JPH11119218A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

Info

Publication number
JPH11119218A
JPH11119218A JP9287455A JP28745597A JPH11119218A JP H11119218 A JPH11119218 A JP H11119218A JP 9287455 A JP9287455 A JP 9287455A JP 28745597 A JP28745597 A JP 28745597A JP H11119218 A JPH11119218 A JP H11119218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
liquid crystal
modulation element
refractive index
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9287455A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Ito
信行 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP9287455A priority Critical patent/JPH11119218A/ja
Publication of JPH11119218A publication Critical patent/JPH11119218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 これまで光利用効率を大きく低下させる原因
となっていた偏光板を用いることなく、光の干渉条件を
制御することにより高輝度,高コントラストな表示を実
現する表示装置を提供する。 【解決手段】 光源1から出射する光束は、コンデンサ
レンズ2を経てハーフミラー3によって分離される。こ
のうち第1の全反射ミラー5に向かう光束の光路上に
は、液晶光変調素子4が設置される。液晶光変調素子4
の実効屈折率をn,厚さをdとするとき、第1の全反射
ミラー5で反射して再び液晶光変調素子4を通過した光
束は、2ndだけ位相が進む。ハーフミラー3では、分
離された2本の光束が再び合成され、スクリーン8に投
影される。このときに位相進み2ndと光波長との関係
で決定される干渉条件により、得られる光強度が変化す
る。従って液晶光変調素子の実効屈折率を制御すること
により、合成光の強度を任意に設定でき、この合成光に
より表示を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置に関し、
さらには、偏光板が不要で光の利用効率が高く高輝度の
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)をライトバルブ
として用いた投影型表示装置は、高精細な大画面表示を
実現する手段として知られている。以下に、図7及び図
8を参照して、よく知られている2種の投影方式の投影
型表示装置を説明する。図7は、従来の表示装置の一例
として、単純投影方式による投影型表示装置の例を示す
概略構成図で、図中、21はハロゲンランプ、22は反
射板、23はコンデンサレンズ、24は液晶表示素子、
25はプロジェクション、26はスクリーンである。図
8は、従来の表示装置の他の例として、マルチパネル合
成方式による投影型表示装置の例を示す概略構成図で、
図中、27はダイクロイックミラー、28は全反射ミラ
ー、29は液晶表示素子、30はダイクロイックプリズ
ムで、その他、図7と同様の機能を有する部分には図7
と同じ符号が付してある。
【0003】図7に示す単純投影方式は液晶表示素子2
4により得られる画像を単純に拡大投影する方式で、カ
ラー表示を行う場合には液晶表示素子24として、カラ
ーフィルター等を備えた多色表示が可能なものを用い
る。
【0004】一方、図8に示すマルチパネル合成方式
は、液晶表示素子29を光シャッターとしてのみ機能さ
せ、着色用に別の光学系を設ける方式である。図8に示
すマルチパネル合成方式の投影型表示装置についてより
詳しく説明する。ハロゲンランプ21から出射した光線
