JPH11115109A - 抗菌性積層体よりなる包装材料及び包装袋 - Google Patents

抗菌性積層体よりなる包装材料及び包装袋

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JPH11115109A
JPH11115109A JP28528297A JP28528297A JPH11115109A JP H11115109 A JPH11115109 A JP H11115109A JP 28528297 A JP28528297 A JP 28528297A JP 28528297 A JP28528297 A JP 28528297A JP H11115109 A JPH11115109 A JP H11115109A
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JP
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antibacterial
packaging material
polyester
inorganic
antibacterial agent
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JP28528297A
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English (en)
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Satoshi Hayakawa
聡 早川
Hideto Ohashi
英人 大橋
Juji Konagaya
重次 小長谷
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性な抗菌性組成物、詳しくは基体中また
は基体表面の無機系及び又は有機系抗菌剤量を増やすこ
となく抗菌活性を向上することができる抗菌剤を適用し
た積層包装材料及び包装袋を提供することにある。 【解決手段】 ポリエステル層、ポリエステルシーラン
ト層及び抗菌性組成物含有層の少なくとも3層以上の積
層体よりなる包装材料で積層体の少なくとも片側の最外
層がヒートシール可能なポリエステルシーラント層で、
反対側の最外層が主として無機系及び/又は有機系抗菌
剤と親水性物質からなる抗菌性組成物を含有する樹脂よ
りなる抗菌性積層包装材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機系及び又は有機
系抗菌剤と親水性物質からなる抗菌性組成物を含有する
抗菌性積層体よりなる包装材料及び包装袋を提供する。
従って積層包装材料が用いられる利用分野すなわち工業
用フィルム、包装用フィルムの全てにわたって適用で
き、新たに抗菌特性を付与することができる。特に滅菌
を要する食品、医療器具、医療施設、医薬品分野での包
装被覆等に於いて好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、中でもポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエ
チレンテレフタレート及びエチレンテレフタレートは優
れた物理的、化学的特性を有し、繊維、プラスチック、
フィルム、シート、接着剤等に使用されている。最近、
これらに無機系または有機系の抗菌剤を充填または塗布
した抗菌性を有する製品が考案されている。現在、主に
検討または使用されている抗菌剤としては、キチン、キ
トサン、ワサビ抽出物カラシ抽出物、ヒノキチオール、
茶抽出抗菌剤等の天然品、光酸化触媒酸化チタン粒子、
酸化亜鉛超微粒子、銀含有ゼオライト、銀含有リン酸ジ
ルコニウム等の無機系化合物品及び有機アンモニウム塩
系、有機ホスホニウム塩系化合物等の合成品があげられ
る。天然及び銀に代表される無機系抗菌剤は毒性の面で
安全で最近注目を浴び、以下の発明がすでに開示されて
いる。
【0003】特開平3−83905には銀イオン含有リ
ン酸塩系の抗菌剤が、特開平3−161409には特定
のイオン交換容量を有するゼオライト中の一定容量を銀
イオンで置換してなる抗菌剤が開示されている。これら
に開示された発明に従いフィルム、シート、繊維、プラ
スチックを作成し、その黄色ブドウ球菌、大腸菌等に対
する抗菌性を評価したが、透明性を維持しようと添加量
を比較的控えめにすると抗菌活性は不十分で、抗菌活性
を改善しようとすると透明性を犠牲にしなければなら
ず、実用的には改良の余地があった。他方、有機合成品
の抗菌剤はかび類等に対して抗菌能が天然品、無機品よ
り優れるのが一般的であるが、フィルム等の基体へそれ
らの抗菌剤を表面塗布又は充填した場合、抗菌剤が低分
子量であるためフィルム等の基体から揮発、脱離、分離
しやすく、抗菌性の長期安定性の点から、また人体への
安全性の点で好ましくない。抗菌剤をフィルム等に使用
する場合には、抗菌剤が水や有機溶媒等に溶解せず、フ
ィルム表面から遊離、脱離、剥離、脱落し難いことが抗
菌性能の長期安定性及び人体への安全性の面から好まし
い。このような状況の中、最近では、フィルム、繊維等
の原料となるポリマー素材に有機系の抗菌剤をイオン結
合又は共有結合で結合した固定化抗菌剤が開示されてい
る。
【0004】特開昭54−86584公報には、カルボ
キシル基やスルホン酸等の酸性基とイオン結合している
4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有する高
分子物質を主体とした抗菌性材料が記載されている。特
開昭61−245378公報には、アミジン基などの極
性基や4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有
したポリエステル共重合体からなる繊維が記載されてい
る。特開昭57−204286、63−60903、6
2−114903、特開平1−93596、特開平2−
240090等の公報には種種の含窒素化合物と同様、
ホスホニウム塩化合物は細菌類に対して広い活性スペク
トルを持った生物学的活性化学物質として知られてい
る。上記のホスホニウム塩を高分子物質に固定化して用
途の拡大を試みた発明が開示されている。特開平4−2
66912にはホスホニウム塩系ビニル重合体の抗菌剤
