JPH11123094A - スカベンジャー受容体様タンパク - Google Patents
スカベンジャー受容体様タンパクInfo
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- JPH11123094A JPH11123094A JP10230121A JP23012198A JPH11123094A JP H11123094 A JPH11123094 A JP H11123094A JP 10230121 A JP10230121 A JP 10230121A JP 23012198 A JP23012198 A JP 23012198A JP H11123094 A JPH11123094 A JP H11123094A
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- gly
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/505—Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ヒト由来の新規なスカベンジャー受容体を同
定・単離し、生体内に侵入あるいは生じた異物及び変性
タンパクの該受容体を介した排除機構並びに細胞及び生
体の防御機構の解明し、該受容体をターゲットとして動
脈硬化症、糖尿病性血管障害あるいは細菌感染症などの
種々の疾患に対する全く新しい治療薬を開発する。 【解決手段】 腫瘍抑制タンパクp53に結合性(反応
性)を有するヒトゲノムDNAをプローブとして、ヒト
胎児脳由来のcDNAライブラリーから、CSR1、C
SR2及びCSR3と命名した3つの新規なスカベンジ
ャー受容体をコードするcDNAを得た。該新規スカベ
ンジャー受容体は、マクロファージスカベンジャー受容
体に特有なタンパク2次構造を有し、種々の細胞内スト
レスに依存して発現が誘導され、さらに該細胞内ストレ
スにより誘導される細胞死に対して抑制的に働くことを
見出した。
定・単離し、生体内に侵入あるいは生じた異物及び変性
タンパクの該受容体を介した排除機構並びに細胞及び生
体の防御機構の解明し、該受容体をターゲットとして動
脈硬化症、糖尿病性血管障害あるいは細菌感染症などの
種々の疾患に対する全く新しい治療薬を開発する。 【解決手段】 腫瘍抑制タンパクp53に結合性(反応
性)を有するヒトゲノムDNAをプローブとして、ヒト
胎児脳由来のcDNAライブラリーから、CSR1、C
SR2及びCSR3と命名した3つの新規なスカベンジ
ャー受容体をコードするcDNAを得た。該新規スカベ
ンジャー受容体は、マクロファージスカベンジャー受容
体に特有なタンパク2次構造を有し、種々の細胞内スト
レスに依存して発現が誘導され、さらに該細胞内ストレ
スにより誘導される細胞死に対して抑制的に働くことを
見出した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規スカベンジャ
ー受容体様タンパク及びその断片、該タンパクをコード
するDNA及びその断片、該DNAを含む発現ベクタ
ー、該発現ベクターで形質転換された形質転換細胞、該
タンパク若しくはその断片に反応性を有する抗体、並び
に該抗体を産生する細胞に関する。
ー受容体様タンパク及びその断片、該タンパクをコード
するDNA及びその断片、該DNAを含む発現ベクタ
ー、該発現ベクターで形質転換された形質転換細胞、該
タンパク若しくはその断片に反応性を有する抗体、並び
に該抗体を産生する細胞に関する。
【0002】
【従来の技術】生体おあらゆる組織及び血漿中には、遊
離型、長鎖脂肪酸型及びエステル型のコレステロールが
存在し、前者の2つは細胞膜の構成において重要な役割
を果たし、エステル型は生理的に不活性な貯蔵形態とし
ての性質を有する。生体中のコレステロールは、食物接
種による小腸からの取込みあるいは種々組織、特に肝臓
での生合成に由来する。肝臓で生合成され分泌された遊
離コレステロールは、超低比重リポ蛋白(VLDL)に
取り込まれ、血中でリポ蛋白リパーゼ(LPL)及び肝
性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)の作用を受け、
中間比重リポ蛋白(IDL)を経て、低比重リポ蛋白
(LDL)へと代謝される。このようにして形成された
LDLは血流に乗り末梢へ運搬され、末梢のLDL受容
体を介して血管内皮細胞等の末梢細胞に取り込まれ、末
梢細胞の構成に必要な量のコレステロールが供給される
こととなる。
離型、長鎖脂肪酸型及びエステル型のコレステロールが
存在し、前者の2つは細胞膜の構成において重要な役割
を果たし、エステル型は生理的に不活性な貯蔵形態とし
ての性質を有する。生体中のコレステロールは、食物接
種による小腸からの取込みあるいは種々組織、特に肝臓
での生合成に由来する。肝臓で生合成され分泌された遊
離コレステロールは、超低比重リポ蛋白(VLDL)に
取り込まれ、血中でリポ蛋白リパーゼ(LPL)及び肝
性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)の作用を受け、
中間比重リポ蛋白(IDL)を経て、低比重リポ蛋白
(LDL)へと代謝される。このようにして形成された
LDLは血流に乗り末梢へ運搬され、末梢のLDL受容
体を介して血管内皮細胞等の末梢細胞に取り込まれ、末
梢細胞の構成に必要な量のコレステロールが供給される
こととなる。
【0003】LDL受容体は、LDLの取込みにより細
胞内のコレステロールが増加すると、過剰のコレステロ
ールの蓄積が起こらないようにダウンレギュレーション
(down regulation)される。一方、そのようなLDL
受容体を介した正常LDLの細胞内への取込みとは別
に、Fe3+や熱などの物理・化学的な種々変化により生
じた変性LDL(酸化LDL、アセチル化LDL、サク
シニル化LDL、マロンジアルデヒド(MDA)LDL
など)の細胞内への取込みの経路が存在する。一つは、
マクロファージスカベンジャー受容体(Scavenger rece
ptor)を介した取込みであり、さらなる一つは、血管内
皮細胞酸化LDL受容体(Oxidized LDL receptor、Nat
ure, Vol.386, 73-77, 1997)である。
胞内のコレステロールが増加すると、過剰のコレステロ
ールの蓄積が起こらないようにダウンレギュレーション
(down regulation)される。一方、そのようなLDL
受容体を介した正常LDLの細胞内への取込みとは別
に、Fe3+や熱などの物理・化学的な種々変化により生
じた変性LDL(酸化LDL、アセチル化LDL、サク
シニル化LDL、マロンジアルデヒド(MDA)LDL
など)の細胞内への取込みの経路が存在する。一つは、
マクロファージスカベンジャー受容体(Scavenger rece
ptor)を介した取込みであり、さらなる一つは、血管内
皮細胞酸化LDL受容体(Oxidized LDL receptor、Nat
ure, Vol.386, 73-77, 1997)である。
【0004】末梢マクロファージは、通常LDL受容体
をほとんど発現していないが、酸化LDLなどの変性L
DL認識するスカベンジャー受容体を発現しており、こ
の受容体を介して変性LDLを取り込むことが明らかに
されている(Nature, Vol.343, 531-535, 1990、Natre,
Vol.343, 570-572, 1990、Proc. Natl. Acad. Sci.US
A, Vol.87, 9133-9137, 1990、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, Vol.87, 8810-8814, 1990、Curr. Opin. Lipodo
l., Vol.2, 295-300, 1991、J. Clin. Invest.,Vol.90,
1450-1457, 1991)。このスカベンジャー受容体は前記
LDL受容体とは異なり、細胞内のコレステロールの増
加によるダウンレギュレーションを受けないため過剰の
変性LDL(コレステロール)を取込み、マクロファー
ジを泡沫細胞化させる。この泡沫化マクロファージの血
管内皮下、血管壁での蓄積が、動脈硬化症の主たる原因
の一つとされている。事実、最近の報告で、このマクロ
ファージスカベンジャー受容体を遺伝子操作で不活性化
したノックアウトマウスでは、動脈硬化病巣は対照マウ
スに比べ縮小していることが確認されており、動脈硬化
の発症にスカベンジャー受容体が深く関与していること
が実証されている。さらに、このスカベンジャー受容体
が、細菌感染防御や糖尿病性の血管障害惹起の原因であ
る糖化産物(AGE、Advanced Glycation End Produc
t)の取込みにも関与していることが明らかにされてい
る(Nature, Vol.386, 292-296, 1997)。
をほとんど発現していないが、酸化LDLなどの変性L
DL認識するスカベンジャー受容体を発現しており、こ
の受容体を介して変性LDLを取り込むことが明らかに
されている(Nature, Vol.343, 531-535, 1990、Natre,
Vol.343, 570-572, 1990、Proc. Natl. Acad. Sci.US
A, Vol.87, 9133-9137, 1990、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, Vol.87, 8810-8814, 1990、Curr. Opin. Lipodo
l., Vol.2, 295-300, 1991、J. Clin. Invest.,Vol.90,
1450-1457, 1991)。このスカベンジャー受容体は前記
LDL受容体とは異なり、細胞内のコレステロールの増
加によるダウンレギュレーションを受けないため過剰の
変性LDL(コレステロール)を取込み、マクロファー
ジを泡沫細胞化させる。この泡沫化マクロファージの血
管内皮下、血管壁での蓄積が、動脈硬化症の主たる原因
の一つとされている。事実、最近の報告で、このマクロ
ファージスカベンジャー受容体を遺伝子操作で不活性化
したノックアウトマウスでは、動脈硬化病巣は対照マウ
スに比べ縮小していることが確認されており、動脈硬化
の発症にスカベンジャー受容体が深く関与していること
が実証されている。さらに、このスカベンジャー受容体
が、細菌感染防御や糖尿病性の血管障害惹起の原因であ
る糖化産物(AGE、Advanced Glycation End Produc
t)の取込みにも関与していることが明らかにされてい
る(Nature, Vol.386, 292-296, 1997)。
【0005】マクロファージスカベンジャー受容体に
は、I型とII型が存在し、ともに6個のドメインで構成
され、C末端のみが異なる構造を有している。また、膜
蛋白としては珍しいinside-out型の三量体膜型糖蛋白質
である。ヒト、マウス、ウシ及びウサギの種間では、I
型とII型ともに高いアミノ酸配列相同性を有する(I
型:64-81%、II型:60-81%)。該ドメインは、C末端か
ら、C末端特異ドメイン、コラーゲン様ドメイン、
αヘリカルコイルドコイルドメイン(α-helicalcoil
ed-coil domain)、スペーサードメイン、膜貫通ド
メイン、及び細胞質ドメインからなる。
は、I型とII型が存在し、ともに6個のドメインで構成
され、C末端のみが異なる構造を有している。また、膜
蛋白としては珍しいinside-out型の三量体膜型糖蛋白質
である。ヒト、マウス、ウシ及びウサギの種間では、I
型とII型ともに高いアミノ酸配列相同性を有する(I
型:64-81%、II型:60-81%)。該ドメインは、C末端か
ら、C末端特異ドメイン、コラーゲン様ドメイン、
αヘリカルコイルドコイルドメイン(α-helicalcoil
ed-coil domain)、スペーサードメイン、膜貫通ド
メイン、及び細胞質ドメインからなる。
【0006】I型の「C末端特異ドメイン」は、システ
インに富み、また補体因子1(complement factor
1)、CD5及びCD6などと高い相同性を有してい
る。「コラーゲン様ドメイン」は、コラーゲンに特有な
グリシン(Gly)-X-Yの繰返し構造を有している。また、
C末端側には、負に架電したリガンドの結合に適した正
に架電したアミノ酸が多く集まっている。コラーゲン様
ドメインのC末端側22個のアミノ酸を欠失した変異体
は、リガンド結合性を失うことが確認されている。ま
た、種々欠失変異体の作製による実験から、リガンドと
の結合には、リジン残基(K337)が重要であることが
解明されている。
インに富み、また補体因子1(complement factor
1)、CD5及びCD6などと高い相同性を有してい
る。「コラーゲン様ドメイン」は、コラーゲンに特有な
グリシン(Gly)-X-Yの繰返し構造を有している。また、
C末端側には、負に架電したリガンドの結合に適した正
に架電したアミノ酸が多く集まっている。コラーゲン様
ドメインのC末端側22個のアミノ酸を欠失した変異体
は、リガンド結合性を失うことが確認されている。ま
た、種々欠失変異体の作製による実験から、リガンドと
の結合には、リジン残基(K337)が重要であることが
解明されている。
【0007】「αヘリカルコイルドコイルドメイン」
は、蛋白一次構造としてのスカベンジャー受容体ポリペ
プチドの3本を会合させて活性受容体を形成させる役割
だけでなく、変性LDLなどのリガンドを結合して細胞
内に入り、エンドゾーム内でのpHの低下に依存して受
容体の高次構造を変化させてリガンドを解離させる役割
を有する。このドメインは、7アミノ酸毎に2回転する
右巻のヘプテッドリピート、即ちαヘリカルコイルドコ
イル構造を取り、3本のポリペプチドは7アミノ酸毎に
存在するロイシンやイソロイシンなどの疎水性アミノ酸
を内側に向け、極性アミノ酸や糖鎖結合部位を外側にし
て、3量体を形成している。
は、蛋白一次構造としてのスカベンジャー受容体ポリペ
プチドの3本を会合させて活性受容体を形成させる役割
だけでなく、変性LDLなどのリガンドを結合して細胞
内に入り、エンドゾーム内でのpHの低下に依存して受
容体の高次構造を変化させてリガンドを解離させる役割
を有する。このドメインは、7アミノ酸毎に2回転する
右巻のヘプテッドリピート、即ちαヘリカルコイルドコ
イル構造を取り、3本のポリペプチドは7アミノ酸毎に
存在するロイシンやイソロイシンなどの疎水性アミノ酸
を内側に向け、極性アミノ酸や糖鎖結合部位を外側にし
て、3量体を形成している。
【0008】該ヘプテッドリピートのコラーゲン様ドメ
イン側に存在するヒスチジンが、細胞内でのリガンドの
解離において機能していることが実験的に証明されてい
る。さらに、このコイルドコイルドメインのヒスチジン
を中心とする15アミノ酸領域を認識する抗体が、マク
ロファージのカルシウム非依存性の細胞接着を阻害する
ことから、このマクロファージスカベンジャー受容体が
細胞接着分子としての機能も有していることが示唆され
ている。
イン側に存在するヒスチジンが、細胞内でのリガンドの
解離において機能していることが実験的に証明されてい
る。さらに、このコイルドコイルドメインのヒスチジン
を中心とする15アミノ酸領域を認識する抗体が、マク
ロファージのカルシウム非依存性の細胞接着を阻害する
ことから、このマクロファージスカベンジャー受容体が
細胞接着分子としての機能も有していることが示唆され
ている。
【0009】「細胞質ドメイン」は、LDL受容体やイ
ンスリン受容体に見られるNPXY配列並びにトランス
フェリン受容体に見られるYXRF配列と同様のエンド
サイトーシスシグナルに見られる特徴的なタイトターン
構造を有し、これらの配列を欠失させるとエンドサイト
ーシスが抑制されることが証明されている。特に、スカ
ベンジャー受容体のリガンド結合部位であるコラーゲン
様ドメインは、コラーゲンなどの細胞外マトリックスに
結合、沈着する変性LDLなどの異物や老廃物を除去す
るのに適した構造であることが明らかにされている。
ンスリン受容体に見られるNPXY配列並びにトランス
フェリン受容体に見られるYXRF配列と同様のエンド
サイトーシスシグナルに見られる特徴的なタイトターン
構造を有し、これらの配列を欠失させるとエンドサイト
ーシスが抑制されることが証明されている。特に、スカ
ベンジャー受容体のリガンド結合部位であるコラーゲン
様ドメインは、コラーゲンなどの細胞外マトリックスに
結合、沈着する変性LDLなどの異物や老廃物を除去す
るのに適した構造であることが明らかにされている。
【0010】マクロファージスカベンジャー受容体に関
するこれまでの研究結果から、マクロファージスカベン
ジャー受容体は、生体内の「掃除屋」であり、生体内の
異物や変性タンパク(例えば、変性LDL、糖化産物、
感染細菌由来の異物など)を取り込むことが主たる役割
であり、生体内からそのような異物や変性蛋白質を除去
することにより細胞、生体を防御する生体防御機構の一
つとしての役割を担うものであると考えられている。
するこれまでの研究結果から、マクロファージスカベン
ジャー受容体は、生体内の「掃除屋」であり、生体内の
異物や変性タンパク(例えば、変性LDL、糖化産物、
感染細菌由来の異物など)を取り込むことが主たる役割
であり、生体内からそのような異物や変性蛋白質を除去
することにより細胞、生体を防御する生体防御機構の一
つとしての役割を担うものであると考えられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、既知のマク
ロファージスカベンジャー受容体に特有な構造と同様な
構造有し、細胞内に発生した種々ストレスに対して防御
的に働く新規なスカベンジャー受容体を同定することに
より、生体内に生じた細胞内ストレス、異物あるは変性
蛋白に起因する病的症状や疾患の予防並びに治療に有用
な医薬及び方法を提供するものである。
ロファージスカベンジャー受容体に特有な構造と同様な
構造有し、細胞内に発生した種々ストレスに対して防御
的に働く新規なスカベンジャー受容体を同定することに
より、生体内に生じた細胞内ストレス、異物あるは変性
蛋白に起因する病的症状や疾患の予防並びに治療に有用
な医薬及び方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既知のL
DL受容体、酸化LDL受容体及びマクロファージスカ
ベンジャー受容体とは異なる技術分野に属する遺伝子で
ある腫瘍抑制タンパクp53によって転写制御される種
々のヒト遺伝子の解析に関して鋭意研究した結果、ヒト
マクロファージスカベンジャ受容体に特有の蛋白二次構
造に極めて類似の構造をする一方、該受容体とのアミノ
酸配列相同性を有さず、各々がオールタナティブスプラ
イシング変異体(alternative splicing variant)をコ
ードする新規な3つのヒトcDNA(「CSR遺伝子」
(Cellular Sensor-Related Gene;Cellular Stress Res
ponse Gene)と総称。各々のcDNA及び該cDNAが
コードするタンパクを「CSR1」、「CSR2」及び
「CSR3」と略称。)を見出し本発明を完成するに到
った。
DL受容体、酸化LDL受容体及びマクロファージスカ
ベンジャー受容体とは異なる技術分野に属する遺伝子で
ある腫瘍抑制タンパクp53によって転写制御される種
々のヒト遺伝子の解析に関して鋭意研究した結果、ヒト
マクロファージスカベンジャ受容体に特有の蛋白二次構
造に極めて類似の構造をする一方、該受容体とのアミノ
酸配列相同性を有さず、各々がオールタナティブスプラ
イシング変異体(alternative splicing variant)をコ
ードする新規な3つのヒトcDNA(「CSR遺伝子」
(Cellular Sensor-Related Gene;Cellular Stress Res
ponse Gene)と総称。各々のcDNA及び該cDNAが
コードするタンパクを「CSR1」、「CSR2」及び
「CSR3」と略称。)を見出し本発明を完成するに到
った。
【0013】本発明の新規な遺伝子/タンパクは、下記
のような特徴を有し、細胞内に発生した種々ストレスに
対して防御的に働く新規なスカベンジャー受容体である
と考えられる。 (1)マクロファージスカベンジャー受容体I型及びII
型(GenBankアクセッション番号:S08278;Rohrer, L.
ら、Nature, Vol.343, 570-572, 1990)及び/またはセ
ンサー(Sensor)タンパク(GenBankアクセッション番
号:P30844;Nagasawa, S.ら、J. Biochem., Vol.114,
350-357, 1993)と高い構造的類似性を有する。
のような特徴を有し、細胞内に発生した種々ストレスに
対して防御的に働く新規なスカベンジャー受容体である
と考えられる。 (1)マクロファージスカベンジャー受容体I型及びII
型(GenBankアクセッション番号:S08278;Rohrer, L.
ら、Nature, Vol.343, 570-572, 1990)及び/またはセ
ンサー(Sensor)タンパク(GenBankアクセッション番
号:P30844;Nagasawa, S.ら、J. Biochem., Vol.114,
350-357, 1993)と高い構造的類似性を有する。
【0014】(2)図2に模式的に示されるような2次
構造を有し、ロイシン単位が4回繰り返されるロイシ
ンジッパー構造を含むトランスメンブレンドメイン(tr
ansmembrane domain)、αヘリカルコイルドコイルド
メイン(α-helical coiled coil domain)、及びG
ly−X−Yの配列単位が49回繰り返されるコラーゲ
ン様ドメイン(collagen-like domain)から構成され
る。 (3)前記特徴的構造を有する3分子が、コイルドコイ
ルドメインでαヘリックスを、またコラーゲン様ドメイ
ンでトリプルヘリックスを形成することにより3量体を
形成する。 (4)コラーゲン様ドメインは、生理学的pHで正の実
効電荷(net charge)を帯びている。 (5)多くのリン酸化部位及び糖鎖結合部位を有してい
る。リン酸化部位については、具体的には、casein kin
ase2、protein kinase C、及びtyrosine kinase2による
リン酸化部位を有している。
構造を有し、ロイシン単位が4回繰り返されるロイシ
ンジッパー構造を含むトランスメンブレンドメイン(tr
ansmembrane domain)、αヘリカルコイルドコイルド
メイン(α-helical coiled coil domain)、及びG
ly−X−Yの配列単位が49回繰り返されるコラーゲ
ン様ドメイン(collagen-like domain)から構成され
る。 (3)前記特徴的構造を有する3分子が、コイルドコイ
ルドメインでαヘリックスを、またコラーゲン様ドメイ
ンでトリプルヘリックスを形成することにより3量体を
形成する。 (4)コラーゲン様ドメインは、生理学的pHで正の実
効電荷(net charge)を帯びている。 (5)多くのリン酸化部位及び糖鎖結合部位を有してい
る。リン酸化部位については、具体的には、casein kin
ase2、protein kinase C、及びtyrosine kinase2による
リン酸化部位を有している。
【0015】(6)CSR遺伝子の3’末端の非翻訳領
域には、3’末端poly(A)部位の近傍に、ポリアデニレ
ーションシグナルの供与に深く関連していると思われる
各々AGTAAA及びAATAAAなる6塩基配列を含んでいる。 (7)CSRの発現は、紫外線照射、過酸化水素及び熱
ショックなどの細胞内ストレスにより誘導される。ま
た、細胞に酸化ストレスを与える多くの試薬(DEM,PMA,
Sodium azide, Sodium arsenite, GSNO, SNP, Heminな
ど)によるストレスによっても発現が誘導される。
域には、3’末端poly(A)部位の近傍に、ポリアデニレ
ーションシグナルの供与に深く関連していると思われる
各々AGTAAA及びAATAAAなる6塩基配列を含んでいる。 (7)CSRの発現は、紫外線照射、過酸化水素及び熱
ショックなどの細胞内ストレスにより誘導される。ま
た、細胞に酸化ストレスを与える多くの試薬(DEM,PMA,
Sodium azide, Sodium arsenite, GSNO, SNP, Heminな
ど)によるストレスによっても発現が誘導される。
【0016】(8)前記の紫外線照射、過酸化水素及び
熱ショックなどの細胞内ストレスによるCSRの発現
は、抗酸化剤存在下では抑制される。 (9)CSRは、紫外線照射、過酸化水素及び熱ショッ
クなどの細胞内ストレスにより起こる細胞死を抑制す
る。 (10)ヘム結合部位、及びミクロボディー(ペルオキ
シソーム)C末端ターゲティングシグナル部位を有して
いる。
熱ショックなどの細胞内ストレスによるCSRの発現
は、抗酸化剤存在下では抑制される。 (9)CSRは、紫外線照射、過酸化水素及び熱ショッ
クなどの細胞内ストレスにより起こる細胞死を抑制す
る。 (10)ヘム結合部位、及びミクロボディー(ペルオキ
シソーム)C末端ターゲティングシグナル部位を有して
いる。
【0017】従って、本発明のCSRをコードする遺伝
子、タンパク若しくはその断片は、該遺伝子あるいはタ
ンパク分子をターゲットとして、生体内に生じた細胞内
ストレス、異物あるいは変性蛋白に起因する病的症状や
疾患(例えば、動脈硬化症、糖尿病性血管障害、細菌感
染など)の予防並びに治療のための医薬品開発において
極めて有用である。
子、タンパク若しくはその断片は、該遺伝子あるいはタ
ンパク分子をターゲットとして、生体内に生じた細胞内
ストレス、異物あるいは変性蛋白に起因する病的症状や
疾患(例えば、動脈硬化症、糖尿病性血管障害、細菌感
染など)の予防並びに治療のための医薬品開発において
極めて有用である。
【0018】また、該DNAは、それ自体CSRに機能
を遺伝子レベルで制御するアンチセンス医薬品として、
また遺伝子治療での使用において有用である。該タンパ
クの断片(例えば、細胞外領域、各ドメイン)は、例え
ば可溶性蛋白医薬品として有用である。
を遺伝子レベルで制御するアンチセンス医薬品として、
また遺伝子治療での使用において有用である。該タンパ
クの断片(例えば、細胞外領域、各ドメイン)は、例え
ば可溶性蛋白医薬品として有用である。
【0019】さらに本発明のCSRタンパクに反応性を
有する抗体またはその一部は、CSRの機能を制御する
ことによる抗体医薬品として極めて有用である。さら
に、本発明の遺伝子(DNA)、タンパク、及び抗体
は、本発明のタンパクと相互作用を有するタンパク(リ
ガンド)の探索、該リガンドの機能の解明、並びに該リ
ガンドをターゲットとした治療薬を開発するための試薬
として有用である。
有する抗体またはその一部は、CSRの機能を制御する
ことによる抗体医薬品として極めて有用である。さら
に、本発明の遺伝子(DNA)、タンパク、及び抗体
は、本発明のタンパクと相互作用を有するタンパク(リ
ガンド)の探索、該リガンドの機能の解明、並びに該リ
ガンドをターゲットとした治療薬を開発するための試薬
として有用である。
【0020】また、本発明のDNAの態様の一つである
哺乳動物(マウスなど)由来のCSRの遺伝子情報をも
とに、それらの遺伝子を破壊(不活性化)することによ
りモデル動物を作成することが可能である。このモデル
動物の物理学的、生物学的、病理学的及び遺伝子的特徴
を分析することにより、本発明に係る遺伝子及びタンパ
クの機能を解明することが可能となる。さらに、そのよ
うにして内在性遺伝子が破壊された該モデル動物、本発
明のヒト由来のCSR遺伝子を導入することにより、本
発明のヒト由来遺伝子のみを有するモデル動物を作成す
ることが可能である。このモデル動物に、該導入された
ヒト遺伝子をターゲットとした薬剤(化合物、抗体等)
を投与することにより、その薬剤の治療学的効果を評価
することが可能となる。
哺乳動物(マウスなど)由来のCSRの遺伝子情報をも
とに、それらの遺伝子を破壊(不活性化)することによ
りモデル動物を作成することが可能である。このモデル
動物の物理学的、生物学的、病理学的及び遺伝子的特徴
を分析することにより、本発明に係る遺伝子及びタンパ
クの機能を解明することが可能となる。さらに、そのよ
うにして内在性遺伝子が破壊された該モデル動物、本発
明のヒト由来のCSR遺伝子を導入することにより、本
発明のヒト由来遺伝子のみを有するモデル動物を作成す
ることが可能である。このモデル動物に、該導入された
ヒト遺伝子をターゲットとした薬剤(化合物、抗体等)
を投与することにより、その薬剤の治療学的効果を評価
することが可能となる。
【0021】本発明は、即ち、下記のDNA、タンパ
ク、発現ベクター、形質転換体、抗体医薬組成物、及び
細胞を初めて提供するものである。 (1) 配列番号10に記載されるアミノ酸配列を有す
るタンパクをコードするDNA及びその断片。 (2) 配列番号12に記載されるアミノ酸配列を有す
るタンパクをコードするDNA及びその断片。 (3) 配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含む
タンパクをコードするDNA及びその断片。 (4) 配列番号9に記載される塩基配列の塩基番号2
76乃至2096の塩基配列を有するDNA及びその断
片。
ク、発現ベクター、形質転換体、抗体医薬組成物、及び
細胞を初めて提供するものである。 (1) 配列番号10に記載されるアミノ酸配列を有す
るタンパクをコードするDNA及びその断片。 (2) 配列番号12に記載されるアミノ酸配列を有す
るタンパクをコードするDNA及びその断片。 (3) 配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含む
タンパクをコードするDNA及びその断片。 (4) 配列番号9に記載される塩基配列の塩基番号2
76乃至2096の塩基配列を有するDNA及びその断
片。
【0022】(5) 配列番号11に記載される塩基配
列の塩基番号276乃至1676の塩基配列を有するD
NA及びその断片。 (6) 配列番号13に記載される塩基配列の塩基番号
364乃至1971の塩基配列を含むDNA及びその断
片。 (7) 配列番号9、11または13のいずれかに記載
される塩基配列を有するDNAにストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNA。 (8) 配列番号10に記載されるアミノ酸配列若しく
は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有す
るタンパク並びにそれらの断片。
列の塩基番号276乃至1676の塩基配列を有するD
NA及びその断片。 (6) 配列番号13に記載される塩基配列の塩基番号
364乃至1971の塩基配列を含むDNA及びその断
片。 (7) 配列番号9、11または13のいずれかに記載
される塩基配列を有するDNAにストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNA。 (8) 配列番号10に記載されるアミノ酸配列若しく
は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有す
るタンパク並びにそれらの断片。
【0023】(9) 配列番号12に記載されるアミノ
酸配列若しくは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を有するタンパク並びにそれらの断片。 (10) 配列番号14に記載されるアミノ酸配列若し
くは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
むタンパク並びにそれらの断片。 (11) 前記(1)乃至(7)記載のDNAを含む発
現ベクター。 (12) 前記(11)記載の発現ベクターで形質転換
された形質転換細胞。
酸配列若しくは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を有するタンパク並びにそれらの断片。 (10) 配列番号14に記載されるアミノ酸配列若し
くは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
むタンパク並びにそれらの断片。 (11) 前記(1)乃至(7)記載のDNAを含む発
現ベクター。 (12) 前記(11)記載の発現ベクターで形質転換
された形質転換細胞。
【0024】(13) 前記(8)乃至(10)記載の
タンパクまたはその断片に反応性を有する抗体または該
抗体の一部。 (14) 該抗体が、モノクローナル抗体であることを
特徴とする前記(13)記載の抗体または該抗体の一
部。 (15) 前記(13)または(14)記載の抗体若し
くは該抗体の一部及び薬学的に許容され得る担体を含ん
でなる医薬組成物。 (16) 前記(8)乃至前記(10)のいずれかに記
載のタンパクまたはその断片に反応性を有するモノクロ
ーナル抗体を産生する細胞。 (17) 該細胞が、モノクローナル抗体を産生する能
力を有する非ヒト哺乳動物由来のB細胞と哺乳動物由来
のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞である
ことを特徴とする前記(16)に記載の細胞。 (18) 該細胞が、該モノクローナル抗体の重鎖をコ
ードするDNA若しくはその軽鎖をコードするDNAの
いずれか一方のDNA、または両方のDNAが細胞内に
導入されることにより形質転換された遺伝子組換え細胞
であることを特徴とする前記(16)に記載の細胞。
タンパクまたはその断片に反応性を有する抗体または該
抗体の一部。 (14) 該抗体が、モノクローナル抗体であることを
特徴とする前記(13)記載の抗体または該抗体の一
部。 (15) 前記(13)または(14)記載の抗体若し
くは該抗体の一部及び薬学的に許容され得る担体を含ん
でなる医薬組成物。 (16) 前記(8)乃至前記(10)のいずれかに記
載のタンパクまたはその断片に反応性を有するモノクロ
ーナル抗体を産生する細胞。 (17) 該細胞が、モノクローナル抗体を産生する能
力を有する非ヒト哺乳動物由来のB細胞と哺乳動物由来
のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞である
ことを特徴とする前記(16)に記載の細胞。 (18) 該細胞が、該モノクローナル抗体の重鎖をコ
ードするDNA若しくはその軽鎖をコードするDNAの
いずれか一方のDNA、または両方のDNAが細胞内に
導入されることにより形質転換された遺伝子組換え細胞
であることを特徴とする前記(16)に記載の細胞。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明で用いる語句の意
味、並びに本発明のタンパク、DNA、抗体及び細胞の
一般的製造方法を明らかにすることにより、本発明を詳
細に説明する。本発明の「タンパクまたはその断片」と
は、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ラッ
ト、ハムスター、モルモット、及びマウスなどの哺乳動
物由来のタンパク及びその断片(フラグメント)であ
り、好ましくはヒト、ウサギ、ラットまたはマウス由来
のタンパク若しくはその断片であり、特に好ましくはヒ
ト由来のタンパク及びその断片(フラグメント)であ
る。
味、並びに本発明のタンパク、DNA、抗体及び細胞の
一般的製造方法を明らかにすることにより、本発明を詳
細に説明する。本発明の「タンパクまたはその断片」と
は、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ラッ
ト、ハムスター、モルモット、及びマウスなどの哺乳動
物由来のタンパク及びその断片(フラグメント)であ
り、好ましくはヒト、ウサギ、ラットまたはマウス由来
のタンパク若しくはその断片であり、特に好ましくはヒ
ト由来のタンパク及びその断片(フラグメント)であ
る。
【0026】特に好ましい態様としては、(1)配列番
号10に記載されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク及びそ
の断片、(2)配列番号12に記載されるアミノ酸配列
または該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列有
するタンパク及びその断片、及び(3)配列番号14に
記載されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含むタンパク及びその断片を挙
げることができる。
号10に記載されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク及びそ
の断片、(2)配列番号12に記載されるアミノ酸配列
または該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列有
するタンパク及びその断片、及び(3)配列番号14に
記載されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含むタンパク及びその断片を挙
げることができる。
【0027】ここで「実質的に同一のアミノ酸配列を有
する」とは、配列番号10、12または14に示される
アミノ酸配列を含むタンパクと実質的に同等の生物学的
性質を有する限り、該アミノ酸配列中の複数個のアミノ
酸、好ましくは1乃至10個のアミノ酸、特に好ましく
は1乃至5個のアミノ酸が置換、欠失及び/または修飾
されているアミノ酸配列を有するタンパク、並びに該ア
ミノ酸配列に、複数個のアミノ酸、好ましくは1乃至1
0個のアミノ酸、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸
が付加されたアミノ酸配列を有するタンパクをも包含す
ることを意味する。
する」とは、配列番号10、12または14に示される
アミノ酸配列を含むタンパクと実質的に同等の生物学的
性質を有する限り、該アミノ酸配列中の複数個のアミノ
酸、好ましくは1乃至10個のアミノ酸、特に好ましく
は1乃至5個のアミノ酸が置換、欠失及び/または修飾
されているアミノ酸配列を有するタンパク、並びに該ア
ミノ酸配列に、複数個のアミノ酸、好ましくは1乃至1
0個のアミノ酸、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸
が付加されたアミノ酸配列を有するタンパクをも包含す
ることを意味する。
【0028】また「タンパクの断片」とは、上述した本
発明のCSRタンパクが有するアミノ酸配列中の任意の
部分配列(フラグメント)を意味し、例えば、その細胞
外領域(extracellular region)、膜貫通領域(transm
embrane region)あるいは細胞内領域(cytoplasmic re
gion)といった各ドメイン、あるいは該各領域が他のタ
ンパク分子や低分子リガンドと結合(相互作用)する部
位等を挙げることができる。さらには、該細胞外領域と
他の分子(例えば、ヒト免疫グロブリンの重鎖の定常領
域(Fc、constant region)またはその一部との融合
タンパクも本発明のタンパクの断片の範囲に包含され
る。
発明のCSRタンパクが有するアミノ酸配列中の任意の
部分配列(フラグメント)を意味し、例えば、その細胞
外領域(extracellular region)、膜貫通領域(transm
embrane region)あるいは細胞内領域(cytoplasmic re
gion)といった各ドメイン、あるいは該各領域が他のタ
ンパク分子や低分子リガンドと結合(相互作用)する部
位等を挙げることができる。さらには、該細胞外領域と
他の分子(例えば、ヒト免疫グロブリンの重鎖の定常領
域(Fc、constant region)またはその一部との融合
タンパクも本発明のタンパクの断片の範囲に包含され
る。
【0029】ここで「細胞外領域」とは以下のような意
味を有するものである。即ち、本発明のCSRタンパ
ク、種々のG蛋白質共役型受容体あるいは細胞膜表面分
子のような細胞膜貫性通タンパクは、膜の脂質二重層を
1回または数回貫通する疎水性ペプチド領域により膜と
連結し、全体として細胞外領域(extracellular regio
n)、膜貫通領域(transmembrane region)及び細胞質領域
(cytoplasmic region)の3つの主領域から構成される構
造をとっている。さらにそのような膜貫通性タンパク
は、モノマ−(monomer)として、または、同一のアミノ
酸配列を有するもう1本の鎖あるいは異なるアミノ酸配
列を有する鎖とともにそれぞれホモダイマ−(homodime
r) 、ヘテロダイマ−(heterodimer) あるいはオリゴマ
−(origomer)を形成して存在する。
味を有するものである。即ち、本発明のCSRタンパ
ク、種々のG蛋白質共役型受容体あるいは細胞膜表面分
子のような細胞膜貫性通タンパクは、膜の脂質二重層を
1回または数回貫通する疎水性ペプチド領域により膜と
連結し、全体として細胞外領域(extracellular regio
n)、膜貫通領域(transmembrane region)及び細胞質領域
(cytoplasmic region)の3つの主領域から構成される構
造をとっている。さらにそのような膜貫通性タンパク
は、モノマ−(monomer)として、または、同一のアミノ
酸配列を有するもう1本の鎖あるいは異なるアミノ酸配
列を有する鎖とともにそれぞれホモダイマ−(homodime
r) 、ヘテロダイマ−(heterodimer) あるいはオリゴマ
−(origomer)を形成して存在する。
【0030】本発明において用いられる「細胞外領域」
とは、前述のような膜貫通性タンパクの全体構造のう
ち、該膜タンパクが保持されている膜の外界側に存在す
る部分構造(部分配列)を意味し、換言すれば、膜内に
取り込まれている領域(膜貫通領域)及び該膜内の領域
に引き続いて細胞質内に存在する領域(細胞内領域)以
外の領域が細胞外領域に該当する。また、本発明におけ
る細胞外領域は、所望応じそのN末端及び/またはC末
端に、膜貫通領域及び/または細胞内を構成するアミノ
酸配列に由来する1乃至5のアミノ酸が付加されていて
もよい。
とは、前述のような膜貫通性タンパクの全体構造のう
ち、該膜タンパクが保持されている膜の外界側に存在す
る部分構造(部分配列)を意味し、換言すれば、膜内に
取り込まれている領域(膜貫通領域)及び該膜内の領域
に引き続いて細胞質内に存在する領域(細胞内領域)以
外の領域が細胞外領域に該当する。また、本発明におけ
る細胞外領域は、所望応じそのN末端及び/またはC末
端に、膜貫通領域及び/または細胞内を構成するアミノ
酸配列に由来する1乃至5のアミノ酸が付加されていて
もよい。
【0031】また、「ヒトの免疫グロブリンの重鎖の定
常領域またはその一部」とは、ヒト由来の免疫グロブリ
ンの重鎖(Heavy Chain,H鎖)の 定常領域(Constant
region)、Fc領域またはそれらの一部を意味する。
該免 疫グロブリンは、どのようなクラス及びサブクラ
スに属する免疫グロブリンであってもよく、具体的に
は、IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG
4)、IgM、IgA(IgA1及びIgA2)、Ig
D及びIgEを挙げることができる。好ましくは、Ig
G(IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)
またはIgMである。本発明における特に好ましい例と
しては、ヒト由来のIgG(IgG1、IgG2、Ig
G3若しくはIgG4)に属する免疫グロブリンであ
る。
常領域またはその一部」とは、ヒト由来の免疫グロブリ
ンの重鎖(Heavy Chain,H鎖)の 定常領域(Constant
region)、Fc領域またはそれらの一部を意味する。
該免 疫グロブリンは、どのようなクラス及びサブクラ
スに属する免疫グロブリンであってもよく、具体的に
は、IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG
4)、IgM、IgA(IgA1及びIgA2)、Ig
D及びIgEを挙げることができる。好ましくは、Ig
G(IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)
またはIgMである。本発明における特に好ましい例と
しては、ヒト由来のIgG(IgG1、IgG2、Ig
G3若しくはIgG4)に属する免疫グロブリンであ
る。
【0032】免疫グロブリンは、2つの相同な軽鎖(Li
ght Chain,L鎖)と2つの相同な重鎖(Heavy Chai
n,H鎖)の4つの鎖が、 ジスルフィド結合(S−S結
合)で結合したY字形の構造単位を有する。軽鎖は、軽
鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(CL)から構成さ
れる。重鎖は、重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域
(CH)から構成される。重鎖定常領域は、クラス(I
gG、IgM、IgA、IgD及びIgE)並びにサブ
クラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、I
gA1及びIgA2)毎に各々固有のアミノ酸配列を有
するいくつかのドメインから構成される。
ght Chain,L鎖)と2つの相同な重鎖(Heavy Chai
n,H鎖)の4つの鎖が、 ジスルフィド結合(S−S結
合)で結合したY字形の構造単位を有する。軽鎖は、軽
鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(CL)から構成さ
れる。重鎖は、重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域
(CH)から構成される。重鎖定常領域は、クラス(I
gG、IgM、IgA、IgD及びIgE)並びにサブ
クラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、I
gA1及びIgA2)毎に各々固有のアミノ酸配列を有
するいくつかのドメインから構成される。
【0033】IgG(IgG1、IgG2、IgG3及
びIgG4)の重鎖は、N末端から順に、VH、CH1ド
メイン、ヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメイン
から構成される。同様にIgG1の重鎖は、N末端から
順に、VH、Cγ11ドメイン、ヒンジ領域、Cγ12ド
メイン及びCγ13ドメインから構成される。IgG2
の重鎖は、N末端から順に、VH、Cγ21ドメイン、ヒ
ンジ領域、Cγ22ドメイン及びCγ23ドメインから構
成される。IgG3の重鎖は、N末端から順に、VH、
Cγ31ドメイン、ヒンジ領域、Cγ32ドメイン及びC
γ33ドメインから構成される。IgG4の重鎖は、N
末端から順に、VH、Cγ41ドメイン、ヒンジ領域、C
γ42ドメイン及びCγ43ドメインから構成される。
びIgG4)の重鎖は、N末端から順に、VH、CH1ド
メイン、ヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメイン
から構成される。同様にIgG1の重鎖は、N末端から
順に、VH、Cγ11ドメイン、ヒンジ領域、Cγ12ド
メイン及びCγ13ドメインから構成される。IgG2
の重鎖は、N末端から順に、VH、Cγ21ドメイン、ヒ
ンジ領域、Cγ22ドメイン及びCγ23ドメインから構
成される。IgG3の重鎖は、N末端から順に、VH、
Cγ31ドメイン、ヒンジ領域、Cγ32ドメイン及びC
γ33ドメインから構成される。IgG4の重鎖は、N
末端から順に、VH、Cγ41ドメイン、ヒンジ領域、C
γ42ドメイン及びCγ43ドメインから構成される。
【0034】IgAの重鎖は、N末端から順に、VH、
Cα1ドメイン、ヒンジ領域、Cα2ドメイン及びCα
3ドメインから構成される。同様にIgA1の重鎖は、
N末端から順に、VH、Cα11ドメイン、ヒンジ領域、
Cα12ドメイン及びCα13ドメインから構成される。
IgA2の重鎖は、N末端から順に、VH、Cα21ドメ
イン、ヒンジ領域、Cα22ドメイン及びCα23ドメイ
ンから構成される。IgDの重鎖は、N末端から順に、
VH、Cδ1ドメイン、ヒンジ領域、Cδ2ドメイン及
びCδ3ドメインから構成される。IgMの重鎖は、N
末端から順に、VH、Cμ1ドメイン、Cμ2ドメイ
ン、Cμ3ドメイン及びCμ4ドメインから構成され、
IgG、IgA及びIgDに見られるようなヒンジ領域
を有しない。IgEの重鎖は、N末端から順に、VH、
Cε1ドメイン、Cε2ドメイン、Cε3ドメイン及び
Cε4ドメインから構成され、IgG、IgA及びIg
Dに見られるようなヒンジ領域を有しない。
Cα1ドメイン、ヒンジ領域、Cα2ドメイン及びCα
3ドメインから構成される。同様にIgA1の重鎖は、
N末端から順に、VH、Cα11ドメイン、ヒンジ領域、
Cα12ドメイン及びCα13ドメインから構成される。
IgA2の重鎖は、N末端から順に、VH、Cα21ドメ
イン、ヒンジ領域、Cα22ドメイン及びCα23ドメイ
ンから構成される。IgDの重鎖は、N末端から順に、
VH、Cδ1ドメイン、ヒンジ領域、Cδ2ドメイン及
びCδ3ドメインから構成される。IgMの重鎖は、N
末端から順に、VH、Cμ1ドメイン、Cμ2ドメイ
ン、Cμ3ドメイン及びCμ4ドメインから構成され、
IgG、IgA及びIgDに見られるようなヒンジ領域
を有しない。IgEの重鎖は、N末端から順に、VH、
Cε1ドメイン、Cε2ドメイン、Cε3ドメイン及び
Cε4ドメインから構成され、IgG、IgA及びIg
Dに見られるようなヒンジ領域を有しない。
【0035】さらに、IgGを例に挙げるならば、Ig
Gをパパインで処理すると、2つの重鎖を連結させてい
るヒンジ領域中に存在するジスルフィド結合のややN末
端側で切断されて、VH及びCH1からなる重鎖断片と1
つの軽鎖がジスルフィド結合で連結した2つの相同なF
ab、並びにヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメ
インからなる2つの相同な重鎖断片がジスルフィド結合
で連結した1つのFcを生ずる(以上、「免疫学イラス
トレイテッド」、原書第2版、第65〜75頁、1992
年、南江堂発行、及び「最新医科学の焦点「免疫系の認
識機構」」、第4〜7頁、1991年、南江堂発行など参
照)。
Gをパパインで処理すると、2つの重鎖を連結させてい
るヒンジ領域中に存在するジスルフィド結合のややN末
端側で切断されて、VH及びCH1からなる重鎖断片と1
つの軽鎖がジスルフィド結合で連結した2つの相同なF
ab、並びにヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメ
インからなる2つの相同な重鎖断片がジスルフィド結合
で連結した1つのFcを生ずる(以上、「免疫学イラス
トレイテッド」、原書第2版、第65〜75頁、1992
年、南江堂発行、及び「最新医科学の焦点「免疫系の認
識機構」」、第4〜7頁、1991年、南江堂発行など参
照)。
【0036】即ち、本発明における「免疫グロブリンの
重鎖の定常領域の一部」とは、上述のような構造的特徴
