JPH11135306A - 酸化亜鉛形避雷器 - Google Patents

酸化亜鉛形避雷器

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JPH11135306A
JPH11135306A JP9293714A JP29371497A JPH11135306A JP H11135306 A JPH11135306 A JP H11135306A JP 9293714 A JP9293714 A JP 9293714A JP 29371497 A JP29371497 A JP 29371497A JP H11135306 A JPH11135306 A JP H11135306A
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JP
Japan
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zinc oxide
arrester
lightning arrester
insulating material
lightning
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JP9293714A
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English (en)
Inventor
Kiyoji Toyosaki
喜代治 豊崎
Masatoshi Nakajima
昌俊 中島
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸方向の熱伝達を容易にして、避雷器本体の冷
却効率を向上させることによって避雷素子の熱劣化を低
減して寿命を延長させる。 【解決手段】短い円柱状の避雷素子150を複数個重ね
てなる避雷器本体15、この避雷器本体15を収納して
同心状に設けられた絶縁筒17、避雷器本体の両端をそ
れぞれ支持するとともに電位を与える上部、下部金具1
3,19、絶縁筒17並びに金具13,19を覆ってな
る絶縁被覆16を備えた酸化亜鉛形避雷器において、絶
縁筒17を窒化アルミニウムのような良伝熱性絶縁材で
形成して軸方向の熱伝達をよくして、避雷器本体15の
冷却効率を高めて避雷素子の熱劣化の促進を抑制して避
雷器の寿命を延長する。従来の絶縁筒内面にダイアモン
ド又は立方晶窒化ほう素を蒸着させる構成を採用しても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力系統に設置
されて、急峻かつ高電圧の雷サージや開閉サージが系統
に発生又は侵入したときに、系統に設けられている電気
機器が絶縁損傷を起こさないように過電圧を制限するた
めに設けられる酸化亜鉛形避雷器に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛からなる非線形抵抗素子はその
優れた特性から、低電圧の電子機器から超高圧の電力系
統の広い電圧の範囲の回路での過電圧制限のための装置
の素子として広く使用されている。図1は高電圧の送電
系統の過電圧保護のために送電鉄塔に取付けられる酸化
亜鉛形避雷器の断面図である。この図において、短い円
柱状の避雷素子150が多数重ねられてなる避雷器本体
15が形成され、この避雷器本体15と同心状に囲む絶
縁筒17が設けられている。絶縁筒17は一般に商品名
FRPと呼ばれているガラス繊維強化合成樹脂からなっ
ている。避雷器本体15はその上下端を上部金具13と
下部金具19とによって挟まれた形で支持されている。
また、上部金具13と下部金具19とは絶縁筒17によ
って連結されている。絶縁筒17には雄ねじが切られて
いて、これに対応する雌ねじが上部金具13と下部金具
19の下金具とにそれぞれ切られていて前述のように機
械的に連結されているものである。避雷器本体15はば
ね20の反発力で一定の締付け力が与えられて熱的、機
械的かつ電気的に一体になっている。
【0003】避雷器全体は支持金具12の周囲の一点鎖