について、特開平4−814365にはビニルベンジル
ホスホニウム塩系ビニル重合体の抗菌剤について開示さ
れている。さらには、特開平5−310820には、酸
性基及びこの酸性基とイオン結合したホスホニウム塩基
を有する抗菌成分を含有する高分子物質を主体とした抗
菌性材料が記載されている。その実施例中で、スルホイ
ソフタル酸のホスホニウム塩を用いたポリエステルが開
示されている。
【0005】また、特開平6−41408には抗菌作用
には一切言及していないが、写真用支持体、包装用、一
般工業用、磁気テープ用等にスルホン酸ホスホニウム塩
の共重合ポリエステルとポリアルキレングリコールとか
らなる改質ポリエステル及びポリエステルフィルムが開
示されている。上記特許の明細書に記されたホスホニウ
ム塩に結合したアルキル基は、前記特開平5−3108
20とは異なり、ブチル基やフェニル基、ベンジル基と
比較的炭素数の短いタイプである。特開平4−2669
12、特開平4−814365、特開平5−31082
0を鋭意検討し、その実施例に従いホスホニウム塩基含
有ビニル共重合体及び共重合ポリエステルを合成し繊
維、フィルム、シート等を形成したり、またそれの抗菌
ポリマーを繊維、フィルムシート面上に塗布することに
より積層体を形成し、その抗菌性を評価したが、抗菌活
性は不十分であった。さらには、抗菌性を向上させよう
とトリノルマルブチルドデシルホスホニウム塩基を50
モル%以上結合させたポリエステルを合成し、それから
フィルム、シート等を作成したが、ポリマーの着色及び
ガラス転移点の低下による力学物性の低下のみならず抗
菌性が不十分であった。さらに、前述の無機系抗菌剤及
び有機系抗菌剤を単独又は混合使用し、繊維、織物、フ
ィルム、シート等を形成し、その黄色ブドウ球菌、大腸
菌等に対する抗菌性を評価したが、抗菌活性は不十分
で、実用性には不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決したうえで、その高活性な抗菌性組成
物、詳しくは基体中または基体表面の無機系及び又は有
機系抗菌剤量を増やすことなく抗菌活性を向上すること
ができる抗菌剤を適用した積層包装材料及び包装袋を提
供し、さらに該積層包装材料及び包装袋で被覆、包装す
る事により容易に抗菌性を付与し得た物品を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、無機及
び又は有機系抗菌剤と親水性物質とを含有する抗菌性組
成物により達成される。好適な実施様態においては、前
記有機系抗菌剤と前記親水性物質とが共重合されている
抗菌性組成物により達成される。さらなる好適な実施様
態においては、無機系抗菌剤が銀(Ag)、亜鉛(Z
n)、銅(Cu)の少なくとも1種の金属微粒子及び又
は金属イオンを坦持させた無機化合物、又は酸化チタン
(TiO2 )及び又は酸化亜鉛(ZnO2 )により達成
される。さらなる好適な実施様態においては、有機系抗
菌剤がアンモニウム塩基及び又はホスホニウム塩基及び
又はスルホニウム塩基を主鎖または側鎖に含む高分子化
合物である抗菌性組成物により達成される。特に好適な
実施様態においては、親水性物質が水酸基、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基又はそのアルカリ金属塩、第
4級アンモニウム塩基、アミン塩基、ポリエーテル鎖、
ポリアミン鎖の少なくとも1種を含む高分子化合物であ
る抗菌性組成物により達成される。本発明の抗菌性組成
物は、無機系及び又は有機系抗菌剤に親水性物質を含ま
せることにより、その抗菌活性が著しく高められるとこ
ろに特徴がある。次に、本発明を詳しく説明する。
【0008】本発明の無機抗菌剤とは金属又は金属イオ
ンを含む黄色ブドウ状球菌や大腸菌に対して抗菌活性を
示す無機化合物の総称で、その形態は気体、液体、固体
を問わない。その例としては、抗菌能を有する銀、亜
鉛、銅等の金属粒子または金属イオン種をシリカ等の金
属酸化物、ゼオライト、合成ゼオライト、リン酸ジルコ
ニウムリン酸カルシウム、リン酸亜鉛カルシウム、セラ
ミック、溶解性ガラス粉、アルミナシリコン、チタンゼ
オライト、アパタイト、炭酸カルシウム等の無機質に坦
持させた微粒子、また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化モ
リブデン等の光酸化触媒機能を有する金属酸化物のゾル
ゲル体薄膜またはそれらの微粒子、またゾルゲル体薄膜
や微粒子を無機、あるいは有機化合物試薬で表面処理し
たり、ゾルゲル法等により表面を他の無機酸化物、複合
酸化物等により積層、被覆、または包装・包埋した複合
粒子があげられる。また金属ゾルゲル体形成時にその原
料となる金属アルコラート体中に上記の無機系抗菌剤を
添加させ複合系として利用することも可能である。
【0009】このような無機系の抗菌剤の具体例とし
て、ノバロン(東亜合成(株)製)、バクテキラー(カ
ネボウ化成(株)製)、抗菌性真球状セラミック粒子S
1,S2,S5((株)アドマテック製)、ホロンキラ
ー((株)日鉱製)、ゼオミック(品川燃料(株)
製)、アメニトップ(松下電器産業(株)製)、イオン
ピュア(石塚硝子(株)製)等の銀系抗菌剤、P−25
(日本アエロジル(株)製)、ST−135(石原産業
(株)製)等の二酸化チタン微粒子及びゾルゲル体、が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、
複合粒子の例として、二酸化チタンをシリカで被覆した
微粒子、GYT(五洋紙工(株)製)が挙げられるが、
これに限定されるものではない。高分子抗菌剤の1つに
下記一般式〔化1〕で示されるホスホニウム塩系ビニル
重合体が挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】(R1 ,R2 ,R3 は水素原子、炭素原子
数1〜18個の直鎖または分岐のアルキル基、アリール
基、ヒドロキシル基、またはアルコキシ基で置換された
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、X
−はアニオン、nは2以上の整数を示す) 上記R1 、R2 、R3 の具体例としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、ト
