JPH11114828A - 水噴流を利用する加工方法 - Google Patents
水噴流を利用する加工方法Info
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- JPH11114828A JPH11114828A JP27731097A JP27731097A JPH11114828A JP H11114828 A JPH11114828 A JP H11114828A JP 27731097 A JP27731097 A JP 27731097A JP 27731097 A JP27731097 A JP 27731097A JP H11114828 A JPH11114828 A JP H11114828A
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Abstract
ズルを最適な方向にすることができる水噴流を利用する
加工方法を提供する。 【解決手段】 水中でノズル1から高圧水2を噴射し、
キャビテーションを伴う水中水噴流4を加工面7に対し
て斜めに衝突させて、加工面7の状態を改質する水噴流
を利用する加工方法において、当該水中水噴流4の中心
軸3と加工面7の交点である衝突中心9を、最大の加工
度が必要な部位である的よりも上流側に設定する。
Description
加工方法に係り、水中における高速水噴流を利用し、物
体表面のピーニングや洗浄を行う技術において、特にノ
ズルの位置決めに関する。
P)は、水中において高圧水をノズルから高速で噴射
し、激しいキャビテーションを伴う水中水噴流を水中構
造物に衝突させて、その構造物の残留応力を改善する技
術である。
(RPV)や炉内構造物における応力腐食割れ(SC
C)の要因を取り除ける技術として強い関心を集めてい
る。またWJPは、残留応力の改善のみならず、炉内清
掃(放射性物質が濃縮する酸化スケールの除去)にも有
効である。
うに、所定のスタンドオフ距離(ノズル1と加工対象面
7との直線距離)xS において、WJP施工のいわゆる
「的」である溶接部8に対し、キャビテーションを伴う
水中水噴流4を直角に衝突させる。この場合、ノズル1
の中心軸3と加工対象面7は直交している。なお、同図
において、2は高圧水、6は周囲水、26は衝突噴流を
示す。
しかも狭隘部の溶接部位を施工するためには、図15に
示すようにキャビテーションを伴う水中水噴流4を加工
対象面7に対し斜めに衝突させざるを得ない。なお、図
中の5は狭隘空間、θs は衝突角度である。
衝突時に夥しい数のキャビテーション気泡の急速圧壊時
に生じる衝撃圧で材料に強い力学的影響を及ぼし、残留
応力を改善する。しかるに、斜めに衝突させる場合、衝
突後に加工対象面7上に沿って流れる衝突噴流26が、
中心軸3に対して軸対象ではないため、ピーニングに係
わる現象は複雑である。
水中水噴流4の中心軸3と加工対象面7との交点すなわ
ち衝突中心9では、ピーニングの効果は最大とはならな
い。これは、(1)衝突噴流の流れ方向の流量配分、
(2)衝突前の自由噴流や衝突後の衝突噴流におけるキ
ャビテーションの発達、(3)衝突噴流界面における気
泡核の供給、等の複雑な現象が組合わさって生じる結果
である。
裂した水滴が加工対象面7に対し斜めに衝突するのみで
あり、跳ね返る衝突噴流26の役割は小さく、現象は単
純である。なお図中の5は柱状水噴流、16は水滴であ
る。
部等のWJP施工に対して噴流を斜めに衝突させる場
合、「的」つまり応力状態を最も改善したい部位に対す
る効果を最大にするためには、ノズルの方向を適正化す
る必要がある。ノズルの位置決めや噴流の噴出方向が不
適切であると、的外れとなり、応力改善効果が十分に得
られず、施工に時間を費やしたり、むやみに噴射圧力を
上げざるを得なくなるなど、的外れのピーニングは施工
能率を著しく低下させる。
いであり、水中水噴流における現象の特徴でもある。言