線で示すボルトによって送電線から突き出された腕に固
定される。上部金具13、下部金具19にそれぞれ放圧
孔14,22が設けられており、絶縁筒17の外側は外
被覆16で覆われている。この外被覆16は熱収縮ゴム
製のものでその外径側には図示のようにひだが設けられ
ている。放圧孔14,22は避雷器の内部でアークが発
生したときに爆発するのを防ぐためで、通常は放圧孔1
4,22の半径方向に開口している部分を外被覆16が
覆っていて、内部でアークが発生して内圧が上昇したと
きに開口部の外被覆16が膨らんで外部と連通し内部ガ
スが外部に噴出することによって内圧上昇が抑制され
る。定常時には外被覆16が放圧孔14,22を塞いで
内部を密封した状態になっていて、その内部には窒素ガ
スや絶縁ガスなどの不活性ガスが封入されている。多く
のこの種の避雷器では絶縁筒17と外被覆16の代わり
に碍子が使用された構成が一般である。図1のような構
成が採用されるのは避雷器の軽量化のためであり、この
避雷器が支持金具12によって送電鉄塔の腕に吊り下げ
られて使用されるので、軽量化によってこの腕の強度を
小さくできるとともに避雷器そのものの強度も小さく製
作できてコストダウンにつながるからである。
【0004】避雷器本体15は制限電圧といわれる一定
の電圧を越えない電圧が印加されているときには絶縁材
と同様の高抵抗であり、制限電圧を越えた電圧が印加さ
れると低抵抗となって電流が流れ、そのために避雷器本
体15が接続されている送電線の電圧を制限電圧に近い
電圧に抑制する働きをする。避雷器本体15はこのよう
に非線形特性を持っているのであるが、その特性は時間
とともに劣化することが知られている。
【0005】避雷器本体15の劣化の要因の一つは制限
電圧以上の電圧の印加によるもので、この場合にはこの
ような電圧の印加回数に応じて劣化が進む。もう一つの
要因は熱劣化で、特に制限電圧以上の電圧が印加されて
電流が流れることによる抵抗損が避雷器本体15を加熱
して生ずる温度上昇が熱劣化の大きな要因である。劣化
による特性の変化の中で、特に印加電圧が制限電圧以下
のときの抵抗が低下し漏れ電流が増大することの影響が
最も大きい。漏れ電流が増大すると避雷器本体15の抵
抗損が増大して避雷器本体15の温度が上昇して更に劣
化を促進し最終的には避雷器本体15が熱破壊を起こし
てしまう。したがって、漏れ電流の増大を検出して一定
値以上になったら避雷器を取り替えるという対策がとら
れることもある。
【0006】避雷器本体15に制限電圧以上の電圧が印
加されたときに流れる電流は非常に短い時間だけ流れる
ので、抵抗損は全て避雷器本体15の温度上昇に消費さ
れ、その後時間経過とともに温度は低下する。したがっ
て、電流が流れた直後の最高温度を低減することはでき
ないが、その後の温度を速やかに低下させるために冷却
効率を向上させることによって高温状態をなるべく短い
期間に低減することができれば温度による避雷器本体1
5の劣化の進み具合も低減して避雷器の寿命を延長する
ことができる。
【0007】このような避雷器の使用可能な期間すなわ
ち寿命を延ばすために、避雷器本体15の温度上昇を抑
制する構成が採用されることがある。例えば、避雷素子
150の積層面に避雷素子150の直径よりも大きな直
径の金属板を挟んで、この金属板の積層面から外径側に
つば状に張り出した部分を冷却器にする構成(特開平−
279402号公報)である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように避雷素子
150の間に金属板を挿入する構成を採用した場合、半
径方向の熱伝導は改善されるが、軸方向の熱伝導は余り
改善されないという問題がある。絶縁筒15は避雷素子
15の位置ずれを防止する機能も持っているので、この
絶縁筒15と避雷器本体15との間の隙間であるガス空
間の半径方向寸法は小さいので、この部分でのガスの対
流による熱伝達は余り期待できないので前述の問題が解
消されない。
【0009】この発明の目的はこのような問題を解決
し、軸方向の熱伝達を良くして、避雷器本体の冷却効率