を有する免疫グロブリンの重鎖の定常領域の一部を意味
し、好ましくは、C1ドメインを欠く定常領域またはF
c領域である。具体的には、IgG、IgAまたはIg
Dの場合には、各々のヒンジ領域、C2ドメイン及びC
3ドメインからなる領域が挙げられ、IgMまたはIg
Eの場合には、各々のC2ドメイン、C3ドメイン及び
C4ドメインからなる領域が挙げられる。とりわけ好ま
しい例としては、ヒト由来のIgG1のFc領域を挙げ
ることができる。
重鎖の定常領域の一部」とは、上述のような構造的特徴
を有する免疫グロブリンの重鎖の定常領域の一部を意味
し、好ましくは、C1ドメインを欠く定常領域またはF
c領域である。具体的には、IgG、IgAまたはIg
Dの場合には、各々のヒンジ領域、C2ドメイン及びC
3ドメインからなる領域が挙げられ、IgMまたはIg
Eの場合には、各々のC2ドメイン、C3ドメイン及び
C4ドメインからなる領域が挙げられる。とりわけ好ま
しい例としては、ヒト由来のIgG1のFc領域を挙げ
ることができる。
【0037】本発明の「タンパクの断片」に包含される
融合タンパクの好適な例としては、前記の定義されると
おりの本発明のタンパクの細胞外領域と該「ヒトの免疫
グロブリンの重鎖の定常領域または定常領域の一部」と
からなる融合ポリペプチドを挙げることができる。好ま
しくは本発明のタンパクの細胞外領域とヒトIgGの重
鎖の定常領域の一部との融合ポリペプチドであり、特に
好ましくは本発明のタンパクの細胞外領域とヒトIgG
の重鎖のヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメイン
からなる領域(Fc)との融合ポリペプチドである。な
お、IgGとしては、IgG1が好ましい。また、本発
明のタンパクとしては、ヒト、マウスまたはラット(好
ましくはヒト)に由来するタンパクが好ましい。
融合タンパクの好適な例としては、前記の定義されると
おりの本発明のタンパクの細胞外領域と該「ヒトの免疫
グロブリンの重鎖の定常領域または定常領域の一部」と
からなる融合ポリペプチドを挙げることができる。好ま
しくは本発明のタンパクの細胞外領域とヒトIgGの重
鎖の定常領域の一部との融合ポリペプチドであり、特に
好ましくは本発明のタンパクの細胞外領域とヒトIgG
の重鎖のヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメイン
からなる領域(Fc)との融合ポリペプチドである。な
お、IgGとしては、IgG1が好ましい。また、本発
明のタンパクとしては、ヒト、マウスまたはラット(好
ましくはヒト)に由来するタンパクが好ましい。
【0038】本願明細書または図面においてアミノ酸を
表記するために用いられるアルファベットの三文字ある
いは一文字は、各々次に示すアミノ酸を意味する。(Gl
y/G)グリシン、(Ala/A)アラニン、(Val/V)バリ
ン、(Leu/L)ロイシン、(Ile/I)イソロイシン、
(Ser/S)セリン、(Thr/T)スレオニン、(Asp/D)
アスパラギン酸、(Glu/E)グルタミン酸、(Asn/N)
アスパラギン、(Glu/Q)グルタミン、(Lys/K)リジ
ン、(Arg/R)アルギニン、(Cys/C)システイン、
(Met/M)メチオニン、(Phe/F)フェニルアラニン、
(Tyr/Y)チロシン、(Trp/W)トリプトファン、(Hi
s/H)ヒスチジン、(Pro/P)プロリン。
表記するために用いられるアルファベットの三文字ある
いは一文字は、各々次に示すアミノ酸を意味する。(Gl
y/G)グリシン、(Ala/A)アラニン、(Val/V)バリ
ン、(Leu/L)ロイシン、(Ile/I)イソロイシン、
(Ser/S)セリン、(Thr/T)スレオニン、(Asp/D)
アスパラギン酸、(Glu/E)グルタミン酸、(Asn/N)
アスパラギン、(Glu/Q)グルタミン、(Lys/K)リジ
ン、(Arg/R)アルギニン、(Cys/C)システイン、
(Met/M)メチオニン、(Phe/F)フェニルアラニン、
(Tyr/Y)チロシン、(Trp/W)トリプトファン、(Hi
s/H)ヒスチジン、(Pro/P)プロリン。
【0039】本発明のタンパク、タンパクフラグメント
及び融合タンパクは、後述するような遺伝子組換え技術
のほか、化学的合成法、細胞培養方法等のような当該技
術的分野において知られる公知の方法あるいはその修飾
方法を適宜用いることにより製造することができる。ま
た、上述した本発明の融合タンパクは、前述のようなI
gG等の免疫グロリンの定常領域の一部(例えば、F
c)を融合パートナーとして有することから、該免疫グ
ロブリン断片に特異的に結合するというプロテインAの
性質を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィー
を用いることにより該融合タンパクを極めて容易に精製
することが可能であるという点で利点を有する。さら
に、種々の免疫グロブリンのFcに対する種々の抗体が
提供されていることから、該Fcに対する抗体を用い
て、該融合ポリペプチドのイムノアッセイを簡便に行う
ことができる。
及び融合タンパクは、後述するような遺伝子組換え技術
のほか、化学的合成法、細胞培養方法等のような当該技
術的分野において知られる公知の方法あるいはその修飾
方法を適宜用いることにより製造することができる。ま
た、上述した本発明の融合タンパクは、前述のようなI
gG等の免疫グロリンの定常領域の一部(例えば、F
c)を融合パートナーとして有することから、該免疫グ
ロブリン断片に特異的に結合するというプロテインAの
性質を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィー
を用いることにより該融合タンパクを極めて容易に精製
することが可能であるという点で利点を有する。さら
に、種々の免疫グロブリンのFcに対する種々の抗体が
提供されていることから、該Fcに対する抗体を用い
て、該融合ポリペプチドのイムノアッセイを簡便に行う
ことができる。
【0040】本発明のDNAは、前述の本発明のタンパ
クまたはその断片をコードするDNAであって、本発明
のタンパクをコードし得るいかなる塩基配列をも包含
し、ゲノミックDNAまたはcDNAのいずれをも包含
する。また、該DNAは、同一のアミノ酸をコードする
コドンであればどのようなコドンから構成されるDNA
を含む。また、本発明においては、同一のアミノ酸をコ
ードするコドンであればどのようなコドンから構成され
るDNAを含む。また、本発明におけるDNAの好まし
い態様としては、ヒト由来のタンパクをコードするDN
Aを挙げることができる。
クまたはその断片をコードするDNAであって、本発明
のタンパクをコードし得るいかなる塩基配列をも包含
し、ゲノミックDNAまたはcDNAのいずれをも包含
する。また、該DNAは、同一のアミノ酸をコードする
コドンであればどのようなコドンから構成されるDNA
を含む。また、本発明においては、同一のアミノ酸をコ
ードするコドンであればどのようなコドンから構成され
るDNAを含む。また、本発明におけるDNAの好まし
い態様としては、ヒト由来のタンパクをコードするDN
Aを挙げることができる。
【0041】具体的な態様としては、下記が挙げられ
る。 (1)配列番号10、12または14で示されるアミノ
酸配列を含むタンパクあるいは断片のアミノ酸配列中に
複数個のアミノ酸、好ましくは1乃至10個のアミノ
酸、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸を置換、欠失
及び/または修飾するか、若しくは該アミノ酸配列に複
数個のアミノ酸、好ましくは1乃至10個のアミノ酸、
特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸を挿入することに
よって得られる生物学的同等物をコードするDNAであ
る。 (2)配列番号9、配列番号11または配列番号13の
いずれかに記載される塩基配列を有するDNAまたはそ
の断片にハイブリダイズするDNA。
る。 (1)配列番号10、12または14で示されるアミノ
酸配列を含むタンパクあるいは断片のアミノ酸配列中に
複数個のアミノ酸、好ましくは1乃至10個のアミノ
酸、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸を置換、欠失
及び/または修飾するか、若しくは該アミノ酸配列に複
数個のアミノ酸、好ましくは1乃至10個のアミノ酸、
特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸を挿入することに
よって得られる生物学的同等物をコードするDNAであ
る。 (2)配列番号9、配列番号11または配列番号13の
いずれかに記載される塩基配列を有するDNAまたはそ
の断片にハイブリダイズするDNA。
【0042】より具体的には、下記のようなDNAが挙
げられる。 (1)配列番号9に記載される塩基配列の塩基番号27
6乃至2096の塩基配列を有するDNA及びその断
片。 (2)配列番号11に記載される塩基配列の塩基番号2
76乃至1676の塩基配列を有するDNA及びその断
片。 (3)配列番号13に記載される塩基配列の塩基番号3
64乃至1971の塩基配列を含むDNA及びその断
片。
げられる。 (1)配列番号9に記載される塩基配列の塩基番号27
6乃至2096の塩基配列を有するDNA及びその断
片。 (2)配列番号11に記載される塩基配列の塩基番号2
76乃至1676の塩基配列を有するDNA及びその断
片。 (3)配列番号13に記載される塩基配列の塩基番号3
64乃至1971の塩基配列を含むDNA及びその断
片。
【0043】ここで「ストリンジェントな条件下」とし
ては、例えば、次のような条件を挙げることができる。
例えば、50塩基以上のプローブを用い、0.9%NaCl下
でハイブリダイゼーションを行う場合には、、50%の解
離を生ずる温度(Tm)の目安を下記計算式から求め、
ハイブリダイゼーションの温度を下記計算式のように設
定することができる。 Tm=82.3℃+0.41×(G+C)%−500/n−0.61×(フ
ォルムアミド)%(nはプローブの塩基数を示す。) 温度=Tm−25℃ また、100塩基以上のプローブ(G+C=40〜50%の場合)を
用いる場合には、Tmが下記(1)及び(2)のように
変化することを目安する。 (1)1%ミスマッチ毎に、Tmが約1℃下がる。 (2)フォルムアミド1%毎に、Tmが0.6〜0.7℃下が
る。 従って、完全相補鎖の組み合わせの場合の温度条件は下
記のようにすることができる。 (A)65〜75℃(フォルムアミド無添加) (B)35〜45℃(50%フォルムアミド存在下) また、不完全相補鎖の組み合わせの場合の温度条件は下
記のようにすることができる。 (A)45〜55℃(フォルムアミド無添加) (B)35〜42℃(30%フォルムアミド存在下) また、23塩基以下のプローブを用いる場合の温度条件
は、37℃とすることもできるし、また下記計算式を目
安とすることもできる。 温度=2℃×(A+Tの数)+4℃×(C+Gの数)−5℃
ては、例えば、次のような条件を挙げることができる。
例えば、50塩基以上のプローブを用い、0.9%NaCl下
でハイブリダイゼーションを行う場合には、、50%の解
離を生ずる温度(Tm)の目安を下記計算式から求め、
ハイブリダイゼーションの温度を下記計算式のように設
定することができる。 Tm=82.3℃+0.41×(G+C)%−500/n−0.61×(フ
ォルムアミド)%(nはプローブの塩基数を示す。) 温度=Tm−25℃ また、100塩基以上のプローブ(G+C=40〜50%の場合)を
用いる場合には、Tmが下記(1)及び(2)のように
変化することを目安する。 (1)1%ミスマッチ毎に、Tmが約1℃下がる。 (2)フォルムアミド1%毎に、Tmが0.6〜0.7℃下が
る。 従って、完全相補鎖の組み合わせの場合の温度条件は下
記のようにすることができる。 (A)65〜75℃(フォルムアミド無添加) (B)35〜45℃(50%フォルムアミド存在下) また、不完全相補鎖の組み合わせの場合の温度条件は下
記のようにすることができる。 (A)45〜55℃(フォルムアミド無添加) (B)35〜42℃(30%フォルムアミド存在下) また、23塩基以下のプローブを用いる場合の温度条件
は、37℃とすることもできるし、また下記計算式を目
安とすることもできる。 温度=2℃×(A+Tの数)+4℃×(C+Gの数)−5℃
【0044】また、本発明のDNAは、いかなる方法で
得られるものであってもよい。例えばmRNAから調製
される相補DNA(cDNA)、ゲノムDNAから調製
されるDNA、化学合成によって得られるDNA、RN
AまたはDNAを鋳型としてPCR法で増幅させて得ら
れるDNAおよびこれらの方法を適当に組み合わせて構
築されるDNAをも全て包含するものである。本発明の
タンパクをコードするDNAは、常法に従って本発明の
タンパクのmRNAからcDNAをクローン化する方
法、ゲノムDNAを単離してスプライシング処理する方
法、化学合成する方法等により取得することができる。
得られるものであってもよい。例えばmRNAから調製
される相補DNA(cDNA)、ゲノムDNAから調製
されるDNA、化学合成によって得られるDNA、RN
AまたはDNAを鋳型としてPCR法で増幅させて得ら
れるDNAおよびこれらの方法を適当に組み合わせて構
築されるDNAをも全て包含するものである。本発明の
タンパクをコードするDNAは、常法に従って本発明の
タンパクのmRNAからcDNAをクローン化する方
法、ゲノムDNAを単離してスプライシング処理する方
法、化学合成する方法等により取得することができる。
【0045】(1) 例えば、本発明のタンパクのmR
NAからcDNAをクローン化する方法としては、以下
の方法が例示される。まず、本発明のタンパクを発現・
産生する前述のような組織あるいは細胞から該本発明の
タンパクをコードするmRNAを調製する。mRNAの
調製は、例えばグアニジンチオシアネート法(チャーグ
ウィン(Chirgwin)ら、バイオケミストリー(Biochemi
stry)、第18巻、第5294頁、1979年)、熱フ
ェノール法もしくはAGPC法等の公知の方法を用いて
調製した全RNAをオリゴ(dT)セルロースやポリU
−セファロース等によるアフィニティクロマトグラフィ
ーにかけることによって行うことができる。
NAからcDNAをクローン化する方法としては、以下
の方法が例示される。まず、本発明のタンパクを発現・
産生する前述のような組織あるいは細胞から該本発明の
タンパクをコードするmRNAを調製する。mRNAの
調製は、例えばグアニジンチオシアネート法(チャーグ
ウィン(Chirgwin)ら、バイオケミストリー(Biochemi
stry)、第18巻、第5294頁、1979年)、熱フ
ェノール法もしくはAGPC法等の公知の方法を用いて
調製した全RNAをオリゴ(dT)セルロースやポリU
−セファロース等によるアフィニティクロマトグラフィ
ーにかけることによって行うことができる。
【0046】次いで得られたmRNAを鋳型として、例
えば逆転写酵素を用いる等の公知の方法、例えばオカヤ
マらの方法(モレキュラーセルバイオロジー(Mol.Cel
l.Biol.)、第2巻、第161頁、1982年及び同誌
第3巻、第280頁、1983年)やホフマン(Hoffma
n)らの方法(ジーン(Gene)、第25巻、第263
頁、1983年)等によりcDNA鎖を合成し、cDN
Aの二本鎖cDNAへの変換を行う。このcDNAをプ
ラスミドベクター、ファージベクターまたはコスミドベ
クターに組み込み、大腸菌を形質転換して、あるいはイ
ンビトロパッケージング後、大腸菌に形質移入(トラン
スフェクト)することによりcDNAライブラリーを作
製する。
えば逆転写酵素を用いる等の公知の方法、例えばオカヤ
マらの方法(モレキュラーセルバイオロジー(Mol.Cel
l.Biol.)、第2巻、第161頁、1982年及び同誌
第3巻、第280頁、1983年)やホフマン(Hoffma
n)らの方法(ジーン(Gene)、第25巻、第263
頁、1983年)等によりcDNA鎖を合成し、cDN
Aの二本鎖cDNAへの変換を行う。このcDNAをプ
ラスミドベクター、ファージベクターまたはコスミドベ
クターに組み込み、大腸菌を形質転換して、あるいはイ
ンビトロパッケージング後、大腸菌に形質移入(トラン
スフェクト)することによりcDNAライブラリーを作
製する。
【0047】ここで用いられるプラスミドベクターとし
ては、宿主内で複製保持されるものであれば特に制限さ
れず、また用いられるファージベクターとしても宿主内
で増殖できるものであれば良い。常法的に用いられるク
ローニング用ベクターとしてpUC19、λgt10、
λgt11等が例示される。ただし、後述の免疫学的ス
クリーニングに供する場合は、宿主内で本発明のタンパ
クをコードする遺伝子を発現させうるプロモーターを有
したベクターであることが好ましい。
ては、宿主内で複製保持されるものであれば特に制限さ
れず、また用いられるファージベクターとしても宿主内
で増殖できるものであれば良い。常法的に用いられるク
ローニング用ベクターとしてpUC19、λgt10、
λgt11等が例示される。ただし、後述の免疫学的ス
クリーニングに供する場合は、宿主内で本発明のタンパ
クをコードする遺伝子を発現させうるプロモーターを有
したベクターであることが好ましい。
【0048】プラスミドにcDNAを組み込む方法とし
ては、例えばマニアティス(Maniatis)らの方法(モレ
キュラークローニング、ア・ラボラトリー・マニュアル
(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second e
dition)、コールドスプリングハーバーラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratory)、第1.53頁、19
89年) に記載の方法などが挙げられる。また、ファ
ージベクターにcDNAを組み込む方法としては、ヒュ
ン(Hyunh) らの方法(DNAクローニング、プラクテ
ィカルアプローチ(DNA Cloning, a practical approac
h)、第1巻、第49頁、1985年)などが挙げられる。
簡便には、市販のクローニングキット(例えば、宝酒造
製等)を用いることもできる。このようにして得られる
組換えプラスミドやファージベクターは、原核細胞(例
えば、E.coli:HB101、DH5αまたはMC
1061/P3等)等の適当な宿主に導入する。
ては、例えばマニアティス(Maniatis)らの方法(モレ
キュラークローニング、ア・ラボラトリー・マニュアル
(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second e
dition)、コールドスプリングハーバーラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratory)、第1.53頁、19
89年) に記載の方法などが挙げられる。また、ファ
ージベクターにcDNAを組み込む方法としては、ヒュ
ン(Hyunh) らの方法(DNAクローニング、プラクテ
ィカルアプローチ(DNA Cloning, a practical approac
h)、第1巻、第49頁、1985年)などが挙げられる。
簡便には、市販のクローニングキット(例えば、宝酒造
製等)を用いることもできる。このようにして得られる
組換えプラスミドやファージベクターは、原核細胞(例
えば、E.coli:HB101、DH5αまたはMC
1061/P3等)等の適当な宿主に導入する。
【0049】プラスミドを宿主に導入する方法として
は、(モレキュラークローニング、ア・ラボラトリー・
マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manua
l, second edition)、コールドスプリングハーバーラ
ボラトリー(Cold Spring HarborLaboratory)、第1.74
頁、1989年)に記載の塩化カルシウム法または塩化
カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーショ
ン法等が挙げられる。また、ファージベクターを宿主に
導入する方法としてはファージDNAをインビトロパッ
ケージングした後、増殖させた宿主に導入する方法等が
例示される。インビトロパッケージングは、市販のイン
ビトロパッケージングキット(例えば、ストラタジーン
製、アマシャム製等)を用いることによって簡便に行う
ことができる。
は、(モレキュラークローニング、ア・ラボラトリー・
マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manua
l, second edition)、コールドスプリングハーバーラ
ボラトリー(Cold Spring HarborLaboratory)、第1.74
頁、1989年)に記載の塩化カルシウム法または塩化
カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーショ
ン法等が挙げられる。また、ファージベクターを宿主に
導入する方法としてはファージDNAをインビトロパッ
ケージングした後、増殖させた宿主に導入する方法等が
例示される。インビトロパッケージングは、市販のイン
ビトロパッケージングキット(例えば、ストラタジーン
製、アマシャム製等)を用いることによって簡便に行う
ことができる。
【0050】上記の方法によって作製されたcDNAラ
イブラリーから、本発明のタンパクをコードするcDN
Aを単離する方法は、一般的なcDNAスクリーニング
法を組み合わせることによって行うことができる。例え
ば、別個に本発明のタンパクのアミノ酸配列に対応する
と考えられるオリゴヌクレオチドを化学合成したのち、
これを32Pでラベルしてプローブとなし、公知のコロニ
ーハイブリダイゼーション法(クランシュタイン(Crun
stein)ら、プロシーディングスオブナショナルアカデ
ミーオブサイエンス(Proc. Natl.Acid. Sci. USA)、
第72巻、第3961頁、1975年)またはプラーク
ハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning, A Lab
oratory Manual, second edition , Cold Spring Harbo
r Laboratory、第2.108 頁、1989年)により、目的
のcDNAを含有するクローンをスクリーニングする方
法、PCRプライマーを作製し本発明のタンパクの特定
領域をPCR法により増幅し、該領域をコードするDN
A断片を有するクローンを選択する方法等が挙げられ
る。
イブラリーから、本発明のタンパクをコードするcDN
Aを単離する方法は、一般的なcDNAスクリーニング
法を組み合わせることによって行うことができる。例え
ば、別個に本発明のタンパクのアミノ酸配列に対応する
と考えられるオリゴヌクレオチドを化学合成したのち、
これを32Pでラベルしてプローブとなし、公知のコロニ
ーハイブリダイゼーション法(クランシュタイン(Crun
stein)ら、プロシーディングスオブナショナルアカデ
ミーオブサイエンス(Proc. Natl.Acid. Sci. USA)、
第72巻、第3961頁、1975年)またはプラーク
ハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning, A Lab
oratory Manual, second edition , Cold Spring Harbo
r Laboratory、第2.108 頁、1989年)により、目的
のcDNAを含有するクローンをスクリーニングする方
法、PCRプライマーを作製し本発明のタンパクの特定
領域をPCR法により増幅し、該領域をコードするDN
A断片を有するクローンを選択する方法等が挙げられ
る。
【0051】また、cDNAを発現しうるベクター(例
えば、λgt11ファージベクター)を用いて作製した
cDNAライブラリーを用いる場合には、本発明のタン
パクに反応性を有する抗体を用いる抗原抗体反応を利用
して、目的のクローンを選択することができる。大量に
クローンを処理する場合には、PCR法を利用したスク
リーニング法を用いることが好ましい。この様にして得
られたDNAの塩基配列はマキサム・ギルバート法(マ
キサム(Maxam)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、第
74巻、第560頁、1977年)あるいはファージM
13を用いたジデオキシヌクレオチド合成鎖停止の方法
(サンガー(Sanger)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. US
A.、第74巻、第5463〜5467頁、1977年)
によって決定することができる。本発明のタンパクをコ
ードする遺伝子は、その全部または一部を上記のように
して得られるクローンから制限酵素等により切り出すこ
とにより取得できる。
えば、λgt11ファージベクター)を用いて作製した
cDNAライブラリーを用いる場合には、本発明のタン
パクに反応性を有する抗体を用いる抗原抗体反応を利用
して、目的のクローンを選択することができる。大量に
クローンを処理する場合には、PCR法を利用したスク
リーニング法を用いることが好ましい。この様にして得
られたDNAの塩基配列はマキサム・ギルバート法(マ
キサム(Maxam)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、第
74巻、第560頁、1977年)あるいはファージM
13を用いたジデオキシヌクレオチド合成鎖停止の方法
(サンガー(Sanger)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. US
A.、第74巻、第5463〜5467頁、1977年)
によって決定することができる。本発明のタンパクをコ
ードする遺伝子は、その全部または一部を上記のように
して得られるクローンから制限酵素等により切り出すこ
とにより取得できる。
【0052】(2)また、前述のような本発明のタンパ
クを発現する細胞に由来するゲノムDNAから本発明の
タンパクをコードするDNAを単離することによる調製
方法としては、例えば以下の方法が例示される。該細胞
を好ましくはSDSまたはプロテナーゼK等を用いて溶
解し、フェノールによる抽出を反復してDNAの脱蛋白
質を行う。RNAを好ましくはリボヌクレアーゼにより
消化する。得られるDNAを適当な制限酵素により部分
消化し、得られるDNA断片を適当なファージまたはコ
スミドで増幅しライブラリーを作成する。そして目的の
配列を有するクローンを、例えば放射性標識されたDN
Aプローブを用いる方法等により検出し、該クローンか
ら本発明のタンパクをコードする遺伝子の全部または一
部を制限酵素等により切り出し取得する。ヒト由来タン
パクをコードするcDNAを取得する場合には、さらに
ヒトゲノムDNA(染色体DNA)が導入されたコスミ
ドライスラリーを作製(「ラボマニュアルヒトゲノムマ
ッピング」、堀雅明及び中村祐輔 編、丸善 出版)
し、該コスミドライブラリーをスクリーニングすること
により、目的タンパクのコーディング領域のDNAを含
む陽性クローンを得、該陽性クローンから切り出したコ
ーディングDNAをプローブとして用い、前述のcDN
Aライブラリーをスクリーニングすることにより調製す
ることもできる。
クを発現する細胞に由来するゲノムDNAから本発明の
タンパクをコードするDNAを単離することによる調製
方法としては、例えば以下の方法が例示される。該細胞
を好ましくはSDSまたはプロテナーゼK等を用いて溶
解し、フェノールによる抽出を反復してDNAの脱蛋白
質を行う。RNAを好ましくはリボヌクレアーゼにより
消化する。得られるDNAを適当な制限酵素により部分
消化し、得られるDNA断片を適当なファージまたはコ
スミドで増幅しライブラリーを作成する。そして目的の
配列を有するクローンを、例えば放射性標識されたDN
Aプローブを用いる方法等により検出し、該クローンか
ら本発明のタンパクをコードする遺伝子の全部または一
部を制限酵素等により切り出し取得する。ヒト由来タン
パクをコードするcDNAを取得する場合には、さらに
ヒトゲノムDNA(染色体DNA)が導入されたコスミ
ドライスラリーを作製(「ラボマニュアルヒトゲノムマ
ッピング」、堀雅明及び中村祐輔 編、丸善 出版)
し、該コスミドライブラリーをスクリーニングすること
により、目的タンパクのコーディング領域のDNAを含
む陽性クローンを得、該陽性クローンから切り出したコ
ーディングDNAをプローブとして用い、前述のcDN
Aライブラリーをスクリーニングすることにより調製す
ることもできる。
【0053】(3) また、化学的合成による本発明の
DNAの製造は、配列番号9、11または13に記載さ
れる塩基配列をもとにして、常法に従って行うことがで
きる。 さらに本発明は、上述の本発明のタンパクをコ
ードするDNAを含有する組換えベクターに関する。本
発明の組換えベクターとしては、原核細胞及び/または
真核細胞の各種の宿主内で複製保持または自己増殖でき
るものであれば特に制限されず、プラスミドベクターお
よびファージベクターが包含される。
DNAの製造は、配列番号9、11または13に記載さ
れる塩基配列をもとにして、常法に従って行うことがで
きる。 さらに本発明は、上述の本発明のタンパクをコ
ードするDNAを含有する組換えベクターに関する。本
発明の組換えベクターとしては、原核細胞及び/または
真核細胞の各種の宿主内で複製保持または自己増殖でき
るものであれば特に制限されず、プラスミドベクターお
よびファージベクターが包含される。
【0054】当該組換えベクターは、簡便には当業界に
おいて入手可能な組換え用ベクター(プラスミドDNA
およびバクテリアファージDNA)に本発明のタンパク
をコードするDNAを常法により連結することによって
調製することができる。用いられる組換え用ベクターと
して具体的には、大腸菌由来のプラスミドとして例えば
pBR322、pBR325、pUC12、pUC13、pUC19など、酵母由来
プラスミドとして例えばpSH19、pSH15など、枯草菌由来
プラスミドとして例えばpUB110、pTP5、pC194などが例
示される。また、ファージとしては、λファージなどの
バクテリ オファージが、さらにレトロウイルス、ワク
シニヤウイルス、核多角体ウイルスなどの動物や昆虫の
ウイルス(pVL1393、インビトロゲン製)が例示され
る。
おいて入手可能な組換え用ベクター(プラスミドDNA
およびバクテリアファージDNA)に本発明のタンパク
をコードするDNAを常法により連結することによって
調製することができる。用いられる組換え用ベクターと
して具体的には、大腸菌由来のプラスミドとして例えば
pBR322、pBR325、pUC12、pUC13、pUC19など、酵母由来
プラスミドとして例えばpSH19、pSH15など、枯草菌由来
プラスミドとして例えばpUB110、pTP5、pC194などが例
示される。また、ファージとしては、λファージなどの
バクテリ オファージが、さらにレトロウイルス、ワク
シニヤウイルス、核多角体ウイルスなどの動物や昆虫の
ウイルス(pVL1393、インビトロゲン製)が例示され
る。
【0055】本発明のタンパクをコードするDNAを発
現させ本発明のタンパクを生産させる目的においては、
発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、原
核細胞および/または真核細胞の各種の宿主細胞中で本
発明のタンパクをコードする遺伝子を発現し、これら蛋
白質を生産する機能を有するものであれば特に制限され
ない。例えば、pMAL C2 、pEF-BOS(ヌクレイックアシ
ッドリサーチ(NucleicAcid Research)、第18巻、第
5322頁、1990年等)あるいはpME18S(実験医学
別冊「遺伝子工学ハンドブック」、1992年等)等を
挙げることができる。
現させ本発明のタンパクを生産させる目的においては、
発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、原
核細胞および/または真核細胞の各種の宿主細胞中で本
発明のタンパクをコードする遺伝子を発現し、これら蛋
白質を生産する機能を有するものであれば特に制限され
ない。例えば、pMAL C2 、pEF-BOS(ヌクレイックアシ
ッドリサーチ(NucleicAcid Research)、第18巻、第
5322頁、1990年等)あるいはpME18S(実験医学
別冊「遺伝子工学ハンドブック」、1992年等)等を
挙げることができる。
【0056】宿主細胞として細菌、特に大腸菌を用いる
場合、一般に発現ベクターは少なくともプロモーター−
オペレーター領域、開始コドン、本発明のタンパクをコ
ードするDNA、終止コドン、ターミネーター領域およ
び複製可能単位から構成される。宿主として酵母、動物
細胞または昆虫細胞を用いる場合、発現ベクターは少な
くともプロモーター、開始コドン、本発明のタンパクを
コードするDNA、終止コドンを含んでいることが好ま
しい。またシグナルペプチドをコードするDNA、エン
ハンサー配列、本発明のタンパクをコードする遺伝子の
5’側および3’側の非翻訳領域、スプライシング接合
部、ポリアデニレーション部位、選択マーカー領域また
は複製可能単位などを含んでいてもよい。また、目的に
応じて通常用いられる遺伝子増幅遺伝子(マーカー)を
含んでいてもよい。
場合、一般に発現ベクターは少なくともプロモーター−
オペレーター領域、開始コドン、本発明のタンパクをコ
ードするDNA、終止コドン、ターミネーター領域およ
び複製可能単位から構成される。宿主として酵母、動物
細胞または昆虫細胞を用いる場合、発現ベクターは少な
くともプロモーター、開始コドン、本発明のタンパクを
コードするDNA、終止コドンを含んでいることが好ま
しい。またシグナルペプチドをコードするDNA、エン
ハンサー配列、本発明のタンパクをコードする遺伝子の
5’側および3’側の非翻訳領域、スプライシング接合
部、ポリアデニレーション部位、選択マーカー領域また
は複製可能単位などを含んでいてもよい。また、目的に
応じて通常用いられる遺伝子増幅遺伝子(マーカー)を
含んでいてもよい。
【0057】細菌中で本発明のタンパクを発現させるた
めのプロモーター−オペレータ−領域は、プロモータ
ー、オペレーターおよび Shine-Dalgarno(SD) 配列(例
えば、AAGGなど)を含むものである。例えば宿主が
エシェリキア属菌の場合、好適にはTrpプロモータ
ー、lacプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーター、lppプロモーター、tacプロモー
ターなどを含むものが例示される。酵母中で本発明のタ
ンパクを発現させるためのプロモーターとしては、PH
05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモ
ーター、ADHプロモーターが挙げられ、宿主がバチル
ス属菌の場合は、SL01プロモーター、SP02プロ
モーター、penPプロモーターなどが挙げられる。ま
た、宿主が哺乳動物細胞等の真核細胞である場合、SV
40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモータ
ー、ヒートショックプロモーターなどが挙げられる。好
ましくは、SV−40、レトロウイルスである。しか
し、特にこれらに限定されるものではない。また、発現
にはエンハンサーの利用も効果的な方法である。
めのプロモーター−オペレータ−領域は、プロモータ
ー、オペレーターおよび Shine-Dalgarno(SD) 配列(例
えば、AAGGなど)を含むものである。例えば宿主が
エシェリキア属菌の場合、好適にはTrpプロモータ
ー、lacプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーター、lppプロモーター、tacプロモー
ターなどを含むものが例示される。酵母中で本発明のタ
ンパクを発現させるためのプロモーターとしては、PH
05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモ
ーター、ADHプロモーターが挙げられ、宿主がバチル
ス属菌の場合は、SL01プロモーター、SP02プロ
モーター、penPプロモーターなどが挙げられる。ま
た、宿主が哺乳動物細胞等の真核細胞である場合、SV
40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモータ
ー、ヒートショックプロモーターなどが挙げられる。好
ましくは、SV−40、レトロウイルスである。しか
し、特にこれらに限定されるものではない。また、発現
にはエンハンサーの利用も効果的な方法である。
【0058】好適な開始コドンとしては、メチオニンコ
ドン(ATG)が例示される。終止コドンとしては、常
用の終止コドン(例えば、TAG、TGA、TAA)が
例示される。ターミネーター領域としては、通常用いら
れる天然または合成のターミネーターを用いることがで
きる。
ドン(ATG)が例示される。終止コドンとしては、常
用の終止コドン(例えば、TAG、TGA、TAA)が
例示される。ターミネーター領域としては、通常用いら
れる天然または合成のターミネーターを用いることがで
きる。
【0059】複製可能単位とは、宿主細胞中でその全D
NA配列を複製することができる能力をもつDNAを言
い、天然のプラスミド、人工的に修飾されたプラスミド
(天然のプラスミドから調製されたDNAフラグメン
ト)および合成プラスミド等が含まれる。好適なプラス
ミドとしては、E. coli ではプラスミドpBR322、
もしくはその人工的修飾物(pBR322を適当な制限
酵素で処理して得られるDNAフラグメント)が、酵母
では酵母2μプラスミド、もしくは酵母染色体DNA
が、また哺乳動物細胞ではプラスミドpRSVneo ATCC 371
98、プラスミドpSV2dhfr ATCC 37145、プラスミドpdBPV
-MMTneo ATCC 37224、プラスミドpSV2neo ATCC 37149等
があげられる。
NA配列を複製することができる能力をもつDNAを言
い、天然のプラスミド、人工的に修飾されたプラスミド
(天然のプラスミドから調製されたDNAフラグメン
ト)および合成プラスミド等が含まれる。好適なプラス
ミドとしては、E. coli ではプラスミドpBR322、
もしくはその人工的修飾物(pBR322を適当な制限
酵素で処理して得られるDNAフラグメント)が、酵母
では酵母2μプラスミド、もしくは酵母染色体DNA
が、また哺乳動物細胞ではプラスミドpRSVneo ATCC 371
98、プラスミドpSV2dhfr ATCC 37145、プラスミドpdBPV
-MMTneo ATCC 37224、プラスミドpSV2neo ATCC 37149等
があげられる。
【0060】エンハンサー配列、ポリアデニレーション
部位およびスプライシング接合部位については、例えば
それぞれSV40に由来するもの等、当業者において通
常使用されるものを用いることができる。選択マーカー
としては、通常使用されるものを常法により用いること
ができる。例えばテトラサイクリン、アンピシリン、ま
たはカナマイシン等の抗生物質耐性遺伝子等が例示され
る。
部位およびスプライシング接合部位については、例えば
それぞれSV40に由来するもの等、当業者において通
常使用されるものを用いることができる。選択マーカー
としては、通常使用されるものを常法により用いること
ができる。例えばテトラサイクリン、アンピシリン、ま
たはカナマイシン等の抗生物質耐性遺伝子等が例示され
る。
【0061】遺伝子増幅遺伝子としては、ジヒドロ葉酸
レダクターゼ(DHFR)遺伝子、チミジンキナーゼ遺
伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、グルタミン酸合成酵素
遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、オルニチンデ
カルボキシラーゼ遺伝子、ヒグロマイシン−B−ホスホ
トランスフェラーゼ遺伝子、アスパルラートトランスカ
ルバミラーゼ遺伝子等を例示することができる。本発明
の発現ベクターは、少なくとも、上述のプロモーター、
開始コドン、本発明のタンパクをコードするDNA、終
止コドンおよびターミネーター領域を連続的かつ環状に
適当な複製可能単位に連結することによって調製するこ
とができる。またこの際、所望により制限酵素での消化
やT4DNAリガーゼを用いるライゲーション等の常法
により適当なDNAフラグメント(例えば、リンカー、
他のリストリクションサイトなど)を用いることができ
る。
レダクターゼ(DHFR)遺伝子、チミジンキナーゼ遺
伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、グルタミン酸合成酵素
遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、オルニチンデ
カルボキシラーゼ遺伝子、ヒグロマイシン−B−ホスホ
トランスフェラーゼ遺伝子、アスパルラートトランスカ
ルバミラーゼ遺伝子等を例示することができる。本発明
の発現ベクターは、少なくとも、上述のプロモーター、
開始コドン、本発明のタンパクをコードするDNA、終
止コドンおよびターミネーター領域を連続的かつ環状に
適当な複製可能単位に連結することによって調製するこ
とができる。またこの際、所望により制限酵素での消化
やT4DNAリガーゼを用いるライゲーション等の常法
により適当なDNAフラグメント(例えば、リンカー、
他のリストリクションサイトなど)を用いることができ
る。
【0062】本発明の形質転換細胞は、上述の発現ベク
ターを宿主細胞に導入することにより調製することがで
きる。本発明で用いられる宿主細胞としては、前記の発
現ベクターに適合し、形質転換されうるものであれば特
に限定されず、本発明の技術分野において通常使用され
る天然細胞あるいは人工的に樹立された組換細胞など種
々の細胞(例えば、細菌(エシェリキア属菌、バチルス
属菌)、酵母(サッカロマイセス属、ピキア属など)、
動物細胞または昆虫細胞など)が例示される。
ターを宿主細胞に導入することにより調製することがで
きる。本発明で用いられる宿主細胞としては、前記の発
現ベクターに適合し、形質転換されうるものであれば特
に限定されず、本発明の技術分野において通常使用され
る天然細胞あるいは人工的に樹立された組換細胞など種
々の細胞(例えば、細菌(エシェリキア属菌、バチルス
属菌)、酵母(サッカロマイセス属、ピキア属など)、
動物細胞または昆虫細胞など)が例示される。
【0063】好ましくは大腸菌あるいは動物細胞であ
り、具体的には大腸菌(DH5α、TB1、HB101
等)、マウス由来細胞(COP、L、C127、Sp2
/0、NS−1またはNIH3 T3等)、ラット由来細
胞、ハムスター由来細胞(BHKおよびCHO等)、サ
ル由来細胞(COS1、COS3、COS7、CV1お
よびVelo等)およびヒト由来細胞(Hela、2倍
体線維芽細胞に由来する細胞、ミエローマ細胞およびN
amalwa等)などが例示される。
り、具体的には大腸菌(DH5α、TB1、HB101
等)、マウス由来細胞(COP、L、C127、Sp2
/0、NS−1またはNIH3 T3等)、ラット由来細
胞、ハムスター由来細胞(BHKおよびCHO等)、サ
ル由来細胞(COS1、COS3、COS7、CV1お
よびVelo等)およびヒト由来細胞(Hela、2倍
体線維芽細胞に由来する細胞、ミエローマ細胞およびN
amalwa等)などが例示される。
【0064】発現ベクターの宿主細胞への導入(形質転
換(形質移入))は従来公知の方法を用いて行うことが
できる。例えば、細菌(E.coli、Bacillus subtilis
等)の場合は、例えばCohenらの方法(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA.、第69巻、第2110頁、1972年
)、プロトプラスト法(Mol. Gen. Genet.、 第168
巻、第111頁、197 9年)やコンピテント法(ジ
ャーナルオブモレキュラーバイオロジー(J. Mol. Bio
l.)、第56巻、第209頁、1971年)によって、
Saccharomyces cerevisiaeの場合は、例えばハイネン
(Hinnen)らの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、
第75巻、第1927頁、1978年)やリチウム法
(J. Bacteriol.、第153巻、第163頁、1983
年)によって、動物細胞の場合は、例えばグラハム(Gr
aham)の方法(バイロロジー(Virology)、第52巻、
第456頁、1973年)、昆虫細胞の場合は、例えば
サマーズ(Summers)らの方法(Mol. Cell. Biol.、第
3巻、第2156〜第2165頁、1983年)によっ
てそれぞれ形質転換することができる。
換(形質移入))は従来公知の方法を用いて行うことが
できる。例えば、細菌(E.coli、Bacillus subtilis
等)の場合は、例えばCohenらの方法(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA.、第69巻、第2110頁、1972年
)、プロトプラスト法(Mol. Gen. Genet.、 第168
巻、第111頁、197 9年)やコンピテント法(ジ
ャーナルオブモレキュラーバイオロジー(J. Mol. Bio
l.)、第56巻、第209頁、1971年)によって、
Saccharomyces cerevisiaeの場合は、例えばハイネン
(Hinnen)らの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、
第75巻、第1927頁、1978年)やリチウム法
(J. Bacteriol.、第153巻、第163頁、1983
年)によって、動物細胞の場合は、例えばグラハム(Gr
aham)の方法(バイロロジー(Virology)、第52巻、
第456頁、1973年)、昆虫細胞の場合は、例えば
サマーズ(Summers)らの方法(Mol. Cell. Biol.、第
3巻、第2156〜第2165頁、1983年)によっ
てそれぞれ形質転換することができる。
【0065】本発明のタンパクは、上記の如く調製され
る発現ベクターを含む形質転換細胞(以下、形質移入体
を包含する意味で使用する。)を栄養培地で培養するこ
とによって製造することができる。栄養培地は、宿主細
胞(形質転換体)の生育に必要な炭素源、無機窒素源も
しくは有機窒素源を含でいることが好ましい。炭素源と
しては、例えばグルコース、デキストラン、可溶性デン
プン、ショ糖などが、無機窒素源もしくは有機窒素源と
しては、例えばアンモニウム塩類、硝酸塩類、アミノ
酸、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉
エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などが例示される。
また所望により他の栄養素(例えば、無機塩(例えば塩
化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシ
ウム)、ビタミン類、抗生物質(例えばテトラサイクリ
ン、ネオマイシン、アンピシリン、カナマイシン等)な
ど)を含んでいてもよい。培養は当業界において知られ
ている方法により行われる。培養条件、例えば温度、培
地のpHおよび培養時間は、本発明のタンパクが大量に
生産されるように適宜選択される。
る発現ベクターを含む形質転換細胞(以下、形質移入体
を包含する意味で使用する。)を栄養培地で培養するこ
とによって製造することができる。栄養培地は、宿主細
胞(形質転換体)の生育に必要な炭素源、無機窒素源も
しくは有機窒素源を含でいることが好ましい。炭素源と
しては、例えばグルコース、デキストラン、可溶性デン
プン、ショ糖などが、無機窒素源もしくは有機窒素源と
しては、例えばアンモニウム塩類、硝酸塩類、アミノ
酸、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉
エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などが例示される。
また所望により他の栄養素(例えば、無機塩(例えば塩
化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシ
ウム)、ビタミン類、抗生物質(例えばテトラサイクリ
ン、ネオマイシン、アンピシリン、カナマイシン等)な
ど)を含んでいてもよい。培養は当業界において知られ
ている方法により行われる。培養条件、例えば温度、培
地のpHおよび培養時間は、本発明のタンパクが大量に
生産されるように適宜選択される。
【0066】なお、下記に宿主細胞に応じて用いられる
具体的な培地および培養条件を例示するが、何らこれら
に限定されるものではない。宿主が細菌、放線菌、酵
母、糸状菌である場合、例えば上記栄養源を含有する液
体培地が適当である。好ましくは、pHが5〜8である
培地である。宿主がE. coli の場合、好ましい培地とし
てLB培地、M9培地(ミラー(Miller)ら、 Exp. Mo
l. Genet、Cold Spring Harbor Laboratory、第431
頁、1972年)等が例示される。かかる場合、培養
は、必要により通気、攪拌しながら、通常14〜43
℃、約3〜24時間行うことができる。宿主がBacillus
属菌の場合、必要により通気、攪拌をしながら、通常3
0〜40℃、約16〜96時間行うことができる。
具体的な培地および培養条件を例示するが、何らこれら
に限定されるものではない。宿主が細菌、放線菌、酵
母、糸状菌である場合、例えば上記栄養源を含有する液
体培地が適当である。好ましくは、pHが5〜8である
培地である。宿主がE. coli の場合、好ましい培地とし
てLB培地、M9培地(ミラー(Miller)ら、 Exp. Mo
l. Genet、Cold Spring Harbor Laboratory、第431
頁、1972年)等が例示される。かかる場合、培養
は、必要により通気、攪拌しながら、通常14〜43
℃、約3〜24時間行うことができる。宿主がBacillus
属菌の場合、必要により通気、攪拌をしながら、通常3
0〜40℃、約16〜96時間行うことができる。
【0067】宿主が酵母である場合、培地として、例え
ばBurkholder最小培(ボスチアン(Bostian)、Proc. N
atl. Acad. Sci. USA、第77巻、第4505頁、19
8 0年)が挙げられ、pHは5〜8であることが望ま
しい。培養は通常約20〜35℃で約14〜144時間
行なわれ、必要により通気や攪拌を行うこともできる。
宿主が動物細胞の場合、培地として例えば約5〜20%
の胎児牛血清を含むMEM培地(サイエンス(Scienc
e)、第122巻、第501頁、1952年)、DME
M培地(バイロロジー(Virology)、第8巻、 第39
6頁、1959 年)、RPMI1640培地(J. Am.
Med. Assoc.、第199巻、第519頁、1967
年)、199培地(proc. Soc. Exp. Biol. Med.、第7
3巻、第1頁、1950年)等を用いることができる。
培地のpHは約6〜8であるのが好ましく、培養は通常
約30〜40℃で約15〜72時間行なわれ、必要によ
り通気や攪拌を行うこともできる。宿主が昆虫細胞の場
合、例えば胎児牛血清を含むGrace's 培地(Proc. Nat
l.Acad. Sci. USA、第82巻、第8404頁、1985
年)等が挙げられ、そのpHは約5〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約20〜40℃で15〜100時間行
なわれ、必要により通気や攪拌を行うこともできる。
ばBurkholder最小培(ボスチアン(Bostian)、Proc. N
atl. Acad. Sci. USA、第77巻、第4505頁、19
8 0年)が挙げられ、pHは5〜8であることが望ま
しい。培養は通常約20〜35℃で約14〜144時間
行なわれ、必要により通気や攪拌を行うこともできる。
宿主が動物細胞の場合、培地として例えば約5〜20%
の胎児牛血清を含むMEM培地(サイエンス(Scienc
e)、第122巻、第501頁、1952年)、DME
M培地(バイロロジー(Virology)、第8巻、 第39
6頁、1959 年)、RPMI1640培地(J. Am.
Med. Assoc.、第199巻、第519頁、1967
年)、199培地(proc. Soc. Exp. Biol. Med.、第7
3巻、第1頁、1950年)等を用いることができる。
培地のpHは約6〜8であるのが好ましく、培養は通常
約30〜40℃で約15〜72時間行なわれ、必要によ
り通気や攪拌を行うこともできる。宿主が昆虫細胞の場
合、例えば胎児牛血清を含むGrace's 培地(Proc. Nat
l.Acad. Sci. USA、第82巻、第8404頁、1985
年)等が挙げられ、そのpHは約5〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約20〜40℃で15〜100時間行
なわれ、必要により通気や攪拌を行うこともできる。
【0068】本発明の受容体は、上述のような形質転換
細胞、特に動物細胞を培養することにより、その細胞表
面に目的分子を高発現させることが可能である。一方、
本発明のタンパクを、細胞外領域タンパクフラグメント
のような可溶性タンパクとして製造する場合には、当該
細胞外領域あるいは各ドメインをコードするDNAを用
いて上述のように形質転換体を調製し、外形質転換体を
培養することにより培養上清中に分泌させることにより
製造することができる。
細胞、特に動物細胞を培養することにより、その細胞表
面に目的分子を高発現させることが可能である。一方、
本発明のタンパクを、細胞外領域タンパクフラグメント
のような可溶性タンパクとして製造する場合には、当該
細胞外領域あるいは各ドメインをコードするDNAを用
いて上述のように形質転換体を調製し、外形質転換体を
培養することにより培養上清中に分泌させることにより
製造することができる。
【0069】すなわち、得られた培養物を濾過または遠
心分離等の方法で培養濾液(上清)を得、該培養濾液か
ら天然または合成蛋白質を精製並びに単離するために一
般に用いられる常法に従って該本発明のタンパクを精
製、単離する。単離、精製方法としては、例えば塩析、
溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析、限外濾
過、ゲル濾過、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動など分子量の差を利用する方法、イ
オン交換クロマトグラフィーやヒドロキシルアパタイト
クロマトグラフィーなどの荷電を利用する方法、アフィ
ニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用
する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水
性の差を利用する方法、等電点電気泳動などの等電点の
差を利用する方法などが挙げられる。
心分離等の方法で培養濾液(上清)を得、該培養濾液か
ら天然または合成蛋白質を精製並びに単離するために一
般に用いられる常法に従って該本発明のタンパクを精
製、単離する。単離、精製方法としては、例えば塩析、
溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析、限外濾
過、ゲル濾過、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動など分子量の差を利用する方法、イ
オン交換クロマトグラフィーやヒドロキシルアパタイト
クロマトグラフィーなどの荷電を利用する方法、アフィ
ニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用
する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水
性の差を利用する方法、等電点電気泳動などの等電点の
差を利用する方法などが挙げられる。
【0070】一方、本発明のタンパクが培養された形質
転換体のペリプラズムまたは細胞質内に存在する場合
は、培養物を濾過または遠心分離などの常法に付して菌
体あるいは細胞を集め、適当な緩衝液に懸濁し、例えば
超音波やリゾチーム及び凍結融解などの方法で細胞等の
細胞壁および/または細胞膜を破壊した後、遠心分離や
ろ過などの方法で本発明のタンパクを含有する膜画分を
得る。該膜画分をトライトン−X100等の界面活性剤
を用いて可溶化して粗溶液を得る。そして、当該粗溶液
を先に例示したような常法を用いることにより、単離、
精製することができる。
転換体のペリプラズムまたは細胞質内に存在する場合
は、培養物を濾過または遠心分離などの常法に付して菌
体あるいは細胞を集め、適当な緩衝液に懸濁し、例えば
超音波やリゾチーム及び凍結融解などの方法で細胞等の
細胞壁および/または細胞膜を破壊した後、遠心分離や
ろ過などの方法で本発明のタンパクを含有する膜画分を
得る。該膜画分をトライトン−X100等の界面活性剤
を用いて可溶化して粗溶液を得る。そして、当該粗溶液
を先に例示したような常法を用いることにより、単離、
精製することができる。
【0071】上述のように取得、調製される本発明のタ
ンパクに包含されるヒト由来のタンパクをコードするD
NA(cDNAまたはゲノミックDNA)を用いれば、
トランスジェニック非ヒト哺乳動物、即ち、該ヒト由来
のDNAが、非ヒト哺乳動物(例えばマウス)の内在性
遺伝子座上にインテグレート(integrate)されてお
り、体内に該DNAによりコードされる本発明の タン
パクを発現、分泌するヒト以外のトランスジェニック哺
乳動物を作製することができる。このトランスジェニッ
ク非ヒト哺乳動物も本願の発明に属する。該トランスジ
ェニック非ヒト哺乳動物は、トランスジェニック動物の
製造において通常使用されるような常法(例えば、最新
動物細胞実験マニュアル、エル・アイ・シー発行、第7
章、第361〜第408頁、1990年を参照)に従っ
て作製することができる。
ンパクに包含されるヒト由来のタンパクをコードするD
NA(cDNAまたはゲノミックDNA)を用いれば、
トランスジェニック非ヒト哺乳動物、即ち、該ヒト由来
のDNAが、非ヒト哺乳動物(例えばマウス)の内在性
遺伝子座上にインテグレート(integrate)されてお
り、体内に該DNAによりコードされる本発明の タン
パクを発現、分泌するヒト以外のトランスジェニック哺
乳動物を作製することができる。このトランスジェニッ
ク非ヒト哺乳動物も本願の発明に属する。該トランスジ
ェニック非ヒト哺乳動物は、トランスジェニック動物の
製造において通常使用されるような常法(例えば、最新
動物細胞実験マニュアル、エル・アイ・シー発行、第7
章、第361〜第408頁、1990年を参照)に従っ
て作製することができる。
【0072】具体的には、例えば、トランスジェニック
マウスの場合には、正常マウス胚盤胞(blastcyst)の
か ら取得した胚性幹細胞(Embryonic Stem Cell, ES C
ell)を、本発明のヒト由来のタンパクをコードする遺
伝子及びマーカー遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺
伝子)が発現可能なように挿入された発現ベクターで形
質転換する。該本発明のヒト由来のタンパクをコードす
る遺伝子が内在性遺伝子上にインテグレートされたES
細胞を、マーカー遺伝子の発現の有無に基づいて常法に
より選別する。次いで、選別したES細胞を、別の正常
マウスから取得した受精卵(肺盤胞)にマイクロインジ
ェクションする(Proc. Natl. Acad. Sci.USA, Vol.77,
No.12, pp.7380-7384, 1980;米国特許第4,873,191号
公報)。該胚盤胞を仮親としての別の正常マウスの子宮
に移植する。そうして該仮親マウスから、ファウンダー
マウス(子マウス)が生まれる。該ファウンダーマウス
を正常マウスと交配させることによりヘテロトランスジ
ェニックマウスを得る。該ヘテロ(heterogeneic)トラ
ンスジェニックマウス同士を交配することにより、メン
デルの法則に従って、ホモ(homogeneic)トランスジェ
ニックマウスが得られる。
マウスの場合には、正常マウス胚盤胞(blastcyst)の
か ら取得した胚性幹細胞(Embryonic Stem Cell, ES C
ell)を、本発明のヒト由来のタンパクをコードする遺
伝子及びマーカー遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺
伝子)が発現可能なように挿入された発現ベクターで形
質転換する。該本発明のヒト由来のタンパクをコードす
る遺伝子が内在性遺伝子上にインテグレートされたES
細胞を、マーカー遺伝子の発現の有無に基づいて常法に
より選別する。次いで、選別したES細胞を、別の正常
マウスから取得した受精卵(肺盤胞)にマイクロインジ
ェクションする(Proc. Natl. Acad. Sci.USA, Vol.77,
No.12, pp.7380-7384, 1980;米国特許第4,873,191号
公報)。該胚盤胞を仮親としての別の正常マウスの子宮
に移植する。そうして該仮親マウスから、ファウンダー
マウス(子マウス)が生まれる。該ファウンダーマウス
を正常マウスと交配させることによりヘテロトランスジ
ェニックマウスを得る。該ヘテロ(heterogeneic)トラ
ンスジェニックマウス同士を交配することにより、メン
デルの法則に従って、ホモ(homogeneic)トランスジェ
ニックマウスが得られる。
【0073】また、本発明に包含されるマウスに由来す
るタンパクをコードするDNAの塩基配列に基づいて、
いわゆる「ノックアウトマウス」を作製することができ
る。本発明における「ノックアウトマウス」とは、本発
明のマウス由来のタンパクをコードする内在性遺伝子が
ノックアウト(不活性化)されたマウスであり、例えば
相同組換えを応用したポジティブネガティブセレクショ
ン法(米国特許第5,464,764号公報、同5,487,992号公
報、同5,627,059号公報 、Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, Vol.86, 8932-8935, 1989、Nature, Vol.342, 435-4
38, 1989など)を用いて作製することができ、このよう
なノックアウトマウスも本発明の一態様である。
るタンパクをコードするDNAの塩基配列に基づいて、
いわゆる「ノックアウトマウス」を作製することができ
る。本発明における「ノックアウトマウス」とは、本発
明のマウス由来のタンパクをコードする内在性遺伝子が
ノックアウト(不活性化)されたマウスであり、例えば
相同組換えを応用したポジティブネガティブセレクショ
ン法(米国特許第5,464,764号公報、同5,487,992号公
報、同5,627,059号公報 、Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, Vol.86, 8932-8935, 1989、Nature, Vol.342, 435-4
38, 1989など)を用いて作製することができ、このよう
なノックアウトマウスも本発明の一態様である。
【0074】本発明における「抗体」とは、ポリクロー
ナル抗体(抗血清)あるいはモノクローナル抗体を意味
し、好ましくはモノクローナル抗体である。具体的に
は、前述の本発明のタンパクまたはそのフラグメントに
反応性を有する抗体である。本発明の「抗体」は、本発
明のタンパク(天然体、組換体、合成物、細胞等)若し
くはその断片あるいは前述のような遺伝子組換技術によ
り目的タンパクをその細胞表面に高発現させた形質転換
体を、マウス、ラット、ハムスター、モルモットあるい
はウサギ等の哺乳動物に免疫して得られる天然型抗体、
遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体及びヒ
ト型抗体(CDR-grafted抗体)、並びにヒト抗体産生ト
ランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体
も包含する。またモノクローナル抗体の場合には、Ig
G、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれ
のアイソタイプを有するモノクローナル抗体をも包含す
る。好ましくは、IgGまたはIgMである。
ナル抗体(抗血清)あるいはモノクローナル抗体を意味
し、好ましくはモノクローナル抗体である。具体的に
は、前述の本発明のタンパクまたはそのフラグメントに
反応性を有する抗体である。本発明の「抗体」は、本発
明のタンパク(天然体、組換体、合成物、細胞等)若し
くはその断片あるいは前述のような遺伝子組換技術によ
り目的タンパクをその細胞表面に高発現させた形質転換
体を、マウス、ラット、ハムスター、モルモットあるい
はウサギ等の哺乳動物に免疫して得られる天然型抗体、
遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体及びヒ
ト型抗体(CDR-grafted抗体)、並びにヒト抗体産生ト
ランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体
も包含する。またモノクローナル抗体の場合には、Ig
G、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれ
のアイソタイプを有するモノクローナル抗体をも包含す
る。好ましくは、IgGまたはIgMである。
【0075】本発明で言うポリクローナル抗体(抗血
清)あるいはモノクローナル抗体は、既存の一般的な製
造方法によって製造することができる。即ち、例えば、
抗原を、必要に応じてフロイントアジュバント(Freun
d's Adjuvant)とともに、哺乳動物、好ましくは、マウ
ス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、
イヌ、ブタ、ヤギ、ウマあるいはウシ、より好ましくは
マウス、ラット、ハムスター、モルモットまたはウサギ
に免疫する。ポリクローナル抗体は、該免疫感作動物か
ら得た血清から取得することができる。またモノクロー
ナル抗体は、該免疫感作動物から得た該抗体産生細胞と
自己抗体産生能のない骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)
からハイブリドーマを調製し、該ハイブリドーマをクロ
ーン化し、哺乳動物の免疫に用いた抗原に対して特異的
親和性を示すモノクローナル抗体を産生するクローンを
選択することによって製造される。
清)あるいはモノクローナル抗体は、既存の一般的な製
造方法によって製造することができる。即ち、例えば、
抗原を、必要に応じてフロイントアジュバント(Freun
d's Adjuvant)とともに、哺乳動物、好ましくは、マウ
ス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、
イヌ、ブタ、ヤギ、ウマあるいはウシ、より好ましくは
マウス、ラット、ハムスター、モルモットまたはウサギ
に免疫する。ポリクローナル抗体は、該免疫感作動物か
ら得た血清から取得することができる。またモノクロー
ナル抗体は、該免疫感作動物から得た該抗体産生細胞と
自己抗体産生能のない骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)
からハイブリドーマを調製し、該ハイブリドーマをクロ
ーン化し、哺乳動物の免疫に用いた抗原に対して特異的
親和性を示すモノクローナル抗体を産生するクローンを
選択することによって製造される。
【0076】モノクローナル抗体は、具体的には下記の
ようにして製造することができる。即ち、前述のような
本発明のタンパク若しくはその断片あるいは該タンパク
を発現している細胞等を発現している等を免疫原とし
て、該免疫原を、必要に応じてフロイントアジュバント
(Freund's Adjuvant)とともに、マウス、ラット、ハ
ムスター、モルモ ットあるいはウサギ、好ましくはマ
ウス、ラットあるいはハムスター(ヒト抗体産生トラン
スジェニックマウスのような他の動物由来の抗体を産生
するように作出されたトランスジェニック動物を含む)
の皮下内、筋肉内、静脈内、フッドパッド内あるいは腹
腔内に1乃至数回注射するかあるいは移植することによ
り免疫感作を施す。通常、初回免疫から約1乃至14日
毎に1乃至4回免疫を行って、最終免疫より約1乃至5
日後に免疫感作された該哺乳動物から抗体産生細胞が取
得される。
ようにして製造することができる。即ち、前述のような
本発明のタンパク若しくはその断片あるいは該タンパク
を発現している細胞等を発現している等を免疫原とし
て、該免疫原を、必要に応じてフロイントアジュバント
(Freund's Adjuvant)とともに、マウス、ラット、ハ
ムスター、モルモ ットあるいはウサギ、好ましくはマ
ウス、ラットあるいはハムスター(ヒト抗体産生トラン
スジェニックマウスのような他の動物由来の抗体を産生
するように作出されたトランスジェニック動物を含む)
の皮下内、筋肉内、静脈内、フッドパッド内あるいは腹
腔内に1乃至数回注射するかあるいは移植することによ
り免疫感作を施す。通常、初回免疫から約1乃至14日
毎に1乃至4回免疫を行って、最終免疫より約1乃至5
日後に免疫感作された該哺乳動物から抗体産生細胞が取
得される。
【0077】モノクローナル抗体を分泌するハイブリド
ーマの調製は、ケーラー及びミルシュタインらの方法
(ネイチャー(Nature)、第256巻、第495〜第49
7頁、1975年)及びそれに準じる修飾方法に従って
行うことができる。即ち、前述の如く免疫感作された哺
乳動物から取得される脾臓、リンパ節、骨髄あるいは扁
桃等、好ましくは脾臓に含まれる抗体産生細胞と、好ま
しくはマウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサ
ギまたはヒト等の哺乳動物、より好ましくはマウス、ラ
ットまたはヒト由来の自己抗体産生能のないミエローマ
細胞との細胞融合させることにより調製される。
ーマの調製は、ケーラー及びミルシュタインらの方法
(ネイチャー(Nature)、第256巻、第495〜第49
7頁、1975年)及びそれに準じる修飾方法に従って
行うことができる。即ち、前述の如く免疫感作された哺
乳動物から取得される脾臓、リンパ節、骨髄あるいは扁
桃等、好ましくは脾臓に含まれる抗体産生細胞と、好ま
しくはマウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサ
ギまたはヒト等の哺乳動物、より好ましくはマウス、ラ
ットまたはヒト由来の自己抗体産生能のないミエローマ
細胞との細胞融合させることにより調製される。
【0078】細胞融合に用いられるミエローマ細胞とし
ては、例えばマウス由来ミエローマP3/X63-AG8.653(6
53;ATCC No.CRL1580)、P3/NSI/1-Ag4-1(NS−
1)、P3/X63-Ag8.U1(P3U1)、SP2/0-Ag14(Sp
2/O、Sp2)、PAI、F0あるいはBW5147、ラッ ト由
来ミエローマ210RCY3-Ag.2.3.、ヒト由来ミエローマU-2
66AR1、GM1500-6TG-A1-2、UC729-6、CEM-AGR、D1R11あ
るいはCEM-T15を使用することができる。モノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマクローンのスクリーニ
ングは、ハイブリドーマを、例えばマイクロタイタープ
レート中で培養し、増殖の見られたウェルの培養上清の
前述のマウス免疫感作で用いた免疫抗原に対する反応性
を、例えばRIAやELISA等の酵素免疫測定法によ
って測定することにより行なうことができる。
ては、例えばマウス由来ミエローマP3/X63-AG8.653(6
53;ATCC No.CRL1580)、P3/NSI/1-Ag4-1(NS−
1)、P3/X63-Ag8.U1(P3U1)、SP2/0-Ag14(Sp
2/O、Sp2)、PAI、F0あるいはBW5147、ラッ ト由
来ミエローマ210RCY3-Ag.2.3.、ヒト由来ミエローマU-2
66AR1、GM1500-6TG-A1-2、UC729-6、CEM-AGR、D1R11あ
るいはCEM-T15を使用することができる。モノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマクローンのスクリーニ
ングは、ハイブリドーマを、例えばマイクロタイタープ
レート中で培養し、増殖の見られたウェルの培養上清の
前述のマウス免疫感作で用いた免疫抗原に対する反応性
を、例えばRIAやELISA等の酵素免疫測定法によ
って測定することにより行なうことができる。
【0079】ハイブリドーマからのモノクローナル抗体
の製造は、ハイブリドーマをインビトロ、またはマウ
ス、ラット、モルモット、ハムスターまたはウサギ等、
好ましくはマウスまたはラット、より好ましくはマウス
の腹水中等でのインビボで行い、得られた培養上清、ま
たは哺乳動物の腹水から単離することにより行うことが
できる。インビトロで培養する場合には、培養する細胞
種の特性、試験研究の目的及び培養方法等の種々条件に
合わせて、ハイブリドーマを増殖、維持及び保存させ、
培養上清中にモノクローナル抗体を産生させるために用
いられるような既知栄養培地あるいは既知の基本培地か
ら誘導調製されるあらゆる栄養培地を用いて実施するこ
とが可能である。
の製造は、ハイブリドーマをインビトロ、またはマウ
ス、ラット、モルモット、ハムスターまたはウサギ等、
好ましくはマウスまたはラット、より好ましくはマウス
の腹水中等でのインビボで行い、得られた培養上清、ま
たは哺乳動物の腹水から単離することにより行うことが
できる。インビトロで培養する場合には、培養する細胞
種の特性、試験研究の目的及び培養方法等の種々条件に
合わせて、ハイブリドーマを増殖、維持及び保存させ、
培養上清中にモノクローナル抗体を産生させるために用
いられるような既知栄養培地あるいは既知の基本培地か
ら誘導調製されるあらゆる栄養培地を用いて実施するこ
とが可能である。
【0080】基本培地としては、例えば、Ham’F1
2培地、MCDB153培地あるいは低カルシウムME
M培地等の低カルシウム培地及びMCDB104培地、
MEM培地、D−MEM培地、RPMI1640培地、
ASF104培地あるいはRD培地等の高カルシウム培
地等が挙げられ、該基本培地は、目的に応じて、例えば
血清、ホルモン、サイトカイン及び/または種々無機あ
るいは有機物質等を含有することができる。モノクロー
ナル抗体の単離、精製は、上述の培養上清あるいは腹水
を、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カ
プロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラ
フィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブ
リンカラムあるいはプロテインAカラム等のアフィニテ
ィカラムクロマトグラフィーに供すること等により行う
ことができる。
2培地、MCDB153培地あるいは低カルシウムME
M培地等の低カルシウム培地及びMCDB104培地、
MEM培地、D−MEM培地、RPMI1640培地、
ASF104培地あるいはRD培地等の高カルシウム培
地等が挙げられ、該基本培地は、目的に応じて、例えば
血清、ホルモン、サイトカイン及び/または種々無機あ
るいは有機物質等を含有することができる。モノクロー
ナル抗体の単離、精製は、上述の培養上清あるいは腹水
を、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カ
プロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラ
フィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブ
リンカラムあるいはプロテインAカラム等のアフィニテ
ィカラムクロマトグラフィーに供すること等により行う
ことができる。
【0081】また、当該ハイブリドーマからモノクロー
ナル抗体をコードする遺伝子をクローニングし、トラン
スジェニック動物作製技術を用いて当該抗体コーディン
グ遺伝子が内在性遺伝子に組み込まれたトランスジェニ
ックなウ、ヤギ、ヒツジまたはブタを作製し、当該トラ
ンスジェニック動物のミルク中から当該抗体遺伝子に由
来するモノクローナル抗体を大量に取得することも可能
である(日系サイエンス、1997年4月号、第78頁乃至
84頁)。
ナル抗体をコードする遺伝子をクローニングし、トラン
スジェニック動物作製技術を用いて当該抗体コーディン
グ遺伝子が内在性遺伝子に組み込まれたトランスジェニ
ックなウ、ヤギ、ヒツジまたはブタを作製し、当該トラ
ンスジェニック動物のミルク中から当該抗体遺伝子に由
来するモノクローナル抗体を大量に取得することも可能
である(日系サイエンス、1997年4月号、第78頁乃至
84頁)。
【0082】本発明における「キメラ抗体」は、遺伝子
工学的に作製されるモノクローナル抗体であって、具体
的には、例えば、その可変領域がマウスイムノグロブリ
ン由来の可変領域であり、かつその定常領域がヒトイム
ノグロブリン由来の定常領域であることを特徴とするマ
ウス/ヒトキメラモノクローナル抗体等のキメラモノク
ローナル抗体を意味する。ヒトイムノグロブリン由来の
定常領域は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIg
E等のアイソタイプにより各々固有のアミノ酸配列を有
するが、本発明における組換キメラモノクローナル抗体
の定常領域はいずれのアイソタイプに属するヒトイムノ
グログリンの定常領域であってもよい。好ましくは、ヒ
トIgGの定常領域である。本発明におけるキメラモノ
クローナル抗体は、例えば以下のようにして製造するこ
とができる。しかしながら、そのような製造方法に限定
されるものでないことは言うまでもない。
工学的に作製されるモノクローナル抗体であって、具体
的には、例えば、その可変領域がマウスイムノグロブリ
ン由来の可変領域であり、かつその定常領域がヒトイム
ノグロブリン由来の定常領域であることを特徴とするマ
ウス/ヒトキメラモノクローナル抗体等のキメラモノク
ローナル抗体を意味する。ヒトイムノグロブリン由来の
定常領域は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIg
E等のアイソタイプにより各々固有のアミノ酸配列を有
するが、本発明における組換キメラモノクローナル抗体
の定常領域はいずれのアイソタイプに属するヒトイムノ
グログリンの定常領域であってもよい。好ましくは、ヒ
トIgGの定常領域である。本発明におけるキメラモノ
クローナル抗体は、例えば以下のようにして製造するこ
とができる。しかしながら、そのような製造方法に限定
されるものでないことは言うまでもない。
【0083】例えば、マウス/ヒトキメラモノクローナ
ル抗体は、実験医学(臨時増刊号)、第1.6巻、第1
0号、1988年及び特公平3−73280号公報等を
参照しながら作製することができる。即ち、マウスモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマから単離した
該マウスモノクローナル抗体をコードするDNAから取
得した活性なVH遺伝子(H鎖可変領域をコードする再
配列されたVDJ遺伝子)の下流に、ヒトイムノグロム
リンをコードするDNAから取得したCH遺伝子(H鎖
定常領域をコードするC遺伝子)を、また該ハイブリド
ーマから単離したマウスモノクローナル抗体をコードす
るDNAから取得した活性なVL遺伝子(L鎖可変領域
をコードする再配列されたVJ遺伝子)の下流にヒトイ
ムノグロムリンをコードするDNAから取得したCL遺
伝子(L鎖定常領域をコードするC遺伝子)を、各々発
現可能なように配列して1つ又は別々の発現ベクターに
挿入し、該発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、該形
質転換細胞を培養することにより作製することができ
る。
ル抗体は、実験医学(臨時増刊号)、第1.6巻、第1
0号、1988年及び特公平3−73280号公報等を
参照しながら作製することができる。即ち、マウスモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマから単離した
該マウスモノクローナル抗体をコードするDNAから取
得した活性なVH遺伝子(H鎖可変領域をコードする再
配列されたVDJ遺伝子)の下流に、ヒトイムノグロム
リンをコードするDNAから取得したCH遺伝子(H鎖
定常領域をコードするC遺伝子)を、また該ハイブリド
ーマから単離したマウスモノクローナル抗体をコードす
るDNAから取得した活性なVL遺伝子(L鎖可変領域
をコードする再配列されたVJ遺伝子)の下流にヒトイ
ムノグロムリンをコードするDNAから取得したCL遺
伝子(L鎖定常領域をコードするC遺伝子)を、各々発
現可能なように配列して1つ又は別々の発現ベクターに
挿入し、該発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、該形
質転換細胞を培養することにより作製することができ
る。
【0084】具体的には、まず、マウスモノクローナル
抗体産生ハイブリドーマから常法によりDNAを抽出
後、該DNAを適切な制限酵素(例えばEcoRI、H
indIII等)を用いて消化し、電気泳動に付して(例
えば0.7%アガロースゲル使用)サザンブロット法を
行う。泳動したゲルを例えばエチジウムブロマイド等で
染色し、写真撮影後、マーカーの位置を付し、ゲルを2
回水洗し、0.25MHCl溶液に15分間浸す。次い
で、0.4NのNaOH溶液に10分間浸し、その間緩
やかに振盪する。常法により、フィルターに移し、4時
間後フィルターを回収して2×SSCで2回洗浄する。
フィルターを十分乾燥した後、ベイキング(75℃、3
時間)を行う。ベイキング終了後に、該フィルターを
0.1×SSC/0.1%SDS溶液に入れ、65℃で
30分間処理する。次いで、3×SSC/0.1%SD
S溶液に浸す。得られたフィルターをプレハイブリダイ
ゼーション液と共にビニール袋に入れ、65℃で3〜4
時間処理する。
抗体産生ハイブリドーマから常法によりDNAを抽出
後、該DNAを適切な制限酵素(例えばEcoRI、H
indIII等)を用いて消化し、電気泳動に付して(例
えば0.7%アガロースゲル使用)サザンブロット法を
行う。泳動したゲルを例えばエチジウムブロマイド等で
染色し、写真撮影後、マーカーの位置を付し、ゲルを2
回水洗し、0.25MHCl溶液に15分間浸す。次い
で、0.4NのNaOH溶液に10分間浸し、その間緩
やかに振盪する。常法により、フィルターに移し、4時
間後フィルターを回収して2×SSCで2回洗浄する。
フィルターを十分乾燥した後、ベイキング(75℃、3
時間)を行う。ベイキング終了後に、該フィルターを
0.1×SSC/0.1%SDS溶液に入れ、65℃で
30分間処理する。次いで、3×SSC/0.1%SD
S溶液に浸す。得られたフィルターをプレハイブリダイ
ゼーション液と共にビニール袋に入れ、65℃で3〜4
時間処理する。
【0085】次に、この中に32P標識したプローブDN
A及びハイブリダイゼーション液を入れ、65℃で12
時間程度反応させる。ハイブリダイゼーション終了後、
適切な塩濃度、反応温度および時間(例えば、2×SS
C−0.1%SDS溶液、室温、10分間)のもとで、
フィルターを洗う。該フィルターをビニール袋に入れ、
2×SSCを少量加え、密封し、オートラジオグラフィ
ーを行う。
A及びハイブリダイゼーション液を入れ、65℃で12
時間程度反応させる。ハイブリダイゼーション終了後、
適切な塩濃度、反応温度および時間(例えば、2×SS
C−0.1%SDS溶液、室温、10分間)のもとで、
フィルターを洗う。該フィルターをビニール袋に入れ、
2×SSCを少量加え、密封し、オートラジオグラフィ
ーを行う。
【0086】上記サザンブロット法により、マウスモノ
クローナル抗体のH鎖及びL鎖を各々コードする再配列
されたVDJ遺伝子及びVJ遺伝子を同定する。同定し
たDNA断片を含む領域をショ糖密度勾配遠心にて分画
し、ファージベクター(例えば、Charon 4A、Charon 2
8、λEMBL3、λEMBL4等)に組み込み、該フ
ァージベクターで大腸菌(例えば、LE392、NM539等) を
形質転換し、ゲノム ライブラリーを作製する。そのゲ
ノムライブラリーを適当なプローブ(H鎖J遺伝子、L
鎖(κ)J遺伝子等)を用いて、例えばベントンデイビ
ス法(サイエンス(Science)、第196巻、第180〜
第182頁、1977年)に従って、プ ラークハイブ
リダイゼーションを行い、再配列されたVDJ遺伝子あ
るいはVJ遺伝子を各々含むポジティブクローンを得
る。得られたクローンの制限酵素地図を作製し、塩基配
列を決定し、目的とする再配列されたVH(VDJ)遺伝子あ
るいはVL(VJ)遺伝子を含む遺伝子が得られていること
を確認する。
クローナル抗体のH鎖及びL鎖を各々コードする再配列
されたVDJ遺伝子及びVJ遺伝子を同定する。同定し
たDNA断片を含む領域をショ糖密度勾配遠心にて分画
し、ファージベクター(例えば、Charon 4A、Charon 2
8、λEMBL3、λEMBL4等)に組み込み、該フ
ァージベクターで大腸菌(例えば、LE392、NM539等) を
形質転換し、ゲノム ライブラリーを作製する。そのゲ
ノムライブラリーを適当なプローブ(H鎖J遺伝子、L
鎖(κ)J遺伝子等)を用いて、例えばベントンデイビ
ス法(サイエンス(Science)、第196巻、第180〜
第182頁、1977年)に従って、プ ラークハイブ
リダイゼーションを行い、再配列されたVDJ遺伝子あ
るいはVJ遺伝子を各々含むポジティブクローンを得
る。得られたクローンの制限酵素地図を作製し、塩基配
列を決定し、目的とする再配列されたVH(VDJ)遺伝子あ
るいはVL(VJ)遺伝子を含む遺伝子が得られていること
を確認する。
【0087】一方、キメラ化に用いるヒトCH遺伝子及
びヒトCL遺伝子を別に単離する。例えば、ヒトIgG1
とのキメラ抗体を作製する場合には、CH遺伝子である
Cγ1遺伝子とCL遺伝子であるCκ遺伝子を単離する。
これらの遺伝子はマウス免疫グロブリン遺伝子とヒト免
疫グロブリン遺伝子の塩基配列の高い相同性を利用して
ヒトCγ1遺伝子及びヒトCκ遺伝子に相当するマウス
Cγ1遺伝子及びマウスCκ遺伝子をプローブとして用
い、ヒトゲノムライブラリーから単離することによって
得ることができる。
びヒトCL遺伝子を別に単離する。例えば、ヒトIgG1
とのキメラ抗体を作製する場合には、CH遺伝子である
Cγ1遺伝子とCL遺伝子であるCκ遺伝子を単離する。
これらの遺伝子はマウス免疫グロブリン遺伝子とヒト免
疫グロブリン遺伝子の塩基配列の高い相同性を利用して
ヒトCγ1遺伝子及びヒトCκ遺伝子に相当するマウス
Cγ1遺伝子及びマウスCκ遺伝子をプローブとして用
い、ヒトゲノムライブラリーから単離することによって
得ることができる。
【0088】具体的には、例えば、クローンIg146
(プロシーディングスナショナルアカデミーオブサイエ
ンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、第75巻、第47
09〜第4713頁、1978年)からの3kbのHi
ndIII−BamHI断片とクローンMEP10(プロ
シーディングスナショナルアカデミーオブサイエンス(P
roc. Natl. Acad. Sci. USA)、第78巻、第474〜第
478頁、1981年)からの6.8kbのEcoRI
断片をプローブとして用い、ヒトのラムダCharon 4A の
HaeIII−AluIゲノムライブラリー(セル(Cel
l)、第15巻、第1157〜第1174頁、1978
年)中から、ヒトCκ遺伝子を含み、エンハンサー領域
を保持しているDNA断片を単離する。また、ヒトCγ
1遺伝子は、例えばヒト胎児肝細胞DNAをHindIII
で切断し、アガロースゲル電気泳動で分画した後、5.
9kbのバンドをλ788に挿入し、前記のプローブを
用いて単離する。
(プロシーディングスナショナルアカデミーオブサイエ
ンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、第75巻、第47
09〜第4713頁、1978年)からの3kbのHi
ndIII−BamHI断片とクローンMEP10(プロ
シーディングスナショナルアカデミーオブサイエンス(P
roc. Natl. Acad. Sci. USA)、第78巻、第474〜第
478頁、1981年)からの6.8kbのEcoRI
断片をプローブとして用い、ヒトのラムダCharon 4A の
HaeIII−AluIゲノムライブラリー(セル(Cel
l)、第15巻、第1157〜第1174頁、1978
年)中から、ヒトCκ遺伝子を含み、エンハンサー領域
を保持しているDNA断片を単離する。また、ヒトCγ
1遺伝子は、例えばヒト胎児肝細胞DNAをHindIII
で切断し、アガロースゲル電気泳動で分画した後、5.
9kbのバンドをλ788に挿入し、前記のプローブを
用いて単離する。
【0089】このようにして単離されたマウスVH遺伝
子とマウスVL遺伝子、及びヒトCH遺伝子とヒトCL遺
伝子を用いて、プロモーター領域及びエンハンサー領域
などを考慮しながらマウスVH遺伝子の下流にヒトCH遺
伝子を、またマウスVL遺伝子の下流にヒトCL遺伝子
を、適切な制限酵素及びDNAリガーゼを用いて、例え
ばpSV2gptあるいはpSV2neo等の発現ベク
ターに常法に従って組み込む。この際、マウスVH遺伝
子/ヒトCH遺伝子とマウスVL遺伝子/ヒトCL遺伝子
のキメラ遺伝子は、一つの発現ベクターに同時に配置さ
れてもよいし、各々別個の発現ベクターに配置すること
もできる。
子とマウスVL遺伝子、及びヒトCH遺伝子とヒトCL遺
伝子を用いて、プロモーター領域及びエンハンサー領域
などを考慮しながらマウスVH遺伝子の下流にヒトCH遺
伝子を、またマウスVL遺伝子の下流にヒトCL遺伝子
を、適切な制限酵素及びDNAリガーゼを用いて、例え
ばpSV2gptあるいはpSV2neo等の発現ベク
ターに常法に従って組み込む。この際、マウスVH遺伝
子/ヒトCH遺伝子とマウスVL遺伝子/ヒトCL遺伝子
のキメラ遺伝子は、一つの発現ベクターに同時に配置さ
れてもよいし、各々別個の発現ベクターに配置すること
もできる。
【0090】このようにして作製したキメラ遺伝子挿入
発現ベクターを、例えばP3X63・Ag8・653細胞あるいはSP2
10細胞といった、自らは抗体を産生していない骨髄腫細
胞にプロトプラスト融合法、DEAE−デキストラン
法、リン酸カルシウム法あるいは電気穿孔法等により導
入する。形質転換細胞は、発現ベクターに導入された薬
物耐性遺伝子に対応する薬物含有培地中での培養により
選別し、目的とするキメラモノクローナル抗体産生細胞
を取得する。このようにして選別された抗体産生細胞の
培養上清中から目的のキメラモノクローナル抗体を取得
する。
発現ベクターを、例えばP3X63・Ag8・653細胞あるいはSP2
10細胞といった、自らは抗体を産生していない骨髄腫細
胞にプロトプラスト融合法、DEAE−デキストラン
法、リン酸カルシウム法あるいは電気穿孔法等により導
入する。形質転換細胞は、発現ベクターに導入された薬
物耐性遺伝子に対応する薬物含有培地中での培養により
選別し、目的とするキメラモノクローナル抗体産生細胞
を取得する。このようにして選別された抗体産生細胞の
培養上清中から目的のキメラモノクローナル抗体を取得
する。
【0091】本発明における「ヒト型抗体(CDR-grafte
d抗体)」は、遺伝子工学的に作製されるモノクローナ
ル抗体であって、具体的には、例えば、その超可変領域
の相補性決定領域の一部または全部がマウスモノクロー
ナル抗体に由来する超可変領域の相補性決定領域であ
り、その可変領域の枠組領域がヒトイムノグロブリン由
来の可変領域の枠組領域であり、かつその定常領域がヒ
トイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴と
するヒト型モノクローナル抗体を意味する。
d抗体)」は、遺伝子工学的に作製されるモノクローナ
ル抗体であって、具体的には、例えば、その超可変領域
の相補性決定領域の一部または全部がマウスモノクロー
ナル抗体に由来する超可変領域の相補性決定領域であ
り、その可変領域の枠組領域がヒトイムノグロブリン由
来の可変領域の枠組領域であり、かつその定常領域がヒ
トイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴と
するヒト型モノクローナル抗体を意味する。
【0092】ここで、超可変領域の相補性決定領域と
は、抗体の可変領域中の超可変領域に存在し、抗原と相
補的に直接結合する部位である3つの領域(Complement
arity-determining residue;CDR1、CDR2、C
DR3)を指し、また可変領域の枠組領域とは、該3つ
相補性決定領域の前後に介在する比較的保存された4つ
の領域(Framework;FR1、FR2、FR3、FR
4)を指す。換言すれば、例えばマウスモノクローナル
抗体の超可変領域の相補性決定領域の一部または全部以
外の全ての領域が、ヒトイムノグロブリンの対応領域と
置き代わったモノクローナル抗体を意味する。ヒトイム
ノグロブリン由来の定常領域は、IgG、IgM、Ig
A、IgD及びIgE等のアイソタイプにより各々固有
のアミノ酸配列を有するが、本発明におけるヒト型モノ
クローナル抗体の定常領域はいずれのアイソタイプに属
するヒトイムノグログリンの定常領域であってもよい。
好ましくは、ヒトIgGの定常領域である。また、ヒト
イムノグロブリン由来の可変領域の枠組領域についても
限定されるものではない。
は、抗体の可変領域中の超可変領域に存在し、抗原と相
補的に直接結合する部位である3つの領域(Complement
arity-determining residue;CDR1、CDR2、C
DR3)を指し、また可変領域の枠組領域とは、該3つ
相補性決定領域の前後に介在する比較的保存された4つ
の領域(Framework;FR1、FR2、FR3、FR
4)を指す。換言すれば、例えばマウスモノクローナル
抗体の超可変領域の相補性決定領域の一部または全部以
外の全ての領域が、ヒトイムノグロブリンの対応領域と
置き代わったモノクローナル抗体を意味する。ヒトイム
ノグロブリン由来の定常領域は、IgG、IgM、Ig
A、IgD及びIgE等のアイソタイプにより各々固有
のアミノ酸配列を有するが、本発明におけるヒト型モノ
クローナル抗体の定常領域はいずれのアイソタイプに属
するヒトイムノグログリンの定常領域であってもよい。
好ましくは、ヒトIgGの定常領域である。また、ヒト
イムノグロブリン由来の可変領域の枠組領域についても
限定されるものではない。
【0093】本発明におけるヒト型モノクローナル抗体
は、例えば以下のようにして製造することができる。し
かしながら、そのような製造方法に限定されるものでな
いことは言うまでもない。例えば、マウスモノクローナ
ル抗体に由来する組換ヒト型モノクローナル抗体は、特
表平4−506458号公報及び特開昭62−2968
90号公報等を参照して、遺伝子工学的に作製すること
ができる。即ち、マウスモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマから、少なくとも1つのマウスH鎖CD
R遺伝子と該マウスH鎖CDR遺伝子に対応する少なく
とも1つのマウスL鎖CDR遺伝子を単離し、またヒト
イムノグロブリン遺伝子から前記マウスH鎖CDRに対
応するヒトH鎖CDR以外の全領域をコードするヒトH
鎖遺伝子と、前マウスL鎖CDRに対応するヒトL鎖C
DR以外の全領域をコードするヒトL鎖遺伝子を単離す
る。
は、例えば以下のようにして製造することができる。し
かしながら、そのような製造方法に限定されるものでな
いことは言うまでもない。例えば、マウスモノクローナ
ル抗体に由来する組換ヒト型モノクローナル抗体は、特
表平4−506458号公報及び特開昭62−2968
90号公報等を参照して、遺伝子工学的に作製すること
ができる。即ち、マウスモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマから、少なくとも1つのマウスH鎖CD
R遺伝子と該マウスH鎖CDR遺伝子に対応する少なく
とも1つのマウスL鎖CDR遺伝子を単離し、またヒト
イムノグロブリン遺伝子から前記マウスH鎖CDRに対
応するヒトH鎖CDR以外の全領域をコードするヒトH
鎖遺伝子と、前マウスL鎖CDRに対応するヒトL鎖C
DR以外の全領域をコードするヒトL鎖遺伝子を単離す
る。
【0094】単離した該マウスH鎖CDR遺伝子と該ヒ
トH鎖遺伝子を発現可能なように適当な発現ベクターに
導入し、同様に該マウスL鎖CDR遺伝子と該ヒトL鎖
遺伝子を発現可能なように適当なもう1つの発現ベクタ
ーに導入する。または、該マウスH鎖CDR遺伝子/ヒ
トH鎖遺伝子とマウスL鎖CDR遺伝子/ヒトL鎖遺伝
子を同一の発現ベクターに発現可能なように導入するこ
ともできる。このようにして作製された発現ベクターで
宿主細胞を形質転換することによりヒト型モノクローナ
ル抗体産生形質転換細胞を得、該形質転換細胞を培養す
ることにより培養上清中から目的のヒト型モノクローナ
ル抗体を得る。
トH鎖遺伝子を発現可能なように適当な発現ベクターに
導入し、同様に該マウスL鎖CDR遺伝子と該ヒトL鎖
遺伝子を発現可能なように適当なもう1つの発現ベクタ
ーに導入する。または、該マウスH鎖CDR遺伝子/ヒ
トH鎖遺伝子とマウスL鎖CDR遺伝子/ヒトL鎖遺伝
子を同一の発現ベクターに発現可能なように導入するこ
ともできる。このようにして作製された発現ベクターで
宿主細胞を形質転換することによりヒト型モノクローナ
ル抗体産生形質転換細胞を得、該形質転換細胞を培養す
ることにより培養上清中から目的のヒト型モノクローナ
ル抗体を得る。
【0095】本発明における「ヒト抗体」とは、イムノ
グロブリンを構成するH鎖の可変領域及びH鎖の定常領
域並びにL鎖の可変領域及びL鎖の定常領域を含む全て
の領域がヒトイムノグロブリンをコードする遺伝子に由
来するイムノグロブリンである。ヒト抗体は、常法に従
って、例えば、少なくともヒトイムノグロブリン遺伝子
をマウス等のヒト以外の哺乳動物の遺伝子座中に組込む
ことにより作製されたトランスジェニック動物を、抗原
で免疫感作することにより、前述したポリクローナル抗
体あるいはモノクローナル抗体の作製法と同様にして製
造することができる。例えば、ヒト抗体を産生するトラ
ンスジェニックマウスは、ネイチャージェネティックス
(Nature Genetics)、第15巻、第146〜第156
頁、1997年;ネイチャージェネティックス、第7
巻、第13〜第21頁、1994年;特表平4−504
365号公報;国際出願公開WO94/25585号公
報;日経サイエンス、6月号、第40〜第50頁、19
95年;ネイチャー(Nature)、第368巻、第856〜
第859頁、1994年;及び特表平6−500233
号公報に記載の方法に従って作製することができる。
グロブリンを構成するH鎖の可変領域及びH鎖の定常領
域並びにL鎖の可変領域及びL鎖の定常領域を含む全て
の領域がヒトイムノグロブリンをコードする遺伝子に由
来するイムノグロブリンである。ヒト抗体は、常法に従
って、例えば、少なくともヒトイムノグロブリン遺伝子
をマウス等のヒト以外の哺乳動物の遺伝子座中に組込む
ことにより作製されたトランスジェニック動物を、抗原
で免疫感作することにより、前述したポリクローナル抗
体あるいはモノクローナル抗体の作製法と同様にして製
造することができる。例えば、ヒト抗体を産生するトラ
ンスジェニックマウスは、ネイチャージェネティックス
(Nature Genetics)、第15巻、第146〜第156
頁、1997年;ネイチャージェネティックス、第7
巻、第13〜第21頁、1994年;特表平4−504
365号公報;国際出願公開WO94/25585号公
報;日経サイエンス、6月号、第40〜第50頁、19
95年;ネイチャー(Nature)、第368巻、第856〜
第859頁、1994年;及び特表平6−500233
号公報に記載の方法に従って作製することができる。
【0096】本発明における「抗体の一部」とは、前述
の本発明における抗体、好ましくはモノクローナル抗体
の一部分の領域を意味し、具体的にはF(ab’)2、
Fab’、Fab、Fv(variable fragment of antib
ody)、sFv、dsFv(disulphide stabilised F
v)あるいはdAb(single domain antibody)である
(エキスパート・オピニオン・オン・テラピューティッ
ク・パテンツ(Exp. Opin. Ther. Patents),第6巻,第
5号,第441〜456頁,1996年)。ここで、「F(a
b’)2」及び「Fab’」とは、イムノグロブリン
(モノクローナル抗体)を、蛋白分解酵素であるペプシ
ンあるいはパパイン等で処理することにより製造され、
ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結
合の前後で消化されて生成される抗体フラグメントを意
味する。例えば、IgGをパパインで処理すると、ヒン
ジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の
上流で切断されてVL(L鎖可変領域)とCL(L鎖定常
領域)からなるL鎖、及びVH(H鎖可変領域)とCHγ
1(H鎖定常領域中のγ1領域)とからなるH鎖フラグメ
ントがC末端領域でジスルフィド結合により結合した相
同な2つの抗体フラグメントを製造することができる。
これら2つの相同な抗体フラグメントを各々Fab’と
いう。またIgGをペプシンで処理すると、ヒンジ領域
中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の下流で
切断されて前記2つのFab’がヒンジ領域でつながっ
たものよりやや大きい抗体フラグメントを製造すること
ができる。この抗体フラグメントをF(ab’)2とい
う。
の本発明における抗体、好ましくはモノクローナル抗体
の一部分の領域を意味し、具体的にはF(ab’)2、
Fab’、Fab、Fv(variable fragment of antib
ody)、sFv、dsFv(disulphide stabilised F
v)あるいはdAb(single domain antibody)である
(エキスパート・オピニオン・オン・テラピューティッ
ク・パテンツ(Exp. Opin. Ther. Patents),第6巻,第
5号,第441〜456頁,1996年)。ここで、「F(a
b’)2」及び「Fab’」とは、イムノグロブリン
(モノクローナル抗体)を、蛋白分解酵素であるペプシ
ンあるいはパパイン等で処理することにより製造され、
ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結
合の前後で消化されて生成される抗体フラグメントを意
味する。例えば、IgGをパパインで処理すると、ヒン
ジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の
上流で切断されてVL(L鎖可変領域)とCL(L鎖定常
領域)からなるL鎖、及びVH(H鎖可変領域)とCHγ
1(H鎖定常領域中のγ1領域)とからなるH鎖フラグメ
ントがC末端領域でジスルフィド結合により結合した相
同な2つの抗体フラグメントを製造することができる。
これら2つの相同な抗体フラグメントを各々Fab’と
いう。またIgGをペプシンで処理すると、ヒンジ領域
中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の下流で
切断されて前記2つのFab’がヒンジ領域でつながっ
たものよりやや大きい抗体フラグメントを製造すること
ができる。この抗体フラグメントをF(ab’)2とい
う。
【0097】本発明の「タンパクまたはその断片に反応
性を有するモノクローナル抗体を産生する細胞」とは、
前述した本発明のモノクローナル抗体を産生する任意の
細胞を意味する。具体的には、(1)前述したとおり
の、本発明のタンパク、その断片または該タンパクを産
生する細胞等で非ヒト哺乳動物を免疫して得られる本発
明のタンパクまたはその一部に反応性を有するモノクロ
ーナル抗体を産生する該非ヒト哺乳動物由来のモノクロ
ーナル抗体産生B細胞、(2)そのようにして得られた
抗体産生B細胞を哺乳動物由来のミエローマ細胞と細胞
融合して得られる前述のハイブリドーマ(融合細胞)、
あるいは(3)該モノクローナル抗体産生B細胞または
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマから単離される
該モノクローナル抗体をコードする遺伝子(重鎖をコー
ドする遺伝子若しくは軽鎖をコードする遺伝子のいずれ
か一方、または両方の遺伝子)により該B細胞及びハイ
ブリドーマ以外の細胞を形質転換して得られるモノクロ
ーナル抗体産生形質転換細胞のいずれかを意味する。こ
こで、前記(3)に記載のモノクローナル抗体産生形質
転換細胞は、即ち、前記(1)のB細胞または(2)の
ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体の遺伝子
組換え体を産生する遺伝子組換え細胞を意味する。この
組換えモノクローナル抗体産生細胞は、前述したキメラ
モノクローナル抗体及びヒト型抗体の製造において使用
される方法と同様にして製造することができる。
性を有するモノクローナル抗体を産生する細胞」とは、
前述した本発明のモノクローナル抗体を産生する任意の
細胞を意味する。具体的には、(1)前述したとおり
の、本発明のタンパク、その断片または該タンパクを産
生する細胞等で非ヒト哺乳動物を免疫して得られる本発
明のタンパクまたはその一部に反応性を有するモノクロ
ーナル抗体を産生する該非ヒト哺乳動物由来のモノクロ
ーナル抗体産生B細胞、(2)そのようにして得られた
抗体産生B細胞を哺乳動物由来のミエローマ細胞と細胞
融合して得られる前述のハイブリドーマ(融合細胞)、
あるいは(3)該モノクローナル抗体産生B細胞または
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマから単離される
該モノクローナル抗体をコードする遺伝子(重鎖をコー
ドする遺伝子若しくは軽鎖をコードする遺伝子のいずれ
か一方、または両方の遺伝子)により該B細胞及びハイ
ブリドーマ以外の細胞を形質転換して得られるモノクロ
ーナル抗体産生形質転換細胞のいずれかを意味する。こ
こで、前記(3)に記載のモノクローナル抗体産生形質
転換細胞は、即ち、前記(1)のB細胞または(2)の
ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体の遺伝子
組換え体を産生する遺伝子組換え細胞を意味する。この
組換えモノクローナル抗体産生細胞は、前述したキメラ
モノクローナル抗体及びヒト型抗体の製造において使用
される方法と同様にして製造することができる。
【0098】本発明の「医薬組成物」とは、前記で定義
される本発明のタンパク若しくはその断片(フラグメン
ト)、抗体または該抗体の一部のいずれかと、薬学的に
許容され得る担体とからなる医薬組成物である。ここで
「薬学的に許容され得る担体」とは、賦形剤、希釈剤、
増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳
香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あ
るいはその他の添加剤等が挙げられる。そのような担体
の一つ以上を用いることにより、錠剤、丸剤、散剤、顆
粒剤、注射剤、液剤、カプセル剤、トロー剤、エリキシ
ル剤、懸濁剤、乳剤あるいはシロップ剤等の形態の医薬
組成物を調製することができる。これらの医薬組成物
は、経口あるいは非経口的に投与することができる。非
経口投与のためのその他の形態としては、一つまたはそ
れ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液
剤、腸溶内投与のための坐剤およびペッサリーなどが含
まれる。
される本発明のタンパク若しくはその断片(フラグメン
ト)、抗体または該抗体の一部のいずれかと、薬学的に
許容され得る担体とからなる医薬組成物である。ここで
「薬学的に許容され得る担体」とは、賦形剤、希釈剤、
増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳
香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あ
るいはその他の添加剤等が挙げられる。そのような担体
の一つ以上を用いることにより、錠剤、丸剤、散剤、顆
粒剤、注射剤、液剤、カプセル剤、トロー剤、エリキシ
ル剤、懸濁剤、乳剤あるいはシロップ剤等の形態の医薬
組成物を調製することができる。これらの医薬組成物
は、経口あるいは非経口的に投与することができる。非
経口投与のためのその他の形態としては、一つまたはそ
れ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液
剤、腸溶内投与のための坐剤およびペッサリーなどが含
まれる。
【0099】投与量は、患者の年齢、性別、体重及び症
状、治療効果、投与方法、処理時間、あるいは該医薬組
成物に含有される活性成分(前記タンパクや抗体など)
の種類などにより異なるが、通常成人一人当たり、一回
につき10μgから1000mg (あるいは10μgから500mg)の
範囲で投与することができる。しかしながら、投与量は
種々の条件により変動するため、上記投与量より少ない
量で十分な場合もあり、また上記の範囲を越える投与量
が必要な場合もある。とりわけ注射剤の場合には、例え
ば生理食塩水あるいは市販の注射用蒸留水等の非毒性の
薬学的に許容され得る担体中に0.1μg抗体/ml担体〜10
mg抗体/ml担体の濃度となるように溶解または懸濁する
ことにより製造することができる。このようにして製造
された注射剤は、処置を必要とするヒト患者に対し、1
回の投与において1kg体重あたり、1μg〜100mgの割
合で、好ましくは50μg〜50mgの割合で、1日あたり1
回〜数回投与することができる。投与の形態としては、
静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは
腹腔内注射のような医療上適当な投与形態が例示でき
る。好ましくは静脈内注射である。
状、治療効果、投与方法、処理時間、あるいは該医薬組
成物に含有される活性成分(前記タンパクや抗体など)
の種類などにより異なるが、通常成人一人当たり、一回
につき10μgから1000mg (あるいは10μgから500mg)の
範囲で投与することができる。しかしながら、投与量は
種々の条件により変動するため、上記投与量より少ない
量で十分な場合もあり、また上記の範囲を越える投与量
が必要な場合もある。とりわけ注射剤の場合には、例え
ば生理食塩水あるいは市販の注射用蒸留水等の非毒性の
薬学的に許容され得る担体中に0.1μg抗体/ml担体〜10
mg抗体/ml担体の濃度となるように溶解または懸濁する
ことにより製造することができる。このようにして製造
された注射剤は、処置を必要とするヒト患者に対し、1
回の投与において1kg体重あたり、1μg〜100mgの割
合で、好ましくは50μg〜50mgの割合で、1日あたり1
回〜数回投与することができる。投与の形態としては、
静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは
腹腔内注射のような医療上適当な投与形態が例示でき
る。好ましくは静脈内注射である。
【0100】また、注射剤は、場合により、非水性の希
釈剤(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、オリーブ油のような植物油、エタノールのよう
なアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調
製することもできる。そのような注射剤の無菌化は、バ
クテリア保留フィルターを通す濾過滅菌、殺菌剤の配合
または照射により行うことができる。注射剤は、用時調
製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥
法などによって無菌の固体組成物とし、使用前に無菌の
注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することが
できる。本発明の医薬組成物は、生体内に生じた細胞内
ストレス、異物あるいは変性蛋白に起因する病的症状や
疾患(例えば、動脈硬化症、糖尿病性血管障害、細菌感
染など)の予防並びに治療において極めて有用である。
釈剤(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、オリーブ油のような植物油、エタノールのよう
なアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調
製することもできる。そのような注射剤の無菌化は、バ
クテリア保留フィルターを通す濾過滅菌、殺菌剤の配合
または照射により行うことができる。注射剤は、用時調
製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥
法などによって無菌の固体組成物とし、使用前に無菌の
注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することが
できる。本発明の医薬組成物は、生体内に生じた細胞内
ストレス、異物あるいは変性蛋白に起因する病的症状や
疾患(例えば、動脈硬化症、糖尿病性血管障害、細菌感
染など)の予防並びに治療において極めて有用である。
【0101】
【実施例】以下、実施例を以て本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明が該実施例に記載される態様のみに限
定されるものではないことは言うまでもない。
明するが、本発明が該実施例に記載される態様のみに限
定されるものではないことは言うまでもない。
【0102】実施例1 腫瘍抑制タンパクp53と相互
作用(結合)するヒトゲノムDNA断片の取得 腫瘍抑制タンパクp53が発現されると同時に、選択的
レポーター遺伝子の上流にクローン化されたヒトゲノム
DNAが発現される酵母発現系を用いて、p53と結合
するヒトゲノムDNA断片を取得した(Tokinoら、Huma
n Molecular Genetics, Vol.3, No.9, 1537-1542, 199
4)。
作用(結合)するヒトゲノムDNA断片の取得 腫瘍抑制タンパクp53が発現されると同時に、選択的
レポーター遺伝子の上流にクローン化されたヒトゲノム
DNAが発現される酵母発現系を用いて、p53と結合
するヒトゲノムDNA断片を取得した(Tokinoら、Huma
n Molecular Genetics, Vol.3, No.9, 1537-1542, 199
4)。
【0103】<1−1> HIS3レポーターベクター
の構築 天然体の腫瘍抑制遺伝子p53発現ベクターpRS314-SN
(Nigro, J.M.ら、Mol.Cell. Biol., Vol.12, 1357-136
5, 1992)中のGAL1プロモーターをPGKプロモー
ターで置換してプラスミドpRS314-PGK-p53を構築した。
pRS314-SNから切出したp53のcDNAを含むXhoI-Ba
mHI断片を、プラスミドpPGK(Poon, D.ら、Mol. Ce
ll Biol., Vol.11, 4809-4821, 1991)のSalI及びBamHI
部位にサブクローニングし、プラスミドpPGK-SNを構築
した。PGKプロモーター/p53cDNA/PGKタ
ーミネーターからなるpPGK-SNのKpnI-SacI断片を、プラ
スミドpRS314(Sikorski, R.S.,ら、Genetics, V
ol.122, 19-27, 1989)に挿入し、プラスミドpRS314-PG
K-p53を構築した。
の構築 天然体の腫瘍抑制遺伝子p53発現ベクターpRS314-SN
(Nigro, J.M.ら、Mol.Cell. Biol., Vol.12, 1357-136
5, 1992)中のGAL1プロモーターをPGKプロモー
ターで置換してプラスミドpRS314-PGK-p53を構築した。
pRS314-SNから切出したp53のcDNAを含むXhoI-Ba
mHI断片を、プラスミドpPGK(Poon, D.ら、Mol. Ce
ll Biol., Vol.11, 4809-4821, 1991)のSalI及びBamHI
部位にサブクローニングし、プラスミドpPGK-SNを構築
した。PGKプロモーター/p53cDNA/PGKタ
ーミネーターからなるpPGK-SNのKpnI-SacI断片を、プラ
スミドpRS314(Sikorski, R.S.,ら、Genetics, V
ol.122, 19-27, 1989)に挿入し、プラスミドpRS314-PG
K-p53を構築した。
【0104】<1−2> ヒトゲノムライブラリーの構
築 ヒトゲノムDNAを制限酵素MboIで完全に消化し、HI
S3プロモータープラスミドpBM947(Wilson, T.
E., ら、Science, Vol.252, 1296-1300, 1991)のBamHI
部位にクローン化した。連結物を、エレクトロポレーシ
ョンにより大腸菌株DH10B(BRL製)に導入した
後、該菌株を、アンピシリンを含む寒天培地プレート
(180枚)に蒔いた(1×105コロニー/プレート)。
プレートから菌株を回収し、塩化セシウム超遠心によ
り、該プラスミドライブラリーからDNAを精製した。
得られたDNAを、PEG/リチウムアセテート法(Gi
etz,D.,ら、Nucleic Acids Res., Vol.20, 1425, 199
2)による酵母の形質転換に用いた。
築 ヒトゲノムDNAを制限酵素MboIで完全に消化し、HI
S3プロモータープラスミドpBM947(Wilson, T.
E., ら、Science, Vol.252, 1296-1300, 1991)のBamHI
部位にクローン化した。連結物を、エレクトロポレーシ
ョンにより大腸菌株DH10B(BRL製)に導入した
後、該菌株を、アンピシリンを含む寒天培地プレート
(180枚)に蒔いた(1×105コロニー/プレート)。
プレートから菌株を回収し、塩化セシウム超遠心によ
り、該プラスミドライブラリーからDNAを精製した。
得られたDNAを、PEG/リチウムアセテート法(Gi
etz,D.,ら、Nucleic Acids Res., Vol.20, 1425, 199
2)による酵母の形質転換に用いた。
【0105】前記p53発現ベクターpRS314-PGK-p53を
含む酵母YPH681を、SD-Trp培地(100ml)に蒔
き、一晩培養した(1×107細胞/ml)。培養液を無菌水
で洗浄した後、無菌水(10ml)に再懸濁した。細胞を、
LiAc/TE(10 ml)(0.1 M LiAc(pH7.5)、10mMトリス塩
酸(pH7.5)、1mM EDTA)で洗浄した後、LiAc/TEに再懸濁
した(1×109細胞/ml)。酵母細胞懸濁液(0.2ml)
を、形質転換に用いるDNA(2μg;1μg/μl(1
×TE))、一本鎖サケ精子DNA(100μg;10μg/μ
l)及び40%無菌PEG溶液(0.6ml)(40%ポリエチレ
ングリコ−ル4000/LiAc/TE)と混合した。得られた細
胞混合物を、強振しながら30℃で30分間培養した
後、42℃で15分間熱ショックを与え、遠心操作によ
ってペレット化した。細胞ペレットを1×TE(0.2m
l)に再懸濁し、SD-trp-uraプレートに蒔き、30℃で
3日間培養した。レポータープラスミドライブラリー
(1mg)を形質転換し、プレート(500枚)に蒔い
た。各プレートは、約2×104クローンを含む。該酵母形
質転換体を、プレートから回収し、10プレートずつプ
ール化し、65%グリセロール(v/v)、0.1M硫酸マグネシ
ウム及び25mMトリス塩酸(pH8)中に再懸濁し、−80
℃で保存した。
含む酵母YPH681を、SD-Trp培地(100ml)に蒔
き、一晩培養した(1×107細胞/ml)。培養液を無菌水
で洗浄した後、無菌水(10ml)に再懸濁した。細胞を、
LiAc/TE(10 ml)(0.1 M LiAc(pH7.5)、10mMトリス塩
酸(pH7.5)、1mM EDTA)で洗浄した後、LiAc/TEに再懸濁
した(1×109細胞/ml)。酵母細胞懸濁液(0.2ml)
を、形質転換に用いるDNA(2μg;1μg/μl(1
×TE))、一本鎖サケ精子DNA(100μg;10μg/μ
l)及び40%無菌PEG溶液(0.6ml)(40%ポリエチレ
ングリコ−ル4000/LiAc/TE)と混合した。得られた細
胞混合物を、強振しながら30℃で30分間培養した
後、42℃で15分間熱ショックを与え、遠心操作によ
ってペレット化した。細胞ペレットを1×TE(0.2m
l)に再懸濁し、SD-trp-uraプレートに蒔き、30℃で
3日間培養した。レポータープラスミドライブラリー
(1mg)を形質転換し、プレート(500枚)に蒔い
た。各プレートは、約2×104クローンを含む。該酵母形
質転換体を、プレートから回収し、10プレートずつプ
ール化し、65%グリセロール(v/v)、0.1M硫酸マグネシ
ウム及び25mMトリス塩酸(pH8)中に再懸濁し、−80
℃で保存した。
【0106】<1−3> ライブラリーのスクリーニン
グ 600nm吸光度で10に希釈した酵母細胞(0.1ml)を、選
択的SD-trp-ura-hisプレート上に蒔き、30℃で5日間
培養した。該形質形質転換体の少量を、非選択的SD-trp
-uraプレートに蒔くことにより、生酵母細胞数を決定し
た。ヒスチジン要求性(HIS+)となった各陽性細胞を、
SD-ura培地中で培養した後、抽出したDNAをUra欠損
大腸菌株KC8に導入した。回収されたレポータープラ
スミドの酵母中でのHIS3活性を、p53発現ベクタ
ーの存在下及び非存在下各々について試験した。p53
依存性のクローンの配列解析は、クローニング部位に隣
接した2つのプライマー、(1)GAL1プロモーター
(Johnston, M., Mol. Cell. Biol., Vol.4, 1440-144
8, 1984)由来(配列番号1)、及び(2)プラスミドp
BR322由来(配列番号2)を用いて行った。
グ 600nm吸光度で10に希釈した酵母細胞(0.1ml)を、選
択的SD-trp-ura-hisプレート上に蒔き、30℃で5日間
培養した。該形質形質転換体の少量を、非選択的SD-trp
-uraプレートに蒔くことにより、生酵母細胞数を決定し
た。ヒスチジン要求性(HIS+)となった各陽性細胞を、
SD-ura培地中で培養した後、抽出したDNAをUra欠損
大腸菌株KC8に導入した。回収されたレポータープラ
スミドの酵母中でのHIS3活性を、p53発現ベクタ
ーの存在下及び非存在下各々について試験した。p53
依存性のクローンの配列解析は、クローニング部位に隣
接した2つのプライマー、(1)GAL1プロモーター
(Johnston, M., Mol. Cell. Biol., Vol.4, 1440-144
8, 1984)由来(配列番号1)、及び(2)プラスミドp
BR322由来(配列番号2)を用いて行った。
【0107】<1−4> βガラクトシダーゼアッセイ 本実施例において行ったβガラクトシダーゼアッセイは
下記のとおり。レポータープラスミド及び発現プラスミ
ドの各々を、酵母EGY048細胞株(Gyuris, J.,
ら、Cell, Vol.75, 791-803, 1993)に導入し、酵母形
質転換体を得た。炭素源としてラフィノースを含む合成
培地中、30℃で一晩培養した。培養液を、ラフィノー
ス(1%)及びガラクトース(1%)を含む培地で、6
00nm吸光度下で0.1に希釈し、19時間培養した
後、βガラクトシダーゼアッセイを行った(Kern, S.E.
ら、Science, Vol.256, 827-830, 1992)。
下記のとおり。レポータープラスミド及び発現プラスミ
ドの各々を、酵母EGY048細胞株(Gyuris, J.,
ら、Cell, Vol.75, 791-803, 1993)に導入し、酵母形
質転換体を得た。炭素源としてラフィノースを含む合成
培地中、30℃で一晩培養した。培養液を、ラフィノー
ス(1%)及びガラクトース(1%)を含む培地で、6
00nm吸光度下で0.1に希釈し、19時間培養した
後、βガラクトシダーゼアッセイを行った(Kern, S.E.
ら、Science, Vol.256, 827-830, 1992)。
【0108】<1−5> ヒトライブラリーのスクリー
ニング 1.8×107個のヒトゲノムDNAクローンをHIS3レポ
ーターベクターに挿入しプラスミドライブラリーを調製
した。この初代クローンで酵母を形質転換して1×107個
の酵母形質転換体を取得し、各々約2×105個の別々のク
ローンを含む50のプールに分けた。各プールからの約
5×105個の細胞を、ヒスチジンを含有しない培地に蒔
き、腫瘍抑制タンパクp53に応答するDNAを含むク
ローンを選別した。各プールには、20乃至93個(平
均では約50個)のヒスチジン栄養性のクローンが確認
された。各プールにつき約20個のクローンをランダム
に選択し、前述のレポーターDNAの作製に用いた(詳
細には前記<1−1>及び<1−2>参照。)。
ニング 1.8×107個のヒトゲノムDNAクローンをHIS3レポ
ーターベクターに挿入しプラスミドライブラリーを調製
した。この初代クローンで酵母を形質転換して1×107個
の酵母形質転換体を取得し、各々約2×105個の別々のク
ローンを含む50のプールに分けた。各プールからの約
5×105個の細胞を、ヒスチジンを含有しない培地に蒔
き、腫瘍抑制タンパクp53に応答するDNAを含むク
ローンを選別した。各プールには、20乃至93個(平
均では約50個)のヒスチジン栄養性のクローンが確認
された。各プールにつき約20個のクローンをランダム
に選択し、前述のレポーターDNAの作製に用いた(詳
細には前記<1−1>及び<1−2>参照。)。
【0109】得られた各プラスミドで、p53発現ベク
ターまたはp53遺伝子を含まない空のコントロールベ
クターを含む酵母細胞株を形質転換した。試験した94
2クローンの内の273クローン(29%)が、p53
依存性であった。該273個のp53反応性プラスミド
を、制限酵素消化及び塩基配列解析により分析した。該
273個のクローンは、57種類の異なるMboI消化断片
を含んでいた。各々のクローン中の挿入塩基配列を、ク
ローニング部位の外側(直前/直後)の配列をプライマ
ーとして用い決定した(さらに詳細には前記<1−3>
参照。)。配列解析した57クローンの内の46クロー
ンは、報告されているコンセンサスp53結合配列(El
-Deiry, W.S.ら、Nature Genetics, Vol.1, 45-49, 199
2)と類似の10bpの配列の2コピーを含んでいた。
ターまたはp53遺伝子を含まない空のコントロールベ
クターを含む酵母細胞株を形質転換した。試験した94
2クローンの内の273クローン(29%)が、p53
依存性であった。該273個のp53反応性プラスミド
を、制限酵素消化及び塩基配列解析により分析した。該
273個のクローンは、57種類の異なるMboI消化断片
を含んでいた。各々のクローン中の挿入塩基配列を、ク
ローニング部位の外側(直前/直後)の配列をプライマ
ーとして用い決定した(さらに詳細には前記<1−3>
参照。)。配列解析した57クローンの内の46クロー
ンは、報告されているコンセンサスp53結合配列(El
-Deiry, W.S.ら、Nature Genetics, Vol.1, 45-49, 199
2)と類似の10bpの配列の2コピーを含んでいた。
【0110】実施例2 ヒトゲノムDNA含有コスミド
ライブラリーの作製 本発明で用いたコスミドライブラリーは、「ラボマニュ
アルヒトゲノムマッピング」(堀雅明、中村祐輔 編、
丸善 出版、第41〜48頁)に従って作製した。以下その
方法を簡単に示す。コスミドベクターpWE15(Wah
l, GM., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.84, 2160-
2164, 1987)のBamHI部位を、Klenow酵素を用いてフィ
ルイン(fillin)し、オリゴヌクレオチドリンカ−(5'
CCTCGAGG 3')を用いてXhoIに変換し、改変コスミドベ
クターpWEX15を構築した。該ベクターを、XhoIで
消化した後、クレノウ酵素、dCTP及びdTTPを用
いて部分的にフィルインした。
ライブラリーの作製 本発明で用いたコスミドライブラリーは、「ラボマニュ
アルヒトゲノムマッピング」(堀雅明、中村祐輔 編、
丸善 出版、第41〜48頁)に従って作製した。以下その
方法を簡単に示す。コスミドベクターpWE15(Wah
l, GM., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.84, 2160-
2164, 1987)のBamHI部位を、Klenow酵素を用いてフィ
ルイン(fillin)し、オリゴヌクレオチドリンカ−(5'
CCTCGAGG 3')を用いてXhoIに変換し、改変コスミドベ
クターpWEX15を構築した。該ベクターを、XhoIで
消化した後、クレノウ酵素、dCTP及びdTTPを用
いて部分的にフィルインした。
【0111】ヒト染色体ゲノムDNAをSau3AIで消化し
た後、シュクロース濃度勾配遠心により画分し、ゲノム
DNA断片を得た。該DNA断片を、クレノウ酵素、d
ATP及びdGTPを用いてフィルインした。該ベクタ
ーDNA(1μg)及び該ゲノムDNA(1μg)を、
10×ライゲーションバッファー(トリス塩酸(0.5M (pH
7.5))、100mMの塩化マグネシウム、100mMジチオスレイ
ト−ル、500μg/mlウシ血清アルブミン)、20mMのAT
P、50%ポリエチレングリコール8000、1M塩化ナトリウ
ム、T4DNAリガーゼ(Boehringer製)及び蒸留水の
混合溶液中で連結させた。次いで、GIGAPACK II GOLD
(Stratagene製)を用いて、インビトロパッケージング
した。
た後、シュクロース濃度勾配遠心により画分し、ゲノム
DNA断片を得た。該DNA断片を、クレノウ酵素、d
ATP及びdGTPを用いてフィルインした。該ベクタ
ーDNA(1μg)及び該ゲノムDNA(1μg)を、
10×ライゲーションバッファー(トリス塩酸(0.5M (pH
7.5))、100mMの塩化マグネシウム、100mMジチオスレイ
ト−ル、500μg/mlウシ血清アルブミン)、20mMのAT
P、50%ポリエチレングリコール8000、1M塩化ナトリウ
ム、T4DNAリガーゼ(Boehringer製)及び蒸留水の
混合溶液中で連結させた。次いで、GIGAPACK II GOLD
(Stratagene製)を用いて、インビトロパッケージング
した。
【0112】実施例3 ヒトゲノムDNAコスミドライ
ブラリーのスクリーニングによるエキソン配列を含むp
53応答性ヒトゲノムDNA含有断片の取得 実施例1で取得し塩基配列解析を行ったp53応答性の
ヒトゲノムDNA断片の1つのクローン(クローン番号
24、p53結合性コンセンサス様配列:CAACTTGTCT、
前記Human Molecular Genetics, Vol.3, No.9, 1537-15
42, 1994参照)中の挿入ヒトゲノムDNA断片(配列番
号3)を放射性標識してハイブリダイゼーションプロー
ブとした。該プローブを用いて、常法に従って前記ヒト
ゲノムDNAコスミドライブラリーをスクリーニング
し、25個の陽性クローンを得た。
ブラリーのスクリーニングによるエキソン配列を含むp
53応答性ヒトゲノムDNA含有断片の取得 実施例1で取得し塩基配列解析を行ったp53応答性の
ヒトゲノムDNA断片の1つのクローン(クローン番号
24、p53結合性コンセンサス様配列:CAACTTGTCT、
前記Human Molecular Genetics, Vol.3, No.9, 1537-15
42, 1994参照)中の挿入ヒトゲノムDNA断片(配列番
号3)を放射性標識してハイブリダイゼーションプロー
ブとした。該プローブを用いて、常法に従って前記ヒト
ゲノムDNAコスミドライブラリーをスクリーニング
し、25個の陽性クローンを得た。
【0113】コスミドクローン中のエキソン(Exon)配
列を増幅するために、各々のクローンをBamHI及びBglII
で消化し、エキソントラッピングベクターpSPL3
(GIBCO-BRL製)に連結した。次いで、マラソンcDN
A増幅キット(Clontech製)を用いて、5’RACE−
PCR及び3’RACE−PCR(Rapid Amplificatio
n Ends-PCR)(Proc. Natl. Aca. Sci. USA, Vol.85, 8
998-9002, 1988及び「遺伝子増幅PCR法・基礎と新し
い展開」、共立出版株式会社発行、1992年)を行い、1
8個のコスミドクローン中に合計29種類のエキソン様
配列の挿入が確認された。
列を増幅するために、各々のクローンをBamHI及びBglII
で消化し、エキソントラッピングベクターpSPL3
(GIBCO-BRL製)に連結した。次いで、マラソンcDN
A増幅キット(Clontech製)を用いて、5’RACE−
PCR及び3’RACE−PCR(Rapid Amplificatio
n Ends-PCR)(Proc. Natl. Aca. Sci. USA, Vol.85, 8
998-9002, 1988及び「遺伝子増幅PCR法・基礎と新し
い展開」、共立出版株式会社発行、1992年)を行い、1
8個のコスミドクローン中に合計29種類のエキソン様
配列の挿入が確認された。
【0114】実施例4 ヒトcDNAライブラリーのス
クリーニングによるヒトCSRタンパク(Cellular Sen
sor-Related protein,スカベンジャー受容体)をコー
ドするcDNA断片の取得 エキソン様配列の挿入が確認されたコスミドクローンの
1つであるコスミド2(クローン番号2)の全ゲノムD
NA配列を、377ABI自動塩基配列装置(PerkinElmer
製)を用いて解析した。解析された1つのエキソン配列
を2E1と命名した(配列番号4)。また、コンピュー
ターソフトGrail2及びHexonを用いて、該ゲ
ノムDNA配列中のエキソン配列部位を推定した。
クリーニングによるヒトCSRタンパク(Cellular Sen
sor-Related protein,スカベンジャー受容体)をコー
ドするcDNA断片の取得 エキソン様配列の挿入が確認されたコスミドクローンの
1つであるコスミド2(クローン番号2)の全ゲノムD
NA配列を、377ABI自動塩基配列装置(PerkinElmer
製)を用いて解析した。解析された1つのエキソン配列
を2E1と命名した(配列番号4)。また、コンピュー
ターソフトGrail2及びHexonを用いて、該ゲ
ノムDNA配列中のエキソン配列部位を推定した。
【0115】RT−PCR法(Reverse Transcription-
PCR)(「実験医学・増刊」、「PCRとその応用」、
第8巻、第9号、1990年、及び「遺伝子増幅PCR
法・基礎と新しい展開」、共立出版株式会社発行、1992
年)を用いて、推定された全てのエキソンcDNA配列
が、mRNAへ転写されて連結されることを確認した。
該エキソンcDNA断片を放射性標識してハイブリダイ
ゼーションプローブとした。得られたp53結合性部位
を含む該プローブを用いて、常法に従ってヒト胎児脳由
来ランダムプライムドcDNAライブラリー(Stratage
ne製)の5×105個のプラークをスクリーニングし、陽性
クローンを得た。該陽性クローンから、ヒトcDNA断
片を切りだし、塩基配列を解析した。該クローンは、本
願発明のCSRタンパク(Cellular Sensor-Related
proteinの略称。スカベンジャー受容体とも呼ぶ。)を
コードするcDNA断片を含む。
PCR)(「実験医学・増刊」、「PCRとその応用」、
第8巻、第9号、1990年、及び「遺伝子増幅PCR
法・基礎と新しい展開」、共立出版株式会社発行、1992
年)を用いて、推定された全てのエキソンcDNA配列
が、mRNAへ転写されて連結されることを確認した。
該エキソンcDNA断片を放射性標識してハイブリダイ
ゼーションプローブとした。得られたp53結合性部位
を含む該プローブを用いて、常法に従ってヒト胎児脳由
来ランダムプライムドcDNAライブラリー(Stratage
ne製)の5×105個のプラークをスクリーニングし、陽性
クローンを得た。該陽性クローンから、ヒトcDNA断
片を切りだし、塩基配列を解析した。該クローンは、本
願発明のCSRタンパク(Cellular Sensor-Related
proteinの略称。スカベンジャー受容体とも呼ぶ。)を
コードするcDNA断片を含む。
【0116】実施例5 ヒトCSRタンパクをコードす
る完全長(または長鎖)cDNAの取得 ヒト胎児脳由来の全mRNAを、M-MuLV逆転写酵素(20
0ユニット/μl、GIBCO-BRL製)の存在下、d(N)10
(ベーリンガーマンハイム製)を用いてランダムプライ
ミングによりcDNAに変換し、ヒト長鎖cDNAライ
ブラリーを作製した。前記の陽性クローンから切り出し
たヒトcDNA断片をプローブとして用い、該ヒト長鎖
cDNAライブラリーを常法に従ってスクリーニング
し、4つの陽性クローンを取得した。該陽性クローンか
らヒトCSRタンパクをコードする複数の長鎖cDNA
を切りだし、塩基配列を解析した。次いで、プライマー
としてEC1(配列番号5)EC2a(配列番号6)及
びEC2b(配列番号7)を用いたRT−PCR法によ
り、CSRタンパクをコードするcDNAを増幅させ
た。
る完全長(または長鎖)cDNAの取得 ヒト胎児脳由来の全mRNAを、M-MuLV逆転写酵素(20
0ユニット/μl、GIBCO-BRL製)の存在下、d(N)10
(ベーリンガーマンハイム製)を用いてランダムプライ
ミングによりcDNAに変換し、ヒト長鎖cDNAライ
ブラリーを作製した。前記の陽性クローンから切り出し
たヒトcDNA断片をプローブとして用い、該ヒト長鎖
cDNAライブラリーを常法に従ってスクリーニング
し、4つの陽性クローンを取得した。該陽性クローンか
らヒトCSRタンパクをコードする複数の長鎖cDNA
を切りだし、塩基配列を解析した。次いで、プライマー
としてEC1(配列番号5)EC2a(配列番号6)及
びEC2b(配列番号7)を用いたRT−PCR法によ
り、CSRタンパクをコードするcDNAを増幅させ
た。
【0117】RT−PCRは、cDNA混合溶液(25
μl)下で、サーモサイクラー(Thermocycler;Perkin
Elmer Cetus製)を用いて30乃至40サイクル行っ
た。該cDNA混合溶液は、40ngのcDNA、1×PC
R緩衝液(6.7mMトリス(pH8.8),16.6mMの硫酸アンモニ
ウム,6.7μMのEDTA及び10mMのβメルカプトエタノール
を含有)、25pmolのセンスプライマ−、25pmolのアンチ
センスプライマー、0.5UのTaq DNAポリメラーゼ
(TAKARA製)、250μMのデオキシヌクレオチド、10%のD
MSO、及び7.6mMの塩化マグネシウムからなる。各PCR
サイクルは、94℃で30秒、55℃で30秒、及び7
2℃で1分の反応からなる。但し、最終のPCRステッ
プでは、72℃で5分間とした。得られたPCR産物
を、3%アガロースゲル電気泳動に付し、N+ナイロン
膜(PALL製)に移し、内部オリゴヌクレオチドプローブ
F12(配列番号8)を用いてハイブリダイゼーション
させた。
μl)下で、サーモサイクラー(Thermocycler;Perkin
Elmer Cetus製)を用いて30乃至40サイクル行っ
た。該cDNA混合溶液は、40ngのcDNA、1×PC
R緩衝液(6.7mMトリス(pH8.8),16.6mMの硫酸アンモニ
ウム,6.7μMのEDTA及び10mMのβメルカプトエタノール
を含有)、25pmolのセンスプライマ−、25pmolのアンチ
センスプライマー、0.5UのTaq DNAポリメラーゼ
(TAKARA製)、250μMのデオキシヌクレオチド、10%のD
MSO、及び7.6mMの塩化マグネシウムからなる。各PCR
サイクルは、94℃で30秒、55℃で30秒、及び7
2℃で1分の反応からなる。但し、最終のPCRステッ
プでは、72℃で5分間とした。得られたPCR産物
を、3%アガロースゲル電気泳動に付し、N+ナイロン
膜(PALL製)に移し、内部オリゴヌクレオチドプローブ
F12(配列番号8)を用いてハイブリダイゼーション
させた。
【0118】次いで、該cDNAをテンプレートとして
マラソンcDNA増幅キット(Clonetech製)を用い
て、5’RACE−PCR及び3’RACE−PCRに
よりcDNAを増幅し、各々の長鎖cDNA配列の5’
末端及び3’末端を同定した。この結果、ヒトCSRを
コードする2つの完全長cDNA(各々がコードするタ
ンパクを、CSR1タンパク及びCSR2タンパクと命
名。以下単にCSR1及びCSR2とも呼ぶ。)、及び
完全長cDNAと思われる1つの長鎖cDNA(コーデ
ィングタンパクをCSR3タンパクと命名。以下単にC
SR3とも呼ぶ。)が単離されたことが確認された。C
SR1のcDNA配列及び推定アミノ酸配列を各々配列
番号9及び10に、CSR2のcDNA配列及び推定ア
ミノ酸配列を各々配列番号11及び12に、並びにCS
R3のcDNA配列を各々配列番号13及び14に記載
した。
マラソンcDNA増幅キット(Clonetech製)を用い
て、5’RACE−PCR及び3’RACE−PCRに
よりcDNAを増幅し、各々の長鎖cDNA配列の5’
末端及び3’末端を同定した。この結果、ヒトCSRを
コードする2つの完全長cDNA(各々がコードするタ
ンパクを、CSR1タンパク及びCSR2タンパクと命
名。以下単にCSR1及びCSR2とも呼ぶ。)、及び
完全長cDNAと思われる1つの長鎖cDNA(コーデ
ィングタンパクをCSR3タンパクと命名。以下単にC
SR3とも呼ぶ。)が単離されたことが確認された。C
SR1のcDNA配列及び推定アミノ酸配列を各々配列
番号9及び10に、CSR2のcDNA配列及び推定ア
ミノ酸配列を各々配列番号11及び12に、並びにCS
R3のcDNA配列を各々配列番号13及び14に記載
した。
【0119】得られたCSR1のcDNAを含む遺伝子
及びオープンリーディングフレーム(ORF)の大きさ
は、各々約4.0kb及び約1.8kbであり、606のアミノ酸
をコードするものであった。また、CSR2のcDNA
を含む遺伝子及びORFの大きさは、各々約1.9kb及び
約1.4kbであり、466のアミノ酸をコードしていた。
塩基配列の比較分析から、これら3種類のCSRは、各
々オールターナティブスプライシング(alternative sp
licing)による転写産物であることが確認された。例え
ば、CSR2は、第1番目から第457番目のコドンま
での配列がCSR1と同一である。これら3つのスプラ
イシング変異体の構造的差異を図1に模式的に示した。
及びオープンリーディングフレーム(ORF)の大きさ
は、各々約4.0kb及び約1.8kbであり、606のアミノ酸
をコードするものであった。また、CSR2のcDNA
を含む遺伝子及びORFの大きさは、各々約1.9kb及び
約1.4kbであり、466のアミノ酸をコードしていた。
塩基配列の比較分析から、これら3種類のCSRは、各
々オールターナティブスプライシング(alternative sp
licing)による転写産物であることが確認された。例え
ば、CSR2は、第1番目から第457番目のコドンま
での配列がCSR1と同一である。これら3つのスプラ
イシング変異体の構造的差異を図1に模式的に示した。
【0120】一方、ヒトCSRのゲノム遺伝子は、6つ
以上のコーディングエキソンを含む約90kbの大きさ
を有しており、第2イントロン配列(図1のエキソンA
とエキソンBの間)に存在する部分配列(配列番号2
0)が、既報告のp53結合性配列(対照的な10mer
の2コピーからなる塩基配列(5' RRRC(A/T)(T/A)GYYY
3' (Rはpurine、Yはpyrimidine);EL-Deiry, W.S.ら、
Nature Genetics, Vol.1,45-49, 1992)とフィットする
ものと考えられた。
以上のコーディングエキソンを含む約90kbの大きさ
を有しており、第2イントロン配列(図1のエキソンA
とエキソンBの間)に存在する部分配列(配列番号2
0)が、既報告のp53結合性配列(対照的な10mer
の2コピーからなる塩基配列(5' RRRC(A/T)(T/A)GYYY
3' (Rはpurine、Yはpyrimidine);EL-Deiry, W.S.ら、
Nature Genetics, Vol.1,45-49, 1992)とフィットする
ものと考えられた。
【0121】図1に模式的に示すように、CSR1は
A、B、C、D、E及びE''の6つのエキソンから、C
SR2はA、B、C、D、E及びFの6つのエキソンか
ら、またCSR3はC、D、E及びE''の少なくとも4
つのエキソンから構成されるものと推定された(CSR
3のcDNAの5’末端配列中にはB及びB''に対応す
るコーディング配列が見出されることから、さらにB及
びB''をエキソンとして有する可能性がある)。図17
にさらに詳細に示すように、CSR1のゲノミックDN
Aは、エキソン1、2、3、4、5及び6’で表わされ
る6つのエキソンからなる。CSR2のゲノミックDN
Aは、エキソン6’がスプライシングを受け、代りにエ
キソン6”が使用され、エキソン1、2、3、4、5及
び6”で表わされる6つのエキソンからなる。
A、B、C、D、E及びE''の6つのエキソンから、C
SR2はA、B、C、D、E及びFの6つのエキソンか
ら、またCSR3はC、D、E及びE''の少なくとも4
つのエキソンから構成されるものと推定された(CSR
3のcDNAの5’末端配列中にはB及びB''に対応す
るコーディング配列が見出されることから、さらにB及
びB''をエキソンとして有する可能性がある)。図17
にさらに詳細に示すように、CSR1のゲノミックDN
Aは、エキソン1、2、3、4、5及び6’で表わされ
る6つのエキソンからなる。CSR2のゲノミックDN
Aは、エキソン6’がスプライシングを受け、代りにエ
キソン6”が使用され、エキソン1、2、3、4、5及
び6”で表わされる6つのエキソンからなる。
【0122】種々コンピューターソフトを用いて、本願
発明のCSRタンパクの既知タンパクとのアミノ酸配列
相同性を調べた結果、本願発明のCSRタンパクとアミ
ノ酸配列相同性を有する既知タンパクは見いだされなか
った。一方、図1に示したエキソンEはコラーゲンと6
1%のアミノ酸配列相同性を、エキソンDは酵母染色体
分離タンパクsmc2p(chromosome segregation pro
tein-smc2p)及びヒトミオシン重鎖とアミノ酸配列相同
性を、またエキソンCは冬眠関連タンパク25(hibern
ation related protein-25; HP25とアミノ酸配列相同性
を有していた。
発明のCSRタンパクの既知タンパクとのアミノ酸配列
相同性を調べた結果、本願発明のCSRタンパクとアミ
ノ酸配列相同性を有する既知タンパクは見いだされなか
った。一方、図1に示したエキソンEはコラーゲンと6
1%のアミノ酸配列相同性を、エキソンDは酵母染色体
分離タンパクsmc2p(chromosome segregation pro
tein-smc2p)及びヒトミオシン重鎖とアミノ酸配列相同
性を、またエキソンCは冬眠関連タンパク25(hibern
ation related protein-25; HP25とアミノ酸配列相同性
を有していた。
【0123】次に、アミノ酸組成、電荷(CSR1:PI
=6.4、CSR2:PI=5.5)及び分子量(CSR1:65K
d、CSR2:52Kd)に基づいて、コンピューターソフ
トPROPSEARCHを用いて、本願発明の該CSRタンパクの
既知タンパクとの構造的類似性を調べた結果、CSR1
タンパクはマクロファージスカベンジャー受容体I型及
びII型(GenBankアクセッション番号:S08278;Rohrer,
L.ら、Nature, Vol.343, 570-572, 1990)と、またC
SR2タンパクはセンサー(Sensor)タンパク(GenBan
kアクセッション番号:P30844;Nagasawa, S.ら、J. Bi
ochem., Vol.114,350-357, 1993)と80%以上の信頼
性で最も高い構造的類似性を有していた。
=6.4、CSR2:PI=5.5)及び分子量(CSR1:65K
d、CSR2:52Kd)に基づいて、コンピューターソフ
トPROPSEARCHを用いて、本願発明の該CSRタンパクの
既知タンパクとの構造的類似性を調べた結果、CSR1
タンパクはマクロファージスカベンジャー受容体I型及
びII型(GenBankアクセッション番号:S08278;Rohrer,
L.ら、Nature, Vol.343, 570-572, 1990)と、またC
SR2タンパクはセンサー(Sensor)タンパク(GenBan
kアクセッション番号:P30844;Nagasawa, S.ら、J. Bi
ochem., Vol.114,350-357, 1993)と80%以上の信頼
性で最も高い構造的類似性を有していた。
【0124】また、コンピュータソフトPROSITE、COI
L、TMpred及びPSORT等を用い、CSRタンパクの2次構
造を解析した。この結果、CSR1及びCSR2は、図
2に模式的に示されるような2次構造を有するものと考
えられた。CSR1タンパクは、大きくわけて3つの異
なるドメイン、即ち、(1)ロイシン単位が4回繰り返
されるロイシンジッパー構造を含むトランスメンブレン
ドメイン(transmembrane domain)、(2)αヘリカル
コイルドコイルドメイン(α-helical coiled coil dom
ain),及び(3)Gly−X−Yの配列単位が49回
繰り返されるコラーゲン様ドメイン(collagen-like do
main)から構成される。さらに、そのような特徴的構造
を有する3分子が、コイルドコイルドメインでαヘリッ
クスを、またコラーゲン様ドメインでトリプルヘリック
スを形成することにより3量体を形成する。
L、TMpred及びPSORT等を用い、CSRタンパクの2次構
造を解析した。この結果、CSR1及びCSR2は、図
2に模式的に示されるような2次構造を有するものと考
えられた。CSR1タンパクは、大きくわけて3つの異
なるドメイン、即ち、(1)ロイシン単位が4回繰り返
されるロイシンジッパー構造を含むトランスメンブレン
ドメイン(transmembrane domain)、(2)αヘリカル
コイルドコイルドメイン(α-helical coiled coil dom
ain),及び(3)Gly−X−Yの配列単位が49回
繰り返されるコラーゲン様ドメイン(collagen-like do
main)から構成される。さらに、そのような特徴的構造
を有する3分子が、コイルドコイルドメインでαヘリッ
クスを、またコラーゲン様ドメインでトリプルヘリック
スを形成することにより3量体を形成する。
【0125】この構造は、前記マクロファージスカベン
ジャー受容体II型の構造と高い類似性を有するものであ
る(図3)(出典:「分子動脈硬化学」、第IV章「炎症
細胞1.スカベンジャー受容体(松本明世 著)」、第
251頁、1995年、森崎信尋ら編集、メディカルレビュー
社発行)。CSR2タンパクは、CSR1タンパクのコ
ラーゲン様ドメインを欠き、代りに10個のアミノ酸か
らなるC末端を有する構造をとる。該コラーゲン様ドメ
インは、脂質、血漿成分(フィブロネクチン、ラミニ
ン、コラーゲン、フィブリノーゲンなど)及び多くの負
の電荷を帯びている分子などの幅広い分子と結合するこ
とができることが知られており、コンピューターソフト
DNASISを用いて分析した結果、CSRタンパクの該コラ
ーゲン様ドメインは、生理学的pHで正の実効電荷(ne
t charge)を帯びていることが示唆された。
ジャー受容体II型の構造と高い類似性を有するものであ
る(図3)(出典:「分子動脈硬化学」、第IV章「炎症
細胞1.スカベンジャー受容体(松本明世 著)」、第
251頁、1995年、森崎信尋ら編集、メディカルレビュー
社発行)。CSR2タンパクは、CSR1タンパクのコ
ラーゲン様ドメインを欠き、代りに10個のアミノ酸か
らなるC末端を有する構造をとる。該コラーゲン様ドメ
インは、脂質、血漿成分(フィブロネクチン、ラミニ
ン、コラーゲン、フィブリノーゲンなど)及び多くの負
の電荷を帯びている分子などの幅広い分子と結合するこ
とができることが知られており、コンピューターソフト
DNASISを用いて分析した結果、CSRタンパクの該コラ
ーゲン様ドメインは、生理学的pHで正の実効電荷(ne
t charge)を帯びていることが示唆された。
【0126】また、CSRタンパクは、多くのリン酸化
部位及び糖鎖結合部位、並びにヘム結合部位及びミクロ
ボディー(microbody;ペルオキシソーム(peroxisom
e))C末端ターゲティングシグナルを有していること
が確認された(図4及び図16)。この結果は、CSR
タンパクは翻訳後修飾を受けるタンパクであることを示
唆するものである。さらに、CSR1遺伝子及びCSR
2遺伝子の3’末端の非翻訳領域には、3’末端poly
(A)部位の近傍に、各々AGTAAA及びAATAAAなる6塩基配
列を含んでいた。これまでの報告から、該配列がポリア
デニレーションシグナルの供与に深く関連していると思
われる。
部位及び糖鎖結合部位、並びにヘム結合部位及びミクロ
ボディー(microbody;ペルオキシソーム(peroxisom
e))C末端ターゲティングシグナルを有していること
が確認された(図4及び図16)。この結果は、CSR
タンパクは翻訳後修飾を受けるタンパクであることを示
唆するものである。さらに、CSR1遺伝子及びCSR
2遺伝子の3’末端の非翻訳領域には、3’末端poly
(A)部位の近傍に、各々AGTAAA及びAATAAAなる6塩基配
列を含んでいた。これまでの報告から、該配列がポリア
デニレーションシグナルの供与に深く関連していると思
われる。
【0127】実施例6 CSR遺伝子の染色体上の局在 FISH法(Fluorescence in situ hybridization;実
験医学・別冊、「遺伝子工学ハンドブック」、羊土社発
行、1992年、第271頁〜第277頁)を用いて、常法により
ヒトCSR遺伝子のヒト染色体上の局在を分析した。C
SR遺伝子のエキソン配列を含むことが確認された前述
のコスミドクローン2をプローブとして用いた。Gバン
ド法により染色体を分染するために、チミジンシンクロ
ナイゼーション法(thymidine synchronization)及び
ブロモデオキシウリジン放出法(bromodeoxyuridine re
lease)を用いて、ヒト細胞分裂中期染色体(metaphase
chromosome)を調製した。
験医学・別冊、「遺伝子工学ハンドブック」、羊土社発
行、1992年、第271頁〜第277頁)を用いて、常法により
ヒトCSR遺伝子のヒト染色体上の局在を分析した。C
SR遺伝子のエキソン配列を含むことが確認された前述
のコスミドクローン2をプローブとして用いた。Gバン
ド法により染色体を分染するために、チミジンシンクロ
ナイゼーション法(thymidine synchronization)及び
ブロモデオキシウリジン放出法(bromodeoxyuridine re
lease)を用いて、ヒト細胞分裂中期染色体(metaphase
chromosome)を調製した。
【0128】ハイブリダイゼーションを行う前に、細胞
分裂中期ヒト細胞をHoechst-33258(1μg/ml)で
染色し、紫外線照射を施した。該プローブを、ニックト
ラスレーション法(nick translation)によりビオチン
-16-UTP(Boehringer製)で標識し、該変性中期細胞に
ハイブリダイズさせた。FITC-アビジン(fluoresceinis
othiocyanate-avidin;Boehringer製)を用いて、ハイ
ブリダイゼーションシグナルを検出した。該シグナルの
正確な測定は、複製したGバンドを可視的に確認するこ
とにより行った。この結果、CSR遺伝子は複製Gバン
ド染色体標本上の8p21にマッピングされた(図5
(a))。なお、細胞分裂中期ヒト細胞の染色体標本はR
分染核型上にマッピングした(図5(b))。
分裂中期ヒト細胞をHoechst-33258(1μg/ml)で
染色し、紫外線照射を施した。該プローブを、ニックト
ラスレーション法(nick translation)によりビオチン
-16-UTP(Boehringer製)で標識し、該変性中期細胞に
ハイブリダイズさせた。FITC-アビジン(fluoresceinis
othiocyanate-avidin;Boehringer製)を用いて、ハイ
ブリダイゼーションシグナルを検出した。該シグナルの
正確な測定は、複製したGバンドを可視的に確認するこ
とにより行った。この結果、CSR遺伝子は複製Gバン
ド染色体標本上の8p21にマッピングされた(図5
(a))。なお、細胞分裂中期ヒト細胞の染色体標本はR
分染核型上にマッピングした(図5(b))。
【0129】実施例7 CSR遺伝子の各種組織での発
現 前記で得られたCSR1及びCSR2の各々のcDNA
をプローブとして、Human Multiple Tissue Northern B
lot(Clonetech製)を用い、CSR1及びCSR2のm
RNAの各種ヒト組織での発現を常法により調べた。結
果を図6に示す。CSR遺伝子の発現は、末梢血白血球
以外の各組織で確認されたが、脾臓及び肝臓での発現は
相対的に低いものであった。本試験での実験操作は、詳
細には下記のようにして行った。ヒトの心臓、脳、胎
盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立
腺、精巣、卵巣、小腸、大腸、及び末梢血白血球に由来
するpoly(A)+RNAブロッティング膜(各2μgのpoly(A)+
RNAがブロッティング されている。Clonetech製)に、
[α-32P]dCTPで標識した前記CSR1及びCSR2の各
々をハイブリダイズさせた。ハイブリダイズさせた膜
を、2xSSC/0.05%SDS(室温で15分)で2回、及び0.1xSS
C/0.1%SDS(50℃で10分)洗浄した後、BAS1000イメージ
ングプレート(富士製)を用いて、オートラジオグラフ
ィーに供した(12-24時間)。なお、ヒトβアクチンのR
NAの発現のレベルをコントロールとして用いた。
現 前記で得られたCSR1及びCSR2の各々のcDNA
をプローブとして、Human Multiple Tissue Northern B
lot(Clonetech製)を用い、CSR1及びCSR2のm
RNAの各種ヒト組織での発現を常法により調べた。結
果を図6に示す。CSR遺伝子の発現は、末梢血白血球
以外の各組織で確認されたが、脾臓及び肝臓での発現は
相対的に低いものであった。本試験での実験操作は、詳
細には下記のようにして行った。ヒトの心臓、脳、胎
盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立
腺、精巣、卵巣、小腸、大腸、及び末梢血白血球に由来
するpoly(A)+RNAブロッティング膜(各2μgのpoly(A)+
RNAがブロッティング されている。Clonetech製)に、
[α-32P]dCTPで標識した前記CSR1及びCSR2の各
々をハイブリダイズさせた。ハイブリダイズさせた膜
を、2xSSC/0.05%SDS(室温で15分)で2回、及び0.1xSS
C/0.1%SDS(50℃で10分)洗浄した後、BAS1000イメージ
ングプレート(富士製)を用いて、オートラジオグラフ
ィーに供した(12-24時間)。なお、ヒトβアクチンのR
NAの発現のレベルをコントロールとして用いた。
【0130】実施例8 p53タンパクによるCSR遺
伝子の発現調節 CSR遺伝子の発現が腫瘍抑制タンパクp53との相互
作用により制御されているか否かを下記のようにして分
析した。天然型p53遺伝子または変異型p53−27
3遺伝子発現プラスミドを、変異型p53(273番目
及び309番目のコドンに変異を有する)を発現するヒ
ト結腸癌細胞SW480(Rodrigues, N.R.ら、Proc. NAtl.
Acad. Sci. USA, Vol.87, 7555-7559, 1990)に一過性
に遺伝子導入した(天然型遺伝子導入細胞をWと、また
変異型遺伝子導入細胞をMと称する。)。遺伝子導入
後、各々の導入細胞W及びMから、RNAを経時的に取
得し、RT−PCRによりCSR遺伝子の発現状態を分
析した。結果を図7に示した。
伝子の発現調節 CSR遺伝子の発現が腫瘍抑制タンパクp53との相互
作用により制御されているか否かを下記のようにして分
析した。天然型p53遺伝子または変異型p53−27
3遺伝子発現プラスミドを、変異型p53(273番目
及び309番目のコドンに変異を有する)を発現するヒ
ト結腸癌細胞SW480(Rodrigues, N.R.ら、Proc. NAtl.
Acad. Sci. USA, Vol.87, 7555-7559, 1990)に一過性
に遺伝子導入した(天然型遺伝子導入細胞をWと、また
変異型遺伝子導入細胞をMと称する。)。遺伝子導入
後、各々の導入細胞W及びMから、RNAを経時的に取
得し、RT−PCRによりCSR遺伝子の発現状態を分
析した。結果を図7に示した。
【0131】さらに、(1)正常ヒト線維芽細胞NHDF40
42(Clonetics製)、(2)ヒト子宮頸癌由来上皮様細
胞Hela、(3)ヒト肺癌細胞H1299、(4)ヒト食道癌
細胞TE10、(5)ヒト神経グリア芽腫細胞T98G、(6)
ヒト神経グリア芽腫細胞U87MG、(7)ヒト腫瘍細胞SKB
R3、及び(8)前記ヒト結腸癌細胞SW480におけるCS
R遺伝子の発現状況を前記と同様にRT-PCR法により分析
した。結果を図8に示す。なお、前記RT−PCRは下
記のように行った。
42(Clonetics製)、(2)ヒト子宮頸癌由来上皮様細
胞Hela、(3)ヒト肺癌細胞H1299、(4)ヒト食道癌
細胞TE10、(5)ヒト神経グリア芽腫細胞T98G、(6)
ヒト神経グリア芽腫細胞U87MG、(7)ヒト腫瘍細胞SKB
R3、及び(8)前記ヒト結腸癌細胞SW480におけるCS
R遺伝子の発現状況を前記と同様にRT-PCR法により分析
した。結果を図8に示す。なお、前記RT−PCRは下
記のように行った。
【0132】抽出した全mRNAを、M-MuLV逆転写酵素
(200ユニット/μl、GIBCO-BRL製)の存在下、d
(N)10(ベーリンガーマンハイム製)を用いてランダ
ムプライミングによりcDNAに変換し、cDNAライ
ブラリーを作製した。RT−PCRによるCSRcDN
Aの増幅には、プライマーとしてEC12(配列番号1
5)及びEC2(配列番号16)を用いた。
(200ユニット/μl、GIBCO-BRL製)の存在下、d
(N)10(ベーリンガーマンハイム製)を用いてランダ
ムプライミングによりcDNAに変換し、cDNAライ
ブラリーを作製した。RT−PCRによるCSRcDN
Aの増幅には、プライマーとしてEC12(配列番号1
5)及びEC2(配列番号16)を用いた。
【0133】RT−PCRは、cDNA混合溶液(25
μl)下で、サーモサイクラー(Thermocycler;Perkin
Elmer Cetus製)を用いて30乃至40サイクル行っ
た。該cDNA混合溶液は、40ngのcDNA、1×PC
R緩衝液(6.7mMトリス(pH8.8),16.6mMの硫酸アンモニ
ウム,6.7μMのEDTA及び10mMのβメルカプトエタノ−ル
を含有)、25pmolのセンスプライマ−、25pmolのアンチ
センスプライマー、0.5UのTaq DNAポリメラーゼ
(TAKARA製)、250μMのデオキシヌクレオチド、10%のD
MSO、及び7.6mMの塩化マグネシウムからなる。各PCR
サイクルは、94℃で30秒、55℃で30秒、及び7
2℃で1分の反応からなる。但し、最終のPCRステッ
プでは、72℃で1分間とした。得られたPCR産物
を、3%アガロースゲル電気泳動に付し、N+ナイロン
膜(PALL製)に移し、内部オリゴヌクレオチドプローブ
F12(配列番号8)を用いてサザンハイブリダイゼー
ションさせた。該RT−PCRでは、プライマーとして
HGS(配列番号17)及びHGA(配列番号18)を
用いたGAPDH転写物の増幅をコントロールとした。
サザンハイブリダイゼーションでは、内部プローブ(配
列番号19)を用いた。
μl)下で、サーモサイクラー(Thermocycler;Perkin
Elmer Cetus製)を用いて30乃至40サイクル行っ
た。該cDNA混合溶液は、40ngのcDNA、1×PC
R緩衝液(6.7mMトリス(pH8.8),16.6mMの硫酸アンモニ
ウム,6.7μMのEDTA及び10mMのβメルカプトエタノ−ル
を含有)、25pmolのセンスプライマ−、25pmolのアンチ
センスプライマー、0.5UのTaq DNAポリメラーゼ
(TAKARA製)、250μMのデオキシヌクレオチド、10%のD
MSO、及び7.6mMの塩化マグネシウムからなる。各PCR
サイクルは、94℃で30秒、55℃で30秒、及び7
2℃で1分の反応からなる。但し、最終のPCRステッ
プでは、72℃で1分間とした。得られたPCR産物
を、3%アガロースゲル電気泳動に付し、N+ナイロン
膜(PALL製)に移し、内部オリゴヌクレオチドプローブ
F12(配列番号8)を用いてサザンハイブリダイゼー
ションさせた。該RT−PCRでは、プライマーとして
HGS(配列番号17)及びHGA(配列番号18)を
用いたGAPDH転写物の増幅をコントロールとした。
サザンハイブリダイゼーションでは、内部プローブ(配
列番号19)を用いた。
【0134】CSR遺伝子の発現は、天然型及び変異型
に拘わらず、p53タンパクの存在の有無に依存してア
ップレギュレートされるものではないことが確認され
た。このことは、CSR遺伝子の発現のアップレギュレ
ーション(up-regulation)が他の未知因子により行わ
れている可能性を示唆するものである。
に拘わらず、p53タンパクの存在の有無に依存してア
ップレギュレートされるものではないことが確認され
た。このことは、CSR遺伝子の発現のアップレギュレ
ーション(up-regulation)が他の未知因子により行わ
れている可能性を示唆するものである。
【0135】実施例8’ p53タンパクによるCSR
遺伝子の発現調節 実施例8の結果をさらに検証するために、p53タンパ
クがCSR遺伝子に結合するか否かをEMSA(electropho
retic mobility shift assay)法により解析した。元
々、p53タンパクを発現せず且つCSRのmRNAの発現
が乏しい細胞であるヒト肺癌細胞H1299を、天然型p5
3遺伝子または変異型p53−273遺伝子発現プラス
ミド(各15μg)で形質転換した(天然型遺伝子形質転
換細胞をWと、また変異型遺伝子形質転換細胞をMと称
する。)。形質転換から24時間後、各々の形質転換細
胞W及びMから、既報と同様の方法により核抽出物を調
製した(Mol. Cell. Biol., Vol.12, p.2866-2871, 199
2)。即ち、形質転換細胞(各1×106細胞以上)を、
5倍量の緩衝液A(20mM HEPES (pH7.5)、20%グリセロ
ール、10mM NaCl、10mM MgCl2、0.2mM EDTA、1mM DTT、
0.1% NP40、及び蛋白分解酵素阻害剤)に懸濁し氷上で1
0分間インキュベーションした後、4℃で10分間遠心し
た。次いで、得られた核ペレットを、2倍量の緩衝液B
(NaClの濃度を500mMとする以外は緩衝液Aと同じ組
成)中に懸濁させ、氷上で30分間インキュベーションし
た後、遠心し(14,000rpmm,15分間)、遠心上澄を回
収した。この上澄を1〜5μg/mlの濃度に調製しEMSA試
験に用いた。
遺伝子の発現調節 実施例8の結果をさらに検証するために、p53タンパ
クがCSR遺伝子に結合するか否かをEMSA(electropho
retic mobility shift assay)法により解析した。元
々、p53タンパクを発現せず且つCSRのmRNAの発現
が乏しい細胞であるヒト肺癌細胞H1299を、天然型p5
3遺伝子または変異型p53−273遺伝子発現プラス
ミド(各15μg)で形質転換した(天然型遺伝子形質転
換細胞をWと、また変異型遺伝子形質転換細胞をMと称
する。)。形質転換から24時間後、各々の形質転換細
胞W及びMから、既報と同様の方法により核抽出物を調
製した(Mol. Cell. Biol., Vol.12, p.2866-2871, 199
2)。即ち、形質転換細胞(各1×106細胞以上)を、
5倍量の緩衝液A(20mM HEPES (pH7.5)、20%グリセロ
ール、10mM NaCl、10mM MgCl2、0.2mM EDTA、1mM DTT、
0.1% NP40、及び蛋白分解酵素阻害剤)に懸濁し氷上で1
0分間インキュベーションした後、4℃で10分間遠心し
た。次いで、得られた核ペレットを、2倍量の緩衝液B
(NaClの濃度を500mMとする以外は緩衝液Aと同じ組
成)中に懸濁させ、氷上で30分間インキュベーションし
た後、遠心し(14,000rpmm,15分間)、遠心上澄を回
収した。この上澄を1〜5μg/mlの濃度に調製しEMSA試
験に用いた。
【0136】各々のEMSA試験は、核抽出物(8μl)、
緩衝液A(9μl)、poly(dI-dC)(1μg、Boehringer
Mannheim製)、モノクローナル抗体PAb421(1μl、Onc
ogene Science製)、及び/または競合DNA(competi
tor DNA)(非標識プローブの100倍以上の量)を用い
て、末端を標識した二重鎖オリゴヌクレオチド(約5n
g)上で行った。室温下で30分間インキュベーションし
た後、生成物をゲル(4%ポリアクリルアミド/0.5xTris
-borate-EDTA)に流し、200Vで3時間電気泳動し、−8
0℃でフィルムに転写した。陽性対照プローブとして、
p53DNA結合コンセンサス配列(P53-CON、配列番
号21)を用いた。CSR遺伝子内に存在する推定p5
3結合配列に対するプローブ(P53-CSR、配列番号2
2)は、アニーリングオリゴヌクレオチドによって構築
した。結果を図18に示した。
緩衝液A(9μl)、poly(dI-dC)(1μg、Boehringer
Mannheim製)、モノクローナル抗体PAb421(1μl、Onc
ogene Science製)、及び/または競合DNA(competi
tor DNA)(非標識プローブの100倍以上の量)を用い
て、末端を標識した二重鎖オリゴヌクレオチド(約5n
g)上で行った。室温下で30分間インキュベーションし
た後、生成物をゲル(4%ポリアクリルアミド/0.5xTris
-borate-EDTA)に流し、200Vで3時間電気泳動し、−8
0℃でフィルムに転写した。陽性対照プローブとして、
p53DNA結合コンセンサス配列(P53-CON、配列番
号21)を用いた。CSR遺伝子内に存在する推定p5
3結合配列に対するプローブ(P53-CSR、配列番号2
2)は、アニーリングオリゴヌクレオチドによって構築
した。結果を図18に示した。
【0137】形質転換細胞W由来のp53及び形質転換
細胞M由来のp53のいずれも、p53DNA結合コン
センサス配列(P53-CON、配列番号21)に同程度で結
合した。一方、推定p53結合配列に対するプローブ
(P53-CSR、配列番号22)へは、p53DNA結合コ
ンセンサス配列への結合に比べ弱いものの、形質転換細
胞W由来のp53のみが結合した。この結果は、CSR
遺伝子の転写が、p53タンパクのCSR遺伝子への結
合により部分的に誘導されることを示唆するものであ
る。
細胞M由来のp53のいずれも、p53DNA結合コン
センサス配列(P53-CON、配列番号21)に同程度で結
合した。一方、推定p53結合配列に対するプローブ
(P53-CSR、配列番号22)へは、p53DNA結合コ
ンセンサス配列への結合に比べ弱いものの、形質転換細
胞W由来のp53のみが結合した。この結果は、CSR
遺伝子の転写が、p53タンパクのCSR遺伝子への結
合により部分的に誘導されることを示唆するものであ
る。
【0138】実施例8” 各種腫瘍細胞におけるCSR
遺伝子の発現とp53タンパクの有無の相関 p53タンパクの有無が、CSR遺伝子の発現に影響を
さらに解析するため、実施例8で用いた種々の腫瘍細胞
に加え、下記さらに多くの腫瘍細胞におけるCSR遺伝
子の発現をRT-PCR法によるサザーンハイブリダイゼーシ
ョンにより実施例8と同様にして分析した。但し、コン
トロールとしては、ヒトβアクチン転写物の増幅をコン
トロールとした。ヒトβアクチンに対するRT−PCR
では、フォーワードプライマー及びリバースプライマー
として、各々配列番号23及び配列番号24のオリゴヌ
クレオチドを用いた。また、サザンハイブリダイゼーシ
ョン用のプローブとして、配列番号25の内部オリゴヌ
クレオチドを用いた。
遺伝子の発現とp53タンパクの有無の相関 p53タンパクの有無が、CSR遺伝子の発現に影響を
さらに解析するため、実施例8で用いた種々の腫瘍細胞
に加え、下記さらに多くの腫瘍細胞におけるCSR遺伝
子の発現をRT-PCR法によるサザーンハイブリダイゼーシ
ョンにより実施例8と同様にして分析した。但し、コン
トロールとしては、ヒトβアクチン転写物の増幅をコン
トロールとした。ヒトβアクチンに対するRT−PCR
では、フォーワードプライマー及びリバースプライマー
として、各々配列番号23及び配列番号24のオリゴヌ
クレオチドを用いた。また、サザンハイブリダイゼーシ
ョン用のプローブとして、配列番号25の内部オリゴヌ
クレオチドを用いた。
【0139】本試験では下記の正常細胞及び腫瘍細胞を
用いた。 (1)天然型p53タンパクを発現する細胞:正常ヒト
線維芽細胞NHDF4042(Clonetics製)、ヒト神経グリア
芽腫細胞U87MG、ヒト乳癌アデノカルシノーマMCF7、cea
cumアデノカルシノーマSNU-C4、及びヒト結腸癌カルシ
ノーマHCT116。 (2)変異型p53タンパクを発現する細胞:ヒト子宮
頸癌由来上皮様細胞Hela、ヒト肺癌細胞H1299、ヒト食
道癌細胞(TE-3, TE10)、ヒト神経グリア芽腫細胞T98
G、ヒト腫瘍細胞SK-BR-3、及びヒト結腸癌細胞(SW480,
HCT-15, DLD-1)、ヒト転移性前立腺癌細胞LNCaP.FG
C、ヒトceacumアデノカルシノ−マ(H498, SNU-C2A)、
ヒト胃癌細胞(SNU-1, SNU-5, SNU-16)、及びヒト肺癌
細胞(ACC-LC174, ACC-LC176)。結果を図19に示し
た。この結果は、p53遺伝子の状態(p53タンパク
の発現)とCSR遺伝子の発現が必ずしも相関するのも
ではないことを示している。即ち、p53タンパクの存
在の有無がCSR遺伝子の発現の誘導に部分的に関与す
る可能性とともに、CSR遺伝子の発現の誘導が他の未
知因子によっても行われている可能性を示唆するもので
ある。
用いた。 (1)天然型p53タンパクを発現する細胞:正常ヒト
線維芽細胞NHDF4042(Clonetics製)、ヒト神経グリア
芽腫細胞U87MG、ヒト乳癌アデノカルシノーマMCF7、cea
cumアデノカルシノーマSNU-C4、及びヒト結腸癌カルシ
ノーマHCT116。 (2)変異型p53タンパクを発現する細胞:ヒト子宮
頸癌由来上皮様細胞Hela、ヒト肺癌細胞H1299、ヒト食
道癌細胞(TE-3, TE10)、ヒト神経グリア芽腫細胞T98
G、ヒト腫瘍細胞SK-BR-3、及びヒト結腸癌細胞(SW480,
HCT-15, DLD-1)、ヒト転移性前立腺癌細胞LNCaP.FG
C、ヒトceacumアデノカルシノ−マ(H498, SNU-C2A)、
ヒト胃癌細胞(SNU-1, SNU-5, SNU-16)、及びヒト肺癌
細胞(ACC-LC174, ACC-LC176)。結果を図19に示し
た。この結果は、p53遺伝子の状態(p53タンパク
の発現)とCSR遺伝子の発現が必ずしも相関するのも
ではないことを示している。即ち、p53タンパクの存
在の有無がCSR遺伝子の発現の誘導に部分的に関与す
る可能性とともに、CSR遺伝子の発現の誘導が他の未
知因子によっても行われている可能性を示唆するもので
ある。
【0140】実施例9 細胞内ストレスによるCSR遺
伝子の転写誘導 CSRの機能を解析するために、CSRの発現が、細胞
内で発生したストレスや傷害(血清飢餓(serum sarv
ation)、紫外線照射、過酸化水素、熱ショッ
ク)に依存するものであるか否かを下記のようにして調
べた。
伝子の転写誘導 CSRの機能を解析するために、CSRの発現が、細胞
内で発生したストレスや傷害(血清飢餓(serum sarv
ation)、紫外線照射、過酸化水素、熱ショッ
ク)に依存するものであるか否かを下記のようにして調
べた。
【0141】<9−1> 血清飢餓(serum sarvatio
n)によるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104個)、ヒト結
腸癌細胞SW480(3×105個)、ヒト神経グリア芽腫細胞T
98G(3×105個)、ヒト食道癌細胞TE13(3×105個)、
及びヒト子宮頸癌由来上皮様細胞Hela(3×105個)の各
々を、100mm直径の培養皿を用いて、10%ウシ胎児血
清(FBS, Fetal Bovine Serum;GIBCO-BRL製)含有完全
培地に蒔き、5%CO2、37℃条件下で培養した。1
乃至2日後、該培養液を0.1%FBSを含有する完全培地
と交換し、4日間培養した。次いで、各細胞からRNA
を抽出し、常法に従ってノーザンブロット法(Nothern
Blotting Assay)によりCSRのmRNAの発現状態を
調べた。ノーザンブロットは下記のようにして行った。
n)によるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104個)、ヒト結
腸癌細胞SW480(3×105個)、ヒト神経グリア芽腫細胞T
98G(3×105個)、ヒト食道癌細胞TE13(3×105個)、
及びヒト子宮頸癌由来上皮様細胞Hela(3×105個)の各
々を、100mm直径の培養皿を用いて、10%ウシ胎児血
清(FBS, Fetal Bovine Serum;GIBCO-BRL製)含有完全
培地に蒔き、5%CO2、37℃条件下で培養した。1
乃至2日後、該培養液を0.1%FBSを含有する完全培地
と交換し、4日間培養した。次いで、各細胞からRNA
を抽出し、常法に従ってノーザンブロット法(Nothern
Blotting Assay)によりCSRのmRNAの発現状態を
調べた。ノーザンブロットは下記のようにして行った。
【0142】TRIZOL(GIBCO-BRL製)を用いて、各細胞
からRNAを抽出した。次いで、Oligotex-dT30<Super>
(JSR製,日本)を用いて、mRNAを単離した。該m
RNA(0.51μg)を、20%ホルムアルデヒドとともに
1.5%アガロースゲル上に加えた後、Biodyne Aトランス
ファ−メンブレン(PALL製)上に移した。先に調製した
ヒト胎児脳由来のcDNAライブラリーから単離され、
[α-32P]dCTPで標識したヒトCSRcDNA(1×
106cpm/ml)をプローブとして、50%(v/v)ホルムアミ
ド、5×SSPE、2×デンハ−ツ溶液(Denharts solutio
n)、及び1.25% (w/v)SDSを含む溶液中でハイブリ
ダイゼーションを行った。RNAの発現のレベルは、ア
クチンのRNAの発現レベルをコントロールとして分析
した。
からRNAを抽出した。次いで、Oligotex-dT30<Super>
(JSR製,日本)を用いて、mRNAを単離した。該m
RNA(0.51μg)を、20%ホルムアルデヒドとともに
1.5%アガロースゲル上に加えた後、Biodyne Aトランス
ファ−メンブレン(PALL製)上に移した。先に調製した
ヒト胎児脳由来のcDNAライブラリーから単離され、
[α-32P]dCTPで標識したヒトCSRcDNA(1×
106cpm/ml)をプローブとして、50%(v/v)ホルムアミ
ド、5×SSPE、2×デンハ−ツ溶液(Denharts solutio
n)、及び1.25% (w/v)SDSを含む溶液中でハイブリ
ダイゼーションを行った。RNAの発現のレベルは、ア
クチンのRNAの発現レベルをコントロールとして分析
した。
【0143】ハイブリダイゼーションさせたメンブレン
を、2×SSC/0.05%SDSを用いて2回(各々室温下で15
分間)洗浄し、次いで0.1×SSC/0.1%SDSを用いて1回
(65℃で10分間)洗浄した。メンブレンをイメージ
ングプレートBAS1000(Fuji製、日本)上で24乃至4
8時間曝した。電気泳動のサイズマーカーとして、0.24
乃至9.5kbのRNA(GIBCO-BRL製)を使用した。結果を
図9に示す。いずれの細胞においても、培養液から血清
を除くこと(血清飢餓状態)により、CSRのmRNA
の発現が誘導されることが確認された。
を、2×SSC/0.05%SDSを用いて2回(各々室温下で15
分間)洗浄し、次いで0.1×SSC/0.1%SDSを用いて1回
(65℃で10分間)洗浄した。メンブレンをイメージ
ングプレートBAS1000(Fuji製、日本)上で24乃至4
8時間曝した。電気泳動のサイズマーカーとして、0.24
乃至9.5kbのRNA(GIBCO-BRL製)を使用した。結果を
図9に示す。いずれの細胞においても、培養液から血清
を除くこと(血清飢餓状態)により、CSRのmRNA
の発現が誘導されることが確認された。
【0144】<9−2> 紫外線照射によるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(培養液中で24乃至48
時間培養してサブコンフルエント(50〜70%)にしたも
の)に、5乃至120 J/m2の強さの紫外線を照射した後、
細胞からRNAを抽出し、前記と同様にしてノーザンブ
ロット法によりCSRのmRNAの発現状態を調べた。
mRNAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レ
ベルをコントロールとして分析した。
時間培養してサブコンフルエント(50〜70%)にしたも
の)に、5乃至120 J/m2の強さの紫外線を照射した後、
細胞からRNAを抽出し、前記と同様にしてノーザンブ
ロット法によりCSRのmRNAの発現状態を調べた。
mRNAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レ
ベルをコントロールとして分析した。
【0145】紫外線照射は次のように行った。即ち、紫
外線照射する前に、培養液を除き、リン酸緩衝液で2回
洗浄した。紫外線は、40Wのランプから50cm離して5
乃至120秒間照射した。紫外線の量は、Black Ray UV
メ−タ−を用いて測定した。結果を図10に示した。C
SRのmRNAの発現は、紫外線照射により誘導される
ことが確認された。本実験では、15J/m2の強さで照射し
た場合に最大の発現が観察された。さらに、紫外線照射
後のCSRmRNAの経時的な発現状態を調べた。この
試験は、15J/m2の強さで紫外線照射した後の培養液の添
加直後から経時的にRNAを抽出し、前記と同様にして
ノーザンブロット法を用いて測定した。その結果、紫外
線照射から20乃至24時間後に最大の発現誘導が観察され
た。
外線照射する前に、培養液を除き、リン酸緩衝液で2回
洗浄した。紫外線は、40Wのランプから50cm離して5
乃至120秒間照射した。紫外線の量は、Black Ray UV
メ−タ−を用いて測定した。結果を図10に示した。C
SRのmRNAの発現は、紫外線照射により誘導される
ことが確認された。本実験では、15J/m2の強さで照射し
た場合に最大の発現が観察された。さらに、紫外線照射
後のCSRmRNAの経時的な発現状態を調べた。この
試験は、15J/m2の強さで紫外線照射した後の培養液の添
加直後から経時的にRNAを抽出し、前記と同様にして
ノーザンブロット法を用いて測定した。その結果、紫外
線照射から20乃至24時間後に最大の発現誘導が観察され
た。
【0146】<9−3> 過酸化水素によるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(培養液中で24乃至48
時間培養してサブコンフルエント(50〜70%)にしたも
の)をリン酸緩衝液で2回洗浄した後、1%ウシ胎児血
清を含有する完全培地中に蒔き、5乃至800μMの濃度の3
0%過酸化水素溶液(和光純薬製)を加えて1時間培養し
た。次いで、培地を交換しさらに24時間培養した。細
胞からRNAを抽出し、前記と同様にしてノーザンブロ
ット法によりCSRのmRNAの発現状態を調べた。な
お、mRNAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発
現レベルをコントロールとして分析した。
時間培養してサブコンフルエント(50〜70%)にしたも
の)をリン酸緩衝液で2回洗浄した後、1%ウシ胎児血
清を含有する完全培地中に蒔き、5乃至800μMの濃度の3
0%過酸化水素溶液(和光純薬製)を加えて1時間培養し
た。次いで、培地を交換しさらに24時間培養した。細
胞からRNAを抽出し、前記と同様にしてノーザンブロ
ット法によりCSRのmRNAの発現状態を調べた。な
お、mRNAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発
現レベルをコントロールとして分析した。
【0147】結果を図11に示した。本試験から、CS
RmRNAの発現が、過酸化水素により与えられる細胞
内ストレスにより誘導されることが確認された。また、
本試験においては、過酸化水素濃度が10μMの時に最
大の発現誘導が観察された。過酸化水素は、生体内で反
応性酸素及びフリーラジカルを生成させることが知られ
ていることから、本試験で確認されたCSRmRNAの
発現誘導は、過酸化水素により細胞に与えられた酸化ス
トレスに依存するものであると結論される。
RmRNAの発現が、過酸化水素により与えられる細胞
内ストレスにより誘導されることが確認された。また、
本試験においては、過酸化水素濃度が10μMの時に最
大の発現誘導が観察された。過酸化水素は、生体内で反
応性酸素及びフリーラジカルを生成させることが知られ
ていることから、本試験で確認されたCSRmRNAの
発現誘導は、過酸化水素により細胞に与えられた酸化ス
トレスに依存するものであると結論される。
【0148】<9−4> 熱ショックによるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(80%コンフルエン
ト、完全培地(5ml))を、43℃で40分間培養した
後、さらに37℃で培養した。細胞から経時的にRNA
を抽出し、前記と同様にしてノーザンブロット法により
CSRのmRNAの発現状態を調べた。なお、mRNA
の発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レベルをコ
ントロールとして分析した。結果を図12に示した。C
SRmRNAの発現誘導が、熱処理から24乃至48時
間後に確認された。本試験で観察された熱ショックによ
る発現誘導は、前記の紫外線照射及び過酸化水素による
ストレスにおける発現誘導の場合より遅いようであっ
た。このことは、紫外線照射及び過酸化水素による誘導
が、熱ショックによる誘導より直接的であり、また発現
誘導のパスウェイがさらに短絡的であることを示唆する
ものである。
ト、完全培地(5ml))を、43℃で40分間培養した
後、さらに37℃で培養した。細胞から経時的にRNA
を抽出し、前記と同様にしてノーザンブロット法により
CSRのmRNAの発現状態を調べた。なお、mRNA
の発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レベルをコ
ントロールとして分析した。結果を図12に示した。C
SRmRNAの発現誘導が、熱処理から24乃至48時
間後に確認された。本試験で観察された熱ショックによ
る発現誘導は、前記の紫外線照射及び過酸化水素による
ストレスにおける発現誘導の場合より遅いようであっ
た。このことは、紫外線照射及び過酸化水素による誘導
が、熱ショックによる誘導より直接的であり、また発現
誘導のパスウェイがさらに短絡的であることを示唆する
ものである。
【0149】実施例9’ 細胞内ストレスによるCSR
遺伝子の転写誘導 実施例9における紫外線照射及び過酸化水素の各々スト
レスに関する試験結果を下記のようにして再度検証し
た。
遺伝子の転写誘導 実施例9における紫外線照射及び過酸化水素の各々スト
レスに関する試験結果を下記のようにして再度検証し
た。
【0150】<9’−1> 紫外線照射によるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104細胞)を
完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間培養し
た。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細胞培養
系から培養液を除き、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し
た。この細胞に、5乃至120 J/m2の強さの紫外線を照射
した後、新しい培養液を加えた。紫外線は、40Wのラ
ンプから50cm離して5乃至120秒間照射した。紫外線
の量は、ラジオメーター(モデル254、アット製)を用
いて測定した。24時間の培養後、細胞からRNAを抽出
し、前記と同様にしてノーザンブロット法によりCSR
のmRNAの発現状態を調べた。mRNAの発現のレベ
ルは、アクチンのRNAの発現レベルをコントロールと
して分析した。結果を図20(a)に示した。実施例9(<
9-2>)の結果と同じく、CSRのmRNAの発現は、紫
外線照射により誘導されることが確認された。本実験で
も、15J/m2の強さで照射した場合に最大の発現が観察さ
れた。
完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間培養し
た。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細胞培養
系から培養液を除き、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し
た。この細胞に、5乃至120 J/m2の強さの紫外線を照射
した後、新しい培養液を加えた。紫外線は、40Wのラ
ンプから50cm離して5乃至120秒間照射した。紫外線
の量は、ラジオメーター(モデル254、アット製)を用
いて測定した。24時間の培養後、細胞からRNAを抽出
し、前記と同様にしてノーザンブロット法によりCSR
のmRNAの発現状態を調べた。mRNAの発現のレベ
ルは、アクチンのRNAの発現レベルをコントロールと
して分析した。結果を図20(a)に示した。実施例9(<
9-2>)の結果と同じく、CSRのmRNAの発現は、紫
外線照射により誘導されることが確認された。本実験で
も、15J/m2の強さで照射した場合に最大の発現が観察さ
れた。
【0151】<9’−2> 過酸化水素によるストレス 前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104細胞)を
完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間培養し
た。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細胞培養
系から培養液を除き、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し
た。この細胞に、5乃至400μMの濃度の30%過酸化水素溶
液(和光純薬製)を加えた1%ウシ胎児血清を含有する
完全培地を加え、1時間培養した。次いで、培地を新鮮
な完全培地に交換しさらに24時間培養した。細胞から
RNAを抽出し、前記と同様にしてノーザンブロット法
によりCSRのmRNAの発現状態を調べた。なお、m
RNAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レベ
ルをコントロールとして分析した。結果を図20(b)に
示した。 実施例9(<9-3>)の結果と同じく、CSR
のmRNAの発現は、過酸化水素により与えられる細胞
内ストレスにより誘導されることが確認された。また、
本試験においても、過酸化水素濃度が10μMの時に最大
の発現誘導が観察された。
完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間培養し
た。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細胞培養
系から培養液を除き、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し
た。この細胞に、5乃至400μMの濃度の30%過酸化水素溶
液(和光純薬製)を加えた1%ウシ胎児血清を含有する
完全培地を加え、1時間培養した。次いで、培地を新鮮
な完全培地に交換しさらに24時間培養した。細胞から
RNAを抽出し、前記と同様にしてノーザンブロット法
によりCSRのmRNAの発現状態を調べた。なお、m
RNAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レベ
ルをコントロールとして分析した。結果を図20(b)に
示した。 実施例9(<9-3>)の結果と同じく、CSR
のmRNAの発現は、過酸化水素により与えられる細胞
内ストレスにより誘導されることが確認された。また、
本試験においても、過酸化水素濃度が10μMの時に最大
の発現誘導が観察された。
【0152】実施例9” DNA傷害によるCSR遺伝
子の転写誘導 2本鎖DNAにインターカレート(intercchalate)
し、DNA及びRNAの合成を阻害することにより抗癌
作用を示す薬剤であるアドリアマイシンを用いて、該薬
剤のように遺伝子に対する毒性を示す試薬が、CSR及
びp53のmRNAの発現に影響を与えるか否かについて検
討した。前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104
細胞)を完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間
培養した。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細
胞培養系に、0.02乃至1μg/mlの濃度のアドリアマイシ
ン(adriamycin, ADR)を加え培養した。24時間の培養
後、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄した後、新鮮な完全
培地を加え培養した。細胞からRNAを抽出し、前記と
同様にしてノーザンブロット法によりCSRのmRNA
の発現状態を調べた。なお、mRNAの発現のレベル
は、アクチンのRNAの発現レベルをコントロールとし
て分析した。結果を図21に示した。アドリアマイシン
は、p53mRNAの発現を誘導したが、CSRmRNAの発現
に何ら影響を与えなかった。この結果は、CSR遺伝子
の発現の誘導は、アドリアマイシンのような遺伝子に対
する毒性を示す試薬ではなく、主に、血清飢餓、紫外線
照射、過酸化水素及び熱ショックのような細胞内ストレ
スによって起こることを示している。
子の転写誘導 2本鎖DNAにインターカレート(intercchalate)
し、DNA及びRNAの合成を阻害することにより抗癌
作用を示す薬剤であるアドリアマイシンを用いて、該薬
剤のように遺伝子に対する毒性を示す試薬が、CSR及
びp53のmRNAの発現に影響を与えるか否かについて検
討した。前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104
細胞)を完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間
培養した。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細
胞培養系に、0.02乃至1μg/mlの濃度のアドリアマイシ
ン(adriamycin, ADR)を加え培養した。24時間の培養
後、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄した後、新鮮な完全
培地を加え培養した。細胞からRNAを抽出し、前記と
同様にしてノーザンブロット法によりCSRのmRNA
の発現状態を調べた。なお、mRNAの発現のレベル
は、アクチンのRNAの発現レベルをコントロールとし
て分析した。結果を図21に示した。アドリアマイシン
は、p53mRNAの発現を誘導したが、CSRmRNAの発現
に何ら影響を与えなかった。この結果は、CSR遺伝子
の発現の誘導は、アドリアマイシンのような遺伝子に対
する毒性を示す試薬ではなく、主に、血清飢餓、紫外線
照射、過酸化水素及び熱ショックのような細胞内ストレ
スによって起こることを示している。
【0153】実施例10 抗酸化剤によるCSR遺伝子
発現の抑制 CSR遺伝子の発現誘導に酸化ストレスが関与するか否
かを実証するためには、下記のような実験を行う。前記
ヒト正常線維芽細胞NHDF4042を、抗酸化活性を有し、酸
化ストレスを消失させる活性を有するチオ化合物である
アセチルシステイン(NAC; Acetylcystein、40mM)を添
加した10%FBS含有完全培地で培養する。アセチル
システインが該細胞に対して無毒性であることは、トリ
パンブルー染色法(trypan blue staining)により常法
に従って確認する。次いで、前記と同様にして、紫外線
照射または過酸化水素によりストレスを与えた後、RN
Aを抽出しノーザンブロッティングを行う。なお、mR
NAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レベル
をコントロールとして分析する。紫外線照射及び過酸化
水素により与えられる細胞内ストレスによるCSRmR
NAの発現誘導が、抗酸化剤による前処理によって抑制
されることを確認することにより、CSR遺伝子の発現
に細胞内に発生する酸化ストレスが深く関与しているこ
と、及びp53タンパクが細胞内の酸化ストレスに対す
るセンサーとして関与していることを知ることができ
る。
発現の抑制 CSR遺伝子の発現誘導に酸化ストレスが関与するか否
かを実証するためには、下記のような実験を行う。前記
ヒト正常線維芽細胞NHDF4042を、抗酸化活性を有し、酸
化ストレスを消失させる活性を有するチオ化合物である
アセチルシステイン(NAC; Acetylcystein、40mM)を添
加した10%FBS含有完全培地で培養する。アセチル
システインが該細胞に対して無毒性であることは、トリ
パンブルー染色法(trypan blue staining)により常法
に従って確認する。次いで、前記と同様にして、紫外線
照射または過酸化水素によりストレスを与えた後、RN
Aを抽出しノーザンブロッティングを行う。なお、mR
NAの発現のレベルは、アクチンのRNAの発現レベル
をコントロールとして分析する。紫外線照射及び過酸化
水素により与えられる細胞内ストレスによるCSRmR
NAの発現誘導が、抗酸化剤による前処理によって抑制
されることを確認することにより、CSR遺伝子の発現
に細胞内に発生する酸化ストレスが深く関与しているこ
と、及びp53タンパクが細胞内の酸化ストレスに対す
るセンサーとして関与していることを知ることができ
る。
【0154】実施例10’ 抗酸化剤によるCSR遺伝
子発現の抑制 CSR遺伝子の発現誘導に酸化ストレスが関与するか否
かをさらに検証するために、実施例10と同様の試験を
行った。前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104
細胞)を完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間
培養した。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細
胞を、抗酸化活性を有し酸化ストレスを消失させる活性
を有するチオ化合物であるアセチルシステイン(NAC; A
cetylcystein、3mM)とともに1時間培養した。なお、
アセチルシステインが該細胞に対して無毒性であること
は、トリパンブルー染色法(trypan blue staining)に
より常法に従って確認した。次いで、実施例9及び9’
と同様にして、紫外線照射または過酸化水素によるスト
レスを与えた後、RNAを抽出しノーザンブロッティン
グを行った。なお、mRNAの発現のレベルは、アクチ
ンのRNAの発現レベルをコントロールとして分析し
た。結果を図22に示した。紫外線照射及び過酸化水素
により与えられる細胞内ストレスによるCSRmRNA
の発現誘導が、抗酸化剤による前処理によって抑制され
ることが確認された。
子発現の抑制 CSR遺伝子の発現誘導に酸化ストレスが関与するか否
かをさらに検証するために、実施例10と同様の試験を
行った。前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042(3×104
細胞)を完全培地(10cm培養皿)に蒔き、24乃至48時間
培養した。サブコンフルエント(50〜70%)に達した細
胞を、抗酸化活性を有し酸化ストレスを消失させる活性
を有するチオ化合物であるアセチルシステイン(NAC; A
cetylcystein、3mM)とともに1時間培養した。なお、
アセチルシステインが該細胞に対して無毒性であること
は、トリパンブルー染色法(trypan blue staining)に
より常法に従って確認した。次いで、実施例9及び9’
と同様にして、紫外線照射または過酸化水素によるスト
レスを与えた後、RNAを抽出しノーザンブロッティン
グを行った。なお、mRNAの発現のレベルは、アクチ
ンのRNAの発現レベルをコントロールとして分析し
た。結果を図22に示した。紫外線照射及び過酸化水素
により与えられる細胞内ストレスによるCSRmRNA
の発現誘導が、抗酸化剤による前処理によって抑制され
ることが確認された。
【0155】実施例10” 種々の試薬によるCSR遺
伝子の発現誘導の分析 細胞内ストレスを与える下記のような種々の試薬を用い
て、各々の試薬がCS遺伝子の発現を誘導するか否かを
検討した。また、同時に、酸化ストレスにより生成され
るAP-1複合体のコンポーネントであるc-fos遺伝子の発
現の状態を測定した。CSR遺伝子の発現は、RT-PCR法
によるサザーンハイブリダイゼーションにより実施例8
と同様にして分析した。但し、コントロールとしては、
ヒトβアクチン転写物の増幅をコントロールとした。ヒ
トβアクチンに対するRT-PCRでは、フォーワードプライ
マー及びリバースプライマーとして、各々配列番号23
及び配列番号24のオリゴヌクレオチドを用いた。ま
た、サザンハイブリダイゼーション用のプローブとし
て、配列番号25の内部オリゴヌクレオチドオを用い
た。c-fosに対するRT-PCRでは、フォーワードプライマ
ー及びリバースプライマーとして、各々配列番号26及
び配列番号27のオリゴヌクレオチドを用いた。また、
サザンハイブリダイゼーション用のプローブとして、配
列番号28の内部オリゴヌクレオチドを用いた。
伝子の発現誘導の分析 細胞内ストレスを与える下記のような種々の試薬を用い
て、各々の試薬がCS遺伝子の発現を誘導するか否かを
検討した。また、同時に、酸化ストレスにより生成され
るAP-1複合体のコンポーネントであるc-fos遺伝子の発
現の状態を測定した。CSR遺伝子の発現は、RT-PCR法
によるサザーンハイブリダイゼーションにより実施例8
と同様にして分析した。但し、コントロールとしては、
ヒトβアクチン転写物の増幅をコントロールとした。ヒ
トβアクチンに対するRT-PCRでは、フォーワードプライ
マー及びリバースプライマーとして、各々配列番号23
及び配列番号24のオリゴヌクレオチドを用いた。ま
た、サザンハイブリダイゼーション用のプローブとし
て、配列番号25の内部オリゴヌクレオチドオを用い
た。c-fosに対するRT-PCRでは、フォーワードプライマ
ー及びリバースプライマーとして、各々配列番号26及
び配列番号27のオリゴヌクレオチドを用いた。また、
サザンハイブリダイゼーション用のプローブとして、配
列番号28の内部オリゴヌクレオチドを用いた。
【0156】mRNAの取得の前に、前記ヒト正常線維芽細
胞NHDF4042に下記のような処理を施し、ストレスを与え
た。mRNAは、該処理から2時間以内に単離して、RT-PCR
を行った。 (1)0.001〜1%のDEM(diethylmaleate, Sigma製)
を加え1時間培養。DEMは、細胞内還元グルタチオンを
減少させることにより酸化ストレスを与える。 (2)300〜2400μg/mlのPMA(TPA)(4β-phorbol 12-
myristate 13-acetate; tetradecanoyl phorbol acetat
e, SIgma製)を加え1時間培養。PMAは、膜結合型NAPDH
オキシダーゼ及びプロテインキナーゼCを活性化する。 (3)0.005〜0.2%のSodium azide (NaN3, Sigma製)
を加え6時間培養。Sodium azideは、ミトコンドリアに
おいてチトクロームCオキシダーゼとの干渉を通じて細
胞内呼吸を阻害する。 (4)50μMのSodium arsenite(NaAsO3, Sigma製)を
加え0〜24時間培養。Sodium arseniteは、細胞内熱シ
ョック様応答反応及び引き続く酸化ストレスを強く誘導
する。 (5)0.5mMのGSNO(S-nitrosoglutathione, Sigma製)
を加え0〜42時間培養。GSNOは、一酸化窒素(NO)の産
生を増加させる。 (6)50〜1200μMのSNP(sodium nitroprusside, Sigm
a製)を加え2.5時間培養。SNPは、一酸化窒素(NO)の
産生を増加させる。 結果を図23(図23(a)乃至図23(f))に示した。
胞NHDF4042に下記のような処理を施し、ストレスを与え
た。mRNAは、該処理から2時間以内に単離して、RT-PCR
を行った。 (1)0.001〜1%のDEM(diethylmaleate, Sigma製)
を加え1時間培養。DEMは、細胞内還元グルタチオンを
減少させることにより酸化ストレスを与える。 (2)300〜2400μg/mlのPMA(TPA)(4β-phorbol 12-
myristate 13-acetate; tetradecanoyl phorbol acetat
e, SIgma製)を加え1時間培養。PMAは、膜結合型NAPDH
オキシダーゼ及びプロテインキナーゼCを活性化する。 (3)0.005〜0.2%のSodium azide (NaN3, Sigma製)
を加え6時間培養。Sodium azideは、ミトコンドリアに
おいてチトクロームCオキシダーゼとの干渉を通じて細
胞内呼吸を阻害する。 (4)50μMのSodium arsenite(NaAsO3, Sigma製)を
加え0〜24時間培養。Sodium arseniteは、細胞内熱シ
ョック様応答反応及び引き続く酸化ストレスを強く誘導
する。 (5)0.5mMのGSNO(S-nitrosoglutathione, Sigma製)
を加え0〜42時間培養。GSNOは、一酸化窒素(NO)の産
生を増加させる。 (6)50〜1200μMのSNP(sodium nitroprusside, Sigm
a製)を加え2.5時間培養。SNPは、一酸化窒素(NO)の
産生を増加させる。 結果を図23(図23(a)乃至図23(f))に示した。
【0157】0.1%のDEM、600μg/mlのPMA、及び0.01%の
Sodium azideの各々により、CSR遺伝子の発現が有意
に誘導された。また、50μMのSodium arseniteによって
も、CSR遺伝子の発現が有意に誘導された。0.5mMのG
SNOについては、4時間の培養においてCSR遺伝子の
発現が有意に誘導された。SNPについては、50〜100μM
の濃度の場合にCSR遺伝子の発現が有意に誘導され
た。一酸化窒素は、中枢系、免疫系及び循環器系におけ
る重要な調節因子として機能するとともに、敗血症(se
ptic shock)、高血圧、梗塞、及び神経変性疾患(neur
odegenerative disorder)等の病因としても作用するこ
とが明かにされてきている(Annu. Rev. Biochem., Vo
l.63, p.175-195, 1994)。従って、SNPやGSNOによりC
SR遺伝子の発現が誘導されるという結果は、CSRタ
ンパクが、酸化ストレス応答性遺伝子であり、前記のよ
うな疾患の発症に関与することを示唆するものである。
Sodium azideの各々により、CSR遺伝子の発現が有意
に誘導された。また、50μMのSodium arseniteによって
も、CSR遺伝子の発現が有意に誘導された。0.5mMのG
SNOについては、4時間の培養においてCSR遺伝子の
発現が有意に誘導された。SNPについては、50〜100μM
の濃度の場合にCSR遺伝子の発現が有意に誘導され
た。一酸化窒素は、中枢系、免疫系及び循環器系におけ
る重要な調節因子として機能するとともに、敗血症(se
ptic shock)、高血圧、梗塞、及び神経変性疾患(neur
odegenerative disorder)等の病因としても作用するこ
とが明かにされてきている(Annu. Rev. Biochem., Vo
l.63, p.175-195, 1994)。従って、SNPやGSNOによりC
SR遺伝子の発現が誘導されるという結果は、CSRタ
ンパクが、酸化ストレス応答性遺伝子であり、前記のよ
うな疾患の発症に関与することを示唆するものである。
【0158】実施例10”−1 酸化ストレスによる種
々遺伝子の発現誘導の分析 酸化ストレスによりCSR遺伝子以外の他の遺伝子の発
現が誘導されるかを、検討する目的で、過酸化水素及び
Hemin各々の酸化ストレスに対する、CSR、c-fos、p53、
waf-1、c-src、HO-1、catalase、SOD、及びbeta-actin
の経時的遺伝子発現を、RT-PCR法を用いて検討した。mR
NAの取得の前に、前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042を、
10μMのHeminまたは20μMの過酸化水素の存在下で1乃
至50時間培養し、経時的にRNAを単離して、RT-PCRを行
った。各遺伝子の発現は、RT-PCR法によるサザーンハイ
ブリダイゼーションにより実施例8と同様にして分析し
た。各々の遺伝子に対するRT-PCRに用いるフォーワード
プライマー及びリバースプライマー、並びにサザーンハ
イブリダイゼーションに用いる内部オリゴヌクレオチド
プローブは、各々下記のとおり。
々遺伝子の発現誘導の分析 酸化ストレスによりCSR遺伝子以外の他の遺伝子の発
現が誘導されるかを、検討する目的で、過酸化水素及び
Hemin各々の酸化ストレスに対する、CSR、c-fos、p53、
waf-1、c-src、HO-1、catalase、SOD、及びbeta-actin
の経時的遺伝子発現を、RT-PCR法を用いて検討した。mR
NAの取得の前に、前記ヒト正常線維芽細胞NHDF4042を、
10μMのHeminまたは20μMの過酸化水素の存在下で1乃
至50時間培養し、経時的にRNAを単離して、RT-PCRを行
った。各遺伝子の発現は、RT-PCR法によるサザーンハイ
ブリダイゼーションにより実施例8と同様にして分析し
た。各々の遺伝子に対するRT-PCRに用いるフォーワード
プライマー及びリバースプライマー、並びにサザーンハ
イブリダイゼーションに用いる内部オリゴヌクレオチド
プローブは、各々下記のとおり。
【0159】(1)CSR フォーワードプライマー :配列番号15 リバースプライマー :配列番号16 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号8 (2)c-fos フォーワードプライマー :配列番号26 リバースプライマー :配列番号27 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号28 (3)p53 フォーワードプライマー :配列番号29 リバースプライマー :配列番号30 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号31 (4)waf-1 フォーワードプライマー :配列番号32 リバースプライマー :配列番号33 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号34
【0160】(5)c-src フォーワードプライマー :配列番号35 リバースプライマー :配列番号36 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号37 (6)HO-1 フォーワードプライマー :配列番号38 リバースプライマー :配列番号39 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号40 (7)catalase フォーワードプライマー :配列番号41 リバースプライマー :配列番号42 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号43 (8)SOD フォーワードプライマー :配列番号44 リバースプライマー :配列番号45 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号46 (9)beta-actin フォーワードプライマー :配列番号23 リバースプライマー :配列番号24 内部オリゴヌクレオチドプローブ:配列番号25 結果を図24(図24(a)及び図24(b))に示した。
【0161】実施例11 CSRタンパクの細胞内での
分布 CSRタンパクの細胞内での分布を免疫細胞化学染色
(immunocytechemical staining)により下記のように
して調べた。前記のようにして得たCSRの完全長cD
NAを、0.25UのTaqポリメラーゼ(TAKARA製)及び
0.5UのpfuDNAポリメラーゼ(Stratagene製)の混
合物を用いて常法に従ってPCRにより増幅した後、哺
乳動物発現ベクターpCDNA3.1(Invitrogen製)にクロー
ン化した。ベクターへのcDNAの挿入は、塩基配列解
析することにより確認した。次いで、ヘマグルチニン
(Hemagglutinin,HA)エピトープ(YPYDVPDYA;Wils
on, I.A.ら、CELL, Vol.37, 767-778, 1984)の塩基配
列を用いて、CSRcDNAの5’末端及び3’末端に
タグ(tag)を付した。
分布 CSRタンパクの細胞内での分布を免疫細胞化学染色
(immunocytechemical staining)により下記のように
して調べた。前記のようにして得たCSRの完全長cD
NAを、0.25UのTaqポリメラーゼ(TAKARA製)及び
0.5UのpfuDNAポリメラーゼ(Stratagene製)の混
合物を用いて常法に従ってPCRにより増幅した後、哺
乳動物発現ベクターpCDNA3.1(Invitrogen製)にクロー
ン化した。ベクターへのcDNAの挿入は、塩基配列解
析することにより確認した。次いで、ヘマグルチニン
(Hemagglutinin,HA)エピトープ(YPYDVPDYA;Wils
on, I.A.ら、CELL, Vol.37, 767-778, 1984)の塩基配
列を用いて、CSRcDNAの5’末端及び3’末端に
タグ(tag)を付した。
【0162】該cDNAを用いて、ヒト肺癌細胞H1299
及びヒト子宮頸癌細胞Helaの各々を形質転換した。細胞
をGeneticin(G418,GIBCO-BRL製)の存在下で10
日間培養した。CSRを安定して発現する細胞を、RT
−PCR、ウェスタンブロッティング(Western blotti
ng)並びにSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-P
AGE)により選別した。選別した細胞を、免疫細胞化学
染色する24時間前に、2穴(well)のスライドチャン
バー(Falcon製)に蒔いた。培養後、細胞をリン酸緩衝
液で軽く洗浄し、4%パラホルムアルデヒドを用いて固
定化した。リン酸緩衝液で洗浄した後、細胞を、2%ウ
シ血清アルブミン存在下、室温で30分間培養した。次
いで、抗HAエピトープポリクローナル抗体(MBL製)
とともに37℃で1時間培養した。リン酸緩衝液で3回
洗浄した後、FITC標識第2抗体とともに37℃で40分
間培養し、蛍光顕微鏡(fluorescence microscope)下
で観察した(図13(a))。また、核をDAPI(4',6'-Dia
mino-2-phenylindole、Sigma製)で染色し、蛍光顕微鏡
下で観察した(図13(b))。
及びヒト子宮頸癌細胞Helaの各々を形質転換した。細胞
をGeneticin(G418,GIBCO-BRL製)の存在下で10
日間培養した。CSRを安定して発現する細胞を、RT
−PCR、ウェスタンブロッティング(Western blotti
ng)並びにSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-P
AGE)により選別した。選別した細胞を、免疫細胞化学
染色する24時間前に、2穴(well)のスライドチャン
バー(Falcon製)に蒔いた。培養後、細胞をリン酸緩衝
液で軽く洗浄し、4%パラホルムアルデヒドを用いて固
定化した。リン酸緩衝液で洗浄した後、細胞を、2%ウ
シ血清アルブミン存在下、室温で30分間培養した。次
いで、抗HAエピトープポリクローナル抗体(MBL製)
とともに37℃で1時間培養した。リン酸緩衝液で3回
洗浄した後、FITC標識第2抗体とともに37℃で40分
間培養し、蛍光顕微鏡(fluorescence microscope)下
で観察した(図13(a))。また、核をDAPI(4',6'-Dia
mino-2-phenylindole、Sigma製)で染色し、蛍光顕微鏡
下で観察した(図13(b))。
【0163】図13(a)では、DAPIにより染色され
た核との位置(図13(b))と同じ位置に、染色された
核より広い範囲(核の周囲)の染色が確認されることか
ら、HAタグが付された部位(C末端及びN末端)に拘
わらず、CSRタンパクが細胞質に存在することが確認
された。さらなる検討のためには、抗ゴルジ-58Kタンパ
ク(golgi-58K protein)抗体(Sigma製)を用いて、前
記と同様にして対照染色を行う。さらに、細胞内ストレ
ス(細胞傷害)を受けた場合のCSRタンパクの細胞内
での局在を下記のように調べることができる。
た核との位置(図13(b))と同じ位置に、染色された
核より広い範囲(核の周囲)の染色が確認されることか
ら、HAタグが付された部位(C末端及びN末端)に拘
わらず、CSRタンパクが細胞質に存在することが確認
された。さらなる検討のためには、抗ゴルジ-58Kタンパ
ク(golgi-58K protein)抗体(Sigma製)を用いて、前
記と同様にして対照染色を行う。さらに、細胞内ストレ
ス(細胞傷害)を受けた場合のCSRタンパクの細胞内
での局在を下記のように調べることができる。
【0164】前記のようにして得たCSRを安定に発現
するスライドチャンバー上の細胞に、細胞傷害試薬とし
ての20μM過酸化水素を添加して1時間培養した後、培
地を交換してさらに24時間培養する。次いで、抗HA
エピトープポリクローナル抗体を用いて前記と同様にし
て免疫細胞化学染色を施す。細胞内ストレス(細胞傷
害)を与えない場合と同様に、CSRタンパクが細胞質
内に分布し、その発現はストレスを与えない場合より強
いものであることが確認される場合には、細胞質内での
CSRタンパクの分泌が、ストレスによっても依存する
ものと考えることができる。
するスライドチャンバー上の細胞に、細胞傷害試薬とし
ての20μM過酸化水素を添加して1時間培養した後、培
地を交換してさらに24時間培養する。次いで、抗HA
エピトープポリクローナル抗体を用いて前記と同様にし
て免疫細胞化学染色を施す。細胞内ストレス(細胞傷
害)を与えない場合と同様に、CSRタンパクが細胞質
内に分布し、その発現はストレスを与えない場合より強
いものであることが確認される場合には、細胞質内での
CSRタンパクの分泌が、ストレスによっても依存する
ものと考えることができる。
【0165】実施例11’ CSRタンパクの細胞内で
の分布 実施例11で得られた結果を、実施例11の方法と同様
にしてさらに検証した。前記のようにして得たCSR1及び
CSR2の完全長cDNAを、0.25UのTaqポリメラーゼ
(TAKARA製)及び0.5UのpfuDNAポリメラーゼ(St
ratagene製)の混合物を用いて常法に従ってPCRによ
り増幅した後、哺乳動物発現ベクターpCDNA3.1(Invitr
ogen製)にクローン化した。ベクターへのcDNAの挿
入は、塩基配列解析することにより確認した。次いで、
ヘマグルチニン(Hemagglutinin,HA)エピトープ(Y
PYDVPDYA;Wilson, I.A.ら、CELL, Vol.37, 767-778, 1
984)の塩基配列を用いて、CSRcDNAの5’末端
及び3’末端にタグ(tag)を付した。
の分布 実施例11で得られた結果を、実施例11の方法と同様
にしてさらに検証した。前記のようにして得たCSR1及び
CSR2の完全長cDNAを、0.25UのTaqポリメラーゼ
(TAKARA製)及び0.5UのpfuDNAポリメラーゼ(St
ratagene製)の混合物を用いて常法に従ってPCRによ
り増幅した後、哺乳動物発現ベクターpCDNA3.1(Invitr
ogen製)にクローン化した。ベクターへのcDNAの挿
入は、塩基配列解析することにより確認した。次いで、
ヘマグルチニン(Hemagglutinin,HA)エピトープ(Y
PYDVPDYA;Wilson, I.A.ら、CELL, Vol.37, 767-778, 1
984)の塩基配列を用いて、CSRcDNAの5’末端
及び3’末端にタグ(tag)を付した。
【0166】該cDNAを用いて、ヒト子宮頸癌細胞He
laを形質転換した。細胞をGeneticin(G418,GIBCO
-BRL製)の存在下で10日間培養した。CSRを安定し
て発現する細胞を、RT−PCR、ウェスタンブロッテ
ィング(Western blotting)並びにSDSポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により選別した。選別し
た細胞を、免疫細胞化学染色する24時間前に、2穴
(well)のスライドチャンバー(Falcon製)に蒔いた。
培養後、細胞をリン酸緩衝液で軽く洗浄し、冷メタノー
ルを用いて固定化した。リン酸緩衝液で洗浄した後、細
胞を、2%ウシ血清アルブミン存在下、室温で30分間
培養した。次いで、抗HAエピトープポリクローナル抗
体(MBL製)とともに37℃で1時間培養した。リン酸
緩衝液で3回洗浄した後、FITC標識第2抗体(Cappel
製)とともに37℃で40分間培養し、蛍光顕微鏡(fl
uorescence microscope)下で観察した。また、核をDAP
I(4',6'-Diamino-2-phenylindole、Boeheringer Mannh
eim製)で染色し、蛍光顕微鏡下で観察した。結果を図
25(図25(a)〜図25(d))に示した。
laを形質転換した。細胞をGeneticin(G418,GIBCO
-BRL製)の存在下で10日間培養した。CSRを安定し
て発現する細胞を、RT−PCR、ウェスタンブロッテ
ィング(Western blotting)並びにSDSポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により選別した。選別し
た細胞を、免疫細胞化学染色する24時間前に、2穴
(well)のスライドチャンバー(Falcon製)に蒔いた。
培養後、細胞をリン酸緩衝液で軽く洗浄し、冷メタノー
ルを用いて固定化した。リン酸緩衝液で洗浄した後、細
胞を、2%ウシ血清アルブミン存在下、室温で30分間
培養した。次いで、抗HAエピトープポリクローナル抗
体(MBL製)とともに37℃で1時間培養した。リン酸
緩衝液で3回洗浄した後、FITC標識第2抗体(Cappel
製)とともに37℃で40分間培養し、蛍光顕微鏡(fl
uorescence microscope)下で観察した。また、核をDAP
I(4',6'-Diamino-2-phenylindole、Boeheringer Mannh
eim製)で染色し、蛍光顕微鏡下で観察した。結果を図
25(図25(a)〜図25(d))に示した。
【0167】空のベクターで形質転換した細胞(ネガテ
ィブコントロール)では、全く染色されなかった(図25
(a))。CSRの完全長cDNA発現ベクターで形質転換さ
れた細胞では、DAPIにより染色された核との位置
(図25(d))と同じ位置に、染色された核より広い範囲
(核の周囲)の染色が確認されることから、HAタグが
付された部位(C末端及びN末端)に拘わらず、CSR
タンパクが細胞質に存在することが確認された(図25
(c))。CSRタンパクの細胞質での存在をさらに検討
のために、抗ゴルジ-58Kタンパク(golgi-58K protei
n)抗体(Sigma製)及びローダミンを接合させた二次抗
体(Leinco Tech.製)を用いて、前記と同様にして対照
染色を行った。結果を図25(図25(e)及び図25(f))に
示した。前記のHAタグを付したCSRタンパクの試験
結果と同様に位置に、シグナルが検出された(図25
(e))。
ィブコントロール)では、全く染色されなかった(図25
(a))。CSRの完全長cDNA発現ベクターで形質転換さ
れた細胞では、DAPIにより染色された核との位置
(図25(d))と同じ位置に、染色された核より広い範囲
(核の周囲)の染色が確認されることから、HAタグが
付された部位(C末端及びN末端)に拘わらず、CSR
タンパクが細胞質に存在することが確認された(図25
(c))。CSRタンパクの細胞質での存在をさらに検討
のために、抗ゴルジ-58Kタンパク(golgi-58K protei
n)抗体(Sigma製)及びローダミンを接合させた二次抗
体(Leinco Tech.製)を用いて、前記と同様にして対照
染色を行った。結果を図25(図25(e)及び図25(f))に
示した。前記のHAタグを付したCSRタンパクの試験
結果と同様に位置に、シグナルが検出された(図25
(e))。
【0168】さらに、細胞内ストレス(細胞傷害)を受
けた場合のCSRタンパクの細胞内での局在を下記のよ
うに調べた。前記のようにして得たCSRを安定に発現
するスライドチャンバー上の細胞に、細胞傷害試薬とし
ての20μM過酸化水素を添加して1時間培養した後、培
地を交換してさらに24時間培養した。次いで、抗HA
エピトープポリクローナル抗体を用いて前記と同様にし
て免疫細胞化学染色を施した。結果を図25(図25(g)
及び図25(h))に示した。細胞内ストレス(細胞傷害)
を与えない場合と同様に、CSRタンパクが細胞質内に
分布し、その発現はストレスを与えない場合より強いも
のであることが確認された。この結果は、細胞質内での
CSRタンパクの分泌が、ストレスによっても依存する
ことも示唆するものである。
けた場合のCSRタンパクの細胞内での局在を下記のよ
うに調べた。前記のようにして得たCSRを安定に発現
するスライドチャンバー上の細胞に、細胞傷害試薬とし
ての20μM過酸化水素を添加して1時間培養した後、培
地を交換してさらに24時間培養した。次いで、抗HA
エピトープポリクローナル抗体を用いて前記と同様にし
て免疫細胞化学染色を施した。結果を図25(図25(g)
及び図25(h))に示した。細胞内ストレス(細胞傷害)
を与えない場合と同様に、CSRタンパクが細胞質内に
分布し、その発現はストレスを与えない場合より強いも
のであることが確認された。この結果は、細胞質内での
CSRタンパクの分泌が、ストレスによっても依存する
ことも示唆するものである。
【0169】実施例12 細胞内ストレスによる細胞死
に対するCSRの役割 細胞が種々のストレスを受けた場合に発現するタンパク
は、該細胞の細胞死あるいは生存に深く関与することが
知られている。細胞が細胞内ストレス(細胞傷害)を受
けた場合におけるCSRの機能・役割を解明するため、
下記細胞生存試験を行った。CSR1及びCSR2各々
の完全長cDNAを哺乳動物発現ベクターpCDNA3.1(In
vitrogen製)にクローン化した後、ヒト肺癌細胞H1299
を形質転換した。Geneticin(GIBCO-BRL製)の存在下で
10日間培養して、CSRを安定に発現する細胞を選別
した。CSRの過剰発現は、RT−PCRを用いて確認
した。該過剰発現細胞(500個)を、直径60mmの培養皿
に蒔いた。18時間の培養後、細胞への5乃至60J/m2の
強さの紫外線照射または培養液への50乃至200μMの過酸
化水素の添加を施し、1時間培養した。次いで、培地を
交換し、さらに10乃至20日培養した。得られたコロ
ニーを冷メタノールで固定し、ギムザ溶液(Giemsa's s
olution;Merck製)で染色した後、生細胞コロニー数を
計測した。
に対するCSRの役割 細胞が種々のストレスを受けた場合に発現するタンパク
は、該細胞の細胞死あるいは生存に深く関与することが
知られている。細胞が細胞内ストレス(細胞傷害)を受
けた場合におけるCSRの機能・役割を解明するため、
下記細胞生存試験を行った。CSR1及びCSR2各々
の完全長cDNAを哺乳動物発現ベクターpCDNA3.1(In
vitrogen製)にクローン化した後、ヒト肺癌細胞H1299
を形質転換した。Geneticin(GIBCO-BRL製)の存在下で
10日間培養して、CSRを安定に発現する細胞を選別
した。CSRの過剰発現は、RT−PCRを用いて確認
した。該過剰発現細胞(500個)を、直径60mmの培養皿
に蒔いた。18時間の培養後、細胞への5乃至60J/m2の
強さの紫外線照射または培養液への50乃至200μMの過酸
化水素の添加を施し、1時間培養した。次いで、培地を
交換し、さらに10乃至20日培養した。得られたコロ
ニーを冷メタノールで固定し、ギムザ溶液(Giemsa's s
olution;Merck製)で染色した後、生細胞コロニー数を
計測した。
【0170】なお対照として、CSR遺伝子を挿入して
いないpCDNA3.1ベクターで形質転換したH1299形質転換
体、及びいずれのベクターでの形質転換も施していない
H1299親細胞を用いて同様の試験を行った。結果を図1
4(紫外線照射)及び図15(過酸化水素)に示した。
紫外線照射及び過酸化水素による細胞内ストレスのいず
れにおいても、CSRを発現する細胞の生存率は、対照
に比べ優位に高いものであることが確認された。この結
果から、CSRは、種々の細胞内ストレス(傷害)によ
り起こる細胞死に対して抑制的に働く機能を有するもの
であると考えられる。
いないpCDNA3.1ベクターで形質転換したH1299形質転換
体、及びいずれのベクターでの形質転換も施していない
H1299親細胞を用いて同様の試験を行った。結果を図1
4(紫外線照射)及び図15(過酸化水素)に示した。
紫外線照射及び過酸化水素による細胞内ストレスのいず
れにおいても、CSRを発現する細胞の生存率は、対照
に比べ優位に高いものであることが確認された。この結
果から、CSRは、種々の細胞内ストレス(傷害)によ
り起こる細胞死に対して抑制的に働く機能を有するもの
であると考えられる。
【0171】実施例12’ 細胞内ストレスによる細胞
死に対するCSRの役割 実施例12で得られた紫外線照射に係る試験の結果を、
実施例12と同様の方法に従って、さらに検証した。但
し、本試験では、前記CSR1遺伝子発現ベクター及びCSR2
遺伝子発現ベクターの両方で共形質転換(co-transfect
ion)した細胞(「CSR1/CSR2」と略称)についても検討
した。結果を図26に示した。CSR1遺伝子発現ベクター
による形質転換細胞(「H1299-CSR1」と略称)、CSR2遺
伝子発現ベクターによる形質転換細胞(「H1299-CSR2」
と略称)、及び該両方のベクターで共形質転換した細胞
(CSR1/CSR2)のいずれも、対照であるH1299親細胞
(「H1299」と略称)及びいずれのCSR遺伝子も有しない
空のベクターで形質転換した細胞(「H1299-vector」と
略称)に比べ、紫外線照射による細胞内ストレスによる
細胞死に耐性を示した。該耐性は、CSR1/CSR2、H1299-C
SR1、及びH1299-CSR2の順で高かった。この結果は、C
SRタンパクが、種々の細胞内ストレス(傷害)により
起こる細胞死に対して抑制的に働く機能を有することを
示すものである。
死に対するCSRの役割 実施例12で得られた紫外線照射に係る試験の結果を、
実施例12と同様の方法に従って、さらに検証した。但
し、本試験では、前記CSR1遺伝子発現ベクター及びCSR2
遺伝子発現ベクターの両方で共形質転換(co-transfect
ion)した細胞(「CSR1/CSR2」と略称)についても検討
した。結果を図26に示した。CSR1遺伝子発現ベクター
による形質転換細胞(「H1299-CSR1」と略称)、CSR2遺
伝子発現ベクターによる形質転換細胞(「H1299-CSR2」
と略称)、及び該両方のベクターで共形質転換した細胞
(CSR1/CSR2)のいずれも、対照であるH1299親細胞
(「H1299」と略称)及びいずれのCSR遺伝子も有しない
空のベクターで形質転換した細胞(「H1299-vector」と
略称)に比べ、紫外線照射による細胞内ストレスによる
細胞死に耐性を示した。該耐性は、CSR1/CSR2、H1299-C
SR1、及びH1299-CSR2の順で高かった。この結果は、C
SRタンパクが、種々の細胞内ストレス(傷害)により
起こる細胞死に対して抑制的に働く機能を有することを
示すものである。
【0172】実施例12” 細胞内ストレスによる細胞
死に対するCSRの役割 実施例12及び実施例12’で確認されたCSRタンパ
クの酸化ストレスに対する耐性発現のメカニズムを下記
のようにして解析した。実施例12’で用いた4種類の
細胞(H1299-vector、H1299-CSR1、H1299-CSR2、及びCS
R1/CSR2)(各2×105細胞)を、過酸化水素(20μ
M)の存在下で1時間培養した後、培地を新鮮な完全培
地に交換しさら24時間培養した。次いで、細胞を、5μ
MのDCFH-DA(2',7,-dichlorofluorescein diacetate, M
olecular Probes製)の存在下で37℃で30分間培養
した後、リン酸緩衝液中に懸濁させた。各々の細胞群で
細胞が産生する反応性酸素種(reactive oxygen spiece
s)の量をFACSCalibur(Becton Dickinson製)により測
定した。この方法は、細胞が産生する反応性酸素種(re
active oxygen spieces)の量を、細胞内におけるDCFH-
DAの酸化に従って増加する蛍光強度に基づいて求めるも
のである。結果を図27(図27(a)乃至図27(d))に示し
た。反応性酸素種の量は、対照であるH1299-vector群で
優位に増大した(図27(a))。一方、H1299-CSR1群及びH
1299-CSR2群における反応性酸素種の産生量は、対照で
あるH1299-vector群に比べ、有意に減少していた(図27
(b)及び図27(c))。驚くべきことに、CSR1/CSR2群で
は、反応性酸素種の産生がほとんど消失していた(図27
(d))。
死に対するCSRの役割 実施例12及び実施例12’で確認されたCSRタンパ
クの酸化ストレスに対する耐性発現のメカニズムを下記
のようにして解析した。実施例12’で用いた4種類の
細胞(H1299-vector、H1299-CSR1、H1299-CSR2、及びCS
R1/CSR2)(各2×105細胞)を、過酸化水素(20μ
M)の存在下で1時間培養した後、培地を新鮮な完全培
地に交換しさら24時間培養した。次いで、細胞を、5μ
MのDCFH-DA(2',7,-dichlorofluorescein diacetate, M
olecular Probes製)の存在下で37℃で30分間培養
した後、リン酸緩衝液中に懸濁させた。各々の細胞群で
細胞が産生する反応性酸素種(reactive oxygen spiece
s)の量をFACSCalibur(Becton Dickinson製)により測
定した。この方法は、細胞が産生する反応性酸素種(re
active oxygen spieces)の量を、細胞内におけるDCFH-
DAの酸化に従って増加する蛍光強度に基づいて求めるも
のである。結果を図27(図27(a)乃至図27(d))に示し
た。反応性酸素種の量は、対照であるH1299-vector群で
優位に増大した(図27(a))。一方、H1299-CSR1群及びH
1299-CSR2群における反応性酸素種の産生量は、対照で
あるH1299-vector群に比べ、有意に減少していた(図27
(b)及び図27(c))。驚くべきことに、CSR1/CSR2群で
は、反応性酸素種の産生がほとんど消失していた(図27
(d))。
【0173】さらに、H1299-vector群及びCSR1/CSR2群
については、本試験における過酸化水素によるストレス
付加により誘導される細胞死(細胞の小粒化という形態
変化を経て細胞死に至る)に対する耐性の有無を、細胞
の形態の変化から分析した。H1299-vector群及びCSR1/C
SR2群の各々について、過酸化水素の添加時(0時
間)、過酸化水素存在下での1時間の培養後、及び3時
間の培養後の細胞の形態を常法により顕微鏡下にて観察
した。結果を図28(図28(a)乃至図28(h))に示した。
対照である、H1299-vector群では、過酸化水素による酸
化ストレス付加直後から細胞の形態が変化(小粒化)が
見られ、経時的に細胞死に向っていることが観察され
た。一方、CSR1/CSR2群については、過酸化水素による
酸化ストレス付加直後に一時的に細胞の形態が変化が見
られるが、経時的にもとの細胞形態に戻っていくことが
観察された。この結果からの、CSRタンパクが、種々
の酸化ストレスにより引き起こされる細胞死に対して抑
制的に働く分子であることが分かる。
については、本試験における過酸化水素によるストレス
付加により誘導される細胞死(細胞の小粒化という形態
変化を経て細胞死に至る)に対する耐性の有無を、細胞
の形態の変化から分析した。H1299-vector群及びCSR1/C
SR2群の各々について、過酸化水素の添加時(0時
間)、過酸化水素存在下での1時間の培養後、及び3時
間の培養後の細胞の形態を常法により顕微鏡下にて観察
した。結果を図28(図28(a)乃至図28(h))に示した。
対照である、H1299-vector群では、過酸化水素による酸
化ストレス付加直後から細胞の形態が変化(小粒化)が
見られ、経時的に細胞死に向っていることが観察され
た。一方、CSR1/CSR2群については、過酸化水素による
酸化ストレス付加直後に一時的に細胞の形態が変化が見
られるが、経時的にもとの細胞形態に戻っていくことが
観察された。この結果からの、CSRタンパクが、種々
の酸化ストレスにより引き起こされる細胞死に対して抑
制的に働く分子であることが分かる。
【0174】実施例13 CSR遺伝子ノックアウトマ
ウスの作製 ヒトCSR遺伝子に対応するマウスの内在性のCSR遺
伝子が不活性化(ノックアウト)されたノックアウトマ
ウスを下記のようにして作製した。
ウスの作製 ヒトCSR遺伝子に対応するマウスの内在性のCSR遺
伝子が不活性化(ノックアウト)されたノックアウトマ
ウスを下記のようにして作製した。
【0175】(1)ターゲッティングベクターの構築 マウスCSRタンパクをコードする内在性遺伝子を相同組
換え(日経サイエンス、1994年5月号、第52-62頁)に
より不活性化(ノックアウト)するためのタ ーゲティ
ングベクターを下記のようにして構築した。前記実施例
でクローニングしたヒトCSRタンパクをコードするcDNA
を32Pで標識して常法に従ってハイブリダイゼーション
用プローブを 作製した。このプローブを用いて、マウ
スゲノムDNA(染色体DNA)が導入されたコスミド
ライスラリー(「ラボマニュアルヒトゲノムマッピン
グ」、堀雅明及び中村祐輔 編、丸善出版の方法と同様
にして作製した。)をスクリーニングし、マウスCSRタ
ンパクをコードするエクソン(図1に示されるヒトCSR
遺伝子のエキソンA, B, C,D,及びEの一部に対応するマ
ウスエキソン)を含むマウスCSRゲノミックDNAクローン
を取得した。
換え(日経サイエンス、1994年5月号、第52-62頁)に
より不活性化(ノックアウト)するためのタ ーゲティ
ングベクターを下記のようにして構築した。前記実施例
でクローニングしたヒトCSRタンパクをコードするcDNA
を32Pで標識して常法に従ってハイブリダイゼーション
用プローブを 作製した。このプローブを用いて、マウ
スゲノムDNA(染色体DNA)が導入されたコスミド
ライスラリー(「ラボマニュアルヒトゲノムマッピン
グ」、堀雅明及び中村祐輔 編、丸善出版の方法と同様
にして作製した。)をスクリーニングし、マウスCSRタ
ンパクをコードするエクソン(図1に示されるヒトCSR
遺伝子のエキソンA, B, C,D,及びEの一部に対応するマ
ウスエキソン)を含むマウスCSRゲノミックDNAクローン
を取得した。
【0176】プラスミドpBluescript II SK(-)をKpnI消
化した部位に、HindIII及びXhoIで消化して切り出した
チミジンキナーゼ遺伝子(「TK」、ネガティブセレクシ
ョンマーカーとして)を平滑末端で挿入、連結した。次
いで、このpBluescript II SK(-)のXbaI及びSalIで切断
し、該切断部位に、マウスCSRゲノミックDNAをHpaI及び
Acc65Iで消化して得られたDNA断片(エキソンA乃至D)
を平滑末端で挿入、連結した。次に、XbaI及びEcoRVで
処理して切り出したネオマイシン耐性遺伝子(「ne
o」、ポジティブセレクションマーカーとして)を、前
記マウスCSRゲノミックDNA中のエクソンBのNciI切断部
位とエクソンDのAor51HI切断部位との間に平滑末端で
挿入、連結した。得られたプラスミドをNotIで切断して
線状化してターゲティングベクターとした。作製したタ
ゲティングベクターの構造を模式的に示す図を図29に
示す。
化した部位に、HindIII及びXhoIで消化して切り出した
チミジンキナーゼ遺伝子(「TK」、ネガティブセレクシ
ョンマーカーとして)を平滑末端で挿入、連結した。次
いで、このpBluescript II SK(-)のXbaI及びSalIで切断
し、該切断部位に、マウスCSRゲノミックDNAをHpaI及び
Acc65Iで消化して得られたDNA断片(エキソンA乃至D)
を平滑末端で挿入、連結した。次に、XbaI及びEcoRVで
処理して切り出したネオマイシン耐性遺伝子(「ne
o」、ポジティブセレクションマーカーとして)を、前
記マウスCSRゲノミックDNA中のエクソンBのNciI切断部
位とエクソンDのAor51HI切断部位との間に平滑末端で
挿入、連結した。得られたプラスミドをNotIで切断して
線状化してターゲティングベクターとした。作製したタ
ゲティングベクターの構造を模式的に示す図を図29に
示す。
【0177】(2)ターゲティングベクターのES細胞
への導入 15%ウシ胎児血清を含有するDMEM培地中で培養したマウ
ス胚性幹細胞(ES細胞;embryonic stem cell、1×1
08細胞)(Nature, Vol.362, p.255-258, 1993及びNat
ure, Vol.326, p.292-295, 1987)をトリプシンで処理
して単一細胞とした後、リン酸緩衝液で3回洗浄して細
胞濃度を1×107細胞/mlに調製した。細胞懸濁液1m
lあたり25μgの前記ターゲティングベクターを加え、35
0V/cm(25μF)の条件下で電気パルスを1回かけた。次
いで、シャーレ(10cm)に1×107細胞のES細胞を播
種し維持培地中で1日培養した後、培地を選択培地(G4
18(250μg/ml)及び2μMのガンシクロビルを含有する)
に交換した。以後2日毎に培地交換を行い培養した。タ
ーゲティングベクター導入から10日目に、マイクロピ
ペットを用いて、顕微鏡下で数百個のネオマイシン耐性
ES細胞クローンを取得した。得られたES細胞クローン
を、Feeder細胞を敷いた24穴プレートで各々別々に培養
することにより、ネオマイシン耐性ES細胞のレプリカを
取得した 。
への導入 15%ウシ胎児血清を含有するDMEM培地中で培養したマウ
ス胚性幹細胞(ES細胞;embryonic stem cell、1×1
08細胞)(Nature, Vol.362, p.255-258, 1993及びNat
ure, Vol.326, p.292-295, 1987)をトリプシンで処理
して単一細胞とした後、リン酸緩衝液で3回洗浄して細
胞濃度を1×107細胞/mlに調製した。細胞懸濁液1m
lあたり25μgの前記ターゲティングベクターを加え、35
0V/cm(25μF)の条件下で電気パルスを1回かけた。次
いで、シャーレ(10cm)に1×107細胞のES細胞を播
種し維持培地中で1日培養した後、培地を選択培地(G4
18(250μg/ml)及び2μMのガンシクロビルを含有する)
に交換した。以後2日毎に培地交換を行い培養した。タ
ーゲティングベクター導入から10日目に、マイクロピ
ペットを用いて、顕微鏡下で数百個のネオマイシン耐性
ES細胞クローンを取得した。得られたES細胞クローン
を、Feeder細胞を敷いた24穴プレートで各々別々に培養
することにより、ネオマイシン耐性ES細胞のレプリカを
取得した 。
【0178】(3)ノックアウトES細胞のスクリーニ
ング 得られたネオマイシン耐性ES細胞の各々について、マウ
スCSRタンパクをコードする内在性遺伝子の相同組換え
による破壊(ノックアウト)が起こっているか否かをゲ
ノミックサザンブロッティングにより確認する。ゲノミ
ックサザンブロッティングは、各々のネオマイシン耐性
ES細胞から抽出したゲノミックDNAのEcoRIで切断断片に
ついて、マウスCSRゲノミックDNAの5’側及び3’側の
配列を有する2つのプローブを用いて常法により行う。
DNAの精製は、自動DNA精製ロボット(クボタ製)を用い
る。こうしてES細胞クローン中で、目的とするノックア
ウトが起こっていることが確認される。このES細胞クロ
ーンを下記に述べるノックアウトマウスの作製に用い
る。
ング 得られたネオマイシン耐性ES細胞の各々について、マウ
スCSRタンパクをコードする内在性遺伝子の相同組換え
による破壊(ノックアウト)が起こっているか否かをゲ
ノミックサザンブロッティングにより確認する。ゲノミ
ックサザンブロッティングは、各々のネオマイシン耐性
ES細胞から抽出したゲノミックDNAのEcoRIで切断断片に
ついて、マウスCSRゲノミックDNAの5’側及び3’側の
配列を有する2つのプローブを用いて常法により行う。
DNAの精製は、自動DNA精製ロボット(クボタ製)を用い
る。こうしてES細胞クローン中で、目的とするノックア
ウトが起こっていることが確認される。このES細胞クロ
ーンを下記に述べるノックアウトマウスの作製に用い
る。
【0179】(4)ノックアウトマウスの作製 前記で得たマウスCSRタンパクをコードする内在性遺伝
子が相同組換えにより不活性化(ノックアウト)された
ES細胞クローンの各々を、C57BL6マウス(日本チャール
ズリバー製)の雄雌を交配して得た胚盤胞に1胚あたり
15個ずつ注入(マイクロインジェクション)する。注
入直後に、偽妊娠処理してから2.5日 目の仮親ICRマウ
ス(日本クレア製)の子宮に子宮の片側あたり約10個
ずつの 胚盤胞を移植する。こうして、各々のES細胞ク
ローンについて、ノックアウトキメラマウスを得る。次
いで得られた各々のキメラマウスを正常C57BL6マウスと
交配し、ES細胞由来の毛色遺伝子によるアグーチ(agou
ti)色のマウスを得る。
子が相同組換えにより不活性化(ノックアウト)された
ES細胞クローンの各々を、C57BL6マウス(日本チャール
ズリバー製)の雄雌を交配して得た胚盤胞に1胚あたり
15個ずつ注入(マイクロインジェクション)する。注
入直後に、偽妊娠処理してから2.5日 目の仮親ICRマウ
ス(日本クレア製)の子宮に子宮の片側あたり約10個
ずつの 胚盤胞を移植する。こうして、各々のES細胞ク
ローンについて、ノックアウトキメラマウスを得る。次
いで得られた各々のキメラマウスを正常C57BL6マウスと
交配し、ES細胞由来の毛色遺伝子によるアグーチ(agou
ti)色のマウスを得る。
【0180】
【発明の効果】本発明の新規な遺伝子/タンパクは、下
記のような特徴を有し、細胞内に発生した種々ストレス
に対して防御的に働く新規なスカベンジャー受容体であ
ると考えられることから、本発明のスカベンジャー受容
体(CSR、Cellular Sensor-Related protein)をコ
ードする遺伝子あるいはタンパクをターゲットとして、
生体内に生じた細胞内ストレス、異物あるは変性蛋白に
起因する病的症状や疾患(例えば、動脈硬化症、糖尿病
性血管障害、細菌感染など)の予防並びに治療のための
医薬品開発するために極めて有用である。
記のような特徴を有し、細胞内に発生した種々ストレス
に対して防御的に働く新規なスカベンジャー受容体であ
ると考えられることから、本発明のスカベンジャー受容
体(CSR、Cellular Sensor-Related protein)をコ
ードする遺伝子あるいはタンパクをターゲットとして、
生体内に生じた細胞内ストレス、異物あるは変性蛋白に
起因する病的症状や疾患(例えば、動脈硬化症、糖尿病
性血管障害、細菌感染など)の予防並びに治療のための
医薬品開発するために極めて有用である。
【0181】該遺伝子は、アンチセンス医薬品として、
また遺伝子治療において利用することができ、該タンパ
クは、その可溶性断片(細胞外領域や各ドメイン)を作
製することにより可溶性蛋白医薬品として有用である。
さらに、該タンパクまたはその断片に反応性を有する抗
体及びその抗体の一部は、CSRの機能を制御する抗体
医薬品として極めて有用である。
また遺伝子治療において利用することができ、該タンパ
クは、その可溶性断片(細胞外領域や各ドメイン)を作
製することにより可溶性蛋白医薬品として有用である。
さらに、該タンパクまたはその断片に反応性を有する抗
体及びその抗体の一部は、CSRの機能を制御する抗体
医薬品として極めて有用である。
【0182】
SEQUENCE LISTING <110> Japan Tobacco, Inc. <120> Scavenger Like Protein <130> J98-0139<140> <141> <150> JP9-233396 <151> 1997-08-13 <160> 46 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(20) <400> 1 ctaatcgcat tatcatccta 20 <210> 2 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(18) <400> 2 gtatcacgag gccctttc 18 <210> 3 <211> 525 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> gene <222> (1)..(525) <220> <221> protein_bind <222> (504)..(513) <400> 3 tgcagcccgg ggtgggaaag ccccggactc acccagagag gccaacacag ccacggccac 60 caggagcagg gccaggaaga ggtaaagaat ccgcaccgat gtgtgcaaag ataggttctt 120 ctggcagcgg ctgcagcggg gccctggccg gcctgtgggg gacacaagga ggacaatggc 180 ttaggccagg ggccaggttg gagctgaagg gtcagttcca tgttcctgct ctggtctgtc 240 tcatcacatt caaaccaggc tcaganggag ctgttctcga ccctcattct ctacctgtcc 300 tactcctttc tctaggtgct ggtgctttct ggaatgcagg agaccgagtc aggacttcaa 360 agaacagccc ccagcactac catcatcctc tctccatggt gtcttcattc ggcccatggg 420 gaggggaaac acctcttccc tctccattgg tcctactgag gacccacagg atgagcagcc 480 agcctgaggc cccactgagt gaccaacttg tctgggcttg cccag 525 <210> 4 <211> 256 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> gene <222> (1)..(256) <400> 4 gtgagtccgg ggctttccca ccccgggctg caggggggtg tctgatcagg gatccagcac 60 caaaagttcc cctgcaaaga caaacacttg acatctgtat cccagggccc agagccagca 120 tcttcctggc taggggatct ctatgcctaa tgcaaactgc aaacactggc aactgacaaa 180 atctgtggcc ttaaggaagg cacctgcctc tggggacccc ttctttccca ttggtgtaat 240 gaaatgatac aaccag 256 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind<222> (1)..(19) <400> 5 gaggccccag aggaagaga 19 <210> 6 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(23) <400> 6 acagccctcc 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Gly Asp Ala Leu Cys Val Thr Glu Glu Asp Leu Ala Gly 10 15 20 gac gac gag gac atg ccg acc ttc cca tgc acc cag aag ggc cgg cca 389 Asp Asp Glu Asp Met Pro Thr Phe Pro Cys Thr Gln Lys Gly Arg Pro 25 30 35 ggg ccc cgc tgc agc cgc tgc cag aag aac cta tct ttg cac aca tcg 437 Gly Pro Arg Cys Ser Arg Cys Gln Lys Asn Leu Ser Leu His Thr Ser 40 45 50 gtg cgg att ctt tac ctc ttc ctg gcc ctg ctc ctg gtg gcc gtg gct 485 Val Arg Ile Leu Tyr Leu Phe Leu Ala Leu Leu Leu Val Ala Val Ala 55 60 65 70 gtg ttg gcc tct ctg gtt ttc aga aaa gtg gac tct ctc tcc gaa gac 533 Val Leu Ala Ser Leu Val Phe Arg Lys Val Asp Ser Leu Ser Glu Asp 75 80 85 atc tcc ttg acc cag tct att tat gac aag aag ctt gtg tta atg cag 581 Ile Ser Leu Thr Gln Ser Ile Tyr Asp Lys Lys Leu Val Leu Met Gln 90 95 100 aaa aat ctc cag ggc ctg gat ccg aaa gcc ctg aac aac tgc tct ttc 629 Lys Asn Leu Gln Gly Leu Asp Pro Lys Ala Leu Asn Asn Cys Ser Phe 105 110 115 tgc cat gaa gct ggg cag ctg ggg cca gag atc cga aaa ctg cag gag 677 Cys His Glu Ala Gly Gln Leu Gly Pro Glu Ile Arg Lys Leu Gln Glu 120 125 130 gag ctg gag gga att cag aag ctg ctt ctg gcc cag gag gtg cag ctg 725 Glu Leu Glu Gly Ile Gln Lys Leu Leu Leu Ala Gln Glu Val Gln Leu 135 140 145 gac cag acc tta cag gcc cag gag gtg ctc tcc acc acc agc aga caa 773 Asp Gln Thr Leu Gln Ala Gln Glu Val Leu Ser Thr Thr Ser Arg Gln 155 160 165 atc tcc cag gag atg ggc agt tgc tcc ttc tcc atc cac cag gtt aac 821 Ile Ser Gln Glu Met Gly Ser Cys Ser Phe Ser Ile His Gln Val Asn 170 175 180 cag tct ctg ggg ctc ttc ctg gcc cag gtg aga ggc tgg cag gcc acc 869 Gln Ser Leu Gly Leu Phe Leu Ala Gln Val Arg Gly Trp Gln Ala Thr 185 190 195 aca gct ggc ctg gac ctc tct ctg aag gac ctc acc cag gag tgc tac 917 Thr Ala Gly Leu Asp Leu Ser Leu Lys Asp Leu Thr Gln Glu Cys Tyr 200 205 210 gat gtc aag gct gca gtg cac cag atc aac ttc acc gtg ggg cag act 965 Asp Val Lys Ala Ala Val His Gln Ile Asn Phe Thr Val Gly Gln Thr 215 220 225 230 tcc gag tgg atc cac ggg atc cag cgg aag aca gac gag gag acc ctg 1013 Ser Glu Trp Ile His Gly Ile Gln Arg Lys Thr Asp Glu Glu Thr Leu 235 240 245 acc ctc cag aag att gtc acc gac tgg cag aac tac aca cgg ctc ttc 1061 Thr Leu Gln Lys Ile Val Thr Asp Trp Gln Asn Tyr Thr Arg Leu Phe 250 255 260 agc ggc ctg cgc acc acc tcc acc aag act gga gag gcg gtc aag aac 1109 Ser Gly Leu Arg Thr Thr Ser Thr Lys Thr Gly Glu Ala Val Lys Asn 265 270 275 atc cag gcc acc ctg ggg gcc tcc tca cag cgc atc agc cag aac tca 1157 Ile Gln Ala Thr Leu Gly Ala Ser Ser Gln Arg Ile Ser Gln Asn Ser 280 285 290 gag agc atg cac gac ctg gta ctc cag gtc atg ggc ttg cag ctg cag 1205 Glu Ser Met His Asp Leu Val Leu Gln Val Met Gly Leu Gln Leu Gln 295 300 305 310 ctg gat aac atc tcg tcc ttc ctg gat gac cac gaa gag aac atg cat 1253 Leu Asp Asn Ile Ser Ser Phe Leu Asp Asp His Glu Glu Asn Met His 315 320 325 gat ctt cag tac cat acc cac tac gcc cag aac cgc act gtg gag agg 1301 Asp Leu Gln Tyr His Thr His Tyr Ala Gln Asn Arg Thr Val Glu Arg 330 335 340 ttt gag tct ctg gaa gga cgc atg gct tct cac gag att gaa att ggc 1349 Phe Glu Ser Leu Glu Gly Arg Met Ala Ser His Glu Ile Glu Ile Gly 345 350 355 acc atc ttc acc aac atc aat gcc acc gac aac cac gtg cac agc atg 1397 Thr Ile Phe Thr Asn Ile Asn Ala Thr Asp Asn His Val His Ser Met 360 365 370 ctc aag tac ctg gat gac gtg cgg ctc tcc tgc acg ctg ggc ttc cac 1445 Leu Lys Tyr Leu Asp Asp Val Arg Leu Ser Cys Thr Leu Gly Phe His 375 380 385 390 acc cat gcc gag gag ctc tac tac ctg aac aag tct gtc tcc atc atg 1493 Thr His Ala Glu Glu Leu Tyr Tyr Leu Asn Lys Ser Val Ser Ile Met 395 400 405 ctg ggc acc aca gac ctg ctc cgg gag cgc ttc agc ctg ctc agt gcc 1541 Leu Gly Thr Thr Asp Leu Leu Arg Glu Arg Phe Ser Leu Leu Ser Ala 410 415 420 cgg ctg gac ctc aac gtc cgg aac ctc tcc atg atc gtg gag gag atg 1589 Arg Leu Asp Leu Asn Val Arg Asn Leu Ser Met Ile Val Glu Glu Met 425 430 435 aag gca gtg gac aca cag cat gga gaa atc ctt cgc aat gtc acc atc 1637 Lys Ala Val Asp Thr Gln His Gly Glu Ile Leu Arg Asn Val Thr Ile 440 445 450 cta cga ggt gcc ccc ggc cct cca gga cca aga gga ttc aaa gga gat 1685 Leu Arg Gly Ala Pro Gly Pro Pro Gly Pro Arg Gly Phe Lys Gly Asp 455 460 465 470 atg ggc gtg aaa ggg cct gtt ggc ggc aga ggc ccg aaa gga gac ccc 1733 Met Gly Val Lys Gly Pro Val Gly Gly Arg Gly Pro Lys Gly Asp Pro 475 480 485 ggc atc ttg ggc ccc ctg gga ccc cag ggt cct cag ggg caa cct gga 1781 Gly Ile Leu Gly Pro Leu Gly Pro Gln Gly Pro Gln Gly Gln Pro Gly 490 495 500 gag gcc ggg cct gtg gga gaa agg ggc cct gtt ggc cct cga ggg ttc 1829 Glu Ala Gly Pro Val Gly Glu Arg Gly Pro Val Gly Pro Arg Gly Phe 505 510 515 cca ggc ctc aaa ggc tca aag ggc agc ttt gga act gga ggg ccg aga 1877 Pro Gly Leu Lys Gly Ser Lys Gly Ser Phe Gly Thr Gly Gly Pro Arg 520 525 530 gga cag cca ggc cca aaa ggg gac ata ggg ccc cca ggg cca gaa ggg 1925 Gly Gln Pro Gly Pro Lys Gly Asp Ile Gly Pro Pro Gly Pro Glu Gly 535 540 545 550 ccc ccg ggg tct cca ggg ccc tca ggg cct cag gga aaa ccg gga att 1973 Pro Pro Gly Ser Pro Gly Pro Ser Gly Pro Gln Gly Lys Pro Gly Ile 555 560 565 gca ggg aag aca ggg tca cca ggc cag cgg ggg gcc atg ggg cct aag 2021 Ala Gly Lys Thr Gly Ser Pro Gly Gln Arg Gly Ala Met Gly Pro Lys 570 575 580 ggt gaa cca ggg atc cag ggt ccc cct ggt ctc ccg ggg cct cca ggt 2069 Gly Glu Pro Gly Ile Gln Gly Pro Pro Gly Leu Pro Gly Pro Pro Gly 585 590 595 cca cca gga agc cag agc ttc tac tga ggagggctgt ggcagagcca 2116 Pro Pro Gly Ser Gln Ser Phe Tyr 600 605 ctgtcacaca gaatgccgga ggggcgcaga gcagatccag gccccagaaa gcctcaccta 2176 cagacagctg tggtcctctg attccaatga gggggctccc cagggctgac cctgcagctt 2236 tgggctcccc catagtgact gtgccatagg aaagcagccc ctcctcacac atacatgtgc 2296 acatgcacac acatgcatgc acacacatgc acacatacac gcacatgcac acatacacat 2356 gcatgcacac atacacaggc atacatgcat gcacacayac atatgcacgc acacacacat 2416 gcacacatac acgtgcacac atacacaggc acacatgcat gcacacatac acatgcacac 2476 acacatgcac acatatatgc acaggcacac acatgtatgc acacacacat gcaccgcaca 2536 catatccatg cacacaaaca catatataca catgcacata cacagatttt tctgctggcc 2596 aggtgggcca actgggtttc ccctggctgg gcaggaggag agggcagagg aagaccccct 2656 ctcctgtgac tgagcctgcc agggaggcag ctacctcggg aggaaggtct cacatctgtc 2716 tttgggcacc catgctggcc agcagtttcc cagggctccc tggggttgaa aagccccaag 2776 gaaacctttg cgggtggggc gttactgcca aaactccaga ggcaaagtgg acctggcaac 2836 cacaagaccc tccccataag caggggacca gcagacccgg gagctgtccc ctgtctgtca 2896 cagcacagtg gggccacgag gctgacattc tctggccttg cacacagtgc cccctgagaa 2956 gttcaacatt tatttcttca cgtgtccagg aaaattcctc aattcatcct tgcctctgcc 3016 cttcaggagc agcctggaag gaatccaagc aggagtttca tctgcatggg ggcactttgc 3076 aggccctgga acattgggcc tgagtggaga tgggagacag aggcaggcca gaaggttctc 3136 tctgcacagc tgcctccctt gctctccctg agggtggcct gccccattcc ccaagggggc 3196 tcctttggag tggtagggag gatcaggctg cagaagggcc aaccccttgc aacagggcag 3256 ctctcgcctc ccgcacacgg ctctcctgat cacagctgca tgccgacctt gtcccaccgg 3316 gacccacaat ggcccgagcc ctctttgcat gggcagccag ctggactagg agtgggaagg 3376 gcctggacac tcacagaggc cccctctgtc atcactcctt ggcacccacc aacttcctgc 3436 acacactggc agagaggggc gctgggaaat caccccacag 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Ile Gln Arg Lys Thr Asp Glu Glu Thr Leu 235 240 245 acc ctc cag aag att gtc acc gac tgg cag aac tac aca cgg ctc ttc 1061 Thr Leu Gln Lys Ile Val Thr Asp Trp Gln Asn Tyr Thr Arg Leu Phe 250 255 260 agc ggc ctg cgc acc acc tcc acc aag act gga gag gcg gtc aag aac 1109 Ser Gly Leu Arg Thr Thr Ser Thr Lys Thr Gly Glu Ala Val Lys Asn 265 270 275 atc cag gcc acc ctg ggg gcc tcc tca cag cgc atc agc cag aac tca 1157 Ile Gln Ala Thr Leu Gly Ala Ser Ser Gln Arg Ile Ser Gln Asn Ser 280 285 290 gag agc atg cac gac ctg gta ctc cag gtc atg ggc ttg cag ctg cag 1205 Glu Ser Met His Asp Leu Val Leu Gln Val Met Gly Leu Gln Leu Gln 295 300 305 310 ctg gat aac atc tcg tcc ttc ctg gat gac cac gaa gag aac atg cat 1253 Leu Asp Asn Ile Ser Ser Phe Leu Asp Asp His Glu Glu Asn Met His 315 320 325 gat ctt cag tac cat acc cac tac gcc cag aac cgc act gtg gag agg 1301 Asp Leu Gln Tyr His Thr His Tyr Ala Gln Asn Arg Thr Val Glu Arg 330 335 340 ttt gag tct ctg gaa gga cgc atg gct tct cac gag att gaa att ggc 1349 Phe Glu Ser Leu Glu Gly Arg Met Ala Ser His Glu Ile Glu Ile Gly 345 350 355 acc atc ttc acc aac atc aat gcc acc gac aac cac gtg cac agc atg 1397 Thr Ile Phe Thr Asn Ile Asn Ala Thr Asp Asn His Val His Ser Met 360 365 370 ctc aag tac ctg gat gac gtg cgg ctc tcc tgc acg ctg ggc ttc cac 1445 Leu Lys Tyr Leu Asp Asp Val Arg Leu Ser Cys Thr Leu Gly Phe His 375 380 385 390 acc cat gcc gag gag ctc tac tac ctg aac aag tct gtc tcc atc atg 1493 Thr His Ala Glu Glu Leu Tyr Tyr Leu Asn Lys Ser Val Ser Ile Met 395 400 405 ctg ggc acc aca gac ctg ctc cgg gag cgc ttc agc ctg ctc agt gcc 1541 Leu Gly Thr Thr Asp Leu Leu Arg Glu Arg Phe Ser Leu Leu Ser Ala 410 415 420 cgg ctg gac ctc aac gtc cgg aac ctc tcc atg atc gtg gag gag atg 1589 Arg Leu Asp Leu Asn Val Arg Asn Leu Ser Met Ile Val Glu Glu Met 425 430 435 aag gca gtg gac aca cag cat gga gaa atc ctt cgc aat gtc acc atc 1637 Lys Ala Val Asp Thr Gln His Gly Glu Ile Leu Arg Asn Val Thr Ile 440 445 450 cta cga ggt cac act ttg ttt tca cat aat cgg ata tga tatgaagcca 1686 Leu Arg Gly His Thr Leu Phe Ser His Asn Arg Ile 455 460 465 gccataaagc ccaggatgac caagaatata atttgaaaat gaatttgttt actatcctta 1746 atggtaagca tcaccttaag cacatattat gccttgagac actagccaat tgtggtacat 1806 gaaaataatt tataaataaa taaatttacc tatattagga aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 1866 aaaaaaaaaa a 1877 <210> 12 <211> 466 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 12 Met Lys Val Arg Ser Ala Gly Gly Asp Gly Asp Ala Leu Cys Val Thr 1 5 10 15 Glu Glu Asp Leu Ala Gly Asp Asp Glu Asp Met Pro Thr Phe Pro Cys 20 25 30 Thr Gln Lys Gly Arg Pro Gly Pro Arg Cys Ser Arg Cys Gln Lys Asn 35 40 45 Leu Ser Leu His Thr Ser Val Arg Ile Leu Tyr Leu Phe Leu Ala Leu 50 55 60 Leu Leu Val Ala Val Ala Val Leu Ala Ser Leu Val Phe Arg Lys Val 65 70 75 80 Asp Ser Leu Ser Glu Asp Ile Ser Leu Thr Gln Ser Ile Tyr Asp Lys 85 90 95 Lys Leu Val Leu Met Gln Lys Asn Leu Gln Gly Leu Asp Pro Lys Ala 100 105 110 Leu Asn Asn Cys Ser Phe Cys His Glu Ala Gly Gln Leu Gly Pro Glu 115 120 125 Ile Arg Lys Leu Gln Glu Glu Leu Glu Gly 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ggagggctgt ggcagagcca 1991 Pro Pro Gly Ser Gln Ser Phe Tyr 530 535 ctgtcacaca gaatgccgga ggggcgcaga gcagatccag gccccagaaa gcctcaccta 2051 cagacagctg tggtcctctg attccaatga gggggctccc cagggctgac cctgcagctt 2111 tgggctcccc catagtgact gtgccatagg aaagcagccc ctcctcacac atacatgtgc 2171 acatgcacac acatgcatgc acacacatgc acacatacac gcacatgcac acatacacat 2231 gcatgcacac atacacaggc atacatgcat gcacacayac atatgcacgc acacacacat 2291 gcacacatac acgtgcacac atacacaggc acacatgcat gcacacatac acatgcacac 2351 acacatgcac acatatatgc acaggcacac acatgtatgc acacacacat gcaccgcaca 2411 catatccatg cacacaaaca catatataca catgcacata cacagatttt tctgctggcc 2471 aggtgggcca actgggtttc ccctggctgg gcaggaggag agggcagagg aagaccccct 2531 ctcctgtgac tgagcctgcc agggaggcag ctacctcggg aggaaggtct cacatctgtc 2591 tttgggcacc catgctggcc agcagtttcc cagggctccc tggggttgaa aagccccaag 2651 gaaacctttg cgggtggggc gttactgcca aaactccaga ggcaaagtgg acctggcaac 2711 cacaagaccc tccccataag caggggacca gcagacccgg gagctgtccc ctgtctgtca 2771 cagcacagtg 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<210> 29 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(18) <400> 29 gccaagacct gccctgtg 18 <210> 30 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(18) <400> 30 gtgaggctcc cctttctt 18 <210> 31 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized probe sequence <400> 31 ccctatgagc cgcctgag 18 <210> 32 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(20) <400> 32 gttccttgtg gagccggagc 20 <210> 33 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(18) <400> 33 gggtacaaga tccaggtc 18 <210> 34 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized probe sequence <400> 34 ggcccgtgag cgatggaac 19 <210> 35 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(18) <400> 35 ctgtgactcg gggacgcc 18 <210> 36 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(19) <400> 36 aatcgcccag catcacgtc 19 <210> 37 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized probe sequence <400> 37 ctgaacatga aggagctgaa 20 <210> 38 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(18) <400> 38 acgaacgagc ccagcacc 18 <210> 39 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(19) <400> 39 gagctggatg ttgagcagg 19 <210> 40 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized probe sequence <400> 40 cgcagtcagg cagagggt 18 <210> 41 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(19) <400> 41 ctgcagtgtt ctgcacagc 19 <210> 42 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(20) <400> 42 cgaactgtgt cagctgaacc 20 <210> 43 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized probe sequence <400> 43 ccgcacgcta tggctgaca 19 <210> 44 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(19) <400> 44 cggctgcatc tgttggtgt 19 <210> 45 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized primer sequence <220> <221> primer_bind <222> (1)..(21) <400> 45 cttaacatac tcagcataac g 21 <210> 46 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially synthesized probe sequence <400> 46 tttgtaagtg tccccgttcc 20
【0183】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトCSRのスプライシング変異体であるCS
R1、CSR2及びCSR3のタンパク一次構造の差異
を模式的例示を示す図。A、B、B''、C、D、E、
E''及びFは、エキソンユニットを表し、各エキソンユ
ニットに付した数字は、当該エキソンをコードするDN
Aのおよその塩基数を示す。
R1、CSR2及びCSR3のタンパク一次構造の差異
を模式的例示を示す図。A、B、B''、C、D、E、
E''及びFは、エキソンユニットを表し、各エキソンユ
ニットに付した数字は、当該エキソンをコードするDN
Aのおよその塩基数を示す。
【図2】ヒトCSR1及びCSR2のタンパク2次構造
を模式的に示す図。図中の数字は、N末端から計数した
場合のアミノ酸の番号を示す。
を模式的に示す図。図中の数字は、N末端から計数した
場合のアミノ酸の番号を示す。
【図3】マクロファージスカベンジャー受容体のタンパ
ク2次構造を模式的に示す図。
ク2次構造を模式的に示す図。
【図4】ヒトCSR1のタンパク一次構造を示す図。ア
ミノ酸下段の記号(●、*及び#)は、各々、糖鎖結合
部位(●)、リン酸化部位(*)、及びαヘリカルコイ
ルドコルドメイン(#)の推定位置を示す。
ミノ酸下段の記号(●、*及び#)は、各々、糖鎖結合
部位(●)、リン酸化部位(*)、及びαヘリカルコイ
ルドコルドメイン(#)の推定位置を示す。
【図5】図5(a)は、FISH法により分析した、ヒ
トCSR遺伝子のヒト染色体上の位置を示す図。なお、
矢印の先の2つの白点(約0.3mm)部分がCSR遺伝子
が存在する8q21サイトを示す。図5(b)は、細胞
分裂中期ヒト細胞の染色体のR分染核型上でのマッピン
グを示す図。
トCSR遺伝子のヒト染色体上の位置を示す図。なお、
矢印の先の2つの白点(約0.3mm)部分がCSR遺伝子
が存在する8q21サイトを示す。図5(b)は、細胞
分裂中期ヒト細胞の染色体のR分染核型上でのマッピン
グを示す図。
【図6】ノーザンブロッティングにより分析した、種々
ヒト組織でのヒトCSRのmRNAの発現状態を示す
図。
ヒト組織でのヒトCSRのmRNAの発現状態を示す
図。
【図7】p53タンパクによるCSR遺伝子の発現調節
の有無の分析試験における、RT−PCR法で増幅した
CSRcDNAのゲル電気泳動状態を示す図。Wは、天
然型p53遺伝子で形質転換したヒト結腸癌細胞SW480
を用いた試験結果を、またMは、変異型p53遺伝子で
形質転換した該SW480を用いた試験結果を示す。なお、
上段の数字は、RNAを取得した経時的時間を示す。
の有無の分析試験における、RT−PCR法で増幅した
CSRcDNAのゲル電気泳動状態を示す図。Wは、天
然型p53遺伝子で形質転換したヒト結腸癌細胞SW480
を用いた試験結果を、またMは、変異型p53遺伝子で
形質転換した該SW480を用いた試験結果を示す。なお、
上段の数字は、RNAを取得した経時的時間を示す。
【図8】各種細胞でのCSR遺伝子の発現状態の分析に
おける、RT−PCR法による増幅によるCSRcDN
Aのゲル電気泳動状態を示す図。レーン1は、宿主細胞
として正常ヒト線維芽細胞NHDF4042を用いた試験結果
を、レーン2は宿主細胞としてヒト子宮頸癌由来上皮様
細胞Helaを用いた試験結果を、レーン3は宿主細胞とし
てヒト肺癌細胞H1299を用いた試験結果を、レーン4は
宿主細胞としてヒト食道癌細胞TE10を用いた試験結果
を、レーン5は宿主細胞としてヒト神経グリア芽腫細胞
T98Gを用いた試験結果を、レーン6は宿主細胞としてヒ
ト神経グリア芽腫細胞U87MGを用いた試験結果を、レー
ン7は宿主細胞としてヒト腫瘍細胞SKBR3を用いた試験
結果を、並びにレーン8はヒト結腸癌細胞SW480を用い
た試験結果を示す。また、Wは、天然型p53を発現す
る細胞であることを示し、またMは、変異型p53遺伝
子を発現する細胞であることを示す。
おける、RT−PCR法による増幅によるCSRcDN
Aのゲル電気泳動状態を示す図。レーン1は、宿主細胞
として正常ヒト線維芽細胞NHDF4042を用いた試験結果
を、レーン2は宿主細胞としてヒト子宮頸癌由来上皮様
細胞Helaを用いた試験結果を、レーン3は宿主細胞とし
てヒト肺癌細胞H1299を用いた試験結果を、レーン4は
宿主細胞としてヒト食道癌細胞TE10を用いた試験結果
を、レーン5は宿主細胞としてヒト神経グリア芽腫細胞
T98Gを用いた試験結果を、レーン6は宿主細胞としてヒ
ト神経グリア芽腫細胞U87MGを用いた試験結果を、レー
ン7は宿主細胞としてヒト腫瘍細胞SKBR3を用いた試験
結果を、並びにレーン8はヒト結腸癌細胞SW480を用い
た試験結果を示す。また、Wは、天然型p53を発現す
る細胞であることを示し、またMは、変異型p53遺伝
子を発現する細胞であることを示す。
【図9】血清飢餓ストレスによるCSR遺伝子の転写調
節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティング
によるCSRmRNAの発現状態を示す図。分図は、各
々ヒト正常線維芽細胞NHDF4042、ヒト結腸癌細胞SW48
0、ヒト神経グリア芽腫細胞T98G、及びヒト食道癌細胞T
E13を用いた試験結果を示す。なお、プラス(+)及び
マイナス(−)は、各々血清飢餓ストレスを与えた場合
と与えなかった場合の結果を示す。
節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティング
によるCSRmRNAの発現状態を示す図。分図は、各
々ヒト正常線維芽細胞NHDF4042、ヒト結腸癌細胞SW48
0、ヒト神経グリア芽腫細胞T98G、及びヒト食道癌細胞T
E13を用いた試験結果を示す。なお、プラス(+)及び
マイナス(−)は、各々血清飢餓ストレスを与えた場合
と与えなかった場合の結果を示す。
【図10】紫外線照射ストレスによるCSR遺伝子の転
写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティ
ングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上段
の数字は、紫外線照射の強さを示す。
写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティ
ングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上段
の数字は、紫外線照射の強さを示す。
【図11】過酸化水素ストレスによるCSR遺伝子の転
写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティ
ングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上段
の数字は、過酸化水素の濃度を示す。
写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティ
ングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上段
の数字は、過酸化水素の濃度を示す。
【図12】熱ショックストレスによるCSR遺伝子の転
写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティ
ングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上段
の数字は、熱ショックを与えてからの経時的時間を示
す。
写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッティ
ングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上段
の数字は、熱ショックを与えてからの経時的時間を示
す。
【図13】図13(a)は、抗HAエピトープポリクロ
ーナル抗体を用いて免疫細胞化学染色法により分析し
た、CSRタンパクの細胞質での分布を示す図。図13
(b)は、DAPIによる染色法による核の位置を示す
図。
ーナル抗体を用いて免疫細胞化学染色法により分析し
た、CSRタンパクの細胞質での分布を示す図。図13
(b)は、DAPIによる染色法による核の位置を示す
図。
【図14】紫外線照射ストレスに起因する細胞死に対す
るCSRの抑制効果を示す図。
るCSRの抑制効果を示す図。
【図15】過酸化水素ストレスに起因する細胞死に対す
るCSRの抑制効果を示す図。
るCSRの抑制効果を示す図。
【図16】図16(a)は、ヒトCSR1のタンパク一次構造を
示す図。図16(b)は、ヒトCSR2のタンパク一次構造を示
す図。図16(b)に記載のアミノ酸配列の左端の数字(45
1)は、ヒトCSR2タンパクの451番目のアミノ酸であるこ
とを意味し、アミノ酸番号1乃至450番目のアミノ酸は
図16(b)のヒトCSR1タンパクのアミノ酸番号1乃至450番
目のアミノ酸配列と同一であることを示す。アミノ酸下
段の記号(●、△、*、○、及び#)は、各々、casein
kinase2によるリン酸化部位(●)、protein kinase C
によるリン酸化部位(△)、tyrosine kinase 2による
リン酸化部位(*)、ヘム結合部位(○)、及びミクロ
ボディー(ペルオキシソーム)C末端ターゲティングシ
グナル部位(#)の推定の位置を示す。薄黒い四角で囲
った領域は、αヘリカルコイルドコルドメインの推定位
置を示す。空欄四角で囲った領域は、N末端の膜貫通領
域の推定上の位置を示す。楕円類似の四角で囲った部分
は、N結合糖鎖結合部位を示す。二重下線部は、ロイシ
ンジッパー構造の位置を示す(繰返されるロイシンは、
少し大きい文字で表記されている。)。太線の四角で囲
った領域は、G-X-Y繰返し構造を有するコラーゲン様ド
メインを示す。
示す図。図16(b)は、ヒトCSR2のタンパク一次構造を示
す図。図16(b)に記載のアミノ酸配列の左端の数字(45
1)は、ヒトCSR2タンパクの451番目のアミノ酸であるこ
とを意味し、アミノ酸番号1乃至450番目のアミノ酸は
図16(b)のヒトCSR1タンパクのアミノ酸番号1乃至450番
目のアミノ酸配列と同一であることを示す。アミノ酸下
段の記号(●、△、*、○、及び#)は、各々、casein
kinase2によるリン酸化部位(●)、protein kinase C
によるリン酸化部位(△)、tyrosine kinase 2による
リン酸化部位(*)、ヘム結合部位(○)、及びミクロ
ボディー(ペルオキシソーム)C末端ターゲティングシ
グナル部位(#)の推定の位置を示す。薄黒い四角で囲
った領域は、αヘリカルコイルドコルドメインの推定位
置を示す。空欄四角で囲った領域は、N末端の膜貫通領
域の推定上の位置を示す。楕円類似の四角で囲った部分
は、N結合糖鎖結合部位を示す。二重下線部は、ロイシ
ンジッパー構造の位置を示す(繰返されるロイシンは、
少し大きい文字で表記されている。)。太線の四角で囲
った領域は、G-X-Y繰返し構造を有するコラーゲン様ド
メインを示す。
【図17】ヒトCSRタンパクをコードするゲノミック
DNAの構造、並びにスプライシング変異体であるCS
R1タンパク及びCSR2タンパクの一次構造の差異を
模式的に示す図。黒い縦方向の領域1、2、3、4、
5、6’及び6”は、エキソンユニットを表す。また、
図中に示される塩基配列は、p53タンパク結合領域
が、第2イントロン中に存在することを示す。
DNAの構造、並びにスプライシング変異体であるCS
R1タンパク及びCSR2タンパクの一次構造の差異を
模式的に示す図。黒い縦方向の領域1、2、3、4、
5、6’及び6”は、エキソンユニットを表す。また、
図中に示される塩基配列は、p53タンパク結合領域
が、第2イントロン中に存在することを示す。
【図18】p53タンパクによるCSR遺伝子の発現調
節の有無の分析のためのEMSA試験における、各種条件で
の形質転換体の核抽出物のゲル電気泳動状態を示す図。
節の有無の分析のためのEMSA試験における、各種条件で
の形質転換体の核抽出物のゲル電気泳動状態を示す図。
【図19】各種細胞でのCSR遺伝子の発現状態の分析
における、RT−PCR法による増幅によるCSRcD
NAのゲル電気泳動状態を示す図。
における、RT−PCR法による増幅によるCSRcD
NAのゲル電気泳動状態を示す図。
【図20】図20(a)は、紫外線照射ストレスによるC
SR遺伝子の転写調節の有無の分析試験における、ノー
ザンブロッティングによるCSRmRNAの発現状態を
示す図。図上段の数字は、紫外線照射の強さを示す。図
20(b)は、過酸化水素ストレスによるCSR遺伝子の
転写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッテ
ィングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上
段の数字は、過酸化水素の濃度を示す。
SR遺伝子の転写調節の有無の分析試験における、ノー
ザンブロッティングによるCSRmRNAの発現状態を
示す図。図上段の数字は、紫外線照射の強さを示す。図
20(b)は、過酸化水素ストレスによるCSR遺伝子の
転写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロッテ
ィングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図上
段の数字は、過酸化水素の濃度を示す。
【図21】アドリアマイシン(ADR)によるCSR遺伝
子の転写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロ
ッティングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。
図上段の数字は、アドリアマイシンの濃度を示す。
子の転写調節の有無の分析試験における、ノーザンブロ
ッティングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。
図上段の数字は、アドリアマイシンの濃度を示す。
【図22】紫外線照射及び過酸化水素により与えられる
細胞内ストレスによるCSR遺伝子の転写誘導に対する
抗酸化剤の効果の分析試験における、ノーザンブロッテ
ィングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図
中、「-NAC」はNAC存在下での前培養を行わない場合の
結果示し、また「+NAC」はNAC存在下での前培養を行っ
た場合の結果示す。また、「−」及び「UV」は、各
々、紫外線照射を行わなかった場合の結果、及び紫外線
照射を行った場合の結果を示す。同様に、「−」及び
「H2O2」は、各々、過酸化水素によるストレスを与えな
かった場合の結果、及び過酸化水素によるストレスを与
えた場合の結果を示す。
細胞内ストレスによるCSR遺伝子の転写誘導に対する
抗酸化剤の効果の分析試験における、ノーザンブロッテ
ィングによるCSRmRNAの発現状態を示す図。図
中、「-NAC」はNAC存在下での前培養を行わない場合の
結果示し、また「+NAC」はNAC存在下での前培養を行っ
た場合の結果示す。また、「−」及び「UV」は、各
々、紫外線照射を行わなかった場合の結果、及び紫外線
照射を行った場合の結果を示す。同様に、「−」及び
「H2O2」は、各々、過酸化水素によるストレスを与えな
かった場合の結果、及び過酸化水素によるストレスを与
えた場合の結果を示す。
【図23】種々の試薬によるCSR遺伝子の発現調節の
有無の分析試験における、RT−PCR法で増幅したC
SRcDNAのゲル電気泳動状態を示す図。図23(a)はD
EMを用いた場合の結果を、図23(b)はPMA(TPA)を用いた
場合の結果を、図3(c)はSodium azideを用いた場合の結
果を、図23(d)はSodium arseniteを用いた場合の結果
を、図23(e)はGSNOを用いた場合の結果を、及び図23(f)
はSNPを用いた場合の結果を示す。
有無の分析試験における、RT−PCR法で増幅したC
SRcDNAのゲル電気泳動状態を示す図。図23(a)はD
EMを用いた場合の結果を、図23(b)はPMA(TPA)を用いた
場合の結果を、図3(c)はSodium azideを用いた場合の結
果を、図23(d)はSodium arseniteを用いた場合の結果
を、図23(e)はGSNOを用いた場合の結果を、及び図23(f)
はSNPを用いた場合の結果を示す。
【図24】Hemin及び過酸化水素による種々の遺伝子の
発現調節の有無の分析における、RT−PCR法による
増幅による種々cDNAのゲル電気泳動状態を示す図。
図24(a)は、Heminによる遺伝子の経時的発現誘導の有無
を示す、また図24(b)は過酸化水素による遺伝子の経時
的発現誘導の有無を示す。なお、上段の数字は、RNA
を取得した経時的時間を示す。
発現調節の有無の分析における、RT−PCR法による
増幅による種々cDNAのゲル電気泳動状態を示す図。
図24(a)は、Heminによる遺伝子の経時的発現誘導の有無
を示す、また図24(b)は過酸化水素による遺伝子の経時
的発現誘導の有無を示す。なお、上段の数字は、RNA
を取得した経時的時間を示す。
【図25】図25(a)は、CSRcDNAを有しない空の発現ベク
ターで形質転換された細胞を、抗HAエピトープポリク
ローナル抗体を用いて免疫細胞化学染色法により分析し
た、CSRタンパクの細胞質での分布を示す図。図25
(b)は、DAPIによる染色法によるCSRcDNAを有しない
空の発現ベクターで形質転換された細胞の核の位置を示
す図。図25(c)は、CSRcDNAを発現する発現ベクターで形
質転換された細胞を、抗HAエピトープポリクローナル
抗体を用いて免疫細胞化学染色法により分析した、CS
Rタンパクの細胞質での分布を示す図。図25(d)は、D
APIによる染色法によるCSRcDNAを発現する発現ベク
ターで形質転換された細胞の核の位置を示す図。図25
(e)は、CSRcDNAを発現する発現ベクターで形質転換され
た細胞を、抗ゴルジ-58Kタンパク抗体を用いて免疫細胞
化学染色法により分析した、CSRタンパクの細胞質で
の分布を示す図。図25(f)は、DAPIによる染色法に
よるCSRcDNAを発現する発現ベクターで形質転換された
細胞の核の位置を示す図。図25(g)は、過酸化水素によ
る酸化ストレスを与えたCSRcDNAを発現する発現ベクタ
ーで形質転換された細胞を抗ゴルジ-58Kタンパク抗体を
用いて免疫細胞化学染色法により分析した、CSRタン
パクの細胞質での分布を示す図。図25(h)は、DAPI
による染色法による過酸化水素による酸化ストレスを与
えたCSRcDNAを発現する発現ベクターで形質転換された
細胞の核の位置を示す図。
ターで形質転換された細胞を、抗HAエピトープポリク
ローナル抗体を用いて免疫細胞化学染色法により分析し
た、CSRタンパクの細胞質での分布を示す図。図25
(b)は、DAPIによる染色法によるCSRcDNAを有しない
空の発現ベクターで形質転換された細胞の核の位置を示
す図。図25(c)は、CSRcDNAを発現する発現ベクターで形
質転換された細胞を、抗HAエピトープポリクローナル
抗体を用いて免疫細胞化学染色法により分析した、CS
Rタンパクの細胞質での分布を示す図。図25(d)は、D
APIによる染色法によるCSRcDNAを発現する発現ベク
ターで形質転換された細胞の核の位置を示す図。図25
(e)は、CSRcDNAを発現する発現ベクターで形質転換され
た細胞を、抗ゴルジ-58Kタンパク抗体を用いて免疫細胞
化学染色法により分析した、CSRタンパクの細胞質で
の分布を示す図。図25(f)は、DAPIによる染色法に
よるCSRcDNAを発現する発現ベクターで形質転換された
細胞の核の位置を示す図。図25(g)は、過酸化水素によ
る酸化ストレスを与えたCSRcDNAを発現する発現ベクタ
ーで形質転換された細胞を抗ゴルジ-58Kタンパク抗体を
用いて免疫細胞化学染色法により分析した、CSRタン
パクの細胞質での分布を示す図。図25(h)は、DAPI
による染色法による過酸化水素による酸化ストレスを与
えたCSRcDNAを発現する発現ベクターで形質転換された
細胞の核の位置を示す図。
【図26】紫外線照射ストレスに起因する細胞死に対す
るCSRタンパクの抑制効果を示す図。
るCSRタンパクの抑制効果を示す図。
【図27】フローサイトメーターにより測定した、細胞
内での反応性酸素種の量の変化を表わす図。図27(a)
は、対照であるH1299-vector群での反応性酸素種の量の
変化示す図。図27(b)は、H1299-CSR1群での反応性酸素
種の量の変化を示す図。図27(c)は、H1299-CSR2群での
反応性酸素種の量の変化を示す図。図27(d)は、CSR1/CS
R2群での反応性酸素種の量の変化を示す図。
内での反応性酸素種の量の変化を表わす図。図27(a)
は、対照であるH1299-vector群での反応性酸素種の量の
変化示す図。図27(b)は、H1299-CSR1群での反応性酸素
種の量の変化を示す図。図27(c)は、H1299-CSR2群での
反応性酸素種の量の変化を示す図。図27(d)は、CSR1/CS
R2群での反応性酸素種の量の変化を示す図。
【図28】過酸化水素により誘導される細胞の形態の経
時的変化を示す図。図28(a)は、過酸化水素を加えない
場合のH1299-vector群の細胞の形態を示す図。図28(b)
は、過酸化水素を加えた直後のH1299-vector群の細胞の
形態を示す図。 図28(c)は、過酸化水素を加えて1時
間培養した後のH1299-vector群の細胞の形態を示す図。
図28(d)は、過酸化水素を加えて3時間培養した後のH12
99-vector群の細胞の形態を示す図。図28(e)は、過酸化
水素を加えない場合のCSR1/CSR2群の細胞の形態を示す
図。図28(f)は、過酸化水素を加えた直後のCSR1/CSR2群
の細胞の形態を示す図。図28(g)は、過酸化水素を加え
て1時間培養した後のCSR1/CSR2群の細胞の形態を示す
図。図28(h)は、過酸化水素を加えて3時間培養した後
のCSR1/CSR2群の細胞の形態を示す図。
時的変化を示す図。図28(a)は、過酸化水素を加えない
場合のH1299-vector群の細胞の形態を示す図。図28(b)
は、過酸化水素を加えた直後のH1299-vector群の細胞の
形態を示す図。 図28(c)は、過酸化水素を加えて1時
間培養した後のH1299-vector群の細胞の形態を示す図。
図28(d)は、過酸化水素を加えて3時間培養した後のH12
99-vector群の細胞の形態を示す図。図28(e)は、過酸化
水素を加えない場合のCSR1/CSR2群の細胞の形態を示す
図。図28(f)は、過酸化水素を加えた直後のCSR1/CSR2群
の細胞の形態を示す図。図28(g)は、過酸化水素を加え
て1時間培養した後のCSR1/CSR2群の細胞の形態を示す
図。図28(h)は、過酸化水素を加えて3時間培養した後
のCSR1/CSR2群の細胞の形態を示す図。
【図29】マウスCSR遺伝子ノックアウトマウス作製の
ためのターゲティングベクターの構造を模式的に示す
図。
ためのターゲティングベクターの構造を模式的に示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12P 21/08 21/08 C12N 5/00 B //(C12N 1/19 C12R 1:645) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:645) (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (18)
- 【請求項1】 配列番号10に記載されるアミノ酸配列
を有するタンパクをコードするDNA及びその断片。 - 【請求項2】 配列番号12に記載されるアミノ酸配列
を有するタンパクをコードするDNA及びその断片。 - 【請求項3】 配列番号14に記載されるアミノ酸配列
を含むタンパクをコードするDNA及びその断片。 - 【請求項4】 配列番号9に記載される塩基配列の塩基
番号276乃至2096の塩基配列を有するDNA及び
その断片。 - 【請求項5】 配列番号11に記載される塩基配列の塩
基番号276乃至1676の塩基配列を有するDNA及
びその断片。 - 【請求項6】 配列番号13に記載される塩基配列の塩
基番号364乃至1971の塩基配列を含むDNA及び
その断片。 - 【請求項7】 配列番号9、配列番号11または配列番
号13のいずれかに記載される塩基配列を有するDNA
にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
A。 - 【請求項8】 配列番号10に記載されるアミノ酸配列
若しくは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
を有するタンパク並びにそれらの断片。 - 【請求項9】 配列番号12に記載されるアミノ酸配列
若しくは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
を有するタンパク並びにそれらの断片。 - 【請求項10】 配列番号14に記載されるアミノ酸配
列若しくは該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列を含むタンパク並びにそれらの断片。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記
載のDNA若しくはその断片を含む発現ベクター。 - 【請求項12】 請求項11記載の発現ベクターで形質
転換された形質転換細胞。 - 【請求項13】 請求項8乃至請求項10のいずれかに
記載のタンパクまたはその断片に反応性を有する抗体ま
たは該抗体の一部。 - 【請求項14】 抗体が、モノクローナル抗体であるこ
とを特徴とする請求項13記載の抗体または該抗体の一
部。 - 【請求項15】 請求項13または請求項14記載の抗
体若しくは該抗体の一部及び薬学的に許容され得る担体
を含んでなる医薬組成物。 - 【請求項16】 請求項8乃至請求項10のいずれかに
記載のタンパクまたはその断片に反応性を有するモノク
ローナル抗体を産生する細胞。 - 【請求項17】 該細胞が、モノクローナル抗体を産生
する能力を有する非ヒト哺乳動物由来のB細胞と哺乳動
物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞
であることを特徴とする請求項16に記載の細胞。 - 【請求項18】 該細胞が、該モノクローナル抗体の重
鎖をコードするDNA若しくはその軽鎖をコードするD
NAのいずれか一方のDNA、または両方のDNAが細
胞内に導入されることにより形質転換された遺伝子組換
え細胞であることを特徴とする請求項16に記載の細
胞。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10230121A JPH11123094A (ja) | 1997-08-13 | 1998-07-30 | スカベンジャー受容体様タンパク |
PCT/JP1998/003602 WO1999009159A1 (fr) | 1997-08-13 | 1998-08-12 | Proteines du type recepteurs accepteurs |
EP98937802A EP1004665A4 (en) | 1997-08-13 | 1998-08-12 | PROTEINS OF THE ACCEPTOR RECEPTOR TYPE |
CA002300476A CA2300476A1 (en) | 1997-08-13 | 1998-08-12 | Scavenger receptor-like proteins |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23339697 | 1997-08-13 | ||
JP9-233396 | 1997-08-13 | ||
JP10230121A JPH11123094A (ja) | 1997-08-13 | 1998-07-30 | スカベンジャー受容体様タンパク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11123094A true JPH11123094A (ja) | 1999-05-11 |
Family
ID=26529154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10230121A Pending JPH11123094A (ja) | 1997-08-13 | 1998-07-30 | スカベンジャー受容体様タンパク |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1004665A4 (ja) |
JP (1) | JPH11123094A (ja) |
CA (1) | CA2300476A1 (ja) |
WO (1) | WO1999009159A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
US8690851B2 (en) | 2008-08-29 | 2014-04-08 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Disposable absorbent article having tailored leg edge |
CN114990158B (zh) * | 2022-05-19 | 2023-05-26 | 北京大学 | Scara3基因敲除仓鼠模型的构建方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5691147A (en) * | 1994-06-02 | 1997-11-25 | Mitotix, Inc. | CDK4 binding assay |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP10230121A patent/JPH11123094A/ja active Pending
- 1998-08-12 CA CA002300476A patent/CA2300476A1/en not_active Abandoned
- 1998-08-12 WO PCT/JP1998/003602 patent/WO1999009159A1/ja not_active Application Discontinuation
- 1998-08-12 EP EP98937802A patent/EP1004665A4/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO1999009159A1 (fr) | 1999-02-25 |
EP1004665A4 (en) | 2002-11-27 |
EP1004665A1 (en) | 2000-05-31 |
CA2300476A1 (en) | 1999-02-25 |
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