JPH1112953A - 繊維処理用マイクロカプセル及びマイクロカプセル付着繊維 - Google Patents

繊維処理用マイクロカプセル及びマイクロカプセル付着繊維

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JPH1112953A
JPH1112953A JP18925197A JP18925197A JPH1112953A JP H1112953 A JPH1112953 A JP H1112953A JP 18925197 A JP18925197 A JP 18925197A JP 18925197 A JP18925197 A JP 18925197A JP H1112953 A JPH1112953 A JP H1112953A
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JP
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fiber
microcapsule
microcapsules
dispersion
specific gravity
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JP18925197A
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English (en)
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Ryoji Yasue
良司 安江
Kentarou Kiyama
健太郎 貴山
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 消炎作用及び/又は鎮痛作用を有する疎
水性生理活性物質を芯物質として含有してなる繊維処理
用マイクロカプセルを付着したマイクロカプセル付着繊
維。 【効果】 本発明の繊維処理用マイクロカプセルによれ
ば、繊維に付着するだけで、繊維に優れた消炎、鎮痛効
果を付与することができ、このマイクロカプセルを付着
せしめた本発明のマイクロカプセル付着繊維によれば、
着用するだけでむくみや筋肉痛を改善することができ
る。従って、この繊維は、特にむくみや筋肉痛が起こり
やすい手足等にじかに着用する下着,くつ下,パンティ
ストッキング等の衣類、サポーター,包帯等の保護具類
として好適に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維に付着せしめ
ることで、繊維に優れた消炎、鎮痛効果を付与すること
ができる繊維処理用マイクロカプセル及び皮膚に被覆し
ておくだけで被覆部位のむくみや筋肉痛を改善すること
ができるマイクロカプセル付着繊維に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、足などのむくみを解消する手段としては、むくみ部
位の血行促進を図る、マッサージを行うなどの手段の
他、むくみを解消する物質を含有する湿布剤を貼付した
り、スプレー剤をスプレー塗布する等の手段が採られて
いるが、血行促進やマッサージ等の手段の場合、手軽に
行うことができない,費用がかかるなどの問題があり、
湿布剤の場合、例えばむくみ部位全体に貼ることが困難
であり、一方、スプレー剤の場合、上記物質による効果
が長続きしないなどの問題があった。
【0003】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、繊維に付着せしめることで、繊維に優れた消炎、鎮
痛効果を付与することができる繊維処理用マイクロカプ
セル及び着用するだけでむくみや筋肉痛を改善すること
ができるマイクロカプセル付着繊維を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、消炎、鎮痛作用を有する疎水性の生理活性物質をマ
イクロカプセル化し、これを皮膚にじかに着用される繊
維に付着せしめることによって、上記生理活性物質によ
る作用効果を繊維に持続性よく付与することができると
共に、このような繊維を着用すれば、着用時の摩擦によ
るマイクロカプセルの破壊によって、上記生理活性物質
がマイクロカプセルから放出されるので、上記繊維を着
用しているだけでむくみや筋肉痛を改善できることを見
