JPH11121868A - 量子半導体記憶装置 - Google Patents
量子半導体記憶装置Info
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- JPH11121868A JPH11121868A JP21596898A JP21596898A JPH11121868A JP H11121868 A JPH11121868 A JP H11121868A JP 21596898 A JP21596898 A JP 21596898A JP 21596898 A JP21596898 A JP 21596898A JP H11121868 A JPH11121868 A JP H11121868A
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- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自己組織化量子ドットを使い、光励起された
電子とホールとを空間的に分離して安定に保持する光多
重記録量子半導体記憶装置を提供する。 【解決手段】 自己組織化量子ドットに隣接して、間接
遷移型半導体よりなる蓄積層を形成し、量子ドットを構
成する半導体の組成を、量子ドット中に形成される量子
準位が、前記間接遷移型半導体の伝導帯X点よりも上に
位置するように決定する。
電子とホールとを空間的に分離して安定に保持する光多
重記録量子半導体記憶装置を提供する。 【解決手段】 自己組織化量子ドットに隣接して、間接
遷移型半導体よりなる蓄積層を形成し、量子ドットを構
成する半導体の組成を、量子ドット中に形成される量子
準位が、前記間接遷移型半導体の伝導帯X点よりも上に
位置するように決定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に半導体装置に
係り、特に量子ドット構造を情報の記憶に使う量子半導
体記憶装置およびその製造方法に関する。キャリアの閉
じ込めのない、いわゆるバルク半導体結晶では、キャリ
アの状態密度はエネルギと共に放物線的に、すなわち連
続的に増大するが、半導体結晶中にキャリアを1次元的
に閉じ込めたいわゆる量子井戸構造では量子準位が出現
するため、状態密度が階段状に変化する。かかる階段状
の状態密度を有する系では、キャリアの分布はバルク結
晶の場合よりも制限されるため、かかる量子井戸構造を
例えばレーザダイオード等の光半導体装置に適用した場
合、バルク半導体結晶を使った場合よりも幅のせまい鋭
いスペクトルが得られ、またレーザダイオード等の発光
素子では発光効率が向上する。また、量子井戸構造は、
RHETのような共鳴バリアを有する電子素子におい
て、キャリアのエネルギフィルタとして使われている。
係り、特に量子ドット構造を情報の記憶に使う量子半導
体記憶装置およびその製造方法に関する。キャリアの閉
じ込めのない、いわゆるバルク半導体結晶では、キャリ
アの状態密度はエネルギと共に放物線的に、すなわち連
続的に増大するが、半導体結晶中にキャリアを1次元的
に閉じ込めたいわゆる量子井戸構造では量子準位が出現
するため、状態密度が階段状に変化する。かかる階段状
の状態密度を有する系では、キャリアの分布はバルク結
晶の場合よりも制限されるため、かかる量子井戸構造を
例えばレーザダイオード等の光半導体装置に適用した場
合、バルク半導体結晶を使った場合よりも幅のせまい鋭
いスペクトルが得られ、またレーザダイオード等の発光
素子では発光効率が向上する。また、量子井戸構造は、
RHETのような共鳴バリアを有する電子素子におい
て、キャリアのエネルギフィルタとして使われている。
【0002】かかるキャリアの閉じ込めをさらに進めた
量子細線構造では、キャリアの2次元的な閉じ込めの結
果、状態密度は各階段の下端で最大になるように変化す
るため、キャリアのエネルギスペクトルはさらに鋭くな
る。キャリアの閉じ込めをさらに進めた究極的な量子ド
ット構造では、キャリアの3次元的な閉じ込めの結果、
状態密度は離散的になり、これに伴い、キャリアのエネ
ルギスペクトルは、各量子準位に対応して完全に離散的
になる。かかる離散的なエネルギスペクトルを有する系
では、系が室温等の熱的励起が存在するような状態にあ
ってもキャリアの遷移が量子準位間で不連続に生じるた
め、例えば量子ドット構造を有する光半導体装置では、
室温においても非常に鋭い発光スペクトルを得ることが
できる。また、かかる量子ドット構造をRHETのよう
な共鳴バリアを有する電子素子において、キャリアのエ
ネルギフィルタとして使った場合も、低温のみならず、
室温においても非常に鋭いエネルギスペクトルが得られ
る。
量子細線構造では、キャリアの2次元的な閉じ込めの結
果、状態密度は各階段の下端で最大になるように変化す
るため、キャリアのエネルギスペクトルはさらに鋭くな
る。キャリアの閉じ込めをさらに進めた究極的な量子ド
ット構造では、キャリアの3次元的な閉じ込めの結果、
状態密度は離散的になり、これに伴い、キャリアのエネ
ルギスペクトルは、各量子準位に対応して完全に離散的
になる。かかる離散的なエネルギスペクトルを有する系
では、系が室温等の熱的励起が存在するような状態にあ
ってもキャリアの遷移が量子準位間で不連続に生じるた
め、例えば量子ドット構造を有する光半導体装置では、
室温においても非常に鋭い発光スペクトルを得ることが
できる。また、かかる量子ドット構造をRHETのよう
な共鳴バリアを有する電子素子において、キャリアのエ
ネルギフィルタとして使った場合も、低温のみならず、
室温においても非常に鋭いエネルギスペクトルが得られ
る。
【0003】
【従来の技術】従来より、かかる量子ドット構造を使っ
て情報を光学的に記憶する量子半導体記憶装置が提案さ
れている。例えば、武藤(Muto, S., Jpn. J. Appl. Phy
s. vol.34 (1995), pp.L210-212, Part 2, No.2B, 15 F
ebruary 1995) は、多数の階段面より構成される傾斜基
板の各階段面において、量子井戸層およびバリア層を形
成する半導体層を、隣接する階段面との境界を構成する
段部から側方にエピタキシャル成長させることにより形
成した多数の量子ドットより構成される量子ドット構造
において、量子ドット中において光学的に励起された電
子を、隣接する別の半導体層中にトンネリングさせ、保
持する構成の量子半導体記憶装置を提案している。
て情報を光学的に記憶する量子半導体記憶装置が提案さ
れている。例えば、武藤(Muto, S., Jpn. J. Appl. Phy
s. vol.34 (1995), pp.L210-212, Part 2, No.2B, 15 F
ebruary 1995) は、多数の階段面より構成される傾斜基
板の各階段面において、量子井戸層およびバリア層を形
成する半導体層を、隣接する階段面との境界を構成する
段部から側方にエピタキシャル成長させることにより形
成した多数の量子ドットより構成される量子ドット構造
において、量子ドット中において光学的に励起された電
子を、隣接する別の半導体層中にトンネリングさせ、保
持する構成の量子半導体記憶装置を提案している。
【0004】かかる構成では、前記量子ドット中で励起
された電子が、前記別の半導体層中に、前記量子ドット
中に残留するホールと空間的に分離した状態で安定に保
持される。また、前記光学的に励起される量子ドットを
直接遷移型の半導体材料により構成し、前記別の半導体
層をを間接遷移型の半導体材料より構成することによ
り、前記別の半導体層中において光学的励起が生じるの
を回避している。
された電子が、前記別の半導体層中に、前記量子ドット
中に残留するホールと空間的に分離した状態で安定に保
持される。また、前記光学的に励起される量子ドットを
直接遷移型の半導体材料により構成し、前記別の半導体
層をを間接遷移型の半導体材料より構成することによ
り、前記別の半導体層中において光学的励起が生じるの
を回避している。
【0005】図1は、かかる従来の量子半導体記憶装置
の動作原理を示すバンド構造図である。図1を参照する
に、GaAs量子ドットM1は薄いAlGaAsバリア
層M2により囲まれ、さらに前記バリア層M2に隣接し
てAlAs層M3が形成されている。GaAs量子ドッ
トM1は直接遷移型の量子ドットであり、入射光hνに
より●で示す電子および○で示すホールを、それぞれの
量子準位LeおよびLhに励起する。量子ドットM1
は、前記量子準位Leが隣接するAlAs層M3の伝導
帯下端よりも高くなるような大きさに設定され、その結
果量子ドットM1で励起された電子はバリア層M2をト
ンネリングしてAlAs層M3の伝導帯X点に落ちる
(Γ−Xトランスファ)。かかる電子の光励起に伴って
生じるホールは有効質量が大きいため量子ドットM1中
に留まり、このため光励起された電子とホールとは、空
間的に分離して安定に保持される。また、AlAs層M
3は間接遷移型の半導体であり、X点での価電子帯から
伝導帯へのキャリアの遷移には、運動量保存則を満足す
るフォノン等、他の素励起との相互作用が不可欠であ
り、またかかる他の素励起との相互作用が必要ないΓ点
では、必要な遷移エネルギが非常に大きいため、層M3
におけるキャリアの光励起は実質的に生じない。
の動作原理を示すバンド構造図である。図1を参照する
に、GaAs量子ドットM1は薄いAlGaAsバリア
層M2により囲まれ、さらに前記バリア層M2に隣接し
てAlAs層M3が形成されている。GaAs量子ドッ
トM1は直接遷移型の量子ドットであり、入射光hνに
より●で示す電子および○で示すホールを、それぞれの
量子準位LeおよびLhに励起する。量子ドットM1
は、前記量子準位Leが隣接するAlAs層M3の伝導
帯下端よりも高くなるような大きさに設定され、その結
果量子ドットM1で励起された電子はバリア層M2をト
ンネリングしてAlAs層M3の伝導帯X点に落ちる
(Γ−Xトランスファ)。かかる電子の光励起に伴って
生じるホールは有効質量が大きいため量子ドットM1中
に留まり、このため光励起された電子とホールとは、空
間的に分離して安定に保持される。また、AlAs層M
3は間接遷移型の半導体であり、X点での価電子帯から
伝導帯へのキャリアの遷移には、運動量保存則を満足す
るフォノン等、他の素励起との相互作用が不可欠であ
り、またかかる他の素励起との相互作用が必要ないΓ点
では、必要な遷移エネルギが非常に大きいため、層M3
におけるキャリアの光励起は実質的に生じない。
【0006】かかる量子ドットを使った量子半導体記憶
装置を作製するには、明確な量子準位を形成し、量子準
位間で光学的遷移が生じるような、良質の量子ドットを
形成する技術が不可欠である。しかも、図1よりわかる
ように、上記従来の量子半導体記憶装置では、量子ドッ
トM1中の量子準位Leが、隣接するAlAs層M3中
の伝導帯X点よりもエネルギ的に上に位置するように、
量子ドットM1の大きさを制御できる必要がある。
装置を作製するには、明確な量子準位を形成し、量子準
位間で光学的遷移が生じるような、良質の量子ドットを
形成する技術が不可欠である。しかも、図1よりわかる
ように、上記従来の量子半導体記憶装置では、量子ドッ
トM1中の量子準位Leが、隣接するAlAs層M3中
の伝導帯X点よりもエネルギ的に上に位置するように、
量子ドットM1の大きさを制御できる必要がある。
【0007】従来より、キャリアを2次元平面内に閉じ
込めるいわゆる量子井戸構造は、MBE法あるいはMO
VPE法を使って一対のバリア層の間に非常に薄い量子
井戸層を介在させることにより、比較的容易に、また確
実に形成することが可能であった。また、キャリアを1
次元的に閉じ込める量子細線構造については、階段構造
を有するいわゆる傾斜半導体基板を使い、各階段の側縁
に沿って厚さおよび幅の狭い半導体層を量子井戸層とし
て成長させる方法、あるいは1次元量子井戸構造を電子
ビームリソグラフィ等により形成する方法が提案されて
いる。
込めるいわゆる量子井戸構造は、MBE法あるいはMO
VPE法を使って一対のバリア層の間に非常に薄い量子
井戸層を介在させることにより、比較的容易に、また確
実に形成することが可能であった。また、キャリアを1
次元的に閉じ込める量子細線構造については、階段構造
を有するいわゆる傾斜半導体基板を使い、各階段の側縁
に沿って厚さおよび幅の狭い半導体層を量子井戸層とし
て成長させる方法、あるいは1次元量子井戸構造を電子
ビームリソグラフィ等により形成する方法が提案されて
いる。
【0008】そこで、量子ドット構造についても、この
ような傾斜基板上の段差あるいはキンクを使って形成す
ることが考えられるが、かかる基板表面の段差の制御は
困難であり、またかかる量子ドット界面においては元素
の混合が生じやすく、界面における組成の急峻な変化が
困難である等の問題点が存在する。また、リソグラフィ
等のパターニングを使った場合、加工に伴う量子ドット
への実質的な損傷が避けられない。このような理由で、
先に説明した量子ドットを使った半導体記憶装置は実現
されていない。
ような傾斜基板上の段差あるいはキンクを使って形成す
ることが考えられるが、かかる基板表面の段差の制御は
困難であり、またかかる量子ドット界面においては元素
の混合が生じやすく、界面における組成の急峻な変化が
困難である等の問題点が存在する。また、リソグラフィ
等のパターニングを使った場合、加工に伴う量子ドット
への実質的な損傷が避けられない。このような理由で、
先に説明した量子ドットを使った半導体記憶装置は実現
されていない。
【0009】これに対し、InAs/GaAs等の歪み
系ヘテロエピタキシャル構造において、ヘテロエピタキ
シャル成長の初期に出現するいわゆるS−K(Stranski
-Krastanow) モード成長を利用することにより、基板上
に相互に離間した島の形で量子ドット構造を形成するこ
とができることが知られている。例えば、GaAs基板
上に、In組成が0.5程度の格子定数が大きく異なる
InGaAs層を数分子層、MBE法により堆積するこ
とにより、直径が30〜40nmのInGaAsの島が
GaAs基板上に形成されることが報告されている(Le
onard, D., etal., Appl. Phys. Lett. 63, pp.3203 -
3205, 1993)。また、ALE法を使って直径が15〜2
0nm程度のInGaAsの島を、GaAs基板上に、
100nm程度の間隔で形成できることが報告されてい
る (Mukai, K., et al., Jpn. J.Appl. Phys., 33, pp.
