JPH11113921A - 非接触軸受けを用いる超音波手術装置 - Google Patents

非接触軸受けを用いる超音波手術装置

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JPH11113921A
JPH11113921A JP9320258A JP32025897A JPH11113921A JP H11113921 A JPH11113921 A JP H11113921A JP 9320258 A JP9320258 A JP 9320258A JP 32025897 A JP32025897 A JP 32025897A JP H11113921 A JPH11113921 A JP H11113921A
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oscillator
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high speed
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JP9320258A
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Yasuto Takeuchi
康人 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動系を非接触的に保持することにより超音
波損失を低減した超音波手術装置が述べられている。 【構成】 好ましい実施例の一例において、振動系を成
す振動子(11)、伝達棒(12)、刃物(13)の成
す振動系全体は前後2か所の流体軸受けにより非接触的
に保持されている。振動子(11)はその収容される筐
体(21)の内面との間にごく僅かな隙間をもって。筐
体内面には随所に圧搾空気の出入り口となる小孔(2
2)多数があり、これらの小孔のうち選択された約半数
の物から圧搾空気が吐出され、また残りの物から排出さ
れて、振動子表面と筐体内面との間に高速空気流を維持
する。振動子の側面の高速気流により半径方向の、また
その前後の端面の高速気流により軸方向の、各々の応力
に適宜耐え得る非接触支持が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この発明は超音波手術装置に関し、特に
振動系を非接触的に保持する事により音響損失やそれに
随伴する発熱などを改良した該装置に関する。超音波加
熱装置ではない、いわゆる超音波手術装置という物は、
棒状の振動伝達系の一端に刃物を配置し、また他端にポ
ルト締めランジュバン振動子などの駆動手段を配置し、
全体を共振駆動して刃物に高いレベルの超音波振動をも
たらし、これによりさもなくば大きな力や並進運動を必
要とする組織を切るもしくは破壊する作業をその様な努
力なしに容易に行わせしめる物である。
【0002】 超音波手術装置には大別して2種類の物
があり、一方は商品名キューサーと言われる超音波破砕
吸引装置より借名してキューサー型、また他方は外科医
の持つ剪刀の一般名称より借名してスカルベル型、と俗
称される。キューサー型においてはその動作は字義どお
り振動する管の先端部を目的とする生体組織にぶつけて
相手を破砕し、破片を作業液(水)の流れにより吸引除
去するという物である。一方スカルペル型においては振
動する刃先を目的物に当接せしめ、主として接触面直下
の局所の生体組織をその強制振動による局所発熱ないし
化学変化により凝固、また破断せしめるという物であ
る。
【0003】 両者は生体に対する作用の機序は本質的
に異なるが、音響学的にはかなり共通した面がある。し
かし、刃先を接触点として接触と離脱を繰り返す事が主
たる動作であるキューサー型の動作には刃先が大振幅で
動いている事が重要であるが、刃先とその手前の一部区
間において組織に接触したままで摩擦熱ないしは音響学
的損失に基づく局所発熱および関連する化学変化により
組織を凝固、変性の上、結果として機械的に脆弱化せし
めて切開するスカルペル型の動作においては、刃先の相
手に及ぼす応力ないし加速度がより重要であると考えら
れている。しかしまたこれらの事情は負荷の状況にも大
いに依存し、特に作用を及ぼさんとする目的の生体組織
が何であるかにも依存する。
【0004】 しかしながら従来の超音波手術装置にお
いては、その長大な振動系がインピーダンスフランジや
オーリングなどで接触的に保持されているので、完全な
定在波であって(定在波比(SWR)=無限大)、かつ
保持点の部位を厳密に振動の節に設定しない限り、超音
波の漏れと損失が避けられない。現実には負荷条件の変
動により節の位置や最適周波数は変化し、また振動子か
ら負荷(刃先)に向けての電力流があるので定在波比
(SWR)はある有限の値にしかならず、結果として節
においても振動がゼロにはならない。このため保持点が
節または節に近い状態になる周波数でしか振動系を駆動
できず、また保持点における超音波の漏れと損失が避け
られず、またそれに起因する発熱が大きく、また当然全
体の電力利用効率が悪く、強制冷却などの併設手段が必
要で、大掛かりな物であった。
【0005】 そこで本発明においてはこの様な節にお
ける機械的保持という思想を遮省して、節であろうとな
かろうと適宜位置において振動系に非接触的な保持を行
う事により、かかる非理想保持による損失、発熱、また
周波数選択の自由度の逸失などの問題が原理的に発生し
ない該装置を実現せんとする物である。
【0006】 この様な装置を実現するために、本発明
においては、振動系全体を非接触保持する。かかる非接
触保持の手段手法としては、気体による流体軸受けの原
理、および受動的あるいは能動的な磁気軸受けの原理が
利用できる。磁性流体を含む液体による流体軸受けは、
液体と固体の間の超音波絶縁はあまり期待できないの
で、必ずしも理想的な結果が得られないが、特にSWR
の大きな系で節の位置に限定するならば、これも有益な
手段手法である事ができる。以下図面を用いて従来例お
よびこれらの原理による本発明の好ましい実施例を説明
する。
【0007】 図1は従来例のスカルペル型超音波手術
装置における振動系の構造の概要を示す物で、これにお
いて、振動子(殆どの場合ボルト締めランジュバン振動
子)(11)それ自身は端面近傍でインピーダンスフラ
ンジ(16)により、またその端面から刃物(刃先)
(13)に至る伝達棒(12)においては略一定間隔で
オーリング(円環状のゴム)(14)により外套管(1
5)との間に機械的な保持が行われている。このため大
略60KHzにあり、これらの保持点が全て節となる所
の実用上可能な唯一の振動モードでしか稼働出来ず、ま
たSWRが有限なため節で支持しても一定の損失が避け
られない。そのため連続動作には必ずしも適さず、間欠
動作を強いられ、また強制空冷が必要で、用途も比較的
限定され、例えば腹部内視鏡手術における直視下手作業
による軟部組織の凝固切開などに専用される。
【0008】 図2は本発明 の好ましい実施例の一つ
を示す物で、これに示されているスカルペル型超音波手
術装置おいて、振動系を成す振動子(11)、伝達棒
(12)、刃物(13)の成す振動系全体は(図示せぬ
保護接地や振動子の電気的引き出し線などの導線は別と
して)前後2か所の流体軸受けにより非接触的に保持さ
れている。
【0009】 すなわち振動子(11)はその収容され
る筐体(21)の内面との間にごく僅かな隙間しかない
状態で包まれる如くに収容されている。筐体の内面の側
には随所に圧搾空気の出入り口となる小孔(22)多数
があり、これらの小孔のうち選択された約半数の物から
圧搾空気が吐出され、また残りの物から排出されて、振
動子表面と筐体内面との間に高速空気流を維持する。こ
のための給気源(25)はポンプか、もしくはボンベに
レギュレーター弁がついた物、(26)は電気ケープル
に組み合わされた高圧ホースである。給気源および排気
先の各気圧、ないし両者の差圧、もしくは全体の空気流
量を幾らにし、どの穴から空気を出し、また入れるか、
などは設計上の自由度であるが、結果として、振動子
(11)の側面の高速気流により半径方向の、また前後
の端面の高速気流により軸方向の、おのおの応力に適宜
耐え得る非接触支持が実現される。図1の例では排気側
は大気圧に解放となっているが、勿論別途独立に排気回
収路を設けても良い。
【0010】 図2の例では副次効果として、この高速
空気流により振動子の冷却が自ずと行われる、という利
点を有する。
【0011】 また図2の伝達棒(12)の先端側の非
接触支持は、伝達棒の中を貫通する貫通細孔(23)に
よりもたらされた圧搾空気を外套管(15)との間の間
隙に吐出す事で行われる。貫通細孔(23)は振動子
(11)の中も貫通しており、圧搾空気はその底面にお
いて対峙する筐体の側の孔から分流して得られる。該圧
搾空気による流体軸受け機構は、ここでは半径方向の応
力に対応する支持のみで、軸方向の応力には対応しな
い。伝達棒上の吐出し穴は円周方向に均等に少なくとも
3か所、好ましくは4〜6か所設けられ、排気は外套管
の前後両方向に逃げる。前方に(すなわち刃物の側に)
入量の空気が逃げるとこれが手術現場を不用意に加圧す
るので好ましくない場合には、図示せぬものの吐出し穴
を後方に向けて角度をつけておくとか、外套管の最先端
の、刃物との着脱自在な勘合部近傍に、ただ空気止めだ
けのために発泡プラスチックなどの柔らかい物体による
栓(17)を設けるとか、の工夫が有益である。
【0012】 この様に伝達棒の中を圧搾空気を流す
と、伝達棒の金属材料の固有の超音波損失による発熱
や、刃物における手術作業に由来する避け難い発熱によ
る過剰熱を回収、冷却する事ができるという、有益な副
次効果が得られる。
【0013】 一方、図3は本発明のまた別な好ましい
実施例を示す物で、磁気軸受けの原理を援用した非接触
保持を行う超音波手術装置の一例が示されている。これ
において、振動子(11)はその圧電素子(PZT同心
円板)(32)をネジ式に挟みつける共振子(33)
が、体積の一部あるいは全部が着磁して永久磁石となり
得る鉄系の合金(例えばアルニコなど)またはハードフ
ェライトで出来ている。またこの振動子を全体として包
む様に取り囲む筐体(21)も、同様な着磁可能な物質
で出来ている。両者の対峙する間隙におけるお互いの着
磁の分布(パターン)次第で、吸引力と反発力が総合的
につりあって、軸方向および半径方向に、また特定の方
位角に、ポテンシャルの谷を成す様にする事が出来る。
一般の磁気軸受けにおいては回転角(方位角)の方向は
趣旨に従って完全自由とするが、ここでは勝手に回られ
たのでは困るので、この方向にもポテンシャルの谷を成
す様に吸引力と反発力をつり合わせ、非接触保持機構を
成さしめる。
【0014】 この構造において、中央を安定点とする
ポテンシャルの谷を成す着磁の仕方には様々な手法があ
るが、筐体(21)の側と、共振子(33)の側とを同
時に着磁する事は出来ないので、両者を別々に着磁して
おいて強制的に嵌入せしめるとか、内部の物を先に着磁
しておいて組み立てののち、対応する必要なパターンで
外部の物を強制的に着磁する、という手法が好ましい手
法の1つである。筐体の鉄合金やハードフェライトが適
宜薄ければ、この筐体側の着磁は、筺体の外側から行う
事ができ、しかも内外物体間に適宜隙間があるから筺体
のための着磁用磁気パルスが共振子の着磁を乱す事はな
い。内部の物を先に着磁しておいて筐体内部に強制的に
嵌入せしめると、強烈な吸引力で何処かにへばりついて
しまうので、必要程度の作業用非磁性体スペーサーを嵌
入作業時には介在させておき、着磁完了の後抜去する事
が好ましい。しかしながらどの場合も着磁の手法と着磁
パターンは実施上の自由度の内である。
【0015】 同じ原理が伝達棒と外套管の間における
中立点をポテンシャルの谷とする磁気的な非接触保持の
ためにも援用できる。しかしこれらの丈が長い部品を全
面的に着磁可能な磁性体で作るのは得策でない。故に図
3においてはその先端部の伝達棒と刃物との間の小区間
においてのみこの様な磁気的な非接触保持が行われてい
る。すなわち伝達棒(12)と刃物(13)の間の小区
間に磁性金属のパイプ(34)が、また同様に対峙する
外套管の方にも磁性金属のパイプ(35)が、各々熔接
されていて、上記と同様に着磁して磁気的な非接触保持
が行われる。
【0016】 図4は本発明のまた別な好ましい実施例
を示す物で、これにおいては磁性流体による磁気シール
の原理が非接触保持のために援用されている。すなわち
振動子(11)はその駆動側の端面の近傍において適宜
着磁された磁性金属の同心円板(44)が接着されてい
て、その成す磁界が磁性流体の液滴(41)を周辺にま
つわりつかせている。同じ様に伝達棒と外套管の間にお
いても磁性金属のパイプ(45)が配置され、その成す
磁界が磁性流体の液滴(42)を周辺にまつわりつかせ
ている。これらのまつわりついている磁性流体液滴の作
用でこれらの箇所は非接触保持される。これらの磁性流
体液滴がまつわりついている場所は、もともとはインピ
ーダンスフランジやオーリングで支持していた場所であ
り、振動の節である。しかし音がほぼ筒抜けになる固体
の物体同士の接触保持よりも、液体を介した保持の方が
超音波的には十分に“絶縁”されているので、振動系に
もたらされる損失は少ない。
【0017】 また、図示せぬものの、この磁性流体液
滴は内部に着磁された永久磁石片を置かなくとも、外部
から、電流を流したコイルまたは電磁石、ないし同じく
永久磁石により誘引保持する事が出来、特にコイルによ
る場合はコイルを多数設けて電流ないしその分布を切り
替え、ないし調整する事により、そのまつわりつく位置
を微調整する事も出来る。この様にすれば負荷の変動や
採用周波数の変更に伴う節の位置の変化に適応的にある
いは自動的に対応できる。
【0018】 以上に説明された如く、本発明によれば
振動系が非接触保持されるので超音波損失が少ない、改
良された超音波手術装置が実現され、好ましい。尚、本
発明は主としてスカルペル型の超音波手術装置への応用
を日指す物であるが、これを必要な工夫の追加の下にキ
ューサー型の装置に応用する事を妨げる物ではない。同
業者、経験者ないし有識者においては本発明の応用が無
数の変形例を持ち得る事は自明の事と理解されるであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の典型例における振動系の構造の概要を
示す。
【図2】 本発明に成る好ましい実施例の一つを示す。
【図3】 本発明に成る今一つの好ましい実施例の概要
を示す。
【図4】 本発明の成る更に今一つの好ましい実施例の
概要を示す。これらにおいて、 (11) 振動子 (12) 振動
伝達棒 (13) 刃物(刃先) (14) オー
リング (15) 外套管 (16) イン
ピーダンスフランジ (17) 栓 (21) 筐体 (22) 小孔 (25) 給気
源 (26) 高圧ホース (32) 圧電
素子 (33) 共振子 (34) 磁性
金属のパイプ (35) 磁性金属のパイプ (41) 磁性
流体の液滴 (42) 磁性流体の液滴 (44) 磁性
金属の同心円板 (45) 磁性金属のパイプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動系を非接触保持した事を特徴とす
    る、超音波手術装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波手術装置におい
    て、該非接触保持の機構が高速気流による流体軸受けの
    構造を援用した物である事を特徴とする、該装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超音波手術装置におい
    て、該非接触保持の機構が磁気軸受けの構造を援用した
    物である事を特徴とする、該装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超音波手術装置におい
    て、該非接触保持の機構のための高速気流がまた振動系
    の強制空冷の役目も果す如く構成された事を特徴とす
    る、該装置。
JP9320258A 1997-10-16 1997-10-16 非接触軸受けを用いる超音波手術装置 Pending JPH11113921A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5668225B1 (ja) * 2013-08-31 2015-02-12 並木精密宝石株式会社 超音波内視鏡プローブ
WO2021167828A1 (en) * 2020-02-17 2021-08-26 Corning Incorporated Vibratory cutting apparatus and method comprising fluid bearings

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