を向上させて、制限電圧以上の電圧が印加されて避雷器
本体の温度が上昇した後の温度低下を速やかにして避雷
器本体の熱劣化を低減して寿命が延長する酸化亜鉛形避
雷器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明によれば、短い円柱状の避雷素子を複数個重
ねてなる避雷器本体、この避雷器本体を収納して同心状
に設けられた絶縁筒、避雷器本体の両端をそれぞれ支持
するとともに電位を与える金具及び絶縁筒並びに金具を
覆ってなる絶縁材からなる絶縁被覆を備えた酸化亜鉛形
避雷器において、絶縁筒を良伝熱性絶縁材で形成した構
成を採用すれば、この絶縁筒を半径方向に流れる熱の伝
達とともに軸方向の熱伝達がよくなって、避雷器の熱が
この絶縁筒を介して半径方向や軸方向に伝わって避雷器
が動作したことによって発生した熱をより速く外部に伝
達して避雷器本体の冷却効果を高める。良伝熱性絶縁材
としては窒化アルミニウムが適している。
【0011】また、絶縁筒を良伝熱性絶縁材で製作する
代わりに、従来の絶縁筒の内面に良伝熱性絶縁材を付着
させることによって、この良伝熱性絶縁材によって軸方
向の熱伝導がよくなるので、避雷器本体に発生した熱を
軸方向に効率よく伝達して避雷器本体の冷却効果を高め
る。このときの絶縁筒に付着させる良伝熱性絶縁材とし
ては、ダイアモンドを蒸着して形成された皮膜又は立方
晶窒化ほう素を蒸着して形成された皮膜が適している。
【0012】短い円柱状の避雷素子を複数個重ねてなる
避雷器本体、この避雷器本体を収納して同心状に設けら
れた絶縁筒、避雷器本体の両端を支持するとともに電位
を与える金具及び絶縁筒並びに金具を覆ってなる絶縁材
からなる絶縁被覆を備えた酸化亜鉛形避雷器において、
それぞれの避雷素子の外径表面に良伝熱性絶縁材を付着
させることによって、このような避雷素子を積み重ねて
なる避雷器本体の外径表面には軸方向に連続した良伝熱
性絶縁材が形成されるので、前述と同様に軸方向の熱伝
導による避雷器本体の冷却効果が高められる。この場
合、それぞれの避雷素子に付着させる良伝熱性絶縁材
は、窒化アルミニウムの薄板、避雷素子の外径表面に蒸
着して形成したダイアモンドの皮膜、避雷素子の外径表
面に蒸着して形成した立方晶窒化ほう素の皮膜のいずれ
かであればよい。
【0013】短い円柱状の避雷素子を複数個重ねてなる
避雷器本体、この避雷器本体を収納して同心状に設けら
れた絶縁筒、避雷器本体の両端を支持するとともに電位
を与える金具及び絶縁筒並びに金具を覆ってなる絶縁材
からなる絶縁被覆を備えた酸化亜鉛形避雷器において、
避雷器本体の外径表面に等配に窒化アルミニウムからな
る板を軸方向の全長にわたって密着させて設ければ、前
述のそれぞれの避雷素子に良伝熱性絶縁材を付着させる
のと同様に軸方向の熱伝達を高めることができる。
【0014】前述の絶縁筒の熱伝導特性を改善する構成
と避雷器本体に直接熱的に結合して設けた良伝熱性絶縁
材とを併用すれば、両方の構成による避雷器本体の冷却
効果を高める効果が加算されてより効果的に冷却され
る。また、絶縁筒の熱伝導特性を改善する構成と従来避
雷器に採用されている避雷素子の間に金属板を挟み込む
構成を併用して両構成による避雷器本体の冷却効果を更
に高めることができる。
【0015】避雷器本体に良伝熱性絶縁材を直接設けて
軸方向の熱伝導を改善する構成と前述の避雷素子の間に
金属板を挟み込み、この金属板と良伝熱性絶縁材との間
を熱的に結合した構成を採用すれば、それぞれの避雷素
子の熱は金属板を介して軸方向に熱を伝導する良伝熱性
絶縁材に伝わってより効果的に冷却される。また、この
ような避雷器に前述の良伝熱性絶縁材からなる又は良伝
熱性絶縁材を付着させた絶縁筒を採用することによって
も更に冷却効果が高まる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下この発明を実施例に基づいて
説明する。図1はこの発明の第1の実施例を示す酸化亜
鉛形避雷器である。この図は前述のように従来の技術の
説明でも使用したが構造的にはこの第1の実施例はこの
