JPH11135983A - 電波遮蔽性を改善した電子機器 - Google Patents

電波遮蔽性を改善した電子機器

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JPH11135983A
JPH11135983A JP29805797A JP29805797A JPH11135983A JP H11135983 A JPH11135983 A JP H11135983A JP 29805797 A JP29805797 A JP 29805797A JP 29805797 A JP29805797 A JP 29805797A JP H11135983 A JPH11135983 A JP H11135983A
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JP
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radio wave
cable
connector
housing
powder
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JP29805797A
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Masanori Yamaguchi
正徳 山口
Hisashi Yoshinaga
寿 吉長
Yoshiaki Hiratsuka
良秋 平塚
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電波放射源を有する電子機器の遮蔽
性の改善に関し、電波遮蔽性を改善した電子機器の提供
を主な課題としている。 【解決手段】 電波放射源4と、電波放射源が収容され
る本体ハウジング2Aと、本体ハウジング2Aを密閉す
るための蓋部材2Bと、本体ハウジング2A及び蓋部材
2Bの間に形成される隙間に充填されるコーキング材1
2とから構成し、コーキング材12の成分として磁性体
の粉末を用いるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、電波放
射源を有する電子機器の電波遮蔽性の改善に関し、特
に、電波遮蔽性を改善した電子機器並びに電子機器に適
用可能なコーキング材、接着剤、プリント配線板ユニッ
ト、コーティング材、熱収縮チューブ、ケーブル、コネ
クタ、ブッシング部材、ケーブルクランプ、コネクタキ
ャップ、リング部材及び粘着性テープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータシステム及び伝送装
置等の電子機器の高速化及び大規模化に伴い、電波放射
源となり得るデジタル回路や発振回路の使用量が増えて
いる。筐体(ハウジング)内に設けられた電波放射源で
発生した電波は筐体外部にも放射され得るので、他の電
子機器への悪影響が指摘されている。例えば、電波放射
源となる回路が実装されたプリント配線板ユニットにお
いては、プリント配線板の導体パターンから電波が放射
され得る。また、プリント配線板に電気的に接続された
コネクタやケーブルからも電波が放射され得る。
【0003】このような電波の放射を防止するための従
来の対策としては、ケーブルの一部を磁性体からなるカ
バーで覆うことが実施されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の対策に
よる場合、磁性体からなるカバーの形状が定まっている
ために、その取り付け箇所が制限され、電波遮蔽性を十
分に得ることができないという問題があった。
【0005】よって、本発明の目的は、電波遮蔽性を改
善した電子機器を提供することにある。本発明の他の目
的は、電波遮蔽性を改善した電子機器を得るのに適し
た、電子機器の構成部品及び電子機器に適用可能な補助
部品を提供することにある。
【0006】本発明の更に他の目的は以下の説明から明
らかになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、電波遮
蔽性を改善した電子機器の第1の構成が提供される。そ
の電子機器は、電波放射源と、電波放射源が収容される
本体ハウジングと、本体ハウジングを密閉するための蓋
部材と、本体ハウジング及び蓋部材の間に形成される隙
間に充填されるコーキング材(caulking co
mpound)とを備えている。本体ハウジング及び蓋
部材の各々は電波遮蔽性を有しており、コーキング材は
磁性体の粉末を含む。
【0008】本体ハウジング及び蓋部材の各々が電波遮
蔽性を有しているにも関わらず、もし、コーキング材が
用いられないとすると、本体ハウジング及び蓋部材の間
に形成される隙間から電波放射源で発生した電波が外部
に放射し得る。本発明では、その隙間に磁性体の粉末を
含むコーキング材を充填しているので、その隙間を通過
する電波は磁性体の粉末により吸収され、外部への電波
の放射を少なくすることができる。
【0009】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器の第2の構成が提供される。その電子機器は、電
波放射源と、電波放射源が収容される本体ハウジング
と、本体ハウジングの外面に実装される補助ハウジング
と、本体ハウジング及び補助ハウジングの間に形成され
る隙間に充填されるコーキング材とを備えている。本体
ハウジング及び補助ハウジングの各々は電波遮蔽性を有
しており、コーキング材は磁性体の粉末を含む。
【0010】本体ハウジング及び補助ハウジングの各々
が電波遮蔽性を有しているにも関わらず、もし、コーキ
ング材が用いられないとすると、本体ハウジング及び補
助ハウジングの間に形成される隙間から電波放射源で発
生した電波が外部に放射し得る。本発明では、その隙間
に磁性体の粉末を含むコーキング材を充填しているの
で、その隙間を通過する電波は磁性体の粉末により吸収
され、外部への電波の放射を少なくすることができる。
【0011】本発明によると、電波遮蔽性の改善に適し
たコーキング材が提供される。コーキング材は、電波放
射源が収容される電波遮蔽性を有するハウジングの隙間
に充填される。コーキング材は磁性体の粉末を含む。
【0012】このコーキング材を用いると、ハウジング
の隙間を通過する電波放射源からの電波がコーキング材
に含まれる磁性体の粉末に吸収されるので、コーキング
材が適用される電子機器の電波遮蔽性が改善される。
