JPH11114514A - 細長い物体の清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない構成部品で簡単な構造で使い易い細長
い物体の清掃装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の細長い物体の清掃装置は，二つ
の分割部材からなり，該分割部材が開閉可能なようにな
っていて，前記細長い物体が通るために貫通孔が設けら
れた容器と，前記容器の内部空間に配置されたブラシ保
持部材と，前記ブラシ保持部材に回転可能なように挿入
されたブラシとを有し，前記ブラシは，前記二つの分割
部材が閉じられたときに前記貫通孔を通った前記細長い
物体の通路を前記容器の内部に提供するように配置され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，ワイヤ，ロープ，ケー
ブル，チェーンあるいはその他の細長い綱状あるい棒状
の物体の表面を清掃するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ケーブルやロープあるいはチェーンや船
の帆上げ綱（ハリヤード）などの細長い綱状の物体をブ
ラシで清掃する清掃装置は従来より提案されているが，
いずれも構造が複雑で高価であり，使い勝手が悪く，保
守もめんどうである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は，少ない構成
部品で簡単な構造で使い易い清掃装置を提供することを
目的とする。本発明は、エレベータの昇降ワイヤの清掃
や，船の帆上げ綱（ハリヤード）のような船舶用設備の
清掃にも適している。本発明の清掃装置は，人手が容易
に届きにくい高所や危険な場所にあるワイヤやロープの
ような綱状の物を清掃できる簡単な構成の清掃装置を提
供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の細長い物体の清
掃装置は，二つの分割部材からなり，該分割部材が開閉
可能なようになっていて，前記細長い物体が通るために
貫通孔が設けられた容器と，前記容器の内部空間に配置
されたブラシ保持部材と，前記ブラシ保持部材に回転可
能なように挿入されたブラシとを有し，前記ブラシは，
前記二つの分割部材が閉じられたときに前記貫通孔を通
った前記細長い物体の通路を前記容器の内部に提供する
ように配置されている。

【０００５】

【作用】二つの分割部材を開いた状態で，細長い物体を
貫通孔にそって配置して，分割部材を閉じて固定する。
そして清掃装置を細長い物体にそって移動すれば，ブラ
シが回転しながら物体の表面を履き清める。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下，図面を参照して，本発明の
清掃装置のいくつかの実施例を説明する。

【０００７】図１は，本発明による清掃装置の実施例の
外観図である。清掃装置１は全体として円筒形の形状を
有する。清掃装置１の外装ケース２は同じ形状の二つの
部材を組み合わせた二分割構造となっている。二つの分
割部材２ａ．２ｂは互いに蝶番（ヒンジ）３ａ，３ｂで
それらの側縁同志が互いに結合されている。分割部材２
ａ，２ｂ同志はバネクリップ５により互いに固定されて
いる。外装ケースの両端面には貫通孔４が設けられ，そ
の中を清掃しようとするロープ２０が移動自在に挿入さ
れる。

【０００８】外装ケース２の内部には，後で説明するよ
うな回転するブラシが設けられる。清掃装置１を図１の
矢印方向に移動させるか，あるいは清掃装置１を固定
し，ロープ２０を矢印方向に移動することにより，内部
のブラシがローブ２０の表面を擦って汚れやゴミを掻き
落とす。

【０００９】本発明の清掃装置の外装ケース２の外形形
状は，図１の実施例の円筒形以外に．断面が長方形，三
角形あるいは正方形でもどのような形状でも可能であ
る。また，一台の清掃装置に設ける貫通孔４の数は一度
に清掃するロープの本数によって決まり，１〜６個程度
あるいはそれ以上の貫通孔を設けることができる。

【００１０】図２は、分割部材２ｂを取り去ったときの
もう一方の分割部材２ａの内部構造を示す側面図であ
る。分割部材２ａの内側の内部空間に，ブラシ保持部材
６と，ブラシ保持部材６に装着された回転可能な２本の
ブラシ７ａ，７ｂが収納されている。ブラシ保持部材６
は，半円筒形であり，貫通孔４に沿って清掃対象のワイ
ヤやロープのような綱状の物をブラシで挟んで通過させ
るような通路８を与えるように配置される。

【００１１】ブラシ７ａ（７ｂ）はそれ自体回転（自
転）可能である。ブラシ７ａ（７ｂ）の毛の部分は，ナ
イロン，真鍮，ステンレスあるいは他の適当な材料でで
きていて，毛が螺旋状に軸９ａ（９ｂ）の回りに固定さ
れている。軸９ａ（９ｂ）の方向はロープ２０の長手方
向と実質的に平行となっている。ブラシ保持部材６には
ブラシ７ａ（７ｂ）の軸９ａ（９ｂ）の両端部が挿入さ
れる軸穴１０が設けられている。ブラシ７ａ（７ｂ）は
軸穴１０で軸９ａ（９ｂ）が回転可能に据え付けられ
る。ブラシ７ａ（７ｂ）は磨耗した場合に，簡単に取り
替えできる。ブラシは清掃対象のロープやワイヤーの材
質あるいは汚れの性質に応じて適切な形式のものに入れ
換えることもできる。好ましい実施例によれば，ブラシ
は渦巻き形状である。清掃装置のすべての部品は耐腐食
性の材料たとえばポリエチレンあるいはポリプロピレン
のような強度のあるプラスチック材料や金属で作ること
ができる。

【００１２】分割部材２ｂも，以上説明した分割部材２
ａとまったく同じ内部構造を有する。二つの分割部材２
ａと，２ｂとを閉じ合わせたときの貫通穴４から見た清
掃装置１の平面図を図３に示す。図３で示す１１ａ，１
１ｂは固定ピンであり，分割部材２ａ，２ｂの側面に設
けた小穴が内部のブラシ保持部材６の側面に設けた小穴
と通じていて，そこに固定ピン１１ａ，１１ｂが挿入さ
れると、ブラシ保持部材６が分割部材２ａ，２ｂに固定
されることになる。

【００１３】図４は、二つの分割部材２ａと，２ｂとを
閉じ合わせたときの図１のＡ−Ａ’に於ける清掃装置の
断面図を示す。４個のブラシ７ａ，７ｂの中心の通路８
をロープ２０が通過している。ブラシ７ａ，７ｂは矢印
方向に回転可能である。

【００１４】図５は、清掃装置１のヒンジ３ａ，３ｂの
構造を示す側面図である。ヒンジ３ａ，３ｂのそれぞれ
は，凹凸の突起が互いに嵌合するような構造となってい
る。嵌合した突起同志をさらにずれないようにかつ開閉
動作が可能なように軸ピン１２を挿入してもよい。

【００１５】本実施例の清掃装置１でロープ２０を清掃
する場合には，清掃装置１の二つの分割部材２ａと２ｂ
とを開き，ロープを通路８に置いてから二つの分割部材
２ａと２ｂとを閉じ合わせてロープを貫通孔４を通し清
掃装置全体で挟み込む。そしてバネクリップ５により二
つの分割部材２ａと２ｂとを動かないように互いに固定
する。

【００１６】清掃装置をエレベータの牽引ケーブルの清
掃に使用する場合には，清掃装置１をエレベータ自体あ
るいはエレベータシャフト内の適当な場所（エレベータ
の移動の邪魔にならない場所）に固定しておき，貫通孔
４にケーブルを通す。エレベータが運転されるとケーブ
ルが清掃装置１内を移動してケーブルの表面が清掃され
る。また，清掃装置１を手動あるいはウインチのような
動力機械（図示せず。）でロープの長手方向に沿って引
っ張って移動させることもできる。その場合には、清掃
装置１の外装ケース２にウインチからの引き綱を固定す
るための適当なフック（図示せず。）を設置する。

【００１７】ロープ２０が清掃装置１の中を通過する
間，４本のブラシ７ａ，７ｂが回転する。ブラシの回転
力はモータなどの機械を必要としない。すなわち，ブラ
シの毛とロープとの接触摩擦によりロープが移動すると
渦巻き状のブラシに回転動作が生じる。ブラシの回転に
よりロープの表面がブラシでこすられてロープ全体が清
掃されていく。

【００１８】なお，清掃用洗剤を清掃装置１に供給する
こともできる。外部の洗剤供給装置（図示せず。）から
清掃装置１に洗剤を供給するか，あるいは清掃装置１自
体に洗剤容器（図示せず。）を設けてそこからブラシに
洗剤を供給するようにもできる。同様な構成で，清掃用
洗剤の代わりに，潤滑油や錆止めの油あるいはグリース
のようなものを供給することもできる。これは金属製の
ワイヤの清掃やメインテナンスの場合に必要となる場合
がある。もちろん，洗剤や油と同様な方法で水を供給す
ることもできる。

【００１９】本発明の清掃装置１を構成している二つの
分割部材２ａと２ｂは互いに同じ形状でできており，一
つの成形型で製造できる。二つの分割部材２ａと２ｂ
は、その側縁同志がヒンジ構造で結合されていて，ヒン
ジ３ａ，３ｂで自由に開閉動作ができる。すなわち、二
つの分割部材２ａと２ｂを閉じ合わせると外装ケース２
は閉じられ，二つの分割部材２ａと２ｂをヒンジで結合
したままヒンジと反対側の側縁を離すと外装ケースが開
けられることになる。外装ケース１が閉じられた状態で
二つの分割部材２ａと２ｂを互いに固定するために分割
部材２ａと２ｂの周囲に溝が設けられ，その溝にバネ状
のスナップリング（バネクリップ）５が装着される。

【００２０】ブラシ７ａ，７ｂを清掃物のロープ２０に
より強く押しつけるためにブラシ保持部材６とケースの
内側との間にバネ（図示せず。）を配置することもでき
る。本発明の清掃装置１で可動部分はこのブラシ７ａ，
７ｂだけである。本実施例の清掃装置１は，説明のよう
に交換可能なブラシと，二分割のケースと，四つのブラ
シ保持部材と，ヒンジの固定ピンと，バネクリップとか
らなる少数の部品だけから構成される。

【００２１】外装ケース２の分割部材２ａ，２ｂは一つ
の成形型から作られる。ブラシ保持部材６も同一の成形
型から作られる。バネクリップ５も成形部品である。外
装ケース，ブラシ保持部材，バネクリップなどは、すべ
て高密度のポリエチレンあるいはポリプロピレン材で作
られる。なお、外装ケースはＨ．Ｄ．Ｐ．Ｅ．，Ｖａｌ
ｏｘ ４２０あるいは他の同様なモールド材や，アルミ
ニュームで作ることができる。

【００２２】本発明の清掃装置では，ブラシ保持部材６
に挿入されたブラシ７ａ，７ｂはロープ２０の繊維（あ
るいはワイヤ）の縒り方向にそって回転自在であるため
に，清掃中にロープ２０がゆれて捩れたりしても，ブラ
シに対して不要な力が加わらないので，ブラシの磨耗を
最小限にして寿命が長くなるし，またロープの揺れで清
掃装置自体がロープにからまるといったことが少なくな
る。

【００２３】以上説明した実施例は，ロープが１本だけ
清掃できる構造の清掃装置であるが，図６に示すもの
は，６個の貫通孔を設けて一度に６本のロープを清掃で
きる清掃装置の実施例である。図６の（ａ）は清掃装置
３０の平面図であり貫通孔３１が６ケ所設けられてい
る。清掃装置３０は二つの分割部材３０ａ，３０ｂから
なり，図２の実施例と同様にヒンジ３２で二つの分割部
材３０ａ，３０ｂが開閉可能になっている。清掃装置３
０は全体として箱型であり，断面形状は長方形である。
図６の（ｂ）は分割部材３０ａの側面図（ブラシは表示
せず。）である。

【００２４】図７は図６（ａ）の平面図において，分割
部材３０ｂの表面を取り去って内部のブラシの配置を示
したものである。分割部材３０ｂの内部空間にはブラシ
保持部材３３が配置され，７本のブラシ３４ａ，３４
ｂ，３４ｃ，３４ｄ，３４ｅ，３４ｆ，３４ｇが配置さ
れる。ブラシ３４ａ〜３４ｇは図２の実施例のブラシ７
ａ，７ｂとほとんど同じ構造であり、ブラシ保持部材３
３に設けた軸孔３５に矢印方向に回転自在に挿入され
る。図７の点線２０の円はロープの位置を示す。もう一
方の分割部材３０ａ側もこれとまったく同様な構造を有
する。なおブラシ保持部材３３の凹み部３６はブラシを
ロープ２０に押しつけるテンションを与えるためのスプ
リングを挿入するための穴である。この実施例の清掃装
置３０の使用方法は図１の実施例のものと基本的に同じ
である。

【００２５】以上の説明では，清掃される細長い物体を
ロープとしたが，ロープは麻ロープであってもよいし，
ロープでなく金属ワイヤケーブルやチェーンのようなも
のでもあるいは棒状のシャフトのような物体でも本発明
の清掃装置で清掃が可能である。

【００２６】なお，本発明は以上説明した実施例のもの
に限るものではなく，実施例の開示にもとづき様々な変
更や改良が当業者であれば可能であることは自明であろ
う。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば，少ない構成部品で簡単
な構造で使い易い清掃装置を提供することができる。本
発明は，エレベータの昇降ワイヤの清掃や，船の帆上げ
綱（ハリヤード）のような船舶用設備の清掃にも適して
いる。本発明の清掃装置は，人手が容易に届きにくい高
所や危険な場所にあるワイヤやロープのような綱状の物
を清掃できる簡単な構成の清掃装置を提供する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例による清掃装置の外観図であ
る。

【図２】 本発明の実施例による清掃装置の側部断面図
である。

【図３】 本発明の実施例による清掃装置の平面図であ
る。

【図４】 本発明の実施例による清掃装置の断面図であ
る。

【図５】 本発明の実施例による清掃装置の側面図であ
る。

【図６】 本発明の他の実施例による清掃装置の平面図
と側面図である。

【図７】 本発明の他の実施例による清掃装置の一部断
面図である。

【符号の説明】

１ 清掃装置 ２ 外装ケース ３ａ，３ｂ ヒンジ ４ 貫通孔 ５ バネクリップ ６ ブラシ保持部材 ７ａ，７ｂ ブラシ ８ ロープ通路 ９ａ，９ｂ ブラシ軸 １０ 軸孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノリヒコ カミエ アメリカ合衆国，ハワイ，カネオヘ，イキ イキ ス トリート 46−291

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 細長い物体の清掃装置であって，二つの
   分割部材からなり，該分割部材が開閉可能なようになっ
   ていて，前記細長い物体が通るために貫通孔が設けられ
   た容器と，前記容器の内部空間に配置されたブラシ保持
   部材と，前記ブラシ保持部材に回転可能なように挿入さ
   れたブラシとを有し，前記ブラシは，前記二つの分割部
   材が閉じられたときに前記貫通孔を通った前記細長い物
   体の通路を前記容器の内部に提供するように配置された
   ことを特徴とする清掃装置。
2. 【請求項２】 前記二つの分割部材が互いに実質的に同
   じ構造と形状を有することを特徴とする請求項１記載の
   清掃装置。
3. 【請求項３】 前記二つの分割部材のいずれも，前記ブ
   ラシ保持部材と複数のブラシとを有し，前記ブラシは、
   前記細長い物体の長手方向にほぼ平行に配列する軸と該
   軸の周囲に結合された毛とを有し，前記清掃装置と前記
   細長い物体とが相対的に移動した場合に前記細長い物体
   と毛との接触により前記ブラシが前記軸を回転軸として
   回転することを特徴とする請求項２記載の清掃装置。
4. 【請求項４】 複数の前記細長い物体が通過可能なよう
   に複数の前記貫通孔が設けられたことを特徴とする請求
   項３記載の清掃装置。
5. 【請求項５】 前記容器は前記二つの分割部材を互いに
   結合するヒンジを有することを特徴とする請求項４記載
   の清掃装置。
6. 【請求項６】 前記ブラシの毛がナイロン，真鍮，ステ
   ンレスのいずれかの材料でできていることを特徴とする
   請求項３記載の清掃装置。