L1710 - L1712, 1994) 。さらに、MOVPE法によっ
ても、同様な量子ドットを形成できることが知られてい
る(Oshinowo, J., et al., Appl, Phys. Lett. 65, (1
1), pp.1421 - 1423 (1994) 。
系ヘテロエピタキシャル構造において、ヘテロエピタキ
シャル成長の初期に出現するいわゆるS−K(Stranski
-Krastanow) モード成長を利用することにより、基板上
に相互に離間した島の形で量子ドット構造を形成するこ
とができることが知られている。例えば、GaAs基板
上に、In組成が0.5程度の格子定数が大きく異なる
InGaAs層を数分子層、MBE法により堆積するこ
とにより、直径が30〜40nmのInGaAsの島が
GaAs基板上に形成されることが報告されている(Le
onard, D., etal., Appl. Phys. Lett. 63, pp.3203 -
3205, 1993)。また、ALE法を使って直径が15〜2
0nm程度のInGaAsの島を、GaAs基板上に、
100nm程度の間隔で形成できることが報告されてい
る (Mukai, K., et al., Jpn. J.Appl. Phys., 33, pp.
L1710 - L1712, 1994) 。さらに、MOVPE法によっ
ても、同様な量子ドットを形成できることが知られてい
る(Oshinowo, J., et al., Appl, Phys. Lett. 65, (1
1), pp.1421 - 1423 (1994) 。
【0010】図2(A),(B)は、このような歪み系
ヘテロエピタキシャル構造において形成される量子ドッ
トを示す断面図および平面図である。図2(A)を参照
するに、GaAs基板1上に、AlGaAs等よりなる
バッファ層2を介して、別のGaAs層3がエピタキシ
ャルに形成され、さらに前記GaAs層3上にInGa
Asよりなる量子井戸層4が形成される。その際、前記
量子井戸層4を構成するInGaAsは、その下の層3
を構成するGaAsよりも実質的に格子定数が大きいた
め、層3上に島状に成長し、その結果、図2(B)に示
す相互に離間したInGaAsよりなる厚さが数nm、
径が典型的には数十nmの量子ドットが自発的に形成さ
れる。さらにかかるInGaAs量子ドット上にバンド
ギャップのより大きいGaAs層5を堆積することによ
り、前記量子ドット中には、離散的な量子準位が形成さ
れる。
ヘテロエピタキシャル構造において形成される量子ドッ
トを示す断面図および平面図である。図2(A)を参照
するに、GaAs基板1上に、AlGaAs等よりなる
バッファ層2を介して、別のGaAs層3がエピタキシ
ャルに形成され、さらに前記GaAs層3上にInGa
Asよりなる量子井戸層4が形成される。その際、前記
量子井戸層4を構成するInGaAsは、その下の層3
を構成するGaAsよりも実質的に格子定数が大きいた
め、層3上に島状に成長し、その結果、図2(B)に示
す相互に離間したInGaAsよりなる厚さが数nm、
径が典型的には数十nmの量子ドットが自発的に形成さ
れる。さらにかかるInGaAs量子ドット上にバンド
ギャップのより大きいGaAs層5を堆積することによ
り、前記量子ドット中には、離散的な量子準位が形成さ
れる。
【0011】かかる歪み系ヘテロエピタキシャル構造に
おける量子ドットの形成は、ヘテロ界面に生じる歪みエ
ネルギに支配されるため、従来の量子ドット構造の形成
に比べてはるかに簡単であり、また電子ビームリソグラ
フィ等によるパターニングを行なうわけでもないので、
形成された量子ドットが製造プロセスにより損傷を受け
ることもない。かかる量子ドットに対してはフォトルミ
ネッセンス(PL)も測定されており、1.2eV付近
において、かなり広がったPLピークが生じるのが確認
されている (Leonard, D., et al., op cit.) 。
おける量子ドットの形成は、ヘテロ界面に生じる歪みエ
ネルギに支配されるため、従来の量子ドット構造の形成
に比べてはるかに簡単であり、また電子ビームリソグラ
フィ等によるパターニングを行なうわけでもないので、
形成された量子ドットが製造プロセスにより損傷を受け
ることもない。かかる量子ドットに対してはフォトルミ
ネッセンス(PL)も測定されており、1.2eV付近
において、かなり広がったPLピークが生じるのが確認
されている (Leonard, D., et al., op cit.) 。
【0012】すなわち、かかるS−Kモードを使った量
子ドットでは、スペクトル半値幅(FWHM:Full Wid
th at Half Maximum) が典型的には80〜100meV
程度の範囲に拡がってしまうが、これは量子ドットの大
きさに実質的なばらつきがあるためと考えられる。最近
になって、 Farad 他 (Farad, S. et al., Appl. Phy
s. Lett. 68(7), pp.991 - 993, February 12, 1996)
は、InP基板上に格子整合して堆積されたAlInA
sバッファ層上のInAsよりなるS−Kモード量子ド
ットについて、1.5μm帯のPL波長を報告してい
る。この報告においても、PLスペクトルのFWHMは
110meV以上あり、個々の量子ドットの大きさに実
質的なばらつきがあることを示している。
子ドットでは、スペクトル半値幅(FWHM:Full Wid
th at Half Maximum) が典型的には80〜100meV
程度の範囲に拡がってしまうが、これは量子ドットの大
きさに実質的なばらつきがあるためと考えられる。最近
になって、 Farad 他 (Farad, S. et al., Appl. Phy
s. Lett. 68(7), pp.991 - 993, February 12, 1996)
は、InP基板上に格子整合して堆積されたAlInA
sバッファ層上のInAsよりなるS−Kモード量子ド
ットについて、1.5μm帯のPL波長を報告してい
る。この報告においても、PLスペクトルのFWHMは
110meV以上あり、個々の量子ドットの大きさに実
質的なばらつきがあることを示している。
【0013】量子ドットを使った前記量子半導体記憶装
置では、かかる個々の量子ドットの大きさ、従ってこれ
と相互作用する光波長のばらつきの存在は、かかる量子
ドットを含む記録媒体上同一の領域に、記録光の波長を
変えることにより、異なった情報を書き込む、いわゆる
波長多重記録が可能であることを意味する。すなわち、
前記量子半導体記憶装置において、量子ドットに、かか
るS−Kモードで形成される、いわゆる自己組織化量子
ドットを使うことにより、簡単に波長多重記録が実現で
きる。
置では、かかる個々の量子ドットの大きさ、従ってこれ
と相互作用する光波長のばらつきの存在は、かかる量子
ドットを含む記録媒体上同一の領域に、記録光の波長を
変えることにより、異なった情報を書き込む、いわゆる
波長多重記録が可能であることを意味する。すなわち、
前記量子半導体記憶装置において、量子ドットに、かか
るS−Kモードで形成される、いわゆる自己組織化量子
ドットを使うことにより、簡単に波長多重記録が実現で
きる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、S−Kモ
ードで形成された自己組織化量子ドットでは、波長多重
記録が簡単に可能ではあるが、これは同時に各々の量子
ドットの大きさが制御されていないことをも意味する。
換言すると、自己組織化量子ドットでは、S−Kモード
成長により形成されるため、量子ドットの大きさは基板
および量子ドットを構成する材料系や成長温度条件等に
よりおおよそ決まってしまい、傾斜基板上に形成された
量子ドットのように、図1に示す量子ドットM1の量子
準位Leが、隣接するAlAs層M3の伝導帯のX点よ
りも上になるように自在に制御することは出来ない。こ
のため、単純に自己組織化量子ドットを前記量子半導体
記憶装置に適用しても、所望の情報の書込み、保持、あ
るいは読み出しを行えるとは必ずしも限らない。
ードで形成された自己組織化量子ドットでは、波長多重
記録が簡単に可能ではあるが、これは同時に各々の量子
ドットの大きさが制御されていないことをも意味する。
換言すると、自己組織化量子ドットでは、S−Kモード
成長により形成されるため、量子ドットの大きさは基板
および量子ドットを構成する材料系や成長温度条件等に
よりおおよそ決まってしまい、傾斜基板上に形成された
量子ドットのように、図1に示す量子ドットM1の量子
準位Leが、隣接するAlAs層M3の伝導帯のX点よ
りも上になるように自在に制御することは出来ない。こ
のため、単純に自己組織化量子ドットを前記量子半導体
記憶装置に適用しても、所望の情報の書込み、保持、あ
るいは読み出しを行えるとは必ずしも限らない。
【0015】そこで、本発明は、上記の課題を解決し
た、新規で有用な量子半導体記憶装置を提供することを
概括的課題とする。本発明のより具体的な課題は、自己
組織化された量子ドットと、前記量子ドットに隣接して
形成され、光励起により量子ドットから放出されたキャ
リアを捕獲する間接遷移型の半導体層を含む量子半導体
記憶装置において、量子ドットにおいて光励起されたキ
ャリアが前記間接遷移型半導体層に確実に、かつ速やか
に捕獲される量子半導体記憶装置を提供することにあ
る。
た、新規で有用な量子半導体記憶装置を提供することを
概括的課題とする。本発明のより具体的な課題は、自己
組織化された量子ドットと、前記量子ドットに隣接して
形成され、光励起により量子ドットから放出されたキャ
リアを捕獲する間接遷移型の半導体層を含む量子半導体
記憶装置において、量子ドットにおいて光励起されたキ
ャリアが前記間接遷移型半導体層に確実に、かつ速やか
に捕獲される量子半導体記憶装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題
を、請求項1に記載したように、半導体基板と、前記半
導体基板上に形成された、量子構造を含む活性層と、前
記半導体基板上に、前記活性層に隣接して形成された蓄
積層とよりなる量子半導体装置において、前記量子構造
は:第1の格子定数と第1の禁制帯幅とを有する第1の
半導体結晶よりなるバリア層と;前記バリア層中に形成
され、前記第1の格子定数とは異なる第2の格子定数と
前記第1の禁制帯幅よりも小さい第2の禁制帯幅とを有
し、前記第1の半導体結晶に対して歪み系を形成する第
2の半導体結晶よりなり、各々量子準位を有する複数の
自己組織化量子ドットとを含み、前記第2の半導体結晶
は、前記量子ドットの量子準位エネルギが、前記蓄積層
の伝導帯よりも高くなるような組成を有することを特徴
とする量子半導体記憶装置により、または請求項2に記
載したように、前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネ
ルギ的に低い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半
導体よりなることを特徴とする請求項1記載の量子半導
体記憶装置により、または請求項3に記載したように、
前記バリア層は、前記キャリアのトンネリングが可能な
厚さを有することを特徴とする請求項1または2記載の
量子半導体記憶装置により、または請求項4に記載した
ように、前記第1の半導体結晶は、前記半導体基板に格
子整合するような組成を有することを特徴とする請求項
1〜3のうち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置
により、または請求項5に記載したように、前記活性層
と前記蓄積層とは、交互に繰り返し積層され、積層半導
体構造体を形成することを特徴とする請求項1〜4のう
ち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置により、ま
たは請求項6に記載したように、前記積層半導体構造体
の側面上に、前記蓄積層にオーミック接触するように、
接地電極を設けたことを特徴とする請求項5記載の量子
半導体記憶装置により、または請求項7に記載したよう
に、前記量子構造中において、前記中間層は複数回繰り
返し積層され、前記複数の中間層の各々において、各々
の量子ドットは、隣接する中間層中の対応する量子ドッ
トと、前記半導体基板の主面に垂直な方向に、実質的に
整列することを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれ
か一項記載の量子半導体記憶装置により、または請求項
8に記載したように、前記第2の半導体結晶はInPで
あることを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか一
項記載の量子半導体記憶装置により、または請求項9に
記載したように、前記第1の半導体結晶はInGaP,
AlGaAsおよびAlGaAsPよりなる群より選択
されることを特徴とする請求項8記載の量子半導体記憶
装置により、または請求項10に記載したように、前記
第2の半導体結晶はInAsPであり、前記第1の半導
体結晶はAlGaAsPであることを特徴とする請求項
1〜7のうち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置
により、または請求項11に記載したように、前記第2
の半導体結晶はGaSbであることを特徴とする請求項
1〜7のうち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置
により、または請求項12に記載したように、前記第1
の半導体結晶はInGaPであることを特徴とする請求
項11記載の量子半導体記憶装置により、または請求項
13に記載したように、さらに、前記量子ドットの基底
量子準位間を共鳴励起する第1の波長の第1の光ビーム
を照射する第1の光源と、前記量子ドットの基底量子準
位にある電子を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励
起する第2の波長の第2の光ビームを照射する第2の光
源とを備えたことを特徴とする請求項1〜12のうち、
いずれか一項記載の量子半導体記憶装置により、または
請求項14に記載したように、前記蓄積層は、前記量子
準位よりもエネルギ的に低い位置に伝導帯のΓ点を有す
る間接遷移型半導体よりなることを特徴とする請求項1
記載の量子半導体記憶装置により、または請求項15に
記載したように、前記蓄積層はAlGaAsよりなるこ
とを特徴とする請求項14記載の量子半導体記憶装置に
より、または請求項16に記載したように、半導体基板
と、前記半導体基板上に形成された、量子構造を含む活
性層と、前記半導体基板上に、前記活性層に隣接して形
成された蓄積層とよりなる量子半導体記憶装置におい
て、前記量子構造は:第1の格子定数と第1の禁制帯幅
とを有する第1の半導体結晶よりなるバリア層と;前記
バリア層中に形成され、前記第1の格子定数とは異なる
第2の格子定数と前記第1の禁制帯幅よりも小さい第2
の禁制帯幅とを有し、前記第1の半導体結晶に対して歪
み系を形成する第2の半導体結晶よりなり、各々量子準
位を有する複数の自己組織化量子ドットと、前記量子ド
ットの基底量子準位間を共鳴励起する第1の波長の第1
の光ビームを照射する第1の光源と、前記量子ドットの
基底量子準位にある電子を、前記バリア層の伝導帯上端
を超えて励起する第2の波長の第2の光ビームを照射す
る第2の光源とを備えたことを特徴とする量子半導体記
憶装置により、または請求項17に記載したように、前
記第2の半導体結晶は、前記量子ドットの量子準位エネ
ルギが、前記蓄積層の伝導帯に等しいか低くなるような
組成を有することを特徴とする請求項16記載の量子半
導体記憶装置により、または請求項18に記載したよう
に、前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネルギ的に高
い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半導体よりな
ることを特徴とする請求項16または17記載の量子半
導体記憶装置により、または請求項19に記載したよう
に、前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネルギ的に低
い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半導体よりな
ることを特徴とする請求項16記載の量子半導体記憶装
置により、または請求項20に記載したように、前記第
2の半導体結晶は、前記量子ドットの量子準位エネルギ
が、前記蓄積層の伝導帯よりも高くなるような組成を有
することを特徴とする請求項19記載の量子半導体記憶
装置により、解決する。 [作用]図3は、本発明の原理を示すバンド構造図であ
る。
を、請求項1に記載したように、半導体基板と、前記半
導体基板上に形成された、量子構造を含む活性層と、前
記半導体基板上に、前記活性層に隣接して形成された蓄
積層とよりなる量子半導体装置において、前記量子構造
は:第1の格子定数と第1の禁制帯幅とを有する第1の
半導体結晶よりなるバリア層と;前記バリア層中に形成
され、前記第1の格子定数とは異なる第2の格子定数と
前記第1の禁制帯幅よりも小さい第2の禁制帯幅とを有
し、前記第1の半導体結晶に対して歪み系を形成する第
2の半導体結晶よりなり、各々量子準位を有する複数の
自己組織化量子ドットとを含み、前記第2の半導体結晶
は、前記量子ドットの量子準位エネルギが、前記蓄積層
の伝導帯よりも高くなるような組成を有することを特徴
とする量子半導体記憶装置により、または請求項2に記
載したように、前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネ
ルギ的に低い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半
導体よりなることを特徴とする請求項1記載の量子半導
体記憶装置により、または請求項3に記載したように、
前記バリア層は、前記キャリアのトンネリングが可能な
厚さを有することを特徴とする請求項1または2記載の
量子半導体記憶装置により、または請求項4に記載した
ように、前記第1の半導体結晶は、前記半導体基板に格
子整合するような組成を有することを特徴とする請求項
1〜3のうち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置
により、または請求項5に記載したように、前記活性層
と前記蓄積層とは、交互に繰り返し積層され、積層半導
体構造体を形成することを特徴とする請求項1〜4のう
ち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置により、ま
たは請求項6に記載したように、前記積層半導体構造体
の側面上に、前記蓄積層にオーミック接触するように、
接地電極を設けたことを特徴とする請求項5記載の量子
半導体記憶装置により、または請求項7に記載したよう
に、前記量子構造中において、前記中間層は複数回繰り
返し積層され、前記複数の中間層の各々において、各々
の量子ドットは、隣接する中間層中の対応する量子ドッ
トと、前記半導体基板の主面に垂直な方向に、実質的に
整列することを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれ
か一項記載の量子半導体記憶装置により、または請求項
8に記載したように、前記第2の半導体結晶はInPで
あることを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか一
項記載の量子半導体記憶装置により、または請求項9に
記載したように、前記第1の半導体結晶はInGaP,
AlGaAsおよびAlGaAsPよりなる群より選択
されることを特徴とする請求項8記載の量子半導体記憶
装置により、または請求項10に記載したように、前記
第2の半導体結晶はInAsPであり、前記第1の半導
体結晶はAlGaAsPであることを特徴とする請求項
1〜7のうち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置
により、または請求項11に記載したように、前記第2
の半導体結晶はGaSbであることを特徴とする請求項
1〜7のうち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置
により、または請求項12に記載したように、前記第1
の半導体結晶はInGaPであることを特徴とする請求
項11記載の量子半導体記憶装置により、または請求項
13に記載したように、さらに、前記量子ドットの基底
量子準位間を共鳴励起する第1の波長の第1の光ビーム
を照射する第1の光源と、前記量子ドットの基底量子準
位にある電子を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励
起する第2の波長の第2の光ビームを照射する第2の光
源とを備えたことを特徴とする請求項1〜12のうち、
いずれか一項記載の量子半導体記憶装置により、または
請求項14に記載したように、前記蓄積層は、前記量子
準位よりもエネルギ的に低い位置に伝導帯のΓ点を有す
る間接遷移型半導体よりなることを特徴とする請求項1
記載の量子半導体記憶装置により、または請求項15に
記載したように、前記蓄積層はAlGaAsよりなるこ
とを特徴とする請求項14記載の量子半導体記憶装置に
より、または請求項16に記載したように、半導体基板
と、前記半導体基板上に形成された、量子構造を含む活
性層と、前記半導体基板上に、前記活性層に隣接して形
成された蓄積層とよりなる量子半導体記憶装置におい
て、前記量子構造は:第1の格子定数と第1の禁制帯幅
とを有する第1の半導体結晶よりなるバリア層と;前記
バリア層中に形成され、前記第1の格子定数とは異なる
第2の格子定数と前記第1の禁制帯幅よりも小さい第2
の禁制帯幅とを有し、前記第1の半導体結晶に対して歪
み系を形成する第2の半導体結晶よりなり、各々量子準
位を有する複数の自己組織化量子ドットと、前記量子ド
ットの基底量子準位間を共鳴励起する第1の波長の第1
の光ビームを照射する第1の光源と、前記量子ドットの
基底量子準位にある電子を、前記バリア層の伝導帯上端
を超えて励起する第2の波長の第2の光ビームを照射す
る第2の光源とを備えたことを特徴とする量子半導体記
憶装置により、または請求項17に記載したように、前
記第2の半導体結晶は、前記量子ドットの量子準位エネ
ルギが、前記蓄積層の伝導帯に等しいか低くなるような
組成を有することを特徴とする請求項16記載の量子半
導体記憶装置により、または請求項18に記載したよう
に、前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネルギ的に高
い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半導体よりな
ることを特徴とする請求項16または17記載の量子半
導体記憶装置により、または請求項19に記載したよう
に、前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネルギ的に低
い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半導体よりな
ることを特徴とする請求項16記載の量子半導体記憶装
置により、または請求項20に記載したように、前記第
2の半導体結晶は、前記量子ドットの量子準位エネルギ
が、前記蓄積層の伝導帯よりも高くなるような組成を有
することを特徴とする請求項19記載の量子半導体記憶
装置により、解決する。 [作用]図3は、本発明の原理を示すバンド構造図であ
る。
【0017】図3を参照するに、本発明の量子半導体記
憶装置では、図1に示す蓄積層M3および量子ドット層
M1を有する量子半導体記憶装置において、前記量子ド
ット層M1の代わりに歪み系エピタキシャル構造におい
て出現する自己組織化量子ドットを含む量子ドット層Q
1 〜Q3 を使う。その際、量子ドット層Q1 〜Q3 の各
々の中に形成される量子準位、特に電子の量子準位Le
が、前記蓄積層の伝導帯X点よりもエネルギ的に高くな
るように、量子ドットの組成を選択する。量子ドット層
Q1 〜Q3 では量子ドットは自己組織化されるため、量
子ドットの大きさを制御するのは一般的には困難であ
る。このため、本発明では、量子ドットを構成する半導
体として、基板に対して自己組織化量子ドットを形成す
るに適当な歪み系を形成し、直接遷移型で、しかも禁制
帯幅ができるだけ大きい材料を選択する。その結果、量
子ドットにおいて光励起されたキャリアは効率よく蓄積
層に脱出し、量子ドット中にはホールが空間的に分離さ
れて安定に残留する。
憶装置では、図1に示す蓄積層M3および量子ドット層
M1を有する量子半導体記憶装置において、前記量子ド
