JPH11119270A - 有機非線形光学材料及びその製造方法 - Google Patents
有機非線形光学材料及びその製造方法Info
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- JPH11119270A JPH11119270A JP28533497A JP28533497A JPH11119270A JP H11119270 A JPH11119270 A JP H11119270A JP 28533497 A JP28533497 A JP 28533497A JP 28533497 A JP28533497 A JP 28533497A JP H11119270 A JPH11119270 A JP H11119270A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機色素分子が導入される母材としてDNA
を用いることにより、SHG発現のための電場配向処理
を要せず、しかも配向緩和が小さく、またTHG素子と
しても優れた安定性を示す有機非線形光学材料とその製
造方法を提供する。 【解決手段】 DNAの水溶液に脂質を添加して水に不
溶のDNA−脂質化合物を析出させ(S11)、濾過,水
洗,透析し(S12)、凍結乾燥させて(S13)、不純物
を除いたDNA−脂質化合物を得る。このDNA−脂質
化合物を有機溶剤に溶かし(S14)、キャストして透明
フィルムを形成する(S15)。得られた透明フィルム
を、非線形光学特性を有する有機色素分子の溶液に浸漬
して、透明フィルム内のDNA−脂質化合物に有機色素
分子を挿入し(S16)、更にそのフィルムを延伸して
(S17)、光学フィルムを得る。
を用いることにより、SHG発現のための電場配向処理
を要せず、しかも配向緩和が小さく、またTHG素子と
しても優れた安定性を示す有機非線形光学材料とその製
造方法を提供する。 【解決手段】 DNAの水溶液に脂質を添加して水に不
溶のDNA−脂質化合物を析出させ(S11)、濾過,水
洗,透析し(S12)、凍結乾燥させて(S13)、不純物
を除いたDNA−脂質化合物を得る。このDNA−脂質
化合物を有機溶剤に溶かし(S14)、キャストして透明
フィルムを形成する(S15)。得られた透明フィルム
を、非線形光学特性を有する有機色素分子の溶液に浸漬
して、透明フィルム内のDNA−脂質化合物に有機色素
分子を挿入し(S16)、更にそのフィルムを延伸して
(S17)、光学フィルムを得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二次あるいは三
次の非線形光学特性を示す有機非線形光学材料とその製
造方法に関する。
次の非線形光学特性を示す有機非線形光学材料とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光の波長変換や材料の光屈折率を変化さ
せる等の光学特性の変換を行う非線形光学材料には、有
機材料と無機材料がある。非線形光学特性のうち、二次
非線形光学特性は、各種電気光学効果素子や光の波長変
換素子、例えば二次高調波発生(Second Harmonic Gene
ration,略してSHG)素子等に利用される。SHG特
性は一般に、有機材料の方が無機材料より大きな変換効
率を有する。
せる等の光学特性の変換を行う非線形光学材料には、有
機材料と無機材料がある。非線形光学特性のうち、二次
非線形光学特性は、各種電気光学効果素子や光の波長変
換素子、例えば二次高調波発生(Second Harmonic Gene
ration,略してSHG)素子等に利用される。SHG特
性は一般に、有機材料の方が無機材料より大きな変換効
率を有する。
【0003】有機光学材料でSHG特性を発現させるた
めには、アミノ酸基等の電子供与性(ドナー性)基と、
ニトロ基等の電子吸引性(アクセプタ性)基とが、ベン
ゼン環等の共役系構造を介して配置されて中心対称構造
とならないこと、即ち非中心対称構造となることが基本
的に必要である。更に、効率の高いSHG特性を得るた
めには、分子分極率が大きいことが要求される。これら
の条件を満たす種々の有機色素が知られている。更に大
きなSHG発現のためには、光導波媒体中で有機色素分