図と同じなので流用する。この図における従来の技術と
異なる点は絶縁筒17の材質である。すなわち、この実
施例における絶縁筒17の材質は窒化アルミニウムから
なっている。この窒化アルミニウムは勿論絶縁材である
が、従来の絶縁筒17の材料であるガラス強化合成繊維
に比べてはるかに熱伝導率の大きな材料である。したが
って、窒化アルミニウムからなる絶縁筒17を採用する
ことによって、半径方向の熱伝達が改善されるととも
に、特に軸方向の熱伝達の効率が向上するという利点が
ある。
【0017】
【表1】 表1はガラス強化合成繊維(FRP)と窒化アルミニウ
ムとの熱伝導率と抵抗率とを比較する表であり、ついで
に後述のこの発明の実施例に使用される材料も併記して
ある。この図において、窒化アルミニウムの熱伝導率は
180(W/m・K、単位は以下同じ)でガラス強化合
成繊維の0.42に比べて2桁以上大きく、金属の中で
も良伝熱材である銅の380と比較してもその3分の1
以上の値になっている。
【0018】このように窒化アルミニウムの熱伝導率が
大きいことから前述のように軸方向の熱伝達が向上して
避雷器本体15の冷却効果を改善する。なお、窒化アル
ミニウムの抵抗率はFRPの10分の1であるが、絶縁
筒として要求される抵抗率は充分に満足している。軸方
向の熱伝達を向上することによって単に個々の避雷素子
150の上昇した温度の低下速度を大きくするだけでな
く、それぞれの避雷素子150の軸方向の温度低下の不
平衡も改善するという利点がある。
【0019】特定の避雷素子150の温度低下速度が小
さいと、その避雷素子の熱劣化の速度が早まって制限電
圧以下の電圧が印加されている状態での抵抗値が他の避
雷素子よりも小さくなるために分担電圧が小さく、した
がって他の避雷素子の分担電圧が大きくなり、その結果
他の避雷素子の劣化を促進するという結果になって、結
局避雷器そのものの寿命を短くさせる要因になる。すな
わち、劣化の程度はそれぞれの避雷素子の劣化程度の平
均値ではなく最も劣化程度の大きいものによって決まっ
てしまう。このことから、温度低下速度を平衡させるこ
とも避雷器の寿命を長くする上で重要な効果を上げるこ
とができる。
【0020】この発明の第2の実施例は従来のガラス強
化合成繊維からなる絶縁筒17の内表面に良伝熱性絶縁
材を付着させた構成である。表1に示すように、ダイア
モンドや立方晶窒化ほう素は銅の数倍の熱伝導率を持つ
良伝熱性絶縁材である。このような良伝熱性絶縁材をガ
ラス強化合成繊維製の絶縁筒17に付着させれば、第1
の実施例と同様に軸方向の熱伝達を向上させることがで
きる。これらダイアモンドや立方晶窒化ほう素を絶縁筒
17内面に付着させて皮膜を形成するには蒸着による。
【0021】図2はこの発明の第3の実施例である避雷
素子の斜視図である。この図において、図1の避雷素子
150の表面にダイアモンド又は立方晶窒化ほう素の良
伝熱性絶縁材31を蒸着させて避雷素子150Aとした
ものである。このような避雷素子150Aを積層して図
1の避雷器本体15と同様に構成すると、避雷器本体1
5Aの表面は良伝熱性絶縁材31が軸方向に連なった構
成になる。その結果、第1、第2の実施例と同じように
軸方向の熱伝達が向上して、それぞれの避雷素子150
の温度低下速度が大きくなるとともに、個々の避雷素子
150ごとの温度低下速度の不平衡も小さくなる。な
お、良伝熱性絶縁材31として前述のように蒸着によっ
てダイアモンド又は立方晶窒化ほう素の皮膜を形成する
構成のほかに前述の窒化アルミニウムの薄板を巻き付け
る構成であってもよい。どのような構成、材料を採用す
るかはその材料価格、製作方法の難易度、熱伝達向上の
効果などを考慮して最適のものを採用すればよい。
【0022】図3はこの発明の第4の実施例を示す避雷
器本体の下部拡大断面図である。この図において、避雷
器本体15Bは図2の避雷素子150Aの積層間に前述
の冷却効果を改善した従来の避雷器と同様に金属板41
を挿入したものである。金属板41は良伝熱性絶縁材3
1との熱伝達が良好になるように図のように軸方向に立
ったリング部を設けてある。このリング部は必ず必要で