【0013】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器の第3の構成が提供される。その電子機器は、電
波放射源と、電波放射源が収容される本体ハウジング
と、本体ハウジングを密閉するために本体ハウジングに
接着剤により固定される蓋部材とを備えている。本体ハ
ウジング及び蓋部材の各々は電波遮蔽性を有しており、
接着剤は磁性体の粉末を含む。
【0014】この構成によると、本体ハウジングと蓋部
材との間に形成され得る隙間を通過する電波放射源から
の電波が接着剤に含まれる磁性体の粉末に吸収されるの
で、電子機器の電波遮蔽性が改善される。
【0015】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器の第4の構成が提供される。その電子機器は、電
波放射源と、電波放射源が収容される本体ハウジング
と、本体ハウジングの外面に接着剤により実装される補
助ハウジングとを備えている。本体ハウジング及び補助
ハウジングの各々は電波遮蔽性を有しており、接着剤は
磁性体の粉末を含む。
【0016】この構成によると、本体ハウジングと補助
ハウジングとの間に形成され得る隙間を通過する電波放
射源からの電波が接着剤に含まれる磁性体の粉末に吸収
されるので、電子機器の電波遮蔽性が改善される。
【0017】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器を提供するのに適した接着剤が提供される。接着
剤は、電波放射源が収容される電波遮蔽性を有するハウ
ジングに電波遮蔽性を有する他の部材を固定するために
使用される。接着剤は磁性体の粉末を含む。
【0018】この接着剤を用いると、ハウジングと他の
部材との間に形成され得る隙間を通過する電波放射源か
らの電波が接着剤に含まれる磁性体の粉末に吸収される
ので、電波遮蔽性に優れた電子機器の提供が可能にな
る。
【0019】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器の第5の構成が提供される。その電子機器は、電
波放射源としてのプリント配線板ユニットを有してい
る。プリント配線板ユニットは、第1面及び第2面を有
するプリント配線板と、プリント配線板の第1面及び第
2面の少なくとも一方に実装される電子部品と、電子部
品を覆うようにプリント配線板の第1面及び第2面の双
方を被覆するコーティング材とを備えている。コーティ
ング材は、絶縁性樹脂と、絶縁性樹脂に混入された磁性
体の粉末とを含む。
【0020】この構成によると、プリント配線板の第1
面及び第2面の双方はコーティング材により被覆されて
おり、しかも、プリント配線板に実装される電子部品も
コーティング材により覆われているので、電子部品それ
自身あるいはプリント配線板の導体パターンから放射さ
れた電波は、コーティング材に含まれる磁性体の粉末に
吸収され、電波遮蔽性が改善される。コーティング材が
絶縁性樹脂を含むようにしているのは、コーティング材
を絶縁性にしてプリント配線板の導体パターン及び電子
部品における短絡を防止するためである。
【0021】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器を提供するのに適したプリント配線板ユニットが
提供される。プリント配線板ユニットは、第1面及び第
2面を有するプリント配線板と、プリント配線板の第1
面及び第2面の少なくとも一方に実装される電子部品
と、電子部品を覆うようにプリント配線板の第1面及び
第2面の双方を被覆するコーティング材とを備えてい
る。コーティング材は、絶縁性樹脂と、絶縁性樹脂に混
入された磁性体の粉末とを含む。
【0022】この構成によると、プリント配線板の導体
パターンあるいは電子部品から放射された電波はコーテ
ィング材の磁性体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性
に優れた電子機器の提供が可能になる。
【0023】本発明によると、電波遮蔽性に優れた電子
機器を提供するのに適したコーティング材が提供され
る。コーティング材は、電波放射源となり得る電子部品
が実装されるプリント配線板を被覆するために使用可能
である。コーティング材は、絶縁性樹脂と、絶縁性樹脂
に混入された磁性体の粉末とを含む。
【0024】このコーティング材を使用すると、プリン
ト配線板の導体パターンあるいは電子部品から放射され
た電波はコーティング材に含まれる磁性体の粉末に吸収
されるので、電波遮蔽性に優れた電子機器の提供が可能
になる。
【0025】本発明によると、電波放射源となり得るケ
ーブルを被覆するための熱収縮チューブが提供される。
その熱収縮チューブは、加熱により収縮する外層と、外
層の内面に密着して設けられる内層とを備えている。内
層は、加熱により軟化する樹脂と、樹脂に混入された磁
性体の粉末とを含む。
【0026】この熱収縮チューブをケーブルに被覆する
場合には、内層内の空洞にケーブルを位置させ、熱収縮
チューブを加熱する。熱収縮チューブの外層が加熱され
ると外層は収縮され、それと同時に内層の樹脂が加熱に
より軟化して、内層はケーブルと外層との間に密に充填
される。
【0027】この熱収縮チューブを使用すると、ケーブ
ルから放射された電波は内層に含まれる磁性体の粉末に
吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。本発明によ
ると、電波遮蔽性に優れたケーブルが提供される。その
ケーブルは、導体からなるケーブル心線と、ケーブル心
線を被覆する絶縁体からなる第1の層と、第1の層に接
着剤により保持される第2の層と、第2の層を被覆する
柔軟性を有する絶縁体からなる第3の層とを備えてい
る。第2の層は磁性体の粉末を含む。
【0028】この構成によると、ケーブル心線から放射
された電波は第2の層に含まれる磁性体の粉末に吸収さ
れるので、ケーブルの電波遮蔽性が改善される。本発明
によると、電波遮蔽性を改善した電子機器の第6の構成
が提供される。その電子機器は、電子回路が収容される
ハウジングと、ハウジングに設けられ電子回路に電気的
に接続される第1のコネクタと、第1のコネクタをケー
ブルに電気的に接続するための第2のコネクタとを備え
ている。第2のコネクタは第1のコネクタに着脱可能に
接続される。第2のコネクタは、第1のコネクタとの電
気的な接点を提供するためのコネクタピンと、コネクタ
ピン及びケーブルを保持するコネクタカバーとを有して
いる。コネクタカバーは、コネクタピン及びケーブルの
接続部を覆う絶縁体からなる外層と、外層内に設けられ
