSを印刷塗布するためのも
のであり、その開口形状や開口幅並びに間隔は、図9に
示した外面触媒層37の形成位置に合致するようにされ
ている。下面印刷金型49も、この上面印刷金型47と
同様に透孔50を有し、この透孔50は、図9に示した
内面触媒層35に合致して形成されている。
【0107】そして、波板32の上下面に上記の上面印
刷金型47と下面印刷金型49を密着載置し、この波板
32の上下面に、刷毛等の適宜な塗布器具を用いて、或
いはスキージを波板の形状に倣って移動することで、触
媒含有スラリーSSを透孔48,50の開口領域に塗布
する。続いて、第1実施例と同様に、印刷金型の取り外
し、触媒含有スラリーSSの乾燥を行う。すると、波板
32の上下面には、図9に示した内面触媒層35および
外面触媒層37に該当する塗布層が形成される。その後
は、第1実施例と同様の工程を採って触媒担持体30を
製造する。
【0108】この第3の変形例によっても、印刷金型を
用いた塗布層形成というありふれた容易な工程を採るに
過ぎないので、初期性能の向上等を図ることのできる優
れた触媒担持体30を容易に製造することができる。し
かも、この第3の変形例では、波板32の塗布層を直接
形成するので、市販の波板をこの波板32としてそのま
ま利用でき、波板への成形工程も不要となる。このた
め、この第3の変形例によれば、工程の簡略化と製造コ
ストの低減を図ることができる。
【0109】次に、第2実施例について説明する。この
第2実施例の触媒担持体は、平板31と波板32を接合
して細孔33を区画形成した点で第1実施例と同一であ
るが、両板材が接合することで形成されるコーナー領域
38にあっても触媒層を有する点と、このコーナー領域
38の触媒層にあっても他の箇所と同様の厚みを有する
点に特徴がある。図19は、第2実施例の触媒担持体3
0Aの要部拡大断面図、図20は、触媒担持体30Aの
製造工程を説明するための説明図である。なお、第2実
施例以降の説明に当たっては、第1実施例と同一の部材
については同一の符号を付し、その説明は省略すること
とする。
【0110】この第2実施例の触媒担持体30Aは、上
記した触媒担持体30と同一の外観をなし、一枚の平板
31と一枚の波板32とで形成した細孔33を螺旋の軌
跡に沿って連続して有する。細孔33は、やはり600
セル/平方インチの割合とされている。そして、図19
に示すように、各細孔33は、その内周壁周りに、コー
ナー領域38で途切れることなく連続した触媒層52を
有する。この触媒層52は、細孔33の内周壁に倣って
形成されており、その厚みは内周壁周りで略均一とされ
ている。つまり、図示するようにコーナー領域38が鋭
角であっても、触媒層52は、このコーナー領域38に
入り込んでおり、このコーナー領域38にでおいても、
平板31或いは波板32からの触媒層52の厚みは、他
の領域とほぼ同じである。
【0111】ここで、触媒層52の形成の様子について
説明する。まず、平板31と波板32の接合並びに巻き
上げ、平板31のスポット溶接を経て図6に示す外観を
有するハニカムを準備する。このハニカムの準備と同時
に、或いは相前後して、ハニカムにコートするための触
媒含有スラリーSSを調製する。この第2実施例にあっ
ては、触媒含有スラリーSSは以下のように調製した。
なお、第2実施例でも、触媒担持体30Aは、メタノー
ルを水蒸気改質して水素リッチガスを生成するための触
媒(CuO−ZnO系触媒)を担持したものである
【0112】まず、共沈法等にて生成した粉末状のCu
−Zn合金と、アルミナゾル、シリカゾル等のバインダ
溶液と水とを、重量比で約30:1:69の割合で秤量
する。次いで、これらを、ビーズミルにより粉砕混合
し、本実施例の触媒含有スラリーSSを調製した。
【0113】そして、上記のハニカムの各細孔33に、
吸引コート法(バキュームコート)を用いて触媒含有ス
ラリーSSをコートした。次いで、スラリーコート済み
のハニカムを約120℃の温度環境下に約2時間放置し
て、スラリーコート領域を乾燥させ、図20に示すよう
に、細孔33に塗布層54を形成した。触媒含有スラリ
ーSSは細孔33の内周壁周りに広がってこの塗布層5
4を形成するものの、触媒含有スラリーSSが受ける表
面張力により、塗布層54は、コーナー領域38に入り
込むことはなく、他の領域でもその厚みは不均一のまま
である。なお、この塗布層形成のためのスラリーのコー
ト量(コート密度)については後述する。
【0114】続いて、塗布層54形成済みのハニカムを
ポリアクリル酸のトルエン溶液に浸漬し、その後、ハニ
カムをトルエン溶液から取り出して乾燥処理に処し、付
着したトルエンを除去した。これにより、図20に示す
ように、塗布層54の内表面に、ポリアクリル酸被膜5
5を形成した。
【0115】次に、ハニカムを図示しない静水圧加圧装
置の水槽に浸漬・設置し、ハニカムに静水圧を加えた。
この場合、静水圧は、図示するように、細孔33の内周
壁面の側に向けて作用する。このため、塗布層54は、
この方向の力をポリアクリル酸被膜55を介して受けて
内周壁面に倣うことになり、その形成時には内周壁周り
或いは細孔のガス通過方向の途中で厚みが不均一であっ
ても、静水圧加圧により、細孔の内周壁周りは勿論、ガ
ス通過方向に亘ってもその厚みが均一化される。具体的
には、塗布層54は、図19に示す触媒層52のよう
に、コーナー領域38に入り込み、他の領域における平
板31或いは波板32からの厚みがこのコーナー領域3
8においてもほぼ均一となる。なお、静水圧圧力につい
ては後述する。
【0116】上記の静水圧工程に続いては、このハニカ
ムを窒素雰囲気中で約350℃の温度環境下に約5時間
置き、この間に、塗布層54内表面のポリアクリル酸被
膜55を熱分解すると共に、塗布層54におけるバイン
ダを硬化させた。続いて、約250℃程度のN2−H2
還元ガス環境下に置いて還元処理に処し、触媒を還元し
て活性させた。これら工程を経て、バインダによりCu
O−ZnO系触媒を担持したハニカム状の触媒担持体3
0Aを製造した。このように製造した第2実施例の触媒
担持体30Aは、各細孔33における塗布層54の厚み
が既述したように均一であることから、バインダの硬化
を経て担持形成された触媒層52は、細孔33の内周壁
周りは勿論、細孔33のガス通過方向に亘っても、その
厚みが均一となる。よって、細孔33を取り囲む触媒層
全体としての表面積も広くなり、活性部分を増大するこ
ともできる。
【0117】ここで、上記のように製造した第2実施例
の触媒担持体30Aの評価について説明する。対比触媒
担持体は、スラリーを吸引コート法(バキュームコー
ト)でコートし対比触媒担持体であり、スラリーコート
法以外は第1実施例で説明した対比触媒担持体(従来
品)と同じである。この対比触媒担持体のコート量につ
いても後述する。
【0118】まず、第2実施例の触媒担持体30Aと対
比触媒担持体とについて、メタノール処理速度LHSV
を変化させた場合の改質率の推移を調べた。この場合、
触媒担持体30Aについては、静水圧圧力の影響を把握
するため、当該圧力を5MPa、10MPa、50MP
a、100MPa、150MPa、200MPaとした
それぞれの触媒担持体30Aについて調べた。その結果
を図21に示す。なお、改質率は、第1実施例と同様に
して求めた。
【0119】この図21から明らかなように、対比触媒
担持体では、メタノール処理速度LHSVが2を越える
と急激に改質率が低下し、メタノール処理速度LHSV
が水素リッチガス生成の上で実用的な速度範囲である6
の時には、約50%の改質率しか得られなかった。この
理由は、次のように考えられる。対比触媒担持体では、
既述したように、細孔を取り囲む触媒層の表面積が小さ
くて(図4参照)、触媒利用率が低い。このため、メタ
ノール処理量が小さく制限され、処理速度が大きくなっ
て時間当たりのメタノール処理量が多くなると、対処で
きなくなるからと考えられる。
【0120】これに対し、第2実施例の触媒担持体30
Aでは、上記したいずれの静水圧圧力のものであって
も、メタノール処理速度LHSVが4〜6では、対比触
媒担持体より優れた改質率が得られた。特に、静水圧圧
力が10MPa、50MPa、100MPaおよび15
0MPaの触媒担持体30Aにあっては、メタノール処
