JPH1113307A - 塔状連続体構造物における振動低減化構造 - Google Patents
塔状連続体構造物における振動低減化構造Info
- Publication number
- JPH1113307A JPH1113307A JP17900297A JP17900297A JPH1113307A JP H1113307 A JPH1113307 A JP H1113307A JP 17900297 A JP17900297 A JP 17900297A JP 17900297 A JP17900297 A JP 17900297A JP H1113307 A JPH1113307 A JP H1113307A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chimney
- tower
- layer section
- upper layer
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
TMDを利用した最適な振動低減化を図ることができ、
さらには既存の構造物に対しても容易に適用可能な塔状
連続体構造物における振動低減化構造を得る。 【解決手段】 塔状連続体構造物10の上層部11を下
層部12から切り離し、当該上層部11を下層部12
に、支承部材20を介してチューンド・マス・ダンパー
の重りとして機能するように揺動自在に配設した。
Description
体構造物において、地震時等に発生する振動を低減化さ
せるための構造に関するものである。
物においては、その建端が高くなるほど強風時や地震時
に大きな風荷重や地震荷重を受けることになる。そこで
従来、例えば図3に示すように、上記塔状連続体構造物
の一種である煙突1を構築する場合には、強風時や地震
時に発生する風荷重や地震荷重に対して、当該煙突1自
体の剛性を高めることにより強度的に対抗する方法や、
逆に充分な靱性を確保して弾性変形能を向上させること
によって対抗する方法が採られている。
来の煙突1にあっては、剛性によって上記地震荷重等に
対抗しようとすると、いきおい肉厚tが厚くなって全体
としての重量が大幅に嵩んでしまうという問題点があ
り、他方充分な靱性を確保する方法を採った場合には、
頂部2における揺れが非常に大きくなってしまうという
問題点があった。
の振動を低減化させて居住性を向上させるための振動低
減化構造として、チューンド・マス・ダンパー(以下、
TMDと略称する。)を用いた構造が知られている。こ
れは、構造物の頂部床面上に積層ゴムやコイルスプリン
グを介して所定の重量を有する重り(マス)を支承した
り、あるいは天井の下面に振り子を介して上記重りを吊
設したものであり、地震時等に構造物に発生する揺れの
エネルギーを、上記重りが揺れるエネルギーに変換する
ものである。このようなTMDにおいては、重りの揺れ
る周期と構造物の揺れる周期とが一致するように、当該
重りの重量、積層ゴム等の剛性や振り子の長さを調整
(チューンド)することにより、構造物に上記強風や地
震力に起因して揺れが生じた際に、重りを大きく振らせ
ることによって揺れのエネルギーを吸収し、当該構造物
における振動を低減化させることができる。
物に対しても、上記TMDを適用することが考えられる
が、一般にこの種の塔状連続体構造物にあっては、振り
子によって重りを吊設することは構造的に現実的ではな
い。また、頂部に重りを設置する場合においても、TM
Dによって効果的に強風や地震による揺れを低減化せる
ためには、TMDにおける重りの可動範囲を大きくする
か、あるいは当該重りの重量を大きくする必要があるの
に対して、当該塔状連続体構造物にあっては、通常頂部
の面積がきわめて小さいうえに、特に煙突などにあって
は内部を排気ガス等が流通するために、頂部に大きな可
動スペースを確保したり、あるいは別途重量の大きな重
りを積載することができないという問題点があり、現実
的にはその適用が不可能であるとされていた。
に対する振動低減化の要請に応えるべくなされたもの
で、別途重量の大きな重りを積載することなく、TMD
を利用した最適な振動低減化を図ることができ、さらに
は既存の構造物に対しても容易に適用可能となる塔状連
続体構造物における振動低減化構造を提供することを目
的とするものである。
に係る塔状連続体構造物における振動低減化構造は、塔
状連続体構造物の上層部を下層部から切り離し、当該上
層部を下層部に、支承部材を介してTMDの重りとして
機能するように揺動自在に配設してなることを特徴とす
るものである。
承部材が、弾性体とダンパー若しくは滑り支承ならびに
水平抵抗材とダンパー、またはこれらの組合わせからな
ることを特徴とするものである。また、請求項3に記載
の発明は、上記請求項1または2に記載の塔状連続体構
造物が、煙突であることを特徴とするものである。
れば、塔状連続体構造物の上層部を下層部から切り離
し、支承部材を介して上記塔状連続体構造物の固有振動
数に同調するTMDの重りとして利用しているので、強
風時や地震時に支承部材を介して上層部が大きく揺動
し、上記強風等に起因する振動エネルギーを吸収・消散
することにより、塔状連続体構造物の応答を抑制するこ
とができる。この結果、塔状連続体構造物自体の断面積
を小さく設定することも可能になり、経済性にも優れ
る。この際に、上層部の重量を大きくすれば、上層部の
揺動が小さくても大きな振動低減化効果を奏する。この
ように、本発明は、塔状連続体構造物の上層部を切り離
すことにより、当該上層部をTMDの重りとして利用し
ているために、上記切断箇所を適宜位置に設定すること
により、上層部の揺動量についても自由に調節すること
