JPH11127056A - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

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JPH11127056A
JPH11127056A JP9288102A JP28810297A JPH11127056A JP H11127056 A JPH11127056 A JP H11127056A JP 9288102 A JP9288102 A JP 9288102A JP 28810297 A JP28810297 A JP 28810297A JP H11127056 A JPH11127056 A JP H11127056A
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JP
Japan
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acoustic wave
surface acoustic
piezoelectric substrate
represented
propagation direction
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Application number
JP9288102A
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English (en)
Inventor
Yutaka Taguchi
豊 田口
Keiji Onishi
慶治 大西
Shunichi Seki
関  俊一
Hiroteru Satou
浩輝 佐藤
Osamu Kawasaki
修 川▲さき▼
Kazuo Eda
和生 江田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波フィルタおよび共振器に用いられ
る弾性表面波素子において、水晶、四ほう酸リチウム、
タンタル酸リチウム基板を用いたものよりも小型で高性
能な弾性表面波素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板1
0上に櫛形電極20、20'を配置する。この圧電基板
のカット面および弾性表面波の伝搬方向を適切に選ぶこ
とにより、水晶、四ほう酸リチウムまたタンタル酸リチ
ウム基板を用いた弾性表面波素子よりも小型な弾性表面
波素子を得ることができる。さらに帯域幅が広く、もし
くは低損失な弾性表面波素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルタや共振子な
どに用いる弾性表面波素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信に使用するためのフィ
ルタや共振子、特に弾性表面波フィルタ、共振子に対す
る性能の要求が厳しくなっている。その要求の1つが中
間周波数帯フィルタに対する要求であり、殊に小型、高
性能化が望まれている。
【0003】弾性表面波素子の特性として重要なのは、
フィルタの場合は挿入損失と温度依存性であり、共振子
の場合はQ値、容量比ならびに温度依存性である。挿入
損失、Q値、容量比は用いる圧電体の電気機械結合係数
に依存し、温度依存性は用いる圧電体の遅延時間温度係
数が関与する。また弾性表面波素子の大きさは弾性表面
波音速に依存する。
【0004】フィルタや共振子に用いられる弾性表面波
素子における弾性表面波伝搬特性、たとえば弾性表面波
音速、電気機械結合係数、遅延時間温度係数、パワーフ
ロー角等は圧電基板のカット角、伝搬方向によって大き
く異なる。中間周波数帯域フィルタを構成する弾性表面
波素子において従来用いられている圧電基板には水晶、
四ほう酸リチウム、タンタル酸リチウムがある。これら
の圧電基板の弾性表面波伝搬特性は、水晶の場合、4
2.75°回転YカットX軸伝搬で、音速が3401m
/秒、電気機械結合係数が0.15%、遅延時間温度係
数が0ppm/℃、パワーフロー角が0°、四ほう酸リ
チウムの場合、45°回転XカットY伝搬で、音速が3
401m/秒、電気機械結合係数が1.0%、遅延時間
温度係数が0ppm/℃、パワーフロー角が0°、タン
タル酸リチウムの場合、Xカット112°Y伝搬で、音
速が3295m/秒、電気機械結合係数が0.64%、
遅延時間温度係数が18ppm/℃、パワーフロー角が
2°である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】弾性表面波フィルタの
小型化には、弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波
素子の小型化が必要である。弾性表面波素子の大きさは
櫛形電極の間隔で決まるが、この間隔は弾性表面波音速
に依存する。弾性表面波音速が低いほど弾性表面波素子
は小型となる。
【0006】弾性表面波音速は弾性表面波素子に用いる
圧電基板の組成、カット面および弾性表面波の伝搬方向
に固有であるため、従来より用いられている圧電基板で
は、小型化に限度があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは新規な圧電基板としてランタン、ガリ
ウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5SiO1
4で表される圧電基板を検討した。
【0008】まず数値解析により、弾性表面波音速、電
気機械結合係数、遅延時間温度係数、パワーフロー角等
の伝搬特性に優れた圧電基板カット面ならびに弾性表面
波の伝搬方向を探索した。具体的には、ランタン、ガリ
ウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5SiO1
