JPH11134500A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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Publication number
JPH11134500A
JPH11134500A JP9292957A JP29295797A JPH11134500A JP H11134500 A JPH11134500 A JP H11134500A JP 9292957 A JP9292957 A JP 9292957A JP 29295797 A JP29295797 A JP 29295797A JP H11134500 A JPH11134500 A JP H11134500A
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Application number
JP9292957A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Nakamura
安久 中村
Hiroyuki Akagi
宏之 赤木
Yoshihiro Kitamura
義弘 北村
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相関演算の算出の正誤に起因する合成画像の
劣化を防止する。 【解決手段】 マッチング手段6は、まず一対の画像を
相互に重複する部分を重ねた状態における位置関係を求
めるための第1マッチング処理を行う。次いで相関演算
制御部12は、一対の画像のうちの一方の画像に複数の
第1参照領域を設定し、他方の画像に各第1参照領域と
輝度分布が最も類似すると予測される予測領域をそれぞ
れ設定する。さらに相関演算部14は、他方の画像内で
各第2参照領域と輝度分布が最も類似する第2マッチン
グ領域をそれぞれ求める。画像補正情報生成部9は、第
2マッチング領域と予測領域との位置を比較し、全て一
致する場合、求めた位置関係は正しいと判定して、その
旨を画像補正情報提示部10に表示する。少なくとも1
つが一致しない場合、画像補正情報生成部9は、さらに
前記位置関係の誤りの原因を求めて、画像補正情報提示
部10に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互に重複する複
数の画像の位置関係を求め、その画像を合成する画像処
理装置に関する。
【0002】
【従来の接術】従来、たとえばスキャナ装置およびカメ
ラである撮影装置を用い撮影装置の1回の撮影動作によ
って得られる画像よりも高解像度または広画角あるいは
広範囲の画像を得るために、相互に重複する複数の画像
が得られるように被写体を撮影し、この画像を位置合わ
せし合成して、1枚の画像にする技術が知られている。
【0003】この画像の位置合わせは、たとえばパター
ンマッチング法を用い、画像に記載される情報、たとえ
ば画像を構成する画素の輝度分布を用いて行われる。こ
の輝度分布は、たとえば撮影装置の被写体となる物体の
種類に応じて変わり、また光学的雑音となる粉塵が撮影
時に撮影装置にどの程度付着していたかによっても変わ
る。このため、たとえば光学的雑音の重畳する量に起因
する画像の質、およびその画像に写る被写体が何である
かによって定められる画像の種類に応じて、画像の輝度
変化の様子が変化する。この画像の輝度変化の様子に依
存して、位置合わせの精度も変化する。
【0004】また、画像を精度良く合成するには、複数
の画像の相対的な傾きがなく、両画像の相互に重複する
部分の大きさが位置合わせに充分な大きさ以上である必
要がある。このような画像を単一の撮影装置を用いて得
る場合、たとえば1回の撮影動作毎に撮影装置と被写体
との相対位置を厳密に定めなければならない。ゆえに、
一対の画像を得るための操作は、画像合成装置の操作に
不慣れな操作者にとって困難なので操作を誤り易く、そ
のための作業時間が大幅に増えることがある。
【0005】そこで、画像の輝度変化ならびに画像の重
複状態に関係なく、精度良く位置合わせを行い、かつ操
作者の負担を少なくするための従来技術が、特開平3−
188575号公報の画像結合方式、および特開平5−
122501号公報の画像処理装置に開示される。画像
結合方式では、操作者は、被写体である原稿に、連結基
準点として予め定めるマークが記されたシールを予め貼
付け、その原稿をスキャナに読取らせる。または、入力
した複数の画像を目視表示し、それら画像の相互に重複
する部分に前記マークを付加する。画像結合方式を実行
する装置は、このマークを利用してパターンマッチング
を行い、そのマッチング結果に基づいて画像を合成す
る。また、画像処理装置では、操作者は、被写体である
原稿の重複して撮影させるべき部分に予め色マーカによ
って印を付してから、画像読取り部に読取らせる。画像
処理装置は、複数の画像を位置合わせする際には、色マ
ーカによって印が付された部分をパターンマッチングし
て、そのマッチング結果に基づいて画像を合成する。
【0006】これらの従来技術では、被写体となる原稿
に、予めマークおよび印を付ける必要があるので、操作
者の操作に余計な手間がかかる。また、たとえば新聞原
稿などが被写体である場合、画像自体に位置合わせを行
うのに充分な輝度変化があるのでマークおよび印の付加
がなくても精度良く位置合わせを行うことができるが、
これら従来技術では画像の輝度変化の度合を考慮してい
ないので、これら画像にもマークまたは印を付ける必要
があり、操作性が悪くなる。また、マークおよび印の位
置に基づいてスキャナおよび画像読取り部に対して原稿
を配置しなければならないので、原稿の取扱いおよび装
置の操作が繁雑になる。ゆえに、原稿の取扱いおよび装
置の操作に操作者が熟練しないと、精度良く画像を合成
することが困難だった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、操作
者の操作が簡単であってかつ従来の画像処理装置よりも
精度よく位置合わせを行うことができ、位置合わせの結
果に基づく合成の精度を従来の画像処理装置よりも向上
させることができる画像処理装置を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、相互に重複す
る一対の画像を入力する画像入力手段と、一対の画像の
相互に重複する部分を重ねた状態における一対の画像の
位置関係を求める位置関係検出手段と、求められた位置
関係が正しいか否かを判定する位置関係判定手段と、位
置関係判定手段によって求められた位置関係の正誤を表
示する表示手段とを含むことを特徴とする画像処理装置
である。
【0009】本発明に従えば、画像処理装置は、入力さ
れた一対の画像の位置関係を求め、かつその位置関係の
正誤を判定して、その判定結果に表示する。これによっ
て、画像処理装置の操作者は、位置関係検出手段が求め
た位置関係の正誤を知ることができる。したがって、求
めた位置関係を用いて行う画像処理、たとえば一対の画
像の合成および画像の動きの検出において処理の精度が
低下した場合、その精度の低下の原因が位置関係の誤り
にあるか否かを容易に知ることができる。
【0010】本発明は、前記位置関係判定手段によって
前記位置関係が誤りであると判定された場合、前記位置
関係の誤りの原因を求めて前記表示手段に表示させ、位
置関係が正しいと判定された場合休止する原因検出手段
をさらに含むことを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、画像処理装置は、求めた
位置関係に誤りがある場合、その誤りの原因を検出して
表示する。これによって画像処理装置の操作者は、求め
た位置関係に誤りがある場合、その原因を知ることがで
きる。ゆえに、求めた位置関係を用いる処理をやり直す
場合、その誤りの原因を除くように装置を動作させるこ
とができる。これによって、処理をやり直した時点で求
めた位置関係が、再び誤る可能性が少なくなる。したが
って、一対の画像の位置関係の訂正が容易であり、やり
直しの回数も減少させることができる。
【0012】本発明は、前記位置関係検出手段は、前記
一対の画像のうちの一方の画像に予め定める大きさの第
1参照領域を設定し、前記一対の画像のうちの他方の画
像内で、輝度分布が第1参照領域の輝度分布と最も類似
する第1マッチング領域を求め、第1参照領域と第1マ
ッチング領域との位置関係に基づいて前記一対の画像の
前記位置関係を求め、前記位置関係判定手段は、前記一
方の画像の第1参照領域を含む部分に、予め定める大き
さの第2参照領域を設定し、前記他方の画像内で第2参
照領域と輝度分布が最も類似すると予想される予想領域
を、第1マッチング領域の位置と第1および第2参照領
域の位置関係とに基づいて設定し、前記他方の画像の第
1マッチング領域を含む部分内で、第2参照領域と輝度
分布が最も類似する第2マッチング領域を求め、第2マ
ッチング領域が予想領域と一致する場合、前記位置関係
が正しいと判定し、一致しない場合、前記位置関係が誤
りであると判定することを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、画像処理装置の位置関係
判定手段は、位置関係を求めるための第1参照領域およ
び第1マッチング領域に基づき、上述のように位置関係
の正誤を判定する。これによって、いわゆるパターンマ
ッチング法を用いて、位置関係の正誤を判定することが
できる。
【0014】本発明は、前記位置関係検出手段は、前記
一対の画像のうちの一方の画像に予め定める大きさの第
1参照領域を設定し、前記一対の画像のうちの他方の画
像内で、輝度分布が第1参照領域の輝度分布と最も類似
する第1マッチング領域を求め、第1参照領域と第1マ
ッチング領域との位置関係に基づいて前記一対の画像の
前記位置関係を求め、前記位置関係判定手段は、前記一
方の画像内で第1参照領域を含む部分に、予め定める大
きさの第2参照領域を複数設定し、前記他方の画像内で
各第2参照領域と輝度分布が最も類似すると予想される
予想領域を、第1マッチング領域と第1および第2参照
領域の位置関係とに基づいてそれぞれ設定し、前記他方
の画像内の第1マッチング領域を含む部分内で、各第2
参照領域と輝度分布が最も類似する第2マッチング領域
をそれぞれ求め、各第2マッチング領域が各予想領域と
それぞれ一致する場合、前記位置関係が正しいと判定
し、少なくとも1つの第2マッチング領域がその予想領
域と一致しない場合、前記位置関係が誤りであると判定
し、前記原因検出手段は、前記位置関係判定手段によっ
て前記位置関係が誤りであると判定された場合、前記各
予想領域から前記各第2マッチング領域までのずれおよ
び前記各第2マッチング領域から前記第1マッチング領
域までの距離との関係を求め、距離の増加に伴ってずれ
が増加するとき、前記一対の画像の相対的な傾きが前記
位置関係検出手段によって位置関係を検出することが可
能な最大の傾き以上であることを位置関係の誤りの原因
として前記表示手段に表示させ、距離に無関係にずれが
変化するとき、前記一対の画像の相互に重複する部分の
大きさが前記位置関係検出手段によって位置関係を検出
することが可能な最大の大きさ以上または最小の大きさ
未満であることを誤りの原因として前記表示手段に表示
させ、前記位置関係が正しいと判定された場合、休止す
ることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、原因検出手段は、位置関
係判定手段によって求められた複数の第2マッチング領
域および予測領域を用いて、位置関係の誤りの原因が、
一対の画像の相対的な傾きに起因するのか一対の画像の
相互に重複する部分の大きさに起因するのかを判定す
る。このように、位置関係判定手段が複数の第2参照領
域を設定して各第2参照領域毎に処理を行うことによっ
て、位置関係の正誤の判定と位置関係の誤りの原因と
を、両方同時に調べることができる。したがって、これ
らを別個に行う場合よりも、位置関係の正誤の判定に加
えて原因の検出を行う場合の処理を、容易にすることが
できる。
【0016】本発明は、前記位置関係検出手段は、前記
一対の画像のうちの一方の画像に予め定める大きさの第
1参照領域を複数設定し、前記一対の画像のうちの他方
の画像内で、輝度分布が各第1参照領域の輝度分布と最
も類似する第1マッチング領域をそれぞれ求め、各第1
参照領域と各第1マッチング領域との位置関係に基づい
て前記一対の画像の前記位置関係を求め、前記位置関係
判定手段は、複数の第1参照領域および第1マッチング
領域のうちで、位置関係検出手段の第1マッチング領域
の算出の信頼性が予め定める基準以上に高い第1マッチ
ング領域と、該第1マッチング領域の算出に用いられた
第1参照領域とを選択し、前記一方の画像内で選択され
た第1参照領域を含む部分に、予め定める大きさの第2
参照領域を複数設定し、前記他方の画像内で各第2参照
領域と輝度分布が最も類似すると予想される予想領域
を、選択された第1マッチング領域と選択された第1参
照領域および各第2参照領域の位置関係とに基づいてそ
れぞれ設定し、前記他方の画像内の選択された第1マッ
チング領域を含む部分内で、各第2参照領域と輝度分布
が最も類似する第2マッチング領域をそれぞれ求め、各
第2マッチング領域が各予想領域とそれぞれ一致する場
合、前記位置関係が正しいと判定し、少なくとも1つの
第2マッチング領域がその予想領域と一致しない場合、
前記位置関係が誤りであると判定することを特徴とす
る。
【0017】本発明に従えば、位置関係検出手段は、複
数の第1参照領域を設定して、各第1参照領域の第1マ
ッチング領域を求める。これは、たとえば画像の歪みを
検出するため、および画像の傾きを検出するためであ
る。この場合に位置関係判定手段は、第2参照領域およ
び予測領域の設定のために、複数の第1マッチング領域
のうちで算出の信頼性が最も高いものを選ぶ。第1マッ
チング領域の算出の信頼性が高いほど第1マッチング領
域が正しい可能性が高いので、一方の画像の前記部分お
よび他方の画像の前記部分の輝度分布が等しい可能性が
高い。ゆえに、このような第1マッチング領域および第
1参照領域に基づいて予測領域を設定することによっ
て、位置関係が正しい場合に予測領域の輝度分布が第2
参照領域と等しくなる可能性が高くなるので、輝度分布
が第2参照領域と輝度分布が違う領域を誤って予測領域
とすることを防止することができる。
【0018】このために、位置関係判定手段は、複数の
第1参照領域を無作為に用いて設定する場合よりも、予
測領域の設定の精度を向上させることができる。したが
って、位置関係の判定の精度をこの場合よりも向上させ
ることができる。また、この画像処理装置に、請求項4
で説明した原因検出手段を加えた場合、予測領域の設定
の精度が高いので、第2マッチング領域と予測領域との
ずれが予測領域の誤りによって狂う可能性が低くなる。
ゆえに、原因の判定の精度も向上させることができる。
【0019】本発明は、前記前記位置関係判定手段は、
第1参照領域および第1マッチング領域の位置関係が隣
合う第1参照領域同士で等しい第1マッチング手段を、
算出の信頼性が前記基準以上に高いマッチング領域とし
て選択することを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、前記位置関係判定手段
は、複数の第1マッチング領域のうちで、上述の関係を
満たす第1参照領域を用いて算出されたものを、算出の
信頼性が高いものとして選ぶ。これによって、位置関係
を検出するための第1参照領域および第1マッチング領
域を利用して、算出の信頼性の判定を行うことができ
る。したがって、算出の信頼性の高い第1マッチング領
域の選択を、容易に行うことができる。
【0021】本発明は、前記位置関係判定手段は、第1
参照領域および第1マッチング領域の位置関係が隣合う
第1参照領域同士で等しい第1マッチング領域のうち
で、第1参照領域同士の相対距離が最も大きい2つの第
1マッチング領域を、前記信頼性が前記基準以上に高い
第1マッチング領域として選ぶことを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、前記位置関係判定手段
は、複数の第1マッチング領域のうちで、上述の関係を
満たす2つの参照領域を用いて算出されたものを、算出
の信頼性が高いものとして選ぶ。この2つの参照領域お
よび第1マッチング領域は相対距離が最大のものなの
で、これらを用いれば、一対の画像が相互に傾いている
場合、一方の画像に対する他方の画像の傾き角を、厳密
に推定することができる。ゆえに、厳密に推定された傾
き角を考慮して第2参照領域および予測領域を設定する
ことによって、各領域を、一対の画像の相互に重複する
部分内に確実に設定することができるので、その設定の
精度をさらに向上させることができる。したがって、し
たがって、位置関係の判定の精度をさらに向上させるこ
とができる。
【0023】本発明は、前記位置関係判定手段によって
前記第1参照領域および第1マッチング領域を選ぶこと
ができない場合、前記一対の画像の相互に重複する部分
の輝度変化が前記位置関係検出手段によって前記位置関
係を検出するための最小の輝度変化未満であることを位
置関係の誤りの原因として前記表示手段に表示させ、で
きる場合休止する輝度変化検出手段をさらに含むことを
特徴とする。
【0024】本発明に従えば、輝度変化検出手段は、算
出の信頼性の高い第1マッチング領域を選ぶことができ
るか否かによって、位置関係の誤りの原因が、一対の画
像の相互に重複する部分の輝度変化が最小の輝度変化未
満であるか否か、すなわちこの重複する部分の輝度分布
が平坦であるか否かを判定する。これは、マッチング法
を用いて第1マッチング領域を求める場合、一般的に、
輝度変化が大きいほど第1マッチング領域の算出の信頼
性が高くなるからである。このように、第1マッチング
領域の信頼性を調べることによって、予測領域の精度を
向上させるだけでなく、位置関係の誤りの原因を調べる
こともできる。したがって、誤りの原因が重複する部分
の輝度分布が平坦であることであるか否かを、容易に調
べることができる。
【0025】本発明は、前記輝度変化検出手段は、前記
位置関係判定手段によって前記第1参照領域および第1
マッチング領域を選ぶことができない場合、さらに、前
記一対の画像の相互に重複する部分に同一の印を付すこ
とを指示することを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、輝度変化検出手段は、信
頼性の高い第1マッチング領域を選ぶことができない場
合、すなわち一対の画像の相互に重複する部分の輝度変
化が最小の輝度変化未満であることが誤りの原因である
と判定された場合、さらに、重複する部分に同一の印を
付すことを操作者に指示する。操作者がこの一対の画像
の重複する部分に印を付ければ、その部分の輝度変化が
大きくなるので、印を付した一対の画像の位置関係を再
び求めれば、求められた位置関係が正しい確率が高い。
したがって同一の印を付すことを指示することによっ
て、位置関係の検出を再び行わせる場合に、その位置関
係を正しく求めさせるにはどうしたら良いかを、操作者
が容易に知ることができる。
【0027】またこの印を付す指示は、重複する部分の
輝度変化が小さすぎることが誤りの原因である場合だけ
行われ、重複する部分の輝度変化が前記最小の輝度変化
以上である場合は行われない。すなわち、輝度変化に起
因した誤りが起こり易い場合だけ印の付加が指示される
ので、誤りの起こりにくい画像に印を付す必要はなく、
その印を付す作業を、画像に印を常に付して位置関係を
求めさせる従来技術の装置と比較して、簡略化すること
ができる。
【0028】本発明は、前記画像入力手段に画像を再び
入力させるか否かをを選択させる再入力選択手段をさら
に含み、前記画像入力手段は、画像を再入力させること
が選択された状態で、前記輝度変化検出手段が位置関係
の誤りの原因を前記表示手段に表示させた場合、前記一
対の画像を全て再び入力させ、前記状態で輝度変化検出
手段が休止した場合、前記一対の画像のうちのいずれか
一方を再び入力させることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、画像処理装置は、再入力
選択手段によって、画像を再入力させるか否かを、選択
させることができる。この場合、画像入力手段は、輝度
変化検出手段によって誤りの原因が表示手段に表示され
たか否か、すなわち、重複する部分の輝度変化が前記最
小の輝度変化未満であるか否かに応じて、一対の画像を
全て再入力させるか、いずれか一方の画像を再入力させ
るかを選択する。これによって、位置関係の誤りが重複
する部分の輝度変化に起因していない場合、再入力させ
るべき画像の枚数を減らすことができるので、全ての画
像を再入力させる場合よりも操作者の作業を簡略化させ
ることができる。
【0030】本発明は、前記画像入力手段は、被写体を
載置する載置台と、予め定める撮影範囲を有し、載置台
に載置された被写体内の撮影範囲内にある部分を撮影し
て画像を生成し、入力されるべき画像の枚数だけ撮影を
繰り返す撮影手段と、載置台の撮影範囲の近傍に並べら
れて固定される複数の案内手段とを含むことを特徴とす
る。
【0031】本発明に従えば、画像処理装置は、載置台
に載置された被写体を撮影して、画像を得る。この場
合、相互に重複する一対の画像を得るには、まず載置台
上の被写体を撮影手段に1回撮影させ、次いで操作者が
その被写体を、1回目の撮影で撮影範囲に入っていた部
分の一部が撮影範囲内に残るように、載置台上で平行移
動させ、移動後に撮影手段に被写体を再度撮影させる。
この場合、従来技術では被写体を移動させる際に被写体
をどれだけ移動させればよいかを、操作者の目視によっ
てだけ確認していた。本発明の画像処理装置では、載置
台近傍に複数の案内手段が設けられているので、その案
内部材を目安に被写体を移動させれば良い。これによっ
て、被写体をどのように移動させるかを、操作者が容易
に把握することができる。
【0032】本発明は、前記各案内手段は発光手段であ
り、撮影の繰返し回数に応じて、画像の重複する部分に
相当する被写体の部分を置くべき載置台上の位置に最も
近く、かつ繰返し回数に対応して予め定められる案内手
段が発光または消灯し、さらに該案内手段以外の残余の
案内手段が消灯または発光することを特徴とする。
【0033】本発明に従えば、前記各案内手段は発光手
段であり、これらの点灯/消灯の組合わせは、撮影の繰
返し回数に応じて上述のようになる。これによって、相
互に重複する画像を得る場合、操作者は、他の発光手段
と点灯/消灯の状態が逆になっている発光手段に合わせ
て被写体を移動させれば良いので、操作者自身が被写体
の移動方向および移動距離を定める必要がなくなる。し
たがって、操作者が被写体を移動させる作業がさらに簡
略化される。
【0034】本発明は、一対の画像を合成するか否かを
選択させる合成選択手段と、合成することが選択された
場合、前記位置関係検出手段によって求められた前記位
置関係に基づいて、一対の画像を相互に重複する部分で
つなぎ合わせるように合成し、合成しないことが選択さ
れた場合休止する合成手段とをさらに含むことを特徴と
する。
【0035】本発明に従えば、前記画像処理装置は、合
成選択手段によって合成することが選択された場合だ
け、合成手段によって一対の画像を合成する。これによ
って、たとえば表示手段に表示される位置関係判定手段
の判定結果を考慮して合成選択手段に選択を行わせるこ
とによって、位置関係が誤っている場合は合成を行わせ
ないようにすることができる。これによって、推測され
た重複する部分が位置関係の誤りに起因して本来の重複
する部分と異なるために、合成された画像内に歪みおよ
び輝度の境目が生じてその画像の画質の劣化が生じるこ
とを、防止することができる。また、この合成選択手段
を操作者に操作させた場合、位置関係が誤っている場合
に合成を行わせること、および位置関係が正しい場合に
合成を取りやめることを、選択させることもできる。こ
れによって、位置関係の正誤を考慮しつつ、合成の実行
の是非を操作者が柔軟に選択することができる。したが
って、画像処理装置の操作性を向上させることができ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る画像処理装置1の電気的構成を表すブロック図であ
る。画像処理装置1は、画像取込み部3、画像メモリ
4、マッチング処理部5、画像合成部6、画像出力部
7、画像補正情報生成部8、および画像補正情報提示部
9を含む。
【0037】画像取込み部3は、処理対象であり相互に
重複する一対の画像を外部から取込む。各画像は複数の
画素が行列状に配置されて構成されるものであり、画像
処理装置1内では、各画素の画像内の位置および該画素
の輝度を表す画素データの集合である画像信号の形態で
取扱われる。以後の説明では、画像信号も画像と称し、
図面に記載される画像は、画像信号を仮想的に目視表示
したものとする。画像取込み部3は、取込んだ画像を、
画像メモリ4に記憶させる。
【0038】画像フィルタ5は、画像メモリ4から各画
像を読出し、その画像に予め定めるフィルタ処理を個別
に施すことによって、各画像毎に、画像の相関演算用デ
ータを作成する。画像の相関演算用データは、その画像
から空間周波数の高周波成分を除去したものである。画
像フィルタ5は、画像の相関演算用データを、画像メモ
リ4内の画像が記憶された場所とは異なる場所に記憶さ
せる。
【0039】マッチング処理部6は、相関演算制御部1
2、相関演算部13、およびワークメモリ14を含む。
マッチング処理部6は、概略的には、一対の画像をその
重複する部分を重ねた場合の該一対の画像の位置関係を
検出する検出処理のための第1マッチング処理と、検出
された位置関係の正誤を判定する判定処理のための第2
マッチング処理とを行う。具体的には、相関演算制御部
12は、画像メモリ4から一対の画像の相関演算用デー
タを読出し、相関演算の処理対象となる領域を各画像に
それぞれ設定して、その領域の各画像内の位置を表す領
域データを作成し、ワークメモリ13に記憶させる。相
関演算部14は、画像メモリ4から一対の画像の相関演
算用データを読出し、かつワークメモリ13から一対の
画像の領域データを読出し、これらデータを用いて、一
対の画像の設定された前記領域のマッチングを求めるた
めの相関演算を行う。求められたマッチングを表すマッ
チングデータは、ワークメモリ13に記憶される。
【0040】画像合成部7は、画像メモリ4から一対の
画像を読出し、かつワークメモリ13から領域データお
よびマッチングデータを読出して、領域データおよびマ
ッチングデータに基づいて一対の画像を合成する。これ
によって得られる合成画像は、画像出力部8によって画
像処理装置1外部に出力される。画像出力部8は、たと
えば画像を目視表示する表示装置、および画像を紙面に
印刷する印刷装置によって実現される。
【0041】画像補正情報生成部9は、ワークメモリ1
