JPH11118471A - 金属材料表面性状計測方法及び装置 - Google Patents

金属材料表面性状計測方法及び装置

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JPH11118471A
JPH11118471A JP9278841A JP27884197A JPH11118471A JP H11118471 A JPH11118471 A JP H11118471A JP 9278841 A JP9278841 A JP 9278841A JP 27884197 A JP27884197 A JP 27884197A JP H11118471 A JPH11118471 A JP H11118471A
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excitation light
oil
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JP9278841A
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Inventor
Akira Torao
彰 虎尾
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化を図り、安価な費用で金属材料
表面性状を計測する。 【解決手段】 特定波長の励起光を入射角度θ1で照射
することにより、金属材料表面に塗布された油の発する
蛍光の蛍光強度を、前記金属材料表面の法線方向に対し
所定角度以内の方向から測定し、その同じ方向から前記
励起光の反射光強度を測定すると共に、該励起光の反射
角度θ1の正反射光の正反射光強度を測定し、これらの
測定値から塗油量及び表面粗さを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料表面性状
計測方法及び装置に係り、鋼板等の金属材料を圧延し、
その表面に油を連続塗布する工程における塗油量、表面
粗さを測定する際に用いるのに好適な金属材料表面性状
計測方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車外板や各種缶に用いられる表面処
理鋼板の素材となる冷延鋼板の多くは、冷間圧延され、
連続焼鈍工程を経て形状調整、粗さ付与等のための調質
圧延が行われた後に、防錆油が塗布される。又、一部の
鋼板は表面処理されずに直接製品として出荷されるが、
いずれの場合でも、製品品質を決める要因として、表面
粗さや防錆油の塗布量(塗油量)が挙げられ、それらの
定量的管理は品質保証上重要である。そのため、従来よ
り、鋼板の打抜きサンプルを採取して、触針式粗さ計に
よる粗さ測定や、天秤による重量測定から塗油量を算出
するバッチ測定での管理がなされてきた。
【0003】しかし、これらの測定方法では、鋼板打抜
きのためにライン速度を低下させた鋼帯溶接部近傍から
のサンプル採取が中心となるため、高速定常部の表面性
状を代表できない。又、打抜き頻度が限られ、バッチ測
定負荷も多大であることから、測定頻度が制限される等
の問題があった。
【0004】そのため、オンラインでの連続測定を可能
とする装置が開発され、実際の連続焼鈍工程において実
用化されている。
【0005】例えば、特開平7−243970号公報
や、CAMP−ISIJ,Vol9,No .5(199
6)−1013等の文献に、オンライン塗油量計として
Arレーザを用いたレーザ蛍光法による測定装置が開示
されている。又、特公平7−39948号公報や、CA
MP−ISIJ,Vol9,No .5(1996)−13
43等の文献には、オンライン粗さ計として、レーザ光
の反射光強度測定による装置を開発し、粗さ制御への適
用を図ったものが開示されている。
【0006】これらの装置は、それぞれ単独で使用する
ことも可能であるが、特公平4−18763号公報に開
示されているように、更にそれらを組み合わせることで
塗油量測定の高精度化も可能となる。
【0007】又、特開平3−77003号公報には、下
地鋼板の反射特性の違いによる測定誤差を補正するため
に、励起用レーザ光の鋼板からの反射光の散乱分布を同
時に測定する方法も開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同一の
制御工程において、塗油量計と粗さ計を別々に設置する
と、装置規模も大型となり、又投資費用も高価になると
いう問題がある。
【0009】又、従来の塗油量計では、励起用レーザ光
源として、寿命や安定性、レーザ出力、価格等の点から
空冷Arレーザを使用していたが、励起波長が青色領域
であり、測定対象の油の吸収、蛍光特性を考慮すると、
より波長の短い紫外波長域を使用した場合に比べ、蛍光
効率が低く測定感度の点で問題がある。
【0010】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであり、測定精度を向上させつつ、装置の小型化
を図り、設置費用も安価とすることのできる金属材料表
面性状計測方法及び装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、油を塗布した
金属材料表面に入射角度θ1で特定波長の励起光を照射
し、該励起光の照射により生じる油からの蛍光を含む光
を、前記金属材料表面の法線方向に対し所定角度以内の
方向から受光し、該受光した光の内から蛍光強度If
(0)を測定すると共に、前記励起光の反射光強度Ip
(0)を測定し、前記励起光の正反射方向からの光を受
光し、該正反射方向から受光した光の内から前記励起光
の正反射光強度Ip(θ1)を測定し、前記蛍光強度I
f(0)に基づいて、前記金属材料表面に塗布された油
の塗油量を求めると共に、該塗油量、励起光の反射光強
度Ip(0)及び励起光の正反射光強度Ip(θ1)に
基づいて、あるいは、蛍光強度If(0)、励起光の反
射光強度Ip(0)及び励起光の正反射光強度Ip(θ
1)に基づいて、金属材料表面の表面粗さを求めること
により、前記課題を解決したものである。
【0012】又、本発明に係る装置は、油を塗布した金
属材料表面に入射角度θ1で特定波長の励起光を照射す
る手段と、該励起光の照射により生じる油からの蛍光を
含む光を、前記金属材料表面の法線方向に対し所定角度
以内の方向から受光する手段と、該受光した光の内から
蛍光強度If(0)を測定する手段と、該受光した光の
内から前記励起光の反射光強度Ip(0)を測定する手
段と、前記励起光の正反射方向からの光を受光する手段
と、該正反射方向から受光した光の内から前記励起光の
正反射光強度Ip(θ1)を測定する手段と、前記蛍光
強度If(0)に基づいて、前記金属材料表面に塗布さ
れた油の塗油量を求めると共に、該塗油量、励起光の反
射光強度Ip(0)及び励起光の正反射光強度Ip(θ
1)に基づいて、あるいは、蛍光強度If(0)、励起
光の反射光強度Ip(0)及び励起光の正反射光強度I
p(θ1 )に基づいて、金属材料表面の表面粗さを求め
る手段と、を備えるようにして同様に前記課題を解決し
たものである。
【0013】油が塗布された金属材料表面に特定波長の
励起光を入射角度θ1で照射し、該照射によって生じる
油からの蛍光の強度と、励起光の反射光の強度とを測定
し、塗油量と表面粗さを求めるにあたり、本発明者は、
前記金属材料表面の法線方向に対し所定角度以内の方向
から光を受光し測定した蛍光強度If(0)は、金属材
料表面の表面粗さの影響を受けないこと、及び、前記励
起光の正反射方向から光を受光し測定した励起光の正反
射光強度Ip(θ1)は、表面粗さ、塗油量、及び金属
材料表面の反射率によって変化すること、を知見して本
発明を完成させたものである。
【0014】即ち、本発明によれば、油を塗布した鋼板
等の金属材料の表面に特定波長の光を照射して、油から
発せられる蛍光の強度を測定すると同時に、照射した光
の反射光量を前記蛍光の測定を行う際の受光角を含む、
異なる2つ以上の受光角において測定し、これら3つ以
上の測定量を演算することにより金属材料表面の塗油量
と表面粗さ等の表面性状を同時に測定するようにしたた
め、測定精度を向上させ、装置の小型化を図ると共に、
全体価格を安価とすることが可能となった。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態に係る金属材
料表面性状計測装置の概略構成を示すブロック線図であ
る。
【0017】図1において、符号10は、鋼板であり、
その表面には防錆油12が塗布されている。符号14
は、鋼板10の表面に励起光を照射するための光源であ
る。光源14としては、パルスN2 (窒素)レーザが用
いられる。これは、波長337nm、120μJ/パル
ス、20Hzである。
【0018】鋼板上の塗油量を蛍光法を用いて測定する
場合、塗油量が50〜200mg/m 2 程度特に、100
mg/m2 程度の低塗油量に対して高感度且つ高精度測
定を実現するためには、蛍光効率の高い低波長(紫外波
長域)での励起を行うことが好ましい。従って、各種レ
ーザ光源のうち、発振強度が安定しており、寿命の長い
波長337nmの窒素レーザを使用することとしたもの
である。
【0019】光源14から発せられた励起光は、中心波
長337nm、半値幅10nmの干渉フィルタ16を通過
し、ミラー18で反射した後、レンズ20を経て測定対
象である鋼板10に入射角θ1=70°で照射される。
【0020】該励起光の照射を受けて、鋼板10表面に
塗布された防錆油12が発する蛍光を受光するために、
前記鋼板10表面の法線方向に、レンズ22、ハーフミ
ラー24、干渉フィルタ26、レンズ28及び小型分光
器30が設置されている。レンズ22は、防錆油12の
発する蛍光を平行光にするためのものであり、ハーフミ
ラー24は一部の光を前記法線方向と直交する方向に反
射すると共に、一部の光をそのまま透過させるものであ
る。干渉フィルタ26は、中心波長435nm、半値幅1
0nmである。これは、前記窒素レーザをパルス発振で使
用した場合、実際の製造プロセスである連続焼鈍工程に
付随した調質圧延及び塗油工程で使用される油に対し
て、蛍光波長のピークが約435nmであったためであ
る。そこで、この波長を選択的に検出するために干渉フ
ィルタ26及び小型分光器30を組み合わせて蛍光強度
をパルス発振に同期して測定するようにしたものであ
る。
【0021】これは、実際の製造プロセスでは、異なる
表面粗さ領域の鋼帯を連続して製造する場合が多く、
又、同一の粗さ領域内の鋼帯間でも調質圧延速度の加減
速変化や粗さを付与する圧延ロール摩耗の変化が生じる
ことなどにより表面粗さが経時的に変化するため、蛍光
測定による塗油量測定では粗さ変化の影響を受けにくい
光学系を用いて測定するのが望ましいからである。
【0022】これにより、鋼板10表面の塗油量に対応
した信号が得られる。小型分光器の波長は435nmに設
定されている。この受光された蛍光の強度If(0)を
測定するために、フォトマルチプライヤ32が設置され
ている。
【0023】一方、前記ハーフミラー24により、前記
法線方向と直交する方向に分岐された光は、ミラー34
で反射された後、中心波長337nm、半値幅10nmの干
渉フィルタ36及びレンズ38を経てSiフォトダイオ
ード検出器40により、前記励起光の反射光強度Ip
(0)が測定される。
【0024】又、前記励起光の反射光のうち、反射角θ
1 =70°の正反射光を受光し、その正反射光強度Ip
(θ1)を測定するためにレンズ42、中心波長337
nm、半値幅10nmの干渉フィルタ44、レンズ46及び
Siフォトダイオード検出器48が設けられている。
【0025】測定された蛍光強度If(0)、反射光強
度Ip(0)及び正反射光強度Ip(θ1)は、増幅
器、レーザ発振用パルス発生器を含む電気制御系50へ
導かれ、レーザ発振に同期して電圧量に変換された後、
A/D変換器52を経て演算処理装置54へ導かれる。
演算処理装置54は、これらの量から塗油量M[mg/m
2 ]及び粗さRa[μm]を算出する。又、その結果を
出力するために出力装置56が設けられている。
【0026】なお、上記構成においては、蛍光強度If
(0)及び反射光強度Ip(0)を鋼板10表面の法線
方向から測定するようにしているが、該法線方向に対し
所定角度以内の方向から測定することにより、十分高精
度な測定が可能となる。
【0027】粗さ情報を反映するのは主として前記正反
射光強度Ip(θ1)であり、反射光強度Ip(0)は
補助的な値となる。粗い面からの反射の空間的拡がりを
測定するために、図2に示すように、θ1に加えてθ2
を0≦θ2<θ1で測定するようにすればよい。このと
き、θ2がθ1に近すぎると、その拡がりを測定できな
くなるが、θ2=0であれば、反射光強度Ip(0)の
測定を蛍光強度If(0)の測定と受光する光学系を共
通にすることができ、装置を小型化することが可能とな
る。
【0028】又、蛍光強度If(0)の測定において
も、図2に示すθ2を−10°≦θ2≦10°の条件で
変化させた場合、測定対象の粗さRaが0.2〜0.8
μmの範囲で変化する際の塗油量Mの測定誤差ΔMを調
べた結果、図3に示すような結果が得られた。この場合
の塗油量は最大で300mg/m2 である。従って、−5
°≦θ2≦5°の条件を満たせば、θ2=0でなくと
も、即ち蛍光強度If(0)の測定を法線方向において
行わなくとも十分高精度な測定が可能となる。
【0029】以下、本実施形態の作用を説明する。
【0030】電気制御系50の発するレーザ発振用パル
スにより、光源14である窒素レーザから紫外波長域の
励起光が発せられる。この励起光は、干渉フィルタ16
を通過した後、ミラー18で反射され、レンズ20を経
て、鋼板10の表面に入射角θ1=70°で照射され
る。励起光の照射を受けると鋼板10の表面に塗布され
た防錆油12は蛍光を発する。
【0031】この蛍光を、鋼板10の表面の法線方向に
設置された小型分光器30等の光学系で受光する。即
ち、まず該蛍光は、レンズ22により平行光とされ、ハ
ーフミラー24により、その一部が前記法線方向と直交
する方向に反射されると共に一部がそのままハーフミラ
ー24を透過し、干渉フィルタ26を通った後、レンズ
28により一点に集光され、小型分光器30により受光
される。小型分光器30で受光された蛍光は、フォトマ
ルチプライヤ(光電子増倍管)32により蛍光強度If
(0)が測定される。測定された蛍光強度If(0)は
電気制御系50へ送られる。
【0032】又、前記ハーフミラー24により前記法線
方向と直交する方向に反射された光は、ミラー34で反
射され、干渉フィルタ36を通った後、レンズ38で一
点に集光され、Siフォトダイオード検出器40によっ
て受光され、反射光強度Ip(0)が測定される。測定
された反射光強度Ip(0)は電気制御系50へ送られ
る。
【0033】又、前記励起光の反射光のうち、反射角θ
1=70°の正反射光は、レンズ42により平行光とさ
れ、干渉フィルタ44を通過した後、レンズ46によっ
て一点に集光されSiフォトダイオード検出器48によ
り受光され、正反射光強度Ip(θ1)が測定される。
測定された正反射光強度Ip(θ1)は、上記他の測定
値と同様に電気制御系50へ送られる。
【0034】電気制御系50は、送られてきたこれらの
測定値、蛍光強度If(0)、反射光強度Ip(0)、
正反射光強度Ip(θ1)をレーザ発振に同期して、電
圧量に変換してA/D変換器52へ送る。A/D変換器
52は、電圧量(アナログ量)に変換された前記測定値
をデジタル量に変換して演算処理装置54へ送る。
【0035】演算処理装置54では、デジタル量に変換
された蛍光強度If(0)、反射光強度Ip(0)、正
反射光強度Ip(θ1)から塗布量M及び鋼板10の表
面粗さRaを演算する。
【0036】これらの演算のために、演算処理装置54
に内蔵される演算式としては、予め各種粗さの鋼板に対
する塗油量を重量法で定量し、その値と触針式粗さ計か
ら求めた粗さの値を基に、本装置で測定される前記蛍光
強度If(0)、反射光強度Ip(0)、正反射光強度
Ip(θ1)の値の回帰式を求めて変換式を作成して使
用するようにしている。
【0037】先ず、蛍光強度If(0)から塗油量Mを
求める方法について説明する。
【0038】図4は、異なる表面粗さの下における、蛍
光強度If(0)と塗油量Mとの関係を示すものであ
る。
【0039】○は、表面粗さRaが略0.18μmの場
合、△は、表面粗さRaが略0.35μmの場合、□
は、表面粗さRaが略0.81μmの場合である。
【0040】又、図3には、蛍光を測定する方向が鋼板
10表面の法線方向に対してなす所定角度θ2と塗油量
Mの測定誤差ΔMとの関係が示されている。
【0041】図4に示すように、表面粗さの影響を受け
ず蛍光強度If(0)と塗油量Mとの間には一定の直線
的な関係がある。
【0042】従って、例えば次の(1)式に示すような
直線関係式を用いて、誤差±2%以内で塗油量Mを求め
ることができる。
【0043】M=a1・If(0) …(1)
【0044】但し、a1は油の種類に応じて定まる定数
である。この関係は、塗油量Mの範囲が変わると直線で
なくなるため、一般には次の(2)式のように表わされ
る。
【0045】M=F1{If(0)} …(2)
【0046】ここで、F1は油の種類毎に予め実験で定
められる関数である。
【0047】次に、鋼板10の表面粗さRaは、前記励
起波長の反射光強度Ip(0)、正反射光強度Ip(θ
1)及び上で求めた塗油量Mとに基づいて、次の(3)
式により算出される。
【0048】 Ra=b1・Ip(θ1)+b2・Ip(0)+b3・M …(3)
【0049】但し、ここでb1、b2、b3は定数であ
る。
【0050】図5は、異なる塗油量Mの下における、正
反射光強度Ip(θ1)と平均粗さRaとの関係を示す
ものである。図5において、○は、塗油量Mが50〜5
5mg/m2 の場合、△は、塗油量Mが95〜100
mg/m2 の場合、□は、塗油量Mが145〜150
mg/m2 の場合である。
【0051】励起波長の反射光強度Ip(0)、正反射
光強度Ip(θ1)及び塗油量Mの3つを用いて表面粗
さRaを求める理由は、例えば、図5に示すように、平
均粗さは前記励起波長の反射光強度のうちの正反射光強
度Ip(θ1)と直線的関係があり、その直線は鋼板1
0の表面の塗油量Mによって変わるためである。更に、
正反射光強度Ip(θ1)の他に励起波長の反射光強度
のうちの鋼板表面の法線方向に対して所定角以内の方向
の反射光強度を測定するのは、金属表面の反射率変動を
補正するためである。
【0052】図5で塗油量により直線が変わるのは、塗
油量が増加すると励起光の吸収量が増大するからであ
る。
【0053】(3)式の関係は、金属材料表面の微細な
凹凸形状の不規則性が変わると直線でなくなるため、一
般には次の(4)式のように表わされる。
【0054】 Ra=F2{Ip(θ1),Ip(0),M} …(4)
【0055】ここで、F2は代表的な金属材料の表面粗
さや、反射率、油の種類、塗油量を変化させたときの測
定量と粗さの関係を調べて予め実験で定められる。
【0056】上記(3)式又は(4)式において、塗油
量Mの代わりに、測定した前記蛍光強度If(0)を用
いて、(2)式をこれらの式へ代入し、次の(5)式又
は(6)式で求めるようにすることもできる。
【0057】 Ra=b1・Ip(θ1)+b2・Ip(0)+b3・F1{If(0)} …(5)
【0058】 Ra=F2{Ip(θ1),Ip(0),F1{If(0)}} …(6)
【0059】本実施形態における測定の結果、塗油量と
して20〜300mg/m2 の範囲において±10%以
内、粗さとして0.1〜0.5μmの範囲において±1
0%以内の精度で測定が可能となった。
【0060】以上説明したとおり、本実施形態によれ
ば、鋼板表面に所定の入射角θ1で励起光を照射するレ
ーザ光源を1つに共通化し、鋼板表面の法線方向に対し
所定角度(前述したように±5°が望ましい)以内の方
向から鋼板表面に塗布された油の発する蛍光強度を測定
すると共に、同じ方向から前記励起光の反射光強度を測
定し、更に励起光の反射角θ1の正反射光強度を測定
し、これらの測定値から塗油量及び表面粗さを算出する
用にしたため、一つの光学装置により塗油量と表面粗さ
が測定できるので、装置を小型化でき設置場所の制約も
少なく、費用も安価にできる。
【0061】なお、光源に使用するレーザ発振器として
は窒素レーザの他に、YAGレーザの3倍波を用いた波
長355nmのレーザとしてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、単
一の光学測定装置により鋼板表面の塗油量及び表面粗さ
を連続的に測定可能になるため、測定精度を向上させる
と共に、装置設置費用を安価にすることが可能となる。
又、装置を小型化できるため、例えばオフライン卓上測
定へも容易に転用可能であり、従来のサンプル切り出し
での品質管理にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金属材料表面性状計
測装置の概略構成を示すブロック線図
【図2】本実施形態において蛍光強度、反射光強度、正
反射光強度を測定する方法を示す説明図
【図3】同じく、蛍光強度を測定する方向と塗油量の測
定誤差の関係を示す線図
【図4】同じく、異なる表面粗さの下における蛍光強度
と塗油量との関係を示す線図
【図5】同じく、正反射光強度と表面粗さとの関係を示
す線図
【符号の説明】 10…鋼板 12…防錆油 14…光源(パルス窒素レーザ) 16、26、36、44…干渉フィルタ 18、34…ミラー 20、22、28、38、42、46…レンズ 24…ハーフミラー 30…小型分光器 32…フォトマルチプライヤ 40、48…Siフォトダイオード検出器 50…電気制御系 52…A/D変換器 54…演算処理装置 56…出力装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油を塗布した金属材料表面に入射角度θ1
    で特定波長の励起光を照射し、 該励起光の照射により生じる油からの蛍光を含む光を、
    前記金属材料表面の法線方向に対し所定角度以内の方向
    から受光し、 該受光した光の内から蛍光強度If(0)を測定すると
    共に、前記励起光の反射光強度Ip(0)を測定し、 前記励起光の正反射方向からの光を受光し、 該正反射方向から受光した光の内から前記励起光の正反
    射光強度Ip(θ1)を測定し、 前記蛍光強度If(0)に基づいて、前記金属材料表面
    に塗布された油の塗油量を求めると共に、 該塗油量、励起光の反射光強度Ip(0)及び励起光の
    正反射光強度Ip(θ1 )に基づいて、あるいは、蛍光
    強度If(0)、励起光の反射光強度Ip(0)及び励
    起光の正反射光強度Ip(θ1)に基づいて、金属材料
    表面の表面粗さを求めることを特徴とする金属材料表面
    性状計測方法。
  2. 【請求項2】油を塗布した金属材料表面に入射角度θ1
    で特定波長の励起光を照射する手段と、 該励起光の照射により生じる油からの蛍光を含む光を、
    前記金属材料表面の法線方向に対し所定角度以内の方向
    から受光する手段と、 該受光した光の内から蛍光強度If(0)を測定する手
    段と、 該受光した光の内から前記励起光の反射光強度Ip
    (0)を測定する手段と、 前記励起光の正反射方向からの光を受光する手段と、 該正反射方向から受光した光の内から前記励起光の正反
    射光強度Ip(θ1)を測定する手段と、 前記蛍光強度If(0)に基づいて、前記金属材料表面
    に塗布された油の塗油量を求めると共に、該塗油量、励
    起光の反射光強度Ip(0)及び励起光の正反射光強度
    Ip(θ1)に基づいて、あるいは、蛍光強度If
    (0)、励起光の反射光強度Ip(0)及び励起光の正
    反射光強度Ip(θ1 )に基づいて、金属材料表面の表
    面粗さを求める手段と、 を備えたことを特徴とする金属材料表面性状計測装置。
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