ット層M1の代わりに歪み系エピタキシャル構造におい
て出現する自己組織化量子ドットを含む量子ドット層Q
1 〜Q3 を使う。その際、量子ドット層Q1 〜Q3 の各
々の中に形成される量子準位、特に電子の量子準位Le
が、前記蓄積層の伝導帯X点よりもエネルギ的に高くな
るように、量子ドットの組成を選択する。量子ドット層
Q1 〜Q3 では量子ドットは自己組織化されるため、量
子ドットの大きさを制御するのは一般的には困難であ
る。このため、本発明では、量子ドットを構成する半導
体として、基板に対して自己組織化量子ドットを形成す
るに適当な歪み系を形成し、直接遷移型で、しかも禁制
帯幅ができるだけ大きい材料を選択する。その結果、量
子ドットにおいて光励起されたキャリアは効率よく蓄積
層に脱出し、量子ドット中にはホールが空間的に分離さ
れて安定に残留する。
【0018】
[第1実施例]図4は、本発明の第1実施例による多重
記録量子半導体記憶装置10の構成を示す。図4を参照
するに、多重記録量子半導体記憶装置10は(100)
面を主面とする半絶縁性GaAs基板11上に形成され
る。より具体的には、多重記録量子半導体記憶装置10
は、前記GaAs基板11上に300nmの厚さにエピ
タキシャルに形成された非ドープGaAsバッファ層1
1Aと、前記バッファ層11A上に典型的には20nm
の厚さにエピタキシャルに形成された、組成がAl0. 5
Ga0.5 Asよりなる非ドープAlGaAsエッチング
ストッパ層12とを含み、さらに前記エッチングストッ
パ層12上には、各々厚さが約20nmの非ドープAl
Asキャリア蓄積層13と、前記蓄積層13上に形成さ
れた厚さが約10nmのInGaPバリア層14と、前
記InGaPバリア層14上に、歪み系において生じる
Stranski-Krastanow モード成長により形成されたIn
P量子ドット15と、前記InGaPバリア層14上
に、前記InP量子ドット15を埋めるように、典型的
には10nmの厚さに形成された別のInGaPバリア
層16とを含む量子構造QSを、繰り返しエピタキシャ
ルに形成する。ただし、バリア層14および16は、G
aAs基板11に格子整合するような組成を有する。
記録量子半導体記憶装置10の構成を示す。図4を参照
するに、多重記録量子半導体記憶装置10は(100)
面を主面とする半絶縁性GaAs基板11上に形成され
る。より具体的には、多重記録量子半導体記憶装置10
は、前記GaAs基板11上に300nmの厚さにエピ
タキシャルに形成された非ドープGaAsバッファ層1
1Aと、前記バッファ層11A上に典型的には20nm
の厚さにエピタキシャルに形成された、組成がAl0. 5
Ga0.5 Asよりなる非ドープAlGaAsエッチング
ストッパ層12とを含み、さらに前記エッチングストッ
パ層12上には、各々厚さが約20nmの非ドープAl
Asキャリア蓄積層13と、前記蓄積層13上に形成さ
れた厚さが約10nmのInGaPバリア層14と、前
記InGaPバリア層14上に、歪み系において生じる
Stranski-Krastanow モード成長により形成されたIn
P量子ドット15と、前記InGaPバリア層14上
に、前記InP量子ドット15を埋めるように、典型的
には10nmの厚さに形成された別のInGaPバリア
層16とを含む量子構造QSを、繰り返しエピタキシャ
ルに形成する。ただし、バリア層14および16は、G
aAs基板11に格子整合するような組成を有する。
【0019】さらに、前記最上層の量子構造QS上に
は、非ドープAlGaAs等よりなるキャップ層17
が、典型的には20nmの厚さに形成される。キャップ
層17は、AlGaAsより構成する場合には、通過光
ビームを吸収しないように例えばAl0.5 Ga0.5 As
の組成を有するのが好ましいが、光吸収が問題にならな
い程度に薄く形成される場合には、GaAs層あるいは
よりAl濃度の低いAlGaAs層であってもよい。ま
た、前記基板11およびバッファ層11Aには、前記エ
ッチングストッパ層12を露出するように、開口部11
Bが、ウェットエッチング法により形成される。ただ
し、量子ドット15は図3の量子ドットQ1に、バリア
層14あるいは16はバリア層M2に、また蓄積層13
は蓄積層M3に対応する。
は、非ドープAlGaAs等よりなるキャップ層17
が、典型的には20nmの厚さに形成される。キャップ
層17は、AlGaAsより構成する場合には、通過光
ビームを吸収しないように例えばAl0.5 Ga0.5 As
の組成を有するのが好ましいが、光吸収が問題にならな
い程度に薄く形成される場合には、GaAs層あるいは
よりAl濃度の低いAlGaAs層であってもよい。ま
た、前記基板11およびバッファ層11Aには、前記エ
ッチングストッパ層12を露出するように、開口部11
Bが、ウェットエッチング法により形成される。ただ
し、量子ドット15は図3の量子ドットQ1に、バリア
層14あるいは16はバリア層M2に、また蓄積層13
は蓄積層M3に対応する。
【0020】前記InP量子ドット15は下側のInG
aPバリア層14に対して歪み系を形成するため、先に
記載したように、 Stranski-Krastanow モード成長によ
り、径が数十nm、高さが数nmの島状に形成される。
その際、個々の量子ドット15の大きさは人為的には制
御されないため、量子ドット15中には実質的な大きさ
のばらつき、従って量子準位のばらつきが発生する。
aPバリア層14に対して歪み系を形成するため、先に
記載したように、 Stranski-Krastanow モード成長によ
り、径が数十nm、高さが数nmの島状に形成される。
その際、個々の量子ドット15の大きさは人為的には制
御されないため、量子ドット15中には実質的な大きさ
のばらつき、従って量子準位のばらつきが発生する。
【0021】図5は、このような多重記録量子半導体記
憶装置10において、多数の量子ドット15により全体
的に形成される光吸収特性を示す。図5を参照するに、
装置10において全体的に観測される光吸収スペクトル
は、個々の量子ドット15は3次元キャリア閉じ込め構
造に特徴的な鋭い光吸収スペクトルを有していると考え
られるが、その大きさが人為的に制御されていないた
め、ある中心波長のまわりで拡がったブロードな形状を
有する。このため、例えば図4の構造において、基板1
1の下方から前記開口部11Bを介して前記量子ドット
15の一と相互作用をする波長の書込み光ビームを照射
すると、図5に示すように、かかる書込み光ビームの波
長に対応して、いわゆるPHB(フォトホールバーニン
グ)により吸収の飽和が生じ、かかる飽和は前記光吸収
スペクトル中に、ディップの形で観測される。
憶装置10において、多数の量子ドット15により全体
的に形成される光吸収特性を示す。図5を参照するに、
装置10において全体的に観測される光吸収スペクトル
は、個々の量子ドット15は3次元キャリア閉じ込め構
造に特徴的な鋭い光吸収スペクトルを有していると考え
られるが、その大きさが人為的に制御されていないた
め、ある中心波長のまわりで拡がったブロードな形状を
有する。このため、例えば図4の構造において、基板1
1の下方から前記開口部11Bを介して前記量子ドット
15の一と相互作用をする波長の書込み光ビームを照射
すると、図5に示すように、かかる書込み光ビームの波
長に対応して、いわゆるPHB(フォトホールバーニン
グ)により吸収の飽和が生じ、かかる飽和は前記光吸収
スペクトル中に、ディップの形で観測される。
【0022】先に図3で説明したように、かかる書込み
光ビームを照射された量子ドットでは、光励起された電
子は前記InGaPバリア層14あるいは16をトンネ
リングにより通過し、隣接するAlAs蓄積層13の伝
導帯X点に脱出する(Γ−Xトランスファ)。このた
め、励起を受けた量子ドットにはホールのみが残り、光
吸収が飽和するが、かかる飽和状態は、電子−ホールの
再結合により失われることがなく、安定に保存される。
InGaPバリア層14あるいは16は、かかる電子の
トンネリングが可能なように、先に説明したように10
nmあるいはそれ以下の厚さに形成するのが好ましい。
また、このような自己組織化量子ドット15を含む構造
では、各々の量子ドット15とこれに隣接するバリア層
14あるいは16には歪みが蓄積されるが、かかる歪み
は前記薄いバリア層14あるいは16を介して前記Al
As蓄積層13にも伝達される。その際、伝達された歪
みは前記AlAs層13の伝導帯Xの位置を低エネルギ
側にシフトさせるように作用し、その結果、前記量子ド
ット15からAlAs層13への電子のΓ−Xトランス
ファの効率はますます向上する。
光ビームを照射された量子ドットでは、光励起された電
子は前記InGaPバリア層14あるいは16をトンネ
リングにより通過し、隣接するAlAs蓄積層13の伝
導帯X点に脱出する(Γ−Xトランスファ)。このた
め、励起を受けた量子ドットにはホールのみが残り、光
吸収が飽和するが、かかる飽和状態は、電子−ホールの
再結合により失われることがなく、安定に保存される。
InGaPバリア層14あるいは16は、かかる電子の
トンネリングが可能なように、先に説明したように10
nmあるいはそれ以下の厚さに形成するのが好ましい。
また、このような自己組織化量子ドット15を含む構造
では、各々の量子ドット15とこれに隣接するバリア層
14あるいは16には歪みが蓄積されるが、かかる歪み
は前記薄いバリア層14あるいは16を介して前記Al
As蓄積層13にも伝達される。その際、伝達された歪
みは前記AlAs層13の伝導帯Xの位置を低エネルギ
側にシフトさせるように作用し、その結果、前記量子ド
ット15からAlAs層13への電子のΓ−Xトランス
ファの効率はますます向上する。
【0023】一方、前記多重記録量子半導体記憶装置1
0中に書き込まれた情報を読み出す場合には、前記書込
み光ビームの代わりに、例えばW灯等の白色光源で形成
された白色光ビームを読み取り光ビームとして、前記積
層量子構造Q1に、前記書込み光ビームよりも一桁以上
強度を下げて照射する。かかる読み取り光ビームは前記
開口部11Bを介して照射され、前記積層量子構造中を
通過した光ビームは前記キャップ層17の上方に配設さ
れた分光器(図示せず)によりスペクトル成分に分解さ
れ、フォトダイオード(図示せず)により検出される。
0中に書き込まれた情報を読み出す場合には、前記書込
み光ビームの代わりに、例えばW灯等の白色光源で形成
された白色光ビームを読み取り光ビームとして、前記積
層量子構造Q1に、前記書込み光ビームよりも一桁以上
強度を下げて照射する。かかる読み取り光ビームは前記
開口部11Bを介して照射され、前記積層量子構造中を
通過した光ビームは前記キャップ層17の上方に配設さ
れた分光器(図示せず)によりスペクトル成分に分解さ
れ、フォトダイオード(図示せず)により検出される。
【0024】このような構成では、書き込まれた情報に
対応して前記光吸収スペクトル中に形成されるディップ
は1nm以下の幅を有しており、このため書込み光ビー
ムの光源として、例えばチタンサファイアレーザ等の波
長可変レーザを使い、光ビームの波長を変化させること
により、光情報の多重記録を行うことが可能になる。図
4の構成においては、光記録を行う場合に、前記量子ド
ット15が、従来報告されているInAs系の自己組織
化量子ドットと異なり、バンドギャップの大きいInP
により形成されているため、量子ドット15中に形成さ
れる量子準位Leが前記蓄積層13のX点よりもエネル
ギ的に高くなり、このため特に外部電界を印加して前記
量子ドット15から蓄積層13へと電子を引き抜く等の
必要はない。このため、量子半導体記憶装置10の構成
が簡単になる。使われる書込み光ビームの強度が大きい
場合には、前記蓄積層13中に蓄積させる電子の量が多
くなるため、蓄積された電子の電荷により、蓄積層13
のポテンシャルが全体として、高エネルギ側にシフトす
ることがある。このような場合には、前記量子半導体記
憶装置10の側壁面に接地電極18を形成して、前記蓄
積層13に蓄積された電子を逃がすようにしてもよい。
対応して前記光吸収スペクトル中に形成されるディップ
は1nm以下の幅を有しており、このため書込み光ビー
ムの光源として、例えばチタンサファイアレーザ等の波
長可変レーザを使い、光ビームの波長を変化させること
により、光情報の多重記録を行うことが可能になる。図
4の構成においては、光記録を行う場合に、前記量子ド
ット15が、従来報告されているInAs系の自己組織