出すと共に、更に、繊維に付着された後、着用されるま
では破壊されず、且つ繊維着用による繊維と皮膚との摩
擦等によって、初めて容易に芯物質を放出することがで
きるマイクロカプセルについて鋭意検討を行ったとこ
ろ、上記のような生理活性物質として使用されるインド
メタシン等の非ステロイド系抗炎症剤の多くが常温で固
体であり、また、例えば融点が30℃であるアセチルオ
イゲノール等は低温では固化してしまうものであること
に注目すると共に、このような生理活性物質をマイクロ
カプセルの芯物質として使用すると常温又は特に冬場の
ように気温が低い場合には芯物質が固化してしまい、マ
イクロカプセルを所定粒径に調製することが困難となっ
たり、マイクロカプセル化率が低下するのみならず、マ
イクロカプセルの芯物質が体温付近の温度で固体である
と、このようなマイクロカプセルを付着させた繊維を着
用した時に、マイクロカプセルの強度が高いためにマイ
クロカプセルの破壊が困難となり、上記のような摩擦に
よって芯物質を放出することが困難となることに着目す
るに至り、このような生理活性物質であっても、溶媒に
溶解させて液状とすることによって、マイクロカプセル
化率を向上させることができ、更にマイクロカプセルを
付着させた繊維を着用した後の芯物質の放出も容易とな
ると共に、芯物質の比重を調整することによって、マイ
クロカプセルを調製する際に芯物質が均一に分散した分
散液が得られ、芯物質の粒径コントロールが行い易くな
る上、マイクロカプセル強度の調整も容易となることを
知見し、本発明をなすに至った。
【0005】即ち、本発明は、(1)消炎作用及び/又
は鎮痛作用を有する疎水性生理活性物質を芯物質として
含有してなることを特徴とする繊維処理用マイクロカプ
セル、及び(2)上記(1)の繊維処理用マイクロカプ
セルを付着してなることを特徴とするマイクロカプセル
付着繊維を提供する。ここで、上記(1)の芯物質とし
て上記疎水性生理活性物質を溶媒に溶解させて、その比
重を0.95〜1.1の範囲に調整したものを使用する
と、より好適である。
【0006】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の繊維処理用マイクロカプセルは、消炎作用
及び/又は鎮痛作用を有する疎水性生理活性物質を芯物
質とし、これを後述するカプセル膜材に内包させたもの
である。
【0007】ここで、マイクロカプセルに内包される生
理活性物質としては、消炎作用又は鎮痛作用のいずれか
一方、又は両方を有する疎水性の物質を使用することが
でき、このような生理活性物質として、例えばオイゲノ
ール、オイゲノール誘導体、上記作用を有する植物抽出
物、非ステロイド系抗炎症剤等を挙げることができ、具
体的には、オイゲノール誘導体として、アセチルオイゲ
ノール,サリチル酸オイゲノール,メチルオイゲノー
ル,メチルイソオイゲノール,エチルオイゲノール,エ
チルイソオイゲノール等、上記作用を有する植物抽出物
として、アミリス,安息香,イモール,イランイラン,
カモミール,クラリセージ,サイプレス,サンダルウッ
ド,タージェティーズ,タンジェリン,ディル,ネロリ
等からの抽出物、非ステロイド系抗炎症剤として、アス
ピリンなどのサリチル酸誘導体,アセトアミノフェン,
インドメタシン,イブプロフェン,ジクロフェナックナ
トリウム,ケトプロフェン,ピロキシカム,フルルビプ
ロフェン等を挙げることができ、これらは1種単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0008】これらの中でも、本発明の場合、皮膚から
吸収された際に、人体に対する作用が穏やかで、長期間
皮膚を被覆していても副作用のない物質がより好まし
く、例えばオイゲノール及び上記オイゲノール誘導体が
好適に使用され、更にこれらの中でも、臭いがないか、
弱い物質が特に好ましく、例えばアセチルオイゲノー
ル、アセチルイソオイゲノール等が特に好適に使用され
る。
【0009】上記生理活性物質の配合量は、その種類等
により適宜選定することができるが、通常マイクロカプ
セル全量に対して、10〜90%(重量%、以下同
様)、特に20〜80%程度が望ましい。生理活性物質
の配合量が少なすぎると生理活性物質配合の効果が十分
に得られない場合があり、生理活性物質の配合量が多す
ぎるとマイクロカプセルの形成が困難となる場合があ
る。
【0010】ここで、本発明のマイクロカプセルの場
