JPH11128999A - 家畜ふん尿等の固液分離浄化処理方法及び装置 - Google Patents

家畜ふん尿等の固液分離浄化処理方法及び装置

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JPH11128999A
JPH11128999A JP9294228A JP29422897A JPH11128999A JP H11128999 A JPH11128999 A JP H11128999A JP 9294228 A JP9294228 A JP 9294228A JP 29422897 A JP29422897 A JP 29422897A JP H11128999 A JPH11128999 A JP H11128999A
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solid
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livestock manure
squeezed
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JP9294228A
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Akihiro Yamashita
彰広 山下
Kazuhisa Kaneko
一久 金子
Kazumasa Okamura
和正 岡村
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CHIKUSAN KANKYO HOZEN GIJUTSU
CHIKUSAN KANKYO HOZEN GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
CHIKUSAN KANKYO HOZEN GIJUTSU
CHIKUSAN KANKYO HOZEN GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家畜ふん尿等の汚水を、処理中の悪臭を抑止
しながら、設備面積が少なく短時間で容易に、取り扱い
やすい状態まで浄化処理すること。 【解決手段】 家畜ふん尿等を圧搾脱水処理して搾汁液
と脱水固形分に分離し、該搾汁液を遠心分離処理により
液分と固形分に分離し、該液分を蒸留濃縮処理して濃縮
液と蒸留液を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家畜ふん尿等の固
液分離浄化処理方法及びその装置に係わり、特に、設備
面積が少なく、処理中の悪臭を防止しながら短時間で取
り扱いやすい状態まで処理することができる家畜ふん尿
等の浄化処理方法及びその装置に関する。なお、本発明
において、家畜ふん尿等とは、(1)家畜のふんのみ、
(2)家畜の尿のみ、(3)家畜のふんと尿とが混ざっ
たもの、(4)前記(1)(2)(3)に畜舎のワラや
オガクズなどの敷料が混ざったもの、(5)前記(1)
(2)(3)(4)に畜舎、家畜、畜産関連機器の洗浄
汚水が混ざったもの、であるが、本発明は、さらに、食
品材料加工後のカスおよび不要物(機器の洗浄水を含
む)などの食品工業の廃棄物や、魚介類、藻類などの加
工後のカスおよび不要物(機器の洗浄水を含む)などの
水産物の廃棄物などの水分を多く含む産業廃棄物及び汚
泥に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】家畜ふん尿等の機械式の固液分離機とし
ては、ローラとスクリーンの間に家畜ふん尿等を入れて
圧搾するローラプレス式固液分離機や、家畜ふん尿等を
スクリューにより周囲にある円筒形のスクリーンに押し
つけて圧搾するスクリュープレス式固液分離機などがあ