リル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェニチル
等のアラルキル基、ヒドロシキル基、アルコシキ基等で
置換されたもので、アルキル基、アリール基等が特に好
ましい。R1 、R2 、R3 は同一の基でも、異なった基
でもよい。X−はアニオンであり、たとえばフッ素、塩
素、臭素またはヨウ素等のハロゲンイオン、硫酸イオ
ン、リン酸イオン、過塩素酸イオンが挙げられハロゲン
イオンが好ましい。nは特に限定しないが、2〜50
0、好ましくは10〜300である。他のホスホニウム
塩基含有高分子化合物の例は、主としてジカルボン酸成
分及びスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニ
ウム塩を1mol%以上50mol%以下及びグリコー
ル成分からなる共重合ポリエステルである。
【0012】該共重合ポリエステルのジカルボン酸成分
としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、
脂肪族ジカルボン酸、複素環式ジカルボン酸、などが挙
げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4−ジカルボキシルフェニール、4,4
−ジカルボキシルベンゾフェノン、ビス(4−カルボキ
シルフェニル)エタン及びそれらの誘導体などがあり、
脂環式ジカルボン酸はシクロヘキサノン−1,4−ジカ
ルボン酸及びその誘導体などがあり、脂肪族ジカルボン
酸としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、エイコ酸、ダイマー酸及びそれらの誘導体などがあ
り、複素環式ジカルボン酸としてはピリジンカルボン酸
及びその誘導体が挙げられる。このようなジカルボン酸
成分以外にp−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸
類、トリメリット酸、ピロメリット酸及びその誘導体の
多官能酸を含むことも可能である。
【0013】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等が挙げられる。このほか少量の
アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネー
ト結合等を含有する化合物を含んでいてもよい。スルホ
ン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩として
は、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルオクタデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
オクタデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソ
フタル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸−n−ブチルドデシルホスホニ
ウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸
トリ−n−ブチルデシルホスホニウム塩、4−スルホナ
フタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルオク
タデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホ
ニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン
酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、4−
スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブ
チルドデシルホスホニウム塩等が挙げられ、抗菌活性の
点からはスルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデ
シルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブ
チルテトラデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸
トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩が特に好まし
い。
【0014】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩は
スルホ芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩等にトリ−n−ブチルヘキサ
デシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルテト
ラデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルド
デシルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩を反
応させることにより得られる。このときの反応溶媒は特
に限定しないが、水が最も好ましい。該共重合ポリエス
テルには着色度及びゲル発生度等の耐熱性改善の目的
で、酸化アンチモン、酸化ゲルモニウム、チタン化合物
等の重合触媒以外に酢酸マグネシウム、塩化マグネシウ
ム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のC
a塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜
鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト
等のCo塩を各々金属イオンとして300ppm以下、
リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエ
チルエステル等のリン酸エステル誘導体をPとして20
0ppm以下添加することも可能である。
【0015】上記重合触媒以外の金属イオンの総量が3
00ppm、またP量が200ppmを越えるとポリマ
ーの着色が顕著になるのみならず、ポリマーの耐熱性及
び耐加水分解性も著しく低下する。このとき、耐熱性、
耐加水分解性等の点で、総P量と総金属イオン量とのモ
ル比は、0.4〜1.0であることが好ましい。
【0016】
【数1】
【0017】上記モル原子比が0.4未満または1.0
を越える場合には、本発明の組成物の着色、粗大粒子発
生が顕著となり、好ましくない。有機高分子系抗菌剤の
分子量は特に限定しないが、共重合ポリエステルの場合
には分子量5000以上50000以下、好ましくは1
0000以上30000以下、さらに好ましくは150
00以上25000以下である。分子量が5000以下
では本発明の抗菌組成物の力学的強度が不十分で実用上
好ましくない。該共重合ポリエステルの製造法は特に限
定しないが、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接反
応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接
重合法、ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコー
ルとをエステル交換反応させたのちに重縮合する、いわ
ゆるエステル交換法などが挙げられ、任意の製造法を適
用することができる。
【0018】上記金属イオン及びリン酸及びその誘導体
の添加時期は特に限定しないが、一般的には金属イオン
類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエス
テル化前に、リン酸類の添加は重縮合反応前に添加する
のが好ましい。ホスホニウム塩基含有ポリマーの合成は
上記の方法に限定されるものではなく、他の合成方法と
しては、スルホン酸(または塩)基含有ポリマーに、ト
リ−n−ブチルテトラデシルホスホニウムブロマイド、
トリ−n−テトラデシルホスホニウムブロマイド、トリ
−n−ブチルドデシルホスホニウムブロマイド等のホス
ホニウム塩を反応させることが挙げられる。
【0019】本発明における親水性物質とは水と親和性
に優れた物質で、水に溶解、分散あるいは保水、保湿
性、膨潤可能な物質であり、一般的には水酸基、アミノ
基、アミド基、カルボキシル基またはそのアルカリ金属
塩、スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩、第4級ア
ンモニウム塩基、アミン塩基の少なくとも1種を含む有
機化合物または高分子化合物で、例えばポリオキシメチ
レン鎖、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン
鎖が代表的に挙げられる。ポリアミンとは主鎖の中に塩
基性の窒素原子を含む高分子で、代表的なものにポリエ
チレンイミン、ポリアルキレンポリアミン(例えばポリ
エチレンポリアミン)がある。親水性物質の具体例とし
ては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルイミド、ポ
リ(N,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド)、
ポリ(N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート)、
ポリ(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト)、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリ
ル酸のホモポリマーまたは共重合体、ポリメタクリル酸
のホモポリマーまたは共重合体、無水マレイン酸のホモ
ポリマーまたは共重合体(例えば、無水マレイン酸・ス
チレン共重合体)、ポリビニルスルホン酸またはその共
重合体またはそれらのアルカリ金属塩、ポリスチレンス
ルホン酸またはその共重合体またはそれらのアルカリ金
属塩、ポリスチレンの第4級アンモニウム塩誘導体、ポ
リビニルイミダゾリン塩、ポリアリルアミン塩、ポリエ
チレングリコール(別名 ポリエチレンオキサイド)ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアル
キレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等のポ
リオールまたはその重合体、スルホイソフタル酸のアル
カリ塩またはアンモニウム塩を1mol%以上10mo
l%以下共重合したポリエステルを挙げることができ
る。またこれらのポリアルキレングリコール、ポリグリ
セリンの末端がアルコール、アルキフェノール、脂肪
酸、アミン類等で封鎖されたポリエーテル誘導体でもよ
く、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリグ
リセリンアルキレンオキサイド付加物、その脂肪酸エス
テルまたは脂肪族アルコールエーテル、ポリグリセリン
脂肪族脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪族アルコー
ルエーテル、ポリグリセリングリシジルエーテル、その
反応物等の誘導体が挙げられる。中でもポリエチレング
リコール、ポリグリセリン及びそれらの誘導体がポリエ
ステルへの相溶性及び抗菌性の向上の点で好ましい。
【0020】該親水性物質の分子量は特に限定しない
が、ポリエチレングリコールの場合には数平均分子量で
200以上30000以下が好ましく、さらには100
0以上25000以下が好ましい。該親水性物質(共重
合体の場合は、共重合体中にしめる親水性物質をさす)
の添加量は特に限定しないが、ポリエチレングリコール
を親水性物質として添加する場合には、無機系と有機系
抗菌剤の総量に対して0.1〜20重量%好ましくは
0.5〜10重量%さらに好ましくは1〜5重量%であ
る。0.1重量%以下では抗菌活性増大効果が不十分
で、20重量%を越えると抗菌組成物の機械的特性及び
耐熱性・耐候性が低下し、好ましくない。親水性物質の
無機系及び又は有機系抗菌剤に含ませる方法は特に限定
せず、無機系及び又は有機系抗菌剤の製造方法、化学的
性質、物理的性質により、混合、溶融混練り、イオン結
合、共有結合、共重合等任意の方法を採用できる。特に
有機高分子系抗菌剤への親水性物質の添加は、混合はも
ちろんのこと共重合の形をとることも可能である。
【0021】例えば、前記グリコール、ポリオール、ス
ルホイソフタル酸のアルカリ塩またはアンモニウム塩、
ビニルピロリドン、アクリル酸、スチレンスルホン酸等
のような共重合可能な親水性物質(モノマー)を前記抗
菌成分を有するポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
ィン等のポリマー主鎖または側鎖に結合させることは、
親水性物質の系外へのブリードアウト防止、すなわち本
発明の抗菌性組成物の高抗菌活性の長期維持の点から好
ましい。さらに、無機系及び又は有機系抗菌剤と親水性
物質を押し出し機等を用いて加熱溶融混合させる方法、
有機高分子系抗菌剤の製造時、重合反応前にモノマー中
に、あるいは重合反応の途中もしくは反応終了後に反応
系内に親水性物質あるいはモノマーを添加する方法、ま
た、無機系及び又は有機系抗菌剤と親水性物質類を適当
な溶媒中、例えば水、水/アルコール混合溶媒、アセト
ン、メチルエチルケトン等の有機溶媒等に混合溶解又は
分散した後、該溶媒を乾固する等の方法がある。
【0022】上記の工程により得られた抗菌性組成物中
の親水性物質が無機系抗菌剤及び有機系抗菌剤と、共有
結合、イオン結合、共重合、また混合等のいかなる形態
で存在していてもよいが、有機系抗菌剤の場合には親水
性物質は共重合の形で存在することが、抗菌活性の寿命
の点からも好ましい。
【0023】本発明の抗菌性組成物に滑り性、耐摩耗
性、耐ブロッキング性、隠蔽性等の物理的特性の向上を
目的として、抗菌性組成物中に予め炭酸カルシウム(C
aCO 3 )、リン酸カルシウム、アパタイト、硫酸バリ
ウム(BaSO4 )、フッ化カルシウム(CaF2 )、
タルク、カオリン、酸化珪素(SiO2 )、アルミナ
(Al2 3 )、二酸化チタン、酸化ジルコニウム(Z
rO2 )、酸化鉄(Fe23 )、アルミナ/シリカ複
合酸化物などの無機粒子、ポリスチレン、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、それらの共重
合体、あるいはそれらの架橋体などの有機粒子等を添加
することも可能である。上記粒子についてさらに詳細に
述べると以下の如くなる。
【0024】炭酸カルシウム粒子は、その結晶構造によ
り三方または六方晶系に分類されるカルサイト、斜方晶
系に分類されるアラゴナイト、六方または擬六方晶系に
分類されるバテライトの3つの結晶型に分類されるが、
いかなる結晶型でもよく、その形状も、連球状、立方球
状、紡錘状、柱状、針状、球形、卵形など任意に選択で
きる。
【0025】上記アルミナとしては、ジブサイト、バイ
ヤライト、ノルトストランダイト、ベーマイト、ダイア
スボア、トーダイトなどの結晶性アルミナ水和物;無定
型ゲル、ベーマイトゲル、バイヤライトゲルなどの非晶
性アルミナ水和物;及びρ、η、γ、χ、κ、δ、θ型
などの中間活性アルミナまたはα型アルミナ等が挙げら
れる。これらの平均粒径は目的に応じて変更する必要が
あるので、特に限定しないが、一般的には平均1次粒子
径が0.01μ以上5μ以下が好ましく、その添加量は
5重量%以下が好ましい。粒子の添加量が5000pp
mを越える場合には、無機系及び又は有機系抗菌剤中の
粗大粒子が顕著になり、それから得られる抗菌フィルム
表面に粗大突起が目立ち、粒子の脱落が起こりやすくな
り、フィルムの品位の低下を招く。上記微粒子の抗菌性
組成物への充填混合方法は特に限定しないが、有機系抗
菌剤を所定の溶媒に分散あるいは溶解させ、その系に上
記粒子を分散させる方法、また有機系抗菌剤の合成重合
反応系中に該微粒子を添加し分散させる方法と、特に有
機系抗菌剤が熱可塑性ポリマーの場合にはそのポリマー
中に該粒子を添加し溶融混合する方法当がある。
【0026】有機系抗菌剤がポリエステルの場合には、
粒子は、通常、エチレングリコールに加えて、スラリー
としてポリエステルの重合反応系中へ添加される。その
添加時期は、使用する微粒子種類、粒子径、塩素イオン
濃度、さらにスラリー濃度、スラリーの温度などに依存
するが、通常、ポリエステル重合反応開始前またはオリ
ゴマー生成段階が好ましい。スラリーの反応系への添加
時、スラリーをエチレングリコールの沸点まで加熱する
ことが、粒子の分散性の向上の点で好ましい。また抗菌
性組成物に微粒子を添加する場合、あらかじめ微粒子を
添加した所定の熱可塑性樹脂を無機系及び又は有機系抗
菌剤と混合することも可能である。
【0027】本発明の抗菌性積層体のポリエステルシー
ラント層には共重合ポリエステルが用いられる。該共重
合ポリエステル成分としてはポリエチレンテレフタレー
トに、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸、1,4−シクロヘキサンカルボン酸等の酸成分
及びジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール
等のグリコール成分が挙げられるが共重合ポリエステル
を構成する酸成分及びグリコール成分はこれらに限定さ
れるものではない。これらの共重合成分を20モル%以
上共重合させることによりシーラントとして適正なヒー
トシール性を得ることができる。本発明の抗菌性積層体
を積層する方法としては従来よりある、共押出法、エキ
ストルージョンラミネート法、ホットメルトラミネート
法、ドライラミネート法、ウエットラミネート法等の方
式を採用することができる。共押出法では複数の押出機
から押出し、コンバイニングアダプター等で積層するこ
とにより簡単に積層することができる。ドライラミネー
ト法及びウエットラミネート法においては、積層面に接
着剤を介在させるのがよい。コーティング方法としては
グラビヤロールコーティング、リバースロールコーティ
ング、ディップコーティング、ドクターブレード、エア
ーナイフコーティング等の方法が使用される。3層以上
の多層体を積層する方法として、上記の任意の方法を単
独で用いるかあるいは、任意の2者以上の方法の組み合
わせてもよい。
【0028】本発明の抗菌性積層体の構成は、使用目的
及び用途に応じて特許請求項1〜7の範囲内で任意の構
成を選択することができる。さらに本発明の抗菌性積層
体に上記以外の性能を付加する為に4層以上の構成を取
ることも可能である。例えば抗菌組成物樹脂/ポリエス
テル/アルミニウム箔/ポリエステルシーラント、抗菌
組成物樹脂/ポリエステル/ポリ塩化ビニリデン/ポリ