は、反射板22にて反射されてコンデンサレンズ23に
入射する。コンデンサレンズ23を通過した光線はダイ
クロイックミラー27によって、矢印R,B,Gで示す
3方向の光線に分光される。分光された3光線は全反射
ミラー28にて反射されて、ダイクロイックプリズム3
0の3つの面上に設けられた3枚の液晶表示素子29に
それぞれ入射する。これら3つの液晶表示素子29が
R,G,Bの3原色にそれぞれ対応し、液晶表示素子2
9で得られた3つの画像はダイクロイックプリズム30
で合成される。合成された画像はプロジェクション25
等を通過してスクリーン26に投影される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、これらの投
影型表示装置には、一般的によく知られる単純マトリク
ス方式のSTN液晶表示素子や、アクティブマトリクス
方式のTFT液晶表示素子が用いられていた。これらの
液晶表示素子が有する液晶は、ネマティック液晶をツイ
ストしたねじれネマティック液晶(TN)である。この
ような液晶表示素子では、液晶層を挟んだ2枚の偏光板
を用いることにより、液晶における偏光状態の切り替わ
りを可視化する必要があり、このため画像の輝度が割限
され、明るい環境の下では画像が不鮮明になるという問
題がある。
【0006】このような問題を解決するために、液晶の
配向を切り替えて入射光を分散または通過させることに
より表示を行う高分子分散型の液晶を用いる方式がよく
知られている。この場合には、偏光板を用いる必要がな
いため輝度は高くなり明るい画像が得られるが、その反
面、暗状態を液晶における光の分散により得ているため
完全な遮光状態とはならず、コントラストが低下して画
像が不鮮明になる。
【0007】また、最近になって非常に短い繰り返しピ
ッチで電極を形成し、これを作動させて液晶によるグレ
ーティング状態を作り出し、得られる光の回折効果を利
用して、目的の方向に光線を出射させる状態と方向を変
化させた状態とを切り替えて表示を行う方式も報告され
ている。この場合には、非常に微細な回折格子を作製す
る必要があり、また回折格子そのものに起因して生じる
不要な干渉による着色や色にじみといった問題が避けら
れない。
【0008】本発明では、液晶光変調素子を用いた干渉
効果により上記問題を解決する手段を考える。液晶を用
いた干渉光学系はいくつか知られており、例えば特開昭
58−35424号公報には、液晶ファブリ−ペロー干
渉装置が記されているが、これは、被検光の分光分布を
測定するための光学装置であり、表示装置ではない。ま
た特開平3−75731号公報には、光屈折性材料とし
て液晶を用いたマッハツェンダー型干渉光学系が記され
ている。しかしながら、これは干渉によって形成された
画像情報を参照光によって読み出すいわゆるホログラム
であり、本願で問題としているリアルタイムの表示装置
ではない。
【0009】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、これまで光利用効率を大きく低下させる原
因となっていた偏光板を用いることなく、光の干渉条件
を制御することにより高輝度,高コントラストな表示を
実現する表示装置を提供することをその解決すべき課題
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、可干
渉な一対の光束を互いに干渉させる干渉手段と、前記一
対の光束のうち少なくとも一方の光束の光路中に配さ
れ、電気信号によリ入射光に対する実効屈折率を制御す
ることのできる光変調素子とを有し、前記干渉手段で得
られる干渉光により表示を行うことを特徴とし、任意の
強度をもつ干渉光を得ることができ、階調表示も容易
で、高輝度,高コントラストの表示装置が得られるよう
にしたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記光変調素子は、電極膜を配した一対の基板と、
該基板間に介在させた液晶と、前記電極膜に電気信号を
印加することにより前記液晶を駆動する駆動手段とを有
し、該駆動手段を作動させることにより、該光変調素子
の前記実効屈折率を制御することを特徴とし、光変調素
子として、一般的な構成の液晶表示素子を用いることが
でき、かつ、このときに偏光板を用いる必要がないため
