JPH11126543A - 永久電流スイッチ装置 - Google Patents

永久電流スイッチ装置

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JPH11126543A
JPH11126543A JP29297397A JP29297397A JPH11126543A JP H11126543 A JPH11126543 A JP H11126543A JP 29297397 A JP29297397 A JP 29297397A JP 29297397 A JP29297397 A JP 29297397A JP H11126543 A JPH11126543 A JP H11126543A
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JP
Japan
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coil
superconducting
permanent current
switch device
current switch
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JP29297397A
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English (en)
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Masayuki Hoshino
昌幸 星野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却能力や装置サイズの制約にかかわらず、ス
イッチオフの際の熱発生を抑制し、かつ、スイッチオン
の際の動作安定性を高める。 【解決手段】永久電流スイッチ装置10は、伝熱冷却源
により冷却される超電導電磁石に永久電流を流すための
スイッチングを行なうスイッチング・コイル(第1の超
電導コイル)11と、このコイル11によるスイッチン
グ動作を磁気的に制御する磁界付与コイル(第2の超電
導コイル)13と、この2つのコイル11、13を互い
に同軸でその軸方向AXの位置を異ならせて支持する磁
性体のコイル支持体20とを備える。支持体20は、軸
方向AXにのびる磁性体円柱(柱体)21と、この円柱
21の径方向外側を隙間SPをあけて同軸に囲う磁性体
円筒(筒体)22とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、伝熱冷却源によ
り冷却される超電導電磁石の永久電流スイッチ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に超電導応用分野では、超電導電磁
石の電流閉回路に永久電流を流すためのスイッチングを
行なう永久電流スイッチ装置が知られている。この装置
の一例を図7に示す。
【0003】図7に示す永久電流スイッチ装置は、伝熱
冷却源により冷却される超電導電磁石に搭載されるもの
で、図示しない超電導磁石コイル及びその電源部間の回
路に並列に接続されるスイッチ巻線部101と、この巻
線部101が固定される断面略コ字状の巻枠102と、
この巻枠102上の巻線部101の径方向外側に配置さ
れるヒ−タ103とを備えている。スイッチ巻線部10
1は超電導コイルでなり、その軸方向AXの一方の側面
側に配置される低温ステージ104を介して臨界温度以
下に伝熱冷却され、超電導転移する。
【0004】この装置のスイッチオフは、スイッチ巻線
部101を常電導転移させる動作に相当し、これはヒ−
タ102の通電によるジュール発熱でスイッチ巻線部1
01を臨界温度以上に加熱することで行われる。その結
果、スイッチ巻線部101の電気抵抗が上昇するため、
図示しない電源部から超電導磁石コイル部側への電流が
増加していく。
【0005】この電流が所定の値に達するとスイッチオ
ン、すなわちスイッチ巻線部101を超電導転移させる
動作がヒ−タ加熱を停止することで行われる。その後、
超電導磁石コイルとスイッチ巻線部101とで構成され
る超電導体の電流閉回路を電源部から切り離し、その閉
回路に一定の電流値を保つ永久電流を流すようになって
いる。
【0006】上記の永久電流スイッチ装置はスイッチン
グを熱的に制御する熱式スイッチの例であるが、この装
置にはスイッチングを磁気的に制御する磁気式スイッチ
も知られている。この一例を図8に示す。
【0007】図8に示す永久電流スイッチ装置は、スイ
ッチ巻線部101のスイッチング動作を磁気的に制御す
る超電導コイル部110と、外部磁界に対して磁気遮蔽
する磁気シールド111とを備えたものである。超電導
コイル部110は、スイッチ巻線部101の径方向外側
に同軸に配設され、その巻線部101と共に磁気シール
ド111で覆われる。この場合のスイッチオフは、超電
導コイル部110に電流を流してスイッチ巻線部101
に臨界磁界以上の磁界を付与することで行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
伝熱冷却源を用いた超電導電磁石は液体ヘリウム等の温
度を一定に保つための冷媒を用いていないため、これに
搭載される永久電流スイッチ装置にあっては以下のよう
な不都合があった。
【0009】まず熱式スイッチの場合には、スイッチ巻
線部のスイッチオフを行わせるためのヒ−タ加熱により
超電導電磁石の温度も上昇するため、これをスイッチオ
フが行われる励消時の超電導電磁石の交流損失による温
度上昇分と共に装置設計に必要な温度マージンとして考
慮にいれる必要があった。その結果、超電導電磁石の大
型化を招いたり、冷却システムの冷凍能力が不足する等
の不都合があった。
【0010】また磁気式の場合には、外部磁界の影響を
避けるために磁気シールドを設けているため、これが熱
的な障壁となって低温ステージを媒介とする伝熱冷却容
量が不足しやすい。その結果、わずかな熱擾乱でも大き
な温度上昇を引き起こし、例えばスイッチオンの際に常
電導転移する等の不安定な動作を招きやすいといった不
都合があった。さらに磁気式の場合には、スイッチオフ
の際に電流リードを介して超電導コイル部に電流を流す
ために電流リードからの侵入熱による温度上昇も考慮に
入れる必要がある。
【0011】この発明は、このような従来の問題を考慮
してなされたものであり、冷却能力や装置サイズの制約
にかかわらず、スイッチオフの際の熱発生を抑制し、か
つ、スイッチオンの際の動作安定性を高めることができ
る永久電流スイッチ装置を提供することを、目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる永久電流スイッチ装置は、伝熱冷
却源により冷却される超電導電磁石に永久電流を流すた
めのスイッチングを行なう第1の超電導コイルと、この
第1の超電導コイルによるスイッチング動作を磁気的に
制御する第2の超電導コイルと、第1および第2の超電
導コイルを互いに同軸でその軸方向の位置を異ならせて
支持するコイル支持体とを備え、このコイル支持体を磁
性体で構成したことを特徴とする。
【0013】前記コイル支持体は、好ましくは前記軸方
向にのびる柱体と、この柱体の径方向外側を隙間をあけ
て同軸に囲う筒体とを備え、前記2つの超電導コイルを
前記隙間内の軸方向の異なる位置にそれぞれ配置するも
のとする。
【0014】この場合に好ましい態様は、第1の超電導
コイルを前記隙間の軸方向両端部の一方に配置し、第2
の超電導コイルを前記隙間の軸方向両端部の他方に配置
し、この第2の超電導コイルの軸方向外側に前記柱体と
筒体とを前記隙間をうめて互いに接合する接合部を設け
るものとする。
【0015】別の好ましい態様は、第1の超電導コイル
を隙間の軸方向両端部のそれぞれに配置し、第2の超電
導コイルをこの2つの第1の超電導コイル間に配置する
ものとする。
【0016】その他、この発明は以下の各態様で構成す
ることができる。 1):隙間を第2の超電導コイル側から第1の超電導コ
イル側に向けて狭くする。この隙間を第1の超電導コイ
ル側からその軸方向外側に向けて広くする。 2):コイル支持体は、柱体の周囲に熱伝導体を備え
る。この熱伝導体を伝熱冷却源に熱的に結合し、その熱
伝導体を介して前記2つの超電導コイルを互いに熱的に
接続する。 3):隙間の少なくとも一部に樹脂を含浸させて配置す
る。この樹脂は、熱伝導性に優れた粒子および繊維の少
なくとも一方を混入させた樹脂であることが望ましい。 4):第1の超電導コイルの臨界磁界は前記第2の超電
導コイルの臨界磁界よりも小さくする。第1の超電導コ
イルの臨界磁界は2T以下であることが好ましい。 5):第1の超電導コイルは、磁気抵抗をもつマトリッ
クス材料を有する超電導線材を用いて構成する。 6):筒体は、第1の超電導コイルの軸方向外側で柱体
よりも突出させて構成する。 7):柱体を円柱状部材で、筒体を円筒状部材で構成す
る。あるいは柱体を角柱状部材で構成し、その角柱状部
材の角部に面取りを施してもよい。 8):第2の超電導コイルを超電導磁石の電源部に切り
換え可能に接続する。この第2の超電導コイルに保護素
子を並列状に接続することが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる永久電流
スイッチ装置の実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】(第1の実施形態)図1は、この発明にか
かる永久電流スイッチを搭載した超電導電磁石の回路構
成の概要を説明するものである。ここで示す超電導電磁
石は、図示しない伝熱冷却源に冷却される超電導磁石コ
イル1、その電流リード2、2、および電源部3のほ
か、この発明にかかる永久電流スイッチ装置10を備え
ている(図中の符号4は超電導磁石保護素子)。
【0019】この装置10は磁気式スイッチの原理を適
用したものであり、図1に示すように超電導磁石コイル
1に対して永久電流を流すためのスイッチングを行う超
電導コイル(この発明の第1の超電導コイル:以下、便
宜上「スイッチング・コイル(スイッチ巻線部)」とよ
ぶ)11と、このコイル11のスイッチング動作を磁気
的に制御するための超電導コイル部12とを備えてい
る。
【0020】超電導コイル部12は、スイッチング・コ
イル11に所定の磁界を与える超電導コイル本体(この
発明の第2の超電導コイル:以下、便宜上「磁界付与コ
イル」とよぶ)13、その電流リード14、14、およ
び電源部15を備えた回路構成をもつ。
【0021】ここでスイッチング・コイル11の超電導
線は、磁界付与コイル13のそれよりも小さい臨界磁
界、たとえば2T以下のものが好ましく、そのマトリッ
クス材を磁気抵抗をもつ材料で構成することが望まし
い。
【0022】図2は、上記2つの超電導コイル11、1
3を搭載した永久電流スイッチ装置10の要部構造を説
明するものである。この装置10には、たとえば超電導
電磁石コイル1が装備される真空チャンバ(図示しな
い)内に、スイッチング・コイル11と磁界付与コイル
13とを互いに同軸でその軸方向AXの異なる位置にそ
れぞれ支持するコイル支持体20が配設されている。
【0023】この支持体20は、伝熱冷却源に熱的に接
続された低温ステージ30上に装備されるもので、軸方
向AXにのびる磁性体円柱(この発明の柱体)21と、
この円柱21の径方向外側に隙間SPをあけて同軸に配
置される磁性体円筒(筒体)22とで構成されている。
円柱21と円筒22の軸方向AXの両端面の一方は低温
ステージ30に接触し、その両端面の他方には隙間SP
を閉じる状態で接合部23が設けられている。また円柱
22の外側表面の表層部には、良熱伝導材料で構成した
伝熱体(良伝熱体)24が設けられ、これを低温ステー
ジ30に熱的に接続している。
【0024】上記の円柱21と円筒22との互いの対向
面で形成される環状隙間SPには、上記のスイッチング
・コイル11および磁界付与コイル13が対向配置され
ている。すなわち隙間SPの低温ステージ30側では、
スイッチング・コイル11が円柱22上に無誘導で巻回
してステージ30に接触させて配置されると共に、隙間
SPの接合部23側では、磁界付与コイル13が円柱2
2上で巻回して配置されている。そこでこの2つのコイ
ル11、13は円柱21上に伝熱体24を介して熱的に
接続される。
【0025】ここで隙間SPの形状は、磁界付与コイル
13側からスイッチング・コイル11側に向けて狭く、
さらにここから軸方向AXの外側では逆に広がるように
形成されている。円筒22の軸方向の長さは、スイッチ
ング・コイル11側で円柱21の端部よりも外側に突出
するように設定されている。
【0026】このように2つのコイル11、13が配置
される隙間SPの残りの空隙部には、たとえば熱伝導を
良好にするための粒子または繊維などを混入した樹脂2
5が一体に含浸され、この樹脂25を介して円柱21、
円筒22、接合部23、熱伝導体24、2つのコイル1
1、13が互いに熱的に結合されている。
【0027】ここで、この実施形態の全体動作を説明す
る(図1参照)。
【0028】まず、超電導電磁石の起動に際し、超電導
磁石コイル1が伝熱冷却により超電導転移する。このと
き、永久電流スイッチ装置10側でもスイッチング・コ
イル11が低温ステージ30からの伝熱冷却により同様
に超電導転移する。
【0029】この状態から装置10のスイッチオフが行
われる。このスイッチオフに際し、磁界付与コイル13
に電流リード14を介して電流を流し、そこから円柱2
1と円筒22とで磁気的に構成された磁気回路中に磁束
を発生させ、その磁界がスイッチング・コイル11に加
えられる。このコイル11への付与磁界が臨界磁界を超
えると、ここでコイル11が常電導転移する。その結
果、スイッチング・コイル11の抵抗が大きくなり、こ
のコイル11側への分流電流の減少に伴って超電導磁石
コイル1側への分流電流が増加していく。
【0030】このようなスイッチオフでは、上記の磁気
回路がスイッチング・コイル11のわずかな空隙のみで
開く構造となっているため、磁界付与コイル13からの
磁束のほとんどが磁気回路中を流れる。したがって永久
電流スイッチ装置10から外部への漏洩磁界が抑制され
る。
【0031】その後、超電導磁石コイル1の電流値が一
定の値に達すると、装置10のスイッチオンが行われ
る。このスイッチオンに際し、磁界付与コイル13から
スイッチング・コイル11への磁界付与が停止され、こ
れによりコイル11が超電導転移する。その後で、電源
部3から超電導磁石コイル1への電流供給が停止され、
超電導磁石コイル1とスイッチング・コイル11とで構
成される電流閉回路に一定の電流値を保つ永久電流モー
ドとなる。
【0032】このようなスイッチオンでは、外部磁界や
熱擾乱の付与によりスイッチング・コイル11が常電導
転移するといった不安定な事態がほとんど生じず、より
安定な動作が保持される。
【0033】たとえば、外部磁界の付与に関しては、ス
イッチング・コイル11が円筒21及び円柱22で磁気
遮蔽されている。すなわち、図3に示すようにコイル1
1の軸方向AXに平行な磁界H1の場合では、ほとんど
円柱21と円筒22の内部を通ると共に、図4に示すよ
うにコイル11の軸方向AXに直交する磁界H2の場合
では、ほとんど円筒22を通るため、いずれに場合でも
外部からの磁界がスイッチング・コイルに与える影響は
少なく、これが原因で臨界磁界を超えて磁気的に常電導
転移するといった事態を回避できる。
【0034】また熱擾乱の付与に関しては、スイッチン
グ・コイル11を低温ステージ30に密着配置するため
の伝熱経路を円柱21と円筒22間の隙間SPを利用し
て確保してあるため、コイル11とステージ30とが熱
的に密に結合して両者の温度差が小さく、仮に熱擾乱を
受けたとしてもステージ30を介してコイル11の温度
上昇が抑制されるため、この場合でも臨界温度を超えて
熱的に常電導転移するといった事態を回避できる。
【0035】したがってこの実施形態によれば、熱発生
なしにスイッチオフを行う磁気式スイッチの利点を最大
限に活用しつつ、スイッチオンの超電導状態における熱
擾乱、外部磁界に対して安定な永久電流スイッチを提供
できる。以下、従来例と比べて優れた利点を述べる。
【0036】1):コイル支持体の隙間形状として、ス
イッチング・コイルの両側でそれぞれ間隔を絞るテーパ
状を採用したたため、磁界付与コイルからの発生磁束を
スイッチング・コイル側により有効に付与でき、これに
より、磁界付与コイルの起磁力すなわち巻線量をより効
果的に減少できる。
【0037】2):スイッチング・コイルと磁界付与コ
イルとを良伝熱体を介して低温ステージに熱的に接続し
てあるため、伝熱量が増加し、両コイルの温度上昇を抑
制し、超電導安定性の向上に貢献できる。
【0038】3):隙間の残部に伝熱特性を向上させる
粒子または繊維を混入した樹脂を含浸させたため、円
筒、円柱、スイッチング・コイル、磁界付与コイルなど
の熱的結合性をより高め、両コイルの比熱が等価的に大
きくなり、瞬時的な熱擾乱に対する温度上昇をより有効
に抑制でき、超電導安定性の向上に貢献できる。
【0039】4):スイッチング・コイルの超電導線の
臨界磁界を2T以下とし、磁界付与コイルのそれよりも
小さくしたため、スイッチング・コイルの常電導転移に
必要な磁界付与コイルの最大経験磁界を十分小さくで
き、これにより、超電導コイルが常電導転移して熱発生
したり、スイッチオフが継続できない等の問題がなくな
る。また磁性体が飽和することも回避できるため、この
点における永久電流スイッチからの漏洩磁界も減少させ
ることができる。
【0040】5):スイッチング・コイルの超電導線の
マトリックス材を磁気抵抗を持つ材料としたため、その
コイルに磁界が加えられたスイッチオフ時の抵抗が高く
なりスイッチ巻線部への分流電流を小さくでき、かつ、
オン状態ではマトリックス抵抗が小さくなるため、超電
導安定性の向上に貢献できる。
【0041】6):円筒をスイッチング・コイル側で円
柱の端部よりも外側に長く突き出す構造としたあるた
め、円筒からの磁束を軸方向および径方向で円柱側に向
かうため、スイッチオフの際の円筒の端面方向および外
周方向への漏洩磁界を少なくすることができる。
【0042】7):永久電流スイッチ装置からの漏洩磁
束も少なく、磁界の影響を受ける部品に隣接して設置す
ることもできる。
【0043】なお、この実施形態ではコイル支持体を磁
性体の円柱および円筒で構成してあるが、この発明は必
ずしもこれに限定されるものではない。例えば、この発
明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、断面形状として多
角形状、一方向に長い長方形状、レーストラック形状等
であってもよい。
【0044】また、この実施形態では円柱と円筒との片
端に接合部を設けてあるが、この発明はこれに限定され
るものではない。この場合の変形例を図5に示す。
【0045】図5に示す永久電流スイッチ装置は、上記
の接合部の代わりに新たにスイッチング・コイル11b
を設け、このコイル11bの近傍における円柱21と円
筒22とで形成される隙間SPの形状を低温ステージ3
0側と同様にテーパ状に形成したものである。したがっ
て磁界付与コイル13は、2つのスイッチング・コイル
11a、11b間に配置されている。その他の構成要素
については上記と同様である。
【0046】この変形例によれば、上述の実施形態と同
様の作用効果に加え、スイッチング・コイルの巻線量を
増加できる利点がある。このため、スイッチオフの際の
スイッチング・コイルの電気抵抗がより大きくなって分
流電流が小さくなり、スイッチング・コイルでの発熱量
をより減少させることができる。また超電導電磁石の励
消磁時にスイッチ分流電流が超電導磁石コイル側に流れ
直す時間を少なくできる利点もある。
【0047】(第2の実施形態)図6に示す永久電流ス
イッチ装置10は、超電導コイル部12の回路構成を一
部変更し、スイッチング・コイル11と超電導磁石コイ
ル1側の保護素子4との間に機械式の並列スイッチ41
を配置したものである。
【0048】超電導コイル部12は、磁界付与コイル1
3の両端部を超電導磁石コイル1の電流回路に並列に接
続し、その接続部の一方に超電導磁石コイル1との間で
切り替え可能な切替スイッチ42を配置すると共に、磁
界付与コイル13との間で電流閉回路を形成可能な機械
式スイッチ43を設けたものである。また、磁界付与コ
イル13には、その保護素子(ダイオード、サイリス
タ、非線形抵抗素子、保護抵抗等)44が並列に接続さ
れている。その他の構成要素については上記と同様であ
る。
【0049】ここで、この実施形態の全体動作を説明す
る。
【0050】まず装置10のスイッチオフに際し、超電
導コイル部12の機械式スイッチ43をオフとした状態
で、切替スイッチ42を超電導コイル部12側に接続
し、磁界付与コイル13に電流リード2を通じて電流を
流す。その結果、上記と同様に磁界付与コイル13から
の発生磁界によりスイッチング・コイル11が常電導転
移する。
【0051】ここで磁界付与コイル13に所定の電流が
流れたら、機械式スイッチ43をオンにし、電流リード
2からの供給電流を止める。このとき、超電導コイル部
12では電流閉回路に電流が流れつづけるため、スイッ
チング・コイル11の常電導状態、すなわちスイッチオ
フが保持される。
【0052】その後、並列スイッチ41をオフにし、切
替スイッチ42を超電導磁石コイル1側に接続すること
により、電流リード2を介して超電導磁石コイル1に電
流が供給される。そこでコイル1への電流値が所定値に
達すると、並列スイッチ41をオンにし、電流リード2
からの電流を止める。このとき、超電導磁石コイル1と
並列スイッチ41との間で形成される電流閉回路に電流
が流れつづけるが、並列スイッチ41は機械式であるた
めに抵抗が大きく、その流れを長期にわたって維持でき
ない。
【0053】そこで、切替スイッチ42を再び超電導コ
イル部12側に接続し、磁界付与コイル13に流れてい
る電流値となるまで電流リード2からの電流供給を行
い、その後で機械式スイッチ43をオフにし、磁界付与
コイル13に流れる電流値を0Aにする。その結果、ス
イッチング・コイル11への磁界付与が停止して超電導
に転移するため、超電導磁石コイル1を流れる電流は、
超電導状態で電気抵抗が殆どないスイッチング・コイル
11との間で形成される電流閉回路を介して長期にわた
って一定の値を保つ永久電流として流れつづける。
【0054】したがってこの実施形態によれば、上記と
同様の効果に加え、超電導磁石コイルの電流リードを介
して磁界付与コイルへの電流供給/停止を行なうことで
超電導磁石コイルへの永久電流のスイッチオン/オフが
可能となるため、熱侵入源となる電流リードを磁界付与
コイル用としてわざわざ設置しなくても済み、永久電流
スイッチ装置内の熱侵入量の増加を抑制できる利点があ
る。
【0055】また、磁界付与コイルに保護素子を接続し
てあるため、このコイル通電中に切替スイッチを超電導
磁石コイル側に接続している状態で機械スイッチがオフ
されても、磁界付与コイルではなくて保護素子側に電流
が流れ、磁界付与コイルに過大な電圧が発生して破損す
る等の不都合を回避できる利点もある。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、永久電流のスイッチングを行なう超電導コイルと、
これを磁気的に制御する超電導コイルと、この2つのコ
イルを互いに同軸でその軸方向の位置を異ならせて支持
するコイル支持体とを備え、この支持体をたとえば軸方
向にのびる磁性体の柱体と、この柱体の径方向外側を隙
間をあけて同軸に囲う磁性体の筒体とで構成することを
要部としたため、冷却能力や装置サイズにかかわらずに
スイッチングを行なう超電導コイルに必要とされる伝熱
経路を軸方向の端部に簡素な構造で確保でき、これによ
り、スイッチオフのときに熱発生等による超電導電磁石
の温度上昇を回避でき、スイッチオンの際の超電導安定
性を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる永久電流スイッチ装置を搭載
した超電導電磁石の回路構成を説明する概略図。
【図2】永久電流スイッチ装置の要部構造を示す概略断
面図。
【図3】軸方向に平行な外部磁界の影響を説明する概略
図。
【図4】図3中のA−A線に沿ってスイッチング・コイ
ル側を見た図で、軸方向に直交する外部磁界の影響を説
明する概略図。
【図5】変形例の永久電流スイッチ装置の要部構造を示
す概略断面図。
【図6】第2の実施形態にかかる永久電流スイッチ装置
の回路構成を示す概略図。
【図7】従来例の熱式永久電流スイッチ装置を示す概略
断面図。
【図8】従来例の磁気式永久電流スイッチ装置を示す概
略断面図。
【符号の説明】
1 超電導磁石コイル 2 電流リード 3 電源部(励磁電源) 4 超電導磁石コイル保護素子 10 永久電流スイッチ装置 11 スイッチング・コイル(第1の超電導コイル) 12 超電導コイル部 13 磁界付与コイル(第2の超電導コイル) 14 電流リード 15 電源部 20 コイル支持体 21 磁性体円柱(柱体) 22 磁性体円筒(筒体) 23 接合部 24 良伝熱体 25 樹脂 30 低温ステージ SP 隙間

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝熱冷却源により冷却される超電導電磁
    石に永久電流を流すためのスイッチングを行なう第1の
    超電導コイルと、 この第1の超電導コイルによるスイッチング動作を磁気
    的に制御する第2の超電導コイルと、 前記第1および第2の超電導コイルを互いに同軸でその
    軸方向の位置を異ならせて支持するコイル支持体とを備
    え、このコイル支持体を磁性体で構成したことを特徴と
    する永久電流スイッチ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、前記コイ
    ル支持体は、前記軸方向にのびる柱体と、この柱体の径
    方向外側を隙間をあけて同軸に囲う筒体とを備え、前記
    2つの超電導コイルを前記隙間内の軸方向の異なる位置
    にそれぞれ配置したことを特徴とする永久電流スイッチ
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明において、前記第1
    の超電導コイルを前記隙間の両端部の一方に配置し、前
    記第2の超電導コイルを前記隙間の両端部の他方に配置
    し、この第2の超電導コイルの軸方向外側に前記柱体と
    筒体とを前記隙間をうめて互いに接合する接合部を設け
    たことを特徴とする永久電流スイッチ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の発明において、前記第1
    の超電導コイルを前記隙間の両端部のそれぞれに配置
    し、前記第2の超電導コイルをその2つの第1の超電導
    コイル間に配置したことを特徴とする永久電流スイッチ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の発明において、
    前記隙間は、前記第2の超電導コイル側から前記第1の
    超電導コイル側に向けて狭くなっていることを特徴とす
    る永久電流スイッチ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の発明において、前記隙間
    は、前記第1の超電導コイル側からその軸方向外側に向
    けて広くなっていることを特徴とする永久電流スイッチ
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の発明において、前記コイ
    ル支持体は、前記柱体の周囲に熱伝導体を備え、この熱
    伝導体を前記伝熱冷却源に熱的に結合し、その熱伝導体
    を介して前記2つの超電導コイルを互いに熱的に接続し
    たことを特徴とする永久電流スイッチ装置。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の発明において、前記隙間
    の少なくとも一部に樹脂を含浸させて配置したことを特
    徴とする永久電流スイッチ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の発明において、前記樹脂
    は、熱伝導性に優れた粒子および繊維の少なくとも一方
    を混入させた樹脂であることを特徴とする永久電流スイ
    ッチ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の発明において、前記第
    1の超電導コイルの臨界磁界は前記第2の超電導コイル
    の臨界磁界よりも小さいことを特徴とする永久電流スイ
    ッチ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発明において、前記
    第1の超電導コイルの臨界磁界は2T以下であることを
    特徴とする永久電流スイッチ装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の発明において、前記第
    1の超電導コイルは、磁気抵抗をもつマトリックス材料
    を有する超電導線材を用いて構成したことを特徴とする
    永久電流スイッチ装置。
  13. 【請求項13】 請求項2記載の発明において、前記筒
    体は、前記第1の超電導コイルの軸方向外側で前記柱体
    よりも突出していることを特徴とする永久電流スイッチ
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項2記載の発明において、前記柱
    体を円柱状部材で構成し、前記筒体を円筒状部材で構成
    したことを特徴とする永久電流スイッチ装置。
  15. 【請求項15】 請求項2記載の発明において、前記柱
    体を角柱状部材で構成し、その角柱状部材の角部に面取
    りを施したことを特徴とする永久電流スイッチ装置。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の発明において、前記第
    2の超電導コイルを前記超電導電磁石の電源部に切り換
    え可能に接続したことを特徴とする永久電流スイッチ装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の発明において、前記第
    2の超電導コイルに保護素子を並列に接続したことを特
    徴とする永久電流スイッチ装置。
JP29297397A 1997-10-24 1997-10-24 永久電流スイッチ装置 Pending JPH11126543A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100611299B1 (ko) 2004-11-16 2006-08-10 재단법인서울대학교산학협력재단 초전도 벌크자석형 조작기

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