JPH11125128A - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置

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JPH11125128A
JPH11125128A JP29017797A JP29017797A JPH11125128A JP H11125128 A JPH11125128 A JP H11125128A JP 29017797 A JP29017797 A JP 29017797A JP 29017797 A JP29017797 A JP 29017797A JP H11125128 A JPH11125128 A JP H11125128A
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clutch
transmission
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Takeshi Asano
威 浅野
Tsutomu Watanabe
勉 渡辺
Mutsumi Fujisawa
睦 藤澤
Yasuhiko Fujita
康彦 藤田
Masao Uchiumi
雅夫 内海
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発進前後の運転車の急発進要求の有無を判断
してエンジンの出力トルク及び回転数を可変制御するこ
とにより、駆動系に加わる負担が過剰にならないように
する。 【解決手段】 停車判定手段31で車両が停車状態にあ
ると判定され、且つ変速段検出手段17で選択変速段が
低速段であることが検出されたときは、エンジン回転数
制限手段34によりエンジン1の回転数を所定値以下に
制限する。そして、クラッチ接続検出手段32がクラッ
チ26の接続を検出したときにエンジン1の回転数制限
を解除するが、急加速要求判断手段33が急加速要求有
りと判断したときには、出力トルク制限手段35により
エンジン1の出力トルクを所定時間一定値に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
おいて、発進に際してエンジンの出力トルク及び回転数
を選択変速段及びアクセル開度に応じて制御する、エン
ジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両にそなえらえたエ
ンジンの出力制御を行なう際に、ドライバからの入力情
報(アクセル操作情報)を電気的制御信号に変換し、こ
の電気的制御信号を介して行なうようにした、いわゆる
ドライブバイワイヤ(DBW)方式が開発され実用化さ
れている。このようなDBWによる制御によれば、ドラ
イバのアクセル操作情報のみならず他の様々な入力情報
を基に、ドライバの要求に答えながらエンジンの運転状
態等にも適した、最適なエンジン制御を行なうことが可
能である。
【0003】例えば、図11は、DBWによるエンジン
制御システムを模式的に示すもので、図11に示すよう
に、エンジン101の出力を制御するために電子制御ユ
ニット(ECU)102がそなえられている。そして、
ドライバのアクセルペダル(図示略)の踏込状態(踏込
開度)が、アクセルポジションセンサ(APS)103
で検出され、APS103から電気的制御信号(アクセ
ル開度信号)としてECU102に入力されるようにな
っている。
【0004】ECU102は、例えばこのアクセル開度
及びエンジンの回転数に対して出力トルクの値を定めた
制御マップを有しており、この制御マップを参照して、
APS103から入力されたアクセル開度信号と現在の
エンジン回転数とから目標出力トルクを設定し、さら
に、他のエンジン情報により補正を施して目標出力トル
クを決定する。つまり、ドライバのアクセルペダルの踏
込量(開度)にそのまま対応したトルクを出力するので
はなく、エンジンの種々の運転状態情報に応じた補正を
施して現在の運転状況に最適なトルクを出力しようとす
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示
すように、エンジン101から出力されたトルクは、エ
ンジン101に連結してそなえられた変速機105を介
して差動機構106から駆動輪107に伝達されるが、
このトルクを伝達する際、各駆動系105,106,1
07には捩じり,曲げ等の様々な応力が作用する。各駆
動系105,106,107は、このような応力が最も
大きく作用した場合でも何らの塑性変形や損傷を受けな
いように強度設定されるのはもちろんである。
【0006】例えば、差動機構106の強度設定の場
合、一般に、停車時においてエンジン101を高回転状
態にし、高回転状態を保持したままエンジン101と変
速機105との間に介装された図示しないクラッチを急
結合した時に差動機構106に加えられるトルクの大き
さが基準にされている。そして、このトルクには、クラ
ッチの結合完了時に差動機構106に加わる衝撃トルク
と、クラッチの結合完了後しばらくして後段の駆動系の
揺り戻しにより差動機構106に加わる揺り戻しトルク
とがあり、前者はクラッチの結合直前のエンジンの回転
数が大きいほど大きく、後者はクラッチの結合時及び結
合後しばらくの間のエンジン出力トルクが大きいほど大
きい傾向にあり、差動機構106の限界強度はこれらの
衝撃トルク,揺り戻しトルクの最大値に耐えうるように
設定されている。
【0007】また、自動変速機をそなえた自動車の場合
も同様であり、差動機構の限界強度の設定は、中立段や
駐車段を選択した状態でアクセルペダルの開度を上げて
エンジン回転数を上昇させ、この状態で走行段や後退段
へ変速したときに差動機構に加えられるトルクの大きさ
を基準としていた。自動変速機の場合は、クラッチの代
わりにトルクコンバータによりエンジンと自動変速機と
が結合されるため、トルクコンバータによる結合はクラ
ッチの急結合に比べて緩やかであり、差動機構にもクラ
ッチの急結合時に比べて緩やかにトルクが加わる。この
ため、結合後しばらくして加わる揺り戻しトルクは小さ
くなり、ここでは変速完了時に加わる衝撃トルクのみが
問題になる。したがって、自動変速機をそなえた車両の
場合は、差動機構の強度はこの衝撃トルクの最大値に耐
えうるように設定されている。
【0008】しかしながら、このようにエンジンを高回
転にした状態で、クラッチを結合したり、自動変速機の
変速を行なったりするような事態は稀であり、通常の走
行状態から見れば上述のような基準で設定された差動機
構の限界強度は十分すぎ、逆に過剰品質による高コスト
や重量増が課題になっている。また、上述の衝撃トルク
や揺り戻しトルクは差動機構だけでなく駆動軸等の他の
駆動系についても作用するものであるため、これらの駆
動系でも上述の衝撃トルクや揺り戻しトルクの影響を考
慮する必要があり、差動機構と同様に過剰品質による高
コストや重量増といった課題を有している。
【0009】もちろん、エンジンの出力トルク及び回転
数を抑えれば、急発進時においても駆動系に作用する衝
撃トルクや揺り戻しトルクを低減することができるが、
エンジンの最大出力トルクを大きくするのは、加速時や
発進時にドライバの出力要求に答えるのにそれだけ大き
な駆動トルクを確保する必要があるためであり、エンジ
ンの最大出力トルクを抑えてしまったのではこのような
本来の要求を満たすことができない。
【0010】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、発進前後の運転車の急発進要求の有無を判断
してエンジンの出力トルク及び回転数を可変制御するこ
とにより、駆動系に加わる負担が過剰にならないように
した、エンジン制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明のエンジン制御装置では、エ
ンジンの出力トルク及び回転数は運転者の指令に基づい
て制御され、このエンジンの出力回転は、クラッチを介
してエンジンから変速機に伝達され、選択変速段に応じ
て回転速度を増減されて差動機構,駆動軸を介して前後
または左右の駆動輪へ出力されるが、停車判定手段で車
両が停車状態にあると判定され且つ変速段検出手段で選
択変速段が低速段であることが検出されたときは、エン
ジン回転数制限手段がエンジンの回転数を所定値以下に
制限し、高回転でのクラッチの接続を防止し過大な衝撃
トルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わるこ
とを防止する。
【0012】エンジン回転数制限手段はこのエンジンの
回転数制限をクラッチ接続検出手段がクラッチの接続を
検出したときに解除するが、急加速要求判断手段が急加
速要求有りと判断したときには、出力トルク制限手段が
エンジンの出力トルクを所定時間保持し、過大な揺り戻
しトルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わる
ことを防止する。
【0013】請求項2記載の本発明のエンジン制御装置
では、エンジンの出力トルク及び回転数は運転者の指令
に基づいてエンジン回転数制御手段により制御され、こ
のエンジンの出力回転は、クラッチを介してエンジンに
連結された変速機に伝達され、選択変速段に応じて回転
速度を増減されて差動機構,駆動軸を介して前後または
左右の駆動輪へ出力されるが、通常の走行時にはエンジ
ン回転数制御手段は第1の記憶手段に基づきエンジンの
出力トルクと回転数との制御を行なう。
【0014】一方、停車判定手段で車両が停車状態にあ
ると判定され且つ変速段検出手段で選択変速段が低速段
であることが検出されたときは、エンジン回転数制御手
段は同一のアクセルペダルの開度で比較した場合は第1
の記憶手段に記憶された特性に比べて劣る特性が記憶さ
れた第2の記憶手段に基づきエンジンの出力トルクと回
転数との制御を行ない、高回転でのクラッチの接続を防
止し過大な衝撃トルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆
動輪へ加わることを防止する。
【0015】エンジン回転数制御手段はクラッチ接続検
出手段がクラッチの接続を検出したときに再び第1の記
憶手段に基づき該エンジンの出力トルクと回転数との制
御を行なうが、急加速要求判断手段が急加速要求有りと
判断したときには、出力トルク制限手段がエンジンの出
力トルクを所定時間保持し、過大な揺り戻しトルクが変
速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わることを防止す
る。
【0016】請求項3記載の本発明のエンジン制御装置
では、エンジンの出力トルク及び回転数は運転者の指令
に基づいて制御され、このエンジンの出力回転は、エン
ジンに連結された自動変速機により自動的に回転速度を
増減され、差動機構,駆動軸を介して前後または左右の
駆動輪へ出力されるが、停車判定手段で車両が停車状態
にあると判定され且つ変速段検出手段が中立段又は駐車
段が選択されていることが検出され、且つ急加速要求判
断手段で急加速要求有りと判断されたときは、変速段検
出手段が走行段が選択されたことを検出するまで、エン
ジン回転数制限手段がエンジンの回転数を所定値以下に
制限し、高回転での自動変速機の接続を防止し過大な衝
撃トルクが自動変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加
わることを防止する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。まず、図1〜図4を参照して本発
明の第1実施形態としてのエンジン制御装置について説
明する。はじめに、本実施形態のエンジン制御装置が適
用される車両の構成について簡単に説明すると、本実施
形態にかかる車両(自動車)は、ディーゼルエンジンと
手動変速機とをそなえた4輪駆動車であり、図2に示す
ように、エンジン(ディーゼルエンジン)1の回転数を
エンジン1に連結してそなえられた変速機(手動変速
機)2により所要の回転数まで減速して、センターデフ
(差動機構)3に伝達するようになっている。このとき
の減速比の選択は変速レバー16を操作して変速機2の
内部の図示しない変速機構を作動させることにより行な
われ、ここでは前進は1速〜5速の5つの変速段が設け
られ、後退は1段のみの変速段が設けられている。
【0018】また、当然のことながら、センターデフ3
に入力されるエンジン1からのエンジン出力トルクは、
変速機2において回転数の減速度合いに反比例して増幅
されている。そして、センターデフ3に入力されたトル
クは、前後のプロペラシャフト(駆動軸)6,7へ分配
して出力され、さらに、前輪側はプロペラシャフト6か
らフロントデフ(差動機構)4により左右に分配されて
フロントアクスル(駆動軸)8,9を介して前輪(駆動
輪)12,13に出力され、後輪側はプロペラシャフト
7からリアデフ(差動機構)5により左右に分配されて
リアアクスル(駆動軸)10,11を介して後輪(駆動
輪)14,15に出力されるようになっている。
【0019】このようにして、エンジン1が出力したエ
ンジン出力トルクは変速機2により変速され、各機構を
介して前後左右の各車輪12,13,14,15に出力
されるが、これらの各車輪12,13,14,15に出
力されるエンジンの出力トルクの大きさは、電子制御ユ
ニット(ECU)30により制御されるようになってい
る。
【0020】つまり、このECU30には、従来のDB
Wの制御によるエンジン制御装置と同様に、アクセルポ
ジションセンサ(APS)19からのアクセル開度信
号,エンジン回転数センサ20からのエンジン1の回転
数信号,スリーブポジションセンサ(SPS)23から
のコントロールスリーブの位置信号及びその他各種の運
転状態情報(例えば吸気温及び大気圧等)が入力される
ようになっており、さらに、変速機2の変速段検出スイ
ッチ17からの検出信号(変速段信号),車輪13の回
転速度の検出信号(車輪速信号),クラッチスイッチ2
6からのクラッチ位置信号が入力されるようになってい
る。ECU30はこれらの信号をもとにエンジン1のト
ルク制御を行なうようになっている。
【0021】ここで、本エンジン制御装置の構成につい
て詳細に説明すると、図1に示すように、本装置は、E
CU30内の機能要素としての停車判定手段31,クラ
ッチ接続検出手段32,急加速要求判断手段33,エン
ジン回転数制限手段34,出力トルク制限手段35,目
標スリーブ位置設定手段36と、エンジンの出力制御状
態を検出するスリーブポジションコントローラ37とを
そなえている。
【0022】そして、運転者が出力要求指令として操作
したアクセルペダル18の踏込量(アクセル開度)はア
クセルポジションセンサ(APS)19で検出されアク
セル開度として、急加速要求判断手段33及び目標スリ
ーブ位置設定手段36に入力され、エンジン1の回転速
度状態はエンジン回転数センサ20で検出されエンジン
回転数信号として目標スリーブ位置設定手段36に入力
されるようになっている。
【0023】また、変速機2で選択された変速段は変速
段検出スイッチ(変速段検出手段)17により検出され
変速段信号としてエンジン回転数制限手段34に入力さ
れるようになっている。この変速段検出スイッチ17
は、例えば、変速機2の図示しないシフトレール毎にそ
なえられ、変速レバー16のシフト操作によるシフトレ
ールの前後軸方向移動より変速段を検出するようになっ
ている。
【0024】さらに、車輪13の回転速度は車輪13の
近傍に設けられた車輪速センサ27により検出され停車
判定手段31に入力されるようになっており、クラッチ
スイッチ26によりクラッチ25におけるクラッチディ
スク(図示略)に対するプレッシャープレート(図示
略)の相対位置が検出されクラッチ接続検出手段32に
入力されるようになっている。
【0025】まず、停車判定手段31は、車輪速センサ
27で検出された車輪13の車輪速が一定速度VH0以下
の場合には車両は停止していると判断し、車輪速が一定
速度VH0を越えるまではエンジン回転数制限手段34に
停車信号を入力するようになっている。クラッチ接続検
出手段32は、クラッチスイッチ26からのクラッチ位
置信号よりクラッチ25が接続されたか否かを判定し、
クラッチ25が接続されたと判定したときにエンジン回
転数制限手段34と出力トルク制限手段35とにクラッ
チ接続信号を入力するようになっている。
【0026】急加速要求判断手段33は、APS19か
ら入力されたアクセル開度信号をもとに運転者の加速要
求を判断し、アクセル開度が一定値A0 を越えたときに
は、運転者は急加速を要求していると判断して出力トル
ク制限手段35に急加速要求信号を入力するようになっ
ている。エンジン回転数制限手段34は、変速段信号,
停車信号,クラッチ接続信号をもとに車両の停車から発
車に至るまでの状況を監視し、各状況に対応した信号を
目標スリーブ位置設定手段36に入力するようになって
いる。つまり、車両が停止した状態で変速機2が1速又
は後退を選択しており、かつクラッチ25が接続されて
いない間は、目標スリーブ位置設定手段36に回転数制
限信号を入力してエンジン回転数を高回転にした状態で
のクラッチ25の接続を防止し、クラッチ25が接続さ
れたときにその入力を解除するようになっている。
【0027】また、出力トルク制限手段35は、クラッ
チ接続信号,急加速要求信号をもとに車両の発進状況を
監視し、発進状況に応じた信号を目標スリーブ位置設定
手段36に入力するようになっている。つまり、クラッ
チ25が接続され急加速要求信号が入力されたときに
は、目標スリーブ位置設定手段36に出力トルク制限信
号を入力して過大なトルクが駆動系に加わるのを防止す
るようになっている。この入力は所定時間ta (例えば
0.3秒)のみ行なわれ、所定時間経過後は入力は解除
されるようになっている。
【0028】目標スリーブ位置設定手段36は、アクセ
ル開度信号,エンジン回転数信号,回転数制限信号,及
び出力トルク制限信号にもとづき、コントロールスリー
ブ22の目標スリーブ位置を設定するようになってい
る。つまり、目標スリーブ位置設定手段36はアクセル
開度信号とエンジン回転数信号とをパラメータとして目
標スリーブ位置を設定するための図示しない制御マップ
を有しており、アクセル開度信号とエンジン回転数信号
とが入力されると、制御マップ上の対応する点を参照
し、その点におけるスリーブ位置の値を目標スリーブ位
置として設定するようになっている。
【0029】そして、エンジン回転数制限手段34より
回転数制限信号が入力されると、エンジン1の回転数の
上限値をNL に設定し、アクセル開度に関係なく回転数
がこの回転数上限値NL を越えないよう目標スリーブ位
置の上限を設定するようになっている。さらに、出力ト
ルク制限手段35より出力トルク制限信号が入力される
と、アクセル開度,エンジン回転数に関係なく目標スリ
ーブ位置を出力トルク制限信号が入力された時点でのス
リーブ位置に保持するようになっている。
【0030】例えば、図3の(a),(b),(c)は
それぞれ停車状態から急発進した場合のエンジン出力ト
ルク値,エンジン回転数,差動機構への入力トルク値の
各時間変化を示すタイムチャートであり、実線は本エン
ジン制御装置について、破線は従来のエンジン制御装置
について、それぞれ示している。この図3を用いて目標
スリーブ位置設定手段36の機能についてさらに具体的
に説明を行なう。
【0031】本装置では、車両が停車状態でクラッチ2
5の結合を解除されていると、変速段が発進変速段(即
ち、1速又は後退)の場合には、エンジン回転数を制限
するようにコントロールスリーブ22の位置を制御する
ようになっている。一方、車両が停車状態であっても変
速機2が1速又は後退以外の変速段又は中速段を選択し
ているときには、目標スリーブ位置設定手段36はエン
ジンの回転数を制限せず、エンジンの回転数はアクセル
ペダル18の開度に応じて上昇するようになっている。
【0032】しかし、図3(b)に示すように、1速又
は後退が選択されると(時点t1 )、エンジン回転数制
限手段34より目標スリーブ位置設定手段36に回転数
制限信号が入力され、目標スリーブ位置設定手段36
は、この回転数制限信号が入力されている間はエンジン
回転数が回転数上限値NL を越えないように目標スリー
ブ位置の上限を設定するようにして、スリーブポジショ
ンコントローラ37を通じてコントロールスリーブ22
がポジション制御されるようになっている。
【0033】このため、アクセル開度を大きくしてクラ
ッチ25の接続を開始したときには(時点t2 )、回転
数制限信号に応じて差動機構4,5等の各駆動系への入
力回転数は低く抑えられることになる。したがって、ク
ラッチ25の接続時に、クラッチ25の入出力間の回転
数差が小さくなり、クラッチ25による伝達トルクの大
きさも抑えられるようになり、クラッチ25の接続完了
時(時点t4 )をほぼピークとして差動機構4,5等の
各駆動系に加わる衝撃トルクT1 の大きさは、従来のエ
ンジン制御装置における衝撃トルクT11よりも大幅に低
く抑えられるようになっている。
【0034】また、この衝撃トルクはその大きさT11
さることながら、その変化率によっても駆動系の負担が
変化するが、この衝撃トルク変化率も従来例のものに比
べて小さく抑えられるようになっている。一方、アクセ
ルペダル18の開速度が大きく急加速要求判断手段33
が急加速要求を検出し、クラッチ25が接続状態になっ
たときには(時点t3 )、まず、エンジン回転数制限手
段34から目標スリーブ位置設定手段36への回転数制
限信号の入力が解除され、目標スリーブ位置設定手段3
6は目標スリーブ位置の上限設定を解除するようになっ
ている。そして、これと同時に、出力トルク制限手段3
5より目標スリーブ位置設定手段36に出力トルク制限
信号が入力されるようになっており、目標スリーブ位置
設定手段36は目標スリーブ位置を出力トルク制限信号
が入力された時点(時点t3 )でのスリーブ位置に所定
時間ta (例えば0.3秒)だけ保持するようになって
いる。
【0035】この出力トルク制限信号が入力された時点
(時点t3 )では、エンジン1の出力トルクは未だ高く
なっておらず、スリーブポジションコントローラ37を
通じて、この時点でのスリーブ位置を保持することによ
りエンジン1の出力トルクを最大出力トルクTU に対し
十分に低い一定値TL に保持することができるようにな
っている。これにより、クラッチ25の接続後しばらく
(時間t5 付近)して差動機構4,5等の各駆動系に発
生する揺り戻しトルクT2 も、従来のエンジン制御装置
による揺り戻しトルクT12よりも低く抑えられるように
なっている。
【0036】また、所定時間経過後(時点t6 )には目
標スリーブ位置設定手段36はスリーブ位置の保持を解
除し、この後はアクセル開度とエンジン回転数に応じた
目標スリーブ位置を設定するようになっている。このよ
うにして設定された目標スリーブ位置信号は、目標スリ
ーブ位置設定手段36からスリーブポジションコントロ
ーラ37に入力され、スリーブポジションコントローラ
37を通じてコントロールスリーブ22が制御され、こ
れにより、最大トルクTU まで出力することが可能にな
り、十分な加速能力が得られるようになっている。
【0037】なお、このスリーブポジションコントロー
ラ37は、目標スリーブ位置に応じてソレノイド24を
制御し、燃料噴射ポンプ21内に設けられたコンロール
スリーブ22の位置(スリーブ位置)を調整するように
なっている。また、コンロールスリーブ22にはスリー
ブポジションセンサ(SPS)23がそなえられてお
り、スリーブポジションコントローラ37はこのSPS
23より検出された目標スリーブ位置信号に基づきソレ
ノイド24のフィードバック制御を行なうようになって
いる。
【0038】本発明の第1実施形態としてのエンジン制
御装置は上述のごとく構成されているので、運転時に
は、例えば図4に示すようなフローで目標スリーブ位置
の設定が行なわれる。つまり、図4に示すように、ま
ず、フラグFt が1か否かが判定される(ステップA1
0)。このフラグFt は、コントロールスリーブを一定
位置に保持している場合に1とされ、それ以外は0とさ
れ、制御開始の初期値は0に設定されている。したがっ
て、制御開始にはFt =0であり、ステップA10から
ステップA20に進む。
【0039】ステップA20では、車両が停車している
かどうかが判定され、停車状態であればステップA30
に進み変速機2が1速又は後退を選択しているかどうか
を判定する。そして、変速機2が1速又は後退を選択し
ている場合はエンジン回転数が回転数上限値NL を越え
ないように目標スリーブ位置の上限を設定し(ステップ
A40)、ステップA50へ進む。
【0040】このステップA50では、クラッチ25が
接続されたかどうかが判定され、クラッチ25が接続さ
れた場合は、目標スリーブ位置の上限設定を解除(ステ
ップA60)してステップA70に進む。一方、クラッ
チ25が接続される前に1速又は後退以外の変速段が選
択された場合も目標スリーブ位置の上限設定は解除され
る(ステップA160)。
【0041】ステップA70では、アクセル開度が所定
値A0 以上になっているか否かが判定され、アクセル開
度が所定値A0 以上でなければ、そのまま通常の目標ス
リーブ位置の設定が行なわれる。一方、アクセル開度が
所定値A0 以上であれば、ステップA80でフラグFt
を1にセットして、ステップA90に進みタイマカウン
ト値tが0か否かが判定される。
【0042】このタイマカウント値tは、初期値が0で
あり、ステップA100のタイマスタートを行わない限
りは初期値0を維持するので、ここではt=0であり、
ステップA100でタイマをスタートさせステップA1
10に進む。このステップA110では、加速時間tが
所定時間ta (例えば、0.3秒)に達するか否かの判
定をするが、タイマスタート直後は、t<ta であり、
ステップA120へ進み、目標スリーブ位置を現在(タ
イマスタート時)の目標スリーブ位置に保持する。
【0043】この後は、Ft =1なので、ステップA1
0からステップA90に進み、t≧ta となるまで、目
標スリーブ位置をタイマスタート時の目標スリーブ位置
に保持する。そして、t≧ta となったら、ステップA
130へ進んで目標スリーブ位置の保持を解除し、フラ
グFt を0にし(ステップA140)、タイマカウント
値tを0にリセットする(ステップA150)。
【0044】以上のようなフローで目標スリーブ位置が
設定されると、目標スリーブ位置設定手段36は、さら
にこれに各種の運転状態情報による補正(例えば吸気温
補正及び大気圧補正等)を施した上でスリーブポジショ
ンコントローラ37へ目標スリーブ位置信号を出力す
る。そして、スリーブポジションコントローラ37は、
この補正後の目標スリーブ位置信号に応じてソレノイド
24を介してコンロールスリーブ22を電気的に動かす
ことにより、エンジントルクが所定の値になるように燃
料噴射量を調整する。
【0045】このように、本エンジン制御装置によれ
ば、車両が停車状態であって1速又は後退が選択された
ときには、目標スリーブ位置の上限設定により、エンジ
ン回転数が回転数上限値NL を越えることはないので、
アクセル開度を大きくしてクラッチ25の接続を開始し
たときでも、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸
6,7,8,9,10,11等の駆動系に加わる衝撃ト
ルクを低減することができる。したがって、クラッチ2
5の接続時の過大なトルクによる破壊を考慮した過剰補
強をする必要がなくなり、変速機2,差動機構3,4,
5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系の合
理的な設計が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献す
ることができる。
【0046】そして、クラッチ25が接続されたときに
は、目標スリーブ位置の上限設定が解除されるので、エ
ンジン回転数は回転数上限値NL を越えて上昇すること
が可能となり、運転者に違和感を与えることはなく、ま
た十分な加速性能を得ることができる。また、クラッチ
25が接続されアクセルペダル18が大きく踏み込まれ
ているときには、出力トルク制限手段35から目標スリ
ーブ位置設定手段36に出力トルク制限信号が入力され
た時点でのスリーブ位置に目標スリーブ位置を所定時間
保持するので、エンジンの出力トルクを低く抑えること
ができる。これにより、クラッチ25の接続後しばらく
して変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,
8,9,10,11等の駆動系に加わる揺り戻しトルク
も低く抑えることができ、過大な揺り戻しトルクによる
破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、変速機
2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,1
0,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量
化,コスト低減に貢献することができる。
【0047】そして、所定時間経過後は目標スリーブ位
置の保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応
じた目標スリーブ位置を設定するようになっているの
で、アクセル開度に応じたエンジントルクの出力が可能
になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
なお、本実施形態ではクラッチ25の接続状態の検出に
クラッチスイッチ26を用いたが、クラッチ接続検出手
段32にAPS19,エンジン回転数センサ20からそ
れぞれアクセル開度信号,エンジン回転数信号を入力
し、これらの信号よりクラッチ25の接続状態を判定す
ることも可能であり、この場合、例えばアクセル開度が
50%以上かつエンジン回転数3000rpm以下とな
ったときにクラッチ25が接続されたと判定することも
できる。
【0048】また、エンジン回転数を回転数上限値NL
内に制限するにあたり、上述のように目標スリーブ位置
の上限を設定する他、APS19からのアクセル開度信
号を所定値(例えば25%)でクリップしてもよい。さ
らに、急加速要求判断手段33における運転者の急加速
要求を検出するにあたり、上述のようにアクセル開度が
所定値A0 以上か否かで判断する他、アクセル開速度を
算出してアクセル開速度が所定値VA0以上か否かで判断
したり、またはアクセル開度とアクセル開速度の双方で
判断してもよい。
【0049】次に、本発明の第2実施形態としてのエン
ジン制御装置について図5〜図7を参照して説明する。
本実施形態のエンジン制御装置が適用される車両(自動
車)は、第1実施形態のエンジン制御装置と同様に図2
に示すようなディーゼルエンジンと手動変速機とをそな
えた4輪駆動車であり、エンジン1の出力トルクの大き
さは、電子制御ユニット(ECU)40により制御され
るようになっている。
【0050】このECU40には、第1実施形態のエン
ジン制御装置と同様に、図5に示すように、APS19
からのアクセル開度信号,エンジン回転数センサ20か
らのエンジン1の回転数信号,変速段検出スイッチ17
からの変速機2の選択変速段の検出信号(変速段信
号),車輪速センサ27からの車輪13の回転速度の検
出信号(車輪速信号),クラッチスイッチ26からのク
ラッチ25の接続状態の検出信号(クラッチ位置信
号),SPS23からのコントロールスリーブ22の位
置信号が入力されるようになっている。
【0051】ECU40はこれらの信号をもとにエンジ
ン1のトルク制御を行なうようになっており、機能要素
としての停車判定手段41,クラッチ接続検出手段4
2,急加速要求判断手段43,出力トルク制限手段4
5,目標スリーブ位置設定手段(エンジン回転数制御手
段)46と、エンジンの出力制御状態を検出するスリー
ブポジションコントローラ47とをそなえている。
【0052】ここで、停車判定手段41,クラッチ接続
検出手段42,急加速要求判断手段43,出力トルク制
限手段45,スリーブポジションコントローラ47は、
それぞれ第1実施形態のエンジン制御装置における停車
判定手段31,クラッチ接続検出手段32,急加速要求
判断手段33,出力トルク制限手段35,スリーブポジ
ションコントローラ37と同構成であり、目標スリーブ
位置設定手段46のみが異なった構成となっている。
【0053】目標スリーブ位置設定手段46は、第1目
標スリーブ位置設定手段(第1の記憶手段)46aと第
2目標スリーブ位置設定手段(第2の記憶手段)46b
とから構成されており、これらの目標スリーブ位置設定
手段46a,46bは、それぞれ図6(a),(b)に
示すような制御マップ(マップ1,マップ2)により目
標スリーブ位置を設定するようになっている。つまり、
図6(a),(b)に示すように、それぞれの制御マッ
プにはアクセル開度に応じたエンジン出力トルクとエン
ジン回転数との特性が示されており、目標スリーブ位置
設定手段46a,46bは、アクセル開度信号とエンジ
ン回転数信号とが入力されると、これらの制御マップ上
の対応する点を参照し、その点におけるエンジン出力ト
ルクに対応するスリーブ位置の値を目標スリーブ位置と
して設定するようになっている。
【0054】また、同一のアクセル開度と同一のエンジ
ン回転数において比較した場合、第2目標スリーブ位置
設定手段46bのマップ2は、第1目標スリーブ位置設
定手段46aのマップ1に対してエンジン出力トルクが
小さくなっており(即ち、エンジン出力が劣った特性に
なっており)、第2目標スリーブ位置設定手段46bを
選択した場合はアクセルペダル18を踏み込んでもトル
クがあまり上昇しないようになっている。
【0055】これらの第1目標スリーブ位置設定手段4
6aと第2目標スリーブ位置設定手段46bとの切替選
択は、停車判定手段41から入力される停車信号と、ク
ラッチ接続検出手段42から入力されるクラッチ位置信
号と、変速段検出スイッチ17から入力される変速段信
号とを基にして行なわれるようになっている。目標スリ
ーブ位置設定手段46は、通常は第1目標スリーブ位置
設定手段46aを選択するようになっているが、クラッ
チ25が接続されておらず車両が停止した状態であっ
て、かつ変速機2が1速又は後退を選択したときには第
2目標スリーブ位置設定手段46bを選択するようにな
っている。そして、クラッチ25が接続されたときに再
び第1目標スリーブ位置設定手段46aを選択するよう
になっている。
【0056】また、第1目標スリーブ位置設定手段46
aが選択されている場合、出力トルク制限手段45より
出力トルク制限信号が入力されている間は、アクセル開
度,エンジン回転数に関係なく目標スリーブ位置を出力
トルク制限信号が入力された時点での値に保持するよう
になっている。ここで、第1実施形態のエンジン制御装
置と同様に図3(a)〜(c)を用いて目標スリーブ位
置設定手段46についてさらに具体的に説明を行なう
と、本装置では、車両が停車状態でクラッチ25の結合
を解除されていると、変速段が発進変速段の場合には、
マップ2に基づいたコントロールスリーブ22のポジシ
ョン制御が行なわれるようになっている。
【0057】一方、車両が停車状態であっても1速又は
後退以外の変速段又は中立位置が選択されているときに
は、目標スリーブ位置設定手段46は第1目標スリーブ
位置設定手段46aを選択しており、マップ1に基づい
た制御が行なわれ、エンジンの回転数はアクセルペダル
18の開度に応じて上昇するようになっている。しか
し、図3(b)に示すように、1速又は後退が選択され
ると(時間t1 )、目標スリーブ位置設定手段46は第
2目標スリーブ位置設定手段46bに切り替わり、スリ
ーブポジションコントローラ47を通じて行なわれるコ
ントロールスリーブ22のポジション制御は、マップ2
に基づいて行なわれるようになっているので、アクセル
ペダル18を大きく踏み込んでもエンジンの回転数はあ
まり上昇しない。
【0058】一方、アクセルペダル18の開速度が大き
く急加速要求判断手段43が急加速要求を検出し、クラ
ッチ25が接続状態になったときには(時間t2 )、目
標スリーブ位置設定手段46は再び第1目標スリーブ位
置設定手段46aに切り替わるようになっている。そし
て、これと同時に、出力トルク制限手段45より目標ス
リーブ位置設定手段46に出力トルク制限信号が入力さ
れるようになっており、目標スリーブ位置設定手段46
は、この出力トルク制限信号が入力されると目標スリー
ブ位置を出力トルク制限信号が入力された時点(時間t
3 )でのスリーブ位置に所定時間ta (例えば0.3
秒)だけ保持するようになっている。
【0059】また、所定時間経過後(時間t6 )には目
標スリーブ位置設定手段46はスリーブ位置の保持を解
除し、この後はアクセル開度とエンジン回転数に応じた
目標スリーブ位置を設定するようになっている。このよ
うにして設定された目標スリーブ位置は、第1実施形態
のエンジン制御装置と同様に目標スリーブ位置設定手段
46からスリーブポジションコントローラ47に入力さ
れ、スリーブポジションコントローラ47を通じてコン
トロールスリーブ22が制御され、これにより、最大ト
ルクTU まで出力することが可能になり、十分な加速能
力が得られるようになっている。
【0060】本発明の第2実施形態としてのエンジン制
御装置は上述のごとく構成されているので、運転時に
は、例えば図7に示すようなフローでスリーブ位置の設
定が行なわれる。つまり、図7に示すように、まず、フ
ラグFt が1か否かが判定される(ステップB10)。
このフラグFt は、コントロールスリーブを一定位置に
保持している場合に1とされ、それ以外は0とされ、制
御開始の初期値は0に設定されている。したがって、制
御開始にはFt =0であり、ステップB10からステッ
プB20に進む。
【0061】ステップB20では、車両が停車している
かどうかが判定され、既に発車状態であれば通常のマッ
プ1に基づく目標スリーブ位置の設定が行なわれ(ステ
ップB160)、停車状態であればステップB30に進
み変速機2が1速又は後退を選択しているかどうかが判
定される。そして、変速機2が1速又は後退を選択して
いる場合はマップ2が選択され、マップ2に基づいた目
標スリーブ位置の設定が行なわれる(ステップB4
0)。また、変速機2が1速又は後退以外を選択してい
る場合は通常通りマップ1に基づいた目標スリーブ位置
の設定が行なわれる(ステップB160)。
【0062】次にステップB50では、クラッチ25が
接続されたかどうかが判定され、クラッチ25が接続さ
れるまではステップB10からステップB50に至る判
定処理を繰り返し、クラッチ25が接続された場合には
ステップB60へ進む。ステップB60では、アクセル
開度が所定値A0 以上になっているか否かが判定され
る。アクセル開度が所定値A0 以上でなければ、そのま
まマップ2に基づいた目標スリーブ位置の設定が行なわ
れ、この時には、停車状態から脱しているため、次の制
御周期においてステップB20からステップB160へ
進み、再度マップ1が選択され、その後はマップ1に基
づいた通常の目標スリーブ位置の設定が行なわれる。一
方、アクセル開度が所定値A0 以上であれば、マップ1
を選択し(ステップB70)、ステップB80でフラグ
t を1にセットして、ステップB90に進む。
【0063】ステップB90以降は第1実施形態のエン
ジン制御装置における制御フローのステップA90以降
と同様の処理であり、第1実施形態のエンジン制御装置
と同様の目標スリーブ位置の設定が行なわれる。そし
て、目標スリーブ位置設定手段46は、さらにこれに各
種の運転状態情報による補正(例えば吸気温補正及び大
気圧補正等)を施した上でスリーブポジションコントロ
ーラ47へ目標スリーブ位置信号を出力し、スリーブポ
ジションコントローラ47は、この補正後の目標スリー
ブ位置信号に応じてソレノイド24を介してコンロール
スリーブ22を電気的に動かすことにより、エンジント
ルクが所定の値になるように燃料噴射量を調整する。
【0064】このように、本エンジン制御装置によれ
ば、車両が停車状態であって1速又は後退が選択された
ときには、第2目標スリーブ設定手段46bが選択され
マップ2に基づいてスリーブ位置を制御するようになっ
ているが、このマップ2はアクセル開度に対するエンジ
ン出力トルクの上昇率が小さいので、アクセル開度を大
きくしてクラッチ25の接続を開始したときでも、変速
機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,1
0,11等の駆動系に加わる衝撃トルクを低く抑えるこ
とができる。したがって、クラッチ25の接続時の過大
なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がな
くなり、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,
7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計が可
能となり、軽量化,コスト低減に貢献することができ
る。
【0065】そして、クラッチ25が接続されたときに
は、ステップB70又はステップB160を通じて第1
目標スリーブ設定手段46aが選択されマップ1に基づ
いてスリーブ位置を制御するようになっているが、この
マップ1はマップ2よりもアクセル開度に対するエンジ
ン出力トルクの上昇率が大きいので、高出力,高回転が
可能であり、運転者に違和感を与えることはなく、また
十分な加速性能を得ることができる。
【0066】また、クラッチ25が接続されアクセルペ
ダル18が大きく踏み込まれているときには、出力トル
ク制限手段45では、運転者は急発進を要求しているも
のと判断して、目標スリーブ位置設定手段46に出力ト
ルク制限信号を入力し、目標スリーブ位置設定手段46
は出力トルク制限信号が入力された時点でのスリーブ位
置に目標スリーブ位置を所定時間保持するので、エンジ
ンの出力トルクを低く抑えることができる、これによ
り、クラッチ25の接続後しばらくして変速機2,差動
機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等
の駆動系に加わる揺り戻しトルクが低減され、過大な揺
り戻しトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要
がなくなり、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸
6,7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計
が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献することがで
きる。
【0067】そして、所定時間経過後は目標スリーブ位
置の保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応
じた目標スリーブ位置を設定するようになっているの
で、アクセル開度に応じたエンジントルクを出力するこ
とが可能になり、十分な加速能力が得られるようになっ
ている。なお、本実施形態ではクラッチ25の接続状態
の検出にクラッチスイッチ26を用いたが、クラッチ接
続検出手段42にAPS19,エンジン回転数センサ2
0からそれぞれアクセル開度信号,エンジン回転数信号
を入力し、これらの信号からクラッチ25の接続状態を
判定することも可能であり、この場合、例えばアクセル
開度が50%以上かつエンジン回転数3000rpm以
下となったときにクラッチ25が接続されたと判定する
こともできる。
【0068】さらに、急加速要求判断手段43における
運転者の急加速要求を検出するにあたり、上述のように
アクセル開度が所定値A0 以上か否かで判断する他、ア
クセル開速度を算出してアクセル開速度が所定値VA0
上か否かで判断したり、またはアクセル開度とアクセル
開速度の双方で判断してもよい。なお、マップ1とマッ
プ2との切換によるエンジン出力トルクの急変を防ぐ必
要があれば、スリーブポジションコントローラ47への
目標スリーブ位置信号を送る信号経路にローパスフィル
タ等の信号(スリーブポジション)の急変を防止する手
段を設けること等で処理することができる。
【0069】次に本発明の第3実施形態としてのエンジ
ン制御装置について図8〜図10を参照して説明する。
本実施形態のエンジン制御装置が適用される車両(自動
車)は、第1実施形態及び第2実施形態のエンジン制御
装置とは変速機が異なり、ディーゼルエンジンと自動変
速機とをそなえた4輪駆動車であり、エンジン1の出力
トルクの大きさは、電子制御ユニット(ECU)50に
より制御されるようになっている。
【0070】このECU50には、第1実施形態のエン
ジン制御装置と同様に、図8に示すように、APS19
からのアクセル開度信号,エンジン回転数センサ20か
らのエンジン1の回転数信号,車輪速センサ27からの
車輪13の回転速度の検出信号(車輪速信号),SPS
23からのコントロールスリーブ22の位置信号が入力
されるようになっており、さらに自動変速機60にそな
えられたCPU(変速機ECU)61から自動変速機6
0の選択変速段の検出信号(変速段信号)が入力される
ようになっている。なお、変速機ECU61は、選択し
た変速段への変速が完全に達成した時点で変速段信号を
出力するようになっている。
【0071】ECU50はこれらの信号をもとにエンジ
ン1のトルク制御を行なうようになっており、機能要素
としての停車判定手段51,急加速要求判断手段53,
エンジン回転数制限手段54,目標スリーブ位置設定手
段56と、エンジンの出力制御状態を検出するスリーブ
ポジションコントローラ57とをそなえている。ここ
で、停車判定手段51,急加速要求判断手段53,スリ
ーブポジションコントローラ57は、それぞれ第1実施
形態のエンジン制御装置における停車判定手段31,急
加速要求判断手段33,スリーブポジションコントロー
ラ37と同構成であり、エンジン回転数制限手段54と
目標スリーブ位置設定手段56とが異なった構成となっ
ている。
【0072】エンジン回転数制限手段54は、変速機E
CU61からの変速段信号,停車判定手段51からの停
止信号,急加速要求判断手段53からの急加速要求信号
をもとに車両の停車から発車に至るまでの状況を監視
し、各状況に対応した信号を目標スリーブ位置設定手段
56に入力するようになっている。つまり、車両が停止
した状態で自動変速機60が中立段又は駐車段を選択し
ており、かつアクセル開度が一定値を越えた場合は、目
標スリーブ位置設定手段56に回転数制限信号を入力す
るようになっており、走行段又は後退段が選択され完全
に変速が完了した時にその入力を解除するようになって
いる。
【0073】目標スリーブ位置設定手段56は、アクセ
ル開度信号,エンジン回転数信号,回転数制限信号に基
づき、コントロールスリーブ22の目標スリーブ位置を
設定するようになっている。つまり、目標スリーブ位置
設定手段56はアクセル開度信号とエンジン回転数信号
とをパラメータとして目標スリーブ位置を設定するため
の図示しない制御マップを有しており、アクセル開度信
号とエンジン回転数信号とが入力されると、制御マップ
上の対応する点を参照し、その点におけるスリーブ位置
の値を目標スリーブ位置として設定するようになってい
る。そして、エンジン回転数制限手段54より回転数制
限信号が入力されると、エンジン1の回転数の上限値を
L に設定し、回転数制限信号が入力されている間は回
転数がこの回転数上限値NL を越えないよう目標スリー
ブ位置の上限を設定するようになっている。
【0074】ここで、第1実施形態及び第2実施形態の
エンジン制御装置の場合と同様に、図9に示す停車状態
から急発進した場合のエンジン出力トルク値,エンジン
回転数,差動機構への入力トルク値の各時間変化を示す
タイムチャートにより目標スリーブ位置設定手段56の
機能についてさらに具体的に説明を行なう。本装置で
は、車両が停車状態であって変速段が中立段又は駐車段
の場合には、エンジン回転数を制限するようにコントロ
ールスリーブ22の位置を制御するようになっている。
【0075】つまり、車両が停車状態であって自動変速
機60が中立段又は駐車段を選択しているとき、アクセ
ルペダル18を踏み込むとエンジン回転数はアクセル開
度に応じて上昇する。しかし、アクセル開度が所定値A
0 を越えると(時点t1 )、エンジン回転数制限手段5
4から目標スリーブ位置設定手段56に回転数制限信号
が入力され、目標スリーブ位置設定手段56は、この回
転数制限信号が入力されている間はエンジン回転数が回
転数上限値NL を越えないように目標スリーブ位置の上
限を設定するようにして、スリーブポジションコントロ
ーラ57を通じてコントロールスリーブ22がポジショ
ン制御されるようになっている。
【0076】このため、アクセルペダル18を大きく踏
み込んだ状態で停止段(ニュートラルポジションN,パ
ーキングポジションP)から走行段(ドライブポジショ
ンD,リバースポジションR)に切り換えたときには
(時点t2 )、回転数制限信号に応じて差動機構4,5
等の各駆動系への入力回転数は低く抑えられることにな
る。したがって、自動変速機60の図示しないトルクコ
ンバータにおける入出力間の回転数差が小さくなり、自
動変速機60が走行段又は後退段への変速を完全に達成
するまで(時点t3 )、エンジンの出力トルクも最大出
力トルクTU よりも大幅に低いトルク値TL 以下に抑え
られるようになり、走行段又は後退段への変速を完全に
達成した時点(時点t3 )をほぼピークとして差動機構
4,5等の各駆動系に加わる衝撃トルクT1 の大きさ
は、従来のエンジン制御装置における衝撃トルクT11
りも大幅に低く抑えられるようになっている。
【0077】また、この衝撃トルクはその大きさT11
さることながら、その変化率によっても駆動系の負担が
変化するが、この衝撃トルク変化率も従来例のものに比
べて小さく抑えられるようになっている。そして、走行
段又は後退段への変速を完全に達成した時点(時点
3 )で、エンジン回転数制限手段54から目標スリー
ブ位置設定手段56への回転数制限信号の入力が解除さ
れ、目標スリーブ位置設定手段56は目標スリーブ位置
の上限設定を解除し、この後はアクセル開度とエンジン
回転数に応じた目標スリーブ位置を設定するようになっ
ている。このようにして設定された目標スリーブ位置
は、第1実施形態及び第2実施形態のエンジン制御装置
と同様に目標スリーブ位置設定手段56からスリーブポ
ジションコントローラ57に入力され、スリーブポジシ
ョンコントローラ57を通じてコントロールスリーブ2
2が制御され、これにより、最大トルクTU まで出力す
ることが可能になり、十分な加速能力が得られるように
なっている。
【0078】本発明の第3実施形態としてのエンジン制
御装置は上述のごとく構成されているので、運転時に
は、例えば図10に示すようなフローで目標スリーブ位
置の設定が行なわれる。つまり、図10に示すように、
まず、フラグFt が1か否かが判定される(ステップC
10)。このフラグFt は、コントロールスリーブ位置
を所定値に保持している場合に1とされ、それ以外は0
とされ、制御開始の初期値は0に設定されている。した
がって、制御開始にはFt =0であり、ステップC10
からステップC20に進む。
【0079】ステップC20では、車両が停車している
かどうかが判定され、停車状態であればステップC30
に進み自動変速機60が中立段又は駐車段を選択してい
るかどうかを判定する。そして、自動変速機60が中立
段又は駐車段を選択している場合はさらにステップC4
0に進み、それ以外の場合は通常の目標スリーブ位置の
設定を行なう。
【0080】ステップC40は、アクセル開度が所定値
以上になっているか否かが判定され、アクセル開度が所
定値以上でなければ、そのまま通常の目標スリーブ位置
の設定が行なわれる。一方、アクセル開度が所定値以上
であれば、ステップC50でフラグFt を1にセットし
て、ステップC60に進み、エンジン回転数が回転数上
限値NL (例えば2000rpm)を越えないように目
標スリーブ位置の上限を設定する。
【0081】この目標スリーブ位置の上限の設定は自動
変速機60が走行段又は後退段を選択し、走行段又は後
退段への変速が完了するまで行なわれ(ステップC7
0)、走行段又は後退段への変速が完了するとステップ
C80に進み目標スリーブ位置の上限設定を解除し、フ
ラグFt を0にする(ステップC90)。以上のような
フローで目標スリーブ位置が設定されると、目標スリー
ブ位置設定手段56は、さらにこれに各種の運転状態情
報による補正(例えば吸気温補正及び大気圧補正等)を
施した上でスリーブポジションコントローラ57へ目標
スリーブ位置信号を出力する。そして、スリーブポジシ
ョンコントローラ57は、この補正後の目標スリーブ位
置信号に応じてソレノイド24を介してコンロールスリ
ーブ22を電気的に動かすことにより、エンジントルク
が所定の値になるように燃料噴射量を調整する。
【0082】このように、本エンジン制御装置によれ
ば、車両が停車状態であって自動変速機60が中立段又
は駐車段を選択しているときには、アクセル開度が所定
値A0以上になった場合、目標スリーブ位置の上限設定
によりエンジン回転数が回転数上限値NL (例えば20
00rpm)を越えないようにすることができるので、
アクセルペダル18をあおり操作した場合でもエンジン
回転数が過度に上昇することがない。したがって、この
ような状態で走行段又は後退段へ変速した場合でも過大
な衝撃トルクが自動変速機60,差動機構3,4,5,
駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系(図2参
照)に作用することはなく、過大なトルクによる破壊を
考慮した過剰補強をする必要がなくなり、自動変速機6
0,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,1
0,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量
化,コスト低減に貢献することができる。
【0083】そして、走行段又は後退段への変速が完全
に達成続されたときには、目標スリーブ位置の上限設定
は解除されるので、アクセル開度に応じてエンジントル
クを出力することができ、十分な加速性能を得ることが
できる。また、エンジン回転数を回転数上限値NL 内に
制限するにあたり、上述のように目標スリーブ位置の上
限を設定する他、APS19からのアクセル開度信号を
所定値(例えば25%)でクリップしてもよい。
【0084】さらに、急加速要求判断手段53における
運転者の急加速要求を検出するにあたり、上述のように
アクセル開度が所定値以上か否かで判断する他、アクセ
ル開速度を算出してアクセル開速度が所定値以上か否か
で判断したり、またはアクセル開度とアクセル開速度の
双方で判断してもよい。なお、上述の各実施形態のディ
ーゼルエンジンのみならず、ガソリンエンジンへの適用
ももちろん可能であり、その場合には、スロットルバル
ブコントローラにより目標スロットル開度に応じてスロ
ットル制御サーボモータを駆動制御し、吸気通路内にも
うけられたスロットルバルブの開度(スロットル開度)
を調整することによりエンジントルクを制御することが
できる。また、スロットルバルブコントローラはスロッ
トルバルブにそなえられたスロットルポジションセンサ
(TPS)により検出されたスロットル開度信号によ
り、スロットル制御サーボモータのフィードバック制御
を行なうようにすることもできる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用出力トルク制御装置によれば、車両が停車
状態であって低速段が選択されたときには、エンジン回
転数制限手段によりエンジン回転数が所定値以上になる
ことを防止されるので、アクセル開度を大きくしてクラ
ッチの接続を開始したときでも、変速機,差動機構,駆
動軸といった駆動系に加わる衝撃トルクを低減すること
ができる。したがって、クラッチの接続時の過大なトル
クによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくな
り、駆動系の合理的な設計が可能となり、駆動系の軽量
化,コスト低減に貢献することができる。
【0086】そして、クラッチが接続されたときには、
エンジン回転数制限手段によるエンジン回転数の制限が
解除されるので、エンジン回転数はアクセル開度に応じ
て上昇することが可能となり、運転者に違和感を与える
ことはなく、また十分な加速性能を得ることができる。
また、クラッチが接続されてからもアクセルペダルが大
きく踏み込まれたときには、出力トルク制限手段により
アクセルペダルが踏み込まれた時点でのエンジントルク
が保持されるので、クラッチの接続後しばらくして駆動
系に加わる揺り戻しトルクも低く抑えることができ、過
大な揺り戻しトルクによる破壊を考慮した過剰補強をす
る必要がなくなり、駆動系の合理的な設計が可能とな
り、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献することができ
る。
【0087】そして、所定時間経過後はエンジントルク
の保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応じ
たエンジントルクの出力が可能になり、十分な加速能力
が得られるようになっている。請求項2記載の本発明の
車両用出力トルク制御装置によれば、車両が停車状態で
あって低速段が選択されたときには、エンジン回転数制
御手段は第2の記憶手段に基づいてエンジンの回転速度
を制御するようになっているが、この第2の記憶手段に
はアクセル開度に対するエンジン出力トルクの上昇率が
小さい特性が記憶されているので、アクセル開度を大き
くしてクラッチの接続を開始したときでも、駆動系に加
わる衝撃トルクを低く抑えることができる。したがっ
て、クラッチの接続時の過大なトルクによる破壊を考慮
した過剰補強をする必要がなくなり、駆動系の合理的な
設計が可能となり、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献
することができる。
【0088】そして、クラッチが接続されたときには、
エンジン回転数制御手段は第1の記憶手段に基づいてエ
ンジン回転数を制御するようになっているが、この第1
の記憶手段に記憶された特性は第2の記憶手段に記憶さ
れた特性よりもアクセルペダルの開度に対するエンジン
出力トルクが優っているので、高出力,高回転が可能で
あり、運転者に違和感を与えることはなく、また十分な
加速性能を得ることができる。
【0089】また、クラッチが接続されてからもアクセ
ルペダルが大きく踏み込まれたときには、出力トルク制
限手段によりアクセルペダルが踏み込まれた時点でのエ
ンジントルクが保持されるので、クラッチの接続後しば
らくして駆動系に加わる揺り戻しトルクも低く抑えるこ
とができ、過大な揺り戻しトルクによる破壊を考慮した
過剰補強をする必要がなくなり、駆動系の合理的な設計
が可能となり、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献する
ことができる。
【0090】そして、所定時間経過後はエンジントルク
の保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応じ
たエンジントルクの出力が可能になり、十分な加速能力
が得られるようになっている。請求項3記載の本発明の
車両用出力トルク制御装置によれば、車両が停車状態で
あって自動変速機が中立段を選択しているときには、ア
クセル開度が所定値以上になった場合、エンジン回転数
制限手段によりエンジン回転数が所定値以上になること
を防止されるので、アクセルペダルをあおり操作した場
合でもエンジン回転数が過度に上昇することがない。し
たがって、このような状態で走行段へ変速した場合でも
過大な衝撃トルクが駆動系に作用することはなく、過大
なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がな
くなり、駆動系の合理的な設計が可能となり、駆動系の
軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0091】そして、走行段への変速が達成されたとき
には、エンジン回転数がアクセル開度に応じて上昇する
ことが許容されるので、アクセル開度に応じてエンジン
トルクを出力することができ、十分な加速性能を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装
置の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装
置におけるエンジン出力トルクとエンジン回転数と差動
機構への入力トルクとの対応関係を示すグラフであり、
(a)はエンジン出力トルクの時間変化を示す図、
(b)はエンジン回転数の時間変化を示す図、(c)は
差動機構への入力トルクの時間変化を示す図であり、
(a),(b),(c)の時間軸は対応している。
【図4】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装
置の出力トルク制御の処理フローを示すフローチャート
である。
【図5】本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装
置のコントロールスリーブの制御マップを示す図であ
り、(a)は通常のコントロールスリーブの制御に用い
るマップを示す図(マップ1),(b)は停車時のコン
トロールスリーブの制御に用いるマップを示す図(マッ
プ2)である。
【図7】本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装
置の出力トルク制御の処理フローを示すフローチャート
である。
【図8】本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装
置におけるエンジン出力トルクとエンジン回転数と差動
機構への入力トルクとの対応関係を示すグラフであり、
(a)はエンジン出力トルクの時間変化を示す図、
(b)はエンジン回転数の時間変化を示す図、(c)は
差動機構への入力トルクの時間変化を示す図であり、
(a),(b),(c)の時間軸は対応している。
【図10】本発明の第3実施形態としてのエンジン制御
装置の出力トルク制御の処理フローを示すフローチャー
トである。
【図11】従来のエンジン制御装置の構成を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 変速機 3,4,5 差動機構 6,7,8,9,10,11 駆動軸 12,13,14,15 車輪(駆動輪) 17 変速段検出スイッチ(変速段検出手段) 18 アクセルペダル 19 アクセルポジションセンサ 20 エンジン回転数センサ 21 燃料噴射ポンプ 22 コントロールスリーブ 25 クラッチ 26 クラッチスイッチ 27 車輪速センサ 30,40,50 ECU 31,41,51 停車判定手段 32,42 クラッチ接続検出手段 33,43,53 急加速要求判断手段 34,54 エンジン回転数制限手段 35,45 出力トルク制限手段 36,56 目標スリーブ位置設定手段 46 目標スリーブ位置設定手段(エンジン回転数制御
手段) 46a 第1目標スリーブ位置設定手段(第1の記憶手
段) 46b 第2目標スリーブ位置設定手段(第2の記憶手
段) 37,47,57 スリーブポジションコントローラ 60 自動変速機 61 変速機ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 康彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 内海 雅夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の指令に基づいて出力トルク及び
    回転数を制御されるエンジンと、該エンジンに連結され
    た変速機と、該エンジンからの出力トルクを該変速機に
    伝達するクラッチと、該変速機からの出力トルクを前後
    または左右の駆動輪に分配可能な差動機構と、該差動機
    構と該駆動輪とを連結する駆動軸とを有し、該エンジン
    からの出力トルクを該クラッチ,該変速機,該差動機構
    及び該駆動軸を介して該駆動輪へ伝達する車両におい
    て、 該変速機の選択変速段を検出する変速段検出手段と、 該車両が停車状態か否かを判定する停車判定手段と、 該クラッチの接続を検出するクラッチ接続検出手段と、 運転者の急加速要求の有無を判断する急加速要求判断手
    段と、 該エンジンの回転数を制限するエンジン回転数制限手段
    と、 該エンジンの出力トルクを制限する出力トルク制限手段
    とをそなえ、 該エンジン回転数制限手段は、 該停車判定手段が停車状態と判定しており、該変速段検
    出手段で検出された該選択変速段が低速段であるときは
    該エンジンの回転数を所定値以下に制限し、該クラッチ
    接続検出手段が該クラッチの接続を検出したとき該制限
    を解除し、 該出力トルク制限手段は、 該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出し、
    かつ該急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断した
    とき該エンジンの出力トルクを所定時間保持することを
    特徴とする、エンジン制御装置。
  2. 【請求項2】 運転者の指令に基づいて出力トルク及び
    回転数を制御されるエンジンと、該エンジンに連結され
    た変速機と、該エンジンからの出力トルクを該変速機に
    伝達するクラッチと、該変速機からの出力トルクを前後
    または左右の駆動輪に分配可能な差動機構と、該差動機
    構と該駆動輪とを連結する駆動軸と、該エンジンの出力
    トルクを調整するアクセルペダルとを有し、該アクセル
    ペダルを踏むことにより該エンジンから出力される出力
    トルクを該クラッチ,該変速機,該差動機構及び該駆動
    軸を介して該駆動輪へ伝達する車両において、 該変速機の選択変速段を検出する変速段検出手段と、 該車両が停車状態か否かを判定する停車判定手段と、 該クラッチの接続を検出するクラッチ接続検出手段と、 運転者の急加速要求の有無を判断する急加速要求判断手
    段と、 該アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度検出手
    段と、 該エンジンの出力トルクと回転数とを制御するエンジン
    回転数制御手段と、 該エンジンの出力トルクを制限する出力トルク制限手段
    とをそなえ、 該エンジン回転数制御手段は、 該アクセル開度検出手段で検出された該アクセルペダル
    の開度に応じたエンジン出力トルクとエンジン回転数と
    の特性が記憶された第1の記憶手段と、 同一の該アクセルペダルの開度で比較した場合は該第1
    の記憶手段に記憶された特性に比べて劣る特性が記憶さ
    れた第2の記憶手段とを有し、 該停車判定手段が停車状態と判定し、かつ該変速段検出
    手段が検出した該選択変速段が低速段であるときには該
    第2の記憶手段に基づき該エンジンの出力トルクと回転
    数との制御を行ない、 該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出した
    ときには該第1の記憶手段に基づき該エンジンの出力ト
    ルクと回転数との制御を行ない、 該出力トルク制限手段は、 該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出し、
    かつ該急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断した
    とき該エンジンの出力トルクを所定時間保持することを
    特徴とする、エンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 運転者の指令に基づいて出力トルク及び
    回転数を制御されるエンジンと、該エンジンに連結され
    た自動変速機と、該変速機からの出力トルクを前後また
    は左右の駆動輪に分配可能な差動機構と、該差動機構と
    該駆動輪とを連結する駆動軸とを有し、該エンジンから
    の出力トルクを該変速機,該差動機構及び該駆動軸を介
    して該駆動輪へ伝達する車両において、 該変速機の選択変速段を検出する変速段検出手段と、 該車両が停車状態か否かを判定する停車判定手段と、 運転者の急加速要求の有無を判断する急加速要求判断手
    段と、 該エンジンの回転数を制限するエンジン回転数制限手段
    とをそなえ、 該エンジン回転数制限手段は、 該停車判定手段が停車状態と判定しており、該変速段検
    出手段で検出された該選択変速段が中立段又は駐車段で
    あって、該急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断
    したときには該エンジンの回転数を所定値以下に制限
    し、 該変速段検出手段が走行段が選択されたことを検出した
    ときには該制限を解除することを特徴とする、エンジン
    制御装置。
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