化量子ドットと異なり、バンドギャップの大きいInP
により形成されているため、量子ドット15中に形成さ
れる量子準位Leが前記蓄積層13のX点よりもエネル
ギ的に高くなり、このため特に外部電界を印加して前記
量子ドット15から蓄積層13へと電子を引き抜く等の
必要はない。このため、量子半導体記憶装置10の構成
が簡単になる。使われる書込み光ビームの強度が大きい
場合には、前記蓄積層13中に蓄積させる電子の量が多
くなるため、蓄積された電子の電荷により、蓄積層13
のポテンシャルが全体として、高エネルギ側にシフトす
ることがある。このような場合には、前記量子半導体記
憶装置10の側壁面に接地電極18を形成して、前記蓄
積層13に蓄積された電子を逃がすようにしてもよい。
【0025】図4の構成では、書込み光ビームおよび読
み取り光ビームをいずれも前記GaAs基板11中に形
成された開口部11Bより照射するようになっている
が、図4に破線で示すように、書込み光ビームおよび読
み取り光ビームの両方、あるいはいずれか一方を、前記
積層構造体の側面に照射するようにしてもよい。 [第2実施例]図6は、本発明の第2実施例による多重
記録量子半導体記憶装置20の構成を示す。ただし、図
6中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
み取り光ビームをいずれも前記GaAs基板11中に形
成された開口部11Bより照射するようになっている
が、図4に破線で示すように、書込み光ビームおよび読
み取り光ビームの両方、あるいはいずれか一方を、前記
積層構造体の側面に照射するようにしてもよい。 [第2実施例]図6は、本発明の第2実施例による多重
記録量子半導体記憶装置20の構成を示す。ただし、図
6中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
【0026】図6を参照するに、量子半導体記憶装置2
0は、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造を
有するが、図4のInGaPバリア層14および16の
代わりに、組成がAl0.3 Ga0.7 Asの非ドープAl
GaAsよりなるバリア層14A,16Aを、いずれも
典型的には10nmの厚さに形成する。本実施例でも、
バリア層14A,16AはGaAs基板11に格子整合
し、従ってInP量子ドット15に対して歪み系を形成
する。一方、本実施例のようにバリア層14A,16A
をAsを含む材料で構成した場合、量子ドット15には
バリア層14Aから供給されたAsが混入し、その結果
量子ドット15の組成は厳密にはInPではなく、In
AsPになる可能性がある。このような場合でも、As
の量子ドット15への混入量は多くはなく、量子準位L
eからAlAs蓄積層13のX点への光励起電子のΓ−
Xトランスファーは効果的に進行する。
0は、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造を
有するが、図4のInGaPバリア層14および16の
代わりに、組成がAl0.3 Ga0.7 Asの非ドープAl
GaAsよりなるバリア層14A,16Aを、いずれも
典型的には10nmの厚さに形成する。本実施例でも、
バリア層14A,16AはGaAs基板11に格子整合
し、従ってInP量子ドット15に対して歪み系を形成
する。一方、本実施例のようにバリア層14A,16A
をAsを含む材料で構成した場合、量子ドット15には
バリア層14Aから供給されたAsが混入し、その結果
量子ドット15の組成は厳密にはInPではなく、In
AsPになる可能性がある。このような場合でも、As
の量子ドット15への混入量は多くはなく、量子準位L
eからAlAs蓄積層13のX点への光励起電子のΓ−
Xトランスファーは効果的に進行する。
【0027】その他の本実施例の特徴は先の実施例と同
様であり、説明を省略する。 [第3実施例]図7は、本発明の第3実施例による多重
記録量子半導体記憶装置30の構成を示す。ただし、図
7中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
様であり、説明を省略する。 [第3実施例]図7は、本発明の第3実施例による多重
記録量子半導体記憶装置30の構成を示す。ただし、図
7中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
【0028】図7を参照するに、量子半導体記憶装置3
0は、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造を
有するが、図4のInGaPバリア層14および16の
代わりに、前記GaAs基板11に格子整合する組成の
非ドープInAlGaAsPよりなるバリア層14B,
16Bを、いずれも典型的には10nmの厚さに形成す
る。また、先の実施例のInP量子ドット15のかわり
に、本実施例ではInAsPよりなる量子ドット15A
を使う。
0は、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造を
有するが、図4のInGaPバリア層14および16の
代わりに、前記GaAs基板11に格子整合する組成の
非ドープInAlGaAsPよりなるバリア層14B,
16Bを、いずれも典型的には10nmの厚さに形成す
る。また、先の実施例のInP量子ドット15のかわり
に、本実施例ではInAsPよりなる量子ドット15A
を使う。
【0029】本実施例でも、バリア層14B,16B
は、InAsP量子ドット15Aに対して、量子ドット
15Aの Stranski-Krastanow モードによる成長を促進
する歪み系を形成する。その他の本実施例の特徴は先の
実施例と同様であり、説明を省略する。 [第4実施例]図8は、本発明の第4実施例による多重
記録量子半導体記憶装置40の構成を示す。ただし、図
8中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
は、InAsP量子ドット15Aに対して、量子ドット
15Aの Stranski-Krastanow モードによる成長を促進
する歪み系を形成する。その他の本実施例の特徴は先の
実施例と同様であり、説明を省略する。 [第4実施例]図8は、本発明の第4実施例による多重
記録量子半導体記憶装置40の構成を示す。ただし、図
8中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
【0030】図8を参照するに、量子半導体記憶装置4
0は、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造を
有するが、各量子構造QSにおいて、図4のInP量子
ドット15が多数、それぞれのバリア層と共に繰り返し
積層される。このように積層された量子ドット15は基
板11の面に垂直な方向に自発的に整列し、このように
垂直方向に整列した量子ドット15は互いに量子力学的
に結合し、実効的に単一の大きな量子ドット15Bを形
成する。
0は、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造を
有するが、各量子構造QSにおいて、図4のInP量子
ドット15が多数、それぞれのバリア層と共に繰り返し
積層される。このように積層された量子ドット15は基
板11の面に垂直な方向に自発的に整列し、このように
垂直方向に整列した量子ドット15は互いに量子力学的
に結合し、実効的に単一の大きな量子ドット15Bを形
成する。
【0031】かかる、 Stranski-Krastanow モードによ
る量子ドットの自発的な垂直方向への整列、および実効
的に単一の大きな量子ドットの形成は、特願平8−21
2811号公報に記載されているが、要約すると、形成
された量子ドット15上に薄いバリア層16を堆積する
際、バリア層16は量子ドット15と格子整合しないた
め、結晶構造が量子ドット15を覆う部分において変形
し、かかる結晶構造的に変形したバリア層16上に新た
に量子ドット15を Stranski-Krastanow モードにより
形成した場合、量子ドット15がバリア層16のうち、
結晶構造が変形した、下側の量子ドット15を覆う部分
に選択的に成長するためと考えられる。
る量子ドットの自発的な垂直方向への整列、および実効
的に単一の大きな量子ドットの形成は、特願平8−21
2811号公報に記載されているが、要約すると、形成
された量子ドット15上に薄いバリア層16を堆積する
際、バリア層16は量子ドット15と格子整合しないた
め、結晶構造が量子ドット15を覆う部分において変形
し、かかる結晶構造的に変形したバリア層16上に新た
に量子ドット15を Stranski-Krastanow モードにより
形成した場合、量子ドット15がバリア層16のうち、
結晶構造が変形した、下側の量子ドット15を覆う部分
に選択的に成長するためと考えられる。
【0032】このような、垂直方向に整列した量子ドッ
ト15は、先にも説明したように量子力学的に結合し、
より大きな単一の量子ドット15Bを形成するが、その
結果量子ドット15Bの大きさのばらつきは、量子ドッ
ト15を単層で形成した場合よりも実質的に小さくな
る。これは、図5のような吸収スペクトルの拡がりが減
少することを意味するが、一方図8の構造において、量
子構造QSの各繰り返し毎に量子ドット15の積層数を
変化させることにより、図5の吸収スペクトルの形状を
ある程度、人為的に制御することも可能になる。
ト15は、先にも説明したように量子力学的に結合し、
より大きな単一の量子ドット15Bを形成するが、その
結果量子ドット15Bの大きさのばらつきは、量子ドッ
ト15を単層で形成した場合よりも実質的に小さくな
る。これは、図5のような吸収スペクトルの拡がりが減
少することを意味するが、一方図8の構造において、量
子構造QSの各繰り返し毎に量子ドット15の積層数を
変化させることにより、図5の吸収スペクトルの形状を
ある程度、人為的に制御することも可能になる。
【0033】その他の本実施例の特徴は先の実施例と同
様であり、説明を省略する。 [第5実施例]図9は、本発明の第5実施例による多重
記録量子半導体記憶装置10Aの構成を示す。ただし、
図9中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参
照符号を付し、説明を省略する。
様であり、説明を省略する。 [第5実施例]図9は、本発明の第5実施例による多重
記録量子半導体記憶装置10Aの構成を示す。ただし、
図9中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参
照符号を付し、説明を省略する。
【0034】図9を参照するに、量子半導体記憶装置1
0Aは、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造
を有するが、図4のInP量子ドット15の代わりに非
ドープGaSbよりなる量子ドット15Cを、量子ドッ
ト15と同様にS−Kモード成長により形成する。本実
施例でも図3に示すバンド構造と同様なバンド構造が得
られるが、特にGaSb量子ドット15Cでは伝導帯お
よび価電子帯の位置、従って電子およびホールの基底準
位Le ,Lh が隣接するInGaPバリア層に対して全
体として高エネルギ側にシフトし、その結果ホールの閉
じ込めポテンシャルの大きさが増大する。また、電子の
基底準位Le が蓄積層16のX点よりも高エネルギ側に
位置するため、量子ドット15Cにおいて光励起された
電子の蓄積層16へのX−Γトランスファ機構による脱
出が実質的に促進される。
0Aは、図4の量子半導体記憶装置10と略同一の構造
を有するが、図4のInP量子ドット15の代わりに非
ドープGaSbよりなる量子ドット15Cを、量子ドッ
ト15と同様にS−Kモード成長により形成する。本実
施例でも図3に示すバンド構造と同様なバンド構造が得
られるが、特にGaSb量子ドット15Cでは伝導帯お
よび価電子帯の位置、従って電子およびホールの基底準
位Le ,Lh が隣接するInGaPバリア層に対して全
体として高エネルギ側にシフトし、その結果ホールの閉
じ込めポテンシャルの大きさが増大する。また、電子の
基底準位Le が蓄積層16のX点よりも高エネルギ側に
位置するため、量子ドット15Cにおいて光励起された
電子の蓄積層16へのX−Γトランスファ機構による脱
出が実質的に促進される。
【0035】その他の本実施例の特徴は先の実施例と同
様であり、説明を省略する。 [第6実施例]図10は、本発明の第6実施例による多
重記録量子半導体記憶装置50の構成を示す。ただし、
図10中、先に説明した部分に対応する部分には同一の
参照符号を付し、説明を省略する。また、図10中、基
板11およびバッファ層11Aは図示を省略する。
様であり、説明を省略する。 [第6実施例]図10は、本発明の第6実施例による多
重記録量子半導体記憶装置50の構成を示す。ただし、
図10中、先に説明した部分に対応する部分には同一の
参照符号を付し、説明を省略する。また、図10中、基
板11およびバッファ層11Aは図示を省略する。
【0036】図10を参照するに、本実施例では、量子
構造QSを積層した積層半導体構造体上に、厚さが60
nmで組成がAl0.5 Ga0.5 AsよりなるAlGaA
s層21と厚さが50nmのGaAs層22とを交互に
繰り返し積層したブラッグレフレクタ(DBR)を形成
し、読み取り動作時に、読み取り用白色光ビームを前記
積層半導体構造体下部からDBRに向かって、ハーフミ
ラー31を通って入射させる。入射した読み取り白色光
ビームは、先に説明したように情報を書き込まれた量子
構造QS中を通過し、前記DBRにより反射され、入射
光路を逆に辿って前記ハーフミラー31に到達し、さら
にミラー31で反射されて図示していない分光器へと導
かれる。また、書き込み時には、より強い強度の単色書
込み光ビームが、前記ハーフミラー31を通って照射さ
れる。あるいは、書き込み時には書込み光ビームを、前
記DBRによる反射を避けて、前記層状構造体の側面に
照射してもよい。 [第7実施例]図11は、本発明の第7実施例による光
多重記録・再生装置60の構成を示す。
構造QSを積層した積層半導体構造体上に、厚さが60
nmで組成がAl0.5 Ga0.5 AsよりなるAlGaA
s層21と厚さが50nmのGaAs層22とを交互に
繰り返し積層したブラッグレフレクタ(DBR)を形成
し、読み取り動作時に、読み取り用白色光ビームを前記
積層半導体構造体下部からDBRに向かって、ハーフミ
ラー31を通って入射させる。入射した読み取り白色光
ビームは、先に説明したように情報を書き込まれた量子
構造QS中を通過し、前記DBRにより反射され、入射
光路を逆に辿って前記ハーフミラー31に到達し、さら
にミラー31で反射されて図示していない分光器へと導
かれる。また、書き込み時には、より強い強度の単色書
込み光ビームが、前記ハーフミラー31を通って照射さ
れる。あるいは、書き込み時には書込み光ビームを、前
記DBRによる反射を避けて、前記層状構造体の側面に
照射してもよい。 [第7実施例]図11は、本発明の第7実施例による光
多重記録・再生装置60の構成を示す。
【0037】図11を参照するに、光多重記録・再生装
置60では、先に説明した多重記録量子半導体記憶装置
10〜50のいずれでもよい半導体記憶装置をディスク
状に形成した記録ディスク61が、図示しない駆動装置
により軸回りに回転され、これに対して書込み用波長可
変レーザ62から出射した、所定の波長の書込み光ビー
ムが、ハーフミラー63および偏波面保存光ファイバ6
4を通った後、レンズ65を介して照射される。レンズ
65および光ファイバは、前記記録ディスク61の径方
向に可動な光学ヘッドを構成し、その結果、情報が前記
記録ディスク61上の所定の位置に、波長を変化させる
ことにより、多重記録される。
置60では、先に説明した多重記録量子半導体記憶装置
10〜50のいずれでもよい半導体記憶装置をディスク
状に形成した記録ディスク61が、図示しない駆動装置
により軸回りに回転され、これに対して書込み用波長可
変レーザ62から出射した、所定の波長の書込み光ビー
ムが、ハーフミラー63および偏波面保存光ファイバ6
4を通った後、レンズ65を介して照射される。レンズ
65および光ファイバは、前記記録ディスク61の径方
向に可動な光学ヘッドを構成し、その結果、情報が前記
記録ディスク61上の所定の位置に、波長を変化させる
ことにより、多重記録される。
【0038】一方、読み取り動作時には、読み取り用の
白色光源66の出力光ビームが前記ハーフミラー63お
よび光ファイバ64を通った後、前記記録ディスク61
上に照射され、通過した光ビームが分光器67で各スペ
クトル成分に分解された後、フォトダイオード等の検出
器68により検出される。分光器67および検出器68
は、前記レンズ65および光ファイバ64と共にディス
ク61の径方向に可動であり、光学ヘッドの一部を構成
する。 [第8実施例]図12は、本発明の第8実施例による光
多重記録・再生装置70の構成を示す。ただし、図12
中先に説明した部分には対応する参照符号を付し、説明
を省略する。
白色光源66の出力光ビームが前記ハーフミラー63お
よび光ファイバ64を通った後、前記記録ディスク61
上に照射され、通過した光ビームが分光器67で各スペ
クトル成分に分解された後、フォトダイオード等の検出
器68により検出される。分光器67および検出器68
は、前記レンズ65および光ファイバ64と共にディス
ク61の径方向に可動であり、光学ヘッドの一部を構成
する。 [第8実施例]図12は、本発明の第8実施例による光
多重記録・再生装置70の構成を示す。ただし、図12
中先に説明した部分には対応する参照符号を付し、説明
を省略する。
【0039】図12を参照するに、光多重記録・再生装
置70では、波長ν1 の第1の光ビームを出力する書き
込みレーザ62の他に、波長ν2 の第2の光ビームを出
力する別のレーザ62Aが設けられ、前記第1および第
2の光ビームはハーフミラー63Aおよび前記ハーフミ
ラー63を介して光ファイバ64に注入される。図13
は記録ディスク61のバンド構造を示す。
置70では、波長ν1 の第1の光ビームを出力する書き
込みレーザ62の他に、波長ν2 の第2の光ビームを出
力する別のレーザ62Aが設けられ、前記第1および第
2の光ビームはハーフミラー63Aおよび前記ハーフミ
ラー63を介して光ファイバ64に注入される。図13
は記録ディスク61のバンド構造を示す。
【0040】図13を参照するに、第1の波長ν1 は前
記量子ドット15あるいは15Aに対応する量子ドット
Q1 〜Q3 の基底量子準位LeおよびLhと実質的に共
鳴するように設定され、その結果電子は量子ドットQ1
〜Q3 の各々において価電子帯基底量子準位Lhから伝
導帯基底量子準位Leに励起される。そこで、前記第2
の波長ν2 を前記基底量子準位Leの電子が前記バリア
層14あるいは16に対応するバリア層M2を乗り越え
られるように設定しておくことにより、前記第1および
第2のレーザ62,62Aを同時に駆動することで、前
記量子準位Leに光励起された電子を前記蓄積層13に
対応する蓄積層M3のX点に効率良く遷移させる、換言
すると情報の書き込みを効率良く行なうことが可能にな
る。
記量子ドット15あるいは15Aに対応する量子ドット
Q1 〜Q3 の基底量子準位LeおよびLhと実質的に共
鳴するように設定され、その結果電子は量子ドットQ1
〜Q3 の各々において価電子帯基底量子準位Lhから伝
導帯基底量子準位Leに励起される。そこで、前記第2
の波長ν2 を前記基底量子準位Leの電子が前記バリア
層14あるいは16に対応するバリア層M2を乗り越え
られるように設定しておくことにより、前記第1および
第2のレーザ62,62Aを同時に駆動することで、前
記量子準位Leに光励起された電子を前記蓄積層13に
対応する蓄積層M3のX点に効率良く遷移させる、換言
すると情報の書き込みを効率良く行なうことが可能にな
る。
【0041】さらに、図12の構成は、前記蓄積層M3
として図14に示すAlGaAs等の直接遷移型の半導
体材料を使うことも可能にする。すなわち、量子ドット
MQ1 〜Q3 の各々において電子は波長がν2 の第2の
光ビームにより隣接するバリア層M2が形成するポテン
シャルバリアを乗り越えるに十分なエネルギまで励起さ
れるため、蓄積層M3のバンドギャップをバリア層M2
のバンドギャップよりもやや小さくしておくことによ
り、光励起された電子を蓄積層M3のΓ点に集めること
が可能である。図14のバンド構造は、例えばバリア層
M2および蓄積層M3としてAlGaAsを使い、層M
2,M3の組成AlGa1-x Asをバリア層M2におい
てバンドギャップが大きく蓄積層M3において小さくな
るように設定することで実現可能である。
として図14に示すAlGaAs等の直接遷移型の半導
体材料を使うことも可能にする。すなわち、量子ドット
MQ1 〜Q3 の各々において電子は波長がν2 の第2の
光ビームにより隣接するバリア層M2が形成するポテン
シャルバリアを乗り越えるに十分なエネルギまで励起さ
れるため、蓄積層M3のバンドギャップをバリア層M2
のバンドギャップよりもやや小さくしておくことによ
り、光励起された電子を蓄積層M3のΓ点に集めること
が可能である。図14のバンド構造は、例えばバリア層
M2および蓄積層M3としてAlGaAsを使い、層M
2,M3の組成AlGa1-x Asをバリア層M2におい
てバンドギャップが大きく蓄積層M3において小さくな
るように設定することで実現可能である。
【0042】さらに、図12の構成は、図15に示すよ
うに量子ドットQ1 〜Q3 の各々において形成される電
子の基底量子準位Leが蓄積層M3のX点よりも低くな
るような場合でも、各量子ドットにおいて光励起された
電子はバリア層M2を乗り越え、隣接する蓄積層M3の
X点に集められる。換言すると、本実施例によれば、こ
のような場合でも記録ディスク61への情報の光書き込
みが可能になる。
うに量子ドットQ1 〜Q3 の各々において形成される電
子の基底量子準位Leが蓄積層M3のX点よりも低くな
るような場合でも、各量子ドットにおいて光励起された
電子はバリア層M2を乗り越え、隣接する蓄積層M3の
X点に集められる。換言すると、本実施例によれば、こ
のような場合でも記録ディスク61への情報の光書き込
みが可能になる。
【0043】以上、本発明を好ましい実施例について説
明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨内におい
て、様々な変形・変更が可能である。
明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨内におい
て、様々な変形・変更が可能である。
【0044】
【発明の効果】請求項1〜19記載の本発明の特徴によ
れば、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された、
量子構造を含む活性層と、前記半導体基板上に、前記活
性層に隣接して形成された蓄積層とよりなる量子半導体
装置において、前記量子構造を:第1の格子定数と第1
の禁制帯幅とを有する第1の半導体結晶よりなるバリア
層と;前記バリア層中に形成され、前記第1の格子定数
とは異なる第2の格子定数と前記第1の禁制帯幅よりも
小さい第2の禁制帯幅とを有し、前記第1の半導体結晶
に対して歪み系を形成する第2の半導体結晶よりなり、
各々量子準位を有する複数の自己組織化量子ドットとよ
り構成し、前記蓄積層を、Γ点における禁制帯幅が前記
第2の禁制帯幅よりも実質的に大きい間接遷移型の半導
体より構成し、前記第2の半導体結晶を、前記量子ドッ
トの量子準位エネルギが、前記蓄積層の伝導帯よりも高
くなるような組成とすることにより、量子準位の制御が
困難な自己組織化量子ドットを使った場合にも、光励起
された電子を自発的かつ速やかに、特別に外部電界等を
印加する必要なく蓄積層へと移動させることができる。
特に、請求項2に記載したように、前記蓄積層として間
接遷移型の半導体を使った場合、かかる電子の移動はい
わゆるΓ−Xトランスファとなり、蓄積層におけるキャ
リアの光励起は実質的に生じない。光励起された電子が
蓄積層に移動するために、量子ドット中に形成されるホ
ールは電子と空間的に分離され、その結果電子−ホール
の再結合による情報の消失が効果的に阻止される。
れば、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された、
量子構造を含む活性層と、前記半導体基板上に、前記活
性層に隣接して形成された蓄積層とよりなる量子半導体
装置において、前記量子構造を:第1の格子定数と第1
の禁制帯幅とを有する第1の半導体結晶よりなるバリア
層と;前記バリア層中に形成され、前記第1の格子定数
とは異なる第2の格子定数と前記第1の禁制帯幅よりも
小さい第2の禁制帯幅とを有し、前記第1の半導体結晶
に対して歪み系を形成する第2の半導体結晶よりなり、
各々量子準位を有する複数の自己組織化量子ドットとよ
り構成し、前記蓄積層を、Γ点における禁制帯幅が前記
第2の禁制帯幅よりも実質的に大きい間接遷移型の半導
体より構成し、前記第2の半導体結晶を、前記量子ドッ
トの量子準位エネルギが、前記蓄積層の伝導帯よりも高
くなるような組成とすることにより、量子準位の制御が
困難な自己組織化量子ドットを使った場合にも、光励起
された電子を自発的かつ速やかに、特別に外部電界等を
印加する必要なく蓄積層へと移動させることができる。
特に、請求項2に記載したように、前記蓄積層として間
接遷移型の半導体を使った場合、かかる電子の移動はい
わゆるΓ−Xトランスファとなり、蓄積層におけるキャ
リアの光励起は実質的に生じない。光励起された電子が
蓄積層に移動するために、量子ドット中に形成されるホ
ールは電子と空間的に分離され、その結果電子−ホール
の再結合による情報の消失が効果的に阻止される。
【0045】特に請求項3記載の特徴によれば、前記バ
リア層を、前記キャリアのトンネリングが可能な厚さを
有するように形成することにより、光励起された電子が
バリア層を通って蓄積層に移動するのが促進される。請
求項4記載の本発明の特徴によれば、前記第1の半導体
結晶を、前記半導体基板に格子整合するような組成とす
ることにより、前記量子ドットと前記半導体基板とが歪
み系を構成し、量子ドットが自発的に自己組織化され
る。
リア層を、前記キャリアのトンネリングが可能な厚さを
有するように形成することにより、光励起された電子が
バリア層を通って蓄積層に移動するのが促進される。請
求項4記載の本発明の特徴によれば、前記第1の半導体
結晶を、前記半導体基板に格子整合するような組成とす
ることにより、前記量子ドットと前記半導体基板とが歪
み系を構成し、量子ドットが自発的に自己組織化され
る。
【0046】請求項5記載の本発明の特徴によれば、前
記活性層と前記蓄積層とを、交互に繰り返し積層するこ
とにより、量子半導体記憶装置中の量子ドットが、厚さ
方向に沿って実質的なエネルギ分布を有するようにな
る。その結果、書込み光ビームの波長を変化させること
により、多重光記録が可能になる。
記活性層と前記蓄積層とを、交互に繰り返し積層するこ
とにより、量子半導体記憶装置中の量子ドットが、厚さ
方向に沿って実質的なエネルギ分布を有するようにな
る。その結果、書込み光ビームの波長を変化させること
により、多重光記録が可能になる。
【0047】請求項6記載の本発明の特徴によれば、前
記積層半導体構造体の側面上に、前記蓄積層にオーミッ
ク接触するように接地電極を設けることにより、前記蓄
積層中における光励起された電子の蓄積、およびそれに
伴う蓄積層のポテンシャルの変化を解消することができ
る。請求項7記載の本発明の特徴によれば、前記量子構
造中において、前記中間層を複数回繰り返し積層し、前
記複数の中間層の各々において、各々の量子ドットを、
隣接する中間層中の対応する量子ドットと、前記半導体
基板の主面に垂直な方向に、実質的に整列するように形
成することにより、前記整列した複数の量子ドットが実
効的に単一の大きな量子ドットを形成する。その際、積
層回数を制御することにより、かかる大きな量子ドット
のエネルギを制御することが可能になる。そこで、かか
る大きな量子ドットのエネルギを制御することにより、
多重記録量子半導体記憶装置中に形成される量子ドット
による光吸収スペクトルを、ある程度自在に制御するこ
とが可能になる。
記積層半導体構造体の側面上に、前記蓄積層にオーミッ
ク接触するように接地電極を設けることにより、前記蓄
積層中における光励起された電子の蓄積、およびそれに
伴う蓄積層のポテンシャルの変化を解消することができ
る。請求項7記載の本発明の特徴によれば、前記量子構
造中において、前記中間層を複数回繰り返し積層し、前
記複数の中間層の各々において、各々の量子ドットを、
隣接する中間層中の対応する量子ドットと、前記半導体
基板の主面に垂直な方向に、実質的に整列するように形
成することにより、前記整列した複数の量子ドットが実
効的に単一の大きな量子ドットを形成する。その際、積
層回数を制御することにより、かかる大きな量子ドット
のエネルギを制御することが可能になる。そこで、かか
る大きな量子ドットのエネルギを制御することにより、
多重記録量子半導体記憶装置中に形成される量子ドット
による光吸収スペクトルを、ある程度自在に制御するこ
とが可能になる。
【0048】請求項8〜10記載の本発明の特徴によれ
ば、前記第2の半導体結晶をInPあるいはAlGaA
sP等、Pを含む禁制帯幅の大きな半導体材料とするこ
とにより、自己組織化された、大きさの制御が困難な量
子ドットにおいても、量子ドット中に形成される量子準
位を蓄積層の伝導帯中のX点よりも高エネルギ側に位置
させることができる。
ば、前記第2の半導体結晶をInPあるいはAlGaA
sP等、Pを含む禁制帯幅の大きな半導体材料とするこ
とにより、自己組織化された、大きさの制御が困難な量
子ドットにおいても、量子ドット中に形成される量子準
位を蓄積層の伝導帯中のX点よりも高エネルギ側に位置
させることができる。
【0049】請求項11,12記載の本発明によれば、
前記第2の半導体結晶をGaSbとすることにより、量
子ドットの基底量子準位が全体として高エネルギ側にシ
フトし、その結果ホールの閉じ込めポテンシャルの大き
さが増大する。また、電子の基底準位が蓄積層のX点よ
りも高エネルギ側に位置するため、量子ドットにおいて
光励起された電子の蓄積層へのΓ−Xトランスファ機構
による脱出が実質的に促進される。
前記第2の半導体結晶をGaSbとすることにより、量
子ドットの基底量子準位が全体として高エネルギ側にシ
フトし、その結果ホールの閉じ込めポテンシャルの大き
さが増大する。また、電子の基底準位が蓄積層のX点よ
りも高エネルギ側に位置するため、量子ドットにおいて
光励起された電子の蓄積層へのΓ−Xトランスファ機構
による脱出が実質的に促進される。
【0050】請求項13〜15に記載の本発明の特徴に
よれば、さらに、前記量子ドットの基底量子準位間を共
鳴励起する第1の波長の第1の光ビームを照射する第1
の光源と、前記量子ドットの基底量子準位にある電子
を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励起する第2の
波長の第2の光ビームを照射する第2の光源とを設ける
ことにより、量子ドットにおいて光励起された電子をΓ
−Xトランスファ機構によらずに、効率的に蓄積層に逃
がすことが可能になる。
よれば、さらに、前記量子ドットの基底量子準位間を共
鳴励起する第1の波長の第1の光ビームを照射する第1
の光源と、前記量子ドットの基底量子準位にある電子
を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励起する第2の
波長の第2の光ビームを照射する第2の光源とを設ける
ことにより、量子ドットにおいて光励起された電子をΓ
−Xトランスファ機構によらずに、効率的に蓄積層に逃
がすことが可能になる。
【0051】請求項16〜20記載の本発明の特徴によ
れば、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された、
量子構造を含む活性層と、前記半導体基板上に、前記活
性層に隣接して形成された蓄積層とよりなる量子半導体
記憶装置において、前記量子構造を:第1の格子定数と
第1の禁制帯幅とを有する第1の半導体結晶よりなるバ
リア層と;前記バリア層中に形成され、前記第1の格子
定数とは異なる第2の格子定数と前記第1の禁制帯幅よ
りも小さい第2の禁制帯幅とを有し、前記第1の半導体
結晶に対して歪み系を形成する第2の半導体結晶よりな
り、各々量子準位を有する複数の自己組織化量子ドット
により形成し、さらに前記量子ドットの基底量子準位間
を共鳴励起する第1の波長の第1の光ビームを照射する
第1の光源と、前記量子ドットの基底量子準位にある電
子を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励起する第2
の波長の第2の光ビームを照射する第2の光源と設ける
ことにより、前記量子ドット中に形成される電子の量子
準位が蓄積層中の対応する量子準位よりもエネルギ的に
高くても低くても、量子ドット中で光励起された電子を
効率的に蓄積層に逃がすことが可能になる。
れば、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された、
量子構造を含む活性層と、前記半導体基板上に、前記活
性層に隣接して形成された蓄積層とよりなる量子半導体
記憶装置において、前記量子構造を:第1の格子定数と
第1の禁制帯幅とを有する第1の半導体結晶よりなるバ
リア層と;前記バリア層中に形成され、前記第1の格子
定数とは異なる第2の格子定数と前記第1の禁制帯幅よ
りも小さい第2の禁制帯幅とを有し、前記第1の半導体
結晶に対して歪み系を形成する第2の半導体結晶よりな
り、各々量子準位を有する複数の自己組織化量子ドット
により形成し、さらに前記量子ドットの基底量子準位間
を共鳴励起する第1の波長の第1の光ビームを照射する
第1の光源と、前記量子ドットの基底量子準位にある電
子を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励起する第2
の波長の第2の光ビームを照射する第2の光源と設ける
ことにより、前記量子ドット中に形成される電子の量子
準位が蓄積層中の対応する量子準位よりもエネルギ的に
高くても低くても、量子ドット中で光励起された電子を
効率的に蓄積層に逃がすことが可能になる。
【図1】従来の多重記録量子ドット半導体記憶装置の動
作原理を説明するバンド構造図である。
作原理を説明するバンド構造図である。
【図2】(A),(B)は、従来の自己組織化量子ドッ
トを使った量子半導体装置の構成を示す図である。
トを使った量子半導体装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の原理を説明する図である。
【図4】本発明の第1実施例による多重記録量子半導体
記憶装置の構成を示す図である。
記憶装置の構成を示す図である。
【図5】図4の多重記録量子半導体記憶装置の書き込み
動作を説明する図である。
動作を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施例による多重記録量子半導体
記憶装置の構成を示す図である。
記憶装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例による多重記録量子半導体
記憶装置の構成を示す図である。
記憶装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施例による多重記録量子半導体
記憶装置の構成を示す図である。
記憶装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の第5実施例による多重記録量子半導体
記憶装置の構成を示す図である。
記憶装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第6実施例による多重記録量子半導
体記憶装置の構成を示す図である。
体記憶装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の第7実施例による、多重記録量子半
導体記憶装置を使った記録・再生装置の構成を示す図で
ある。
導体記憶装置を使った記録・再生装置の構成を示す図で
ある。
【図12】本発明の第8実施例による、多重記録量子半
導体記憶装置を使った記録・再生装置の構成を示す図で
ある。
導体記憶装置を使った記録・再生装置の構成を示す図で
ある。
【図13】本発明の第8実施例で使われる多重記録量子
半導体記憶装置のバンド構造を示す図である。
半導体記憶装置のバンド構造を示す図である。
【図14】図13のバンド構造図の一変形例を示す図で
ある。
ある。
【図15】図13のバンド構造図の別の変形例を示す図
である。
である。
1,11 基板 2,11A バッファ層 3,14,14A,14B 下側バリア層 4,15,15A,15B,15C 量子ドット 5,16,16A,16B 上側バリア層 10,20,30,40,50,61 多重記録量子半
