JPH1112007A - 粉状組成物とその応用 - Google Patents

粉状組成物とその応用

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JPH1112007A
JPH1112007A JP9175120A JP17512097A JPH1112007A JP H1112007 A JPH1112007 A JP H1112007A JP 9175120 A JP9175120 A JP 9175120A JP 17512097 A JP17512097 A JP 17512097A JP H1112007 A JPH1112007 A JP H1112007A
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water
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cement
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JP9175120A
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Hiroyuki Naito
博之 内藤
Nanae Naitou
七絵 内藤
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NATOO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築や土木の分野で、各種セメント系固化体
の二次製品加工分野で、産業廃棄物類を不焼成でリサイ
クル製品とする加工分野で、建設系産業廃棄物を再利用
する分野で、セメント類の使用に際して採択もしくは併
用できて、可使時間が確保され、固化速度が促進され、
固化体に高強度が発揮される粉状組成物を提供する。 【解決手段】 水難溶性の硫酸カルシウム(A) と水可溶
性の酸根含有化合物(B)が 300℃以下で複合処理されて
いる組成物であり、該組成物が65メッシュ篩を少なくと
も80%通過する粉末に調製されて水和促進機能を有して
いる粉状組成物を基本構成とし、さらに必要に応じて該
粉状組成物に粉状担持体もしくは粉末填剤が添加配合処
理されている粉状組成物。あるいは、さらに該粉状組成
物にセメント粉末がワンパック配合された粉状組成物。
また、他の態様として、産業廃棄物を含む各種の骨材に
対してセメントのワンパック配合された粉状組成物と水
とを加えて混練・成型して製造される不焼成の固化体製
品、さらにこれを利用した建設系産業廃棄物の再利用法
や路盤造成法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫酸カルシウム
(A) と酸根含有化合物(B) とを主たる構成成分とする粉
状組成物とその応用に関し;より詳細には、セメント類
の水硬性固化工程において水和促進機能を有効に発揮さ
せ、不焼成で産業廃棄物等の材料をリサイクル可能な有
用な固化製品に変換させ、また路盤造成、土壌改良、コ
ンクリート構造物等における固化工程を改善させる粉状
組成物とその応用に関する。
【0002】
【用語の定義】本明細書で用いられる下記の用語は、つ
ぎのように定義される。 『粉状組成物』:本発明における粉状組成物は、セメ
ント類の水硬性固化材を含まず、硫酸カルシウム(A) と
酸根含有化合物 (B)もしくは粉状担持体(C) や粉末填剤
(D)との組み合わせで複合処理された水和促進機能を有
する粉状組成物(I) と、セメント類の水硬性固化材に
の粉状組成物(I) がワンパック配合された水硬性固化
機能を有する粉状組成物(II)の2種類を総称していう。
なお以下本明細書においては、粉状組成物(I) を単に
「粉状組成物」とし、また粉状組成物 (II) を単に「セ
メント系固化材」として表現することがある。さらにま
た粉状組成物(I) は、粉状担持体(C) が配合されている
時を粉状組成物(I-C) とし、粉状担持体 (C)も含めて粉
末填剤(D) が配合されている時を粉状組成物(I-D) と表
現することがある。
【0003】『水和促進機能』:水硬性固化材の代表で
あるセメント類の粉末に水を加えて混練すると、ケイ酸
カルシウムを中心とする化合物に水が反応(水和反応)
して新しい化合物(水和物)を生成し固化体を形成す
る。この時の水和反応を促進させる作用を水和促進機能
といい、この水和促進機能を現象面から硬化促進機能も
しくは固化促進機能と表現されることもある。
【0004】『水硬性固化機能』:粉状もしくは液状の
物質を固化体に転換する時、セメント類や焼石膏等のよ
うに水が加わって起きる水和反応を経由して固まる状態
を水硬性固化といい、この水硬性固化を遂行させる作用
を水硬性固化機能という。したがって代表的にはセメン
トに水が加わって起きる作用を水硬性固化機能というこ
とができる。
【0005】『その応用』:本明細書で用いる「その応
用」とは、本発明の粉状組物(I) を単独もしくはセメン
ト粉末とのワンパック配合品(粉状組成物(II))で、ま
たこれらと骨材類との組み合わせで採択するに際して、
その使用法や利用法等の手段ならびにこれらの機能性を
生かした応用方法、また本発明の粉状組成物類を利用し
て製造される不焼成固化体製品ならびにコンクリートの
構造体や二次製品をいう。
【0006】『セメント系固化材』:ポルトランドセメ
ントに代表される水硬性の水和型セメンティング材を総
称しており、高炉セメント、フライアッシュやポゾラン
等が混合配合される場合もあり、また各種の水和促進剤
や硬化遅延剤等の添加剤や混和剤、さらには本発明の粉
状組成物(I) がセメントにワンパック配合される粉状組
成物(II)や所謂特殊セメント類を含めていう。
【0007】『骨材と吸水量』:本発明で採択される被
固化材料である骨材には、細骨材(F) 、加工骨材(H) 、
改良骨材(K)、処理骨材 (M)の4種類が提案されている。
これらの骨材は、それぞれの目的に応じて予め粒度分
級、加工、改良、処理等が施されている。この時の骨材
が持つ「吸水量」は、乾燥骨材100gを和紙で作られた容
器に採り充分過剰に水を加え、骨材に保持されない余分
な水は和紙性容器から自重による排出させた時に試料骨
材中に保持された水分量のグラム(g) 数から水の容量(m
l)を求め、この数よりml/gの単位で表示する。
【0008】『水含有の流動性建設系産業廃棄物』:
「廃棄物処理および清掃に関する法律」に定義されてい
る産業廃棄物の中、建設工事において水を伴って発生す
る、高含水比の建設汚泥や含水掘削残土を総称してい
い、ここでは一般に建設副産物とされている掘削残土を
も含める。
【0009】『%ならびに部』:本明細書の「%」なら
びに「部」は、特記しない限り「重量」を以て示す。
【0010】『化合物の結晶水』:本明細書において、
硫酸カルシウム(A) や酸根含有化合物(B) ならびに粉状
担持体(C)、粉末填剤 (D)、各種骨材等の材料化合物は、
一般に種々の量の結晶水もしくは吸着水や付着水を有し
ているが、該材料化合物を数量的に取り扱う時は、特記
しない限り全てを「無水物もしくは110 ℃乾燥物」に換
算して取り扱う。
【0011】『篩』:粉末度の特定に用いる篩やメッシ
ュは、Tyler 標準篩を統一して採用する。
【0012】
【従来技術】無機系の水硬性固化材であるセメント類
は、一般にこのセメント粉末に骨材と水とを加え混練し
て水和生成物を形成させることによりセメントペース
ト、モルタル、コンクリートとして、建築や土木の
分野で、また各種のセメント系二次製品の加工分野で広
く使用されている。これらのセメント類による施工に際
して、その施工作業性を改善するために、また水和反応
を促進させたり固化体の強度を向上させるために、各種
の混和剤や添加剤が考案され、併用されている。
【0013】セメントの水和反応機構は一般的につぎの
ように説明されている。即ち、セメントクリンカーと石
膏からなるセメント粉末に水が加わると、セメントクリ
ンカー中の2種類のケイ酸カルシウム(エーライト:3C
aO・SiO2 とピーライト:2CaO・SiO2)とアルミネート(3Ca
O・Al2O3)やフェライト(4CaO・Al2O3・Fe2O3 )は水と反応
(水和反応)して新しい水和化合物を形成し、凝結過程
を経た硬化過程により固化体マトリックスを形成する。
【0014】この固化過程で共存する石膏が固化反応速
度に重要な役割を果たしている。即ち、水に溶解した石
膏が急速な水和反応を進行させるアルミネート(3CaO・Al
2O3)粒子の表面で反応してエトリンガイト(3CaO・Al2O3
・3CaSO4・31〜33H2O)もしくはモノサルフェイト水和物(3
CaO・Al2O3・CaSO4・12H2O)からなる被膜をアルミネート粒
子表面に形成し、またケイ酸カルシウム(3CaO・SiO2) 表
面でも同様な反応が起こりケイ酸カルシウム水和物(nCa
O・SiO2・mH2O)からなる被膜を形成し、 それぞれ粒子内へ
の水の拡散を阻止し、その後の水和反応を抑制する。そ
の結果、アルミネート等に水が接触した時の急激な水和
反応を抑制し、セメントペーストの流動性が保持され施
工時の作業性が確保されて作業可使時間が調整される。
【0015】この水和反応におけるケイ酸カルシウム水
和物(nCaO・SiO2・mH2O)の生成に伴って、反応系内に水酸
化カルシウム(Ca(OH)2) が遊離副生してくる。一方、セ
メント粒子表面には水和生成物が被膜を形成することか