エステルシーラント等の構成でガスバリヤー性に優れた
包装材料を得ることができる。
【0029】本発明の抗菌性積層体を用いて抗菌性を有
する包装袋を得る方法としては、シール方法としてバー
シール法、回転ロールシール法、インパルスシール法、
溶断シール法、熱溶融シール法、超音波シール法、高周
波シール法等があり任意の方法を選択することが可能で
あり、得られる袋の形態としてはピロー包装袋、三方シ
ール袋、四方シール袋等目的に応じて任意の形態を選択
することができる。但し、上記抗菌性積層体構成及び抗
菌性積層体よりなる包装袋を得る方法例は一例であり、
上記例に限定されるものではない。
【0030】(実施例)次に実施例及び比較例を用いて
本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例に限定さ
れるものではない。以下に実施例及び比較例で得られた
抗菌性組成物の物性の測定方法を示す。 抗菌性テスト 1/50ブロースで希釈したS.aureus(黄色ブ
ドウ球菌)の菌液(濃度:107 個/ml)の0.1m
lを予め高圧蒸気殺菌した5cm×5cmの大きさのフ
ィルム上に滴下し、そのフィルムに高圧蒸気滅菌したサ
ランラップフィルムを密着させた。その試験片を滅菌シ
ャーレに移し、37℃で24時間培養した。それからフ
ィルム上の菌をSCDLP培地10mlで洗い出し、1
0倍希釈し、普通寒天平板にまいた後24時間後に菌数
を計測した。
【0031】(実施例1) (A)抗菌組成物及び塗布液の調整 テレフタル酸ジメメチルエステル5モル、イソフタル酸
ジメチルエステル4モル、5−スルホイソフタル酸ジメ
チルエステルのトリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニ
ウム塩1モル、エチレングリコール22モル、共重合ポ
リエステル理論生成量に対して酢酸亜鉛を亜鉛(Zn)
として200ppm加え、140から220℃まで昇温
して生成するメタノールを系外に留去しながらエステル
交換反応を行った。エステル交換反応終了後、250℃
にて、分子量10000(ナカライ(株))のポリエチ
レングリコールを0.12モル、さらに生成共重合ポリ
エステル理論量に対して酸化アンチモンをアンチモン
(Sb)として250ppm及びトリメチルホスフェノ
ートをP量として80ppm加え15分撹拌し、続いて
平均粒径0.9ミクロンの球状シリカを2000ppm
添加した。260℃、真空下で60分間重縮合反応を行
い、極限粘度0.50の共重合ポリエステル樹脂を得
た。上記ポリマーを市販特級メチルエチルケトンに溶解
して6wt%の溶液とした。
【0032】(B)積層フィルムの調整 酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチ
レングリコールを用い、更に30モル%のイソフタル酸
を添加して極限粘度0.60の共重合ポリエステルを製
造し、ポリエステルシーラント層の素材として使用し
た。一方ポリエステル層の素材としては、極限粘度0.
60のポリエチレンテレフタレートを使用した。製膜に
は2台の押出機を用いて押出温度はいずれも280℃か
ら290℃とし、一方の押出機には前記共重合ポリエス
テルを、他方の押出機には前記ポリエチレンテレフタレ
ートを各々供給し、Tダイス内で積層しつつフィルム状
に共押出しすることにより、ポリエステルシーラント層
とポリエステル層の積層フィルムを得た。このとき両素
材の押出量を調製し、ポリエステル層とポリエステルシ
ーラント層の厚み比を5:1、積層フィルムの厚さを2
30μmに調製した。この積層フィルムをT.M.ロン
グ社製のフィルムストレッチャーを用い、90℃で縦方
向及び横方向に3.5倍×3.6倍の逐次2軸延伸を行
った後、220℃で15秒間熱固定した。得られた積層
2軸延伸フィルムの厚みは約18μmであった。得られ
た2軸延伸積層フィルムのポリエステル層側に、上記
(A)で得た塗布液をバーコーター法によって塗布し、
80℃で熱風乾燥した。該フィルムの最終的な被覆剤
(抗菌組成物)の付着量は約0.4g/m2 であった。
得られた積層フィルムの抗菌組成物塗布面側の抗菌性評
価結果を表1に示した。
【0033】(実施例2〜8)実施例1においてポリエ
チレングリコールの種類及び量を表1に示すようにした
以外は実施例1と同様にして抗菌性積層フィルムを得、
実施例1と同様にして抗菌性評価を行い、得られた結果
を表1に示した。
【0034】(実施例9〜10)実施例1においてホス
ホニウム塩の種類及び量を表1に示すようにした以外は
実施例1と同様にして抗菌性積層フィルムを得、実施例
1と同様にして抗菌性評価を行い、得られた結果を表1
に示した。
【0035】(比較例1〜3)実施例1,9,10にお
いて、ポリエチレングリコール無添加の条件以外は実施
例1,9,10と全く同様にして、抗菌性積層フィルム
を得、実施例1と同様に抗菌性評価を行い、結果を表1
に示した。
【0036】表中の物質は以下の物質を表す。 T:テレフタル酸 I:イソフタル酸 C16:5−スルホイソフタル酸のトリ−n−ブチルヘ
キサデシルホスホニウム塩 C14:5−スルホイソフタル酸のトリ−n−ブチルテ
トラドデシルホスホニウム塩 C12:5−スルホイソフタル酸のトリ−n−ブチルド
デシルホスホニウム塩 EG:エチレングリコール PEG:ポリエチレングリコール
【0037】(実施例11) (A)抗菌組成物塗布液の調整 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000
ppmの濃度で分散されたテレフタル酸/イソフタル酸
//エチレングリコール/ポリエチレングリコール(分
子量1000) (50/40//95/5モル比)共
重合体100重量部に1重量部の銀/リン酸ジルコニウ
ム系抗菌フィラー、ノバロン(東亜合成化学(株)製)
を添加混合したものを市販特級試薬メチルエチルケトン
に溶解し6重量%の溶液とした。
【0038】(B)積層フィルムの調整 酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチ
レングリコールを用い、更に30モル%のイソフタル酸
を添加して極限粘度0.60の共重合ポリエステルを製
造し、ポリエステルシーラント層の素材として使用し
た。一方ポリエステル層の素材としては、極限粘度0.
