JPH1112624A - 還元鉄製造原料の成形方法 - Google Patents

還元鉄製造原料の成形方法

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JPH1112624A
JPH1112624A JP17205297A JP17205297A JPH1112624A JP H1112624 A JPH1112624 A JP H1112624A JP 17205297 A JP17205297 A JP 17205297A JP 17205297 A JP17205297 A JP 17205297A JP H1112624 A JPH1112624 A JP H1112624A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形原料を粉化の少ない状態で回転床炉に装入
することができる原料の成形方法を提供する。 【解決手段】粉状鉄原料と粉状固体還元剤の混合物を、
回転炉床に装入し焼成して還元鉄を製造するに際し、
(1)粉状鉄原料、粉状固体還元剤、水分および必要に
応じて添加するバインダーの全部を一括して300rp
m以上の回転速度で回転する高速攪拌羽根を内蔵するミ
キサー内に投入し、全原料に対する水分の割合が6ma
ss%〜18mass%となるように混合処理した原料
を成形する、または、(2)粉状鉄原料、粉状固体還元
剤および水分を一括して混合処理した後、バインダーを
添加して再度混合処理した原料を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉状の鉄鉱石や鉄
分を含んだダスト、スラッジ、スケール等の粉状鉄原料
と石炭、コークス等の粉状固体還元剤とを混合した原料
を炉床が水平に回転移動する加熱炉に装入して還元鉄を
製造する際の原料の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粉状の鉄鉱石と粉状固体還元剤と
を混合して塊成化し、これを炉床が水平に回転移動する
加熱炉床(以下、「回転炉床」といい、この炉床を有す
る炉を「回転床炉」という)に装入して還元鉄を製造す
る技術が注目されている。
【0003】この回転床炉は古くからあるロータリーキ
ルン炉とは異なり、設備コストが安価であるのが特徴で
あるが、一方、炉床が水平に回転するために原料の装入
および製品の排出に配慮が必要である。その技術の代表
的なものとしては、粉状の鉄鉱石と固体還元剤とを混合
して塊成化物(ペレット)となし、これを高温に加熱す
ることにより鉄鉱石中の酸化鉄を還元して固体状金属鉄
とする技術がある(例えば、米国特許第3,443,9
31号明細書、特開平7−238307号公報)。
【0004】図1は、加熱を回転床炉を用いて行う従来
の還元鉄の製造プロセスの一例の概略図である。図示す
るように、粉鉄鉱石と粉石炭にバインダーとしてのベン
トナイトを添加し、混練機で、さらに水分とタールを添
加して混合する。この混合原料をペレタイザーまたはダ
ブルロール圧縮機で塊成化し、回転床炉の原料装入部へ
移送して炉内へ装入し、炉床の移動に伴って1回転させ
る間に鉄鉱石中の酸化鉄を高温還元して固体状金属鉄と
する。得られた金属鉄は排出部から取り出される。
【0005】上記の還元鉄の製造方法において、粉状鉄
原料としては、粉状の鉄鉱石の他に、製鉄所で発生する
鉄分を含んだ各種のダストやスラッジ、スケールなどが
使用でき、また、粉状固体還元剤としては、石炭、コー
クス、チャー、オイルコークスなどが使用可能である。
これら鉄原料や固体還元剤は、場合によっては乾燥処
理、破砕処理が施される。
【0006】粉状鉄原料と粉状固体還元剤は、次いで混
練処理されるが、その際、必要に応じてバインダーとし
ての水分、タール、糖蜜、有機系樹脂、セメント、スラ
グ、ベントナイト、生石灰、軽焼ドロマイト、消石灰が
