JPH11128434A - 顔面保護具 - Google Patents

顔面保護具

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JPH11128434A
JPH11128434A JP5529698A JP5529698A JPH11128434A JP H11128434 A JPH11128434 A JP H11128434A JP 5529698 A JP5529698 A JP 5529698A JP 5529698 A JP5529698 A JP 5529698A JP H11128434 A JPH11128434 A JP H11128434A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の剣道用面防具に化体した剣道の伝統文
化性を継承しつつ、安全性を高めた剣道用面防具を提供
する。 【解決手段】 略顔面輪郭形状に形成された台座、この
台座の中央上部から中央下部にかけて架設された筋金、
及び上記台座の左右方向に架設された複数の横金を有
し、装着時に顔面前面側に位置する面金と、この面金に
取り付けられ、装着時に頭頂部及び頭側部を覆って保護
する面布団と、上記面金の下部に取り付けられ、装着時
に首部を保護する突き当てとを備え、面金には少なくと
も着用者の視線が通過する眼前部分における筋金及び/
又は横金を切り欠いて開口部を形成すると共に、この開
口部には透明防護体を配設した剣道用面防具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剣道において竹刀
等から頭部、顔面、首等を保護するために使用される剣
道用面防具等の顔面保護具に関する。
【0002】
【従来の技術】古来、剣道に用いられる剣道用面防具
は、図39に示すように、装着時に顔面前面側に位置し
て顔面を保護する面金30と、この面金30に取り付け
られ、装着時に頭頂部及び頭側部等を覆って保護する面
布団31と、上記面金30の下部に取り付けられ、装着
時に首部(喉)を保護する突き当て32等から構成され
ている。
【0003】このような剣道用面防具において、顔面を
保護する面金30は、顔面の輪郭に略等しい大きさの枠
形状に形成された金属製の台座33と、この台座33の
中央上部から下部にかけて架設された筋金34と、上記
台座33の左右方向に架設され、互いに所定の間隔をお
いて配設された13〜15本程度の横金35とを有し、
顔面を前面側から被覆するように装着されることで顔面
を保護するものである。そして、このような面金30で
は、隣り合う横金35同士の間隔が竹刀の先端部が入り
込まない狭い間隔に形成されているため、竹刀等が顔面
に直接当接してしまうことを防止することができ、これ
により顔面全体を保護している。
【0004】しかしながら、このように複数の横金と筋
金とを組み合わせることで顔面を保護する場合には、着
用者の視野や通気性を確保するために隣り合う横金同士
の間隔を10mm以上に形成する必要があるが、この場
合には、その隙間から壊れかかった竹刀の先端や竹刀の
裂片、折片等が入り込んで顔面を傷つけてしまう可能性
があり、その安全性において万全のものとは言えなくな
り、特に、竹で作られた竹刀では、打突によって裂けた
り折れたりするので、上記問題が生じる危険性がある。
【0005】そこで、顔面全体を13〜15本程度の多
数の横金で被覆することが行なわれているが、かかる場
合には、着用者の視野が十分に確保され難くなり、ま
た、剣道競技の観客からは試合をしている者の緊迫した
表情を見て取ることができないという不満の声も多かっ
た。
【0006】そこで、実開平1−119675号公報や
実開昭64−37279号公報に記載されているよう
に、面金の代わりに顔面全体を透明マスクで覆った剣道
用面防具が提案されている。そして、このように透明体
により顔面全体を隙間無く被覆した剣道用面防具では、
竹刀の破片等による顔面損傷の危険を防止できるうえ着
用者の視野が十分に確保され、しかも、試合者の表情が
分かり易い等の利点がある。
【0007】しかしながら、顔面全体を透明マスクで覆
った場合には、多少の通気孔を設けた程度では試合をし
ている者の激しい呼吸による通気の障害になり、試合を
している者が呼吸困難を引き起こす原因にもなる。ま
た、剣道特有の気合(掛け声)がマスク内でこもってし
まい効果的な気合を発することができない。だからと言
って、通気孔の開口率を大きく開設してしまうと、竹刀
破損による顔面損傷の可能性が増大し、しかも、耐衝撃
強度が減少してしまうので、面打ちや突き等の際に竹刀
等で直接強打された場合や、剣道用面防具同士が衝突し
た場合等において透明体が破壊されてしまう可能性が高
くなり、面金としての基本的な安全性が損なわれてしま
う。
【0008】また、剣道は単なる運動競技ではなく、固
有の様式美を併せ持つ古来の伝統文化の一つである。従
って、剣道の面防具は、他の運動競技の面防具とは異な
って、防具としての機能を発揮すれば十分と言うもので
はなく、剣道の伝統文化性を象徴するところの、筋金と
横金からなるその様式美を継承するものでなければ広く
剣道界に受け入れられることはなく、ひいては剣道の防
具産業の発展に寄与するものとはならない。そして、上
記透明マスクの考案は、面金全面が透明体で構成されて
いるため、剣道固有の様式美が損なわれてしまってお
り、従来の剣道面防具に化体した剣道の伝統文化性を継
承するものではないところにも問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、剣道用面防具とした場合に従来の剣道用面防具に化
体した剣道等の伝統文化性を継承しつつ、安全性を高め
た剣道用面防具となる顔面保護具を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、略
顔面輪郭形状に形成された台座、この台座の中央上部か
ら中央下部にかけて架設された筋金、及び上記台座の左
右方向に架設され、互いに所定の間隔をおいて配列され
た複数の横金を有し、装着時に顔面前面側に位置する面
金と、この面金に取り付けられ、装着時に頭頂部及び頭
側部を覆って保護する面布団と、上記面金の下部に取り
付けられ、装着時に首部を保護する突き当てとを備えた
顔面保護具において、上記面金には少なくとも着用者の
視線が通過する眼前部分における筋金及び/又は横金を
切り欠いて開口部を形成すると共に、この開口部には透
明防護体を配設した顔面保護具である。
【0011】そして、本発明の顔面保護具では、面金に
は少なくとも着用者の視線が通過する眼前部分における
筋金及び/又は横金を切り欠いて開口部を形成すると共
に、この開口部を塞ぐように透明防護体を配設している
ので、透明防護体が配設された部位からの竹刀の先端や
破片等の進入を防止することができる。ここで、面金に
形成する開口部は、着用者が試合相手を十分に確認でき
る領域あるいはそれ以上であればよいが、好ましくは着
用者の視界の範囲あるいはそれより僅かに大きい程度と
するのがよく、これによって従来の面金よりも広い視野
を確保することができると共に、剣道競技の観客から試
合者の緊迫した表情を察知し易くなり、しかも筋金と横
金とをできるだけ残して剣道用面防具等の顔面保護具の
伝統的な様式美を残存させることができる。
【0012】また、本発明において、その透明防護体
は、その縦方向に延びる縦中心線を対称軸とする左右対
称に形成され、かつ、その眼前部分における左右方向の
曲率半径がその全体に亘って同じであるか、又は、中心
部から端部にかけて順次小さくなるように形成される。
これによって、着用者はこの透明防護体を通してほとん
ど裸眼に近い状態で試合相手を見ることができ、着用時
の違和感が解消される。
【0013】更に、本発明の顔面保護具では、面金と透
明防護体とを組み合わせることにより顔面を保護してい
るので、透明防護体を顔面全体に設ける必要はなく、そ
の結果竹刀等で強打された際の、あるいは稽古中の衝突
に対する耐衝撃強度を確保しつつ、十分な通気性を確保
することができる。
【0014】このような顔面保護具において、面金にど
のような開口部を形成するかについては、特に制限はな
