JP2004261182A - 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途 - Google Patents

副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2004261182A
JP2004261182A JP2004092729A JP2004092729A JP2004261182A JP 2004261182 A JP2004261182 A JP 2004261182A JP 2004092729 A JP2004092729 A JP 2004092729A JP 2004092729 A JP2004092729 A JP 2004092729A JP 2004261182 A JP2004261182 A JP 2004261182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
dna
ailim
monoclonal antibody
human
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004092729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004261182A5 (ja
JP4386776B2 (ja
Inventor
Takashi Tsuji
孝 辻
Katsunari Tezuka
克成 手塚
Nobuaki Hori
伸明 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP2004092729A priority Critical patent/JP4386776B2/ja
Publication of JP2004261182A publication Critical patent/JP2004261182A/ja
Publication of JP2004261182A5 publication Critical patent/JP2004261182A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4386776B2 publication Critical patent/JP4386776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】 AILIMを介するコスティミュレイトリーシグナル(副刺激シグナル)の伝達が関与する種々の疾患の発症及び/または進行を抑制、阻止し、該疾患を治療または予防するための医薬品として有用なAILIMに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬組成物を提供する。
【解決手段】 遺伝子工学技術を用いて作製したヒト抗体産生トランスジェニックマウスにAILIM分子を免疫することにより、AILIMに結合し、AILIMを介するコスティミュレイトリーシグナル(副刺激シグナル)の伝達が関与する種々の生体反応(例えば、細胞増殖、サイトカインの産生、免疫細胞溶解、細胞死、ADCCの誘導など)を制御する種々のヒトモノクローナル抗体得た。さらに、該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを介するコスティミュレイトリーシグナルの伝達が関与する種々の疾患の発症及び/または進行を抑制し、該疾患を治療または予防に有効であることを見出した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、AILIM(activation inducible lymphocyte immunomodulatory molecule;ICOS(inducible co-stimulator)とも称される。)に結合するヒト抗体; ヒトモノクローナル抗体若しくはその一部、該ヒトモノクローナル抗体若しくはその一部をコードするDNA若しくはその一部; 該ヒトモノクローナル抗体若しくはその一部を産生する細胞(遺伝子組換え細胞を含む); 該遺伝子組換え細胞が産生するヒトモノクローナル抗体若しくはその一部; 該ヒトモノクローナル抗体若しくはその一部を含んでなる医薬組成物; AILIMに対する抗体を含んでなる遅延型アレルギー関連疾患を治療するための医薬組成物; AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定、定量若しくはアッセイする方法; 及び当該方法に用いられるキットに関する。
哺乳動物の生体は、体内に侵入した病原微生物(ウイルス、細菌、寄生虫など)や外来異物など(以下、併せて「抗原」と呼ぶ。)を排除しようとする免疫応答システムを有する。その1つは、自然免疫応答システムと呼ばれ、他の1つは獲得免疫応答システムと呼ばれるものである。前者は、食細胞(多形核白血球、単球、マクロファージなど)による貪食、ナチュラルキラー(NK)細胞による攻撃、及び補体による抗原のオプソニン化などのような非特異的な認識による排除機構である。後者の獲得免疫応答システムは、該抗原に対する特異性を獲得(活性化)したリンパ球(主にT細胞、B細胞)による排除機構である。
抗原特異性を獲得したB細胞は、該抗原に特異的な抗体を産生することにより細胞外に存在する該抗原を攻撃する。抗原特異性を獲得(活性化)したT細胞は、ヘルパーT細胞と細胞傷害性T細胞(cytotoxic T cell; cytotoxic lymphocyte; CTL)に分類され、前者はB細胞の分化や抗体の産生を調節するとともに食細胞と協同して該抗原を破壊する。後者は、自らウイルス感染細胞などを攻撃する(実験医学(別冊)・「Bio Science用語ライブラリー[免疫]」、羊土社、p.14-17、1995)。
このT細胞による抗原特異性の獲得(活性化)は、T細胞が、マクロファージ、B細胞あるいは樹状細胞などの抗原提示細胞(antigen-presenting cells: APC)により提示される抗原を認識することにより開始される。抗原提示細胞は、取り込んだ抗原をプロセッシング(加工)し、この加工された抗原を主要組織適合性抗原複合体(MHC)に結合させて抗原提示する。T細胞は、抗原提示細胞により提示された該加工抗原を、その細胞膜表面に有するT細胞受容体(TcR)とCD3抗原との複合体(TcR/CD3複合体)を通じて認識することで細胞の活性化 (特異性の獲得)のための第1のシグナルを受ける。
しかしながら、このTcR/CD3複合体を介した第1シグナルだけでは、T細胞の十分な活性化が起こらないだけでなく、その後に受ける如何なる刺激に対しても反応しなくなる不応答状態(unresponsiveness)またはクローン麻痺(clonal anergy)と呼ばれる状態に陥る。T細胞が活性化され抗原特異的なT細胞クローンに分化、増殖するためにはインターロイキン−2(IL-2)の自己分泌(オートクリン;autocrine)が必要であるが、クローン麻痺の状態ではIL-2などが産生されず細胞分裂が起こらないため、T細胞が不活性化された状態となる。即ち、IL-2などのサイトカインの産生を伴うT細胞の活性化には、TcR/CD3複合体を介した第1シグナルに引き続く第2のシグナルを必要とする。この第2のシグナルはコスティミュレイトリーシグナル(副刺激シグナル;costimulatory signal)と呼ばれる。
T細胞は、T細胞表面上のTcR/CD3複合体とは別の分子を介して抗原提示細胞上のMHCとは別の分子と相互作用(細胞間接着)することによりこの第2のシグナルを受けとり細胞内に伝達する。この第2のシグナルにより細胞のアナジー(クローン麻痺)が回避されるとともに細胞が活性化される。
抗原提示細胞とT細胞等のリンパ球の間の第2のシグナルの伝達のメカニズムについては未だ詳細に解明されていない部分はあるものの、これまでの研究から、この第2のシグナル伝達には、主にT細胞及び胸腺細胞で発現する細胞表面分子であるCD28(別名:Tp44、T44、又は9.3抗原)と抗原提示細胞(マクロファージ、単球、樹状細胞など)で発現する細胞表面分子であるCD80(別名:B7-1、B7、BB1、またはB7/BB1)及び同じく抗原提示細胞状の細胞表面分子であるCD86(別名:B7-2またはB70)との間の相互作用(即ち、それらの分子間の結合を介した細胞間接着)が極めて重要であることが明らかにされている。
さらにこの第2のシグナルによるT細胞の活性化の制御には、該第2のシグナルに依存してその発現が増強されると考えられているCTLA-4(Cytolytic T lymphocyte associated antigen 4)と該CD80(B7-1)及びCD86(B7-2)との間の相互作用(即ち、それらの分子間の結合を介した細胞間接着)も重要な役割を担っていることが実験的に明らかにされてきている。即ち、この第2のシグナルの伝達によるT細胞の活性化の制御には、少なくともCD28とCD80/CD86との間の相互作用、該相互作用に依存すると考えられるCTLA-4の発現の増強、並びにCTLA-4とCD80/CD86との間の相互作用が包含されることが明らかにされてきている。
CD28は、このT細胞の活性化とアナジーの回避に必要な第2のシグナル(コスティミュレイトリー・シグナル)を伝達するコスティミュレイター分子であることが明らかにされている。この分子が抗原提示細胞上のコスティミュレイター分子であるCD80(B7-1)及びCD86(B7-2)と結合すること(換言すれば、それらの分子間の結合を介した細胞間接着)により伝達される第2のシグナルは、Th1型サイトカインのmRNAを安定化させ、その結果T細胞からのIL-2、IFNγ及びTNFαなどのTh1型サイトカインを大量の産生を促す。一方、CTLA-4は、TcR/CD3を通じて入る第1シグナルにより発現が誘導されるとともに、CD28とCD80との結合により入る該第2のシグナルによってもその発現が増強されることが知られている。CTLA-4は、それらのシグナルを受けて、CD28より入る第2ののシグナルによるT細胞の活性化とは反対にT細胞機能に対して抑制的に働くことが明らかになってきている。
ヒトのCD28及びCTLA-4は、各々44kD及び41乃至43kDの分子量を有するI型糖蛋白質である。ともに免疫グロブリン様ドメイン1個を有し、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、細胞間接着分子としての機能と細胞内へのシグナル伝達分子としての両方の機能を併せ持った分子である。
ヒトCD28はジズルフィド結合によりホモ二量体を形成し、一方、CTLA-4は単量体で存在することが示されている。CD28及びCTLA-4の遺伝子の染色体上に位置は、ヒトにおいてはいずれも「2q33」、またマウスにおいては「1C」であり、いずれも4つのエクソンからなる。ヒトのCD28及びCTLA-4は、リーダー配列を含め各々220及び223個のアミノ酸から構成され、両者のアミノ酸相同性は20乃至30%程度である。
CD28及びCTLA-4のリガンドは、ヒト及びマウスにおいてCD80(B7-1)及びCD86(B7-2)であることが解明されている。CTLA-4は、いずれのリガンドに対してもCD28より親和性が高く、その差は約20倍である。CD28及びCTLA-4のCD80(B7-1)への結合には、動物種を超えて保存されているアミノ酸配列構造である「MYPPPY(Met-Tyr-Pro-Pro-Pro-Tyr)」が重要であることが明らかにされている。また、CD28が刺激を受けると、その細胞内の部分配列「YMNM(Tyr-Met-Asn-Met)」内のリン酸化されたチロシン残基へPI3キナ−ゼ(phosphoinositide 3 kinase, PI3K)が会合することが示され、CD28はこの「YxxM」構造を介して細胞内シグナル伝達において重要な働きをしていることが示されてきている。また、CTLA4の細胞内領域にも「YxxM」で表わされる配列、即ち「YVKM(Tyr-Val-Lys-Met)」を有しており、刺激を受けた後、この配列にSYPが会合することが示されている。
CD28は、胸腺細胞及び末梢血T細胞に限局して発現し、一方CTLA-4は活性化T細胞に特異的に発現することがわかってきている(細胞工学・別冊「接着分子ハンドブック」、秀潤社発行、第93-102頁、1994年; 同誌、第120-136頁; 実 験医学・別冊「BIO SCIENCE 用語ライブラリー・免疫」、羊土社発行、第94-98 頁、1995年; 実験医学・別冊「BIO SCIENCE 用語ライブラリー・細胞内シグナル伝達」、羊土社発行、第58-59頁、1997年; 日本臨床、第55巻、第6号、第215-220頁、1997年)。
このようにしてT細胞機能の制御(T細胞の活性化及び機能抑制)におけるコスティミュレイター分子(CD28、CD80(B7-1)及びCD86(B7-2)など)並び連動するCTLA-4などの複数の分子の間の相互作用の重要性が提唱されるようになり、それらの分子と疾患との関係の解明、並びにそれらの分子の機能を制御することによる疾患の治療の試みが注目されるようになってきている。
前述のように、生体は、生体(自己)にとって異物である抗原に対しては獲得免疫応答システムを作動させるが、自己の生体成分(自己抗原)に対しては免疫応答を示さない免疫寛容を有している。しかしながら、何らかの原因で免疫寛容の破綻が起こると、自己抗原に対する免疫応答が起こり前述と同様のメカニズムにより自己抗原反応性T細胞が誘導され免疫異常状態に陥り、種々の自己免疫疾患が惹起される。
即ち、生体の免疫システムが正常な状態では、正常組織の無刺激の抗原提示細胞(antigen presenting cell; APC)はコスティミュレイトリー分子を発現しないため、例え自己抗原に反応する自己抗原反応性T細胞が存在していても、T細胞が不応答状態に陥っているため自己寛容が維持されているが、免疫異常状態においては過剰または継続的なコスティミュレイトリー分子の発現以上により自己抗原反応性T細胞が活性化され自己免疫疾患が惹起されるという可能性が提示されている。
このような観点から近年、コスティミュレイトリーシグナルの伝達、例えば前述のCD28/CTLA-4-CD80/CD86の間のシグナル伝達を調節することにより種々の自己免疫性疾患の治療の試みが多数なされてきている。
しかしながら、そのような治療の試みがなされる一方で、コスティミュレイター分子及び関連する分子との間の相互作用によるT細胞の活性化のメカニズムの詳細な解明は未だなされておらず、またこのメカニズムには未だ同定されていない他の分子が関与する可能性も残っていた。
最近、前記「CD28」や「CTLA-4」と同様に、T細胞等のリンパ球の活性化に必須な第2のシグナル(コスティミュレイトリーシグナル)の伝達、並びに該シグナルに連動して活性化T細胞等の活性化リンパ球の機能制御を行うと考えられる新たなコスティミュレイトリー分子(副刺激伝達分子)が同定された。この分子は、AILIM(activation inducible lymphocyte immunomodulatory molecule)と呼ばれ(ヒト、マウス及びラット;Int. Immunol., Vol.12, No.1, p.51-55, 2000)、別称としてICOS(Inducible co-stimulator)とも呼ばれている(ヒト;Nature, Vol.397, No.6716, p.263-266, 1999)。
一方、極最近になって、この副刺激伝達分子AILIM(ICOS)と相互作用するリガンド(AILIMリガンド)であるB7h、B7RP-1、GL50あるいはLICOSと称される新規分子も同定されている(Nature, Vol.402, No.6763, p.827-832, 1999; Nature Medicine, Vol.5, No.12, p.1365-1369, 1999;J. Immunology, Vol.164, p.1653-1657, 2000; Curr. Biol., Vol.10, No.6, p.333-336, 2000)。
これら2種類の新規な分子、即ち、AILIM(ICOS)とB7RP-1(B7h/GL50/LICOS)の同定により、上述したT細胞等のリンパ球の活性化及び活性化T細胞の機能制御に必須であるコスティミュレイトリーシグナルの伝達経路には、これまで知られていたCD28とCD80(B7-1)/CD86(B7-2)との間のシグナル伝達経路、及びCTLA4とCD80(B7-1)/CD86(B7-2)との間のシグナル伝達経路である第一及び第二の経路の他にAILIM(ICOS)とB7RP-1(B7h)との相互作用による新しい第三の経路があることが判明することとなった。
この新しい2つの分子の各々の生物学的機能、該分子による第三のコスティミュレイトリーシグナル伝達によるT細胞等のリンパ球の機能制御、並びに該新規なシグナル伝達と疾患との関連性については、目下精力的に研究が進めれらているところである(J. Immunol., 166(1), p.1, 2001; J. Immunol., 165(9), p.5035, 2000; Biochem. Biophys. Res. Commun., 276(1), p.335, 2000; Immunity, 13(1), p.95, 2000; J. Exp. Med., 192(1), p.53, 2000; Eur. J. Immunol., 30(4), p.1040, 2000; 国際特許出願公開WO 01/15732)。
即ち、本発明は、前記「CD28」や「CTLA-4」と同様に、T細胞等のリンパ球の活性化に必須な第2のシグナル(コスティミュレイトリーシグナル)の伝達、並びに該シグナルに連動して活性化T細胞等の活性化リンパ球の機能制御を行う分子であると考えられる新規分子AILIMの生物学的機能並びにAILIMの発現と疾患との関わりを明らかにするとともに、該AILIMの生物学的機能を医学及び薬学的手法(例えば、モノクローナル抗体や低分子化合物等の薬剤)により制御することによりAILIMの発現の状態に依存する種々の疾患の発症を抑制し、または該疾患を治療する方法及び薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために、哺乳動物のAILIM(特にはヒトAILIM)に対するヒト抗体(特には、ヒトモノクローナル抗体)に関して鋭意研究した結果、遺伝子組換え技術を用いてヒトの抗体を産生するように作製したトランスジェニックマウスをヒトAILIM(具体的には、ヒトAILIM発現細胞の細胞膜フラクション)で免疫することによって、ヒトAILIMに結合する種々のヒトモノクローナル抗体、特にはヒトAILIMに結合し、ヒトAILIMを介するシグナル伝達を調節する種々のモノクローナル抗体を作製することに世界に先駆けて初めて成功した。
本発明の抗体(特には、モノクローナル抗体)は、ヒトに由来する抗体であることから、マウス由来の抗体等の非ヒト哺乳動物由来の抗体からなる抗体医薬品の治療上の大きな問題点(副作用)であったヒトに対する抗原性、即ちHAMA(Human anti-mouse antigenicity)に起因する宿主の重篤な免疫拒絶反応を全く惹起しないことから、抗体の医薬品としての価値を劇的に増大させるものである。
従って、本発明の哺乳動物AILIM(特には、ヒトAILIM)に結合するヒト抗体(特には、ヒトモノクローナル抗体)及び該ヒト抗体(特には、ヒトモノクローナル抗体)からなる医薬組成物は、HAMAに起因する宿主の免疫拒絶反応を惹起することなく、AILIMを発現する細胞へのAILIMを介するコスティミュレイトリーシグナル(副刺激シグナル)の伝達が関与する種々の生体反応(例えば、AILIMを発現する細胞の細胞増殖、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生、AILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解(immune cytolysis)若しくは細胞死(apoptosis)、及びAILIMを発現する細胞に対する抗体依存性細胞障害を誘導する活性など)を制御するための医薬品として、及び/または該AILIMを介するシグナル伝達が関与する種々の疾患の発症及び/または進行を抑制、阻止し、該疾患を治療または予防するための医薬品として有用である。
具体的には、本発明の医薬組成物は、AILIM発現細胞の増殖の制御(抑制または促進)またはAILIM発現細胞によるサイトカイン(例えば、インターフェロンγまたはインターロイキン4など)の産生を制御(抑制または促進)することが可能であり、AILIMを介するシグナル伝達が関与する様々な生理現象により惹起される種々の病的状態の抑制、及び種々の疾患の治療または予防を可能にする。
本発明の医薬組成物を用いることにより、例えば、自己免疫疾患またはアレルギー性疾患(特には、細胞性免疫により惹起される自己免疫疾患や遅延型アレルギー)に分類される種々の疾患(例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、自己免疫性甲状腺炎、アレルギー性接触性皮膚炎、慢性炎症性皮膚疾患である扁平苔癬、全身性エリテマトーデス、インスリン依存性糖尿病及び乾癬など); 関節症(例えば、関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)、変形性関節症(osteoarthritis; OA))、炎症(例えば、肝炎); 移植片対宿主反応(graft versus host reaction; GVH reaction); 移植片対宿主病(graft versus host disease; GVHD); 組織(皮膚、角膜、骨などの組織)若しくは臓器(肝臓、心臓、肺、腎臓、膵臓など)の移植(同種移植または異種移植)に伴う免疫拒絶反応; 外来抗原若しくは自己抗原により惹起される免疫反応(例えば、該抗原に対する抗体の産生、細胞増殖、サイトカインの産生など); 及び腸管免疫の異常に起因する可能性を有する疾患(具体的には、炎症性腸疾患(特には、クローン病及び潰瘍性大腸炎)や食餌性アレルギー)を抑制、予防及び/または治療することが可能である。
さらには、上記の組織や臓器の移植に伴う免疫拒絶反応の抑制/治療分野においては、本発明の医薬組成物を、そのような移植治療での免疫拒絶反応の抑制のために施されている既存の免疫抑制剤と併用することにより当該既存薬単独での移植片拒絶反応の抑制の効果を増大させることが可能である。
また、本発明の医薬組成物は、抗炎症薬としての種々のステロイド剤が適用されているような任意の炎症の治療または予防に適用することが可能である。
本発明の医薬組成物の適用が可能な炎症性疾患としては、例えば、種々の関節炎(関節リウマチ、変形性関節症など)に伴う炎症、肺炎、肝炎(ウイルス性の肝炎を含む)、感染症に伴う炎症、炎症性腸疾患、腸炎、腎炎(糸球体腎炎、腎線維症に伴う炎症)、胃炎、血管炎、膵炎、腹膜炎、気管支炎、心筋炎、脳炎、虚血後再潅流障害(心筋虚血再潅流障害など)における炎症、組織や臓器の移植後免疫拒絶に起因する炎症、火傷、種々の皮膚の炎症(乾癬、アレルギー性接触性皮膚炎、慢性炎症性皮膚疾患である扁平苔癬など)、多発性臓器障害における炎症、PTCAやPTCRの術後における炎症、及び動脈硬化症に伴う炎症、自己免疫性甲状腺炎などが挙げられる。
また、本発明の1つであるAILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法を用いれば、AILIMまたはAILIMリガンドに結合して、両者の相互作用によるシグナル伝達を調節することにより上述のような種々の疾患を治療し得る潜在的な活性を有する医薬(化学合成化合物や抗体)をスクリーニングして選択することが可能となる。
即ち、本発明の下記(1)乃至(108)に記載されるとおりの発明である。
(1) AILIMに結合するヒト抗体。
(2) 該AILIMが、ヒト由来であることを特徴とする前記(1)に記載のヒト抗体。
(3) AILIMに結合するヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(4) 該AILIMが、ヒト由来であることを特徴とする前記(3)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(5) 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を阻害する活性を有するものであることを特徴とする前記(3)または前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(6) 該シグナル伝達の阻害活性が、下記(a)または(b):
(a)AILIMを発現する細胞の増殖を抑制する活性;または、
(b)AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を抑制する活性、
であることを特徴とする前記(5)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(7) 該サイトカインが、Th1タイプのT細胞またはTh2タイプのT細胞が産生するサイトカインであることを特徴とする前記(6)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(8) 該サイトカインが、インターフェロンγまたはインターロイキン4であることを特徴とする前記(7)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(9) 該ヒトモノクローナル抗体が、混合リンパ球反応を抑制する活性を有するものであることを特徴とする前記(5)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(10) 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を誘導する活性を有するものであることを特徴とする前記(3)または前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(11) 該シグナル伝達の誘導活性が、下記(a)または(b):
(a)AILIMを発現する細胞の増殖を誘導する活性;または、
(b)AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を誘導する活性、
であることを特徴とする前記(10)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(12) 該サイトカインが、Th1タイプのT細胞またはTh2タイプのT細胞が産生するサイトカインであることを特徴とする前記(11)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(13) 該サイトカインが、インターフェロンγまたはインターロイキン4であることを特徴とする前記(12)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(14) 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを発現する細胞に対する抗体依存性細胞障害を誘導する活性、及び/またはAILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解若しくは細胞死を誘導する活性を有するものであることを特徴とする前記(3)または前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(15) 該ヒトモノクローナル抗体とAILIMとの結合速度定数(ka)が、1.0×103(1/M.Sec)以上の数値であることを特徴とする前記(3)または前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(16) 該結合速度定数(ka)が、1.0×104(1/M.Sec)以上の数値であることを特徴とする前記(15)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(17) 該結合速度定数(ka)が、1.0×105(1/M.Sec)以上の数値であることを特徴とする前記(16)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(18) 該ヒトモノクローナル抗体とAILIMとの解離速度定数(kd)が、1.0×10-3(1/Sec)以下の数値であることを特徴とする前記(3)または前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(19) 該解離速度定数(kd)が、1.0×10-4(1/Sec)以下の数値であることを特徴とする前記(18)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(20) 該解離速度定数(kd)が、1.0×10-5(1/Sec)以下の数値であることを特徴とする前記(19)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(21) 該ヒトモノクローナル抗体とAILIMとの解離定数(Kd)が、1.0×10-6(M)以下の数値であることを特徴とする前記(3)または前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(22) 該解離定数(Kd)が、1.0×10-7(M)以下の数値であることを特徴とする前記(21)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(23) 該解離定数(Kd)が、1.0×10-8(M)以下の数値であることを特徴とする前記(22)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(24) 該解離定数(Kd)が、1.0×10-9(M)以下の数値であることを特徴とする前記(23)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(25) 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、1-02または3-13のいずれかのヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメントに由来することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(26) 該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、L5またはA27のいずれかのヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントに由来することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(27) 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、1-02または3-13のいずれかのヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメントに由来し、且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、L5またはA27のいずれかのヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントに由来することを特徴とする前記(25)または前記(26)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(28) 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメント1-02に由来し、且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントL5に由来することを特徴とする前記(27)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(29) 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメント3-13に由来し、且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントA27に由来することを特徴とする前記(27)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(30) 該ヒトモノクローナルの重鎖可変領域が、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列;
(b)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列;
(d)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列;または、
(f)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
(31) 該ヒトモノクローナルの重鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列;
(b)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列;
(d)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列;または、
(f)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
(32) 該ヒトモノクローナルの軽鎖可変領域が、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列;
(b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(c)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列;
(d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(e)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列;または、
(f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
(33) 該ヒトモノクローナルの軽鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列;
(b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(c)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列;
(d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(e)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列;または、
(f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
(34) 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する;及び、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する。
(35) 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)重鎖ポリペプチドが、配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する;及び、
(b)軽鎖ポリペプチドが、配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列を有する。
(36) 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)重鎖可変領域が、配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する;及び、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する。
(37) 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)重鎖ポリペプチドが、配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する;及び、
(b)軽鎖ポリペプチドが、配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する。
(38) 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)重鎖可変領域が、配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する;及び、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する。
(39) 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする前記(4)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a)重鎖ポリペプチドが、配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する;及び、
(b)軽鎖ポリペプチドが、配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する。
(40) 該ヒトモノクローナル抗体が、ヒト抗体を産生する能力を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物に由来するモノクローナル抗体であることを特徴とする前記(3)乃至前記(29)のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(41) 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを発現する細胞、該細胞に由来する膜画分、AILIMを構成する分子の全部若しくは一部、またはAILIMをコードする遺伝子またはその一部を、ヒト抗体を産生する能力を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫することにより得られるモノクローナル抗体であることを特徴とする前記(40)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(42) 該トランスジェニック非ヒト哺乳動物が、トランスジェニックマウスであることを特徴とする前記(40)または前記(41)に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(43) 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるポリペプチドをコードするDNAまたはその一部:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び、
(f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(44) 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるポリペプチドをコードするDNAまたはその一部:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び、
(f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(45) 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるDNAまたはその一部:
(a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;
(b)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA;
(c)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;
(d)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA;
(e)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA;及び、
(f)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
(46) 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるDNAまたはその一部:
(a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;
(b)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA;
(c)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;
(d)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA;
(e)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA;及び、
(f)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
(47) 前記(43)乃至前記(46)のいずれかに記載されるDNAを含むベクター。
(48) 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;
(b)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;または、
(c)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA。
(49) 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;
(b)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;または、
(c)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA。
(50) 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA;
(b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA;または、
(c)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
(51) 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA;
(b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA;または、
(c)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
(52) 下記(a)及び(b)のDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;及び
(b)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA。
(53) 下記(a)及び(b)のDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;及び
(b)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA。
(54) 下記(a)及び(b)のDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;及び
(b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA。
(55) 下記(a)及び(b)のDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;及び
(b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA。
(56) 下記(a)及び(b)のDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA;及び
(b)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
(57) 下記(a)及び(b)のDNAを含む前記(47)に記載のベクター:
(a)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA;及び
(b)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
(58) 前記(3)乃至前記(42)のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体を産生する細胞。
(59) 該細胞が、該ヒトモノクローナル抗体を産生する能力を哺乳動物由来のB細胞と哺乳動物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞であることを特徴とする前記(58)に記載の細胞。
(60) 下記(a)のDNA若しくは該DNAを含むベクター、下記(b)のDNA若しくは該DNAを含むベクター、または下記(a)及び(b)の両方のDNA若しくは該両方のDNAを含むベクターが宿主内に導入されることにより形質転換された遺伝子組換え宿主:
(a)ヒトAILIMに結合するモノクローナル抗体の重鎖ポリペプチドまたはその一部をコードするDNA;及び、
(b)ヒトAILIMに結合するモノクローナル抗体の軽鎖ポリペプチドまたはその一部をコードするDNA。
(61) 該モノクローナル抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記(60)に記載の遺伝子組換え宿主。
(62) 該宿主が哺乳動物の細胞であることを特徴とする前記(60)または前記(61)に記載の遺伝子組換え宿主。
(63) 該宿主が哺乳動物の受精卵であることを特徴とする前記(60)または前記(61)に記載の遺伝子組換え宿主。
(64) 該重鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる重鎖ポリペプチドであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド;
(b)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド;及び,
(c)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド。
(65) 該重鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる重鎖ポリペプチドであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチド;
(b)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチド;及び,
(c)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチド。
(66) 該軽鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる軽鎖ポリペプチドであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチド;
(b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチド;及び、
(c)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチド。
(67) 該軽鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる軽鎖ポリペプチドであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチド;
(b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチド;及び、
(c)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチド。
(68) 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸を含む重鎖ポリペプチド;及び、
(b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸を含む軽鎖ポリペプチド。
(69) 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸を有する重鎖ポリペプチド;及び、
(b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸を有する軽鎖ポリペプチド。
(70) 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸を含む重鎖ポリペプチド;及び、
(b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸を含む軽鎖ポリペプチド。
(71) 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸を有する重鎖ポリペプチド;及び、
(b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸を有する軽鎖ポリペプチド。
(72) 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸を含む重鎖ポリペプチド;及び、
(b)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸を含む軽鎖ポリペプチド。
(73) 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸を有する重鎖ポリペプチド;及び、
(b)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸を有する軽鎖ポリペプチド。
(74) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;
(b)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;または、
(c)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA。
(75) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;
(b)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;または、
(c)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA。
(76) 該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA;
(b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA;または、
(c)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
(77) 該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA;
(b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA;または、
(c)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
(78) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;及び、
(b)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA。
(79) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;及び、
(b)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA。
(80) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;及び、
(b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA。
(81) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;及び、
(b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA。
(82) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA;及び、
(b)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
(83) 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする前記(60)乃至前記(63)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
(a)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA;及び、
(b)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
(84) 前記(60)乃至前記(62)のいずれかまたは前記(64)乃至前記(83)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主(但し、該宿主が受精卵である場合を除く)が産生するヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(85) 前記(1)または前記(2)に記載のヒト抗体、及び薬学的に許容されうる担体とを含んでなる医薬組成物。
(86) 前記(3)乃至前記(42)のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体若しくはその一部、及び薬学的に許容され得る担体とを含んでなる医薬組成物。
(87) 前記(84)に記載のヒトモノクローナル抗体若しくはその一部、及び薬学的に許容され得る担体とを含んでなる医薬組成物。
(88) 該医薬組成物が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を阻害するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(89) 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞の増殖を抑制するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(90) 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を抑制するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(91) 該医薬組成物が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を誘導するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(92) 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞の増殖を誘導するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(93) 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を誘導するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(94) 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞に対する抗体依存性細胞障害を誘導するため、及び/またはAILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解若しくは細胞死を誘導するために用いられることを特徴とする前記(85)乃至前記(87)のいずれかに記載の医薬組成物。
(95) AILIMを介するシグナル伝達を制御する活性を有する物質及び薬学的に許容され得る担体を含んでなり、遅延型アレルギーを抑制、治療または予防するための医薬組成物。
(96) 該物質が、蛋白性物質であることを特徴とする前記(95)に記載の医薬組成物。
(97) 該蛋白性物質が、下記群から選ばれるいずれかであることを特徴とする前記(96)に記載の医薬組成物:
a)AILIMに結合する抗体またはその一部;
b)AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチド;
c)AILIMの細胞外領域の全部または一部と免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチド;及び
d)AILIMに結合するポリペプチド。
(98) 該AILIMに結合する抗体が、前記(1)または前記(2)に記載のヒト抗体であることを特徴とする前記(97)に記載の医薬組成物。
(99) 該AILIMに結合する抗体が、前記(3)乃至前記(42)のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記(97)に記載の医薬組成物。
(100) 該AILIMに対する抗体が、前記(84)に記載のヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記(97)に記載の医薬組成物。
(101) 該物質が、非蛋白性物質であることを特徴とする前記(95)に記載の医薬組成物。
(102) 該非蛋白性物質が、DNA、RNAまたは化学的に合成された化合物であることを特徴とする前記(101)に記載の医薬組成物。
(103) AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする方法:
(a)AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを固定化した不溶性担体を調製する工程;
(b)検出可能なシグナルをもたらし得る標識物質で標識したAILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを調製する工程;
(c)工程(a)の不溶性担体及び工程(b)のポリペプチドを反応させる工程;
(d)工程(a)の不溶性担体、工程(b)のポリペプチド及び該物質を任意の順序で反応させる工程;
(e)工程(c)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナル、及び工程(d)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナルの各々を検出する工程;及び
(f)工程(e)で検出したシグナルの大きさの各々を比較する工程。
(104) AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする方法:
(a)AILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを固定化した不溶性担体を調製する工程;
(b)検出可能なシグナルをもたらし得る標識物質で標識したAILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを調製する工程;
(c)工程(a)の不溶性担体及び工程(b)のポリペプチドを反応させる工程;
(d)工程(a)の不溶性担体、工程(b)のポリペプチド及び該物質を任意の順序で反応させる工程;
(e)工程(c)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナル、及び工程(d)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナルの各々を検出する工程;及び
(f)工程(e)で検出したシグナルの大きさの各々を比較する工程。
(105) 該AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドが、AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドと免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチドであることを特徴とする前記(103)または前記(104)に記載の方法。
(106) 該AILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドが、AILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドと免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチドであることを特徴とする前記(103)または前記(104)に記載の方法。
(107) 該AILIMが、ヒトAILIMであることを特徴とする前記(103)乃至前記
(106)のいずれかに記載の方法。
(108) 該AILIMリガンドが、ヒトAILIMリガンドであることを特徴とする前記(103)乃至前記(107)のいずれかに記載の方法。
本発明のヒトAILIMに結合するヒトモノクローナル抗体は、ヒトに由来する抗体であることから、マウス由来の抗体等の非ヒト哺乳動物由来の抗体からなる抗体医薬品の治療上の大きな問題点(副作用)であったヒトに対する抗原性、即ちHAMA(Human anti-mouse antigenicity)に起因する宿主の重篤な免疫拒絶反応を全く惹起しないことから、抗体の医薬品としての価値を劇的に増大させるものである。
従って、本発明のAILIM(特に、ヒトAILIM)に対するヒトモノクローナル抗体及び該ヒトモノクローナル抗体からなる医薬組成物は、HAMAに起因する宿主の免疫拒絶反応を惹起することなく、AILIMを発現する細胞へのAILIMを介するコスティミュレイトリーシグナル(副刺激シグナル)の伝達が関与する種々の生体反応(例えば、AILIMを発現する細胞の細胞増殖、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生、AILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解(immune cytolysis)若しくは細胞死(apoptosis)、及びAILIMを発現する細胞に対する抗体依存性細胞障害を誘導する活性など)を制御するための医薬品として、及び/または該AILIMを介するシグナル伝達が関与する種々の疾患の発症及び/または進行を抑制、阻止し、該疾患を治療または予防することが可能である。
具体的には、本発明の抗AILIMヒトモノクローナル抗体若しくはその一部を活性生物とする医薬品を提供することにより、例えば、自己免疫疾患またはアレルギー性疾患(特には、細胞性免疫により惹起される自己免疫疾患や遅延型アレルギー)に分類される種々の疾患(例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、自己免疫性甲状腺炎、アレルギー性接触性皮膚炎、慢性炎症性皮膚疾患である扁平苔癬、全身性エリテマトーデス、インスリン依存性糖尿病及び乾癬など); 関節症(例えば、関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)、変形性関節症(osteoarthritis; OA))、炎症(例えば、肝炎); 移植片対宿主反応(graft versus host reaction; GVH reaction); 移植片対宿主病(graft versus host disease; GVHD); 組織(皮膚、角膜、骨などの組織)若しくは臓器(肝臓、心臓、肺、腎臓、膵臓など)の移植(同種移植または異種移植)に伴う免疫拒絶反応; 外来抗原若しくは自己抗原により惹起される免疫反応(例えば、該抗原に対する抗体の産生、細胞増殖、サイトカインの産生など); 及び腸管免疫の異常に起因する可能性を有する疾患(具体的には、炎症性腸疾患(特には、クローン病及び潰瘍性大腸炎)や食餌性アレルギー)などの抑制、または治療及び予防が可能となる。
本発明の医薬組成物はまた、抗炎症薬としての種々のステロイド剤が適用されているような任意の炎症、例えば、種々の関節炎(関節リウマチ、変形性関節症など)に伴う炎症、肺炎、肝炎(ウイルス性の肝炎を含む)、感染症に伴う炎症、炎症性腸疾患、腸炎、腎炎(糸球体腎炎、腎線維症に伴う炎症)、胃炎、血管炎、膵炎、腹膜炎、気管支炎、心筋炎、脳炎、虚血後再潅流障害(心筋虚血再潅流障害など)における炎症、組織や臓器の移植後免疫拒絶に起因する炎症、火傷、種々の皮膚の炎症(乾癬、アレルギー性接触性皮膚炎、慢性炎症性皮膚疾患である扁平苔癬など)、多発性臓器障害における炎症、PTCAやPTCRの術後における炎症、及び動脈硬化症に伴う炎症、自己免疫性甲状腺炎などの治療または予防を可能とする。
さらには、上記の組織や臓器の移植に伴う免疫拒絶反応の抑制/治療分野においては、本発明の医薬組成物を、そのような移植治療での免疫拒絶反応の抑制のために施されている既存の免疫抑制剤と併用することにより当該既存薬単独での移植片拒絶反応の抑制の効果を増大させることが可能である。
また、本発明の1つであるAILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法を用いれば、AILIMまたはAILIMリガンドに結合して、両者の相互作用によるシグナル伝達を調節することにより上述のような種々の疾患を治療し得る潜在的な活性を有する医薬(化学合成化合物や抗体)をスクリーニングして選択することが可能となる。
以下、本発明で用いる語句の意味を明らかにすることにより、本発明を詳細に説明する。
本発明における「哺乳動物」とは、ヒト、ウシ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、及びモルモット等を意味し、好ましくは、ヒト、ウサギ、ラット、ハムスターまたはマウスであり、特に好ましくは、ヒト、ラット、ハムスターまたはマウスである。
本発明で用いられる「ヒト以外の哺乳動物」及び「非ヒト哺乳動物」なる用語は各々同義であり、前述に定義した哺乳動物におけるヒト以外のあらゆる哺乳動物を意味する。
本発明において用いられる「アミノ酸」とは、自然界に存在するあらゆるアミノ酸を意味し、好ましくは、アミノ酸を表記するために用いられるアルファベットの三文字表記法または一文字表記法に従って各々下記のように表されるアミノ酸を意味する。
グリシン(Gly/G)、アラニン(Ala/A)、バリン(Val/V)、ロイシン(Leu/L)、イソロイシン(Ile/I)、セリン(Ser/S)、スレオニン(Thr/T)、アスパラギン酸(Asp/D)、グルタミン酸(Glu/E)、アスパラギン(Asn/N)、グルタミン(Glu/Q)、リジン(Lys/K)、アルギニン(Arg/R)、システイン(Cys/C)、メチオニン(Met/M)、フェニルアラニン(Phe/F)、チロシン(Tyr/Y)、トリプトファン(Trp/W)、ヒスチジン(His/H)、プロリン(Pro/P)。
本発明でいう「AILIM」とは、Activation inducible lymphocyte immunomodulatory moleculeの略称であり前述に記載したとおりの既報に報告される構造及び機能を有する哺乳動物の細胞表面分子を意味し、特に好ましくはヒト由来のAILIMを意味する(例えば、International Immunology, Vol.12, No.1, p.51-55; GenBank Accession Number: BAA82129(ヒト);BAA82128(ラット);BAA82127(ラット変異体);BAA82126(マウス))。
なお、このAILIMは、ICOS(Nature, Vol.397, No.6716, p.263-266, 1999)またはJTT-1抗原/JTT-2抗原(日本国特許出願公開平11-29599号公報; 国際特許出願公開WO98/38216号公報)とも別称されるが、それらの分子は互いに同一の分子を意味する。
本発明における「AILIMリガンド」とは、上記副刺激伝達分子AILIM(ICOS)と相互作用する細胞表面分子であるB7h、B7RP-1、GL50あるいはLICOSと称される分子を意味する(Nature, Vol.402, No.6763, p.827-832, 1999; Nature Medicine, Vol.5, No.12, p.1365-1369, 1999;J. Immunology, Vol.164, p.1653-1657, 2000; Curr. Biol., Vol.10, No.6, p.333-336, 2000)。
また、本発明で言う「AILIM」には、該既報の文献中に記載された各々の哺乳動物のAILIMのアミノ酸配列、特に好ましくはヒトAILIMのアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドも包含される。さらにまた、既に同定されているラット由来のAILIM変異体(GenBank Accession Number: BAA82127)と同様のヒトAILIM変異体も本発明における「AILIM」に包含される。
また、本発明における「AILIMリガンド」も上記と同様の意味を以って定義される。
ここで「実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド」とは下記のような変異ポリペプチドを意味する。
即ち、天然型のAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)と実質的に同等の生物学的性質を有する限り、該アミノ酸配列中の複数個のアミノ酸、好ましくは1乃至10個のアミノ酸、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸が置換、欠失及び/または修飾されているアミノ酸配列を有する変異ポリペプチド、並びに該天然型のAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)のアミノ酸配列中に、複数個のアミノ酸、好ましくは1乃至10個のアミノ酸、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を有する変異ポリペプチド。
さらに、そのような置換、欠失、修飾及び付加の複数を有する変異ポリペプチドであってもよい。
また、本発明における「AILIMリガンド」も上記と同様の意味を以って定義される。
本発明におけるAILIM(特にはヒトのAILIM)及びAILIMリガンド(特には、ヒトのAILIMリガンド)は、遺伝子組換え技術のほか、化学的合成法、細胞培養方法等のような当該技術的分野において知られる公知の方法あるいはその修飾方法を適宜用いることにより製造することができる。
そのようなアミノ酸の置換、欠失、または挿入は常法に従って行うことができる(実験医学別冊・「遺伝子工学ハンドブック」(1992)など)。
また、上述のような変異ポリペプチドの製造方法としては、例えば、合成オリゴヌクレオチド指定突然変異導入法(gapped duplex)法、亜硝酸あるいは亜硫酸処理によってランダムに点突然変異を導入する方法、Ba131酵素等により欠失変異体を作製する方法、カセット変異法、リンカースキャニング法、ミスインコーポレーション法、ミスマッチプライマー法、DNAセグメント合成法などを挙げることができる。
合成オリゴヌクレオチド指定突然変異導入(gapped duplex)法は、例えば下記のように行うことができる。アンバー変異をもつM13ファージベクターに変異誘起を希望する領域をクローニングし、一本鎖ファージDNAを調製する。アンバー変異をもたないM13ベクターのRFIDNAを制限酵素処理により線状とし、上記の一本鎖ファージDNAと混合して変性後、アニールさせ、「gapped duplex DNA」を形成させる。これに変異を導入した合成オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、DNAポリメラーゼとDNAリガーゼの反応により閉環状2本鎖DNAとする。このDNAをミスマッチ修飾能が欠損している大腸菌mutS株にトランスフェクションし、増殖したファージをサプレッサー機能のない大腸菌に感染させ、アンバー変異を持たないファージだけを選択する。
また、亜硝酸による点突然変異を導入する方法は、例えば下記のような原理を利用する。DNAを亜硝酸処理すると塩基が脱アミノ化されて、アデニンはヒポキ サンチンに、シトシンはウラシルに、グアニンはキサンチンになる。脱アミノ化されたDNAを細胞に導入すると、DNA複製時にヒポキサンチンはシトシンと、ウラシルはアデニンとキサンチンはチミンと塩基対を形成するため、「A:T」が「G:C」へ、「G:C」が「A:T」へと置換する。実際には亜硝酸処理した一本鎖DNA断片を「gapped duplex DNA」にハイブリダイズさせ、以下、合成オリゴヌクレオチド指定突然変異導入(gapped duplex)法と同様に操作して変異株を分離すればよい。
また、本発明における「AILIM」には、該AILIMの「一部」も包含される。ここで「一部」とは、前記に定義したAILIMのアミノ酸配列中の任意の部分配列を含むポリペプチドを意味する。
好ましくは、前記に定義したAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)の細胞外領域若しくはその任意の一部を意味する。
また、本発明における「AILIMリガンド」についても、上記と同様の意味を以って定義される。
該AILIMの「一部」(好ましくはAILIMの細胞外領域若しくはその任意の一部)は、後述する当該技術的分野において知られる公知の方法あるいはその修飾方法に従って、遺伝子組換え技術または化学的合成法により製造することもできるし、また細胞培養方法により単離したAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)をタンパク分解酵素等を用いて適切に切断することにより製造することができる。
また、本発明における「AILIMリガンドの一部」も上記と同様の方法で製造することができる。
本発明の「ヒト抗体」とは、前記に定義したAILIMまたはその一部(特に好ましくはヒト由来のAILIM若しくはその一部)に結合するヒト抗体である。具体的には、ヒト由来のポリクローナル抗体(ヒトポリクローナル抗体、ヒト抗血清)またはヒト由来のモノクローナル抗体(ヒトモノクローナル抗体)を意味する。
本発明の「ヒトモノクローナル抗体」とは、前記に定義したAILIMまたはその一部(特に好ましくはヒト由来のAILIM若しくはその一部)に結合するヒトモノクローナル抗体である。
さらに詳細には、イムノグロブリンを構成する重鎖(H鎖)の可変領域(Variable region)及びH鎖の定常領域(Constant Region)並びに軽鎖(L鎖)の可変領域及びL鎖の定常領域を含む全ての領域がヒトイムノグロブリンをコードする遺伝子に由来するヒトイムノグロブリンである。L鎖としては、ヒトκ鎖またはヒトλ鎖が挙げられる。
本発明のAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)またはその一部に結合するヒトモノクローナル抗体は、前記のとおりの本発明の(5)乃至(42)または(84)のいずれかに記載される特徴を有するヒトモノクローナル抗体である。
さらに具体的には、後述の実施例並びに図面に記載されるような様々な特性及び産業上の有用性を有する各種のヒトモノクローナル抗体である。
本発明のヒトモノクローナル抗体における好ましい態様としては、前記本発明の(5)乃至(42)若しくは(84)のいずれかに記載のAILIM若しくはその一部に結合するヒトモノクローナル抗体である。
特に好ましい態様としては、前記本発明の(30)または(39)に記載のヒトAILIMに結合するヒトモノクローナル抗体である。
本発明の「ヒトモノクローナル抗体」は、下記のいずれかの免疫原(抗原)を以下に述べるヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫することにより作製することができる。
(イ) 前記に定義したAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)を細胞表面に発現する天然の細胞または人工的に樹立した細胞株;
(ロ) 前記に定義したAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)を細胞表面に発現するように遺伝子組換え技術を用いて作製された遺伝子組換え細胞;
(ハ) 前記(イ)または(ロ)の細胞を可溶化して得た細胞可溶化物(cell lysate)、または該cell lysateから精製したAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)のポリペプチド断片;
(ニ) 前記に定義したAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)の一部(特に好ましくは、その細胞外領域若しくはその任意のペプチド)を可溶性ポリペプチドとして発現するように遺伝子組換え技術を用いて作製された遺伝子組換え細胞;
(ホ) 前記(ニ)の遺伝子組換え細胞を培養して得た培養上清若しくは該培養上清から精製されたAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)の細胞外領域ポリペプチド(可溶性AILIM);または
(ヘ) 化学的に合成されたAILIM(特に好ましくはヒト由来のAILIM)の一部(特に好ましくは、その細胞外領域若しくはその任意のペプチド)。
さらには、本発明のヒトモノクローナル抗体は、遺伝子組換え技術を用いて、そのような本発明のヒトモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖の各々をコードするcDNA(好ましくは該cDNAを含むベクター)により宿主を形質転換して得られる遺伝子組換え宿主であって、遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する本発明の「遺伝子組換え宿主」(ここで、該宿主は、受精卵以外の真核細胞(好ましくはCHO、リンパ球やミエローマなどの哺乳動物細胞)である。)を培養することにより培養上清中から得ることもできる。
具体的には、前述した本発明の(60)乃至(62)または(64)乃至(80)のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主(ここで、該宿主は、受精卵以外の真核細胞(好ましくはCHO、リンパ球やミエローマなどの哺乳動物細胞)である。)を培養することにより得ることができる。
また、本発明ヒトモノクローナル抗体は、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA(IgA1、IgA2)、IgDまたはIgEのいずれのアイソタイプを有するヒトモノクローナル抗体であってもよい。好ましくは、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)であり、好ましくはIgG1、IgG2またはIgG4である。
本発明のヒトモノクローナル抗体は、後述するヒト抗体産生トランスジェニックマウスのようなヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物に前述の(イ)乃至(ヘ)のいずれかの免疫原(抗原)を免疫し、モノクローナル抗体の既存の一般的な製造方法に従って製造することができる。
即ち、例えば、該抗原を、必要に応じてフロイントアジュバント(Freund's Adjuvant)とともに、該ヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫する。ポリクローナル抗体は、該免疫感作動物から得た血清から取得することができる。またモノクローナル抗体は、該免疫感作動物から得た該抗体産生細胞と自己抗体産生能のない骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)から融合細胞(ハイブリドーマ)を調製し、該ハイブリドーマをクローン化し、哺乳動物の免疫に用いた抗原に対して特異的親和性を示すモノクローナル抗体を産生するクローンを選択することによって製造される。
さらに具体的には下記のようにして製造することができる。即ち、前述の(イ)乃至(ハ)のいずれかの免疫原を、必要に応じてフロイントアジュバント(Freund's Adjuvant)とともに、該ヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物(特に好ましくは後述の「ヒト抗体産生トランスジェニックマウス」)の皮下内、筋肉内、静脈内、フッドパッド内あるいは腹腔内に1乃至数回注射するかあるいは移植することにより免疫感作を施す。通常、初回免疫から約1乃至14日毎に1乃至4回免疫を行って、最終免疫より約1乃至5日後に免疫感作された該哺乳動物から抗体産生細胞が取得される。免疫を施す回数及び時間的インターバルは、使用する免疫原の性質などにより、適宜変更することができる。
ヒトモノクローナル抗体を分泌する融合細胞(ハイブリドーマ)の調製は、ケーラー及びミルシュタインらの方法(Nature, Vol.256, p.495-497, 1975)及びそれに準じる修飾方法に従って行うことができる。即ち、前述の如く免疫感作されたヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物から取得される脾臓、リンパ節、骨髄あるいは扁桃等、好ましくは脾臓に含まれる抗体産生細胞と、好ましくはマウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギまたはヒト等の哺乳動物、より好ましくはマウス、ラットまたはヒト由来の自己抗体産生能のないミエローマ細胞との細胞融合させることにより調製される。
細胞融合に用いられるミエローマ細胞としては、例えばマウス由来ミエローマP3/X63-AG8.653(ATCC No. CRL-1580)、P3/NSI/1-Ag4-1(NS-1)、P3/X63-Ag8.U1(P3U1)、SP2/0-Ag14(Sp2/O,Sp2)、NS0、PAI、F0あるいはBW5147、ラット由来ミエローマ210RCY3-Ag.2.3.、ヒト由来ミエローマU-266AR1、GM1500-6TG-A1-2、UC729-6、CEM-AGR、D1R11あるいはCEM-T15を使用することができる。
モノクローナル抗体を産生する細胞(例えば、ハイブリドーマ)のスクリーニングは、該細胞を、例えばマイクロタイタープレート中で培養し、増殖の見られたウェルの培養上清の前述の免疫感作で用いた免疫抗原に対する反応性を、例えばRIA(radio immunoassay)やELISA(enzyme-linked immuno-solvent assay)等の酵素免疫測定法によって測定することにより行なうことができる。
ハイブリドーマからのモノクローナル抗体の製造は、ハイブリドーマをインビトロ、またはマウス、ラット、モルモット、ハムスターまたはウサギ等、好ましくはマウスまたはラット、より好ましくはマウスの腹水中等でのインビボで行い、得られた培養上清、または哺乳動物の腹水から単離することにより行うことができる。
また、本発明のモノクローナル抗体は、下記のような方法により大量に製造することができる。
(1)該ハイブリドーマから該モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖の各々をコードする遺伝子(cDNAなど)クローニングする。
(2)クローニングされた重鎖及び軽鎖の各々をコードする遺伝子を、各々別々または単一のベクターに挿入することにより発現ベクターを調製する。
(3)該ベクターを所望の非ヒト哺乳動物(ヤギなど)の受精卵に導入する。
(4)遺伝子導入した受精卵を仮親(Foster mother)の子宮に移植し、キメラ非ヒト動物を得る。
(5)該キメラヤギを別の非ヒト哺乳動物とさらに交配することにより該重鎖及び軽鎖の各々をコードする遺伝子が内在性遺伝子に組み込まれたトランスジェニックな非ヒト哺乳動物(ウシ、ヤギ、ヒツジまたはブタなど)を作製する。
(6)該トランスジェニック非ヒト哺乳動物のミルク中から当該ヒトモノクローナル抗体遺伝子に由来するモノクローナル抗体を大量に取得する(日系サイエンス、1997年4月号、第78頁乃至84頁)。
この方法により作製されるヒトモノクローナル抗体も本願発明に包含される。
該モノクローナル抗体産生細胞をインビトロで培養する場合には、培養する細胞種の特性、試験研究の目的及び培養方法等の種々条件に合わせて、ハイブリドーマを増殖、維持及び保存させ、培養上清中にモノクローナル抗体を産生させるために用いられるような既知栄養培地あるいは既知の基本培地から誘導調製されるあらゆる栄養培地を用いて実施することが可能である。
基本培地としては、例えば、Ham'F12培地、MCDB153培地あるいは低カルシウムMEM培地等の低カルシウム培地及びMCDB104培地、MEM培地、D-MEM培地、RPMI1640培地、ASF104培地あるいはRD培地等の高カルシウム培地等が挙げられ、該基本培地は、目的に応じて、例えば血清、ホルモン、サイトカイン及び/または種々無機あるいは有機物質等を含有することができる。
モノクローナル抗体の単離、精製は、上述の培養上清あるいは腹水を、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カプロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブリンカラムあるいはプロテインAカラム等のアフィニティカラムクロマトグラフィーに供すること等により行うことができる。
本発明のヒトモノクローナル抗体には、該抗体を構成する重鎖及び/または軽鎖の各々のアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する重鎖及び/または軽鎖からなるヒトモノクローナル抗体も包含される。
ここで、「数個のアミノ酸」とは、複数個のアミノ酸を意味し、具体的には1乃至10個のアミノ酸であり、好ましくは1乃至5個のアミノ酸である。
本発明のヒトモノクローナル抗体のアミノ酸配列中に、前記のようなアミノ酸の部分的改変(欠失、置換、挿入、付加)は、該アミノ酸配列をコードする塩基配列を部分的に改変することにより導入することができる。この塩基配列の部分的改変は、既知の部位特異的変異導入法(Site specific mutagenesis )を用いて常法により導入することができる(Proc. Natl. Acsd. Sci. USA, Vol.81, p.5662-5666, 1984)。
本発明における「トランスジェニックヒト抗体産生非ヒト哺乳動物」、特に好ましい態様であるヒト抗体産生トランスジェニックマウスは、既報に従って作製することができる(Nature Genetics, Vol.7, p.13-21, 1994;Nature Genetics, Vol.15, p.146-156, 1997;特表平4-504365号公報;特表平7-509137号公報;日経サイエンス、6月号、第40〜第50頁、1995年;国際出願公開WO94/25585号公報;Nature, Vol.368, p.856-859, 1994;及び特表平6−500233号公報など)。
該ヒト抗体産生トランスジェニックマウスは、具体的には、例えば下記の工程からなる手法を用いることにより作製できる。他のヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物も同様にして製造することができる。
(1)マウス内在性イムノグロブリン重鎖遺伝子座の少なくとも一部を相同組換えにより薬剤耐性マーカー遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子など)で置換することにより該マウス内在性イムノグロブリン重鎖遺伝子が機能的に不活性化されたノックアウトマウスを作製する工程。
(2)マウス内在性イムノグロブリン軽鎖遺伝子座の少なくとも一部を相同組換えにより薬剤耐性マーカー遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子など)で置換することにより該マウス内在性イムノグロブリン軽鎖遺伝子(特にκ鎖遺伝子)が機能的に不活性化されたノックアウトマウスを作製する工程。
(3)酵母人工染色体(Yeast artificial chromosome, YAC)ベクター等に代表されるような巨大遺伝子を運搬可能なベクターを用いて、ヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座の所望の領域がマウス染色体中に組み込まれたトランスジェニックマウスを作製する工程。
(4)YAC等に代表されるような巨大遺伝子を運搬可能なベクターを用いて、ヒト免疫グロブリン軽鎖(特にκ鎖)遺伝子座の所望の領域がマウス染色体中に組み込まれたトランスジェニックマウスを作製する工程。
(5)前記(1)乃至(4)のノックアウトマウス及びトランスジェニックマウスを任意の順序で交配することにより、マウス内在性免疫グロブリン重鎖遺伝子座及びマウス内在性免疫グロブリン軽鎖遺伝子座がともに機能的に不活性化され、且つヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座の所望の領域及ヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座の所望の領域がともにマウス染色体上に組み込まれたトランスジェニックマウスを作製する工程。
前記ノックアウトマウスは、マウス内在性イムノグロブリン遺伝子座の適当な領域を外来性マーカー遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子など)で相同組換えにより置換することにより該遺伝子座が再構成(リアレンジメント)できないように不活性化することにより作製できる。該相同組換えを用いた不活性化には、例えば、ポジティブ・ネガティブ・セレクション(Positive Negative Selection; PNS)と呼称される方法を用いることができる(日経サイエンス, 5月号, p.52-62, 1994)。
イムノグロブリン重鎖遺伝子座の機能的不活性化には、例えば、J領域またはC領域(例えばCμ領域)の一部に障害を導入することにより達成できる。またイムノグロブリン軽鎖(例えばκ鎖)に機能的不活性化は、例えば、J領域若しくはC領域の一部、またはJ領域及びC領域にまたがる領域を含む領域に障害を導入することにより達成可能である。
トランスジェニックマウスは、トランスジェニック動物の製造において通常使用されるような常法(例えば、最新動物細胞実験マニュアル、エル・アイ・シー発行、第7章、第361〜第408頁、1990年を参照)に従って作製することが可能である。具体的には、例えば、正常マウス胚盤胞(blastcyst)に由来するHPRT陰性(ヒポキサンチングアニン・フォスフォリボシルトランスフェラーゼ遺伝子を欠いている)ES細胞(embryonic stem cell)を、該ヒトイムノグロブリン重鎖遺伝子座または軽鎖遺伝子座をコードする遺伝子またはその一部並びにHPRT遺伝子が挿入されたYACベクターを含む酵母とスフェロプラスト融合法により融合する。該外来性遺伝子がマウス内在性遺伝子上にインテグレートされたES細胞をHATセレクション法により選別する。次いで、選別したES細胞を、別の正常マウスから取得した受精卵(胚盤胞)にマイクロインジェクションする(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.77, No.12, pp.7380-7384, 1980;米国特許第4,873,191号公報)。該胚盤胞を仮親としての別の正常マウスの子宮に移植する。そうして該仮親マウスから、キメラトランスジェニックマウスが生まれる。該キメラトランスジェニックマウスを正常マウスと交配させることによりヘテロトランスジェニックマウスを得る。該ヘテロ(heterogeneic)トランスジェニックマウス同士を交配することにより、メンデルの法則に従って、ホモ(homogeneic)トランスジェニックマウスが得られる。
本発明における「モノクローナル抗体の一部」とは、前述の本発明のヒトモノクローナル抗体の一部分の領域を意味し、具体的にはF(ab')2、Fab'、Fab、Fv(variable fragment of antibody)、sFv、dsFv(disulphide stabilised Fv)あるいはdAb(single domain antibody)等が挙げられる(エキスパート・オピニオン・オン・テラピューティック・パテンツ(Exp. Opin. Ther. Patents),第6巻,第5号,第441〜456頁,1996年)。
ここで、「F(ab')2」及び「Fab'」とは、イムノグロブリン(モノクローナル抗体)を、蛋白分解酵素であるペプシンあるいはパパイン等で処理することにより製造され、ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の前後で消化されて生成される抗体フラグメントを意味する。例えば、IgGをパパインで処理すると、ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の上流で切断されてVL(L鎖可変領域)とCL(L鎖定常領域)からなるL鎖、及びVH(H鎖可変領域)とCHγ1(H鎖定常領域中のγ1領域)とからなるH鎖フラグメントがC末端領域でジスルフィド結合により結合した相同な2つの抗体フラグメントを製造することができる。これら2つの相同な抗体フラグメントを各々Fab'という。またIgGをペプシンで処理すると、ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の下流で切断されて前記2つのFab'がヒンジ領域でつながったものよりやや大きい抗体フラグメントを製造することができる。この抗体フラグメントをF(ab')2という。
本発明における「結合速度定数(ka)」とは、抗原抗体反応速度論に基づき算出される該モノクローナル抗体の標的抗原への結合の強さ(程度)を示す値を意味する。「解離速度定数(kd)」とは、抗原抗体反応速度論に基づき算出される該モノクローナル抗体の標的抗原からの解離の強さ(程度)を示す値を意味する。「解離定数(Kd)」とは、該「解離速度定数(kd)」値を該「結合速度定数(ka)」値で除して求められる値である。これらの定数は、該モノクローナル抗体の抗原に対する親和性及び抗原の中和活性を表す指標として用いられる。
当該定数は、種々の方法に従って解析することができるが、市販の測定キットであるBiacoreX(アマシャムファルマシア社製)または類似のキットを用い、 当該キットに添付の取扱い説明書及び実験操作方法に従って容易に解析することができる。当該キットを用いて求められるka値、kd値及びKd値は各々、1/M.Sec、1/Sec及びM(モル)なる単位を以て表される。試験されたモノクローナル抗体は、ka値が大きいほど強い抗原結合活性を有していることを示し、Kd値が小さいほど強い中和活性を有していることを示す。
本発明のヒトモノクローナル抗体には、下記(1)乃至(3)に示されるようなka値、kd値またはKd値を有するヒトモノクローナル抗体が含まれる。
(1)ヒトAILIMとの結合速度定数(ka)が、1.0×104(1/M.Sec)以上の数値、好ましくは1.0×105(1/M.Sec)以上の数値であるヒトAILIMまたは一部に結合するヒトモノクローナル抗体。
(2)ヒトAILIMとの解離速度定数(kd)が、1.0×10-4(1/Sec)以下、好ましくは1.0×10-5(1/Sec)以下の数値であるヒトAILIMまたはその一部に結合するヒトモノクローナル抗体。
(3)ヒトAILIMとの解離定数(Kd)が、1.0×10-7(1/Sec)以下、好ましくは1.0×10-8(M)以下、より好ましくは1.0×10-9(M)以下の数値であるヒトAILIMまたはその一部に反応性を有するヒトモノクローナル抗体。
なお、上述のka、kd及びKdの各々の値は、測定時の諸条件に依存して多少の変動は誤差範囲として起こり得ることが予測されるが、指数についてはほとんど変動しないのが一般的である。
本発明の「モノクローナル抗体を産生する細胞」あるいは遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する本発明の「遺伝子組換え宿主」(ここで、該宿主は、受精卵以外の細胞である。)とは、前述した本発明のヒトモノクローナル抗体を産生する任意の細胞を意味する。
具体的には、例えば、下記(1)乃至(3)のいずれかに記載される細胞を挙げることができるがこの限りではない。
(1)前記で定義した免疫原(抗原)を前述のヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫することにより得られ、該被免疫動物から採取され得るヒトモノクローナル抗体産生B細胞。
(2)そのようにして得られたヒトモノクローナル抗体産生B細胞を哺乳動物由来のミエローマ細胞と細胞融合して得られる前述の融合細胞(ハイブリドーマ)。
(3)該ヒトモノクローナル抗体産生B細胞またはヒトモノクローナル抗体産生融合細胞(ハイブリドーマ)から単離される該ヒトモノクローナル抗体をコードする遺伝子(重鎖をコードする遺伝子若しくは軽鎖をコードする遺伝子のいずれか一方、または両方の遺伝子)で、該B細胞及びハイブリドーマ以外の細胞(例えば、CHO(Chinese hamster ovarian)細胞、BHK(Baby hamster kydney)細胞、ミエローマなどのリンパ球など)を形質転換して得られる遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する遺伝子組換え細胞。
ここで、前記(3)に記載の遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する遺伝子組換え細胞は、即ち、前記(1)のB細胞または(2)のハイブリドーマが産生するヒトモノクローナル抗体の遺伝子組換え体を産生する遺伝子組換え細胞を意味する。
また、本発明の「遺伝子組換え宿主」における「宿主」には、上記のような種々の哺乳動物由来の細胞だけでなく、任意の非ヒト哺乳動物(ヤギ、ブタ、ヒツジ、ウシなど)の受精卵も包含される。この受精卵に、本発明のヒトAILIMに対する任意のモノクローナル抗体(好ましくは、ヒトモノクローナル抗体)をコードする遺伝子(重鎖をコードする遺伝子若しくは軽鎖をコードする遺伝子のいずれか一方、または両方の遺伝子)を発現ベクター等を用いて導入することにより本発明の遺伝子組換え受精卵が得られる。この遺伝子組換え受精卵は、上述した所望の蛋白質をミルクから大量調製するためにトランスジェニック動物の製造に用いられる(日系サイエンス、1997年4月号、第78頁乃至84頁)。
本発明を構成する「物質」、具体的には「AILIMを介するシグナル伝達を制御する活性を有する物質」、さらに具体的には「AILIM発現細胞の増殖を抑制するか、またはAILIM発現細胞によるサイトカインの産生を抑制する活性を有する物質」には、自然界に存在する天然の物質あるいは人工的に調製される任意の物質を意味する。
また、本発明における「AILIMに結合する物質」及び「AILIMリガンドに結合する物質」に係る「物質」も、自然界に存在する天然の物質あるいは人工的に調製される任意の物質を意味する。
ここで、「AILIMを介するシグナル伝達」とは、AILIMを発現する細胞に任意の表現型の変化(細胞増殖、細胞の活性化、細胞の不活性化、細胞死、及び/またはAILIM発現細胞からの任意のサイトカインの産生能の変化)をもたらすようなAILIMを通じたシグナル伝達を意味する。
該「物質」は、「蛋白性物質」と「非蛋白性物質」に大別することができる。
該「蛋白性物質」としては、後述するポリペプチド、抗体(ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の一部。特に好ましくは前述のヒト抗体)が挙げられる。
該物質が抗体である場合には、好ましくはモノクローナル抗体である。該物質がモノクローナル抗体である場合には、非ヒト哺乳動物由来のモノクローナル抗体だけでなく、組換えキメラモノクローナル抗体、組換えヒト型モノクローナル抗体及び上述のヒトモノクローナル抗体が包含される。
ここで「組換えキメラモノクローナル抗体」とは、遺伝子工学的に作製されるモノクローナル抗体であって、具体的には、その可変領域が、非ヒト哺乳動物(マウス、ラット、ハムスターなど)のイムノグロブリン由来の可変領域であり、かつその定常領域がヒトイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴とするマウス/ヒトキメラモノクローナル抗体等のキメラモノクローナル抗体を意味する。
また、「ヒト型モノクローナル抗体(CDR-grafted抗体)」とは、遺伝子工学的に作製されるモノクローナル抗体であって、具体的には、その超可変領域の相補性決定領域の一部または全部が非ヒト哺乳動物(マウス、ラット、ハムスターなど)のモノクローナル抗体に由来する超可変領域の相補性決定領域であり、その可変領域の枠組領域がヒトイムノグロブリン由来の可変領域の枠組領域であり、かつその定常領域がヒトイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴とするヒト型モノクローナル抗体を意味する。
ここで、超可変領域の相補性決定領域とは、抗体の可変領域中の超可変領域に存在し、抗原と相補的に直接結合する部位である3つの領域(Complementarity-determining residue;CDR1、CDR2、CDR3)を指し、また可変領域 の枠組領域とは、該3つ相補性決定領域の前後に介在する比較的保存された4つの領域(Framework region;FR1、FR2、FR3、FR4)を指す。
換言すれば、非ヒト哺乳動物由来のモノクローナル抗体の超可変領域の相補性決定領域の一部または全部以外の全ての領域が、ヒトイムノグロブリンの対応領域と置き代わったモノクローナル抗体を意味する。
ヒトイムノグロブリン由来の定常領域は、IgG(IgG1, IgG2, IgG3, IgG4)、IgM、IgA、IgD及びIgE等のアイソタイプにより各々固有のアミノ酸配列を有するが、本発明においては、該ヒト型モノクローナル抗体の定常領域はいずれのアイソタイプに属するヒトイムノグログリンの定常領域であってもよい。好ましくは、ヒトIgGの定常領域である。また、ヒトイムノグロブリン由来の可変領域の枠組領域についても限定されるものではない。
本発明の「物質」が、ポリペプチドである場合には、後述するポリペプチド、該ポリペプチドの断片(オリゴペプチド)、融合ポリペプチド、及びそれらいずれかの化学修飾体が包含される。オリゴペプチドとしては、5乃至30個のアミノ酸、好ましくは5乃至20個のアミノ酸からなるペプチドを挙げることができる。該化学修飾は、生体に投与された場合の血中半減期の増大あるいは経口投与時における消化管での分解に対する耐性若しくは吸収性の増大の目的等の種々の目的に応じて設計することができる。
該ポリペプチドの具体例としては、後述する下記が挙げられる。
(1)AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチド;
(2)AILIMの細胞外領域の全部またはは一部と免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチド;または、
(3)AILIMに結合するポリペプチド。
該「非蛋白性物質」としては、DNA、RNA及び化学的に合成された化合物が挙げられる。
ここで、「DNA」とは、前述のAILIM(好ましくはヒトAILIM)をコードするDNA(cDNA及びゲノミックDNAを含む)の塩基配列を基に設計されるアンチセンスDNA医薬として有用な「該DNAの部分塩基配列を含むDNAあるいはそれらを化学修飾した化学修飾DNA」を意味する。即ち、該アンチセンスDNAは、AILIMをコードするDNAまたはRNAにハイブリダイズすることにより、該AILIMをコードするDNAのmRNAへの転写あるいは該mRNAの蛋白への翻訳を阻害することができる。
ここで、「部分塩基配列」とは、任意の部位における任意の数の塩基からなる部分塩基配列を意味する。該部分塩基配列としては、連続した5乃至100塩基の部分塩基配列が挙げられ、好ましくは、連続した5乃至70塩基の部分塩基配列、さらに好ましくは連続した5乃至50塩基の部分塩基配列、より好ましくは連続した5乃至30塩基の部分塩基配列が挙げられる。
また、該DNAをアンチセンス医薬として用いる場合には、該DNAが患者の体内に投与された場合の血中半減期の増大(安定性)、細胞内膜の透過性の増大、あるいは経口投与の場合の消化器官での分解耐性の増大若しくは吸収の増大などの目的のために、該DNAの塩基配列の一部に化学修飾を施すことが可能である。化学修飾としては、例えば、オリゴヌクレオチドの構造中のリン酸結合、リボース、核酸塩基、糖部位、3’及び/または5’末端等の化学修飾が挙げられる。
リン酸結合の修飾としては、1以上の該結合を、ホスホジエステル結合(D-オリゴ)、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合(S-オリゴ)、メチルホスホネート結合(MP-オリゴ)、ホスホロアミデート結合、非リン酸結合及びメチルホスホノチオエート結合のいずれかまたはそれらの組み合わせへの変更を挙げることができる。リボースの修飾としては、2'-フルオロリボースあるいは2'-O-メチルリボースへなどへの変更を挙げることができる。核酸塩基の修飾としては、5-プロピニルウラシルまたは2-アミノアデニンなどへの変更が挙げられる。
ここで、「RNA」とは、前述のAILIM(好ましくはヒトAILIM)をコードするRNAの塩基配列を基に設計されるアンチセンスRNA医薬として有用な「該RNAの部分塩基配列を含むRNAあるいはそれらを化学修飾した化学修飾RNA」を意味する。該アンチセンスRNAは、AILIMをコードするDNAにハイブリダイズすることにより、該AILIMをコードするDNAまたはRNAにハイブリダイズすることにより、該AILIMをコードするDNAのmRNAへの転写あるいは該mRNAの蛋白への翻訳を阻害することができる。
ここで、「部分塩基配列」とは、任意の部位における任意の数の塩基からなる部分塩基配列を意味する。該部分塩基配列としては、連続した5乃至100塩基の部分塩基配列が挙げられ、好ましくは、連続した5乃至70塩基の部分塩基配列、さらに好ましくは連続した5乃至50塩基の部分塩基配列、より好ましくは連続した5乃至30塩基の部分塩基配列が挙げられる。
該アンチセンスRNAは、該RNAが患者の体内に投与された場合の血中半減期の増大、細胞内膜の透過性の増大、あるいは経口投与の場合の消化器官での分解耐性の増大若しくは吸収の増大などの目的のために、該RNAの塩基配列の一部に化学修飾を施すことが可能である。化学修飾としては、例えば、前述のアンチセンスDNAに適用されるような化学修飾を挙げることができる。
「化学的に合成された化合物」とは、上述のDNA、RNA及び蛋白性物質を除く任意の化合物であって、分子量約100乃至約1000以下の化合物、好ましくは分子量約100乃至約800の化合物であり、より好ましくは分子量約100乃至約600の化合物を挙げることができる。
前記「物質」の定義に包含される「ポリペプチド」とは、AILIM(好ましくはヒトのAILIM)を構成するポリペプチド鎖の一部(断片)を意味し、好ましくはAILIMを構成するポリペプチドの細胞外領域の全部またはその一部を意味する(該領域は所望応じそのN末端及び/またはC末端に1乃至5のアミノ酸が付加されていてもよい。)。
本発明で係るAILIMは、1または2のポリペプチド鎖により構成される細胞膜を貫通する細胞膜貫通分子である。
ここで「細胞膜貫通蛋白」とは、多くの受容体あるいは細胞膜表面分子に見られるように、膜の脂質二重層を1回または数回貫通する疎水性ペプチド領域により膜と連結し、全体として細胞外領域(extracellular region)、膜貫通領域(transmembrane region)及び細胞質領域(cytoplasmic region)の3つの主領域から構成される構造をとる蛋白を指す。さらにそのような膜貫通性蛋白は、モノマ−(monomer)として、または、同一のアミノ酸配列を有するもう1本の鎖あるいは異なるアミノ酸配列を有する鎖とともにそれぞれホモダイマ−(homodimer) 、ヘテロダイマ−(heterodimer)あるいはオリゴマ−(origomer)を形成して存在することにより、各々の受容体や細胞表面分子を構成する。
ここで「細胞外領域」とは、前述のような細胞膜膜貫通蛋白の全体構造のうち、該膜蛋白が連結している膜の外界側に存在する部分構造(部分領域)の全部または一部を意味し、換言すれば、膜内に取り込まれている領域(膜貫通領域)及び該膜内の領域に引き続いて細胞質内に存在する領域(細胞内領域)以外の領域の全部または一部を意味する。
前述の「蛋白性物質」に包含される「融合ポリペプチド」とは、AILIM(好ましくはヒトのAILIM)を構成するポリペプチドの細胞外領域の全部または一部と「免疫グロブリン(Ig、好ましくはヒトのIg)の重鎖の定常領域の全部または一部」とからなる融合ポリペプチドである。好ましくはAILIMの細胞外領域とヒトIgGの重鎖の定常領域の一部との融合ポリペプチドであり、特に好ましくはAILIMの細胞外領域とヒトIgGの重鎖のヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメインからなる領域(Fc)との融合ポリペプチドである。なお、IgGとしては、IgG1が好ましい。また、AILIMとしては、ヒト、マウスまたはラット(好ましくはヒト)のAILIMが好ましい。
ここで「免疫グロブリン(Ig)の重鎖の定常領域の全部または一部」とは、好ましくはヒト由来の免疫グロブリンの重鎖(Heavy Chain,H鎖)の定常領域(Constant region)、Fc領域またはそれらの一部を意味する。該免疫グロブリンは、どのようなクラス及びサブクラスに属する免疫グロブリンであってもよく、具体的には、IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4)、IgM、IgA(IgA1及びIgA2)、IgD及びIgEを挙げることができる。好ましくは、IgG(IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、またはIgMである。本発明における特に好ましい例としては、ヒト由来のIgG(IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)に属する免疫グロブリンである。
免疫グロブリンは、2つの相同な軽鎖(Light Chain,L鎖)と2つの相同な重鎖(Heavy Chain,H鎖)の4つの鎖が、ジスルフィド結合(S−S結合)で結合したY字形の構造単位を有する。軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(CL)から構成される。重鎖は、重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域(CH)から構成される。
重鎖定常領域は、クラス(IgG、IgM、IgA、IgD及びIgE)並びにサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)毎に各々固有のアミノ酸配列を有するいくつかのドメインから構成される。
IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4)の重鎖は、N末端から順に、VH、CH1ドメイン、ヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメインから構成される。
同様にIgG1の重鎖は、N末端から順に、VH、Cγ1ドメイン、ヒンジ領域、Cγ2ドメイン及びCγ3ドメインから構成される。IgG2の重鎖は、N末端から順に、VH、Cγ1ドメイン、ヒンジ領域、Cγ2ドメイン及びCγ3ドメインから構成される。IgG3の重鎖は、N末端から順に、VH、Cγ1ドメイン、ヒンジ領域、Cγ2ドメイン及びCγ3ドメインから構成され る。IgG4の重鎖は、N末端から順に、VH、Cγ1ドメイン、ヒンジ領域、Cγ2ドメイン及びCγ3ドメインから構成される。
IgAの重鎖は、N末端から順に、VH、Cα1ドメイン、ヒンジ領域、Cα2ドメイン及びCα3ドメインから構成される。
同様にIgA1の重鎖は、N末端から順に、VH、Cα11ドメイン、ヒンジ領域、Cα2ドメイン及びCα3ドメインから構成される。IgA2の重鎖は、N末端から順に、VH、Cα1ドメイン、ヒンジ領域、Cα2ドメイン及びCα3ドメインから構成される。
IgDの重鎖は、N末端から順に、VH、Cδ1ドメイン、ヒンジ領域、Cδ2ドメイン及びCδ3ドメインから構成される。
IgMの重鎖は、N末端から順に、VH、Cμ1ドメイン、Cμ2ドメイン、 Cμ3ドメイン及びCμ4ドメインから構成され、IgG、IgA及びIgDに見られるようなヒンジ領域を有しない。
IgEの重鎖は、N末端から順に、VH、Cε1ドメイン、Cε2ドメイン、Cε3ドメイン及びCε4ドメインから構成され、IgG、IgA及びIgDに見られるようなヒンジ領域を有しない。
さらに、IgGを例に挙げるならば、IgGをパパインで処理すると、2つの重鎖を連結させているヒンジ領域中に存在するジスルフィド結合のややN末端側で切断されて、VH及びCH1からなる重鎖断片と1つの軽鎖がジスルフィド結合で連結した2つの相同なFab、並びにヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメインからなる2つの相同な重鎖断片がジスルフィド結合で連結した1つのFcを生ずる(以上、「免疫学イラストレイテッド」、原書第2版、第65〜75頁、1992年、南江堂発行、及び「最新医科学の焦点「免疫系の認識機構」」、第4〜7頁、1991年、南江堂発行など参照)。
即ち、上述の「免疫グロブリンの重鎖の定常領域の一部」とは、上述のような構造的特徴を有する免疫グロブリンの重鎖の定常領域一部を意味し、好ましくは、C1ドメインを欠く定常領域またはFc領域である。具体的には、IgG、IgAまたはIgDの場合には、各々のヒンジ領域、C2ドメイン及びC3ドメインからなる領域が挙げられ、IgMまたはIgEの場合には、各々のC2ドメイン、C3ドメイン及びC4ドメインからなる領域が挙げられる。とりわけ好ましい例としては、ヒト由来のIgG1のFc領域を挙げることができる。
上述の融合ポリペプチドは、前述のようなIgG等の免疫グロリンの定常領域の一部(例えば、Fc)を融合パートナーとして有することから、該免疫グロブリン断片に特異的に結合するというプロテインAの性質を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いることにより該融合ポリペプチドを極めて容易に精製することが可能であるという点で利点を有する。さらに、種々の免疫グロブリンのFcに対する種々の抗体が提供されていることから、該Fcに対する抗体を用いて、該融合ポリペプチドのイムノアッセイを簡便に行うことができる。
前記「物質」の定義に包含される「ポリペプチド」には、また「AILIMに結合するポリペプチド」が包含される。
「AILIMに結合するポリペプチド」としては、前記で定義した「AILIMリガンド」であるB7h、B7RP-1、GL50あるいはLICOSと称される分子(Nature, Vol.402, No.6763, p.827-832, 1999; Nature Medicine, Vol.5, No.12, p.1365-1369, 1999;J. Immunology, Vol.164, p.1653-1657, 2000; Curr. Biol., Vol.10, No.6, p.333-336, 2000)を構成するポリペプチドの全部または一部を含むポリペプチドが挙げられる。
好ましくは、上記リガンド(B7h、B7RP-1、GL50、LICOS)の細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチド、または該ポリペプチドと免疫グロブリン(好ましくはヒト免疫グロブリン)の重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチドである。ここで、「細胞外領域」及び「免疫グロブリンの重鎖の定常領域」なる用語については、上述と同様の意味を有する。
上述したポリペプチド、該ポリペプチドの一部(断片)及び融合ポリペプチドは、後述するような遺伝子組換え技術のほか、化学的合成法、細胞培養方法等のような当該技術的分野において知られる公知の方法あるいはその修飾方法を適宜用いることにより製造することができる。
本発明における「抗体」とは、前記で定義した哺乳動物のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)に対するポリクローナル抗体(抗血清)あるいはモノクローナル抗体を意味し、好ましくはモノクローナル抗体である。
具体的には、AILIMに結合しAILIM発現細胞の増殖を抑制するか、またはAILIMに結合しAILIM発現細胞によるインターフェロンγ若しくはインターロイキン4の産生を抑制する活性を有する抗体である。
本発明における「遅延型アレルギー」とは、細胞性免疫(特にはTh1タイプT細胞により仲介される)、即ち、抗原により感作されたT細胞(抗原を記憶したメモリーT細胞)により仲介されるアレルギーであり、抗原に感作された生体は同抗原と再接触した際に起こる当該メモリーT細胞による炎症を伴うアレルギー反応の発現に概ね24乃至48時間を要するような任意のアレルギーを意味する。
この遅延型アレルギーとしては、結核菌由来ツベルクリンアレルギーのような感染病原体抗原に対するアレルギー、微量の蛋白質などに対して一過性に出現するジョーンズ・モート型遅延型アレルギー、塩化ピクリルなどの薬物や漆などの植物毒に対する接触性アレルギー、あるいは同種移植片の移植で見られる移植拒絶に関与するアレルギーなどが挙げられる。
本発明における「医薬組成物」は、有効成分としての本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその一部に結合する抗体(好ましくはヒト抗体)またはモノクローナル抗体(好ましくはヒトモノクローナル抗体)若しくはその一部と「薬学的に許容され得る担体」とからなる医薬品として有用な組成物を意味する。
ここで「薬学的に許容され得る担体」とは、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等が挙げられる。
そのような担体の一つ以上を用いることにより、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、注射剤、液剤、カプセル剤、トロー剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤あるいはシロップ剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
これらの医薬組成物は、経口あるいは非経口的に投与することができる。非経口投与のためのその他の形態としては、一つまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、腸溶内投与のための坐剤およびペッサリーなどが含まれる。
投与量は、患者の年齢、性別、体重及び症状、治療効果、投与方法、処理時間、あるいは該医薬組成物に含有される活性成分(前記タンパクや抗体など)の種類などにより異なるが、通常成人一人当たり、一回につき10μgから1000mg(あるいは10μgから500mg)の範囲で投与することができる。しかしながら、投与量は種々の条件により変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また上記の範囲を越える投与量が必要な場合もある。
とりわけ注射剤の場合には、例えば生理食塩水あるいは市販の注射用蒸留水等の非毒性の薬学的に許容され得る担体中に0.1μg抗体/ml担体〜10mg抗体/ml担体の濃度となるように溶解または懸濁することにより製造することができる。
このようにして製造された注射剤は、処置を必要とするヒト患者に対し、1回の投与において1kg体重あたり、1μg〜100mgの割合で、好ましくは50μg〜50mgの割合で、1日あたり1回〜数回投与することができる。投与の形態としては、静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは腹腔内注射のような医療上適当な投与形態が例示できる。好ましくは静脈内注射である。
また、注射剤は、場合により、非水性の希釈剤(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調製することもできる。
そのような注射剤の無菌化は、バクテリア保留フィルターを通す濾過滅菌、殺菌剤の配合または照射により行うことができる。注射剤は、用時調製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物とし、使用前に無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することができる。
本発明のヒト抗体を含んでなる医薬組成物は、HAMA(human anti-mouse antibody)に起因する宿主の免疫拒絶反応を惹起することなく、AILIMを発現する細胞へのAILIMを介するコスティミュレイトリーシグナル(副刺激シグナル)の伝達が関与する種々の生体反応(例えば、AILIMを発現する細胞の細胞増殖、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生、及びAILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解(immune cytolysis)若しくは細胞死(apoptosis)など)を制御するための医薬品として、及び/または該AILIMを介するシグナル伝達が関与する種々の疾患の発症及び/または進行を抑制、阻止し、該疾患を治療または予防するための医薬品として有用である。
本発明における「免疫細胞溶解(immune cytolysis)」とは下記のような生物学的現象を意味する。
細胞の溶解現象(cytolysis)は、キラー細胞との結合によって生じる場合の他に、抗体(特に細胞溶解性抗体)を介しても起こる。この細胞溶解抗体とは、細胞障害抗体の中でも特に免疫細胞、組織細胞あるは精子などの細胞の溶解反応に働く抗体であり、該抗体が細胞表面抗原と結合した場合に補体成分(complement)の存在下にその細胞に障害を与えるかまたは細胞溶解を誘導する抗体である。
この免疫細胞溶解は、抗体が細胞の表面抗原と特異的に結合に加えて、補体成分の作用が加わることにより誘導される。表面抗原に結合した抗体により補体第1成分(C1)が活性化され、引き続いて起こる補体第2乃至第9成分(C2乃至C9)までの一連の補体反応の結果細胞障害部位が形成され、細胞の内容物が放出され細胞溶解に到る。
本発明における「抗体依存性細胞性障害(antibody-dependent cellular cytotoxicity)」とは、ADCCとも略称される生物現象であり、リンパ球、マクロファージあるいは多形核白血球のような効果細胞(effector cells)により引き起こされる標的細胞(target cell)の細胞障害作用において、該効果細胞と該標的細胞に加えて、その細胞障害が誘導されるために抗体を必要とする細胞障害作用である。
本発明における「混合リンパ球反応(mixed lymphocyte reaction)」とは、MLRと略称される生物現象である。また、混合白血球反応(mixed leukocyte reaction)とも呼ばれる。
同種動物(allogenic)からの異なる2つの個体の各々に由来する白血球またはリンパ球を混合して数日間培養を行うことにより、それらの細胞が芽球化し細胞内でのDNA合成(即ち細胞増殖)が促進される。この反応をMLR(allogenic MLR)と称する。
該DNAの合成(細胞増殖)の程度は、一方のリンパ球を放射線照射やマイトマイシンにより処理することにより停止させ、他方のリンパ球でのDNA合成の程度を測定することにより解析することができる。
該DNAの合成の程度は、トリチウムなどの放射性物質で標識したチミジンの細胞核内への取込み量を測定することにより解析できる。
本発明において用いられるAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)をコードするDNAは、常法に従って、該AILIMをコードするmRNAからcDNAをクローン化する方法、ゲノムDNAを単離してスプライシング処理する方法、該cDNA配列若しくはmRNA配列を鋳型としてPCRにより調製する方法、または化学合成する方法等により取得することができる。
また、本発明におけるAILIMリガンドをコードするDNAも上記と同様にして取得することができる。
本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)をコードするDNAは、そのようにして調製した該AILIMをコードする各々のDNAを含むDNAを適切な制限酵素による切断(消化)し、得られたDNA断片を、必要に応じてリンカーDNAあるいはタグ(Tag)と共に、適切なDNAポリメラーゼ等を用いて連結することにより調製することができる。AILIMリガンドをコードするDNAについても同様である。
該AILIM(特に好ましくはヒトAILIM。以下、目的蛋白という)をコードするcDNAをmRNAからクローン化する方法としては、以下の方法が例示される。
AILIMリガンドをコードするDNAについても同様である。
まず、目的蛋白を発現・産生する組織あるいは細胞から目的蛋白をコードするmRNAを調製する。mRNAの調製は、例えばグアニジンチオシアネート法(Biochemistry, Vol.18, p.5294, 1979)、熱フェノール法もしくはAGPC法等の公知の方法を用いて調製した全RNAをオリゴ(dT)セルロースやポリU−セファロース等によるアフィニティクロマトグラフィーにかけることによって行うことができる。
次いで得られたmRNAを鋳型として、例えば逆転写酵素を用いる等の公知の方法、例えばオカヤマらの方法(Mol. Cell. Biol., Vol.2, p.161, 1982及び同誌 Vol.3, p.280, 1983)やホフマン(Hoffman)らの方法(Gene, Vol.25, p.263, 1983)等によりcDNA鎖を合成し、cDNAの二本鎖cDNAへの変換を行う。このcDNAをプラスミドベクター、ファージベクターまたはコスミドベクターに組み込み、大腸菌を形質転換して、あるいはインビトロパッケージング後、大腸菌に形質移入(トランスフェクト)することによりcDNAライブラリーを作製する。