が可能であり、さらには既存の構造物に対しても容易に
適用することが可能である。
を、上記上層部がTMDの重りとして作用して地震時等
における塔状連続体構造物の応答を低減化させるために
適切な固有振動数および減衰性となるように調節するこ
とにより、上記塔状連続体構造物における振動の発生を
より一層効果的に抑制することが可能になる。このよう
な支承部材としては、請求項2に記載の発明のように、
積層ゴム等の弾性体とダンパー若しくはベアリングやロ
ーラ等の滑り支承ならびに水平抵抗材とダンパー、また
はこれらを組合わせたものが好適である。以上のことか
ら、請求項1または2に記載の発明は、特に請求項3に
記載の発明のように、頂部の断面積がきわめて小さく、
かつ構造上別途重り等を積載することが不可能な煙突に
適用した場合に、顕著な効果を奏する。
塔状連続体構造物における振動低減化構造を、煙突10
に適用した一実施形態を示すものである。これらの図に
示すように、上記煙突(塔状連続体構造物)10におい
ては、その上層部11が下層部12から切り離されると
ともに、下層部12上に支持部材20を介して揺動自在
に配設されている。ここで、上層部11は、煙突10の
固有振動数に同調してTMDにおける重りとして機能す
るような長さ寸法に切断されている。また、支持部材2
0は、図2に示すように、上下部がそれぞれ上層部11
および下層部12に固定された積層ゴム(弾性体)21
と、一端部22aが上層部11に固定されるとともに、
他端部22bが下層部12に固定されたオイルダンパ
ー、粘性体ダンパーあるいは摩擦ダンパー等のダンパー
22とによって構成されたものである。そして、積層ゴ
ム21の取付位置およびその個数や、高さ寸法並びにダ
ンパー22の強さは、上層部11がTMDの重りとして
作用する際に、煙突10の揺れを低減化させるために適
切な固有振動数および減衰性となるように調節されてい
る。
構造にあっては、煙突10の上層部11を下層部12か
ら切り離し、当該上層部11を支承部材20を介して煙
突10の固有振動数に同調するTMDの重りとして利用
しているので、強風時や地震時に支承部材20を介して
上層部11が大きく揺動することにより、その振動エネ
ルギーを吸収・消散することができる。加えて、支承部
材20の積層ゴム21における繰り返し弾性変形によっ
て上記振動エネルギーが吸収されるとともに、さらにダ
ンパー22によって当該振動が減衰されるために、上述
したTMDの作用との相乗効果によって、煙突10の下
層部12における応答を効果的に抑制することができ
る。しかも、煙突10における振動の低減化が図られる
結果、煙突10自体の断面積を小さく設定してその軽量
化を図ることもでき、経済性にも優れる。
を煙突10に適用した場合についてのみ説明したが、こ
れに限るものではなく、他の同様な塔状連続体構造物に
対しても適用可能である。また、支承部材20として
は、上述した積層ゴム21とダンパー22との組合わせ
に限定されるものではなく、例えば積層ゴム21に代え
て、上層部11の下面にテフロン等の滑動性を有する部
材を設け、他方下層部12の上面に上記テフロン等が摺
動するステンレス板を固定した滑り支承と水平抵抗材と
を並列的に組合わせたものや、上記テフロン等の滑動部
材を用いたベアリングに代えてローラを用いたもの、あ
るいはダンパー22に代えて積層ゴム21に高減衰積層
ゴムを用いたもの、さらにはこれらを組合わせたもの
等、各種の支承部材が適用可能である。
ずれかに記載の発明によれば、塔状連続体構造物の切り
離された上層部を、TMDの重りとして利用しているの
で、強風時や地震時に上層部の揺動によって、振動エネ
ルギーを吸収・消散し、塔状連続体構造物の応答を抑制
することができるため、別途重りを設けることなく、当
該塔状連続体構造物における振動を効果的に低減化させ
ることができる。また、これにより塔状連続体構造物自
体の断面積もより小さく設定することができるために経
済性にも優れるとともに、既存の構造物に対しても容易
に適用することができるといった顕著な効果が得られ
る。
造の一実施形態を示す縦断面図である。
面図である。
擦ダンパー)
Claims (3)
- 【請求項1】 塔状連続体構造物の上層部を下層部から
切り離し、当該上層部を上記下層部に、支承部材を介し
てチューンド・マス・ダンパーの重りとして機能するよ
うに揺動自在に配設してなることを特徴とする塔状連続
体構造物における振動低減化構造。 - 【請求項2】 上記支承部材は、弾性体とダンパー若し
くは滑り支承ならびに水平抵抗材とダンパー、またはこ
れらの組合わせからなることを特徴とする請求項1に記
載の塔状連続体構造物における振動低減化構造。 - 【請求項3】 上記塔状連続体構造物は、煙突であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の塔状連続体構
造物における振動低減化構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17900297A JPH1113307A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 塔状連続体構造物における振動低減化構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17900297A JPH1113307A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 塔状連続体構造物における振動低減化構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1113307A true JPH1113307A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=16058407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17900297A Pending JPH1113307A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 塔状連続体構造物における振動低減化構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1113307A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102410155A (zh) * | 2011-12-09 | 2012-04-11 | 三一电气有限责任公司 | 一种风机及其塔筒 |
CN102644337A (zh) * | 2012-05-14 | 2012-08-22 | 浙江工业大学 | 一种减轻高耸塔设备风诱导振动的装置及其方法 |
JP2015001117A (ja) * | 2013-06-17 | 2015-01-05 | 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 | 塔状構造物 |
JP2015227605A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-17 | 清水建設株式会社 | 制振装置及びこれを備えた建物 |
-
1997
- 1997-06-19 JP JP17900297A patent/JPH1113307A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102410155A (zh) * | 2011-12-09 | 2012-04-11 | 三一电气有限责任公司 | 一种风机及其塔筒 |
CN102644337A (zh) * | 2012-05-14 | 2012-08-22 | 浙江工业大学 | 一种减轻高耸塔设备风诱导振动的装置及其方法 |
JP2015001117A (ja) * | 2013-06-17 | 2015-01-05 | 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 | 塔状構造物 |
JP2015227605A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-17 | 清水建設株式会社 | 制振装置及びこれを備えた建物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5725331B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
US5678840A (en) | Vibration damping devices for skis and other applications | |
CN103835389A (zh) | 惯性转动质量阻尼器 | |
JPH1113307A (ja) | 塔状連続体構造物における振動低減化構造 | |
JP2001349094A (ja) | 同調振り子式制振装置 | |
JP2004092112A (ja) | 床振動減衰装置 | |
JP2006194073A (ja) | 振動低減装置 | |
JP5777044B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
JP2008280713A (ja) | 鉛直振動用チューンドマスダンパー及びそれを用いた鉛直振動減衰システム | |
JP2015143577A (ja) | 除振架台の減震ストッパ | |
JP2000329187A (ja) | 制振装置 | |
CN110381398B (zh) | 一种防震音响 | |
JP2003239425A (ja) | 衝撃絶縁器 | |
JP2012247006A (ja) | 長尺構造物の制振装置 | |
JPH1130278A (ja) | 免振構造 | |
JP3610004B2 (ja) | 建築物の制振装置 | |
CN114934966B (zh) | 带非稳态负刚度吸振器的基座结构 | |
JP7355627B2 (ja) | 防振構造 | |
JP3156061B2 (ja) | 高層建物の制振構造 | |
JP2011219926A (ja) | 床支持具及び床構造 | |
JPH09302987A (ja) | 制振構造物 | |
JP2003239564A (ja) | ロッキング方式のカーテンウオール利用の制震方法および制震装置 | |
CN207813155U (zh) | 一种地面减振器 | |
JP3193182B2 (ja) | 複数モード制御マスダンパー | |
JP6143065B2 (ja) | 大スパン架構建物の制振構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040419 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060307 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20060425 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060801 |