4で表される圧電基板のカット面および弾性表面波の伝
搬方向を変化させて、弾性表面波伝搬特性を理論的に計
算した。なお理論計算には、従来より知られている一般
的な手法、例えば、ジェイ・ジェイ・キャンベル アン
ド ダブリュウ・アール・ジョーンズ,”ア メソード
フォー エスティメイティング オプティマル クリ
スタル カッツ アンド プロパゲイション ディレク
ション フォー エクサイテーション オブ ピエゾエ
レクトリック サーフェイス ウエイブス”,アイ・イ
ー・イー・イー トランザクション オン ソニックス
アンド ウルトラソニックス,ボリューム SU−1
5,第209頁〜第217頁(1968年)(J. J. Cam
pbell and W. R. Jones, "AMethod for Estimating Opt
imal Crystal Cuts and Propagation Direction for Ex
citation of Piezoelectric Surface Waves", IEEE tra
nsaction on Sonicsand Ultrasonics, volume SU-15, p
p. 209-217 (1968))を用いた。続いて計算結果に基づ
き、弾性表面波素子を作製した。
【0009】作製した弾性表面波素子の特性を評価した
ところ、理論計算による特性に一致したため、前記手法
による検討は妥当であるといえる。
【0010】以降、圧電基板のカット面および弾性表面
波の伝搬方向をオイラー角(φ[°],θ[°],ψ
[°])によって表現する。ここで図3に基づき、オイ
ラー角について説明する。圧電基板の結晶基本座標系を
(x1,x2,x3)、直交座標系を(X,Y,Z)と
表す。x1軸とX軸、またx3軸とZ軸が一致した状態
から、x3軸を中心にx1軸を反時計回りに角度φ
[°]だけ回転する。つづいてx1軸を中心にx3軸を
反時計回りに角度θ[°]回転させる。そしてx3軸を
中心に反時計回りにψ[°]だけ回転させる。以上の回
転操作による、x3軸を法線とする面を基板カット面、
またx1軸方向を弾性表面波伝搬方向とする。この回転
角の組み合わせ(φ[°],θ[°],ψ[°])をオ
イラー角といい、オイラー角によって基板カット面およ
び弾性表面波伝搬方向を任意に表すことができる。
【0011】理論計算による検討と、これに基づく弾性
表面波素子の作製と特性評価の結果、本発明における弾
性表面波素子は、ランタン、ガリウム、シリコン、酸素
を主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
と前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とからな
り、前記圧電基板のカット面および弾性表面波の伝搬方
向をオイラー角(φ[°],θ[°],ψ[°])よっ
て表現される範囲 (φ,θ,ψ)=(90°,90°,177°±5
°) (φ,θ,ψ)=(90°,90°,46°±5°)
または(90°,90°,65°±5°)または(90
°,90°,88°±5°) (φ,θ,ψ)=(90°,90°,146°±5
°) (φ,θ,ψ)=(0°,90°,0°±5°) (φ,θ,ψ)=(0°,90°,16°±5°)ま
たは(0°,90°,38°±5°)または(0°,9
0°,142°±5°)または(0°,90°,148
°±5°) (φ,θ,ψ)=(0°,0°,0°±5°)または
(0°,0°,60°±5°)または(0°,90°,
120°±5°) (φ,θ,ψ)=(0°,0°,24°±5°)また
は(0°,0°,36°±5°)または(0°,90
°,84°±5°)または(0°,90°,96°±5
°)または(0°,90°,144°±5°)または
(0°,90°,156°±5°) (φ,θ,ψ)=(0°,92°±5°,0°) (φ,θ,ψ)=(0°,66°±5°,0°) および、以上のからと実質的に等価な範囲に設定す
ることを特徴とする。
【0012】本発明は上記のような構成をとることによ
り、小型で高性能の弾性表面波素子を提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は本発明の弾性表面波素子の実施の形
態の斜視図を示したものである。図1において10はラ
ンタン、ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成
がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板、20および20’
は前記圧電基板上に配置された櫛形電極である。櫛形電
極20および20’はここでは簡略化して表示してい
る。
【0015】図2は圧電基板の切り出し面および弾性表
面波の伝搬方向を示したものである。
【0016】図2において、11はランタン、ガリウ
ム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14
で表される圧電基板、21は前記圧電基板21の主面上
に形成した櫛形電極である。圧電基板11のカット面お
よび圧電基板11の主面における弾性表面波の伝搬方向
は、オイラー角(φ[°],θ[°],ψ[°])で表
される。
【0017】弾性表面波素子としての機能は、櫛形電極
20に高周波信号を入れることにより、その近傍の圧電
部に弾性表面波が励振され、圧電基板10上を伝搬し、
他方の櫛形電極20’の近傍の圧電部に到達し、櫛形電
極20’で再び電気信号に変換されるものである。本実
施の形態では櫛形電極を用いた弾性表面波素子の基本構
成を示しているが、実際にフィルタや共振子にする場合
には、櫛形電極の数や素子構成を必要に応じて変更す
る。
【0018】(実施の形態1)本実施の形態1におい