子の分極方向が一方向に配向していることが要求され
る。一方、有機光学材料で三次非線形光学特性(Third
Harmonic Generation,略してTHG)を発現させるた
めには、一重結合と二重若しくは三重結合とが交互に並
んだ、いわゆる共役構造であって、その共役長が長く延
びた構造とすることが必要である。
めには、アミノ酸基等の電子供与性(ドナー性)基と、
ニトロ基等の電子吸引性(アクセプタ性)基とが、ベン
ゼン環等の共役系構造を介して配置されて中心対称構造
とならないこと、即ち非中心対称構造となることが基本
的に必要である。更に、効率の高いSHG特性を得るた
めには、分子分極率が大きいことが要求される。これら
の条件を満たす種々の有機色素が知られている。更に大
きなSHG発現のためには、光導波媒体中で有機色素分
子の分極方向が一方向に配向していることが要求され
る。一方、有機光学材料で三次非線形光学特性(Third
Harmonic Generation,略してTHG)を発現させるた
めには、一重結合と二重若しくは三重結合とが交互に並
んだ、いわゆる共役構造であって、その共役長が長く延
びた構造とすることが必要である。
【0004】一般にこれらの有機光学材料を光情報処理
の媒体として用いるには、導波路構造が必要であり、薄
膜化が容易であることが必要である。このため、非線形
光学特性を有する有機色素分子を高分子とブレンドして
薄膜化することが行われる。更に、得られた薄膜内で色
素分子を一定方向に配向させるために、電場を薄膜にか
けるいわゆる電場配向(ポーリング)処理が行われる。
しかし高分子材料は、本質的な特性として、液体に近
い、いわゆる粘弾性特性を有する。このため電場配向を
行っても、配向させた色素分子が時間と共に無秩序にな
るいわゆる配向緩和が生じ、SHG特性が低下するとい
う問題がある。
の媒体として用いるには、導波路構造が必要であり、薄
膜化が容易であることが必要である。このため、非線形
光学特性を有する有機色素分子を高分子とブレンドして
薄膜化することが行われる。更に、得られた薄膜内で色
素分子を一定方向に配向させるために、電場を薄膜にか
けるいわゆる電場配向(ポーリング)処理が行われる。
しかし高分子材料は、本質的な特性として、液体に近
い、いわゆる粘弾性特性を有する。このため電場配向を
行っても、配向させた色素分子が時間と共に無秩序にな
るいわゆる配向緩和が生じ、SHG特性が低下するとい
う問題がある。
【0005】THG素子としては、共役長の長い共役系
高分子がTHG活性が大きいことがよく知られていて、
例えばポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ
(チオフェン)等が知られている。しかしこれらの共役
系高分子は一般に溶剤に対する溶解性に乏しく、薄膜化
のためには置換基の導入などの化学的修飾が必要であ
る。また共役系高分子は、比較的酸化され易く、化学的
安定性に欠けるという問題がある。
高分子がTHG活性が大きいことがよく知られていて、
例えばポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ
(チオフェン)等が知られている。しかしこれらの共役
系高分子は一般に溶剤に対する溶解性に乏しく、薄膜化
のためには置換基の導入などの化学的修飾が必要であ
る。また共役系高分子は、比較的酸化され易く、化学的
安定性に欠けるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の有
機非線形光学材料は、SHG発現のためには電場配向が
必要であり、電場配向を行っても無機材料の場合に比べ
て配向緩和が大きく、またTHG素子は化学的安定性に
欠けるといった問題があった。この発明は、有機色素分
子が導入される母材としてデオキシリボ核酸(以下、D
NAという)を用いることにより、SHG発現のための
電場配向処理を要せず、しかも配向緩和が小さく、また
THG素子としても優れた安定性を示す有機非線形光学
材料とその製造方法を提供することを目的とする。
機非線形光学材料は、SHG発現のためには電場配向が
必要であり、電場配向を行っても無機材料の場合に比べ
て配向緩和が大きく、またTHG素子は化学的安定性に
欠けるといった問題があった。この発明は、有機色素分