ここで用いられるプラスミドベクターとしては、宿主内で複製保持されるものであれば特に制限されず、また用いられるファージベクターとしても宿主内で増殖できるものであれば良い。常法的に用いられるクローニング用ベクターとしてpUC19、λgt10、λgt11等が例示される。ただし、後述の免疫学的スクリーニングに供する場合は、宿主内で目的蛋白をコードする遺伝子を発現させうるプロモーターを有したベクターであることが好ましい。
プラスミドにcDNAを組み込む方法としては、例えばマニアティス(Maniatis)らの方法(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second edition, Cold Spring Harbor Laboratory, p.1.53, 1989)に記載の方法などが挙げられる。また、ファージベクターにcDNAを組み込む方法としては、ヒュン(Hyunh)らの方法(DNA Cloning, a practical approach, Vol.1, p.49, 1985)などが挙げられる。簡便には、市販のクローニングキット(例えば、宝酒造社製等)を用いることもできる。このようにして得られる組換えプラスミドやファージベクターは、原核細胞(例えば、E.coli:HB101, DH5α, Y1090, DH10BまたはMC1061/P3等)等の適当な宿主に導入する。
プラスミドを宿主に導入する方法としては、(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second edition, Cold Spring Harbor Laboratory, p.1.74, 1989)に記載の塩化カルシウム法または塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。また、ファージベクターを宿主に導入する方法としてはファージDNAをインビトロパッケージングした後、増殖させた宿主に導入する方法等が例示される。インビトロパッケージングは、市販のインビトロパッケージングキット(例えば、ストラタジーン社製、アマシャム社製等)を用いることによって簡便に行うことができる。
上記の方法によって作製されたcDNAライブラリーから、目的蛋白をコードするcDNAを単離する方法は、一般的なcDNAスクリーニング法を組み合わせることによって行うことができる。
例えば、別個に目的蛋白のアミノ酸配列に対応すると考えられるオリゴヌクレオチドを化学合成したのち、これを32Pでラベルしてプローブとなし、公知のコロニーハイブリダイゼーション法(クランシュタイン(Crunstein)ら、Proc. Natl. Acid. Sci. USA, Vol.72, p.3961, 1975)またはプラークハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second edition , Cold Spring Harbor Laboratory、p.2.108, 1989)により、目的のcDNAを含有するクローンをスクリーニングする方法、PCRプライマーを作製し目的蛋白の特定領域をPCR法により増幅し、該領域をコードするDNA断片を有するクローンを選択する方法等が挙げられる。
また、cDNAを発現しうるベクター(例えば、λgt11等のファージベクター)を用いて作製したcDNAライブラリーを用いる場合には、目的蛋白に反応性を有する抗体を用いる抗原抗体反応を利用して、目的のクローンを選択することができる。大量にクローンを処理する場合には、PCR法を利用したスクリーニング法を用いることが好ましい。
この様にして得られたDNAの塩基配列はマキサム・ギルバート法(マキサム(Maxam)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol74, p.560, 1977)あるいはファージM13を用いたジデオキシヌクレオチド合成鎖停止の方法(サンガー(Sanger)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.74, p.5463-5467, 1977)によって決定することができる。目的蛋白をコードする遺伝子は、その全部または一部を上記のようにして得られるクローンから制限酵素等により切り出すことにより取得できる。
また、前述のような目的蛋白を発現する細胞に由来するゲノムDNAから目的蛋白をコードするDNAを単離することによる調製方法としては、例えば以下の方法が例示される。
該細胞を好ましくはSDSまたはプロテナーゼK等を用いて溶解し、フェノールによる抽出を反復してDNAの脱蛋白質を行う。RNAを好ましくはリボヌクレアーゼにより消化する。得られるDNAを適当な制限酵素により部分消化し、得られるDNA断片を適当なファージまたはコスミドで増幅しライブラリーを作成する。そして目的の配列を有するクローンを、例えば放射性標識されたDNAプローブを用いる方法等により検出し、該クローンから目的蛋白をコードする遺伝子の全部または一部を制限酵素等により切り出し取得する。
目的蛋白をコードするDNAのPCRによる調製は、該目的蛋白の既知のmRNAまたはcDNA等を鋳型として常法により調製することができる(「遺伝子増幅PCR法・基礎と新しい展開」、共立出版株式会社発行、1992年など)。
また、化学的合成による目的蛋白をコードするDNAの製造は、目的蛋白の塩基配列をもとにして、常法に従って行うことができる。
本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその一部(好ましくは細胞外領域)は、上述に例示した方法を用いて調製したAILIMをコードするDNA(cDNAあるいはイントロンを含むゲノミックDNA)を、各々適切な制限酵素で切断することにより、該AILIMコードするDNA断片を得、それらの断片を、必要に応じてリンカーDNAあるいはタグ(Tag)と共に、適切なDNAポリメラーゼ等を用いて連結させて得たDNAを用いて、慣用される遺伝子組換え技術を用いて、常法により組換え蛋白として調製することができる。
AILIMリガンド(特に好ましくはヒトAILIMリガンド)またはその一部(好ましくは細胞外領域)についても同様である。
具体的には下記の例示されるとおりである。即ち、上述のようにして調製したDNAを、下記に詳述するようなベクターに挿入して発現ベクターを作成し、該発現ベクターで後述するような宿主細胞を形質転換して形質転換体を得る。該形質転換体を培養することにより、培養上清中に該目的蛋白を産生させる。培養上清中の該目的蛋白は、カラムクロマトグラフィー等を用いて容易に精製することができる。
組換えAILIM(またはその細胞外領域)を製造するために用いられる発現ベクター、原核細胞及び/または真核細胞の各種の宿主内で複製保持または自己増殖できるものであれば特に制限されず、プラスミドベクターおよびファージベクターが包含される(Cloning Vectors: A Laboratory Manual, エルスビュ−社、ニューヨーク、1985年)。
当該発現ベクターは、簡便には当業界において入手可能な組換え用ベクター(プラスミドDNAおよびバクテリアファージDNA)にAILIM(またはその細胞外領域)をコードするDNAを常法により連結することによって調製することができる。用いられる組換え用ベクターとして具体的には、大腸菌由来のプラスミドとして例えばpBR322、pBR325、pUC12、pUC13、pUC19など、酵母由来プラスミドとして例えばpSH19、pSH15など、枯草菌由来プラスミドとして例えばpUB110、pTP5、pC194などが例示される。また、ファージとしては、λファージなどのバクテリオファージが、さらにレトロウイルス、ワクシニヤウイルス、核多角体ウイルスなどの動物や昆虫のウイルス(pVL1393、インビトロゲン社製)が例示される。
本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその可溶性細胞外領域をコードするDNAを発現させAILIMを宿主細胞表面に発現させ、またはAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)の可溶性細胞外領域を生産させる目的においては、プラスミドベクターが有用である。プラスミドベクターとしては、原核細胞および/または真核細胞の各種の宿主細胞中で該AILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその可溶性細胞外領域をコードする遺伝子を発現し、これらのポリペプチドを生産する機能を有するものであれば特に制限されない。例えば、pMAL C2、pcDNA3.1(-)、pEF-BOS(Nucleic Acid Research, Vol.18, p.5322, 1990など)あるいはpME18S(実験医学別冊「遺伝子工学ハンドブック」、1992年等)等を挙げることができる。
宿主細胞として細菌、特に大腸菌を用いる場合、一般に発現ベクターは少なくともプロモーター−オペレーター領域、開始コドン、本発明のタンパクをコードするDNA、終止コドン、ターミネーター領域および複製可能単位から構成される。
宿主として酵母、動物細胞または昆虫細胞を用いる場合、発現ベクターは少なくともプロモーター、開始コドン、本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその細胞外領域コードするDNA、終止コドンを含んでいることが好ましい。またシグナルペプチドをコードするDNA、エンハンサー配列、本発明のAILIMをコードする遺伝子の5’側および3’側の非翻訳領域、スプライシング接合部、ポリアデニレーション部位、選択マーカー領域または複製可能単位などを含んでいてもよい。また、目的に応じて通常用いられる遺伝子増幅遺伝子(マーカー)を含んでいてもよい。
細菌中で本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその細胞外領域を発現させるためのプロモーター−オペレータ−領域は、プロモーター、オペレーターおよびShine-Dalgarno(SD)配列(例えば、AAGGなど)を含むものである。例えば宿主がエシェリキア属菌の場合、好適にはTrpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、tacプロモーターなどを含むものが例示される。
酵母中で本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)またはその細胞外領域を発現させるためのプロモーターとしては、PH05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターが挙げられ、宿主がバチルス属菌の場合は、SL01プロモーター、SP02プロモーター、penPプロモーターなどが挙げられる。
また、宿主が哺乳動物細胞等の真核細胞である場合、例えばSV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、ヒートショックプロモーターなどが挙げられる。しかし、特にこれらに限定されるものではない。また、発現にはエンハンサーの利用も効果的な方法である。
好適な開始コドンとしては、メチオニンコドン(ATG)が例示される。
終止コドンとしては、常用の終止コドン(例えば、TAG,TAA,TGA)が例示される。
ターミネーター領域としては、通常用いられる天然または合成のターミネーターを用いることができる。
複製可能単位とは、宿主細胞中でその全DNA配列を複製することができる能力をもつDNAを言い、天然のプラスミド、人工的に修飾されたプラスミド(天然のプラスミドから調製されたDNAフラグメント)および合成プラスミド等が含まれる。好適なプラスミドとしては、E.coliではプラスミドpBR322、もしくはその人工的修飾物(pBR322を適当な制限酵素で処理して得られるDNAフラグメント)が、酵母では酵母2μプラスミド、もしくは酵母染色体DNAが、また哺乳動物細胞ではプラスミドpRSVneo ATCC 37198、プラスミドpSV2dhfr ATCC 37145、プラスミドpdBPV-MMTneo ATCC 37224、プラスミドpSV2neo ATCC 37149、プラスミドpSV2bsr等があげられる。
エンハンサー配列、ポリアデニレーション部位およびスプライシング接合部位については、例えばそれぞれSV40に由来するもの等、当業者において通常使用されるものを用いることができる。
選択マーカーとしては、通常使用されるものを常法により用いることができる。例えばテトラサイクリン、アンピシリン、またはカナマイシン等の抗生物質耐性遺伝子等が例示される。
遺伝子増幅遺伝子としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、グルタミン酸合成酵素遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、オルニチンデカルボキシラーゼ遺伝子、ヒグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子、アスパルラートトランスカルバミラーゼ遺伝子等を例示することができる。
本発明の発現ベクターは、少なくとも、上述のプロモーター、開始コドン、本発明のタンパクをコードするDNA、終止コドンおよびターミネーター領域を連続的かつ環状に適当な複製可能単位に連結することによって調製することができる。またこの際、所望により制限酵素での消化やT4DNAリガーゼを用いるライゲーション等の常法により適当なDNAフラグメント(例えば、リンカー、他の制限酵素部位など)を用いることができる。
本発明の形質転換細胞は、上述の発現ベクターを宿主細胞に導入することにより調製することができる。
本発明で用いられる宿主細胞としては、前記の発現ベクターに適合し、形質転換されうるものであれば特に限定されず、本発明の技術分野において通常使用される天然細胞あるいは人工的に樹立された組換え細胞など種々の細胞(例えば、細菌(エシェリキア属菌、バチルス属菌)、酵母(サッカロマイセス属、ピキア属など)、動物細胞または昆虫細胞など)が例示される。
好ましくは大腸菌あるいは動物細胞であり、具体的には大腸菌(DH5α、DH10B、TB1、HB101、XL-2Blue等)、マウス由来細胞(COP、L、C127、Sp2/0、NS-1またはNIH3T3等)、ラット由来細胞、ハムスター由来細胞(BHKおよびCHO等)、サル由来細胞(COS1、COS3、COS7、CV1及びVelo等)およびヒト由来細胞(Hela、2倍体線維芽細胞に由来する細胞、ミエローマ細胞およびNamalwa等)などが例示される。
発現ベクターの宿主細胞への導入(形質転換(形質移入))は従来公知の方法を用いて行うことができる。
例えば、細菌(E.coli、Bacillus subtilis等)の場合は、例えばCohenらの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.69, p.2110, 1972)、プロトプラスト法(Mol. Gen. Genet., Vol.168, p.111, 1979)やコンピテント法(J. Mol. Biol., Vol.56, p.209, 1971)によって、Saccharomyces cerevisiaeの場合は、例えばハイネン(Hinnen)らの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.75, p.1927, 1978)やリチウム法(J. Bacteriol., Vol.153, p.163, 1983)によって、動物細胞の場合は、例えばグラハム(Graham)の方法(Virology, Vol.52, p.456, 1973)、昆虫細胞の場合は、例えばサマーズ(Summers)らの方法(Mol. Cell. Biol., Vol.3, p.2156-2165, 1983)によってそれぞれ形質転換することができる。
本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)の細胞外領域(可溶性AILIM)は、上記の如く調製される発現ベクターを含む形質転換細胞(以下、形質移入体を包含する意味で使用する。)を栄養培地で培養することによって製造することができる。AILIMリガンドについても同様である。
栄養培地は、宿主細胞(形質転換体)の生育に必要な炭素源、無機窒素源もしくは有機窒素源を含でいることが好ましい。炭素源としては、例えばグルコース、デキストラン、可溶性デンプン、ショ糖などが、無機窒素源もしくは有機窒素源としては、例えばアンモニウム塩類、硝酸塩類、アミノ酸、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などが例示される。また所望により他の栄養素(例えば、無機塩(例えば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウム)、ビタミン類、抗生物質(例えばテトラサイクリン、ネオマイシン、アンピシリン、カナマイシン等)など)を含んでいてもよい。
培養は当業界において知られている方法により行われる。培養条件、例えば温度、培地のpHおよび培養時間は、本発明のタンパクが大量に生産されるように適宜選択される。
なお、下記に宿主細胞に応じて用いられる具体的な培地および培養条件を例示するが、何らこれらに限定されるものではない。
宿主が細菌、放線菌、酵母、糸状菌である場合、例えば上記栄養源を含有する液体培地が適当である。好ましくは、pHが5〜8である培地である。
宿主がE.coliの場合、好ましい培地としてLB培地、M9培地(ミラー(Miller)ら、Exp. Mol. Genet、Cold Spring Harbor Laboratory, p.431, 1972)、YT培地等が例示される。かかる場合、培養は、必要により通気、撹拌しながら、通常14〜43℃、約3〜24時間行うことができる。
宿主がBacillus属菌の場合、必要により通気、撹拌をしながら、通常30〜40℃、約16〜96時間行うことができる。
宿主が酵母である場合、培地として、例えばBurkholder最小培(ボスチアン(Bostian)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.77, p.4505, 1980)が挙げられ、pHは5〜8であることが望ましい。培養は通常約20〜35℃で約14〜144時間行なわれ、必要により通気や撹拌を行うこともできる。
宿主が動物細胞の場合、培地として例えば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地(Science, Vol.122, p.501, 1952)、DMEM培地(Virology, Vol.8, p.396, 1959)、RPMI1640培地(J. Am. Med. Assoc., Vol.199, p.519, 1967)、199培地(Proc. Soc. Exp. Biol. Med., Vol.73, p.1, 1950)、HamF12培地等を用いることができる。培地のpHは約6〜8であるのが好ましく、培養は通常約30〜40℃で約15〜72時間行なわれ、必要により通気や撹拌を行うこともできる。
宿主が昆虫細胞の場合、例えば胎児牛血清を含むGrace's培地(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.82, p.8404, 1985)等が挙げられ、そのpHは約5〜8であるのが好ましい。培養は通常約20〜40℃で15〜100時間行なわれ、必要により通気や撹拌を行うこともできる。
本発明のAILIM(特に好ましくはヒトAILIM)の細胞該領域(可溶性AILIM)は、上述のような形質転換細胞(特に動物細胞または大腸菌)を培養することにより、培養上清中に分泌させることにより製造することができる。即ち、得られた培養物を濾過または遠心分離等の方法で培養濾液(上清)を得、該培養濾液から天然または合成蛋白質を精製並びに単離するために一般に用いられる常法に従って目的蛋白を精製、単離する。
単離、精製方法としては、例えばアフィニティーカラムクロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、塩析、溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動など分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーやヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーなどの荷電を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動などの等電点の差を利用する方法などが挙げられる。
一方、目的蛋白が培養された形質転換体のペリプラズムまたは細胞質内に存在する場合は、培養物を濾過または遠心分離などの常法に付して菌体あるいは細胞を集め、適当な緩衝液に懸濁し、例えば超音波やリゾチーム及び凍結融解などの方法で細胞等の細胞壁および/または細胞膜を破壊した後、遠心分離やろ過などの方法で目的蛋白を含有する膜画分を得る。該膜画分をトライトン−X100等の界面活性剤を用いて可溶化して粗溶液を得る。そして、当該粗溶液を先に例示したような常法を用いることにより、単離、精製することができる。
本発明における「不溶性担体」とは、ポリペプチドを物理学的吸着あるいは化学的結合等によって坦持させるための支持体を意味する。例えば、(1)ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂あるいはナイロン樹脂等からなるプラスチックや、ガラス等に代表されるような水に不溶性の物質からなるプレート、試験管若しくはチューブ等の内容積を有するもの、ビーズ、ボール、フィルター、あるいはメンブレン等、並びに(2)セルロース系担体、アガロース系担体、ポリアクリルアミド系担体、デキストラン系担体、ポリスチレン系担体、ポリビニルアルコール系担体、ポリアミノ酸系担体あるいは多孔性シリカ系担体等のようなアフィニティークロマトグラフィーに用いられる不溶性担体を挙げることができる。
本発明における「検出可能なシグナルをもたらし得る標識物質」としては、例えば、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジンあるいは放射性同位体等であり、さらに具体的には、ペルオキシダーゼ(例えば、horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、3H、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、または化学発光物質が挙げられる。
ここで、放射性同位体及び蛍光物質は、単独で検出可能なシグナルをもたらすことができる。一方、酵素、化学発光物質、ビオチン及びアビジンは、単独では検出可能なシグナルをもたらすことができないため、さらに1種以上の他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらす。例えば、酵素の場合には少なくとも基質が必要であり、酵素活性を測定する方法(比色法、蛍光法、生物発光法あるいは化学発光法等)に依存して種々の基質が用いられる。例えば、ペルオキシダーゼの場合には、基質として過酸化水素を用いる。また、ビオチンの場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジンを反応させるのが一般的であるが、この限りではない。必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色物質が用いられる。
本発明においては、上記のいずれの標識物質をも使用可能であるが、検出感度あるいは定量感度の高さ及び操作の利便性の点を考慮すると、ペルオキシダーゼ等の酵素あるいはビオチンで標識するのが好ましい。
本発明の「AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法」は、イムノアッセイを原理とするものである。
具体的には、酵素免疫測定法(第3版、石川榮治ら編集、医学書院発行、1987年)に記載されているような種々方法の原理を応用することができる。
応用できる原理としては、例えば、一抗体固相法、二抗体液相法、二抗体固相法、サンドイッチ法、及び特公平2−39747号公報に記載されているようなワンポット法を好適な例として挙げることができる。また、抗原抗体反応を利用したアッセイとしては、EMIT法(Enzyme multiplied immunoassay technique)、エンザイムチャネリングアッセイ(Enzyme channeling immunoassay)、酵素活性修飾物質標識イムノアッセイ(Enzyme modulator mediated enzyme immunoassay、EMMIA)、酵素阻害物質標識イムノアッセイ(Enzyme inhibitor immunoassay)、イムノエンザイムメトリックアッセイ(Immunoenzymometric assay)、酵素活性増強イムノアッセイ(Enzyme enhanced immunoassay)及びプロ キシマールリンケージイムノアッセイ(Proximal linkage immunoassay)等も知られている。
本発明においては、このようなイムノアッセイのいずれかの原理を、目的に応じて適宜選択して用いることができるが、操作上の簡便性及び/または経済的な利便性、とりわけ臨床上での汎用性の点を考慮すると、サンドイッチ法、ワンポット法、または一抗体固相法の原理を用いるのが好ましく、より好ましくは、サンドイッチ法またはワンポット法の原理である。特に好ましくは、96穴マイクロプレートに代表されるような多数のウェルを有するマルチウェルマイクロタイタープレートを用いるサンドイッチ法、あるいはポリペプチドをその表面上に固定化したビーズと、ペルオキシダーゼ等の酵素あるいはビオチンにより標識された標識カウンターパートとを用いるワンポット法である。
以下、実施例を以て本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が該実施例に記載される態様のみに限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1 免疫原の調製
<1-1> ヒトAILIMを発現する組換え細胞の調製
本発明者の一人である手塚の他の先の出願(日本国特許出願公開11-29599号公報及び国際特許出願公開WO98/38216号公報)並びに既報(Int. Immunology, Vol.12, No.1, p.51-55, 2000)と同様の方法に従って、ヒトAILIMを高発現する2種類の組換え細胞(CHO細胞及びHPB-ALL細胞)を調製した。具体的には下記のとおりである。
ヒトAILIMの全長ORFを含むcDNA(GenBank Accession Number: AB023135(cDNA);BAA82129(アミノ酸))を、ベクターpEF-neoに挿入した後、該組換え発現ベクターを、Gene Pulser(BioRad製)を用いて常法に従ってエレクトロポレーション(960μF、320ボルト)によりチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)及びヒト胸腺腫細胞株HPB-ALLの各々に導入した。各々の細胞を、Geneticin(0.8mg/ml; Gibco BRL製)及び10%FCS含有RPMI1640培地中で培養することにより薬剤耐性形質転換細胞を選択した。
<1-2> ヒトAILIMを高発現する組換えHPB-ALL細胞の選別
前記<1-1>で選択した薬剤耐性HPB-ALL細胞を遠心分離して回収した沈殿物に、以前本発明者らが作成し報告した「SA12」と命名したマウス抗ヒトAILIMモノクローナル抗体(マウス抗ヒトJTT-1抗原モノクローナル抗体)(日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例12)及び国際特許出願公開WO98/38216号(実施例12))(濃度:EDTA-BSA/PBSで希釈した10μg/mlを100μl/105cells)を加え、4℃で30分間反応させた。細胞を、上記EDTA-BSA/PBS(200μl)で2回洗浄した後、ピコエリスリン標識ストレプトアビジン(SA-PE;500倍希釈を100μl)添加し、4℃で30分間反応させた。反応後、細胞をEDTA-BSA/PBSで3回洗浄し、細胞分散液を調製した。
該細胞分散液に含まれる各々の細胞におけるヒトAILIMの発現状態を、フローサイトメーターFACSort(Beckton-Dichinson製)を用いて解析し、ヒトAILIMを高発現している組換えHPB-ALL細胞を選別した。選別した細胞を、10%FCS及びG418(1mg/ml)を含有するRPMI1640培地中でconfluentになるまで培養した。
<1-3> ヒトAILIMを高発現する組換えCHO細胞の選別
前記<1-1>で選択した薬剤耐性CHO細胞を遠心分離して回収した沈殿物に、FITCで標識した上記マウス抗ヒトAILIMモノクローナル抗体SA12(EDTA-BSA/PBSで希釈した100μg/ml)を加え、4℃で30分間反応させた。細胞を、上記EDTA-BSA/PBSで洗浄した後、EDTA-BSA/PBS(500μl)を加え細胞分散液を調製した。
該細胞分散液に含まれる各々の細胞におけるヒトAILIMの発現状態を、フローサイトメーターFACSort(Beckton-Dichinson製)を用いて解析し、ヒトAILIMを高発現している組換えCHO細胞を選別した。選別した細胞を、10%FCS及びG418(1mg/ml)を含有するRPMI1640培地中でconfluentになるまで培養した。
<1-4> ヒトAILIM高発現HPB-ALL細胞からの免疫原の調製
前記<1-2>で取得したヒトAILIM高発現HPB-ALL細胞を遠心分離した。回収した沈殿物をリン酸緩衝液(PBS;日研生物研究所製)で4回洗浄した後、プロテアーゼ阻害剤含有緩衝液(25mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl2、0.25MのSucrose、及びプロテアーゼ阻害剤(10U/mlのAprotinine、2μg/mlのPepstatin、50μg/mlのLeupeptin、及び0.35mg/mlのPMSF))中に懸濁した。該細胞懸濁液を、ポッター式ホモジナイザーで破砕し、低速遠心(1,500rpm、10分、4℃)した。次いで、上清を回収し、超遠心(100,000g、1時間、4℃)し、沈殿した膜画分を回収しリン酸緩衝液を加えて懸濁し(PBS1mlあたり1×107細胞由来の膜画分の濃度に調整)マイナス80℃で保存した。この細胞膜画分の懸濁液を後述する本発明のヒト抗体の作製における抗原(免疫原)として用いた。
<1-5> ヒトAILIM高発現CHO細胞からの免疫原の調製
前記<1-3>で取得したヒトAILIM高発現CHO細胞をセルスクレイパーで分散した後、遠心分離した。回収した沈殿物をリン酸緩衝液(PBS;日研生物研究所製)で4回洗浄した後、プロテアーゼ阻害剤含有緩衝液(25mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl2、0.25MのSucrose、及びプロテアーゼ阻害剤(10U/mlのAprotinine、2μg/mlのPepstatin、50μg/mlのLeupeptin、及び0.35mg/mlのPMSF))中に懸濁した。該細胞懸濁液を、ポッター式ホモジナイザーで破砕し、低速遠心(1,500rpm、10分、4℃)した。次いで、上清を回収し、超遠心(100,000g、1時間、4℃)し、沈殿した膜画分を回収しリン酸緩衝液を加えて懸濁し(PBS1mlあたり1×107細胞由来の膜画分の濃度に調整)マイナス80℃で保存した。この細胞膜画分の懸濁液を後述する本発明のヒト抗体の作製における抗原(免疫原)として用いた。
実施例2 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの調製
本実施例におけるモノクローナル抗体の作製は、実験医学(別冊)細胞工学ハンドブック(黒木登志夫ら編集、羊土社発行、第66〜第74頁、1992年)及び単クローン抗体実験操作入門(安東民衛ら著作、講談社発行、1991年)等に記載されるような一般的方法に従って調製した。
免疫原としてのヒトAILIMは、実施例1で調製したヒトAILIM高発現組換え細胞から調製した細胞膜画分を用いた。
被免疫動物としては、前述の方法を用いて製造したヒト抗体産生トランスジェニックマウスを用いた(Nature Genetics, Vol.7, p.13-21, 1994;Nature Genetics, Vol.15, p.146-156, 1997;特表平4-504365号公報;特表平7-509137号公報;日経サイエンス、6月号、第40〜第50頁、1995年等)。
細胞培養操作は、マルチウェルマイクロプレートを用いて行った。
<2-1> 免疫及びハイブリドーマの調製
前記のヒト抗体産生トランスジェニックマウスに、前記<1-4>(HPB-ALL由来)及び<1-5>(CHO由来)で調製した免疫原(100μl/マウス/1回投与)のいずれかを、完全フロインドアジュバント(Freund's Complete Adjuvant、ICN/CAPPEL社製)と共にフッドパッド内注射することにより初回(0日)免疫した。
初回免疫から1週間毎に同2種類の免疫原のいずれかを、フッドパッド内注射により2回または3回追加免疫し、さらに以下に述べるリンパ球の取得の前々日にも同免疫原を同様にして最終免疫した。
最終免疫後から2日後に、各々の被免疫トランスジェニックマウスから摘出したリンパ節(鼠径及び膝下)及び脾臓からリンパ球を取得した。該リンパ球とマウスミエローマ細胞P3/X63-AG8.653(ATCC No.: CRL-1580)とを5:1で混合し、融合剤としてポリエチレングリコール1500(Boehringer Mannheim製)を添加した後、10倍量の無血清の基本培地EX-CELL301(JRH Bioscience製)を加えて希釈した。次いで、該混合細胞を該基本培地で洗浄した後、HAT培地(該基本培地1Lにつき、ヒポキサンチン13.61mg、アミノプテリン176μg、及びチミジン3.88mgを含む)中に懸濁し、96穴マイクロプレートに蒔き10乃至14日間培養して細胞融合させた。この細胞融合により、多数のハイブリドーマを得た。
<2-2> ヒトモノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
前記<2-1>で調製した多数のハイブリドーマを、下記の細胞ELISA(cell ELISA)によりスクリーニングしてヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選別した。
前記で作製したヒトAILIMを高発現する組換えHPB-ALL細胞及び組換えCHO細胞の各々(1×105細胞/ウェル)を、ELISA用96穴マイクロプレートの各ウェルに蒔き、37℃で2日間培養した。
次いで、上清を捨て、各ウェルに、各々のハイブリドーマの培養上清サンプル(50μl/ウェル)を加え、1時間反応させた。反応後、サンプルを捨て、各ウェルを、1%BSA(Sigma製)含有PBSで3回洗浄した。
次いで、該ハイブリドーマ上清に含まれるヒトイムノグロブリン(ヒトモノクローナル抗体)の重鎖の検出のために、各ウェルにペルオキシダーゼ標識したヤギ抗ヒトイムノグロブリン(Fc)抗体(1/2000希釈を50μl/well;Ameircan Corex製;1%BSA/PBS)を加え、室温下で1時間インキュベートした。
一方、該ハイブリドーマ上清に含まれるヒトイムノグロブリン(ヒトモノクローナル抗体)の軽鎖の検出のためには、各ウェルにペルオキシダーゼ標識したヤギ抗ヒトイムノグロブリンκ鎖抗体(1/2000希釈を50μl)を加え、室温下で15分インキュベートした。
マイクロプレートの各ウェルから、該抗ヒトIgFc抗体または抗ヒトIgκ抗体を除去した後、プレートを1%BSA含有PBSで3回洗浄後、テトラメチルベンジジン(3,3’,5,5’,-tetramethylbenzidine (TMB)、100μl/well、BIO-RAD製)を各ウェルに加え、室温下15分間インキュベートした。
次いで、1NのH2SO4(50μl/well)を各ウェルに加え、反応を止めた。波長450nmでの吸光度をバイオラッド、モデル3550マイクロプレートリーダー(Model 3550 Microplate Reader、BIO-RAD製)で測定した。
なお、対照試験として、下記の各々を用いて上記と同様にしてELISAを行った。
(1)ヒトAILIM発現組換えHPB-ALL細胞の代わりに野生型HPB-ALL細胞。
(2)ヒトAILIM発現組換えCHO細胞の代わりに野生型CHO細胞。
(3)ハイブリドーマ上清の代わりにヒトAILIMに対するマウスモノクローナル抗体(SA12またはSG430;日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例12)及び国際特許出願公開WO98/38216号(実施例12))。
(4)ハイブリドーマ上清の代わりに、KLH(keyhole limpet hemocyanin、ピアース(PIERCE)社製)に対するヒトモノクローナル抗体。
該抗KLHヒトモノクローナル抗体は、前記<2-1>と同様の方法に従って、前述したヒト抗体産生トランスジェニックマウスに、KLH(keyhole limpet hemocyanin、ピアース(PIERCE)社製)を免疫することにより作製した。
この結果、ヒトAILIMに結合性を有するヒトモノクローナル抗体を産生する多数のハイブリドーマが選別された。
<2-3> ハイブリドーマの一次クローニング
下記の試験操作により、前記<2-2>で選別しヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体を産生する多数ハイブリドーマ(親株)から、多数種類の各々単一なハイブリドーマをクローニングした。
前記<2-2>で選別したハイブリドーマの各々を、24穴(ウェル)マイクロプレートに蒔き、ピペッティング操作により各ウェルのハイブリドーマの細胞数を計測した。次いで、4.0mMのL-Glutamine及び脂質を含有するEX-CELL301培地(JRH Bioscience製)に10%胎児牛血清(FCS;Trace Bioscience PTY製)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Sigma製)、1%HT Supplement(Gibco BRL製)及び2.5%T-STIM Culture Supplement(Collaborative Biomedical Products製)を添加して調製した修飾培地で、各ウェルのハイブリドーマを1×104cells/mlに希釈し細胞を懸濁させた。
該修飾培地(150mlまたは300ml)に各ウェルの細胞懸濁液(300μlまたは600μl)を加え十分に混和した後、細胞懸濁液を200μl/wellの濃度で複数の96ウェルマイクロプレートの各ウェルに加え4cells/wellとした。残りの細胞懸濁液に前記修飾培地(50mlまたは100ml)を新たに加えて混和した後、得られた細胞懸濁液を別の複数の96ウェルマイクロプレートの各ウェルに加え2cells/wellとした。
1乃至2週間の培養後、多数のウェルで単一のハイブリドーマのコロニーの形成を確認した。
該コロニーの形成が確認された各ウェルの培養上清に、ヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体が産生されていることを、前記<2-2>で述べた細胞ELISA(cell ELISA)によって確認した。
<2-4> ハイブリドーマの2次クローニング
前記<2-3>と同様の方法に従って、前記<2-3>でクローニングした多数のハイブリドーマクローンの各々をサブクローニング(2次クローニング)した。
なお、本試験においては、96ウェルマイクロプレートの各ウェルの細胞数は、1cell/wellに調整した。
この結果、ヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体を産生する多数の単一ののハイブリドーマクローンを得た。その一部のクローンは下記のとおりである。
(クローン名)
AIF34(JMab124), AIF182(JMab-126), AIF348(JMab-127),
AIF620(JMab-128), AIF1052(JMab-135), AIH5D3(JMab-136),
AIH386(JMab-137), AII289(JMab-138), AII394(JMab-139),
AII488(JMab-140), AIJ40(JMab-141),
なお、本実施例を含め以下のいずれの実施例中、並びに当該実施例における試験結果として示した図面または表中においては、上記の名称を使用する。
実施例3 モノクローナル抗体の性状解析
<3-1> 重鎖(heavy chain)及び軽鎖(light chain)の解析
前記<2-4>でクローニングした各々のハイブリドーマクローンが産生するヒトAILIMに対するモノクローナル抗体がヒトモノクローナル抗体であることを、下記ELISA及びフローサイトメトリーにより確認した。
実施例1で作製したヒトAILIMを高発現する組換えHPB-ALL細胞(3×104細胞/ウェル)を、V底マイクロプレートの各ウェルに蒔き、10%FCS含有RPMI1640培地中で37℃で培養した。
培養後、プレートを遠心(1,800回転、2分)し、細胞を沈殿させた。次いで、上澄を捨て、各ウェルに、前記<2-4>でクローニングした各々のハイブリドーマの培養上清サンプル(50μl/ウェル)または対照としてのマウス抗ヒトAILIMモノクローナル抗体SA12(2μg/50μl)若しくは抗KLHヒトモノクローナル抗体(50μl/well)を加え、30分間冷蔵庫にて反応させた。反応後、サンプルを捨て、各ウェルを、リン酸緩衝液(5mMのEDTAを含む0.5%BSA-PBS)で洗浄した。
次いで、各ウェルに下記いずれかの2次抗体(上記リン酸緩衝液で1000倍に希釈したものを50μl/well)を加え、細胞を分散させ、冷蔵庫内で30分間反応させた。
(2次抗体)
ビオチン標識抗ヒトIgG抗体(Zymed製);
ビオチン標識抗ヒトIgG抗体(Protos製);