て、ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を主成分と
し、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板のカット面
および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角で(φ
[°],θ[°],ψ[°])と表すとき、(φ,θ,
ψ)=(90°,90°,177°)である弾性表面波
素子を作製した。
【0019】数値計算によって、パワーフロー角は8°
と見積もられたため、本実施の形態1においては、櫛形
電極をψより8°ずらして前記圧電基板上に形成した。
【0020】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2426m/
秒、電気機械結合係数が0.47%、遅延時間温度係数
が−19.8ppm/℃であった。
【0021】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、従来のこれらの基板を用い
た弾性表面波素子に対して小型化できる。また、電気機
械結合係数は水晶と比較すると大きく、帯域幅を広くと
ることができる。
【0022】同様にして、ψを177°±5°の範囲で
変化させて弾性表面波の伝搬特性を測定したところ、各
々の特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ
満足できる特性を得られた。
【0023】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0024】本実施の形態1は小型で広帯域な弾性表面
波素子を実現するものである。 (実施の形態2)本実施の形態2において、ランタン、
ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5
SiO14で表される圧電基板のカット面および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角で(φ[°],θ[°],ψ
[°])と表すとき、(φ,θ,ψ)=(90°,90
°,46°)である弾性表面波素子を作製した。
【0025】数値計算の結果、パワーフロー角は0°と
見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形電極
をψからずらすことなく圧電基板上に形成した。
【0026】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2762m/
秒、電気機械結合係数が0.10%、遅延時間温度係数
が39.0ppm/℃であった。
【0027】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、従来のこれらの圧電基板を
用いた弾性表面波素子に対して小型化できる。また、パ
ワーフロー角は0°であるため、損失を小さくすること
ができる。
【0028】同様にして、ψを46°±5°の範囲で変
化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各々の
特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ満足
できる特性を得られた。
【0029】また、(φ,θ,ψ)=(90°,90
°,65°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の
伝搬特性測定を行ったところ音速が2726m/秒、電
気機械結合係数が0.02%、遅延時間温度係数が−
0.5ppm/℃であった。同様にして、ψを65°±
5°の範囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定した
ところ、各々の特性に変化はあるが、いずれの場合にお
いてもほぼ満足できる特性を得られた。
【0030】また、(φ,θ,ψ)=(90°,90
°,88°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の
伝搬特性測定を行ったところ音速が2426m/秒、遅
延時間温度係数が18.9ppm/℃であった。同様に
して、ψを88°±5°の範囲で変化させて弾性表面波
伝搬特性を測定したところ、各々の特性に変化はある
が、いずれの場合においてもほぼ満足できる特性を得ら
れた。
【0031】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0032】本実施の形態2は小型で損失の小さい弾性
表面波素子を実現するものである。 (実施の形態3)本実施の形態3において、ランタン、
ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5
SiO14で表される圧電基板のカット面および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角で(φ[°],θ[°],ψ
[°])と表すとき、(φ,θ,ψ)=(90°,90
°,146°)である弾性表面波素子を作製した。
【0033】数値計算の結果、パワーフロー角は0.2
°と見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形
電極をψから0.2°ずらして圧電基板上に形成した。
【0034】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2317m/
秒、電気機械結合係数が0.11%、遅延時間温度係数
が−28.2ppm/℃であった。
【0035】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、たとえば水晶の音速の7割