子が導入される母材としてデオキシリボ核酸(以下、D
NAという)を用いることにより、SHG発現のための
電場配向処理を要せず、しかも配向緩和が小さく、また
THG素子としても優れた安定性を示す有機非線形光学
材料とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る有機非線
形光学材料は、DNAに非線形光学特性を有する有機色
素分子を挿入してなることを特徴とする。この発明にお
いて好ましくは、DNAは例えば長鎖アルキル基を有す
る脂質と反応させた水に不溶のDNA−脂質化合物とし
て、このDNA−脂質化合物に非線形光学特性を有する
有機色素分子が挿入され、且つフイルム化され、更に好
ましくは延伸されて、光学フィルムとされる。
形光学材料は、DNAに非線形光学特性を有する有機色
素分子を挿入してなることを特徴とする。この発明にお
いて好ましくは、DNAは例えば長鎖アルキル基を有す
る脂質と反応させた水に不溶のDNA−脂質化合物とし
て、このDNA−脂質化合物に非線形光学特性を有する
有機色素分子が挿入され、且つフイルム化され、更に好
ましくは延伸されて、光学フィルムとされる。
【0008】この発明に係る有機非線形光学材料の製造
方法は、DNAの水溶液に脂質を添加してDNA−脂質
化合物を析出させる工程と、この工程で析出された前記
DNA−脂質化合物を有機溶剤に溶かし、キャストして
透明フィルムを形成する工程と、この工程で得られた前
記透明フィルムを非線形光学特性を有する有機色素分子
の溶液に浸漬して前記透明フィルム内のDNA−脂質化
合物に前記有機色素分子を挿入する工程とを有すること
を特徴とする。この発明に係る有機非線形光学材料の製
造方法はまた、DNAの水溶液に脂質を添加してDNA
−脂質化合物を析出させる工程と、この工程で析出され
た前記DNA−脂質化合物を有機溶剤に溶かし、その溶
液に非線形光学特性を有する有機色素分子を溶かして前
記DNA−脂質化合物に有機色素分子を挿入する工程
と、この工程で有機色素分子が挿入されたDNA−脂質
化合物をキャストしてフィルムを形成する工程とを有す
ることを特徴とする。この発明において好ましくは、有
機色素分子が挿入されたDNA−脂質化合物からなるフ
ィルムを延伸して光学フイルムを得る。
方法は、DNAの水溶液に脂質を添加してDNA−脂質
化合物を析出させる工程と、この工程で析出された前記
DNA−脂質化合物を有機溶剤に溶かし、キャストして
透明フィルムを形成する工程と、この工程で得られた前
記透明フィルムを非線形光学特性を有する有機色素分子
の溶液に浸漬して前記透明フィルム内のDNA−脂質化
合物に前記有機色素分子を挿入する工程とを有すること
を特徴とする。この発明に係る有機非線形光学材料の製
造方法はまた、DNAの水溶液に脂質を添加してDNA
−脂質化合物を析出させる工程と、この工程で析出され
た前記DNA−脂質化合物を有機溶剤に溶かし、その溶
液に非線形光学特性を有する有機色素分子を溶かして前
記DNA−脂質化合物に有機色素分子を挿入する工程
と、この工程で有機色素分子が挿入されたDNA−脂質
化合物をキャストしてフィルムを形成する工程とを有す
ることを特徴とする。この発明において好ましくは、有
機色素分子が挿入されたDNA−脂質化合物からなるフ
ィルムを延伸して光学フイルムを得る。
【0009】DNAは、生物の遺伝情報を司る単位遺伝
子であり、図1に示すように、2本のポリヌクレオチド
鎖が一つの中心軸の回りに螺旋状に巻いた分子構造を有
する。それぞれのポリヌクレオチド鎖は共に右巻きで互
いに逆方向に走る。ヌクレオチド鎖の構成分子である核
酸塩基には、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの
4種がある。これらの核酸塩基は、中心軸に対して垂直
な平面内で互いに内側に突出した形で存在して、いわゆ
るワトソン−クリック型塩基対を形成する。即ち、アデ
ニンに対してはチミン、グアニンに対してはシトシンが
特異的に水素結合する。これにより、DNAを構成する
2本のヌクレオチド鎖は相補的に結合している。
子であり、図1に示すように、2本のポリヌクレオチド
鎖が一つの中心軸の回りに螺旋状に巻いた分子構造を有
する。それぞれのポリヌクレオチド鎖は共に右巻きで互
いに逆方向に走る。ヌクレオチド鎖の構成分子である核
酸塩基には、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの
4種がある。これらの核酸塩基は、中心軸に対して垂直
な平面内で互いに内側に突出した形で存在して、いわゆ
るワトソン−クリック型塩基対を形成する。即ち、アデ
ニンに対してはチミン、グアニンに対してはシトシンが
特異的に水素結合する。これにより、DNAを構成する
2本のヌクレオチド鎖は相補的に結合している。
【0010】DNAの2重螺旋の中の核酸塩基対に対し
ては、種々の縮合芳香多環化合物、例えばアントラセ
ン、アセナフテン等が挿入(インターカレーション)さ
れて層間化合物を形成することが知られている。DNA
は一般にはナトリウム塩の形であって水溶性であるため
に、これらの縮合多環化合物の挿入反応は起こりにく
い。しかし、DNAの水溶液に長鎖アルキル基を有する
アミン類等のいわゆる脂質を加えて、ナトリウムイオン
を脂質で交換すると、水に不溶のDNA−脂質化合物が
得られる。このDNA−脂質化合物は有機溶媒に可溶で
あり、例えばベンゼンやテトラヒドラフランに溶かして
キャストすることにより、透明なフィルムを得ることが
できる(例えば、JOURNAL of the AMERICAN CHEMICAL S
OCIETY, Vol.118, No.44, Nov. 6,1996参照)。
ては、種々の縮合芳香多環化合物、例えばアントラセ
ン、アセナフテン等が挿入(インターカレーション)さ
れて層間化合物を形成することが知られている。DNA
は一般にはナトリウム塩の形であって水溶性であるため
に、これらの縮合多環化合物の挿入反応は起こりにく
い。しかし、DNAの水溶液に長鎖アルキル基を有する
アミン類等のいわゆる脂質を加えて、ナトリウムイオン
を脂質で交換すると、水に不溶のDNA−脂質化合物が
得られる。このDNA−脂質化合物は有機溶媒に可溶で
あり、例えばベンゼンやテトラヒドラフランに溶かして
キャストすることにより、透明なフィルムを得ることが
できる(例えば、JOURNAL of the AMERICAN CHEMICAL S
OCIETY, Vol.118, No.44, Nov. 6,1996参照)。
【0011】本発明者等は、DNA薄膜化技術を利用
し、DNAに非線形光学特性を有する有機色素分子を挿
入した薄膜を延伸することにより、格別の電場配向処理
を要せずにSHGを発現させる得ることを実験的に確認
した。また、SHG素子の配向緩和は従来の有機非線形
光学材料に比べて小さいこと、更にTHGについても、
従来の有機非線形光学材料に比べて優れた安定性を示す
ことが確認された。
し、DNAに非線形光学特性を有する有機色素分子を挿
入した薄膜を延伸することにより、格別の電場配向処理
を要せずにSHGを発現させる得ることを実験的に確認
した。また、SHG素子の配向緩和は従来の有機非線形
光学材料に比べて小さいこと、更にTHGについても、
従来の有機非線形光学材料に比べて優れた安定性を示す
ことが確認された。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図2は、この発明の一実施例によ
る有機非線形光学フィルムの製造工程を示す。 まず、
水溶性のDNAに対して、縮合芳香多環化合物のインタ
ーカレーション反応を容易にするための前処理を行う。
即ち、DNAを水に溶かした水溶液に、長鎖アルキル基
を有する脂質を溶かす(S11)。これにより、水に不溶
のDNA−脂質化合物(錯体)が析出沈殿する。そこで
沈殿したDNA−脂質化合物を濾過し、水洗した後、透
析して不純物を除く(S12)。得られたDNA−脂質化
合物は凍結乾燥する(S13)。
の実施例を説明する。図2は、この発明の一実施例によ
る有機非線形光学フィルムの製造工程を示す。 まず、
水溶性のDNAに対して、縮合芳香多環化合物のインタ
ーカレーション反応を容易にするための前処理を行う。
即ち、DNAを水に溶かした水溶液に、長鎖アルキル基
を有する脂質を溶かす(S11)。これにより、水に不溶
のDNA−脂質化合物(錯体)が析出沈殿する。そこで
沈殿したDNA−脂質化合物を濾過し、水洗した後、透