い換えれば、この水中水噴流における特性を巧みに利用
すれば、残留応力改善効果を最大に発揮することが可能
になる。
を解消し、加工対象面に対して噴流を斜めに衝突させる
場合、ノズルを最適な方向に設定することができる水噴
流を利用する加工方法を提供することにある。
に本発明は、水中でノズルから高圧水を噴射し、キャビ
テーションを伴う水中水噴流を加工対象面に対して斜め
に衝突させて、加工対象面の状態を改質する水噴流を利
用する加工方法において、その水中水噴流の中心軸と加
工対象面の交点である衝突中心を、最大の加工度が必要
な部位である的よりも上流側に設定することを特徴とす
るものである。
る噴流の中心軸と加工対象面との交点すなわち噴流の衝
突中心を、応力状態を最も改善したいポイントすなわち
加工対象物の的よりも上流側(ノズル側)に来るように
ノズルを設置する。このように、衝突中心を的から上流
側へずらす距離は、噴流と加工対象物との挟み角度であ
る傾斜角度θS に依存し、傾斜角度θS が小さいほどず
らす距離を長くし、傾斜角度θS が90°(直角)に近
づくほどずらす距離が短くなるように、ノズルの姿勢を
設定する。傾斜角度θS と、的から衝突中心をずらす距
離の関係については後述する。
において、残留応力改善量Δσ(施工後の圧縮残留応力
−施工前の引張残留応力)は最大となり、施工効率を極
めて高くした状態でピーニングを行うことが可能にな
る。
において、加工対象面に斜めに衝突する高速水噴流は、
衝突中心よりも噴流下流側において鈍角となり、衝突噴
流の下流域で渦キャビテーション(Vortex ca
vitation)が発達する。この現象は、ピーニン
グ加工の観点から大変に重要であるが、特に第2ピーク
の噴流領域を加工対象面に衝突させる場合に顕著であ
る。
ションが発達する衝突噴流の領域が、加工を目的とする
的の部位に一致するようにする訳である。水中の高速水
噴流においても、幾つかのタイプのキャビテーションが
生成するが、中でも渦キャビテーションの気泡の急速圧
壊時には強い衝撃圧力が発生する。この渦キャビテーシ
ョンは、残留応力を引張方向から圧縮方向へと改善する
主要な役割を担っている。
めに衝突させる際、衝突後に加工対象面上を流下する衝
突噴流の渦キャビテーションの発達過程を巧みに利用
し、ピーニングの効果を最大に発揮させようとするもの
である。
する。図1は、第1の具体例に係る水噴流を利用する加
工方法の模式図である。
強く応力を改善したいのは溶接部8であり、ここが加工
の的となる。高圧水2はノズル1から噴射され、キャビ
テーションを伴う水中水噴流4となって加工対象面7に
衝突する。
とがなす鋭角である。キャビテーションを伴う水中水噴
流4の中心軸3と加工対象面7との交点である衝突中心
9は、溶接部8よりも距離δだけ上流側すなわちノズル
1に近い方向にずらすようにしてある。距離δだけ位置
をずらすことが、本発明の特徴である。
する加工方法の模式図である。この具体例は、図1に示
す第1の具体例よりも衝突角度θS を大きくした例であ
る。加工スペースに余裕がある場合には、このように衝
突角度θS を90°により近づけることが可能となる。
る溶接部8と衝突中心9との距離δは、図1における衝
突角度θS の小さな場合の距離δよりも短くする。この
ように、衝突角度θS に応じて適正な手法で距離δを変
化させることも本発明の特徴である。
る加工方法の模式図である。この具体例は、ノズル1を
大きく傾けて、衝突角度θS を小さくする施工の例であ
る。狭隘部の施工においては、このような傾きになるこ
とは少なくない。このように衝突角度θS が小さい場
合、衝突中心9と的である溶接部8との距離δは、図1
及び図2の具体例における距離δよりも長くする。
中心9との直線距離であるスタンドオフ距離xs は、い
ずれも第2ピーク相当(図8参照)になるものとする。
ずら距離δは、衝突角度θS に対して、次のような手法
により決定する。
工効果を最大にすることができる。上記(1)〜(3)
の関係は、系統的に行った実験結果から導いたものであ
る。なお(1)式において、xS は第2ピーク相当のス
タンドオフ距離である。
いて利用するノズルの一例を示す断面図である。高圧水
2は、高圧水供給流路10を通じて導かれ、径収縮部
(しぼり部)11で減圧・加速され、噴出孔12から噴
射されてキャビテーションを伴う水中水噴流となる。噴
出孔12の出口には、出口座ぐり部13を設けてある。
これは、噴出孔12の出口における壊食(エロージョ
ン)により、噴流の形状が崩れて噴流が偏るのを防ぐた
めである。
ル1における噴出孔12の出口先端に円錐形の拡大空洞
部14を設けている。このように拡大空洞部14を設け
ることにより、噴出孔12から噴出直後の噴流と拡大空
洞部14の内壁の間に循環渦が生じ、この渦の作用によ
り圧力変動が加わり、噴流の乱れが促進されて、キャビ
テーションが活発に成長する。
(3)式の関係より、シフトδを設定した施工例におけ
る残留応力改善量Δσの結果(残留応力改善量の分布2
5)を示したのである。
残留応力から施工前の引張残留応力を引くことにより求
めた。キャビテーションを伴う水中水噴流4の中心軸3
と加工対象面7との交点である衝突中心9から、距離δ
だけずれた位置において、Δσが最大となる。これよ
り、本発明における衝突角度θS に応じて交点のシフト
δを定める方法が極めて有効であることが認められる。
かなり傾斜させて衝突させる施工例を示すもので、17
がその衝突噴流である。
に、図6の例に比べて衝突角度θSが小さいので交点の
シフトδも大きくなる。残留応力の改善効果であるΔσ
も、衝突中心9からδだけシフトした位置においてやは
り最大になることが確認された。
より、ピーニング能率が最大となる効果が実証されたこ
とになる。
側)の領域において、残留応力改善量Δσが鋭角側(上
流側)よりも大きくなり、しかも噴流の中心と加工面と
の交点である衝突中心よりも下流の衝突噴流域におい
て、Δρがピークに達する理由について述べる。
り、衝突中心9よりも下流の衝突噴流において2次的な
キャビテーションが発達するからである。特に衝突噴流
の鈍角側において、キャビテーションが発達するメカニ
ズムは幾つか考えられ、そられを組み合わせたものが生
じている筈であるが、それについて順次述べる。
鋭角側との流量配分が異なることを説明するための模式
図である。
2 は、鋭角ターン衝突噴流19の鋭角ターン流量Q1 よ
りも多い。流量の多い鈍角ターン衝突噴流20の方が、
当然のことながらキャビテーション気泡核が豊富でキャ
ビテーションが活発であり、ピーニング効果も大きくな
る。24は衝突中心を示す。
渦キャビテーションの発達領域に結び付ける考え方を模
式的に描いたものである。
面には、界面剪断層由来の渦キャビテーション発達領域
18が生じる。傾斜する噴流を衝突させる場合、図示し
たように加工対象面7が、この渦キャビテーション発達
領域18を斜めに切断することになる。鈍角側では、渦
キャビテーションが大きく発達している領域が加工対象
面7上を衝突噴流として流れるために、ピーニング効果
も拡大する。
象面7上の剪断層領域でキャビテーションが発達するメ
カニズムを模式的に描いたものである。
流20においては、加工対象面7の上で剪断層21が発
達する。ここに生じる強い剪断渦に由来してキャビテー
ションが成長する。衝突がきっかけ(トリガ)となり、
キャビテーションが十分に成長するまでの時間遅れ22
が、図1〜図3、図6及び図7における交点のシフトδ
に相当するものと考えられる。
角ターン衝突噴流20の方が、噴流の界面を通じて、周
囲水から気泡核が多く流入するメカニズムを模式的に描
いたもので、23が気泡核の流入を示している。
ニズムが組合わさっていると考えられる。以上のような
理由により、鈍角ターン衝突噴流の衝突中心より下流に
生じる領域を加工に利用することで、最も残留応力改善
効果を大きくしたい部位の応力改善量を最大とすること
ができる。
を斜め下向きに噴射衝突させる例について述べたが、逆
に下向きの加工面に対し、噴流を斜め上方に向けて噴射
衝突させる場合も、具体化の方法は全く同じである。
ノズル1から斜め上向きにキャビテーションを伴う水中
水噴流4を噴射衝突させた場合の加工法を模式的に描い
たものである。衝突角度はθS 、スタンドオフ距離xS
は第2ピークに相当するものである。
心軸3と加工対象部7の交点すなわち衝突中心9を、最
も強い施工を行いたい溶接部8よりも上流側へ距離δだ
けずらす(交点のシフト)。この距離δは、衝突角度θ
S に応じて前述した方法により設定する。
力の作用が生じるため、気泡核の流入23が、図12に
示した場合よりも多少増加する。すなわち、周囲水6中
にある気泡核が、キャビテーションを伴う水中水噴流4
中に、より多く供給されるようになると、キャビテーシ
ョンがさらに促進されるようになる。
果をまとめると、次のようになる。
し、噴流を傾斜させて衝突させる場合において、最も応
力状態を改善したい「的」で応力改善効果を最大にする
ことができる。
施工におけるピーニング効果が向上し、ピーニング施工
を短時間で済ませることができる。
おける構造材料の強度が増加し、構造物の強度上の健全
性が向上する。例えば、疲労強度が上昇し、また応力腐
食割れ(SCC)を防げる。
にすることのみ、あるいは噴流が斜めに噴射するノズル
を用いることのみで、ピーニング施工が可能になるた
め、複雑な構造のノズルを用いる必要がなく、またシン
プルな構造のノズルを利用するため施工の信頼性も高ま
る。
加工方法の模式図である。
加工方法の模式図である。
加工方法の模式図である。
る。
る。
方法による残留応力改善結果を示す説明図である。
方法による残留応力改善結果を示す説明図である。
ある。
れるメカニズムの第1の例を示す模式図である。
られるメカニズムの第2の例を示す模式図である。
られるメカニズムの第3の例を示す模式図である。
られるメカニズムの第4の例を示す模式図である。
る加工方法の模式図である。
す模式図である。
加工方法の一例を示す模式図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 水中でノズルから高圧水を噴射し、キャ
ビテーションを伴う水中水噴流を加工対象面に対して斜
めに衝突させて、加工対象面の状態を改質する水噴流を
利用する加工方法において、 その水中水噴流の中心軸と加工対象面の交点である衝突
中心を、最大の加工度が必要な部位である的よりも上流
側に設定することを特徴とする水噴流を利用する加工方
法。 - 【請求項2】 請求項1記載において、上記衝突中心と
最大の加工度が必要な部位との距離δを、 δ=αxs (cosθs )2 ここにθs :衝突角度(狭角側)、xs :スタンドオフ
距離係数αの条件を、 0.033<α<0.233 の範囲内で選定することを特徴とする水噴流を利用する
加工方法。 - 【請求項3】 請求項2記載において、上記係数αの条
件を、 0.04<α<0.09 の範囲で選定することを特徴とする水噴流を利用する加
工方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3記載において、スタン
ドオフ距離xs を、ノズルの下流に形成される衝撃圧分
布における第1ピークの次の極小値よりも下流の領域で
ある第2ピークの領域に相当する領域で選定することを
特徴とする水噴流を利用する加工方法。
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- 1997-10-09 JP JP27731097A patent/JP3355294B2/ja not_active Expired - Fee Related
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