程度であり、弾性表面波素子の小型化が可能である。
【0036】同様にして、ψを146°±5°の範囲で
変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各々
の特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ満
足できる特性を得られた。
【0037】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0038】本実施の形態3は小型な弾性表面波素子を
実現するものである。 (実施の形態4)本実施の形態4において、ランタン、
ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5
SiO14で表される圧電基板のカット面および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角で(φ[°],θ[°],ψ
[°])と表すとき、(φ,θ,ψ)=(0°,90
°,0°)である弾性表面波素子を作製した。
【0039】数値計算の結果、パワーフロー角は0°と
見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形電極
をψからずらすことなく圧電基板上に形成した。
【0040】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2315m/
秒、電気機械結合係数が0.38%、遅延時間温度係数
が−25.7ppm/℃であった。
【0041】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、たとえば水晶の音速の7割
程度であるため、従来の基板を用いた弾性表面波素子に
対して小型化が可能である。また水晶および四ほう酸リ
チウムと比較すると電気機械結合係数が大きいため、帯
域幅を広くとることができる。
【0042】同様にして、ψを0°±5°の範囲で変化
させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各々の特
性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ満足で
きる特性を得られた。
【0043】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0044】本実施の形態4は、小型で広帯域、かつ損
失の小さい弾性表面波素子を実現するものである。
【0045】(実施の形態5)本実施の形態5におい
て、ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を主成分と
し、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板のカット面
および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角で(φ
[°],θ[°],ψ[°])と表すとき、(φ,θ,
ψ)=(0°,90°,32°)である弾性表面波素子
を作製した。
【0046】数値計算によって、パワーフロー角は0°
と見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形電
極をψからずらすことなく圧電基板上に形成した。
【0047】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2459m/
秒、電気機械結合係数が0.17%、遅延時間温度係数
が−19.3ppm/℃であった。
【0048】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、従来のこれらの基板を用い
た弾性表面波素子に対して小型化できる。また、パワー
フロー角は0°であるため、損失を小さくすることがで
きる。
【0049】同様にして、ψを32°±5°の範囲で変
化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各々の
特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ満足
できる特性を得られた。
【0050】また、(φ,θ,ψ)=(0°,90°,
38°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の伝搬
特性測定を行ったところ音速が2458m/秒、電気機
械結合係数が0.15%、遅延時間温度係数が−20.
3ppm/℃であった。さらに、ψを38°±5°の範
囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、
各々の特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほ
ぼ満足できる特性を得られた。
【0051】また、(φ,θ,ψ)=(0°,90°,
142°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の伝
搬特性測定を行ったところ、音速が2458m/秒、電
気機械結合係数が0.15%、遅延時間温度係数が−2
0.3ppm/℃であった。さらに、ψを142°±5
°の範囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したと
ころ、各々の特性に変化はあるが、いずれの場合におい
てもほぼ満足できる特性を得られた。
【0052】また、(φ,θ,ψ)=(0°,90°,
148°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の伝
搬特性測定を行ったところ、が2459m/秒、電気機
械結合係数が0.17%、遅延時間温度係数が−19.
3ppm/℃であった。さらに、ψを38°±5°の範
囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、
各々の特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほ
ぼ満足できる特性を得られた。
【0053】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0054】本実施の形態5は小型で低損失の弾性表面
波素子を実現するものである。 (実施の形態6)本実施の形態6において、ランタン、
ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5
SiO14で表される圧電基板のカット面および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角で(φ[°],θ[°],ψ
[°])と表すとき、(φ,θ,ψ)=(0°,0°,
0°)である弾性表面波素子を作製した。
【0055】数値計算の結果、パワーフロー角は0°と
見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形電極
をψからずらすことなく圧電基板上に形成した。
【0056】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2349m/
秒、電気機械結合係数が0.001%、遅延時間温度係
数が−26.1ppm/℃であった。
【0057】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、従来のこれらの基板を用い
た弾性表面波素子に対して小型化できる。また、パワー
フロー角は0°であるため、損失を小さくすることがで
きる。
【0058】同様にして、ψを0°±5°の範囲で変化
させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各々の特
性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ満足で
きる特性を得られた。
【0059】また、(φ,θ,ψ)=(0°,0°,6
0°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の伝搬特
性測定を行ったところ、音速が2349m/秒、電気機
械結合係数が0.001%、遅延時間温度係数が−2
6.1ppm/℃であった。さらに、ψを60°±5°
の範囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したとこ
ろ、各々の特性に変化はあるが、いずれの場合において
もほぼ満足できる特性を得られた。
【0060】また、(φ,θ,ψ)=(0°,0°,1
20°)の弾性表面波素子についても弾性表面波の伝搬
特性測定を行ったところ、音速が2349m/秒、電気
機械結合係数が0.001%、遅延時間温度係数が−2
6.1ppm/℃であった。さらに、ψを120°±5
°の範囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したと
ころ、各々の特性に変化はあるが、いずれの場合におい
てもほぼ満足できる特性を得られた。
【0061】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0062】本実施の形態6は小型で低損失の弾性表面
波素子を実現するものである。 (実施の形態7)本実施の形態7において、ランタン、
ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5
SiO14で表される圧電基板のカット面および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角で(φ[°],θ[°],ψ
[°])と表すとき、(φ,θ,ψ)=(0°,0°,
24°)でである弾性表面波素子を作製した。
【0063】数値計算の結果、パワーフロー角は−1
3.6°と見積もられたため、本実施の形態において
は、櫛形電極をψより−13.6°ずらして圧電基板上
に形成した。
【0064】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2574m/
秒、電気機械結合係数が0.28%、遅延時間温度係数
が−23.5ppm/℃であった。
【0065】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、従来のこれらの基板を用い
た弾性表面波素子に対して小型化できる。また、水晶お
よび四ほう酸リチウムと比較すると、電気機械結合係数
が大きいため、帯域幅を広くとることができる。
【0066】同様にして、ψを24°±5°の範囲で変
化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各々の
特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ満足
できる特性を得られた。
【0067】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0068】本実施の形態7は小型で広帯域な弾性表面
波素子を実現するものである。 (実施の形態8)本実施の形態8において、ランタン、
ガリウム、シリコン、酸素を主成分とし、組成がLa3Ga5
SiO14で表される圧電基板のカット面および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角で(φ[°],θ[°],ψ
[°])と表すとき、(φ,θ,ψ)=(0°,92
°,0°)として弾性表面波素子を作製した。
【0069】数値計算の結果、パワーフロー角は0°と
見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形電極
をψからずらすことなく圧電基板上に形成した。
【0070】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2320m/
秒、電気機械結合係数が0.38%、遅延時間温度係数
が−26.1ppm/℃であった。
【0071】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く素子の小型化に有利である。
また水晶および四ほう酸リチウムと比較すると電気機械
結合係数が大きいため、帯域幅を広くとることができ
る。
【0072】同様にして、回転角θを0°±5°の範囲
で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、各
々の特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほぼ
満足できる特性を得られた。
【0073】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは明らかである。
【0074】本実施の形態8は、小型で広帯域、かつ低
損失な弾性表面波素子を実現するものである。
【0075】(実施の形態9)本実施の形態9におい
て、ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を主成分と
し、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板のカット面
および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角で(φ
[°],θ[°],ψ[°])と表すとき、(φ,θ,
ψ)=(0°,66°,0°)である。弾性表面波素子
を作製した。
【0076】数値計算の結果、パワーフロー角は0°と
見積もられたため、本実施の形態においては、櫛形電極
をψからずらすことなく圧電基板上に形成した。
【0077】この弾性表面波素子について弾性表面波の
伝搬特性測定を行った。その結果、音速が2306m/
秒、電気機械結合係数が0.25%、遅延時間温度係数
が−24.1ppm/℃であった。
【0078】同様にして、回転角θを66°±5°の範
囲で変化させて弾性表面波伝搬特性を測定したところ、
各々の特性に変化はあるが、いずれの場合においてもほ
ぼ満足できる特性を得られた。
【0079】音速は水晶、四ほう酸リチウム、タンタル
酸リチウム比較すると遅く、たとえば水晶の音速の7割
程度であるため、弾性表面波素子の小型化に有利であ
る。
【0080】なお結晶の対称性を考慮すると、オイラー
角で表現される前記カット角および弾性表面波の伝搬方
向の範囲と等価な範囲においても同様の効果が得られる
のは言うまでもない。
【0081】本実施の形態9は小型な弾性表面波素子を
実現するものである。
【0082】
【発明の効果】上記のような構成とすることにより、水
晶基板、四ほう酸リチウム基板またタンタル酸リチウム
基板を用いた弾性表面波素子よりも小型な弾性表面波素
子を得ることができる。さらに基板のカット面および弾
性表面波の伝搬方向によっては帯域幅が広く、もしくは
低損失な弾性表面波素子を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における弾性表面波素子の
斜視図
【図2】弾性表面波基板のカット面および弾性表面波伝
搬方向とオイラー角との関係を表す図
【図3】オイラー角の説明図
【符号の説明】
10 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を主成分と
し、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板 20 櫛形電極 20’ 櫛形電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 浩輝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川▲さき▼ 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 江田 和生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(90°,90°,177°±5°)およびこれ
    と実質的に等価な範囲であることを特徴とする弾性表面
    波素子。
  2. 【請求項2】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(90°,90°,46°±5°)または(90
    °,90°,65°±5°)または(90°,90°,
    88°±5°)およびこれらと実質的に等価な範囲であ
    ることを特徴とする弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(90°,90°,146°±5°)およびこれ
    と実質的に等価な範囲であることを特徴とする弾性表面
    波素子。
  4. 【請求項4】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(0°,90°,0°±5°)およびこれと実質
    的に等価な範囲であることを特徴とする弾性表面波素
    子。
  5. 【請求項5】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(0°,90°,16°±5°)または(0°,
    90°,38°±5°)または(0°,90°,142
    °±5°)または(0°,90°,148°±5°)お
    よびこれらと実質的に等価な範囲であることを特徴とす
    る弾性表面波素子。
  6. 【請求項6】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(0°,0°,0°±5°)または(0°,0
    °,60°±5°)または(0°,90°,120°±
    5°)およびこれらと実質的に等価な範囲であることを
    特徴とする弾性表面波素子。
  7. 【請求項7】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(0°,0°,24°±5°)または(0°,0
    °,36°±5°)または(0°,90°,84°±5
    °)または(0°,90°,96°±5°)または(0
    °,90°,144°±5°)または(0°,90°,
    156°±5°)およびこれらと実質的に等価な範囲で
    あることを特徴とする弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(0°,92°±5°,0°)およびこれと実質
    的に等価な範囲であることを特徴とする弾性表面波素
    子。
  9. 【請求項9】 ランタン、ガリウム、シリコン、酸素を
    主成分とし、組成がLa3Ga5SiO14で表される圧電基板
    と、前記圧電基板の主面上に配置された櫛形電極とを備
    える弾性表面波素子であって、前記圧電基板のカット面
    および弾性表面波の伝搬方向をオイラー角表示で(φ
    [°],θ[°],ψ[°])としたとき、(φ,θ,
    ψ)=(0°,66°±5°,0°)およびこれと実質
    的に等価な範囲であることを特徴とする弾性表面波素
    子。
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