析して不純物を除く(S12)。得られたDNA−脂質化
合物は凍結乾燥する(S13)。
【0013】次に、得られたDNA−脂質化合物をベン
ゼン、クロロホルム等の有機溶剤に溶かし、この溶液に
非線形光学特性を示す有機色素分子である縮合芳香多環
化合物を溶かし(S14)、ガラス基板等の上でキャスト
した後、有機溶剤を蒸発させる(S15)。これにより、
DNA−脂質化合物からなる透明フィルムが得られる。
次に、得られた透明フィルムを、非線形光学特性を有す
る縮合芳香多環化合物からなる有機色素分子を溶かした
溶液に約24時間浸漬する(S16)。これにより、有機
色素分子は、DNAの核酸塩基対の間に挿入されて、層
間化合物を形成する。
ゼン、クロロホルム等の有機溶剤に溶かし、この溶液に
非線形光学特性を示す有機色素分子である縮合芳香多環
化合物を溶かし(S14)、ガラス基板等の上でキャスト
した後、有機溶剤を蒸発させる(S15)。これにより、
DNA−脂質化合物からなる透明フィルムが得られる。
次に、得られた透明フィルムを、非線形光学特性を有す
る縮合芳香多環化合物からなる有機色素分子を溶かした
溶液に約24時間浸漬する(S16)。これにより、有機
色素分子は、DNAの核酸塩基対の間に挿入されて、層
間化合物を形成する。
【0014】用いる有機色素化合物としては、二次非線
形光学特性(SHG)を発現させる場合には、例えば、
1−アミノ−3−ニトロ−アントラセン(ANA)の
他、図3に例示するようなものが用いられる。また、三
次非線形光学特性(THG)を発現させる有機色素化合
物としては、代表的には、図4に示すようなものが用い
られる。
形光学特性(SHG)を発現させる場合には、例えば、
1−アミノ−3−ニトロ−アントラセン(ANA)の
他、図3に例示するようなものが用いられる。また、三
次非線形光学特性(THG)を発現させる有機色素化合
物としては、代表的には、図4に示すようなものが用い
られる。
【0015】最後に、有機色素分子が挿入積層されたD
NA−脂質化合物フィルムを延伸する(S17)。この延
伸処理により、DNA分子は延伸方向に配向され、DN
A分子の塩基対の間に挿入積層された有機色素分子は延
伸方向と直交する方向に配向されて、非線形光学フィル
ムが得られる。得られた光学フィルムは例えば適当な基
板に貼り合わせて導波路構造として、SHG波長変換素
子等として用いられる。あるいは同様の導波路構造の両
面に電極を形成して、電気光学スイッチ等の変調素子と
して用いられる。
NA−脂質化合物フィルムを延伸する(S17)。この延
伸処理により、DNA分子は延伸方向に配向され、DN
A分子の塩基対の間に挿入積層された有機色素分子は延
伸方向と直交する方向に配向されて、非線形光学フィル
ムが得られる。得られた光学フィルムは例えば適当な基
板に貼り合わせて導波路構造として、SHG波長変換素
子等として用いられる。あるいは同様の導波路構造の両
面に電極を形成して、電気光学スイッチ等の変調素子と
して用いられる。
【0016】図5は、この発明の別の実施例の製造工程
を、図2に対応させて示している。図2の製造法では、
有機色素分子の挿入処理をDNA−脂質化合物フィルム
形成後に行ったのに対して、この実施例では、DNA−
脂質化合物を有機溶剤に溶かす工程(S14)において同
時に、非線形光学特性を有する有機色素分子を溶かし込
んで、挿入反応を起こさせる。その後、キャストして溶
剤を蒸発させ(S15)、得られたフィルムを延伸処理す
る(S17)ことは、先の実施例と同様である。
を、図2に対応させて示している。図2の製造法では、
有機色素分子の挿入処理をDNA−脂質化合物フィルム
形成後に行ったのに対して、この実施例では、DNA−
脂質化合物を有機溶剤に溶かす工程(S14)において同
時に、非線形光学特性を有する有機色素分子を溶かし込
んで、挿入反応を起こさせる。その後、キャストして溶
剤を蒸発させ(S15)、得られたフィルムを延伸処理す
る(S17)ことは、先の実施例と同様である。
【0017】以下に、具体的な実施例を説明する。原料
DNAには、鮭の精子から抽出したものを用いた。DN
Aを1%濃度で水に溶かして、この水溶液100ml
に、カチオン脂質であるN、N、N−トリメチル−N−
(3、6、9、12−テトラオキサドコシル)アンモニ
ウムブロミド(TTA)を5g加えてかき混ぜる。これ
により白色の沈殿が生じる。この沈殿物を濾過し、更に
水でよく洗い、透析膜を用いて透析して不純物を除いた
のち、凍結乾燥させた。得られた乾燥物の構造を調べた
結果、図6に示すような、DNAと脂質であるTTAと
の1対1のイオン性錯体であることが確認された。この
DNA−脂質錯体は、水に不溶であるが、ベンゼン、ク
ロロフォルム等の有機溶剤に可溶であった。
DNAには、鮭の精子から抽出したものを用いた。DN
Aを1%濃度で水に溶かして、この水溶液100ml
に、カチオン脂質であるN、N、N−トリメチル−N−
(3、6、9、12−テトラオキサドコシル)アンモニ
ウムブロミド(TTA)を5g加えてかき混ぜる。これ
により白色の沈殿が生じる。この沈殿物を濾過し、更に
水でよく洗い、透析膜を用いて透析して不純物を除いた
のち、凍結乾燥させた。得られた乾燥物の構造を調べた
結果、図6に示すような、DNAと脂質であるTTAと
の1対1のイオン性錯体であることが確認された。この
DNA−脂質錯体は、水に不溶であるが、ベンゼン、ク
ロロフォルム等の有機溶剤に可溶であった。
【0018】DNA−TTA錯体を1%濃度でクロロフ
ォルムに溶かした溶液を、ガラス基板上でキャストし、
クロロフォルムを蒸発させると、無色透明のフィルムが
得られた。次に、二次非線形光学特性を有するANAを
1%濃度でメタノール中に溶かした溶液中に、DNA−
TTA脂質錯体フィルムを24時間浸漬して乾燥させ
た。得られたフィルムには、ANAが挿入されたことが
紫外線スペクトルから確認された。
ォルムに溶かした溶液を、ガラス基板上でキャストし、
クロロフォルムを蒸発させると、無色透明のフィルムが
得られた。次に、二次非線形光学特性を有するANAを
1%濃度でメタノール中に溶かした溶液中に、DNA−
TTA脂質錯体フィルムを24時間浸漬して乾燥させ
た。得られたフィルムには、ANAが挿入されたことが
紫外線スペクトルから確認された。
【0019】更に、ANA挿入フィルムを約3倍に延伸
した。X線観察の結果、得られたフィルム内でDNA分
子の主鎖が延伸方向に平行に配向されていること、従っ
て挿入されたANAは延伸方向(膜面方向)とは直交す
る方向に積層され配向されていることが明らかになっ
た。図7(a)(b)は、延伸後のDNA−TTA脂質
錯体フィルム71におけるDNA分子72の配向状態
と、DNA分子71の主鎖71a,71bの間に塩基対
に結合する形で挿入積層されたANA積層体73の様子
を示している。
した。X線観察の結果、得られたフィルム内でDNA分
子の主鎖が延伸方向に平行に配向されていること、従っ
て挿入されたANAは延伸方向(膜面方向)とは直交す
る方向に積層され配向されていることが明らかになっ
た。図7(a)(b)は、延伸後のDNA−TTA脂質
錯体フィルム71におけるDNA分子72の配向状態
と、DNA分子71の主鎖71a,71bの間に塩基対
に結合する形で挿入積層されたANA積層体73の様子
を示している。
【0020】こうして得られたANA挿入DNA−TT
A脂質錯体フィルムについて、YAGレーザを用いてマ
ーカーフリンジ法により二次非線形光学定数を測定した
ところ、30pm/V以上であり、電場配向を行わずに
良好なSHG特性が発現することが確認された。更に、
このフィルムを6ヶ月室温に放置した後、再び二次非線
形光学定数を測定したところ、30pm/V以上であ
り、殆ど配向緩和が起こっていないことが確認された。
従来の高分子を用いた非線形光学材料では、有機色素分
子が比較的自由な分子運動ができる状態で側鎖に結合さ
れるために配向緩和が大きい。そして、配向緩和を抑え
るためには例えば、電場配向した分子を化学的に架橋さ
せるといった工夫が行われる。これに対してDNAを用
いるこの実施例の場合、挿入されたANAは、DNAの
塩基対の間にベンゼン環同士の強い結合で安定に保持さ
れるため、配向緩和が小さいという優れた性能を示すの
である。
A脂質錯体フィルムについて、YAGレーザを用いてマ
ーカーフリンジ法により二次非線形光学定数を測定した
ところ、30pm/V以上であり、電場配向を行わずに
良好なSHG特性が発現することが確認された。更に、
このフィルムを6ヶ月室温に放置した後、再び二次非線
形光学定数を測定したところ、30pm/V以上であ
り、殆ど配向緩和が起こっていないことが確認された。
従来の高分子を用いた非線形光学材料では、有機色素分
子が比較的自由な分子運動ができる状態で側鎖に結合さ
れるために配向緩和が大きい。そして、配向緩和を抑え
るためには例えば、電場配向した分子を化学的に架橋さ
せるといった工夫が行われる。これに対してDNAを用
いるこの実施例の場合、挿入されたANAは、DNAの
塩基対の間にベンゼン環同士の強い結合で安定に保持さ
れるため、配向緩和が小さいという優れた性能を示すの
である。
【0021】次に、上記実施例で得られたDNA−TT
A脂質錯体フィルムを、ANA溶液に代わって、三次非
線形光学特性を有するアントラセンの5%メタノール溶
液に24時間浸漬して、アントラセンをこの錯体フィル
ム中に挿入した。挿入量は錯体フィルムに対して重量比
で10%であった。このアントラセン挿入錯体フィルム
について、YAGレーザを用いて三次非線形光学定数を
測定したところ、10-10esu以上であることが確認
された。このフィルムを6ヶ月室温に放置した後、再び
三次非線形光学定数を測定したところ、殆ど変化がな
く、安定であることが確認された。
A脂質錯体フィルムを、ANA溶液に代わって、三次非
線形光学特性を有するアントラセンの5%メタノール溶
液に24時間浸漬して、アントラセンをこの錯体フィル
ム中に挿入した。挿入量は錯体フィルムに対して重量比
で10%であった。このアントラセン挿入錯体フィルム
について、YAGレーザを用いて三次非線形光学定数を
測定したところ、10-10esu以上であることが確認
された。このフィルムを6ヶ月室温に放置した後、再び
三次非線形光学定数を測定したところ、殆ど変化がな
く、安定であることが確認された。
【0022】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、有
機色素分子が導入される母材としてDNAを用いること
により、SHG発現のための電場配向処理を要せず、し
かも配向緩和が小さく、またTHG素子としても優れた
安定性を示す有機非線形光学材料を得ることができる。
機色素分子が導入される母材としてDNAを用いること
により、SHG発現のための電場配向処理を要せず、し
かも配向緩和が小さく、またTHG素子としても優れた
安定性を示す有機非線形光学材料を得ることができる。
【図1】 DNAの分子構造を示す。
【図2】 この発明の一実施例による光学フイルム製造
工程を示す。
工程を示す。
【図3】 二次非線形光学特性を示す有機色素分子の例
を示す。
を示す。
【図4】 三次非線形光学特性を示す有機色素分子の例
を示す。
を示す。
【図5】 この発明の他の実施例による光学フィルム製
造工程を示す。
造工程を示す。
【図6】 実施例により得られるDNA−TTA脂質錯
体の分子構造を示す。
体の分子構造を示す。
【図7】 実施例により得られる延伸フィルムのDNA
分子配向とANA挿入積層構造を示す。
分子配向とANA挿入積層構造を示す。
71…延伸フィルム、72…DNA分子、73…ANA
積層体。
積層体。
Claims (6)
- 【請求項1】 デオキシリボ核酸に非線形光学特性を有
する有機色素分子を挿入してなることを特徴とする有機
非線形光学材料。 - 【請求項2】 デオキシリボ核酸と脂質とからなるデオ
キシリボ核酸−脂質化合物に非線形光学特性を有する有
機色素分子が挿入され、且つ前記有機色素分子が挿入さ
れたデオキシリボ核酸−脂質化合物がフイルム化されて
いることを特徴とする有機非線形光学材料。 - 【請求項3】 前記脂質が長鎖アルキル基を有する脂質
であり、前記有機色素分子が縮合芳香多環化合物であ
り、且つ前記有機色素分子が挿入されたデオキシリボ核
酸−脂質化合物フィルムは延伸されていることを特徴と
する請求項2記載の有機非線形光学材料。 - 【請求項4】 デオキシリボ核酸の水溶液に脂質を添加
して水に不溶のデオキシリボ核酸−脂質化合物を析出さ
せる工程と、 この工程で析出された前記デオキシリボ核酸−脂質化合
物を有機溶剤に溶かし、キャストして透明フィルムを形
成する工程と、 この工程で得られた前記透明フィルムを非線形光学特性
を有する有機色素分子の溶液に浸漬して前記透明フィル
ム内のデオキシリボ核酸−脂質化合物に前記有機色素分
子を挿入する工程とを有することを特徴とする有機非線
形光学材料の製造方法。 - 【請求項5】 デオキシリボ核酸の水溶液に脂質を添加
して水に不溶のデオキシリボ核酸−脂質化合物を析出さ
せる工程と、 この工程で析出された前記デオキシリボ核酸−脂質化合
物を有機溶剤に溶かし、その溶液に非線形光学特性を有
する有機色素分子を溶かして前記デオキシリボ核酸−脂
質化合物に前記有機色素分子を挿入する工程と、 この工程で有機色素分子が挿入されたデオキシリボ核酸
−脂質化合物をキャストしてフィルムを形成する工程と
を有することを特徴とする有機非線形光学材料の製造方
法。 - 【請求項6】 前記脂質が長鎖アルキル基を有する脂質
であり、前記有機色素分子が縮合芳香多環化合物であ
り、且つ前記有機色素分子が挿入されたデオキシリボ核
酸−脂質化合物からなるフィルムを延伸して光学フィル
ムを得る工程を有することを特徴とする請求項4又は5
に記載の有機非線形光学材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28533497A JPH11119270A (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 有機非線形光学材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28533497A JPH11119270A (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 有機非線形光学材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11119270A true JPH11119270A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17690214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28533497A Pending JPH11119270A (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 有機非線形光学材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11119270A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9182406B2 (en) | 2008-08-04 | 2015-11-10 | Biodesy, Inc. | Nonlinear optical detection of molecules comprising an unnatural amino acid possessing a hyperpolarizability |
US9428789B2 (en) | 2011-03-21 | 2016-08-30 | Biodesy, Inc. | Classification of kinase inhibitors using nonlinear optical techniques |
US10768174B2 (en) | 2014-12-23 | 2020-09-08 | Bluelight Therapeutics, Inc. | Attachment of proteins to interfaces for use in nonlinear optical detection |
US11486881B2 (en) | 2016-05-09 | 2022-11-01 | Quanta Therapeutics, Inc. | Methods and devices for detection of peripheral membrane protein interactions using nonlinear optical techniques |
-
1997
- 1997-10-17 JP JP28533497A patent/JPH11119270A/ja active Pending
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