に高い光利用効率で、安定した実効屈折率の制御動作を
行うことができるようにしたものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記光変調素子に入射する光束の光路中
に、直線偏光への変換機能を有する光リサイクル偏光光
学系を配することを特徴とし、入射光に対する屈折率異
方性を有する光変調素子を用いた場合にも、高い精度で
干渉条件を設定することができるようにしたものであ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項1または2の発
明において、少なくとも一状態における前記光変調素子
が、入射光に対する等方性の前記実効屈折率を有し、か
つ該実効屈折率を変化させるべく制御する際に、前記入
射光のすべての方向の直線偏光成分に対する前記実効屈
折率が等しく変化するように前記光変調素子を構成する
ことを特徴とし、ランダム偏光の入射光を光変調素子に
入射させることができ、簡易な構成で、高い精度で干渉
条件を設定することができるようにしたものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項1ないし4いず
れか1の発明において、一対の光束を得るために入射光
を分離する分離手段を有し、該分離手段で得た前記一対
の光束を前記可干渉な一対の光束とし、可干渉な前記一
方の光束のみを前記光変調素子に入射させることを特徴
とし、効率的な光学系を構成するための具体的な手段が
与えられるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明によれば、可干渉な一対の
光線を干渉させる干渉光学系において一方の光束の光路
中に液晶表示素子が配置され、光束の進行方向に対する
実効屈折率を変化させる。このような構成で、一対の光
束の光学距離の差を制御して光強度がゼロとなる干渉条
件を与えることにより、偏光板を用いなくても暗状態を
達成することができる。また、干渉条件を制御すること
により、任意強度の明状態(階調表示)が容易に得られ
る。
【0016】本発明の表示装置に適用される光学系につ
いて、添付された図面を参照して具体的に説明する。図
1は、本発明による表示装置の実施の形態を説明するた
めの概略構成図で、図中、1は光源、2はコンデンサレ
ンズ、3はハーフミラー、4は液晶光変調素子、5は第
1の全反射ミラー、6は第2の全反射ミラー、7はダミ
ーガラス、8はスクリーンである。
【0017】図1に示す光学系は、基本的にはよく知ら
れたマイケルソン干渉計の一種である。光源1から出射
する偏光されない光束は、コンデンサレンズ2により平
行光束とされ、ハーフミラー3によって矢印で示す2つ
の方向に分離されて第1の全反射ミラー5と第2の全反
射ミラー6に向かう。このときに分離された2本の光束
における幾何学的な光路長さが等しくなるように設定さ
れている。第2の全反射ミラー6に向かう光束の光路上
には、ハーフミラー3で生じる屈折を補正するダミーガ
ラス7が設置される。一方、第1の全反射ミラー5に向
かう光束の光路上には、液晶光変調素子4が設置され、
その光束に対する液晶層の実効屈折率nと液晶層の厚み
dとにより規定される位相進みが生じる。液晶光変調素
子4を通過した光束は、第1の全反射ミラー5で反射さ
れて再び液晶光変調素子4を通過し、この結果、2nd
分だけ位相が進み、従って分離された2本の光束におけ
る光学距離の差2ndが生じる。ハーフミラー3では、
分離された2本の光束が再び合成され、合成光がスクリ
ーン8に投影される。このときに光学距離の差2ndと
光波長との関係で決定される干渉条件により、合成して
得られる光強度が変化する。
【0018】よく知られるように、光学距離の差2nd
が波長の整数倍に等しいとき光強度は最大となり、2n
dが波長の整数倍から半波長分ずれたとき光強度はゼロ
となって暗状態を得ることができる。本発明の表示素子
は、偏光板を用いない構成という点では前述の高分子分
散型や液晶グレーティングと同様であるが、光散乱によ
り暗状態を得るものではなく、干渉により光強度が完全
に打ち消されることにより暗状態を得るようにしている
ため、これらの従来タイプの表示装置よりも優れたコン
トラストを得ることができる。
【0019】図2は、本発明による表示装置に適用可能
な液晶光変調素子の例を示す図で、単純マトリクス方式
のSTN液晶素子の例を図2(A)に、アクティブマト
リクス方式のTFT液晶素子の例を図2(B)に示すも
のである。図中、11は透明基板、12は偏光板、13
は透明電極、14は信号電極、15はスイッチング素子
である。図3は、図2に示すSTN液晶素子の構成を説
明するための断面図で、図中、16は絶縁膜、17は配
向膜、18は接着剤、19はスペーサ、20は液晶で、
その他、図2と同一の要素には図2と同じ符号が付して
ある。図1の構成に用いる液晶光変調素子4は、液晶グ
レーティングのような微細な電極構造を必要とせず、図
2(A)に示すように簡単な単純マトリクス方式のST
N液晶素子でよく、また必要に応じて図2(B)に示す
ようなアクティブマトリクス方式のTFT液晶素子を用
いても良い。
【0020】単純マトリクス方式のSTN液晶素子につ
いて図3を参照して説明する。ガラス等の透明基板11
の上にITO等の透明電極13をストライプ状に形成
し、さらにその上に絶縁膜16、配向膜17を順次形成
する。これらの多層膜を形成した2枚の基板11を数μ
m径のスペーサ19を介して対向させ、接着剤18を用
いて貼り合わせる。ここで用いられるスペーサ19は所
定セルギャップを保持する機能を有する。そして、両基
板11の間に形成される間隙に液晶20を注入する。本
発明に用いる液晶光変調素子は、図3に示すごとく、偏
光板を積層する必要はない。
【0021】図4は、ネマティック液晶を用いた液晶光
変調素子の屈折率異方性を説明するために、液晶光変調
素子の屈折率をモデル的に表現した図で、電界印加時の
状態を図4(A)に、電界無印加時の状態を図4(B)
に示すものである。図4に示す液晶光変調素子は、透明
電極、配向膜等を図示しないが、図3に示す液晶光変調
素子と同様の構成をもつものとする。図5は、ネマティ
ック液晶分子の屈折率異方性をモデル的に表現した図
で、分子長軸方向の屈折率をne、分子短軸方向の屈折
率をnoとして示したものである。通常、液晶光変調素
子はラビングなどの配向処理を施して、液晶分子を一軸
配向させる。図4(B)に示すRubで示される矢印は
基板のラビング方向である。電界無印加状態では液晶分
子は図4(B)のように一軸配向する。一方、電界を十
分印加した状態では液晶分子が有する誘電異方性により
液晶分子は電界に水平方向に配向し、図4(A)に示す
ような状態になる。この状態では、偏光されない光線に
おける全ての方向の直線偏光成分に対し、等しい実効屈
折率neff=noが得られる。この場合には液晶材料の屈
折率と液晶光変調素子のセル厚を最適値に設定すること
により、前述したごとくの明ないし暗となる干渉条件を
得ることができる。
【0022】しかしながら、図4(B)に示す電界無印
加の状態では、入射光の偏光方向により実効屈折率n
effが異なるため、明ないし暗となる干渉条件を完全に
満たすことができない。このような場合には、表示装置
として重要な暗状態を図4(A)の配向状態で得るよう
にし、また、明状態を図4(B)の配向状態により得る
ようにすることで、表示を行うことができる。もちろん
図4(A)から図4(B)へ変化する途中の配向状態を
選択することにより、任意の中間調表示(階調表示)が
可能である。ただし、前述のように入射光の偏光方向に
より明状態の干渉条件が異なるため、光の利用効率は十
分ではなく、階調制御も容易ではない。
【0023】このような問題を解決するためには、良く
知られた光リサイクル偏光光学系により入射光の大部分
を直線偏光に変換する方法が考えられる。光リサイクル
偏光光学系は、例えば、コレステリック液晶のような選
択反射特性を持った物質と1/4波長板とにより、通常
の偏光板のように強度を大幅に減少させることなく、大
部分の強度を保ったまま偏光されない光(ランダム偏光
光)を直線偏光に変換できるものである(S.V. Belayev
et al:J.J.A.P. 29(1990)L634, D.Coates etal:SID 9
6 APPLICATIONS DIGEST p67 に関連する技術が開示され
ている)。入射光の大部分が図4(B)におけるpで示
される方向の直線偏光に変換されるように光リサイクル
偏光光学系を配することにより、入射光に対する液晶の
実効屈折率は印加電界の大きさに応じて常に特定の値を