導体記憶装置 11B 基板開口部 12 エッチングストッパ層 13 蓄積層 17 キャップ層 18 オーミック電極 21 AlGaAs層 22 GaAs層 31,63,63A ハーフミラー 60 光多重記録・再生装置 62,62A 可変波長レーザ 64 光ファイバ 65 レンズ 66 白色光源 67 分光器 68 フォトダイオード
導体記憶装置 11B 基板開口部 12 エッチングストッパ層 13 蓄積層 17 キャップ層 18 オーミック電極 21 AlGaAs層 22 GaAs層 31,63,63A ハーフミラー 60 光多重記録・再生装置 62,62A 可変波長レーザ 64 光ファイバ 65 レンズ 66 白色光源 67 分光器 68 フォトダイオード
Claims (20)
- 【請求項1】 半導体基板と、前記半導体基板上に形成
された、量子構造を含む活性層と、前記半導体基板上
に、前記活性層に隣接して形成された蓄積層とよりなる
量子半導体装置において、 前記量子構造は:第1の格子定数と第1の禁制帯幅とを
有する第1の半導体結晶よりなるバリア層と;前記バリ
ア層中に形成され、前記第1の格子定数とは異なる第2
の格子定数と前記第1の禁制帯幅よりも小さい第2の禁
制帯幅とを有し、前記第1の半導体結晶に対して歪み系
を形成する第2の半導体結晶よりなり、各々量子準位を
有する複数の自己組織化量子ドットとを含み、 前記第2の半導体結晶は、前記量子ドットの量子準位エ
ネルギが、前記蓄積層の伝導帯よりも高くなるような組
成を有することを特徴とする量子半導体記憶装置。 - 【請求項2】 前記蓄積層は、前記量子準位よりもエネ
ルギ的に低い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型半
導体よりなることを特徴とする請求項1記載の量子半導
体記憶装置。 - 【請求項3】 前記バリア層は、前記キャリアのトンネ
リングが可能な厚さを有することを特徴とする請求項1
または2記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項4】 前記第1の半導体結晶は、前記半導体基
板に格子整合するような組成を有することを特徴とする
請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の量子半導体記
憶装置。 - 【請求項5】 前記活性層と前記蓄積層とは、交互に繰
り返し積層され、積層半導体構造体を形成することを特
徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の量子
半導体記憶装置。 - 【請求項6】 前記積層半導体構造体の側面上に、前記
蓄積層にオーミック接触するように、接地電極を設けた
ことを特徴とする請求項5記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項7】 前記量子構造中において、前記中間層は
複数回繰り返し積層され、前記複数の中間層の各々にお
いて、各々の量子ドットは、隣接する中間層中の対応す
る量子ドットと、前記半導体基板の主面に垂直な方向
に、実質的に整列することを特徴とする請求項1〜4の
うち、いずれか一項記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項8】 前記第2の半導体結晶はInPであるこ
とを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか一項記載
の量子半導体記憶装置。 - 【請求項9】 前記第1の半導体結晶はInGaP,A
lGaAsおよびAlGaAsPよりなる群より選択さ
れることを特徴とする請求項8記載の量子半導体記憶装
置。 - 【請求項10】 前記第2の半導体結晶はInAsPで
あり、前記第1の半導体結晶はAlGaAsPであるこ
とを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか一項記載
の量子半導体記憶装置。 - 【請求項11】 前記第2の半導体結晶はGaSbであ
ることを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか一項
記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項12】 前記第1の半導体結晶はInGaPで
あることを特徴とする請求項11記載の量子半導体記憶
装置。 - 【請求項13】 さらに、前記量子ドットの基底量子準
位間を共鳴励起する第1の波長の第1の光ビームを照射
する第1の光源と、前記量子ドットの基底量子準位にあ
る電子を、前記バリア層の伝導帯上端を超えて励起する
第2の波長の第2の光ビームを照射する第2の光源とを
備えたことを特徴とする請求項1〜12のうち、いずれ
か一項記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項14】 前記蓄積層は、前記量子準位よりもエ
ネルギ的に低い位置に伝導帯のΓ点を有する間接遷移型
半導体よりなることを特徴とする請求項1記載の量子半
導体記憶装置。 - 【請求項15】 前記蓄積層はAlGaAsよりなるこ
とを特徴とする請求項14記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項16】 半導体基板と、前記半導体基板上に形
成された、量子構造を含む活性層と、前記半導体基板上
に、前記活性層に隣接して形成された蓄積層とよりなる
量子半導体記憶装置において、 前記量子構造は:第1の格子定数と第1の禁制帯幅とを
有する第1の半導体結晶よりなるバリア層と;前記バリ
ア層中に形成され、前記第1の格子定数とは異なる第2
の格子定数と前記第1の禁制帯幅よりも小さい第2の禁
制帯幅とを有し、前記第1の半導体結晶に対して歪み系
を形成する第2の半導体結晶よりなり、各々量子準位を
有する複数の自己組織化量子ドットと、 前記量子ドットの基底量子準位間を共鳴励起する第1の
波長の第1の光ビームを照射する第1の光源と、前記量
子ドットの基底量子準位にある電子を、前記バリア層の
伝導帯上端を超えて励起する第2の波長の第2の光ビー
ムを照射する第2の光源とを備えたことを特徴とする量
子半導体記憶装置。 - 【請求項17】 前記第2の半導体結晶は、前記量子ド
ットの量子準位エネルギが、前記蓄積層の伝導帯に等し
いか低くなるような組成を有することを特徴とする請求
項16記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項18】 前記蓄積層は、前記量子準位よりもエ
ネルギ的に高い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型
半導体よりなることを特徴とする請求項16または17
記載の量子半導体記憶装置。 - 【請求項19】 前記蓄積層は、前記量子準位よりもエ
ネルギ的に低い位置に伝導帯のX点を有する間接遷移型
半導体よりなることを特徴とする請求項16記載の量子
半導体記憶装置。 - 【請求項20】 前記第2の半導体結晶は、前記量子ド
ットの量子準位エネルギが、前記蓄積層の伝導帯よりも
高くなるような組成を有することを特徴とする請求項1
9記載の量子半導体記憶装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21596898A JPH11121868A (ja) | 1997-08-13 | 1998-07-30 | 量子半導体記憶装置 |
US09/273,526 US6281519B1 (en) | 1997-08-13 | 1999-03-22 | Quantum semiconductor memory device including quantum dots |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-218650 | 1997-08-13 | ||
JP21865097 | 1997-08-13 | ||
JP21596898A JPH11121868A (ja) | 1997-08-13 | 1998-07-30 | 量子半導体記憶装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11121868A true JPH11121868A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=26521144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21596898A Withdrawn JPH11121868A (ja) | 1997-08-13 | 1998-07-30 | 量子半導体記憶装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11121868A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001255500A (ja) * | 2000-03-10 | 2001-09-21 | Fujitsu Ltd | 波長多重光信号処理装置および波長多重光信号の再生方法 |
EP1229588A1 (fr) * | 2001-02-02 | 2002-08-07 | Alcatel | Absorbant optique saturable et application à la régénération d'un signal mutliplexe en longueur d'onde |
US6541788B2 (en) * | 1998-10-27 | 2003-04-01 | The Regents Of The University Of California | Mid infrared and near infrared light upconverter using self-assembled quantum dots |
JP2004207724A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-22 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | ヴァーティカルエミッション型半導体レーザー |
JP2009044052A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Univ Nagoya | 量子ドット及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP21596898A patent/JPH11121868A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6541788B2 (en) * | 1998-10-27 | 2003-04-01 | The Regents Of The University Of California | Mid infrared and near infrared light upconverter using self-assembled quantum dots |
JP2001255500A (ja) * | 2000-03-10 | 2001-09-21 | Fujitsu Ltd | 波長多重光信号処理装置および波長多重光信号の再生方法 |
EP1229588A1 (fr) * | 2001-02-02 | 2002-08-07 | Alcatel | Absorbant optique saturable et application à la régénération d'un signal mutliplexe en longueur d'onde |
JP2004207724A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-22 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | ヴァーティカルエミッション型半導体レーザー |
JP2009044052A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Univ Nagoya | 量子ドット及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |