JPH11122038A - 水晶発振回路 - Google Patents

水晶発振回路

Info

Publication number
JPH11122038A
JPH11122038A JP28677397A JP28677397A JPH11122038A JP H11122038 A JPH11122038 A JP H11122038A JP 28677397 A JP28677397 A JP 28677397A JP 28677397 A JP28677397 A JP 28677397A JP H11122038 A JPH11122038 A JP H11122038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oscillation circuit
circuit
crystal
frequency
oscillation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28677397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3129255B2 (ja
Inventor
Kenji Yoshioka
健治 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP09286773A priority Critical patent/JP3129255B2/ja
Publication of JPH11122038A publication Critical patent/JPH11122038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3129255B2 publication Critical patent/JP3129255B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振回路と水晶振動子で構成される水晶発振
回路の発振周波数温度特性の安定化を図る一方で、回路
構造を複雑化することなく、しかも低コスト化を図る。 【解決手段】 IC内に形成された発振回路と、この発
振回路に接続される水晶振動子XTLとを備える水晶発
振回路において、発振回路の周波数温度特性を相殺する
ために可変容量コンデンサCVを接続し、この可変容量
コンデンサCVに発振回路を構成するトランジスタQ1
のベース−エミッタ間電圧VBEを印加する構成とす
る。発振回路の周波数温度特性が0になり、水晶発振回
路全体としての発振周波数の温度特性は水晶振動子XT
L自体の周波数温度特性に一致することになる。水晶発
振回路の周波数温度特性の安定化が達成できるととも
に、可変容量ダイオードCVを制御するために発振回路
とは独立した回路を設ける必要がなく、回路規模が縮小
でき、低コスト化が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶振動子を用いた
水晶発振回路に関し、特に無線選択呼出受信機の局部発
振周波信号を生成するために用いて好適な水晶発振回路
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、無線選択呼出受信機は受信した
VHF、UHF帯の回線周波数を1段階、または2段階
の中間周波数への周波数変換してベースバンド信号を取
り出す構成となっており、この周波数変換では、局部発
振器で生成される局部発振周波信号と受信した回線周波
数の混合により行っている。例えば、図10に示すダブ
ルスーパーヘテロダイン方式の無線選択呼出受信機で
は、アンテナ11で受信した信号をRFアンプ12で高
周波増幅し、BPF13を通した後、第1ミキサ14に
おいて第1局発信号と混合し、第1中間周波信号に変換
する。この第1中間周波信号はBPF15を通した後、
第2ミキサ16において第2局発信号と混合し、第2中
間周波信号に変換し、BPF17を通した後、復調器1
8によりベースバンド信号に復調する。前記第1局発信
号と第2局発信号は、水晶発振子を利用して生成してお
り、特に第1局発信号はここではPLL回路で構成され
ている。このPLL回路は、水晶発振子XTLを備える
水晶発振回路27を基準周波数信号とし、この基準周波
数信号をカウンタ26でカウントした値と、VCO22
の出力をカウンタ21でカウントした値とを位相比較器
23で位相比較し、その位相差信号をチャージポンプ2
4、LPF25を介してVCO22の制御電圧を得るこ
とで、所定の周波数信号を出力する。そして、このVC
O22の出力信号を逓倍回路19により逓倍して前記第
1局発信号としている。なお、第2局発信号は、ここで
は前記水晶発振回路の出力を逓倍回路20で逓倍して得
ている。
【0003】この構成の受信機では、前記第1及び第2
の局発信号の周波数にオフセットが生じていると、変換
された中間周波信号の中間周波数にもオフセットが生じ
る。例えば、下側ローカルによる周波数変換の場合、局
部発振周波数が高い方にずれると中間周波数は低い方に
ずれ、局部発振周波数が低い方にずれると中間周波数は
高い方にずれる。つまり、中間周波数は、局部発振周波