とり、図4(A)に示す配向状態であっても、図4
(B)に示す配向状態であっても干渉条件を完全に満た
すことができるようになる。このような構成で、液晶の
屈折率ne,noとセル厚とを入射光の波長に対して最適
値となるように設定することにより、高輝度,高コント
ラストの表示を行うことが可能となる。このときにカラ
ー表示を行う場合には、R,G,Bの3原色の波長に対
応した干渉条件を充たす液晶光変調素子を用いて、マル
チパネル方式の干渉光学系を構成すればよいし、白黒表
示を行う場合には、視感度の強い550nm付近の波長
の光に対して干渉条件を設定すればよい。
【0024】一方、液晶の配向状態によらず、ランダム
偏光光の全ての直線偏光成分に対して等しい実効屈折率
が得られる液晶光変調素子として、アモルファス配向状
態の液晶(例えばアモルファス配向のネマティック液
晶)を有する液晶光変調素子がある。図6は、アモルフ
ァス配向のネマティック液晶を用いた液晶光変調素子の
屈折率特性を説明するために、液晶光変調素子の屈折率
をモデル的に表現した図で、電解印加時の状態を図6
(A)に、電解無印加時の状態を図6(B)に示すもの
である。アモルファス配向の液晶は、液晶に熱処理を行
って、液晶をランダムな方向に配向した非常に細やかな
マルチドメイン状態(アモルファス状態)とすることに
より得られるもので、ラビング処理を行った従来の液晶
光変調素子における液晶のように、特定の方向に一軸配
向した液晶とは、その配向状態が異なる(第21回液晶
討論会講演予稿集P302に関連技術が開示されてい
る)。
【0025】図5に示すように液晶分子は屈折率異方性
を持つが、液晶分子の大きさは長軸方向の長さが数十
Å、短軸方向の長さが数Åであり、可視光の波長と比較
すると非常に小さいため、実際には一軸配向したいわゆ
るドメインがある程度以上の面積で形成された場合に屈
折率異方性が現れる。上記の文献にはアモルファスTN
(a−TN)が記されているが、TNではなく単に水平
配向したアモルファスホモジニアス配向(a−Homo
geneous)でもよい。アモルファス配向ではドメ
インサイズが非常に小さいため屈折率異方性は現れず、
あらゆる方向の直線偏光成分に対して、長軸屈折率ne
と短軸屈折率noとの平均の屈折率(ne+no)/2が
実効屈折率neffとして現れる。
【0026】図6に示すように、アモルファス配向の液
晶を用いた液晶光変調素子においては、電界無印加時に
はあらゆる方向の直線偏光成分に対して実効屈折率n
effは(ne+no)/2となり、電界印加時には実効屈
折率neffはnoとなる。これらの屈折率とセル厚とを入
射光の波長に対して最適値となるように設定することに
より、高輝度,高コントラストの表示を得ることが可能
となる。このときにカラー表示を行う場合にはR,G,
Bの3原色の波長に対応した干渉条件を充たす液晶光変
調素子を用いて、マルチパネル合成方式の干渉光学系を
構成すればよいし、白黒表示を行う場合には、視感度の
強い550nm付近の波長の光に対して干渉条件を設定
すればよい。また、図1の構成では液晶光変調素子の大
きさの画像しか得られないが、図8に示す従来例と同様
な投射拡大のための光学系を構成することにより、任意
の大きさの画像を容易に得ることができる。
【0027】以下に本発明による表示装置を具体化した
実施例を添付図面に基づいて説明する。 (実施例1)絶縁膜としてOCD TYPE2(東京応
化社製)、配向膜としてPVA、液晶としてネマティッ
ク液晶E8(メルク社製)を用いた液晶光変調素子を図
3に示すごとくの構成で作製した。本実施例ではラビン
グ処理を施し、液晶に図4に示すごとくの配向を付与し
た。このときネマティック液晶E8の屈折率は、ne
1.77,no=1.52であり、液晶光変調素子のセル
厚は2.7μmとした。この液晶光変調素子を用い、図
1に示す構成の光学系を作製して表示装置とした。ここ
では、コンデンサレンズ2の直後に光リサイクル偏光光
学系として、広帯域リサイクル偏光板(前述のD.Coates
et al:SID 96 APPLICATIONS DIGEST p67に記載)を設
置した。図4(B)に示すような電界を印加しない状態
の液晶光変調素子における位相進み2ndは9.6μm
であり、白色光の視感度ピーク波長550nmの17.
5倍にほぼ等しい。従って干渉光は暗状態となり、スク
リーンへは投影されない。また図4(A)に示すような
充分に電界を印加した状態の液晶光変調素子における位
相進み2ndは8.2μmとなり、白色光の視感度ピー
ク波長550nmの15倍にほぼ等しい。従って干渉光
は明状態となり、スクリーンへ投影される。この構成で
ストライプ透明電極に選択的に電界を印加することによ
り任意の画像を表示することができた。このときのコン
トラストは100:1以上であり、偏光板を使用してい
ないので従来より非常に高輝度な表示を得ることができ
た。
【0028】(実施例2)絶縁膜としてOCD TYP
E2(東京応化社製)、配向膜としてPVA、液晶とし
てネマティック液晶E8(メルク社製)を用いた液晶光
変調素子を図3に示すごとくの構成で作製した。ネマテ
ィック液晶E8の屈折率は、ne=1.77,no=1.5
2であり、液晶光変調素子のセル厚は3.4μmとし
た。この液晶光変調素子を用い、図1に示す光学系を作
製して表示装置とした。本実施例ではラビング処理は施
さず、ネマティック相の液晶をセルに注入した後、熱処
理を施して図6に示すようなアモルファス配向の液晶を
有する液晶光変調素子を作製した。図6(B)に示すよ
うな電界を印加しない状態の液晶光変調素子における実
効屈折率は、前述したようにneとnoの平均値であるの
で、位相進み2ndは11.2μmとなり、これは白色
光の視感度ピーク波長550nmの20.5倍にほぼ等
しい。従って干渉光は暗状態となり、スクリーンへは投
影されない。また図6(A)に示すような充分に電界を
印加した状態の液晶光変調素子における位相進み2nd
は8.2μmとなり、白色光の視感度ピーク波長550
nmの15倍にほぼ等しい。従って干渉光は明状態とな
り、スクリーンへ投影される。この構成でストライプ透
明電極に選択的に電界を印加することにより任意の画像
を表示することができた。このときのコントラストは1
00:1以上であり、偏光板を使用していないので従来
より非常に高輝度な表示を得ることができた。
【0029】
【発明の効果】請求項1の効果:光変調素子の実効屈折
率を制御することにより、任意の強度をもつ干渉光を得
ることができ、階調表示も容易で、高輝度,高コントラ
ストの表示装置が得られる。
【0030】請求項2の効果:請求項1の効果に加え
て、光変調素子を、電極膜を有する基板間に介在させた
液晶と、液晶を駆動する駆動手段とを備えた構成とする
ことにより、光変調素子として、一般的な構成の液晶表
示素子を用いることができ、かつ、このときに偏光板を
用いる必要がないために高い光利用効率で、安定した実
効屈折率の制御動作を行うことができる。
【0031】請求項3の効果:請求項1または2の効果
に加えて、光利用効率の高い光リサイクル偏光光学系を
用いて、光変調素子に直線偏光を入射させるようにする
ことにより、入射光に対する屈折率異方性を有する光変
調素子を用いた場合にも、高い精度で干渉条件を設定す
ることができる。
【0032】請求項4の効果:請求項1または2の効果
に加えて、例えばアモルファス配向のような入射光に対
する屈折率異方性を有しない液晶を用いることにより、
ランダム偏光の入射光を光変調素子に入射させることが
でき、簡易な構成で、高い精度で干渉条件を設定するこ
とができる。
【0033】請求項5の効果:請求項1ないし4いずれ
か1の効果に加えて、効率的な光学系を構成するための
具体的な手段が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置の実施の形態を説明する
ための概略構成図である。
【図2】本発明による表示装置に適用可能な液晶光変調
素子の例を示す図である。
【図3】図2に示すSTN液晶素子の構成を説明するた
めの断面図である。
【図4】ネマティック液晶を用いた液晶光変調素子の屈
折率異方性を説明するために、液晶光変調素子の屈折率
をモデル的に表現した図である。
【図5】ネマティック液晶分子の屈折率異方性をモデル
的に表現した図である。
【図6】アモルファス配向のネマティック液晶を用いた
液晶光変調素子の屈折率特性を説明するために、液晶光
変調素子の屈折率をモデル的に表現した図である。
【図7】従来の表示装置の一例として、単純投影方式に
よる投影型表示装置の例を示す概略構成図である。
【図8】従来の表示装置の他の例として、マルチパネル
合成方式による投影型表示装置の例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1…光源、2…コンデンサレンズ、3…ハーフミラー、
4…液晶光変調素子、5…第1の全反射ミラー、6…第
2の全反射ミラー、7…ダミーガラス、8,26…スク
リーン、11…透明基板、12…偏光板、13…透明電
極、14…信号電極、15…スイッチング素子、16…
絶縁膜、17…配向膜、18…接着剤、19…スペー
サ、20…液晶、21…ハロゲンランプ、22…反射
板、23…コンデンサレンズ、24…液晶表示素子、2
5…プロジェクション、27…ダイクロイックミラー、
28…全反射ミラー、29…液晶表示素子、30…ダイ
クロイックプリズム。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可干渉な一対の光束を互いに干渉させる
    干渉手段と、前記一対の光束のうち少なくとも一方の光
    束の光路中に配され、電気信号によリ入射光に対する実
    効屈折率を制御することのできる光変調素子とを有し、
    前記干渉手段で得られる干渉光により表示を行うことを
    特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 前記光変調素子は、電極膜を配した一対
    の基板と、該基板間に介在させた液晶と、前記電極膜に
    電気信号を印加することにより前記液晶を駆動する駆動
    手段とを有し、該駆動手段を作動させることにより、該
    光変調素子の前記実効屈折率を制御することを特徴とす
    る請求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光変調素子に入射する光束の光路中
    に、直線偏光への変換機能を有する光リサイクル偏光光
    学系を配することを特徴とする請求項1または2記載の
    表示装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも一状態における前記光変調素
    子が、入射光に対する等方性の前記実効屈折率を有し、
    かつ該実効屈折率を変化させるべく制御する際に、前記
    入射光のすべての方向の直線偏光成分に対する前記実効
    屈折率が等しく変化するように前記光変調素子を構成す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 一対の光束を得るために入射光を分離す
    る分離手段を有し、該分離手段で得た前記一対の光束を
    前記可干渉な一対の光束とし、可干渉な前記一方の光束
    のみを前記光変調素子に入射させることを特徴とする請
    求項1ないし4いずれか1記載の表示装置。
JP9287455A 1997-10-20 1997-10-20 表示装置 Pending JPH11119218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9287455A JPH11119218A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9287455A JPH11119218A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11119218A true JPH11119218A (ja) 1999-04-30

Family

ID=17717564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9287455A Pending JPH11119218A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11119218A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107085338A (zh) * 2017-05-25 2017-08-22 菏泽学院 一种蓝相液晶微透镜自适应调试方法及其使用的系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107085338A (zh) * 2017-05-25 2017-08-22 菏泽学院 一种蓝相液晶微透镜自适应调试方法及其使用的系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5875012A (en) Broadband reflective display, and methods of forming the same
JP3717054B2 (ja) 透過反射型液晶ディスプレイ
EP0856766B1 (en) Holographically formed reflective display, liquid crystal display and projection system and methods of forming the same
JP2001174801A (ja) 反射型および透過型液晶表示装置
JPH08234192A (ja) 液晶フィルターと連続的に連結したカラーディスプレイ
KR100883986B1 (ko) 콜레스테릭 액정 컬러필터과 콜레스테릭 액정 편광판을포함하는 액정표시장치
JPH1164852A (ja) 投射型液晶表示装置
US6130732A (en) Paper-white reflective display and methods of forming the same
EP1298484B1 (en) Liquid crystal display
JPH08160412A (ja) 液晶表示装置
JP4707270B2 (ja) 画像投射装置
JP3717016B2 (ja) ホログラムを用いた反射型液晶表示装置
JP4165167B2 (ja) 照明装置および投射型表示装置
JPH11119218A (ja) 表示装置
JP4654573B2 (ja) スクリーン、プロジェクタシステムおよびプロジェクタシステムの画像表示方法
EP4390526A1 (en) Liquid crystal coherent transparent display screen and liquid crystal-laser transparent display system
JP4913291B2 (ja) 表示装置および画像投射装置
JP4729923B2 (ja) 液晶装置及び投射型表示装置
JP2001209046A (ja) 平面表示装置
JPH0772503A (ja) 投射型画像表示装置
JPH1195212A (ja) 反射型液晶表示素子および液晶プロジェクタ
JP2006293341A (ja) 画像表示装置
JP4141813B2 (ja) 投射型表示装置
JPS63104019A (ja) 投射型カラ−表示装置
JP3787742B2 (ja) 反射型カラーディスプレイ