理速度LHSVが6の時でも、85%を越える高い改質
率を発揮することができた。このことは、メタノール処
理速度LHSVが6の時の静水圧圧力と改質率の関係を
示す図22のグラフからも明らかである。
【0121】このように、第2実施例の触媒担持体30
Aで優れた改質率が得られた理由は、次のように考えら
れる。まず第1に、各触媒担持体30Aでは、静水圧を
加えることで触媒層52の厚みを細孔33の内周壁周り
は勿論、ガス通過方向に亘っても均一とできたために、
触媒層表面積を広くして活性部分を増大できたからであ
る。静水圧圧力が5MPa以上であれば、触媒層52の
厚みの均一化を確実にもたらして、触媒層表面積の拡張
と活性部分の増大を図ることができるからである。ま
た、静水圧圧力が200MPa以下であれば、加圧によ
り触媒層52を緻密化し過ぎて、触媒層52におけるガ
ス透過性を損なうことがないためである。そして、静水
圧圧力が10〜150MPaの範囲であれば、触媒層5
2の厚みの均一化が好適に行われて、触媒層表面積がよ
り拡張して活性部分が効果的に増大すると共に、触媒層
52におけるガス透過性を好適に確保できることから、
より好ましい。
【0122】次に、第2実施例の触媒担持体30Aと対
比触媒担持体とにおける改質率と触媒のコート量(コー
ト密度)との関係について説明する。図23は、メタノ
ール処理速度一定下での改質率と触媒のコート量(コー
ト密度)との関係を表すグラフである。この場合、触媒
コート量は、ハニカムへのバキュームコートの際のスラ
リーのコート量(g/L)とし、種々の触媒コート量の
第2実施例の触媒担持体30A(静水圧圧力100MP
a)と対比触媒担持体における改質率を測定した。な
お、メタノール処理速度は、4とした。
【0123】図23から明らかなように、対比触媒担持
体では、触媒コート量が150g/L以上となって始め
て80%を越える改質率を得られるのに対し、実施例の
触媒担持体30Aでは、触媒コート量が50g/Lと少
量であっても約87%の改質率を得られた。そして、こ
の触媒担持体30Aでは、100g/Lの触媒コート量
で約98%という高い改質率を得られた。従って、第2
実施例の触媒担持体30Aによれば、少量の触媒で高い
改質率を発揮できた。これは、触媒担持体30Aにあっ
ては、上記したように細孔33内に静水圧をかけるの
で、触媒層の厚みの均一化に加え、その薄膜化をも図る
こともでき、触媒層の表面積拡張のみならず、触媒層の
厚み方向においても触媒を触媒反応に関与させることが
できるからであると考えられる。
【0124】次に、第2実施例の触媒担持体30Aと対
比触媒担持体とについて、触媒層の耐剥離性を、第1実
施例と同様の試験方法で調べた。その結果を、図24に
示す。
【0125】この図24から明らかなように、対比触媒
担持体では、その剥離率は約14%であるのに対し、第
2実施例の各触媒担持体30Aでは、いずれもこの対比
触媒担持体より剥離率が低かった。特に、静水圧圧力が
10MPa以上の触媒担持体30Aでは、剥離率は5%
を下回り、既述した排ガス触媒担持体の剥離率(約5
%)と同等若しくはそれよりも低い。このため、触媒担
持体30Aが振動の伝播を受ける環境下で使用されて
も、振動による触媒層の剥離が起き難く、高い改質率を
維持できる。よって、第2実施例の触媒担持体30Aに
あっても、車両に搭載する際の高い実用性を有する。こ
のように第2実施例の触媒担持体30Aが優れた耐剥離
性を有するのは、細孔33内に静水圧をかけることで、
細孔33の内周壁面への触媒の担持強度(接合強度)を
向上させることができるからである。
【0126】以上説明したように、この第2実施例によ
れば、細孔33内への静水圧印加により、触媒層の厚み
の均一化並びに触媒層の表面積の拡張、更には、触媒の
強固な担持を図ることができ、これにより、高い改質率
の維持と耐久性の向上を図ることのできる触媒担持体3
0Aを製造することができる。しかも、この触媒担持体
30Aを製造する上で採用したそれぞれの工程は、板材
の接合並びに巻き取りによるハニカムの製造、ハニカム
のバキュームコートによる塗布層54とポリアクリル酸
被膜55の形成(図20)、静水圧加圧(図20)、熱
処理いったありふれた工程に過ぎず、容易に実施するこ
とができる。よって、この第2実施例によっても、上記
したように高い改質率の維持等を図ることのできる優れ
た触媒担持体30Aを容易に製造することができる。
【0127】また、この第2実施例では、塗布層54の
内側にポリアクリル酸被膜55を形成してからハニカム
を水槽に浸漬し、静水圧をかけた。このため、塗布層5
4の厚み、延いては触媒層52の厚みの均一化を、触媒
を水に接触させることなく実施することができる。
【0128】更に、第2実施例では、図25に示すよう
に、大きな表面積を有する異形形状の細孔を有するハニ
カムに触媒層52を形成することもできる。この図25
に示す波形の細孔33に第2実施例の工程を経て形成し
た触媒層52は、この細孔33に倣った形状で形成され
るため、大きな表面積を有するが、ハニカムのディッピ
ングやバキュームコートその後のバインダ硬化を行うに
過ぎない従来の手法では、図中に二点鎖線で示すような
表面積の小さな触媒層105しか形成できない。よっ
て、第2実施例によれば、細孔の形状にも捕らわれるこ
とがなく、適用範囲の拡張を図ることができる。しか
も、図示する細孔を有するハニカムの材質についても特
段の制約を受けることがなく、金属製のハニカムは勿
論、セラミック製のハニカムであっても良い。
【0129】ここで、この第2実施例の変形例について
説明する。この変形例は、上記の第2実施例における静
水圧加圧装置による細孔33内の加圧工程に替えて水の
凍結工程を採り、以下の工程を採用した。まず、上記の
第2実施例と同様、平板31と波板32の接合並びに巻
き取りによるハニカムの製造と、ハニカムのバキューム
コートによる塗布層54の形成(図20)とを行う。そ
の後は、この変形例に特有の工程を採る。即ち、塗布層
54形成後のハニカムを水を貯留した水槽に浸漬する等
の手法により、このハニカムの各細孔33内に水を充填
し、その状態でハニカムを冷却装置にて冷却する。この
際、ハニカムの外周部と両端部を耐圧性の補強部材で取
り囲んで補強し、冷却中のハニカムの破損を防止するこ
ととした。この冷却により、図26に模式的に示すよう
に、細孔33内では、当初のうちに、塗布層54の内周
に沿った範囲で水が凍結し、塗布層54の内周を取り囲
む凍結層56が形成される。その後、この凍結層56の
内部の水が凍結して氷となる際に体積膨張が置き、塗布
層54は、図示するように細孔33の内周壁面の側に向
けて力を受ける。よって、この塗布層54は、第2実施
例と同様に細孔33の内周壁面に倣うことになり、細孔
の内周壁周りは勿論、ガス通過方向に亘ってもその厚み
が均一化される。
【0130】上記の凍結圧工程に続いては、このハニカ
ムを大気中で約80℃の第一次の熱処理と約180℃の
第二次の熱処理とに処し、この間に、細孔33における
氷の融解と水分乾燥とを行った。続いては、窒素雰囲気
中で約400℃の温度環境下に約5時間置き、この間
に、塗布層54におけるバインダを硬化させた。その
後、第2実施例と同様に、約250℃程度のN2−H2
還元ガス環境下に置いて還元処理に処し、触媒を還元し
て活性させた。これら工程を行うことで、この変形例で
は、バインダによりCuO−ZnO系触媒を担持したハ
ニカム状の触媒担持体を製造した。このように製造した
変形例の触媒担持体でも、各細孔33における塗布層5
4の厚みが既述したように均一であることから、バイン
ダの硬化を経て担持形成された触媒層52は、細孔33
の内周壁周りは勿論、細孔33のガス通過方向に亘って
も、その厚みが均一となる。このため、この変形例によ
っても、細孔33を取り囲む触媒層全体としての表面積
も広くなり、活性部分を増大することもできる。
【0131】この変形例によって製造した触媒担持体の
改質率、改質率と触媒コート量との関係、剥離率につい
ても第2実施例と同様に調べた。その結果を、図21、
図23および図24に併記した。これらのグラフから、
この変形例の触媒担持体によっても、少量の触媒で高い
改質率を得ることができると共に、高い耐剥離性を得る
ことができた。そして、この変形例では、ポリアクリル
酸被膜55の形成を要しないので、その分、工程の簡略
化を図ることができる。また、この変形例によっても、
上記したように高い改質率の維持等を図ることのできる
優れた触媒担持体を容易に製造することができる。
【0132】次に、第3実施例について説明する。この
第3実施例の触媒担持体は、触媒の担持面の様子に特徴
がある。図27および図28は、第3実施例の触媒担持
体の製造工程を説明するための説明図、図29は、この
実施例の触媒担持体における触媒担持表面を拡大して模
式的に表す模式図である。第3実施例にあっても、触媒
担持体は、上記した触媒担持体30,30Aと同一の外
観をなし、一枚の平板31と一枚の波板32とで形成し
た細孔33を螺旋の軌跡に沿って連続して有する。細孔
33は、やはり600セル/平方インチの割合とされて
いる(図6参照)。
【0133】この第3実施例では、以下のようにして細
孔の内周壁面、即ち平板31、波板32の表面に触媒層
57を形成した。まず、平板31と波板32を用意し、
図27に示すように、両板材の表裏面にアルミナ系のブ
ラスト砥粒をノズル58から圧縮エアーにて吹き付け、
板材表面にショットブラスト処理を処す。これにより、
表面粗さが約20μmに調整された平板31と波板32
を得ることができる。この場合、波板32の用意に当た
っては、市販の波板をそのまま用いてもよく、平板をプ
レス成形して波板32としてもよいことは勿論である。
また、平板の状態でショットブラスト処理をかけて表面
粗さを約20μmに調整し、その後にプレス成形して、
上記のように表面粗さ調整済みの波板32としてもよ
い。なお、このようにして平板から波板32を取得する
際には、用いる平板の長手方向寸法を、第1実施例と同
様に、触媒担持体における波板32の波の形状、波の
数、ピッチ等を考慮して定める。
【0134】次に、こうして得られた平板31と波板3
2を上記の実施例と同様の触媒含有スラリーSSに浸漬
等して、平板31および波板32の粗さ調整済みの表面
に、触媒含有スラリーをその全面に亘って付着させる。
この場合、用いる触媒含有スラリーは、バインダ量が多
めとされた第1実施例と同一の触媒含有スラリーSSで
よいことは当然であるが、水分量の多い第2実施例の触
媒含有スラリーSSや従来と同様のスラリーであっても
よい。例えば、触媒原料であるCuO・ZnO粉末とバ
インダ(5%アルミナゾル)を水で希釈しボールミルで
約3μm程度に粉砕・混合した従来と同様のスラリーで
あってもよい。また、図28に示すように、平板31と
波板32を接合させた場合に形成されるコーナー領域3
8(図7、図13参照)に該当する領域にマスキングテ
ープ59,60を貼り付けて両板材をスラリーに浸漬
し、コーナー領域38を除く領域に触媒含有スラリーS
Sを付着させるようにすることもできる。
【0135】その後、上記の実施例と同様に乾燥処理に
処して、スラリー層を形成する。続いて、平板31と波
板32の接合と一端の側からの螺旋状の巻き上げ(図1
3参照)、並びに、平板31の端部のスポット溶接を行
い、細孔33を平板31と波板32で区画形成したハニ
カムを製造する(図6参照)。次に、このハニカムに、
第1実施例と同様、バインダ硬化のための加熱処理、触
媒活性化のための還元処理を順次施して、Cu−ZnO
系触媒の触媒層を細孔33の内周壁面に有し、バインダ
により当該触媒を担持したハニカム状の触媒担持体を製
造した。
【0136】このように製造した第3実施例の触媒担持
体は、平板31と波板32の表面にショットブラストに
よる表面粗さ調整を施した上でスラリー層を形成し、そ
の後の上記処理を経て、触媒をバインダで平板31と波
板32の表面、即ち細孔33の内周壁面に担持する。従
って、平板31と波板32の表面に対するバインダの接
触面積は、図28に示すように、予め形成された凹凸に
より拡張され、触媒は、この板材表面にバインダにより
担持される。このため、このようにして触媒を担持した
触媒担持体によれば、バインダによる触媒の担持力が増
大して触媒の耐剥離性が高まるので、触媒の剥離強度が
高くなり耐久性を向上することができる。そして、この
第3実施例によれば、触媒担持体の製造過程おいてショ
ットブラストによる表面粗さ調整、スラリー層の形成、
バインダ硬化のための加熱処理、触媒活性化のための還
元処理といった処理を行うに過ぎないので、高い耐久性
を有するハニカム状の触媒担持体を容易に製造すること
ができる。しかも、市販の波板を波板32にそのまま利
用できるので、製造コストの低減を図ることができる。
【0137】また、触媒層形成のためのスラリー層を平
板31と波板32の表面に板状体の状態で形成するの
で、この表面において、スラリー層をほぼ均一な厚みで
形成できる。このため、その後の加熱処理を経て形成さ
れた触媒層にあっても、その厚みをほぼ均一化すること
ができる。従って、平板31と波板32の接合を経て形
成した細孔33の内周壁周りは勿論、細孔33のガス通
過方向に亘っても、触媒層の厚みの均一化をもたらすこ
とができる。この結果、他の領域に比べて大きな厚みを
有する触媒層が存在しないことから、細孔33を取り囲
む触媒層全体としての表面積が広くなって活性部分が増
大し、メタノールの改質効率を向上することができる。
【0138】次に、第4実施例について説明する。この
第4実施例では、触媒の担持の様子に特徴がある。図3
0は、第4実施例の触媒担持体の製造工程を説明するた
めの説明図、図31は、この実施例の触媒担持体におけ
る触媒担持表面を拡大して模式的に表す模式図である。
なお、第4実施例にあっても、触媒担持体は、上記した
触媒担持体30,30Aと同一の外観をなし、一枚の平
板31と一枚の波板32とで形成した細孔33を螺旋の
軌跡に沿って連続して有する。また、細孔33は、やは
り600セル/平方インチの割合とされている(図6参
照)。
【0139】この第4実施例では、以下のようにして細
孔の内周壁面、即ち平板31、波板32の表面に触媒層
を形成した。まず、平板31と波板32を用意し、図3
0に示すように、両板材の表裏面に多孔質層(多孔質被
膜)61,62を形成する。即ち、平板31、波板32
をサーモスプレー63の前面に配置し、このサーモスプ
レー63に溶射材粉末、例えば、アルミナ(Al23
粉末、ニッケル−クロム(Ni−Cr)化合物とアルミ
の混合粉末、ニッケル−クロム(Ni−Cr)化合物と
アルミと窒化硼素(BN)の混合粉末、ニッケルとカー
ボンの混合粉末、アルミ−シリカ(Al−Si)化合物
とポリエステルの混合粉末を送り込む。すると、溶射材
粉末は、サーモスプレー63が発する酸素・アセチレン
の燃焼炎に送り込まれて溶融され、この燃焼炎の流れに
のって平板31、波板32の表面に溶射される。これに
より、平板31、波板32の表面に多孔質層61,62
が形成される。この場合、多孔質層61,62の厚みが
約100〜200μm程度となるよう、また多孔質層6
1,62の孔の孔径が約10μm程度となるよう、溶射
材粉末の送り込み量、燃焼炎温度等が制御される。な
お、波板32の用意に当たっては、上記した第3実施例
と同様、市販の波板をそのまま用いてもよく、平板をプ
レス成形して波板32としてもよい。また、平板の状態
でサーモスプレー63により多孔質層62を予め形成
し、その後にプレス成形して、上記のように多孔質層形
成済みの波板32としてもよい。
【0140】次に、こうして得られた平板31と波板3
2を上記の実施例と同様の触媒含有スラリーSSに浸漬
等して、平板31および波板32の多孔質層61,62
に触媒含有スラリーSSを含浸させる。この場合、用い
る触媒含有スラリーは、バインダ量が多めとされた第1
実施例と同一の触媒含有スラリーSSでよいことは当然
であるが、水分量の多い第2実施例の触媒含有スラリー
SSや第3実施例で示したであってもよい。また、第3
実施例と同様に、平板31と波板32を接合させた場合
に形成されるコーナー領域38(図7、図13、図28
参照)に該当する領域にマスキングテープ59,60を
貼り付けて両板材をスラリーに浸漬し、コーナー領域3
8を除く領域の多孔質層61,62に触媒含有スラリー
SSを含浸させるようにすることもできる。
【0141】その後、上記の実施例と同様に乾燥処理に
処し、続いて、平板31と波板32の接合と一端の側か
らの螺旋状の巻き上げ(図13参照)、並びに、平板3
1の端部のスポット溶接を行い、細孔33を平板31と
波板32で区画形成したハニカムを製造する(図6参
照)。次に、このハニカムに、第1実施例と同様、バイ
ンダ硬化のための加熱処理、触媒活性化のための還元処
理を順次施して、Cu−ZnO系触媒を細孔33の内周
壁面の多孔質層61,62に担持したハニカム状の触媒
担持体を製造した。なお、触媒を担持した多孔質層6
1,62は、上記した実施例おける触媒層となる。
【0142】このように製造した第4実施例の触媒担持
体は、平板31と波板32の表面に多孔質層61,62
を予め形成した上で、その後の上記処理を経て、触媒を
バインダで平板31と波板32の表面、即ち細孔33の
内周壁面の多孔質層61,62に担持する。従って、バ
インダによる触媒の担持領域を、図31に示すように、
多孔質層61,62の孔および多孔質層表面とするの
で、触媒は広い面積でバインダにより担持される。この
ため、このようにして触媒を担持した触媒担持体によれ
ば、バインダによる触媒の担持力が増大して耐剥離性が
高まるので、触媒の剥離強度が高くなり耐久性を向上す
ることができる。そして、この第4実施例によれば、触
媒担持体の製造過程おいてサーモスプレー63による多
孔質層61,62の形成、この多孔質層へのスラリー含
浸、バインダ硬化のための加熱処理、触媒活性化のため
の還元処理といった処理を行うに過ぎないので、高い耐
久性を有するハニカム状の触媒担持体を容易に製造する
ことができる。しかも、市販の波板を波板32にそのま
ま利用できるので、製造コストの低減を図ることができ
る。
【0143】また、多孔質層61,62を平板31と波
板32の表面に板状体の状態で形成するので、この表面
において、多孔質層をほぼ均一な厚みで形成できる。こ
のため、その後の含浸、加熱処理を経て触媒を担持した
多孔質層(触媒層)にあっても、その厚みはほぼ当初の
まま均一である。従って、平板31と波板32の接合を
経て形成した細孔33の内周壁周りは勿論、細孔33の
ガス通過方向に亘っても、触媒層の厚みの均一化をもた
らすことができ、他の領域に比べて大きな厚みを有する
触媒層が存在しない。しかも、サーモスプレー63によ
って形成した多孔質層61,62は、その厚みが約10
0〜200μmに過ぎない。この結果、細孔33を取り
囲む触媒層全体としての表面積がより一層広くなって活
性部分が増大し、メタノールの改質効率を向上すること
ができる。
【0144】ここで、この第4実施例の変形例について
説明する。この変形例は、上記の第4実施例における多
孔質層61,62を特定の金属の多孔質層とした点と、
この多孔質層においてCu−ZnO系触媒(合金系触
媒)を生成した点に特徴があり、以下の工程を採用し
た。まず、上記の第4実施例と同様、サーモスプレー6
3により平板31と波板32の表面に多孔質層61,6
2を形成するが、その際、サーモスプレー63には、上
記の合金系触媒を構成する一方の金属、例えばCu粉末
を送り込む。従って、平板31、波板32の表面には、
Cuの多孔質層61,62が形成される。この場合にあ
っても、多孔質層61,62の厚みや孔径は、溶射材粉
末(Cu粉末)の送り込み量等により制御される。ま
た、市販の波板を波板32としてそのまま用いてもよ
く、平板をプレス成形して波板32としてもよいことは
勿論である。
【0145】次に、その表面にCuの多孔質層61,6
2が形成された平板31と波板32を、上記の合金系触
媒を構成する他方の金属(この場合にはZn)の粉末を
懸濁したスラリーに浸漬等して、平板31および波板3
2におけるCuの多孔質層61,62にこのスラリーを
含浸させる。これにより、Cuの多孔質層61,62に
おける表面および孔にZn(粉末)が行き渡る。なお、
第3、第4実施例と同様に、コーナー領域38(図7、
図13、図28参照)に該当する領域にマスキングテー
プ59,60を貼り付けて両板材をスラリーに浸漬し、
コーナー領域38を除く領域のCuの多孔質層61,6
2にZnを行き渡らせるようにすることもできる。
【0146】その後、スラリー中の水分除去のための乾
燥処理を平板31および波板32に施し、続いて、平板
31と波板32の接合と一端の側からの螺旋状の巻き上
げ(図13参照)、並びに、平板31の端部のスポット
溶接を行い、細孔33を平板31と波板32で区画形成
したハニカムを製造する(図6参照)。次に、このハニ
カムに、Cuの多孔質層61,62の表面および孔にお
いてCuとZnとからCu−ZnO系触媒を生成するた
めの処理を施す。即ち、ハニカムに適宜な酸化剤や還元
剤を用いた酸化・還元処理を施し、Cu−ZnO系触媒
を多孔質層61,62において生成する。これにより、
Cu−ZnO系触媒を細孔33の内周壁面の多孔質層6
1,62に担持したハニカム状の触媒担持体を製造し
た。なお、この実施例であっても多孔質層61,62
は、上記した第1ないし第3実施例おける触媒層とな
る。
【0147】このように製造した第4実施例の変形例の
触媒担持体は、平板31と波板32の表面にCuの多孔
質層61,62を予め形成した上で、その後の上記処理
を経て、この多孔質層61,62の孔および多孔質層表
面という広い領域に亘ってCu−ZnO系触媒を生成
し、このCu−ZnO系触媒を多孔質層の有する広い面
積において合金としての結合状態でもって担持する。こ
のため、このようにして触媒を担持した変形例の触媒担
持体によれば、触媒の担持力が増大して触媒の剥離強度
が高くなり耐久性を向上することができる。そして、こ
の第4実施例の変形例によれば、触媒担持体の製造過程
おいてサーモスプレー63による多孔質層61,62の
形成、この多孔質層へのスラリー含浸、酸化・還元を経
たCu−ZnO系触媒の生成処理といった処理を行うに
過ぎないので、高い耐久性を有するハニカム状の触媒担
持体を容易に製造することができる。しかも、市販の波
板を波板32にそのまま利用できるので、製造コストの
低減を図ることができる。
【0148】また、触媒担持にAl23等のバインダを
用いないことから、触媒反応に無関係なAlとCuの複
合酸化物を生成することがない。よって、この複合酸化
物の生成によりCu−ZnO系触媒が減少するといった
事態が起きないので触媒活性の低下を来すことがなく、
触媒担持体における触媒反応効率をより一層向上するこ
とができる。なお、多孔質層61,62の厚みの均一化
を通して触媒層の厚みの均一化をもたらし、これをもっ
てメタノールの改質効率を向上することができることは
勿論である。
【0149】次に、第5実施例について説明する。この
第5実施例にあっても、触媒担持体は、上記した触媒担
持体30,30Aと同一の外観をなし、一枚の平板31
と一枚の波板32とで形成した細孔33を螺旋の軌跡に
沿って連続して有する。また、細孔33は、やはり60
0セル/平方インチの割合とされている(図6参照)。
図32は、第5実施例の触媒担持体における触媒担持表
面を拡大して模式的に表す模式図である。
【0150】この第5実施例では、上記の第4実施例に
おける多孔質層61,62自体をCu−ZnO系触媒の
多孔質層とした点に特徴があり、以下の工程を採用し
た。まず、上記の第4実施例と同様、サーモスプレー6
3により平板31と波板32の表面に多孔質層61,6
2を形成するが、その際、サーモスプレー63には、上
記の合金系触媒を構成する両金属の酸化物(CuO、Z
nO)の混合粉末を送り込む。従って、平板31、波板
32の表面には、CuO−ZnOの多孔質層61,62
が形成される。このCuO−ZnOの多孔質層61,6
2は、その形成の際に粉末状のCuOおよびZnOが燃
焼炎の熱を受けて少なくとのその表面において溶融する
ので、CuとZnが合金として結合した状態の多孔質層
となる。なお、多孔質層61,62の厚みや孔径は、溶
射材粉末の送り込み量等により制御される。また、市販
の波板を波板32としてそのまま用いてもよく、平板を
プレス成形して波板32としてもよいことは勿論であ
る。
【0151】次に、こうして得られた平板31と波板3
2の接合と一端の側からの螺旋状の巻き上げ(図13参
照)、並びに、平板31の端部のスポット溶接を行い、
細孔33を平板31と波板32で区画形成したハニカム
を製造する(図6参照)。次に、このハニカムに、第1
実施例と同様の触媒活性化のための還元処理を施る。こ
れにより、図32に示すように、多孔質層61,62
は、Cu−ZnO系触媒の多孔質層となり、Cu−Zn
O系触媒を多孔質層として細孔33の内周壁面に担持し
たハニカム状の触媒担持体を製造した。なお、この多孔
質層61,62は、上記した実施例おける触媒層とな
る。
【0152】このように製造した第5実施例の触媒担持
体は、平板31と波板32の表面にCuO−ZnOの多
孔質層61,62を予め溶射形成した上で、その後の還
元処理を経て、この多孔質層61,62自体をCu−Z
nO系触媒の多孔質層とする。そして、図32に示すよ
うに、最初に溶射されたCuOおよびZnOの金属元素
を平板31、波板32の表面、即ち細孔33の内周壁面
に埋没させ、この埋没した金属元素によりいわゆるアン
カー効果を発揮する。しかも、Cu−ZnO系触媒をC
uとZnが合金として結合した状態の多孔質層として担
持する。よって、細孔の内周壁面にバインダにより触媒
を直接担持する場合に比べて、触媒の担持力が増大し、
触媒の耐剥離性が高まる。このため、この第5実施例の
触媒担持体によれば、触媒の剥離強度が高くなり耐久性
を向上することができる。
【0153】また、Cu−ZnO系触媒は多孔質層6
1,62をなすので、この多孔質層表面のみならずその
孔表面をも触媒反応領域とする。よって、触媒活性を高
めて、触媒担持体における触媒反応効率を向上すること
ができる。しかも、触媒担持にAl23等のバインダを
用いないことから、多孔質層61,62において、触媒
反応に無関係なAlとCuの複合酸化物を生成すること
がない。よって、この第5実施例によれば、この複合酸
化物の生成によりCu−ZnO系触媒が減少するといっ
た事態が起きないので触媒活性の低下を来すことがな
く、触媒担持体における触媒反応効率をより一層向上す
ることができる。そして、この第5実施例によれば、触
媒担持体の製造過程おいてサーモスプレー63による多
孔質層61,62の形成、触媒活性化のための還元処理
といった処理を行うに過ぎないので、高い耐久性を有す
るハニカム状の触媒担持体を容易に製造することができ
る。しかも、市販の波板を波板32にそのまま利用でき
るので、製造コストの低減を図ることができる。
【0154】更に、第4実施例と同様、多孔質層61,
62の厚みの均一化を通して触媒層の厚みの均一化をも
たらし、これをもってメタノールの改質効率を向上する
ことができることは勿論である。
【0155】次に、第6実施例について説明する。この
第6実施例にあっても、触媒担持体は、上記した触媒担
持体30,30Aと同一の外観をなし、一枚の平板31
と一枚の波板32とで形成した細孔33を螺旋の軌跡に
沿って連続して有する。また、細孔33は、やはり60
0セル/平方インチの割合とされている(図6参照)。
図33は、第6実施例の触媒担持体の製造工程図、図3
4は、各工程の詳細を説明するための説明図である。
【0156】この第6実施例では、細孔の内周壁面への
触媒層形成の様子に特徴があり、図33に示す製造工程
を採った。まず、最初のZnメッキ層形成工程(ステッ
プS100)では、図34に示すように、鉄等の金属製
の平板31と波板32とを用意し、その表裏面にZnの
メッキ層を形成する。続いて、上記の実施例と同様にこ
の両板材の接合と一端の側からの螺旋状の巻き上げ(図
13参照)、並びに、平板31の端部のスポット溶接を
行い、細孔33を平板31と波板32で区画形成したハ
ニカムを製造する(ステップS110)。このハニカム
は、Znのメッキ層(Znメッキ層)を、細孔33の内
周壁周りは勿論、細孔33のガス通過方向に亘っても、
均一な厚みで有する。この場合、ステップS100の処
理内容を、その表裏面にZnメッキ層が形成済みの板材
から、シャーリング、波形へのプレス等の工程を経て平
板31と波板32を取得するようにすることもできる。
なお、Znメッキ層は、通常のメッキ法(電解メッキ、
無電解メッキ)にて既存設備で形成できる。
【0157】その後、このハニカムに酸化処理を施し、
メッキ層をなすZnをZnOに酸化・変遷させ、細孔の
内周壁面のZnメッキ層自体をZnOの被覆層(ZnO
被覆層)に変遷させる(ステップS120)。続いて、
ハニカムを銅の無電解メッキ装置のメッキ処理槽に浸漬
し、細孔の内周壁面におけるZnO被覆層にCuのメッ
キ層(Cuメッキ層)を形成する(ステップS13
0)。これにより、ZnO被覆層のZnOとCuメッキ
層のCuとから、合金系触媒であるCu−ZnO系触媒
がZnO被覆層において生成される。よって、この合金
系触媒の担持に際しては、Al23等のバインダを用い
ないことから、ZnO被覆層において、触媒反応に無関
係なAlの複合酸化物を生成することがない。このた
め、この複合酸化物(AlとCuの複合酸化物)の生成
によりCu−ZnO系触媒が減少するといった事態が起
きないので触媒活性の低下を来すことがなく、実施例の
触媒担持体におけるメタノールの改質率を向上すること
ができる。
【0158】また、合金系触媒(Cu−ZnO系触媒)
を生成するためのZnO被覆層は、Znメッキ層のメッ
キ処理とこのメッキ層におけるZnのZnOへの変遷処
理(酸化処理)を経ているに過ぎないことから、その厚
みは細孔の内周壁周りは勿論、ガス通過方向に亘っても
均一化される。このため、このZnO被覆層にて生成さ
れるCu−ZnO系触媒は、このZnO被覆層の厚みに
規定された均一の厚みの触媒層をなす。よって、触媒層
の表面積を拡張することができ、触媒の活性部分の増大
を通してメタノールの改質率のより一層の向上をもたら
すことができる。
【0159】また、Cu−ZnO系触媒は、バインダに
よって担持されるのではなく、ZnO被覆層において生
成されて合金としての結合状態を有すると共に、このZ
nO被覆層は、メッキ処理を経ていることから細孔33
の内周壁面に強固に密着・固定(担持)される。このた
め、細孔33の内周壁面に対するCu−ZnO系触媒の
担持力が増大して触媒の剥離強度が向上し、高い耐久性
を発揮することができる。
【0160】従って、この第6実施例によれば、高い触
媒反応効率と高い耐久性を有する触媒担持体を提供する
ことができる。しかも、メッキ処理による細孔33の内
周壁面へのZnメッキ層形成、酸化処理によるZnメッ
キ層のZnO被覆層への変遷、このZnO被覆層へのC
uメッキ層の形成といった簡便で、且つ通常採択されう
る工程を経ているに過ぎない。よって、第6実施例によ
れば、高い触媒反応効率と高い耐久性を有する触媒担持
体を容易に提供することができる。
【0161】ここで、上記の第6実施例で製造した触媒
担持体評価について説明する。対比触媒担持体は、上記
の第1、第2実施例で説明した対比触媒担持体(従来
品)と同じである。評価に当たっては、一定の条件下の
メタノール処理速度LHSVでそれぞれの触媒担持体が
呈する改質率を、時間の経過と共に測定した。その結果
を図35に示す。
【0162】この図35から明らかなように、対比触媒
担持体では、運転初期にあっては約90%程度の改質率
を発揮するものの、約800時間経過後から改質率が低
下し、5000時間経過後には、約10%程度の改質率
しか得られなかった。このような現象は、第1実施例で
述べた通りである。
【0163】これに対し、第6実施例の触媒担持体で
は、運転初期から90%を越える高い改質率を発揮で
き、初期性能の向上を図ることができた。また、約25
00時間経過しても、運転初期の改質率のまま推移し、
5000時間経過後には、約80%程度まで低下するも
のの依然として高い改質率であった。つまり、5000
時間という長時間の連続運転を経ても、高い改質率を維
持できた。これは、上記したように、AlとCuの複合
酸化物を生成しないために触媒活性の低下を来すことが
ないことと、合金系触媒(Cu−ZnO系触媒)を生成
するためのZnO被覆層の厚みを細孔の内周壁周りは勿
論、ガス通過方向に亘っても均一化させて触媒層の表面
積を拡張し触媒の活性部分を増大することと、触媒をバ
インダによって担持するのではなく合金としての結合状
態で触媒を細孔33の内周壁面に強固に担持し、触媒の
剥離強度を向上させたことによる。
【0164】また、この第6実施例では、触媒層の性状
(均一厚み且つ薄膜状)はZnのメッキ処理により規定
されるので、Znメッキ層を製造済みのハニカムに形成
しても、触媒層の性状に変化を来さない。つまり、図3
3に示すZnメッキ層形成工程とハニカム製造工程を逆
にすることもできる。しかも、ハニカムが図25に示し
た異形形状の細孔を有するものであっても、或いは金属
製又はセラミック製等のハニカムであっても、その後の
Znメッキ層形成工程により、均一な厚みで薄膜状のZ
nメッキ層を形成できる。よって、ハニカムを先に製造
しても、上記したように高い触媒反応効率と高い耐久性
を有する触媒担持体を容易に提供することができる。そ
して、このようにすれば、既存のハニカムを利用できる
ので、製造工程の簡略化を図ることができ好ましい。
【0165】上記した第6実施例におけるステップS1
00のZnメッキ層形成工程とステップS120のZn
O被覆層変遷工程は、次のように変形することができ
る。即ち、メッキ処理によるZnメッキ層形成(ステッ
プS100)に替えて、メッキ処理により亜鉛−アルミ
(Zn−Al)合金のメッキ層(Zn−Alメッキ層)
を形成する。その後、Znメッキ層におけるZnの酸化
(ステップS120)に替えて、以下の処理を行う。ま
ず、強塩基性溶液(例えば、NaOH水溶液)へのハニ
カムの浸漬を行う。これにより、AlをZn−Alメッ
キ層からほぼ完全に溶出・除去する。続いて、水洗と大
気中での乾燥を行い、メッキ層に残ったZnを酸化させ
て、Zn−Alメッキ層からZnO被覆層を生成する。
このようにすれば、生成されたZnO被覆層は、ステッ
プS100,120を経たZnO被覆層よりも多孔質と
なる。このため、その後のステップS130を経ること
で、Cu−ZnO系触媒は、多孔質のZnO被覆層表面
はもとよりその孔においても生成される。よって、触媒
層の表面積の拡張並びに触媒活性部分の増大を通して、
メタノールの改質率をより一層向上することができる。
そして、ステップS100,120のこのような変形
は、ハニカムを上記したように先に製造した場合にも適
用することができる。
【0166】また、上記した第6実施例におけるステッ
プS130でのCu−ZnO系触媒生成工程は、次のよ
うに変形することができる。即ち、メッキ処理によるC
uメッキ層形成に替えて、Cuを適宜の蒸着法(PV
D、CVD)によりZnO被覆層に蒸着し、Cu−Zn
O系触媒を生成する。或いは、Cuイオン(Cu2+)を
含有する水溶液(例えばCuSO4 水溶液等)へのハニ
カム(ZnO被覆層形成済みハニカム)の浸漬とその後
の乾燥を数回繰り返し、次いで、焼成と水素還元を行
う。こうすることで、Cu−ZnO系触媒を生成する。
これらの変形例であっても、上記した第6実施例と同様
の効果を奏することができる。そして、ステップS13
0のこのような変形は、ハニカムを上記したように先に
製造した場合は勿論、ステップS100,120を上記
のように変形した場合にも適用することができる。
【0167】次に、CuO−ZnO系触媒の触媒担持体
を製造するよう第6実施例を変形した変形例について説
明する。この変形例では、ステップS130の触媒生成
工程が以下のように異なる。即ち、ステップS120を
経てZnO被覆層に変遷済みのハニカムに、共沈法にて
生成したCuO・ZnO粉末を水に希釈してボールミル
で約3μm程度に粉砕・混合したスラリーを付着させ
る。この場合、スラリーはバインダを含有していない。
また、スラリー付着は、ディッピングやバキュームコー
ト等の適宜な手法を採ればよい。その後、このハニカム
を適宜な温度で焼成する。これにより、スラリーにおけ
るCuOと当該スラリーおよびZnO被覆層におけるZ
nOとでCuO−ZnO系触媒が生成され、この触媒を
当該触媒からなる触媒層として担持した触媒担持体が完
成する。この変形例であっても、Al23等のバインダ
を用いないのでAlの複合酸化物を生成することがな
く、この点で上記した第6実施例と同様の効果を奏する
ことができる。そして、この変形例は、ハニカムを上記
したように先に製造した場合は勿論、ステップS10
0,120を上記したように変形した場合にも適用する
ことができる。
【0168】次に、第7実施例について説明する。この
第7実施例は、触媒担持に当たりメッキ処理を行う点で
第6実施例と共通するものの、当初形成するメッキ層が
異なり以下の工程を採った。即ち、この第7実施例で
は、第6実施例におけるステップS100のZnメッキ
層形成工程に替わり、平板31と波板32の表裏面にC
u−Zn合金のメッキ層を形成する。続いて、第6実施
例のステップS110と同様にハニカムを製造する。こ
のハニカムは、Cu−Zn合金のメッキ層(Cu−Zn
メッキ層)を、細孔33の内周壁周りは勿論、細孔33
のガス通過方向に亘っても、均一な厚みで有する。な
お、表裏面にCu−Znメッキ層が形成済みの板材から
平板31と波板32を取得してもよく、Cu−Znメッ
キ層は、通常のメッキ法(電解メッキ、無電解メッキ)
にて既存設備で形成できる。
【0169】その後は、このハニカムに酸化処理を施
し、Cu−メッキ層をなすZnとCuをZnO,CuO
にそれぞれ酸化・変遷させる。これにより、細孔の内周
壁面のCu−Znメッキ層自体をCuO−ZnO合金触
媒の触媒層に変遷させ、Cu−ZnO系触媒を担持した
触媒担持体を製造する。この第7実施例は、合金系触媒
の担持に際してAl23等のバインダを用いずAlの複
合酸化物を生成しない点と、メッキ処理とその後の酸化
物への変遷を経て均一の厚みの触媒層を形成する点と、
CuO−ZnO系触媒をバインダではなく合金としての
結合状態をもって細孔内周壁面に強固に密着・固定(担
持)する点とで第6実施例と共通する。よって、第7実
施例によっても、高い触媒反応効率と高い耐久性を有す
る触媒担持体を提供することができる。と共に、このよ
うな優れた触媒担持体を容易に提供することができる。
【0170】また、この第7実施例でも、触媒層の性状
(均一厚み且つ薄膜状)はCu−Znのメッキ処理によ
り規定されるので、Cu−Znメッキ層形成工程とハニ
カム製造工程を逆にすることもできる。しかも、その際
には、ハニカムの材質はもとより細孔形状を問わないこ
とは第6実施例と同様である。
【0171】更に、第7実施例は、Cu−Znメッキ層
形成工程とZn並びにCuの酸化を経たCu−ZnO触
媒層変遷工程に替わり以下の工程を採るよう変形するこ
とができる。即ち、メッキ処理によりCu−Zn−Al
合金のメッキ層(Cu−Zn−Alメッキ層)を形成
し、ハニカムを製造する。その後は、NaOH水溶液等
の強塩基性溶液へのハニカムの浸漬を行い、AlをCu
−Zn−Alメッキ層からほぼ完全に溶出・除去する。
続いて、水洗と大気中での乾燥を行い、メッキ層に残っ
たCu並びにZnをそれぞれ酸化させて、Cu−Zn−
Alメッキ層をCuO−ZnO触媒層に変遷する。この
ようにすれば、CuO−ZnO触媒層は、第7実施例で
の触媒層よりも多孔質となるので、CuO−ZnO系触
媒は、多孔質の当該触媒層表面はもとよりその孔におい
ても機能する。よって、触媒層の表面積の拡張並びに触
媒活性部分の増大を通して、メタノールの改質率をより
一層向上することができる。そして、この変形例は、ハ
ニカムを上記したように先に製造した場合にも適用する
ことができる。
【0172】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0173】例えば、第1実施例を始めとする各実施例
では、細孔33を螺旋の軌跡に沿って連続して有する円
柱状の触媒担持体30について説明したが、図36に示
すように、細孔33を上下左右に連続して有する角柱状
の触媒担持体30とすることもできる。この触媒担持体
30を製造する際には、各実施例に習って複数枚の平板
31と波板32を予め製造し、これら板材の接合・積層
を繰り返せばよい。
【0174】また、第1実施例では、平板31と波板3
2の接合・巻き取りを行ってハニカムを形成し、このハ
ニカムの状態でバインダを硬化して触媒を担持したが、
次のような工程を採ることもできる。塗布層が形成され
た平板39のプレス成形を経て波板32を取得した後
に、この波板32と平板31を熱処理に処してバインダ
を硬化させ、両板体に上面触媒層34、下面触媒層3
6、内面触媒層35および外面触媒層37を担持形成す
る。その後、触媒層形成済みの平板31と波板32の接
合並びに巻き取りを行って触媒担持体30を製造する。
つまり、ハニカムの形成に先立ち、平板31と波板32
に先にそれぞれの触媒層を形成しておき、触媒層形成済
みの平板31と波板32から触媒担持体30を製造す
る。このようにしても、初期性能等が優れた触媒担持体
30を容易に製造することができる。
【0175】また、第2実施例では、触媒担持体30A
を製造するためのハニカムを平板31と波板32の板材
の接合を経て準備したが、セラミック等の材料から一体
成形されたハニカムを準備し、このハニカムに触媒含有
スラリーSSのコート、静水圧の加圧の工程を処して、
触媒担持体30Aを製造することもできる。
【0176】また、第6実施例では、Znメッキ層の形
成工程を経てCu−ZnO系触媒を生成するようにした
が、メッキ処理によりCuメッキ層を形成してハニカム
とした後に、このCuメッキ層に、ZnO粉末或いはC
uO・ZnO粉末を水に希釈しただけのスラリーをディ
ッピングやバキュームコート等の適宜な手法で付着さ
せ、その後、このハニカムを適宜な温度で焼成するよう
にしてもよい。このようにしても、CuO−ZnO系触
媒が生成され、この触媒を当該触媒からなる触媒層とし
て担持した触媒担持体が完成する。
【0177】また、第6、第7実施例では、メタノール
改質に有効なCu−ZnO系触媒或いはCuO−ZnO
系触媒を担持した触媒担持体を製造する場合について説
明したが、Zn、Cu以外の金属からなるその他の合金
触媒を担持した触媒担持体にも適用することができる。
例えば、Zn、Sn、In、Bi等の低融点金属とC
u、Ni、Sn等の電解或いは無電解メッキ可能な性質
の金属(メッキ可能金属)の酸化物を有する合金触媒で
あれば、第6実施例と第7実施例およびその変形例に習
って、低融点金属の酸化物とメッキ可能金属を有する合
金触媒或いは低融点金属の酸化物とメッキ可能金属の酸
化物を有する合金触媒を担持した触媒担持体を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の触媒担持体の構成の一例を示す説明図。
【図2】従来の触媒担持体の構成の他の例を示す説明
図。
【図3】従来の触媒担持体の構成の更に他の例を示す説
明図。
【図4】従来の触媒担持体の問題点を説明する説明図。
【図5】従来の触媒担持体の他の問題点を説明する説明
図。
【図6】第1実施例の触媒担持体30の概略構成を表し
た概略斜視図。
【図7】この触媒担持体30の要部拡大断面図。
【図8】触媒担持体30の製造工程を説明するための説
明図。
【図9】触媒担持体30の製造工程を説明するための説
明図。
【図10】触媒担持体30の製造工程を説明するための
説明図。
【図11】触媒担持体30の製造工程を説明するための
説明図。
【図12】触媒担持体30の製造工程を説明するための
説明図。
【図13】触媒担持体30を製造する際の平板31と波
板32の接合の様子並びに螺旋状の巻き上げの様子を説
明するための説明図。
【図14】メタノール処理速度LHSVが一定の条件下
において第1実施例の触媒担持体30と対比触媒担持体
の呈するメタノール改質率を表したグラフ。
【図15】第1実施例の触媒担持体30と対比触媒担持
体についての触媒層の剥離率を、排ガス触媒担持体の剥
離率を評価基準として併記したグラフ。
【図16】第1実施例の第1の変形例における塗布層形
成工程を説明するための説明図。
【図17】第1実施例の第2の変形例における塗布層形
成工程を説明するための説明図。
【図18】第1実施例の第3の変形例における波板32
への塗布層形成工程を説明するための説明図。
【図19】第2実施例の触媒担持体30Aの要部拡大断
面図。
【図20】触媒担持体30Aの製造工程を説明するため
の説明図。
【図21】メタノール処理速度LHSVを変化させた場
合の第2実施例の触媒担持体30Aと対比触媒担持体と
についての改質率推移を、第2実施例の変形例の改質率
推移と共に併記したグラフ。
【図22】メタノール処理速度LHSVが6の時の静水
圧圧力と改質率の関係を示すグラフ。
【図23】第2実施例の触媒担持体30Aと対比触媒担
持体とについての改質率と触媒のコート量(コート密
度)との関係を示すグラフ。
【図24】第2実施例の触媒担持体30Aと対比触媒担
持体とについての触媒層の剥離率を、第2実施例の変形
例の剥離率と共に併記したグラフ。
【図25】第2実施例を適用して異形形状の細孔に形成
した触媒層52の様子を説明するための説明図。
【図26】第2実施例の変形例での触媒担持体の製造工
程を説明するための説明図。
【図27】第3実施例の触媒担持体の製造工程を説明す
るための説明図。
【図28】第3実施例の触媒担持体の製造工程を説明す
るための説明図。
【図29】この第3実施例の触媒担持体における触媒担
持表面を拡大して模式的に表す模式図。
【図30】第4実施例の触媒担持体の製造工程を説明す
るための説明図。
【図31】この第4実施例の触媒担持体における触媒担
持表面を拡大して模式的に表す模式図。
【図32】第5実施例の触媒担持体における触媒担持表
面を拡大して模式的に表す模式図。
【図33】第6実施例の触媒担持体の製造工程図。
【図34】その各工程の詳細を説明するための説明図。
【図35】メタノール処理速度LHSVが一定の条件下
において第6実施例の触媒担持体と対比触媒担持体の呈
するメタノール改質率を表したグラフ。
【図36】各実施例を適用できる角柱状の触媒担持体の
概略斜視図。
【符号の説明】
30,30A…触媒担持体 31…平板 32…波板 33,33A,33B…細孔 34…上面触媒層 35…内面触媒層 36…下面触媒層 37…外面触媒層 38…コーナー領域 40…印刷金型 41…透孔 42…スキージ 44…マスキングテープ 45…刷毛 46…スクレーパ 47…上面印刷金型 49…下面印刷金型 52…触媒層 54…塗布層 55…ポリアクリル酸被膜 56…凍結層 57…触媒層 58…ノズル 59,60…マスキングテープ 61,62…多孔質層 63…サーモスプレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 常治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担
    持したハニカム状の触媒担持体であって、 凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合することで、前
    記細孔を区画形成してハニカムを形成すると共に、 前記第1の板材と前記第2の板材とが接合することで形
    成されるコーナー領域を除く前記第1の板材の表面領域
    と、前記コーナー領域を除く前記第2の板材の表面領域
    の少なくとも一方の表面領域に、前記触媒を担持してい
    ることことを特徴とするハニカム状の触媒担持体。
  2. 【請求項2】 凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合
    することで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、触
    媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム
    状の触媒担持体の製造方法であって、 成形されると前記凹凸状の第1の板材となる第1の平板
    材と、前記第2の板材とを準備する工程(a)と、 前記第1の平板材の表面のうち、前記凹凸状の第1の板
    材に前記第2の板材を接合させた場合に形成されるコー
    ナー領域を除いた領域に、前記触媒を含有するバインダ
    溶液の塗布層を形成する工程(b)と、 前記第2の板材の表面のうち、前記コーナー領域を除い
    た領域に、前記バインダ溶液の塗布層を形成する工程
    (c)と、 前記塗布層形成済みの前記第1の平板材を前記凹凸状の
    第1の板材に成形する工程(d)と、 バインダの硬化を通した該凹凸状の第1の板材と前記第
    2の板材の板材表面への触媒担持と、前記凹凸状の第1
    の板材と前記第2の板材の接合とを行う工程(e)とを
    備えることを特徴とするハニカム状の触媒担持体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のハニカム状の触媒担持体
    の製造方法であって、 前記工程(e)は、前記凹凸状の第1の板材と前記第2
    の板材の板材表面への触媒担持を、前記凹凸状の第1の
    板材と前記第2の板材の接合の後に行う、ハニカム状の
    触媒担持体の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担
    持したハニカム状の触媒担持体であって、 前記触媒は、前記細孔の内周壁周りに該内周壁に倣って
    形成された触媒層として担持され、該触媒層は、前記内
    周壁周りの厚さが略均一とされていることを特徴とする
    ハニカム状の触媒担持体。
  5. 【請求項5】 触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担
    持したハニカム状の触媒担持体の製造方法であって、 前記ハニカムの各細孔の内周壁面に前記触媒を含有する
    バインダ溶液の塗布層を形成する工程(f)と、 該塗布層形成済みの各細孔内を、細孔の内周壁面の側に
    向けて力が加わるように加圧する工程(g)とを備える
    ことを特徴とするハニカム状の触媒担持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のハニカム状の触媒担持体
    の製造方法であって、 前記工程(g)は、前記塗布層形成済みの各細孔内を水
    で満たし、該細孔に静水圧をかける工程を有する、ハニ
    カム状の触媒担持体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のハニカム状の触媒担持体
    の製造方法であって、 前記工程(g)は、前記塗布層形成済みの各細孔内を水
    で満たし、該細孔内の水を凍結させる工程を有する、ハ
    ニカム状の触媒担持体の製造方法。
  8. 【請求項8】 触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に担
    持したハニカム状の触媒担持体であって、 前記触媒は、表面粗さ調整された前記内周壁面にバイン
    ダにて担持されていることを特徴とするハニカム状の触
    媒担持体。
  9. 【請求項9】 凹凸状の第1の板材に第2の板材を接合
    することで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、触
    媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカム
    状の触媒担持体の製造方法であって、 前記凹凸状の第1の板材と、前記第2の板材の表面に凹
    凸を形成し、表面粗さを調整する工程と、 前記表面粗さ調整済みの前記凹凸状の第1の板材と前記
    第2の板材の表面に、前記触媒を含有するバインダ溶液
    を用いて、前記触媒を担持する工程とを備えることを特
    徴とするハニカム状の触媒担持体の製造方法。
  10. 【請求項10】 触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に
    担持したハニカム状の触媒担持体であって、 前記触媒は、前記内周壁面に形成された多孔質層に担持
    されていることを特徴とするハニカム状の触媒担持体。
  11. 【請求項11】 凹凸状の第1の板材に第2の板材を接
    合することで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、
    触媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカ
    ム状の触媒担持体の製造方法であって、 前記凹凸状の第1の板材と、前記第2の板材の表面に多
    孔質層を形成する工程と、 前記凹凸状の第1の板材と前記第2の板材の表面に形成
    済みの前記多孔質層に、前記触媒を担持する工程とを備
    えることを特徴とするハニカム状の触媒担持体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 触媒をハニカムの各細孔の内周壁面に
    担持したハニカム状の触媒担持体であって、 前記触媒は、触媒原材料を溶射して形成された多孔質層
    として、前記細孔の内周壁面に担持されていることを特
    徴とするハニカム状の触媒担持体。
  13. 【請求項13】 凹凸状の第1の板材に第2の板材を接
    合することで細孔を区画形成したハニカム形状を有し、
    触媒を該ハニカムの各細孔の内周壁面に担持したハニカ
    ム状の触媒担持体の製造方法であって、 前記凹凸状の第1の板材と前記第2の板材の接合前に、
    前記凹凸状の第1の板材と前記第2の板材の表面に、前
    記触媒の触媒原材料を溶射して、該触媒原材料からなる
    多孔質層を形成することを特徴とするハニカム状の触媒
    担持体の製造方法。
  14. 【請求項14】 金属Xの酸化物XOと金属Y又はその
    酸化物YOを含有する合金系触媒を、ハニカムの各細孔
    の内周壁面に担持したハニカム状の触媒担持体の製造方
    法であって、 メッキ処理を経て形成された前記酸化物XO又は前記金
    属Yの第1の被覆層を、前記細孔の内周壁面に有するハ
    ニカムを準備する工程(h)と、 該ハニカムの前記第1の被覆層に、前記合金系触媒を形
    成する上で前記第1の被覆層に不足する前記酸化物X
    O、前記金属Y又は前記酸化物YOのいずれかを含有す
    る第2の被覆層をコーティングし、前記第1の被覆層に
    おいて前記合金系触媒を生成する工程(i)とを備える
    ことを特徴とするハニカム状の触媒担持体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のハニカム状の触媒担
    持体の製造方法であって、 前記工程(h)は、 ハニカムにおける細孔を区画形成するための凹凸状の第
    1の板材と第2の板材を準備する工程と、 該凹凸状の第1の板材と第2の板材とに、メッキ処理に
    より前記金属Xのメッキ層又は前記金属Yの前記第1の
    被覆層としての前記金属Yのメッキ層を形成する工程
    と、 前記金属Xのメッキ層の前記酸化物XOの前記第1の被
    覆層への変遷と、前記凹凸状の第1の板材と第2の板材
    を接合することで細孔を区画形成したハニカムの形成と
    を行う工程とを有する、ハニカム状の触媒担持体の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項14記載のハニカム状の触媒担
    持体の製造方法であって、 前記工程(h)は、 細孔を区画形成済みのハニカムを準備する工程と、 該ハニカムの前記細孔の内周壁面に、メッキ処理により
    前記金属Xのメッキ層又は前記金属Yの前記第1の被覆
    層としての前記金属Yのメッキ層を形成する工程と、 前記金属Xのメッキ層を前記酸化物XOの前記第1の被
    覆層に変遷する工程とを有する、ハニカム状の触媒担持
    体の製造方法。
  17. 【請求項17】 金属Xの酸化物XOと金属Yの酸化物
    YOを含有する合金系触媒を、ハニカムの各細孔の内周
    壁面に担持したハニカム状の触媒担持体の製造方法であ
    って、 前記金属Xと金属Yを含有する合金のメッキ層がメッキ
    処理により前記細孔の内周壁面に形成されたハニカムを
    準備する工程と、 該ハニカムの前記メッキ層を前記酸化物XOと前記酸化
    物YOを含有する前記合金触媒の触媒層に変遷する工程
    とを備えることを特徴とするハニカム状の触媒担持体の
    製造方法。
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