る。これらの固液分離機によって家畜ふん尿等を固液分
離すると、固液分離機のスクリーンなどの目にかからな
い粒子の小さい家畜ふん尿等が搾汁液の中に含まれた状
態で排出される。これらの搾汁液は、汚濁物質を多く含
んだ臭気も強い汚水である。十分な圃場がある場合に
は、貯留槽や曝気槽に汚水を投入し、嫌気性発酵や好気
性発酵によって液肥に調製して圃場に還元することがで
きるが、十分な圃場が無い場合は、汚水を浄化処理して
排水する必要が出てくる。
【0003】汚水の浄化処理としては、薬剤添加による
汚濁物質の凝集沈殿や消毒などの化学的処理や、微生物
を利用した生物的処理があるが、主として生物的処理が
行なわれている。
【0004】生物的処理の代表的な方法として活性汚泥
法がある。活性汚泥法は、活性汚泥(微生物のかたま
り)が酸素を消費しながら汚水中の汚濁物質を食べて、
増殖(剰余汚泥の生成)し、二酸化炭素を放出して汚水
を浄化する処理方法である(汚水+活性汚泥+酸素→浄
化水+活性汚泥+二酸化炭素+剰余汚泥)。活性汚泥法
において必要となる基本的な設備は、汚水と活性汚泥を
投入し空気を送り込む曝気槽と、活性汚泥及び剰余汚泥
を沈殿させて浄化水を分離する沈殿槽である。(参考文
献:社団法人中央畜産会,家畜尿汚水の処理利用技術と
事例,1989)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
を実施するには、以下のような課題がある。すなわち、
家畜ふん尿等を固液分離して排出される汚水を嫌気性発
酵すると、強い臭気を伴い、悪臭対策が必要になる。ま
た、液肥などを圃場へ還元するには、土壌環境を害さな
いように適切な施用面積が必要であり、十分な面積を持
たずに過剰施用すると土壌汚染の原因となる。浄化処理
においては、汚水の濃度が高い場合、汚水を希釈してか
ら浄化処理をする必要があり、十分な希釈水を確保する
必要がある。さらに、汚水の処理量に伴い、曝気槽や沈
殿槽等の十分な敷地面積が必要となる。また、活性汚泥
(微生物)を扱うため、活性汚泥が適正に活動するため
の維持管理(汚水の投入量、活性汚泥の投入量、水温な
ど)が必要となる。さらには、汚水を液肥化または浄化
するには多くの時間を必要とする。本発明の目的は、こ
のような家畜ふん尿等の汚水を、処理中の悪臭を抑止し
ながら、設備面積が少なく、短時間で容易に取り扱いや
すい状態まで浄化処理する方法及び装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の家畜ふん尿等の
固液分離浄化処理方法においては、家畜ふん尿等を圧搾
脱水処理して搾汁液と脱水固形分に分離し、該搾汁液を
遠心分離処理により液分と固形分に分離し、該液分を蒸
留濃縮処理して蒸留液と濃縮液を生成させることで、家
畜ふん尿等を汚濁物質及び臭気が少なく、ほぼ透明な蒸
留液まで浄化処理する。
【0007】また、本発明の家畜ふん尿等の固液分離浄
化処理装置は、家畜ふん尿等を圧搾脱水して搾汁液と脱
水固形分に分離する圧搾脱水機と、該搾汁液を遠心分離
により液分と固形分に分離する遠心分離機と、該液分を
蒸留濃縮して蒸留液と濃縮液を生成する蒸留濃縮機と、
前記搾汁液と液分を処理する前に各々を一時的に貯留す
る貯留槽と、前記各々の機器へ処理物を搬送する手段
と、前記各々の機器及び処理物の搬送を制御する制御機
器を有している。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。図1を用いて本発明の方法の原理を説明する。家畜
ふん尿等10は、圧搾脱水処理1aにより、搾汁液11
と脱水固形分12に分離される。次に、搾汁液11を遠
心分離処理2aにより、液分21と固形分22とに分離
する。最後に、液分21を蒸留濃縮処理3aにより蒸留
及び濃縮して、蒸留液31と濃縮液32を生成させる。
このように、家畜ふん尿に含まれる未消化物等の粒子の
大きい汚濁物質は、圧搾脱水処理1aで除去される。そ
して、圧搾脱水処理1aを通り抜けた粒子の小さい汚濁
物質は、遠心分離処理2aと蒸留濃縮処理3aで除去さ
れる。上記の処理方法を用いることにより、家畜ふん尿
等は、汚濁物質(脱水固形分12、固形分22及び濃縮
液32)と浄化水(蒸留液31)に分離される。
【0009】次に、上記原理に基づく家畜ふん尿等の固
液分離浄化処理装置の実施例を図2に示す。固液分離浄
化処理装置は、上記原理で説明した各処理を実施する圧
搾脱水機1b、遠心分離機2b、蒸留濃縮機3bと、圧
搾脱水機1bで排出される搾汁液11と遠心分離機2b
で排出される液分21を処理する前に各々一時的に貯留
するための貯留槽42,43と、処理物を各機器へ搬送
するポンプ51〜54と、各処理を制御する制御機器6
0からなる。
【0010】畜舎等から排出された家畜ふん尿等10
は、まず貯留槽41に一時貯留される。家畜ふん尿等1
0は、高粘度体移送用のポンプ51で投入量を調節しな
がら圧搾脱水機1bに搬送される。圧搾脱水機1bは、
ローラプレス式やスクリュープレス式等の圧搾方式の固
液分離機であり、搬送されてきた家畜ふん尿等10を圧
搾脱水して、搾汁液11と脱水固形分12に分離すると
ともに、搾汁液11を貯留槽42に搬送し、脱水固形分
12を機外へ搬出する。遠心分離機2bは、流体用のポ
ンプ52で投入量を調節しながら搬送されてきた搾汁液
11を、高速回転による遠心力を用いて、液分21と固
形分22に遠心分離して、液分21を貯留槽43へ搬送
し、固形分22を機外へ搬出する。蒸留濃縮機3b(詳
細説明は後述)は、流体用のポンプ53により搬送され
てきた液分21を、密閉環境下で蒸留及び濃縮して蒸留
液31と濃縮液32を生成させる。蒸留濃縮処理後、蒸
留液31を機外に排出するとともに、流体用のポンプ5
4により濃縮液32も機外へ搬出される。上記の動作
は、制御機器60により制御され、上記の動作を繰り返
すことにより、所定量の家畜ふん尿等10を比較的短時
間で浄化処理することができる。
【0011】上記の固液分離浄化処理装置から搬出され
た脱水固形分12、固形分22及び濃縮液32は、乾燥
処理や堆肥化処理によって肥料として再利用可能とな
る。また、浄化された蒸留液31は、そのまま圃場へ散
布可能となる。さらには、蒸留液31を簡易曝気するこ
とにより河川等への排水も可能となる。
【0012】また、上記の圧搾脱水機1bと遠心分離機
2bと蒸留濃縮機3bの処理速度を調整し、各々の処理
速度に合わせて搾汁液11の貯留槽42と液分21の貯
留槽43の容量を設定することで、圧搾脱水機1bと遠
心分離機2bと蒸留濃縮機3bを連続的に動作させて、
待ち時間をなくし、処理時間をさらに短縮させることも
できる。
【0013】すなわち、貯留槽42と貯留槽43の容量
としては、下記表1を前提条件とすると下記表2のとお
りに設定する。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】前記実施例は、蒸留濃縮機3bをバッチ処
理した場合について述べたが、これを連続的に処理する
こともできる。すなわち、蒸留濃縮機3bは、所定の容
量の液分21を投入後、蒸留濃縮処理を開始する。蒸留
濃縮処理中は、濃縮液が所定の濃度に濃縮されるまで、
処理前に投入した所定の容量を一定に保つように液分2
1を補充し、連続的に液分21の蒸留及び濃縮が行わ
れ、蒸留液31と濃縮液32を生成する。貯留槽43に
は、連続的に液分21を処理できるように、補充する分
の液分21を常に貯留しておく。蒸留濃縮処理中の液分
21の補充は、流体用のポンプ53により行われる。減
圧環境下における蒸留濃縮処理の場合は、ポンプ53の
代わりに流量調整弁を用いて、蒸留濃縮機内と機外の差
圧により、液分21を補充することもできる。蒸留濃縮
