JPH11108109A - 制御型除振台の支持装置 - Google Patents

制御型除振台の支持装置

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JPH11108109A
JPH11108109A JP27706797A JP27706797A JPH11108109A JP H11108109 A JPH11108109 A JP H11108109A JP 27706797 A JP27706797 A JP 27706797A JP 27706797 A JP27706797 A JP 27706797A JP H11108109 A JPH11108109 A JP H11108109A
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JP
Japan
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laminated rubber
vertical
vibration
actuator
rubber body
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JP27706797A
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English (en)
Inventor
Takeshi Oku
岳史 奥
Toshifumi Sakata
利文 坂田
Shuichi Okamoto
修一 岡本
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大質量の鉛直荷重を安定支持すると同時に、
圧縮ばね剛性の低下により除振領域を低周波数域側に拡
大させ、かつ、アクチュエータの駆動効率を高めて鉛直
方向および水平方向の除振、制振性能の著しい向上が図
れるようにする。 【解決手段】 機器を搭載する除振台1と該除振台1を
接地支持する接地支持台2との間に、ゴム板3aと金属
板3bとの複数枚を交互に積層配置してなる鉛直型縦積
層ゴム体3及びゴム板4aと金属板4bとの複数枚を交
互に積層してなる剪断型横積層ゴム体4からなる直列結
合体8を介在させるとともに、接地支持台2と接地面と
の間に、横積層ゴム体4に並列配置させて外部より駆動
制御可能なアクチュエータ7をその駆動方向が鉛直方向
に沿うように介在させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御型除振台の支持
装置に関し、詳しくは、例えば半導体製造工場やレーザ
ー応用製品製造工場などに設置される各種機器を搭載す
る除振台に地盤の微振動や自動車の走行などに起因する
振動が伝播されて該除振台が鉛直方向および水平方向に
振動することを除去するために、除振台と接地面との間
に外部より振動を打ち消すように駆動制御可能なアクチ
ュエータを設けてなる制御型除振台の支持装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の制御型除振台の支持装置とし
て、従来、特開平5−149379号公報に開示されて
いるように、機器を搭載する除振台を接地支持する接地
支持台と接地面との間に積層圧電形アクチュエータをそ
の駆動方向が鉛直方向に沿うように配置するとともに、
このアクチュエータと上記除振台との間に、金属板など
の剛性板材と薄肉ゴム板との複数枚を交互に積層配置し
てなる鉛直型積層ゴム体の単体を介在させてなるものが
知られている。
【0003】上記した構成の従来の制御型除振台の支持
装置は、組み付け時にアクチュエータの駆動方向に対し
て直交する方向において接地支持台と除振台との間に位
置ずれがあった場合、その位置ずれを上記積層ゴム体の
薄肉ゴム板それぞれの微小量づつの弾性変形によって吸
収させる位置ずれ吸収機能と、アクチュエータの駆動方
向に対して直交する方向で該アクチュエータの駆動によ
る除振、制振性能の妨げとなるような力が加わった場
合、その力を上記積層ゴム体の薄肉ゴム板それぞれの微
小量づつの弾性変形によって吸収させてアクチュエータ
に不要な剪断力が作用することを回避させる剪断力吸収
機能とを発揮するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように鉛直型積
層ゴム体の単体とアクチュエータが直列配置された従来
の制御型除振台の支持装置においては、組み付け時にお
ける接地支持台と除振台との間の位置ずれ吸収機能およ
びアクチュエータに対する剪断力吸収機能が、鉛直型積
層ゴム体における薄肉ゴム板のアクチュエータの駆動方
向に対して直交する方向への弾性変形により発揮される
ように構成されたものであるために、それら両吸収機能
を発揮するために鉛直型積層ゴム体の薄肉ゴム板が弾性
変形した状態だけで既に該鉛直型積層ゴム体のアクチュ
エータ駆動方向(鉛直方向)の剛性が増大し、積層ゴム
体が本来有している圧縮ばね剛性が損なわれることにな
る。
【0005】その上、大質量の鉛直荷重を安定よく支持
させるために鉛直型積層ゴム体の圧縮ばね剛性はもとも
と大きく設定せざるを得ず、その結果、アクチュエータ
を用いて伝達率の増加している周波数帯域を制御するに
しても、支持装置全体の固有振動数を低く設定すること
が技術的に非常に難しいことから、鉛直方向および水平
方向のいずれも低周波領域の振動に対して良好な除振、
制振性能を発揮させることができず、特に、大質量の鉛
直荷重が作用する条件下で使用される支持装置として
は、未だ改善の余地があった。
【0006】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、大質量の鉛直荷重が作用する条件下での使用
に際して、圧縮ばね剛性を低下させるとともに、アクチ
ュエータの駆動効率を向上させて鉛直方向および水平方
向いずれの低周波領域の振動に対しても良好な除振、制
振性能を発揮させることができ、また、装置全体を嵩低
いコンパクトなものに構成することができる制御型除振
台の支持装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る制御型除振台の支持装
置は、機器を搭載する除振台と接地面との間に、複数枚
のゴム板と金属板とを交互に積層配置してなる鉛直型縦
積層ゴム体及び複数枚のゴム板と金属板とを交互に積層
してなる剪断型横積層ゴム体との直列結合体を介在させ
ているとともに、上記除振台と接地面との間に、上記直
列結合体における横積層ゴム体に並列配置させて外部よ
り駆動制御可能なアクチュエータをその駆動方向が鉛直
方向に沿うように介在させていることを特徴とするもの
である。
【0008】上記のような構成の請求項1に記載の発明
によれば、主として鉛直荷重を支える鉛直型縦積層ゴム
体と主として剪断荷重を支える剪断型横積層ゴム体との
直列結合体を用いることで、縦積層ゴム体の圧縮ばね剛
性を大質量の鉛直荷重を安定支持するに足りる値に設定
しながら、その圧縮ばね剛性が横積層ゴム体の剪断ばね
剛性により減少されるとともに、横積層ゴム体に加わる
剪断荷重も縦積層ゴム体により逃がされて減少されるこ
とになり、支持装置全体としての圧縮ばね剛性および剪
断ばね剛性を、縦積層ゴム体を単体使用する場合に比べ
て非常に小さくして系全体の固有振動数を低く設定する
ことが可能となる。また、このような直列結合体を用い
た圧縮ばね剛性の低下により除振領域が拡大されて伝達
率が増加している低周波数帯域を制御するためのアクチ
ュエータを上記直列結合体における横積層ゴム体に並列
配置することによって、アクチュエータの予圧縮力を除
振台と接地面との間の複数箇所に実装した直列結合体に
おける縦および横積層ゴム体のばね剛性に応じて個別に
調整して各アクチュエータの駆動効率を高めることが可
能となる。これによって、大質量の鉛直荷重が作用する
条件下での使用においても鉛直方向および水平方向の除
振、制振性能の著しい向上が図れる。
【0009】加えて、アクチュエータと横積層ゴム体と
の並列配置によって、これらを直列配置する場合に比し
て、支持装置全体の嵩を低くしてコンパクト化が図れる
とともに、該支持装置の設置使用中でも、アクチュエー
タのみを単独に取り出して任意に点検、補修や交換する
ことが可能である。
【0010】上記請求項1に記載の発明に係る制御型除
振台の支持装置において、請求項2に記載のように、上
記アクチュエータの駆動方向の端部に、該アクチュエー
タの予圧縮力を調整可能な高さ調整機構及び/又はゴム
状弾性体を直列に配置する構成を採用することによっ
て、アクチュエータの組付け後であっても、搭載機器の
重量に対応した上記高さ調整機構による高さ調整及び/
又は厚さの異なるゴム状弾性体の入れ替えによりアクチ
ュエータの予圧縮力を容易に調整して、該アクチュエー
タをいかなる重量の搭載機器に対しても常に最適の駆動
点で駆動し制振性能の一層の向上を図ることができる。
【0011】また、上記請求項1または2に記載の発明
に係る制御型除振台の支持装置において、請求項3に記
載のように、上記直列結合体における横積層ゴム体を環
状一体形に形成するか、もしくは、複数個の横積層ゴム
体を環状に配置し、その環状中心部に上記アクチュエー
タを配置する構成を採用することによって、アクチュエ
ータの駆動方向に対して直交するあらゆる方向から加わ
る力を環状一体形あるいは環状に配置された複数個の横
積層ゴム体によりバランスよく吸収させてアクチュエー
タに対する剪断力吸収機能を良好に発揮させることがで
きるとともに、支持装置全体を一層コンパクト化するこ
とができる。
【0012】さらに、上記請求項1,2または3に記載
の発明に係る制御型除振台の支持装置において、上記直
列結合体における横積層ゴム体を、請求項4に記載のよ
うに、該横積層ゴム体を構成するゴム板と金属板との積
層面が鉛直方向および水平方向に対して共に傾斜する面
に沿う傾斜姿勢に配置する構成としてもよく、この場合
は、搭載機器の質量に対応して上記横積層ゴム体の積層
面の傾斜角度を変更することにより、鉛直方向の剛性、
つまり圧縮ばね剛性を任意に設定することが可能とな
る。また、接地支持台との間に横積層ゴム体を配置する
中間支持台と横積層ゴム体との接着が不完全であった
り、不良であったとしても、中間支持台の抜け落ちがな
く、それだけ支持装置全体の組付けが容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1ないし図3は本発明に係る
制御型除振台の支持装置の第1の実施形態を示す基本的
な構成図で、図1は機器が搭載され振動等の外乱が作用
していない状態、図2は機器搭載状態で振動等の外乱が
作用した状態、図3は概略平面図である。同支持装置A
は、機器を搭載する除振台1と該除振台1を接地面に支
持する上向き開放コ字形の接地支持台2との間に門形の
中間支持台5が配置されており、この中間支持台5の水
平部5aと上記除振台1との間に、その積層面を水平姿
勢にした鉛直型縦積層ゴム体3と、該鉛直型縦積層ゴム
体3の左右両側で上記中間支持台5の左右鉛直部5b,
5bとこれらに対向する上記接地支持台2の左右鉛直部
2b,2bとの間にそれらの積層面を鉛直姿勢にした2
個の剪断型横積層ゴム体4,4とからなる直列結合体8
が介在されているとともに、上記接地支持台2の水平部
2aの中央部と上記中間支持台5の水平部5aの中央部
との間に、上記横積層ゴム体4,4に並列配置させて外
部より駆動制御可能なアクチュエータ7をその駆動方向
(矢印a−b)が鉛直方向に沿うように介在されてい
る。
【0014】また、上記アクチュエータ7の駆動方向の
下端部と上記接地支持台2の水平部2aの中央部との間
にはねじ機構(図示省略)を利用した高さ調整機構9が
アクチュエータ7と直列に配置されているとともに、ア
クチュエータ7の駆動方向の上端部と上記中間支持台5
の水平部5aの中央部との間にはゴム状弾性体10がア
クチュエータ7と直列に配置されており、これら高さ調
整機構9による高さ調整および/またはゴム状弾性体1
0の厚さの異なるものとの交換により、上記アクチュエ
ータ7の予圧縮力を調整可能にしている。
【0015】上記直列結合体8における鉛直型縦積層ゴ
ム体3は、ゴム板3aと金属板3bとの複数枚を交互に
積層配置してなり、上記除振台1に付加される鉛直荷重
W1を主として支えるものであり、かつ、上記剪断型横
積層ゴム体4,4はそれぞれ、図4に明示されているよ
うに、ゴム板4aと金属板4bとの複数枚を交互に積層
してなり、上記除振台1に付加される剪断荷重W2を主
として支えるもので、これら2個の横積層ゴム体4,4
の幅方向の中央部を結ぶ線上の中心部に上記アクチュエ
ータ7が配置されている。なお、上記アクチュエータ7
としては、積層ピエゾ素子や超磁歪素子、ボイスコイル
モータ、リニアモータなど外部より矢印a−b方向に駆
動制御可能なものが用いられる。
【0016】上記のような構成の制御型除振台の支持装
置Aは、例えば図5に示すように、隣接する支持装置A
における剪断型横積層ゴム体4,4が水平二次元方向で
互いに直交する姿勢に配置して鉛直方向の支持マウント
として使用される。この使用態様において、除振台1上
に機器を搭載したことにより付加される鉛直荷重W1は
主として直列結合体8における鉛直型縦積層ゴム体3で
支えられるが、その一部は剪断型横積層ゴム体4,4で
支えられることになる。すなわち、鉛直型縦積層ゴム体
3の圧縮ばね剛性が剪断型横積層ゴム4,4の剪断ばね
剛性により減少され、また、剪断型横積層ゴム体4,4
に付加される剪断荷重W2の一部は鉛直型縦積層ゴム体
3により逃がされることになるために、支持装置A全体
としての圧縮ばね剛性および剪断ばね剛性が減少される
ことになり、鉛直型縦積層ゴム体を単独使用する場合に
比べて支持装置A全体としての固有振動数を非常に低く
設定することが可能となる。
【0017】また、図5に示すような実装使用状態にお
いて、各支持装置Aにおけるアクチュエータ7は上記直
列結合体8における横積層ゴム体4,4に対して並列配
置されているために、これらアクチュエータ7の予圧縮
力を各支持装置Aの直列結合体8における縦積層ゴム体
3および横積層ゴム体4,4のばね剛性に応じて個別に
調整することが可能であるとともに、除振台1への搭載
機器の重量および各支持装置Aへの重量負担割合に対応
して上記高さ調整機構9を調整したり、上記ゴム状弾性
体10を厚さの異なるものに入れ替えたりすることによ
り、各アクチュエータ7の予圧縮力を搭載機器の重量お
よび重量負担割合に応じて容易に調整して該アクチュエ
ータ7を最適駆動点で駆動させることが可能である。
【0018】これらの相乗作用によって、支持装置A全
体においては、大質量の鉛直荷重W2を安定支持するこ
とが可能であると同時に、図6に示すように、鉛直型縦
積層ゴム体を単体使用する場合の除振領域を低周波数
域側の除振領域へ拡大移行させるとともに、そのよう
な除振領域の拡大移行に伴って伝達率が増加することに
なる低周波数帯域の振動に対して各アクチュエータ7の
最適駆動点での駆動制御により、大質量の鉛直荷重が作
用する条件下での使用時における鉛直方向および水平方
向の除振、制振性能を著しく向上させることが可能であ
る。
【0019】因みに、上記第1の実施形態で述べたよう
に、鉛直型縦積層ゴム体3を1個、剪断型横積層ゴム体
4を2個使用してなる直列結合体8を備えた支持装置A
についての圧縮ばね剛性Kpおよび剪断ばね剛性Ksを
検討してみると、次のようになる。圧縮ばね剛性Kp:
剪断ばね剛性Ks=10:1の関係にあることから、支
持装置A全体の圧縮ばね剛性Kppは、 Kp=10Ks Kpp=Kp・2Ks/2Ks+Kp =10Ks・2Ks/2Ks+10Ks =20Ks2 /12Ks =20/12・Ks =1.667Ks となり、該支持装置Aの圧縮ばね剛性は、縦積層ゴム体
のみの場合に比較して、約1/6になることが理解され
るであろう。
【0020】また、支持装置Aの剪断ばね剛性Kssは
2通りの剛性になり、 Kss1=2Ks・Ks/Ks+2Ks =2Ks2 /3Ks =2/3・Ks =0.667Ks Kss2=2Kp・Ks/Ks+2Kp =20Ks・Ks/Ks+20Ks =20Ks2 /21Ks =20/21・Ks =0.952Ks となり、剪断ばね剛性も少し減少することが理解される
であろう。
【0021】図7は本発明に係る制御型除振台の支持装
置の第2の実施形態を示す基本的構成図であり、この第
2の実施形態では、第1の実施形態の直列結合体8にお
ける縦積層ゴム体3と横積層ゴム体4との配置関係を上
下逆にしたものである。すなわち、直列結合体8におけ
る縦積層ゴム体3を接地支持台2の水平部2aの中央部
と接地面との間に、それらの積層面を水平姿勢にして介
在する一方、横積層ゴム体4を図8に示すように、環状
一体形に形成し、この環状一体形の横積層ゴム体4を除
振台1に固定した門型の中間支持台5の環状鉛直部5b
とこれに対向する接地支持台2の環状鉛直部2bとの間
に、それらの積層面を鉛直姿勢にして介在させ、かつ、
この環状一体形の横積層ゴム体4の環状中心部に上記ア
クチュエータ7を該横積層ゴム体4に対し並列配置させ
て上記中間支持台5の水平部5aとこれに対向する接地
支持台2の水平部2aとの間に介在させたものであり、
その他の構成は第1の実施形態の場合と同一であるた
め、該当部分に同一の符号を付して、それらの説明を省
略する。
【0022】上記第2の実施形態による制御型除振台の
支持装置の場合も、上記第1の実施形態の場合と同様
に、鉛直型縦積層ゴム体3の圧縮ばね剛性を剪断型横積
層ゴム4,4の剪断ばね剛性により減少させて支持装置
A全体としての圧縮ばね剛性を非常に小さくするととも
に、剪断型横積層ゴム体4,4に付加される剪断荷重W
2を鉛直型縦積層ゴム体3により逃がして支持装置A全
体としての剪断ばね剛性も減少し、支持装置A全体とし
て、大質量の鉛直荷重W2の安定支持と同時に固有振動
数を低く設定することが可能となると同時に、アクチュ
エータ7の予圧縮力の調整により除振領域となる低周波
数帯域の振動に対して各アクチュエータ7を最適駆動点
で駆動制御することが可能となり、大質量の鉛直荷重が
作用する条件下での使用時における鉛直方向および水平
方向の除振、制振性能を著しく向上させることができ
る。なお、この第2の実施形態では、横積層ゴム体4と
して、環状一体形のものを用いたが、図4に示すよう
に、2個の横積層ゴム体を用いてもよい。
【0023】図9は本発明に係る制御型除振台の支持装
置の第3の実施形態を示す基本的構成図であり、この第
3の実施形態では、接地支持台2を逆T字形状に形成
し、この接地支持台2の左右鉛直部2b,2bとこれに
平行に対向する中間支持台5の左右鉛直部5b,5bと
の間にそれぞれ剪断型横積層ゴム体4,4を上下傾斜姿
勢に介在させたものである。また、この第3の実施形態
の変形例として、図10あるいは図11に示すように、
中間支持台5の左右鉛直部5a,5aと接地支持台2の
左右鉛直部2a,2aとにそれぞれ鉛直方向および水平
方向に対して共に傾斜する傾斜面5c,5c、2c,2
cを対向状態に形成し、これら対向する傾斜面5c,5
cと2c,2c間にそれぞれ剪断型横積層ゴム体4,4
をそれらの積層面が鉛直方向および水平方向に対して共
に傾斜するような傾斜姿勢に配置した構成を採用しても
よい。なお、この第3の実施形態およびその変形例にお
いて、その他の構成は図1及び図2に示す第1の実施形
態と同一であるため、該当部分に同一の符号を付して、
それらの詳しい説明は省略している。
【0024】図9で示す第3の実施形態および図10や
図11で示す変形例による制御型除振台の支持装置の場
合も、上記第1の実施形態の場合と同様に、鉛直型縦積
層ゴム体3の圧縮ばね剛性を剪断型横積層ゴム4,4の
剪断ばね剛性により減少させて支持装置A全体としての
圧縮ばね剛性を非常に小さくするとともに、剪断型横積
層ゴム体4,4に付加される剪断荷重W2を鉛直型縦積
層ゴム体3により逃がして支持装置A全体としての剪断
ばね剛性も減少し、支持装置A全体として、大質量の鉛
直荷重W2の安定支持と同時に固有振動数を低く設定す
ることが可能である他に、搭載機器の重量などに対応し
て上記剪断型横積層ゴム体4,4の積層面の傾斜角度θ
を変更することにより、鉛直方向の剛性、つまり圧縮ば
ね剛性を任意に設定することが可能となり、このこと
と、アクチュエータ7の予圧縮力の調整により除振領域
となる低周波数帯域の振動に対して各アクチュエータ7
を最適駆動点で駆動制御することが可能になることとの
相乗によって、大質量の鉛直荷重が作用する条件下での
使用時における鉛直方向および水平方向の除振、制振性
能を著しく向上させることができる。特に、図10の変
形例においては、接地支持台2との間に横積層ゴム体
4,4を配置する中間支持台5と横積層ゴム体4,4と
の接着が不完全であったり、不良であったとしても、中
間支持台5が抜け落ちる心配がなく、それだけ支持装置
全体の組付けを容易にすることができる。
【0025】なお、上記第1の実施形態、第3の実施形
態およびそれの変形例では、剪断型横積層ゴム体4を鉛
直型縦積層ゴム体3の左右両側に二個配置したもので説
明したが、図12に示すように、鉛直型縦積層ゴム体3
の周りに等間隔で三個の剪断型横積層ゴム体4を配置し
たものでも、図13に示すように、鉛直型縦積層ゴム体
3の周囲に四個の剪断型横積層ゴム体4を配置したもの
であってもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、鉛直型縦積層ゴム体および剪断型横積層ゴムの
直列結合体と該直列結合体における横積層ゴム体に並列
配置させたアクチュエータとの組み合わせ使用によっ
て、縦積層ゴム体の圧縮ばね剛性を大質量の鉛直荷重を
安定支持するに足りる値に設定しながらも、支持装置全
体としての圧縮ばね剛性および剪断ばね剛性を非常に小
さくして系全体の固有振動数を低く設定することができ
ると同時に、圧縮ばね剛性の低下に伴う除振領域の拡大
により伝達率が増加することになる低周波数帯域を制御
するためのアクチュエータの予圧縮力を実装した直列結
合体における縦および横積層ゴム体のばね剛性に応じて
個別に調整しやすくて各アクチュエータの駆動効率を高
めることができる。したがって、鉛直型縦積層ゴム体を
単体使用してなる制御型除振台の支持装置に比べて、大
質量の鉛直荷重を安定支持することができるとともに、
そのような大質量の鉛直荷重が作用する条件下での使用
においても鉛直方向および水平方向の除振、制振性能を
著しく向上することができる。その上、アクチュエータ
と横積層ゴム体との並列配置により、これらを直列配置
する場合に比して、支持装置全体を嵩低いコンパクトな
ものに構成でき、また、該支持装置の設置使用中でも、
アクチュエータのみを単独に取り出して任意に点検、補
修や交換することができるという効果を奏する。
【0027】特に、請求項2に記載の発明によれば、上
記の効果に加えて、アクチュエータの組付け後でも、搭
載機器の重量に対応してアクチュエータの予圧縮力を容
易に調整することができ、該アクチュエータをいかなる
重量の搭載機器に対しても常に最適の駆動点で駆動し制
振性能を一層向上することができる。
【0028】また、請求項3に記載の発明によれば、ア
クチュエータの駆動方向に対して直交するあらゆる方向
から加わる力を環状一体形あるいは環状に配置された複
数個の横積層ゴム体によりバランスよく吸収させてアク
チュエータに対する剪断力吸収機能を良好に発揮させる
ことができるとともに、支持装置全体を一層コンパクト
化することができる。
【0029】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
搭載機器の質量に対応して横積層ゴム体の積層面の傾斜
角度を変更することにより、鉛直方向の剛性、つまり圧
縮ばね剛性を任意に設定することが可能で適用性を拡大
できるとともに、接地支持台との間に横積層ゴム体を配
置する中間支持台と横積層ゴム体との接着が不完全であ
ったり、不良であったとしても、中間支持台の抜け落ち
がなく、それだけ支持装置全体の組付けを容易にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御型除振台の支持装置の第1の
実施形態を示す基本的構成図で、機器が搭載され振動等
の外乱が作用していない状態の正面図である。
【図2】同上支持装置に振動等の外乱が作用した状態の
正面図である。
【図3】同上支持装置の概略平面図である。
【図4】同上支持装置における横積層ゴム体およびアク
チュエータの配置を示す要部の平面図である。
【図5】同上支持装置の使用配置図である。
【図6】第1の実施形態による支持装置の効果を説明す
る除振性能図である。
【図7】本発明に係る制御型除振台の支持装置の第2の
実施形態を示す基本的構成図である。
【図8】同上支持装置における横積層ゴム体の形状およ
びアクチュエータの配置を示す要部の平面図である。
【図9】本発明に係る制御型除振台の支持装置の第3の
実施形態を示す基本的構成図である。
【図10】第3の実施形態の変形例の一つを示す基本的
構成図である。
【図11】第3の実施形態の変形例の他の一つを示す基
本的構成図である。
【図12】剪断型横積層ゴム体を三個配置した支持装置
の概略平面図である。
【図13】剪断型横積層ゴム体を四個配置した支持装置
の概略平面図である。
【符号の説明】
1 除振台 2 接地支持台 3 鉛直型縦積層ゴム体 4 剪断型横積層ゴム体 3a,4a ゴム板 3b,4b 金属板 5 中間支持台 7 アクチュエータ 8 直列結合体 9 高さ調整機構 10 ゴム状弾性体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器を搭載する除振台と接地面との間
    に、複数枚のゴム板と金属板とを交互に積層配置してな
    る鉛直型縦積層ゴム体及び複数枚のゴム板と金属板とを
    交互に積層してなる剪断型横積層ゴム体との直列結合体
    を介在させているとともに、 上記除振台と接地面との間に、上記直列結合体における
    横積層ゴム体に並列配置させて外部より駆動制御可能な
    アクチュエータをその駆動方向が鉛直方向に沿うように
    介在させていることを特徴とする制御型除振台の支持装
    置。
  2. 【請求項2】 上記アクチュエータの駆動方向の端部に
    は、該アクチュエータの予圧縮力を調整可能な高さ調整
    機構及び/又はゴム状弾性体が直列に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の制御型除振台の支持装
    置。
  3. 【請求項3】 上記直列結合体における横積層ゴム体が
    環状一体形に形成されているか、もしくは、複数個の横
    積層ゴム体が環状に配置されており、その環状中心部に
    上記アクチュエータが配置されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の制御型除振台の支持装置。
  4. 【請求項4】 上記直列結合体における横積層ゴム体
    は、それを構成するゴム板と金属板との積層面が鉛直方
    向および水平方向に対して共に傾斜する面に沿う傾斜姿
    勢で配置されていることを特徴とする請求項1,2また
    は3に記載の制御型除振台の支持装置。
JP27706797A 1997-10-09 1997-10-09 制御型除振台の支持装置 Withdrawn JPH11108109A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001271871A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Tokkyokiki Corp アクティブ防振装置
JP2002035696A (ja) * 2000-07-25 2002-02-05 Tokkyokiki Corp 振動制御装置およびその駆動方法
JP2013149924A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Japan Display Central Co Ltd レーザアニール装置
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CN108980270A (zh) * 2018-08-13 2018-12-11 辽宁工程技术大学 一种动力设备基础减震支座

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