数の偏差と極性が逆で絶対値がほぼ等しい偏差をもつこ
とになる。この周波数偏差は受信機の特性、主に受信感
度に影響を与える。回線周波数が比較的高く、信号の伝
送速度が高い場合に、ローカルオフセットによる受信感
度劣化が顕著に現れる。例えば、局部発振周波数が±5
ppmの偏差をもち、この回線周波数を第一の中間周波
数(1STIF)に変換するとする。回線周波数が15
0MHzでは、中間周波数のオフセットは±600Hz
程度であるが、回線周波数が900MHzでは、中間周
波数のオフセットは±4.4kHz程度となる。チャン
ネルフィルタ(第12図、BPF63)の3dB帯域幅
は、ある一定のC/Nを得るために、通常、±7.5〜
10kHzに設計されている。変調度は±4.5または
±4.8kHzであるから、ローカルオフセットが大き
くなる900MHz帯では、信号帯域がフィルタにより
減衰し、受信感度帯域特性の劣化が顕著となる。
【0004】このような局部発振周波数に偏差が生じる
最大の要因は水晶発振回路における環境温度の変化であ
る。水晶発振回路の場合には、発振回路の周波数温度特
性と水晶振動子単体の周波数温度特性が影響することに
なる。そこで、従来から、この偏差を解消するためのい
くつかの対策が考えられている。1つは温度補償水晶発
振器(TCXO)を用いる手法である。TCXOは内蔵
されている温度補償回路によって水晶振動子の理論的周
波数温度特性よりも平坦な特性を得ることを目的とした
水晶発振器であり、このTCXOを用いることにより高
い周波数安定度を得ることができ、自動車電話、携帯電
話、ナビゲーションシステム等に使用されている。しか
し、TCXOは水晶振動子に比べて非常に高価なため、
無線選択呼出受信機のような低価格化が要求される機器
にはコストの面からみて適用することが難しい。また、
自動周波数制御(AFC)も提案されている。AFC
は、周波数オフセットをアナログ的にまたはデジタル的
に検出して、発振回路に帰還をかける手法である。しか
しながら、この手法では受信機の構成が複雑になること
が避けられず、やはり低価格化が要求される機器への適
用は難しい。
【0005】そこで、前記した水晶振動子と発振回路の
それぞれの周波数温度特性に着目して周波数温度特性を
改善する手法が提案されている。すなわち、図2(a)
に示すように、ATカット水晶振動子の周波数温度特性
は3次曲線特性である。例えば、−10℃での偏差(対
25℃)は、正負どちらの値もとりうる。よって、回路
の温度特性が正または負の傾きをもっていると、水晶振
動子の温度特性を相殺する場合がある反面、特性を強め
あって規格外となる場合が考えられる。したがって、安
価に、簡単な構成で、水晶発振回路の温度特性を改善す
るには、回路の周波数温度特性を0にすればよい。その
結果、発振周波数の温度特性は水晶振動子単体の温度特
性のみになり、回路偏差分を考慮しなくても良くなる。
回路の発振周波数温度特性が負の傾きを持っている場
合、一般的に、負の温度係数をもつ容量素子を負荷容量
として用いることによって、周波数温度特性を0にする
ことができる。このような負の温度係数規格の容量素子
としては、RH品(−220±60ppm/℃)、UJ
品(−750±120ppm/℃)などがある。しかし
ながら、図2(a)の例のように発振回路の周波数温度
特性が正の傾きを持っている場合は、正の温度係数規格
の容量素子が必要となるが、チップコンデンサ等で正の
温度係数規格のタイプは量産されていないため入手する
のが難しく、特注した場合には高価なものとなる。
【0006】このようなことから、入手が容易でかつ低
価格な可変容量ダイオードを用いたものが提案されてい
る。例えば、川島宏文他著“NS-GT カット水晶振動子を
用いた電圧制御・S-TCXO”(電子情報通信学会論文誌C
−I Vol. J78−C−I No.11pp.533-540 1995年11月)
には、可変容量ダイオードに加える制御電圧を温度変化
に対応して制御することで、その容量変化によって水晶
振動子の周波数温度特性を補正している。また、このよ
うな可変容量ダイオードを用いる技術はその他にも存在
しており、例えば、特開平1−205607号公報、特
開昭64−49406号公報等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この可
変容量ダイオードを用いた前記した各文献に記載の技術
では、いずれも可変容量ダイオードに印加する電圧を制
御するために、発振回路とは独立した回路を付加してい
るため、水晶発振回路の回路規模が大型化してしまう。
特に、近年では発振回路をIC化しているが、このよう
なIC化された発振回路に可変容量ダイオードとその制
御回路を付加することは、回路規模の増大と共に制御回
路のためのスペースが必要となり、前記したような無線
選択呼出受信機を小型化する上での障害になるととも
に、付加する制御回路によって低コスト化も困難にな
り、所期の目的を達成することができないという問題が
ある。
【0008】本発明の目的は、周波数温度特性の安定化
を図る一方で低コスト化を実現し、これにより無線選択
呼出受信機等の低価格化が要求される機器への適用を可
能にした水晶発振回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、発振回路と、
この発振回路に接続される水晶振動子とを備える水晶発
振回路において、前記水晶発振回路の発振周波数の温度
特性が前記水晶振動子の温度特性にのみ依存しているこ
とを特徴とする。すなわち、本発明の水晶発振回路は、
前記発振回路には可変容量コンデンサが接続され、この
可変容量コンデンサの温度変化に対する容量変化特性
が、前記発振回路の発振周波数温度特性を相殺するよう
に設定される。例えば、前記発振回路は自己バイアス式
エミッタ接地回路であり、前記可変容量コンデンサには
前記トランジスタのベース−エミッタ間電圧が印加され
る。また、この場合、前記トランジスタのコレクタとベ
ース間に前記水晶振動子が接続される。
【0010】本発明においては、可変容量ダイオードの
キャパシタンスが発振回路のトランジスタのVBEによ
って与えられ、またその温度特性がVBEの温度特性と
可変容量ダイオード自身の温度特性によって与えられる
ことを利用して、発振回路に付加接続される外部回路要
素の合成容量が発振回路の温度特性の原因となる発振回
路での温度特性を相殺し、水晶発振回路の発振周波数の
温度特性が前記水晶振動子の温度特性にのみ依存した特
性とされる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の回
路図であり、特に発振回路の要部のみを示している。こ
の水晶発振回路は、自己バイアス式エミッタ接地回路と
して構成しており、ベースコレクタ間の帰還抵抗による
負帰還の効果により能動回路が安定化し、周囲温度に対
する発振周波数変動を小さくすることができる構成をと
っている。この回路は、千葉作富郎著“高安定コレクタ
負帰還形水晶発振回路”(電子情報通信学会論文誌C−
II Vol.J73−C−II No.3 pp.143−153 1990年3月)に
記載されている回路と基本的には同じであるが、ここで
は、低電圧動作(1V系など)を実現するため、エミッ
タフォロワ型回路をエミッタ接地回路としている点で構
成が相違している。
【0012】図1において、IC内部に構成される発振
回路は、NPNトランジスタQ1のコレクタと安定化電
源VSTB間に負荷抵抗R1を、同じくベース−コレク
タ間に帰還抵抗R2をそれぞれ接続したベース−コレク
タ間抵抗負帰還型構成である。前記負荷抵抗R1は、ト
ランジスタQ1のコレクタ電流、発振回路の利得を与え
ており、また、前記電源VSTBは、IC製造条件、温
度に対してコレクタ電流が一定となるように、トランジ
スタQ1のベース−エミッタ間電圧VBEと同じ温度特
性をもつように構成されたスタビライザーを用いてい
る。また、前記帰還抵抗R2は、トランジスタQ1のベ
ース−コレクタ間に負帰還を施し、トランジスタ回路を
安定化している。
【0013】一方、前記IC外部には、水晶振動子XT
Lを前記トランジスタQ1のベース−コレクタ間に接続
し、発振周波数を決定するコンデンサC1及びC2を前
記トランジスタQ1のベース側、コレクタ側にそれぞれ
接続している。そして、前記トランジスタQ1のベース
側に可変容量ダイオードCVを付加している。したがっ
て、この可変容量ダイオードCVの容量を決定する逆方
向電圧は、前記トランジスタQ1のVBEに相当するこ
とになる。これにより、前記可変容量ダイオードCVの
容量は、前記トランジスタQ1のVBEによって自己的
に与えられることになり、外部からの制御電圧や帰還系
を行うための回路を付加する必要はない。
【0014】この水晶発振回路における発振周波数は、
容量が固定された前記コンデンサC1,C2と、前記可
変容量コンデンサCVとで構成される外部合成容量と、
IC内部の発振回路の内部容量によって与えられる。可
変容量コンデンサCVがトランジスタQ1のVBEによ
り制御されて容量が変化するため、この容量変化に対応
してコンデンサC1,C2の定数を適切な値に設定する
ことにより、発振回路の発振周波数温度特性を0にする
ことが可能となる。この場合、コンデンサC1,C2に
は、CG品(0±30ppm/℃)、CH品(0±60
ppm/℃)等の温度特性規格が0の容量素子を用いる
のが望ましい。
【0015】次に、図1の水晶発振回路の動作、特に可
変容量ダイオードCVによる発振回路の周波数温度特性
を0にするための動作を説明する。先ず、可変容量ダイ
オードCVを付加していない回路の動作について考察す
る。水晶発振回路の発振周波数は、水晶発振子XTLの
負荷容量により決定される。この負荷容量CLは、水晶
振動子の両端からみた実効的な静電容量であり、(1)
式のように、IC内に構成される発振回路の内部容量C
Iと、IC外に接続される素子からなる外部合成容量C
Oとの合成容量である。 CL=CO+CI …(1) ここで、図1の回路の場合には、前記外部合成容量CO
は、コンデンサC1,C2とから、(2)式で示され
る。なお、以降の式において、C1,C2は容量値を示
している。 CO=C1×C2/(C1+C2) …(2)
【0016】ところで、水晶発振回路は等価的にLC共
振回路とみなすことができ、LC共振回路の共振周波数
fは、一般的に(3)式で表される。 f=1/{2π・√(LC)} …(3) そして、水晶振動子XTLはL(インダクタンス)性で
動作していることを考慮すると、全体の周波数温度特性
から水晶振動子単体の周波数温度特性を除いた回路の周
波数温度特性は、CLが温度により変化していることが
原因と考えることができる。温度T1→T2(T1<T
2)における前記各容量の容量変化をΔCL,ΔCO,
ΔCIとすると、(4)式の関係がある。 △CL=△CO+△CI …(4)
【0017】ここで外部容量素子としてのコンデンサC
1,C2は温度係数0なので、ΔCO=0であり、した
がって(5)式の関係となる。 ΔCL=ΔCI …(5) これから、水晶発振回路における負荷容量CLの温度特
性は、発振回路の内部容量CIの温度特性に起因してい
ることが判る。そこで、ΔCL=0にすれば、水晶発振
回路の周波数温度特性を0にすることができ、この周波
数温度特性を0とする外部合成容量COの条件として、
(6)式が得られる。 ΔCO=−ΔCI …(6) すなわち、図2(a)に示したような場合、発振回路内
部容量は負の温度係数であるから、ΔCI<0であり、
(6)式を満たすためには、ΔCO>0とすればよいこ
とがわかる。
【0018】次に、前記トランジスタQ1のベース−エ
ミッタ間に可変容量ダイオードCVを接続した図1の構
成の場合について考察する。前記可変容量ダイオードC
Vに印可される逆方向電圧はトランジスタQ1のVBE
である。このときの外部合成容量をCO’とすると、
(7)式が得られる。 CO’=C1×(C2+CV)/(C1+C2+CV) …(7) 前記可変容量コンデンサCVの特性について図3
(a),(b)に示す。図3(a)は逆方向電圧に対す
る容量、図3(b)は、周囲温度に対する容量の関係を
示している。また、図4にVSTB、VBEの温度特性
を示す。可変容量ダイオードCVに印可される逆方向電
圧に相当するトランジスタQ1のVBEの温度特性は約
−2mV/℃である。可変容量ダイオードの特性は、第
3(a)図に示すように逆方向電圧が小さいほど容量が
大きく、また第3(b)図に示すようにそれ自身が正の
温度係数をもっている。よって、図1の水晶発振回路に
おいて、可変容量ダイオードCVの容量は、トランジス
タQ1のVBEと自身の温度係数による相乗効果によっ
て、正の傾きの温度特性を有する。
【0019】例として−10℃、25℃、50℃におけ
る可変容量ダイオードの容量温度特性を図5に示す。可
変容量ダイオードCVのT1→T2(T1<T2)にお
ける容量変化ΔCVは、 ΔCV>0 …(8) (7)式で示される外部合成容量CO’の変化量△C
O’は、コンデンサC1,C2が温特を持たない素子で
あれば、次式で表される。 ΔCO’=ΔCV×C12 /{(C1+C2+CV)(C1+C2+CV+ΔC V)} …(9) (8)式より ΔCO’>0 …(10) (7)式より回路の周波数温度特性を0とする条件の式
は、 ΔCO’=−ΔCI …(11) 外部容量素子としてのコンデンサC1,C2の値を上式
を満たすような定数に設定すれば、ΔCO’とΔCIが
相殺して負荷容量CLの変化量ΔCL=0となる。
【0020】このように、可変容量ダイオードCVの容
量が、トランジスタQ1のVBEと自身の温度特性で変
化することによって、発振回路内部容量の変化量ΔCI
を打ち消し、発振回路の周波数温度特性を0にしてい
る。図2(b)は図1の構成の周波数温度特性を示す。
これから、発振回路における周波数温度特性の影響がな
く水晶振動子のみの周波数温度特性となっていることが
判る。したがって、この構成では発振回路自身のトラン
ジスタQ1のVBEが可変容量ダイオードCVの容量を
制御するような動作をするため、外部からの制御電圧や
帰還系を必要としない。これにより、可変容量ダイオー
ドCVを制御するための回路を発振回路とは別に設ける
必要はなく、回路構成が簡略化できるとともに、制御回
路の温度特性を発振回路の周波数温度特性に合わせて設
計、設定するための作業も不要となり、結果として水晶
発振回路を低コストに構成できる。
【0021】次に本発明の他の実施形態について説明す
る。なお、各実施形態において、図1に示した回路の構
成要素と等価な部分には同一符号を付してある。図6
は、水晶振動子XTLとトランジスタQ1のコレクタ、
ベースの間にそれぞれ緩衝抵抗R3,R4を介挿し、か
つコンデンサC1と並列にトリマコンデンサCTを接続
したものであり、特にトリマコンデンサCTによって発
振周波数の調整が可能とされている。
【0022】また、図7は発振回路の負荷を、定電流源
IとトランジスタQ2,Q2で構成されるカレントミラ
ーによる能動負荷として構成したものであり、発振回路
の周波数温度特性の安定化を図り、可変容量ダイオード
CVによる周波数温度特性の相殺効果をより高めること
が可能となる。
【0023】さらに、図8は、発振回路のトランジスタ
Q1のエミッタに抵抗R5を挿入し、可変容量ダイオー
ドCVの制御電圧を図1の構成に比べて高くし、可変容
量ダイオードCVの可変幅を小さくしている。なお、図
示は省略するが、可変容量ダイオードを複数個並列に接
続することによって、逆に可変幅を大きくすることが可
能である。
【0024】また、図9は、発振回路のトランジスタと
して図1のトランジスタQ1のエミッタ面積を大きくし
たトランジスタQ1’で構成してVBEを下げ、可変容
量ダイオードCVの制御電圧を図1の構成に比べて低く
し、これにより、温度特性の安定化を図ることが可能と
なる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、発振回路
と、この発振回路に接続される水晶振動子とを備える水
晶発振回路において、前記発振回路の周波数温度特性を
相殺する回路構成、例えば、前記発振回路に可変容量コ
ンデンサを接続し、この可変容量コンデンサに前記発振
回路を構成するトランジスタのベース−エミッタ間電圧
を印加する構成とすることにより、水晶発振回路全体と
しての発振周波数の温度特性は、発振回路の周波数温度
特性が0になるために水晶振動子自体の周波数温度特性
に一致することになり、これにより水晶発振回路の周波
数温度特性による特性劣化がなく、温度に対してより高
い周波数安定度を得ることができる。したがって、可変
容量ダイオードを制御するために発振回路とは独立した
回路を設ける必要がなく、回路規模が縮小され、低コス
ト化が実現できる。また、発振周波数の温度特性規格に
対してマージンができるため、水晶振動子のばらつき精
度を低くすることも可能となり、水晶振動子の原価低減
を図り、水晶発振回路のさらなる低コスト化が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の回路図である。
【図2】従来と本発明の水晶発振回路における発振周波
数温度特性を示す図である。
【図3】可変容量ダイオードのVR−CV特性と、周囲
温度−容量特性を示す図である。
【図4】VSTBとVBE電圧温度特性を示す図であ
る。
【図5】本発明の可変容量ダイオードの容量特性を示す
図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の回路図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の回路図である。
【図8】本発明の第4の実施形態の回路図である。
【図9】本発明の第5の実施形態の回路図である。
【図10】水晶発振回路を用いたダブルスーパヘテロダ
イン方式の無線選択呼出受信の受信回路の一部を示す回
路図である。
【符号の説明】
Q1〜Q3 トランジスタ XTL 水晶振動子 CV 可変容量ダイオード C1,C2 コンデンサ R1〜R5 抵抗

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振回路と、この発振回路に接続される
    水晶振動子とを備える水晶発振回路において、前記水晶
    発振回路の発振周波数の温度特性が前記水晶振動子の温
    度特性にのみ依存していることを特徴とする水晶発振回
    路。
  2. 【請求項2】 前記発振回路には可変容量コンデンサが
    接続され、この可変容量コンデンサの温度変化に対する
    キャパシタンス特性が、前記発振回路の発振周波数温度
    特性を相殺するように設定されている請求項1に記載の
    水晶発振回路。
  3. 【請求項3】 前記発振回路は自己バイアス式エミッタ
    接地回路であり、前記可変容量コンデンサには前記トラ
    ンジスタのベース−エミッタ間電圧が印加されている請
    求項2に記載の水晶発振回路。
  4. 【請求項4】 前記トランジスタのコレクタとベース間
    に前記水晶振動子が接続される請求項3に記載の水晶発
    振回路。
  5. 【請求項5】 前記発振回路はICの内部回路として構
    成され、前記水晶振動子、可変容量コンデンサは前記I
    Cに接続される外部回路要素として構成される請求項2
    ないし4のいずれかに記載の水晶発振回路。
JP09286773A 1997-10-20 1997-10-20 水晶発振回路 Expired - Fee Related JP3129255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09286773A JP3129255B2 (ja) 1997-10-20 1997-10-20 水晶発振回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09286773A JP3129255B2 (ja) 1997-10-20 1997-10-20 水晶発振回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11122038A true JPH11122038A (ja) 1999-04-30
JP3129255B2 JP3129255B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=17708869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09286773A Expired - Fee Related JP3129255B2 (ja) 1997-10-20 1997-10-20 水晶発振回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3129255B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7019444B2 (en) 2001-07-17 2006-03-28 Seiko Epson Corporation Method of adjusting temperature properties of piezoelectric devices and oscillation circuits
JP2012195974A (ja) * 2012-07-12 2012-10-11 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 発振器
JP2013207340A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Seiko Epson Corp 回路装置、発振装置及び電子機器

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8448459B2 (en) * 2007-10-08 2013-05-28 Emerson Climate Technologies, Inc. System and method for evaluating parameters for a refrigeration system with a variable speed compressor

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7019444B2 (en) 2001-07-17 2006-03-28 Seiko Epson Corporation Method of adjusting temperature properties of piezoelectric devices and oscillation circuits
JP2013207340A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Seiko Epson Corp 回路装置、発振装置及び電子機器
JP2012195974A (ja) * 2012-07-12 2012-10-11 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 発振器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3129255B2 (ja) 2001-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8076985B2 (en) PLL/FLL with voltage controlled oscillator
US7336138B2 (en) Embedded structure circuit for VCO and regulator
US6731182B2 (en) Voltage-controlled oscillator and communication apparatus employing the same
US6677788B2 (en) Semiconductor integrated circuit
US7283006B2 (en) Voltage-controlled oscillator
US4581593A (en) Variable frequency oscillating circuit
KR19990063269A (ko) 안정화 발진 회로
US6377130B1 (en) Temperature stabilized CMOS oscillator circuit
JPS6126726B2 (ja)
JP3921362B2 (ja) 温度補償水晶発振器
JPWO2005020427A1 (ja) 温度補償型圧電発振器、およびこれを備えた電子装置
JP3129255B2 (ja) 水晶発振回路
WO1998056112A2 (en) Oscillator frequency-drift compensation
US4297655A (en) Temperature compensated crystal oscillator
US6545554B1 (en) Differential oscillator
JP4228758B2 (ja) 圧電発振器
JPH0846427A (ja) 電圧制御型水晶発振器
JP2001060828A (ja) 温度補償発振器
JP3893932B2 (ja) 電圧制御発振器
JPH02218231A (ja) 無線選択呼出受信機
US7205856B2 (en) Piezoelectric oscillator
KR100242415B1 (ko) 2차 국부발진회로
JPH0319506A (ja) 水晶発振回路
JP3239776B2 (ja) 温度補償型圧電発振器
KR960012955B1 (ko) 온도보상 특성을 갖는 무선 호출기의 국부 발진 회로

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees