JPH11108154A - リミテッドスリップデフ - Google Patents

リミテッドスリップデフ

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JPH11108154A
JPH11108154A JP27263797A JP27263797A JPH11108154A JP H11108154 A JPH11108154 A JP H11108154A JP 27263797 A JP27263797 A JP 27263797A JP 27263797 A JP27263797 A JP 27263797A JP H11108154 A JPH11108154 A JP H11108154A
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differential
piston
pistons
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Noboru Ashikawa
昇 芦川
Kunihiro Osawa
国弘 大澤
Masaki Suzuki
正基 鈴木
Osamu Fujishima
修 藤島
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/12Differential gearings without gears having orbital motion
    • F16H48/14Differential gearings without gears having orbital motion with cams
    • F16H48/147Differential gearings without gears having orbital motion with cams with driven cam followers or balls engaging two opposite cams

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギアの噛み合いを利用することなく、速度お
よび入力トルクに応じた適正な差動制御を行なうことが
でき、装置の小型軽量化を図ること。 【解決手段】 デフケース2の内部に内側面に凹凸面8
が形成された一対のドライブカム7を配設するととも
に、前記各ドライブカム7の間に環状のピストンキャリ
ア9を前記デフケースと一体に回転駆動するように配設
し、前記ピストンキャリア9に形成された複数の保持孔
10の内部に先端部に前記凹凸面8に当接するボールカ
ム14を配設してなる一対のピストン13をそれぞれ配
設し、これら各ピストン13の間にわずかな間隙16を
もって各ピストン13側に往来自在となるようにオイル
15を充填したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリミテッドスリップ
デフに係り、特に、速度および入力トルクに応じて差動
制御を行なうことを可能としたリミテッドスリップデフ
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両においては、エ
ンジン等の駆動機関からトランスミッションを介して出
力される駆動力をタイヤ等の車輪側に適正に伝達するた
めのデファレンシャルが用いられている。
【0003】図4はこのような従来のデファレンシャル
を示したもので、このデファレンシャル30は、図示し
ないトランスミッションのケーシング31の内部に配設
されたデフケース32を有しており、このデフケース3
2は、軸受33により回転自在に支持されている。この
デフケース32の外周部には、トランスミッションの出
力ギアに噛合されるリングギア34が一体に固着されて
おり、前記デフケース32には、一対の車輪駆動軸3
5,35の一端がその回転軸がデフケース32の回転軸
と一致するように取付けられている。
【0004】また、デフケース32の内部には、前記各
車輪駆動軸35の端部にそれぞれ取付けられたサイドギ
ア36およびこれら各サイドギア36に噛合される一対
のピニオン37からなるデファレンシャル機構38が配
設されており、前記各ピニオン37は、デフケース32
の内部に前記車輪駆動軸35の回転軸と直交する方向に
位置決めされたピニオンシャフト39の両端部に取付け
られるようになっている。
【0005】さらに、前記デフケース32の外周には、
検出用ギア40が一体に配設されており、この検出用ギ
ア40には、スピードメータギア41が噛合されるよう
になっている。
【0006】このような従来のデファレンシャル30に
おいては、エンジン等の駆動機関からトランスミッショ
ンに伝達された駆動力は、トランスミッションの出力ギ
アからデファレンシャル30のリングギア34に伝達さ
れ、これにより、リングギア34とデフケース32とが
回転軸を中心として一体に回転し、デフケース32の内
部に配設されたデファレンシャル機構38を介して車輪
駆動軸35を駆動するようになっている。
【0007】ところで、前記デファレンシャルにおいて
は、雪道、ぬかるみ等極端に滑りやすい路面において、
走行中に片側の車輪が空転すると、車体の走行安定性を
欠いたり、停止時においては、片側の車輪が空転する
と、発進することができなくなってしまう。
【0008】このような不都合を回避するため、従来か
ら、リミテッドスリップデフが用いられており、このリ
ミテッドスリップデフは、前記デファレンシャル機構の
内部に別個の機構として設けられるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のリ
ミテッドスリップデフにおいては、デファレンシャルと
別個の機構として設けるものであるため、部品数の増加
を招き、装置の大型化を招いてしまうという問題を有し
ている。しかも、通常のデファレンシャルを用いるもの
であるため、ギアの噛み合いによるノイズが発生した
り、摩耗粉が発生してしまうという不都合を有してい
る。また、速度および入力トルクに応じて差動制御を行
なうためには、複雑な制御が必要となり、幅広いセッテ
ィングを行なうことができないという問題を有してい
る。
【0010】本発明は前記した点に鑑みてなされたもの
で、ギアの噛み合いを利用することなく、速度および入
力トルクに応じた適正な差動制御を行なうことができ、
しかも、装置の小型軽量化を図ることのできるリミテッ
ドスリップデフを提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載の発明に係るリミテッドスリップデフ
は、トランスミッションの出力回転により回転駆動され
るデフケースの内部に、一対の車輪駆動軸の端部がそれ
ぞれ接続されるドライブカムをその外側面が前記デフケ
ースの内部端面に接するように配設するとともに、これ
ら各ドライブカムの内側面に周方向に連続する凹凸面を
形成し、前記各ドライブカムの間に環状のピストンキャ
リアを前記デフケースと一体に回転駆動するように配設
し、前記ピストンキャリアに前記車輪駆動軸の軸方向と
平行な複数の保持孔を周方向に所定間隔をもって形成
し、これら各保持孔の内部に先端部に前記各ドライブカ
ムの凹凸面に当接するボールカムを配設してなる一対の
ピストンをそれぞれ配設し、これら各ピストンの間にわ
ずかな間隙をもって各ピストン側に往来自在となるよう
にオイルを充填したことを特徴とするものである。
【0012】この請求項1に記載の発明によれば、トラ
ンスミッションの出力回転によりデフケースが回転駆動
されると、ピストンキャリアも一体に回転され、この回
転力をボールカムを介してドライブカムに伝達すること
により、車輪駆動軸を駆動するようになっている。
【0013】そして、一方の車輪駆動軸に負荷がかかる
と、この車輪駆動軸に取付けられたドライブカムに負荷
がかかり、このドライブカムの凹凸面により、ボールカ
ムを押圧する力が加わるため、ボールカムを介してピス
トンを移動させようとするが、前記間隙によるオリフィ
ス効果により、保持孔の内部に速度に応じたオイルの油
圧が発生し、この油圧により、ピストン軸の移動が制限
され、速度に感応した差動制御を行なうことができる。
【0014】また、デフケースに回転力が付与される
と、ピストンキャリアがボールカムとともに回転され、
このボールカムの回転力によりボールカムが各ドライブ
カムの凹凸面の斜面に押圧力が加わり、この押圧力の分
力により、各ドライブカムに入力トルクに応じた外側に
向かう力が加わり、前記ドライブカムとデフケースの内
面との摩擦により入力トルクに感応した差動制御を行な
うことができるものである。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記各保持孔の内部ほぼ中央に、内径が小径とされ
た保持フランジを形成するとともに、この保持フランジ
に両端部に前記各ピストンが取付けられるピストン軸を
保持孔の軸方向に沿って移動自在に保持し、前記保持フ
ランジとピストン軸との間にわずかな間隙を形成し、こ
の間隙により、前記オイルが前記各ピストン側に往来で
きるようにしたことを特徴とするものである。
【0016】この請求項2に記載の発明によれば、保持
フランジとピストン軸との間にわずかな間隙を形成し、
この間隙により、前記オイルが前記各ピストン側に往来
できるようにしているので、前記間隙により適正にオリ
フィス効果を得ることができ、油圧による適正な差動制
御を行なうことができるものである。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2において、前記1つの保持孔における各ピスト
ンを、前記ピストンキャリアの周方向に互い違いにオフ
セットして配設するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0018】この請求項3に記載の発明によれば、1つ
の保持孔における各ピストンを、前記ピストンキャリア
の周方向に互い違いにオフセットして配設するようにし
ているので、前記各ドライブカムの位相がずれた場合で
も、ドライブカムの凹凸面の斜面に対して常時複数のボ
ールカムを当接させることができ、適正なトルク伝達を
行なうことができるものである。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項3におい
て、前記各保持孔のうち同一のオフセットを有するとと
もに、前記ドライブカムの凹凸面の同一傾斜面に当接す
るボールカムが装着された各保持孔同士を連通させるた
めの連通孔を形成したことを特徴とするものである。
【0020】この請求項4に記載の発明によれば、各保
持孔のうち同一のオフセットを有するとともに、ドライ
ブカムの凹凸面の同一傾斜面に当接するボールカムが装
着された各保持孔同士を連通させるための連通孔を形成
するようにしているので、ボールカム、ピストン等の組
立時における高さ位置調整等を行なうことなく、各保持
孔の内部のオイルの圧力を等しくすることができ、差動
制御時に均一なトルク伝達を行なうことができるもので
ある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1から図3を参照して説明する。
【0022】図1および図2は本発明に係るリミテッド
スリップデフの実施の一形態を示したもので、本実施形
態のリミテッドスリップデフ1は、図示しないトランス
ミッションのケーシングの内部に配設されたデフケース
2を有しており、このデフケース2は、テーパ軸受3に
より回転自在に支持されている。このデフケース2の外
周部には、トランスミッションの出力ギア(図示せず)
に噛合されるリングギア4がデフケース2の回転軸と平
行な方向に締付けられるボルト5により一体に固着され
ており、前記デフケース2には、一対の車輪駆動軸6,
6の一端がその回転軸がデフケース2の回転軸と一致す
るように配設されている。
【0023】また、デフケース2の内部であって前記各
車輪駆動軸6の端部には、それぞれ環状のドライブカム
7,7がその外側面が前記デフケース2の内部端面に接
するように取付けられており、これら各ドライブカム7
の内側面には、周方向に連続する凹凸面8が形成されて
いる。また、前記デフケース2の内部の前記各ドライブ
カム7の間には、環状のピストンキャリア9が配設され
ており、このピストンキャリア9は、その一部が前記デ
フケース2の内面に係合されて前記デフケース2と一体
に回転駆動されるようになされている。このピストンキ
ャリア9には、前記車輪駆動軸6の軸方向と平行に延在
する複数の保持孔10が周方向に所定間隔をもって形成
されており、この保持孔10の内部中央には、内径が小
径とされた保持フランジ11が形成されている。さら
に、この保持フランジ11には、ピストン軸12が保持
孔10の軸方向に沿って移動自在に保持されており、こ
のピストン軸12の両端部には、外周面が前記保持孔1
0の内面に摺接する一対のピストン13がそれぞれ取付
けられている。これら各ピストン13の先端部には、前
記ドライブカム7の凹凸面8にころがり接触するように
当接される球状のボールカム14が配設されている。
【0024】また、図3に示すように、前記各ピストン
13は、ピストン軸12に対してピストンキャリア9の
周方向に互い違いにオフセットされており、本実施形態
においては、一方向にオフセットされたピストン13と
他方向にオフセットされたピストン13とをそれぞれ周
方向に2つずつ交互に配置するようになっている。ボー
ルカム14は、ドライブカム7の凹凸面8の斜面に当接
することにより、適正なトルク伝達を行なうことができ
るものであるが、本実施形態のようにピストン軸12に
対して各ピストン13をオフセットして取付けることに
より、前記各ドライブカム7の位相がずれた場合でも、
ドライブカム7の凹凸面8の斜面に対して常時複数のボ
ールカム14を当接させることができるものである。な
お、本実施形態においては、上記ピストン13は、オフ
セット方向の異なるピストン13を周方向に2つずつ交
互に配置するようにしたが、この配置に限定されるもの
ではなく、ドライブカム7の凹凸面8の凹凸の数、傾斜
角度等の要素に応じて、1つずつあるいは3つ以上毎に
交互に配置するようにしてもよい。
【0025】また、前記保持孔10の内部であって前記
保持フランジ11を挟んでピストン13の間部分には、
オイル15が充填されており、本実施形態においては、
前記保持フランジ11とピストン軸12との間には、わ
ずかな間隙16が形成されており、この間隙16によ
り、前記オイル15は、前記保持フランジ11の両側に
往来できるようになされている。さらに、本実施形態に
おいては、前記各保持孔10のうち同一のオフセットを
有するとともに、ドライブカム7の凹凸面8の同一傾斜
面に当接するボールカム14が装着された各保持孔10
同士を連通させるための連通孔17が形成されており、
この連通孔17により、各保持孔10の内部のオイル1
5の圧力を等しくするようになっている。
【0026】さらに、本実施形態においては、前記デフ
ケース2の外周には、速度検出用ギア18が形成されて
おり、この速度検出用ギア18には、デフケース2の回
転数を取出すスピードメータギア19が噛合されるよう
になっている。
【0027】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0028】本実施形態においては、エンジン等の駆動
機関からトランスミッションに伝達された駆動力は、ト
ランスミッションの出力ギアからリミテッドスリップデ
フ1のリングギア4に伝達され、これにより、リングギ
ア4とデフケース2とが回転軸を中心として一体に回転
する。このデフケース2の回転により、ピストンキャリ
ア9も一体に回転され、この回転力をボールカム14を
介してドライブカム7に伝達することにより、車輪駆動
軸6を駆動するようになっている。
【0029】そして、一方の車輪駆動軸6に負荷がかか
ると、この車輪駆動軸6に取付けられたドライブカム7
に負荷がかかり、このドライブカム7の凹凸面8によ
り、ボールカム14を押圧する力が加わる。そのため、
ボールカム14を介してピストン13およびピストン軸
12を移動させようとするが、前記オイル15の油圧に
より、ピストン軸12の移動が制限されることになる。
【0030】すなわち、車輪駆動軸6の回転速度が速い
と、ドライブカム7の凹凸面8を介してボールカム14
に大きい力が加わるため、ピストン軸12が移動しよう
とした場合に、前記保持フランジ11に形成された間隙
16によるオリフィス効果により、保持孔10の前記力
が加わったボールカム14側の内部に大きい油圧が発生
し、これにより、ピストン軸12の移動が大きく制限さ
れることになる。一方、車輪駆動軸6の回転速度が遅い
と、ドライブカム7の凹凸面8を介してボールカム14
に加わる力が小さいため、オリフィス効果も小さく、保
持孔10の内部の油圧も小さくなり、これにより、ピス
トン軸12の移動の制限も小さくなる。このように本実
施形態においては、車輪駆動軸6の回転速度に応じてピ
ストン軸12の移動の制限を変化させることができるの
で、速度に感応した差動制御を行なうことができる。
【0031】この場合に、本実施形態においては、連通
孔17を設けるようにしているので、ボールカム14、
ピストン13、ピストン軸12の組立時における高さ位
置調整等を行なうことなく、各保持孔10の内部のオイ
ル15の圧力を等しくすることができ、差動制御時に均
一なトルク伝達を行なうことができる。
【0032】また、デフケース2に回転力が付与される
と、ピストンキャリア9がボールカム14とともに回転
され、このボールカム14の回転力によりボールカム1
4が各ドライブカム7の凹凸面8の斜面に押圧力が加わ
り、この押圧力の分力により、各ドライブカム7に入力
トルクに応じた外側に向かう力が加わり、前記ドライブ
カム7とデフケース2の内面との摩擦により入力トルク
に感応した差動制御を行なうことができる。このとき、
リングギア4を介してデフケース2に入力される入力ト
ルクが大きい場合は、ドライブカム7に加わる分力が大
きいため、前記ドライブカム7とデフケース2の内面と
の摩擦力が大きくなる。逆に、入力トルクが小さいと、
ドライブカム7に加わる分力が小さいことから、前記ド
ライブカム7とデフケース2の内面との摩擦力が小さく
なる。
【0033】この場合に、例えば、粘性等オイル15の
特性を変化させたり、前記保持フランジ11の間隙16
の寸法を変化させることにより、速度に応じた差動制御
特性を変化させることが可能である。
【0034】さらに、ドライブカム7のカム面の傾斜角
度を変化させることにより、トルクバイアスレシオを変
更することができ、また、前記ドライブカム7の外側面
あるいは前記デフケース2の内部端面の表面粗さを変化
させて、ドライブカム7とデフケース2とが接触する場
合の摩擦力を変化させることにより、トルクバイアスレ
シオを変更することができる。さらに、前記ドライブカ
ム7の外側面あるいは前記デフケース2の内部端面の研
磨目等の形状に方向性を持たせることにより、左右旋回
時や加減速時におけるトルクバイアスレシオを変更する
ことができる。
【0035】したがって、本実施形態においては、車輪
駆動軸6の回転速度に応じてピストン軸12の移動の制
限を変化させることができるので、速度に感応した差動
制御を行なうことができるとともに、ドライブカム7に
加わる分力により、前記ドライブカム7とデフケース2
の内面との摩擦力を変化させることができるので、入力
トルクに感応した差動制御を行なうことができる。その
結果、極端に滑りやすい路面において片車輪がスリップ
した場合等のように、入力トルクがわずかしか伝達でき
ない場合でも、発進性および走行安定性を高めることが
でき、さらに、高速時の直進安定性、コーナリング時に
おける姿勢コントロール性を高めることができる。
【0036】また、ボールカム14を用いてドライブカ
ム7に対するころがり接触によりトルク伝達を行なうよ
うにしているので、常にフリクションが発生し、バック
ラッシュを除去してノイズの発生を著しく低減させるこ
とができ、しかも、機構の動作時に摩耗粉の発生が少な
いので、例えば、異物を嫌うオートマチックトランスミ
ッションにも内蔵することが可能となる。
【0037】さらに、オイル15の特性、保持フランジ
11とピストン軸12との間隙16の寸法、ドライブカ
ム7の凹凸面8の傾斜角度、ドライブカム7とデフケー
ス2との摩擦力等を変更することにより、幅広いセッテ
ィングが可能である。
【0038】しかも、従来のように、デファレンシャル
とリミテッドスリップデフ1とを別個の機構として設け
るものでないため、構造が簡単であり、製造が容易で、
しかも、装置の小型軽量化を図ることができる。
【0039】なお、本発明は前記実施形態のものに限定
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように請求項1に記載の発明
に係るリミテッドスリップデフは、速度および入力トル
クに感応した差動制御を行なうことができるので、極端
に滑りやすい路面においても、発進性および走行安定性
を高めることができ、さらに、高速時の直進安定性、コ
ーナリング時における姿勢コントロール性を高めること
ができる。また、ボールカムを用いてドライブカムに対
するころがり接触によりトルク伝達を行なうようにして
いるので、ノイズの発生を著しく低減させることがで
き、しかも、機構の動作時に摩耗粉の発生が少なくする
ことができる。さらに、オイルの特性、間隙寸法、ドラ
イブカムの凹凸面の傾斜角度、ドライブカムとデフケー
スとの摩擦力等を変更することにより、幅広いセッティ
ングが可能である。しかも、従来のように、デファレン
シャルとリミテッドスリップデフとを別個の機構として
設けるものでないため、構造が簡単であり、製造が容易
で、しかも、装置の小型軽量化を図ることができる。
【0041】請求項2に記載の発明は、保持フランジと
ピストン軸との間にわずかな間隙を形成し、この間隙に
より、前記オイルが前記各ピストン側に往来できるよう
にしているので、前記間隙により適正にオリフィス効果
を得ることができ、油圧による適正な差動制御を行なう
ことができる。
【0042】請求項3に記載の発明は、各ピストンを互
い違いにオフセットして配設するようにしているので、
各ドライブカムの位相がずれた場合でも、ドライブカム
の凹凸面の斜面に対して常時複数のボールカムを当接さ
せることができ、適正なトルク伝達を行なうことができ
る。
【0043】請求項4に記載の発明は、連通孔により、
ボールカム、ピストン等の組立時における高さ位置調整
等を行なうことなく、各保持孔の内部のオイルの圧力を
等しくすることができ、差動制御時に均一なトルク伝達
を行なうことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るリミテッドスリップデフの実施
の一形態を示す断面図
【図2】 図1に示すリミテッドスリップデフの側面図
【図3】 本発明のリミテッドスリップデフのドライブ
カムと各ボールカムとの関係を示す説明図
【図4】 従来のデファレンシャルを示す断面図
【符号の説明】
1 リミテッドスリップデフ 2 デフケース 6 車輪駆動軸 7 ドライブカム 8 凹凸面 9 ピストンキャリア 10 保持孔 11 保持フランジ 12 ピストン軸 13 ピストン 14 ボールカム 15 オイル 16 間隙 17 連通孔
フロントページの続き (72)発明者 藤島 修 東京都西多摩郡瑞穂町高根字山下277 柳 河精機株式会社テクニカルセンター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションの出力回転により回
    転駆動されるデフケースの内部に、一対の車輪駆動軸の
    端部がそれぞれ接続されるドライブカムをその外側面が
    前記デフケースの内部端面に接するように配設するとと
    もに、これら各ドライブカムの内側面に周方向に連続す
    る凹凸面を形成し、前記各ドライブカムの間に環状のピ
    ストンキャリアを前記デフケースと一体に回転駆動する
    ように配設し、前記ピストンキャリアに前記車輪駆動軸
    の軸方向と平行な複数の保持孔を周方向に所定間隔をも
    って形成し、これら各保持孔の内部に先端部に前記各ド
    ライブカムの凹凸面に当接するボールカムを配設してな
    る一対のピストンをそれぞれ配設し、これら各ピストン
    の間にわずかな間隙をもって各ピストン側に往来自在と
    なるようにオイルを充填したことを特徴とするリミテッ
    ドスリップデフ。
  2. 【請求項2】 前記各保持孔の内部ほぼ中央に、内径が
    小径とされた保持フランジを形成するとともに、この保
    持フランジに両端部に前記各ピストンが取付けられるピ
    ストン軸を保持孔の軸方向に沿って移動自在に保持し、
    前記保持フランジとピストン軸との間にわずかな間隙を
    形成し、この間隙により、前記オイルが前記各ピストン
    側に往来できるようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載のリミテッドスリップデフ。
  3. 【請求項3】 前記1つの保持孔における各ピストン
    を、前記ピストンキャリアの周方向に互い違いにオフセ
    ットして配設するようにしたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のリミテッドスリップデフ。
  4. 【請求項4】 前記各保持孔のうち同一のオフセットを
    有するとともに、前記ドライブカムの凹凸面の同一傾斜
    面に当接するボールカムが装着された各保持孔同士を連
    通させるための連通孔を形成したことを特徴とする請求
    項3に記載のリミテッドスリップデフ。
JP27263797A 1997-10-06 1997-10-06 リミテッドスリップデフ Expired - Fee Related JP3901809B2 (ja)

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