あるという訳ではなく、避雷素子150Aの外径よりも
少し突き出る程度の直径としただけでもよい。
【0023】図のように金属板41を設ければ避雷器本
体15Bの中心近くの熱を速やかに外部に伝達させるこ
とができるので、避雷器本体15Bの半径方向の温度分
布をより平衡にすることができる。前述のように避雷器
本体を構成する複数の避雷素子のうちの一つが他の避雷
素子よりも劣化が促進すると、その避雷素子が避雷器全
体の寿命を決めてしまう。このことは一つの避雷素子の
中の劣化程度の不平衡にも言えて、劣化程度の大きな部
分があるとその部分に漏れ電流の集中が生じて抵抗損が
増大して温度上昇が高くなり自身の劣化が促進するだけ
ななく周囲の劣化程度の低い部分の劣化も促進させるこ
とになり、結果的にその避雷素子の劣化が促進されるこ
とになる。したがって、金属板41を設けることによっ
て避雷素子150Aの表面に付着させた良伝熱性絶縁材
31とともに避雷器本体15Bの寿命短縮に相乗効果を
上げることができる。
【0024】図4はこの発明の第5の実施例を示す避雷
器本体の下部拡大立面図、図5は図4のA−A断面図で
ある。これらの図において、避雷器本体15Cはその外
径側に表面に4等配に前述の窒化アルミニウムからなる
良伝熱性絶縁板32を密着させた構成である。この構成
はそれぞれの避雷素子150の外径表面に良伝熱性絶縁
材31を形成するのに比べて周方向に温度分布が不平衡
になる要因を持っているけれど、製作が容易であるとい
う利点がある。
【0025】図では板状の良伝熱性絶縁板32を4等配
に配置した構成であるが、これにこだわるものではな
い。等配数を少なくすると周方向の温度分布の不平衡度
が大きくなること、その代わり良伝熱性絶縁板32の取
付けコストが低減するという利点がある。また、1本の
良伝熱性絶縁板32の断面寸法の個々の良伝熱性絶縁板
321,322,323,324の総和は、小さいと避
雷器本体15Cの軸方向温度分布の不平衡度が大きくな
り、大きいと材料費が大きくなる。したがって、最適の
等配数、断面寸法を選択する。
【0026】図6はこの発明の第6の実施例を示す避雷
器本体の断面図を含む一部拡大断面図であり、一点鎖線
で示す中心軸に対して右が立面図、左が断面図である。
この図において、金属板42は図3の金属板41と同じ
材質でかつ同じ機能を持つものであり、良伝熱性絶縁板
33は図4の良伝熱性絶縁板32と同じ材質でかつ類似
の機能を持つものである。すなわち、金属板42はそれ
ぞれの避雷素子150の中の温度分布をより均一にする
とともに外部に放熱させる効果を持ち、良伝熱性絶縁板
33は軸方向の熱伝達を向上させるとともに、それぞれ
の避雷素子150の温度分布を均一にするためのもので
ある。良伝熱性絶縁板33が良伝熱性絶縁板32と異な
る点は、良伝熱性絶縁板33自身は避雷器本体15Dと
接触していず、代わりに金属板42の外径端と熱的に結
合している点である。この点では図3の第4の実施例に
類似である。図3では良伝熱性絶縁材31が熱的に避雷
素子150に接触していて避雷素子150Aを形成して
いるのに対して良伝熱性絶縁板33は避雷素子150の
表面に直接接していない。したがって、避雷素子150
の中の熱の流れは図3の避雷素子150の場合には上下
(軸)方向と半径方向の両方の熱伝導が可能であるのに
対して、図6の場合には避雷素子150の中で熱は主に
上下方向に熱伝導して金属板42を集まりそこで半径方
向に熱伝導して良伝熱性絶縁板33によって軸方向に熱
伝導する。したがって、避雷素子150の半径寸法に比
べて厚み寸法が小さいときには図6の構成で充分であ
り、厚み寸法が半径寸法に比べて大きい場合には図3の
ように避雷素子150の表面に良伝熱性絶縁材31を設
ける構成が適していることになる。
【0027】図7は図6のB−B断面図である。この図
において、良伝熱性絶縁板33は1本だけの構成を示し
てある。しかし、これにこだわるものでなく、図5のよ
うに2以上の良伝熱性絶縁板33を周方向に等配に設け
る構成であってもよい。その等配数、良伝熱性絶縁板3
3の断面寸法も図4の第5の実施例と同様の考え方で決