処理後(減圧環境下における蒸留濃縮処理の場合は機内
を大気圧に戻し)、蒸留液31を機外に排出するととも
に、流体用のポンプ54により濃縮液32も機外へ搬出
する。
【0017】前記蒸留濃縮機3bは、処理槽内を密閉
し、その中で汚水等の加熱及び汚水等の蒸気の凝縮を行
なうものであれば如何なる型式のものでも使用すること
ができるが、汚水等の沸点が低くなるので悪臭の発生を
抑えることができる点から云うと真空蒸留濃縮機の使用
が望ましい。
【0018】次に、前記真空蒸留濃縮機の具体例を図3
に示す。
【0019】図3の真空蒸留濃縮機は、汚濁物質を含ん
だ汚水等を減圧環境下で処理する真空処理槽71、汚水
等を加熱する加熱器72、汚水等が加熱器72により加
熱されて沸騰し、蒸発した蒸気を凝縮させて液体に戻す
凝縮器73、真空処理槽内の空気等を排気し槽内を減圧
する排気装置74、圧縮機75aと膨張弁75bを有す
るヒートポンプユニット75、及び各種の弁70a〜7
0eからなる。
【0020】本装置は、加熱器72と凝縮器73とヒー
トポンプユニット75と熱媒体(フロン等)を用いて、
冷凍サイクルを実現し、汚水等の加熱及び汚水等の蒸気
の凝縮を行う。以下に熱媒体の状態を含めて真空蒸留濃
縮機の動作を説明する。
【0021】投入弁70aを開いて汚水等を真空処理槽
71内へ投入する。汚水等を投入後、各種弁を閉じて真
空処理槽71内を密閉し、排気弁70bを開いて排気装
置74によって真空処理槽71内の空気を排気し、所定
の圧力まで減圧させる。ここでヒートポンプユニット7
5を作動させる。なお、排気弁70bは所定の圧力まで
減圧できたら閉じて真空処理槽71内を密閉する。ま
た、蒸留濃縮処理中の真空処理槽内の圧力は排気弁70
bの開閉により制御する。
【0022】熱媒体(かわき蒸気)は、圧縮機75aで
圧縮されて高温の過熱蒸気となり加熱器へ入り循環す
る。この時、加熱器と汚水等が接している面で熱交換が
行われる。汚水等は加熱されて沸騰・蒸発し、熱媒体は
熱を奪われ凝縮し飽和液となる。飽和液となった熱媒体
は、膨張弁75bを通ることにより絞り現象がおこり、
低温のしめり蒸気となって凝縮器73に入り循環する。
この時、凝縮器と汚水等の蒸気が接している面で再び熱
交換が行われる。汚水等の蒸気は熱を奪われ凝縮し、熱
媒体は熱を吸収してかわき蒸気となり圧縮機へ戻る。こ
のように、熱媒体は冷凍サイクルを形成する。上記のよ
うに、汚水等が蒸発して蒸気が凝縮することにより、汚
水等の蒸留と濃縮が行われる。汚水等が所定の濃度まで
濃縮された後、リーク弁70cを開いて真空処理槽71
内を大気圧に戻し、排出弁70d及び排水弁70eを開
いて濃縮液と蒸留液を排出・排水する。
【0023】上記の真空蒸留濃縮機は、真空処理槽内を
減圧するので汚水等の沸点が下がり処理温度を低くする
ことができる。そのため、汚水等に含まれる肥料成分の
変化を防ぐことができ、また、悪臭の発生を抑えること
ができる。
【0024】さらに、真空蒸留濃縮機は、真空処理槽内
を密閉した中で、汚水等を蒸発及び凝縮させるため、悪
臭を機外へほとんど排気することなく処理ができる。
【0025】また、冷凍サイクルを用いて汚水等を蒸発
及び凝縮させるため、処理コストを低減することができ
る。
【0026】なお、蒸留濃縮機は、上記のような冷凍サ
イクルを用い、真空処理槽中で汚水等を蒸発及び凝縮さ
せるものに限るものではない。例えば、汚水等を蒸発さ
せる加熱源としてヒータや加熱された水や水蒸気を用い
るもの、汚水等の蒸気を凝縮させる冷却源としてクーリ
ングタワー等で冷却された冷却水を用いるものなどが挙
げられる。
【0027】上記の真空蒸留濃縮機と同様の原理を用い
た実験機を製作し、家畜ふん尿等をスクリュープレス式
の圧搾脱水機で圧搾脱水したときの搾汁液を用いて、真
空蒸留濃縮処理を行った。このときの搾汁液と蒸留液の