3から領域データおよびマッチングデータを読出し、領
域データおよびマッチングデータに基づいて、一対の画
像の位置合わせの精度を評価する。画像補正情報提示部
10は、画像補正情報生成部の評価結果を画像処理装置
1の操作者に伝達し、かつ操作者から指示される命令を
受取って画像取込み部3および画像合成部7に与える。
画像取込み部3は、与えられた命令に基づいて、画像の
取込み動作を制御する。画像合成部7は、与えられた命
令に基づいて、画像の合成動作および合成画像の出力動
作を制御する。
【0042】画像補正情報提示部10は、たとえば、表
示装置とキーボードとを組合わせて実現され、表示装置
に評価結果を目視表示することで、評価結果を操作者に
伝達する。操作者はキーボードを操作して命令を指示
し、そのキーボードに対する操作を検出することによっ
て、指示された命令を受取る。また、キーボードの代わ
りに、タブレットを用いてもよい。この場合、タブレッ
トは、透光性を有す部材から構成された指示領域を有
し、その指示領域が表示装置の表示面の上に設置されて
おり、操作者が指または棒状の部材によって指示領域に
触れた点の座標を取得する。タブレットは、取得された
座標と、座標を取得した時点に表示装置に表示されてい
た画像とに基づいて、指示された命令を受取る。
【0043】図2は、画像取込み部3の外観を示す斜視
図である。画像取込み部3は、筺体21と、載置台22
と、撮影部と、複数の案内部材とを含む。本実施形態で
は、案内部材が4つであるとして説明する。画像取込み
部3は、具体的には、たとえばスキャナ装置および複写
機の読取り部によって実現される。
【0044】載置台22はたとえば透明な矩形の板であ
り、矩形の筺体21のいずれか1つの面に嵌込まれる。
撮影部は、撮影部が1回の撮影によって撮影可能な予め
定める撮影範囲がたとえば載置台22全域と一致するよ
うに筺体21内部に設置され、筺体21内部から載置台
22に載置された被写体を撮影して、その被写体の像が
写る画像を生成する。画像取込み部3の1回の画像の取
込みは、具体的には、操作者が載置台22に載置させた
被写体を撮影部が1回撮影することによって実現され、
撮影部が生成した画像が、画像取込み部3が取込んだ画
像として、画像メモリ4に記憶される。撮影部は、画像
取込み部3が取込むべき画像の枚数と同じ回数だけ、撮
影を繰返し行う。
【0045】案内部材23〜26は、点灯/消灯を個別
に制御することができる発光素子によって実現され、筺
体21の載置台22が嵌込まれた面の載置台22の平行
な2辺の近傍に取付けられる。かつ、案内部材23,2
4が前記2辺のうちの一方の辺27に平行に並び、案内
部材25,26が、前記2辺のうちの他方の辺28に平
行に並ぶ。さらに、載置台22を挟んで前記2辺に直交
する2辺29,30に平行に並び辺29に近い複数の案
内部材23,25は第1の組を成し、載置台22を挟ん
で2辺29,30に平行に並び辺30に近い複数の案内
部材24,26は、第2の組を成す。同じ組の複数の案
内部材23,25;24,26は、撮影部の撮影の繰返
し回数に応じて予め定められる点灯パターンに基づい
て、同時に点灯および消灯する。この案内部材23〜2
6は、少なくとも、載置台22のいずれか1つの辺に平
行に複数並べられれば良い。
【0046】このような構造の画像取込み部3を用い
て、画像処理装置1の処理対象となる複数の画像を取込
むための画像の取込み動作を、以下に詳細に説明する。
この画像取込み部3で撮影するべき被写体31は、撮影
部の撮影範囲よりも大きいと仮定し、画像取込み部3が
取込むべき画像の枚数は2枚であると仮定する。
【0047】1回目の撮影時には、まず、第1の組の案
内部材23,25が消灯して第2の組の案内部材24,
26が点灯する。操作者は、被写体31のうちの一部分
が載置台22からはみ出すように、被写体31を載置台
22上に載置する。具体的には、図3に示すように、被
写体31は、その一方の端部が消灯している案内部材2
3,25の近傍の辺29の近傍にあり、その他方の端部
が点灯している案内部材24,26の近傍の辺30を越
えて載置台22の外に出るように、載置される。このと
き操作者は、被写体31内で点灯している案内部材2
4,26に挟まれる部分がどこであるかを覚えておく。
被写体31の載置後、操作者は撮影部に被写体31の撮
影を指示し、撮影部はこの指示に応答して、被写体31
を撮影し、画像を生成して画像メモリ4に記憶させる。
この場合、被写体31のうちでその一方の端部から中央
部付近までの部分32が載置台22上にあるので、撮影
部によって生成される画像には、この部分32の像が写
っている。
【0048】2回目の撮影時には、まず、第1の組の案
内部材23,25が点灯して第2の組の案内部材24,
26が消灯する。操作者は、載置台22上で点灯してい
る案内部材23,25に挟まれる部分に、被写体31の
部分32内で1回目の撮影時に点灯していた案内部材2
4,26に挟まれた部分33が置かれるように、被写体
31を載置台22上に載置する。具体的には、図4に示
すように、被写体31は、その一方の端部が点灯してい
る案内部材23,25の近傍の辺29を越えて載置台2
2の外に出て、その他方の端部が消灯している案内部材
24,26の近傍の辺30の近傍にあるように、載置さ
れる。被写体31の載置後、操作者は撮影部に被写体3
1の撮影を指示し、撮影部はこの指示に応答して、被写
体31を撮影する。この場合、被写体31のうちで中央
部付近から他方の端部までの部分34が載置台22上に
あるので、撮影部によって生成される画像には、この部
分34の像が写っている。
【0049】このように、点灯する案内部材24,2
6;23,25を基準に被写体を移動させた場合、2回
目の撮影時に撮影部に撮影される部分34には、1回目
の撮影時に撮影される部分32の一部分である部分33
が含まれる。すなわち、1回目の撮影で生成された画像
と2回目の撮影で生成された画像とには、どちらも部分
33の像が写っている。これによって、1回目および2
回目の撮影で生成された画像内には、被写体31の同じ
部分33の像が写る部分がそれぞれあることになる。各
画像内で被写体31の同じ部分33の像が写る部分は、
その部分の画素の輝度分布が等しい。すなわち、各画像
内で被写体31の同じ部分33が写る部分は、相互に重
複する。以後、一対の画像内で相互に重複する部分を、
各画像の重複部分と称する。
【0050】このように、画像取込み部3を用いて処理
対象の一対の画像を取込む場合、各撮影時に点灯する案
内部材24,26;23,25の間に被写体31の同じ
部分33が常にあるように被写体31を載置台22に載
置させれば、各撮影時に生成される画像の一部分が相互
に重複する。ゆえに、操作者が被写体31を動かす場
合、1回目の撮影時に撮影された被写体31の部分のさ
らに一部分が2回目の撮影時にも撮影範囲内に残るよう
にするために、被写体をどのように動かしたら良いか
を、極めて簡単に知ることができる。これによって、操
作者が被写体31を動かす場合に、相互に重複する一対
の画像を容易に取込ませることができる。
【0051】図5は、位置関係の正誤の評価処理を含む
画像合成動作を説明するためのフローチャートである。
この画像の合成動作は、前提条件として、処理対象の一
対の画像とそれら各画像の相対演算用データとが、画像
メモリ4に記憶されているものとする。この状態で、操
作者がたとえば画像補正情報提示部10のキーボードを
操作して、画像合成動作の開始を指示した場合、ステッ
プS1からステップS2に進む。
【0052】ステップS2,S3では、マッチング処理
部6は、処理対象の一対の画像の位置関係を求めるため
の位置関係検出手段として動作する。このためにマッチ
ング処理部6はまずステップS2で、第1マッチング処
理を行う。
【0053】以下に、図6を参照して、第1マッチング
処理を、詳細に説明する。図6は、マッチング処理の処
理対象の一対の画像P1,P2の一部分を表す図であ
る。相関演算部12と相関演算制御部14とは各画像P
1,P2の相関演算用データを用いて処理を行うので、
一対の画像P1,P2は相関演算用データを仮想的に目
視表示したものである。すなわち一対の画像P1,P2
は、実際に画像取込み部3で取込まれた一対の画像か
ら、空間周波数の高周波成分を取除いたものになってい
る。この一対の画像P1,P2のうちのいずれか一方の
画像を参照画像P1とし、いずれか他方の画像を探索画
像P2とする。
【0054】これら画像P1,P2には、画像内の点の
位置を示すために、座標系がそれぞれ設定される。以後
の説明では、画像P1,P2の座標系は2次元直交座標
系であり、その原点がたとえば画像の左上隅の頂点と等
しく、x座標軸は紙面の縦方向に平行でありy座標軸は
紙面の横方向に平行であると仮定する。また、画像P
1,P2の重複部分は、y座標軸に平行な方向の幅がx
座標軸に平行な方向の幅よりも長いと仮定する。
【0055】まず相関演算制御部12は、一対の画像P
1,P2に、相関演算部14が相関演算の処理対象とす
るべき第1参照領域および第1探索領域を設定する。具
体的には、まず、第1参照領域P1内に、予め定める大
きさの複数の第1参照領域を設定する。第1参照領域の
数はたとえば2個以上10数個程度であり、たとえば図
6の説明では13個の第1参照領域A1〜A13が、y
座標軸に沿って平行に等間隔で設定されたものとする。
次に、探索画像P2内に、各第1参照領域A1〜A13
に個別に対応し第1参照領域A1〜A13よりも大きい
第1探索領域B1〜B13を設定する。本実施形態の説
明では、各第1参照領域A1〜A13は同じ大きさの矩
形の領域であるとする。また図6には、第1参照領域A
1〜A5と第1探索領域B1,B2を記載し、第1参照
領域A6〜A13と第1探索領域B3〜B13は省略す
る。第1参照領域A1〜A13および第1探索領域B1
〜B13の各画像P1,P2内の位置は、第1領域デー
タとしてワークメモリ13に記憶される。
【0056】各第1探索領域B1〜B13は、対応する
第1参照領域A1〜A13と重複する可能性がある部分
を全て含むように設定される。この時点では、重複部分
が各画像のどこであるのかは分かっていないので、参照
画像P1内で第1参照領域A1〜A13を設定する部
分、および探索画像P2内で第1探索領域B1〜B13
を設定する部分は、それぞれ各画像P1,P2の重複部
分であろうと相関演算制御部12によって推測される部
分である。領域に付す参照符の末尾の数値は沿え字であ
り、対応する領域同士には同じ数値を付し、また数値を
任意とする場合はiと記載する。
【0057】相関演算部14は、各第1探索領域B1〜
B13とそれに対応する第1参照領域A1〜A13との
マッチングをそれぞれ求める。すなわち、各第1探索領
域B1〜B13内で、それに対応する第1参照領域A1
〜A13と輝度分布が最も類似する領域を、該第1参照
領域A1〜A13に対応する第1マッチング領域C1〜
C13として求める。探索画像P2内の第1マッチング
領域C1〜C13の位置、たとえば第1マッチング領域
C1〜C13の中心の座標が、第1マッチングデータと
してワークメモリ13に記憶される。
【0058】具体的な相関演算部14の動作を、第1参
照領域A1と第1探索領域B1とのマッチングの算出を
例に、以下に説明する。相関演算部14は、第1探索領
域B1内に第1参照領域A1と合同な仮領域を仮に設定
し、この仮領域と第1参照領域との相関を求める。相関
は、たとえば、その仮領域に第1参照領域A1を仮に重
ね合わせた状態を想定して、その状態で重なり合う仮領
域の画素と第1参照領域の画素との差和演算を行って求
める。差和演算は、各仮領域の画素とそれに重なり合う
第1参照領域の画素との輝度の差の絶対値の総和である
とする。この相関を、第1探索領域B1内で仮領域とし
て区分される部分が第1探索領域B1を網羅するよう
に、仮領域の位置を変えて複数回求める。これら仮領域
のうちで相関が最も高くなるものを、第1マッチング領
域C1とする。
【0059】この第1のマッチング処理で設定された第
1参照領域A1〜A13と、それに対応する第1マッチ
ング領域C1〜C13を、図7に示す。参照画像P1内
で文字が描かれている部分に設定された第1参照領域A
4〜A10に対応する第1マッチング領域C4〜C10
は、探索画像P2内で第1参照領域A4〜A10内の文
字と同じ文字が描かれている部分にあり、第1マッチン
グ領域C4〜C10同士の位置関係は、第1参照領域A
4〜A10同士の位置関係とほぼ等しい。参照画像P1
内で文字のない空白の部分に設定された第1参照領域A
1〜A3,A11〜A13に対応する第1マッチング領
域C1〜C3,C10〜C13は、探索画像P2内の空
白の部分に、第1参照領域A1〜A3,A11〜A13
同士の位置関係と異なる位置関係で点在する。すなわ
ち、参照画像P1内で画素の輝度変化が頻繁な部分に設
定された第1参照領域に対応する第1マッチング領域
は、参照画像P1内で画素の輝度変化が平坦な部分に設
定された第1参照領域に対応する第1マッチング領域と
比較して、その算出のための相関演算の信頼性、すなわ
ち第1マッチング領域が正しい確率が高い。
【0060】再び図5を参照する。次いで、ステップS
3では、相関演算制御部12が、基準マッチング領域お
よび基準参照領域を選ぶ基準マッチング領域選択手段と
して動作する。この場合、相関演算制御部12は、全第
1マッチング領域C1〜C13のうちで、その算出にお
ける相関演算の信頼性が最も高い複数の第1マッチング
領域を基準マッチング領域として選び、さらに選ばれた
第1マッチング領域に対応する第1参照領域を基準参照
領域として選ぶ。本実施形態では、基準マッチング領域
は2つ選ばれる。図7の例では、第1マッチング領域C
4,C10が基準マッチング領域として選ばれ、第1参
照領域A4,A10が基準参照領域として選ばれる。基
準マッチング領域選択手段は、合成処理において一対の
画像の重複部分を重ね合わせた場合の両画像の位置関係
を算出するために用いる第1マッチング領域および第1
参照領域を選択するための選択手段と、第1マッチング
処理の処理結果の正誤、すなわち第1マッチング領域の
正誤を判定する判定処理に用いられる第1マッチング領
域および第1参照領域を選択するための選択手段とを兼
ねる。
【0061】次いで、ステップS4では、相関演算制御
部12は、ステップS2で基準参照領域および基準マッ
チング領域を選択することができたか否かを判定する。
できた場合はステップS4からステップS5に進み、で
きない場合はステップS4からステップS10に進む。
すなわち相関演算制御部12は、ステップS3,S4で
は、一対の画像の重複部分の輝度変化に起因する第1マ
ッチング処理の誤りを検出する輝度変化検出手段として
動作する。
【0062】ステップS5,S6では、マッチング処理
部6が第2マッチング処理を行う。概略的には、まずス
テップS5で、相関演算制御部12が、予測処理とし
て、複数の第2参照領域およびそれに個別に対応する第
2探索領域と、各第2探索領域内で各第2参照領域と輝
度分布が等しいと予測される予測領域とを求める。次い
でステップS6で、相関演算部14が、各第2探索領域
内でそれに対応する第2参照領域と輝度分布が最も類似
する第2マッチング領域を、それぞれ求める。各第2マ
ッチング領域の中心の座標が、第2マッチングデータと
してワークメモリ13に記憶される。
【0063】以下に、図8を参照して、第2マッチング
処理を、詳細に説明する。相関演算処理部12は、ま
ず、第1マッチング処理の第1領域データおよび第1マ
ッチングデータに基づいて、複数の第2参照領域とそれ
に個別に対応する第2探索領域とを、それらを用いた相
関演算によって得られる第2マッチング領域が基準マッ
チング領域の周辺に位置するように、設定する。基準マ
ッチング領域の周辺とは、たとえば、基準マッチング領
域を中心として第2参照領域を2〜3個隙間なく並べた
長さだけ離れた点までの範囲である。また、基準参照領
域が複数ある場合、各基準参照領域の周囲に、それぞれ
複数の第2参照領域を設定する。この場合、隣合う2つ
の基準参照領域の中心を通る仮想直線L1上にその中心
が並ぶように複数の第2参照領域を設定し、かつ、隣合
う2つの基準マッチング領域の中心を通る仮想直線L2
上に複数の第2探索領域を設定すると、それらを用いた
相関演算によって得られる第2マッチング領域が基準マ
ッチング領域の周辺に位置するようになるので、好まし
い。
【0064】図8の例では、参照画像P1内に、第2参
照領域AA5を基準参照領域A4に隣接するように設定
し、第2参照領域AA6を第2参照領域AA5に隣接す
るように設定する。また、第2参照領域AA8を基準参
照領域A10に隣接するように設定し、第2参照領域A
A9を第2参照領域AA8に隣接するように設定する。
第2参照領域AA5,AA6,AA8,AA9の中心は
仮想直線L1上にあり、各第2参照領域の大きさおよび
形状が全て等しい。さらに、第2参照領域AA5,AA
6に対応する第2探索領域D5,D6は、その中心が基
準マッチング領域C4の近傍にありかつ仮想直線L2上
に並ぶように設定する。第2参照領域AA8,AA9に
対応する第2探索領域D8,D9は、その中心が基準マ
ッチング領域C10の近傍にありかつ仮想直線L2上に
に並ぶように設定する。第2参照領域および第2探索領
域の画像P1,P2内の位置は、第2領域データとし
て、ワークメモリ13に記憶される。
【0065】第2参照領域AA5,AA6,AA8,A
A9は、参照画像P1の輝度勾配を調べ、輝度変化があ
る部分を選んで、その部分に設定することが好ましい。
これによって、輝度変化がない部分、すなわち輝度変化
が平坦な部分を避けて参照領域を設定することができる
ので、それを用いた相関演算の信頼性が高くなる。また
この例では、第2参照領域の形状は、第1参照領域と合
同であるとする。このため、第2参照領域AA5,AA
6,AA8,AA9は、第1参照領域A5,A6,A
8,A9と合同でありその中心も同じ位置にある。ゆえ
に、第2参照領域を新たに設定しなくても、第1参照領
域のうちで上述の条件を満たすものを選択するだけでも
よい。この場合、設定の手間を省くことができる。ま
た、第2探索領域は、相関演算の計算量の削減のため
に、第1探索領域よりも小さく設定する。たとえば、第
2探索領域の大きさは、それに対応する第2参照領域の
大きさと比較して、少し大きい程度の大きさ、たとえば
第2参照領域の2倍程度の大きさに設定することが好ま
しい。第2検索領域がこの大きさであれば、たとえば、
後述の図11に示すように、一対の画像P1,P2の相
対的な傾きが第1マッチング処理によって誤りなく第1
マッチング領域を求めることができる最大の傾き以上で
ある場合に、第2検索領域D6内に第2参照領域AA6
と同じ文字が描かれた領域、すなわち第2マッチング領
域F6bとなるべき領域が含まれる。
【0066】さらに、相関演算制御部12は、各第2探
索領域D5,D6,D8,D9内に、第2参照領域AA
5,AA6,AA8,AA9と輝度分布が最も類似する
と予測される予測領域の中心である予測点H5,H6,
H8,H9を、基準マッチング領域C4,C10の位置
と基準および第2参照領域A4,A10,AA5,AA
6,AA8,AA9の位置関係とに基づいて設定する。
すなわちこの予測領域は、各第2探索領域D5,D6,
D8,D9内で、第2参照領域AA5,AA6,AA
8,AA9との相関が最も高いと予測される領域であ
る。たとえば、予測領域は、それと基準マッチング領域
との位置関係が、基準参照領域と第2参照領域との位置
関係と等しい領域である。図8の例では、第2参照領域
AA5,AA6;AA8,AA9の中心が、基準参照領
域A4,A10を起点として仮想直線L1上にそれぞれ
等間隔に並んでいるので、予測点H5,H6;H8,H
9も、基準マッチング領域C4,C10を起点として、
仮想直線L2上にそれぞれ等間隔に並べる。この間隔
は、たとえば基準参照領域の幅と等しい。また、隣合う
2つの基準マッチング領域の間の距離がそれらに対応す
る基準参照領域の間の間隔と異なる場合、それら間隔と
同じ比率で増減させてもよい。
【0067】このように第2参照領域および第2探索領
域が設定された後、相関演算部14は、各第2参照領域
AA5,AA6,AA8,AA9とそれに対応する第2
探索領域D5,D6,D8,D9とを用いて、それぞれ
相関演算を行い、第2探索領域D5,D6,D8,D9
内で第2参照領域AA5,AA6,AA8,AA9と最
も相関が高い第2マッチング領域F5,F6,F8,F
9を求める。この相関演算の詳細は、第1マッチング処
理の相関演算と比較して、処理対象の領域が第1参照領
域および第1探索領域から第2参照領域および第2探索
領域に置換わった点が異なり、他は等しい。
【0068】第1マッチング処理の相関演算が正しい場
合において、第2マッチング処理によって求められた第
2マッチング領域F5,F6,F8,F9を、図9に示
す。この場合、基準マッチング領域C4,C10の周辺
の部分の輝度分布と基準参照領域A4,A10の周辺の
部分の輝度分布とはそれぞれ等しいので、第2マッチン
グ領域F5,F6,F8,F9はその予測領域とそれぞ
れ一致し、第2マッチング領域F5,F6,F8,F9
の中心が予測点H5,H6,H8,H9とそれぞれ重な
る。
【0069】第1マッチング処理の相関演算が誤ってい
る場合において、第2のマッチング処理によって求めら
れた第2マッチング領域F5a,F6a,F8a,F9
a;F5b,F6b,F8b,F9bを、図10,11
に示す。この場合、基準マッチング領域C4a,C10
a;C4b,C10bの周辺の部分の輝度分布と基準参
照領域A4,A10の周辺の部分との輝度分布は一致し
ないので、各第2探索領域D5,D6,D8,D9内で
その予測領域以外の領域の輝度分布が第2参照領域AA
5,AA6,AA8,AA9と最も類似することにな
る。ゆえにこの場合、第2マッチング領域F5,F6,
F8,F9の中心は、予測点H5,H6,H8,H9と
一致しない。
【0070】ゆえに、第2マッチング領域の中心と予測
点とが一致するか否かと、第1のマッチング処理が成功
したか否かとは対応する。ゆえに、第2マッチング領域
と予測領域との一致の有無に基づいて、第1マッチング
処理の処理結果の正誤を判定することができる。また、
第1マッチング処理が成功していれば、一対の画像を基
準マッチング領域と基準参照領域との中心が重なるよう
に重ね合わせた場合、画像の重なり合う部分が重複部分
になる。ゆえにこの基準マッチング領域と基準参照領域
とに基づいて画像を合成すれば、合成画像内の画像のつ
なぎ目に相当する部分に輝度の境目が生じないので、合
成画像の画質が第1マッチング処理の誤りに起因して低
下しない。このように、第1マッチング処理の処理結果
の正誤を判定すれば、その結果を用いる処理の成否も判
定することができる。
【0071】再び図5を参照する。ステップS7では、
画像補正情報生成部9が、各第2マッチング領域F5,
F6,F8,F9の予測領域に対する相対位置が同じで
あるか否か、すなわち、各第2マッチング領域F5,F
6,F8,F9とその予測領域とがそれぞれ一致するか
否かを判定する。具体的には、各第2マッチング領域F
5,F6,F8,F9の中心とその予測点H5,H6,
H8,H9との座標の差をそれぞれ求め、それら座標の
差が全て予め定める閾値以下であるか否かをそれぞれ判
定する。第2マッチング領域の中心と予測点との差を閾
値と比較する算出式は、後述する式4,5と比較して、
式4,5で第1参照領域の中心の座標を入力した項に予
測点の座標を入力する点が異なり、他は等しい。また、
前記閾値は各式4,5の右辺と等しい。また閾値を定め
る理由も等しい。
【0072】各座標の差が全て閾値以下である場合、各
第2マッチング領域F5,F6,F8,F9とその予測
領域とはそれぞれ一致するので、ステップS2の第1マ
ッチング処理が成功しており基準マッチング領域は正し
い。いずれかの座標の差が閾値を越える場合、第2マッ
チング領域F5,F6,F8,F9のうちでその予測領
域と一致しないものがあるので、ステップS2の第1マ
ッチング処理が失敗しており基準マッチング領域が誤っ
ている。第1マッチング処理の処理結果が正しい場合、
ステップS7からステップS8に進み、第1マッチング
処理の処理結果が誤っている場合、ステップS7からス
テップS13に進む。すなわち、ステップS5〜S7で
は、マッチング処理部6と画像補正情報生成部9とは、
第1マッチング処理の処理結果の正誤を判定するための
判定手段として動作する。
【0073】ステップS8では、画像合成部7が、ま
ず、ワークメモリ13に記憶された第1領域データおよ
び第1マッチングデータと画像メモリ4に記憶された一
対の画像とを読出し、第1領域データおよび第1マッチ
ングデータに基づいて求められる一対の画像の位置関係
に基づいて、一対の画像を合成する。合成結果である合
成画像は、画像出力部8に与えられる。ステップS9で
は、画像出力部8が、与えられた合成画像を出力する。
同時に、画像補正情報生成部9は、第1マッチング処理
が成功しており、それによって求められた一対の画像の
位置関係が正しいものとみなして画像の合成が行われた
ことを、操作者に提示する。具体的には、図12に示す
ように、画像補正情報提示部10の表示装置に、画像の
合成が行われたことを示す第1のメッセージ42が記載
された画像41を表示する。ゆえに操作者は、表示装置
を目視することによって、画像合成が成功したことを知
ることができる。
【0074】ステップS4で基準参照領域および基準マ
ッチング領域を選択することができない場合、ならびに
ステップS7で相対位置が同じではないと判定された場
合、第1マッチング処理の処理結果に誤りがあると考え
られる。ゆえに、ステップS10〜S19では、画像補
正情報生成部9は、第1マッチング処理の処理結果を解
析して誤りの原因を求める原因検出手段として動作す
る。
【0075】ステップS10に進む場合、画像補正情報
生成部9は、基準参照領域および基準マッチング領域を
選択することができないと判定している。この場合、一
対の画像P1,P2内で重複部分として推測された部分
の輝度変化が、相関演算を行うために必要な輝度変化未
満であると考えられる。これは、たとえば前記推測され
た部分が文字のない空白の部分である場合に相当する。
ゆえに、ステップS10では、画像補正情報生成部9
は、重複部分の輝度変化が小さすぎるために第1マッチ
ング処理が失敗したと判定する。
【0076】次いで、ステップS11で、画像補正情報
生成部9は、ステップS11で判定した誤りの原因を操
作者に提示する。さらに、画像を取直すか否かを操作者
に選択させる。このために画像補正情報生成部9は、具
体的には、画像補正情報提示部10の表示装置に、図1
3に示す画像44を表示させる。この画像内で、第2の
メッセージ45は、誤りの原因が重複部分の輝度変化が
小さいことを示すものである。またこの画像内の2つの
矩形46,47は、たとえばキーボード内で画像を取直
すかこの時点で記憶されている一対の画像をそのまま合
成するかを指示するキーの操作結果を表すものである。
たとえば、キーが画像を取直すことが指示するために操
作された場合には矩形47の枠線が矩形46の枠線より
も太くされ、減算の一対の画像の合成を指示するために
操作された場合には、矩形46の枠線が矩形47の枠線
よりも太くされる。
【0077】ゆえに操作者は、表示装置に表示されたメ
ッセージを読取ることによって、第1マッチング処理が
失敗したこととその誤りの原因とを知ることができる。
さらに、これらのことを踏まえて、画像の合成処理をや
り直すか、そのまま続行させるかをを選択することがで
きる。操作者は、合成処理をやり直すことを選択した場
合、キーボードを操作して、画像の再取込みを指示す
る。合成処理をそのまま続行させる場合、キーボードを
操作して、現在の一対の画像の合成を指示する。
【0078】画像補正情報提示部10は、キーボードの
操作に応答して、操作者が画像の再取込みを指示したか
否かを判定し、画像の合成が指示された場合、ステップ
S11からステップS8に進み、画像合成部7に画像の
合成処理を実行させる。これによって、一対の画像が合
成されてその合成画像が出力される。また、画像の取直
しが指示された場合、ステップS11からステップS1
2に進む。
【0079】ステップS12では、画像補正情報提示部
10は、画像取込み部3に、画像の取込み動作の全てを
再び実行することを指示して、ステップS20で合成処
理を終了する。これによって、画像取込み部3が1回目
の撮影から最終回の撮影までの動作を再び実行するの
で、新たに一対の画像が画像メモリ4に記憶される。こ
の際、操作者は第1マッチング処理の処理結果の誤りの
原因が分かっているので、画像の取込み時にそれを除く
ための作業を行って、誤りの原因が除かれた一対の画像
を記憶させることができる。したがって、この新たな一
対の画像を用いて画像の合成処理を行う場合、重複部分
の輝度変化が小さいために第1マッチング処理が失敗す
ることがない。これによって、画像の合成動作をやり直
す場合に、同じ原因に基づいて第1マッチング処理の処
理結果が再び誤ることを防止することができる。
【0080】すなわちステップS11,S12では、画
像補正情報生成部9は、誤りの原因を操作者に提示する
ことと平行して、矩形46を表示して操作者に合成処理
を続行させるか否かを選択させることによって、この時
点で求められている一対の画像の位置関係に基づいて画
像を合成するか否かを選択させるための合成選択手段と
して動作し、同時に、矩形47を表示して操作者に画像
の取直すか否かを選択させることによって、一対の画像
を画像取込み部に再び取込ませるか否かを選択させるた
めの再取込み選択手段として動作する。
【0081】さらに、ステップS11の時点で、画像補
正情報生成部9は、重複部分の輝度変化を大きくするた
めの操作者の作業を示すメッセージ48を、表示装置に
さらに表示させてもよい。この作業は、たとえば、被写
体の重複部分に写るべき部分に印を付加する作業であ
る。これは、以下の理由からである。被写体がたとえば
紙面に文字が印刷された原稿である場合、重複部分の輝
度変化が平坦であって原因として、被写体内で文字が描
かれていない空白の部分の像が重複部分に写っているこ
とが考えられる。この場合、この空白の部分に印を付け
てからその被写体を再び撮影すれば、新たに得られた画
像内で被写体のその部分の像が写る部分に、印の分だけ
輝度変化が生じる。これによって、重複部分の輝度変化
が小さいという問題が解決する。ゆえに、輝度変化に起
因する誤りの原因を簡単に除くことができる。
【0082】ステップS13に進む場合、画像補正情報
生成部9は、第2マッチング領域とその予測領域との相
対位置がそれぞれ異なると判定している。この場合、誤
りの原因は2つ考えられる。第1の原因は、一対の画像
P1,P2の重複部分が第1マッチング処理によって誤
りなく第1マッチング領域を求めるために必要な最小の
大きさ未満である場合またはそのために必要な最大の大
きさ以上であることである。たとえば、図10に示すよ
うに探索画像P2に重複部分が殆ど無い場合、各基準マ
ッチング領域C4a,C10aの算出がどれも誤ってい
るので、それらの中心を通る仮想直線L2aは、基準参
照領域A4,A10と同じ文字が描かれた部分を通る仮
想線LLとは異なる場所にある。また、第2の原因は、
たとえば図11に示すように、一対の画像P1,P2の
相対的な傾きが第1マッチング処理によって誤りなく第
1マッチング領域を求めることができる最大の角度以上
であることである。この場合、基準マッチング領域C4
b,C10bの一部の算出が誤ってるので、それらの中
心を通る仮想直線L2bは仮想線LLと交差する。
【0083】第1の原因によって基準マッチング領域が
誤っている場合、第2マッチング領域F5a,F6a,
F8a,F9aは第2参照領域AA5,AA6,AA
8,AA9と異なる文字が描かれた部分にあり、仮想直
線L2aが仮想線LLと一致していないので、予測点H
5a,H6a,H8a,H9aも前記部分内にある。し
たがって、第2マッチング領域F5a,F6a,F8
a,F9aの中心と予測点H5a,H6a,H8a,H
9aとの距離は、予測点H5a,H6a,H8a,H9
aと基準マッチング領域C4a,C10aの中心との距
離とは無関係に増減する。また、第2の原因によって基
準マッチング領域が誤っている場合、第2マッチング領
域F5b,F6bの中心は、基準マッチング領域C4b
から遠ざかるほど仮想直線L2bから離れ、予測点H5
b,H6bは仮想直線L2b上にある。したがって、第
2マッチング領域F5b,F6bの中心と予測点H5
b,H6bとの距離は、予測点H5b,H6bと基準マ
ッチング領域C4bの中心との距離に比例して増加す
る。
【0084】すなわち、第2の原因によって第1マッチ
ング処理の処理結果が誤っている場合、予測領域と第2
マッチング領域との位置のずれは、予測領域が基準マッ
チング領域から遠ざかる程大きくなると考えられる。ま
た、第1の原因によって第1マッチング処理の処理結果
が誤っている場合、予測領域と第2マッチング領域との
位置のずれは、予測領域と基準マッチング領域との距離
と無関係に増減すると考えられる。このように本実施形
態では、第2参照領域および第2探索領域を基準参照領
域の周囲に設定しかつ各領域を複数設定しているので、
第1マッチング処理の成否だけではなく、距離とずれと
の関係に基づいて、第1マッチング処理の処理結果の誤
りの原因が、第1および第2の原因のどちらであるかを
判定することができる。
【0085】再び図5を参照する。このために画像補正
情報生成部9は、まずステップS13で、各第2マッチ
ング領域の予測領域に対する相対位置が、基準マッチン
グ領域と予測領域との距離に比例してずれていくか否か
を判定する。すなわち、各第2マッチング領域の中心と
それの予測点との距離が、基準マッチング領域の中心と
該予測点との距離に比例して、線形に増加するか否かを
判定する。線形に増加する場合、ステップS13からス
テップS14に進み、増加しない場合、ステップS13
からステップS16に進む。
【0086】ステップS14では、画像補正情報生成部
9は、一対の画像P1,P2の相対的な傾きが大きすぎ
るために第1マッチング処理の処理結果に誤りがあると
判定する。次いで、次いで、ステップS15で、画像補
正情報生成部9は、ステップS14で判定した誤りの原
因を操作者に提示し、さらに、画像を取込み直すか否か
を操作者に選択させる。このために画像補正情報生成部
9は、具体的には、画像補正情報提示部10の表示装置
に、図14に示す画像51を表示させる。この画像内の
第3のメッセージ52は、誤りの原因が一対の画像の傾
きが大きすぎることを示すものである。またこの画像内
には2つの矩形46,47があり、画像の再取込みと合
成動作の続行とを選択することができることを示してい
る。画像51表示後、ステップS15からステップS1
8に進む。
【0087】ステップS16では、画像補正情報生成部
9は、一対の画像を重複部分を重ね合わせた場合の位置
関係が第1マッチング処理を誤りなく実行するための適
切な位置になっていないために、第1マッチング処理の
処理結果が誤ったと判定する。すなわち、誤りの原因が
重複部分の大きさの過不足であると判定する。次いで、
ステップS17で、画像補正情報生成部9は、ステップ
S16で判定した誤りの原因を操作者に提示し、さら
に、画像を取込みし直すか否かを操作者に選択させる。
このために画像補正情報生成部9は、具体的には、画像
補正情報提示部10の表示装置に、図15に示す画像5
3を表示させる。この画像内の第4のメッセージ54
は、誤りの原因が重複部分の過不足であることを示すも
のである。またこの画像内には2つの矩形46,47が
あり、画像の再取込みと合成動作の続行とを選択するこ
とができることを示している。画像54の表示後、ステ
ップS17からステップ18に進む。
【0088】操作者は、表示装置に表示された画像5
1,53のメッセージを読取ることによって、第1マッ
チング処理の処理結果が誤っていることとその誤りの原
因とを知ることができる。さらに、これらのことを踏ま
えて、画像の合成処理をやり直すか、そのまま続行させ
るかをを選択することができる。操作者は、この選択結
果に応じて、キーボードを操作する。
【0089】画像補正情報提示部10は、ステップS1
8で、キーボードの操作に応答して、操作者が画像の取
直しを指示したか否かを判定する。画像の合成が指示さ
れた場合、ステップS18からステップS8に進み、画
像合成部7に画像の合成処理を実行させる。これによっ
て、一対の画像が合成されてその合成画像が出力され
る。また、画像の取直しが指示された場合、ステップS
18からステップS19に進む。
【0090】ステップS19では、画像補正情報提示部
10は、画像取込み部3に、画像の取込み動作の一部を
再び実行することを指示して、ステップS20で合成処
理を終了する。たとえば、2回の被写体の撮影のうち
で、いずれか一方の撮影だけを再び実行させる。本実施
形態では、2回目の撮影を実行させる。これによって、
画像取込み部3は、図4で説明した2回目の撮影の動作
を再び実行するので、新たに1枚の画像が画像メモリ4
に記憶される。この画像と、元の処理対象の一対の画像
のうちで1回目の撮影で得られた画像とを、新たな処理
対象の一対の画像とする。このステップS15,S17
〜S19では、画像補正情報生成部9は、誤りの原因を
操作者に提示することと並行して、前記合成選択手段お
よび前記再取込み選択手段としても動作する。
【0091】この撮影のために載置台に被写体を載置さ
せる際、操作者は誤りの原因が分かっているので、その
原因を除くことができるように、点灯している案内部材
の位置を基準に被写体の位置を定めることができる。し
たがって、この新たな一対の画像を用いて画像の合成処
理を行う場合、重複部分の輝度変化が小さいために第1
マッチング処理が失敗することがない。これによって、
画像の合成動作をやり直す場合に、同じ原因に基づいて
第1マッチング処理が失敗することを防止することがで
きる。また、2回目の撮影だけを再び実行させるのは、
元の一対の画像の輝度変化は第1マッチング領域を誤り
なく算出するための輝度変化以上あると考えられるの
で、2回目の撮影時に被写体をおく位置をこの画像を基
準に定めれば一対の画像の位置関係に起因する誤りの原
因を除くことができ、かつ輝度変化に起因する誤りは起
こりにくいと考えられるからである。したがって、この
ように元の一対の画像の一部を再利用する場合、被写体
を再び撮影させる動作を簡略化することができる。
【0092】このように、画像処理装置では、相互に重
複する一対の画像の位置関係を求め、その位置関係に基
づいて一対の画像を合成する場合、一対の画像を合成す
る前に、その位置関係の算出の正誤を判定し、正しい場
合には合成を行い、誤っている場合には操作者にその旨
を提示する。ステップS4〜S19の処理が、第1マッ
チング処理の処理結果を評価するための評価処理に相当
する。たとえば被写体が新聞である画像等、内部の輝度
変化が頻繁な画像を処理対象とする場合、第1マッチン
グ処理は成功しやすいので、一対の画像はそのまま合成
されることが多い。ゆえにこの場合、従来技術のように
位置合わせ用の印を被写体に付さなくても、合成の精度
の高い合成画像を得ることができる。また、たとえば被
写体が図面である画像等、内部の輝度変化が平坦な画像
を処理対象とする場合、第1マッチング処理が失敗しや
すいので合成動作は中断されてその旨が操作者に知らさ
れることが多い。ゆえに、操作者が、印の付加および位
置関係の補正を行った後に一対の画像が合成されるの
で、予め定める品質の画像を常に得ることができる。
【0093】また、以上の説明では、一対の画像の位置
関係に基づいて行う処理を、画像の合成処理としたが、
たとえば画像の動き検出等、前記位置関係に基づいて行
う処理であれば、どのような処理であってもよい。さら
にまた、処理対象の画像が3枚以上あり、各画像が少な
くとも1枚の他の画像と重複する場合、相互に重複する
2枚の画像の組合わせ毎に、第1マッチング処理および
その処理結果の評価、すなわちステップS1〜S7,S
10,S13,S14,S16の処理を行い、全ての画
像の組み合わせの評価の結果に基づいて、評価結果の提
示ならびに合成の続行および画像の再取込みの選択、す
なわちステップS11,S12,S15,S17〜S1
9の処理を行えば良い。
【0094】以下に、画像フィルタ5について説明す
る。画像フィルタ5は、画像取込み部3によって取り込
まれた画像の空間周波数の高周波成分を取除き、その画
像の相関演算用データを作成する。このために画像フィ
ルタ5は、概略的には、たとえば、処理対象の画像の各
画素の輝度を、その画素および該画素の近傍の複数の画
素の輝度のうちで最大である輝度とそのうちで最小であ
る輝度の差を量子化した値に、それぞれ置換える。画像
フィルタ5は、上述した演算をするために、以下の演算
処理を実行する演算手段によって実現される。
【0095】画像フィルタ5が実行する画素の輝度変換
の詳細な動作を、図16を例として以下に説明する。図
16(A)は、画像フィルタ5が処理対象とする画像内
の任意の画素とその近傍の画素とを表す模式図であり、
各矩形が画素に相当し、矩形の濃淡が、その画素の輝度
の大小に相当する。画像取込み部3から入力された時点
の画像の各画素の輝度は、0〜255の範囲で変化する
ものと仮定する。また、画像は行列状に配列された画素
から構成され、x行y列の画素を画素(x,y)と表
す。x,yは任意の整数である。以後の説明では、輝度
変換の対象の画素を画素(x,y)とする。
【0096】画像フィルタ5は、まず、画素(x,y)
およびその近傍の画素として、まず画素(x,y)を中
心として、画素(x−α,y−β)と画素(x+α,y
+β)とを角隅部とする矩形の範囲内の画素を選ぶ。
α、βは任意の整数であり、たとえばそれぞれ2であ
る。次いで、この矩形の範囲内の画素の輝度のうちで最
大および最小の輝度を選び、その差を求める。図16の
例では、画素(x−α,y−β)の輝度が最小であり、
画素(x+α,y+β)の輝度が最小であるので、それ
らの差を求める。この差は、0〜255の範囲内の値
すなわち8ビットの値である。
【0097】次いで、図16(B)に示す量子化テーブ
ルを参照し、求められた差を量子化することによって、
0〜7の範囲内の値、すなわち3ビットの値に変換し、
変換後の差を、画素(x,y)の画素値として出力す
る。量子化テーブルは、前記求められた差と画素値との
予め定める対応を示すものであり、たとえば、画像フィ
ルタ5内のメモリに記憶される。量子化処理では、たと
えば、8ビットの値である差を線形的に3ビットの値に
変換して、その変換後の値を画素値としてもよい。また
8ビットの値を32で割り、その除算結果を画素値とし
てもよい。図16の例では画素(x−α,y−β),
(x+α,y+β)の輝度の差は5であるので、画素
(x,y)の画素値は5になる。画像フィルタ5は、こ
の画素値を、画像の全ての画素について求める。これら
各画素の画素値を画像信号の該画素の輝度値と全て置換
えたものが、相関演算用データである。
【0098】たとえば、処理対象の画像が新聞である場
合、網点部分の画素値は文字部分の画素値よりも大きく
なる。この理由を、図17,18を用いて説明する。図
17(A)は処理対象の画像である。図17(B)は、
処理対象の画像の相関演算用データを、各画素の画素値
を画素の濃度に置換えて仮想的に目視表示した仮想画像
である。図17(C)は、図17(B)の仮想画像にお
ける、画素の輝度と該画素値との関係を表す図である。
図18は、処理対象の画像内の行Xの輝度の変化を表す
グラフであり、横軸が画素の配列であり、縦軸が各画素
の輝度を表す。
【0099】文字部分とは、文字を構成する線が記載さ
れた部分に相当し、文字を構成する線は全て黒の画素に
よって構成される。ゆえに、この線を構成する画素のう
ちの1つの画素p1の輝度を量子化する場合、その画素
p1が線の中心およびその付近にある場合、その画素p
1を中心として行数が±α行である範囲内の画素は全て
線を構成する画素となる可能性が高い。ゆえに、最大お
よび最小の輝度の差が小さくなり易い。
【0100】網点部分とは、たとえば写真を中間調表示
で表す部分に相当し、白の地に黒の点が周期的に配置さ
れている。ゆえに網点部分は、黒の画素、すなわち輝度
の最小の画素が周期的に配置される。網点部分内の画素
p2の輝度を量子化する場合、その画素p2を中心とし
て行数が±α行である範囲内では、地を構成する画素の
輝度が最大であり、点を構成する画素の輝度が最小にな
る。ゆえに、最大の輝度と最小の輝度との差が大きくな
る。
【0101】図17の例では、相関演算用データでは、
網点部分および線のエッジにある画素の画素値はレベル
6であり、文字の中心およびその付近にある画素の画素
値ははレベル1となっている。これによって、網点部分
の画素の輝度変化を、平坦にすることができる。すなわ
ち、処理対象の画像から、空間周波数の高周波成分を除
くことができる。また、たとえば被写体を撮影する際に
載置台に粉塵が乗っていてそれが被写体と共に撮影され
た場合、粉塵の像が画像の光学的な雑音として重畳され
ることになる。この場合,雑音が重畳された画像に、画
像フィルタ5によって上述の処理を施せば、画像からこ
の雑音が除去された信号を、相関演算用データとして生
成することができる。したがって、この相関演算用デー
タを用いてマッチング処理を行う場合、光学的な雑音に
よってマッチング処理が誤ることを防止することができ
る。また、網点部分を輝度変化が平坦な部分として取扱
うことができるので、網点部分をそのまま取扱う場合よ
りも、処理が容易になる。
【0102】以下に、画像合成部7の画像の合成処理
を、図19を用いて詳細に説明する。まず、探索画像P
2において、仮想直線L2と探索画像P2の対向する2
つの辺61,62との交点M1,M3、探索画像P2内
で重複部分がある側の辺63と逆側の辺64の両端の頂
点M2,M4を求める。図19の例では、頂点M2,M
4は探索画像P2の右上角および右下角の頂点とであ
る。さらに、参照画像P1において、仮想直線L1と参
照画像P1の対向する2つの辺65,66との交点N
1,N2を求める。
【0103】次いで、探索画像P2内で交点M1,M3
と頂点M2,M4とを頂点とする台形の部分68を辺6
1,62と平行な方向に拡大または縮小して、図19
(B)で示す長方形に変型する。この場合、x座標軸に
平行な方向の台形部分の倍率は、拡大/縮小対象の部分
の台形の底辺からの距離に応じて異なる。たとえば、台
形部分68内で、底辺61からの高さy0と、その高さ
y0における仮想直線L2と辺64との間隔x0とに
は、以下の式1の関係が成り立つ。 x0 = y0÷y2×(x2−x1)+x1 …(1)
【0104】x1は辺61内で交点M1と頂点2とを両
端とする部分の長さである。x2は辺62内で交点M2
と頂点4とを両端とする部分の長さである。ゆえに、台
形部分69内で高さy0の横幅の拡大率はx1/x0と
なる。ゆえに、台形部分を辺61,62に平行に複数に
分割して、分割後の各部分をその部分の高さに応じて定
めた拡大率によってそれぞれ拡大する。これによって、
台形部分68は、図19(B)に示す長方形68aに変
形される。この長方形68aの頂点M1a,M3aが交
点N1,N2に重なるように、参照画像P1と長方形6
8aとを重ね合わせて合成する。これによって、一対の
画像P1,P2を、繋ぎ目が目立たないように繋ぎ合わ
せて合成することができる。
【0105】基準マッチング領域の選択手法の例を、図
20を用いて以下に詳細に説明する。図20(A)は処
理対象の一対の画像Px,Pyを、その重複部分を重ね
合わせて配置した状態を示す図である。図20(B)
は、一対の画像Px,Pyを分離して配置した状態を示
す図である。この説明では、画像Px内に、中心の座標
が(ai,bi)である第1参照領域Aiと、中心の座
標が(aj,bj)である第1参照領域Ajとが設定さ
れ、画像Pyの内に、中心の座標が(xi,yi)であ
る第1マッチング領域Ciと、中心の座標が(xj,y
j)である第1マッチング領域Cjとが求められている
ものとする。第1参照領域の中心の座標は、参照画像P
xに設定された座標系の座標であり、第1マッチング領
域の中心の座標は、探索画像Pyに設定された座標系の
座標である。一対の画像Px,Pyは、画像Pyを画像
Pxの座標軸に平行に移動させると、一対の画像Px,
Pyの重複部分を完全に一致させることができると仮定
する。また、画像Px,Pyの座標系の原点は、それぞ
れ画像Px,Pyの左上隅の頂点と一致しているものと
仮定する。
【0106】相関演算制御部12は、各第1マッチング
領域の算出の信頼性を求める場合、まず、各第1マッチ
ング領域Ciとそれの算出に用いた第1参照領域Aiと
のマッチングの相対位置を、各第1マッチング領域毎に
求める。iは、0より大きく第1参照領域の数未満の整
数である。マッチングの相対位置は、第1参照領域Ai
の中心の座標(ai,bi)のx座標aiと第1マッチ
ング領域Ciの中心の座標(xi,yi)のx座標xi
との差の絶対値|xi−ai|、および、前記座標(a
i,bi)のy座標biと前記座標(xi,yi)のy
座標yiとの差の絶対値|yi−bi|によって表され
る数値である。
【0107】次いで、求めたマッチングの相対位置を隣
合う2つの第1マッチング領域同士で比較して、マッチ
ングの相対位置が最も近いものを、算出の信頼性が最も
高い第1マッチング領域であるとして選択する。この選
択を、各第1マッチング領域について行い、選択された
第1マッチング領域を、基準マッチング領域とする。ま
た、選択された第1マッチング領域の数が基準マッチン
グ領域の数よりも多い場合、選択された第1マッチング
領域のうちから、必要な数の第1マッチング領域をさら
に選択して、それらを基準マッチング領域とする。
【0108】一対の画像Px,Pyの重複部分を重ね合
わせた場合、画像Pyの原点は、画像Px内の座標(G
x,Gy)の点と重なる。画像Pxの原点とその画像P
x内の座標(Gx,Gy)の点との位置関係が、画像P
x,Pyの位置関係の相当する。第1参照領域Ai,A
jは画像Pxに設定された複数の第1参照領域のうちで
隣合うものであり、各第1参照領域Ai,Ajを用いて
第1マッチング領域Ci,Cjが算出されている。
【0109】第1マッチング領域Ci,Cjの算出に誤
りがなければ、一対の画像Px,Pyの重複部分を重ね
合わせた場合、図20(A)に示すように、第1参照領
域Ai,Ajはどちらも、それを用いて算出された第1
マッチング領域Ci,Cjと完全に重なりあう。ゆえに
この場合、第1参照領域Aiと第1マッチング領域Ci
とのマッチングの相対位置(|xi−ai|,|yi−
bi|)、および第1参照領域Ajと第1マッチング領
域Cjとのマッチングの相対位置(|xj−aj|,|
yj−bj|)は、式2および式3の関係を満たす。 |xi−ai| = |xj−aj| = Gx …(2) |yi−bi| = |yj−bj| = Gy …(3)
【0110】このように、第1マッチング領域の算出に
正しければ、その第1マッチング領域について求められ
たマッチングの相対位置は、画像Px,Pyの位置関係
に等しい。ゆえに、隣合う2つの第1マッチング領域C
i,Cjについてそれぞれ求められたマッチングの相対
位置を比較した場合、両方の第1マッチング領域Ci,
Cjの算出が正しければ、それらマッチングの相対位置
は等しく、いずれか一方および両方の第1マッチング領
域Ci,Cjの算出が誤っていれば、それらマッチング
の相対位置が異なる。したがって、隣合う2つの第1マ
ッチング領域について求められたマッチングの相対位置
がほぼ等しい場合、その値が(Gx,Gy)であるとみ
なすことができるので、前記2つの第1マッチング領域
の算出の信頼性が高いと判定することができる。
【0111】ゆえに相関演算制御部12は、求めたマッ
チングの相対位置を隣合う2つの第1マッチング領域同
士で比較して、マッチングの相対位置が最も近いもの
を、算出の信頼性が最も高い第1マッチング領域である
として選択する。この選択を、各第1マッチング領域に
ついて行い、選択された第1マッチング領域を、基準マ
ッチング領域とする。また、選択された第1マッチング
領域の数が基準マッチング領域の数よりも多い場合、選
択された第1マッチング領域のうちから必要な数の第1
マッチング領域をさらに選択して、それらを基準マッチ
ング領域とする。
【0112】実際の演算では、画像Px,Pyの傾きお
よびマッチング処理の微小な誤差を考慮して、隣合う2
つの第1マッチング領域Ci,Cjが以下の式4,5を
満たす場合、それら第1マッチング領域Ci,Cjの算
出の信頼性が予め定める基準の信頼性よりも高いとみな
す。式4,5は、図5のステップa5で相対位置の判定
を行う場合の算出式と比較して、予測領域のx座標およ
びy座標に代わって第1参照領域のx座標およびy座標
を代入する点が異なり、他は等しい。 |xi−ai|−|xj−aj| < α×2 …(4) |yi−bi|−|yj−bj| < 2 …(5)
【0113】上式で、「2」は、マッチングの相対位置
のy座標の誤差許容範囲の最大値であり、本実施形態で
はy座標の誤差許容範囲を0以上2画素分の座標未満で
あるとする。また、α×2は、マッチングの相対位置の
x座標の誤差許容範囲の最大値であり、本実施形態では
x座標の誤差許容範囲を0以上α×2未満であるとす
る。αは予め定める定数である。このように、相対位置
のx座標およびy座標に誤差許容範囲を設けたのは、第
1および第2マッチング処理の演算が行われるのは座標
値の1の位までなので、これら誤差許容範囲内の演算誤
差が生じる可能性があるからである。
【0114】y座標の誤差許容範囲とx座標の誤差許容
範囲とが異なるのは、以下の理由からである。一対の画
像に相対的な傾きがない場合の基準マッチング領域の中
心を通る仮想直線と、実際の基準マッチング領域C4,
C10の中心を通る仮想直線L2とのなす角度が画像の
傾き角θに相当する。一対の画像に相対的な傾きがある
場合、マッチングの相対位置のy座標はほぼ変わらずそ
のx座標が増加する。ゆえに、一対の画像の相対的な傾
きにも許容範囲内の誤差を許容する場合、x座標の誤差
許容範囲の最大値をy座標の誤差許容範囲の最大値と傾
き角θの正接(tanθ)に第1参照領域Ai,Ajの
距離を乗算した値との積とすれば、一対の画像の相対的
な傾きが許容範囲であるか否かを同時に判定することが
できる。ゆえに、定数αは傾き角θの正接(tanθ)
に比例した値である傾き角θの誤差許容範囲は、たとえ
ば、0度以上1度未満である。
【0115】また、この算出の信頼性を求める場合、マ
ッチングの相対位置を比較する2つの第1マッチング領
域は、その距離が比較的短いものであれば、隣合う2つ
の第1マッチング領域だけでなく、間に他の第1マッチ
ング領域を挟む2つ第1マッチング領域であってもよ
い。比較的短い距離は、たとえば、第1マッチング領域
を最大で3個程度挟む位置関係の2つの第1マッチング
領域の中心間の距離に相当する。
【0116】定数αの決定手法について、図21を参照
して説明する。図21は、一対の画像Px,Pyに相対
的な傾きがある場合の第1マッチング領域Ci ,Cj の
位置関係を表す図である。第1マッチング領域Ci ,C
j は、その間に3つの他の第1マッチング領域を挟んで
いるものと仮定する。この場合、傾き角θの正接(ta
nθ)に関し、第1マッチング領域Ci ,Cj の中心の
座標(Xi ,Yi ),(Xj ,Yj )を用いて、式6が
成立つ。ゆえに、第1マッチング領域Ci ,Cjの中心の
X座標値Xi ,Xj の差と、該中心のY座標値Yi ,Y
j の差とには、式7が成立つ。この説明では、Y座標値
Yi は、沿え字i が1増加するたびに、第1マッチング
領域Ci のY方向の幅と同じ値だけ増加するものであ
り、沿え字i の数値に第1マッチング領域Ci ,Cj の
間の挟まれる他の第1マッチング領域の数よりも1大き
い数を加算した数値が、沿え字j に相当する。 tanθ = (Xj −Xi )/(Yj −Yi ) …(6) (Xj −Xi ) = tanθ×(Yj −Yi ) …(7)
【0117】したがって、定数αを式8によって定める
ことによって、2つの第1マッチング領域Ci ,Cj が
他の第1マッチング領域を3つ挟む距離だけ離れて位置
し、かつ一対の画像Px,Pyが傾き角θの誤差許容範
囲の上限値である1度だけ傾いている場合のX方向のず
れ量が、定数αになる。 α = tan(1°)×(Yi+4−Yi ) …(8)
【0118】上式の「Yi+4−Yi 」は、第1参照領域
Ai ,Aj の距離と等しい。すなわち定数αは、傾き角
θの上限値θmaxの正接(tanθmax)に、比較す
る2つの第1参照領域Ai ,Aj の距離を乗算した値に
なる。したがって、X座標値の差Xj −Xi の絶対値が
X座標の誤差許容範囲の最大値α×2未満であれば、式
4は満たされることになる。
【0119】図7の例における基準マッチング領域の具
体的な算出例を以下に示す。たとえば、第1マッチング
領域C1の中心の座標が(x1,y1)、第1マッチン
グ領域C2の中心の座標が(x2,y2)、第1参照領
域A1の中心の座標が(a1,b1)、第1参照領域A
2の中心の座標が(a2,b2)であるとする。この場
合に、第1マッチング領域C1,C2について求められ
たマッチングの相対位置が近い場合、以下の式9,10
を満たす。 |x1−a1| ≒ |x2−a2| …(9) |y1−b1| ≒ |y2−b2| …(10)
【0120】図7の例では、|x4−a4|≒|x5−
a5|および|y4−b4|≒|y5−b5|が満たさ
れる。これは、第1マッチング領域C4,C5について
求められたマッチングの相対位置がほぼ等しいことを表
すので、結果として第1マッチング領域C4,C5の算
出の信頼性が高いと確定される。同様の処理によって、
第1マッチング領域C9,C10も、その算出の信頼性
が高いと確定される。
【0121】また、画像Pxに対する画像Pyの傾き、
すなわち画像Px,Pyの相対的な傾きを検出するため
に、基準マッチング領域は、その相対距離が大きければ
大きいほど好ましい。このために、たとえば画像Px,
Pyをそれぞれ2つの部分に分け、各部分毎に算出の信
頼性が高い第1マッチング領域を選択し、そのうちで画
像の縁に最も近いものを基準マッチング領域として選ん
でもよい。
【0122】具体的な例を以下に示す。まず、全第1マ
ッチング領域を、その中心のY座標に基づいて、画像P
yの中心よりも上側の部分にある第1マッチング領域
と、画像Pyの中心から下側の部分にある第1マッチン
グ領域とに分ける。次いで、画像Pyの中心から上側の
部分にある第1マッチング領域のうちで、マッチングの
相対位置がほぼ等しい2つの第1マッチング領域を求
め、それらのうちで最も上側にある第1マッチング領域
を、基準マッチング領域とする。同様に、画像Pyの中
心よりも下側の部分にある第1マッチング領域のうち
で、マッチングの相対位置がほぼ等しい2つの第1マッ
チング領域を求め、それらのうちで最も下側にある第1
マッチング領域を、基準マッチング領域とする。「上」
とはy座標が増加する方向に相当し、「下」とはy座標
が減少する方向に相当する。y座標を基準にしたのは、
画像Px内で第1参照領域がy座標軸に沿って並べられ
ているので、第1マッチング領域もほぼy座標軸に沿っ
て並ぶからである。上側の部分および下側の部分で、マ
ッチングの相対位置がほぼ等しい2つの第1マッチング
領域が複数組求められた場合、それらのうちで相対位置
の差が最も等しいもの、またはその中心の位置が最も画
像の縁に近いものを選ぶ。このようにして基準マッチン
グ領域を求めることによって、信頼性の高い第1マッチ
ング領域のうちで相対距離が最も離れた2つの第1マッ
チング領域を、基準マッチング領域として選択すること
ができる。
【0123】さらに、基準マッチング領域の相対距離が
大きいほど、画像Px,Pyの相対的な傾きの傾き角を
厳密に定めることができる。これは、画像の傾き角は、
2つの基準マッチング領域の中心のx座標を分子として
該中心のy座標の差を分母とした分数によって表され、
2つの基準マッチング領域の相対距離が大きいほどx座
標の差およびy座標の差が大きくなるので、この分数の
分子と分母が前記相対距離が大きいほど大きくなるから
である。また、傾き角を厳密に定めることができる場
合、この傾き角を考慮して第2参照領域および予測領域
を設定すれば、処理対象の一対の画像に相対的な傾きが
ある場合でも、第1マッチング処理の処理結果が等しい
場合に第2参照領域と輝度分布が等しい領域を誤りなく
求めることができる。したがって、第2参照領域および
予測領域の設定の精度を向上させることができる。
【0124】本実施形態の画像処理装置は本発明の画像
処理装置の例示であり、主要な動作が等しければ、他の
様々な形で実施することができる。特に各部の詳細な動
作は、同じ出力が得られれば、これに限らず他の動作に
よって実現されてもよい。また、本実施形態の画像処理
装置は、画像フィルタ5を省略し、マッチング処理部6
が画像取り込み部3によって取込まれた画像を用いて第
1および第2マッチング処理を行うようにしてもよい。
また、第1マッチング処理の処理結果の正誤だけを判定
する場合、第2マッチング処理では、第2参照領域を1
つにしてもよい。さらに、一対の画像の相対的な傾きを
検出しない場合、第1マッチング処理では第1参照領域
を1つにして、合成処理時には、第1参照領域とそれに
対応する第1マッチング領域とが重なるように、各画像
をその座標軸に平行にずらして重ね合わせてもよい。
【0125】さらに、上述した画像の取込みと位置関係
の検出と位置関係の評価と位置関係を用いた画像処理と
を含む一連の処理を実行するためのプログラムをコンピ
ュータによって読出し可能な記憶媒体に記憶させ、この
プログラムを画像の取込みが可能なコンピュータにイン
ストールし、コンピュータの中央演算処理装置によって
このプログラムを実行させることによって、画像処理装
置を実現してもよい。この記憶媒体には、たとえば、C
D−ROMおよびフロッピーディスクが挙げられる。
【0126】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像処理
装置は、入力された一対の画像の位置関係を求め、かつ
その位置関係の正誤を判定して、その判定結果に表示す
る。したがって、この位置関係を用いて行う画像処理に
おいて、処理の精度の低下の要因が位置関係の誤りにあ
るか否かを容易に知ることができる。
【0127】また本発明によれば、画像処理装置は、求
めた位置関係に誤りがある場合、その誤りの原因を検出
して表示する。これによって、位置関係の訂正を容易に
行うことができる。
【0128】さらにまた本発明によれば、画像処理装置
の位置関係判定手段は、位置関係を求めるための第1参
照領域および第1マッチング領域に基づき、さらに第2
参照領域と予測領域とを設定しかつ第2マッチング領域
を求め、この第2マッチング領域が予測領域と一致する
か否かを判定することによって、位置関係の正誤を判定
する。これによって、パターンマッチング法を用いて、
位置関係の正誤を判定することができる。
【0129】また本発明によれば、第2参照領域を複数
設定して各第2参照領域毎に予測領域を設定しかつ第2
マッチング領域を求め、位置関係が誤りである場合、第
2マッチング領域から予測領域までのずれと第1および
第2マッチング領域の距離との関係に基づいて誤りの原
因を求める。これによって、1回のマッチング処理の処
理結果を用いて、位置関係の正誤の判定と位置関係の誤
りの原因とを、両方調べることができる。
【0130】さらにまた本発明によれば、位置関係検出
手段は、複数の第1参照領域を設定して各第1参照領域
毎に第1マッチング領域を求め、それら第1マッチング
領域の中から算出の信頼性が最も高いものを選び、選ん
だ第1マッチング領域とそれに対応する第1参照領域と
を用いて、第2参照領域と予測領域とを設定する。これ
によって、輝度分布が第2参照領域と違う領域を誤って
予測領域とすることを防止することができる。
【0131】また本発明によれば、前記位置関係判定手
段は、複数の第1マッチング領域のうちで、隣合う第1
参照領域同士で該第1参照領域とそれに対応する第1マ
ッチング領域との位置関係が等しいものを、算出の信頼
性が高いものとして選ぶ。これによって、算出の信頼性
の高い第1マッチング領域の選択を、容易に行うことが
できる。
【0132】さらにまた本発明によれば、前記位置関係
判定手段は、複数の第1マッチング領域のうちで、隣合
う第1参照領域同士で該第1参照領域とそれに対応する
第1マッチング領域との位置関係が等しくかつ相対距離
が最大の2つの第1マッチング領域を、算出の信頼性が
高いものとして選ぶ。これらを用いて位置関係の判定の
ためのマッチング処理を行うことによって、一対の画像
が相互に傾いている場合も、位置関係の判定の精度をさ
らに向上させることができる。
【0133】また本発明によれば、輝度変化検出手段
は、算出の信頼性の高い第1マッチング領域を選ぶこと
ができるか否かによって、位置関係の誤りの原因が、一
対の画像の重複する部分の輝度分布が平坦であるか否か
を判定する。したがって、誤りの原因が重複する部分の
輝度分布が平坦であることであるか否かを、容易に調べ
ることができる。
【0134】さらにまた本発明によれば、輝度変化検出
手段は、一対の画像の重複する部分の輝度変化が平坦で
あることが誤りの原因であると判定された場合、さら
に、重複する部分に同一の印を付すことを操作者に指示
する。これによって、位置関係の検出を再び行わせる場
合に、その位置関係を正しく求めさせるにはどうしたら
良いかを、操作者が容易に知ることができる。
【0135】また本発明によれば、画像処理装置は、画
像を再入力させる場合、重複する部分の輝度変化が前記
最小の輝度変化未満であるか否かに応じて、一対の画像
を全て再入力させるかいずれか一方の画像を再入力させ
るかを選択する。これによって、誤りの原因に応じて再
入力時の操作者の作業を簡略化させることができる。
【0136】また本発明によれば、画像入力装置の載置
台には案内手段が付加されているので、画像処理装置の
操作者は、載置台近傍に設けられた複数の案内手段に目
安に被写体を移動させれば、相互に重複する一対の画像
を容易に撮影手段に生成させることができる。
【0137】さらにまた本発明によれば、前記各案内手
段は撮影の繰返し回数に応じて点灯/消灯する。これに
よって、操作者は案内手段の点灯パターンに応じて被写
体を動かせばよいので、被写体を移動させる作業をさら
に簡略化することができる。
【0138】また本発明によれば、前記画像処理装置
は、合成選択手段によって合成することが選択された場
合だけ、合成手段によって一対の画像を合成する。これ
によって、画像処理装置の操作性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である画像処理装置1の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像取込み部3の外観を示す斜視図である。
【図3】1回目の撮影時の被写体31と画像取込み部3
との位置関係を示す図である。
【図4】2回目の撮影時の被写体31と画像取込み部3
との位置関係を示す図である。
【図5】位置関係の評価動作を含む画像の合成動作を説
明するためのフローチャートである。
【図6】参照画像P1内の第1参照領域A1〜A5と、
探索画像P2内の第1探索領域B1,B2とを示す図で
ある。
【図7】参照画像P1内の第1参照領域A1〜A13
と、探索画像P2内の第1マッチング領域C1〜C13
とを示す図である。
【図8】参照画像P1内の第2参照領域AA5,AA
6,AA8,AAと、探索画像P2内の第2探索領域D
5,D6,D8,D9とを示す図である。
【図9】第1マッチング処理の処理結果が正しい場合の
第2マッチング領域F5,F6,F8,F9と予測点H
5,H6,H8,H9とを示す図である。
【図10】第1マッチング処理の処理結果が重複部分の
過不足に起因して誤っている場合の第2マッチング領域
F5a,F6a,F8a,F9aと予測点H5a,H6
a,H8a,H9aとを示す図である。
【図11】第1マッチング処理の処理結果が画像の過大
な傾きに起因して誤っている場合の第2マッチング領域
F5b,F6b,F8b,F9bと予測点H5b,H6
b,H8b,H9bとを示す図である。
【図12】第1マッチング処理の処理結果が正しい場合
に、画像補正情報提示部10に表示される画像41を示
す図である。
【図13】第1マッチング処理の処理結果が重複部分の
輝度変化の不足に起因して誤っている場合に、画像補正
情報提示部10に表示される画像44を示す図である。
【図14】第1マッチング処理の処理結果が画像の過大
な傾きに起因して誤っている場合に、画像補正情報提示
部10に表示される画像51を示す図である。
【図15】第1マッチング処理の処理結果が画像の重複
部分の過不足に起因して誤っている場合に、画像補正情
報提示部10に表示される画像53を示す図である。
【図16】画像のフィルタ処理の原理を説明するための
図である。
【図17】網点部分と文字部分とを含む処理対象の画像
と、前記処理対象の画像の相関演算用データの仮想画像
とを示す図である。
【図18】処理対象の画像の画素の並びと輝度との関係
を示す図である。
【図19】画像の合成処理を説明するための図である。
【図20】信頼性の高い第1マッチング領域の選択手法
を説明するための図である。
【図21】定数αの決定手法を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
3 画像取込み部 4 画像メモリ 5 画像フィルタ 6 マッチング処理部 7 画像合成部 9 画像補正情報生成部 10 画像補正情報提示部 12 相関演算制御部 14 相関演算部 22 載置台 23〜26 案内部材 31 被写体 A1〜A13 第1参照領域 C1〜C13 第1マッチング領域 AA5,AA6,AA8,AA9 第2参照領域 F5,F6,F8,F9 第2マッチング領域 H5,H6,H8,9H 予測点

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に重複する一対の画像を入力する画
    像入力手段と、 一対の画像の相互に重複する部分を重ねた状態における
    一対の画像の位置関係を求める位置関係検出手段と、 求められた位置関係が正しいか否かを判定する位置関係
    判定手段と、 位置関係判定手段によって求められた位置関係の正誤を
    表示する表示手段とを含むことを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記位置関係判定手段によって前記位置
    関係が誤りであると判定された場合、前記位置関係の誤
    りの原因を求めて前記表示手段に表示させ、位置関係が
    正しいと判定された場合休止する原因検出手段をさらに
    含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記位置関係検出手段は、前記一対の画
    像のうちの一方の画像に予め定める大きさの第1参照領
    域を設定し、前記一対の画像のうちの他方の画像内で、
    輝度分布が第1参照領域の輝度分布と最も類似する第1
    マッチング領域を求め、第1参照領域と第1マッチング
    領域との位置関係に基づいて前記一対の画像の前記位置
    関係を求め、前記位置関係判定手段は、前記一方の画像
    の第1参照領域を含む部分に、予め定める大きさの第2
    参照領域を設定し、前記他方の画像内で第2参照領域と
    輝度分布が最も類似すると予想される予想領域を、第1
    マッチング領域の位置と第1および第2参照領域の位置
    関係とに基づいて設定し、前記他方の画像の第1マッチ
    ング領域を含む部分内で、第2参照領域と輝度分布が最
    も類似する第2マッチング領域を求め、第2マッチング
    領域が予想領域と一致する場合、前記位置関係が正しい
    と判定し、一致しない場合、前記位置関係が誤りである
    と判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記位置関係検出手段は、前記一対の画
    像のうちの一方の画像に予め定める大きさの第1参照領
    域を設定し、前記一対の画像のうちの他方の画像内で、
    輝度分布が第1参照領域の輝度分布と最も類似する第1
    マッチング領域を求め、第1参照領域と第1マッチング
    領域との位置関係に基づいて前記一対の画像の前記位置
    関係を求め、前記位置関係判定手段は、前記一方の画像
    内で第1参照領域を含む部分に、予め定める大きさの第
    2参照領域を複数設定し、前記他方の画像内で各第2参
    照領域と輝度分布が最も類似すると予想される予想領域
    を、第1マッチング領域と第1および第2参照領域の位
    置関係とに基づいてそれぞれ設定し、前記他方の画像内
    の第1マッチング領域を含む部分内で、各第2参照領域
    と輝度分布が最も類似する第2マッチング領域をそれぞ
    れ求め、各第2マッチング領域が各予想領域とそれぞれ
    一致する場合、前記位置関係が正しいと判定し、少なく
    とも1つの第2マッチング領域がその予想領域と一致し
    ない場合、前記位置関係が誤りであると判定し、 前記原因検出手段は、前記位置関係判定手段によって前
    記位置関係が誤りであると判定された場合、前記各予想
    領域から前記各第2マッチング領域までのずれと前記各
    第2マッチング領域から前記第1マッチング領域までの
    距離との関係を求め、距離の増加に伴ってずれが増加す
    るとき、前記一対の画像の相対的な傾きが前記位置関係
    検出手段によって位置関係を検出することが可能な最大
    の傾き以上であることを位置関係の誤りの原因として前
    記表示手段に表示させ、距離に無関係にずれが変化する
    とき、前記一対の画像の相互に重複する部分の大きさが
    前記位置関係検出手段によって位置関係を検出すること
    が可能な最大の大きさ以上または最小の大きさ未満であ
    ることを誤りの原因として前記表示手段に表示させ、前
    記位置関係が正しいと判定された場合、休止することを
    特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記位置関係検出手段は、前記一対の画
    像のうちの一方の画像に予め定める大きさの第1参照領
    域を複数設定し、前記一対の画像のうちの他方の画像内
    で、輝度分布が各第1参照領域の輝度分布と最も類似す
    る第1マッチング領域をそれぞれ求め、各第1参照領域
    と各第1マッチング領域との位置関係に基づいて前記一
    対の画像の前記位置関係を求め、前記位置関係判定手段
    は、 複数の第1参照領域および第1マッチング領域のうち
    で、位置関係検出手段の第1マッチング領域の算出の信
    頼性が予め定める基準以上に高い第1マッチング領域
    と、該第1マッチング領域の算出に用いられた第1参照
    領域とを選択し、前記一方の画像内で選択された第1参
    照領域を含む部分に、予め定める大きさの第2参照領域
    を複数設定し、前記他方の画像内で各第2参照領域と輝
    度分布が最も類似すると予想される予想領域を、選択さ
    れた第1マッチング領域と選択された第1参照領域およ
    び各第2参照領域の位置関係とに基づいてそれぞれ設定
    し、前記他方の画像内の選択された第1マッチング領域
    を含む部分内で、各第2参照領域と輝度分布が最も類似
    する第2マッチング領域をそれぞれ求め、 各第2マッチング領域が各予想領域とそれぞれ一致する
    場合、前記位置関係が正しいと判定し、少なくとも1つ
    の第2マッチング領域がその予想領域と一致しない場
    合、前記位置関係が誤りであると判定することを特徴と
    する請求項1記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記前記位置関係判定手段は、第1参照
    領域および第1マッチング領域の位置関係が隣合う第1
    参照領域同士で等しい第1マッチング手段を、算出の信
    頼性が前記基準以上に高い第1マッチング領域として選
    択することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記位置関係判定手段は、第1参照領域
    および第1マッチング領域の位置関係が隣合う第1参照
    領域同士で等しい第1マッチング領域のうちで、第1参
    照領域同士の相対距離が最も大きい2つの第1マッチン
    グ領域を、前記信頼性が前記基準以上に高い第1マッチ
    ング領域として選ぶことを特徴とする請求項5記載の画
    像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記位置関係判定手段によって前記第1
    参照領域および第1マッチング領域を選ぶことができな
    い場合、前記一対の画像の相互に重複する部分の輝度変
    化が前記位置関係検出手段によって前記位置関係を検出
    するための最小の輝度変化未満であることを位置関係の
    誤りの原因として前記表示手段に表示させ、できる場合
    休止する輝度変化検出手段をさらに含むことを特徴とす
    る請求項5記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記輝度変化検出手段は、前記位置関係
    判定手段によって前記第1参照領域および第1マッチン
    グ領域を選ぶことができない場合、さらに、前記一対の
    画像の相互に重複する部分に同一の印を付すことを指示
    することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記画像入力手段に画像を再び入力さ
    せるか否かをを選択させる再入力選択手段をさらに含
    み、 前記画像入力手段は、画像を再入力させることが選択さ
    れた状態で、前記輝度変化検出手段が位置関係の誤りの
    原因を前記表示手段に表示させた場合、前記一対の画像
    を全て再び入力させ、前記状態で輝度変化検出手段が休
    止した場合、前記一対の画像のうちのいずれか一方を再
    び入力させることを特徴とする請求項8記載の画像処理
    装置。
  11. 【請求項11】 前記画像入力手段は、 被写体を載置する載置台と、 予め定める撮影範囲を有し、載置台に載置された被写体
    内の撮影範囲内にある部分を撮影して画像を生成し、入
    力されるべき画像の枚数だけ撮影を繰り返す撮影手段
    と、 載置台の撮影範囲の近傍に並べられて固定される複数の
    案内手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の画像
    処理装置。
  12. 【請求項12】 前記各案内手段は発光手段であり、撮
    影の繰返し回数に応じて、画像の重複する部分に相当す
    る被写体の部分を置くべき載置台上の位置に最も近く、
    かつ繰返し回数に対応して予め定められる案内手段が発
    光または消灯し、さらに該案内手段以外の残余の案内手
    段が消灯または発光することを特徴とする請求項11記
    載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 一対の画像を合成するか否かを選択さ
    せる合成選択手段と、合成することが選択された場合、
    前記位置関係検出手段によって求められた前記位置関係
    に基づいて、一対の画像を相互に重複する部分でつなぎ
    合わせるように合成し、合成しないことが選択された場
    合休止する合成手段とをさらに含むことを特徴とする請
    求項1記載の画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7369685B2 (en) 2002-04-05 2008-05-06 Identix Corporation Vision-based operating method and system
JP2010034964A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Sharp Corp 画像合成装置、画像合成方法及び画像合成プログラム
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