JPH11114265A

JPH11114265A - ミシンのボビンケース

Info

Publication number: JPH11114265A
Application number: JP30362097A
Authority: JP
Inventors: Shoichi Shibuya; 彰一澁谷; Hozumi Nakajima; 穂純中島
Original assignee: Juki Corp
Current assignee: Juki Corp
Priority date: 1997-10-17
Filing date: 1997-10-17
Publication date: 1999-04-27

Abstract

(57)【要約】【課題】本体外部への下糸の引出し及び糸調子調節バネ
への糸掛けを簡単になし得ると共に、均整な縫い目を形
成し得るミシンのボビンケースを提供する。【解決手段】内釜へ掛止するための掛止片５及び内釜か
ら取外すための取外しレバー６が本体底部外面に設けら
れ、長手方向に長い長孔7bが穿設された下糸張力付与用
の糸調子調節バネ７が本体周壁外面に設けられており、
本体底部及び掛止片５にそれぞれ連通する貫通孔が形成
され、それらの孔から本体周壁外に抜けるスリット4g、
5eが本体底部と掛止片５に一部重ねて形成され、本体周
壁外面に長孔7bに係合するピン10が突設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本縫いミシンの釜
を構成する内釜にセットして下糸ボビンを収容するボビ
ンケース、特に、下糸をボビン軸方向に引出す縦取りタ
イプのボビンケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】下糸がボビンからボビン軸方向に取出さ
れ、ボビン鍔部に沿って引出される新形式の本縫いミシ
ンにおける釜は、本出願人等によって既に開発されてい
る（特願平９−２４３４４８号）。その釜は、図２に示
すように、内釜１と、外釜２と、内釜１にセットし下糸
ボビン３を収容するボビンケース４とよりなるが、内釜
１の底部中央のスタッド１ａに装着される下糸ボビン３
は、一方のボビン鍔部３ａがボビンケース４の内径より
も小さく、他方のボビン鍔部３ｂがボビンケース４の内
径よりも大きく、且つ、内釜１の内径よりも小さくなっ
ている。そのことにより、ボビン鍔部３ａに隣接する空
間が確保されると共に、ボビン３が周方向にルーズであ
り、下糸Ｙをボビン３からボビン軸方向に取出し、ボビ
ン鍔部３ａに沿って引出すことが可能となる。図２中の
５は内釜１にボビンケース４を掛止するための掛止片、
６は内釜１からセット状態のボビンケース４を取外すた
めに掛止片５を後退させる取外しレバー、７は下糸Ｙに
張力を付与するための糸調子調節バネである。

【０００３】この釜においては、下糸Ｙの巻付け終端部
をボビン３から小径ボビン鍔部３ａの縁伝いにボビン軸
方向に取出し、小径ボビン鍔部３ａの外面に沿って孔４
ａからボビンケース４の外に引出し、掛止片５の表面に
形成された溝５ｃ、ボビンケース４の表面に形成された
溝４ｂに導いて糸調子調節バネ７へ糸掛けを行う。この
糸掛けを容易にするために、本出願人等は、図３に示す
ボビンケースを別途開発している。

【０００４】そのボビンケース４は、図３に示すよう
に、掛止片５の溝５ｃの延長線上の底部から周壁に糸引
出し方向に延びるスリット４ｃが形成され、その終端４
ｄより下糸引出し方向側に離れた位置に孔４ｅが穿設さ
れ、そのスリット４ｃの終端４ｄを覆い、孔４ｅに糸ガ
イド部７ａが臨むように糸調子調節バネ７がセットされ
たものである。

【０００５】このボビンケースにおいては、下糸を掛止
片５の表面に形成された溝５ｃに導き、下糸Ｙの端部
を、糸調子調節バネ７の糸ガイド部７ａの先端の下に潜
らせ、そのまま引くと、下糸Ｙはボビンケース４のスリ
ット４ｃ内に移動し、次いで、糸調子調節バネ７の自由
端側に引いて糸ガイド部７ａに掛け、糸掛けが終了す
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のボビンケース
は、ボビン３をボビンケース４に収容する前に、ボビン
３から取出した下糸Ｙを小さな孔４ａに通してボビンケ
ース４の外に引出さねばならず、その作業は必ずしも容
易なものではない。また、糸調子調節バネ７への糸掛け
手順も簡単なものではなく、下糸Ｙをスリット４ｃ内に
挿入しなければならなかったり、更に、そのスリット先
端部４ｄに導かなければならず、かなりの熟練が必要で
ある。そればかりか、糸通しされた下糸がスリット４ｃ
よりボビンケース４の内部を横切るので、その糸にボビ
ンから解かれる下糸がぶつかり、スムーズに引出せず、
張力変動を生じる。従って、不揃いな縫い目が形成され
ることになる。

【０００７】本発明は、本体外部への下糸の引出し及び
糸調子調節バネへの糸掛けを簡単になし得ると共に、均
整な縫い目を形成し得るミシンのボビンケースを提供す
ることを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のミシンのボビン
ケースは、内釜へ掛止するための掛止片５及び内釜から
取外すための取外しレバー６が本体底部外面に設けら
れ、本体底部及び掛止片５にそれぞれ連通する貫通孔が
形成され、それらの孔から本体周壁外に抜けるスリット
４ｇ、５ｅが本体底部と掛止片５に一部重ねて形成され
たものである。

【０００９】本発明のミシンのボビンケースは、本体周
壁外面に下糸張力付与用の糸調子調節バネ７が設けられ
ており、糸調子調節バネ７とそれに対向する本体周壁外
面の何れか一方に下糸掛止用の掛止部１０が形成された
ものである。

【００１０】掛止部１０が形成されていない方の糸調子
調節バネ７あるいは本体周壁外面に掛止部遊嵌用の遊嵌
部７ｂを形成する。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１を参照し、本発明のミシンの
ボビンケースの実施形態について説明する。ここでは、
垂直釜に装着する実施形態を説明するが、水平釜に装着
するものも、基本的には同じである。なお、従来例にお
ける部材と同じ働きをする部材には、多少の違いはあっ
ても、同符号を付している。

【００１２】このボビンケースは、碗を伏せたような形
状のボビンケース本体４を有している。その底部外面に
は、セットすべき内釜にボビンケース４を掛止するため
の掛止片５と、内釜からセット状態のボビンケースを取
外すための取外しレバー６が設けられている。また、ボ
ビンケース本体４の周壁外面には、下糸Ｙに張力を付与
するための糸調子調節バネ７が設けられている。

【００１３】ボビンケース本体４の底部中央には、孔が
形成されており（従来例の４ａに相当するもので、図１
では隠れていて見えない）、その外側の掛止片５にも、
その孔と合致する孔５ｄが形成されている。更にその外
側の取外しレバー６には、大きな窓６ａがあけられてい
る。

【００１４】ボビンケース本体４には、その凹入部４ｆ
から小さな孔４ａに至るスリット４ｇが形成されてお
り、掛止片５にもその孔５ｄに至るスリット５ｅが形成
されている。それらのスリット４ｇ、５ｅは一部分が重
なりあっている。また、ボビンケース本体４の周壁に
は、糸調子調節バネ７の自由端が臨む孔４ｅが穿設され
ている。なお、掛止片５の表面には、糸調子調節バネ７
側に延びる溝を形成してもよい。

【００１５】糸調子調節バネ７は、ネジ８によってボビ
ンケース本体４の周壁外面に固定されている。糸調子調
節バネ７の挟持圧、即ち、下糸張力は、糸調子調節ネジ
９のボビンケース本体４への締め具合によって調節する
ことができる（その調節は、糸端を引出しながら行
う）。

【００１６】糸調子調節バネ７の自由端には、糸ガイド
部７ａが設けられている。その糸ガイド部７ａは、下糸
Ｙの入り込みを保証するために、ボビンケース本体４周
壁より僅かに浮き上がっている。また、糸調子調節バネ
７の中央より糸調子調節ネジ９に寄った位置には、長手
方向に長い遊嵌部としての長孔７ｂが穿設されている。
一方、ボビンケース本体４には、その長孔７ｂに係合す
る掛止部としてのピン１０が突設されている。

【００１７】このような構成のボビンケースにおいて
は、所定量の下糸Ｙを巻いた不図示のボビンを装着し、
それに巻かれている下糸Ｙの終端部をボビンからその鍔
部の縁伝いにボビン軸方向に取出す。そして、その下糸
Ｙの終端部をスリット４ｇ内に導き、次いで、取外しレ
バー６の自由端を潜らせ、糸調子調節バネ７側に引け
ば、自然と掛止片５のスリット５ｅから中央孔４ａ、５
ｄに導かれる。その後、糸調子調節バネ７の自由端から
ボビンケース本体４と糸調子調節バネ７との隙間にピン
１０を越える位置まで引込む。それから糸調子調節バネ
７の自由端側に引っ張り、糸ガイド部７ａに掛け、糸掛
けが完了する。そして、ボビンケースを内釜に押し込ん
でセットされる。

【００１８】本実施形態では、糸調子調節バネ７に長孔
７ｂを形成し、ボビンケース４にその長孔７ｂに遊嵌す
るピン１０を突設しているが、これとは逆に糸調子調節
バネ７にピンを設け、そのピンが遊嵌する遊嵌部をボビ
ンケース４に形成しても差し支えない。なお、本実施形
態は、ピン１０が長孔７ｂに遊嵌する構成としているの
で、ピン１０に掛止された下糸がピンから外れることが
ない。また、本実施形態では、遊嵌部を貫通孔である長
孔としているが、必ずしも貫通孔である必要はなく、ピ
ンが遊嵌しさえすれば、溝でもよいし、孔の場合は丸孔
でもよい。更には、周囲を囲まれた孔でなくても、図４
に示すように、孔から一辺へと延びる切欠き７ｃとして
もよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００２０】即ち、本体外部への下糸の引出し及び糸調
子調節バネへの糸掛けを、下糸の持ち替えを行うことな
く、更に、熟練を要することなく、誰にも簡単、且つ容
易に行うことができるようになった。また、縫製張力の
変動がなく、極めて均整な縫い目を得ることが可能とな
った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のボビンケースの斜視図である。

【図２】従来の縦取り釜の図であり、（１）は平面図、
（２）は縦断面図である。

【図３】従来の縦取り釜用のボビンケースの斜視図であ
る。

【図４】本発明の他のボビンケースの斜視図である。

【符号の説明】

４ボビンケース（本体）４ｇスリット５掛止片５ｅスリット６取外しレバー７糸調子調節バネ７ｂ長孔（遊嵌部）１０ピン（掛止部）Ｙ下糸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内釜へ掛止するための掛止片及び内釜から
取外すための取外しレバーが本体底部外面に設けられ、
本体底部及び掛止片にそれぞれ連通する貫通孔が形成さ
れ、それらの孔から本体周壁外に抜けるスリットが本体
底部と掛止片に一部重ねて形成されたミシンのボビンケ
ース。
【請求項２】本体周壁外面に下糸張力付与用の糸調子調
節バネが設けられており、該糸調子調節バネとそれに対
向する本体周壁外面の何れか一方に下糸掛止用の掛止部
が形成されたミシンのボビンケース。
【請求項３】掛止部が形成されていない方の糸調子調節
バネあるいは本体周壁外面に掛止部遊嵌用の遊嵌部を形
成した請求項２に記載のミシンのボビンケース。