ら、セメント粒子内部には未反応のアルミネートやケイ
酸カルシウムが取り残される。この副生する水酸化カル
シウムと未反応のセメントクリンカーは生成する固化体
の強度には寄与せず、むしろ固化体強度を低下させる方
向にあることが指摘されている。
【0016】一方近年、技術・産業・社会等の各分野に
おける進歩発展と構造変革は著しいが、その側面で地球
環境問題がグローバルな課題として発生し、人類の危急
存亡のテーマとして真剣に取り組まれている。この中で
も各所で厖大な量で発生する産業廃棄物の処理・処分方
法として安易に行われてきた地盤中や海洋中への投棄
は、今や環境保全と安全性の面から許されない。したが
って、産業廃棄物の安全にして確実な処理・処分方法の
確立が強く求められている。
【0017】こうした状況から、また資源を有効に利用
する立場からも、産業廃棄物を安全が確保された上でリ
サイクルさせる処理・処分方法が検討され、一部実施さ
れている。この点では建設工事に伴って発生する建設残
土である高含水比汚泥や含水掘削残土等の処理・処分に
関しても同じで、これらを建設副産物として積極的にリ
サイクルさせる処理・処分方法が求められている。
【0018】以上のリサイクルを可能にする一方法とし
て、安価なセメント系固化材を用いて産業廃棄物を再利
用可能な二次製品に変換する方法が、また流動性のある
泥状体の建設残土を取り扱いやすい顆粒状物もしくは砂
状の固形体に変換する方法が一部実施されている。
【0019】このようにセメント系固化材は産業廃棄物
のリサイクル活動に大いに貢献しており、したがって産
業廃棄物類のリサイクルをより確実に遂行できるセメン
ト系固化材の改善、特に作業性の改善、水和反応の促
進、固化体の緻密度、固化体強度の向上等が求められて
おり、水和促進剤を含むセメント混和材の改善が種々検
討されている。
【0020】一般にセメントの水和促進剤としては、ケ
イ酸アルカリである水ガラスやケイ酸カリウム;水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水
酸化物;塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アル
ミニウム、塩化ナトリウム等の塩化物;硫酸ナトリウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;そ
の他ミョウバン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カ
ルシウム等の無機系塩類の水溶液が,さらには有機化合
物であるグリセリンやエタノールアミン、ジエタノール
アミン等の化合物が知られており、それぞれの目的に応
じてこれらの単独もしくはその複合化合物またはその水
溶液が調製されて利用されている。
【0021】塩化カルシウムがセメントに及ぼす水和促
進効果は最も効率的であり、塩化カルシウムのセメント
に対する凝結・硬化・固化等の作用挙動については多く
の研究がある。例えば篠原は「セメント技術年報」319,
(1952)に塩化カルシウムをセメントの混和剤として用い
た時の詳細な研究成果を報告している。しかし、セメン
ト混和剤の代表として採用されている塩化物や硫酸塩、
特に塩化カルシウムは吸湿性もしくは潮解性が激しく粉
末製品としての安定性がなく、さらに加えてこれら塩類
は吸湿した時のpHが4未満の酸性を示すことから安全な
商品として扱えず、やむなく酸性の溶液状態で使用され
ているのが現状である。
【0022】このように代表的で効果的なセメント混和
材は液体で供給されており、一方でセメント類は粉末で
供給されている。したがって、この両者機能を同時に満
足させるセメント混和剤とセメント類がワンパックされ
た単一粉末商品としての供給はされていない。ただ速硬
性セメント等の特殊セメントやセメント系固化材にセメ
ント技術の線上での改良による応用例があり、一部使用
されている。
【0023】水和促進剤を粉末状態で単独に提供する技
術としては、無水の硫酸アルミニウムを有効に利用して
いる技術が特公昭54-1732 号公報に開示されている。ま
た、本発明者等の先願技術(特願平9-010838号)とし
て、含水フィロケイ酸塩からなる粉状担持体に無水の硫
酸アルミニウム等の酸根含有化合物を反応担持させた粉
末セメント混和剤とその応用技術が開示されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記した現状技術から
理解されるように、酸性で液状の水和促進機能を有する
セメント混和剤には下記に示す問題点を抱えている。 一般的な水和促進剤は、吸湿・潮解性のあることから
溶液状態で商品化されている。しかもその溶液は酸性で
あり、安全・安定性に欠けている。 粉末のセメント類に吸湿・潮解性のある水和促進剤を
予め直接配合してワンパックにすることは許されず、水
和促進剤を併用する時はその液体を施工現場で個別に計
量配合する特別な煩雑作業を必要としている。 アルカリ性のセメント粉末に酸性で活性な液状水和促
進剤が配合されると、全体が均質な混合ペーストを形成
する前に、両成分の接触部分で部分的反応が開始され、
後段で攪拌による均質混合を行なっても均一な水和生成
物は期待できない。その結果、生成固化体に不均質によ
る固化歪が生じ、固化体中に細かいヘヤクラックが発生
し、一定の養生後、強度は寧ろ低下する傾向にあり、し
かも寒冷地における凍結融解に耐えることができない。 固化させる対象物が水分を除去したい高含水比汚泥の
時に溶液状の水和促進剤を用いることは、この泥状にさ
らに水分を加える矛盾を抱えている。 液状の水和促進剤には多量の水が含有されていること
から、有効成分でない多量の水に輸送コストを掛けてお
り、しかも溶液製品を現地に運び込んだ容器の使用後の
後処理・処分にも問題を残している。 塩化カルシウム等の塩化物を鉄筋コンクリート構造体
に水和促進剤として使用すると、この塩化物の塩素イオ
ンが鉄筋を腐食・膨張させ、コンクリート構造体にクラ
ックを発生させるトラブルが避けられない。
【0025】さらにまた、セメントに固定化されないア
ルカリイオン類が共存する時は、空気中の炭酸と反応し
セメント固化体表面に炭酸アルカリからなる白い粉吹き
現象(白華現象)をおこす傾向がある。また、同様の白
華現象はセメントの水和反応で副生する水酸化カルシウ
ムによっても起る。
【0026】セメントもしくはセメント系固化材と骨材
を用いて不焼成で各種形状の固化体製品、例えばコンク
リート製品を製造する分野がある。しかし、従来不焼成
で製造されたコンクリート製品は、高温で焼き上げたセ
ラミック製品に比べて強度が低く、その用途先がおのず
と制限されてきた。しかし産業廃棄物等の再利用に際
し、省エネルギーで地球環境に優しさが求められ、また
コストの立場から、高温焼成で商品を製造することは敬
遠される傾向にある。
【0027】また、一般に産業廃棄物の中には熱履歴を
受けている粉末廃棄物、例えば下水汚泥等の焼却灰、ペ
ーパースラッジ等は、多くの細孔が形成されており、比
表面積が大きく、セメント粉末による物理的カバーに限
界があり、現状の技術ではこれら粉末産業廃棄物をセメ
ントで直接固化する技術は完成されていない。さらにま
た、有機質化合物を含有する土、骨材、産業廃棄物等を
含む被固化材料をセメント系固化材で固化しようとする
時、含有する有機質化合物がセメントの水和反応を阻害
して、硬化がうまく進行せず強度のある良好な固化体を
製造することができない傾向にある。
【0028】
【発明の目的】本発明の目的は、セメント類を採択する
現場、例えば、建築や土木の分野で、各種のセメント系
固化体の二次製品加工分野で、産業廃棄物類を不焼成で
リサイクル製品とする加工分野で、建設系産業廃棄物を
再利用する分野で、セメントもしくはセメント系固化材
を使用するに際し、この時の作業可使時間が確保され、
固化速度が促進され、固化体に高強度が期待できる粉状
組成物を提供し、また省エネルギーの不焼成工程でセラ
ミック調の高強度成型体を製造し、加えて産業廃棄物等
の分野が抱える環境問題の解消に貢献することにある。
【0029】
【課題を解消するための手段】本発明によれば、水難溶
性の硫酸カルシウム(A) と水可溶性の酸根含有化合物
(B) とを主成分として構成される組成物において;無水
物換算で100 重量部の該硫酸カルシウム(A) に対して、
無水物換算で10ないし400 重量部の該酸根含有化合物
(B) が 300℃以下で複合処理されている組成物であり、
該組成物が65メッシュ篩を少なくとも80%通過する粉末
に調製されて水和促進機能を有している粉状組成物が提
供される。
【0030】また、本発明によれば、前記の酸根含有化
合物(B) が下記一般式(1) Xab ・・・・・・・・・・・・・・ (1) (式中:Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ニウム金属または鉄金属の単独ないしは2種以上の組み
合わせからなる元素であり、Yは硫酸、亜硫酸、硝酸、
亜硝酸、またはカルボン酸の単独ないしは2種以上の組
み合わせからなる酸根であり、aは酸根の価数に相当す
る数であり、bは金属元素の価数に相当する数である)
で表わされ、水可溶性で10重量%の水分散pHが6.5 以下
を示す粉末塩類化合物である粉状組成物が提供される。
【0031】また、本発明によれば、前記粉状組成物の
無水物換算で100 重量部が、無水物換算で40ないし1000
重量部の含水フィロケイ酸塩を主成分とする粉状担持体
(C)に 300℃以下で担持処理されて水和促進機能を有す
る粉状組成物が提供される。
【0032】また、本発明によれば、前記粉状組成物の
無水物換算で100 重量部が、無水物換算で1000重量部以
下のケイ酸塩化合物またはアルミン酸塩化合物の単独も
しくは組み合わせを主成分とする粉末填剤(D) が均質混
合されて、水和促進機能に加えて分散機能を改善する粉
状組成物が提供される。
【0033】また、本発明によれば、前記粉状組成物の
無水物換算で100 重量部に対して、ケイ酸カルシウムを
主成分とするセメントクリンカー粉末(E) が 200ないし
10,000重量部の量範囲でワンパック配合されて水硬性固
化機能を有する粉状組成物が提供される。
【0034】また、本発明によれば、前記の水硬性固化
機能を有する粉状組成物と骨材と水との三者構成で製造
される固化体製品において;該粉状組成物の無水物換算
で100 重量部に対して、該骨材における吸水量が0.4ml/
g 未満であり粒径φが5mm以下である細骨材(F) が乾燥
物基準で300 ないし 1,000重量部の範囲で、また水が30
ないし120 重量部の範囲で三者が配合・混練・成型され
た後養生されて固化体を形成している不焼成固化体製品
が提供される。
【0035】また、本発明によれば、前記骨材における
吸水量が0.4ml/g 以上であって、該骨材に対して少なく
とも吸水量に相当する量で2 ないし30重量%濃度のケイ
酸アルカリ溶液(G) が含浸されてケイ酸分が沈着してい
る加工骨材 (H)である不焼成固化体製品が提供される。
【0036】また、本発明によれば、前記骨材における
有機質成分含有量が20重量%以下であって、該骨材に対
して少なくとも20重量%のアルカリ改良剤(J) が添加配
合されている改良骨材(K) である不焼成固化体製品が提
供される。
【0037】また、本発明によれば、前記骨材における
油分含有量が20重量%以下であって、該骨材に対して少
なくとも20重量%のスメクタイト系粘土鉱物からなる油
分吸着剤(L) を添加配合して油分を吸着処理せしめた処
理骨材 (M)である不焼成固化体製品が提供される。
【0038】また、本発明によれば、前記粉状組成物の
100 重量部を水含有の流動性建設系産業廃棄物(J) の25
0 ないし 2,000重量部の範囲に添加混合し、養生1時間
後の圧縮強度が0.5 Kg/cm2以上である固形体に変化させ
る建設系産業廃棄物の再利用法が提供される。
【0039】また、本発明によれば、前記粉状組成物の
10重量部を路盤造成予定土壌100 容積部中に均質散布せ
しめ、ついでそこに水を散布して土壌と共に混和・養生
せしめて路盤を造成せしめる路盤造成法が提供される。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明者等は、セメントの水和反
応過程においてセメント粒子表面で起こる被膜形成に着
目し、セメントの水和促進機能を持つ材料が粉末状態で
供給されて、セメントの水和反応を効率よく進行させ、
本発明の目的が有効に発揮される粉末組成物の開発に誠
心鋭意検討を加え、研究を行った。
【0041】従来技術の項で説明したように、セメント
の水和過程において、セメント粒子表面に水和生成物か
らなる被膜が形成される。この被膜形成には共存する石
膏の水溶解性が重要な役割を果たしている。またこの水
和反応により反応系内に水酸化カルシウムが遊離副生
し、セメント粒子内部には未反応のアルミネートやケイ
酸カルシウムが取り残される。この結果従来のセメント
固化工程では固化速度が抑制されており、作業に必要な
可使時間は十分にあるが、固化体強度の発現が遅く、生
産性に時間がかかる傾向にあることが指摘されている。
【0042】上記問題点を解消するために、セメントの
固化に際して各種の水和促進剤の併用が検討されてき
た。中でも塩化カルシウムはセメントの水和促進剤とし
て広く用いられている。この塩化カルシウムはセメント
の水和反応に重要な役割を果たす石膏の溶解を助け、ま
たセメント粒子表面に形成される被膜の生成を阻止し、
セメント粒子内部に残されている未反応のアルミネート
やケイ酸カルシウムの水和反応を有効に促進させる役目
を果たしていると説明されている。
【0043】しかし、この塩化カルシウムは吸湿・潮解
性の塩類であることから、粉末での安定性がなく、液体
しかも酸性の液体で供給されている。したがって、液体
では煩雑な取扱が避けられず、吸湿・潮解性がなくてセ
メント粉末と同レベルの粉末で取扱える水和促進剤が求
められている。
【0044】本発明者等は、安定した粉末状態で取り扱
える水和促進剤について研究し、セメントクリンカーの
一成分でもある硫酸カルシウムを中心に選び、この硫酸
カルシウムに塩化カルシウムと同様な水和促進機能を与
える条件を検討を行った。この結果本発明者等は、粉末
状で水可溶部分を有し、そのpHが酸性を呈する酸根含有
化合物(B) を硫酸カルシウム(A) に複合処理させた粉状
組成物 (I)を形成させる時は、この粉状組成物(I) 中の
硫酸カルシウム(A) は、水に対する溶解量が増加して、
塩化カルシウムの場合と同様以上にセメントの固化を効
率よく促進させ、固化体強度を向上させる水和促進機能
を有していることを見出した。
【0045】本発明の粉状組成物(I) に採択される硫酸
カルシウム (A)は、一般に石膏と呼ばれている化合物
で、水に難溶性である。この硫酸カルシウムには無水
塩、1/2水塩ならびに2水塩があり、本発明ではこのい
ずれの硫酸カルシウムをも選ぶことができる。しかし、
無水塩や1/2 水塩の硫酸カルシウムでは水が添加された
時に一旦水和反応を起こす過程が入り系を複雑にするこ
と、ならび無水塩や1/2 水塩に変換するための特別な手
段を必要とすることから、積極的には好ましくない。
【0046】したがって、本発明においては安定で安価
である2水塩の硫酸カルシウムが好適に採択される。ま
た、本発明の硫酸カルシウム(A) には、天然産の石膏は
もとより各種の化学工業ならびに廃水処理工程等から副
生する石膏から、その純度と性能が本発明の目的を損な
わない範囲で選ぶことができる。本発明においては、上
記の硫酸カルシウム(A) は後段の酸根含有化合物(B) と
の均質混合と複合処理を効率よく遂行させるために、当
業界の常套手段である公知・公用の粉砕・分級手段によ
り、65メッシュ篩を少なくとも80%通過する粉末に調製
されていることが好ましい。
【0047】本発明の硫酸カルシウム(A) に複合させる
水可溶性の酸根含有化合物(B) としては、粉末で、水分
散時のpHが6,5 以下の酸性を示す化合物が好適に選ばれ
る。ここに選ばれる水可溶性の酸根含有化合物(B) は、
下記一般式(1) Xab ・・・・・・・・・・・・・・ (1) (式中:Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ニウム金属または鉄金属の単独ないしは2種以上の組み
合わせからなる元素であり、Yは硝酸、亜硝酸、硫酸、
またはカルボン酸の単独ないしは2種以上の組み合わせ
からなる酸根であり、aは酸根の価数に相当する数であ
り、bは金属元素の価数に相当する数である)で表わさ
れる塩基性成分と酸根からなり塩類で、その10%水分散
pHが6.5 以下を示す塩類化合物が粉末硫酸カルシウム
(A) と複合させる上で好適である。なお、Yが塩酸であ
る場合は、潮解性が激しいことから本発明では除かれ
る。
【0048】本発明の酸根含有化合物(B) の塩基性の金
属元素成分として、アルカリ金属元素では、リチウム、
ナトリウムおよびカリウムが好適である。アルカリ土類
金属では、マグネシウムとカルシウムを挙げることがで
き、この他にストロンチウムやバリウムも挙げられる
が、ストロンチウムは高価であり、バリウムは重金属で
あることから毒・劇物の指定を受けており本発明の原材
料としては適さない。さらに本発明においては、アルミ
ニウム金属元素ならびに二価または三価の鉄金属元素が
安価であり、硫酸塩として入手容易であることから好適
である。
【0049】本発明の酸根含有化合物(B) の酸根として
は、無機酸の硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、ならびに有
機酸のカルボン酸等の酸根が、本発明の硫酸カルシウム
(A)の水溶解量を増加させ、セメントの水和促進剤とし
ての役目を効率よく果たす上で好ましく、また安定した
粉末状の組成物を調製する上で好適である。
【0050】本発明で採択される酸根含有化合物(B) の
代表的な例を無水物で表わせば、硫酸アルミニウム、硝
酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸
第二鉄、硝酸鉄、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝
酸カリウム、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、酢酸
カルシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、
硝酸マグネシウム等を挙げることができ、これらの無水
物か結晶水含有化合物の単独または2種以上の組み合わ
せからなる塩類化合物類を挙げることができる。
【0051】ここに挙げた本発明に好適に採択される酸
根含有化合物(B) は、この塩類化合物を水に10重量%分
散させた時のpHが6.5 以下の酸性を呈することが、硫酸
カルシウム(A) の水溶解性を向上させる上で好ましい。
