JPH1110572A - 複合チャック - Google Patents

複合チャック

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JPH1110572A
JPH1110572A JP16975697A JP16975697A JPH1110572A JP H1110572 A JPH1110572 A JP H1110572A JP 16975697 A JP16975697 A JP 16975697A JP 16975697 A JP16975697 A JP 16975697A JP H1110572 A JPH1110572 A JP H1110572A
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JP
Japan
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chuck
shaft
magnetic screw
magnetic
pole
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JP16975697A
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English (en)
Inventor
Akira Tamura
晃 田村
Katayuki Endou
方志 遠藤
Katsutoshi Otsuka
勝利 大塚
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CKD Corp
Original Assignee
CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャックを軽量化した複合チャックを提供す
ること。 【解決手段】 本発明の複合チャックは、両軸モータ1
3の出力軸に一体に又はギヤを介して連結された二以上
の回転軸14と、各回転軸14に対して平行に形成され
た二以上のスライドレール35と、各スライドレール3
5を摺動する一対のスライダ41,42にチャック爪4
3,44を設けてなるチャックA,Bと、各回転軸14
に固着された円筒磁石に対して左右に傾斜したS極及び
N極の着磁帯を螺旋状に着磁してなる雄磁気ネジ45,
46と、回転軸14が貫通するスライダ41,42の貫
通孔に装填された円筒磁石に対して右側又は左側にそれ
ぞれ傾斜したS極及びN極の着磁帯を螺旋状に着磁して
なる雌磁気ネジ47,48とを備えた把持部3を有し、
把持部3を回転させ又は上下方向へ移動させる位置決手
段1,2とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板など
の工作物(以下、ワークという)を一度に複数個把持し
て回転及び上下方向に搬送することが可能な複合チャッ
クに関し、特に磁気ネジを用いてチャックを開閉させる
複合チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、生産ラインにはワークを搬送
させる際に、そのワークを把持するチャックを備えた搬
送装置が設けられているが、そんな中チャックを複数備
え、把持したワークを回転及び上下方向に移動して搬送
するいわゆる複合チャックといわれるものがある。そし
て、そのような複合チャックの把持動作を行うための動
力伝達手段には、エア圧や油圧等の圧力を利用したもの
や、モータの回転をボールネジ等のような機械ネジによ
って直線運動に変換するものが用いられている。図7
は、従来の複合チャックを示した外観斜視図である。こ
の複合チャックには、角度を割り出してチャックを円周
上の所定位置に位置決めするインデックステーブル10
1が利用されている。インデックステーブル101上に
は支持柱102が立設され、一対のアーム103,10
4が両側に係設されている。アーム103,104は、
支持柱102に形成されたリニアスライダー105,1
06によって上下に移動できるよう構成されている。そ
して、その上下移動可能なアーム103,104先端部
には、それぞれワークを把持するチャック107,10
8が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の複合
チャックには次のような問題があった。 先ず、従来の
複合チャックでは、各チャック107,108にモータ
を備え、そのモータの駆動力によってチャック爪を開閉
させていた。そのため、チャック107,108が設け
られたアーム103,104にかかる荷重が大きく、例
えば、対象となるワークの重量が100g〜500g程
度であるのに対し、チャック107,108のモータの
重量が1kgもの重さがあった。従って、軽量なワーク
を搬送するにもチャックが重いため、インデックステー
ブル101の回転エネルギーがより多く必要であった。
このことは、チャック107,108を支えるアーム1
03,104にかかるモーメントが大きくなることか
ら、アーム103,104の強度も高める必要があり、
アーム103,104自身の重量が大きくなり更に多く
の回転エネルギが必要であった。
【0004】また、チャックがワークを把持する際、チ
ャック爪がワークをつかむ前に何らかにぶつかったり、
引っかかったりする等の異常が発生したり、複合チャッ
クでは同時につかむワークに寸法差があるために、小さ
い方のワークで見た場合に途中で引っかかったと同様な
状態になることがある。しかし、そのような場合でも、
チャックは設定された間隔でワークをつかもうとするた
め、チャック爪若しくはモータやエア供給装置に過負荷
が加わってしまう。そのため、モータが焼き付いてしま
ったり、チャック部が破損してしまったりすることがあ
る。
【0005】また、従来の複合チャックは、チャック1
07,108のモータやアーム103,104を上下さ
せるリニアスライダ105,106を駆動させるため
に、インデックステーブル101の中心を通したケーブ
ルによって電源に接続されている。従って、インデック
ステーブル101を駆動してチャック107,108を
回転させる場合にケーブルをひねってしまい、ケーブル
の劣化から複合チャックの寿命を短くするといった問題
もあった。また、チャック107,108の開閉には、
モータの他にエア圧等を利用したものもあるが、その場
合も同様にエア等を送るためのパイプの劣化から複合チ
ャックの寿命を短くする問題があった。
【0006】そこで、本発明は、チャックを軽量化した
複合チャックを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複合チャック
は、両軸モータの出力軸に一体に又はギヤを介して連結
された二以上の回転軸と、前記各回転軸に対して平行に
形成された二以上のスライドレールと、前記各スライド
レールを摺動する一対のスライダにチャック爪を設けて
なるチャックと、前記各回転軸に固着された円筒磁石に
対して左右に傾斜したS極及びN極の着磁帯を螺旋状に
着磁してなる雄磁気ネジと、前記回転軸が貫通する前記
スライダの貫通孔に装填された円筒磁石に対して右側又
は左側にそれぞれ傾斜したS極及びN極の着磁帯を螺旋
状に着磁してなる雌磁気ネジとを備えた把持部を有し、
前記把持部を回転させ又は上下方向へ移動させる位置決
手段とを有することを特徴とする。
【0008】従って、位置決手段によって回転若しくは
上下方向に移動された各チャックがそれぞれの所定位置
に配置され、そこで両軸モータの回転により、その回転
出力に一体又はギヤを介して連結された回転軸に伝達さ
れて雄磁気ネジが回転する。雄磁気ネジが回転すれば、
それに対して係設された雌磁気ネジとが互いに磁力作用
によって吸引し合っているためにチャックを構成するス
ライダに推力が働き、そのスライダが接近又は離間する
ことによってチャック爪でワークを把持し又は把持した
ワーク放す。そして、チャックがワークを把持したま
ま、又は放した状態で位置決手段の回転若しくは上下移
動によって次の位置へ搬送する。よって、本発明の複合
チャックでは、磁気ネジを利用してチャックの開閉を行
うよう構成するためチャックを軽量化しすることができ
る。
【0009】また、本発明の複合チャックは、前記各回
転軸に形成された雄磁気ネジと該各雄磁気ネジに対して
設けられた一対のスライダに形成された雌磁気ネジと
が、前記両軸モータの回転により前記各チャックが同時
に閉じるように、又は前記チャックの開閉が混在するよ
うに着磁帯の傾斜方向が設定されたものであることを特
徴とする。従って、出力軸の回転により二以上の回転軸
が同時に回転するため、雄磁気ネジの回転により雌磁気
ネジを備えたスライダに推力が働くことで、各チャック
が同時に動作する。その際、各雄磁気ネジ及び雌磁気ネ
ジの螺旋方向(右ネジ方向と左ネジ方向)を設計変更す
ることで、各チャックが同時に開き若しくは閉じるよう
に、又は各チャックの開閉が混在するようにすることが
でき、各種搬送パターンを容易に変えることができる。
【0010】また、本発明の複合チャックは、前記両軸
モータが、モータ本体の円周部に巻回された回転磁界を
発生するコイルと、前記コイルの円周内部にあって中心
に中空軸を形成してなる回転自在なロータと、前記ロー
タ外周上に固着された永久磁石と、前記ロータの中空軸
内に固着された円筒磁石にS極及びN極の着磁帯が着磁
されてなる雌磁気カップリングと、前記ロータの中空軸
に対して貫設した前記出力軸に前記回転軸が固定又は動
力伝達手段を介して連結され、その出力軸に固着された
円筒磁石にS極及びN極の着磁帯が着磁されてなる雌雄
磁気カップリングとを有することを特徴とする。
【0011】従って、励磁されたコイルに回転磁界が発
生し、その磁力によって永久磁石に働く磁力作用によっ
てロータが回転する。回転するロータ内では円筒磁石に
着磁された雌磁気カップリングが共に回転し、出力軸に
固着された円筒磁石に着磁された雄磁気カップリングと
の間で作用する磁力によって動力が伝達され、その出力
軸から回転が発生する。そのため、本発明の複合チャッ
クは、回転体と出力軸とが非接触な磁力作用による関係
をなしているため、芯出しが容易になり、また、モータ
本体内に雌磁気ネジを形成したことにより、両軸モータ
の軸方向寸法の縮小化、軽量化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる複合チャッ
クの一実施の形態について具体的に説明する。図1は、
第1実施の形態の複合チャックを示した外観斜視図であ
る。本複合チャックは、回転運動を出力するインデック
ステーブル1の回転軸に上下運動を出力する上下シリン
ダ2を設け、チャックの回転位置及び上下位置を制御す
るものである。インデックステーブル1及び上下シリン
ダ2は汎用されているものであるため、その詳細な説明
は省略する。そして、その上下シリンダ2のシリンダロ
ッド11の頂部には、2カ所にチャックA,Bを設けた
把持部3が固定されている。ここで、図2は、把持部3
を示した一部断面図である。
【0013】把持部3は、溝型の支持部材12の底部が
シリンダロッド11に固定されている。その支持部材1
2には、溝内に両軸中空モータ13が両側に立設する壁
面に挟持されるよう装填され、その両壁面から突設され
た両軸中空モータ13の回転軸14が壁面を貫通するよ
うに設けられている。また、支持部材12には前記両軸
中空モータ13の回転軸14と平行にアーム15が固定
され、その両端に支持板16,16が垂設されている。
そして、回転軸14が、その支持部材12及び支持板1
6,16に設けられたベアリングによって回転支持され
ている。
【0014】本実施の形態で使用する両軸中空モータ1
3は、図2で詳細に示すように磁性体からなるコア21
が円周状に形成され、そこに巻回されたコイル22が不
図示の制御系へ接続されている。コイル22が巻回され
たコア21は、ハウジング23によって覆われている。
ハウジング23は、内周側に開放した断面コ字状のドー
ナッツ形状のものであり、その内周側両端部には樹脂材
で形成された円筒形状のブッシュ24a,24bが固着
されている。そして、そのブッシュ24a,24b内に
は、永久磁石25を貼着したロータ26が装填されてい
る。ロータ26は、その両端にブッシュ24a,24b
の内周面に摺接する薄肉部を有し、その中央部には側面
をブッシュ24a,24bに摺接させた厚肉部を有して
なるものである。そして、永久磁石25が、ロータ26
の中央厚肉部に貼着されている。
【0015】ロータ26の中空軸内には円筒形状の磁気
ホルダ27が嵌挿され、その磁気ホルダ27内には円筒
磁石28が嵌挿されて雌磁気ネジ10が形成されてい
る。磁気ホルダ27及び円筒磁石28はロータ26と一
体に回転するよう固着されている。磁気ホルダ27に
は、強磁性材料(例えば鉄、酸化鉄、ニッケル、コバル
ト若しくはこれらを主成分とする合金その他の化合物
等)が使用される。これは、磁力線の発生密度を増加さ
せるためである。雌磁気カップリング29は、円筒磁石
28の内周面に、N極及びS極の逆極性からなる短冊状
のN極着磁帯及びS極着磁帯が回転軸14に平行に着磁
されて形成されている。
【0016】そして、ロータ26に穿設された両軸中空
モータ13の中空軸には、非接触で貫設された回転軸1
4に円筒磁石が固着され、その外周面には雌磁気カップ
リング29に対応した雄磁気カップリング30が形成さ
れている。雄磁気カップリング30は、その回転軸14
に固着された円筒磁石30の外周面に、雌磁気カップリ
ング29と同寸法の短冊状のN極着磁帯及びS極着磁帯
が回転軸14に平行に着磁されて形成されている。雄磁
気カップリング30も雌磁気カップリング29とは非接
触である。なお、回転軸14も磁力線の発生密度を増加
させるため、磁気ホルダ27と同様に強磁性材料が使用
される。
【0017】一方、アーム15には、図1に示すように
両軸中空モータ13を挟んで2カ所にチャックA,Bが
構成されている。この2カ所に設けられたチャックA,
Bは、両軸中空モータ13を挟んで対称的な関係にあ
り、両者とも同様な構成からなるため、一方のチャック
Aについてのみ図2に基づいて説明する。アーム15の
下面にはスライドレール35が固着され、そこを一対の
スライダ41,42が摺動するよう構成されている。そ
のスライダ41,42は、それぞれ軸方向に貫通孔41
a,42aが穿設され、そこを貫通する回転軸14と同
軸上に貫通孔41a,42aが位置するよう係設されて
いる。そして、そのスライダ41,42の底面には、ワ
ークを把持するためのチャック爪43,44が固定され
ている。
【0018】ところで、本実施の形態の複合チャック
は、両軸中空モータ13と同様に磁気ネジを利用してそ
の把持動作を行うものである。即ち、回転軸14には、
スライダ41,42が移動するレール35と同じ領域に
かけて円筒磁石が固着され、その円筒磁石の表面に雄磁
気ネジが形成されている。また、スライダ41,42の
貫通孔41a,42a内にも円筒磁石が装填され、その
内周面に雌磁気ネジがそれぞれ形成されている。具体的
には、回転軸14に固着された円筒磁石表面に、図面右
上がり螺旋のN極着磁帯45N及びS極着磁帯45Sか
らなる第1雄磁気ネジ45と、図面右下がり螺旋のN極
着磁帯46N及びS極着磁帯46Sからなる第2磁気ネ
ジ46とが重ねて着磁された雄磁気ネジが形成され、ス
ライダ41の貫通孔41a内に装填された円筒磁石に
は、第1雄磁気ネジ45対応したN極着磁47N帯及び
S極着磁帯47Sからなる第1雌磁気ネジ47が、スラ
イダ42の貫通孔42a内に装填された円筒磁石には、
第2雄磁気ネジ46対応したN極着磁48N帯及びS極
着磁帯48Sからなる第2雌磁気ネジ48がそれぞれ形
成されている。
【0019】なお、本実施の形態では、請求項1に記載
する両軸中空モータ13の出力軸とチャックA,Bの雄
磁気ネジを形成する回転軸とが回転軸14として1本の
ものとなる構成をしているが、これは本複合チャックを
形成する両軸中空モータ13の構成からなるものであ
る。従って、本実施の形態における請求項1に記載の出
力軸とは、雄磁気カップリング30及びその雄磁気カッ
プリング30が形成された回転軸14が、また請求項1
に記載の回転軸とは、第1、第2雄磁気ネジ45,46
が形成された箇所の回転軸14が該当するものとする。
【0020】そこで、このような構成をなす本実施の形
態の複合チャックは、以下のようにワークの搬送を実行
する。先ず、本複合チャックの両軸中空モータ13を挟
んで設けられたチャックA,Bは、インデックステーブ
ル1の回転出力によって所定の回転位置に位置決めさ
れ、さらに上下シリンダ2の出力によってその高さが位
置決めされる(高さの位置決めと回転方向の位置決めの
順序が逆であってもよい)。そして、そのインデックス
テーブル1及び上下シリンダ2によって位置決めされた
箇所で、両軸中空モータ13からの回転出力によってチ
ャックA,Bが動作することとなる。
【0021】両軸中空モータ13は、制御系からの電流
指令によって通電されたコイル22に回転磁界が発生
し、励磁されたコア21に吸引されるようにして永久磁
石25に円周方向の回転力が与えられる。そのため、永
久磁石25を円周上に有するロータ26が、ブッシュ2
4a,24bに摺接支持されて回転することとなる。こ
のロータ26の回転は、その中空軸内に一体の雌磁気カ
ップリング29も回転させることとなる。そして、中空
軸内の回転軸14に形成された雄磁気カップリング30
と、回転する雌磁気カップリング29との間で磁力作用
による吸引力が働き、回転軸14もロータ26と同方向
に回転することとなる。
【0022】そこで、回転軸14に回転が与えられる
と、その回転軸に固着された円筒磁石に形成された第
1、第2雄磁気ネジ45,46が回転し、その第1、第
2雄磁気ネジ45,46との磁力作用によってスライダ
41,42が軸方向に直進運動することとなる。即ち、
回転する第1雄磁気ネジ45の着磁帯45N,45Sに
対して、回転の制限された第1雌磁気ネジ47の着磁帯
47S,47Nが追随しようとし、また、同様に第2雄
磁気ネジ46の着磁帯46N,46Sに対して、回転の
制限された第2雌磁気ネジ48の着磁帯48S,48N
が追随しようとして推力が発生するからである。
【0023】第1雄磁気ネジ45及び第1雌磁気ネジ4
7と、第2雄磁気ネジ46及び第2雌磁気ネジ48と
は、前記した如く着磁帯が逆方向に着磁されているた
め、スライダ41,42には逆方向の推力が働く。その
ため、回転軸14の所定方向の回転によりスライダ4
1,42が互いに接近し、或いは逆に離間するよう移動
する。従って、制御系からの所定の電流指令によって回
転軸14の回転を制御することによって、スライダ4
1,42を接近させてチャック爪43,44でワークを
把持し、或いはスライダ41,42を離間させることに
よって両チャック爪43,44を離間させて把持したワ
ークを放す。
【0024】ところで、本複合チャックは、チャック
A,Bに形成した雄磁気ネジ及び雌磁気ネジを構成する
着磁帯の螺旋方向を両軸中空モータ13に対して対称的
に形成した。そのため、両軸中空モータ13に近いスラ
イダ42,42には右ネジが構成され、両軸中空モータ
13から遠いスライダ41,41には左ネジが構成され
ている。従って、回転軸14が図面右方から見て時計方
向に回転したならば、チャックA,B共にスライダ4
2,42は両軸中空モータ13から遠ざかる方へ移動
し、逆にスライダ41,41は両軸中空モータ13に近
ずく方へ移動する。一方、回転軸14が図面右方から見
て反時計方向に回転したならば、チャックA,B共にス
ライダ42,42は両軸中空モータ13へ近ずく方へ移
動し、逆にスライダ41,41は両軸中空モータ13か
ら遠ざかる方へ移動する。
【0025】しかし、このようなチャックA,Bに形成
した雄磁気ネジ及び雌磁気ネジの螺旋方向を一方向に同
じ順序で着磁したならば、両者はまったく逆の動作をす
ることとなる。即ち、チャックAの両軸中空モータ13
に近いスライダ42とチャックBの両軸中空モータ13
から遠いスライダ41を右ネジで構成し、チャックAの
両軸中空モータ13から遠いスライダ41とチャックB
の両軸中空モータ13に近いスライダを左で構成した場
合である。このとき、回転軸14が図面右方から見て時
計方向に回転したならば、チャックAのスライダ42は
右ネジが構成されているため両軸中空モータ13から遠
ざかる方へ移動するのに対し、チャックBのスライダ4
2は左ネジが構成されているため両軸中空モータ13へ
近ずく方へ移動する。また、スライダ41,41につい
ても逆方向へ移動することとなる。そのため、チャック
Aではワークの把持動作が行われるのに対して、チャッ
クBでは把持したワークを放す動作が行われる。
【0026】このような構成をなす本実施の形態の複合
チャックは、第1雄磁気ネジ45及び第1雌磁気ネジ4
7と、第2雄磁気ネジ46及び第2雌磁気ネジ48とを
利用し、回転中心に設けた両軸中空モータ13の回転に
よってチャックA,Bの開閉を行うようにしたため、ア
ーム15にかかる荷重は従来のもの比べて半分以下にま
で軽量化することができた。従って、チャックA,Bを
回転させ、或いは上下移動させるためのエネルギが小さ
くてすむようになり、省エネに寄与することとなった。
また、本複合チャックでは磁気ネジによってチャック
A,Bを開閉させるため、従来チャックを動作させるの
にアームにまでひっぱていたケーブルやエアパイプ等が
不要となり、それらの劣化によって複合チャック自体の
寿命を短くするといった問題が回避された。
【0027】また、本複合チャックではチャックA,B
の開閉に磁気ネジを利用したため、把持動作の途中で何
らかにぶつかってしまっても、磁気ネジが脱調すること
で駆動系に過負荷が加わることを回避して破損などが防
止できた。また、従来の複合チャックには、ボールネジ
等の機械ネジによってチャックに推力を与えて開閉動作
を行うものがあるが、各チャックで同時に把持するワー
クの寸法にバラツキがあるものの場合、大きいワークを
把持した時点でチャックの開閉がロックされてしまい、
小さい方のワークが把持できないといったことがあっ
た。しかし、本複合チャックでは磁気ネジを使用したこ
とによりチャックがバネ性を有するため、寸法にかなり
バラツキのあるワークの把持が可能となった。
【0028】即ち、同時に把持するワークに寸法差があ
ると、対称関係にあるチャックA,Bの第1雄磁気ネジ
45と第1雌磁気ネジ47、第2雄磁気ネジ46と第2
雌磁気ネジ48との着磁帯の停止位置がずれた状態とな
る。図3はこの状態を示している。図3では、実線が、
一方のチャックが把持するワークが小さい場合のスライ
ダ41(42)の停止位置を示し、破線が、他方のチャ
ックが把持するワークが大きい場合のスライダ41(4
2)の停止位置を示している。本複合チャックでは、制
御系からの電流指令によってワークの寸法に応じた回転
角を両軸中空モータ13の回転軸14に与える。そのた
め、例えば、チャックA側のワークが設定寸法よりも大
きい場合にはスライダ41(42)の移動が強制的に止
められ、生じたズレΔxに応じて磁気ネジのバネ性によ
り反力Fが発生する。そして、他方のチャックBでは、
更に回転する回転軸14によりスライダ41,42の移
動によりワークを把持する。
【0029】ズレΔxと反力Fとの関係について、図4
のグラフを参照して説明する。図4は、ズレΔxを横軸
に、反力Fを縦軸にとったグラフである。このグラフに
示すように、原点付近では反力Fは、ズレΔxに対し反
対方向に働き、その大きさはズレΔxとともに増加す
る。即ち、磁気ネジのバネ性を示している。そして、ズ
レΔxの大きさが0.5P(P:磁気ネジのピッチ)に
達すると反力Fの大きさが最大となるので、磁気ネジが
バネ性を発揮するのはズレΔxが±0.5Pの範囲内に
あるときであることがわかる。反力Fの最大値Fmax
は、雄磁気ネジ及び雌磁気ネジを形成する円筒磁石との
組合せにより任意に選定できる。
【0030】本複合チャックでは、制御系においてオー
バーランプログラムを実行して、寸法の異なるワークの
把持を実行する。即ち、例えばチャックAが寸法の大き
いワークに当接してから、両軸中空モータ13により回
転軸14が更に所定角度オーバーランされる。オーバー
ランの量は0.5P以下とする。例えば、両軸中空モー
タ13が200パルス/回転のものであれば、20〜3
0パルス程度のオーバーランを実行するようにする。こ
れによりチャックAとチャックBとは約0.25Pの大
きさのズレΔxを生じ、チャックBより所定反力Fs だ
け大きな力でチャックAがワークに押しつけられること
となる(図4中に点Qで示す)。
【0031】次に、本発明にかかる複合チャックの第2
実施の形態について説明する。本複合チャックは、前記
第1実施の形態で1対のチャックA,Bを備えたものを
示したのに対して3個のチャックを備えたものである。
そのうちインデックステーブル1、上下シリンダ2及び
各チャックは、第1実施の形態のものと同様の構成をな
すものであるためその詳細は省略し、雄磁気ネジを備え
た回転軸を駆動する両軸モータの出力伝達部についての
み説明する。図5は、両軸モータとその回転出力伝達部
の構成を示した図である。本複合チャックは、前記第1
実施の形態のものと同様に上下シリンダ2のシリンダロ
ッド11の先端に支持部51が固定されている。支持部
51は2区画に分割され、四面が仕切られたギヤ室51
aと第1実施の形態と同様の両軸モータ52を装填する
モータ室51bとが形成されている。
【0032】両軸モータ52の回転軸53は、支持部5
1の壁面を貫通して一方が第1実施の形態と同様に延設
され、円筒磁石が固着されて雄磁気ネジ54が形成され
ている。また、回転軸52の他方は、支持部51の壁面
を貫通してギヤ室51a内に挿入されてカサバ歯車55
Aが嵌合されている。一方、支持部51のギヤ室51a
の壁面には、両軸モータ52の回転軸53と垂直に回転
軸56が貫通している。そして、その回転軸56には、
カサバ歯車55Aと噛合するカサバ歯車55Bが嵌合さ
れている。従って、両軸モータ52は、その回転軸53
の回転出力をカサバ歯車55A,55Bを介して伝達
し、回転軸56をも回転させるよう構成されている。そ
して、そのギヤ室51aを貫通した回転軸56には、円
筒磁石が固着されて雄磁気ネジ57,58が形成されて
いる。
【0033】従って、本複合チャックは、T字型をなす
3方へ延びた雄磁気ネジ54,57,58が形成され、
図示しないが、それぞれに第1実施の形態と同様な雌磁
気ネジを備えた一対のスライダが設けられてチャックが
構成されている。ところで、支持部51は上下シリンダ
2のシリンダロッド11先端に固定されるが、チャック
を有するアームのバランスをとるために回転軸53,5
6の交点Oを回転中心にするよう構成した。
【0034】よって、本複合チャックでは、インデック
ステーブル1及び上下シリンダ2によって各チャックを
所定位置に配置させた後、両軸モータ52を駆動させ
る。両軸モータ52の駆動は、回転軸53の回転として
出力され雄磁気ネジ54が回転し、同時にカサバ歯車5
5A,55Bを介して回転軸56の回転となる。従っ
て、その回転軸56に形成された雄磁気ネジ57,58
も回転する。そのため、各雄磁気ネジ54,57,58
に対応したチャックの開閉が実行される。従って、本実
施の形態の複合チャックでは、3個のチャックを同時に
開閉できるよう構成したので、前記第1実施の形態のも
のと同様な効果を奏するとともに、チャックが増えたこ
とで多工程の作業が同時に行えるようになった。なお、
本実施の形態の複合チャックでも、各チャックを構成す
る雄磁気ネジと雌磁気ネジの着磁帯の螺旋方向を調整す
ることによって、同時開閉或いは開閉が混在するように
することができる。
【0035】次に、本発明にかかる複合チャックの第3
実施の形態について説明する。本複合チャックは、前記
第1実施の形態で使用した両軸中空モータ13に替えて
両軸のステッピングモータを使用したものである。図6
は、第3実施の形態の複合チャックの把持部を示した一
部断面図である。本実施の形態で使用する両軸モータ6
1は、磁性体からなるコア62が円周状に形成され、そ
こに巻回されたコイル63が不図示の制御系へ接続され
ている。コイル63が巻回されたコア62は、ハウジン
グ64によって覆われている。ハウジング64は、内周
側に開放した断面コ字状のドーナッツ形状をなし、その
内周側両端部にはモータ軸受65a,65bが固着され
ている。ハウジング64内には、円周面にロータ用磁石
66が貼着されたロータ67が装填されている。そのロ
ータ67及びモータ軸受65a,65bの中心孔を貫通
した回転軸68がロータ67に固設され、支持部材69
から突設されている。そして、このような構成からなる
両軸モータ61は支持部材69によって支持されてい
る。
【0036】一方、アーム71には、第1実施の形態と
同様に両軸モータ61を挟んで2カ所にチャックが構成
されている(図1参照)。ここでは、一方のチャックに
ついてのみ説明する。アーム71には2枚の支持板7
2,73が垂設され、回転軸74がベアリングを介して
軸支されている。その回転軸74は両軸モータ61側に
突設され、カップリング75によって回転軸68と同軸
上で連結されている。また、支持板72,73の間には
アーム71の底面にスライドレール76が固着され、一
対のスライダ77,78が摺動するよう構成されてい
る。スライダ77,78の底面には、ワークを把持する
ためのいるチャック爪79,80が固定されている。そ
して、本実施の形態でも前記第1実施の形態と同様に、
回転軸14に固着された円筒磁石表面に、左右両方向に
螺旋した着磁帯からなる雄磁気ネジ81と、その回転軸
74が貫通するスライダ77,78の貫通孔内に装填さ
れた円筒磁石に、それぞれ左右に螺旋した雌磁気ネジ8
2,83とが形成されている。
【0037】このような構成からなる本実施の形態の複
合チャックでは、両軸モータ61が制御系からの電流指
令によって通電されたコイル63に回転磁界が発生し、
励磁されたコア62に吸引されるようにしてロータ用磁
石66に円周方向の回転力が与えられる。そのため、ロ
ータ用磁石66を円周上に有するロータ67が、モータ
軸受65a,65bに支持された回転軸68とともに回
転する。このような両軸モータ61から出力される回転
軸68の回転は、カップリング75を介して回転軸74
に伝達され、前記第1実施の形態と同様にして雄磁気ネ
ジ81と雌磁気ネジ82,83との磁力作用によってス
ライダ77,78がスライドレール76を摺動し、チャ
ック爪79,80によるワークの把持動作が行われる。
【0038】以上、複合チャックの一実施の形態を示し
たが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣
旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例え
ば、前記実施の形態では磁気カップリング及びステッピ
ングモータを利用した両軸モータを利用したが、DCモ
ータ又はサーボモータを利用するようにしてもよい。ま
た、例えば、チャックを構成する一対のスライダがそれ
ぞれ逆方向に移動するよう螺旋方向が逆の着磁帯を重ね
て着磁した雄磁気ネジを示したが、各スライダが移動す
る領域は区別されているため、螺旋方向の異なる着磁帯
をその領域毎に区別して着磁してもよい。また、例え
ば、実施の形態では2個及び3個のチャックを有するも
のを示したが、更にそれ以上のチャックを備えるもので
あってもよい。また、実施の形態ではチャックの位置決
めのための構成としてインデックステーブル1及び上下
シリンダ2を示して説明したが、例えば本出願人が出願
した特願平9―23838のDDモータを使用してもよ
い。
【0039】
【発明の効果】本発明は、両軸モータの出力軸に一体に
又はギヤを介して連結された二以上の回転軸と、各回転
軸に対して平行に形成された二以上のスライドレール
と、各スライドレールを摺動する一対のスライダにチャ
ック爪を設けてなるチャックと、各回転軸に固着された
円筒磁石に対して左右に傾斜したS極及びN極の着磁帯
を螺旋状に着磁してなる雄磁気ネジと、回転軸が貫通す
るスライダの貫通孔に装填された円筒磁石に対して右側
又は左側にそれぞれ傾斜したS極及びN極の着磁帯を螺
旋状に着磁してなる雌磁気ネジとを備えた把持部を有
し、把持部を回転させ又は上下方向へ移動させる位置決
手段とを有することで、チャックを軽量化した複合チャ
ックを提供することが可能となった。
【0040】また、本発明は、各回転軸に形成された雄
磁気ネジと該各雄磁気ネジに対して設けられた一対のス
ライダに形成された雌磁気ネジとが、両軸モータの回転
により各チャックが同時に閉じるように、又はチャック
の開閉が混在するように着磁帯の傾斜方向が設定された
ものであるので、各種搬送パターンを容易に変えること
ができる。複合チャックを提供することが可能となっ
た。
【0041】また、本発明は、両軸モータが、モータ本
体の円周部に巻回された回転磁界を発生するコイルと、
コイルの円周内部にあって中心に中空軸を形成してなる
回転自在なロータと、ロータ外周上に固着された永久磁
石と、ロータの中空軸内に固着された円筒磁石にS極及
びN極の着磁帯が着磁されてなる雌磁気カップリング
と、ロータの中空軸に対して貫設した出力軸に回転軸が
固定又は動力伝達手段を介して連結され、その出力軸に
固着された円筒磁石にS極及びN極の着磁帯が着磁され
てなる雌雄磁気カップリングとを有することで、回転体
と出力軸とが非接触な磁力作用による関係をなしている
ため、芯出しが容易になり、また、モータ本体内に雌磁
気カップリングを形成したことにより、両軸モータの軸
方向寸法の縮小化、軽量化した複合チャックを提供する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合チャックの第1実施の形態
を示した外観斜視図である。
【図2】第1実施の形態の複合チャックの把持部を示し
た一部断面図である。
【図3】磁気ネジにおいて、変位を生じる様子を説明す
る図である。
【図4】磁気ネジの変位と力との関係を示すグラフであ
る。
【図5】第2実施の形態の複合チャックの把持部を示し
た一部断面図である。
【図6】第3実施の形態の複合チャックの把持部を示し
た一部断面図である。
【図7】従来の複合チャックを示した外観斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 インデックステーブル 2 上下シリンダ 3 把持部 13 両軸モータ 14 回転軸 15 アーム 35 スライドレール 41,42 スライダ 43,44 チャック爪 45 第1雄磁気ネジ 46 第2磁気ネジ 47 第1雌磁気ネジ 48 第2雌磁気ネジ A,B チャック

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両軸モータの出力軸に一体に又はギヤを
    介して連結された二以上の回転軸と、 前記各回転軸に対して平行に形成された二以上のスライ
    ドレールと、 前記各スライドレールを摺動する一対のスライダにチャ
    ック爪を設けてなるチャックと、 前記各回転軸に固着された円筒磁石に対して左右に傾斜
    したS極及びN極の着磁帯を螺旋状に着磁してなる雄磁
    気ネジと、 前記回転軸が貫通する前記スライダの貫通孔に装填され
    た円筒磁石に対して右側又は左側にそれぞれ傾斜したS
    極及びN極の着磁帯を螺旋状に着磁してなる雌磁気ネジ
    とを備えた把持部を有し、 前記把持部を回転させ又は上下方向へ移動させる位置決
    手段とを有することを特徴とする複合チャック。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合チャックにおい
    て、 前記各回転軸に形成された雄磁気ネジと該各雄磁気ネジ
    に対して設けられた一対のスライダに形成された雌磁気
    ネジとが、 前記両軸モータの回転により前記各チャックの開閉が統
    一されるように、又は前記各チャックの開閉が混在する
    ように着磁帯の傾斜方向が設定されたものであることを
    特徴とする複合チャック。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の複合チャ
    ックにおいて、 前記両軸モータが、モータ本体の円周部に巻回された回
    転磁界を発生するコイルと、前記コイルの円周内部にあ
    って中心に中空軸を形成してなる回転自在なロータと、
    前記ロータ外周上に固着された永久磁石と、前記ロータ
    の中空軸内に固着された円筒磁石にS極及びN極の着磁
    帯が着磁されてなる雌磁気カップリングと、前記ロータ
    の中空軸に対して貫設した前記出力軸に前記回転軸が固
    定又は動力伝達手段を介して連結され、その出力軸に固
    着された円筒磁石にS極及びN極の着磁帯が着磁されて
    なる雌雄磁気カップリングとを有することを特徴とする
    複合チャック。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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