合、上記生理活性物質を芯物質として使用するに当た
り、溶媒に溶解することによって、例えば使用する生理
活性物質が常温で固体であったり、低温で固化し易いも
のであってもカプセル化を効率よく行うことができ、ま
た、上記生理活性物質を溶解する際に、使用する溶媒に
よって芯物質の比重を後述する所定範囲に調整すること
によって、マイクロカプセル調製時に芯物質を分散させ
る分散媒の比重に合わせることができ、芯物質が均一に
分散した分散液が得られ、芯物質の粒径コントロールが
容易となる上、マイクロカプセルの比重は芯物質の比重
に大きく依存するので、上記芯物質を含有するマイクロ
カプセルを繊維等に付着させるために繊維処理用マイク
ロカプセル分散液とする時にマイクロカプセルが均一に
分散した繊維処理用マイクロカプセル分散液を調製する
ことができるので、より好適である。特に、生理活性物
質として、オイゲノール及びオイゲノール誘導体等を使
用する場合、これら生理活性物質自体の比重が1以上で
あり、且つ通常使用される水等の分散媒の比重である1
に近いために生理活性物質を溶解する溶媒の量が少なく
ても芯物質としての比重を容易に後述する所定範囲の比
重にコントロールすることができるので、特に好適であ
る。
【0011】上記溶媒としては、マイクロカプセル化を
阻害せずに上記生理活性物質を溶解させることができ、
皮膚等に付着しても副作用を生じないと共に、芯物質と
しての比重を調整することができるものであれば、その
種類は特に制限されず、例えば比重を軽くすることがで
きる溶媒としては、コーン油(比重:0.920),大
豆油(比重:0.922),落花生油(比重:0.91
5)等の植物油、牛脂(比重:0.935),豚脂(比
重:0.914),いか油(比重:0.931)等の動
物油、中鎖トリグリセリド(比重:0.994)等の合
成油、ギ酸アミル(比重:0.893),酢酸プロピル
(比重:0.887),酢酸シクロヘキシル(比重:
0.963)等のエステル類などを挙げることができ、
比重を重くすることができる溶媒としては、フタル酸ジ
メチル(比重:1.194),フタル酸ジエチル(比
重:1.118),酒石酸ジブチル(比重:1.08
6),シュウ酸ジエチル(比重:1.084),サリチ
ル酸メチル(比重:1.184),安息香酸ベンジル
(比重:1.118),クエン酸トリエチル(比重:
1.114),酒石酸ジエチル(比重:1.204)等
のエステル類を挙げることができる。
【0012】上記溶媒に生理活性物質を溶解させる場
合、その配合割合は特に制限されるものではなく、溶媒
と生理活性物質との組合わせ等によって、適宜選定する
ことができるが、溶媒:生理活性物質(重量比)=5:
95〜60:40、特に10:90〜50:50とする
と好適である。溶媒の配合比率が少なすぎると溶媒配合
の効果が得られない場合があり、溶媒の配合比率が多す
ぎると生理活性物質配合の効果が十分に得られない場合
がある。
【0013】上記溶媒によって調整される芯物質の比重
は、0.95〜1.10であり、より好ましくは0.9
7〜1.08である。上記範囲以外では、マイクロカプ
セルを調製するために芯物質を分散媒に分散させる際に
芯物質を分散液中で均一に分散させるのが困難となる
上、マイクロカプセルとして調製した後、例えばこのマ
イクロカプセルを繊維等に付着させるために繊維処理用
マイクロカプセル分散液として調製する時に、マイクロ
カプセルが分散液中で浮上又は沈降し易くなって、繊維
にマイクロカプセルを付着させる際に不均一になる場合
がある。
【0014】なお、本発明の芯物質は、上記成分以外
に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて抗酸化
剤、防腐剤、香料等の添加剤を通常の使用量で配合する
こともできる。
【0015】上記芯物質を内包するマイクロカプセルの
カプセル膜材としては、疎水性物質を安定的にマイクロ
カプセル化することができ、皮膚に付着しても副作用が
ない材料であれば、その種類は特に制限されず、例えば
ゼラチン,寒天,メチルセルロース等の天然高分子物
質、油脂,ワックス等の油性膜形成物質、ポリアクリル
酸系化合物,ポリビニル系化合物,ポリメタクリル酸系
化合物,メラミン樹脂,尿素樹脂等の合成高分子物質な
どを挙げることができ、これらは、その1種を単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の場合、繊維着用前にはカプセル膜が破壊され
ず、着用後に繊維と皮膚との摩擦によってカプセル膜が
破壊される必要があることを考慮すれば、これらの中で
もポリアクリル酸系化合物,ポリメタクリル酸系化合
物,メラミン樹脂,尿素樹脂等の合成高分子物質などが
好適に使用され、特にポリメタクリル酸系化合物、メラ
ミン樹脂がより好適に使用される。
【0016】上記カプセル膜材の配合量は、その種類等
により適宜選定することができるが、通常マイクロカプ
セル全量に対して、5〜60%、特に10〜40%程度
が望ましい。カプセル膜材の配合量が少なすぎるとマイ
クロカプセルの形成が困難となる場合があり、配合量が
多すぎると相対的に生理活性物質の配合量が低下してし
まう。
【0017】なお、上記カプセル膜材の膜形成を容易に
するために、上記カプセル膜材以外に、本発明の効果を
妨げない限り、必要に応じて乳化剤、分散剤等を通常の
使用量で配合することができ、具体的には、乳化剤とし
て、例えばラウリル硫酸ナトリウム,セチル硫酸ナトリ
ウム,ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸
ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,
リグニンスルホン酸ナトリウム,ジエチルヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム等のアニオン活性剤など、分散剤
として、例えばポリビニルアルコール,ポリアクリル
酸,エチレン−無水マレイン酸共重合体,スチレン−無
水マレイン酸共重合体,ポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム,アクリル酸−メタクリル酸共重合体ナトリウム等
の合成高分子物質、ゼラチン,ペクチン,アラビアガ
ム,エチルセルロース等の天然高分子物質などを挙げる
ことができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組
み合わせて使用することができる。
【0018】本発明のマイクロカプセルは、上記芯物質
を上記カプセル膜材からなるマイクロカプセル膜が被覆
した単芯型構造であっても、上記芯物質が上記カプセル
膜材からなるマイクロカプセル膜中に分散した多芯型構
造のものであってもよいが、本発明のマイクロカプセル
の場合、これを付着させた繊維を着用した後に、マイク
ロカプセルが繊維と皮膚との摩擦によって破壊されるこ
とが望ましいことを考慮すれば、単芯型構造であるマイ
クロカプセルの方がより望ましい。
【0019】本発明のマイクロカプセルの粒径は、特に
制限されるものではなく、例えば単芯型構造のマイクロ
カプセルの場合、平均粒径が0.5〜1000μm、好
ましくは1〜800μm、より好ましくは2〜500μ
mとすることが望ましい。平均粒径が小さすぎるとマイ
クロカプセルが破壊し難くなる場合があり、大きすぎる
と繊維に付着させる際にマイクロカプセルが破壊され易
くなる場合がある。同様の理由により、マイクロカプセ
ルの膜厚は、好ましくは0.1〜20μm、より好まし
くは0.2〜5μmであることが望ましい。
【0020】本発明のマクロカプセルの調製方法は、上
記生理活性物質をマクロカプセル化することができ、そ
のマクロカプセルが繊維に付着した後、繊維と皮膚との
摩擦等によって初めてマクロカプセルが破壊されて、芯
物質を漏洩することができるマクロカプセルを調製する
ことができれば、その調製方法は特に制限されるもので
はなく、例えばin−situ重合法、相分離法、オリ
フィス法、液中硬化法、界面重合法、スプレークーリン
グ法等を挙げることができ、これらの中でも芯物質の放
出性を考慮すれば、特にin−situ重合法が好適で
あり、具体的には、膜材としてメラミン樹脂、尿素樹脂
等を使用する場合、膜材を芯物質の外側から形成させる
方法が好適であり、撹拌機を備えた容器にて必要に応じ
て上述した乳化剤又は分散剤を溶解した適宜濃度の水溶
液に、生理活性物質を適宜溶媒に溶解させた芯物質を分
散濃度が10〜40%になるように60〜80℃で分散
させた後、撹拌によって芯物質が所定の粒径となるよう
にコントロールする。これとは別に、例えばメラミン又
は尿素とホルムアルデヒドとを重量比が3/1〜6/1
となるように混合した後、60〜80℃で5〜20分間
