JPH11124619A - 取鍋内溶鋼電磁攪拌装置 - Google Patents

取鍋内溶鋼電磁攪拌装置

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JPH11124619A
JPH11124619A JP29941297A JP29941297A JPH11124619A JP H11124619 A JPH11124619 A JP H11124619A JP 29941297 A JP29941297 A JP 29941297A JP 29941297 A JP29941297 A JP 29941297A JP H11124619 A JPH11124619 A JP H11124619A
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JP
Japan
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molten steel
ladle
induction coil
magnetic field
coil
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Withdrawn
Application number
JP29941297A
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English (en)
Inventor
Masujirou Hisatani
益士郎 久谷
Hirokatsu Matsuura
啓克 松浦
Hiroshi Imagami
博司 今上
Yujo Marukawa
雄浄 丸川
Koji Takatani
幸司 高谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取鍋溶鋼の攪拌作用を効率的に行わせて低コ
ストで効果的な精錬を行う溶鋼攪拌方法および装置とす
る。 【解決手段】 取鍋内溶鋼に磁場を印加して前記溶鋼を
攪拌させる取鍋内溶鋼電磁攪拌装置である。取鍋内溶鋼
の表面部に対面させ取鍋内壁に倣う円周上に沿って形成
された誘導コイルを配置する。当該誘導コイルに接続さ
れる交流電源を設けて前記誘導コイルに交番電流を供給
可能とし、前記誘導コイルによる変動磁場を生成させて
前記取鍋内溶鋼に渦電流を生じさせる。この渦電流と誘
導コイルによる磁場との作用で生じるローレンツ力を溶
鋼に作用させることにより溶鋼子午面に沿い中心部上
昇、側壁側下降となす単一渦対流を発生させるべく取鍋
内径に対するコイル径比を大きく設定して溶鋼攪拌をな
さしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は取鍋内溶鋼電磁攪拌
装置に係り、特に取鍋内の溶鋼の成分調整、脱硫処理等
の精錬を行うための溶鋼の攪拌を行わせるための取鍋内
溶鋼電磁攪拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の精錬行程においては脱硫処理およ
び成分調整を行うために溶鋼を攪拌することが不可欠と
なっている。このため、従来から溶鋼を攪拌させる方法
として、回転磁界方式や、取鍋側壁からの電磁誘導攪拌
方式(ASEA-SKF)等、電磁力を利用した方式が広く採用
されている。
【0003】これらのいずれの方式も、取鍋鉄皮の外面
側から移動磁場を印加するものであり、特に前者の回転
磁界方式は取鍋側周方向に移動磁界装置を設置して取鍋
内の溶鋼に回転力を与えて攪拌する構成となっている。
また、後者の方式では、取鍋側部の上下方向に移動磁界
装置を設置し、上昇流、下降流を溶鋼に与えて攪拌する
ものである。
【0004】しかし、上記いずれの方式でも、取鍋鉄皮
の外側から磁場を印加するため、鉄皮の磁気シールド効
果によって印加磁場の大部分が減衰し、溶鋼中への磁界
浸透が小さくなって電力利用効率、脱硫速度等が低下
し、溶鋼攪拌効率が悪くなる問題があった。このような
問題点を改善すべく、鉄皮の材質を例えばオーステナイ
トスレンレス鋼等の非磁性体の材質とすることも考えら
れるが、取鍋の改造コストが極めて高く、しかも改造し
た場合でも、鉄皮が導電体であることには変りはないの
で、印加磁場により渦電流が生成され、電力損失が生
じ、結局溶鋼攪拌効率が悪くなっていた。また、取鍋内
壁面には耐火物が張り付けられており、このため磁界が
溶鋼に到達するようコイル電流を大きくしなければなら
ない問題があった。
【0005】このような観点から、鉄皮を介さずに取鍋
上部の開口部から磁場を直接溶鋼に印加する方式の提案
がされている。これは取鍋内の溶鋼表面部分で回転磁界
を発生させ、極性を円周方向に沿って順次変更すること
により溶鋼に水平旋回流を与えて攪拌させようとするも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この取鍋上部
から直接溶鋼に回転磁界を及ぼす方式は、従来の鉄皮を
介して行われる電磁誘導攪拌方式に対して、溶鋼表面に
直接回転磁界を作用させるために取鍋改造が不要で、か
つ供給電流が小さくて済む利点はあるものの、溶鋼表面
の水平旋回流によって攪拌作用を行わせることから、溶
鋼の表層部の旋回作用が取鍋底部に達するのに時間を要
し、単純旋回であるために溶鋼の攪拌作用が高いもので
はなく、したがって効率的な精錬効果があるとはいえな
かった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に着目し、取
鍋溶鋼の攪拌作用を効率的に行わせて低コストで効果的
な精錬を行うことができる取鍋内溶鋼電磁攪拌装置を得
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る取鍋内溶鋼電磁攪拌装置は、溶鋼ない
しは溶鋼とスラグを取鍋内に保持し、磁場を印加して溶
鋼ないしは溶鋼とスラグを攪拌する取鍋内溶鋼電磁攪拌
装置において、前記取鍋内溶鋼表面に平行に対面させ、
取鍋内壁に沿って巻かれたリング状誘導コイルを配置
し、当該誘導コイルに交番電流を供給する交流電源を接
続し、前記誘導コイルに交番電流を流し変動磁場を生成
させ、前記取鍋内溶鋼に渦電流を生じさせることによ
り、誘導コイルにより形成される変動磁場と取鍋内溶鋼
中に生じた渦電流との相互作用により発生するローレン
ツ力を溶鋼に働かせ、溶鋼に流動を生じさせ溶鋼ないし
は溶鋼とスラグを混合攪拌するようにしたものである。
【0009】また、第2には、取鍋内溶鋼に磁場を印加
して前記溶鋼を攪拌させる取鍋内溶鋼電磁攪拌装置にお
いて、前記取鍋内溶鋼の表面部に対面させ取鍋内壁に倣
う円周上に沿って周回形成された第1の誘導コイルを配
置するとともに、当該第1誘導コイルの内周部には垂直
磁場を発生可能な第2の誘導コイルをコイル円周方向に
沿って複数配置し、前記第1、第2誘導コイルに交番電
流を供給可能な交流電源を接続し、前記第1誘導コイル
により前記取鍋内溶鋼に渦電流を生じさせて溶鋼子午面
に沿い中心部上昇、側壁側下降となす単一渦対流を発生
させると同時に、前記第2コイルの各々に対し周方向に
沿って順次極性を変更させることにより回転磁場を生じ
させて溶鋼旋回流を発生させることにより取鍋溶鋼攪拌
をなさしめるようにしたものである。
【0010】更に、溶鋼表面に平行に設置されるリング
状誘導コイルの直径を前記取鍋の内直径の1/2以上と
し、取鍋内溶鋼の流動が取鍋内壁近傍では下降流、取鍋
中心軸上近傍では上昇流となる循環流を形成させること
が望ましく、また、溶鋼表面に平行に設置されるリング
状誘導コイルを水冷された容器ないしは、外側が耐火材
で保護された容器に収め、前記溶鋼ないしは溶鋼とスラ
グ内に浸漬するように構成してもよい。
【0011】
【作用】上記第1の構成によれば、誘導コイルの交流電
流を供給することにより取鍋内溶鋼に対して渦電流が誘
起される。この渦電流は取鍋中央を中心とする円周に沿
って発生するが、これに前記誘導コイルの磁場が作用し
ているため、溶鋼には下向きのローレンツ力が発生す
る。このローレンツ力により溶鋼表層部には溶鋼を取鍋
底部側に押込む力が作用し、これらの総和により溶鋼は
取鍋内側壁に沿って下向きに強制的に流し込まれ、取鍋
中央部分で底部から吹き上がるような対流が発生する。
これにより、取鍋内の溶鋼は子午面に沿った対流渦が発
生され、取鍋底部内に溶鋼が滞ることがなく、全体的な
上下方向対流による攪拌作用によって、溶鋼の精錬効果
を高めることができるのである。特に取鍋内溶鋼の対流
は、取鍋中心部での上昇流と、取鍋側壁部での下降流と
からなる単一渦対流となるため、介在物除去に適した状
態を生成させ、一旦分離したスラグ(非金属介在物)の
再巻き込みが少ない。また、側壁冷却による自然対流は
この渦と同じ形で、これを強調促進することができる。
【0012】また、第2の構成によれば、上記第1の構
成による作用に加えて、溶鋼に水平旋回流が加えられる
ので、上下方向対流と同時に水平旋回流が取鍋内溶鋼に
発生し、これにより高い攪拌効果が得られるものとな
る。
【0013】取鍋内径に対するコイル径比は0.5以上
に設定することにより、溶鋼子午面に沿い中心部上昇、
側壁側下降となす単一渦対流の生成が効率的に行われ
る。また、誘導コイルを水冷容器ないしは、外側が耐火
材で保護された容器に収容して取鍋内溶鋼内に浸漬させ
ることにより、コイルと溶鋼間のギャップが更に小さく
なり、溶鋼に働くローレンツ力が大きくなって発生する
渦流を強くして攪拌効果を大きくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る取鍋内溶鋼
電磁攪拌装置の具体的実施の態様を図面を参照して詳細
に説明する。
【0015】図1は取鍋内溶鋼電磁攪拌装置の全体構成
図を示し、図2はコイルの設置形態を示している。これ
らの図に示すように、取鍋10には溶鋼12が充填され
ており、この溶鋼12を攪拌対象としている。取鍋10
は円筒形状に近い逆円錐台形状の上部開口容器であり、
その壁体は鉄皮外壁14と耐火物内壁16とから構成さ
れている。このような取鍋10の上部開口には図2に示
しているように蓋18が被せられるが、取鍋10と蓋1
8により囲まれ溶鋼12の湯面上部に形成される空間に
位置するように、誘導コイル20を設置させている。こ
の誘導コイル20は、コイル直径が取鍋上部空間の内径
より若干小さくなるように、内壁円に倣う円周上に沿っ
て形成されている。このような誘導コイル20は1回巻
き構成としてもよいが、複数回巻きとすることも可能で
あり、この場合は、上下に積層させるのではなく、渦巻
き状に巻き付ける構成とすることが望ましい。これは後
述するように、溶鋼12の表面にできるだけ近接させて
渦電流の発生を促進させることが必要だからである。
【0016】このような誘導コイル20には交流電源2
2が接続されており、コイル20に交番電流を供給可能
としている。交流電源22は可変変成器24、インバー
タ26、及び変成器28を介して誘導コイル20に接続
されており、インバータ26の周波数設定部30により
周波数を任意に設定して誘導コイル20での発生磁界を
制御可能としている。供給する交流電流は、正弦波、パ
ルス波、三角波、矩形波等を用いることが可能である。
【0017】ここで、上記誘導コイル20は、取鍋10
の蓋18の内面部側に配置されるが、実施例では、取鍋
10に施蓋することによって溶鋼12の湯面に対面配置
するように設置されている。図2に詳細に示しているよ
うに、取鍋内溶鋼12の攪拌処理を行うために、取鍋1
0の搬入箇所を囲むフレーム32が構築されており、こ
のフレーム32の中央部に取鍋台車34に載せられた取
鍋10を搬入して定置するものとしている。搬入された
取鍋10に蓋18をすることにより、取鍋10を保温状
態とした後、取鍋10の内部空間内で誘導コイル20の
高さ調整ができるように構成され、このため、誘導コイ
ル20は、蓋18を貫通している中空断面の昇降ポール
36の下端部に取り付けられている。昇降ポール36は
蓋18を貫通して上方に延びており、前記フレーム32
の天板部32Rに配備された昇降駆動機構によって昇降
可能である。すなわち、昇降ポール36の外側面にラッ
ク38を形成し、天板部32Rに前記ラック38と噛み
合うピニオン40を備えた昇降モータ42が設置されて
いる。したがって、昇降モータ42による駆動力によ
り、昇降ポール36を介して誘導コイル20が昇降され
るものとなっている。
【0018】昇降ポール36を貫通させている前記蓋1
8は、誘導コイル20の直上部に自重により載置されて
おり、同時に昇降ポール36をガイドとして上下移動可
能となっている。上下移動が円滑に行われるように、蓋
18の上面部には昇降ポール36の側面に転接されるガ
イドロール44が設けられ、取鍋10への施蓋後には昇
降ポール36の昇降ガイド機能をなしている。これによ
り、施蓋状態で、取鍋10の内部空間に位置する誘導コ
イル20の高さが可変とされ、溶鋼12の湯面との間の
距離を調整できるようになっている。したがって、取鍋
10への溶鋼充填量により異なる湯面高さに応じて、誘
導コイル20の高さ調整が可能である。また、実際の湯
面高さを検出するために、蓋18には溶鋼12のレベル
センサ46が取り付けられている。このレベルセンサ4
6の検出信号は図示しない制御盤に送出され、湯面と誘
導コイル20との間の距離が予め設定された最適距離に
なるように、前述した昇降モータ42を駆動制御し、施
蓋後の誘導コイル20の下降量を調整するようにしてい
る。
【0019】昇降ポール36の上端部にはフランジ状の
係止部48が設けられ、一方、フレーム32の天板部3
2Rには上記係止部48に対向するストッパ50が設置
されており、誘導コイル20の下降限度を定めている。
また、フレーム天板部32Rには昇降ポール36の側面
に向けて出入り可能なピンシリンダ52が設置されてお
り、昇降ポール36に形成したピン孔(図示せず)に向
けて出入り可能として、作業時に誘導コイル20の位置
固定をなすようにしている。
【0020】なお、図2において、54は、コイル20
やモータ42、あるいはセンサ46等への給電ケーブ
ル、信号ケーブル等を収容し、コイル冷却水等の供給ラ
インを内蔵するケーブルベアであり、これは昇降ポール
36の昇降に追随できるようになっている。
【0021】このように構成された取鍋内溶鋼電磁攪拌
装置では、誘導コイル20は取鍋10と同心状に形成さ
れ、取鍋内周面に沿ったコイル構造として、取鍋内溶鋼
12の湯面に対面配置される。対面位置はできるだけ湯
面に近接するように昇降ポール36の高さを調整して設
定される。この状態で、誘導コイル20に交番電流を供
給すると、コイル中心すなわち取鍋10の中心を通る向
きに極性が交互に反転する磁場が発生する。磁場の変化
によって溶鋼12には渦電流が誘起され、誘導コイル2
0と同心的な仮想リングに沿う電流となり、誘導コイル
20の極性反転により流れる方向も交互に反転する。こ
の渦電流の電流密度を求めると、図3に示すような特性
が得られる。コイル20に近接する程電流密度が大き
い。そして、誘導コイル20により発生する磁場の磁束
密度は図4に示されており、コイル断面廻りに環状に磁
場が発生しており、コイル20に近い程磁束密度が大き
い。このようなことから、取鍋10内の溶湯12の表層
部には誘導コイル20への交番電流の供給により、磁場
と渦電流とが発生するが、これにより、溶鋼12に対す
る磁場および渦電流の誘起領域において、溶鋼にはロー
レンツ力が発生する。このローレンツ力は粒子に作用す
る磁場と電流の方向により定められた方向であり、フレ
ミングの左手の法則に従う。このローレンツ力をベクト
ル表示したものが図5である。このローレンツ力は溶鋼
12の表層部分に対し、常に下向きすなわち取鍋10の
底部に向かう力となっており、誘導コイル20の直下部
分で最大となっている。このようなローレンツ力が作用
すると、溶鋼12の粒子は湯面から取鍋10の内部に向
かって移動する力を生じ、液状の溶鋼12は取鍋10内
で対流することになるのである。この溶鋼12の対流速
度の分布を求めたものが図6である。図6は取鍋10の
左半部の流速分布であり、誘導コイル20の中心を取鍋
10の中心に一致するようにして取鍋側壁に倣ったコイ
ル構造とすることにより、図示のように溶鋼12は取鍋
中央で吹き上がり、側壁に沿って下向きに潜り込む流れ
となり、全体として子午面に沿った対流が発生するので
ある。
【0022】以上のように、上記実施例では、誘導コイ
ル20を取鍋10の内周面に沿うように形成し、これに
交番電流を供給することにより、溶鋼12に渦電流を誘
起する。この誘起された渦電流と誘導コイル20からの
磁場により、溶鋼12には下向きのローレンツ力が作用
し、これが取鍋内溶鋼12の子午面に沿った対流を発生
させるのである。溶鋼12の対流は子午面に沿っている
ので、取鍋10の底部での滞留状態を無くし、早期に全
体的な溶鋼攪拌作用を行わせることができる。溶鋼12
が子午面に沿った対流を生じて攪拌されるので、効果的
な精錬を行うことができる。特に、渦電流を発生させて
いるが、この渦電流損は溶鋼12の加熱に作用し、冷却
防止作用を生じるので、取鍋12の側壁等を介しての放
冷作用の抑制効果が得られる。
【0023】次に、図7には第2実施例を示す。これ
は、上記第1の実施例に加えて溶鋼に水平旋回流を同時
に作用させるようにしたものである。このため、上記誘
導コイル20の内周部分に3個の第2誘導コイル60を
配置しており、これは第1の誘導コイル20の内周面に
沿って120度間隔になるように設定し、各コイル60
X、60Y、60Zが垂直磁場を発生できるようにした
ものである。このコイル60は中央から3方に延びるア
ーム部62の先端に下向きのコイル巻き付け部64を形
成したヨーク66に形成すればよい。このヨーク66は
必ずしも鉄芯を用いることを要しない。
【0024】このような第2誘導コイル60において、
各コイルの極性が順次変換されるように3相交流電流を
供給し、回転移動磁界を発生させるようにしている。し
たがって、前記第2誘導コイル60によって発生される
回転移動磁界が取鍋溶鋼の表面層を水平旋回させ、溶鋼
粘性により溶鋼全体が旋回することとなる。この第2誘
導コイル60による旋回流と、その周囲に配置された第
1誘導コイル20の渦対流の作用と相俟って、取鍋溶鋼
は単一対流状態(図7(1)矢印A)が発生しつつ、水
平旋回流(図7(1)矢印B)が発生し、これらの合成
流動による攪拌作用が溶鋼に作用するのである。この結
果、取鍋溶鋼の攪拌効果が助長され、精錬効果が高いも
のとなる。なお、第2実施例において、3相交流を用い
る場合には第2誘導コイル60のコイル数は3の倍数だ
け配置することができる。
【0025】また、図示していないが、誘導コイル20
を水冷容器ないしは、外側が耐火材で保護された容器に
収容し、これを直接溶鋼内部に浸漬させるように構成し
てもよい。これによりコイル20と溶鋼12のギャップ
を非常に小さくすることができ、溶鋼12に働くローレ
ンツ力を大きくすることができる。ローレンツ力は溶鋼
12に生じさせる渦流発生要因であり、その力が大きく
なるので、より大きな攪拌作用を発揮させることができ
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶鋼ないしは溶鋼とスラグを取鍋内に保持し、磁場を印
加して溶鋼ないしは溶鋼とスラグを攪拌する取鍋内溶鋼
電磁攪拌装置において、前記取鍋内溶鋼表面に平行に対
面させ、取鍋内壁に沿って巻かれたリング状誘導コイル
を配置し、当該誘導コイルに交番電流を供給する交流電
源を接続し、前記誘導コイルに交番電流を流し変動磁場
を生成させ、前記取鍋内溶鋼に渦電流を生じさせること
により、誘導コイルにより形成される変動磁場と取鍋内
溶鋼中に生じた渦電流との相互作用により発生するロー
レンツ力を溶鋼に働かせ、溶鋼に流動を生じさせ溶鋼な
いしは溶鋼とスラグを混合攪拌するように構成したの
で、取鍋鉄皮の交換を伴わず、直接的に溶鋼に近接させ
て誘導コイルを配置して小電力での効果的な攪拌作用を
行わせ、取鍋溶鋼の攪拌作用を効率的に行わせて大きな
精錬効果を発揮させることができるという優れた効果が
得られる。
【0027】また、取鍋内溶鋼の表面部に対面させ取鍋
内壁に倣う円周上に沿って周回形成された第1の誘導コ
イルを配置するとともに、当該第1誘導コイルの内周部
には垂直磁場を発生可能な第2の誘導コイルをコイル円
周方向に沿って複数配置し、前記第1、第2誘導コイル
に交番電流を供給可能な交流電源を接続し、前記第1誘
導コイルにより前記取鍋内溶鋼に渦電流を生じさせて溶
鋼子午面に沿い中心部上昇、側壁側下降となす単一渦対
流を発生させると同時に、前記第2コイルの各々に対し
周方向に沿って順次極性を変更させる交番電流を供給す
ることにより回転磁場を生じさせて溶鋼旋回流を発生可
能としたので、取鍋内溶鋼は子午面内の対流と水平面内
の旋回流との合成流動を生じさせ、攪拌効果を更に高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の取鍋内溶鋼電磁攪拌装置の全体構成図
である。
【図2】同取鍋内溶鋼電磁攪拌装置の要部構造を示す正
面図および部分側面図である。
【図3】同取鍋内溶鋼電磁攪拌装置による取鍋内溶鋼に
作用する渦電流密度の分布図である。
【図4】同取鍋内溶鋼電磁攪拌装置による取鍋内溶鋼に
作用する磁束密度の分布図である。
【図5】同取鍋内溶鋼電磁攪拌装置による取鍋内溶鋼に
作用するローレンツ力の分布図である。
【図6】同取鍋内溶鋼電磁攪拌装置による取鍋内溶鋼の
攪拌流速の分布図である。
【図7】第2実施例に係る攪拌装置の全体構成を示す断
面図および斜視図である。
【符号の説明】
10 取鍋 12 溶鋼 14 鉄皮外壁 16 耐火物内壁 18 蓋 20 誘導コイル(第1誘導コイル) 22 交流電源 24 可変変成器 26 インバータ 28 変成器 30 周波数設定部 32 フレーム 32R 天板部 34 取鍋台車 36 昇降ポール 38 ラック 40 ピニオン 42 昇降モータ 44 ガイドロール 46 レベルセンサ 48 係止部 50 ストッパ 52 ピンシリンダ 54 ケーブルベア 60 第2誘導コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今上 博司 岡山県玉野市玉3丁目1番1号 三井造船 株式会社玉野事業所内 (72)発明者 丸川 雄浄 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 高谷 幸司 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼ないしは溶鋼とスラグを取鍋内に保
    持し、磁場を印加して溶鋼ないしは溶鋼とスラグを攪拌
    する取鍋内溶鋼電磁攪拌装置において、前記取鍋内溶鋼
    表面に平行に対面させ、取鍋内壁に沿って巻かれたリン
    グ状誘導コイルを配置し、当該誘導コイルに交番電流を
    供給する交流電源を接続し、前記誘導コイルに交番電流
    を流し変動磁場を生成させ、前記取鍋内溶鋼に渦電流を
    生じさせることにより、誘導コイルにより形成される変
    動磁場と取鍋内溶鋼中に生じた渦電流との相互作用によ
    り発生するローレンツ力を溶鋼に働かせ、溶鋼に流動を
    生じさせ溶鋼ないしは溶鋼とスラグを混合攪拌すること
    を特徴とする取鍋内溶鋼電磁攪拌装置。
  2. 【請求項2】 取鍋内溶鋼に磁場を印加して前記溶鋼を
    攪拌させる取鍋内溶鋼電磁攪拌装置において、前記取鍋
    内溶鋼の表面部に対面させ取鍋内壁に倣う円周上に沿っ
    て周回形成された第1の誘導コイルを配置するととも
    に、当該第1誘導コイルの内周部には垂直磁場を発生可
    能な第2の誘導コイルをコイル円周方向に沿って複数配
    置し、前記第1、第2誘導コイルに交番電流を供給可能
    な交流電源を接続し、前記第1誘導コイルにより前記取
    鍋内溶鋼に渦電流を生じさせて溶鋼子午面に沿い中心部
    上昇、側壁側下降となす単一渦対流を発生させると同時
    に、前記第2コイルの各々に対し周方向に沿って順次極
    性を変更させる交番電流を供給することにより回転磁場
    を生じさせて溶鋼旋回流を発生可能としたことを特徴と
    する取鍋内溶鋼電磁攪拌装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、溶鋼表面に平行に設
    置されるリング状誘導コイルの直径を前記取鍋の内直径
    の1/2以上とし、取鍋内溶鋼の流動が取鍋内壁近傍で
    は下降流、取鍋中心軸上近傍では上昇流となる循環流を
    形成させることを特徴とする取鍋内溶鋼電磁攪拌装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、溶鋼表面に平行に設
    置されるリング状誘導コイルを水冷された容器ないし
    は、外側が耐火材で保護された容器に収め、前記溶鋼な
    いしは溶鋼とスラグ内に浸漬することを特徴とする取鍋
    内溶鋼電磁攪拌装置。
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