60のポリエリレンテレフタレートを使用した。製膜に
は2台の押出機を用いて押出温度はいずれも280℃か
ら290℃とし、一方の押出機には前記共重合ポリエス
テルを、他方の押出機には前記ポリエチレンテレフタレ
ートを各々供給し、Tダイス内で積層しつつフィルム状
に共押出しすることにより、ポリエステルシーラント層
とポリエステル層の積層フィルムを得た。このとき両素
材の押出量を調製し、ポリエステル層とポリエステルシ
ーラント層の厚み比を5:1、積層フィルムの厚さを2
30μmに調製した。この積層フィルムをT.M.ロン
グ社製のフィルムストレッチャーを用い、90℃で縦方
向及び横方向に3.5倍×3.6倍の逐次2軸延伸を行
った後、220℃で15秒間熱固定した。得られた積層
2軸延伸フィルムの厚みは約18μmであった。得られ
た2軸延伸積層フィルムのポリエステル層側に、上記
(A)で得た塗布液をバーコーター法によって塗布し、
80℃で熱風乾燥した。該フィルムの最終的な被覆剤
(抗菌組成物)の付着量は約0.4g/m2 であった。
得られた積層フィルムの抗菌組成物塗布面側の抗菌性評
価結果を表2に示した。
【0039】(実施例12〜13)実施例11において
銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー(東亜合成
(株))の代わりに表2に示した無機抗菌剤を用いた以
外は実施例11と同様にして抗菌性積層フィルムを得、
実施例11と同様にして得られた積層フィルムの抗菌組
成物塗布面側の抗菌性評価結果を表2に示した。尚、P
−25含有系の抗菌性評価はブラックライトを40cm
の距離で照らしながら行った。
【0040】(比較例4〜6)実施例11において共重
合体の代わりに、テレフタル酸/イソフタル酸//エチ
レングリコール(60/40//100 モル比)共重
合体を用いた以外は実施例11,12,13と全く同様
にして抗菌性積層フィルムを得、実施例11と同様にし
て得られた積層フィルムの抗菌組成物塗布面側の抗菌性
評価結果を表2に示した。
【0041】(実施例14) (A)スルホン酸基含有ポリエステル及び水分散液の調
整 まずスルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により調
整した。ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレー
ト55モル%、ジメチルイソフタレート45モル%及び
5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル%を使用し、
常法によりエステル交換反応及び重縮合を行った。この
スルホン酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセ
ロソルブ150部とを加熱撹拌して粘ちょうな溶液と
し、更に撹拌しつつ水550部を徐々に加えて、固形分
30%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液を
さらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、固
形分が5%のスルホン酸含有ポリエステル水分散液を調
整した。
【0042】(B)混合塗布液の調整 銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー、ノバロン(東
亜合成(株))0.1重量部を上記(A)スルホン酸基
含有ポリエステル水分散液100重量部に添加混合、微
分散させ塗布液とした。 (C)フィルムの調整 塗布液を変える以外は実施例11と同様に基材フィルム
を調整後、塗布液を塗布し同様に積層フィルムを作成し
た。該フィルムの最終的な被覆剤の付着量は0.5g/
2 であった。得られたフィルムの被覆剤塗布面の抗菌
性評価結果を表3に示した。
【0043】(実施例15〜16)実施例14において
銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー(東亜合成
(株))の代わりに表3に示した無機抗菌剤を用いた以
外は実施例14と同様にして抗菌性積層フィルムを得、
実施例11と同様にフィルムの被覆剤塗布面の抗菌性評
価結果を表3に示した。尚、P−25含有系の抗菌性評
価はブラックライトを40cmの距離で照らしながら行
った。 (実施例17) (A)抗菌組成物塗布液の調整 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000
ppmの濃度で分散された共重合ポリエステル(テレフ
タル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ポリエ
チレングリコール(分子量20000)=60/40/
/95/5 モル比)100重量部に銀/リン酸ジルコ
ニウム系抗菌フィラー(東亜合成(株)製)2重量部を
添加した後、市販特級試薬メチルエチルケトンに溶解さ
せ6重量%の溶液とした。
【0044】(B)積層フィルムの調整 酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチ
レングリコールを用い、更に30モル%のイソフタル酸
を添加して極限粘度0.60の共重合ポリエステルを製
造し、ポリエステルシーラント層の素材として使用し
た。一方ポリエステル層の素材としては、極限粘度0.
60のポリエリレンテレフタレートを使用した。製膜に
は2台の押出機を用いて押出温度はいずれも280℃か
ら290℃とし、一方の押出機には前記共重合ポリエス
テルを、他方の押出機には前記ポリエチレンテレフタレ
ートを各々供給し、Tダイス内で積層しつつフィルム状
に共押出しすることにより、ポリエステルシーラント層
とポリエステル層の積層フィルムを得た。このとき両素
材の押出量を調製し、ポリエステル層とポリエステルシ
ーラント層の厚み比を5:1、積層フィルムの厚さを2
30μmに調製した。この積層フィルムをT.M.ロン
グ社製のフィルムストレッチャーを用い、90℃で縦方
向及び横方向に3.5倍×3.6倍の逐次2軸延伸を行
った後、220℃で15秒間熱固定した。得られた積層
2軸延伸フィルムの厚みは約18μmであった。得られ
た2軸延伸積層フィルムのポリエステル層側に、上記
(A)で得た塗布液をバーコーター法によって塗布し、
80℃で熱風乾燥した。該フィルムの最終的な被覆剤
(抗菌組成物)の付着量は約0.4g/m2 であった。
得られた積層フィルムの抗菌組成物塗布面側の抗菌性評
価結果を表4に示した。
【0045】(実施例18〜19)実施例17において
銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー(東亜合成
(株))の代わりに表2に示した無機抗菌剤を用いた以
外は実施例17と同様にして抗菌性積層フィルムを得、
実施例17と同様にフィルムの被覆剤塗布面の抗菌性評
価結果を表4に示した。尚、P−25含有系の抗菌性評
価はブラックライトを40cmの距離で照らしながら行
った。
【0046】(比較例10〜12)実施例17,18,
19において共重合体の代わりに共重合ポリエステル
(テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール
=60/40//100 モル比)を用いた以外は実施
例17,18,19と全く同様に抗菌性積層フィルムの
作成、抗菌性評価を行い、表4の結果を得た。
【0047】(実施例20〜31)実施例17,18,
19において、ポリエチレングリコールの代わりに表5
に示したポリグリセリン3種、ポリグリセリン#31
0、ポリグリセリン#500、ポリグリセリン#750
(坂本薬品工業(株))、ポリビニルアルコール(PV
A)を使用した以外は実施例17,18,19と全く同
様に抗菌性積層フィルムの作成、抗菌性評価を行い、表
5の結果を得た。
【0048】(実施例32)実施例1〜31に示した抗
菌性積層フィルムをポリエステルシーラント層を袋内面
として、インパルスシール法により三方をシール後、袋
内部にメチレンブルー試験液を満たしその後に残る一方
を同様にインパルスシール法によりシールして試験液を
充填した四方シール袋とし、45℃±2℃の恒温槽中に
24時間放置した後液漏れの有無を調べたが、全て液漏
れ無く良好であった。以上のように本発明よる抗菌性積
層体よりなる包装材料及び包装袋を用いて被覆、包装す
ることによって本来抗菌性を有さない物品に抗菌性を付
与することができると共に本発明よる高度な抗菌活性を
有する様々な物品を提供できることとなる。従って滅菌
を必要とする分野においてはその効果を維持する等の付
加価値を与えた物品を製造することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の抗菌性積層体よりなる包装材料
及び包装袋を用いることにより、抗菌性を有さない物品
に高度な抗菌性を後付けの形で付与することが出来、す
なわち本発明に特徴的な抗菌剤を表面に有する包装体を
提供できる。加えて光触媒機能の付加により、任意の工
程で近紫外光を当てることにより更に強力な抗菌性を発
揮する包装材料、包装袋及び包装体としうる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル層、ポリエステルシーラン
    ト層及び抗菌性組成物含有層の少なくとも3層以上の積
    層体よりなる包装材料で積層体の少なくとも片側の最外
    層がヒートシール可能なポリエステルシーラント層で、
    反対側の最外層が主として無機系及び/又は有機系抗菌
    剤と親水性物質からなる抗菌性組成物を含有する樹脂よ
    りなる抗菌性積層包装材料。
  2. 【請求項2】 有機系抗菌剤と親水性物質とが共重合さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の抗菌性物質を
    含有する抗菌性積層包装材料。
  3. 【請求項3】 前記無機系抗菌剤が銀(Ag)、亜鉛
    (Zn)、銅(Cu)の少なくとも1種の金属粒子及び
    /又は金属イオンを坦持させた無機化合物であることを
    特徴とする請求項1、2記載のいずれかの抗菌性積層包
    装材料。
  4. 【請求項4】 前記無機系抗菌剤が酸化チタン(TiO
    2 )及び/又は酸化亜鉛(ZnO2 )を含むことを特徴
    とする請求項1〜3記載のいずれかの抗菌性組成物を含
    有する抗菌性積層包装材料。
  5. 【請求項5】 前記有機系抗菌剤がアンモニウム塩基及
    び/又はホスホニウム塩基及び/又はスルホニウム塩基
    を主鎖又は側鎖に含む高分子化合物であることを特徴と
    する請求項1〜4記載のいずれかの抗菌性物質を含有す
    る抗菌性積層包装材料。
  6. 【請求項6】 前記親水性物質が、水酸基・アミノ基・
    アミド基・カルボキシル基又はそのアルカリ金属塩・ス
    ルホン酸基又はそのアルカリ金属塩・第4級アンモニウ
    ム塩基・ポリエーテル鎖・ポリアミン鎖の少なくとも1
    種を含む高分子化合物であることを特徴とする請求項1
    〜5記載のいずれかの抗菌性物質を含有する抗菌性積層
    包装材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載のいずれかの抗菌性積
    層包装材料よりなる包装袋。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007506826A (ja) * 2003-09-25 2007-03-22 ロディア・シミ 表面改質剤又は表面処理剤としての複合体コアセルベートコアミセル
JP2009119866A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Mitsubishi Polyester Film Gmbh ポリエステルフィルム及びその製造方法
WO2021235620A1 (ko) * 2020-05-21 2021-11-25 손기명 전자파 차폐기능을 갖는 파우치 및 이의 제조방법

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JP2009119866A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Mitsubishi Polyester Film Gmbh ポリエステルフィルム及びその製造方法
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