縮重合させて水溶性のプレポリマーを調製し、このプレ
ポリマーを上記芯物質の分散液に投入する。次いで、ク
エン酸、硫酸、塩酸等の酸によりpHを2〜5に調製し
た後、60〜80℃で3〜6時間重合させることによっ
てマイクロカプセルを調製することができる。
【0021】一方、膜材としてポリアクリル酸系化合
物、ポリメタクリル酸系化合物等を使用する場合、膜材
を芯物質の内側から形成させる方法が好適であり、例え
ば予めアクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のモノ
マーを芯物質に対して5〜30%、アゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を上記モノ
マーに対して0.1〜5%となるように生理活性物質を
適宜溶媒に溶解させた芯物質に溶解させておき、これを
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器にて上記芯物質の分
散濃度が10〜40%になるように必要に応じて上述し
た乳化剤又は分散剤を溶解した適宜濃度の水溶液に20
〜70℃で分散させた後、撹拌によって芯物質が所定の
粒径となるようにコントロールする。この分散液を60
〜80℃まで昇温した後、窒素を導入しながら3〜6時
間重合させることによってマイクロカプセルを調製する
ことができる。
【0022】なお、本発明のマイクロカプセルの強度
は、特に制限されるものではなく、処理する繊維の適用
部位等によって、適宜選定することができるが、通常1
g/cm2〜2kg/cm2、特に50g/cm2〜1k
g/cm2とすると好適である。
【0023】本発明のマイクロカプセルは、水分散液、
乾燥して粉末状、適当なバインダーに分散させて分散液
としたものを製品として使用することができる。
【0024】本発明のマイクロカプセル付着繊維は、上
記マイクロカプセルを繊維に付着せしめたものであり、
繊維としては、むくみ等の改善を目的とする部位に直接
触れる下着,くつ下,パンティストッキング等の衣類、
サポーター,包帯等の保護具類として使用される繊維で
あればその種類は特に制限されず、例えば各種の天然繊
維、再生繊維、合成繊維、或いはこれらの混紡、合糸、
混繊等による混合糸からなる繊維等を挙げることがで
き、これらの中でもバインダー等によってマイクロカプ
セルを付着させることを考慮すれば、特に凹凸を有する
繊維、例えば綿,マイクロボンドを有する多孔質繊維
等、或いは後述するバインダーとの親和性のある繊維等
が特に好適に使用される。
【0025】本発明において、上記繊維に上記マイクロ
カプセルを付着させる方法は、特に制限されず、例えば
適宜バインダーを使用して上記マイクロカプセルを繊維
に付着させる方法、バッティング法、コーティング法、
プリント法等によってマイクロカプセルを付着させる方
法等を挙げることができ、これらの中でも洗濯中での耐
久性を考慮すれば、バインダーを使用して繊維に付着さ
せる方法が特に好適であり、具体的には、バインダーと
して、有機ポリマーバインダーが好ましく、例えばポリ
ウレタン弾性体、ジメチルポリシロキサン水性エマルシ
ョンなどのシリコーン系バインダー、ポリアクリル樹
脂、ポリウレタン−尿素弾性体等が挙げられ、これらは
1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが
できる。これらのバインダーの中でも特にシリコーン系
バインダーを使用すると、繊維の風合いが損なわれない
のでより好適であり、この場合、マイクロカプセルとシ
リコーン系バインダーとを適宜割合、例えば重量比でシ
リコーン系バインダーがマイクロカプセルの0.5〜5
倍、特に1〜2倍となるように配合し、これらをマイク
ロカプセルを破壊しないようにプロペラ、タービン等の
羽根を備えた撹拌機で混合して繊維処理用マイクロカプ
セル分散液を調製し、このマイクロカプセル分散液をマ
イクロカプセルの付着量が適宜範囲になるように浸漬し
た後、マイクロカプセルが破壊しないように、ゆるく遠
心脱水し、次いで100〜130℃で乾燥する方法を挙
げることができる。
【0026】ここで、上記繊維に対する上記マイクロカ
プセルの付着量は、マイクロカプセル付着繊維の適用方
法等によって適宜選定することができるが、繊維に対し
て上記マイクロカプセルを0.1〜7重量%、特に0.
3〜5重量%とすると好適である。マイクロカプセルの
付着量が少なすぎると生理活性物質によるむくみや筋肉
痛の改善効果が十分に得られない場合があり、多すぎる
と繊維の風合いが損なわれる場合がある。
【0027】本発明の繊維処理用マイクロカプセルは、
芯物質として消炎作用、鎮痛作用を有する生活活性物質
を含有するので、繊維に付着せしめることで、繊維に優
れた消炎、鎮痛効果を付与することができる。そして、
本発明のマイクロカプセル付着繊維は、着用前の上記マ
イクロカプセルが破壊されない間は、上記消炎、鎮痛効
果を保持することができ、繊維の着用による摩擦等によ
ってマイクロカプセルが破壊することによって、上記生
理活性物質がマイクロカプセルから放出されて、上記消
炎、鎮痛効果が発揮される。
【0028】
【発明の効果】本発明の繊維処理用マイクロカプセルに
よれば、繊維に付着するだけで、繊維に優れた消炎、鎮
痛効果を付与することができ、このマイクロカプセルを
付着せしめた本発明のマイクロカプセル付着繊維によれ
ば、着用するだけでむくみや筋肉痛を改善することがで
きる。従って、この繊維は、特にむくみや筋肉痛が起こ
りやすい手足等にじかに着用する下着,くつ下,パンテ
ィストッキング等の衣類、サポーター,包帯等の保護具
類として好適に利用することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。
【0030】[実施例1]アセチルオイゲノールとフタ
ル酸ジエチルとを重量比が2/1となるように混合、溶
解した芯物質(比重1.097)50重量部をポリビニ
ルアルコール(重合度5000)2重量%水溶液100
重量部に70℃で分散させ、プロペラ撹拌によって芯物
質の粒径コントロールを行ったマイクロカプセル調製用
分散液を得た。これとは別に、メラミン6重量部と36
%ホルムアルデヒド水溶液18.5重量部とを混合した
ものを60℃で10分間縮重合させて水溶性のプレポリ
マーを調製しておき、これを上記分散液に添加し、クエ
ン酸によりpHを3.5に調整した後、70℃で4時間
重合させて、in−situ重合法によりマイクロカプ
セル化を行い、マイクロカプセル分散液を得た後、この
分散液を洗浄、濾過乾燥して表1に示す組成の繊維処理
用マイクロカプセルを調製した。この繊維処理用マイク
ロカプセル10重量部をバインダーとなるエポキシ変性
ジメチルシロキサン水性エマルション30重量部に分散
させて繊維処理用マイクロカプセル分散液を調製し、こ
の分散液にストッキングを浸漬、乾燥させてマイクロカ
プセルを表1に示す付着量となるようにストッキングに
付着せしめて、実施例1のマイクロカプセル付着繊維
(ストッキング)を得た。
【0031】[実施例2]エチルオイゲノールと中鎖ト
リグリセリドとを重量比が1/1となるように混合、溶
解した芯物質(比重1.02)50重量部にメタクリル
酸メチル10重量部及び過酸化ベンゾイル0.02重量
部を溶解させた後、ラウリル硫酸ナトリウム1重量%水
溶液100重量部に70℃で分散させてプロペラ撹拌に
よって芯物質の粒径コントロールを行ったマイクロカプ
セル調製用分散液を得た。この分散液を窒素を導入しな
がら70℃で4時間重合を行って、in−situ重合
法によりマイクロカプセル化を行い、マイクロカプセル
分散液を得た後、この分散液を洗浄、濾過乾燥して表1
に示す組成の繊維処理用マイクロカプセルを調製し、上
記実施例1と同様にして表1に示す付着量となるように
マイクロカプセルをストッキングに付着せしめて、実施
例2のマイクロカプセル付着繊維(ストッキング)を得
た。
【0032】[実施例3]メチルオイゲノールとシュウ
酸ジエチルとを重量比が1/1となるように混合、溶解
した芯物質(比重1.062)50重量部をゼラチン
(分子量約20万)1.5重量%水溶液100重量部に
70℃で分散させ、プロペラ撹拌によって芯物質の粒径
コントロールを行ったマイクロカプセル調製用分散液を
得た。これとは別に、尿素5重量部と36%ホルムアル
デヒド水溶液15重量部とを混合したものを60℃で1
0分間縮重合させて水溶性のプレポリマーを調製してお
き、これを上記分散液に添加し、クエン酸によりpHを
3.5に調整した後、70℃で4時間重合させて、in
−situ重合法によりマイクロカプセル化を行い、マ
イクロカプセル分散液を得た後、この分散液を洗浄、濾
過乾燥して表1に示す組成の繊維処理用マイクロカプセ
ルを調製し、上記実施例1と同様にして表1に示す付着
量となるようにマイクロカプセルをストッキングに付着
せしめて、実施例3のマイクロカプセル付着繊維(スト
ッキング)を得た。
【0033】[実施例4]サリチル酸オイゲノールとギ
酸アミルとを重量比が2/1となるように混合、溶解し
た芯物質(比重1.024)50重量部をポリビニルア
ルコール(重合度5000)3重量%水溶液100重量
部に70℃で分散させ、プロペラ撹拌によって芯物質の
粒径コントロールを行ったマイクロカプセル調製用分散
液を得た。これとは別に、メラミン9重量部と36%ホ
ルムアルデヒド水溶液28重量部とを混合したものを6
0℃で10分間縮重合させて水溶性のプレポリマーを調
製しておき、これを上記分散液に添加し、クエン酸によ
りpHを3.5に調整した後、70℃で4時間重合させ
て、in−situ重合法によりマイクロカプセル化を
行い、マイクロカプセル分散液を得た後、この分散液を
洗浄、濾過乾燥して表1に示す組成の繊維処理用マイク
ロカプセルを調製し、上記実施例1と同様にして表1に
示す付着量となるようにマイクロカプセルをストッキン
グに付着せしめて、実施例4のマイクロカプセル付着繊
維(ストッキング)を得た。
【0034】なお、上記実施例においてポリビニルアル
コール、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチンは乳化剤又
は分散剤として作用するものであり、得られたマイクロ
カプセルの組成としてはほとんど残らないものである。
【0035】上記実施例1〜4のストッキング及び対照
として未処理のストッキングを足のむくみを訴えていた
女性5名を被験者として、各人が順次着用し、そのむく
みの改善効果を下記式により算出されるむくみ改善率に
よって示した。結果を表1に併記する。 むくみ改善率(%)=(V1−V2)/(V1−V0)×1
00 V0:むくまない時、足を膝下まで水槽に入れて体積を
測定した値 V1:むくんだ時、上記と同様に体積を測定した値 V2:実施例のマイクロカプセルを付着させたストッキ
ング又は対照として未処理のストッキングを同じ時間だ
け着用した後、上記と同様に体積を測定した値
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果によれば、上記オイゲノール誘
導体(生理活性物質)をマイクロカプセル化した後にス
トッキングに付着することによって、洗濯によるこれら
の生理活性物質のストッキングからの脱落がほとんどな
く、洗濯後も上記生理活性物質による十分な効果が維持
されることが認められる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消炎作用及び/又は鎮痛作用を有する疎
    水性生理活性物質を芯物質として含有してなることを特
    徴とする繊維処理用マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 上記芯物質が上記疎水性生理活性物質を
    溶媒に溶解したものであって、その比重が0.95〜
    1.1の範囲に調整された請求項1記載の繊維処理用マ
    イクロカプセル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の繊維処理用
    マイクロカプセルを付着してなることを特徴とするマイ
    クロカプセル付着繊維。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1609896A2 (en) 2004-05-28 2005-12-28 Mathias Berlinger Process for depositing microcapsules into multifilament yarn and the products produced
JP2008200124A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Oji Nepia Kk 衛生用紙、容器入り衛生用紙、及び包装用袋体入り衛生用紙
JP2015132042A (ja) * 2009-09-08 2015-07-23 シェラー テクスティール アクチエンゲゼルシャフト 織物のための再充填可能な仕上げ剤、及び、そのような仕上げ剤を充填するための配合物
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CN113235308A (zh) * 2021-05-08 2021-08-10 江西钱皇丝绸制品有限公司 一种缓解肌肉关节疼痛的蚕丝及其制备方法和应用

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