る磁性体の粉末とを含む。
【0029】この構成によると、コネクタピンあるいは
コネクタピンとケーブルとの接続部から放射された電波
はコネクタカバーの外層に含まれる磁性体の粉末に吸収
されるので、電波遮蔽性が改善される。
【0030】本発明によると、電子機器とケーブルを電
機的に接続するためのコネクタが提供される。そのコネ
クタは、電気的な接点を提供するためのコネクタピン
と、コネクタピン及びケーブルを保持するコネクタカバ
ーとを備えている。コネクタカバーは、コネクタピン及
びケーブルの接続部を覆う絶縁体からなる外層と、外層
内に設けられる磁性体の粉末とを含む。
【0031】この構成によると、コネクタピンあるいは
コネクタピンとケーブルとの接続部から放射された電波
はコネクタカバーの外層に含まれる磁性体の粉末に吸収
されるので、電波遮蔽性が改善される。
【0032】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器の第7の構成が提供される。その電子機器は、電
子回路が収容されるハウジングと、ハウジングの開口を
貫通するように設けられるケーブルと、ハウジングの開
口とケーブルとの間の隙間を塞ぐためのブッシング部材
とを備えている。ケーブルは電子回路に電気的に接続さ
れている。ブッシング部材は、ケーブルを囲む空洞を有
する外層と、外層の空洞内に充填された磁性体の粉末と
を含む。
【0033】この構成によると、ハウジングの開口とケ
ーブルとの間の隙間を通過しようとする電波はブッシン
グ部材に含まれる磁性体の粉末に吸収されるので、電波
遮蔽性に優れた電子機器の提供が可能になる。
【0034】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器を提供するのに適したブッシング部材が提供され
る。ブッシング部材は、電子機器のハウジングの開口と
開口を貫通するケーブルとの間の隙間を塞ぐために使用
可能である。ブッシング部材は、ケーブルを囲む空洞を
有する外層と、外層の空洞内に充填された磁性体の粉末
とを含む。
【0035】このブッシング部材を使用すると、電子機
器のハウジングの開口とケーブルとの間の隙間を通過し
ようとする電波はブッシング部材に含まれる磁性体の粉
末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。
【0036】本発明によると、電波遮蔽性を改善した電
子機器の第8の構成が提供される。その電子機器は、電
子回路が収容されるハウジングと、電子回路に電気的に
接続されるケーブルと、ケーブルをハウジングに固定す
るためのケーブルクランプとを備えている。ケーブルク
ランプは、ケーブルを囲む空洞を有する外層と、外層の
空洞内に充填された磁性体の粉末とを含む。
【0037】この構成によると、ケーブルから放射され
た電波はケーブルクランプに含まれる磁性体の粉末に吸
収されるので、電波遮蔽性が改善される。本発明による
と、電子機器のハウジングにケーブルを固定するための
ケーブルクランプが提供される。ケーブルクランプは、
ケーブルを囲む空洞を有する外層と、外層の空洞内に充
填された磁性体の粉末とを含む。
【0038】このケーブルクランプを使用すると、ケー
ブルから放射された電波はケーブルクランプに含まれる
磁性体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善され
る。本発明によると、電波遮蔽性を改善した電子機器の
第9の構成が提供される。その電子機器は、電子回路が
収容されるハウジングと、ハウジングに設けられ電子回
路に電気的に接続されるコネクタと、コネクタのハウジ
ングからの露出部分を覆うためにコネクタに着脱可能に
装着されるコネクタキャップとを備えている。コネクタ
キャップは、空洞を有する外層と、外層の空洞内に設け
られる磁性体の粉末とを含む。
【0039】この構成によると、コネクタから放射され
る電波はコネクタキャップに含まれる磁性体の粉末に吸
収されるので、電波遮蔽性に優れた電子機器の提供が可
能になる。
【0040】本発明によると、電波遮蔽性に優れた電子
機器を提供するのに適したコネクタキャップが提供され
る。コネクタキャップは、電子機器のハウジングに設け
られたコネクタのハウジングからの露出部分を覆うため
に使用可能である。コネクタキャップは、コネクタに着
脱可能に装着するための構造を有し且つ空洞を有する外
層と、外層の空洞内に設けられる磁性体の粉末とを備え
ている。
【0041】このコネクタキャップを使用すると、コネ
クタから放射され得る電波はコネクタキャップに含まれ
る磁性体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善さ
れる。
【0042】本発明によると、電子機器に弾性変形させ
て装着されるリング部材が提供される。リング部材は、
内部に閉じた空洞を有する弾性変形可能な柔軟な材質か
らなるリング状の外層と、外層の空洞内に充填された磁
性体の粉末とを備えている。
【0043】このリング部材は、例えば、前述のブッシ
ング部材と同様に、電子機器のハウジングの開口とその
開口を貫通するように設けられるケーブルとの間に介在
させることができる。それにより、ハウジングの開口と
ケーブルとの間の開口を通過しようとする電波はリング
部材の磁性体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改
善される。尚、リング部材の外層を弾性変形可能な柔軟
な材質から形成しているのは、ハウジングの開口等への
リング部材の装着状態の維持を確実にするためである。
【0044】本発明によると、電波遮蔽性を有する粘着
性テープが提供される。粘着性テープは、内部に空洞を
有する柔軟な材質からなる袋状のテープ基体と、テープ
基体の空洞に充填された磁性体の粉末と、テープ基体の
外面の少なくとも一部に設けられた粘着層とを備えてい
る。
【0045】この粘着性テープを電波放射源となり得る
物体に貼着すると、電波放射源からの電波はテープ基体
の空洞に充填された磁性体の粉末に吸収されるので、電
波遮蔽性が改善される。例えば、この粘着性テープは、
電波放射源としてのケーブルに巻回して使用可能であ
る。
【0046】本発明によると、電波遮蔽性を有する他の
粘着性テープが提供される。その粘着性テープは、第1
面及び第2面を有する柔軟な材質からなる帯状のテープ
基体と、テープ基体の第1面に設けられた粘着層と、テ
ープ基体の第2面に設けられた接着剤層と、接着剤層に
よりテープ基体の第2面の縁部を除き第2面上に設けら
れた磁性体の粉末と、磁性体の粉末を覆うように接着剤
層によりテープ基体の第2面上に固定された柔軟な材質
からなるコーティング材とを備えている。
【0047】この粘着性テープを電波放射源となり得る
物体に貼着すると、電波放射源からの電波は磁性体の粉
末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。テープ
基体及びコーティング材の各々は柔軟な材質から形成さ
れているので、この粘着性テープは、例えば、ケーブル
等の細い電波放射源にも適用可能である。即ち、粘着性
テープをケーブルに巻回することによって、ケーブルか
ら放射された電波は磁性体の粉末に吸収され、電波遮蔽
性が改善される。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の望ましい実施の形態を詳細に説明する。全図を通して
実質的に同一の部分には同一の符号が付されている。
【0049】図1は本発明による電子機器の実施形態を
示す斜視図である。電子機器は、コンピュータ、コンピ
ュータの周辺機器、伝送装置、電子レンジ、その他の機
器であり得る。この電子機器のハウジング2は、電波放
射源が収容される本体ハウジング2Aと、本体ハウジン
グ2Aを密閉するために本体ハウジング2Aの背面に固
定される蓋部材2Bと、本体ハウジング2Aの側面に設
けられる補助ハウジング2Cとからなる。ここでは、ハ
ウジング2内に収容される電波放射源は、デジタル回路
及び発振回路等の電子回路を各々提供するための複数の
プリント配線板4であるとする。
【0050】補助ハウジング2Cには、ここでは2つの
コネクタレセプタクル6が設けられている。各コネクタ
レセプタクル6は、図示しないケーブルあるいはリード
線によってプリント配線板4に電気的に接続されてい
る。
【0051】各コネクタレセプタクル6をケーブル8に
より他の電子機器により電気的に接続するために、ケー
ブル8の一端にはコネクタ10が設けられている。コネ
クタ10は各コネクタレセプタクル6に対して着脱可能
である。ケーブル8の他端には、例えば、図示しないI
/O機器(コンピュータの入出力装置)が接続されてい
る。
【0052】プリント配線板ユニット4、コネクタレセ
プタクル6、ケーブル8及びコネクタ10の各々に対す
る電波遮蔽性の改善については後述するとして、ここで
は、ハウジング2の電波遮蔽性の改善を説明する。
【0053】本体ハウジング2A、蓋部材2B及び補助
ハウジング2Cの各々は、金属から形成され、あるい
は、シールド層を含む複合積層構造を有しており、それ
により電波遮蔽性が生じている。しかし、本体ハウジン
グ2Aと蓋部材2Bとの間あるいは本体ハウジング2A
と補助ハウジング2Cとの間には隙間が形成され得るの
で、電波遮蔽性が不十分になることがある。。
【0054】そこで、この実施形態では、本発明に従う
コーキング材12及び14を、それぞれ、本体ハウジン
グ2Aと蓋部材2Bとの間に形成される隙間及び本体ハ
ウジング2Aと補助ハウジング2Cとの間に形成される
隙間に充填している。コーキング材12及び14の各々
は、磁性体の粉末を含む。例えば、磁性体の粉末が樹脂
等からなるパテ材に混入される。
【0055】この実施形態によると、ハウジング2の隙
間を通過しようとする電波はコーキング材12及び14
に含まれる磁性体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性
が改善される。
【0056】コーキング材12及び14の各々に含まれ
る磁性体の粉末としては、Mn−Zn系のフェライト
(鉄と他の金属との複合酸化物)の粉末を用いることが
できる。これにより、概略3GHzよりも低い周波数の
電波放射雑音を有効に吸収することができる。それより
も高い周波数の電波放射雑音を吸収するためには、例え
ば、球体のカルボニル鉄(Fe(CO)5 )の粉末を磁
性体の粉末として用いることができる。更に、数10M
Hz〜30GHzの広い周波数範囲の電波放射雑音を吸
収するためには、軟磁性材料であるFe−Si合金の粉
末を磁性体の粉末として用いるのがよい。この場合、特
に、粉末粒子を長さ数10μmで厚さ0.2μm〜0.
3μm程度の楕円形薄板にすることによって、広い周波
数範囲に渡って電波放射雑音を効果的に吸収することが
できる。
【0057】この実施形態は、蓋部材2B及び補助ハウ
ジング2Cをネジ止め等の機械的手段により本体ハウジ
ング2Aに取り付ける場合に生じる隙間に対して有効で
ある。機械的手段によらないで、例えば、接着剤を用い
て蓋部材2B及び補助ハウジング2Cの各々を本体ハウ
ジング2Aに固定してもよい。この場合、磁性体の粉末
を含む接着剤を用いることによって、図1の実施形態に
おけるのと同様に電波遮蔽性が改善される。
【0058】この場合、磁性体の粉末を含む接着剤は、
コーキング材12に代えて本体ハウジング2Aと蓋部材
2Bとの間の微小な隙間に介在し、あるいは、コーキン
グ材14に代えて本体ハウジング2Aと補助ハウジング
2Cとの間の微小な隙間に介在する。
【0059】図2は本発明によるプリント配線板ユニッ
トの実施形態を示す断面図である。このプリント配線板
ユニットは、例えば、図1のハウジング2内に収容され
る各プリント配線板ユニット4として用いることができ
る。
【0060】プリント配線板4は、第1面16A及び第
2面16Bを有するプリント配線板16と、プリント配
線板16の第1面16A上に実装される電子部品18と
を備えている。電子部品18は、トランジスタ、LSI
その他の能動素子あるいは抵抗、キャパシタその他の受
動素子である。
【0061】電子部品18はプリント配線板16上に形
成されている図示しない導体パターンにより相互に接続
されており、これにより、発振回路等の電波放射源とな
り得る電子回路が提供されている。符号20はプリント
配線板16の導体パターンに接続されるケーブルを表し
ている。ケーブル20によって、このプリント配線板ユ
ニット4と他のプリント配線板ユニットあるいはこのプ
リント配線板ユニット4とコネクタレセプタクル6(図
1参照)の電気的な接続が行われる。
【0062】この実施形態では、電子部品18を覆うよ
うにプリント配線板16の第1面16A及び第2面16
Bの双方を被覆するコーティング材22が採用されてい
る。コーティング材22は、絶縁性樹脂と、絶縁性樹脂
に混入された磁性体の粉末とを含む。磁性体の粉末とし
ては前述したものを用いることができ、絶縁性樹脂とし
ては、例えば、塩素化ポリエチレンを用いることができ
る。
【0063】コーティング材22を採用したことによ