添加される。
【0007】混練された原料は、デスクペレタイザイー
により球状のペレットに、またはダブルロール圧縮機に
よりブリケットに塊成化される。この場合、ペレットに
するためには粒径が0.1mm以下の粒度の原料が適
し、ブリッケトには粒径が1mm以下の粒度のものが適
するので、あらかじめ所定の粒度に微粉砕する必要があ
る。また、塊成化物(上記のペレット、ブリケットを指
す)の強度を高めるため、塊成化後に乾燥処理または養
生処理が施される場合もある。
【0008】得られた塊成化物は、ベルトコンベヤーで
回転床炉の上部に送られ、そこから回転炉床上に幅広く
分散するように装入シュートを用いて装入され、レベラ
ーによりならされる。続いて、炉内を移動する間に加熱
還元され、金属鉄となる。
【0009】回転床炉内は、炉内に燃料ガスと空気を送
り込み燃料ガスを燃焼させることによって1100〜1
300℃の炉内温度が確保されている。この回転床炉の
炉床上に上記塊成化物が10〜20mmの薄い層状に敷
かれ、主に炉内壁からの輻射熱で900℃以上に加熱さ
れ、還元焼結されて、所定の金属化率に達すれば、製品
として炉外へ排出される。
【0010】しかしながら、上述のような従来の還元鉄
の製造方法には、つぎのような問題がある。すなわち、
塊成化物は回転床炉に装入されるまでの間に粉化し、小
粒径の粒度の異なる塊成化物となるとともに粉を発生
し、その状態で回転炉床に装入されるため、炉内に装入
された発生粉は燃焼ガスにより飛散し、炉壁に溶融付着
して、設備トラブルの原因となる。また、回転炉床に溶
融付着したり、溶融浸食して、床面が荒れ、設備トラブ
ルの原因となる。
【0011】さらには、塊成化物の粒度が異なるため焼
成にむらを生じ、92%程度の金属化率を有する還元鉄
を製造するためには焼成時間を延長する必要が生じ、還
元鉄の生産性が悪化する。
【0012】この塊成化物の粉化の悪影響を防止するた
め前述したバインダーが添加され、効果を奏している
が、粉化が完全に防止されるわけではない。また、有機
系バインダーは高価なもので、製造コストを上昇させ、
一方、無機系バインダーは鉄分以外のスラグ分を含有す
るため還元鉄の品位を低下させるという欠点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の還元
鉄の製造技術における上記の問題を解決することを課題
としてなされたものである。本発明の具体的な目的は、
粉状鉄原料と粉状固体還元剤とを混合し塊成化した原料
を回転床炉に装入するに際し、混合原料をバインダーを
添加せずに、もしくは極力少ないバインダー量で強度の
高い成形物とし、粉化の少ない状態で回転床炉に装入す
ることができる原料の成形方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため検討を重ねた結果、粉状の鉄鉱石と粉
状固体還元剤とを混合する際、高速攪拌ミキサーによる
ねっか処理が粉体原料の粘着性を改善し、強度の高い成
形物を製造する上で有効であること、また、水分を添加
して混合した後、バインダーを添加して再度混合する方
法が効果的であることを見いだし、本発明をなすに至っ
た。
【0015】本発明の要旨は、下記(1)および(2)
の還元鉄製造原料の成形方法にある。
【0016】(1)粉状鉄原料と粉状固体還元剤と水分
と必要に応じて添加するバインダーとを混合し、成形し
た原料を回転炉床に装入し焼成して還元鉄を製造するに
際し、粉状鉄原料、粉状固体還元剤、水分および必要に
応じて添加するバインダーの全部を一括して300rp
m以上の回転速度で回転する高速攪拌羽根を内蔵するミ
キサー内に投入し、全原料に対する水分の割合が6ma
ss%〜18mass%となるように混合処理した原料
を成形することを特徴とする還元鉄製造原料の成形方
法。
【0017】(2)粉状鉄原料と粉状固体還元剤と水分