定される。また、金属板42の端部の形状を下方に直角
に折った形状を図示してあるが、上方に折った形状でも
よく、これらを組み合わせた形の図3の金属板41のよ
うに上下両側に突出させた構成であってもよい。図3の
金属板41の場合も図6のように一方にだけ折った構成
であってもよい。これらは熱的な結合度も関係するが主
に製作上の難易度によって決定される。
【0028】図3,図4の実施例4及び図6,図7の実
施例6では金属板41又は42を挿入する従来の構成
を、避雷器本体15に熱的に結合した軸方向に熱伝導す
る良伝熱性絶縁材からなる部材を設ける構成に追加し
た、すなわち、両方の構成を併用した構成となってい
る。このように異なる基本構成の異なる構成を併用する
ことによってそれぞれの構成の冷却効率を向上させる効
果が相乗的に働いて避雷器の寿命の延長に更に効果を発
揮することができる。その意味では、図1に基づいて説
明した実施例1,2と他の実施例とを併用してもよい。
併用すればするほど寿命延長効果が増大する代わりに構
成が複雑になってコストアップする要因ともなるから、
これらを総合的に考えて最適の構成を採用すればよい。
【0029】
【発明の効果】この発明は前述のように、絶縁筒を良伝
熱性絶縁材で形成すれば、半径方向に流れる熱の伝達と
ともに軸方向の熱伝達がよくなって、避雷器が動作した
ことによって発生した熱をより速く外部に伝達して避雷
器本体の冷却効果が高まり、そのために、避雷器の動作
直後に上昇した温度はより速く低下することから、高温
による避雷素子の劣化の促進が抑制されて避雷器の寿命
が延長されるという効果が得られる。また、絶縁筒を良
伝熱性絶縁材で製作する代わりに、従来の絶縁筒の内面
にダイアモンドや立方晶窒化ほう素などの良伝熱性絶縁
材を蒸着させると軸方向の熱伝導がよくなるので、避雷
器本体に発生した熱を軸方向に効率よく伝達して避雷器
本体の冷却効果が高められて前述と同様の効果が得られ
る。
【0030】それぞれの避雷素子の外径表面に良伝熱性
絶縁材を付着させれば、このような避雷素子を積み重ね
てなる避雷器本体の外径表面には軸方向に連続した良伝
熱性絶縁材が形成されるので、前述と同様の作用効果が
得られる。この良伝熱性絶縁材には前述の絶縁筒の場合
と同様に、窒化アルミニウムの薄板を巻き付ける、ダイ
アモンド又は立方晶窒化ほう素を蒸着して皮膜を形成さ
せる、のいずれかであればよい。
【0031】窒化アルミニウムからなる板を避雷器本体
の外径表面に等配に軸方向の全長にわたって密着させて
設ければ、前述のそれぞれの避雷素子に良伝熱性絶縁材
を付着させるのと同様に軸方向の熱伝達を高めて同様の
効果が得られる。また、前述の従来技術で採用された金
属板を避雷素子の間に挿入する構成も加えて、種々の構
成を適宜二つ又はそれ以上を併用すれば、それぞれの効
果が重畳してより効果的に避雷器本体の冷却効率を高
め、寿命の延長に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1と第2の実施例を示す酸化亜鉛
形避雷器の断面図
【図2】この発明の第3の実施例を示す一つの避雷素子
の斜視図
【図3】この発明の第4の実施例を示す避雷器本体の部
分断面図
【図4】この発明の第5の実施例を示す避雷器本体の立
面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】この発明の第6の実施例を示す避雷器本体の断
面図を含む立面図
【図7】図6のB−B断面図
【符号の説明】
11…ボルト、12…支持金具、13…上部金具、1
4,21…放圧孔、15,15A,15B,15C,1
5D…避雷器本体、150,150A…避雷素子、16
…外部被覆、17…絶縁筒、31…良伝熱性絶縁材、3
2,33…良伝熱性絶縁板、41,42…金属板、

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短い円柱状の避雷素子を複数個重ねてなる
    避雷器本体、この避雷器本体を収納して同心状に設けら
    れた絶縁筒、避雷器本体の両端をそれぞれ支持するとと
    もに電位を与える金具及び絶縁筒並びに金具を覆ってな
    る絶縁材からなる絶縁被覆を備えた酸化亜鉛形避雷器に
    おいて、絶縁筒が良伝熱性絶縁材で形成されてなること
    を特徴とする酸化亜鉛形避雷器。
  2. 【請求項2】良伝熱性絶縁材が窒化アルミニウムである
    ことを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛形避雷器。
  3. 【請求項3】請求項1記載の酸化亜鉛形避雷器の絶縁筒
    を良伝熱性絶縁材で形成する代わりに、絶縁筒の内面に
    良伝熱性絶縁材を付着させてなることを特徴とする請求
    項1記載の酸化亜鉛形避雷器。
  4. 【請求項4】絶縁筒の内面に付着させた良伝熱性絶縁材
    が、ダイアモンドを蒸着して形成された皮膜であること
    を特徴とする請求項3記載の酸化亜鉛形避雷器。
  5. 【請求項5】絶縁筒の内面に付着させた良伝熱性絶縁材
    が、立方晶窒化ほう素を蒸着して形成された皮膜である
    ことを特徴とする請求項3記載の酸化亜鉛形避雷器。
  6. 【請求項6】短い円柱状の避雷素子を複数個重ねてなる
    避雷器本体、この避雷器本体を収納して同心状に設けら
    れた絶縁筒、避雷器本体の両端を支持するとともに電位
    を与える金具及び絶縁筒並びに金具を覆ってなる絶縁材
    からなる絶縁被覆を備えた酸化亜鉛形避雷器において、
    それぞれの避雷素子の外径表面に良伝熱性絶縁材を付着
    させてなることを特徴とする酸化亜鉛形避雷器。
  7. 【請求項7】良伝熱性絶縁材が窒化アルミニウムの薄板
    であることを特徴とする請求項6記載の酸化亜鉛形避雷
    器。
  8. 【請求項8】良伝熱性絶縁材が、避雷素子の外径表面に
    蒸着して形成したダイアモンドの皮膜であることを特徴
    とする請求項6記載の酸化亜鉛形避雷器。
  9. 【請求項9】良伝熱性絶縁材が、避雷素子の外径表面に
    蒸着して形成した立方晶窒化ほう素の皮膜であることを
    特徴とする請求項6記載の酸化亜鉛形避雷器。
  10. 【請求項10】短い円柱状の避雷素子を複数個重ねてな
    る避雷器本体、この避雷器本体を収納して同心状に設け
    られた絶縁筒、避雷器本体の両端を支持するとともに電
    位を与える金具及び絶縁筒並びに金具を覆ってなる絶縁
    材からなる絶縁被覆を備えた酸化亜鉛形避雷器におい
    て、避雷器本体の外径表面に等配に窒化アルミニウムか
    らなる板を軸方向の全長にわたって密着させて設けてな
    ることを特徴とする酸化亜鉛形避雷器。
  11. 【請求項11】請求項1乃至5のいずれかに記載の酸化
    亜鉛形避雷器の避雷素子に、請求項6乃至10のいずれ
    かに記載の良伝熱性絶縁材を付着させてなることを特徴
    とする請求項6記載の酸化亜鉛形避雷器。
  12. 【請求項12】請求項1乃至5のいずれかに記載の酸化
    亜鉛形避雷器の、それぞれの避雷素子の間に金属板を挟
    み込んでなることを特徴とする酸化亜鉛形避雷器。
  13. 【請求項13】請求項6乃至10のいずれかに記載の酸
    化亜鉛形避雷器の、それぞれの避雷素子の間に金属板を
    挟み込み、この金属板と避雷器本体の外径に設けられた
    良伝熱性絶縁材との間を熱的に結合してなることを特徴
    とする酸化亜鉛形避雷器。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の酸化亜鉛形避雷器
    に、請求項1乃至5のいずれかに記載の酸化亜鉛形避雷
    器の絶縁筒を採用してなることを特徴とする酸化亜鉛形
    避雷器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016076672A (ja) * 2014-10-09 2016-05-12 株式会社ビスキャス 避雷器
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