り、プリント配線板16上の電子回路で発生した電波は
コーティング材22に含まれる磁性体の粉末に吸収さ
れ、電波遮蔽性が改善される。また、コーティング材2
2は、絶縁性樹脂に磁性体の粉末を混入して得られるの
で、コーティング材22それ自身も絶縁性となり、プリ
ント配線板16上の電子回路における短絡の虞はない。
【0064】図2の実施形態では、電子部品18がプリ
ント配線板16の第1面16Aのみに実装されている
が、第1面16A及び第2面16Bの双方に電子部品が
実装されていてもよい。
【0065】図3の(A)及び(B)は本発明による熱
収縮チューブの実施形態を示す断面図である。図3の
(A)はこの熱収縮チューブを熱収縮させる前の状態を
示しており、図3の(B)はこの熱収縮チューブを熱収
縮させた後の状態を示している。
【0066】この熱収縮チューブは、図3の(A)に示
されるように、加熱により収縮する外層24と、外層2
4の内面に密着して設けられる内層26とからなる。内
層26は、加熱により軟化する樹脂と、樹脂に混入され
た磁性体の粉末とを含む。
【0067】内層26の内部に形成される空洞内には、
図3の(A)に示されるように、例えば単心のケーブル
28が配置される。この状態で熱収縮チューブを加熱す
ると、内層26が軟化すると共に外層24は熱収縮す
る。
【0068】加熱の後熱収縮チューブが常温に戻ると、
図3の(B)に示されるように、外層24′の外径及び
内径は熱収縮前の外層24の外径及び内径よりもそれぞ
れ小さくなり、内層26′は外層24′とケーブル28
との間に密着して介在することとなる。
【0069】このように本実施形態によると、ケーブル
28から放射された電波は内層26′に含まれる磁性体
の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。外
層24の材質として絶縁体を用いることによって、ケー
ブル28の絶縁性を向上させることができる。また、熱
収縮性の外層24は通常防水機能を有しているので、こ
の熱収縮チューブはケーブル28に対する防水機能をも
有する。
【0070】図4の(A)及び(B)は図3の(A)及
び(B)に示される熱収縮チューブの他の適用形態を示
す断面図である。図4の(A)は熱収縮チューブを熱収
縮させる前の状態を示しており、図4の(B)は熱収縮
チューブを熱収縮させた後の状態を示している。
【0071】ここでは、単心のケーブル28に代えて複
心のケーブル30が用いられている。ケーブル30は、
各々導体からなる複数のケーブル心線32と、ケーブル
心線32を被覆する絶縁体34と、これらを覆うシール
ド層38と、絶縁体34間並びに絶縁体34及びシール
ド層38間の接触を防止するための緩衝体36とからな
る。
【0072】この実施形態によっても、ケーブル30か
ら放射された電波は熱収縮チューブの内層26に含まれ
る磁性体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善さ
れる。
【0073】図5の(A)及び図5の(B)は本発明に
よるケーブルの2つの実施形態を示す断面図である。図
5の(A)に示されるケーブルは、単心のケーブル(導
体からなるケーブル心線)28と、ケーブル心線28を
被覆する絶縁体からなる第1の層40と、第1の層40
に接着剤42により保持される第2の層44と、第2の
層44を被覆する第3の層46とからなる。
【0074】第2の層44は磁性体の粉末を含み、第3
の層46は柔軟性を有する絶縁体からなる。ここで、第
2の層44が接着剤42により第1の層40に保持され
るようにしているのは、第2の層44が磁性体の粉末だ
けからなる場合に製造技術上その粉末が第1の層40の
表面から脱落することを防止するためである。
【0075】この実施形態によると、ケーブル心線28
から放射された電波は第2の層44に含まれる磁性体の
粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。ま
た、最外層となる第3の層46は柔軟性を有しているの
で、このケーブルの耐久性が向上する。
【0076】図5の(B)に示される実施形態では、図
5の(A)に示されるケーブル心線28に代えて、図4
の(A)及び図4の(B)に示される複心のケーブル3
0が用いられている。
【0077】この実施形態によっても、ケーブル30か
ら放射された電波は第2の層44に含まれる磁性体の粉
末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。図6は
本発明によるコネクタの実施形態を示す断面図である。
このコネクタは図1に示されるコネクタ10として用い
ることができる。
【0078】ここでは、ケーブル8は図4の(A)及び
図4の(B)に示される複心のケーブル30を含むもの
とする。ケーブル8から引き出された各ケーブル心線3
2は、図1に示される各コネクタレセプタクル6との電
気的な接点を提供するための導体からなる複数のコネク
タピン48の各々に例えば半田付けにより接続されてい
る。
【0079】ケーブル8及びコネクタピン48はコネク
タカバー50により保持されている。コネクタカバー5
0は、絶縁体からなる外層52と、外層52内に設けら
れる磁性体の粉末とを含む。外層52は、ケーブル心線
32の引出し部分及びケーブル心線32とコネクタピン
48との接続部を覆うような形状に、例えば絶縁性樹脂
の押し出し成形により提供され得る。
【0080】この構成によると、ケーブル心線32それ
自身あるいはケーブル心線32とコネクタピン48との
接続部から放射された電波はコネクタカバー50の磁性
体の粉末に吸収されるので、電波遮蔽性が改善される。
【0081】特に、この実施形態では、コネクタカバー
50の製造を容易にするために、外層52には磁性体の
粉末54を注入するための注入口52Aが形成されてい
る。磁性体の粉末54を注入口52Aから外層52の内
部に注入した後に、注入口52Aを例えば接着剤からな
る充填材により塞ぐことによって、本発明によるコネク
タを容易に製造することができる。
【0082】図7は本発明によるブッシング部材の実施
形態を示す断面図である。このブッシング部材は図1に
示される電子機器のハウジング2に適用することができ
る。図1には図示しないが、ハウジング2にはケーブル
8′が貫通するための開口2aが形成されており、ケー
ブル8′は例えばプリント配線板ユニット4(図1参
照)のいずれかに電気的に接続されている。
【0083】ハウジング2の開口2aとケーブル8′と
の間の隙間を塞ぐために、ブッシング部材58が用いら
れている。ブッシング部材58は、ケーブル8′を囲む
空洞60Aを有する外層60と、外層60の空洞60A
内に充填された磁性体の粉末62とから構成される。外
層60は例えば合成ゴム等の絶縁性の弾性体から形成さ
れている。
【0084】外層58は、ハウジング2に係合するため
の溝を有するように予め一体成形されていてもよいし、
外層60の弾性変形によってブッシング部材58をハウ
ジング2の開口2aに装着するようにされていてもよ
い。
【0085】このブッシング部材58を用いると、ハウ
ジング2の開口2aとケーブル8′との間の隙間を通過
しようとする電波は磁性体の粉末62に吸収されるの
で、電子機器の電波遮蔽性が改善される。
【0086】特に、この実施形態では、ブッシング部材
58の外層60には磁性体の粉末62を注入するための
注入口60Bが形成されている。外層60の空洞60A
内に磁性体の粉末62を充填した後に、注入口60Bを
接着剤等の充填材64で塞ぐことによって、このような
複合構造のブッシング部材58を容易に製造することが
できる。
【0087】図8の(A)は本発明によるケーブルクラ
ンプの実施形態を示す斜視図、図8の(B)は図8の
(A)におけるA−A′線に沿ったケーブルクランプの
断面図である。
【0088】図8の(A)に示されるように、電子機器
のハウジング2の外面又は内面には、ケーブル8″を固
定するためにケーブルクランプ66が設けられている。
ケーブルクランプ66は、ハウジング2に密着する第1
の部分68と、第1の部分68にヒンジ70により開閉
可能に設けられる第2の部分72とからなる。第1の部
分68と第2の部分72との間にケーブル8″が挟まれ
るようにして、ケーブルクランプ66は例えばネジ74
によりハウジング2に固定される。図8の(B)に示さ
れるように、第1の部分68及び第2の部分72の各々
は、ケーブル8″を囲む空洞76Aを有する外層76
と、外層76の空洞76A内に充填された磁性体の粉末
78とを含む。
【0089】この構成によると、ケーブル8″から放射
された電波は磁性体の粉末78に吸収されるので、電子
機器の電波遮蔽性が改善される。ヒンジ70は第1の部
分68と第2の部分72と別体であってもよいし、一体
であってもよい。一体である場合には、外層76は弾性
変形可能な材質から形成することができ、この場合、樹
脂の押し出し成形等によりケーブルクランプ66を容易
に製造することができる。特にこの実施形態では、外層
76には磁性体の粉末78を注入するための注入口76
Bが形成されており、注入口76Bを介して磁性体の粉
末78が外層76の内部に注入された後に、注入口76
Bは接着剤等の充填材80により充填されている。これ
により、ケーブルクランプ66を容易に製造することが
できる。
【0090】図9は本発明によるコネクタキャップの実
施形態を示す断面図である。このコネクタキャップは図
1に示されるコネクタレセプタクル6の各々に使用する
ことができる。
【0091】符号82はコネクタレセプタクル6をプリ
ント配線板ユニット4(図1参照)に電気的に接続する
ためのケーブルを表している。コネクタレセプタクル6
のハウジング2からの露出部分を覆うために、コネクタ
レセプタクル6にはコネクタキャップ84が着脱可能に
装着される。
【0092】コネクタキャップ84は、空洞86Aを有
する外層86と、外層86の空洞86A内に設けられる
磁性体の粉末88とを含む。この実施形態によると、特
にコネクタ10(図1参照)が装着されていないコネク
タレセプタクル6にコネクタキャップ84を装着してお
くことによって、そのコネクタレセプタクル6から放射
された電波は磁性体88に吸収されるので、電子機器の
電波遮蔽性が改善される。
【0093】特にこの実施形態では、コネクタキャップ
84の外層86には、磁性体の粉末88を注入するため
の注入口86Bが形成されている。注入口86Bを介し
て磁性体の粉末88を空洞86A内に注入した後に、注
入口86Bを接着剤等の充填材90により塞ぐことによ
って、コネクタキャップ84を容易に製造することがで
きる。外層86は例えば樹脂の押し出し成形により一体
的に形成することができる。
【0094】図10は本発明によるリング部材の実施形
態を示す破断斜視図である。リング部材92は、内部に
閉じた空洞94Aを有するリング状の外層94と、外層
94の空洞94A内に充填された磁性体の粉末96とか
らなる。外層94は柔軟な材質から形成されている。
【0095】この構成によると、リング部材92を自由
に弾性変形させて電子機器に装着して、電子機器の電波
遮蔽性を改善することができる。具体的には次の通りで
ある。
【0096】図11は図10に示されるリング部材92
の使用形態を示す斜視図である。電子機器のハウジング
2には、ケーブル8′の取り出し口2bあるいは図7に
示される開口2aが形成されている。ここでは、取り出
し口2bによって概略直方体形状の空間が画成されてい
るものとし、ケーブル8′がリング部材92を貫通する
ようにリング部材92は取り出し口2b内に装着されて
いる。
【0097】このようにリング部材92を使用すること
によって、ケーブル8′とハウジング2のケーブル取り
出し口2bとの間の隙間を通過しようとする電波は磁性
体の粉末96(図10参照)に吸収されるので、電子機
器の電波遮蔽性が改善される。
【0098】図12は本発明による粘着性テープの実施
形態を示す断面図である。柔軟な材質からなる袋状のテ
ープ基体98は、内部に空洞98Aを有している。テー
プ基体98の空洞98A内には、接着剤104を介して
磁性体の粉末100が充填されている。そして、テープ
基体98の外面の少なくとも一部には粘着層102が設
けられている。
【0099】この構成によると、テープ基体98が柔軟
な材質から形成されているので、この粘着性テープを自
由に変形させて粘着層102により電波遮蔽性を改善す
べき対象物にこの粘着性テープを容易に貼り付けること
ができる。それにより、対象物から放射され得る電波は
磁性体の粉末100に吸収されるので、対象物の電波遮
蔽性を改善することができる。
【0100】例えば、この粘着性テープをケーブルに巻
回することによって、ケーブルから放射される電波を有
効に吸収することができる。尚、接着剤104をテープ
基体98と磁性体の粉末100との間に介在させている
のは、磁性体の粉末100が空洞98A内で不所望に移
動してこの粘着性テープが変形することを防止するため
である。
【0101】図13は本発明による粘着性テープの他の
実施形態を示す断面図である。この粘着性テープのテー
プ基体106は、実質的に平行な第1面106A及び第
2面106Bを有している。即ち、テープ基体106は
帯状である。テープ基体106は柔軟な材質からなる。
【0102】第1面106Aには粘着層108が設けら
れている。第2面106Bには接着剤層110が設けら
れている。磁性体の粉末112が、テープ基体106の
第2面106Bの縁部を除き第2面106B上に接着剤
層110により保持されている。また、磁性体の粉末1
12を覆うように、コーティング材114が接着剤層1
10によりテープ基体106の第2面106B上に固定
されている。コーティング材114は柔軟な材質から形
成される。
【0103】この粘着性テープによっても、磁性体の粉
末112が設けられていることにより、図12に示され
る粘着性テープを用いた場合と同様の効果を得ることが
できる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
電波遮蔽性を改善した電子機器の提供が可能になるとい
う効果が生じる。また、本発明によると、そのような電
子機器を得るのに適した、電子機器の構成部品及び電子
機器に適用可能な補助部品を提供することができるよう
になるという効果も生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による電子機器の実施形態を示す
斜視図である。
【図2】図2は本発明によるプリント配線板ユニットの
実施形態を示す断面図である。
【図3】図3の(A)及び(B)は本発明による熱収縮
チューブの実施形態を示す断面図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は本発明による熱収縮
チューブの他の適用形態を示す断面図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は本発明によるケーブ
ルの実施形態を示す断面図である。
【図6】図6は本発明によるコネクタの実施形態を示す
断面図である。
【図7】図7は本発明によるブッシング部材の実施形態
を示す断面図である。
【図8】図8の(A)は本発明によるケーブルクランプ
の実施形態を示す斜視図、図8の(B)は図8の(A)
におけるA−A′線に沿ったケーブルクランプの断面図
である。
【図9】図9は本発明によるコネクタキャップの実施形
態を示す断面図である。
【図10】図10は本発明によるリング部材の実施形態
を示す破断斜視図である。
【図11】図11は図10に示されるリング部材の使用
形態を示す斜視図である。
【図12】図12は本発明による粘着性テープの実施形
態を示す断面図である。
【図13】図13は本発明による粘着性テープの他の実
施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 電子機器のハウジング 2A 本体ハウジング 2B 蓋部材 2C 補助ハウジング 4 プリント配線板ユニット 6 コネクタレセプタクル 8 ケーブル 10 コネクタ 12,14 コーキング材

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波放射源と、 該電波放射源が収容される電波遮蔽性を有する本体ハウ
    ジングと、 該本体ハウジングを密閉するための電波遮蔽性を有する
    蓋部材と、 上記本体ハウジング及び上記蓋部材の間に形成される隙
    間に充填されるコーキング材とを備え、 該コーキング材は磁性体の粉末を含む電子機器。
  2. 【請求項2】 電波放射源と、該電波放射源が収容され
    る電波遮蔽性を有する本体ハウジングと、 該本体ハウジングの外面に実装される電波遮蔽性を有す
    る補助ハウジングと、 上記本体ハウジング及び上記補助ハウジングの間に形成
    される隙間に充填されるコーキング材とを備え、 該コーキング材は磁性体の粉末を含む電子機器。
  3. 【請求項3】 電波放射源が収容される電波遮蔽性を有
    するハウジングの隙間に充填されるコーキング材であっ
    て、 磁性体の粉末を含むコーキング材。
  4. 【請求項4】 電波放射源と、 該電波放射源が収容される電波遮蔽性を有する本体ハウ
    ジングと、 該本体ハウジングを密閉するために該本体ハウジングに
    より接着剤により固定される電波遮蔽性を有する蓋部材
    とを備え、 上記接着剤は磁性体の粉末を含む電子機器。
  5. 【請求項5】 電波放射源と、 該電波放射源が収容される電波遮蔽性を有する本体ハウ
    ジングと、 該本体ハウジングの外面に接着剤により実装される電波
    遮蔽性を有する補助ハウジングとを備え、 上記接着剤は磁性体の粉末を含む電子機器。
  6. 【請求項6】 電波放射源が収容される電波遮蔽性を有
    するハウジングに電波遮蔽性を有する他の部材を固定す
    るための接着剤であって、 磁性体の粉末を含む接着剤。
  7. 【請求項7】 電波放射源としてのプリント配線板ユニ
    ットを有する電子機器であって、 上記プリント配線板ユニットは、 第1面及び第2面を有するプリント配線板と、 該プリント配線板の第1面及び第2面の少なくとも一方
    に実装される電子部品と、 該電子部品を覆うように上記プリント配線板の第1面及
    び第2面の双方を被覆するコーティング材とを備え、 該コーティング材は、絶縁性樹脂と、該絶縁性樹脂に混
    入された磁性体の粉末とを含む電子機器。
  8. 【請求項8】 第1面及び第2面を有するプリント配線
    板と、 該プリント配線板の第1面及び第2面の少なくとも一方
    に実装される電子部品と、 該電子部品を覆うように上記プリント配線板の第1面及
    び第2面の双方を被覆するコーティング材とを備え、 該コーティング材は、絶縁性樹脂と、該絶縁性樹脂に混
    入された磁性体の粉末とを含むプリント配線板ユニッ
    ト。
  9. 【請求項9】 電波放射源となり得る電子部品が実装さ
    れるプリント配線板を被覆するためのコーティング材で
    あって、 絶縁性樹脂と、該絶縁性樹脂に混入された磁性体の粉末
    とを含むコーティング材。
  10. 【請求項10】 電波放射源となり得るケーブルを被覆
    するための熱収縮チューブであって、 加熱により収縮する外層と、 該外層の内面に密着して設けられる内層とを備え、 該内層は、加熱により軟化する樹脂と、該樹脂に混入さ
    れた磁性体の粉末とを含む熱収縮チューブ。
  11. 【請求項11】 導体からなるケーブル心線と、 該ケーブル心線を被覆する絶縁体からなる第1の層と、 該第1の層に接着剤により保持される磁性体の粉末を含
    む第2の層と、 該第2の層を被覆する柔軟性を有する絶縁体からなる第
    3の層とを備えたケーブル。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のケーブルであっ
    て、 上記ケーブル心線は複数のケーブル心線からなり、 上記第1の層と上記第2の層との間に介在する導体から
    なるシールド層を更に備えたケーブル。
  13. 【請求項13】 電子回路が収容されるハウジングと、 該ハウジングに設けられ上記電子回路に電気的に接続さ
    れる第1のコネクタと、 該第1のコネクタに着脱可能に接続され該第1のコネク
    タをケーブルに電気的に接続するための第2のコネクタ
    とを備え、 該第2のコネクタは、上記第1のコネクタとの電気的な
    接点を提供するためのコネクタピンと、該コネクタピン
    及び上記ケーブルを保持するコネクタカバーとを有し、 該コネクタカバーは、上記コネクタピン及び上記ケーブ
    ルの接続部を覆う絶縁体からなる外層と、該外層内に設
    けられる磁性体の粉末とを含む電子機器。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の電子機器であっ
    て、 上記コネクタカバーの外層は上記磁性体の粉末を注入す
    るための注入口を有しており、 該注入口を塞ぐための充填材を更に備えた電子機器。
  15. 【請求項15】 電子機器とケーブルを電気的に接続す
    るためのコネクタであって、 電気的な接点を提供するためのコネクタピンと、 該コネクタピン及び上記ケーブルを保持するコネクタカ
    バーとを備え、 該コネクタカバーは、上記コネクタピン及び上記ケーブ
    ルの接続部を覆う絶縁体からなる外層と、該外層内に設
    けられる磁性体の粉末とを含むコネクタ。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のコネクタであっ
    て、 上記コネクタカバーの外層は上記磁性体の粉末を注入す
    るための注入口を有しており、 該注入口を塞ぐための充填材を更に備えたコネクタ。
  17. 【請求項17】 電子回路が収容されるハウジングと、 該ハウジングの開口を貫通するように設けられ上記電子
    回路に電気的に接続されるケーブルと、 上記ハウジングの開口と上記ケーブルとの間の隙間を塞
    ぐためのブッシング部材とを備え、 該ブッシング部材は、上記ケーブルを囲む空洞を有する
    外層と、該外層の空洞内に充填された磁性体の粉末とを
    含む電子機器。
  18. 【請求項18】 電子機器のハウジングの開口と該開口
    を貫通するケーブルとの間の隙間を塞ぐためのブッシン
    グ部材であって、 上記ケーブルを囲む空洞を有する外層と、該外層の空洞
    内に充填された磁性体の粉末とを備えたブッシング部
    材。
  19. 【請求項19】 電子回路が収容されるハウジングと、 上記電子回路に電気的に接続されるケーブルと、 該ケーブルを上記ハウジングに固定するためのケーブル
    クランプとを備え、 該ケーブルクランプは、上記ケーブルを囲む空洞を有す
    る外層と、該外層の空洞内に充填された磁性体の粉末と
    を含む電子機器。
  20. 【請求項20】 電子機器のハウジングにケーブルを固
    定するためのケーブルクランプであって、 上記ケーブルを囲む空洞を有する外層と、該外層の空洞
    内に充填された磁性体の粉末とを備えたケーブルクラン
    プ。
  21. 【請求項21】 電子回路が収容されるハウジングと、 該ハウジングに設けられ上記電子回路に電気的に接続さ
    れるコネクタと、 該コネクタの上記ハウジングからの露出部分を覆うため
    に上記コネクタに着脱可能に装着されるコネクタキャッ
    プとを備え、 該コネクタキャップは、空洞を有する外層と、該外層の
    空洞内に設けられる磁性体の粉末とを含む電子機器。
  22. 【請求項22】 電子機器のハウジングに設けられたコ
    ネクタの上記ハウジングからの露出部分を覆うためのコ
    ネクタキャップであって、 上記コネクタに着脱可能に装着するための構造を有し且
    つ空洞を有する外層と、該外層の空洞内に設けられる磁
    性体の粉末とを備えたコネクタキャップ。
  23. 【請求項23】 電子機器に弾性変形させて装着される
    リング部材であって、 内部に閉じた空洞を有する弾性変形可能な柔軟な材質か
    らなるリング状の外層と、 該外層の空洞内に充填された磁性体の粉末とを備えたリ
    ング部材。
  24. 【請求項24】 電波遮蔽性を有する粘着性テープであ
    って、 内部に空洞を有する柔軟な材質からなる袋状のテープ基
    体と、 該テープ基体の空洞に充填された磁性体の粉末と、 上記テープ基体の外面の少なくとも一部に設けられた粘
    着層とを備えた粘着性テープ。
  25. 【請求項25】 電波遮蔽性を有する粘着性テープであ
    って、 第1面及び第2面を有する柔軟な材質からなる帯状のテ
    ープ基体と、 該テープ基体の第1面に設けられた粘着層と、 上記テープ基体の第2面に設けられた接着剤層と、 該接着剤層により上記テープ基体の第2面の縁部を除き
    上記第2面上に設けられた磁性体の粉末と、 該磁性体の粉末を覆うように上記接着剤層により上記テ
    ープ基体の第2面上に固定された柔軟な材質からなるコ
    ーティング材とを備えた粘着性テープ。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001185891A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Nec Corp ノイズ除去フィルタの取り付け構造
JP2018018585A (ja) * 2016-07-25 2018-02-01 国立大学法人信州大学 磁性粉被覆導線、磁性粉被覆コイル及びその製造方法
KR102316505B1 (ko) * 2020-05-28 2021-10-22 한국전력기술 주식회사 스마트계기 전자 하우징의 삼중화 기밀 장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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