とバインダーとを混合し、成形した原料を回転炉床に装
入し焼成して還元鉄を製造するに際し、粉状鉄原料、粉
状固体還元剤および水分を一括して混合処理した後、バ
インダーを添加して再度混合処理した原料を成形するこ
とを特徴とする還元鉄製造原料の成形方法。
【0018】ここで、「粉状鉄原料」とは、酸化鉄が主
成分の粉状の鉄原料であり、具体的には、前述した粉状
の鉄鉱石や製鉄所で発生する鉄分を含んだダスト、スラ
ッジ(例えば、焼結機発生ダスト、高炉発生ダスト、転
炉発生ダスト、圧延工場発生スラッジ)、スケール等を
いう。本発明においては、これらを単独で、または2種
以上の混合物状態で使用することができる。
【0019】「粉状固体還元剤」とは、石炭、コーク
ス、チャー、オイルコークス等の、主に炭素を含む固体
物質の粉末である。これらも、単独で、または2種以上
組み合わせて使用することができる。
【0020】また、「成形」とは、粉状鉄原料と粉状固
体還元剤の混合原料を、ペレット、ブリケットに限ら
ず、平板のタイル状、シート状のものなど、種々の形態
を有するものに変化させることをいう。
【0021】上記(1)の還元鉄製造原料の成形方法に
おいて、望ましい実施態様として、下記の方法を単独
で、または組み合わせて採用することができる。
【0022】〔望ましい態様1〕成形方法としてダブル
ロール圧縮機を用いる還元鉄製造原料の成形方法。
【0023】〔望ましい態様2〕粉状固体還元剤として
乾燥した石炭を用いる還元鉄製造原料の成形方法。
【0024】また、上記(2)の還元鉄製造原料の成形
方法の望ましい実施態様として、下記の方法を採用する
ことができる。
【0025】〔望ましい態様3〕混合処理および再度行
う混合処理のうち少なくとも一方の処理を300rpm
以上の回転速度で回転する高速攪拌羽根を内蔵するミキ
サーを用いて行う還元鉄製造原料の成形方法。
【0026】〔望ましい態様4〕成形方法としてダブル
ロール圧縮機を用いる還元鉄製造原料の成形方法。
【0027】
【発明の実施の形態】上記(1)の発明は、粉状鉄原
料、粉状固体還元剤、水分および必要に応じて添加する
バインダーの全部を一括して300rpm以上の回転速
度で回転する高速攪拌羽根を内蔵するミキサー(高速攪
拌ミキサー)内に投入し、全原料に対する水分の割合が
6mass%〜18mass%となるように混合処理し
た原料を成形する還元鉄製造原料の成形方法である。
【0028】すなわち、粉体原料の粘着性を改善し、強
度の高い成形物を製造するにあたり、より高い強度を発
現するために高速攪拌ミキサーによって、ねっか処理を
するのである。湿潤状態にある粉体の造粒や成形におい
ては、水分や液体のバインダーが粉体粒子の間を濡ら
し、それに基づく毛細管力により粉体粒子間に凝集作用
が働いて造粒や成形が行われるともに、強度が発現す
る。従って、粉体粒子間に水分やバインダーがよく入り
込むように、強い攪拌力でねっか処理することが効果的
である。
【0029】この効果を得るためには、高速攪拌ミキサ
ーで、撹拌羽根の回転速度(すなわち、高速攪拌ミキサ
ーの回転速度)を300rpm以上として攪拌混合を行
うのが有効である。高速撹拌ミキサーの回転速度を30
0rpm以上とするのは、回転速度が300rpm以上
になると粉体原料が粒子単位で分離され、粒子間に水分
やバインダーがより均一に分散し、強度発現に効果的に
作用するのに対し、回転速度が300rpmより低いと
粒子単位で分離されず、強度発現効果が認められないか
らである。なお、ここでは、高速攪拌ミキサーで回転速
度を300rpm以上として行う撹拌を「高速撹拌」と
呼ぶ。
【0030】上記(1)の発明において、バインダーは
添加しなくてもよい。しかし、バインダーは、前述した
ように、湿潤状態にある粉体の造粒や成形において水分
と同様に作用して成形物の強度を高め、しかも、その作
用は水分よりも強いので、原料装入時の粉化の抑制に極
めて効果的である。また、ねっか処理を行うので、通常
の混合機(例えば、フレットミル等)を用いて混合する
場合に比べて添加量が少なくてすみ、製造コストの上
昇、あるいはバインダーの添加に起因する還元鉄の品質
低下を抑制することができる。従って、使用する原料の
種類により粉化の傾向が強い場合等、必要に応じてバイ
ンダーを添加するのが有効である。
【0031】バインダーとしては、タール、糖蜜、ベン
トナイト等を用いることができる。また、バインダーの
添加量は、使用するバインダーの種類に応じて適宜定め
ればよい。
【0032】上記の高速撹拌ミキサー内に粉状鉄原料、
粉状固体還元剤、水分および必要に応じて添加するバイ
ンダーの全部を一括して投入するのは、短時間で効率的
に混合処理した原料を得るためである。
【0033】このとき加える水分は、全原料に対する割
合で6mass%〜18mass%となる量とする。こ
れは、水分が18mass%を超えると、水分が十分に
存在するため、粉体粒子間に水分を均一に分散するとい
う高速撹拌の効果が十分に発揮されず、一方、水分が6
mass%未満では水分が少ないため、高速撹拌を行っ
ても粒子間での水分の均一分散に関してむらが存在し、
その改善効果が小さいためである。
【0034】なお、この発明の方法で添加する水分は、
液体の水はもちろんのこと、水蒸気であってもよい。水
よりも水蒸気のほうが分散性がよく、効果大きい。この
ことは、次に述べる(2)の発明においても同様であ
る。
【0035】上記(2)の発明は、粉状鉄原料、粉状固
体還元剤および水分を一括して混合処理した後、バイン
ダーを添加して再度混合処理した原料を成形する還元鉄
製造原料の成形方法である。
【0036】このように、粉体原料に水分を添加して混
合処理を行った後、バインダーを添加して再度の混合処
理を行う方法を採用するのは、水分とバインダーでは、
バインダーの方が粉体粒子間の凝集力を高め得るから
で、粒子間の空間のより外側にバインダーを配すること
によって造粒物または成形物の強度を一層高めることが
可能となる。
【0037】この発明の方法において、水分の添加量は
特に限定されない。従来使用されている混合機により処
理を行えばよいので、その際添加される量とすればよ
い。
【0038】再度行う混合処理の際に添加するバインダ
ーとしては、タール、糖蜜、ベントナイト等を用いるこ
とができる。また、バインダーの添加量は、使用するバ
インダーの種類に応じて適宜定めればよい。
【0039】次に、上記(1)の発明の望ましい実施態
様、および上記(2)の発明の望ましい実施態様につい
て説明する。
【0040】〔望ましい態様1〕これは、前記(1)の
発明において、成形方法としてダブルロール圧縮機を用
いる還元鉄製造原料の成形方法である。
【0041】前記(1)の発明の方法によれば、粉体粒
子間に強い凝集力が働き、強度の高い凝集物が得られ
る。従って、この方法は、例えば皿形ペレタイザーを転
動させてペレットを製造する際の前処理として有効であ
る。しかし、ダブルロール圧縮機により強い力で圧縮処
理を行ってブリッケトやその他の成形物に成形する場合
に一層優れた効果が発揮される。これは、皿型ペレタイ
ザーによる造粒が時間をかけて行われるのに対し、ダブ
ルロール圧縮機では短時間に強い圧縮力を作用させて成
形を行うので、粉体粒子どうしを結合させる水分やバイ
ンダーをより均一に粒子表面に付着させる必要があり、
ねっか処理の効果が現れやすいためである。
【0042】〔望ましい態様2〕これは、前記(1)の
発明において、粉状固体還元剤として乾燥した石炭を用
いる還元鉄製造原料の成形方法である。
【0043】粉状鉄原料中の酸化鉄を粉状固体還元剤で
還元して還元鉄を製造する際、酸化鉄の表面に還元剤が
均一にむらなく分散していることが重要である。このた
めには、粉状固体還元剤と粉状鉄原料(酸化鉄)との混
合性を高める必要があり、水分やバインダーを添加して
高速撹拌ミキサーで撹拌するのであるが、還元反応を受
ける粉状鉄原料の流動性も重要で、高い流動性を有する
状態にすることが必要である。
【0044】この高い流動性を与えるためには、粉状固
体還元剤として乾燥した石炭を使用することが最適であ
る。
【0045】その理由は、乾燥石炭は流動性がよく分散
性が良好である一方で、水との濡れ性がきわめて悪く、
吸水に多くの時間を要することにある。粉体原料は、乾
燥していれば凝集力は低下し、流動性がよく分散性は良
好である。しかし、粉体原料を造粒や成形するには粉体
粒子間の結合力を発現させるための水分が必要である
が、水分が存在すると粉体粒子間に凝集作用が働いて分
散性が低下する。このような粉体原料に流動性を与える
とともに、結合力も発現させるためには、乾燥状態にあ
る粉体原料の水分との濡れ性が重要である。乾燥した粉
体原料を用い、それに水分を添加して高速撹拌ミキサー
で撹拌し、造粒や成形に必要な水分状態にすることを考
えると、最初は流動性がよく、次第に吸水して凝集作用
が働くように、濡れ性が悪い方が好ましいといえる。
【0046】乾燥した石炭はこのような条件を備えてお
り、水分との濡れ性が悪い(吸水性が悪い)ので、最初
は高い流動性を保持でき、高速撹拌によって均一分散状
態を得ることができ、時間が経つとともに吸水濡れ作用
によって造粒や成形に必要な水分状態を得ることができ
る。
【0047】これに対して、水との濡れ性が良好で吸水
性の高い鉄鉱石やコークスを乾燥状態にしてもほとんど
効果はない。この場合、鉄鉱石やコークスが添加した水
分を直ちに吸水してしまうためである。従って、水分と
ともに粉体原料を高速撹拌ミキサーで混合する場合、乾
燥した粉体原料の流動特性を活かせるのは乾燥石炭だけ
である。
【0048】〔望ましい態様3〕これは、前記(2)の
発明において、混合処理を300rpm以上の回転速度
で回転する高速攪拌羽根を内蔵する高速撹拌ミキサーを
用いて行う還元鉄製造原料の成形方法である。
【0049】前述したように、高速攪拌することによっ
て水分やバインダーが粉体粒子間に均一に分散し、通常
の混合機を用いる場合に較べて粒子間の凝集力が一層高
められるからである。なお、高速撹拌は、最初の撹拌処
理および再度行う撹拌処理の両方で行うのが望ましい
が、いずれか一方の撹拌処理の際に行っても効果があ
る。
【0050】〔望ましい態様4〕これは、前記(2)の
発明において、成形方法としてダブルロール圧縮機を用
いる還元鉄製造原料の成形方法である。
【0051】粉体原料に水分を添加して混合処理を行っ
た後、バインダーを添加して再度混合処理を行って粒子
間の空間のより外側にバインダーを配することにより、
通常の混合機を用いる場合であっても造粒物または成形
物の強度を高める効果が発揮されるが、ダブルロール圧
縮機では短時間に強い圧縮力を作用させて成形を行うの
で、このような二段の混合処理の効果が現れやすい。
【0052】混合処理に高速撹拌ミキサーを用いる場合
は、それに加えて、ねっか処理の効果が加わるので、一
層望ましい。
【0053】上記本発明の方法によれば、粉体原料を成
形して回転床炉に装入するに際し、成形物の強度を高め
て粉化の少ない状態で回転床炉に装入することが可能な
原料の成形を行うことができ、その結果、焼成むらをな
くして還元鉄の生産性を向上させることができる。ま
た、バインダーを添加せずに、もしくは極力少ないバイ
ンダー量で塊成化することが可能になるので、高価なバ
インダーを使用することによる製造コストの上昇、ある
いはバインダーの添加に起因する還元鉄の品質低下を抑
制することができる。
【0054】
【実施例】表1に示す粉鉄鉱石と表2に示す粉石炭を用
い、これらを表3に示す配合率で配合した後、混合し、
同じく表3に示す形状および寸法のペレット、ブリケッ
トまたはタイルに成形した。この成形原料を用いて、表
4〜表7に示す各ケースの条件で、還元鉄を製造し、そ
のときの還元鉄の金属化率を求めて、本発明の効果を評
価した。なお、用いた回転炉床の設備仕様と操業条件を
表8に示す。
【0055】なお、操業に際し、原料装入から製品排出
まで10分になるように炉床の回転速度を調整した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】<バインダーの添加なしでペレットに成形
>前記の図1に示した製造工程にのっとり、直径7.5
mの皿型ペレタイザーを用いて径が15mmのペレット
を製造し、平板直線形シュートで回転床炉に装入して還
元鉄を製造した(表4参照)。ケースAは混合機として
従来使用されているフレットミルを用いた従来例であ
り、ケースBは高速撹拌ミキサーを用い、回転速度を3
00rpmとした場合で、本発明例である。
【0065】操業の結果得られた還元鉄の金属化率を表
9に、また、高速撹拌羽根の回転速度と還元鉄の金属化
率の関係を図4に示す。高速撹拌羽根の回転速度が30
0rpm以上では、高速撹拌ミキサーを用いた本発明例
の方が高い金属化率を有することがわかる。
【0066】<バインダーを添加してペレットに成形>
図1または図2に示した製造工程にのっとり、直径7.
5mの皿型ペレタイザーを用いて径が15mmのペレッ
トを製造し、平板形シュートで回転床炉に装入して還元
鉄を製造した(表5参照)。なお、図2に示した製造工
程は、粉鉄鉱石、粉石炭および水分を一括して混合処理
した後、バインダー(ベントナイトを使用)を添加して
再度混合処理する工程で、前記の(2)の発明の方法に
該当する。
【0067】表5に示したケースCは混合機として従来
使用されているフレットミルを用いた従来例、ケースD
は高速撹拌ミキサーを用い、回転速度を300rpmと
した本発明例で、いずれも全原料を一括処理した場合で
ある。また、ケースEは混合機にフレットミルを用いた
場合であるが、粉鉄鉱石、粉石炭および水分を一括混合
処理したのち、バインダーを添加して再度混合処理した
本発明例、ケースFは高速撹拌ミキサー(回転速度30
0rpm)を用い、粉鉄鉱石、粉石炭および水分を一括
混合処理した後、バインダーを添加して再度混合処理し
た本発明例である。
【0068】得られた還元鉄の金属化率を表9(成形原
料の水分はすべて11mass%で一定とした)に、ま
た、成形原料の水分と還元鉄の金属化率の関係を図5に
示す。本発明例では、成形時の原料水分が6〜18ma
ss%において高い金属化率が得られた。特に、高速撹
拌ミキサーを用いた場合、金属化率が高かったが、混合
機がフレットミルであっても、原料と水分を混合した後
バインダーを添加して再度混合処理することにより金属
化率が向上した。
【0069】<バインダーを添加してブリケットに成形
>図1または図2に示した製造工程にのっとり、ロール
径が2.0mのダブルロール圧縮機を用いてブリケット
を製造し、平板直線形シュートで回転床炉に装入して還
元鉄を製造した(表6参照)。
【0070】表6に示したケースG1およびG2は混合
機としてフレットミルを用いた従来例、ケースH1およ
びH2は高速撹拌ミキサーを用い、回転速度を300r
pmとした本発明例で、いずれも全原料を一括処理した
場合である。ケースI1およびI2は混合機にフレット
ミルを用いた場合であるが、粉鉄鉱石、粉石炭および水
分を一括混合処理したのち、バインダー(タールを使
用)を添加して再度混合処理した本発明例、ケースJ1
およびJ2は高速撹拌ミキサー(回転速度300rp
m)を用い、粉鉄鉱石、粉石炭および水分を一括混合処
理した後、バインダーを添加して再度混合処理した本発
明例である。ここで、ケースG2、H2、I2およびJ
2は、粉石炭として事前に乾燥処理したものを用いた場
合である。
【0071】得られた還元鉄の金属化率を表9に示す。
なお、成形原料の水分はすべて11mass%で一定と
した。
【0072】この結果から明らかなように、回転速度が
300rpmの高速撹拌ミキサーを用いた本発明例の方
が高い金属化率が得られた。また、混合機がフレットミ
ルであっても、原料と水分を混合した後バインダーを混
合する方が高い金属化率を示した。さらに、全原料を一
括して混合処理した場合、事前に粉石炭を乾燥処理した
ケースの方が高い金属化率を示した。
【0073】<バインダーの添加なしでタイルに成形>
図3に示す製造工程にのっとり、回転速度300rpm
の高速撹拌ミキサーを用いて、粉鉄鉱石、粉石炭および
水分を成形原料の水分が11mass%で一定となるよ
うに一括混合処理し、回転床炉の原料装入部の直上に設
置したダブルロール圧縮機でタイルに成形し、装入シュ
ートで回転床炉に装入して還元鉄を製造した(表7参
照)。ケースKは混合機として従来使用されているフレ
ットミルを用いた従来例、ケースLは高速撹拌ミキサー
を用い、回転速度を300rpmとした本発明例で、い
ずれも全原料を一括処理した場合である。
【0074】得られた還元鉄の金属化率を表9に示す。
高速撹拌ミキサーを用いた本発明例の方が高い金属化率
を示した。また、事前に粉石炭を乾燥処理したケースの
方が高い金属化率が得られた。
【0075】
【表9】
【0076】
【発明の効果】本発明の方法によれば、粉状の鉄鉱石と
粉状固体還元剤とを混合し、成形して回転床炉に装入す
るに際し、成形物の強度を高めて粉化の少ない状態で回
転床炉に装入することが可能な原料の成形を行うことが
でき、焼成むらをなくして還元鉄の生産性を向上させる
ことができる。また、バインダーを添加せずに、もしく
は極力少ないバインダー量で塊成化することが可能にな
るので、製造コストの上昇、あるいはバインダーの添加
に起因する還元鉄の品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転床炉を用いて行う従来の還元鉄の製造プロ
セスの一例の概略図である。
【図2】本発明の方法を実施することができる製造プロ
セスの一例の概略図である。
【図3】本発明の方法を実施することができる製造プロ
セスの他の例の概略図である。
【図4】実施例で得られた結果の一例で、高速撹拌羽根
の回転数と還元鉄の金属化率の関係を示す図である。
【図5】実施例で得られた結果の一例で、成形原料の水
分と還元鉄の金属化率の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大根 公一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉状鉄原料と粉状固体還元剤と水分と必要
    に応じて添加するバインダーとを混合し、成形した原料
    を水平回転移動する加熱炉床に装入し焼成して還元鉄を
    製造するに際し、粉状鉄原料、粉状固体還元剤、水分お
    よび必要に応じて添加するバインダーの全部を一括して
    300rpm以上の回転速度で回転する高速攪拌羽根を
    内蔵するミキサー内に投入し、全原料に対する水分の割
    合が6mass%〜18mass%となるように混合処
    理した原料を成形することを特徴とする還元鉄製造原料
    の成形方法。
  2. 【請求項2】粉状鉄原料と粉状固体還元剤と水分とバイ
    ンダーとを混合し、成形した原料を水平回転移動する加
    熱炉床に装入し焼成して還元鉄を製造するに際し、粉状
    鉄原料、粉状固体還元剤および水分を一括して混合処理
    した後、バインダーを添加して再度混合処理した原料を
    成形することを特徴とする還元鉄製造原料の成形方法。
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