分析結果を表3に示す。その結果、蒸留液は、水質汚濁
防止法の排水基準のpH及び全窒素を除き基準値以下と
なり、浄化できていることを確認した。
【0028】
【表3】
【0029】また、上記のpH及び全窒素は、蒸留液を
曝気することにより容易に排水基準値以下になると考え
る。そのため、蒸留液に簡易な曝気処理をすることで、
蒸留液は排水基準値を満足し、河川等へ放流が可能にな
る。
【0030】上記の実験は、圧搾脱水機の搾汁液を真空
蒸留濃縮処理したものであるが、その搾汁液を遠心分離
機によりさらに固液分離して、汚濁物質の濃度を低減し
た液分を真空蒸留濃縮処理すれば、上記の実験結果と同
様またはそれ以上の結果が得られると考える。さらに、
遠心分離機の液分は、圧搾脱水機の搾汁液よりも汚濁物
質が少ないため、液分中の水分へ熱が伝わりやすくな
り、真空蒸留濃縮処理の効率向上が期待できる。
【0031】以上、本発明の家畜ふん尿等の固液分離浄
化処理方法及び装置の実施例を示した。
【0032】最後に、本発明を応用した畜産農家におけ
るふん尿処理システムの一例を、図4及び図5に示す。
【0033】図4は、図2及び図3の固液分離浄化処理
装置を利用したふん尿処理システムである。実際の畜産
農家における家畜ふん尿等は、家畜の飼養形態によりド
ロドロの液状のスラリーであったり、畜舎の敷料として
用いられているワラやオガクズなどが混入しているもの
など様々である。そのため、先ず家畜ふん尿等に含まれ
る敷料やコーン等の飼料の未消化物など、大きな夾雑物
を荒い目のスクリーン76で除去する。そして、それら
を除去した家畜ふん尿を貯留槽41に貯留する。その
後、貯留槽41の家畜ふん尿10は、図2及び図3に示
した固液分離浄化処理装置で処理する。固液分離浄化処
理装置は、最終的に、脱水固形分12、固形分22、濃
縮液32、蒸留液31を装置外に搬出する。搬出された
脱水固形分12、固形分22、濃縮液32及びスクリー
ンで除去された夾雑物は、肥料成分を多く含んでいるの
で堆肥として再利用可能な資源となる。堆肥として再利
用するために、先ず、脱水固形分12、固形分22、濃
縮液32及び夾雑物を混合して、電子レンジ等で用いら
れているマイクロ波を加熱源としたマイクロ波加熱機7
7に投入し、マイクロ波によってそれらを加熱して、そ
れらに含まれる雑草種子の発芽を抑止したり、大腸菌等
の病原菌を殺菌したり、堆肥化の際に必要となる適切な
水分まで乾燥させたりする。これによって、脱水固形分
12、固形分22、濃縮液32及び夾雑物の混合物を、
付加価値の高い堆肥原料にする。続いて、この堆肥原料
を堆肥舎や堆肥化装置等79に投入し、堆肥原料へ切り
返し等によって空気を十分に送り込むことで、好気性微
生物による発酵が促進し、堆肥が生成される。生成され
た堆肥は、造粒・袋詰め装置80に投入され、堆肥をそ
のまま、あるいはペレット状に造粒してから袋詰めす
る。袋詰めされた堆肥は、広く流通させて、圃場等に還
元し再利用する。一方、蒸留液31は、そのまま圃場へ
散布したり、簡易曝気処理装置78により排水基準を満
たしてから河川等に放流する。
【0034】上記のふん尿処理システムにより、家畜ふ
ん尿が堆肥として再利用可能な資源となり、排出物であ
る蒸留液は、環境に悪影響を及ぼさないものとして排水
することができる。
【0035】また、図5は、図4のふん尿処理システム
において、固液分離浄化処理装置の遠心分離機2bによ
る微細粒子の固液分離を省き、真空蒸留濃縮機3bで生
成される濃縮液32を貯留槽41へ返送させるようにし
たシステムである。これは、圧搾脱水機1bにより家畜
ふん尿10を圧搾する際、圧搾脱水機1bのスクリーン
等に形成される家畜ふん尿の脱水固形分が膜となって、
スクリーンと脱水固形分の膜の2層構造となり、見かけ
上、スクリーンの目が細かくなることを利用して、実際
のスクリーンの目を通り抜けた家畜ふん尿の粒子を再度
捕まえようとするものである。尚、上記の現象もすり抜
ける細かい家畜ふん尿の粒子は、やがて貯留槽41−圧
搾脱水機1b−真空蒸留濃縮機3bの系内に蓄積されて
くる。それらは、濃縮液32を貯留槽41へ返送せずに
適宜排出することで除去することができる。また、排出
された濃縮液32は脱水固形分12とともにマイクロ波
加熱機77へ投入する。
【0036】上記のふん尿処理システムは、図4のふん
尿処理システムの液分21よりも濃度の高い搾汁液11
を真空蒸留濃縮処理するため処理効率が低下するが、構
成機器が簡素化でき設備コストを安くすることができ
る。
【0037】尚、図5のふん尿処理システムのように脱
水能力向上の作用を期待し、図4のふん尿処理システム
においても、濃縮液32を貯留槽41に返送してもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、家
畜ふん尿等に含まれる汚濁物質を分離及び濃縮するとき
に、悪臭の発生を抑止することができる。また、浄化さ
れた蒸留液は圃場等へそのまま散布可能となり、さらに
簡易な曝気処理により河川へ排水可能なレベルまで浄化
することができるので、施用面積が少ない都市近郊の畜
産農家等の家畜ふん尿等の処理として役立つ。また、本
発明の処理方法は機械的に行われるため、活性汚泥法等
の生物的処理に比べ、維持管理が容易となり、処理時間
も短縮され、設備面積も少なく済むので、畜産農家の負
担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の原理を示す説明図。
【図2】本発明方法を実施するための装置の一実施例を
示す概略図。
【図3】真空蒸留濃縮機の一実施例を示す概略図。
【図4】本発明を応用した畜産農家におけるふん尿処理
システムの一例を示す図。
【図5】本発明を応用した畜産農家におけるふん尿処理
システムの他の例を示す図。
【符号の説明】
10…家畜ふん尿等、1b…圧搾脱水機、2b…遠心分
離機、3b…蒸留濃縮機、11…搾汁液、12…脱水固
形分、21…液分、22…固形分、31…蒸留液、32
…濃縮液。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家畜ふん尿等を圧搾脱水処理して搾汁液
    と脱水固形分に分離し、該搾汁液を遠心分離処理により
    液分と固形分に分離し、該液分を蒸留濃縮処理して蒸留
    液と濃縮液を生成させることを特徴とする家畜ふん尿等
    の固液分離浄化処理方法。
  2. 【請求項2】 遠心分離処理により分離された液分の蒸
    留濃縮処理を真空槽中において行なうことを特徴とする
    請求項1に記載の家畜ふん尿等の固液分離浄化処理方
    法。
  3. 【請求項3】 家畜ふん尿等を圧搾脱水処理して搾汁液
    と脱水固形分に分離する圧搾脱水機と、該搾汁液を遠心
    分離により液分と固形分に分離する遠心分離機と、該液
    分を蒸留濃縮して蒸留液と濃縮液を生成する蒸留濃縮機
    と、前記搾汁液と前記液分を処理前に各々一時貯留する
    貯留槽と、前記各々の機器へ処理物を搬送する手段と、
    前記各々の機器及び処理物の搬送を制御する制御機器を
    有することを特徴とする家畜ふん尿等の固液分離浄化処
    理装置。
  4. 【請求項4】 圧搾脱水機と遠心分離機と蒸留濃縮機の
    処理速度を調整し、その各々の処理速度に合わせて搾汁
    液と液分の貯留槽の容量をそれぞれ設定したことを特徴
    とする請求項3に記載の家畜ふん尿等の固液分離浄化処
    理装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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