いが、好ましくは、着用者の視野を確保するために、着
用者の視線が通過する眼前部分に開設したり、当該眼前
部分から鼻孔までの部分に亘って開設したりすればよ
い。そして、このように面金に開口部を開設するために
は、例えば、従来と同様に金属製の横金及び筋金が配列
された面金から当該開設部位の横金及び/又は筋金を取
り除くようにして開設しても、当該開設部位の上下に位
置する横金同士の間隔を広げることで開設してもよい。
この際、特に筋金全体を残したまま開口部を開設すれ
ば、面金の縦方向の強度を確保することができる。
【0015】他方、剣道等においては、竹刀による面打
ちや突きを受けた際に面金の上部や下部には瞬時的に強
い力が作用し、また、誤って面金の上部や下部を直接強
打してしまう場合が多々あるので、少なくとも当該上部
や下部には横金や筋金を残した面金に形成し、これによ
り耐衝撃強度を確保するとよい。また、このように面金
の上部及び下部に横金や筋金を残した場合には、剣道用
面防具とした場合その雰囲気(バランス)が従来のもの
に非常に近いものとなり、従来の剣道用面防具が持つ伝
統的様式美を効果的に継承できるといった別の効果も有
する。すなわち、面金は任意の材料で構成することがで
きるが、従来と同様に金属製の横金や筋金で構成する場
合には容易に耐衝撃強度を確保するとともに、伝統的様
式美を効果的に継承することができる。
【0016】このような面金を有する顔面保護具におい
て上記透明防護体は、少なくとも面金に開設された開口
部を塞ぐように配設されたものであればよく、例えば、
この開口部のみを塞ぐように配設されたものであって
も、この開口部と共にその周囲における面金の隙間(例
えば、開口部を眼前部分に形成した場合等には、その上
方や下方における横金の隙間等)をも塞ぐように配設さ
れたものであってもよい。なお、透明防護体により開口
部を塞ぐような開口部と透明防護体との配設位置関係に
は、例えば、透明防護体が横金及び/又は筋金の内側に
おいて開口部を塞ぐように配設されている場合、透明防
護体が横金及び/又は筋金の外側において開口部を塞ぐ
ように配設されている場合、透明防護体が開口部上下の
横金及び/又は筋金の間に挟まれるように配設されてい
る場合等が含まれる。そのため、透明防護体を的確に位
置決めするため、該横金及び/又は筋金に適当な段差あ
るいは切欠等を設けてもよい。
【0017】このような顔面保護具に使用される透明防
護体は、竹刀等により直接強打されたとしても破壊され
ることがないような高い強度に形成されていればよく、
例えばポリカーボネート樹脂等の高硬度透明体で構成す
ることができる。また、単層で構成してもよいが、より
高い安全性を確保すること等を目的として、複数の透明
体を重ね合わせた積層構造に構成してもよい。これらの
場合において、透明防護体の厚さは1〜10mm程度、
好ましくは2〜6mm程度に形成するとよい。なお、透
明防護体を積層構造に構成する場合には、各層の透明体
同士が分離して形成されていても、接着等により一体に
形成されていてもよい。このような積層構造では、外側
の透明体とそれ以外の透明体とが分離されていても、ま
た、分離されていなくても、外側の透明体が破壊された
際にその破片が内側の透明体によりブロックされるの
で、万が一に外側の透明体が破損したとしても顔面を損
傷させることはなく、安全性を高めることができる。特
に、ポリカ−ボネ−ト樹脂は高硬度を有するうえ耐衝撃
性に富んでおり、透明防護体として最適な材質を持つも
のではあるが、深い傷が付いたり、溶剤で表面を拭った
り、あるいは太陽光線に長期間晒したりすると、使用中
に突然破壊する恐れがあり、このように2層以上の構造
に構成したほうが望ましい。
【0018】このような透明体に使用することができる
材料としては少なくともそれを通して外部を視認できる
ものであればよいので、上述したポリカーボネート樹脂
の他にも、例えば、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリ
エステル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、透明ABS樹脂、
ポリメチルペンテンサン樹脂、ポリビニルアルコ−ル樹
脂等の透明樹脂や硬質ガラス等のガラス類等の高硬度の
材料を使用することができ、好ましくはその硬度がロッ
クウエル硬さ(ASTM D785試験法、M又はRス
ケール)にて60以上のものが望ましい。
【0019】このような材料を組み合わせて積層構造の
透明防護体を構成するにあたっては、同質の高硬度透明
体、例えばポリカ−ボネ−ト樹脂体同士で構成しても、
また、異質の高硬度透明体、例えばポリカ−ボネ−ト樹
脂体とナイロン樹脂体とで構成してもよい。特に、高硬
度透明体の外側に耐衝撃性軟質透明樹脂を積層した場合
には、耐衝撃性軟質透明樹脂が高硬度透明体の表面に傷
がつくのを防止できるので望ましいものとなる。このよ
うな例としては、ポリカ−ボネ−ト樹脂の外側に軟質塩
化ビニル樹脂を積層したものが挙げられる。また、この
ような目的で使用される耐衝撃性軟質透明樹脂として
は、例えば、ナイロンエラストマ−、ポリウレタンエラ
ストマ−、ナイロン樹脂、アイオノマ−樹脂、軟質塩化
ビニル樹脂、E.V.A.樹脂、シンジオタクチック1、
2-ポリブタジェン樹脂等を始めとして、オレフィン系、
スチレン系、ポリエステル系等の各種エラストマ−樹脂
があり、好ましくは、アイゾット衝撃強さ(ASTM
D256試験法)50kg・cm/cm以上、より好ま
しくは80kg・cm/cm以上に形成された耐衝撃性
軟質透明樹脂を使用するとよい。また、積層構造の透明
防護体を構成するにあたっては、各層の厚みを50μm
以上とすることが好ましい。これは、一般的に各層の厚
みがあまりに薄くては必要な強度を確保することが困難
であると共に、曲げ加工、接着加工等の成形が困難とな
り、成型後においても透明防護体表面に歪みが生じ易く
なるためである。
【0020】ところで、本発明のように顔面前面を保護
するために透明防護体を使用した場合、照明器具からの
光が反射して立ち会い者の目が眩んでしまうことがあ
る。この対策としては、例えば、透明防護体を下向きに
取り付けたり、何れかの透明体の表面に微細な粗面化加
工を施し、粗面化された面で光を乱反射させたり、何れ
かの透明体の表面に光を乱反射させる塗料等を塗布すれ
ばよい。あるいは、透明性を損なわない範囲で着色を施
してもよい。
【0021】複数の透明体を分離して重ね合わせた場合
で、特に多数の透明体を積層した場合には、各透明体に
おける光の屈折率の違い等から透明防護体としても透明
性、すなわち、見やすさが低下してしまい実用性に欠け
てしまうことがある。そのような場合の対策としては、
透明な中間材を各層間に介在させて各層を密着させると
よい。この目的に使用する中間材としては、透明性のあ
る一般的な粘着剤、二液硬化型エポキシ系接着剤、ある
いは、ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ジエチルグリコールジアク
リレート等の紫外線硬化性アクリルモノマー、更には、
ナイロンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ナ
イロン樹脂、アイオノマー樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、
EVA樹脂、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジ
エン樹脂等を始めとして、種々のオレフィン系、スチレ
ン系、ポリエステル系等の各種エラストマー樹脂、ブチ
ラール等の軟質透明樹脂の薄膜等が好ましい。なお、こ
れら中間材は、全ての層間に介在させても、何れかの層
間のみに介在させてもよい。他にも、透明性を向上させ
る別の対策としは、眼前部分のみを1層構造に形成する
方法もある。このような対策では、中間材を介して各透
明体を密着させた場合に生じる問題、例えば、一体に形
成される透明体の厚さが実質的に厚くなることに起因す
るレンズ効果の増大によって像が実像と異なって歪んで
見えたり、距離感が合わなくなってしまうといった問題
を生ずることなく、見やすさを向上させることができ
る。なおこの際、眼前部分以外の部分については、透明
体が分離して積層された構造であっても、中間材を介し
て密着して一体に積層された構造であっても構わない。
【0022】透明防護体としてポリカーボネート樹脂製
の透明体を使用する場合等にいおては、その表面が傷つ
きやすく、しかも、曇り止め等に含まれる溶剤等で透明
性が損なわれ易いので、表面を保護するような積層構造
に形成するとよい。具体的には、傷付きを防止するため
には、当該透明体の表面(外面)に耐擦傷性物質を付着
させたりすればよく、すなわち、金属酸化物、ガラス、
セラミックス等の無機系のものや、オルガノアルコキシ
シラン等のシリコン系樹脂、ヒドロキシエチルアクリレ
−ト、トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、ジエ
チレングリコ−ルジアクリレ−ト等の紫外線硬化性アク
リルモノマ−型、及びメラミン、ウレタン、アルキドの
有機系の材料等の耐擦傷性の材料等を付着させたりすれ
ばよく、あるいは、一般的にハ−ドコ−トと呼ばれてい
る耐擦傷性透明皮膜を設けたポリカーボネート樹脂透明
体を使用してもよい。他方、呼気による曇りを防止する
ためには、透明体の表面(内面)に防曇剤を塗布した
り、吹きつけたりすればよく、また、防曇性フィルムを
張り付けたりすればよい。
【0023】複数の透明体を重ね合わせる場合には、各
透明体の外形形状は同一であっても異なっていても良
い。例えば、外層の透明体は開口部のみを塞ぐような外
形形状に形成すると共に、内層の透明体は外層よりも上
方及び/又は下方にも延在するような外形形状に形成し
てもよい。このような外形形状の組み合わせに構成した
場合には、横金と筋金の残存部分を増やして面金の強度
や伝統的様式美の継承の効果を高めつつ、透明防護体に
よる被覆範囲を広げることができ、竹刀の裂片や折片の
侵入による顔面損傷の防止効果を高めることができる。
この際、内層の透明体には竹刀等による強い衝撃が直接
作用することはないので、比較的薄く形成しても十分な
効果が得られる。また他にも、透明防護体を3層構造に
形成すると共に、中間層の透明体を開口部に納まる大き
さに形成して開口部周囲の横金の間に挟まれる位置に配
設し、外層の透明体を開口部周囲の横金と重なる大きさ
に形成して面金の外側に配設し、更に、内層の透明体を
中間層と同一形状に形成して面金の内側に配設してもよ
い。このような組み合わせでは、外層が面金の外側にお
いて開口部の上下に配設された横金の上に重ね合わされ
ることになるので、強い衝撃により透明防護体(特に外
層)が変形してしまうような場合であっても、外層と当
該横金との間に隙間が生じて竹刀の破片等が進入してし
まうことはなく、開口部からの竹刀やその破片の進入を
確実に防止することができる。
【0024】また、透明防護体が単層体であっても、ま
た、積層体であっても、この透明防護体を面金に取り付
けるに際しては、透明防護体の上下端部を面金に形成し
た開口部の上下に位置する横金の何れか一方又は双方の
外側に重ね合わせるようにして、この透明防護体を面金
に取り付けてもよく、この場合には、透明防護体にその
外方から打突の力が加えられた際に透明防護体の周縁部
内側に位置する横金が透明防護体をその裏側から支える
役割を果たし、結果として透明防護体の耐久性が向上す
る。また同様に、面金の筋金を透明体の顔面側に残存す
るように開口部を形成した面金も同様の効果があり、上
記の横金との位置関係と併用すれば、更に裏側からの支
え効果が高くなり、より好ましいものとなる。
【0025】更に、このように透明防護体の上下端部を
面金の開口部上下に位置する横金の何れか一方又は双方
の外側に重ね合わせる場合には、面金開口部上下の横金
に重ね合わせた透明防護体の上下端部がその厚さ分だけ
突出すると、それだけその部分に打突を受けた際の衝撃
が大きくなるので、面金開口部上下の横金に重ね合わせ
た透明防護体の上下端部の表面がこれら重ね合わされた
面金開口部上下の横金に隣接する横金の表面と略々面一
になるように、重ね合わされる面金開口部上下の横金を
透明防護体の上下端部の厚さ分だけ裏面(顔面)側に低
く形成してもよく、このように処理することによって、
面金開口部上下の横金に重ね合わされる透明防護体の上
下端部を面金開口部上下の横金に隣接する横金で保護す
る効果が発揮される。
【0026】そして、このように透明防護体の上下端部
を面金の開口部上下に位置する横金の何れか一方又は双
方の外側に重ね合わせる場合、あるいは筋金を残存する
場合において、これら面金の開口部上下に位置する横金
の表面や、あるいは、これらの横金、筋金が当接する透
明防護体の当接部位に、軟質の緩衝層を設け、この緩衝
層により透明防護体に打突等の衝撃が作用した際にこの
衝撃を緩和するようにしてもよい。この目的で設けられ
る緩衝層については、それが透明防護体より軟質であれ
ばどのようなものであってもよく、例えば軟質合成樹脂
やゴム等でよく、透明であっても、また、透明でなくて
もよい。
【0027】なお、積層体状に形成される透明防護体に
おいて、積層される透明体の数、つまり積層数は2層や
3層に限定されるものではなく、4層以上であっても構
わないし、各層間は分離されていても密着されていても
構わない。そして、各層の厚さが同一の積層であって
も、また、異なる厚さの積層であってもよく、その際の
配列の順序は自由である。更に、透明防護体、ひいては
各透明体は、平板形状のものを左右方向において屈曲さ
せた二次元曲面形状に形成されていても、開口部におい
て従来の面金と同様のシルエットが形成されるような三
次元曲面形状に形成されていても構わなく、更にこれら
を複合させ、顔前部分の左右方向において屈曲させた二
次元曲面形状に形成され、上下において従来の面金と同
様のシルエットが形成されるような三次元曲面形状に形
成されていてもよい。
【0028】このように三次元曲面形状であって、しか
も、開口部及びその上方及び/又は下方に延在するよう
な外形形状に透明体を形成しようとすると、当該透明体
の形状が非常に複雑なものとなってしまう。そこで、こ
のような場合等においては、透明防護体を面金に開設さ
れた開口部のみを塞ぐように形成すると共に、当該透明
防護体よりも上方及び/又は下方に突出させて補助防護
体を設け、しかも、当該補助防護体はその一部が上記透
明防護体の上縁部あるいは下縁部と重なり合うように配
設するとよい。このように透明防護体と補助防護体とを
組み合わせて配設することにより、開口部及びその上方
及び/又は下方の全体を塞ぐことができ、保護効果を同
等のものとしつつ各透明体の形状を簡易なものとするこ
とができ、コストダウン等のメリットが生じる。なお、
補助防護体の一部を透明防護体の上縁部あるいは下縁部
と重なり合わせるのは、強い衝撃により透明防護体が変
形しても、透明防護体と補助防護体との間に隙間が形成
されないようにするためであり、これにより透明防護体
と補助防護体との間から竹刀の破片等が進入するのを確
実に防止するためである。
【0029】さて、このような透明防護体は、竹刀等の
強打により容易に外れてしまわないように顔面保護具に
固定されていればよいが、好ましくは、面金や面布団と
のライフサイクルと透明防護体のライフサイクルとの間
には極端な差があるので、その一部あるいは全部を交換
可能に固定した方がよい。このように交換可能に固定す
る方法としては、例えば、開口部における面金の台座に
1乃至複数のリブを立設し、このリブに透明防護体を着
脱可能に固定すればよい。また、着脱可能に固定する方
法としては、例えば、透明防護体の左右方向両端部と当
該リブにそれぞれ貫通穴を開設し、その穴同士をボルト
とナットとで締着させるようにすればよい。このような
固定方法は、透明防護体に対して正面や横方向から強い
衝撃が加わったとしても固定部分が外れてしまうような
ことはなく、剣道競技において好適なものである。
【0030】他にも、透明防護体の左右方向両端部それ
ぞれに取付部を一体に形成すると共に、この取付部を面
布団の外面上に着脱可能に固定してもよい。このような
固定方法では、上述した面金のリブに固定する場合より
も後方において透明防護体を固定させることができるの
で、竹刀等により固定部分が直接強打される可能性が低
減し、固定部分の損傷を防止することができる。
【0031】更にその他にも、透明防護体の左右方向両
端部それぞれに取付部を一体に形成すると共に、この取
付部を面布団の内側に挿入して着脱可能に固定してもよ
い。このような固定方法では、上述した取付部を面布団
の外面上に固定した場合に比べて更に、固定部分が面布
団により被覆されることになり、竹刀等により固定部分
が直接強打されることが全く無くなる。しかも、前記の
2つの取付け方に比べた場合、リブや取付部が顔面保護
具の表面に露出しないので、従来の顔面保護具と同様の
外観を維持したまま透明防護体を固定することができ
る。なお、取付部を面布団の内側に挿入する方法として
は、単に台座と面布団との間から取付部を挿入してもよ
いが、例えば、当該取付部と重なる(対応する)台座の
部位にスリットあるいは切欠部を形成し、このスリット
あるいは切欠部から取付部を面布団の内側に挿入させれ
ばよい。このように台座にスリットあるいは切欠部を形
成した場合には、単に台座と面布団との間から取付部を
挿入した場合等に比べて、取付部の厚みに起因する面布
団の変形等を抑制することができる。また、台座の外周
側に切欠部を形成するよりも、台座の内周側に切欠部を
成形したり、台座にスリットを形成した方がよい。なぜ
なら、透明防護体が変形した場合にその左右方向両端部
が広がってしまうのを台座で抑え込むことができ、ひい
ては透明防護体の破壊(特に取付部や固定部分の破壊)
を抑制することができるからである。なお、このように
取付部を面布団の内側で固定する場合には、その取付部
が面布団内部で頭部に直接当接して損傷させることがな
いように、装着時に面金が顔面前面に直接当接してしま
うのを防止するために面金の台座に沿って取り付けられ
た内輪と面布団との間において取付部を固定するとよ
い。
【0032】透明防護体に形成された取付部と面布団と
の間の固定に際しては、上述したボルトとナットを用い
る方法や、リベット止め等の方法以外に、特に好適な方
法としてベルベット式ファスナーを用いる方法がある。
すなわち、取付部の面布団側の側面に一方のベルベット
ファスナーを取り付け、この取り付け部が固定されるべ
き位置の面布団の側面には他方のベルベットファスナー
を取り付け、これら一対のベルベットファスナーにより
面布団の内側に挿入された取付部を固定する方法であ
る。このベルベット式ファスナーを用いる方法によれ
ば、固定のための手段が面布団の内側で突起として違和
感を生じることがなく、しかも、面金に対する透明防護
体の着脱が容易になる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施例に基
づいて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0034】実施例1 図1〜図4に本発明の実施例1に係る剣道用面防具を示
す。これらの図において、1〜5は、装着時に顔面前面
側に位置して顔面を保護する面金の各構成部、12は、
この面金に取り付けられ、装着時に頭頂部及び頭側部等
を覆って保護する面布団、13は、上記面金の下部に取
り付けられ、装着時に首部(喉)を保護する突き当て、
7は透明防護体であり、特に本実施例では、面金には、
目及びその周囲の眼前部分から鼻孔に亘る大きさの開口
部6を開設し、透明防護体7は、この面金の開口部6の
みを被覆するように配設している。
【0035】このような剣道用面防具において、面金
は、詳しくは図2に示すように、略顔面輪郭形状に形成
された台座1と、この台座1の上部に配列された3本の
上部横金2と、台座1の中央上部と当該3本の上部横金
2との間に架設された上部筋金3と、台座1の下部に配
列された4本の下部横金4と、台座1の中央下部と当該
4本の下部横金4との間に架設された下部筋金5とから
なり、顔面の額部分と顎部分とを上部横金2及び下部横
金4(これら全体を「横金部」と称することがある)と
上部筋金3及び下部筋金5(これら全体を「筋金部」と
称することがある)とでそれぞれ被覆保護している。な
お、横金部における各横金2,4同士の間の間隔は、従
来の面金と同様に形成されている。
【0036】他方、このような面金の上記開口部6のみ
を被覆するように配設される透明防護体7は、詳しくは
図3に示すように、厚さ4mmのポリカーボネート樹脂
製の1枚の透明体からなり、その外形形状は、略長方体
形状を有する平板を左右方向においては横金2,4に沿
って屈曲させ、且つ、上下方向においては上部筋金3と
下部筋金5との間に連続的な曲面を形成するように屈曲
された三次元曲面形状に形成されている。従って、本実
施例の剣道用面防具は、図4に示すように、面金と透明
防護体7とが一体に連続した曲面形状に形成され、従来
からの剣道用面防具と同様のシルエットが得られること
になり、好ましい態様となっている。
【0037】ところで、本実施例では、このような透明
防護体を装着して剣道用面防具とするために、透明防護
体7の左右方向両端部それぞれに3つずつ貫通穴9を開
設すると共に、面金の台座1の対応する部位それぞれに
貫通穴29が開設されたリブ部8を立設する。そして、
各透明防護体の貫通穴9とリブ部の貫通穴29とをボル
ト及びナットで締着している。このような固定方法であ
れば、ボルトとナットを外すことにより、透明防護体7
を剣道用面防具から着脱して交換することができる。ま
た、本実施例の透明防護体7には、当該貫通穴9,9同
士の間に切欠部10が形成されており、これにより、透
明防護体7の配設部分における通気性を確保している。
【0038】そして、このように開口部6を眼前部分か
ら鼻孔までの間に開設し、その部分に透明防護体7を配
設した剣道用面防具では、面金の上部及び下部を残して
いるので面打ちや突き等による強い衝撃によって破損し
てしまうことはなく、しかも、眼前部分が透明防護体7
により隙間なく被覆されているので竹刀の先端や破損し
た破片等が進入して眼球等を損傷させてしまうことも全
く無い。更に、透明防護体7を変形させてしまうような
強い衝撃を正面あるいは横方向から加えたとしても、透
明防護体7、特にその固定部分が破損してしまうことも
無い。従って、横金と筋金とで顔面を被覆した従来の剣
道用面防具に比べて高い安全性が確保されている。
【0039】また、このように形成された剣道用面防具
では、装着時に目とその周辺の視線の通過する部分が透
明防護体7のみで被覆されているので、広い視野が確保
されていて非常に競技がし易い。特に、ポリカーボネー
ト樹脂透明体に一般的にハードコートと呼ばれているも
のを塗布したものでは、透明防護体7が傷つき難く、し
かも、内面に防曇剤を塗布しても透明性が損なわれてし
まうことがない。また、観客においても競技者の表情を
読み取ることができるので好ましい。特に、透明体7の
外面に微細な表面加工を施したものでは、立ち会い者や
観客の目が眩んでしまうことはなく、表情を確実に読み
取ることができる。
【0040】更に、このように面金の上部及び下部を従
来の面金と同様に横金部と筋金部とで形成し、しかも、
透明防護体7を面金と一体となるシルエット形状に形成
しているので、従来の剣道用の剣道用面防具と同様の雰
囲気がかもしだされており好ましいものとなっている。
【0041】最後に、透明防護体7と面金との組み合わ
せで顔面を保護し、しかも、透明防護体7の左右両端部
に切欠部10を形成しているので、十分な通気性が確保
され、透明防護体7が曇ってしまったり、気合(掛け
声)が面の中でこもってしまうことはなく、従来と同様
に相手を効果的に威圧することができる。
【0042】なお、図5に示すように、台座1の上部か
ら下部に亘るように筋金11を形成してもよい。このよ
うな筋金11が配設された剣道用面防具では、視野を十
分に確保しつつ面金の強度を向上させ、しかも、この筋
金11により透明防護体7を保護することができる等の
メリットがある。また、筋金11は開口部において、屈
曲あるいは切欠くなどにより透明防護体7の裏側に位置
するように形成してもよい。
【0043】実施例2 図6〜図10に示すように、透明防護体7の剣道用面防
具への取付け方を変更し、また、それに合わせて各部材
の形状等を変更した以外は実施例1と略同様の剣道用面
防具である。
【0044】本実施例では、具体的には、図8に示すよ
うに、透明防護体7の左右両端部それぞれに、3つに分
割された取付部16を一体に形成すると共に、図7に示
すように各取付部16に対応する台座の部位にスリット
17を開設し、図9に示すように、各分割された取付部
16を対応するスリット17に挿入することで、透明防
護体7と面金との配設位置関係がずれないようになって
いる。また、本実施例では、上部筋金3を下方に延ばし
て、且つ、下部筋金5を上方に延ばして、これらの先端
部13,14が透明防護体7の内側面に当接するように
している。但し、該先端部13,14が透明防護体7の
略内側面に沿って延長し、筋金3,5を直線状に一体的
に形成してもよく、この場合、透明防護体7の内側が全
長にわたって当接可能となり、打突により透明防護体7
の変形を一層効果的に防止することができるばかりでな
く、面金の強度も一層向上させることができ、より好ま
しいものとなる。
【0045】また、実際にはこの透明防護体7は、図6
のa−a’断面図である図10に示すように、取付部1
6が面布団12と内輪15との間に挿入され、しかも、
各取付部16及び面布団12それぞれに貫通穴を開設し
それらをボルト及びナットで締着することで、透明防護
体7を剣道用面防具に着脱可能に固定している。ここ
で、取付部16は、着脱の際にスリット17部を通過す
るため、容易でスムーズな着脱を可能なものとするた
め、取付部16とスリット17との形状に対応した案内
具(図示せず)を装着するとよい。本実施例の場合に
は、例えばツバ付きの長方形の筒状のプラスチック製案
内具であれば、スリット17に差し込んで装着すること
ができ、取付部16を保護する効果と、着脱の容易性を
向上できる。
【0046】そして、このように構成された剣道用面防
具では、透明防護体7の固定部分16が面金よりも後方
に位置して竹刀等により強打される可能性が格段に減少
し、固定部分(取付部16)が面布団12の内側に配設
されているので直接強打されるようなことはなく、更
に、取付部16が台座のスリット17を通して固定され
ているので、透明防護体7を変形させたとしても、透明
防護体7の左右方向両端部が台座1により固定保持され
て固定部分16に無理な力が作用することはなく、固定
部分16ひいては透明防護体7の破壊を格段に減少させ
ることができる。同時に、竹刀の損傷も減少することが
できる。また、透明防護体7の中央部分を筋金の先端部
13,14で内側から押さえるようにしたので、透明防
護体7の変形が抑制され、台座のスリット17等により
取付部16が折れてしまうようなことも無い。
【0047】また、このように透明防護体7の左右方向
両端部に取付部16を形成し、この取付部16を面布団
12の内側に配設するようにした剣道用面防具では、実
施例1のように面金の中で透明防護体7を固定した場合
や、図11に示すように面布団12の外側において取付
部16を固定した場合等に比べて取付部16等が露出す
ることはなく、従来の剣道用の剣道用面防具により近い
雰囲気をかもし出すことができ、好ましいものとなって
いる。また、本実施例では、台座1にスリット17を形
成し、取付部16をそのスリット17から面布団12の
内側に挿入しているので、この台座1周囲に面布団12
の盛り上がりが生じることもない。
【0048】更に、本実施例では、面布団12と内輪1
5との間で取付部16を固定しているので、取付部16
が剣道用面防具の内側に露出してしまうことはなく、装
着時に取付部16により頭部が損傷してしまうこともな
く、しかも、実施例1のように面金のリブ8が視野を狭
めてしまうこともない。
【0049】なお、このように透明防護体7に取付部1
6を設けた剣道用面防具において、面布団12の盛り上
がりを防止するため変形例を図12に示す。同図(A)
は、取付部16の全体が挿入されるスリット21が形成
された台座1であり、同図(B)は、各分割された取付
部16に対応させて外周側に切欠部22が形成された台
座であり、同図(C)は、各分割された取付部16に対
応させて内周側に切欠部23が形成された台座であり、
同図(D)は、取付部16全体に対応する部位が内側に
屈曲された台座であり、同図(E)は、各分割された取
付部16に対応する部位が外側に屈曲された台座1であ
り、同図(F)は、取付部16に対応する部位が略90
度ねじ曲げられた台座である。同図(G)は、スリット
形成部の台座幅を通常の台座幅よりも広くして、スリッ
ト部の強度保持を目的とした台座1である。
【0050】また、このように台座1にスリット17,
21や切欠部22,23を形成した場合等には、台座幅
を広げたとしても台座1の強度が低下してしまうので、
図13に示すように、それを補うように、当該スリット
あるいは切欠部の形成部位に重ねて台座補強部材24を
設けてもよい。このような補強部材24は、台座1と一
体に形成されたほうが補強効果が高まるので、横金2,
4を台座1に固定する際に台座1と一緒にかしめ止めし
てしまえばよい。
【0051】実施例3 図14に示すように、透明防護体7を2層構造に形成し
た以外は、実施例2と同様の剣道用面防具である。本実
施例における透明防護体7は、詳しくは、開口部6のみ
を塞ぐ大きさに形成された厚さ2mmのポリカ−ボネ−
ト樹脂製の高硬度透明体7c,7dを2枚重ね合わせた
ものであり、各透明体7c,7dは互いに分離した状態
で重ね合わされている。
【0052】このように2層構造の透明防護体7を用い
た剣道用面防具では、外側の透明体7cが破壊されたと
しても、その破片を内側の透明体7dによりブロックす
ることができ、透明防護体7により顔面が損傷してしま
うことはない。従って、実施例2よりも更に高い安全性
が確保されている。
【0053】また、外側の透明体7cがその他の透明体
7dと分離されているので、透明防護体7の外面が傷つ
いて透明性が損なわれたとしても、当該外側の透明体7
cのみを交換すれば元の透明性に復帰させることがで
き、経済的である。
【0054】実施例4 図15に示すように、透明防護体7を2層構造に形成し
た以外は、実施例2と同様の剣道用面防具である。本実
施例における透明防護体7は、詳しくは、開口部6のみ
を塞ぐ大きさに形成された厚さ2mmのポリカ−ボネ−
ト樹脂製の高硬度透明体7e,7fを2枚重ね合わせた
ものであり、各透明体7e,7fはエポキシ系接着剤を
中間に介して相互に密着した状態で重ね合わされてい
る。
【0055】このように複数の透明体7e,7fを密着
させて積層した場合には、実施例3の場合に比べて光の
乱反射や照明器具の写りが抑制され、透明防護体7の透
明性が向上し、非常に見やすくなっている。
【0056】また、各透明体7e,7fが分離されてい
ないので、透明防護体7を剣道用面防具に取り付ける作
業がし易くなっている。
【0057】実施例5 図16に示すように、透明防護体7を3層構造に形成し
た以外は、実施例2と同様の剣道用面防具である。本実
施例における透明防護体7は、詳しくは、開口部6のみ
を塞ぐ大きさに形成された厚さ3mmのポリカ−ボネ−
ト樹脂製の高硬度透明体7hの内面に、同形状に形成さ
れた厚さ1mmのナイロン樹脂製の耐衝撃性透明体7i
を粘着剤を中間に介して密着して積層すると共に、上記
高硬度透明体7hの外面に、同形状に形成された厚さ1
mmの軟質塩化ビニル樹脂製の耐衝撃性軟質透明体7g
を分離して積層した構造を有する。
【0058】このようにポリカーボネート樹脂7hの外
側に軟質塩化ビニル樹脂7gを分離可能に積層した場合
には、この軟質塩化ビニル樹脂7gがポリカーボネート
樹脂7hの表面に傷がつくのを防止することができ、し
かも、この軟質塩化ビニル樹脂7gは非常に安価なもの
であるので、実施例3よりも更に経済性がよい。
【0059】また、高硬度透明体7hの内側に耐衝撃性
透明体7iを密着して積層しているので、この高硬度透
明体7hが万が一に破壊されたとしても、破壊が透明防
護体全体7に広がるのを防止することができ、顔面の損
傷を防止することができる。
【0060】実施例6 図17に示すように、透明防護体を2層構造に形成した
以外は、実施例2と同様の剣道用面防具である。本実施
例における透明防護体7は、詳しくは、開口部6のみを
塞ぐ大きさに形成された厚さ3mmのポリカーボネート
樹脂製の透明体7jの内側に、開口部6及びその上方を
塞ぐ大きさに形成された厚さ2mmのポリカーボネート
樹脂製の透明体7kが分離して積層された構造を有す
る。
【0061】このように開口部6のみを塞ぐ透明体7j
とは別に、開口部6の周囲(この実施例では開口部6の
上方)をも塞ぐ透明体7kを設けることにより、開口部
6の大きさを広げることなく、透明防護体7による被覆
範囲を広げることができ、その結果、剣道用面防具とし
ての雰囲気を損なうことなく、竹刀等の折片が横金2,
4の間から進入することも防止することができ、顔面損
傷の防止効果を向上させることができる。
【0062】実施例7 図18に示すように、透明防護体7を面金の外側に配設
し、且つ、開口部6周囲の横金2,4と重なるように透
明防護体7を配設した以外は実施例2と同様の剣道用面
防具である。
【0063】このように透明防護体7の周囲を横金2,
4に重ね合わせて配置することにより、透明防護体7の
変形を防止することができ、特に透明防護体7の変形に
より透明防護体7と横金2,4との間に隙間が形成され
ることがなくなり、竹刀の先端部がこの隙間から進入し
て顔面を損傷することがない。従って、安全性をより高
いものにすることができる。
【0064】なお、図19(a)に示すように、このよ
うに開口部6周囲の横金2,4に重ね合わせて透明体7
pを配設すると共に、その透明体7pの内側に1の透明
体7qを重ね合わせたり、あるいは、図19(b)に示
すように、このように開口部6周囲の横金2,4に重ね
合わせて透明体7rを配設すると共に、その透明体7r
の内側に複数の透明体7s,7tを重ね合わせたりして
も本実施例の効果を奏することはいうまでもない。特
に、上記実施例3〜6に示すような組み合わせにすれ
ば、それらの効果を合わせもつことができ、非常に良い
態様となる。
【0065】実施例8 図20及び図21に示すように、透明防護体7を2層構
造に形成すると共に、透明防護体7の眼前部分が1層と
なるように一方の透明体7uに窓穴27が開設された以
外は、実施例2と略同様の剣道用面防具である。本実施
例における透明防護体7は、詳しくは、開口部6のみを
塞ぐ大きさに形成された厚さ3mmのポリカーボネート
樹脂製の透明体7uの内側に、同形状に形成された厚さ
2mmのポリカーボネート樹脂製の透明体7vが分離し
て積層された構造を有する。そして、この外層の透明体
7uには、左右の眼前部分それぞれに略長方形形状の窓
穴27が1つずつ開設されている。
【0066】このように眼前部分に窓穴27を開設して
眼前部分を1層に形成した場合には、複数の透明体7
u,7vの表面において光の屈折や乱反射が生じること
がなく、透明防護体7としての透明性が向上して見やす
くなっている。また、眼前部分の透明体の肉厚が1層と
薄いので、各透明体7u,7vの間に中間材を配設して
透明体全体を一体に形成することで光の屈折や乱反射を
防止した場合において問題となる、レンズ効果による像
の歪みや距離感の乱れ等を生ずることも無い。
【0067】また、本実施例の剣道用面防具では、複数
の透明体7u,7vが分離して積層された構造を有する
ので実施例3と同様の作用効果も有する。
【0068】更に、本実施例では、図21に示すよう
に、外層の透明体7uの取付部16にはスリット26を
形成し、このスリット26にボルト18が挿入された状
態でボルト18を締めることで、外側の透明体7uを剣
道用面防具に固定するように構成している。従って、ボ
ルト18を緩めるだけで外側の透明体7uを装脱するこ
とができ、外側の透明体7uの交換作業が非常に容易で
ある。また、このような固定方法であっても、外側の透
明体7uが外れたりずれたりしてしまうことはない。
【0069】なお、図22に示すように窓穴27を内側
の透明体7xに開設しても、図23に示すように、2つ
の透明体7y,7zが紫外線硬化性アクリルモノマ−を
介して密着して積層された透明防護体7において、内側
の透明体7zに1つの長方形形状の窓穴27を眼前部分
に形成するようにしても同様の効果をえることができ
る。
【0070】また、外層の透明体に窓穴を開設するよう
な場合においては当該透明体の厚さを0.5mm以上、
好ましくは1mm以上に形成するとよい。これにより透
明防護体7を下にして床の上に載置した場合等において
も内側の透明体に傷がついてしまうのを防止することが
できる。なお、内側の透明体の窓穴27に対応する外面
上に透明な粘着テープ等を貼着させてもよい。これによ
り内側の透明体自体が傷つくのを防止することが可能で
ある。
【0071】更に、3層以上の積層構造の透明防護体7
であっても、その内の1層のみを残して眼前部分に窓穴
27を開設すれば、本実施例と同様の作用効果を奏する
ことができる。
【0072】実施例9 図24に示すように、透明防護体7よりも上方に突出す
る上部補助防護体28aと、透明防護体7よりも下方に
突出する下部補助防護体28bを設けた以外は、実施例
2と同様の構成である。このような補助防護体28はそ
れぞれ、透明防護体7の内側においてその一部が透明防
護体7の上縁部あるいは下縁部に重ね合わされた状態で
配設されるものであり、厚さ1mmのポリカーボネート
樹脂製の透明体からなる。また、この補助防護体28
は、透明防護体7と同様に取付部が形成され、この取付
部を透明防護体の取付部16と共に固定することで剣道
用面防具に取り付けられている。
【0073】このように透明防護体7よりも上方あるい
は下方に突出させて、且つ、その一部が透明防護体7に
重ね合わさるように補助防護体28を配設した場合に
は、開口部6及びその上下における横金2,4の隙間を
塞ぐことができ、透明体による顔面の保護範囲を広げて
安全性を高めることができる。また、このように透明防
護体7と補助防護体28とを組み合わせて保護範囲を広
げた場合には、その範囲全体を1つの透明体で被覆した
場合に比べて透明体の形状を簡易なものとすることがで
き、容易に且つ安価に成形することができる。更に、透
明防護体7と補助防護体28とを重ね合わせているの
で、透明防護体7が変形したとしてもこれらの間に隙間
が形成されることはなく、同様の範囲を1つの透明体で
被覆した場合の保護効果と比べても遜色がないものにす
ることができる。
【0074】なお、図25に示すように、補助防護体2
8と透明防護体7との重なり部分を増やして、眼前部分
以外においては補助防護体28と透明防護体7とを重ね
合わせるようにした場合には、透明防護体7の層を実質
的に1層増加させたような積層構造となり、透明防護体
7の強度を補強しつつ、実施例8と同様の効果も奏する
ことが可能となる。
【0075】また、本実施例では、透明防護体7の上方
に突出する上部補助防護体28aと、透明防護体7の下
方に突出する下部補助防護体28bとの両方を設けた
が、上部補助防護体28aあるいは下部補助防護体28
bの何れか一方のみを設けるようにしても、本実施例と
同様の効果が発揮されることは言うまでもない。
【0076】実施例10 更に、図26〜図31は本発明の実施例10にかかる剣
道用面防具を示すものであり、この実施例においては、
透明防護体7がその上下方向には略直線で、かつ、その
左右方向には略々面金の横金2,4の湾曲と同様に湾曲
されており(図27参照)、図18に示すような上下方
向にも湾曲する三次元曲面ではなくて、二次元曲面に形
成されている。
【0077】そして、この実施例10においては、図2
7及び図28に示されているように、透明防護体7は厚
さ4mmのポリカーボネート樹脂の単層体で、その縦方
向に延びる縦中心線Lを対称軸とする左右対称に形成さ
れており、その眼前部分における左右方向の曲率半径が
その中心部(縦中心線Lの位置)から端部にかけて通常
の人の視界の範囲(角度θ)、すなわち約120°の角
度の範囲で順次小さくなるように形成されている。
【0078】なお、図27に示すように透明防護体7の
前面は下向きに傾斜している。すなわち、台座1と透明
防護体7との間隔が上方よりも下方が狭く構成されてい
る。これは、照明器具からの光を下方に反射させ、競技
者の頭部が多少上向きになってもその光を立ち会い者の
目に反射させないようにし、立ち会い者の目が眩むのを
防止するためである。ここで、台座1に対する透明防護
体7のなす角度αは、0°<α≦15°であることが望
ましい。さらに好ましくは、0°<α≦10°である。
これは、角度αが0°よりも大きければ上述の効果を奏
する一方、余りに大きすぎては様式美を損ねると共に、
競技者の視線方向の変化に対する透明防護体7の厚みの
変化が大きく、像に歪みが生じる恐れがあるためであ
る。このように透明防護体7の前面を下向きに傾斜させ
る場合には、立ち会い者に光が反射するのを防止するこ
とはできるが、その反面、照明器具からの光が透明防護
体7の内側に入射し、その内面に反射して競技者自身の
目を眩ませてしまうおそれがある。
【0079】そこで、着色する、紙を貼る、光を反射し
にくい金網を付する等の遮蔽方法によって、照明器具等
の上方からの光を遮蔽し、透明防護体7の内面での光の
反射を抑える構成としてもよい。ここで、照明器具等か
らの光は主に台座1、横金2、筋金3が成す上部の空間
から入射するものであるため、この上部からの光の入射
を効果的に遮蔽できる部分に遮蔽方法を施すことが望ま
しい。例えば、台座1、横金2、筋金3の上部の一部又
は全部に遮蔽方法を施すことができる。特に、光を反射
しにくい例えば黒色の金網を取付け金具や嵌め込み形状
等によりこれらに取付ける場合には、光の遮蔽と同時に
十分な通気性をも確保することができ、さらに横金2、
筋金3等の曲面形状に合わせて成型することも容易であ
るため望ましい。また、透明防護体7自体をより台座
1、横金2、筋金3の上部に対応する位置にまで延設
し、その透明防護体7の上部側の一部に遮蔽方法を施し
てもよい。
【0080】このような遮蔽方法は本実施例に限らず、
他の実施例にかかる顔面防護体にも適用可能である。例
えば、実施例9のような上部透明防護体28aを有する
場合には、この上部透明防護体28aに遮蔽方法を施す
こともできる。また、より効果的に光の遮蔽を行なうた
めに、上部透明防護体28aをより台座1、横金2、筋
金3の上部に対応する位置にまで延設又は移動し、その
上部透明防護体28aの全部又は上部側の一部に遮蔽方
法を施してもよい。なお、通気性と光の遮蔽性との両立
を図るために、図24,図25に示した構成とは異な
り、上部透明防護体28aと透明防護体7との間に隙間
を設けた上で上部透明防護体28aに遮蔽方法を施すも
のでもよい。
【0081】この実施例10の透明防護体7には、図2
7及び図28に示されているように、片側2本の取付部
16が設けられており、この取付部16には透明防護体
7を取り付けた際に面布団12の内側に位置してこの面
布団12と接する側の面に一方のベルベットファスナー
(例えば、雄ベルベットファスナー36a)36が固着
されており、図29に示すように、この取付部16が面
布団12の内側に挿入された際に、この面布団12の内
側に設けられた他方のベルベットファスナー(例えば、
雌ベルベットファスナー36b)36に固着し、着脱可
能にかつ強固に固定されるようになっている。また、透
明防護体7の固定効果を一層高めるために、透明防護体
7の面布団12と接する側の面及び内輪15の面布団側
と接する面の両面に一方のベルベットファスナー(例え
ば、雄ベルベットファスナー36a)36が固着され、
この面布団12の内側及び内輪15の面布団側の双方に
設けられた他方のベルベットファスナー(例えば、雌ベ
ルベットファスナー36b)36に固着し、面布団12
及び内輪15の双方から透明防護体7を挟むように固定
することもできる。無論、ベルベットファスナー36の
雄雌は逆でもよい。
【0082】また、取付部16を面布団12の外面より
内側に位置させて固定する態様としては、図29で示し
たように面布団12の内面と内輪15との間に取付部1
6を固定するものの他、面布団12の内部、又は内輪1
5の内部に取付部16を挿入して固定するものであって
もよい。すなわち、図30(a)に示すように透明防護
体7を面布団12自体の内部に埋没させるものでもよ
く、この場合には面金台座にスリットや切欠部を設ける
必要がない。さらに、図30(b)に示すように透明防
護体7を内輪15自体の内部に埋没させるものでもよ
い。これらの場合にも、透明防護体7はそれぞれ接触す
る面に設けられたベルベットファスナー36によって面
布団12自体又は内輪15自体と固定されるが、図29
と同様に取付部16の片面と接触する面布団12又は内
輪15の片面にベルベットファスナー36を設けるのみ
で十分な固定効果が得られる。
【0083】また、この実施例10において、台座1、
筋金3,5、及び横金2,4で構成される面金には、図
27及び図31に示されているよう、その上部筋金3の
下端部と下部筋金5の上端部にそれぞれ透明防護体7の
厚さ(4mm)に略相当する高さの切欠部3a,5aが
形成されており、また、開口部6を区画する上部横金2
a及び下部横金4aはこれらの上部横金2a及び下部横
金4aに隣接する横金2,4よりも透明防護体7の厚さ
(4mm)に略相当する高さだけ裏面(顔面)側に低く
位置しており、透明防護体7を面金に取り付けた際に、
この透明防護体7の上下端部の表面が重ね合わされた面
金の開口部6の上部横金2a及び下部横金4aの表面と
略々面一になっている。
【0084】なお、図32〜図34はこの実施例10の
透明防護体7の変形例を示すものであり、図32の透明
防護体7は、その眼前部分における左右方向の曲率半径
が通常の人の視界の範囲(約120°)を超えてほぼ全
体の角度θ=約150°の範囲まで同じ大きさに形成さ
れている。
【0085】また、図33の透明防護体7は、外側に3
mmのポリカーボネート樹脂体を用い、内側に1.5m
mのポリカーボネート樹脂体を用いて、中間に0.4m
mのブチラール樹脂薄膜体を用いて密着させた2層構造
になっているものであり、更に、図34の透明防護体7
は、1mm、2mm及び1mmのポリカーボネート樹脂
体をそれぞれの中間にEVA樹脂薄膜体を介在させて密
着させた3層構造になっているものである。そして、こ
れら何れの透明防護体7もその角部が面取りされて角部
の耐久性の向上が図られており、更に、図33の透明防
護体7にはそれぞれ一方のベルベットファナー36aを
有する片側3本の取付部16が、また、図34の透明防
護体7には片側一対の取付部16の間に台座1に当接し
て面金に取り付けた際にこの透明防護体7の位置決めと
竹刀等の打突による衝撃を受けた際に透明防護体7が着
用者の顔面側に移動しないようになっている。
【0086】更に、図35はこの実施例10の面金の変
形例を示すものであり、図31の場合とは異なり、開口
部6を区画する上部横金2a及び下部横金4aの位置は
これらの上部横金2a及び下部横金4aに隣接する横金
2,4と略々同じ高さに設計されており、透明防護体7
を面金に取り付けた際に、この透明防護体7の上下端部
の表面が重ね合わされた面金の開口部6の上部横金2a
及び下部横金4aの表面よりその厚さ分だけ表面側に突
出するようになっている。このような場合においても、
透明防護体7の上下端部は開口部6の上部横金2a及び
下部横金4aによってその裏側から支承され、充分に補
強される。
【0087】更にまた、図示はしていないが、図27、
図31、及び図35において、開口部6を区画する上部
横金2a及び下部横金4aの表面に軟質の緩衝層を設
け、あるいは、これら上部横金2a及び下部横金4aの
表面が当接する透明防護体7の上下端部の裏面に緩衝層
を設け、これら緩衝層により竹刀等の打突等による衝撃
を緩和し、透明防護体7の上下端部の耐衝撃性をより向
上させることもできる。
【0088】実施例11 図36〜図38は本発明の実施例11にかかる剣道用面
防具を示すものであり、その剣道用面防具の面金には、
その上部筋金3と下部筋金5との間にそれらと一体的に
形成されている中央部筋金51が設けられており、その
他の構成は実施例10にかかる剣道用面防具と同様であ
る。
【0089】この中央部筋金51は、透明防護体7の縦
方向に延びる縦中心線Lに沿って設けられている(図3
6参照)。また、上部筋金3の下端部と下部筋金5の上
端部にそれぞれ形成された切欠部3a,5a、開口部6
を区画する上部横金2a、下部横金4a及び中央部筋金
51とは、透明防護体7を面金に取り付けた際に、この
透明防護体7の上下端部及び中央部の表面が重ね合わさ
れた面金の開口部6の上部横金2a、下部横金4a及び
中央部筋金51の表面と略々面一になっている(図3
7,37参照)。
【0090】このように、剣道用面防具の面金の上部筋
金3と下部筋金5との間にそれらと一体的に構成されて
いる中央部筋金51を設けることによって、着用者の視
界を大きく妨げることなく、面金の強度を一層高めるこ
とができる。更に、透明防護体7は開口部6の上部横金
2a及び下部横金4aの他に、この中央部筋金51によ
ってもその裏側から支承されるため、透明防護体7が一
層安定する。
【0091】更にまた、図示はしていないが、図36〜
図38において、開口部6を区画する上部横金2a、下
部横金4a及び中央部筋金51の表面に軟質の緩衝層を
設け、あるいは、これら上部横金2a、下部横金4a及
び中央部筋金51の表面が当接する透明防護体7の上下
端部及び中央部の裏面に緩衝層を設け、これら緩衝層に
より竹刀等の打突等による衝撃を緩和し、透明防護体7
の上下端部及び中央部の耐衝撃性をさらに向上させるこ
ともできる。
【0092】
【発明の効果】本発明の顔面保護具は、少なくとも着用
者の視線が通過する眼前部分における面金の筋金及び/
又は横金を切り欠いて開口部を形成し、この開口部に透
明防護体を配設した構成になっているので、竹刀の先端
や破片等の進入を効果的に防止しつつ、竹刀等で強打さ
れた際の、あるいは稽古中の衝突に対する耐衝撃強度を
確保することができ、安全性が極めて高い。
【0093】また、面金の横金及び筋金が充分に残され
ているので、剣道用面防具とした場合には従来の剣道用
面防具が有する伝統的な様式美が不必要に損なわれるこ
とがなく、従来の剣道用面防具に化体した剣道の伝統文
化性を継承し得るものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1に係る剣道用面防
具の正面図である。
【図2】 図2は、図1の面金を示す側面説明図であ
る。
【図3】 図3は、図1の透明防護体を示す側面説明図
である。
【図4】 図4は、図1の面金及び透明防護体の組立状
態を示す側面説明図である。
【図5】 図5は、実施例1の変形例を示す剣道用面防
具の正面図である。
【図6】 図6は、本発明の実施例2に係る剣道用面防
具の正面図である。
【図7】 図7は、図6の面金の台座を示す説明図であ
る。
【図8】 図8は、図6の透明防護体を示す側面説明図
である。
【図9】 図9は、図6の面金及び透明防護体の組立状
態を示す側面説明図である。
【図10】 図10は、図6のa−a’線断面説明図で
ある。
【図11】 図11は、実施例2と比較される剣道用面
防具の斜視説明図である。
【図12】 図12は、実施例2の台座の変形例を示す
説明図である。
【図13】 図13は、実施例2の台座に台座補強部材
を配設した変形例を示す説明図である。
【図14】 図14は、本発明の実施例3にかかる透明
防護体を示す縦断面説明図である。
【図15】 図15は、本発明の実施例4の透明防護体
を示す縦断面説明図である。
【図16】 図16は、本発明の実施例5の透明防護体
を示す縦断面説明図である。
【図17】 図17は、本発明の実施例6の透明防護体
を示す縦断面説明図である。
【図18】 図18は、本発明の実施例7に係る剣道用
面防具を示す正面図である。
【図19】 図19は、図18の透明防護体の変形例を
示す説明図である。
【図20】 図20は、本発明の実施例8の透明防護体
を示す側面図である。
【図21】 図21は、図20の外側の透明体を示す上
方斜視説明図である。
【図22】 図22は、図20の透明防護体の変形例を
示す説明図である。
【図23】 図23は、図20の透明防護体の変形例を
示す説明図である。
【図24】 図24は、本発明の実施例9の剣道用面防
具を示す正面図である。
【図25】 図25は、図24の補助防護体の変形例を
示す説明図である。
【図26】 図26は、本発明の実施例10の剣道用面
防具を示す正面説明図である。
【図27】 図27は、図26の面金及び透明防護体の
組立状態を示す側面説明図である。
【図28】 図28は、図26の透明防護体を示す端面
説明図である。
【図29】 図29は、図26のa−a’線断面説明図
である。
【図30】 図30は、図26のa−a’線断面説明図
の他の態様を示す説明図である。
【図31】 図31は、図26の面金を示す側面説明図
である。
【図32】 図32は、実施例10の透明防護体の変形
例を示す端面説明図である。
【図33】 図33は、実施例10の透明防護体の変形
例を示す説明図である。
【図34】 図34は、実施例10の透明防護体の変形
例を示す説明図である。
【図35】 図35は、実施例10の面金の変形例を示
す側面説明図である。
【図36】 図36は、本発明の実施例11の剣道用面
防具を示す正面説明図である。
【図37】 図37は、図36の面金及び透明防護体の
組立状態を示す側面説明図である。
【図38】 図38は、図37の面金を示す側面説明図
である。
【図39】 従来の剣道用の剣道用面防具の正面図であ
る。
【符号の説明】
1…台座、2,4…横金、3,5,11…筋金、6…開
口部、7…透明防護体、12…面布団、13…突き当
て、36…ベルベット式ファスナー。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略顔面輪郭形状に形成された台座、この
    台座の中央上部から中央下部にかけて架設された筋金、
    及び上記台座の左右方向に架設され、互いに所定の間隔
    をおいて配列された複数の横金を有し、装着時に顔面前
    面側に位置する面金と、この面金に取り付けられ、装着
    時に頭頂部及び頭側部を覆って保護する面布団と、上記
    面金の下部に取り付けられ、装着時に首部を保護する突
    き当てとを備えた顔面保護具において、 上記面金には少なくとも着用者の視線が通過する眼前部
    分における筋金及び/又は横金を切り欠いて開口部を形
    成すると共に、この開口部には透明防護体を配設したこ
    とを特徴とする顔面保護具。
  2. 【請求項2】 透明防護体は、その縦方向に延びる縦中
    心線を対称軸とする左右対称に形成されており、その眼
    前部分における左右方向の曲率半径がその全体に亘って
    同じであるか、又は、中心部から端部にかけて順次小さ
    くなるように形成されている請求項1に記載の顔面保護
    具。
  3. 【請求項3】 透明防護体は、その左右方向両端部に面
    金の背面側に延びる取付部が形成されており、この取付
    部を面布団の外面より内側に位置させて固定した請求項
    1又は2に記載の顔面保護具。
  4. 【請求項4】 透明防護体に形成された取付部と面布団
    の外面より内側との間の固定は、ベルベット式ファスナ
    ーで行なわれている請求項3に記載の顔面保護具。
  5. 【請求項5】 透明防護体は、2以上の透明体を重ね合
    わせた積層構造に形成されている請求項1〜4の何れか
    に記載の顔面保護具。
  6. 【請求項6】 透明防護体を構成する少なくとも1の透
    明体は、面金の外側において開口部周囲の横金と重なる
    ように配設されている請求項1〜5の何れかに記載の顔
    面保護具。
  7. 【請求項7】 透明防護体は、その一部あるいは全部が
    交換可能に取り付けられている請求項1〜6の何れかに
    記載の顔面保護具。
  8. 【請求項8】 透明防護体は、下向きに傾斜して取り付
    けられている請求項1〜7の何れかに記載の顔面防具。
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CN103239851A (zh) * 2013-05-27 2013-08-14 无锡威豪体育器材有限公司 一种儿童击剑面罩

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