本発明において採択される酸根含有化合物(B) の中で
も、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属元素は、固
化体を構成する構成員とはなり得ず、セメント固化体中
に固定化されない。むしろ形成した固化体が水と接触す
る時は、遊離しているアルカリイオンが空気中の炭酸ガ
ス等と反応し、微細な粉状の炭酸アルカリを生成し、い
わゆる白華現象を起こす傾向にあり好ましくない。
【0052】粉末硫酸カルシウム(A) に複合される酸根
含有化合物(B) の配合割合は、100重量部の硫酸カルシ
ウム(A) に対して10ないしは400 重量部の量範囲の酸根
含有化合物(B) が均質混合され、複合処理に付されるこ
とが重要である。この時、酸根含有化合物(B) の量範囲
が10重量部よりも少ない時は、硫酸カルシウム(A) の水
可溶量に満足する増加が期待できない。また、酸根含有
化合物(B) の量範囲が400 重量部よりも多い時は、セメ
ントの固化系に不要の酸根を多量に持ち込まれることに
なり、水和反応が阻害され満足の行く固化体生成が得ら
れない傾向にある。
【0053】硫酸カルシウム(A) に酸根含有化合物(B)
を複合処理して粉末組成物(I) を調製する手段は、所定
量の割合で均質混合された両者混合物を300 ℃以下、好
適には 260℃以下、さらに好適には180 以下で加熱処理
もしくは脱水処理する方法で複合処理が達成される。勿
論、本発明においては常温における複合処理手段を拒む
ものではなく、例えば常温ないしは加熱条件下における
減圧や加圧さらには強制的混合による複合処理手段を採
用することもできる。
【0054】この複合処理を300 ℃以上で行う時は、選
ばれた酸根含有化合物(B) によっては分解する傾向があ
り、酸根含有化合物(B) を配合した目的を失ってしまう
ことがある。この時の300 ℃以下の処理温度範囲と処理
時間等の処理条件は予め行われる簡単な予備実験により
確認して選ぶことが好適である。
【0055】本発明においては、上記の硫酸カルシウム
(A) と酸根含有化合物(B) とが均質に混合されて複合処
理が施された粉状組成物(I) は、65メッシュ篩を少なく
とも80%通過する粉末であることが、セメント粉末と同
レベルの粉末状の取扱が可能となることから好適であ
る。この粉末状態は、当業界で公知・公用されている粉
砕方法ならびに分級方法を採用することにより容易に達
成することができる。
【0056】本発明者等は、硫酸カルシウム(A) と酸根
含有化合物(B) とからなる粉末組成物(I) をセメント類
に効果的に均質分散させる手段を検討した。その結果、
含有水分量が20重量%以下の含水フィロケイ酸塩を主成
分とするケイ酸塩化合物で65メッシュ篩を少なくとも80
%以上通過する粉状担持体(C) を分散媒体に選び、該粉
状担持体(C) に硫酸カルシウム(A) と酸根含有化合物
(B)とを担持せしめると、その担持組成物のセメント類
への混合分散が均質で効果的であることを見出した。
【0057】さらに本発明者等は、酸根含有化合物(B)
の塩類が少々の吸湿・潮解性を有していても、粉状担持
体(C) にこれらの酸根含有化合物 (B)塩類を担持処理さ
せておくことによって、吸湿・潮解性を有する酸根含有
化合物(B) でも、その吸湿・潮解性が改質されセメント
類にワンパック配合することが可能となり、本発明の目
的が有効に達成せられることを見出した。
【0058】しかも本発明者等は、ここで採択される含
水フィロケイ酸塩を主成分とするケイ酸塩化合物がセメ
ント類に添加配合される時は、単なる分散媒体となる担
持体としての役割だけでなく、ポゾラン(水の存在で水
酸化カルシウム等と容易に反応して水和硬化性化合物を
形成するケイ酸等成分を有する材料をいい、火山灰等が
これに相当する)効果を発揮する微粉末のシリカやアル
ミノケイ酸塩としての役割も併せ果し、生成セメント固
化体の緻密度を向上させ、固化体硬度を向上させる利点
があることを併せ見出した。
【0059】本発明で採択される含水フィロケイ酸塩化
合物に関しては、Si-Oの四面体を中心に互いに結合した
層状ケイ酸塩構造を基本体とする含水の層状ケイ酸塩化
合物を総称しており、天然の層状粘土鉱物がこれに当た
る。このフィロケイ酸塩化合物には、六角網状の層状体
と四角網状の層状体とに大別されている。大部分のケイ
酸塩化合物は六角網状の層状体から形成されている。こ
のフィロケイ酸塩化合物を構成する単位は、面、シー
ト、層の3っに区別されており、シートには四面体シー
トと八面体シートとがある。この四面体シートと八面体
シートで構成される単位層が層状に重なってフィロケイ
酸塩化合物を形成しており、層と層との間には水分子を
伴って陽イオンが入っており、含水状態を形成してい
る。
【0060】含水ケイ酸塩化合物である層状粘土鉱物の
分類によれば、1:1層の型のカオリナイトでは2八面
体型にカオリナイトやハロイサイトがあり、3八面体型
にクリソタイルやアメサイトがある。一方、2:1層の
型にはパイロフィライト、スメクタイト、バーミキュラ
イト、雲母、緑泥石等があり、2八面体型にパイロフィ
ライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、白雲
母、ドンバサイト等があり、3八面体型にタルク、サポ
ナイト、ヘクトナイト、バーミキュライト、金雲母、ク
リノクロア等が挙げられている。
【0061】しかし一般に、2八面体型の2:1層のモ
ンモリロナイト等のフィロケイ酸塩の粘土鉱物は、1:
1層のカオリナイト等の層状粘土鉱物に比べて、含有す
るアルミニウムとケイ素の結合が不安定であり反応性に
富み、比表面積も一般に大きく、吸着性能も高く、粉状
での担持能力に優れている。
【0062】本発明では上記した含水で層状の粘土鉱物
を粉状担持体(C) の代表的ケイ酸塩化合物として挙げる
ことができる。この中でもモンモリロナイト粘土鉱物
は、粉状での担持能力に優れて、入手が容易であること
から好適である。モンモリロナイトは、(Na,Ca1/2)0.33
(Al1.67Mg0.33)Si4O10(OH)2 の組成構造式(但し層間水
は省略)で示される。このモンモリロナイトでは、正負
の荷電間の距離は大で、相互作用の力は弱く、容易に陽
イオン交換が起きる。また環境によって層間水の量も変
わり、水や有機物が層間に入って底面間隔を広げる傾向
にあり、膨潤性がある。このモンモリロナイトにはベン
トナイトや膨潤性がそれほど大きくないサブベントナイ
ト(酸性白土)が分類されている。
【0063】しかし、含水の層状粘土鉱物は天然産の鉱
物であることから、一般に各種の不純物を共存してい
る。したがって本発明においては、不純物を共存してい
る含水の層状粘土鉱物の場合、粘土鉱物としての有効成
分、例えばモンモリロナイトを少なくとも50重量%以上
含有しいる粘土鉱物であれば、本発明の目的を損なうこ
となく粉状担持体(C) として採択することができる。
【0064】一般にフィロケイ酸塩化合物は乾燥物でも
水分を20重量%以下の量範囲で含有している。しかし、
粉状担持体(C) として採択される含水フィロケイ酸塩化
合物は、乾燥粉末であることが大切である。その含有水
分量は20重量%以下、好適には18重量%以下の乾燥粉末
であり、その粉末度は、実質的に65メッシュ篩を少なく
とも80%以上通過する粉末に粉砕・分級されていること
が好ましい。
【0065】粉状担持体(C) の含有水分量が20重量%以
上である時は、担持させる水可溶の酸根含有化合物(B)
の均質な反応・担持が困難となる。また、粉状の担持体
(C)が65メッシュ篩を少なくとも80%以上通過する粉末
粒径である時は、水和促進作用を持つ塩類化合物との均
質な接触が期待できず、担持体としての有効な役割が果
たせず、本発明の粉状組成物(I) としての役割を充分に
発揮することはできない。粉状担持体(C) に担持させる
硫酸カルシウム(A) と酸根含有化合物(B) からなる粉状
組成物(I) の配合割合は、100 重量部の該粉状組成物
(I)に対して、40ないし1000重量部、好適には50ないし8
00 重量部の量範囲の粉状担持体 (C)であることが好ま
しい。粉状組成物(I) に対する粉状担持体 (C)の配合量
が40重量部よりも少ないとセメントへの分散媒体として
の効果が発揮できず、一方1000重量部よりも多いと水和
促進機能を有効に発揮することはできない。
【0066】一般にフィロケイ酸塩化合物は、担持面積
が大きく、吸着性能が高く、一方硫酸カルシウム(A) な
らびに酸根含有化合物 (B)は一般に結晶水を含有してお
り、この結晶水は加熱により容易に液状態になる。これ
らの性質を利用して均質にして有効な複合処理ならびに
担持処理を行なうことが可能となる。
【0067】特に本発明の硫酸カルシウム(A) と酸根含
有化合物(B) からなる粉状組成物(I) を本発明で採択し
た粉状担持体(C) に担持させる方法手段は、硫酸カルシ
ウム(A)と酸根含有化合物(B) とを複合処理する方法手
段と同様の条件で行うことができる。したがって、硫酸
カルシウム(A) と酸根含有化合物(B) さらに粉状担持体
(C)との三者による複合・担持処理を同時に同条件で遂
行することが可能であり、また三者を同時に処理できる
ことは本発明の粉状組成物(I-C) を調製する上で大変有
効であり、また好都合である。
【0068】したがって、硫酸カルシウム(A) と酸根含
有化合物(B) の単独ないしはその粉状組成物(I) を粉状
担持体 (C)に所定量の割合で均質混合しテ300℃以下、好
適には 260℃以下、さらに好適には180 ℃以下の温度範
囲で加熱処理もしくは脱水処理する方法で担持・複合処
理を行なうことができる。この時の300 ℃以下の処理温
度範囲と処理時間や処理方法等の条件は、予め行われる
簡単な予備実験により確認して選ぶことができる。
【0069】勿論、この担持処理手段において複合処理
の時と同様に、例えば常温ないしは加熱条件下における
減圧や加圧さらには強制的混合による担持処理手段を採
用することもできる。この場合、300 ℃以上で担持処理
を行うと、選ばれた酸根含有化合物(B) によってはこの
温度で分解する傾向があり、酸根含有化合物 (B)を配合
した目的を失ってしまい好ましくない。
【0070】また本発明においては、粉状担持体(C) に
硫酸カルシウム(A) と酸根含有化合物(B) とを担持せし
めた複合担持組成物は、当業界で公知・公用の粉砕・分
級方法によって、65メッシュ篩を少なくとも80%通過す
る粉末組成物(I-C) に調製しておくことが本発明の目的
を達成する上で好適である。
【0071】また本発明者等は、水和促進機能を持たせ
た少量の粉末組成物をセメント粉末に効率良く分散せし
め、水和促進機能を有効に発揮させるために、本発明に
おいては粉末組成物(I) の調製に際して、粉状担持体
(C)の担持と同時にもしくは独立して、各種の粉末填剤
(D) を複合させると単なる増量剤としてだけでなく、本
発明の粉状組成物(I) の分散機能を改善し、セメント固
化体の安定性が確保されることを見出した。
【0072】本発明で併用される好適な粉末填剤(D) を
例示するとつぎの材料を挙げることができる。例えば、
アルカリ金属やアルカリ土類金属元素のケイ酸塩、アル
ミン酸塩または水酸化物からなる化合物の単独もしくは
2種以上の組み合わせからなる粉末填剤(D) が好まし
く、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム等のアルカリ性粉末化合物の単独も
しくはこれらの複合化合物を挙げることができる。
【0073】また本発明においては、産業廃棄物を有効
利用する立場から粉末填剤(D) として、ケイ酸カルシウ
ムを主成分とするウォラストナイトや所謂合成スラッ
グ、アルミン酸カルシウムを主成分とするアルミナセメ
ント、さらには複合化合物であるセメントクリーカー
類、また電力業界、製鉄業界、非鉄金属業界、製紙業界
等から排出される産業廃棄物であるフライアッシュ、高
炉スラッグ、アルミニウム製錬スラッグならびにペーパ
ースラッジ等を採択することが好適である。
【0074】これらの粉末填剤(D) は、65メッシュ篩全
通、好適には100 メッシュ篩全通の粉末に予め調製され
ていることが、本発明の粉末組成物(I) と混合されて分
散機能の改善された複合粉状組成物(I-D) を構成する上
で好ましい。硫酸カルシウム(A) と酸根含有化合物(B)
を主成分とする粉末組成物(I) に対する粉末填剤(D) の
配合割合は、 100重量部の該粉末組成物(I) に対して粉
末填剤 (D)を1000重量部以下の量で混合配合して複合さ
れている粉末組成物(I-D) を調製することが好ましい。
混合配合の手段は、一般的な公知・公用の混合方法よ
り、予めの予備実験により好適な方法手段を選択すれば
よい。
【0075】さらにまた本発明の粉状組成物(I) には、
一般に市販されているセメント用の減水剤、遅延剤、防
錆剤、収縮低減剤、凍結防止剤、防水剤、着色剤、起泡
・発泡剤、ポリマー混和剤等は、目的に応じて適宜採択
し、予め簡単な予備実験で確認してから併用することが
できる。
【0076】本発明者等は、本発明の粉状組成物(I) が
吸湿性のない粉状体に調製されていることに鑑み、セメ
ント類粉末[ セメントクリンカー粉末(E)]が予め本発明
の粉状組成物(I) と均質に混合配合されて水硬性固化機
能を有したワンパックの粉状組成物(II)を調製する時
は、このワンパックの粉状組成物 (II) が水硬性固化機
能を十分に発揮し各種材料に対してセメント系固化材と
して機能を発揮して本発明の目的を効果的に達成させる
ことを見出した。
【0077】しかも、セメントクリンカー粉末(E) に水
和促進機能を有する本発明の粉状組成物(I) がワンパッ
ク配合されることにより、両者粉末が予め均質混合状態
にあり、比重の大きいセメント粉末が骨材類中に効率良
く拡散することから、セメントの施工工程が合理化され
て生産性が上がり、モルタルやコンクリート製品の固化
強度が早期に高硬度で発現することを見出した。
【0078】勿論本発明においては、セメント系固化材
を使用するに際して、ワンパック品にこだわらず、目的
に応じて複合原料となるセメントクリンカー粉末(E) と
粉末組成物(I) を別々に目的に応じて種類を選別し、施
工現場において別々に計量、添加、配合することによる
本発明ワンパックの粉状組成物(II)のセメント系固化材
としての応用を妨げるものではない。
【0079】本発明の粉状組成物(II)に配合されるセメ
ントクリンカー粉末 (E)としては、公知・公用のセメン
ト粉末から適宜選ぶことができる。その具体的例を挙げ
れば、JIS R 5200で規定されているポルトランドセメン
ト(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩)や混合セ
メント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシ
ュセメント)、さらには特殊セメントとして(白色ポル
トランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメン
ト、コロイド状セメント、油井用セメント、地熱井用セ
メント、膨潤セメント、その他特殊セメント)等を挙げ
ることができる。
【0080】本発明の粉状組成物(I) にワンパック配合
されるセメントクリンカー粉末 (E)の量は、該粉状組成
物(I) の100 重量部に対して、セメント粉末が 100ない
し10,000重量部の範囲でワンパック配合されて水硬性固
化機能を有する粉状組成物(II)に調製されることが、本
発明の粉状組成物の機能を発揮させる上で有効である。
【0081】本発明のワンパック配合粉状組成物(II)の
調製は、その原料がそれぞれ微粉末であることから、特
別なる装置を用いることなく当業界で公知・公用の一般
的粉末混合機を用いることによって充分効率よく達成す
ることができる。本発明者等は、本発明の水硬性固化機
能を有する粉状組成物(II)のセメント系固化材と各種の
骨材、特に本発明によれば分級・加工・改良・処理され
た各種の骨材を採択することにより、本発明の目的に適
い高硬度で高緻密の良好な固化体製品、所謂コンクリー
トの構造体と二次製品が、焼成エネルギーを用いること
なく常温の不焼成で製造されることを見出した。
【0082】この不焼成固化体製品としてはコンクリー
ト構造体への応用もあるが、コンクリート二次製品と呼
ばれる分野(建材、レンガ、ブロック、舗石、魚礁、テ
トラポット、容器、各種コンクリート製品等)への応用
もあり、目的に応じて本発明の水硬性固化機能を有する
粉状組成物(II)を有効に利用することが可能となる。本
発明において、本発明の粉状組成物(II)を用いて不焼成
固化体製品を製造する時は、各種の骨材を選ぶことがで
きる。勿論、従来の一般的コンクリート製品で採択され
てきた骨材や被固化材料類は全て対象として選ぶことが
可能である。
【0083】特に本発明においては、水和促進機能に優
れた粉状組成物が採択されることに鑑み、本発明者等
は、従来のセメント系固化材では採用が不能であった各
種の骨材や被固化材料、例えば、有機質成分含有の土
壌、海の砂、リン分を含有量するごみ焼却灰、比表面積
の大きいペーパースラッジ、植物油等の精製に処理に使
われた活性白土の廃白土等の各種産業廃棄物等でも、単
独もしくは必要に応じて下記する前処理の施された骨材
を採択することによって、セメントによる優れた固化体
製品を不焼成で製造することを見出した。
【0084】本発明で採択される骨材は、細骨材(F)、加
工骨材(H) 、改良骨材(J) 、処理骨材(M) の4種類に大
別される。一般にコンクリート製品類に用いられる骨材
としては、5mmφ以下の砂・砕砂からなる細骨材と5mm
φ以上の砂利・砕石からなる粗骨材とが採用されてい
る。なお、本明細書では「粗骨材」は純粋な増量骨材と
位置づけ、粗骨材の採用が本発明の本質を損なうもので
ないことから、粗骨材の採用は特記しない限り骨材には
組み込まない。
【0085】細骨材(F) は、従来からの「砂」で代表さ
れる骨材で吸水量が0.4ml/g 未満であり、粒径φが5mm
以下に分級されているのが一般的である。その他本発明
で採択される細骨材(F) の例を下記するが、本発明で採
択される細骨材 (F)はこれらの例に限定されるものでは
なく、またこれらの形状や粒度構成等はその有姿を尊重
するが、目的に応じて選択ならびに変性することができ
る。
【0086】代表的細骨材(F) としては、ガラス、陶磁
器、セラミックス、酸化ケイ素(硅砂、硅石、海砂、石
英、シリカヒュウム、溶融シリカ)、マグネシヤ粉、炭
酸カルシウム、ジルコンサンド、粘土類(ベントナイ
ト、スメクタイト、ガイロメ、木節粘土等の精製品)、
焼成クレー(ボーキサイト、カオリン等)、石膏、ケイ
酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、各種雲母、アスベスト、マイカ、ロ
ウ石、長石、シャモット、ムライト、アルミナ、ドロマ
イト、マグネシヤ、カルシヤ、ジルコニヤ、各地方の火
山灰や火山の溶岩粒、各種組成内容の釉薬、炭素、黒
鉛、炭化物、窒化物等の耐熱耐火物等の粉末や顆粒状品
等;ステンレス、鉛や鉄等の金属および合金のフレーク
や粉末;ガラス繊維、ロックウール、天然鉱物繊維、カ
ーボン繊維等の無機質繊維;の中からそれぞれ単独もし
くは2種以上の組み合わせで適宜選ぶことができる。
【0087】さらにまた一般的骨材として、少なくとも
25重量%のケイ酸塩類を含有する粉状、砂状、塊状、中
空体もしくは各種形状の成型体である産業廃棄物(以下
「ケイ酸塩含有産廃」と略記)を適宜目的に応じて選び
併用することができる。
【0088】ここに採択される一般的な産業廃棄物から
なる骨材は、ケイ酸塩含有産廃である金属製錬で排出さ
れる高炉スラッグ等や銅、アルミニウム等のスラッジ・
赤土;石炭火力発電から排出されるフライアッシュ;製
紙業から排出されるペーパスラッジ;ごみ処理もしくは
下水道処理から副生する各種の焼却灰;石材、粘土類や
セラミック類の処理で排出する粉塵粉体;さらにホタテ
やカキ等各種貝殻の廃棄物;船舶等から排出されるスラ
ッジ;ダムや河川から排出される堆積土;水含有の建設
系産業廃棄物等のケイ酸塩含有産廃物類を挙げることが
できる。
【0089】しかし、これら産業廃棄物、特にケイ酸塩
含有産廃、例えばペーパースラッジや各種焼却灰、さら
には火山灰類は熱履歴を受けており、粒子表面には多く
の細孔やポアが形成されており比表面積が大きく、吸水
量は0.4ml/g 以上と大きい。このような比表面積が大き
く吸水量の大きい骨材をセメント粉末で全体を覆い、強
固な固化体を形成させることは物理的にも難しい。
【0090】本発明者等は、熱履歴を受けて吸水量の大
きい骨材をセメント類により強固な固化体を形成せしめ
るために前処理工程を検討した。その結果、この吸水量
の大きい骨材にケイ酸アルカリ溶液(G) を含浸させて細
孔を潰す前処理工程を施した加工骨材(H) を予め調製す
ることにより、セメント類、特に本発明の粉状組成物(I
I)のセメント系固化材を採択する時は、本発明の目的が
効果的に達成され、良好な固化体が形成されることを見
出した。
【0091】加工骨材(H) の前処理工程に採択されるケ
イ酸アルカリ溶液(G) には、市販一般の粉状もしくは液
状のケイ酸アルカリ、例えば水ガラスといわれるケイ酸
ナトリウムやケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムを原料に
選ぶことができる。本発明においては安価で入手容易な
ケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ)が好適である。ケイ
酸アルカリ溶液(G) としては、これらケイ酸アルカリの
2ないし30重量%濃度の溶液を採択することが前処理工
程を完成させるのに好適である。
【0092】具体的な前処理の手段は、比表面積の大き
い対象骨材が有する吸水量に相当する量を最大量として
所定濃度のケイ酸アルカリ溶液(G) を対象該骨材に含浸
させた後、放置または加熱によりを対象該骨材中含浸さ
れているケイ酸アルカリ溶液(G) 中のケイ酸分をゲル化
沈着させることにより達成される。この前処理手段が施
されたことにより、骨材の細孔が潰れ、比表面積は小さ
くなり、本発明の粉状組成物(II)による固化体形成が可
能となる。また、この時の細孔が潰された加工骨材(H)
の粒径は、その使用目的に応じて、粉状ならびに積極的
に造粒された各寸法の球状、柱状、顆粒状等に加工して
適宜採択することができる。
【0093】また一般に、 有機質成分を含有する骨材や
被固化材料をセメントで固化しようとする時、含有有機
質成分がセメントの水和反応は阻害する傾向にあり強度
のある良好なセメント固化体の生成は期待できない。し
かし、このような有機質成分を含有する骨材は、例えば
フミン質等を含有する腐葉土壌、ホタテ・かき等の有機
質成分を含有する貝殻の産業廃棄物、廃油が含浸された
白土、魚類・肉類・貝類等の加工現場から生じる産業廃
棄物等を挙げられ、これら産業廃棄物の固化処分は環境
問題と共に求められている。
【0094】本発明者等は、有機質成分を含有する骨材
を強固な固化体に変換する条件について検討した。その
結果、その有機質成分の含有量が20重量%以下である骨
材の場合、アルカリ改良剤(J) をこの骨材に予め添加配
合した改良骨材 (K)を調製しておくことにより、アルカ
リ改良剤(J) がセメントの水和反応を阻害する有機質成
分を変質させ、特にカルボン酸含有化合物に対しては石
ケン化反応を起こし、セメントの水和反応阻害は解消さ
れ、本発明の粉状組成物(II)を用いた固化体製造を不焼
成で完成できることを見出した。
【0095】有機質成分を含有する骨材にアルカリ改良
剤(J) を予め添加配合して改良骨材(K) の調製は、該骨
材の有機質成分に相当する量に勘案して、該骨材に対し
て少なくとも20重量%のアルカリ改良剤(J) を添加し、
当業界において公知・公用の混合機を用いることにより
達成される。このように予め調製された改良骨材(K)を
本発明の粉状組成物(II)であるセメント系固化材を用い
て不焼成で固化処理を行なう時は、有機質含有産業廃棄
物類の有効再利用を可能にし、産業廃棄物類のリサイク
ル運動に貢献することができる。
【0096】また一方産業廃棄物には、例えば廃白土や
油性の産業廃棄物のように油分含有産業廃棄物があり、
これらの油分含有産業廃棄に直接セメント粉末と水を加
えて固化処理を試みても、含有油分の水和反応への阻害
から固化体形成を完成させることはできない。
【0097】本発明者等は、油分を20重量%以下の量で
含有する骨材(油分含有産業廃棄)に対して、特定され
る処理手段としてスメクタイト系粘土鉱物からなる油分
吸着剤(L) を加えて処理骨材(M) を調製することによ
り、含有油分を油分吸着剤 (L)に吸着させて、セメント
による固化を可能にできることを見出した。本発明にお
ける油分吸着剤(L) はフェロケイ酸塩であるスメクタイ
ト系粘土鉱物の粉末であることが、油分含有骨材の油分
を有効に吸着して処理骨材(M) が調製でき、また油分吸
着剤(L) がセメントの固化促進機能を阻害しないことか
らから好適である。
【0098】処理骨材(M) の具体的調製方法は、油分含
有骨材の含有油分に相当する量に対して、スメクタイト
系粘土鉱物からなる油分吸着剤(L) を少なくとも同量の
割合で混合し、必要に応じて加熱して油分を予め油分吸
着剤(L) に吸着せしめる前処理を施すことにより、これ
らの油分を含有する骨材をも不焼成で固化体製品に形成
することができる。
【0099】以上の本発明骨材[細骨材(F)、加工骨材
(H) 、改良骨材(J) 、処理骨材(M) ]を用いた不焼成の
固化体製品の製造は、本発明の粉状組成物(II)の 100重
量部に対して、該骨材を300 ないし1,000 重量部の範囲
で、また水を30ないし120 重量部の範囲で添加配合して
混練した後、養生する一般的製法の採用が好適である。
【0100】この時の骨材ならびに水の配合量は、骨材
の粒度構成、形状、前処理条件、目的とする固化体性
能、施工作業性、施工環境・天候等により異なるが、そ
れぞれの予備実験等で条件を確認の上で選ぶことができ
る。セメント系固化材と骨材と水との三者を混合・混
練、成型、養生の各工程手段は、既存のコンクリート製
品の製造で用いられている条件・手段・方法の全てを採
用することができる。勿論、成型においても加圧、減
圧、振動、鋳込み等の各種手段も応用できる。また養生
においても蒸気養生、加圧養生、減圧養生等の各種養生
条件を採用することができる。
【0101】さらにまた、水含有の流動性建設系産業廃
棄物(P) を流動性のない埋め立て用土として再利用する
ための処理法が求められている。この場合、水含有の流
動性建設系産業廃棄物(P) としては、建設工事に伴って
発生する廃棄物、特に建設残土である高含水比汚泥、ヘ
ドロや含水掘削残土等を挙げることができる。本発明者
等は、水含有の流動性建設系産業廃棄物(P) を再利用す
るに際して、本発明のセメント系固化材である粉状組成
物(II)の 100重量部を水含有の流動性建設系産業廃棄物
(P) の250 ないし 2,000重量部の範囲に添加混合して処
理することによって、1 時間養生後の圧縮強度が0.05 N
/mm2以上を有する固形体に変化させることができ、水含
有の流動性建設系産業廃棄物(P) を埋め立て用土として
再利することが可能である。
【0102】また本発明者等は、本発明のセメント系固
化材である粉状組成物(II)を用いて土壌面を人や車の通
行が可能となる路盤の造成が可能であることを見出し
た。この場合の路盤造成方法としては、路盤造成予定土
壌100 容積部に対して本発明の粉状組成物(II)の少なく
とも10重量部を均質に散布・混合添加し、ついでその上
より水を散布して土壌と共に混和・養生せしめることに
よって人や車の通行が可能となる路盤を造成することが
できる。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、セメント類を採択する
各現場、例えば、建築・土木の分野で、セメント系固化
体の二次製品加工分野で、産業廃棄物類を不焼成でリサ
イクル製品とする加工分野で、建設系産業廃棄物の再利
用分野で、セメント類による固化工程に本発明の粉状組
成物を採択もしくは併用することにより、それぞれの作
業可使時間が確保され、固化速度が促進され、生成する
固化体に高強度が期待でき、加えて産業廃棄物等が抱え
る環境問題の解消に貢献できる。
【0104】
【実施例】以下、本発明の粉状組成物(I) とその応用に
ついて、その具体例を実施例を以って説明する。なお、
本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0105】[参考例1]本参考例において、本実施例
で採択される水可溶性で10%水分散液pHが6.5 以下であ
る酸根含有化合物(B) (B-1〜B-11))を市販試薬の中から
選んで説明する。該酸根含有化合物(B) の組成式とその
10重量%水分散液のpHを表1に示す。
【0106】[参考例2]本参考例において、本実施例
で採択される含水フィロケイ酸塩を主成分とするの粘土
鉱物からなる3種類の粉状担持体(C) について説明す
る。3種類の粉状担持体(C) は、三層構造(2:1層) の2
−八面体型モンモリロナイト粘土鉱物の酸性白土(C-1)、
三層構造(2:1層) の3−八面体型タルク粘土鉱物のタル
ク(C-2)、二層構造(1:1層) の2−八面体型のカオリナイ
ト粘土鉱物のカオリン(C-3) の粘土鉱物よりを選んだ。
なお比較例として、層状構造を持たないケイ酸塩化合物
でなる硅石粉末(CQ-1)を選んだ。
【0107】各粉状担持体(C) は、110 ℃で乾燥して10
0 メッシュ篩を全通させた粉末を供試料とし、その主成
分[乾燥物基準(%)]と諸物性を表2に併せ表示する。
【0108】[参考例3]本参考例において、本実施例
で採択されるケイ酸塩もしくはアルミン酸塩の粉末填剤
(D) であり、各骨材原料となり得る材料について説明す
る。粉末填剤(D) には、合成されたウォラストナイト[
ケイ酸カルシウム:別名合成スラッグ](D-1)、石炭火力
発電所より廃出されるフライアッシュ(D-2) 、製鉄の高
炉より廃出される高炉スラッグ(D-3) 、製紙業界より廃
出されるペーパースラッジ(D-4) の各粉末産業廃棄物を
選び、その充填剤 (D)の主成分を表3に表示し、さらに
市販試薬の水酸化カルシウム[Ca(OH)2](D-5)を選んだ。
なお、各粉末填剤(D) は、分級方式により100 メッシュ
篩を全通させた粉末を供試料とした。
【0109】[実施例1]本実施例において、硫酸カル
シウム(A) と酸根含有化合物(B) で複合処理されている
粉状組成物(I) について説明する。市販試薬の2水塩硫
酸カルシウム(CaSO4・2H2O)粉末(A-1) を硫酸カルシウム
(A) に選び、参考例1で示した塩類化合物の中から8種
類の酸根含有化合物(B) を選んだ。粉状組成物(I) は、
表4に示した種類、配合量、処理温度で硫酸カルシウム
(A) と酸根含有化合物(B) とを混合後加熱による複合処
理し、粉砕後 100メッシュ篩で分級により調製した。調
製された粉状組成物(I) の評価を下記方法により作成し
たセメント固化試験体を、圧縮強度試験と耐凍害性試験
に付して行ない、その結果を表4に併せ表示した。
【0110】なお本発明における比較例として、粉状組
成物(I) 無添加の場合(Q-1) 、酸根含有化合物(B) によ
る複合処理のない硫酸カルシウム(A) のみの場合 (Q-
2)、粉状組成物(I) に代えて50重量%塩化カルシウム(C
aCl2・6H2O)水溶液を用いた場合(Q-3) の3種類のケース
について同様の評価を行い、結果を表4に併せ表示し
た。
【0111】〈セメント固化試験体作成と圧縮強度試験
方法〉:固化試験体は JIS5201ならびに A 1108に準拠
して作成し、試験体作成はつぎに示す配合量割合重量部
)の材料[骨材(川砂)1000、セメント(市販ポルトラ
ンドセメント:日本セメント製)300 、混和剤(粉状組
成物)所定量、水40]を混練後、混練材料を50φ×100
mmの型で加圧下に成型し、24時間後に脱型する条件を採
用した。圧縮強度試験は、気中(20 ±3 ℃ )標準養生条
件下に7 日間および 28 日間養生した試験体を用いて測
定した。なお、結果は試験体3個の平均値で示した。以
下本実施例においては特記ない限り本試験方法を標準と
して採用する。
【0112】〈セメント固化体の耐凍害性試験方法〉:
試験方法は、JIS 5209に準拠して行い、圧縮強度試験で
作成した28日気中養生した試験体を用いて、−20±3 ℃
の気中冷凍槽内に6時間暴露しついで20±3 ℃の清水中
に6時間浸漬する操作を一サイクルとして60サイクルで
行なった。凍結溶解の評価は試験体を観察し、試験体に
異常なき場合を「合格」とし、試験体にキレツやハガ
レ、崩壊ある場合を「不合格」とした。
【0113】 註* [以下実施例同様記載]:[ X=粉状組成物重量部
(g)]/セメント粉末100g
【0114】[実施例2]本実施例において、硫酸カル
シウム(A) と酸根含有化合物(B) からなる粉状組成物
(I) の複合処理条件の異なる場合について説明する。酸
性白土を硫酸処理して回収された廃酸の石灰中和で副生
された2水塩硫酸カルシウム(CaSO4・2H2O)の乾燥粉末(A
-2) を硫酸カルシウム (A)に選び、参考例1で示した市
販試薬より硝酸カリウム(B-5)、硝酸カルシウム (B-6)、
酢酸カルシウム(B-8) の3種類を根含有化合物(B) に選
んだ。粉状組成物 (I)は、表5に示す調製条件で実施例
1と同様に調製した。粉状組成物(I) の評価は実施例1
と同様に圧縮強度試験と耐凍害性試験に付して行ない、
結果を表5に併せ表示した。
【0115】
【0116】[実施例3]本実施例において、硫酸カル
シウム(A) と酸根含有化合物(B) を粉状担持体(C) に担
持させて調製した粉状組成物(I-C) について説明する。
副生2水塩硫酸カルシウム(A-2) を硫酸カルシウム(A)
に選び、参考例1で示した硫酸アルミニウム(B-1) 、硝
酸ナトリウム(B-5) 、硝酸カリウム (B-6)、硝酸カルシ
ウム(B-7) 、酢酸カルシウム(B-9) の酸根含有化合物
(B)5種類を選んだ。また、参考例2で示したモンモリ
ロナイト(C−1)、 タルク(C−2)とカオリン(C−3)ならび
に比較例として硅石粉末(CQ-1)の粉状担持体(C) 4種類
を選んだ。担持体(C) により処理された粉状組成物(I-
C) は、粉状担持体(C)100g に表6に示した硫酸カルシ
ウム(A)ト酸根含有化合物 (B)との所定量を加えて均質混
合し、所定温度の60分間加熱で担持させ、粉砕した後10
0 メッシュ篩による分級で調製した。粉状組成物(I-C)
の評価は実施例1と同様に圧縮強度試験と耐凍害性試験
に付して行ない、結果を表6に併せ表示した。
【0117】
【0118】[実施例4]本実施例において、粉状組成
物(I) に粉末填剤 (D)を併用して調製した粉状組成物(I
-D) について説明する。硫酸カルシウム(A) 、酸根含有
化合物(B) と粉状担持体(C) の二者もしくは三者で構成
される粉末組成物(I) には、前記実施例で調製した試料
番号N-16、N-20とN -23 の3種類の粉状組成物(I) を選
んだ。粉末填剤 (D)には参考例3で示した産業廃棄物類
(D-1〜D-4)ならびに水酸化カルシウム(D-5) を選んだ。
粉状組成物(I) と粉末填剤 (D)との複合処理は、表7に
表示する量割合で両者を均質混合・粉砕した後、100 メ
ッシュ篩により分級して調製した。調製した粉状組成物
(I-D) の評価は実施例1と同様に圧縮強度試験と耐凍害
性試験に付して行ない、その結果を表7に併せ表示し
た。
【0119】
【0120】[実施例5]本実施例において、粉状組成
物(I) にセメントクリンカー粉末 (E)が予め混合配合さ
れているセメント系固化材の粉状組成物(II)について説
明する。本実施例の基礎となる粉状組成物(I) には、前
記実施例において調製された3種類( 試料番号N-11、N-
23、N-29) の粉状組成物 (I)を選んだ。本実施例で配合
されるセメントクリンカー粉末(E) には市販セメント製
品から、ポルトランドセメント粉末(E-1) と高炉セメン
ト(E-2) [日本セメント社製」の2種類を選んだ。粉状
組成物(II)の調製はセメントクリンカー粉末 (E)100gに
対して表8に示す粉状組成物(I) の種類と量割合で両者
を常温で均質混合することにより調製した。調製した粉
状組成物(II)の評価は 、実施例1と同様に圧縮強度試験
と耐凍害性試験に付して行ない、その結果を表8に併せ
表示した。
【0121】
【0122】[実施例6]本実施例において、本発明の
粉状組成物(II)を用いて各種の細骨材 (F)を不焼成で固
化させた固化体製品について説明する。本発明の粉状組
成物(II)には、前記実施例においてセメント系固化材
[粉状組成物(II)]として調製された試料番号N-31を選
んだ。また、固化対象となる細骨材(F) からの一例とし
て、海砂(F-1) 、山砂 (F-2)、ガラス廃材を加工した中
空状の粒径φ4mm 粒体(F-3) 、石炭火力発電所から排出
されるフライアッシュ (F-4)の4種類を選び、その吸水
量(ml/g)を各測定し、表9に表示する。本実施例の細骨
材(F) の評価は、 実施例1と同様に試験体を作成し圧縮
強度試験に付して行ない、その結果を表9に併せ表示し
た。
【0123】
【0124】[実施例7]本実施例において、本発明の
粉状組成物(II)を用いて前処理が行われた各種の骨材
[加工骨材(H) 、改良骨材(K) 、処理骨材(M)]を用いて
不焼成で固化させた固化体製品について説明する。本発
明の粉状組成物(II)には、前記実施例においてセメント
にワンパック配合で調製された試料番号N-31を選んだ。
また、固化対象となる前処理された各骨材は、それぞれ
下記の方法で調製した。加工骨材(H) の調製は、表10に
示す吸水量(ml/g)を有する鹿児島桜島の火山灰(H-1) と
製紙業界より廃出されるペーパースラッジ(D-4=H-2)の
2種類を原料に選び、含浸させるケイ酸アルカリ溶液
(G) として市販試薬の液状3号ケイ酸ソーダーを用いて
調製した20重量%溶液を選び、各原料材料(H-1とH-2)の
吸水量に相当する量のケイ酸アルカリ溶液(G) を含浸さ
せ、室温に60分間放置して原料表面にケイ酸分をゲル化
沈着させる方法により行なった。
【0125】改良材料(K) の調製は、有機質成分含有の
骨材として水分38.5重量%と有機質成分18.0重量%を含
有する腐葉土壌(東京都世田谷区成城で採取)を選び、
アルカリ性改良剤(J) として高炉スラッグ(D-3=K-1)と
水酸化カルシウム(D-5=K-2)を選び、両者を表10に示す
量割合で予め均質混合する方法により行なった。処理骨
材(M) の調製は、油分含有骨材として油分を16.5重量%
含有する植物油精製に用いた後の廃白土(M-1) を選び、
油分吸着剤 (L)としてスメクタイト系粘土鉱物であるモ
ンモリロナイト粉末を選び、両者を表10に示す量割合で
常温で油分の吸着処理する方法により行なった。
【0126】本実施例の各骨材を用いた評価は、実施例
1と同様に試験体を作成し圧縮強度試験に付して行な
い、その結果を表10に併せ表示した。
【0127】[実施例8]本実施例において粉状組成物
(II)を用いて、水含有の流動性建設系産業廃棄物である
高含水比汚泥(P) を再利用可能な埋立用土にする方法に
ついて説明する。本発明の粉状組成物(II)としては、前
記実施例においてセメントにワンパック配合で調製され
た試料番号N-31を選んだ。高含水比汚泥(P) としては、
東京都東中野(P-1) と三重県四日市 (P-2)2種類を採取
し、四日市の高含水比汚泥は水分を60%に調製(P-3) し
た。また、東京都東中野の高含水比汚泥に関しては、 1
20℃における脱水後を基準に800 ℃に焼成した時の減量
より水量および有機質成分(重量%)を求め、その結果
ならびに各骨材の粒度構成 (%) を表11に示す。再利用
可能な埋立用土への調製方法は、各高含水比汚泥(P)100
0gに対して粉状組成物(II)110gを均質な分散状態で加
え、各経過時間毎の一軸圧縮強度を測定して評価し、そ
の結果を表11に併せ表示する。本実施例の各骨材を用い
た評価は、実施例1と同様に試験体を作成し圧縮強度試
験に付して行ない、その結果を表11に併せ表示した。
【0128】
【0129】以上の結果、本発明の粉状組成物(I) とセ
メントより構成される粉状組成物(II)を用いて、高含水
比汚泥を再利用可能な埋立用土に変化せしめる時、いず
れの場合も再利用可能な埋立用土に単時間に変換でき、
特に有機質成分を含有する土でも埋め立て用土に変換で
きることが良く理解できる。
【0130】[実施例9]本実施例において粉状組成物
(II)を用いて、一般土壌面に車の通過を可能にする路盤
を形成(造成)せしめる方法について説明する。本発明
の粉状組成物(II)としては、前記実施例においてセメン
トにワンパック配合で調製された試料番号N-31を選ん
だ。一般土壌面は、山形県鶴岡市の赤土土壌面を選ん
だ。この土壌の粒度構成は、水分22.0、有機質成分6.5
、砂52.0、シルト 6.5、粘土13.0(重量%)であっ
た。路盤造成の方法は、土壌面を約30cmの深さで掘り起
こし、掘り起こされた土1m3に5重量%に相当する粉状
組成物(II)を散布しながら深さ約30cmの範囲で均質に分
散させ、ついで水を散布・浸透させた後、粉状組成物(I
I)の散布処理された土壌面を上部より圧して整地を行な
った。この間の単位区分での作業は20〜30分以内で完了
するよう計画し、遂行した。造成された土壌面は、24時
間後に車の通過が可能な0.5N/mm2以上の圧縮強度を有
し、本発明の粉状組成物(II)を用いて路盤造成が可能で
あった。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水難溶性の硫酸カルシウム(A) と水可溶
    性の酸根含有化合物(B) とを主成分として構成される組
    成物において;無水物換算で100 重量部の該硫酸カルシ
    ウム(A) に対して無水物換算で10ないし400 重量部の該
    酸根含有化合物 (B)が300 ℃以下で複合処理されている
    組成物であり、該組成物が65メッシュ篩を少なくとも80
    %通過する粉末に調製されて水和促進機能を有している
    ことを特徴とする粉状組成物。
  2. 【請求項2】 前記の酸根含有化合物(B) が下記一般式
    (1) Xab ・・・・・・・・・・・・・・・ (1) (式中:Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
    ニウム金属または鉄金属の単独ないしは2種以上の組み
    合わせからなる元素であり、Yは硫酸、亜硫酸、硝酸、
    亜硝酸、またはカルボン酸の単独ないしは2種以上の組
    み合わせからなる酸根であり、aは酸根の価数に相当す
    る数であり、bは金属元素の価数に相当する数である)
    で表わされ、水可溶性で10重量%の水分散pHが6.5 以下
    を示す粉末塩類化合物である請求項1記載の粉状組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記請求項1ないし2のいずれか1項記
    載の粉状組成物の無水物換算で100 重量部が、無水物換
    算で40ないし1000重量部の含水フィロケイ酸塩を主成分
    とする粉状担持体(C) に 300℃以下で担持処理されて水
    和促進機能を有していることを特徴とする粉状組成物。
  4. 【請求項4】 前記請求項1ないし3のいずれか1項記
    載の粉状組成物の無水物換算で100 重量部が、無水物換
    算で1000重量部以下のケイ酸塩化合物またはアルミン酸
    塩化合物の単独もしくは組み合わせを主成分とする粉末
    填剤(D) が均質混合されて、水和促進機能に加えて分散
    機能を改善していることを特徴とする粉状組成物。
  5. 【請求項5】 前記請求項1ないし4のいずれか1項記
    載の粉状組成物の無水物換算で100 重量部に対して、ケ
    イ酸カルシウムを主成分とするセメントクリンカー粉末
    (E) が200 ないし10,000重量部の量範囲でワンパック配
    合されて水硬性固化機能を有していることを特徴とする
    粉状組成物。
  6. 【請求項6】 前記請求項5記載の水硬性固化機能を有
    する粉状組成物と骨材と水との三者構成で製造される固
    化体製品において;該粉状組成物の無水物換算で100 重
    量部に対して、該骨材における吸水量が 0.4ml/g未満で
    あり粒径φが5mm以下である細骨材(F) が乾燥物基準で
    300 ないし 1,000重量部の範囲で、また水が30ないし12
    0 重量部の範囲で三者が配合・混練・成型された後養生
    されて固化体を形成していることを特徴とする不焼成固
    化体製品。
  7. 【請求項7】 前記請求項6記載の骨材における吸水量
    が0.4ml/g 以上であって、該骨材に対して少なくとも吸
    水量に相当する量で2 ないし30重量%濃度のケイ酸アル
    カリ溶液(G) が含浸されてケイ酸分が沈着している加工
    骨材 (H)である請求項6記載の不焼成固化体製品。
  8. 【請求項8】 前記請求項6記載の骨材における有機質
    成分含有量が20重量%以下であって、該骨材に対して少
    なくとも20重量%のアルカリ改良剤(J) が添加配合され
    ている改良骨材(K) である請求項6記載の不焼成固化体
    製品。
  9. 【請求項9】 前記請求項6記載の骨材における油分含
    有量が20重量%以下であって、該骨材に対して少なくと
    も20重量%のスメクタイト系粘土鉱物からなる油分吸着
    剤(L)ヲ添加配合して油分を吸着処理せしめた処理骨材
    (M)である請求項6記載の不焼成固化体製品。
  10. 【請求項10】 前記請求項5記載の水硬性固化機能を有
    する粉状組成物の100 重量部を水含有の流動性建設系産
    業廃棄物(P) の250 ないし 2,000重量部の範囲に添加混
    合し、養生1時間後の圧縮強度が0.5 Kg/cm2以上である
    固形体に変化させることを特徴とする建設系産業廃棄物
    の再利用法。
  11. 【請求項11】 前記請求項5記載の水硬性固化機能を有
    する粉状組成物の10重量部を路盤造成予定土壌100 容積
    部中に均質散布せしめ、ついでそこに水を散布して土壌
    と共に混和・養生せしめて路盤を造成せしめることを特
    徴とする路盤造成法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014505006A (ja) * 2010-12-21 2014-02-27 マペイ ソシエタ ペル アチオニ セメント組成物から骨材を製造する方法

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