JPH11124688A - 耐酸化被膜を有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法 - Google Patents
耐酸化被膜を有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法Info
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- JPH11124688A JPH11124688A JP9285871A JP28587197A JPH11124688A JP H11124688 A JPH11124688 A JP H11124688A JP 9285871 A JP9285871 A JP 9285871A JP 28587197 A JP28587197 A JP 28587197A JP H11124688 A JPH11124688 A JP H11124688A
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C28/00—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
- C23C28/02—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings only including layers of metallic material
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-
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐酸化性能を向上させ、Ｐｔに比べ安価なＰ
ｄを使用可能にするとともに、水素脆化の発生を防止
し、コストの削減を図る。 【解決手段】 金属部品の母材の表面に、複数のコーテ
ィング層からなる耐酸化被膜が形成され、下部コーティ
ング層がＰｄをメッキすることにより形成される。
ｄを使用可能にするとともに、水素脆化の発生を防止
し、コストの削減を図る。 【解決手段】 金属部品の母材の表面に、複数のコーテ
ィング層からなる耐酸化被膜が形成され、下部コーティ
ング層がＰｄをメッキすることにより形成される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸化被膜を有す
る金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法に係り、特に
航空機等に使用されるガスタービンエンジンのタービン
ブレード等の耐酸化処理に好適な技術である。
る金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法に係り、特に
航空機等に使用されるガスタービンエンジンのタービン
ブレード等の耐酸化処理に好適な技術である。
【０００２】
【従来の技術】航空機等に使用されるガスタービンエン
ジンのタービンブレードには、ニッケル基合金、アルミ
ニウム合金等が使用されるが、その表面の酸化等による
性能低下を防止するために、Ｐｔ−Ａｌコーティング等
により耐酸化被膜を形成するようにしている。
ジンのタービンブレードには、ニッケル基合金、アルミ
ニウム合金等が使用されるが、その表面の酸化等による
性能低下を防止するために、Ｐｔ−Ａｌコーティング等
により耐酸化被膜を形成するようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Ｐｔは、耐酸
化性に優れているものの、経済性の点でより安価な元素
への代替えが望まれている。また、Ｐｔに代えて同じ白
金族元素のＰｄの適用を考えた場合には、Ａｌ層形成時
のＡｌ拡散コーティングの際に発生する水素により水素
脆化を考慮する必要がある。
化性に優れているものの、経済性の点でより安価な元素
への代替えが望まれている。また、Ｐｔに代えて同じ白
金族元素のＰｄの適用を考えた場合には、Ａｌ層形成時
のＡｌ拡散コーティングの際に発生する水素により水素
脆化を考慮する必要がある。
【０００４】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の目的を達成しようとするものである。 耐酸化性能の向上を図ること。 Ｐｔに比べ安価なＰｄの耐酸化被膜への適用を図るこ
と。 水素脆化の防止を図ること。 コストの削減を図ること。
ので、以下の目的を達成しようとするものである。 耐酸化性能の向上を図ること。 Ｐｔに比べ安価なＰｄの耐酸化被膜への適用を図るこ
と。 水素脆化の防止を図ること。 コストの削減を図ること。
【０００５】
【課題を解決するための手段】ニッケル基合金、アルミ
ニウム合金等からなる金属部品の母材の表面に、複数の
コーティング層からなる耐酸化被膜が形成される。該耐
酸化被膜は、２層のものかまたは３層のものが採用され
る。２層の耐酸化被膜は、母材表面に形成される下部コ
ーティング層と、該下部コーティング層の表面に形成さ
れる上部コーティング層とを有するものとされ、下部コ
ーティング層がＰｄをメッキすることで形成され、上部
コーティング層は、Ｍ（Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉの少なくとも
１つ）とＣｒとＡｌとＹとを含有するＭＣｒＡｌＹ合金
の真空溶射により形成される。下部コーティング層はそ
の厚さが３μｍ〜１５μｍとされ、耐酸化被膜は全体の
厚さが１０μｍ〜１００μｍとされる。ＭＣｒＡｌＹ層
は、例えばＦｅ，Ｃｏ，Ｎｉのうち２つまたは３つを選
択する場合、Ｆｅ：２０〜３５重量％、Ｃｏ：２０〜３
５重量％、Ｎｉ：２０〜３５重量％、Ｃｒ：１０〜２５
重量％、Ａｌ：１０〜２５重量％、Ｙ：０．１〜１重量
％の組成を有するものが選択される。２層の耐酸化用被
覆を形成する場合は、下部コーティング層を形成する工
程と、拡散処理する工程と、上部コーティング層を形成
する工程と、拡散処理する工程とを有する技術が選択さ
れる。３層の耐酸化被膜は、母材表面に形成される下部
コーティング層と、該下部コーティング層の表面を被覆
する中間コーティング層と、該中間コーティング層の表
面に形成される上部コーティング層とを有するものとさ
れ、下部コーティング層がＰｄをメッキすることにより
形成され、中間コーティング層がＰｔをメッキすること
により形成され、下部コーティング層がＡｌ拡散コーテ
ィングにより形成される。下部コーティング層の厚さは
３μｍ〜１５μｍとされ、中間コーティング層の厚さは
０．１〜３μｍとされ、耐酸化被膜の厚さは１０μｍ〜
１００μｍとされる。３層の耐酸化用被覆を形成する場
合は、下部コーティング層を形成する工程と、拡散処理
する工程と、中間コーティング層を形成する工程と、上
部コーティング層を形成する工程と、拡散処理する工程
とを有する技術が選択される。
ニウム合金等からなる金属部品の母材の表面に、複数の
コーティング層からなる耐酸化被膜が形成される。該耐
酸化被膜は、２層のものかまたは３層のものが採用され
る。２層の耐酸化被膜は、母材表面に形成される下部コ
ーティング層と、該下部コーティング層の表面に形成さ
れる上部コーティング層とを有するものとされ、下部コ
ーティング層がＰｄをメッキすることで形成され、上部
コーティング層は、Ｍ（Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉの少なくとも
１つ）とＣｒとＡｌとＹとを含有するＭＣｒＡｌＹ合金
の真空溶射により形成される。下部コーティング層はそ
の厚さが３μｍ〜１５μｍとされ、耐酸化被膜は全体の
厚さが１０μｍ〜１００μｍとされる。ＭＣｒＡｌＹ層
は、例えばＦｅ，Ｃｏ，Ｎｉのうち２つまたは３つを選
択する場合、Ｆｅ：２０〜３５重量％、Ｃｏ：２０〜３
５重量％、Ｎｉ：２０〜３５重量％、Ｃｒ：１０〜２５
重量％、Ａｌ：１０〜２５重量％、Ｙ：０．１〜１重量
％の組成を有するものが選択される。２層の耐酸化用被
覆を形成する場合は、下部コーティング層を形成する工
程と、拡散処理する工程と、上部コーティング層を形成
する工程と、拡散処理する工程とを有する技術が選択さ
れる。３層の耐酸化被膜は、母材表面に形成される下部
コーティング層と、該下部コーティング層の表面を被覆
する中間コーティング層と、該中間コーティング層の表
面に形成される上部コーティング層とを有するものとさ
れ、下部コーティング層がＰｄをメッキすることにより
形成され、中間コーティング層がＰｔをメッキすること
により形成され、下部コーティング層がＡｌ拡散コーテ
ィングにより形成される。下部コーティング層の厚さは
３μｍ〜１５μｍとされ、中間コーティング層の厚さは
０．１〜３μｍとされ、耐酸化被膜の厚さは１０μｍ〜
１００μｍとされる。３層の耐酸化用被覆を形成する場
合は、下部コーティング層を形成する工程と、拡散処理
する工程と、中間コーティング層を形成する工程と、上
部コーティング層を形成する工程と、拡散処理する工程
とを有する技術が選択される。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐酸化被膜を
有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法の第１実
施形態を、図１及び図２に基づいて説明する。図１にお
いて、符号１は母材、２は下部コーティング層（Ｐｄ
層）、３は上部コーティング層（ＭＣｒＡｌＹ層）、４
は耐酸化被膜である。
有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法の第１実
施形態を、図１及び図２に基づいて説明する。図１にお
いて、符号１は母材、２は下部コーティング層（Ｐｄ
層）、３は上部コーティング層（ＭＣｒＡｌＹ層）、４
は耐酸化被膜である。
【０００７】母材１は、例えばニッケル基合金（または
アルミニウム合金）とされ、耐酸化被膜４は、Ｐｄ層２
とＭＣｒＡｌＹ層３とから形成される。このＰｄ層２
が、母材１表面にＰｄをメッキすることにより厚さ３μ
ｍ〜１５μｍに形成され、Ｐｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３
とを合わせた耐酸化被膜４の厚さが１０μｍ〜１００μ
ｍとされる。上記ＭＣｒＡｌＹ層３は、Ｍ（Ｆｅ，Ｃ
ｏ，Ｎｉの少なくとも１つ）とＣｒとＡｌとＹを含むＭ
ＣｒＡｌＹ合金を真空溶射することにより形成され、こ
の実施形態では、例えばＦｅ，Ｃｏ，Ｎｉのうち２つま
たは３つを選択し、Ｆｅ：２０〜３５重量％、Ｃｏ：２
０〜３５重量％、Ｎｉ：２０〜３５重量％、Ｃｒ：１０
〜２５重量％、Ａｌ：１０〜２５重量％、Ｙ：０．１〜
１重量％の組成を有するものから、例えばＣｒ：２１重
量％、Ａｌ：１８重量％、Ｙ：０．５重量％、Ｎｉ：３
２重量％、Ｃｏ：残部の組成を有するものが適用され
る。
アルミニウム合金）とされ、耐酸化被膜４は、Ｐｄ層２
とＭＣｒＡｌＹ層３とから形成される。このＰｄ層２
が、母材１表面にＰｄをメッキすることにより厚さ３μ
ｍ〜１５μｍに形成され、Ｐｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３
とを合わせた耐酸化被膜４の厚さが１０μｍ〜１００μ
ｍとされる。上記ＭＣｒＡｌＹ層３は、Ｍ（Ｆｅ，Ｃ
ｏ，Ｎｉの少なくとも１つ）とＣｒとＡｌとＹを含むＭ
ＣｒＡｌＹ合金を真空溶射することにより形成され、こ
の実施形態では、例えばＦｅ，Ｃｏ，Ｎｉのうち２つま
たは３つを選択し、Ｆｅ：２０〜３５重量％、Ｃｏ：２
０〜３５重量％、Ｎｉ：２０〜３５重量％、Ｃｒ：１０
〜２５重量％、Ａｌ：１０〜２５重量％、Ｙ：０．１〜
１重量％の組成を有するものから、例えばＣｒ：２１重
量％、Ａｌ：１８重量％、Ｙ：０．５重量％、Ｎｉ：３
２重量％、Ｃｏ：残部の組成を有するものが適用され
る。
【０００８】このような耐酸化被膜４は、図２に示す工
程に基づいて形成される。
程に基づいて形成される。
【０００９】〔Ｓ１：前処理〕母材１の表面に付着して
いる異物等は、サンドブラスト等の研磨を施すことによ
って除去される。
いる異物等は、サンドブラスト等の研磨を施すことによ
って除去される。
【００１０】〔Ｓ２：Ｐｄメッキ〕母材１をメッキ容器
内でＰｄメッキすることにより、Ｐｄ層２を例えば５μ
ｍ〜１１μｍの厚さまで形成する。
内でＰｄメッキすることにより、Ｐｄ層２を例えば５μ
ｍ〜１１μｍの厚さまで形成する。
【００１１】〔Ｓ３：拡散処理〕母材１とＰｄ層２とを
不活性ガス雰囲気（特にアルゴンガス雰囲気）とし、１
０００±２００℃程度の条件下で１時間ないし５時間程
度保持することにより母材１とＰｄ層２との拡散処理を
行う。
不活性ガス雰囲気（特にアルゴンガス雰囲気）とし、１
０００±２００℃程度の条件下で１時間ないし５時間程
度保持することにより母材１とＰｄ層２との拡散処理を
行う。
【００１２】〔Ｓ４：真空溶射コーティング〕不活性ガ
ス雰囲気で、１０-2torr程度の真空雰囲気とし、前述の
組成のＭＣｒＡｌＹを真空溶射することによりＭＣｒＡ
ｌＹ層３を形成し、Ｐｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３を合わ
せた厚さが、３０μｍ程度になるようＭＣｒＡｌＹ層３
を形成する。
ス雰囲気で、１０-2torr程度の真空雰囲気とし、前述の
組成のＭＣｒＡｌＹを真空溶射することによりＭＣｒＡ
ｌＹ層３を形成し、Ｐｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３を合わ
せた厚さが、３０μｍ程度になるようＭＣｒＡｌＹ層３
を形成する。
【００１３】〔Ｓ５：拡散処理〕次に、不活性ガス雰囲
気、特にアルゴンガス雰囲気とし、１０００±２００℃
程度の条件下で１時間ないし５時間程度保持することに
よりＰｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３との拡散処理をおこな
う。この拡散処理により、Ｐｄ、ＭＣｒＡｌＹの構成元
素が相互拡散して、耐酸化被膜４が形成される。その
後、自然冷却等により冷却がおこなわれ、耐酸化被膜４
の形成が終了する。
気、特にアルゴンガス雰囲気とし、１０００±２００℃
程度の条件下で１時間ないし５時間程度保持することに
よりＰｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３との拡散処理をおこな
う。この拡散処理により、Ｐｄ、ＭＣｒＡｌＹの構成元
素が相互拡散して、耐酸化被膜４が形成される。その
後、自然冷却等により冷却がおこなわれ、耐酸化被膜４
の形成が終了する。
【００１４】このような第１実施形態では、ハロゲン化
水素（ＨＸ；ＸはＦ，Ｃｌ，Ｂｒ等ハロゲン）を使用す
る必要がないため、Ｐｄが水素吸蔵をすることなく、水
素脆化が防止できる。
水素（ＨＸ；ＸはＦ，Ｃｌ，Ｂｒ等ハロゲン）を使用す
る必要がないため、Ｐｄが水素吸蔵をすることなく、水
素脆化が防止できる。
【００１５】なお、Ｐｄ層２とＭＣｒＡｌＹ層３との間
に、Ｐｔ層を形成して耐酸化被膜４を形成することも可
能である。
に、Ｐｔ層を形成して耐酸化被膜４を形成することも可
能である。
【００１６】以下、本発明に係る耐酸化被膜を有する金
属部品及び金属部品の耐酸化処理方法の第２実施形態
を、図３及び図４に基づいて説明する。図３において、
符号５は中間コーティング層（Ｐｔ層）、６は上部コー
ティング層（Ａｌ拡散コーティング層）、７は耐酸化被
膜である
属部品及び金属部品の耐酸化処理方法の第２実施形態
を、図３及び図４に基づいて説明する。図３において、
符号５は中間コーティング層（Ｐｔ層）、６は上部コー
ティング層（Ａｌ拡散コーティング層）、７は耐酸化被
膜である
【００１７】母材１及びＰｄ層２は、第１実施形態に準
じるものとされ、耐酸化被膜７は、Ｐｄ層２とＰｔ層５
とＡｌ拡散コーティング層６とから形成され、Ｐｄ層２
の厚さは３μｍ〜１５μｍとされ、Ｐｔ層５の厚さは
０．１〜３μｍとされ、Ｐｄ層２とＰｔ層５とＡｌ拡散
コーティング層６とを合わせた耐酸化被膜７の厚さは１
０μｍ〜１００μｍとされる。
じるものとされ、耐酸化被膜７は、Ｐｄ層２とＰｔ層５
とＡｌ拡散コーティング層６とから形成され、Ｐｄ層２
の厚さは３μｍ〜１５μｍとされ、Ｐｔ層５の厚さは
０．１〜３μｍとされ、Ｐｄ層２とＰｔ層５とＡｌ拡散
コーティング層６とを合わせた耐酸化被膜７の厚さは１
０μｍ〜１００μｍとされる。
【００１８】このような耐酸化被膜７は、図４に示す工
程に基づいて形成される。
程に基づいて形成される。
【００１９】〔Ｓ１１：前処理〕母材１の表面に付着し
ている異物等にあっては、サンドブラスト等の研磨を施
すことによって除去される。
ている異物等にあっては、サンドブラスト等の研磨を施
すことによって除去される。
【００２０】〔Ｓ１２：Ｐｄメッキ〕母材１をメッキ容
器内でＰｄメッキすることにより、Ｐｄ層２を５μｍ〜
１０μｍ程度まで形成する。
器内でＰｄメッキすることにより、Ｐｄ層２を５μｍ〜
１０μｍ程度まで形成する。
【００２１】〔Ｓ１３：Ｐｔメッキ〕次に、メッキ容器
内でＰｄ層２の表面にＰｔメッキすることにより、Ｐｔ
層５を０．１μｍ〜３μｍまで形成する。
内でＰｄ層２の表面にＰｔメッキすることにより、Ｐｔ
層５を０．１μｍ〜３μｍまで形成する。
【００２２】〔Ｓ１４：拡散処理〕母材１とＰｄ層２と
を不活性ガス雰囲気（特にアルゴンガス雰囲気）とし、
１０００±２００℃程度の条件下で１時間ないし５時間
程度保持することにより母材１とＰｄ層２及びＰｔ層５
との拡散処理を行う。
を不活性ガス雰囲気（特にアルゴンガス雰囲気）とし、
１０００±２００℃程度の条件下で１時間ないし５時間
程度保持することにより母材１とＰｄ層２及びＰｔ層５
との拡散処理を行う。
【００２３】〔Ｓ１５：Ａｌ拡散コーティング〕引き続
き、母材１，Ｐｄ層２，Ｐｔ層５を不活性ガス雰囲気
（特にアルゴンガス雰囲気）下で、Ａｌ2Ｏ3と、活性材
としてのハロゲン化水素（ＨＸ；ＸはＦ，Ｃｌ，Ｂｒ等
ハロゲン）とＡｌあるいはその合金の存在下において、
例えば９００〜１１００℃の被膜形成処理温度で２時間
ないし６時間程度保持する。その結果、発生したＡｌ蒸
気がＰｔ層５の表面に接触し拡散する現象が生じて、Ａ
ｌ拡散コーティング層６が形成される。このとき、Ｐｄ
層２とＰｔ層５とＡｌ拡散コーティング層６とを合わせ
た厚さが、３０μｍ程度になるように設定される。
き、母材１，Ｐｄ層２，Ｐｔ層５を不活性ガス雰囲気
（特にアルゴンガス雰囲気）下で、Ａｌ2Ｏ3と、活性材
としてのハロゲン化水素（ＨＸ；ＸはＦ，Ｃｌ，Ｂｒ等
ハロゲン）とＡｌあるいはその合金の存在下において、
例えば９００〜１１００℃の被膜形成処理温度で２時間
ないし６時間程度保持する。その結果、発生したＡｌ蒸
気がＰｔ層５の表面に接触し拡散する現象が生じて、Ａ
ｌ拡散コーティング層６が形成される。このとき、Ｐｄ
層２とＰｔ層５とＡｌ拡散コーティング層６とを合わせ
た厚さが、３０μｍ程度になるように設定される。
【００２４】〔Ｓ１６：拡散処理〕次に、不活性ガス雰
囲気（特にアルゴンガス雰囲気）とし、１０００±２０
０℃程度の条件下で１時間ないし５時間保持することに
よりＰｄ層２及びＰｔ層５とＡｌ拡散コーティング層６
との拡散処理を行う。この拡散処理により、Ｐｄ、Ｐ
ｔ，Ａｌの構成元素が相互拡散して、耐酸化被膜７が形
成される。
囲気（特にアルゴンガス雰囲気）とし、１０００±２０
０℃程度の条件下で１時間ないし５時間保持することに
よりＰｄ層２及びＰｔ層５とＡｌ拡散コーティング層６
との拡散処理を行う。この拡散処理により、Ｐｄ、Ｐ
ｔ，Ａｌの構成元素が相互拡散して、耐酸化被膜７が形
成される。
【００２５】Ａｌ被膜が形成される際にＨＸから発生す
る水素は、Ｐｔ層５の存在によりＰｄ層２に達すること
なく、水素脆化の発生が防止できる。その後、自然冷却
等により冷却がおこなわれ、耐酸化被膜７の形成が終了
する。
る水素は、Ｐｔ層５の存在によりＰｄ層２に達すること
なく、水素脆化の発生が防止できる。その後、自然冷却
等により冷却がおこなわれ、耐酸化被膜７の形成が終了
する。
【００２６】なお、Ｐｄ層２とＰｔ層５とを、Ｐｄ−Ｐ
ｔ合金に置き換えることも可能である。
ｔ合金に置き換えることも可能である。
【００２７】
【発明の効果】本発明の耐酸化被膜を有する金属部品及
び金属部品の耐酸化処理方法によれば、以下の効果を奏
する。 （１）Ｐｄにより下部コーティング層を形成し、その表
面をＭＣｒＡｌＹまたはＰｔにより被覆するので、耐酸
化性能の向上を図ることができる。 （２）下部コーティング層の表面をＭＣｒＡｌＹまたは
Ｐｔで被覆することにより、Ｐｄに水素が到達すること
が防止されるので、Ｐｔに比べ安価なＰｄの耐酸化被膜
への適用を図ることができ、同時に、水素脆化の防止を
図ることができる。 （３）上記によりコストの削減を図ることができる。
び金属部品の耐酸化処理方法によれば、以下の効果を奏
する。 （１）Ｐｄにより下部コーティング層を形成し、その表
面をＭＣｒＡｌＹまたはＰｔにより被覆するので、耐酸
化性能の向上を図ることができる。 （２）下部コーティング層の表面をＭＣｒＡｌＹまたは
Ｐｔで被覆することにより、Ｐｄに水素が到達すること
が防止されるので、Ｐｔに比べ安価なＰｄの耐酸化被膜
への適用を図ることができ、同時に、水素脆化の防止を
図ることができる。 （３）上記によりコストの削減を図ることができる。
【図１】 本発明に係る耐酸化被膜を有する金属部品の
第１実施形態を示す模式図である。
第１実施形態を示す模式図である。
【図２】 本発明に係る金属部品の耐酸化処理方法の第
１実施形態の工程を示すフローチャートである。
１実施形態の工程を示すフローチャートである。
【図３】 本発明に係る耐酸化被膜を有する金属部品の
第２実施形態を示す模式図である。
第２実施形態を示す模式図である。
【図４】 本発明に係る金属部品の耐酸化処理方法の第
２実施形態の工程を示すフローチャートである。
２実施形態の工程を示すフローチャートである。
１…母材 ２…下部コーティング層（Ｐｄ層） ３…上部コーティング層（ＭＣｒＡｌＹ層） ４…耐酸化被膜 ５…中間コーティング層（Ｐｔ層） ６…上部コーティング層（Ａｌ拡散コーティング層） ７…耐酸化被膜
Claims (5)
- 【請求項１】 金属部品の母材（１）の表面に、複数の
コーティング層からなる耐酸化被膜（４，７）が形成さ
れ、下部コーティング層（２）がＰｄをメッキすること
により形成されることを特徴とする耐酸化被膜を有する
金属部品。 - 【請求項２】 耐酸化被膜（４）は、下部コーティング
層（２）の表面に上部コーティング層（３）を有するも
のとされ、上部コーティング層が、Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉの
少なくとも１つからなるＭとＣｒとＡｌとＹとを含有す
るＭＣｒＡｌＹ合金の真空溶射により形成されることを
特徴とする請求項１記載の耐酸化被膜を有する金属部
品。 - 【請求項３】 母材（１）の表面にＰｄからなる下部コ
ーティング層（４）をメッキにより形成する工程と、該
下部コーティング層の表面にＭＣｒＡｌＹからなる上部
コーティング層（３）を真空溶射により形成する工程
と、拡散処理する工程とを有し、ＭＣｒＡｌＹが、Ｆ
ｅ，Ｃｏ，Ｎｉの少なくとも１つからなるＭとＣｒとＡ
ｌとＹであることを特徴とする金属部品の耐酸化処理方
法。 - 【請求項４】 耐酸化被膜（７）は、母材（１）の表面
に形成される下部コーティング層（２）と、該下部コー
ティング層の表面を被覆する中間コーティング層（５）
と、該中間コーティング層の表面に形成される上部コー
ティング層（６）とを有するものとされ、中間コーティ
ング層がＰｔをメッキすることにより形成され、上部コ
ーティング層がＡｌ拡散コーティングにより形成される
ことを特徴とする請求項１記載の耐酸化被膜を有する金
属部品。 - 【請求項５】 母材（１）の表面にＰｄからなる下部コ
ーティング層（２）をメッキにより形成する工程と、該
下部コーティング層の表面にＰｔをメッキすることで中
間コーティング層（５）を形成する工程と、拡散処理す
る工程と、中間コーティング層の表面にＡｌ拡散コーテ
ィングにより上部コーティング層（６）を形成する工程
とを有することを特徴とする金属部品の耐酸化処理方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9285871A JPH11124688A (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 耐酸化被膜を有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9285871A JPH11124688A (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 耐酸化被膜を有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11124688A true JPH11124688A (ja) | 1999-05-11 |
Family
ID=17697123
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9285871A Pending JPH11124688A (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 耐酸化被膜を有する金属部品及び金属部品の耐酸化処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11124688A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002155380A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-05-31 | General Electric Co <Ge> | 耐酸化性皮膜、関連物品及び方法 |
| EP1681374A1 (de) | 2005-01-14 | 2006-07-19 | Siemens Aktiengesellschaft | Schichtsystem mit Sperrschicht und Verfahren zur Herstellung |
| JP2013127096A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Ihi Corp | ＰｔおよびＡｌ拡散Ｎｉ基基材ならびにその製造方法 |
| JP2017226923A (ja) * | 2017-09-20 | 2017-12-28 | 日本発條株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
| US10315388B2 (en) | 2014-06-11 | 2019-06-11 | Nhk Spring Co., Ltd. | Method of manufacturing laminate and laminate |
-
1997
- 1997-10-17 JP JP9285871A patent/JPH11124688A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002155380A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-05-31 | General Electric Co <Ge> | 耐酸化性皮膜、関連物品及び方法 |
| EP1681374A1 (de) | 2005-01-14 | 2006-07-19 | Siemens Aktiengesellschaft | Schichtsystem mit Sperrschicht und Verfahren zur Herstellung |
| JP2013127096A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Ihi Corp | ＰｔおよびＡｌ拡散Ｎｉ基基材ならびにその製造方法 |
| US10315388B2 (en) | 2014-06-11 | 2019-06-11 | Nhk Spring Co., Ltd. | Method of manufacturing laminate and laminate |
| JP2017226923A (ja) * | 2017-09-20 | 2017-12-28 | 日本発條株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
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