JPH11113415A - パイプハウスのフィルム展張用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 農業用パイプハウスの骨組パイプにビニルフ
ィルムを展張するに際し、骨組からフィルムが脱落する
ことを防止し、作業を軽減する展張用具を提供する。 【解決手段】 略アーチ状パイプ２の複数を所定間隔離
間して並設してなるパイプハウス骨組１００の一方の妻
面６上部に取り付けるロールガイド具８と、パイプハウ
スの屋根の中央部に摺動自在に載置すると共に前記屋根
に被覆するフィルム２０の一端側を取り付ける手段を備
えたソリ具１０と、パイプハウス骨組１００の他方の妻
面１２上部に取り付けるプーリー具１４とからなるパイ
プハウスのフィルム展張用具において、前記ロールガイ
ド具８を、独立した２個の球体を回転自在に軸設したロ
ールガイド具頭部と、前記頭部に連結した支持部とで構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は略アーチ状のパイプ
を用いて形成した農業用パイプハウスの骨組にフィルム
を展張する際に用いる、フィルム展張用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】農業用パイプハウスは、従来略アーチ状
のパイプを複数並設してその骨組を形成した後、形成し
た骨組を覆って農業用ビニルフィルム等を展張する事に
より形成している。

【０００３】しかし、上記フィルムの展張作業は、足場
が悪く、しかも高所の作業であるので、危険である。更
に、農業人口の高齢化問題もあり、より作業性の良い展
張作業にすることが求められている。

【０００４】上記問題を解決するものとして、骨組の妻
面上部にガイドロールを取り付け、このロールを用いて
帯状に折りたたんだフィルムを屋根に引き上げた後、引
き上げたフィルムを展張する方法が提案されている（特
開平２ー２１５３１７号）。更に、骨組の妻面上部にガ
イドロールを取り付けると共に、屋根状にソリ状の牽引
スライダーを載置し、前記スライダーにフィルムの一端
側を固定した後、骨組の両側の地上からフィルムを人力
で牽引して展張する方法も提案されている（特開平６ー
１４１６９０号）。 しかし、上記の帯状に折り畳まれ
たフィルムを屋根に引き上げた後、展張する前者の方法
は、高所に於ける作業であるので、依然として危険性は
解決されていない。また、スライダーを用いる後者の方
法は、ガイドロールを用いてフィルムを送っているうち
に、徐々にフィルムがガイドロールの側方向にずれ、極
端な場合はフィルムが屋根からずり落ちることもある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、その目的とするところは、フィルム
がガイドロールから外れることなく、簡単且つ迅速にパ
イプハウス骨組にフィルムを展張することのできるパイ
プハウスのフィルム展張用具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、〔１〕 略アーチ状パイプの複数を所定間
隔離間して並設してなるパイプハウス骨組の一方の妻面
上部に取り付けるロールガイド具と、パイプハウスの屋
根の中央部に摺動自在に載置すると共に前記屋根に被覆
するフィルムの一端側を取り付ける手段を備えたソリ具
と、パイプハウス骨組の他方の妻面上部に取り付けるプ
ーリー具とからなるパイプハウスのフィルム展張用具に
おいて、前記ロールガイド具が、独立した２個の球体を
回転自在に軸設したロールガイド具頭部と、前記頭部に
連結した支持部とからなることを特徴とするパイプハウ
スのフィルム展張用具を提案するもので、〔２〕
〔１〕のパイプハウスのフィルム展張用具には、パイプ
ハウス骨組が、その側面にフィルム案内用ガイドレール
を具備してなるものであることを含む。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例につき、詳細に説明する。

【０００８】図１は、パイプハウスの骨組に本発明パイ
プハウスのフィルム展張用具を取り付け、フィルムを展
張している状態の一例を示す側面図である。

【０００９】図１中、２は略アーチ状パイプで、複数本
（本図では７本）を所定の間隔離間して立設したもので
ある。前記アーチ状パイプ２の中央最上部には前記複数
のパイプ２を連結する梁部材４が取り付けてあり、上記
構造によりパイプハウスの骨組１００を構成してある。

【００１０】前記骨組１００の、一方の妻面６の中央最
上部には、ロールガイド具８が掛止してある。

【００１１】前記パイプハウスの骨組１００上（屋根に
相当する部分）には梁部材４に沿って摺動自在にソリ具
１０を載置してある。

【００１２】また、前記パイプハウスの骨組１００の他
方の妻面１２の中央最上部には、プーリー具１４が取り
付けてある。

【００１３】ソリ具１０には牽引ロープ１６の一端が連
結してあり、牽引ロープの他端は前記プーリー具１４を
経由して牽引手段１８に連結してある。

【００１４】２０は、骨組１００を覆うフィルムで、不
図示のフィルムロールから繰り出したフィルム２０の先
端は前記ソリ具１０に固定してある。従って、牽引手段
１８を作動させることにより、前記フィルム２０は前記
ロールガイド具８の、後述する球体からなるロール２２
の案内によって、骨組１００の上部に引き上げられ、順
次骨組１００上面を覆っていくものである。

【００１５】図２は、ロールガイド具８を示すものであ
る。このロールガイド具８は、一端側を折り返した折り
返し部を有する２本の支持部３０、３２と、前記支持部
３０、３２の折り返し部３１、３３間に、取り付け軸３
４によって取り付けた２個の球体３６、３８からなるロ
ールガイド頭部とで構成してある。前記球体３６、３８
は、それぞれ独立して回転自在に、取り付け軸３４で軸
支してある。このように、２個の球体をそれぞれ独立し
て回転自在に取り付け軸３４により取り付けることは、
本発明の重要な特徴であり、このように構成することに
より、フィルムを展張する際、フィルムがロールガイド
具８からパイプハウス側面にずり落ちることなく、フィ
ルムを展張できるものである。

【００１６】前記支持部３０、３２の一端は略Ｕ字状に
開口した分岐部４２を形成しており、この分岐部４２を
妻面のアーチ状パイプにはめ込むことにより、ロールガ
イド具８をパイプハウスの妻面に確実、かつ簡単に固定
することができるものである。

【００１７】図３は、プーリー具１４を示すものであ
る。プーリー５０は回転自在に支持板５２、５４に軸支
してあり、前記支持板５２、５４はそれぞれ取り付け部
材５６、５８を介して、パイプハウスの骨組１００の上
部パイプ６０に取り付ける。

【００１８】６２は、プーリー５０の上部を覆うロープ
カバーで、これにより牽引ロープがプーリー５０の溝部
から外れることを防止している。なお、６４は後部取り
付け金具で、この金具６４により、プーリー６２はパイ
プハウスの梁部材４に更に確実に固定できるものであ
る。

【００１９】図４は、ソリ具１０を示すものである。ソ
リ具１０は先端側が曲がった複数（本図においては４
本）の縦パイプ６６、６８、７０、７２と、中央を略Ｖ
字状に形成した複数（本図においては３本）の横パイプ
７４、７６、７８を縦横格子状に組み合わせて形成した
もので、全体として逆Ｖ状の屋根型をしている。このソ
リ具１０は、その逆Ｖ字状のくぼみがパイプハウス骨組
の梁部材４を跨ぐようにして、梁部材の長手方向に摺動
自在に載置してある。なお、前記横パイプ７４は他の横
パイプ７６、７８よりも多少長く、これに前記フィルム
２０を取り付けるものである。取り付け方法は特に制限
が無いが、合成樹脂でＣ字状に形成したパッカーでフィ
ルムを横パイプに挟み込む方法が、簡単で好ましい。な
お、８０は牽引ロープで、これによりソリ具１０を矢印
Ｘの方向に牽引するものである。

【００２０】牽引手段１８は特に制限が無く、人力、そ
の他いずれのものを使用しても良いが、耕耘機、トラク
ター等の農業用機械を用いることが好ましい。これらの
機械は、一般農家における汎用機械であり、これらを牽
引手段として用いることは、設備投資費用節減効果が大
きいものである。

【００２１】次に、上記パイプハウスのフィルム展張器
具を用いて、パイプハウス骨組にフィルムを展張する場
合につき、図１を参照しながら説明するまず、ロールガ
イド具８の分岐部４２（図２参照）を、パイプハウスの
一方の妻面上部の骨組パイプに掛止する。また、ソリ具
１０を一方の妻面６に近い梁部材４に跨らせる。次い
で、ソリ部材１０に牽引ロープ１６の一端を結びつける
と共に、結びつけた牽引ロープ１６をプーリー具１５の
溝を通過させ、更に牽引ロープ１６の他端を牽引手段１
８に連結する。その後、フィルムロール（不図示）から
繰り出したフィルム２０をロールガイド具８のロール２
２の上面を通り、ソリ具１０に導き、前記ソリ具１０の
横パイプ７４（図４参照）に、フィルム２０の先端をパ
ッカーを用いて取り付ける。

【００２２】その後、牽引手段１８を作動させることに
より、フィルム２０は徐々に骨組１００の上部に引き上
げられる。ソリ具１０が他方の妻面１２近くにまで引き
寄せられたとき、牽引手段１８を停止させ、これにより
フィルム２０の展張工程は完了する。更に、必要に応じ
てフィルムを骨組に固定する工程を行う。

【００２３】なお、フィルムの展張は上記方法により確
実に行うことができるものであるが、更に、展張時に骨
組から垂下しているフィルム２０の両縁部を人が手で支
えて展張作業を行う場合には、フィルム２０を骨組１０
０の上に確実に展張でき、好ましいものである。

【００２４】図５は本発明の他の実施態様を示すもので
ある。即ち、図５（Ａ）は展張時にフィルムが骨組１０
０から落ちることを確実に防止するために、骨組１００
の両側面にフィルムガイドレール８０を設けたものであ
る。このガイドレール８０は、図５（Ｂ）に示すよう
に、断面がほぼＣ字状のレールであり、このレール内に
摺動自在に挿入した摺動子８２にフィルム２０の縁部を
連結することにより、前述のように人の手でフィルム縁
部を支える手間を完全に省略することができるものであ
る。

【００２５】上記実施例において、ロールガイド具８の
支持部３０、３２は所定長さに形成したが、これに限ら
れず、支持部３０に径の異なるパイプをはめ込み、これ
により支持部３０、３２の長さを可変にするようにして
もよい。また支持部３０、３２を２本のパイプで形成し
たが、支持部をＹ字状に形成し、Ｙ字状の分岐部先端に
球体３６、３８を軸支するようにしても良く、その他本
発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形しても差し支
えない。

【００２６】

【発明の効果】本発明のパイプハウスのフィルム展張用
具は上記のように構成したので、フィルムを展張する際
に、フィルムを正確に骨組上面に展張でき、骨組からず
り落ちることを防止する。このため従来フィルムが骨組
からずり落ちることを防止するため、展張中にフィルム
の両側部を２人が保持している必要が無くなり、作業が
軽減化される。また、ソリ具は牽引手段により牽引する
ので、作業が軽減化される等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図である。

【図２】本発明の実施例で使用するロールガイド具の、
（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図である。

【図３】本発明の実施例で使用するプーリー具の、
（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面図である。

【図４】本発明の実施例で使用するソリ具の概略斜視図
である。

【図５】（Ａ）は本発明の他の実施例を示す概略斜視
図、（Ｂ）は該実施例で用いたフィルムガイドレールの
拡大斜視図である。

【符号の説明】

２ アーチ状パイプ ４ 梁部材 ６ 一方の妻面 ８ ロールガイド具 １０ ソリ具 １２ 他方の妻面 １４ プーリー具 １６ 牽引ロープ １８ 牽引手段 ２０ フィルム ２２ ロール ３０、３２ 支持部 ３４ 取り付け軸 ３６、３８ 球体 ４０ ロールガイド頭部 ４２ 分岐部 ５０ プーリー １００ 骨組

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略アーチ状パイプの複数を所定間隔離間
   して並設してなるパイプハウス骨組の一方の妻面上部に
   取り付けるロールガイド具と、パイプハウスの屋根の中
   央部に摺動自在に載置すると共に前記屋根に被覆するフ
   ィルムの一端側を取り付ける手段を備えたソリ具と、パ
   イプハウス骨組の他方の妻面上部に取り付けるプーリー
   具とからなるパイプハウスのフィルム展張用具におい
   て、前記ロールガイド具が、独立した２個の球体を回転
   自在に軸設したロールガイド具頭部と、前記頭部に連結
   した支持部とからなることを特徴とするパイプハウスの
   フィルム展張用具。
2. 【請求項２】 パイプハウス骨組が、その側面にフィル
   ム案内用ガイドレールを具備してなるものである請求項
   １に記載のパイプハウスのフィルム展張用具。