JPH11108904A - 原子燃料用被覆管の超音波探傷装置 - Google Patents

原子燃料用被覆管の超音波探傷装置

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JPH11108904A
JPH11108904A JP9272462A JP27246297A JPH11108904A JP H11108904 A JPH11108904 A JP H11108904A JP 9272462 A JP9272462 A JP 9272462A JP 27246297 A JP27246297 A JP 27246297A JP H11108904 A JPH11108904 A JP H11108904A
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JP
Japan
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probe
nuclear fuel
cladding tube
micro
flaw
Prior art date
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Application number
JP9272462A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamagishi
岸 博 山
Tokio Morishita
下 登貴雄 森
Tadashi Ishiwatari
渡 正 石
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Global Nuclear Fuel Japan Co Ltd
Original Assignee
Japan Nuclear Fuel Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小傷の発生角度如何にかかわらず、常に安
定した検出精度を得ること。 【解決手段】ボールネジ14はステップモータ17によ
り回転され、ホルダ16に支持された探触子7は支持脚
12,13の間の10mmの区間を往復動する。回転され
ている原子燃料用被覆管1の周面に対して、往復動して
いる探触子7が超音波を発射すれば、微小傷に対して種
々の角度で超音波が当てられることになり、微小傷の発
生角度がどのようなものであっても、この微小傷が10
mmの区間付近を通り過ぎるまでに、最も良好な検出感度
を有する時点が現れることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周方向に回転され
ながら軸方向に送り出される原子燃料用被覆管の表面に
超音波を当て、この超音波の反射波の解析に基づいて被
覆管表面の微小傷の有無を検査する、原子燃料用被覆管
の超音波探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子燃料用被覆管は、内部に核燃料ペレ
ットが封入されて原子炉内に配設されるジルコニウム合
金製の薄肉管であり、外径が約1cm、肉厚が約1m
m、長さが約4mの寸法を有するものである。この原子
燃料用被覆管は、その用途の故に、傷等の欠陥の存在は
許されず、たとえ微小な傷であっても原子炉の重大故障
につながる虞れがあるために、表面の微小傷の有無につ
いての検査が厳格に行われ、被覆管の肉厚の数パーセン
トに相当する微小傷が検出されたものは不良品と判別さ
れるようになっている。この微小傷の有無を検査するた
めに、目視検査、渦流探傷試験、超音波探傷試験等の各
種試験が実施されているが、この中でも、超音波探傷試
験が、原子燃料用被覆管の外表面及び内表面の微小傷を
検出するのに有効であることから、広範に実施されてい
る。
【0003】図9は、このような超音波探傷試験を行う
従来の超音波探傷装置の構成を示す平面図である。この
図において、原子燃料用被覆管1は、複数本が検査待ち
テーブル2上に水平に一層で並べられ、図示を省略して
あるテイクイン機構により検査ライン3に供給されるよ
うになっている。そして、原子燃料用被覆管1は、送り
装置4によりこの検査ライン3上を図の右方から左方へ
向けて送られるようになっている。
【0004】検査待ちテーブル2の左方には水槽5が設
置されており、この水槽5内には水中を通過する原子燃
料用被覆管1の表面を検査するための一対の探触子6及
び一対の探触子7が設けられている。すなわち、この超
音波探傷装置では、被検体を水に浸し、水を通して超音
波を当てる、いわゆる「水浸法」が採用されている。こ
の水浸法は、探触子の連続移動を容易に行うことができ
ること、被検体の表面に近い傷が送信パルスに隠される
ことがなくなること、探触子が被検体に直接接触しない
ので薄い探触子を用いることができること、などの長所
を有している。ここで、一対の探触子6は原子燃料用被
覆管1の微小傷の軸方向を監視するものであり、一対の
探触子7は原子燃料用被覆管1の微小傷の周方向を監視
するものである。
【0005】また、水槽5の左方には合格テーブル8及
び不合格テーブル9が設置されている。そして、合格品
と判別された原子燃料用被覆管1は、図示を省略してあ
るテイクアウト機構により合格テーブル8上に並べられ
た後に次工程へ送られるようになっており、不合格品と
判別された原子燃料用被覆管1は不合格テーブル9上に
並べられた後に処分されるようになっている。なお、詳
しい説明は省略するが、原子燃料用被覆管1は、検査ラ
イン3上を送られていく間に、外径、肉厚、及び長さ等
についての寸法検査も行われるようになっている。
【0006】図10は図9における送り装置4について
のA−A矢視図であり、図11は図10のB−B矢視図
である。これらの図に示すように、送り装置4は、原子
燃料用被覆管1の軸方向に僅かばかりずらして設置され
た一対のゴムローラ10a,10bを有しており、これ
らゴムローラ10a,10b上に原子燃料用被覆管1が
載置された状態となっている。そして、これらゴムロー
ラ10a,10bの回転により、原子燃料用被覆管1は
回転されながら、検査ライン3上を軸方向へ向けて送り
出されるようになっている。
【0007】次に、上記のように構成される従来の超音
波探傷装置の動作につき説明する。検査待ちテーブル2
上に置かれた原子燃料用被覆管1は、テイクイン機構に
より検査ライン3に供給された後、送り装置4のゴムロ
ーラ10a,10bの回転動作により、周方向に回転さ
れながら水槽5内の探触子6,7に向かって送り出され
る。そして、原子燃料用被覆管1は、探触子6により軸
方向の微小傷の有無が検査されると共に、探触子7によ
り周方向の微小傷の有無が検査された後、テイクアウト
機構により合格テーブル8上又は不合格テーブル9上に
振り分けられる。
【0008】図12は、探触子6,7のうち探触子7を
例にとり、この探触子7と微小傷1aとの関係を示した
部分断面図である。探触子7は回転中の被覆管1の表面
に向けて超音波を発射するが、被覆管1から返ってくる
表面波及び底面波のエコーと傷エコーとを分離するため
に、超音波の入射角が零度から臨界角の間のある角度に
なるように、探触子7の向きが固定されている。
【0009】一般に、超音波が媒体から被検査物質に入
る場合、超音波はそれぞれの物質内の音速の比に対応し
て屈折するが、入射角が一定であれば屈折角も被検査物
質に応じた一定角度となる。そして、回転中の被覆管1
の表面に対して超音波が発射された場合、被覆管1表面
で屈折された超音波が微小傷1aと垂直状態になった時
(図12に示す状態)に反射エコーの強度は最大とな
る。しかし、被覆管1の回転(時計方向)に伴って微小
傷1aが右方に移動すると、超音波と微小傷1aとはも
はや垂直状態にないため反射エコーは減衰し、微小傷1
aがさらに右方に移動すると探触子7は微小傷1aから
の反射エコーを検出できなくなる。
【0010】このように、被覆管1の回転に伴う微小傷
1aの位置変化に応じて探触子の検出精度が変化するた
め、軸方向監視用に2つの探触子6、周方向監視用に2
つの探触子7を設けて時計方向及び反時計方向から超音
波を発射し、微小傷1aの位置変化に伴う検出精度の低
下を補うようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来装
置では、軸方向監視用に2つの探触子6、周方向監視用
に2つの探触子7を設けて微小傷1aの位置変化に伴う
検出精度の低下を補うようにしているが、探触子6,7
は固定されており、常に同一位置から超音波を発射して
いるため、被覆管1の回転中における入射角の変化範囲
も狭いものとなり、微小傷1aの発生角度によっては、
その反射エコーを探触子6,7が検出できない場合が生
じる虞れがある。
【0012】例えば、図13に示すような微小傷1aの
場合、被覆管1の回転中において、被覆管1表面で屈折
した超音波が微小傷1aと垂直な状態になることはな
い。したがって、従来装置では、図13に示すような微
小傷1aが看過されてしまう虞れがあり、安定した検出
精度を得ることができなかった。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、微小傷の発生角度如何にかかわらず、常に安定
した検出精度を得ることが可能な原子燃料用被覆管の超
音波探傷装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項1記載の発明は、原子燃料用被覆
管を、その周方向に回転させながら、軸方向へ向けて送
り出す際に、この被覆管の表面に探触子から発射した超
音波を当て、この超音波の反射波の解析に基づき被覆管
表面の微小傷の有無を検査する、原子燃料用被覆管の超
音波探傷装置において、前記超音波を発射している状態
の探触子を、所定区間内で前記軸方向と交差する方向に
往復動させる探触子移動手段を、備えたことを特徴とす
る。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記探触子移動手段は、前記軸方向と交差
する方向に配設された長尺状のボールネジ部材及びガイ
ド部材と、前記ボールネジ部材及びガイド部材に装着さ
れ、前記探触子を支持するホルダ部材と、前記ボールネ
ジを回転駆動する駆動モータと、を有しており、前記駆
動モータが前記ボールネジを回転駆動することにより、
前記ホルダ部材に支持された前記探触子を、前記所定区
間内で前記軸方向と交差する方向に往復動させる、こと
を特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記探触子は、前記原子燃料用被覆
管の断面中心の真上の位置を基準位置とし、この基準位
置を中心として前記所定区間内を往復動するものであ
る、ことを特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、前記所定区間の長さ
は、前記探触子からの超音波の屈折角が0°から所定の
臨界角に達するまでの範囲の角度に対応する長さであ
る、ことを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の発明において、前記探触子移動手段か
らの位置情報を用いて、前記原子燃料用被覆管の表面に
存在する微小傷の角度を推定する微小傷角度推定手段
を、備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づき説明する。本発明の実施形態の全体構成は、探触子
及び探触子移動手段に関連する構成以外は、概ね図9と
同様の構成である。そして、従来装置では、微小傷の軸
方向監視用に2つの探触子6、周方向監視用に2つの探
触子7の合計4個の探触子を使用していたが、本発明に
よれば、使用する探触子の数は1個で足りる。
【0020】図1は、本発明の実施形態の要部構成を示
す説明図である。この図において、原子燃料用被覆管1
の上方には探触子移動手段11が配設されている。この
探触子移動手段11は、一対の支持脚12,13と、こ
れら支持脚12,13の間で原子燃料用被覆管1の軸方
向と垂直な方向に掛け渡されたボールネジ14及びガイ
ド棒15と、前記ボールネジ14と螺合するネジ孔及び
前記ガイド棒15を嵌挿している貫通孔を有し、探触子
7を支持しているホルダ16と、ボールネジ14を回転
駆動させてホルダ16を支持脚12,13の間で往復動
させるステップモータ17と、ステップモータ17の回
転量すなわち探触子7についての位置情報を検出するロ
ータリーエンコーダ18と、を備えている。
【0021】探触子7からの検出信号すなわち超音波の
反射エコーは、微小傷判別手段19及び微小傷角度推定
手段20に出力されるようになっている。また、ロータ
リーエンコーダ18からの位置情報は、微小傷判別手段
19に出力されるようになっている。なお、微小傷判別
手段19及び微小傷角度推定手段20は、マイクロ・コ
ンピュータにより構成されている。
【0022】微小傷判別手段19は、探触子7から入力
した信号を予め設定されている閾値と比較して、原子燃
料用被覆管1に微小傷が存在するか否かを判別するもの
であり、その判別結果を図示を省略してあるテイクアウ
ト機構あるいは表示装置等に出力するようになってい
る。また、微小傷角度推定手段20は、ロータリーエン
コーダ18からの位置情報信号と探触子7からの信号と
の入力に基づいて、原子燃料用被覆管1表面に生じてい
る微小傷の角度を推定し、その推定結果を図示を省略し
てある表示装置あるいは記憶装置等に出力するようにな
っている。
【0023】探触子7は、ホルダ16の中心部に垂直状
態に保持されており、原子燃料用被覆管1の断面中心の
真上の位置を基準位置とした場合に、この基準位置を中
心として左右に5mmずつすなわち10mmの区間を往復動
できるようになっている。回転する原子燃料用被覆管1
に対して、探触子7がこの10mmの区間内で往復動しな
がら超音波を発射するようにすれば、原子燃料用被覆管
1の微小傷に対してそれだけ多様な角度で超音波が当て
られることになるため、微小傷がどのような発生角度の
ものであったとしても、原子燃料用被覆管1の微小傷が
この10mmの区間付近を通過している間に、探触子7が
微小傷からの反射エコーを拾うことができることにな
る。ここで、探触子7が往復動可能な区間の長さを10
mmに設定した根拠につき図2を参照しつつ説明する。
【0024】図2において、探触子7の基準位置をAと
し、この基準位置Aから偏心距離Δだけずれた位置をB
とすると、探触子7が位置Bから超音波を発射したとき
の入射角iは、(1)式により求められる。なお、
(1)式中のDは原子燃料用被覆管1の外径である。
【0025】 sini=2Δ/D … (1) そして、原子燃料用被覆管1は中空部材であり、本実施
形態では超音波の透過媒体として水を使用している。し
たがって、入射角iで原子燃料用被覆管1の表面に当た
った超音波は、原子燃料用被覆管1内で屈折し、この時
の屈折角θは(2)式により求められる。なお、(2)
式中のCzrは、原子燃料用被覆管1内での音速であり、
Cw は水中での音速である。
【0026】 sinθ=(Czr/Cw )sini … (2) 入射角iを徐々に大きくしていくと、これに伴って屈折
角θも大きくなっていくが、屈折角θが臨界角を超える
と超音波は原子燃料用被覆管1内に浸透できなくなるた
め検査することができなくなる。(2)式において、C
zrを2250〔mm/sec 〕、Cw を1500〔mm/sec
〕として、屈折角θが臨界角となる入射角iを求める
と、この入射角iの値は41〔°〕となる。したがっ
て、(1)式において、Dを12.3〔mm〕として、偏
心距離Δを求めると、このΔの値は約4〔mm〕となる。
それ故、探触子7の往復動可能な区間の長さは、基準位
置Aを中心として左右に5mmずつすなわち10mmとな
る。
【0027】次に、上記のように構成される本実施形態
の動作につき説明する。まず、原子燃料用被覆管1に対
する検査を実施するのに先立ち、微小傷判別手段19の
閾値を設定しておく。この閾値設定のために、原子燃料
用被覆管1と同一寸法及び同一材質の標準管に対して、
放電加工等の技術を用いて所定の大きさの微小傷を形成
しておく。そして、この標準管の微小傷に探触子7から
の超音波を当て、その反射エコーのレベルよりやや下回
るレベルに閾値を設定しておく。
【0028】このように微小傷判別手段19の閾値が設
定された後、原子燃料用被覆管1に対し、その表面の微
小傷の有無についての検査を行う。すなわち、図9の従
来装置において説明したように、検査待ちテーブル2上
に置かれた原子燃料用被覆管1は、テイクイン機構によ
り検査ライン3に供給された後、送り装置4のゴムロー
ラ10a,10bの回転動作により、周方向に回転され
ながら水槽5内の探触子6,7に向かって送り出され
る。このとき、図1におけるボールネジ14はステップ
モータ17により回転され、ホルダ16に支持された探
触子7(及び探触子6)は支持脚12,13の間の10
mmの区間を往復動する。ゴムローラ10a,10bによ
り回転される原子燃料用被覆管1の周面に対して、10
mmの区間内で往復動している探触子7が超音波を発射す
れば、原子燃料用被覆管1に微小傷が存在する場合は、
この微小傷に対して種々の角度で超音波が当てられるこ
とになる。したがって、微小傷の発生角度如何にかかわ
らず、この微小傷が10mmの区間付近を通り過ぎるまで
に、探触子7がこの微小傷に対して最も良好な検出感度
を有する時点が現れることになり、この微小傷が看過さ
れてしまうような事態を防止することができる。
【0029】図3は、このように探触子7の最も良好な
検出感度に対応する微小傷の発生角度が変化することに
ついての説明図である。図3において、A1 は基準位置
A0(原子燃料用被覆管1の断面中心の真上の位置)か
ら偏心距離Δ1 だけずれた位置であり、i1 及びθ1 は
探触子7が位置A1 から超音波を発射したときの入射角
及び屈折角である。同様に、A2 は基準位置から偏心距
離Δ2 だけずれた位置であり、i2 及びθ2 は探触子7
が位置A2 から超音波を発射したときの入射角及び屈折
角である。したがって、探触子7が基準位置A0 から位
置A1 の間にある場合、探触子7は中心軸線L1 に垂直
な線に0〜θ1 の角度を有する微小傷に対して最も良好
な検出感度を有し、また、探触子7が位置A1 から位置
A2 の間にある場合、探触子7は中心軸線L2 に垂直な
線にθ1 〜θ2 の角度を有する微小傷に対して最も良好
な検出感度を有することになる。このように、超音波の
屈折角が臨界角に達するまで、探触子7は移動を行うの
で。微小傷の発生角度に関係なく安定した検出感度で、
この微小傷の検出を行うことができる。
【0030】図4乃至図6は、微小傷と、この微小傷の
検出信号を示した説明図である。すなわち、図4(a)
は精密な放電加工により形成された微小傷21aを有す
る標準管21を示すものであり、図4(b)はこの微小
傷21aについての検出信号S0 を示している。そし
て、微小傷判別手段19に設定される閾値Tのレベル
は、この検出信号S0 よりも低くなっている。
【0031】図5(a)は非常に小さな微小傷1a1 を
有する原子燃料用被覆管1を示すものであり、図5
(b)はこの微小傷1a1 についての検出信号S1 を示
している。検出信号S1 は閾値Tよりも小さなものであ
るため、この原子燃料用被覆管1は微小傷判別手段19
により合格と判別される。
【0032】図6(a)はある程度大きな微小傷1a2
を有する原子燃料用被覆管1を示すものであり、図6
(b)はこの微小傷1a2 についての検出信号S2 を示
している。検出信号S2 は閾値Tよりも大きなものであ
るため、この原子燃料用被覆管1は微小傷判別手段19
により不合格と判別される。
【0033】上記のような微小傷判別手段19による判
別結果は、前述したテイクアウト機構に出力され、原子
燃料用被覆管1はその判別結果に応じて合格テーブル8
又は不合格テーブル9に振り分けられる。
【0034】一方、微小傷角度推定手段20は、ロータ
リーエンコーダ18からの位置情報信号、及び探触子7
からの検出信号を入力しており、これらの信号に基づき
微小傷1aの発生角度を推定している。図7及び図8
は、探触子7の位置と、探触子7の位置変化に応じた検
出信号の変化状態を示した波形図である。すなわち、図
7(a)は探触子7が基準位置から左側(マイナス側)
に2mm移動した位置において、探触子7からの超音波が
微小傷1aに対してほぼ垂直になることを示しており、
図7(b)はこの左側に2mm移動した位置における検出
信号がピーク値であることを示している。そして、図7
(a)において、時計回り方向を正方向とした場合に、
微小傷1aの角度は、前述した(1),(2)式から、
30°であることが推定できる。
【0035】同様に、図8(a)は探触子7が基準位置
から右側(プラス側)に1mm移動した位置において、探
触子7からの超音波が微小傷1aに対してほぼ垂直にな
ることを示しており、図8(b)はこの右側に1mm移動
した位置における検出信号がピーク値であることを示し
ている。そして、図8(a)において、時計回り方向を
正方向とした場合に、微小傷1aの角度は、前述した
(1),(2)式から、−14°であることが推定でき
る。
【0036】このように、検出信号のピーク値につい
て、その付近の増減傾向を調べることにより微小傷1a
の角度を推定することができる。一般に、原子燃料用被
覆管1は、複数回の圧延により薄肉管となるが、原材料
の時点で表面に微小な欠陥が存在している場合、あるい
は圧延中に表面に微小な欠陥が発生した場合は、その後
の圧延の回数により欠陥部分の角度が変化する。したが
って、微小傷角度推定手段20による微小傷1aの角度
の推定に基づき、被覆管製造メーカーにおける傷発生原
因又は傷発生傾向等を察知することが可能となる。
【0037】ここで、本実施形態における送り装置4、
探触子7、及び探触子移動手段11等の各仕様につき具
体的数値を下記の通り紹介しておく。
【0038】 ・被覆管回転数 … 2500〔rpm 〕 ・被覆管送りピッチ … 0.5〔mm/ 回転〕 ・探触子繰り返し周波数 … 5〔kHz 〕 ・探触子サイズ … 0.5〔mm〕×3.8
〔mm〕 探触子移動手段11は、探触子7を距離10mmの区間に
おいて1秒間に5往復(スキャン回数10回)させるよ
うになっている。したがって、探触子7が10mmの区間
を1スキャンする間(0.1秒)に、被覆管が探触子7
の下で4.2回転し、探触子7が被覆管に当てる超音波
パルス数は500回となる。また、探触子7をホルダ1
6に取り付ける場合の取付方向は、0.5mmの長さを有
する面が周方向に向き、3.8mmの長さを有する面が軸
方向に向くようになっている。したがって、探触子7が
1スキャンする間にカバーし得る周方向領域は、250
mm(=500パルス×0.5mm)であり、一方、この間
に被覆管が回転によって移動する周方向距離は162.
2mm(=12.3mm×3.14×4.2回転)である。
250mm>162.2mmであるから、回転中の原子燃料
用被覆管1の全ての周方向領域を充分にカバーできるこ
とになる。また、探触子7が1スキャンする間にカバー
し得る軸方向領域は、3.8mmであり、この間に被覆管
が回転によって移動する軸方向距離は2.1mm(=4.
2〔回転〕×0.5〔mm〕)である。3.8mm>2.1
mmであるから移動中の原子燃料用被覆管1の全ての軸方
向領域を充分にカバーできることになる。
【0039】なお、上記実施形態では、ステップモータ
及びボールネジ等により探触子移動手段を構成したが、
探触子移動手段の構成は種々のものが考えられ、例え
ば、偏心カム及びLMガイドにより回転運動を往復運動
に変える構成のものも考えられる。
【0040】また、上記実施形態では、探触子の移動方
向が、原子燃料用被覆管の軸方向すなわち送り出し方向
と垂直な方向である場合につき説明したが、必ずしも送
り出し方向と垂直な方向に限定されるわけではなく、こ
の送り出し方向と種々の角度で交差する方向を含んでい
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、周方向
に回転されながら軸方向へ向けて送り出される原子燃料
用被覆管に探触子からの超音波を当てて被覆管表面の微
小傷の有無を検査する場合に、この探触子を所定区間内
で軸方向と交差する方向に往復動させる構成としている
ので、微小傷の発生角度がどのようなものであっても確
実にこの微小傷を検出することができ、常に安定した検
出精度を得ることができる。
【0042】また、従来は、探触子が固定された構成で
あったため、微小傷の位置変化に伴う検出精度の低下を
補うために複数個の探触子を必要としていたが、本発明
によれば、探触子を移動させる構成としているので、探
触子は1個のみで足りることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の要部構成を示す説明図。
【図2】図1における探触子の往復区間長設定について
の説明図。
【図3】探触子の最大検出感度と微小傷発生角度との対
応関係についての説明図。
【図4】微小傷と、この微小傷の検出信号を示した説明
図であり、(a)は放電加工により形成された微小傷を
有する標準管の一部を示す斜視図、(b)はこの微小傷
についての検出信号を示す波形図。
【図5】微小傷と、この微小傷の検出信号を示した説明
図であり、(a)は非常に小さな微小傷を有する原子燃
料用被覆管の一部を示す斜視図、(b)はこの微小傷に
ついての検出信号を示す波形図。
【図6】微小傷と、この微小傷の検出信号を示した説明
図であり、(a)はある程度大きな微小傷を有する原子
燃料用被覆管の一部を示す斜視図、(b)はこの微小傷
についての検出信号を示す波形図。
【図7】探触子の位置を示す説明図、及び探触子の位置
変化に応じた検出信号の変化状態を示した波形図であ
り、(a)は探触子が基準位置から左方の位置にある場
合の説明図、(b)は探触子がその位置付近にある場合
の検出信号の変化状態を示した波形図。
【図8】探触子の位置を示す説明図、及び探触子の位置
変化に応じた検出信号の変化状態を示した波形図であ
り、(a)は探触子が基準位置から右方の位置にある場
合の説明図、(b)は探触子がその位置付近にある場合
の検出信号の変化状態を示した波形図。
【図9】従来の超音波探傷装置の構成を示す平面図。
【図10】図9における送り装置についてのA−A矢視
図。
【図11】図10のB−B矢視図。
【図12】探触子と微小傷との関係を示す部分断面図。
【図13】探触子と微小傷との関係を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 原子燃料用被覆管 1a 微小傷 2 検査待ちテーブル 3 検査ライン 4 送り装置 5 水槽 6 探触子 7 探触子 8 合格テーブル 9 不合格テーブル 10a ゴムローラ 10b ゴムローラ 11 探触子移動手段 12 支持脚 13 支持脚 14 ボールネジ 15 ガイド棒 16 ホルダ 17 ステップモータ 18 ロータリーエンコーダ 19 微小傷判別手段 20 微小傷角度推定手段 21 標準管 21a 微小傷

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子燃料用被覆管を、その周方向に回転さ
    せながら、軸方向へ向けて送り出す際に、この被覆管の
    表面に探触子から発射した超音波を当て、この超音波の
    反射波の解析に基づき被覆管表面の微小傷の有無を検査
    する、原子燃料用被覆管の超音波探傷装置において、 前記超音波を発射している状態の探触子を、所定区間内
    で前記軸方向と交差する方向に往復動させる探触子移動
    手段を、 備えたことを特徴とする原子燃料用被覆管の超音波探傷
    装置。
  2. 【請求項2】前記探触子移動手段は、 前記軸方向と交差する方向に配設された長尺状のボール
    ネジ部材及びガイド部材と、 前記ボールネジ部材及びガイド部材に装着され、前記探
    触子を支持するホルダ部材と、 前記ボールネジを回転駆動する駆動モータと、 を有しており、前記駆動モータが前記ボールネジを回転
    駆動することにより、前記ホルダ部材に支持された前記
    探触子を、前記所定区間内で前記軸方向と交差する方向
    に往復動させる、 ことを特徴とする請求項1記載の原子燃料用被覆管の超
    音波探傷装置。
  3. 【請求項3】前記探触子は、 前記原子燃料用被覆管の断面中心の真上の位置を基準位
    置とし、この基準位置を中心として前記所定区間内を往
    復動するものである、 ことを特徴とする請求項1又は2記載の原子燃料用被覆
    管の超音波探傷装置。
  4. 【請求項4】前記所定区間の長さは、前記探触子からの
    超音波の屈折角が0°から所定の臨界角に達するまでの
    範囲の角度に対応する長さである、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の原
    子燃料用被覆管の超音波探傷装置。
  5. 【請求項5】前記探触子移動手段からの位置情報を用い
    て、前記原子燃料用被覆管の表面に存在する微小傷の角
    度を推定する微小傷角度推定手段を、備えたことを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の原子燃料用被
    覆管の超音波探傷装置。
JP9272462A 1997-10-06 1997-10-06 原子燃料用被覆管の超音波探傷装置 Pending JPH11108904A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103604866A (zh) * 2013-10-14 2014-02-26 广西南南铝加工有限公司 水浸式超声波设备板材缺陷标记装置及打标方法
KR101403838B1 (ko) * 2014-02-20 2014-06-03 주식회사 포뉴텍 핵연료봉의 초음파 검사 방법 및 시스템
JP2014122794A (ja) * 2012-12-20 2014-07-03 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 燃料棒の非破壊検査装置及び検査方法

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