JPH11108772A - ろう付け炉の温度制御方法、ろう付け装置およびシステム - Google Patents

ろう付け炉の温度制御方法、ろう付け装置およびシステム

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JPH11108772A
JPH11108772A JP26646897A JP26646897A JPH11108772A JP H11108772 A JPH11108772 A JP H11108772A JP 26646897 A JP26646897 A JP 26646897A JP 26646897 A JP26646897 A JP 26646897A JP H11108772 A JPH11108772 A JP H11108772A
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明彦 笠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう付け炉の内部温度を適正に制御する。 【解決手段】 被ろう付け体12,13の近傍に少なく
とも一部がろう材で形成されたパイロット部材31を位
置させ、パイロット部材31を監視窓48から撮像しな
がらろう付け炉33の内部温度を順次上昇させる。パイ
ロット部材31の撮像画像をデータ処理して位置変化が
検出されるとろう付け炉33の内部温度の上昇を停止さ
せて一定に保持し、一定に保持されたろう付け炉33の
内部温度を所定時間の経過後に低下させる。ろう付け炉
33の内部温度がろう付け温度に到達したことを、温度
センサ41の検出結果によらずパイロット部材31の位
置変化から正確に検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波管のろ
う付けなどに使用されるろう付け炉の温度制御方法、ろ
う付け装置およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属やセラミックからなる部材の
接合には、ろう接とも呼称されるろう付けが利用されて
おり、例えば、マイクロ波管の製造などにもろう付けが
利用されている。マイクロ波管は、人工衛星に搭載され
る部品であり、ろう付けにも極度に高度な精度が要求さ
れる。ろう付け部の信頼性を確保するためには、ろう付
けの温度と時間とを精密に管理する必要がある。
【0003】ここで、従来のろう付け装置を図5および
図6を参照して以下に説明する。ここで例示するろう付
け装置1は、図5に示すように、ろう付け炉2と温度制
御装置3とを具備しており、これらが相互に接続されて
いる。ろう付け炉2は、下部が開口した円筒状の本体4
を具備しており、この本体4の内面に発熱体5が積層さ
れている。さらに、ろう付け炉2は、本体4の内部上方
に温度センサ6の熱電対7が配置されており、この熱電
対7に接続された温度センサ6の電位差計8と発熱体5
とに温度制御装置3が接続されている。
【0004】この温度制御装置3は、シーケンスコント
ローラ9を具備しており、これが温度センサ6の電位差
計8に接続されている。シーケンスコントローラ9に
は、温度プログラマ10と温度コントローラ11とが接
続されており、この温度コントローラ11がろう付け炉
2の発熱体5にフィードバック接続されている。
【0005】温度プログラマ10には、図6に示すよう
な、ろう付け温度の制御過程がプログラムとして格納さ
れており、シーケンスコントローラ9は、温度プログラ
マ10に格納されたプログラムと温度センサ6が検出す
る温度とが整合するように温度コントローラ11で発熱
体5の発熱温度を制御する。
【0006】上述のような構造のろう付け装置1では、
例えば、一対の被ろう付け体12,13をろう材14で
ろう付けすることができる。その場合、部材支持治具1
5の上面に被ろう付け体12を載置し、その上面にろう
材14を介して被ろう付け体13を配置する。
【0007】このような被ろう付け体12,13を部材
支持手段である部材支持治具15によりろう付け炉2の
内部に配置し、図6に示すように、ろう付け炉2の内部
温度を制御する。より詳細には、温度センサ6によりろ
う付け炉2の内部温度を測定し、これが温度プログラマ
10に格納されているプログラムと整合するように、シ
ーケンスコントローラ9が温度コントローラ11により
発熱体5の発熱を制御する。
【0008】この場合、ろう付け炉2の内部は、常温T
1からろう材14の融点より所定温度だけ低温の予熱温
度T2まで加熱され、この状態で一定時間が経過する
と、ろう材14の融点より所定温度だけ高温のろう付け
温度T3まで一気に加熱される。ろう付け炉2の内部が
温度T3に到達すると、その温度の上昇が停止されて一
定に維持され、このような状態で所定時間“t1〜t2
が経過すると、ろう付け炉2の内部温度が低下される。
【0009】これでろう材14が一定のろう付け温度に
所定時間だけ保持されるので、溶融して凝固したろう材
14により一対の被ろう付け体12,13がろう付けさ
れることになる。このようにろう材14で被ろう付け体
12,13をろう付けするとき、上述のように温度と時
間とを制御すれば、ろう材14が被ろう付け体12,1
3に過剰に溶け込むこともなく、ろう材14が正常な結
晶状態に凝固する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなろう付け
装置1では、一対の被ろう付け体12,13をろう材1
4で適正にろう付けするため、ろう付けの温度と時間と
を制御している。しかし、上述のようにろう付け炉2の
内部温度を温度センサ6で検出して制御しても、実際に
は温度や時間を適正に制御することは困難である。
【0011】つまり、温度センサ6の温度測定には、ろ
う付け炉2の輻射熱などが影響するため、温度センサ6
でろう付け炉2の内部温度を正確に測定することは困難
である。また、温度センサ6は、自身の熱容量等のため
に応答性も高速でないため、ろう付け炉2の内部温度を
リアルタイムに測定することも困難である。
【0012】例えば、被ろう付け体12,13としてマ
イクロ波管をろう付けするような場合、ろう付け温度は
1000℃程度と極度に高温であるが、その予熱温度との差
分は50(℃)程度と微少であり、ろう付け温度を維持する
時間も30〜60(sec)程度と極度に短時間である。
【0013】つまり、ろう付け炉2の内部温度を予熱温
度からろう付け温度まで上昇させる場合、極度に高温の
状態で温度を微妙に制御していることになる。このた
め、温度上昇の停止タイミングが微少に変動しても、ろ
う付けの結果には多大な影響が作用して製品の性能が極
度に低下する。
【0014】例えば、ろう付け温度が適正な範囲より高
温となると、ろう材14が被ろう付け体12,13に溶
け込み、ろう材14の結晶化も正常に行われず、溶け割
れや不要なデンドライト結晶の成長が発生し、凝固した
ろう材14の内部に空洞などの欠陥が発生する。
【0015】このようなろう材14の欠陥は、数10〜数
100(μm)程度の微少なもので被ろう付け体12,13
の接合面間に位置するため、真空機密試験やX線撮影な
どでも発見することは困難である。例えば、前述のよう
に人工衛星に搭載されるマイクロ波管の場合、上述のよ
うな欠陥が内在すると、打ち上げ時の振動や真空サイク
ルおよび熱サイクル等の影響で欠陥が成長し、真空機密
が破損して動作不能となることがある。しかし、人工衛
星に搭載された部品の交換は極めて困難であるため、マ
イクロ波管などのろう付けには極度に精密な温度と時間
との制御が要求されている。
【0016】このため、従来はろう付け炉に監視窓を形
成して作業者がろう材14の状態を目視で確認し、ろう
材14の溶融が確認されると一定時間をストップウォッ
チで計測し、手動でろう付け炉2の温度を制御してい
た。しかし、これでは作業者の負担が過大であり、熟練
した作業者しか良好な製品を製造することができない。
【0017】その点、例えば、特開昭57−124585号公報
には、溶接部分をテレビカメラで撮像して温度分布が色
分けされた画像データを生成し、これを作業者がサンプ
ル画像と比較して溶接部分を監視することが開示されて
いる。特開平09−103874号公報には、溶接部分から放射
される光線を検出して画像データを生成し、その輝度か
ら作業者が溶接部分の状況を評価することが開示されて
いる。特開平07−88639号公報に開示されたろう付け装
置では、被ろう付け体をろう付けするろう材を赤外線カ
メラで撮像し、その画像データをモニタディスプレイに
表示する。
【0018】しかし、これらの公報に開示された技術
は、何れも溶接部分の監視や評価を作業者が目視で実行
するので、作業者の負担を軽減することはできない。し
かも、特開昭57−124585号公報および特開平09−103874
号公報に開示された技術は、何れも溶接を前提としてい
るのでろう付けに直接適用することは困難な部分があ
る。
【0019】例えば、マイクロ波管のろう付け温度は10
00(℃)前後と極度に高温なので、そのろう付け部分を撮
像しても明確に色分けされた画像データを生成すること
は困難である。また、画像データの輝度からろう材の溶
融状態を判定する場合、ろう材の輻射率や表面形状が結
果に多大に影響するので、同一のろう材を同一の形状で
使用する大量生産の場合には適用が有効であるが、多品
種を少量生産する場合には適用が困難である。同様に、
赤外線画像からろう材の溶融状態を判定する場合も、ろ
う材の輻射率や表面形状が結果に多大に影響するので、
やはり多品種を少量生産する場合の適用は困難である。
【0020】本発明は上述のような課題に鑑みてなされ
たものであり、作業者の負担を軽減することや、多品種
を少量生産する製品を良好にろう付けすることが可能な
ろう付け炉の温度制御方法、ろう付け装置およびシステ
ムを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の一のろう付け炉
の温度制御方法は、ろう材を介して配置された少なくと
も一対の被ろう付け体の近傍に少なくとも一部がろう材
で形成されたパイロット部材を位置させ、外部から内部
を監視できる監視窓が形成されたろう付け炉の内部に前
記被ろう付け体を前記パイロット部材とともに配置し、
前記監視窓から前記パイロット部材を監視しながら前記
ろう付け炉の内部温度を順次上昇させ、前記パイロット
部材の位置変化が確認されると前記ろう付け炉の内部温
度の上昇を停止させて一定に保持し、一定に保持された
前記ろう付け炉の内部温度を所定時間の経過後に低下さ
せるようにした。
【0022】従って、ろう付け炉の内部温度を順次上昇
させてろう材の融点より高温の所定温度で保持すると
き、少なくとも一部がろう材で形成されたパイロット部
材の位置変化に基づいてろう付け炉の内部温度の上昇を
停止させるので、温度センサの検出結果に基づいてろう
付け炉の内部温度を制御する必要がなく、被ろう付け体
をろう付けするろう材を作業者が監視する必要もない。
【0023】なお、本発明で云うパイロット部材とは、
少なくとも一部がろう材で形成されており、その溶融に
よる位置が外部から画像で確認できるものであれば良
く、例えば、全体がろう材で形成されて略鉛直に立設さ
れた棒材、全体がろう材で形成されて略水平に配置され
た片持ち梁、全体がろう材で形成されて略鉛直に垂下さ
れた重錘、基部がろう材で形成されて所定方向に配置さ
れた金属製などの部材、被ろう付け体をろう付けするろ
う材を延長した部分、等を許容する。
【0024】本発明の他のろう付け炉の温度制御方法
は、ろう材を介して配置された少なくとも一対の被ろう
付け体の近傍に少なくとも一部がろう材で形成されたパ
イロット部材を位置させ、外部から内部を監視できる監
視窓が形成されたろう付け炉の内部に前記被ろう付け体
を前記パイロット部材とともに配置し、前記監視窓から
前記パイロット部材を撮像しながら前記ろう付け炉の内
部温度を順次上昇させ、前記パイロット部材の撮像画像
をデータ処理して位置変化を検出し、前記パイロット部
材の位置変化が検出されると前記ろう付け炉の内部温度
の上昇を停止させて一定に保持し、一定に保持された前
記ろう付け炉の内部温度を所定時間の経過後に低下させ
るようにした。
【0025】従って、ろう付け炉の内部温度を順次上昇
させてろう材の融点より高温の所定温度で保持すると
き、少なくとも一部がろう材で形成されたパイロット部
材の位置変化に基づいてろう付け炉の内部温度の上昇を
停止させるので、温度センサの検出結果に基づいてろう
付け炉の内部温度を制御する必要がなく、被ろう付け体
をろう付けするろう材を作業者が監視する必要もない。
【0026】本発明のろう付け装置は、ろう材を介して
配置された少なくとも一対の被ろう付け体と少なくとも
一部がろう材で形成されたパイロット部材を相互に近接
させて支持する部材支持手段と、外部から内部を監視で
きる監視窓が形成されて前記部材支持手段により支持さ
れた前記被ろう付け体が前記パイロット部材とともに内
部に配置されるろう付け炉と、前記被ろう付け体と前記
パイロット部材とが内部に配置された前記ろう付け炉の
内部温度を順次上昇させる温度上昇手段と、前記ろう付
け炉の内部に配置された前記パイロット部材を前記監視
窓を介して外部から撮像する画像撮像装置と、該画像撮
像装置の撮像画像をデータ処理して前記パイロット部材
の位置変化を検出する画像処理装置と、該画像処理装置
が前記パイロット部材の位置変化を検出すると前記温度
上昇手段による前記ろう付け炉の内部温度の上昇を停止
させて一定に保持する温度保持手段と、該温度保持手段
により一定に保持された前記ろう付け炉の内部温度を所
定時間の経過後に低下させる温度低下手段と、を具備し
ている。
【0027】従って、ろう材でろう付けされる被ろう付
け体がパイロット部材とともに部材支持手段により支持
され、この部材支持手段により支持された被ろう付け体
がパイロット部材とともにろう付け炉の内部に配置さ
れ、このように被ろう付け体とパイロット部材とが内部
に配置されたろう付け炉の内部温度が温度上昇手段によ
り順次上昇される。このとき、ろう付け炉の内部に配置
されたパイロット部材が監視窓を介して画像撮像装置に
より外部から撮像され、その撮像画像が画像処理装置に
よりデータ処理されてパイロット部材の位置変化が検出
されると、温度保持手段により温度上昇手段によるろう
付け炉の内部温度の上昇が停止されて一定に保持され、
このように一定に保持されたろう付け炉の内部温度は所
定時間の経過後に温度低下手段により低下される。
【0028】つまり、ろう付け炉の内部温度を順次上昇
させてろう材の融点より高温の所定温度で保持すると
き、少なくとも一部がろう材で形成されたパイロット部
材の位置変化に基づいてろう付け炉の内部温度の上昇を
停止させるので、温度センサの検出結果に基づいてろう
付け炉の内部温度を制御する必要がなく、被ろう付け体
をろう付けするろう材を作業者が監視する必要もない。
【0029】なお、本発明で云う各種手段は、その機能
を実現するよう形成されていれば良く、例えば、専用の
ハードウェア、適正な機能がプログラムにより付与され
たコンピュータ、適正なプログラムによりコンピュータ
の内部に実現された機能、これらの組み合わせ、等を許
容する。
【0030】上述のようなろう付け装置における他の発
明としては、前記パイロット部材は、下部が盤状に巻回
されて上部が柱状に立設されたろう材の線材からなる。
従って、被ろう付け体の近傍に立設されるパイロット部
材が簡単な構造で形成される。
【0031】上述のようなろう付け装置における他の発
明としては、前記部材支持手段は、前記被ろう付け体が
載置される上面が形成されており、前記パイロット部材
は、柱状の上部が立設する状態で盤状の下部により前記
部材支持手段の上面に載置され、前記画像撮像装置は、
前記ろう付け炉の監視窓から前記パイロット部材の立設
した上部を撮像し、前記画像処理手段は、撮像画像にお
ける前記パイロット部材の上部の有無を検出する。
【0032】従って、部材支持手段の上面に被ろう付け
体とともにパイロット部材が載置され、このパイロット
部材の立設した上部が画像撮像装置により撮像され、そ
の撮像画像におけるパイロット部材の上部の有無が画像
処理手段により検出される。全体がろう材からなるパイ
ロット部材の上部が立設しているので、ろう付け炉の内
部温度がろう材の融点に到達するとパイロット部材の上
部が溶融して落下する。このパイロット部材の上部の有
無が画像撮像装置による撮像画像から画像処理手段によ
り検出されるので、ろう材からなるパイロット部材の溶
融による位置変化が良好に確認される。
【0033】本発明のろう付けシステムは、ろう材を介
して配置された少なくとも一対の被ろう付け体を支持す
る部材支持手段と、該部材支持手段で支持された被ろう
付け体の近傍に少なくとも一部がろう材で形成されたパ
イロット部材を配置するパイロット配置手段と、外部か
ら内部を監視できる監視窓が形成されたろう付け炉と、
前記部材支持手段を移動させて前記被ろう付け体と前記
パイロット部材とを前記ろう付け炉の内部に位置させる
部材搬送機構と、前記被ろう付け体と前記パイロット部
材とが内部に配置された前記ろう付け炉の内部温度を順
次上昇させる温度上昇手段と、前記ろう付け炉の内部に
配置された前記パイロット部材を前記監視窓を介して外
部から撮像する画像撮像装置と、該画像撮像装置の撮像
画像をデータ処理して前記パイロット部材の位置変化を
検出する画像処理装置と、該画像処理装置が前記パイロ
ット部材の位置変化を検出すると前記温度上昇手段によ
る前記ろう付け炉の内部温度の上昇を停止させて一定に
保持する温度保持手段と、該温度保持手段により一定に
保持された前記ろう付け炉の内部温度を所定時間の経過
後に低下させる温度低下手段と、を具備している。
【0034】従って、ろう材でろう付けされる被ろう付
け体が部材支持手段により支持され、この部材支持手段
で支持された被ろう付け体の近傍にパイロット配置手段
によりパイロット部材が配置される。このように被ろう
付け体とパイロット部材とが配置された部材支持手段が
部材搬送機構により移動されてろう付け炉の内部に位置
されると、このろう付け炉の内部温度が温度上昇手段に
より順次上昇される。このとき、ろう付け炉の内部に配
置されたパイロット部材が監視窓を介して画像撮像装置
により外部から撮像され、その撮像画像が画像処理装置
によりデータ処理されてパイロット部材の位置変化が検
出されると、温度保持手段により温度上昇手段によるろ
う付け炉の内部温度の上昇が停止されて一定に保持さ
れ、このように一定に保持されたろう付け炉の内部温度
は所定時間の経過後に温度低下手段により低下される。
【0035】つまり、ろう付け炉の内部温度を順次上昇
させてろう材の融点より高温の所定温度で保持すると
き、少なくとも一部がろう材で形成されたパイロット部
材の位置変化に基づいてろう付け炉の内部温度の上昇を
停止させるので、温度センサの検出結果に基づいてろう
付け炉の内部温度を制御する必要がなく、被ろう付け体
をろう付けするろう材を作業者が監視する必要もない。
【0036】上述のようなろう付けシステムにおける他
の発明としては、前記パイロット配置手段は、前記監視
窓の方向を前方とする前記パイロット部材の後方に背景
部材も配置する。従って、背景部材の前方に位置するパ
イロット部材が監視窓の外部から観察されるので、画像
撮像装置により背景部材の前面を背景としてパイロット
部材が撮像される。
【0037】なお、本発明で云う背景部材とは、パイロ
ット部材の観察や撮像を実行するとき、その背景として
適切な表面を具備する部材であれば良く、例えば、立設
された線材からなるパイロット部材の後方に配置される
ステンレス製の板材などを許容する。
【0038】上述のようなろう付けシステムにおける他
の発明としては、前記背景部材がL字型に形成された板
材の略鉛直に立設された上部からなり、該板材の略水平
に位置する下部の上面に前記パイロット部材が配置され
ている。従って、パイロット部材が背景部材となる板材
上に一体に配置されているので、背景部材となる板材を
パイロット部材とともに被ろう付け体の近傍に配置する
ことが一つの動作で実行され、この配置動作で背景部材
とパイロット部材との相対位置が変動することがない。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図4を参照して以下に説明する。なお、本実施の形態
に関して前述した一従来例と同一の部分は、同一の名称
を使用して詳細な説明は省略する。
【0040】図1は本実施の形態のろう付け装置を示す
模式図、図2はろう付け装置を一部とする本実施の形態
のろう付けシステムを示す斜視図、図3はろう付けシス
テムの処理動作を示すフローチャート、図4はろう付け
装置の温度制御方法を示すフローチャートである。
【0041】本実施の形態では、図1の右方および図2
の右下方を装置の前方、図1の左方および図2の左上方
を後方と呼称するが、この方向は説明を簡略化するため
に便宜的に呼称するものであり、実際の装置の設置や使
用の方向を限定するものではない。
【0042】本実施の形態のろう付け装置21は、図2
に示すように、ろう付けシステム22の一部として設け
られている。このろう付けシステム22は、一従来例と
して前述したろう付け装置1と同様に、ろう材14を介
して配置された被ろう付け体12,13を支持する部材
支持手段として部材支持治具23を具備している。この
部材支持治具23は矩形の平板状に形成されており、そ
の平坦な上面の中央に被ろう付け体12が載置される。
【0043】部材支持治具23は、水平方向に細長い部
材搬送機構24の上面に配置されており、この部材搬送
機構24により移動自在に支持されている。部材搬送機
構24の長手方向には、一端の作業開始位置25から他
端の作業終了位置26まで、パイロット配置位置27、
ろう付け処理位置28、冷却処理位置29、等が順番に
設定されている。
【0044】部材搬送機構24のパイロット配置位置2
7の上方にはパイロット配置手段であるパイロット配置
装置30が設置されており、このパイロット配置装置3
0は、部材支持治具23の上面で被ろう付け体12,1
3の近傍にパイロット部材31を載置する。
【0045】より詳細には、このパイロット部材31
は、全体がろう材の線材からなり、下部が盤状に巻回さ
れて上部が柱状に立設されている。このパイロット部材
31は、L字型に曲折されたステンレス製の板材32の
下部の上面に載置されており、パイロット部材31の後
方に位置する板材32の上部が背景部材として機能す
る。
【0046】このようにパイロット部材31が各々載置
された多数の板材32が、パイロット配置装置30の内
部に格納されており、このパイロット配置装置30は、
その下方のパイロット配置位置27に部材支持治具23
が配置されると、パイロット部材31が前方に位置する
状態で板材32を部材支持治具23の上面の前部に載置
する。
【0047】部材搬送機構24のろう付け処理位置28
から冷却処理位置29には、ろう付け炉33のハウジン
グ34が位置している。このハウジング34は、両端が
開口した横長のボックス状に形成されており、両端の入
口35と出口36とにシャッタ(図示せず)が開閉自在
に装着されている。
【0048】ろう付け炉33のハウジング34の上面に
は、ろう付け処理位置28に加熱室37の本体38が一
体に設置されており、この本体38とハウジング34と
は内部が連通している。部材搬送機構24は、上下方向
に移動自在なリフト39も具備しており、このリフト3
9が加熱室37の下方に位置している。このリフト39
は部材支持治具23を上下方向に搬送するので、被ろう
付け体12,13とともにパイロット部材31を加熱室
37の内部と外部とに移動させる。
【0049】一従来例として前述したろう付け装置1と
同様に、加熱室37の本体38は、耐熱煉瓦により下部
が開口した円筒形に形成されており、その内面には発熱
体40が積層されている。さらに、本体38の内部上方
に温度センサ41の熱電対42が配置されており、この
熱電対42に接続された温度センサ41の電位差計43
と発熱体40とに温度制御装置44が接続されている。
【0050】この温度制御装置44は、適正なプログラ
ムがソフトウェアとして実装されたマイクロコンピュー
タからなるシーケンスコントローラ45を温度制御手段
として具備しており、これが温度センサ41の電位差計
43に接続されている。シーケンスコントローラ45に
は、温度プログラマ46と温度コントローラ47とが接
続されており、この温度コントローラ47がろう付け炉
33の発熱体40にフィードバック接続されている。
【0051】ただし、本実施の形態のろう付けシステム
22のろう付け装置21では、一従来例として前述した
ろう付け装置1とは相違して、ろう付け炉33の加熱室
37の本体38の前面に監視窓48が形成されており、
この監視窓48に画像撮像装置としてCCD(Charge
Coupled Device)カメラ49が対向配置されている。
【0052】このCCDカメラ49には、適正なプログ
ラムがソフトウェアとして実装されたマイクロコンピュ
ータからなる画像処理装置50が画像処理手段として接
続されており、この画像処理装置50もシーケンスコン
トローラ45に接続されている。
【0053】CCDカメラ49は、ろう付け炉33の内
部に配置されたパイロット部材31を監視窓48を介し
て外部から撮像するので、画像処理装置50は、CCD
カメラ49の撮像画像をデータ処理してパイロット部材
31の位置変化を検出するよう設定されている。
【0054】より詳細には、前述のようにパイロット部
材31は部材支持治具23の上面に板材32の下部を介
して柱状に立設されるので、CCDカメラ49は監視窓
48からパイロット部材31の柱状の上部を撮像する。
このとき、板材32の上部はバックプレートとしてパイ
ロット部材31の上部の後方に位置するので、CCDカ
メラ49は板材32を背景としてパイロット部材31を
撮像する。このようにCCDカメラ49により板材32
を背景としてパイロット部材31の柱状の上部が撮像さ
れるので、画像処理装置50は、撮像画像におけるパイ
ロット部材31の上部の有無を検出するように設定され
ている。
【0055】本実施の形態のろう付けシステム22のろ
う付け装置21では、温度プログラマ46に格納された
制御プログラムと温度センサ41の検出結果と画像処理
装置50の処理結果とに対応してシーケンスコントロー
ラ45が温度コントローラ47によりろう付け炉33を
温度制御するので、ここに温度上昇手段と温度保持手段
と温度低下手段とが論理的に実現されている。
【0056】つまり、シーケンスコントローラ45が温
度上昇手段として機能するときは、温度センサ41の検
出結果と温度プログラマ46の制御プログラムとに対応
して温度コントローラ47により発熱体40を発熱させ
ることにより、被ろう付け体12,13とパイロット部
材31とが内部に配置されたろう付け炉33の内部温度
を順次上昇させる。
【0057】また、シーケンスコントローラ45が温度
保持手段として機能するときは、画像処理装置50の処
理結果とに対応して温度コントローラ47により発熱体
40を温度制御することにより、画像処理装置50がパ
イロット部材31の位置変化を検出すると、ろう付け炉
33の内部温度の上昇を停止させて一定に保持する。
【0058】そして、シーケンスコントローラ45が温
度低下手段として機能するときは、温度プログラマ46
の制御プログラムに対応して温度コントローラ47によ
り発熱体40を温度制御することにより、一定に保持さ
れたろう付け炉33の内部温度を所定時間の経過後に低
下させる。
【0059】なお、ろう付け炉33の入口35と出口3
6とのシャッタは、ろう付け炉33を密閉するように形
成されており、ろう付け炉33には、その内部に水素や
アンモニアなどのガスを注入するボンベや、その内部を
真空排気する真空ポンプなど(何れも図示せず)が配管
されている。
【0060】上述のような構成において、本実施の形態
のろう付けシステム22が被ろう付け体12,13をろ
う材14でろう付けする処理動作を、図3および図4を
算出して以下に順次説明する。まず、被ろう付け体12
上にろう材14を介して被ろう付け体13を配置し、こ
れを部材搬送機構24の作業開始位置25で部材支持治
具23の上面に載置する。
【0061】このような状態でろう付けシステム22に
作業開始を入力操作すると、図3に示すように、部材搬
送機構24により部材支持治具23がパイロット配置位
置27まで搬送されるので(ステップS1〜S3)、被ろ
う付け体12,13がパイロット配置装置30の下方に
配置される。
【0062】すると、パイロット配置装置30によりパ
イロット部材31が板材32とともに部材支持治具23
の前部に載置されるので(ステップS4)、図2に示すよ
うに、被ろう付け体12,13の前方に板材32を介し
てパイロット部材31が立設される。
【0063】つぎに、部材搬送機構24により部材支持
治具23がろう付け処理位置28まで搬送されてから
(ステップS5〜S7)、入口35と出口36とのシャッ
タが各々閉止される(ステップS8)。これでろう付け炉
33が密閉されて外界から遮蔽されるので、この状態で
ろう付け炉33の内部に水素などのガスが充填され(ス
テップS9)、リフト39により部材支持治具23が所
定位置まで上昇される(ステップS10)。
【0064】これで被ろう付け体12,13とパイロッ
ト部材31とがろう付け炉33の加熱室37の内部に配
置されるので、図1に示すように、板材32を背景とし
てパイロット部材31の柱状の上部がCCDカメラ49
により監視窓48から撮像される状態となり、この状態
でろう付け装置21によるろう付け処理が実行される
(ステップS11)。
【0065】より詳細には、図4に示すように、温度セ
ンサ41によりろう付け炉33の内部温度を測定しなが
ら、これが温度プログラマ46に格納されているプログ
ラムと整合するように、シーケンスコントローラ45が
温度コントローラ47により発熱体40の発熱を制御す
る。
【0066】これでろう付け炉33の内部は常温T1
らろう材14の融点より所定温度だけ低温の予熱温度T
2まで加熱されるので(ステップT1,T2)、この状態
で一定時間が経過すると(ステップT3,T4)、ろう付
け炉33の内部温度の上昇が再開される(ステップT
5)。
【0067】このとき、本実施の形態のろう付け装置2
1では、CCDカメラ49により監視窓48から板材3
2を背景としてパイロット部材31の柱状の上部が撮像
され、この撮像画像が画像処理装置50により画像処理
されてパイロット部材31の有無が検出される(ステッ
プT6)。
【0068】画像処理装置50によりパイロット部材3
1の消失が検出されると、シーケンスコントローラ45
が温度コントローラ47により発熱体40の発熱を制御
し、ろう付け炉33の内部温度の上昇を停止して一定に
保持するので(ステップT7)、これでろう付け炉33の
内部はろう材14の融点より所定温度だけ高温のろう付
け温度T3に保持される。
【0069】この状態で所定時間“t1〜t2”が経過す
ると(ステップT8)、ろう付け炉33の内部温度が低下
され(ステップT9)、ろう付け炉33の内部温度が許容
温度まで低下したことが温度センサ41の検出結果から
判定されると、ろう付け処理が終了する(ステップT1
0)。
【0070】上述のようにろう付け処理が終了すると、
図3に示すように、リフト39により部材支持治具23
が所定位置まで下降されてから(ステップS12)、入口
35と出口36とのシャッタが各々開放される(ステッ
プS13)。つぎに、部材搬送機構24により部材支持
治具23がろう付け処理位置28から冷却処理位置29
を介して作業終了位置26まで搬送されるので(ステッ
プS14〜S16)、ここにろう材14でろう付けされ
た被ろう付け体12,13が位置することになる。
【0071】本実施の形態のろう付けシステム22は、
上述のように被ろう付け体12,13をろう材14でろ
う付けすることができる。その場合、ろう付け装置21
のろう付け炉33により、被ろう付け体12,13とろ
う材14とを一定のろう付け温度に所定時間だけ保持す
るが、ろう付け炉33の内部温度がろう付け温度に到達
したことを、温度センサ41の検出結果によらずパイロ
ット部材31の位置変化から判定する。
【0072】このため、本実施の形態のろう付けシステ
ム22のろう付け装置21では、ろう付け炉33の内部
温度がろう付け温度に到達したことを正確に判定するこ
とができ、被ろう付け体12,13とろう材14とをろ
う付け温度に所定時間だけ正確に保持することができ
る。
【0073】従って、ろう材14が被ろう付け体12,
13に過剰に溶け込むこともなく、ろう材14が正常な
結晶状態に凝固するので、被ろう付け体12,13をろ
う材14で良好にろう付けすることができる。例えば、
被ろう付け体12,13としてマイクロ波管をろう付け
するような場合、ろう付け温度は1000℃程度と極度に高
温であり、このろう付け温度と予熱温度との差分は50
(℃)程度と微少であるが、このような極度の高温領域で
微妙な温度制御を正確に実行することができるので、マ
イクロ波管なども良好に製造することができる。
【0074】特に、本実施の形態のろう付けシステム2
2のろう付け装置21では、CCDカメラ49の撮像画
像を画像処理装置50が画像処理してパイロット部材3
1の位置変化を検出するので、ろう付け炉33の内部温
度がろう付け温度に到達したことを作業者が判断する必
要がない。
【0075】しかも、本実施の形態のろう付けシステム
22では、被ろう付け体12,13の近傍にパイロット
部材31を配置することもパイロット配置装置27によ
り実行され、このような一連の作業の略全体が自動化さ
れているので、作業者の負担を良好に軽減することがで
きる。
【0076】また、本実施の形態のろう付けシステム2
2のろう付け装置21では、全体がろう材からなるパイ
ロット部材31を柱状に立設させ、その上部のみCCD
カメラ49で撮像して有無を画像処理装置50で判定す
るので、パイロット部材31の溶融による位置変化を良
好に検出することができる。
【0077】しかも、パイロット部材31の背景となる
位置に板材32を配置するので、例えば、被ろう付け体
12,13の外観が複雑でも、これが画像処理装置50
の処理動作に影響することがなく、パイロット部材31
の位置変化を良好に検出することができる。
【0078】さらに、板材32はL字型に形成されてお
り、その下部の上面にパイロット部材31が設置されて
いるので、これらを一個の部品として取り扱うことがで
き、パイロット配置装置30はパイロット部材31を板
材32とともに適正な位置に簡単に配置することがで
き、この配置動作によりパイロット部材31と板材32
との相対位置が変動することもないので、画像処理装置
50の画像処理も安定に実行される。
【0079】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態ではパイロット部材31の全
体をろう材で形成することを例示したが、パイロット部
材はろう材の溶融による位置変動が撮像画像から確認で
きる構造に形成されていれば良く、例えば、ろう付け温
度で溶融しない棒材の基部をろう材で支持した構造など
も可能である。
【0080】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0081】請求項1記載の発明のろう付け炉の温度制
御方法は、ろう材を介して配置された少なくとも一対の
被ろう付け体の近傍に少なくとも一部がろう材で形成さ
れたパイロット部材を位置させ、外部から内部を監視で
きる監視窓が形成されたろう付け炉の内部に前記被ろう
付け体を前記パイロット部材とともに配置し、前記監視
窓から前記パイロット部材を監視しながら前記ろう付け
炉の内部温度を順次上昇させ、前記パイロット部材の位
置変化が確認されると前記ろう付け炉の内部温度の上昇
を停止させて一定に保持し、一定に保持された前記ろう
付け炉の内部温度を所定時間の経過後に低下させるよう
にしたことにより、順次上昇させるろう付け炉の内部温
度がろう付け温度に到達したことをパイロット部材の位
置変化で確認するので、ろう付け炉の内部温度を極度に
高温の領域で微妙に制御して被ろう付け体を良好にろう
付けすることができる。
【0082】請求項2記載の発明のろう付け炉の温度制
御方法は、ろう材を介して配置された少なくとも一対の
被ろう付け体の近傍に少なくとも一部がろう材で形成さ
れたパイロット部材を位置させ、外部から内部を監視で
きる監視窓が形成されたろう付け炉の内部に前記被ろう
付け体を前記パイロット部材とともに配置し、前記監視
窓から前記パイロット部材を撮像しながら前記ろう付け
炉の内部温度を順次上昇させ、前記パイロット部材の撮
像画像をデータ処理して位置変化を検出し、前記パイロ
ット部材の位置変化が検出されると前記ろう付け炉の内
部温度の上昇を停止させて一定に保持し、一定に保持さ
れた前記ろう付け炉の内部温度を所定時間の経過後に低
下させるようにしたことにより、順次上昇させるろう付
け炉の内部温度がろう付け温度に到達したことをパイロ
ット部材の位置変化で確認するので、ろう付け炉の内部
温度を極度に高温の領域で微妙に制御して被ろう付け体
を良好にろう付けすることができ、ろう付け炉の温度制
御が自動的に実行されるので作業者の負担を軽減するこ
とができる。
【0083】請求項3記載の発明のろう付け装置は、ろ
う材を介して配置された少なくとも一対の被ろう付け体
と少なくとも一部がろう材で形成されたパイロット部材
を相互に近接させて支持する部材支持手段と、外部から
内部を監視できる監視窓が形成されて前記部材支持手段
により支持された前記被ろう付け体が前記パイロット部
材とともに内部に配置されるろう付け炉と、前記被ろう
付け体と前記パイロット部材とが内部に配置された前記
ろう付け炉の内部温度を順次上昇させる温度上昇手段
と、前記ろう付け炉の内部に配置された前記パイロット
部材を前記監視窓を介して外部から撮像する画像撮像装
置と、該画像撮像装置の撮像画像をデータ処理して前記
パイロット部材の位置変化を検出する画像処理装置と、
該画像処理装置が前記パイロット部材の位置変化を検出
すると前記温度上昇手段による前記ろう付け炉の内部温
度の上昇を停止させて一定に保持する温度保持手段と、
該温度保持手段により一定に保持された前記ろう付け炉
の内部温度を所定時間の経過後に低下させる温度低下手
段と、を具備していることにより、順次上昇させるろう
付け炉の内部温度がろう付け温度に到達したことをパイ
ロット部材の位置変化で確認するので、ろう付け炉の内
部温度を極度に高温の領域で微妙に制御して被ろう付け
体を良好にろう付けすることができ、ろう付け炉の温度
制御が自動的に実行されるので作業者の負担を軽減する
ことができる。
【0084】請求項4記載の発明は、請求項3記載のろ
う付け装置であって、前記パイロット部材は、下部が盤
状に巻回されて上部が柱状に立設されたろう材の線材か
らなることにより、パイロット部材を位置変化が容易に
確認できる形状に簡単な構造で形成することができる。
【0085】請求項5記載の発明は、請求項4記載のろ
う付け装置であって、前記部材支持手段は、前記被ろう
付け体が載置される上面が形成されており、前記パイロ
ット部材は、柱状の上部が立設する状態で盤状の下部に
より前記部材支持手段の上面に載置され、前記画像撮像
装置は、前記ろう付け炉の監視窓から前記パイロット部
材の立設した上部を撮像し、前記画像処理手段は、撮像
画像における前記パイロット部材の上部の有無を検出す
ることにより、ろう付け炉の内部温度がろう付け温度に
到達したことを示すパイロット部材の位置変化を良好に
検出することができる。
【0086】請求項6記載の発明のろう付けシステム
は、ろう材を介して配置された少なくとも一対の被ろう
付け体を支持する部材支持手段と、該部材支持手段で支
持された被ろう付け体の近傍に少なくとも一部がろう材
で形成されたパイロット部材を配置するパイロット配置
手段と、外部から内部を監視できる監視窓が形成された
ろう付け炉と、前記部材支持手段を移動させて前記被ろ
う付け体と前記パイロット部材とを前記ろう付け炉の内
部に位置させる部材搬送機構と、前記被ろう付け体と前
記パイロット部材とが内部に配置された前記ろう付け炉
の内部温度を順次上昇させる温度上昇手段と、前記ろう
付け炉の内部に配置された前記パイロット部材を前記監
視窓を介して外部から撮像する画像撮像装置と、該画像
撮像装置の撮像画像をデータ処理して前記パイロット部
材の位置変化を検出する画像処理装置と、該画像処理装
置が前記パイロット部材の位置変化を検出すると前記温
度上昇手段による前記ろう付け炉の内部温度の上昇を停
止させて一定に保持する温度保持手段と、該温度保持手
段により一定に保持された前記ろう付け炉の内部温度を
所定時間の経過後に低下させる温度低下手段と、を具備
していることにより、順次上昇させるろう付け炉の内部
温度がろう付け温度に到達したことをパイロット部材の
位置変化で確認するので、ろう付け炉の内部温度を極度
に高温の領域で微妙に制御して被ろう付け体を良好にろ
う付けすることができ、ろう付け炉の温度制御やパイロ
ット部材の配置などが自動的に実行されるので、作業者
の負担を良好に軽減することができる。
【0087】請求項7記載の発明は、請求項6記載のろ
う付けシステムであって、前記パイロット配置手段は、
前記監視窓の方向を前方とする前記パイロット部材の後
方に背景部材も配置することにより、画像撮像装置が背
景部材の前面を背景としてパイロット部材を撮像するこ
とができるので、例えば、被ろう付け体の外観が複雑な
場合でもパイロット部材の位置変化を良好に検出するこ
とができる。
【0088】請求項8記載の発明は、請求項7記載のろ
う付けシステムであって、前記背景部材がL字型に形成
された板材の略鉛直に立設された上部からなり、該板材
の略水平に位置する下部の上面に前記パイロット部材が
配置されていることにより、背景部材となる板材をパイ
ロット部材とともに被ろう付け体の近傍に配置すること
を一つの動作で実行することができ、この配置動作で背
景部材とパイロット部材との相対位置が変動しないの
で、パイロット部材の位置変化を安定に検出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のろう付け装置を示す模
式図である。
【図2】ろう付けシステムの外観を示す斜視図である。
【図3】ろう付けシステムの処理動作を示すフローチャ
ートである。
【図4】ろう付け装置によるろう付け炉の温度制御方法
を示すフローチャートである。
【図5】一従来例のろう付け装置を示す模式図である。
【図6】ろう付け炉の温度制御のプログラムを示す特性
図である。
【符号の説明】
12,13 被ろう付け体 14 ろう材 21 ろう付け装置 22 ろう付けシステム 23 部材支持手段である部材支持治具 24 部材搬送手段である部材搬送機構 30 パイロット配置手段であるパイロット配置装置 31 パイロット部材 32 板材 33 ろう付け炉 44 温度制御装置 45 温度上昇手段、温度保持手段、温度下降手段、
等として機能するシーケンスコントローラ 48 監視窓 49 画像撮像装置であるCCDカメラ 50 画像処理手段である画像処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F27B 9/40 F27B 9/40 H01P 11/00 H01P 11/00 D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう材を介して配置された少なくとも一
    対の被ろう付け体の近傍に少なくとも一部がろう材で形
    成されたパイロット部材を位置させ、 外部から内部を監視できる監視窓が形成されたろう付け
    炉の内部に前記被ろう付け体を前記パイロット部材とと
    もに配置し、 前記監視窓から前記パイロット部材を監視しながら前記
    ろう付け炉の内部温度を順次上昇させ、 前記パイロット部材の位置変化が確認されると前記ろう
    付け炉の内部温度の上昇を停止させて一定に保持し、 一定に保持された前記ろう付け炉の内部温度を所定時間
    の経過後に低下させるようにしたろう付け炉の温度制御
    方法。
  2. 【請求項2】 ろう材を介して配置された少なくとも一
    対の被ろう付け体の近傍に少なくとも一部がろう材で形
    成されたパイロット部材を位置させ、 外部から内部を監視できる監視窓が形成されたろう付け
    炉の内部に前記被ろう付け体を前記パイロット部材とと
    もに配置し、 前記監視窓から前記パイロット部材を撮像しながら前記
    ろう付け炉の内部温度を順次上昇させ、 前記パイロット部材の撮像画像をデータ処理して位置変
    化を検出し、 前記パイロット部材の位置変化が検出されると前記ろう
    付け炉の内部温度の上昇を停止させて一定に保持し、 一定に保持された前記ろう付け炉の内部温度を所定時間
    の経過後に低下させるようにしたろう付け炉の温度制御
    方法。
  3. 【請求項3】 ろう材を介して配置された少なくとも一
    対の被ろう付け体と少なくとも一部がろう材で形成され
    たパイロット部材を相互に近接させて支持する部材支持
    手段と、 外部から内部を監視できる監視窓が形成されて前記部材
    支持手段により支持された前記被ろう付け体が前記パイ
    ロット部材とともに内部に配置されるろう付け炉と、 前記被ろう付け体と前記パイロット部材とが内部に配置
    された前記ろう付け炉の内部温度を順次上昇させる温度
    上昇手段と、 前記ろう付け炉の内部に配置された前記パイロット部材
    を前記監視窓を介して外部から撮像する画像撮像装置
    と、 該画像撮像装置の撮像画像をデータ処理して前記パイロ
    ット部材の位置変化を検出する画像処理装置と、 該画像処理装置が前記パイロット部材の位置変化を検出
    すると前記温度上昇手段による前記ろう付け炉の内部温
    度の上昇を停止させて一定に保持する温度保持手段と、 該温度保持手段により一定に保持された前記ろう付け炉
    の内部温度を所定時間の経過後に低下させる温度低下手
    段と、を具備しているろう付け装置。
  4. 【請求項4】 前記パイロット部材は、下部が盤状に巻
    回されて上部が柱状に立設されたろう材の線材からなる
    請求項3記載のろう付け装置。
  5. 【請求項5】 前記部材支持手段は、前記被ろう付け体
    が載置される上面が形成されており、 前記パイロット部材は、柱状の上部が立設する状態で盤
    状の下部により前記部材支持手段の上面に載置され、 前記画像撮像装置は、前記ろう付け炉の監視窓から前記
    パイロット部材の立設した上部を撮像し、 前記画像処理手段は、撮像画像における前記パイロット
    部材の上部の有無を検出する請求項4記載のろう付け装
    置。
  6. 【請求項6】 ろう材を介して配置された少なくとも一
    対の被ろう付け体を支持する部材支持手段と、 該部材支持手段で支持された被ろう付け体の近傍に少な
    くとも一部がろう材で形成されたパイロット部材を配置
    するパイロット配置手段と、 外部から内部を監視できる監視窓が形成されたろう付け
    炉と、 前記部材支持手段を移動させて前記被ろう付け体と前記
    パイロット部材とを前記ろう付け炉の内部に位置させる
    部材搬送機構と、 前記被ろう付け体と前記パイロット部材とが内部に配置
    された前記ろう付け炉の内部温度を順次上昇させる温度
    上昇手段と、 前記ろう付け炉の内部に配置された前記パイロット部材
    を前記監視窓を介して外部から撮像する画像撮像装置
    と、 該画像撮像装置の撮像画像をデータ処理して前記パイロ
    ット部材の位置変化を検出する画像処理装置と、 該画像処理装置が前記パイロット部材の位置変化を検出
    すると前記温度上昇手段による前記ろう付け炉の内部温
    度の上昇を停止させて一定に保持する温度保持手段と、 該温度保持手段により一定に保持された前記ろう付け炉
    の内部温度を所定時間の経過後に低下させる温度低下手
    段と、を具備しているろう付けシステム。
  7. 【請求項7】 前記パイロット配置手段は、前記監視窓
    の方向を前方とする前記パイロット部材の後方に背景部
    材も配置する請求項6記載のろう付けシステム。
  8. 【請求項8】 前記背景部材がL字型に形成された板材
    の略鉛直に立設された上部からなり、該板材の略水平に
    位置する下部の上面に前記パイロット部材が配置されて
    いる請求項7記載のろう付けシステム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050047382A (ko) * 2003-11-17 2005-05-20 주식회사 포스코 소성로의 초기 가동시 승온방법
CN102825358A (zh) * 2012-09-11 2012-12-19 宁波信远齿科器械有限公司 用于牙科车针焊接装置的自动化控制系统
CN114227175A (zh) * 2021-12-30 2022-03-25 佛山华智新材料有限公司 波导器件的制作方法、波导器件
CN115555671A (zh) * 2022-12-07 2023-01-03 西安成立航空制造有限公司 一种用于真空钎焊异型件的压紧装置

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