JPH11116601A - 繊維シート状物の層間接着剤及び抄紙方法 - Google Patents
繊維シート状物の層間接着剤及び抄紙方法Info
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- JPH11116601A JPH11116601A JP28167697A JP28167697A JPH11116601A JP H11116601 A JPH11116601 A JP H11116601A JP 28167697 A JP28167697 A JP 28167697A JP 28167697 A JP28167697 A JP 28167697A JP H11116601 A JPH11116601 A JP H11116601A
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Abstract
抄紙化に対応するため、化学的に変性することにより加
工度を高くして糊化温度を下げた加工澱粉が使用されて
いる。しかし、澱粉の加工度を高くすることにより、価
格が割高となるなどの欠点があるため、低温でも優れた
接着性能を有し、かつ安価な接着剤を提供する。 【解決手段】 コンパクティング法により圧縮処理され
た澱粉のうち、澱粉粒の損傷率が20%以上であり、か
つα化度が35%未満に維持される処理澱粉。
Description
粉処理に関するものである。詳しくは、本発明は低温に
おいて優れた接着性能を有し、かつ安価な接着剤に関す
るものである。
間接着剤として澱粉が大量に使用されており、用いられ
る澱粉は加工されない天然の澱粉だけでなく、加工澱粉
や澱粉誘導体など種々の形態のものが利用されている。
なかでも、繊維シート状物の層間接着を増強するため噴
霧法が広く採用されている。近年の生産性向上の要求に
応じて、高速抄紙に適した低温で糊化する澱粉が必要と
なり、天然澱粉から加工澱粉や澱粉誘導体が使用される
ようになってきている。
解した糊化澱粉を用いることは困難である。糊化澱粉は
粘度が高く、高い濃度で噴霧することができないので、
澱粉は糊化しないでそのままを水に懸濁したものが繊維
シート状物の一面に噴霧されたり(特開昭49−621
0)、塗布されて使用されている。
に、高速抄紙機では噴霧された澱粉が乾燥工程で十分に
糊化しないため、製品の層間強度が所望のレベルに達し
ないというトラブルが発生している。この問題を解決す
るため、糊化開始温度が天然の澱粉より低い尿素リン酸
エステル澱粉(特開平3−90695)、ジカルボン酸
エステル化澱粉(特開平5−106192)、ヒドロキ
シプロピルエーテル澱粉、カチオン澱粉などの澱粉誘導
体が使用されるようになってきている。
いる加工澱粉は糊化温度を下げるために加工度を高く設
定する必要があり、価格が割高となる欠点がある。しか
も、澱粉の加工度を高くすれば、澱粉分子の低分子化や
誘導体化により一部の澱粉が可溶性となって、抄造時に
排水中に溶解したりして澱粉の歩留まりを低くするだけ
でなく、排水の汚濁負荷を高くするなどの弊害が指摘さ
れている。また、化学変性された澱粉は食用に適さない
ものが多く、これらの加工澱粉を使用して製品となるシ
ートが成型された時、食品容器としての適性も懸念され
ることとなる。
現状を踏まえて、天然の澱粉に軽度の処理を行って糊化
開始温度を低下させる安価で大量生産可能な澱粉の加工
技術について種々検討を重ねてきた。その結果、コンパ
クティング法により圧縮処理された澱粉のうち、一定の
性質を有する澱粉が水分散性も良く、繊維シート状物に
添加された後、速やかに糊化・乾燥し、所望の接着性能
が発揮されることを見出した。即ち、本発明は以下の発
明を包含する。
された澱粉のうち、澱粉粒の損傷率が20%以上であ
り、かつα化度が35%未満に維持される処理澱粉。 (2)コンパクティング法により圧縮処理された澱粉の
うち、フォトペーストグラフ法の糊化開始温度が処理前
の元の澱粉の糊化開始温度より2〜14℃の範囲で低下
する処理澱粉。尚、本発明では、フォトペーストグラフ
法における糊化開始温度とは、測定条件下で吸光度が下
降し始める温度と定義する。 (3)上記圧縮処理された澱粉を有効成分として含む接
着剤。 (4)上記圧縮処理された澱粉、または上記接着剤を水
に懸濁して、繊維シート状物の少なくとも一面に噴霧ま
たは塗布する繊維シート状物の抄紙方法。
されており、一部、繊維状シート状物の層間接着にも使
用されている。その市販の圧縮処理澱粉を使用すること
で、粉塵が立ちにくい、水に懸濁させた場合ままこにな
りにくいといった点で作業性は改善されるが、層間接着
性の改善には不十分であったため、層間接着性の改善に
効果のある圧縮処理澱粉の開発が望まれていた。本発明
のある一定の性質を有する圧縮処理澱粉は、加工澱粉や
澱粉誘導体と同等の低温度で糊化する性質を持ち、水分
散性に優れ、可溶性成分の少ない接着剤である。従来の
澱粉、加工澱粉及び圧縮処理澱粉と異なり、低温で接着
して強い強度を発揮すると同時に、安全性が高く、環境
汚染が少ないなど、最近の高速抄紙において望まれてい
る優れた接着性能を有する澱粉である。
物の製造に際して、層間スプレー用として使用する加工
澱粉に関わり、低温においても優れた接着性を有し、装
置の省エネルギー化の可能な澱粉を提供するため、鋭意
検討した結果、コンパクティング法により圧縮処理され
た澱粉のうち、一定の性質を有する澱粉が低温度で糊化
する性質を持ち、水分散性も良く、繊維シート状物に添
加された後、乾燥工程中で速やかに糊化・乾燥し、所望
の接着性能が得られることを見出した。
複数(通常は2本)の回転するロールの間に原料を連続
的に供給して板状の圧縮成型品を得て、これを解砕機に
て粉砕して粒状品とする方法であり、その本来の目的は
粉体の造粒である。
定容量の粉体を充填し、これを下杵と上杵の間で、圧縮
成型し錠を作る打錠方式、 回転ロール表面のモード
に粉体をくい込ませ、かつ圧縮してブリケットを作るブ
リケッティング方式、 粉体を圧縮ロールで板状に成
形し、これを後工程で解砕処理する圧縮ロール方式(コ
ンパクティング方式)等の圧縮成型機がある。
性、装置コスト等を考慮すると、コンパクティング方式
が選択される。即ち、打錠方式では、打錠部からの錠剤
剥離が難しく、モールド部分の磨耗性が大きく、生産性
が小さい等の問題がある。ブリケッティング方式では、
圧縮ロールモールド部の磨耗性が大きく、剥離が難し
く、装置のコストが高く、また圧縮成型条件の範囲が狭
い等の問題があるので好ましくない。
馬鈴薯、甘藷、タピオカ等の地下茎澱粉、小麦、とうも
ろこし、米等の地上澱粉の生澱粉であり、また物理的、
化学的あるいは生物学的な処理を施された澱粉、及びこ
れら澱粉の1種あるいは2種以上を混合したものを含む
ものである。
硼砂、尿素、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、リン酸ソーダ、
リン酸、塩酸、硫酸、過硫酸アンモニウム等の無機化合
物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエ
ポキシ化剤、ジエチルアミノエチルクロライド、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライド、2,3−エポキシプロピルトリメチルアン
モニウムクロライド等のカチオン化剤、無水酢酸、無水
マレイン酸、無水琥珀酸、酢酸、蟻酸、酢酸ビニルとい
ったエステル化剤、アクリル酸、アクリロニトリル、酢
酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン等のグラフト化剤、エピクロロヒドリン、
オキシ塩化リン等を予め添加しておき、圧縮処理を行っ
てもよい。
リビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、
ラテックス、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂などを適宜混合して圧縮処理する
こともできる。また、保水剤として、PVA、ジュラン
ガム、ラムザンガム、キサンタンガムなどのガム類、ア
ルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル樹
脂、CMC等を原料澱粉に混合し、圧縮処理することも
できる。
剤、耐水化剤、撥水剤、充填剤等を予め含んでいても良
い。例えば、サイズ剤及び撥水剤としてはロジン、石油
樹脂を主体とするサイズ剤、脂肪酸誘導体、アルキルケ
テンダイマー、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ワ
ックスエマルジョン、シリコーン樹脂、ポリエチレンワ
ックス、アクリル酸エステル共重合体などがある。耐水
化剤としては、尿素、メラミン、ケトン、トリアゾン、
グアナミンまたはプロピレン尿素とホルムアルデヒドと
の初期反応物または縮合物、メチロール基を有するポリ
アミド、アクリル酸アミドなどがある。
ク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、サチンホワイト等の白色顔料、着色顔料がある。ま
た、着色剤として蛍光染料、着色染料を含んでいてもよ
い。更に必要に応じて、歩留まり向上剤、濾水向上剤、
防滑、スリップ防止剤、消泡剤、防腐、防カビ剤等を適
宜添加し、圧縮処理を行ってもよい。上述の添加剤の添
加量は添加剤の種類により大きく異なるが、原料澱粉に
対して20重量%までとするのが好ましく、より好まし
くは0.0001〜10重量%である。
(ローラーコンパクター)を用いて澱粉を圧縮処理する
方法を具体的に説明する。まず、粉体供給用ホッパーに
設けられたスクリューの推進力を利用して、原料澱粉を
常温で圧縮ロール間に連続的かつ強制的に押し込むこと
により、原料澱粉が強圧を受けて帯状産物またはフレー
ク状産物となってロールより排出される。これを所定の
フルイ目を有する破砕機、粗砕機、細砕機、整粒機等の
解砕機に通すことにより、所定の平均粒径を有する顆粒
状圧縮澱粉を得ることができる。
より圧縮処理された澱粉の損傷粒率は20%以上でなけ
ればならない。損傷粒率が20%より低い場合には、糊
化開始温度の低下があまり認められず、層間スプレー用
澱粉として用いても、低温における糊化不良により接着
が不十分となり、目的に適う澱粉とならない。
理された澱粉のα化度は35%未満でなければならな
い。α化度が35%以上の場合には澱粉粒が固くなり、
水への分散性が悪くなって、均一な澱粉懸濁液が得られ
なくなる。また、懸濁液の粘度も高くなってスプレー操
作が難しく、層間スプレー用澱粉として用いることがで
きない。
物性の変化が急激に起こり、上限値を求めることは困難
である。また、α化度は、その値が10%前後では生澱
粉に近い値となり、物性の変化に比べて測定値の変化が
少ないため、下限値を求めることは難しい。従って、下
限は損傷率で、上限はα化度で規定することとなる。
法により測定された糊化開始温度が、圧縮処理される前
の原料澱粉の糊化開始温度と比べ、2〜14℃の範囲で
低下するようにローラーコンパクターにより圧縮処理さ
れることが必要である。
方法としては、アミログラフ法、顕微鏡法、熱分析法及
びフォトペーストグラフ法が知られている。常用される
のは比較的高濃度の澱粉懸濁液の糊化に伴う粘度の変化
を測定するアミログラフ法であり、次いで良く用いられ
るのはフォトペーストグラフ法である。
ーで圧縮処理した澱粉と原料澱粉の糊化開始温度の差は
ほとんど認められなかった。即ち、アミログラフ法によ
る糊化開始温度がほとんど低下しない圧縮処理澱粉で
も、繊維シート上でより低い温度で糊化し強い接着効果
を発揮することが認められた。
糊化の進行を吸光度の変化として測定する方法である。
澱粉の希薄溶液での状態変化を測定できるのが特徴であ
り、比較的少量の試料で糊化のごく初期の段階を感度良
く検知できる。澱粉粒子間の摩擦、あるいは、攪拌棒に
よる膨潤粒の崩壊といった機械的な影響が少ないという
利点を持っている。従って、希薄濃度でかつ機械的な影
響はほとんど受けずに、糊化開始温度を測定できるフォ
トペーストグラフ法での評価と、層間スプレーの接着性
能との間には高い相関性がある。
澱粉の場合は0.1%、馬鈴薯澱粉の場合は0.3%の
濃度で測定し、昇温速度は2℃/分で測定する。通常
は、加熱していくと、ある温度で澱粉粒が膨張し始めて
一旦吸光度がゆるやかに上昇し、しばらくすると、澱粉
粒の崩壊が始まって急激に吸光度が下降し、透明になり
糊化する。但し、吸光度がゆるやかに上昇を開始する温
度は非常に読み取りにくいため、測定結果の再現性に乏
しい。また、澱粉によっては、吸光度が上昇することな
く下降し始めるものもあるため、本発明では吸光度が降
下し始める点を糊化開始温度と定義した。
る圧縮効果の評価法を種々検討し、フォトペーストグラ
フ法により澱粉の糊化開始温度を測定することが層間ス
プレー用接着剤としての評価法として有効であることを
見出した。その結果、圧縮処理した澱粉の糊化開始温度
が圧縮処理される前の原料澱粉の糊化開始温度と比べ、
2〜14℃低下していることが、本発明の目的を達成で
きる範囲であることが判明した。
着性能が劣るため層間スプレー用澱粉として使用できな
い。逆に14℃より大きい場合には、澱粉粒が固くな
り、水への分散性が悪くなって、均一な澱粉懸濁液が得
られなくなるだけでなく、懸濁液の粘度が高くなって均
一にスプレーできなくなり、層間スプレー用澱粉として
用いることができない。
囲に入る澱粉が得られる限り、限定されない。しかし、
一般に使用されるロール圧は0.5〜3.0t/cm、好
ましくは1. 0〜2.5t/cmで圧縮する場合が多
い。また、圧縮処理に用いる原料澱粉の水分も、本発明
の範囲内の澱粉が得られる限り限定されない。しかし、
原料澱粉の水分は多くの場合、0〜25%であり、水分
が25%より多い場合には、付着水分がにじみ出てロー
ルに成型物が付着して操業が困難となる。
り圧縮処理された澱粉は、通常この種の分野で使用され
る接着剤と同様に使用される。即ち、例えば澱粉を水中
に懸濁させてスラリー化し、スプレーノズル等により噴
霧塗布し、その後乾燥工程で加熱して接着するなど一般
的なスプレー式層間接着に本発明の澱粉は使用できる。
澱粉はシート状物に対し、0.01〜10g/m2にな
るよう添加するのが好ましい。また、澱粉懸濁スラリー
の濃度は0.01〜5重量%であり、乾燥工程での加熱
条件も従来の操業条件(即ち、乾燥温度50〜130
℃)が利用でき、良好な糊化と接着強度が得られる。ま
た、本発明におけるローラーコンパクターにより圧縮処
理された澱粉を2種類以上混合して使用することも可能
である。
ーにより圧縮処理された澱粉を有効成分として、通常の
澱粉(天然澱粉、加工澱粉及び澱粉誘導体)と適宜混合
して用いることもできる。但し、澱粉粒の損傷率が20
%以上になることが好ましい。澱粉粒の損傷率が20%
未満の場合は、層間接着強度が十分でない。また、混合
した澱粉のα化度は35%未満であることが好ましい。
α化度が35%以上の場合には、水への分散性が悪くな
って均一な澱粉懸濁液が得られなくなる。また、澱粉懸
濁液の粘度も高くなってスプレー操作が難しく、層間ス
プレー用澱粉として用いることができない。
クターにより圧縮処理された澱粉を有効成分として、通
常の澱粉と適宜混合して用いた場合、混合した澱粉のフ
ォトペーストグラフ法により測定した糊化開始温度は、
圧縮処理される前の原料澱粉と通常の澱粉を混合したも
のの糊化開始温度と比べ、2〜14℃低下していること
が望ましい。
着性能が劣るため層間スプレー用澱粉として使用できな
い。逆に14℃より大きい場合には、澱粉粒が固くな
り、水への分散性が悪くなって、均一な澱粉懸濁液が得
られなくなる。また、懸濁液の粘度が高くなって、均一
にスプレーできなくなり、層間スプレー用澱粉として用
いることができない。また、本発明における澱粉のスラ
リーには、上述のローラーコンパクターで圧縮処理した
澱粉の他に、本発明の目的を妨げない限り、添加剤を加
えることができる。
尿素、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、リン酸ソーダ、リン
酸、塩酸、硫酸、過硫酸アンモニウム等の無機化合物、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエポキ
シ化剤、ジエチルアミノエチルクロライド、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド等のカチオン化剤、無水酢酸、無水マレ
イン酸、無水琥珀酸、酢酸、蟻酸、酢酸ビニルといった
エステル化剤、アクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ス
チレン等のグラフト化剤、エピクロロヒドリン、オキシ
塩化リン等の架橋剤等を添加することもできる。
PVA、ポリアクリルアミド、ラテックス、アクリル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂な
ども適宜混合できる。また、保水剤として、PVA、ジ
ュランガム、ラムザンガム、キサンタンガムなどのガム
類、アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、アクリ
ル樹脂、CMC等を混合することもできる。
は、サイズ剤、耐水化剤、撥水剤、充填剤等を含んでい
ても良い。例えば、サイズ剤及び撥水剤としてはロジ
ン、石油樹脂を主体とするサイズ剤、脂肪酸誘導体、ア
ルキルケテンダイマー、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、ワックスエマルジョン、シリコーン樹脂、ポリエ
チレンワックス、アクリル酸エステル共重合体などがあ
る。
トン、トリアゾン、グアナミンまたはプロピレン尿素と
ホルムアルデヒドとの初期反応物または縮合物、メチロ
ール基を有するポリアミド、アクリル酸アミドなどがあ
る。充填剤としては、クレー、カオリン、タルク、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、サチン
ホワイト等の白色顔料、着色顔料がある。
添加することもできる。更に必要に応じて、歩留まり向
上剤、濾水向上剤、防滑、スリップ防止剤、消泡剤、防
腐、防カビ剤等を適宜添加することもできる。上述の添
加剤の添加量は添加剤の種類により大きく異なるが、澱
粉の乾燥重量に対して20重量%までとするのが好まし
く、より好ましくは0.0001〜10重量%である。
は、抄造によって繊維質原料より製造されるシート状物
品、即ち紙、板紙、不織布、インシュレーションボー
ド、ハードボード、パーティクルボード及びロックウー
ルボード類等である。これらの繊維シート状物は、広葉
樹パルプ、針葉樹パルプ、その他のケミカルパルプ、破
砕木材、綿などのような植物繊維、羊毛その他の動物性
繊維、PVA、ウレタン等の合成繊維、アセテート及び
レーヨン等の再生繊維、ガラス繊維、岩綿、石綿等の無
機繊維等の一種または二種以上の繊維質原料を水中に懸
濁し、この懸濁液から、長網抄紙機、短網抄紙機、円網
抄紙機、またはその他の特殊抄紙機を用いてシート状物
に抄造し、これを脱水、乾燥することによって得られる
ものである。
るが、本発明は下記実施例により、その技術的範囲が限
定されるものではない。なお、実施例における各々特性
の測定は以下の方法によって行った。 [層間剥離強度]圧濾瓶(1L容)にセットしたブフナ
ーロートに濾紙(アドバンテック製NO.5C濾紙、直径5
5mm)を乗せ、0.5%重量濃度に水懸濁させた澱粉
(接着剤)を濾紙上に4g/m2スプレー添加し、真空
ポンプ(真空度60mmHg)で吸引する。濾液の落下
がなくなった時点でもう1枚のNO.5C濾紙を重ねてか
ら、ブフナーロートから濾紙を取り出す。その後直ちに
ロータリードライヤー(熊谷理機工業(株)製)を用い
て一定温度で90秒間乾燥させた。乾燥温度は、75、
70、65、60℃とした。接着させた濾紙を空調室
(20℃、湿度65%)で数日間放置した後、幅25m
mに切り出して試験片とし、この試験片の端部を長さ方
向に少し剥離して、スコットボンドテスター(熊谷理機
工業(株)製)にかけて、二層の層間の接着剥離強さを
測定した。
の糊化開始温度は、(株)平間理化学研究所製のフォトペ
ーストグラフART−3にて測定した。測定濃度は0.
1%、昇温速度は2℃/分で行い、吸光度が下降し始め
た温度を糊化開始温度とした。
ブラベンダー社の粘度計にて測定した。測定濃度は8
%、昇温速度は1.5℃/分で行い、粘度が20ブラベ
ンダーユニットへ到達した温度を糊化開始温度とした。
離強度の試験において、0.5重量%濃度に水懸濁させ
た澱粉(接着剤)液の分散状態を目視で評価した。少し
でも粒子の塊が残っていれば分散性が悪いと判断した。
ルラナーゼ法)により測定した。 [損傷粒率]染色法により測定した。染色試薬は、サフ
ラニンO(和光純薬工業(株)製)−ダイレクトスカイブ
ルー(東京化成工業(株)製)を用いた。未損傷澱粉は桃
色に、損傷した澱粉は青色に染まるので、顕微鏡観察で
100個測定して、損傷澱粉の割合を求めた。
(試験NO.1〜4)及び水分26%の未加工とうもろこし
澱粉(試験NO.5)を用い、ターボ工業(株)製ローラーコ
ンパクター(WP−160型、ロール径162mm、ロ
ール幅60mm、ロール形状溝形)にて常温下、表1に
示す条件下で圧縮処理した。解砕後、4メッシュのスク
リーンに通し、粒状の圧縮澱粉とした。得られた圧縮澱
粉は上記方法により、層間剥離強度、糊化開始温度、分
散性、α化度及び損傷粒率を測定した。比較として、原
料澱粉(水分12%の未加工とうもろこし澱粉)及び市
販の圧縮処理澱粉(日本食品化工(製)スプレット#11
0)についても同様の測定を行った。
より圧縮処理された澱粉の中で、ある一定の性質を有す
る澱粉が層間接着剤として適応することが明らかであ
る。即ち、圧縮処理された澱粉の損傷粒率が20%以上
ならば、層間接着性は強くなり、α化度が35%より低
い澱粉ならば均一な澱粉懸濁液が得られ、スプレーする
ことが可能である。また、圧縮処理された澱粉のフォト
ペーストグラフにより測定した糊化開始温度が、原料澱
粉の糊化開始温度と比べ2〜14℃の範囲で低下してい
れば、均一な澱粉懸濁液が得られ、安定してスプレーす
ることが可能であり、かつ、強い層間接着性が得られ
る。
例1で使用した水分12%の未加工とうもろこし澱粉)
と表2に示す混合比でブレンドし、接着剤とした。得ら
れた接着剤は上記方法により、層間剥離強度、糊化開始
温度、分散性、α化度及び損傷粒率を測定した。
クターにより圧縮処理された澱粉の中で、ある一定の性
質を有する澱粉を有効成分として含む接着剤は、水に分
散させると均一な懸濁液が得られ、安定してスプレーす
ることが可能であり、かつ、強い層間接着性が得られ
る。
接着剤として、コンパクティング法により圧縮処理され
た一定の性質を有する澱粉を使用することにより、低温
でも、速やかに糊化、乾燥し、強く安定した接着性が得
られる。よって、乾燥温度の低減、抄紙速度の向上が可
能となるため、コストの低減及び装置の省エネルギー化
が実現できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 コンパクティング法により圧縮処理され
た澱粉のうち、澱粉粒の損傷率が20%以上であり、か
つα化度が35%未満に維持される処理澱粉。 - 【請求項2】 コンパクティング法により圧縮処理され
た澱粉のうち、フォトペーストグラフ法の糊化開始温度
が処理前の元の澱粉の糊化開始温度より2〜14℃の範
囲で低下する処理澱粉。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の圧縮処理された
澱粉を有効成分として含む接着剤。 - 【請求項4】 請求項1もしくは2記載の圧縮処理され
た澱粉、または請求項3記載の接着剤を水に懸濁して、
繊維シート状物の少なくとも一面に噴霧または塗布する
繊維シート状物の抄紙方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28167697A JP4173213B2 (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 繊維シート状物の層間接着剤及び抄紙方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11116601A true JPH11116601A (ja) | 1999-04-27 |
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JP (1) | JP4173213B2 (ja) |
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1997
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