ビオチン標識抗ヒトIgFc抗体(EY Laboratories製);または
ビオチン標識抗ヒトIgκ抗体(Vector製)。
反応後、2次抗体を捨て、プレートの各ウェルを前記リン酸緩衝液で洗浄した。次いで、各ウェルに、ピコエリスリン標識ストレプトアビジン(Streptavidin-PE;Pharmingen製;前記リン酸緩衝液で500倍に希釈したものを50μl/well)を加え、冷蔵庫内で30分間反応させた。反応後、各ウェルを前記リン酸緩衝液で洗浄した。次いで、各ウェルに前記リン酸緩衝液(200μl/well)を加えて細胞を分散させた。
各ウェルのヒトAILIM高発現HPB-ALL細胞に対する各々のハイブリドーマクローンの培養上清中に含まれるヒトAILIMに対するモノクローナル抗体のへの結合性(反応性)を解析した。
なお、対照試験として、下記の各々を用いて上記と同様にして試験及び解析を行った。
(1)ヒトAILIM発現組換えHPB-ALL細胞の代わりに野生型HPB-ALL細胞。
(2)ハイブリドーマ上清の代わりに、KLH(keyhole limpet hemocyanin、ピアース(PIERCE)社製)に対するヒトモノクローナル抗体。
該抗KLHヒトモノクローナル抗体は、前記<2-1>と同様の方法に従って、前述したヒト抗体産生トランスジェニックマウスに、KLH(keyhole limpet hemocyanin、ピアース(PIERCE)社製)を免疫することにより作製した。
この結果、前記<2-4>でクローニングしたハイブリドーマのいずれもが、ヒト由来重鎖とヒト由来κ軽鎖とから構成されるヒトモノクローナル抗体であることが確認された。
該結果の一例として、ハイブリドーマクローンAIH5D3(JMab-136)、AII289(JMab-138)、及びAII394(JMab-139)の各々についての試験結果を、図1に示す。
<3-2> ヒトモノクローナル抗体のアイソタイプの決定
前記<2-4>でクローニングし、前記<3-1>で解析した各々のハイブリドーマクローンが産生するヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体のアイソタイプを、ヒトモノクロ−ナル抗体アイソタイプ決定用キット(アメリカン・コーレックス社製)を用い、該キットに添付の実験操作プロトコールに従って操作を行い決定した。
いずれの抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体もIgG2/κであることが確認された。
実施例4 ヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体(抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体)の大量調製及び精製
<4-1> 方法1
前記<2-4>で調製した抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体を産生する各々のハイブリドーマクローンを、Tissue Culture Flask(50ml、FALCON製)に加え、超低濃度ウシイムノグロブリン含有FBS(Ultra Low Bovine IgG FBS、GIBCO-BRL社製)を10%含有するASF104培地(味の素社製)中で、5%CO2下37℃でconfluentになるまで培養した。
次いで、培養液の全量をTissue Culture Flask(750ml、FALCON製)に移し、超低濃度ウシイムノグロブリン含有FBS(Ultra Low Bovine IgG FBS、GIBCO-BRL社製)を10%含有するASF104培地(味の素社製)中で、5%CO2下37℃でconfluentになるまで培養した。
10乃至20日の培養後、各々のハイブリドーマの培養上清を回収し、50ml Polypropylene Conical Tube(FALCON製)に移し、遠心した(500xg、5分)。
次いで、遠心上澄をSterilization Filter Unit(NALGEN製)で濾過し、濾液を回収した。
該濾液を、リン酸緩衝液(30ml)で平衡化したハイトラッププロテインGカラム(HiTrap affinity column Protein G、アマシャムファルマシア社製)に3ml/minで添加した。
次いで、リン酸緩衝液(20ml)でカラムを洗浄後、カラムに100mMのクエン酸緩衝液(pH2.0)を約1ml/minで加え抗体を溶出させた。次いで、溶出液に750mMのTris-HClからなる溶液(pH9.0)を加え中和した後、フィルター(ミリポア社製)で濾過し、白沈を除いた。得られた濾液をリン酸緩衝液で透析(一晩)した後、フィルター(ミリポア社製)で濾過して各々のハイブリドーマから精製抗AILIMヒトモノクローナル抗体を得た。
なお、分光光度計を用いてA280での値を求め、蛋白濃度を算出した(1A280=1.41mg/ml)。
<4-2> 方法2
10%のUltra Low Bovine IgG FBS(GIBCO-BRL社製)を含有するASF104培地(味の素社製)に馴化した前記<2-4>で調製した各々のハイブリドーマクローン(各々1〜2×106個/ml)を、インテグラセルライン1000(INTEGRA CL1000、インテグラバイオサイエンス社製)に播種し培養を行った。7乃至10日間の培養後、培養細胞数が約1×108個/mlに達した時点で、各々のハイブリドーマの培養上清を回収した。
該各々の培養上澄を、リン酸緩衝液(30ml)で平衡化したハイトラッププロテインGカラム(HiTrap affinity column Protein G、アマシャムファルマシア社製)に3ml/minで添加した。
次いで、リン酸緩衝液(20ml)でカラムを洗浄後、カラムに100mMのクエン酸緩衝液(pH2.0)を約1ml/minで加え抗体を溶出させた。次いで、溶出液に750mMのTris-HClからなる溶液(pH9.0)を加え中和した後、フィルター(ミリポア社製)で濾過し、白沈を除いた。得られた濾液をリン酸緩衝液で透析(一晩)した後、フィルター(ミリポア社製)で濾過して各々のハイブリドーマから精製抗AILIMヒトモノクローナル抗体を得た。
実施例5 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIMに対する反応性、並びにマウスAILIM及びラットAILIMに対する交叉反応性
前記で精製した種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIMに対する反応性、並びにマウスAILIM及びラットAILIMに対する交叉反応性を細胞ELISAにより解析した。
<5-1> IgG抗体の濃度測定のためのELISA系の確率及び検量線の作成
前記で精製したいずれの抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体もIgG(IgG2)抗体であることから、IgG抗体の濃度を測定するELISAを確率した。
ヤギ抗ヒトIgG(Fc)抗体(1.2μg/ml in PBS;100μl/ウェル;Organon Teknika製)を、ELISA用96穴マイクロプレート(Nunc製)の各ウェルに加え、室温で2時間インキュベートし、該抗IgG(Fc)抗体をマイクロプレートに吸着させた。次いで、上清を捨て、0.05%Tween20含有リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄後、各ウェルにブロッキング試薬(200μl/well、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)及び0.1%Tween20を含有するPBS)を加え室温で2時間インキュベートし、該抗IgG(Fc)抗体が結合していない部位をブロックした。次いで、ブロッキング試薬を捨て、各ウェルを、PBSで2回洗浄した。
プレートの各ウェルに、標準抗体としての各種濃度(0乃至100ng/ml)のヒト由来IgG2抗体(50μl/well;The Binding Site製)を加え、室温下で2時間反応させた。余剰の該標準抗体を除き、各ウェルを、0.05%のTween20を含有するリン酸緩衝液で3回洗浄した。
次いで、各ウェルに、パーオキシダーゼ(Peroxidase)で標識したヤギ抗ヒトIgG/κ抗体(4,000倍希釈、100μl/well、Protos製)を加え、室温下で1時間インキュベートした。
上清を捨て、マイクロプレートを、0.05%Tween20を含有するリン酸緩衝液で3回洗浄後、基質緩衝液(100μl/ウェル。<組成>:オルトフェニレンジアミン(O-Phenylenediamine, OPD;20mg)/クエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0, 50ml)/30%過酸化水素水(15μl))を各ウェルに加え、室温下で約7分間インキュベートした。
次いで、2M硫酸(50μl/well)を各ウェルに加え、反応を止めた。波長490nmでの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定して得た値を基に検量線を作成した(図2)。
なお、対照として、培養液のみ、またはBSA溶液のみを被験物質として用い、上述と同様にしてアッセイを行った。
<5-2> 各種の精製抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIMに対する反応性、並びにマウスAILIM及びラットAILIMに対する交叉反応性の解析
<5-2-1> 試薬の調製
本細胞ELISAに用いる試薬を下記のようにして調製した。
<5-2-1-1> マウスAILIMを高発現する組換えCHO細胞の作製
前記<1-1>及び<1-3>と同様にしてマウスAILIMを高発現する組換えCHO細胞を作製、取得した。
マウスAILIMの全長ORFを含むcDNA(GenBank Accession Number: AB023132(cDNA);BAA82126(アミノ酸))を、ベクターpEF-neoに挿入した後、該組換え発現ベクターを、Gene Pulser(BioRad製)を用いて常法に従ってエレクトロポレーション(960μF、320ボルト)によりチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)の各々に導入した。各々の細胞を、Geneticin(0.8mg/ml; Gibco BRL製)及び10%FCS含有RPMI1640培地中で培養することにより薬剤耐性形質転換細胞を選択し、マウスAILIM高発現組換えCHO細胞を取得した。
<5-2-1-2> ラットAILIMを高発現する組換えCHO細胞の作製
前記<1-1>及び<1-3>と同様にしてラットAILIMを高発現する組換えCHO細胞を作製、取得した。
ラットAILIMの全長ORFを含むcDNA(GenBank Accession Number: AB023134(cDNA);BAA82128(アミノ酸))を、ベクターpEF-neoに挿入した後、該組換え発現ベクターを、Gene Pulser(BioRad製)を用いて常法に従ってエレクトロポレーション(960μF、320ボルト)によりチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)の各々に導入した。各々の細胞を、Geneticin(0.8mg/ml; Gibco BRL製)及び10%FCS含有RPMI1640培地中で培養することにより薬剤耐性形質転換細胞を選択し、ラットAILIM高発現組換えCHO細胞を取得した。
<5-2-1-3> マウスAILIMに対するモノクローナル抗体の調製
前記<5-2-1-1>で調製したマウスAILIM高発現組換えCHO細胞をホモジナイズし、超遠心分離(100,000×g)して、細胞膜画分を含む遠心残さを回収し、PBSに懸濁させた。得られた細胞膜画分を、完全フロインドアジュバントとともにWistarラットのフッドパッド内に注射することにより初回免疫(0日)した。さらに該細胞膜画分抗原を7日目、14日目および28日目という間隔でフットパッド内に投与した。最後の免疫から2日後にリンパ節細胞を採取した。
該リンパ節細胞とマウスミエローマ細胞PAI(JCR No.B0113; Res. Disclosure, Vol.217, p.155, 1982)とを5:1で混合し、融合剤としてポリエチレングリコール4000(Boehringer Mannheim製)を用いて細胞融合させることによりモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作製した。ハイブリドーマの選択は、10%ウシ胎児血清とアミノプテリンを含有するHAT含有ASF104培地(味の素製)中で培養することにより行った。
各々のハイブリドーマの培養上清中に生成されたラットモノクローナル抗体のマウスAILIMに対する反応性を、各々の培養上清を、前記マウスAILIM発現CHO細胞に反応させた後、FITC標識抗ラットIgG(Cappel製)と反応させることにより染色された細胞の蛍光強度をEPICS-ELITEフローサトメーターで測定することにより確認した。この結果、マウスAILIMに反応性を有するモノクローナル抗体を産生する複数のハイブリドーマを得た。
それらのハイブリドーマの内の1つを「B10.5」と命名した。このハイブリドーマ(106乃至107個/0.5ml/マウス)を、ICR nu/nuマウス(雌、7乃至8週齢)の腹腔内に注射した。10乃至20日後、マウスを麻酔下で開腹し、常法に従って採取した腹水からラット抗マウスAILIMモノクローナル抗体B10.5(IgG1)を大量調製した。
<5-2-2> ヒト、マウス及びラット各々のAILIMに対する反応性
以下のELISAで用いる抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体及び対照抗体の濃度は、前記<5-1>のELISA及び検量線を基に決定した。
実施例1で作製したヒトAILIMを高発現する組換えCHO細胞、前記<5-2-1-1>で作製したマウスAILIM高発現組換えCHO細胞、及び前記<5-2-1-2>で作製したラットAILIM高発現組換えCHO細胞の各々(7×103細胞/ウェル)を、ELISA用96穴マイクロプレートの各ウェルに蒔き、37℃でconfluenetになるまで培養した。
次いで、上清を捨て、各ウェルに、前記で調製した各種の精製抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体または対照抗体(濃度:該抗体200μg/mlを1%BSA含有PBSで各々3倍、32倍、33倍、34倍、35倍、36倍、37倍、38倍、39倍、310倍、311倍、及び312倍に希釈したもの。)を50μl/well加え、室温下で2時間反応させた。余剰の該モノクローナル抗体を捨て、各ウェルを、1%BSA(Sigma製)を含有するリン酸緩衝液で3回洗浄した。
次いで、各ウェルに、西洋ワサビパーオキシダーゼ(Peroxidase)で標識した抗ヒトIgG(Fc)抗体(1,000倍希釈、50μl/well、American Quarex製)を加え、室温下で1時間インキュベートした。
余剰の該標識抗体をを捨て、マイクロプレートを、1%BSAを含有するリン酸緩衝液で3回洗浄後、基質緩衝液(50μl/ウェル。<組成>:オルトフェニレンジアミン(O-Phenylenediamine, OPD;20mg)/クエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0, 50ml)/30%過酸化水素水(15μl))を各ウェルに加え、室温下で約7分間インキュベートした。
次いで、2M硫酸(50μl/well)を各ウェルに加え、反応を止めた。波長490nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Bio-Rad製)で測定した。
なお、前記の対照抗体として下記の各々を用いて上記と同様にしてELISAを行った。
(1)ヒトAILIMに対するマウスモノクローナル抗体SA12または同SG430(日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例12)及び国際特許出願公開WO98/38216号(実施例12))。
(2)マウスAILIMに対するラットモノクローナル抗体B10.5(前記<5-2-1-3>)。
(3)ラットAILIMに対するマウスモノクローナル抗体JTT2(国際寄託番号FERM BP-5708を以って1996年10月11日付でブダペスト条約の下で認定された国際寄託機関である日本国通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託されているハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体。日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例1及び2)及び国際特許出願公開WO98/38216号(実施例1及び2))。
(4)ハイブリドーマ上清の代わりに、前記で調製したKLH(keyhole limpet hemocyanin、ピアース(PIERCE)社製)に対するヒトモノクローナル抗体。
なお、対照試験として、AILIM発現組換えCHO細胞の代わりに野生型CHO細胞下記の各々を用いて上記と同様にしてELISAを行った。
結果を図3乃至図14に示した。
得られたデータを基に、各々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIM(ヒトAILIM高発現組換えCHO細胞)、マウスAILIM(マウスAILIM高発現組換えCHO細胞)、及びラットAILIM(ラットAILIM高発現組換えCHO細胞)の各々への反応性の程度としての50%有効濃度(ED50:ng/ml)を下記のとおり算出した。
(A)ヒトAILIM高発現CHOに対するED50
AIF 34 (JMab-124) : 5.3ng/ml
AIF182 (JMab-126) : 3.6ng/ml
AIF348 (JMab-127) : 9.1ng/ml
AIF620 (JMab-128) : 10.1ng/ml
AIF1052(JMab-135) : 2.0ng/ml
AIH5D3 (JMab-136) : 7.5ng/ml
AIH386 (JMab-137) : 9.6ng/ml
AII289 (JMab-138) : 10.5ng/ml
AII394 (JMab-139) : 10.6ng/ml
AII488 (JMab-140) : 11.0ng/ml
AIJ 40 (JMab-141) : 3.7ng/ml
SA 12 : 1.8ng/ml
SG430 : 1.2ng/ml
(B)マウスAILIM高発現CHOに対するED50
AIF 34(JMab-124) : 42ng/ml
AIF348(JMab-127) : 81ng/ml
AIF620(JMab-128) : 100ng/ml
AII289(JMab-138) : 53ng/ml
AII394(JMab-139) : 60ng/ml
AII488(JMab-140) : 70ng/ml
(C)ラットAILIM高発現CHOに対するED50
AIF 34(JMab-124) : 45ng/ml
AIF348(JMab-127) : 62ng/ml
AIF620(JMab-128) : 97ng/ml
AII289(JMab-138) : 57ng/ml
AII394(JMab-139) : 90ng/ml
AII488(JMab-140) : 90ng/ml
この結果、本発明の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体が、ヒトAILIMに対して有意な特異性を有することが明らかとなった。
さらに、6つの抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(上記(B)及び(C))が、マウスAILIM及びラットAILIMのいずれにも反応性(結合性、交叉反応性)を有することを示すことが明らかとなった。
実施例6 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の抗原(ヒトAILIM)に対する親和性及び中和活性の測定
前記で作製した各種の精製抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIMとの結合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)及び解離定数(Kd)を、市販の測定キットBiacore X(Amersham-Pharmacia製)を用いて測定した。
<6-1> センサーチップ固定用抗原の調製
該キットのセンサーチップに固定する抗原として、ヒトAILIMの細胞外領域とヒトIgG1の定常領域(Fc)とからなる組換えキメラ抗原(以下、「ヒトAILIM-IgFc」という。)を調製した。
該ヒトAILIM-IgFcは、本発明者の一人である手塚の他の先の出願(日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例16(2))及び国際特許出願公開WO98/38216号公報(実施例16(2))の方法により調製したものをさらに精製することにより調製した。
該ヒトAILIM-IgFcを産生する組換え細胞の培養上清を、リン酸緩衝液(30ml)で平衡化したハイトラッププロテインGカラム(HiTrap affinity column Protein G、アマシャムファルマシア社製)に3ml/minで添加し、該培養上清中に含まれるヒトAILIM-IgFcをカラムに吸着させた。
次いで、リン酸緩衝液(20ml)でカラムを洗浄後、カラムに100mMのクエン酸緩衝液(pH2.0)を約1ml/minで加えヒトAILIM-IgFcを溶出させた。次いで、溶出液に750mMのTris-HClからなる溶液(pH9.0)を加え中和した後、リン酸緩衝液で透析(一晩)した。次いで、透析後の溶液を、フィルター(ミリポア社製)で濾過して精製抗ヒトAILIM-IgFcを得た。
なお、分光光度計を用いてA280での値を求め、蛋白濃度を算出した(1A280=1mg/ml)。その結果、0.28mg/mlのヒトAILIM-IgFcを得た。
また、ラットAILIMの細胞外領域とヒトIgG1の定常領域(Fc)とからなるキメラ蛋白(ラットAILIM-IgFc;日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例16(2))及び国際特許出願公開WO98/38216号公報(実施例16(2))の精製品も、上記と同様にして調製した。その結果、0.45mg/mlのラットAILIM-IgFcを得た。
<6-2> 親和性及び中和活性の測定
下記に述べる抗原(ヒトAILIM-IgFc)のセンサーチップへの固定化以外の操作は、市販の測定キットBiacore X(Amersham-Pharmacia製)に添付の取扱い説明書及び実験操作法に従って行った。
キットに付随のフローセル1(Flow Cell-1)に、HBS緩衝液(0.01MのHEPES、0.15MのNaCl、3mMのEDTA及び0.005%の界面活性剤P20を含有。pH7.0)を5μl/分で流し、次いで、0.005M NHS(N-Hydroxysuccinimide)と0.2M EDC(N-Ethyl-N'-(dimethylaminopropyl)carbodiimide)とからなる溶液(15μl)を添加し、センサーチップ表面に被覆されているCMのカルボキシル基を活性化させた。
次いで、23μlのヒトAILIM-IgFc(10μg/ml;10mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)に溶解させた。)を添加し、該ヒトAILIM-IgFcをセンサーチップに固定化した。次いで、未反応の活性化されたカルボキシル基は、35μlの1M Ethanol amine hydrochlorideを添加することによりブロックした。2回の固定化操作において、固定化されたヒトAILIM-IgFcの量は、各々2,444RU(resonance unit)及び2,213RUであった。なお、RUは、面積当たりの質量を示し、1RU=1pg/mm2である。
リファレンスとしてのフローセル2(Flow Cell-2)は、ヒトAILIM-IgFcを加えないで上記と同様にして処理することによりキャッピングした。
フローセル(センサーチップ)に、リン酸緩衝液を20μl/分の流速で流し、前記実施例で作製した各々の精製抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(10〜50μg/ml、60μl)を添加した。
測定は、結合相3分間及び解離相10分間を標準条件として行った。抗原に対する抗体の結合量並びに該抗原からの抗体の解離量を経時的に測定しセンサーグラムを得た。抗原に結合した抗体の解離は、PBSを20μl/minの流速でセンサーチップに流すことにより行った。
得られたセンサーグラムのデータに基づき、キットに付随の解析ソフト(BIAevaluation3.0)を用いて、結合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)及び解離定数(Kd;Kd=kd/ka)を算出した。
なお、前記実施例で調製したヒトAILIMに対するマウスモノクローナル抗体SA12及びSG430の抗原親和性及び中和活性についても上記と同様にして解析した。
各々の値を下記に示す。
<クローン名> <ka(1/M.Sec)> <kd[1/Sec]> <Kd(M)>
AIF 34 (JMab-124) 1.6×104 1.0×10-4 6.3×10-9
AIF182 (JMab-126) 3.2×104 2.8×10-5 8.8×10-10
AIF348 (JMab-127) 1.9×104 6.4×10-5 3.4×10-9
AIF620 (JMab-128) 1.1×104 1.1×10-4 1.0×10-8
AIF1052(JMab-135) 1.6×104 6.3×10-5 3.9×10-9
AIH5D3 (JMab-136) 2.8×104 4.9×10-6 1.8×10-10
AIH386 (JMab-137) 1.2×105 3.1×10-4 2.6×10-9
AII289 (JMab-138) 3.7×104 4.2×10-5 1.1×10-9
AII394 (JMab-139) 3.1×104 2.4×10-5 7.7×10-10
AII488 (JMab-140) 2.3×104 3.5×10-5 1.5×10-9
AIJ 40 (JMab-141) 1.9×104 1.9×10-5 1.0×10-9
SA 12 7.8×103 7.9×10-5 1.0×10-8
SG430 2.2×104 1.5×10-4 6.8×10-9
この結果からいずれの抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体及び抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体も、ヒトAILIMに対して極めて高い結合親和性及び中和活性を有していることが明らかとなった。
実施例7 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトT細胞に対するコスティミュレイトリーシグナル伝達活性
本発明の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体が、ヒトT細胞反応(IFN-γやIL-4などのサイトカインの産生、及び細胞増殖など)を制御(促進及び/または抑制)する能力を有するか否か、即ちAILIMを介したコスティミュレイトリーシグナル(co-stimulatory signal)の細胞内への伝達の制御能を有するか否かを、ヒトT細胞からのサイトカイン(IFN-γ及びIL-4)の産生量、並びに該ヒトT細胞の増殖の程度を指標に解析した。
<7-1> 抗体の希釈
抗ヒトCD3モノクローナル抗体OKT3(ATCC CRL-8001)を、リン酸緩衝液(PBS)で最終濃度8μg/mlとなるように希釈した。
前記で調製した各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の各々を、PBSで最終濃度が40μg/mlとなるように希釈した後、PBSでさらに各種濃度に希釈した(40μg/ml乃至0.0049μg/ml)。
<7-2> 抗体によりマイクロプレートのコーティング
96ウェルマイクロプレート(複数枚)の各ウェルに、(1)抗ヒトCD3モノクローナル抗体OKT3(8μg/mlを25μl/well)及び各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のいずれか(40μg/ml乃至0.0049μg/mlを25μl)、または(2)抗ヒトCD3モノクローナル抗体OKT3(8μg/mlを25μl/well)のみを加え、37℃で2時間インキュベーションした。次いで、抗体を捨て、各ウェルをPBSで3回洗浄した。洗浄後、各ウェルに、10%FCS含有RPMI1640培地(100μl/well)を加え、37℃で1時間インキュベーションして、上記(1)または(2)の抗体でプレートの各ウェルをコーティングした。
なお、対照抗体として、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに、下記の各々のモノクローナル抗体を用いて、上記と同様にしてプレートのコーティングを行った。
(1)ヒトAILIMに対するマウスモノクローナル抗体SA12または同SG430(日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例12)及び国際特許出願公開WO98/38216号(実施例12))。
(2)マウス抗ヒトCETPモノクローナル抗体JHC1(JMab109とも別称する。日本特許出願公開第9-20800号公報)。
(3)抗KLHヒトモノクローナル抗体(JMab23とも別称する。前記実施例)。
これらの抗体コーティングマイクロプレートを以下の試験で用いた。
<7-3> ヒトT細胞懸濁液の調製
健常人(5人;ドナーA, B, C, D及びE)の各々の末梢血を採取し、LymphoPrep(Nycomed製)を用いた密度勾配遠心により単核球を分画した。実験操作マニュアルに従い、Pan-T cell Isolation Kit(Miltenyi製)及びマグネティックソーターを用いて、該ヒト単核球からヒトT細胞を分離取得した。該T細胞の細胞数を、血球計算盤により計数した。該ヒトT細胞を、10%FCS含有RPMI1640培地中に懸濁しヒトT細胞懸濁液(1×106細胞/ml)を調製した。
<7-4> 細胞培養
(1)抗ヒトCD3抗体と抗ヒトAILIM抗体をコートしたマイクロプレートでの培養
前記の抗体コーティングマイクロプレートの各ウェルに、ヒトT細胞懸濁液(ドナーA, B, C, D及びE;100μl/well;1×105cells/well)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で3日間培養した。
培養後、後述の試験(IFNγの定量)での使用の目的で、培養上清(50μl)を分取しマイナス20℃で保存した。該培養上清のサンプリング後の各々のマイクロプレートを以下の試験に用いた。
(2)抗ヒトCD3抗体のみをコートしたマイクロプレートでの培養
前記の抗体コーティングマイクロプレートの各ウェルに、ヒトT細胞懸濁液(ドナーD;100μl/well;1×105cells/well)を加えた後、各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のいずれか(40μg/ml乃至0.0049μg/mlを25μl)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で3日間培養した。
<7-5> T細胞増殖活性の測定
前記の培養後の各プレートの各ウェルに、methyl[3H]thymidine(0.5μCi/well;Amersham Pharmacia製)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で6時間インキュベーションした。培養後、セルハーベスターを用いて、細胞をGF/Cフィルター(Packard製)上にトラップした。次いで、フィルターを、40℃で3時間以上乾燥させた後、Microscinti 0(20μl/well;Packard製)を加えた。βカウンター(TOP COUNT)を用いて、フィルター上にトラップされた細胞に取込まれている3Hの放射活性を測定し、培養後のT細胞の増殖の程度を解析した。
結果を図15乃至図39に示す。
本試験の結果、抗ヒトAILIMモノクローナル抗体(ヒトモノクローナル抗体またはマウスモノクローナル抗体)を抗ヒトCD3抗体とともにコートしたマイクロプレートを用いた場合には、ヒトT細胞の濃度依存的な有意な増殖が認められた。また、該細胞増殖の程度は、ドナー間でいくらかの差が見られた。
一方、抗ヒトCD3抗体のみをコートしたプレートを用いて、抗ヒトAILIMモノクローナル抗体(ヒトモノクローナル抗体またはマウスモノクローナル抗体)を溶液の状態(液相)で細胞培養系に加えて培養した場合には、ヒトT細胞の有意な増殖は認められなかった。
<7-6> T細胞の培養上清中のIFNγの量の測定
前記<7-4>の(1)の各々のT細胞の培養系(ドナーB及びにC)ついて、培養上清に含まれるIFNγの量を、市販のhuman IFNγ ELISA KIT(Amersham Pharmacia製;Endogen製)を用いて測定した。
結果を図40乃至図47に示す。
本試験の結果、抗ヒトAILIMモノクローナル抗体(ヒトモノクローナル抗体またはマウスモノクローナル抗体)の濃度に依存した有意なIFNγの産生増加が認められた。
実施例8 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の混合リンパ球反応(MLR)の制御活性
本発明の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体が、T細胞反応(IFN-γやIL-4などのサイトカインの産生、及び細胞増殖など)を制御(促進及び/または抑制)する能力を有するか否か、即ちAILIMを介したコスティミュレイトリーシグナル(co-stimulatory signal)の細胞内への伝達の制御能を有するか否かを、アロジェニック混合リンパ球反応(allogenic mixed lymphocyte reaction; allogenic MLR)におけるT細胞の増殖(即ち、細胞内でのDNA合成)を制御する活性の有無を指標に解析した。
<8-1> ヒトPBMC及びT細胞の調製
健常人(7人;ドナーA, B, C, D, E, F及びG)の各々から採取した各々の末梢血(200ml)を、マイクロチューブ(50ml;Falcon製)に分注したLymphoprep(15ml;Nycomed製)に重層した。次いで、遠心分離(1600回転、10分)の後、中間層を回収した。回収した細胞を、リン酸緩衝液で2倍以上に希釈した後、遠心分離(1,800回転、10分)して、PBMC(末梢血単核球細胞;2×108〜5×108細胞)を調製した。血球計数板を用いて細胞数を計数し、MLR試験に必要な細胞数(1.08×108細胞/9マイクロプレート)を分取し、氷上に保存した。残りの細胞は、以下のT細胞の分離に用いた。
PBMCからのT細胞の分離には、PanT Isolationキット(Miltenyi Biotech製)を用いた。該キットの添付の実験操作マニュアルに従って、該残りのPBMCを、該キットに付属の溶液に添加し、反応させた。次いで、細胞を5mMのEDTA及び0.5%BSA含有PBSで洗浄した後、該PBS中に再懸濁した。次いで、該細胞懸濁液を、該PBSで膨潤させたPositive Selection Column VS+(Miltenyi Biotech製)に添加し、非吸着画分を回収した。また、該カラムに該PBSを添加して、洗浄液を回収した。同様の操作を再度行った。回収液を併せて、T細胞画分とした。該T細胞画分を、遠心した後、該PBS中に再懸濁した。得られたT細胞の細胞数を、血球計数板を用いて計数し、以下の試験に用いた。
<8-2> 混合リンパ球反応(MLR)
先に述べたとおり、T細胞等のリンパ球の活性化に必要なコスティミュレイトリーシグナルの伝達経路には、既に比較的十分な解析がなされているCD28とCD80(B7-1)/CD86(B7-2)との間のシグナル伝達経路、及びCTLA4とCD80(B7-1)/CD86(B7-2)との間のシグナル伝達経路の2つの経路が知られている。
即ち、混合リンパ球反応(MLR)におけるT細胞の増殖は、該既知の2つの経路を介するシグナル伝達によっても誘導される。
従って、本試験では、下記の被験物質を用いて、(1)CTLA4を介するシグナル伝達経路の遮断によるMLRの抑制、(2)CD80(B7-1)/CD86(B7-2)を介するシグナル伝達経路の遮断によるMLRの抑制、(3)CTLA4を介する経路及びCD80(B7-1)/CD86(B7-2)を介するシグナル伝達経路の両方の遮断によるMLRの抑制、(4)AILIMが担う第3のシグナル伝達経路の遮断によるMLRの抑制、及び(5)CTLA4を介する経路及びAILIMを介する経路の両方の遮断によるMLRの抑制の各々について解析した。
下記を、被験物質として用いた。
(1)抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(前記実施例で調製)。
(2)抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体SA12(前記実施例に同じ)。
(3)抗KLHヒトモノクローナル抗体(陰性対照;前記実施例に同じ)。
(4)マウスIgG抗体(抗ヒトCD34;陰性対照;Immunotech製)。
(5)抗ヒトCD80モノクローナル抗体(Pharmingen製)と抗ヒトCD86モノクローナル抗体(Pharmingen製)との混合物。
(6)ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子(Ancell製)。
前記<8-1>で得た各ドナーから調製したPBMC及びT細胞を用いて、下記の6通りの組み合わせによる混合リンパ球反応(MLR)を行った。
(i) T細胞(ドナーA)/PBMC(ドナーD)
(ii) T細胞(ドナーD)/PBMC(ドナーB)
(iii)T細胞(ドナーC)/PBMC(ドナーA)
(iv) T細胞(ドナーE)/PBMC(ドナーG)
(v) T細胞(ドナーF)/PBMC(ドナーE)
(vi) T細胞(ドナーG)/PBMC(ドナーF)
試験に用いるPBMC及びT細胞は、下記の濃度に調整した。
PBMCをPBS中に分散した後、培養皿(60mm)移し、放射線照射装置(日立メディコ製)でX線照射(50Gy)した。細胞を回収して遠心した後、10%FCS含有RPMI1640培地に加え、細胞数を、2×105細胞/50μlに調整した。
また、上記で得た各々のドナーからのT細胞を、10%FCS含有RPMI1640培地に加え、細胞数を、1×105細胞/50μlに調整した。
<8-2-1> MLRに対する抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体によるMLRの抑制
96穴U底マイクロプレートのの各ウェルに10%FCS含有PRMI1640培地を加えた後、10%FCS含有RPMI1640培地で各種濃度に希釈した抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体または抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体SA12の溶液を加えた(最終濃度:0、0.31、1.25、5及び20μg/ml)。次いで、T細胞(50μl)を加え、CO2インキュベーター(NAPCO製)内で、37℃で1時間培養した。反応終了後、別のドナー由来のPBMC(50μl)を加え、MLRを開始させた。
なお、被験物質として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体以外(上記(3)乃至(6))を用いた場合のMLRは、PBMCと該被験物質との培養の後に、別のドナー由来のT細胞を加えて反応を行った。
培養の5日目に、各ウェルに、10%FCS含有RPMI1640培地で希釈したトリチウム標識チミジン(3H-Thymidine;20μl;1μCi/well)を添加した後さらに1日培養して。培養後、Cell Harvester(Packard製)を用いて細胞を回収し、βカウンター(TOP COUNT;Packard製)を用いて、細胞に取込まれている3Hの放射活性を測定し、培養後のT細胞の増殖の程度を解析した。
結果を図48乃至図59に示した。
<8-2-2> 予めCTLA4を介するシグナル伝達を遮断した系でのMLRに対する抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体によるMLRの抑制
96穴U底マイクロプレートの各ウェルに10%FCS含有PRMI1640培地を加えた後、10%FCS含有RPMI1640培地で各種濃度に希釈した抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体または抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体SA12の溶液を加えた(最終濃度:0、0.31、1.25、5及び20μg/ml)。次いで、T細胞(50μl)を加え、CO2インキュベーター(NAPCO製)内で、37℃で1時間培養した。
該T細胞の培養とは別に、別のドナー由来のPBMC(10%FCS含有RPMI1640培地中)にヒトCTLA4-IgFcを加え、CO2インキュベーター(NAPCO製)内で、37℃で1時間培養した。なお、該CTLA4-IgFcの濃度は、MLRの開始の時点で20μg/mlとなるように調整した。
次いで、上記T細胞の培養系に、該PBMC(50μl)を加え、MLRを開始させた。
なお、被験物質として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体以外(上記(3)乃至(5))を用いた場合のMLRは、上記と同様にしてCTLA4-IgFcとともに培養して得たPBMCと該被験物質との培養の後に、別のドナー由来のT細胞を加えて反応を行った。
培養の5日目に、各ウェルに、10%FCS含有RPMI1640培地で希釈したトリチウム標識チミジン(3H-Thymidine;20μl;1μCi/well)を添加した後さらに1日培養して。培養後、Cell Harvester(Packard製)を用いて細胞を回収し、βカウンター(TOP COUNT;Packard製)を用いて、細胞に取込まれている3Hの放射活性を測定し、培養後のT細胞の増殖の程度を解析した。
結果を図60乃至図69に示した。
上記2つの試験の結果、下記が明らかとなった。
(1)CTLA4-IgFcは、CTLA-4を介するシグナル伝達を遮断することによりアロジェニックMLRによるT細胞の増殖が抑制する。
(2)抗CD80抗体及び抗CD86抗体は、CTLA4及びCD28のリガンドであるCD80/CD86を介するシグナル伝達を阻害することによりアロジェニックMLRによるT細胞の増殖を抑制される。
(3)CTLA4-IgFc、抗CD80抗体及び抗CD86抗体と同様に、ヒトAILIMに対するモノクローナル抗体が抗体濃度依存的に、AILIMを介するシグナル伝達によるアロジェニックMLRでのT細胞の増殖を有意に抑制する。
この結果は、即ち、T細胞の活性化に必要なコスティミュレイトリーシグナルの伝達経路には、既知のCTLA4/CD80/CD86を介する経路及びCD28/CD80/CD86を介する経路の他に、AILIMとそのリガンドを介する第3の経路が存在すること、並びに該AILIMを介するシグナル伝達経路が、AILIMに対する抗体により阻害されることを示すものである。
さらに、該シグナル伝達におけるAILIMを介する経路の貢献度は、CTLA4/CD80/CD86を介する経路及びCD28/CD80/CD86を介する経路のそれと同程度である可能性が示された。
実施例9 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の抗体依存性細胞性障害(ADCC)の誘導活性
抗体が引き起こす生物活性の一つに、抗体依存性細胞性障害(antibody-dependent cellular cytotoxicity;ADCC)の誘導がある。ADCCとは、リンパ球、マクロファージあるいは多形核白血球のような効果細胞(effector cells)により引き起こされる標的細胞(target cell)の細胞障害作用において、該効果細胞と該標的細胞に加えて、その細胞障害が誘導されるために抗体を必要とする細胞障害作用である。
本発明の抗ヒトAILIMモノクローナル抗体のADCC誘導活性の有無を下記のようにして解析した。
前記実施例で調製したヒトAILIM高発現組換えHPB-ALL細胞の培養系に、51Cr(0.1mCi/106細胞;Amersham-Pharmacia製)を添加し、37℃で2時間インキュベートした後、RPMI1640培地で8回洗浄して得た放射性標識細胞を、標的細胞(Target Cell)として用いた。
なお、対照試験での使用のために、野生型ヒトHPB-ALL細胞を上記と同様にして放射性標識した。
健常人から採取した末梢血から、Lymphosepar I(IBL製)を用いて、PBMC画分を分離した。得られたヒトPBMCを効果細胞(Effector cell)として用いた。
96穴U底マイクロプレート(Nunc製)に、該標的細胞(1×104cells/well;25μl/well)を蒔いた。次いで、各ウェルに、5%FBS含有RPMI1640培地で希釈した各種濃度の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(0.0001〜1.0μg/ml;25μl/well)、該培地のみ(25μl/well)または1%Nonidet P-40(25μl/well;細胞膜溶解活性を有する界面活性剤)を加え、室温で20分間培養した。
なお、陽性対照として、抗ヒトAILIM抗体の代わりに抗ヒトCD3モノクローナル抗体OKT3(ATCC CRL-8001)を用いて上記と同様にして培養した。
次いで、各ウェルに効果細胞(E/T ratio=50;1×105cells/well;50μl/well)を加え、5%CO2インキュベーター内で37℃で16時間培養した。
培養の後、遠心分離(1,500rpm;4℃;10分)して、遠心上澄を回収した。該遠心上澄中の放射活性をガンマカウンターを用いて測定した。該放射活性は、ADCCによる細胞膜の傷害により培養上清中に放出された51Crの量を示す。
培地のみでのアッセイでの放射活性を細胞膜障害率ゼロ(0)とし、またNonidet添加でのアッセイでの方社活性を細胞膜障害率100%とし、抗AILIM抗体または抗CD3抗体により誘導されるADCCによる細胞膜障害率(細胞溶解率)(%)を算出した。
結果を図70及び図71に示す。
本試験の結果、本発明の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体は、濃度依存的なADCC誘導活性を有していた。
実施例10 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の遺伝子配列及びアミノ酸配
列の決定及び解析
前記実施例で作製された種々のヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体を構成する重鎖(Heavy Chain)コードするcDNA配列、並びに軽鎖(Light Chain)をコードするcDNA配列を下記のようにして決定するとともに、該遺伝子の構造的特徴を解析した。
前記実施例で作製したヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(クローン:AIH5D3(JMab-136), AII289(JMab-138)及びAII394(JMab-139))の各々から、Quick Prep mRNA Purification Kitキット(Amersham Pharmacia製)を用いてPolyA+RNAの抽出、精製した。
該ハイブリドーマを、細胞溶解緩衝液(Lysis Buffer)に溶解し、シリンジにより細胞を破壊し、可溶化させた。該可溶化物にOligo(dT) resinを加え緩やかに振盪した。次いで、Oligo(dT) resinを洗浄後、PolyA+RNAをEllution Bufferで溶出させた。溶出したPolyA+RNAをエタノール沈殿させ、Tris-EDTA緩衝液に溶解した。得られたPolyA+RNAの濃度を、260nmの波長での吸光度を測定することにより決定した。
得られたPolyA+RNAを鋳型とし、市販のcDNA synthesis キット(GIBCOBRL製)および合成オリゴDNA NotI-T(配列番号1)をプライマーとして用いたM-MLV Reverse Transcriptase法により二本鎖cDNAを合成した。
即ち、ハイブリドーマから精製したPolyA+RNA(約5μg)を鋳型として、該プライマー(約400pmole)及びM-MLV Reverse Transcriptaseを加えた溶液中(約50μl)で37℃で1時間反応させ一本鎖cDNAを合成した。次いで、反応溶液(4μl)に、dNTP、DNA polymerase I、RNaseH、DNA ligase、緩衝液及び蒸留水を加えて16℃で2時間反応させ二本鎖cDNAを合成した。得られた二本鎖cDNAを、フェノール/クロロホルムで抽出した後、エタノール沈殿させた。
次いで、TE緩衝液に溶解した該二本鎖cDNA(約50μl)に、EcoRIリンカーDNA(約300pmole)及びDNAリガーゼ(Ligation High;33μl;TOYOBO製)を加え、16℃で約80分反応させて、該cDNAにリンカーDNAを連結した。なお、該リンカーDNAは、5'末端をリン酸化したオリゴDNA(20adp;配列番号2)とオリゴDNA(24adp;配列番号3)を常法に従ってハイブリダイズさせて調製した二本鎖DNAを用いた。
得られた反応物をフェノール/クロロホルムを用いて抽出した後、エタノール沈殿させた。次いで、該DNA反応物を、市販の制限酵素NotI(TOYOBO製)を用いて消化した後、市販のATP溶液(GIBCO BRL製)とT4キナーゼ(TOYOBO製)と反応させ(37℃で30分)その5'末端をリン酸化した。
得られたDNA反応物エタノール沈殿した後、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分画し約500bpから2000bpのDNAを含むゲルを切り出した。該ゲルの切り出しは、エチジウムブロマイド染色及び紫外線照射下での写真撮影により行った。
切り出したゲルを、粉砕した後TE緩衝液に懸濁させ、遠心分離して遠心上澄を回収した。
回収した該DNAと市販のラムダファージベクターλEXcell(0.25μg;Amersham Pharmacia製)を、市販のDNA Ligase(Ligation High;TOYOBO製)の存在下で反応させ(16℃、30分)連結させた。次に該DNA反応物を市販のラムダファージパッケージングキットGigapack III Gold(STRATAGENE製)を用いてラムダファージとし、大腸菌NM522を宿主としてcDNAライブラリーを作製した。なお、全ての操作は、該キットに添付の実験操作説明書に従って行った。
次いで、プラークハイブリダイゼーション法(マニアティス(Maniatis)ら、Molecular Cloning: A Labolatory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York)に従い、該cDNAライブラリーのスクリーニングを下記のようにして行った。
該cDNAライブラリー(1×104個プラーク)を寒天プレートに蒔き、ハイボンド-N ナイロンメンブラン(Hybond-N nylon menbrane、Amersham Pharmacia製)を用いてレプリカを作製した。このレプリカを、γ32P-ATPで標識したプローブを用いて、ハイブリダイゼーション緩衝液中でのプラークハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。抗体軽鎖については、プローブHIGLC(配列番号4)を、また抗体重鎖については、プローブNHCc2(配列番号5)を用いた。1次スクリーニング及び2次スクリーニングにより同定した陽性クローンの各々をシングルプラークで単離した。
各々の陽性クローンのファージ溶液を鋳型DNAとし、一つのPCR用プライマー及びTaq PCRキット(TAKARA製)を用いたPCRにより抗体重鎖及び抗体軽鎖の各々を増幅した。抗体軽鎖のプライマーには、ExcellE(配列番号6)及びck117(配列番号7)を、抗体重鎖のプライマーにはExcellE(配列番号6)及びNHCc2(配列番号5)を用いた。PCR産物は常法によりアガロースゲル電気泳動にて分画し重鎖及び軽鎖ともに約600bpの大きさのDNAを含むゲルを切り出した。該ゲルから精製したDNAの塩基配列を、DNA Sequencer(373A;PE-Applied Biosystems製)、ABI PRISM Sequencing Software(PE-Applied Biosystems製)及びABI PRISM Auto Assembler(PE-Applied Biosystems製)を用いて解析し、各々の陽性クローンが十分な塩基長のDNAを有することを確認した。
各々の陽性クローンのプラークのλファージを、大腸菌NP66に感染させ、プラスミドDNAを放出させた後、アンピシリンを含有するプレート上に蒔きコロニーを形成させた。次いで、該コロニーから常法に従って回収した精製プラスミドDNAで大腸菌JM109を形質転換した。次いで、形質転換細胞をアンピシリンを含む栄養培地に蒔きコロニーを形成させた。
次いで、アンピシリンを含むLB培地中に懸濁させた各々のコロニーの懸濁液を、液体栄養培地中で37℃で24時間培養した。培養液から菌体を集め、プラスミド精製キット(Quiagen製)を用いてプラスミドDNAを精製した。各々の精製プラスミドDNAを制限酵素EcoRI/NotIで消化し、ベクターDNAと挿入DNA(重鎖cDNAまたは軽鎖cDNA)の存在を確認した。
各々の精製プラスミドに挿入されている抗体重鎖または抗体軽鎖の各々をコードするcDNAの塩基配列を、常法に従って、DNA Sequencer(377A;PE-Applied Biosystems製)、ABI PRISM Sequencing Software(PE-Applied Biosystems製)及びABI PRISM Auto Assembler(PE-Applied Biosystems製)を用いて決定した。
なお、本配列決定においては、下記のプライマーを使用した。
<重鎖cDNAの配列解析に用いたプライマー>
M13Rプライマー(配列番号8;STRATAGENE製)、ExcellE(配列番号6)、136H(配列番号9)、138/9H(配列番号10)、AILIMHC1(配列番号11)、HCc1(配列番号12)、NHCc2(配列番号5)、HCc7(配列番号13)、HCc8(配列番号14)、HCc3(配列番号15)、HCc4(配列番号16)、HCc6(配列番号17)、HIGHC(配列番号18)、HCc9(配列番号19)、HCc5(配列番号20)及びpolyA(配列番号21)。
<軽鎖cDNAの配列解析に用いたプライマー>
M13Rプライマー(配列番号8;STRATAGENE製)、ExcellE(配列番号6)、AILIMLC1(配列番号22)、AILIMLC2(配列番号23)、LCc1(配列番号24)、ck117(配列番号7)、HIGLC(配列番号4)、LCc2(配列番号25)、HIK(配列番号26)、及びpolyA(配列番号21)。
前記の各々のハイブリドーマが産生するヒトAILIMに対するヒトモノクローナル抗体の重鎖をコードするcDNA配列、軽鎖(Light Chain)をコードするcDNA配列、並びに該各々のcDNA配列から演繹されるアミノ酸配列を下記のとおり配列表に示した。
クローンAIH5D3(JMab-136)
<重鎖>
DNA配列 :配列番号27(シグナル配列:塩基番号69乃至125、V領域:塩基番号126乃至419)
アミノ酸配列:配列番号28(シグナル配列:アミノ酸番号1乃至19、可変領域:アミノ酸番号20乃至118を含む。)
<軽鎖>
DNA配列 :配列番号29(シグナル配列:塩基番号39乃至104、V領域:塩基番号105乃至386)
アミノ酸配列:配列番号30(シグナル配列:アミノ酸番号1乃至22、可変領域:アミノ酸番号23乃至116を含む)
クローンAII289(JMab-138)
<重鎖>
DNA配列 :配列番号31(シグナル配列:塩基番号94乃至150、V領域:塩基番号151乃至441を含む。)
アミノ酸配列:配列番号32(シグナル配列:アミノ酸番号1乃至19、可変領域:アミノ酸番号20乃至116を含む。)
<軽鎖>
DNA配列 :配列番号33(シグナル配列:塩基番号28乃至87、V領域:塩基番号88乃至375を含む。)
アミノ酸配列:配列番号34(シグナル配列:アミノ酸番号1乃至20、可変領域:アミノ酸番号21乃至116を含む)
クローンAII394(JMab-139)
<重鎖>
DNA配列 :配列番号35(シグナル配列:塩基番号96乃至152、V領域:塩基番号153乃至443)
アミノ酸配列:配列番号36(シグナル配列:アミノ酸番号1乃至19、可変領域:アミノ酸番号20乃至116を含む。)
<軽鎖>
DNA配列 :配列番号37(シグナル配列:塩基番号33乃至92、V領域:塩基番号93乃至380)
アミノ酸配列:配列番号38(シグナル配列:アミノ酸番号1乃至20、可変領域:アミノ酸番号21乃至116を含む。)
決定された各々のDNA配列を基に、遺伝子配列解析ソフトウェアーを用いて、Tomlinsonらにより作成されたヒトイムノグロブリンの可変領域遺伝子のライブラリーV BASE Sequence(Immunol. Today, Vol.16, No.5, p.237-242, 1995)を検索した。
その結果、上記ヒトモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖の各々のV領域遺伝子は、各々下記のセグメントから構成されていた。
<重鎖V領域遺伝子>
クローンAIH5D3(JMab-136): 1-02
クローンAII289(JMab-138): 3-13
クローンAII394(JMab-139): 3-13
<軽鎖V領域遺伝子>
クローンAIH5D3(JMab-136): L5
クローンAII289(JMab-138): A27
クローンAII394(JMab-139): A27
実施例11 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の遅延型過敏症(delayed-type
hypersensitivity;DTH)の抑制効果
生体にとって有害な抗原(ウイルス、細菌及び寄生虫などの病原微生物や外来異物など)を排除しようとする生体の免疫応答システムは、自然免疫応答と獲得免疫応答(後天性免疫)に大別される。
前者は、食細胞(多形核白血球、単球、マクロファージなど)による貪食、ナチュラルキラー(NK)細胞による攻撃、及び補体による抗原のオプソニン化などのような非特異的な認識による排除機構である。
後者の獲得免疫応答は、該抗原に対する特異性を獲得(活性化)したリンパ球(主にT細胞、B細胞)による排除機構である。
獲得免疫応答は、細胞性免疫と体液性免疫にさらに大別される。
細胞性免疫は、抗体依存性の体液性免疫とは異なり、主としてT細胞が直接標的である抗原に作用して発現される免疫反応である。細胞性免疫は、ウイルスや腫瘍に対する免疫反応、組織や臓器の移植後に惹起される免疫反応、ある種の薬物アレルギー、及び一部の自己免疫疾患などに関与していることが分かっている。
この細胞性免疫の最も代表的な現象として、ツベルクリンアレルギー(ツベルクリン過敏症とほぼ同義)がよく知られている。ツベルクリンアレルギーは、結核菌の感染にともなって成立する遅延型アレルギーであり、結核菌の培養液中に生成されるツベルクリン蛋白質を生体の皮内に注射して免疫反応を惹起することにより誘導される。
遅延型アレルギーは、抗原により感作されたT細胞(抗原を記憶したメモリーT細胞)により仲介されるアレルギーであり、抗原に感作された生体は同抗原と再接触した際に起こる当該メモリーT細胞による炎症を伴うアレルギー反応に発現に24乃至48時間を要することから遅延型と呼ばれている。
遅延型アレルギーの代表例であるツベルクリンアレルギーの現象は、動物が結核菌による感作が成立しているか否かの有無の診断のための「ツベルクリンテスト」に普遍的に応用されている。即ち、結核菌の培養液から精製したツベルクリン蛋白質である精製ツベルクリン(purified protein derivative; PPD;一般診断においては、0.05μg/0.1ml(2.5TU)を0.1ml))を動物の皮内に投与し、投与後48時間に投与部位の皮膚の発赤の長径を測定してその長径により結核菌の感染の有無を診断する方法である。発赤の長径が4mmまでを陰性、4〜9mmを疑陽性、及び10mm以上を陽性としている。
細胞性免疫により惹起される遅延型アレルギーとしては、上記の結核菌由来ツベルクリンアレルギーのような感染病原体抗原に対するアレルギーの他に、微量の蛋白質などに対して一過性に出現するジョーンズ・モート型遅延型アレルギー、塩化ピクリルなどの薬物や漆などの植物毒に対する接触性アレルギー、あるいは同種移植片の移植で見られる移植拒絶に関与するアレルギーなどが挙げられる。
本試験においては、上述のツベルクリンテストを応用して、抗AILIM抗体の遅延型過敏症(遅延型アレルギー)の抑制効果を評価した。試験は下記のようにして行った。
ウシ型結核菌の弱毒生菌であるBCG(Bacille de Calmette et Guerin)の免疫感作が成立しているのカニクイザル(雄、体重:6.0乃至8.5kg、環境バイリス研究所製)の各々(各群3匹)を塩酸ケタミン(10mg/kg、筋肉内投与)で麻酔した後、下記のいずれかの試験試料を、0.1ml/1投与部位(6投与部位/匹)の濃度で胸部表皮内に投与した。なお、試料を投与する各部位の間隔を3cm以上離した。
(1)抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(JMab-136;0.2mg;10μg/1投与部位)とツベルクリン(4μg/生理食塩水1ml)の1:1の混合溶液。
(2)抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(JMab-136;2mg;100μg/1投与部位)とツベルクリン(4μg/生理食塩水1ml)の1:1の混合溶液。
(3)対照としてのリン酸緩衝液(PBS(-))。
(4)陽性対照としての市販のステロイド抗炎症剤プレドニゾロン(Prednisolone;0.2mg;10μg/1投与部位)とツベルクリン(4μg/生理食塩水1ml)の1:1の混合溶液。
(5)陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体(実施例<2-2>;0.2mg;10μg/1投与部位)とツベルクリン(4μg/生理食塩水1ml)の1:1の混合溶液。。
各試料の投与から24時間後に各投与部位の発赤の長径及び短径を測定し発赤の面積を算出した。
結果を図72に示した。
この結果、抗AILIM抗体を投与したいずれの群においても、対照及び陰性対照に比べ、遅延型アレルギーによる発赤が有意に抑制された。また、その抑制効果は、陽性対照であるステロイド性抗炎症剤と同程度であった。
実施例12 移植片対宿主病(GVHD)患者の各組織でのAILIMの発現の解析
ドナーから同種移植を受けた後に臨床的に急性または慢性の移植片対宿主病(graft versus host disease;GVHD)と診断されたレシピエントである患者から採取した種々の生検組織でのAILIMの発現の有無を、常法に従って前記実施例で作製した抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(JMab-36)を用いたHE染色法により組織染色することにより分析した。
急性GVHD患者(28例)の種々組織から採取した33検体並びに慢性GVHD患者(5例)より5検体について解析した。
その結果、急性GVHD患者については、皮膚組織では29検体中の15検体がAILIM陽性、胃組織では3検体中1検体がAILIM陽性、また結腸組織では1検体中1検体がAILIM陽性であった。慢性GVHD患者においては、皮膚組織では3検体中1検体がAILIM陽性であり、また結腸組織では2検体中2検体がAILIM陽性であった。さらに、リンパ球細胞の浸潤が著明な検体では、13検体中10検体がAILIM陽性であった。
実施例13 抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のサルT細胞に対するコスティミュレイトリーシグナル伝達活性
実施例7では、本発明の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体が、ヒトT細胞反応の制御能、具体的にはAILIMを介したコスティミュレイトリーシグナルの細胞内への伝達を制御することによるヒトT細胞を増殖促進させることを実証した。そこで、、本試験においては該ヒトモノクローナル抗体のサルのT細胞に対する細胞増殖促進能の有無を実施例7と同様にして解析した。
<13-1> 抗体の希釈
抗ヒトCD3モノクローナル抗体SP34(BD-Pharmingen製)を、リン酸緩衝液(PBS)で最終濃度1μg/mlとなるように希釈した。
前記で調製した抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMAb136を、PBSで最終濃度が40μg/mlとなるように希釈した後、PBSでさらに各種濃度に希釈した(40μg/ml乃至0.064μg/ml)。
<13-2> 抗体によりマイクロプレートのコーティング
96ウェルマイクロプレート(複数枚)の各ウェルに、抗ヒトCD3モノクローナル抗体SP34(1μg/mlを25μl/well)及び抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMAb136(40μg/ml乃至0.064μg/mlを25μl)、37℃で2時間インキュベーションした。次いで、抗体を捨て、各ウェルをPBSで3回洗浄した。洗浄後、各ウェルに、10%FCS含有RPMI1640培地(100μl/well)を加え、37℃で1時間インキュベーションして、上記抗体でプレートの各ウェルをコーティングした。
なお、対照抗体として、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに、抗KLHヒトモノクローナル抗体(JMab23とも別称する。前記実施例)を用いて、上記と同様にしてプレートのコーティングを行った。
これらの抗体コーティングマイクロプレートを以下の試験で用いた。
<13-3> サルT細胞懸濁液の調製
カニクイザルの末梢血を採取し、NycoPrep1.077A(Nycomed製)を用いた密度勾配遠心により単核球を分画した。実験操作マニュアルに従い、抗ヒトCD4抗体M-T477(BD-Pharmingen製)、抗ヒトCD8抗体RPA-T8(BD-Pharmingen製)、抗マウスIgGマイクロビーズ(Miltenyi製)及びマグネティックソーターを用いて、該カニクイサル単核球からサルT細胞を分離取得した。該T細胞の細胞数を、血球計算盤により計数した。該サルT細胞を、10%FCS含有RPMI1640培地中に懸濁しサルT細胞懸濁液(1×106細胞/ml)を調製した。
<13-4> 細胞培養
(1)抗ヒトCD3抗体と抗ヒトAILIM抗体をコートしたマイクロプレートでの培養
前記の抗体コーティングマイクロプレートの各ウェルに、サルT細胞懸濁液(100μl/well;1×105cells/well)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で2日間培養した。
培養後、各々のマイクロプレートを以下の試験に用いた。
<13-5> T細胞増殖活性の測定
前記の培養後の各プレートの各ウェルに、methyl[3H]thymidine(0.5μCi/well;Amersham Pharmacia製)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で6時間インキュベーションした。培養後、セルハーベスターを用いて、細胞をGF/Cフィルター(Packard製)上にトラップした。次いで、フィルターを、40℃で3時間以上乾燥させた後、Microscinti 0(20μl/well;Packard製)を加えた。βカウンター(TOP COUNT)を用いて、フィルター上にトラップされた細胞に取込まれている3Hの放射活性を測定し、培養後のT細胞の増殖の程度を解析した。
結果を図73に示す。
本試験の結果、抗ヒトAILIMモノクローナル抗体(ヒトモノクローナル抗体またはマウスモノクローナル抗体)を抗ヒトCD3抗体とともにコートしたマイクロプレートを用いた場合には、サルT細胞の濃度依存的な有意な増殖が認められた。
この結果は、また本発明の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体が、サルのAILIMにも結合しサルのAILIMの機能を制御する活性を有することを示すものである。
実施例14 AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定、定量する方法の
構築
AILIM(ICOS)に結合する物質あるいはAILIMリガンド(B7h/B7RP1/GL50/LICOS)を同定または定量可能なELISA(Enzyme-linked Immuno solvent assay)を構築した。
下記に一例として詳述する方法は、当該物質が可溶性ヒトAILIM(hAILIM-IgFc)と可溶性ヒトAILIMリガンド(hB7h-IgFc)の結合を阻害する程度をELISAにより評価することを原理とする。
<14-1> 試料
以下の試料を用いた。
(1)Streptavidin-HRP(Southern Biotechnology Associates,Inc.製)。
(2)可溶性ヒトAILIMリガンド(ヒトB7hの細胞外領域とヒトIgG1の定常領域とからなる融合タンパク)
次項<14-2>のようにして作製した。
(3)ビオチン標識可溶性AILIM-IgFc
本発明者の一人である手塚の他の先の出願(日本国特許出願公開11-29599号公報(実施例16(2))及び国際特許出願公開WO98/38216号公報(実施例16(2))の方法により調製したものをさらに精製することにより調製した。
(4)抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体(JMab-136;上記)。
(5)抗KLHヒトモノクローナル抗体(陰性対照抗体;JMab-23;上記)。
(6)リン酸緩衝液(PBS(-);日研生物製)。
(7)PRMI1640培地(日研生物製)。
(8)牛胎児血清(FCS;JRH-Bioscience製)。
(9)30%牛血清アルブミン(BSA;Sigma製)。
(10)Tween20(BioRad製)。
(11)TMB+ substrate chromogen (Dako製)。
<14-2> 可溶性ヒトAILIMリガンド(ヒトB7hの細胞外領域とヒトIgG1の定常領域
との融合蛋白(hB7h-IgFc))の調製
前述の実施例と同様にしてヒト末梢血由来の単核球からtotal RNAを調製した。
調製したtotal RNA(5μg)を鋳型とし、Superscript Preamplification System for First Strand cDNA Sythesis (GIBCO-BRL製)を用いてcDNAを合成した。
次いで、ヒトAILIMリガンド(hB7h)の細胞外領域をコードするcDNAをPCRで増幅するために、末端にXhoI切断部位を有する5'プライマー(5'-GAGGTCTCCGCCCTCGAGATGCGGCTGGGCAGTCC-3'、配列番号39)及びBamHI切断部位を有する3'プライマー(5'-CACAGGACAGCCAGGGGATCCCACGTGGCCGCG-3'、配列番号40)を設計、合成した。得られたcDNAを鋳型として該プライマーを用いてPCRを行い、両端にXhoI及びBamHI切断部位を各々有するヒトB7hの細胞外領域をコードするcDNAを含むcDNAを調製した。得られたPCR産物をXhoI及びBamHIで消化し、アガロースゲル電気泳動し、目的の細胞外領域をコードするcDNA断片と予測される約720bpのサイズのバンドを単離した。単離されたcDNA断片を、XhoI及びBamHIで切断したプラスミドpBluescript II SK(+)(Stratagene製)中にサブクローニングした。自動蛍光DNAシークエンサー(Applied Biosystems製)による配列解析により、該cDNA断片がヒトB7hの細胞外領域をコードする領域を含むことを確認した。
一方、融合パートナーとしてのヒトIgG1のFcをコードするDNAは、プラスミ ド(Cell, Vol.61, p.1303-1313, 1990参照。マサチューセッツ・ゼネラル・ホ スピタルのシード博士(B. Seed)らにより作製)を、BamHI及びXbaIで消化することによりBamHI-XbaIDNA断片(約1.3kb)として切り出した。この断片には、ヒトIgG1のヒンジ領域、Cγ12、及びCγ13の各々コードするエクソンが含まれる。
前記のようにして作製したヒトB7h(hB7h)の細胞外領域をコードするXhoI-BamHI断片、及びヒトIgG1のFc(「IgFc」と略記する)をコードするエクソンを含むBamHI-XbaI断片を、XhoI及びXbaIで切断したプラスミドpBluescript II SK(+)(Stratagene製)中にサブクローニングした。
次いで、該プラスミドをXhoI及びXbaIで消化し、ヒトB7hの細胞外領域とヒトIgFcとからなる融合DNAを含む約1.8kbのDNA断片を切りだした。この融合DNA断片を、T4 DNAリガーゼを用いて、発現ベクターpME18S(Medical Immunology, Vol.20, No.1, p.27-32, 1990、及び実験医学(別冊):「遺伝子工学ハンドブック」、羊土社、第101-107頁、1992年)のXhoI及びXbaI部位に挿入し、プラスミドphB7h-IgFcを構築した。
エレクトロポレーション法により、10%ウシ胎児血清及びアンピシリンを含むDMEM培地中でサブコンフルエントに単層培養したCOS7細胞(ATCC CRL-1651)を、プラスミドphB7h-IgFcで形質転換し、形質転換細胞を取得した。
形質転換細胞を、無血清ASF104培地中で72時間培養することによりhB7h-IgFcを発現させた。
HB7h-IgFcは、Protein G Sepharoseアフィニティ−カラム(Amersham Pharmacia製) を用いて次のように精製した。
前記培養上清を遠心分離して得た遠心上清を、予め結合緩衝液(binding buffer)で平衡化したProtein G Sepharoseアフィニティーカラムに加えた。次いで、カラムを結合緩衝液で洗浄した後、溶出緩衝液(elution buffer)で溶出させた。溶出液を回収し、リン酸緩衝液で2回以上外液交換することにより透析し、精製hB7h-IgFcを得た。
<14-3> 抗体及び可溶性ヒトAILIM(hAILIM-IgFc)の希釈及び、それらの反応
抗ヒトAILIMモノクローナル抗体(JMab-136)及び陰性対照抗体である抗KLHヒトモノクローナル抗体(JMab-23)は各々、20μg/mlの溶液を11段階に希釈した後、各サンプル200μlに10%FCS含有RPMI1640培地(200μl)を加えて混和し、種々濃度の溶液を調製した。調製した種々濃度の溶液の各々に、ビオチン標識hAILIM-IgFC(2μl/tube;終濃度1μg/ml)を添加、混和した後、室温で30分間インキュベートした。
<14-4> 抗AILIMモノクローナル抗体によるhAILIM-IgFcとhB7h-IgFcの結合の阻
害活性の測定
96ウェルマイクロプレートにhB7h-IgFc(50μl/well(800ng/well))を加え、プレートをシールした後、37℃で1時間インキュベートした。各ウェルから溶液を除去し、PBS(120μl)で3回洗浄した。次いで、各ウェルに0.5%BSA含有PBS(100μl/well)を加え未反応部分をブロックし、プレートをシールした後、37℃で1時間インキュベートした。反応後、溶液を除去し、PBS(120μl)で3回洗浄した。次いで、<14-3>で調製した各試料(50μl/well)を加え、プレートをシールした後37℃で1時間インキュベートした。各ウェルから溶液を除去し、37℃に温めた10%FCS含有RPMI1640培地(120μl)で3回洗浄した。次いで、各ウェルに3.7%ホルマリン含有PBS(100μl/well)を加え、氷上で5分間インキュベートした。各ウェルから溶液を除去した後、0.1%Tween20(120μl)で3回洗浄した。次いで、Streptavidin-HRP(50μl/well)を加え、プレートをシール後室温で30分間インキュベートした。各ウェルから溶液を除去し、0.1%Tween20含有PBS(120μl)で3回洗浄した。次いで、TMB+substrate chromogen(50μl/well)を加え、室温で20分間インキュベートした。次いで、2N硫酸(50μl/well)を加え、反応を停止させ、THERMO max(Molecular Devices製)を用いて、450nmでの吸光度を測定した。
結果を図74乃至図76に示す。
この結果、hAILIM-IgFcとhB7h-IgFcの結合の抗AILIM抗体による用量依存的な阻害活性が測定された。
従って、本方法に例示されるようなアッセイ系を用いれば、AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質(例えば、抗体または合成低分子化合物)をスクリーニングし、同定することができることが示された。
実施例15 AILIM-AILIMリガンドを介するコスティミュレイトリーシグナル伝達によるヒトT細胞の増殖に対する抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の抑制活性
本発明の抗ヒトAILIMモノクローナル抗体が、ヒトT細胞上のAILIMを介するシグナル伝達を制御する能力を有するか否かを、ヒトT細胞をAILIMリガンド(B7h/B7RP1/GL50/LICOS)と接触させて誘導される細胞増殖の該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による阻害効果を測定することにより解析した。
<15-1> 抗体等の希釈
抗ヒトCD3モノクローナル抗体OKT3(ATCC CRL-8001)を、リン酸緩衝液(PBS)で最終濃度8μg/mlとなるように希釈した。
前記で調製した可溶性ヒトAILIMリガンド(hB7h-IgFc)を、PBSで最終濃度が40μg/mlとなるように希釈した後、PBSでさらに各種濃度に希釈した(40μg/ml乃至0.0064μg/ml)。
<15-2> 抗体によるマイクロプレートのコーティング
96ウェルマイクロプレート(複数枚)の各ウェルに、(1)抗ヒトCD3モノクローナル抗体OKT3(8μg/mlを25μl/well)及びhB7h-IgFc(40μg/ml乃至0.0064μg/mlを25μl)を加え、37℃で2時間インキュベーションした。次いで、抗体を捨て、各ウェルをPBSで3回洗浄した。洗浄後、各ウェルに、10%FCS含有RPMI1640培地(100μl/well)を加え、37℃で1時間インキュベーションして、プレートの各ウェルをコーティングした。
<15-3> ヒトT細胞懸濁液の調製
健常人の末梢血を採取し、LymphoPrep(Nycomed製)を用いた密度勾配遠心により単核球を分画した。実験操作マニュアルに従い、Pan-T cell Isolation Kit(Miltenyi製)及びマグネティックソーターを用いて、該ヒト単核球からヒトT細胞を分離取得した。該T細胞の細胞数を、血球計算盤により計数した。該ヒトT細胞を、抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab136(20μg/ml)を加えた10%FCS含有RPMI1640培地中に懸濁しヒトT細胞懸濁液(1×106細胞/ml)を調製し、室温で30分間インキュベートした。
なお、陰性対照抗体には、抗KLHヒトモノクローナル抗体JMAb23(20μg/ml)を用いた。
<15-4> 細胞培養
前記のとおりにして抗ヒトCD3抗体とhB7h-IgFcでコートしたマイクロプレート各ウェルに、ヒトT細胞懸濁液(100μl/well;1×105cells/well)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で3日間培養した。
<15-5> T細胞増殖活性の測定
前記の培養後の各プレートの各ウェルに、methyl[3H]thymidine(0.5μCi/well;Amersham Pharmacia製)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で6時間インキュベーションした。培養後、セルハーベスターを用いて、細胞をGF/Cフィルター(Packard製)上にトラップした。次いで、フィルターを、40℃で3時間以上乾燥させた後、Microscinti 0(20μl/well;Packard製)を加えた。βカウンター(TOP COUNT)を用いて、フィルター上にトラップされた細胞に取込まれている3Hの放射活性を測定し、培養後のヒトT細胞の増殖の程度を解析した。
結果を図77に示す。
本試験の結果、ヒトB7h-IgFc濃度依存的なヒトT細胞の有意な増殖が観察された(陰性対照抗体を用いた試験)。さらに、当該ヒトT細胞の増殖が、抗ヒトAILIMモノクローナル抗体により有意に抑制された。
実施例16 AILIM-AILIMリガンドを介するコスティミュレイトリーシグナル伝達によるサルT細胞の増殖に対する抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の抑制活性
前記実施例15の試験をヒトT細胞の代わりにサルのT細胞を用いて同様にして行った。
<16-1> 抗体等の希釈
抗ヒトCD3モノクローナル抗体SP34(BD-Pharmingen製)を、リン酸緩衝液(PBS)で最終濃度1μg/mlとなるように希釈した。
前記で調製したヒトB7h-IgFcを、PBSで最終濃度が40μg/mlとなるように希釈した後、PBSでさらに各種濃度に希釈した(40μg/ml乃至0.0064μg/ml)。
<16-2> 抗体によりマイクロプレートのコーティング
96ウェルマイクロプレート(複数枚)の各ウェルに、(1)抗ヒトCD3モノクローナル抗体SP34(BD-Pharmingen製)(1μg/mlを25μl/well)及びヒトB7h-IgFc(40μg/ml乃至0.0064μg/mlを25μl)を加え、37℃で2時間インキュベーションした。次いで、抗体を捨て、各ウェルをPBSで3回洗浄した。洗浄後、各ウェルに、10%FCS含有RPMI1640培地(100μl/well)を加え、37℃で1時間インキュベーションして、プレートの各ウェルをコーティングした。
<16-3> サルT細胞懸濁液の調製
カニクイザルの末梢血を採取し、NycoPrep1.077A(Nycomed製)を用いた密度勾配遠心により単核球を分画した。実験操作マニュアルに従い、抗ヒトCD4抗体M-T477(BD-Pharmingen製)、抗ヒトCD8抗体RPA-T8(BD-Pharmingen製)、抗マウスIgGマイクロビーズ(Miltenyi製)及びマグネティックソーターを用いて、該カニクイサル単核球からサルT細胞を分離取得した。該T細胞の細胞数を、血球計算盤により計数した。該サルT細胞を、抗ヒトAIlIMヒトモノクローナル抗体JMab-136(20μg/ml)を加えた10%FCS含有RPMI1640培地中に懸濁しサルT細胞懸濁液(1×106細胞/ml)を調製し、室温で30分間インキュベートした。
なお、陰性対照抗体として抗KLHヒトモノクローナル抗体JMab-23(20μg/ml)を用いた。
<16-4> 細胞培養
前記のとおりにして抗ヒトCD3抗体とhB7h-IgFcでコートしたマイクロプレート各ウェルに、サルT細胞懸濁液(100μl/well;1×105cells/well)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で3日間培養した。
<16-5> T細胞増殖活性の測定
前記の培養後の各プレートの各ウェルに、methyl[3H]thymidine(0.5μCi/well;Amersham Pharmacia製)を加え、CO2インキュベーター内で37℃で6時間インキュベーションした。培養後、セルハーベスターを用いて、細胞をGF/Cフィルター(Packard製)上にトラップした。次いで、フィルターを、40℃で3時間以上乾燥させた後、Microscinti 0(20μl/well;Packard製)を加えた。βカウンター(TOP COUNT)を用いて、フィルター上にトラップされた細胞に取込まれている3Hの放射活性を測定し、培養後のT細胞の増殖の程度を解析した。
結果を図78に示す。
本試験の結果、ヒトB7h-IgFc濃度依存的なサルT細胞の有意な増殖が観察された(陰性対照抗体を用いた試験)。さらに、当該サルT細胞の増殖が、抗ヒトAILIMモノクローナル抗体により有意に抑制された。
[図1]
細胞ELISAの結果をフローサイトメーターを用いて解析した抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体に対する抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgκ抗体及び抗ヒトIgFc抗体の各々の反応性を示す図。
分図(a)乃至(l)は各々下記の試験結果を示す。
分図(a):野生型HPB-ALL細胞を蒔いたマイクロプレートに一次抗体を未添加で二次抗体としてのビオチン標識抗ヒトIgG抗体を加えた場合の試験結果。
分図(b):野生型HPB-ALL細胞を蒔いたマイクロプレートに一次抗体を未添加で二次抗体としてのビオチン標識抗ヒトIgκ抗体を加えた場合の試験結果。
分図(c): 野生型HPB-ALL細胞を蒔いたマイクロプレートに一次抗体を未添加で二次抗体としてのビオチン標識抗ヒトIgFc抗体を加えた場合の試験結果。
分図(d):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgG抗体を用いた場合の試験結果。
分図(e):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgκ抗体を用いた場合の試験結果。
分図(f):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgFc抗体を用いた場合の試験結果。
分図(g):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgG抗体を用いた場合の試験結果。
分図(h):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgκ抗体を用いた場合の試験結果。
分図(i):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgFc抗体を用いた場合の試験結果。
分図(j):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgG抗体を用いた場合の試験結果。
分図(k):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgκ抗体を用いた場合の試験結果。
分図(l):一次抗体として抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139を用い、二次抗体としてビオチン標識抗ヒトIgFc抗体を用いた場合の試験結果。
なお、各々の分図中の白抜きカーブは対照抗体である抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図2]
抗ヒトIgG抗体を用いたサンドイッチELISAにより定量したヒトIgGモノクローナル抗体(標準物質)の検量線を示す図。
縦軸は蛍光強度を示し、横軸は該標準物質の濃度を示す。
[図3]
各種の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のヒトAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「human」なる用語は、該ヒトAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図4]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体または陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体のヒトAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「human」なる用語は、該ヒトAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図5]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「human」なる用語は、該ヒトAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図6]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のヒトAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「human」なる用語は、該ヒトAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図7]
抗マウスAILIMラットモノクローナル抗体のマウスAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「mouse」なる用語は、該マウスAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図8]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体または陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体のマウスAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「mouse」なる用語は、該マウスAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図9]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のマウスAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「mouse」なる用語は、該マウスAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図10]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のマウスAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「mouse」なる用語は、該マウスAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図11]
抗ラットAILIMマウスモノクローナル抗体のラットAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「rat」なる用語は、該ラットAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図12]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体または陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体のラットAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「rat」なる用語は、該ラットAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図13]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のラットAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「rat」なる用語は、該ラットAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図14]
各種の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のラットAILIM高発現組換えCHO細胞または野生型CHO細胞への結合活性を示す図。
縦軸は組換え該結合活性の指標となる蛍光強度を示し、横軸は加えた抗体の濃度を示す。
なお、図中の「CHO」なる用語は、該野生型CHO細胞への結合試験であることを示し、また「rat」なる用語は、該ラットAILIM高発現組換えCHO細胞への結合試験であることを示す。
[図15]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーA」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
[図16]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーA」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
[図17]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーB」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図18]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーB」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図19]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーB」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図20]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーC」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図21]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーC」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab127。
[図22]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーC」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab136。
[図23]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーC」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab137。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab139。
[図24]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーC」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab141。
[図25]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図26]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab127。
[図27]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab136。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab137。
[図28]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab137。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab139。
[図29]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab141。
[図30]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーE」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図31]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーE」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab127。
[図32]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーE」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab136。
[図33]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーE」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab137。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab139。
[図34]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーE」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab141。
[図35]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体のみをコーティングしたマイクロプレートを用い、且つ抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体を溶液の状態(液相)で加えた場合の種々の抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図36]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体のみをコーティングしたマイクロプレートを用い、且つ抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体を溶液の状態(液相)で加えた場合の種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab127。
[図37]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体のみをコーティングしたマイクロプレートを用い、且つ抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体を溶液の状態(液相)で加えた場合の種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab136。
[図38]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体のみをコーティングしたマイクロプレートを用い、且つ抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体を溶液の状態(液相)で加えた場合の種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab137。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab139。
[図39]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体のみをコーティングしたマイクロプレートを用い、且つ抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体を溶液の状態(液相)で加えた場合の種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、健常人「ドナーD」由来のT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab141。
[図40]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーB」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図41]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーB」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図42]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーB」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図43]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーC」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「JHC1」は、該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗ヒトCETPモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図44]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーC」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab127。
[図45]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーC」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab136。
[図46]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーC」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab137。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab139。
[図47]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレート中で培養した健常人「ドナーC」由来のT細胞の培養上清中に産生されたIFN-γの量を示す図。
縦軸はIFN-γの濃度を示し、横軸は該抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
また、各種表記は下記を意味する。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab141。
[図48]
健常人「ドナーA」のT細胞を健常人「ドナーD」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「CD80+86」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「mIgG1」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CTLA4-Ig」:ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図49]
健常人「ドナーA」のT細胞を健常人「ドナーD」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-127。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-137。
[図50]
健常人「ドナーD」のT細胞を健常人「ドナーB」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「CD80+86」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「mIgG1」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CTLA4-Ig」:ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図51]
健常人「ドナーD」のT細胞を健常人「ドナーB」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-127。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-137。
[図52]
健常人「ドナーC」のT細胞を健常人「ドナーA」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「CD80+86」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「mIgG1」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CTLA4-Ig」:ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図53]
健常人「ドナーC」のT細胞を健常人「ドナーA」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-127。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-137。
[図54]
健常人「ドナーE」のT細胞を健常人「ドナーG」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「control mIgG」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CD80+86 Ab」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
「CTLA4-Ig」:ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子。
[図55]
健常人「ドナーE」のT細胞を健常人「ドナーG」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-141。
[図56]
健常人「ドナーF」のT細胞を健常人「ドナーE」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「control mIgG」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CD80+86 Ab」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
「CTLA4-Ig」:ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子。
[図57]
健常人「ドナーF」のT細胞を健常人「ドナーE」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-141。
[図58]
健常人「ドナーG」のT細胞を健常人「ドナーF」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「control mIgG」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CD80+86 Ab」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
「CTLA4-Ig」:ヒトCTLA4-IgFcキメラ分子。
[図59]
健常人「ドナーG」のT細胞を健常人「ドナーF」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-141。
[図60]
健常人「ドナーA」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーD」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「CD80+86」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「mIgG1」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図61]
健常人「ドナーA」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーD」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-127。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-137。
[図62]
健常人「ドナーD」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーB」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「CD80+86」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「mIgG1」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図63]
健常人「ドナーD」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーB」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-127。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-137。
[図64]
健常人「ドナーC」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーA」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「CD80+86」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「mIgG1」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図65]
健常人「ドナーC」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーA」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-124」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-124。
「126」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-126。
「127」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-127。
「128」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-128。
「135」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-135。
「136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「137」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-137。
[図66]
健常人「ドナーE」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーG」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「control mIgG」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CD80+86 Ab」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図67]
健常人「ドナーE」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーG」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-141。
[図68]
健常人「ドナーG」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーF」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の対照被験物質による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「control mIgG」:抗ヒトCD34/IgG1マウスモノクローナル抗体。
「CD80+86 Ab」:抗CD80抗体と抗CD86抗体との混合物。
「SA12」:抗ヒトAILIMマウスモノクローナル抗体。
[図69]
健常人「ドナーG」のT細胞を、予めヒトCTLA4-Igキメラ分子の存在下で前培養した健常人「ドナーF」のPBMCと培養した場合の混合リンパ球反応(MLR)での該T細胞の増殖試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体による該T細胞の増殖の抑制効果を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該被験物質の濃度を示す。
なお、図中の各種表記は下記を意味する。
「anti-KLH」:陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体。
「JMab-136」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-136。
「138」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-138。
「139」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-139。
「140」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-140。
「141」:抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体JMab-141。
[図70]
野生型CHO細胞を標的細胞として用いた場合の、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体及び対照抗体の各々のADCC誘導活性を示す図。
縦軸は、該抗体によるADCC誘導活性により起こる細胞障害率を示し、横軸は該抗体の濃度を示す。
[図71]
ヒトAILIM高発現組換えCHO細胞を標的細胞として用いた場合の、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体及び対照抗体の各々のADCC誘導活性を示す図。
縦軸は、該抗体によるADCC誘導活性により起こる細胞障害率を示し、横軸は該抗体の濃度を示す。
[図72]
抗AILIM抗体による遅延型アレルギーの抑制効果を示す図。
縦軸は、遅延型アレルギー発症の指標である発赤の面積を示し、横軸は被験動物に投与した試料の種類を示す。
[図73]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体をコーティングしたマイクロプレートを用いた種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体のコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、サルT細胞の増殖活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の濃度を示す。
なお、図中の「anti-KLH」は、該抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体の代わりに陰性対照としての抗KLHヒトモノクローナル抗体を用いた場合の試験結果を示す。
[図74]
種々濃度の可溶性AILIMリガンド(hB7h-IgFc)と可溶性AILIM(AILIM-IgFc)との結合の陰性対照抗体による阻害活性を示す図。
縦軸は阻害活性の指標である吸光度を示し、横軸は可溶性AILIMの濃度を示す。
[図75]
種々濃度の可溶性AILIMリガンド(hB7h-IgFc)と可溶性AILIM(AILIM-IgFc)との結合の抗AILIM抗体による阻害活性を示す図。
縦軸は阻害活性の指標である吸光度を示し、横軸は可溶性AILIMの濃度を示す。
[図76]
可溶性AILIMリガンド(hB7h-IgFc)と可溶性AILIM(AILIM-IgFc)との結合の種々濃度の抗AILIM抗体による阻害活性を示す図。
縦軸は阻害活性の指標である吸光度を示し、横軸は抗AILIM抗体の濃度を示す。
[図77]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに可溶性ヒトAILIMリガンド(hB7h-IgFc)をコーティングしたマイクロプレートを用いたコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体によるヒトT細胞の増殖阻害活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は抗体濃度を示す。
[図78]
抗ヒトCD3モノクローナル抗体とともに可溶性ヒトAILIMリガンド(hB7h-IgFc)をコーティングしたマイクロプレートを用いたコスティミュレイトリーシグナル伝達活性測定試験における、種々の抗ヒトAILIMヒトモノクローナル抗体によるサルT細胞の増殖阻害活性を示す図。
縦軸は細胞増殖の程度の指標としての[3H]チミジンの細胞内への取込み量を示し、横軸は抗体濃度を示す。
配列番号:1
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列NotI-T。
配列番号:2
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したリンカー配列20adp。
配列番号:3
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したリンカー配列24adp。
配列番号:4
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HIGLC。
配列番号:5
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列NHCc2。
配列番号:6
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列EXcellE。
配列番号:7
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列ck117。
配列番号:8
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列M13R。
配列番号:9
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列136H。
配列番号:10
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列138/9H。
配列番号:11
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列AILIMHC1。
配列番号:12
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc1。
配列番号:13
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc7。
配列番号:14
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc8。
配列番号:15
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc3。
配列番号:16
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc4。
配列番号:17
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc6。
配列番号:18
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HIGHC。
配列番号:19
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc9。
配列番号:20
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HCc5。
配列番号:21
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列polyA。
配列番号:22
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列AILIMLC1。
配列番号:23
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列AILIMLC2。
配列番号:24
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列LCc1。
配列番号:25
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列LCc2。
配列番号:26
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列HIK。
配列番号:39
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列。
配列番号:40
他の情報:人工配列についての記載:人工的に合成したプライマー配列。

Claims (108)

  1. AILIMに結合するヒト抗体。
  2. 該AILIMが、ヒト由来であることを特徴とする請求項1に記載のヒト抗体。
  3. AILIMに結合するヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  4. 該AILIMが、ヒト由来であることを特徴とする請求項3に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  5. 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を阻害する活性を有するものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  6. 該シグナル伝達の阻害活性が、下記(a)または(b):
    (a)AILIMを発現する細胞の増殖を抑制する活性;または、
    (b)AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を抑制する活性、
    であることを特徴とする請求項5に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  7. 該サイトカインが、Th1タイプのT細胞またはTh2タイプのT細胞が産生するサイトカインであることを特徴とする請求項6に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  8. 該サイトカインが、インターフェロンγまたはインターロイキン4であることを特徴とする請求項7に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  9. 該ヒトモノクローナル抗体が、混合リンパ球反応を抑制する活性を有するものであることを特徴とする請求項5に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  10. 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を誘導する活性を有するものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  11. 該シグナル伝達の誘導活性が、下記(a)または(b):
    (a)AILIMを発現する細胞の増殖を誘導する活性;または、
    (b)AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を誘導する活性、
    であることを特徴とする請求項10に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  12. 該サイトカインが、Th1タイプのT細胞またはTh2タイプのT細胞が産生するサイトカインであることを特徴とする請求項11に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  13. 該サイトカインが、インターフェロンγまたはインターロイキン4であることを特徴とする請求項12に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  14. 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを発現する細胞に対する抗体依存性細胞障害を誘導する活性、及び/またはAILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解若しくは細胞死を誘導する活性を有するものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  15. 該ヒトモノクローナル抗体とAILIMとの結合速度定数(ka)が、1.0×103(1/M.Sec)以上の数値であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  16. 該結合速度定数(ka)が、1.0×104(1/M.Sec)以上の数値であることを特徴とする請求項15に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  17. 該結合速度定数(ka)が、1.0×105(1/M.Sec)以上の数値であることを特徴とする請求項16に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  18. 該ヒトモノクローナル抗体とAILIMとの解離速度定数(kd)が、1.0×10-3(1/Sec)以下の数値であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  19. 該解離速度定数(kd)が、1.0×10-4(1/Sec)以下の数値であることを特徴とする請求項18に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  20. 該解離速度定数(kd)が、1.0×10-5(1/Sec)以下の数値であることを特徴とする請求項19に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  21. 該ヒトモノクローナル抗体とAILIMとの解離定数(Kd)が、1.0×10-6(M)以下の数値であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  22. 該解離定数(Kd)が、1.0×10-7(M)以下の数値であることを特徴とする請求項21に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  23. 該解離定数(Kd)が、1.0×10-8(M)以下の数値であることを特徴とする請求項22に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  24. 該解離定数(Kd)が、1.0×10-9(M)以下の数値であることを特徴とする請求項23に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  25. 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、1-02または3-13のいずれかのヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメントに由来することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  26. 該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、L5またはA27のいずれかのヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントに由来することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  27. 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、1-02または3-13のいずれかのヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメントに由来し、且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、L5またはA27のいずれかのヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントに由来することを特徴とする請求項25または請求項26に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  28. 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメント1-02に由来し、且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントL5に由来することを特徴とする請求項27に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  29. 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン重鎖V遺伝子セグメント3-13に由来し、且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするV領域のDNAが、ヒト免疫グロブリン軽鎖V遺伝子セグメントA27に由来することを特徴とする請求項27に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  30. 該ヒトモノクローナルの重鎖可変領域が、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列;
    (b)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列;
    (d)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列;または、
    (f)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
  31. 該ヒトモノクローナルの重鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列;
    (b)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列;
    (d)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列;または、
    (f)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
  32. 該ヒトモノクローナルの軽鎖可変領域が、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列;
    (b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (c)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列;
    (d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (e)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列;または、
    (f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
  33. 該ヒトモノクローナルの軽鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(f)のいずれかのアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列;
    (b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (c)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列;
    (d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列;
    (e)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列;または、
    (f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列。
  34. 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する;及び、
    (b)軽鎖可変領域が、配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する。
  35. 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)重鎖ポリペプチドが、配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する;及び、
    (b)軽鎖ポリペプチドが、配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列を有する。
  36. 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)重鎖可変領域が、配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する;及び、
    (b)軽鎖可変領域が、配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する。
  37. 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)重鎖ポリペプチドが、配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する;及び、
    (b)軽鎖ポリペプチドが、配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する。
  38. 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)重鎖可変領域が、配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する;及び、
    (b)軽鎖可変領域が、配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する。
  39. 該ヒトモノクローナル抗体が、下記(a)及び(b)の特徴を有することを特徴とする請求項4に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
    (a)重鎖ポリペプチドが、配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する;及び、
    (b)軽鎖ポリペプチドが、配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する。
  40. 該ヒトモノクローナル抗体が、ヒト抗体を産生する能力を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物に由来するモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項3乃至請求項29のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  41. 該ヒトモノクローナル抗体が、AILIMを発現する細胞、該細胞に由来する膜画分、AILIMを構成する分子の全部若しくは一部、またはAILIMをコードする遺伝子またはその一部を、ヒト抗体を産生する能力を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫することにより得られるモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項40に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  42. 該トランスジェニック非ヒト哺乳動物が、トランスジェニックマウスであることを特徴とする請求項40または請求項41に記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  43. 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるポリペプチドをコードするDNAまたはその一部:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び、
    (f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  44. 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるポリペプチドをコードするDNAまたはその一部:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (c)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (d)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (e)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び、
    (f)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  45. 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるDNAまたはその一部:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;
    (b)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA;
    (c)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;
    (d)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA;
    (e)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA;及び、
    (f)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
  46. 下記(a)乃至(f)からなる群から選ばれるDNAまたはその一部:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;
    (b)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA;
    (c)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;
    (d)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA;
    (e)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA;及び、
    (f)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
  47. 請求項43乃至請求項46のいずれかに記載されるDNAを含むベクター。
  48. 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;
    (b)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;または、
    (c)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA。
  49. 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;
    (b)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;または、
    (c)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA。
  50. 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA;
    (b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA;または、
    (c)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
  51. 下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA;
    (b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA;または、
    (c)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
  52. 下記(a)及び(b)のDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;及び
    (b)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA。
  53. 下記(a)及び(b)のDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;及び
    (b)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA。
  54. 下記(a)及び(b)のDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;及び
    (b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA。
  55. 下記(a)及び(b)のDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;及び
    (b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA。
  56. 下記(a)及び(b)のDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA;及び
    (b)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
  57. 下記(a)及び(b)のDNAを含む請求項47に記載のベクター:
    (a)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA;及び
    (b)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
  58. 請求項3乃至請求項42のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体を産生する細胞。
  59. 該細胞が、該ヒトモノクローナル抗体を産生する能力を哺乳動物由来のB細胞と哺乳動物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞であることを特徴とする請求項58に記載の細胞。
  60. 下記(a)のDNA若しくは該DNAを含むベクター、下記(b)のDNA若しくは該DNAを含むベクター、または下記(a)及び(b)の両方のDNA若しくは該両方のDNAを含むベクターが宿主内に導入されることにより形質転換された遺伝子組換え宿主:
    (a)ヒトAILIMに結合するモノクローナル抗体の重鎖ポリペプチドまたはその一部をコードするDNA;及び、
    (b)ヒトAILIMに結合するモノクローナル抗体の軽鎖ポリペプチドまたはその一部をコードするDNA。
  61. 該モノクローナル抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項60に記載の遺伝子組換え宿主。
  62. 該宿主が哺乳動物の細胞であることを特徴とする請求項60または請求項61に記載の遺伝子組換え宿主。
  63. 該宿主が哺乳動物の受精卵であることを特徴とする請求項60または請求項61に記載の遺伝子組換え宿主。
  64. 該重鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる重鎖ポリペプチドであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド;
    (b)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド;及び,
    (c)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド。
  65. 該重鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる重鎖ポリペプチドであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチド;
    (b)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチド;及び,
    (c)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチド。
  66. 該軽鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる軽鎖ポリペプチドであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチド;
    (b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチド;及び、
    (c)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチド。
  67. 該軽鎖ポリペプチドが、下記(a)乃至(c)からなる群から選ばれる軽鎖ポリペプチドであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチド;
    (b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチド;及び、
    (c)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチド。
  68. 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至117番目のアミノ酸を含む重鎖ポリペプチド;及び、
    (b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至116番目のアミノ酸を含む軽鎖ポリペプチド。
  69. 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号28に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸を有する重鎖ポリペプチド;及び、
    (b)配列番号30に記載されるアミノ酸番号23乃至236番目のアミノ酸を有する軽鎖ポリペプチド。
  70. 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸を含む重鎖ポリペプチド;及び、
    (b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸を含む軽鎖ポリペプチド。
  71. 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号32に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸を有する重鎖ポリペプチド;及び、
    (b)配列番号34に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸を有する軽鎖ポリペプチド。
  72. 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至116番目のアミノ酸を含む重鎖ポリペプチド;及び、
    (b)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至116番目のアミノ酸を含む軽鎖ポリペプチド。
  73. 該重鎖ポリペプチド及び該軽鎖ポリペプチドが各々下記(a)及び(b)であることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号36に記載されるアミノ酸番号20乃至470番目のアミノ酸を有する重鎖ポリペプチド;及び、
    (b)配列番号38に記載されるアミノ酸番号21乃至236番目のアミノ酸を有する軽鎖ポリペプチド。
  74. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;
    (b)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;または、
    (c)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA。
  75. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;
    (b)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;または、
    (c)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA。
  76. 該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA;
    (b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA;または、
    (c)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
  77. 該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが、下記(a)乃至(c)のいずれかのDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA;
    (b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA;または、
    (c)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
  78. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号126乃至419番目の塩基配列を含むDNA;及び、
    (b)配列番号29に記載される塩基番号105乃至386番目の塩基配列を含むDNA。
  79. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号27に記載される塩基番号69乃至1481番目の塩基配列を有するDNA;及び、
    (b)配列番号29に記載される塩基番号39乃至749番目の塩基配列を有するDNA。
  80. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号31に記載される塩基番号151乃至441番目の塩基配列を含むDNA;及び、
    (b)配列番号33に記載される塩基番号88乃至375番目の塩基配列を含むDNA。
  81. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号31に記載される塩基番号94乃至1506番目の塩基配列を有するDNA;及び、
    (b)配列番号33に記載される塩基番号28乃至738番目の塩基配列を有するDNA。
  82. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号35に記載される塩基番号153乃至443番目の塩基配列を含むDNA;及び、
    (b)配列番号37に記載される塩基番号93乃至380番目の塩基配列を含むDNA。
  83. 該重鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(a)のDNAであり、且つ該軽鎖ポリペプチドをコードするDNAが下記(b)のDNAであることを特徴とする請求項60乃至請求項63のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主:
    (a)配列番号35に記載される塩基番号96乃至1508番目の塩基配列を有するDNA;及び、
    (b)配列番号37に記載される塩基番号33乃至743番目の塩基配列を有するDNA。
  84. 請求項60乃至請求項62のいずれかまたは請求項64乃至請求項83のいずれかに記載の遺伝子組換え宿主(但し、該宿主が受精卵である場合を除く)が産生するヒトモノクローナル抗体またはその一部。
  85. 請求項1または請求項2に記載のヒト抗体、及び薬学的に許容されうる担体とを含んでなる医薬組成物。
  86. 請求項3乃至請求項42のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体若しくはその一部、及び薬学的に許容され得る担体とを含んでなる医薬組成物。
  87. 請求項84に記載のヒトモノクローナル抗体若しくはその一部、及び薬学的に許容され得る担体とを含んでなる医薬組成物。
  88. 該医薬組成物が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を阻害するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  89. 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞の増殖を抑制するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  90. 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を抑制するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  91. 該医薬組成物が、AILIMを介する細胞内へのシグナル伝達を誘導するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  92. 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞の増殖を誘導するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  93. 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞によるサイトカインの産生を誘導するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  94. 該医薬組成物が、AILIMを発現する細胞に対する抗体依存性細胞障害を誘導するため、及び/またはAILIMを発現する細胞の免疫細胞溶解若しくは細胞死を誘導するために用いられることを特徴とする請求項85乃至請求項87のいずれかに記載の医薬組成物。
  95. AILIMを介するシグナル伝達を制御する活性を有する物質及び薬学的に許容され得る担体を含んでなり、遅延型アレルギーを抑制、治療または予防するための医薬組成物。
  96. 該物質が、蛋白性物質であることを特徴とする請求項95に記載の医薬組成物。
  97. 該蛋白性物質が、下記群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項96に記載の医薬組成物:
    a)AILIMに結合する抗体またはその一部;
    b)AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチド;
    c)AILIMの細胞外領域の全部または一部と免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチド;及び
    d)AILIMに結合するポリペプチド。
  98. 該AILIMに結合する抗体が、請求項1または請求項2に記載のヒト抗体であることを特徴とする請求項97に記載の医薬組成物。
  99. 該AILIMに結合する抗体が、請求項3乃至請求項42のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項97に記載の医薬組成物。
  100. 該AILIMに対する抗体が、請求項84に記載のヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項97に記載の医薬組成物。
  101. 該物質が、非蛋白性物質であることを特徴とする請求項95に記載の医薬組成物。
  102. 該非蛋白性物質が、DNA、RNAまたは化学的に合成された化合物であることを特徴とする請求項101に記載の医薬組成物。
  103. AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする方法:
    (a)AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを固定化した不溶性担体を調製する工程;
    (b)検出可能なシグナルをもたらし得る標識物質で標識したAILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを調製する工程;
    (c)工程(a)の不溶性担体及び工程(b)のポリペプチドを反応させる工程;
    (d)工程(a)の不溶性担体、工程(b)のポリペプチド及び該物質を任意の順序で反応させる工程;
    (e)工程(c)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナル、及び工程(d)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナルの各々を検出する工程;及び
    (f)工程(e)で検出したシグナルの大きさの各々を比較する工程。
  104. AILIMまたはAILIMリガンドに結合する物質を同定する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする方法:
    (a)AILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを固定化した不溶性担体を調製する工程;
    (b)検出可能なシグナルをもたらし得る標識物質で標識したAILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドを調製する工程;
    (c)工程(a)の不溶性担体及び工程(b)のポリペプチドを反応させる工程;
    (d)工程(a)の不溶性担体、工程(b)のポリペプチド及び該物質を任意の順序で反応させる工程;
    (e)工程(c)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナル、及び工程(d)の反応により生成される複合体に含まれる該標識物質が発するシグナルの各々を検出する工程;及び
    (f)工程(e)で検出したシグナルの大きさの各々を比較する工程。
  105. 該AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドが、AILIMの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドと免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチドであることを特徴とする請求項103または請求項104に記載の方法。
  106. 該AILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドが、AILIMリガンドの細胞外領域の全部または一部を含むポリペプチドと免疫グロブリンの重鎖の定常領域の全部または一部とからなる融合ポリペプチドであることを特徴とする請求項103または請求項104に記載の方法。
  107. 該AILIMが、ヒトAILIMであることを特徴とする請求項103乃至請求項106のいずれかに記載の方法。
  108. 該AILIMリガンドが、ヒトAILIMリガンドであることを特徴とする請求項103乃至請求項107のいずれかに記載の方法。
JP2004092729A 2000-05-18 2004-03-26 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途 Expired - Fee Related JP4386776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004092729A JP4386776B2 (ja) 2000-05-18 2004-03-26 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000147116 2000-05-18
JP2004092729A JP4386776B2 (ja) 2000-05-18 2004-03-26 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001099508A Division JP3597140B2 (ja) 2000-05-18 2001-03-30 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004261182A true JP2004261182A (ja) 2004-09-24
JP2004261182A5 JP2004261182A5 (ja) 2008-05-08
JP4386776B2 JP4386776B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=33133379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004092729A Expired - Fee Related JP4386776B2 (ja) 2000-05-18 2004-03-26 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4386776B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016000736A (ja) * 2008-10-01 2016-01-07 アムゲン リサーチ (ミュンヘン) ゲーエムベーハー 異種間特異的psma×cd3二重特異性単鎖抗体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016000736A (ja) * 2008-10-01 2016-01-07 アムゲン リサーチ (ミュンヘン) ゲーエムベーハー 異種間特異的psma×cd3二重特異性単鎖抗体
JP2018198595A (ja) * 2008-10-01 2018-12-20 アムゲン リサーチ (ミュンヘン) ゲーエムベーハー 異種間特異的psma×cd3二重特異性単鎖抗体
JP2021164459A (ja) * 2008-10-01 2021-10-14 アムゲン リサーチ (ミュンヘン) ゲーエムベーハー 異種間特異的psma×cd3二重特異性単鎖抗体
JP7273106B2 (ja) 2008-10-01 2023-05-12 アムゲン リサーチ (ミュンヘン) ゲーエムベーハー 異種間特異的psma×cd3二重特異性単鎖抗体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4386776B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3597140B2 (ja) 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途
RU2203682C2 (ru) Фармацевтическая композиция для лечения иммунных заболеваний
EP1769807B1 (en) Graft rejection suppressors
RU2262511C2 (ru) Человеческое моноклональное антитело против ailim, костимулирующей молекулы передачи сигнала, и его фармацевтическое применение
JP4386776B2 (ja) 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途
JP3543966B2 (ja) 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途
JP4234992B2 (ja) 副刺激伝達分子ailimに対するヒトモノクローナル抗体及びその医薬用途
JP3948735B2 (ja) 細胞間接着及びシグナル伝達を媒介する細胞表面分子
JP3948734B2 (ja) 細胞間接着及びシグナル伝達を媒介する細胞表面分子
JP3948733B2 (ja) 細胞間接着及びシグナル伝達を媒介する細胞表面分子
JP4167714B2 (ja) 細胞間接着及びシグナル伝達を媒介する細胞表面分子
CA2477192A1 (en) Human monoclonal antibody against a costimulatory signal transduction molecule ailim and pharmaceutical use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090925

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4386776

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees