JPH1110416A - チャックホルダおよびチャック取付装置 - Google Patents

チャックホルダおよびチャック取付装置

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JPH1110416A
JPH1110416A JP16763497A JP16763497A JPH1110416A JP H1110416 A JPH1110416 A JP H1110416A JP 16763497 A JP16763497 A JP 16763497A JP 16763497 A JP16763497 A JP 16763497A JP H1110416 A JPH1110416 A JP H1110416A
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JP
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chuck
holder
lock
adapter
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JP16763497A
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English (en)
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Seiji Itakusu
誠司 板楠
Setsuo Heike
節男 平家
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Denso Corp
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
Original Assignee
Denso Corp
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャックの着脱作業が容易なチャックホルダ
およびチャック取付装置を得る。 【解決手段】 チャック22を保持したチャックホルダ
14を主軸16に固定のアダプタ12に対して着脱す
る。チャック駆動軸46とドローバーの係合部材72と
を係合部78,76により連結し、かつ、雄ねじ部材5
4の回転操作によりロック部材50,52をアダプタ1
2の傾斜面39に係合させてチャックホルダ14をアダ
プタ12に固定する。ロック部材50,52の係合状態
は、移動指示部材36の外端面182とアダプタ12の
肩面166との一致を外部から目視することにより確認
する。取外し時には、傾斜面39からロック部材50,
52を離間させるとともに、カム面67,68により蹴
出部材60,62を後端面130から突出させ、チャッ
クホルダ14をアダプタ12から離間させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部にドローバー
を備えた主軸にチャックを取り付けるためのチャックホ
ルダと、チャックホルダおよびアダプタを含むチャック
取付装置とに関するものであり、特に、チャックの着脱
作業の容易化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内部にドローバーを備えた主軸にチャッ
クを取り付け、そのチャックの保持爪,コレット等を含
む保持機構をドローバーにより駆動することによって、
チャックを対象物を保持する保持状態と対象物を解放す
る解放状態とに作動させることが従来から行われてい
る。このチャックを別のものと交換する場合にはチャッ
クの着脱作業が必要となるが、従来はその作業が面倒で
あった。チャックの保持機構はドローバーに連結装置に
より連結されており、この連結装置の連結を解くには、
少なくとも1個のねじ部材を緩める必要があり、この分
離作業が面倒であったのである。また、チャック本体は
主軸に直接、あるいはアダプタを介して間接に固定され
るのであるが、いずれにしても従来は複数本のボルトに
より固定されており、チャック本体を主軸に対して着脱
するためには、これらボルトの回転操作が必要であり、
面倒であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願の請求項1に係る
第1発明は上記の事情を背景として為されたものであ
り、その課題は、内部にドローバーを備えた主軸にチャ
ックを取り付けるためのチャックホルダにおいて、保持
機構とドローバーとの連結,分離を容易化することであ
る。また、請求項2に係る第2発明の課題は、第1発明
のチャックホルダにおいて、チャック本体の主軸への着
脱を容易にすることであり、請求項3に係る第3発明の
課題は、第2発明のチャックホルダにおいて、ロック部
材移動装置の構成を単純化することである。請求項4に
係る第4発明の課題は、第2発明または第3発明のチャ
ックホルダにおいて、チャック本体の主軸からの取外し
を容易化することであり、請求項5に係る第5発明の課
題は、第2ないし第4発明のいずれかに係るチャックホ
ルダと主軸に固定されるアダプタとを含むチャック取付
装置において、ロック部材によるチャック本体のアダプ
タに対するロックが正常に行われたことを目視により確
認し得るようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
第1発明においては、上記課題が、チャック保持部を有
して主軸に固定されるホルダ本体の中央を貫通する中央
孔に、軸方向に移動可能かつ相対回転不能にチャック駆
動軸を嵌合するとともに、そのチャック駆動軸の主軸側
の端部に、嵌合位相では、ドローバーの係合部と軸方向
に嵌合,離脱可能であり、嵌合位相から一定角度相対回
転した係合位相では、軸方向に離脱不能に係合する係合
部を設けることにより解決される。
【0005】この構成のチャックホルダにチャックを取
り付けておけば、チャックの主軸に対する着脱をチャッ
クホルダごと行うことにより、着脱作業を従来より容易
に行うことができる。チャックの保持機構は、チャック
ホルダのチャック駆動軸に恒常的に連結され、チャック
駆動軸がドローバーに連結される。そして、チャック駆
動軸とドローバーとは、それぞれに設けられた係合部の
嵌合位相における軸方向の嵌合と係合位相への回転によ
る係合とにより簡単に連結され、逆の動作により簡単に
分離されるため、その分チャックの着脱作業が従来より
容易になるのである。なお、チャック駆動軸とドローバ
ーとの係合部を相対回転させるためには、一般的にはホ
ルダ本体を回転させるのであるが、主軸を一定の位相で
停止させ、その位相から一定角度回転させる回転制御装
置、または、ドローバーを主軸に対して回転させるドロ
ーバー回転装置が主軸側に設けられている場合には、主
軸またはドローバーを回転させることによって両係合部
を相対回転させることができる。後者の場合には、チャ
ック交換の自動化が容易となる利点がある。
【0006】また、本チャックホルダは、これに保持さ
れるチャックを別のチャックと交換することによって、
複数のチャックに共用することができ、設備費の節減を
図ることができる。この場合には、チャックの保持機構
とチャックホルダのチャック駆動軸とを分離する必要が
あるが、この分離作業はチャックの主軸からの取外しほ
ど頻繁に行う必要のないものであり、かつ、工作機械か
ら離れた位置で行うことができるため、この分離作業が
工作機械の稼働率を低下させることはないため、多少時
間を要しても差し支えない。
【0007】第2発明においては、前記課題が、第1発
明に係るチャックホルダにおいて、ホルダ本体の直径方
向に隔たった2個所に設けた2つの半径方向穴にそれぞ
れロック部材を嵌合するとともに、それら2個のロック
部材をそれぞれホルダ本体の外周面から突出したロック
位置とそのロック位置より引っ込んだ退避位置とに移動
させるロック部材移動装置を設けることにより解決され
る。
【0008】本チャックホルダを使用する場合には、主
軸側にロック部材により係合される被係合部を設けるこ
とが必要である。被係合部は、例えば、主軸の前端側か
ら後端側へ進むに従って主軸の軸線から遠ざかる向きに
傾斜した傾斜面を有するものとされる。この場合には、
ロック部材が半径方向外向きに移動させられて、傾斜面
に係合すれば、斜面の作用により主軸の前端側から後端
側に向かう向きの力を受け、この力によりホルダ本体が
主軸の前向きの面に押し付けられて、主軸に固定され
る。ロック部材のこの傾斜面に係合する位置がロック位
置であり、ホルダ本体が主軸から軸方向に平行に取り外
される際にロック部材が傾斜面に接触しない位置まで引
っ込まされた位置が退避位置である。傾斜面の半径方向
位置によっては、ロック部材が完全にホルダ本体の外周
面より引っ込む必要がない場合があるのである。上記被
係合部は、主軸自体に形成することも可能であるが、ア
ダプタに形成し、そのアダプタを主軸に取り付ければ、
汎用の主軸に本発明に係るチャックホルダを取り付ける
ことが可能になる。
【0009】第3発明においては、前記課題が、第2発
明に係るチャックホルダにおいて、ロック部材移動装置
を、一端部に2個のロック部材の一方と螺合する雄ねじ
部を有し、他端部がロック部材の他方と相対回転可能か
つ軸方向の自由な相対移動不能に係合する1本の雄ねじ
部材を含むものとし、その雄ねじ部材とチャック駆動軸
との一方に他方を、チャック駆動軸の軸方向の移動を許
容する状態で貫通させることにより解決される。雄ねじ
部材の他端部は、ロック部材の他方と軸方向の相対移動
不能に係合させてもよく、螺合させてもよい。螺合させ
れば、雄ねじ部材とロック部材とは軸方向に相対移動可
能とはなるが、回転と軸方向移動とが一対一に対応し、
自由に相対移動することは不可能になる。雄ねじ部材の
他端部をロック部材の他方と螺合させる場合には、雄ね
じ部材の両端部に雄ねじ部を設けることになる。これら
両雄ねじ部は、ねじの向きを左右異ならせるか、ねじの
向きが同じである場合にはピッチを異ならせることが必
要である。
【0010】本発明のチャックホルダにおいては、雄ね
じ部材を回転させれば2個のロック部材が互いに接近,
離間する。両ロック部材が互いに離間する向きに雄ねじ
部材を回転させれば、やがて両ロック部材がそれぞれ対
応する傾斜面に係合し、ホルダ本体を主軸に固定する。
両ロック部材の傾斜面に対する係合力は必然的に等しく
なるため、ホルダ本体が直径方向に離れた2個所におい
て均等に主軸に押し付けられ、取付精度が安定する。
【0011】第4発明においては、前記課題が、第2発
明または第3発明に係るチャックホルダにおいて、ホル
ダ本体の2個の半径方向穴からホルダ本体の後ろ向きの
面まで軸方向に貫通した軸方向穴にそれぞれ蹴出部材を
軸方向に移動可能に嵌合するとともに、2個の半径方向
穴に嵌合されるロック部材の各々に、対応する蹴出部材
に係合してロック部材の前記退避位置への運動を蹴出部
材の、ホルダ本体の後ろ向きの面から後方へ突出する運
動に変換するカム面を形成することにより解決される。
【0012】雄ねじ部材を回転操作して2個のロック部
材を互いに接近させれば、両ロック部材が対応する傾斜
面から離間してホルダ本体の主軸からの離間を許容する
が、各ロック部材が退避位置に達する前に、各ロック部
材のカム面が対応する蹴出部材に係合し、後退させる。
この後退により、蹴出部材の後端部がホルダ本体の後ろ
向きの面から突出し、主軸に当接するため、ホルダ本体
が主軸から蹴り出される。ホルダ本体と主軸とは同心性
を保証するために、嵌合突部と嵌合凹部とにおいて嵌合
されるのが普通であるが、これら嵌合突部と嵌合凹部と
がテーパ面で締まり嵌合させられる場合にはこの締まり
嵌合を解除するために上記蹴出しが必要であるが、嵌合
突部と嵌合凹部とが締まり嵌合しない場合でも、ホルダ
本体と主軸とが切削油等により互いに付着し、容易に離
間しない場合が多いため、蹴出機構が設けられることが
望ましい。本発明のチャックホルダにおいても、2個の
蹴出部材の蹴出力が必然的に等しくなるため、ホルダ本
体を主軸から蹴り出す力が直径方向に隔たった2個所で
均等に加えられるため、ホルダ本体と主軸との嵌合部に
こじり力が作用することがなく、ホルダ本体の蹴出しが
良好に行われる。
【0013】第5発明においては、前記課題が、第2な
いし第4発明のいずれか1つに係るチャックホルダと、
そのチャックホルダのロック部材に係合される被係合部
を有して主軸に固定されるアダプタとを含むチャック取
付装置において、少なくともロック部材のロック位置近
傍においてはロック部材と一体的に移動し、かつ、外部
から視認可能な移動指示部を設けるとともに、アダプタ
に、ロック部材がロック位置にある状態で移動指示部と
半径方向位置がほぼ一致し、かつ、外部から視認可能な
固定指示部を設けることにより解決される。移動指示部
および固定指示部はそれぞれロック部材およびアダプタ
に一体に形成することができるが、少なくとも一方を別
部材とすることも可能である。
【0014】本発明のチャック取付装置においては、ア
ダプタが主軸に固定され、そのアダプタに対してチャッ
クホルダが着脱される。ロック部材によるホルダ本体の
アダプタへのロックが正常に行われれば、移動指示部と
固定指示部との半径方向位置がほぼ一致する。そして、
両指示部は外部から視認可能であるため、両指示部の半
径方向位置の一致を目視により確認することができ、結
局ロック部材の正常ロックを目視により確認することが
できる。ここにおいて、「半径方向位置がほぼ一致す
る」とは、製造誤差の範囲で実質的に一致する状態は勿
論、移動指示部が固定指示部より僅かに突出した状態も
しくは引っ込んだ状態をも含む。例えば、ロックが正常
に行われている限り、製造誤差の大小を問わず移動指示
部が必ず固定指示部より突出するように設計しておけ
ば、移動指示部が固定指示部より突出していなければ、
ロックが正常に行われていないことを明瞭に認識するこ
とができるのである。
【0015】
【発明の補足説明】本発明は上記各請求項に記載の態様
の外に、下記の態様でも実施可能である。実施の態様
は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項として記載
する。ただし、複数の請求項または実施態様項に従属す
る実施態様項にさらに従属する実施態様項は、それら複
数の請求項または実施態様項のすべてについて読み得る
とは限らず、実質的に読み得る項、すなわち論理的に矛
盾を生じない項のみについて読まれるべきものとする。 (1)前記ホルダ本体と前記主軸との間に、互いに嵌合
することによりホルダ本体の主軸に対する半径方向の位
置決めを行う嵌合突部と嵌合凹部とが設けられた請求項
1ないし4のいずれか1つに記載のチャックホルダ、ま
たは請求項5に記載のチャック取付装置。ホルダ本体が
主軸に直接取り付けられる場合には、嵌合突部と嵌合凹
部との一方がホルダ本体に、他方が主軸に設けられる。
それに対して、アダプタが主軸に取り付けられ、そのア
ダプタにホルダ本体が取り付けられる場合には、嵌合突
部と嵌合凹部とはホルダ本体とアダプタとに設けられ
る。 (2)前記嵌合突部と前記嵌合凹部とがテーパ外周面と
テーパ内周面とで互いに嵌合する実施態様項1に記載の
チャックホルダまたはチャック取付装置。嵌合突部と嵌
合凹部とが締まり嵌合するとともに、ホルダ本体の後ろ
向きの面が主軸側(主軸またはアダプタ)の前向きの面
に密着するようにされれば、ホルダ本体の取付剛性およ
び取付位置精度が向上する。しかし、嵌合突部と嵌合凹
部とが締まり嵌合することは不可欠ではない。締まり嵌
合しない場合でも、嵌合突部と嵌合凹部との嵌合クリア
ランスを、両者が円筒面で嵌合する場合に比較して小さ
くし易い利点がある。嵌合クリアランスを小さくしても
両者の嵌合作業が困難になることがないからである。 (3)前記ホルダ本体と前記主軸との間に、互いに係合
して回転トルクを伝達する一対のトルク伝達部が設けら
れた請求項1ないし4,実施態様項1,2のいずれか1
つに記載のチャックホルダまたは請求項5,実施態様項
1,2のいずれか1つに記載のチャック取付装置。ホル
ダ本体が主軸に直接取り付けられる場合には、一対のト
ルク伝達部の一方がホルダ本体に、他方が主軸に設けら
れる。それに対して、アダプタが主軸に取り付けられ、
そのアダプタにホルダ本体が取り付けられる場合には、
一対のトルク伝達部はホルダ本体とアダプタとに設けら
れる。 (4)前記一対のトルク伝達部の一方がホルダ本体の中
心線を中心とする円弧溝であり、他方がその円弧溝に嵌
入し、円弧溝の端部に係合するトルク伝達突起である実
施態様項3に記載のチャックホルダまたはチャック取付
装置。 (5)ホルダ本体にそれを直径方向に貫通する貫通穴が
形成され、その貫通穴の両端部がそれぞれ前記半径方向
穴とされた請求項2ないし4,実施態様項1ないし4の
いずれか1つに記載のチャックホルダまたは請求項5,
実施態様項1ないし4のいずれか1つに記載のチャック
取付装置。 (6)前記半径方向穴の断面形状が非円形であり、前記
ロック部材がその非円形断面の半径方向穴に回転不能に
嵌合された請求項2ないし4,実施態様項1ないし5の
いずれか1つに記載のチャックホルダまたは請求項5,
実施態様項1ないし5のいずれか1つに記載のチャック
取付装置。 (7)前記アダプタの前記被係合部が、前記主軸の前端
側から後端側へ進むに従って主軸の軸線から遠ざかる向
きに傾斜した傾斜面を有し、前記ロック部材にその傾斜
面に対応した傾斜面が形成された請求項5,実施態様項
1ないし6のいずれか1つに記載のチャック取付装置。 (8)前記雄ねじ部材の少なくとも一端面に、断面形状
が非円形の工具係合部が設けられた請求項3ないし4,
実施態様項1ないし6のいずれか1つに記載のチャック
ホルダまたは請求項5,実施態様項1ないし7のいずれ
か1つに記載のチャック取付装置。 (9)前記チャック駆動軸に、そのチャック駆動軸を直
径方向に貫通するとともに軸方向に長い長穴が形成さ
れ、前記雄ねじ部材がその長穴を貫通させられた請求項
3ないし4,実施態様項1ないし6,8のいずれか1つ
に記載のチャックホルダまたは請求項5,実施態様項1
ないし8のいずれか1つに記載のチャック取付装置。こ
の態様によれば、雄ねじ部材を、チャック駆動軸のホル
ダ本体に対する相対回転を防止する相対回転防止手段と
しても機能させることができる。 (10)前記蹴出部材が概して円柱状の部材であり、そ
の蹴出部材の前記ロック部材側の端部が円錐部とされる
一方、その円錐部と係合可能なV溝が前記ロック部材に
形成され、そのV溝の端の半円錐面が前記カム面として
機能する請求項4,実施態様項1ないし6,8,9のい
ずれか1つに記載のチャックホルダまたは請求項5,実
施態様項1ないし9のいずれか1つに記載のチャック取
付装置。 (11)前記蹴出部材が、円柱状の軸部とその軸部の前
記ロック部材側の端部に軸部より大きい直径で形成され
た頭部とを含む一方、前記ホルダ本体の前記軸方向穴内
面にブッシュが固定され、そのブッシュに前記軸部が嵌
合され、ブッシュの端面と前記頭部との当接により蹴出
部材の軸方向穴からの離脱が防止された請求項4,実施
態様項1ないし6,8ないし10のいずれか1つに記載
のチャックホルダまたは請求項5,実施態様項1ないし
10のいずれか1つに記載のチャック取付装置。 (12)前記アダプタの、前記ホルダ本体がそのアダプ
タに取り付けられた状態で前記雄ねじ部材の端面と対向
する部分に、その部分を半径方向に貫通する工具挿入穴
が形成された請求項5,実施態様項1ないし11のいず
れか1つに記載のチャック取付装置。 (13)前記固定指示部が、前記工具挿入穴の内周面に
形成された半径方向外向きの肩面である実施態様項12
に記載のチャック取付装置。 (14)前記移動指示部が、前記工具挿入穴に摺動可能
に嵌合された円筒部の半径方向外向きの端面である実施
態様項12または13に記載のチャック取付装置。 (15)前記円筒部が、前記工具挿入穴に嵌合されると
ともに、前記ロック部材に向かう向きに弾性部材により
付勢された筒状の移動指示部材に設けられた実施態様項
14に記載のチャック取付装置。移動指示部材は、雄ね
じ部材を回転操作するための工具の貫通を許容するため
に筒状とされる。 (16)前記アダプタに、前記移動指示部材の半径方向
内向きの移動の限度を規定するストッパが設けられた実
施態様項15に記載のチャック取付装置。この態様のチ
ャック取付装置においては、ロック部材がロック位置か
ら退避位置に向かって移動させられるにつれて移動指示
部材も移動するが、やがてストッパに当接し停止する。
したがって、ロック部材が退避位置に達した時点では移
動指示部材はロック部材から離間しており、チャックホ
ルダのアダプタからの取外しに伴うロック部材の移動を
妨げることがない。移動指示部をロック部材に一体的に
設ける場合には、ロック部材のみならず移動指示部もア
ダプタから中心側へ抜け出した後でなければ、チャック
ホルダをアダプタから取り外すことができないのに比較
して、チャックホルダの取外しが容易になる。 (17)前記工具挿入穴の外周側開口が閉塞部材により
閉塞されている実施態様項12ないし16のいずれか1
つに記載のチャック取付装置。 (18)前記アダプタに、前記ドローバーの係合部と軸
方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合するドロー
バー支持部が設けられた請求項5,実施態様項1ないし
17のいずれか1つに記載のチャック取付装置。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、第1ないし第5発明の実施
形態であるチャックホルダおよびチャック取付装置を図
面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、チャ
ック取付装置10はアダプタ12とチャックホルダ14
とを備えている。アダプタ12はボルト18により主軸
16に同軸に固定されている。アダプタ12の主軸16
側とは反対側の端部にはチャックホルダ14が着脱され
る。そのチャックホルダ14の一方の端部にはチャック
保持部20が形成されてチャック22を保持している。
したがって、アダプタ12に対してチャック22をチャ
ックホルダ14ごと着脱することにより、主軸16に対
するチャック22の着脱を行うことができる。
【0017】以下、アダプタ12およびチャックホルダ
14についてそれぞれ説明する。アダプタ12は、アダ
プタ本体30,閉塞部材32,34,移動指示部材36
およびドローバー支持部材38を備えている。アダプタ
本体30には、主軸16の前端側から後端側へ進むに従
って主軸16の軸線から遠ざかる向きに傾斜した傾斜面
39が形成されている。一方、チャックホルダ14は、
ホルダ本体40と、ロック機構42と、蹴出機構44
と、チャック駆動軸46とを備えている。
【0018】ロック機構42は、直径方向に隔たった位
置に設けられた2個のロック部材50,52と、両ロッ
ク部材50,52に螺合する1本の雄ねじ部材54とを
備えている。ロック部材50,52は、それぞれ半径方
向外向きに移動してホルダ本体40の外周面より突出
し、アダプタ12の傾斜面39に係合するロック位置
と、傾斜面39に接触しない位置つまり退避位置とに移
動させることができる。傾斜面39がロック部材50,
52に係合される被係合部を構成しているのである。蹴
出機構44は、2個の蹴出部材60,62と、ホルダ本
体40に固定されて蹴出部材60,62を軸方向に摺動
可能に保持するブッシュ64,66と、ロック部材5
0,52に形成されて蹴出部材60,62と係合するカ
ム面67,68とを備えている。
【0019】チャック駆動軸46は、ホルダ本体40の
中央を貫通する中央孔70に軸方向に移動可能に嵌合さ
れている。主軸16の内部に設けられた図示しないドロ
ーバーに螺合により固定され、固定後はドローバーの一
部として機能する係合部材72が、前記ドローバー支持
部材38内に軸方向に移動可能に嵌合され、キー74に
より相対回転を防止されている。係合部材72の前端部
に形成された係合部76とチャック駆動軸46の係合部
78とが図3に示す状態で係合させられることにより、
チャック駆動軸46がドローバーに軸方向に一体的に移
動可能に連結される。チャック22の構造については公
知であるため詳しい説明および図示は省略するが、チャ
ック22は、チャック本体と、チャック本体に半径方向
に移動可能に保持された3個の保持爪と、チャック駆動
軸46に螺合により固定されるチャック駆動部材と、チ
ャック駆動部材の軸方向の運動を保持爪の半径方向の運
動に変換する運動変換機構とを備えている。ドローバー
74によりチャック駆動軸46を介して3個の保持爪を
軸対称に移動させることにより、チャック22を対象物
を保持する保持状態と対象物を解放する解放状態とに作
動させることができる。本実施形態においては、3個の
保持爪と運動変換機構とがチャック22の保持機構を構
成しているのである。また、チャック駆動軸46は、保
持機構とドローバー74とを連結する連結部材であり、
この連結部材としてのチャック駆動軸46が係合部材7
4と共同して連結装置を構成している。
【0020】アダプタ本体30は円環状を成しており、
アダプタ本体30の軸方向に直角な平面である前端面8
0には嵌合凹部82が形成されている。嵌合凹部82は
アダプタ本体30の軸方向に形成されるとともに、その
先端部の内周面は、内径が先端に向かうほど大きくなる
テーパ内周面84が形成されている。前端面80におい
てアダプタ本体30の中心線から半径方向に隔たった位
置、具体的には嵌合凹部82より外周側の位置には軸方
向に突出するピン86が立設されている。
【0021】ホルダ本体40の、アダプタ本体30の前
端面80と密着する後面90の中心部から直角方向に嵌
合突部92が延び出させられている。嵌合突部92の基
端部の外周面は、嵌合凹部82のテーパ内周面84に対
応するテーパ外周面94とされており、このテーパ外周
面94とテーパ内周面84とにおいて嵌合突部92と嵌
合凹部82とが締まり嵌合させられるとともに、後面9
0が前端面80と密着させられるようになっている。嵌
合突部92と嵌合凹部82とのしまり嵌合により半径方
向の位置決めが行われて、ホルダ本体40はアダプタ本
体30に精度よく同軸に保持される。
【0022】また、後面90において、アダプタ本体3
0のピン86に対応する位置には円弧溝96が形成され
ている。図2に示すように、円弧溝96は、ホルダ本体
40の中心線を中心とする円弧に沿って一定の長さ(本
実施形態においては中心角60°に相当する長さ)で延
びている。この円弧溝96の、図2に矢印で示す方向と
は逆方向であるアダプタ本体30の回転方向における先
行側端部とピン86との係合により、アダプタ本体30
とホルダ本体40との相対位相が一義的に決められる。
また、ピン86と円弧溝96の先行側端部とは、互いに
係合して回転トルクを伝達する一対のトルク伝達部を構
成し、ピン86がトルク伝達突起を構成している。
【0023】図4に最も明瞭に記載されているように、
ホルダ本体40には、嵌合突部92を直径方向に貫通す
る貫通穴98が形成されており、中央孔70と直交して
いる。この貫通穴98の中央孔70の両側の部分が、嵌
合突部92の直径方向に隔たった2個所に設けられた2
つの半径方向穴を構成している。貫通穴98は図5に示
すように断面形状が非円形の一種である四角形(図示の
例では正方形)の角部が丸められた形状をしており、貫
通穴98の直径方向に隔たった2個所内には2個のロッ
ク部材50,52がそれぞれ嵌合されている。ロック部
材50,52は、図6にロック部材50を代表的に示す
ように、断面形状が非円形(図示の例では正方形の角部
に大きめの面取りが施された八角形)であり、貫通穴9
8に貫通穴98の中心線に平行な方向、すなわち嵌合突
部92の直径方向に移動可能かつ回転不能に嵌合されて
いる。ロック部材50,52にはそれぞれ雌ねじ穴10
0,101が形成されている。ロック部材50の雌ねじ
穴100は右ねじとされ、ロック部材50の頂面102
は図2に示すように、嵌合突部92の中心線を中心とす
る部分円筒面を成している。また、ロック部材50の頂
面102側であってアダプタ12の傾斜面39と対向す
る部分には、傾斜面39に対応する傾斜の傾斜面104
が形成されている。ロック部材52もロック部材50と
同様の形状を成しており、頂面106が部分円筒面を成
すとともに、傾斜面108を備えている。ただし、ロッ
ク部材52の雌ねじ穴101は左ねじとされている。ロ
ック部材50,52において傾斜面104,108が形
成された側とは反対側の側面には、V溝110,112
が形成されている。V溝110,112は、ロック部材
50,52の各底面114,116から長手方向のほぼ
中央部まで延び、端部には半円錐面である前記カム面6
7,68が形成されている。
【0024】これらロック部材50,52は、雄ねじ部
材54と螺合させられている。雄ねじ部材54は嵌合突
部92の直径方向に延びる軸状の部材であり、両端部に
ロック部材50,52と螺合可能な雄ねじ部120,1
22を有している。貫通穴98と平行な方向において両
ロック部材50,52と螺合されるとともに、軸方向の
両端面に六角レンチ等の回転操作工具が係合される工具
係合部124,126を有している。雄ねじ部120は
右ねじであり、雄ねじ部122は左ねじである。工具係
合部124,126のいずれにも上記工具を係合させる
ことは可能であるが、通常は工具係合部126に工具を
係合させる。工具係合部126に工具を係合させて雄ね
じ部材54を左方向に回転させれば、両ロック部材5
0,52が互いに離間し、右方向に回転させれば互いに
接近する。図4におけるロック部材50および二点鎖線
で示すロック部材52が、互いに最も接近した状態つま
り退避位置にあり、ロック部材52および二点鎖線で示
すロック部材50が、互いに離間した状態つまりロック
位置にある。雄ねじ部材54と雌ねじ穴100,101
がロック部材移動装置を構成している。
【0025】嵌合突部92には、貫通穴98から後端面
130まで軸方向に貫通する軸方向穴132,134が
互いに直径方向に隔たった位置にそれぞれ形成されてい
る。軸方向穴132,134にはブッシュ64,66が
圧入され、ブッシュ64,66内には蹴出部材60,6
2がそれぞれ軸方向に移動可能に嵌合されている。後端
面130が第4発明における後ろ向きの面を構成してい
る。
【0026】蹴出部材60,62は軸部140,142
と頭部144,146とを備えている。軸部140,1
42は円柱状を成し、ブッシュ64,66内に嵌合され
ている。頭部144,146は、軸部140,142の
先端側に形成され、最大径部は軸部140,142より
大径であり、かつ先端に向かうにつれて小径となる円錐
形を備えている。頭部144,146とブッシュ64,
66の前端面との当接により蹴出部材60,62の軸方
向穴132,134からの離脱が防止される。
【0027】ロック部材50,52が互いに離間してい
る状態では、図4のロック部材52に例示されるように
頭部144,146がV溝110,112の中間部に嵌
入しているが、ロック部材50,52が互いに接近すれ
ば、頭部144,146がV溝110,112の端部の
カム面67,68に係合して軸方向に後退する向きに押
され、両ロック部材50,52が最も接近した状態では
図4のロック部材50側に例示されるように蹴出部材6
0,62の軸部140,142の一部が後端面130よ
り後方に突出させられる。カム面67,68が、ロック
部材50,52の退避位置への運動を蹴出部材60,6
2のホルダ本体40の後端面130から後方へ突出する
運動に変換するのである。
【0028】図1に示すように、アダプタ本体30の嵌
合凹部82のテーパ内周面84より奥側の内周面には嵌
合凹部82と同心に環状溝152が形成されており、環
状溝152の前端面80側の溝壁面が前記傾斜面39と
されている。また、アダプタ本体30の、雄ねじ部材5
4の両端面と対向する部分には、半径方向に貫通する工
具挿入穴154,156がそれぞれ形成されている。工
具挿入穴154,156は環状溝152と連通してお
り、工具係合部124,126への回転操作工具の係合
を許容する。
【0029】工具挿入穴154,156の外周側開口を
閉塞する閉塞部材32,34がそれぞれアダプタ本体3
0の外周面に固定されることによって、工具挿入穴15
4,156に切屑やクーラントが侵入することが防止さ
れている。閉塞部材32,34は概して円板状を成し、
複数本のボルトによりアダプタ本体30に固定されてい
る。閉塞部材32,34は、互いに直径方向に隔たった
位置に設けられており、動バランスがとられている。
【0030】図4に示すように、閉塞部材34には、中
央部を貫通して工具挿入穴156に連通する貫通穴16
0が形成されている。貫通穴160の外端部の内周面に
は雌ねじ部162が形成され、Oリングを備えた六角穴
付きのプラグ164が螺合されることにより、貫通穴1
60の外端側開口が閉塞されている。貫通穴160の内
端側の内周面は段付状とされ、アダプタ本体30の半径
方向における外向きの肩面166が形成されている。
【0031】工具挿入穴156の内周面には中空円筒状
の移動指示部材36が、工具挿入穴156の中心線に平
行な方向、つまりアダプタ本体30の半径方向に移動可
能に嵌合されている。移動指示部材36は、円筒部17
0,171と、両円筒部の中間部に形成された円環状の
フランジ部172とを備えている。移動支持部材36と
閉塞部材34との間には弾性部材としての圧縮コイルス
プリング174が配設され、移動指示部材36を常にロ
ック部材52に向かう向きに付勢している。工具挿入穴
156は環状溝152に連通する側が小径となる段付穴
であり、その肩面がストッパ178とされている。移動
指示部材36のフランジ部172がストッパ178に当
接することにより移動指示部材36の半径方向内向きの
移動限度が規定されるのである。
【0032】移動指示部材36の円筒部170は内端面
180においてロック部材52の頂面106に対向させ
られる一方、円筒部171は閉塞部材34の貫通穴16
0に嵌合されている。ロック部材50,52がロック位
置近傍にある状態では移動指示部材36は内端面180
において頂面106に当接することにより、ロック部材
52と一体的に移動する。また、図4のロック部材52
に例示されるように、ロック部材50,52がロック位
置にある状態では移動指示部材36の外端面182が肩
面166より僅かに突出するようにされている。本実施
形態において、肩面166が固定指示部を、外端面18
2が移動指示部をそれぞれ構成し、外端面182が肩面
166より僅かに突出した状態が第5発明における「半
径方向位置がほぼ一致する」状態である。ロック部材5
0,52がロック位置から退避位置に向かって移動する
につれて移動指示部材36も移動するが、やがてフラン
ジ部172がストッパ178に当接して停止する。した
がって、ロック部材50,52が退避位置に達した時点
では移動指示部材36はロック部材52から離間してい
る。
【0033】前記チャック駆動軸46は、図7に示すよ
うに、軸部190と、軸部190より小径の首部192
と、首部192の自由端側において半径方向外向きに突
出した外向き突部194,196とを備えている。外向
き突部194,196が前記係合部78を構成してい
る。なお、外向き突部194,196の半径方向外向き
の各端面は円弧状とされている。軸部190には、直径
方向に貫通しかつ軸方向に長い長穴198が形成されて
いる。図1に示すように、この長穴198を雄ねじ部材
54が貫通し、この雄ねじ部材54がチャック駆動軸4
6のホルダ本体40に対する回転を防止する相対回転防
止手段としても機能する。また、長穴198により雄ね
じ部材54の軸方向の移動ならびにチャック駆動軸46
の軸方向の移動が許容される。さらに、軸部190にお
いては、首部192側とは反対側の端面に開口する雌ね
じ穴200が形成されており、この雌ねじ穴200に前
述のチャック22のチャック駆動部材に形成された雄ね
じ部(図示省略)が螺合されることにより、チャック駆
動部材がチャック駆動軸46に連結される。
【0034】前記係合部材72は、図8に示すように、
概して短円柱状を成し、その外周面には前記キー74
(図1参照)が取り付けられるキー溝214が形成され
ている。また、係合部材72の前端面にはチャック駆動
軸46の係合部78の嵌入を許容する断面形状が円形の
有底穴220が形成され、その有底穴220の開口近傍
の内周面には、半径方向内向きに突出した一対の内向き
突部222,224が直径方向に隔たって形成されてい
る。このように内向き突部222,224を備えること
により開口近傍に形成された空間は、係合部78および
首部192と類似の断面形状を有することとなり(図3
参照)、係合部78の軸方向の通過を許容する。これら
内向き突部222,224を備えた有底穴220が前記
係合部76を構成しており、嵌合位相では前記係合部7
8と軸方向に嵌合,離脱可能であり、嵌合位相から一定
角度(本実施形態の場合は60°)相対回転した係合位
相では軸方向に離脱不能に係合する。
【0035】以上のように構成されたチャック取付装置
においては、主軸16に恒常的に固定されたアダプタ1
2に対してチャックホルダ14が着脱される。装着に当
たっては、チャック駆動軸46の係合部78とドローバ
ーの係合部材72の係合部76との相対位相を嵌合位相
とした状態で、ホルダ本体40の嵌合突部92をアダプ
タ本体30の嵌合凹部82に嵌合する。この際、嵌合突
部92と嵌合凹部82とにはテーパ外周面94とテーパ
内周面84とが形成されているため、両者を容易に嵌合
することができ、かつ、ロック部材50,52は互いに
接近した状態にあって嵌合を妨げない。そして、嵌合突
部92の嵌合凹部82への嵌合に伴って、係合部78と
係合部76とが軸方向に嵌合するとともに、ピン86が
円弧溝96の一端部近くに嵌入する。この状態から、チ
ャックホルダ14を主軸16の軸線まわりに図2に矢印
で示す方向(チャック22の正面側から見た場合の時計
方向)に回転操作すると、図2に示すように、円弧溝9
6の他端部がピン86に当接すると共に、係合部76と
係合部78とが係合位相となり、チャック駆動軸46が
軸方向に離脱不能にドローバーに連結される。ピン86
および円弧溝96と係合部76および係合部78とはそ
のような相対位置関係で設けられているのである。
【0036】次に、プラグ164を取り外して貫通穴1
60および工具挿入穴156に回転操作工具を挿入し、
雄ねじ部材54の工具係合部126に係合させる。そし
て、雄ねじ部材54を回転させれば、両ロック部材5
0,52が互いに離間して環状溝152内へ嵌入し、ロ
ック部材50,52の傾斜面104,108がそれぞれ
傾斜面39に係合する。その結果、斜面の効果により嵌
合突部92が嵌合凹部82内へ引き込まれ、嵌合突部9
2と嵌合凹部82とが締まり嵌合するとともに、前端面
80と後面90とが密着する。したがって、ホルダ本体
40はアダプタ本体30に強固に固定され、ホルダ本体
40に保持されたチャック22がアダプタ本体30を介
して主軸16に強固にかつ精度良く取り付けられる。本
実施形態においては、前端面80と後面90とが互いに
当接する第一平面および第二平面として機能するのであ
る。
【0037】ロック部材50,52がロック位置近傍に
ある状態では、移動指示部材36はロック部材52と一
体的に移動する。本実施形態においては、ロック部材5
0,52によりホルダ本体40のアダプタ12へのロッ
クが正常に行われれば、図1に示すように、移動指示部
材36の移動指示部としての外端面182が固定指示部
としての肩面166と実質的に一致した状態(厳密には
外端面182が肩面166より僅かに突出した状態)と
なる。回転操作工具を抜き出せば、外端面182と肩面
166とが外部から視認可能となるため、外端面182
と肩面166との実質的な一致を目視により確認するこ
とができ、結局ロック部材50,52の正常ロックを目
視により確認することができる。しかも、もし外端面1
82が肩面166より少しでも引っ込んでいれば、明ら
かにロックが正常に行われていないと判定することがで
きる。ロックが正常に行われていれば、プラグ164に
より貫通穴160の開口を閉塞し、チャック22の主軸
16に対する装着作業が終了する。主軸16が図2にお
いて矢印とは逆方向に回転させられるとアダプタ12が
一体的に回転し、その回転がピン86と円弧溝96の端
部との係合によりチャックホルダ14に伝達される。
【0038】チャックホルダ14をアダプタ12から取
り外す必要が生じた場合には、再びプラグ164を取り
外し、雄ねじ部材54を回転操作工具により回転操作す
る。それにつれて両ロック部材50,52が互いに接近
し、両傾斜面104,108の傾斜面39への係合が解
かれるとともに、ロック部材50,52が環状溝152
から離脱させられる。ロック部材50,52が退避位置
に達する前に、各ロック部材50,52のカム面67,
68が対応する蹴出部材60,62に係合し、これらを
後退させる。この後退により、蹴出部材60,62の後
端部がホルダ本体40の後端面130から突出し、図1
に二点鎖線で示すように、アダプタ12に当接してこれ
を押し、嵌合突部92と嵌合凹部82との締まり嵌合を
解除する。チャックホルダ14がアダプタ12から小距
離積極的に離間させられるのであり、その状態でチャッ
クホルダ14を係合時とは逆向きに一定角度回転させれ
ば係合部76と係合部78とは再び前記嵌合位相とな
り、チャック駆動軸46とドローバーの係合部材72と
の連結が解除される。移動指示部材36は、ロック部材
50,52が退避位置に達する前にストッパ178に当
接して停止し、ロック部材50,52から離間するた
め、チャックホルダ14のアダプタ12からの取外しに
伴うロック部材50,52の移動を妨げることがなく、
チャックホルダ14を支障なくアダプタ12からの取り
外すことができる。
【0039】本実施形態においては、チャック22の主
軸16に対する着脱をチャックホルダ14ごと行うこと
により、着脱作業を従来より容易に行うことができる。
また、チャック駆動軸46とドローバーとは係合部78
と係合部76との嵌合位相における軸方向の嵌合と係合
位相への回転による係合とにより簡単に連結され、逆の
動作により簡単に分離されるため、チャック22の着脱
作業がさらに容易になる。
【0040】本実施形態のようにロック機構42を構成
すれば、ロック部材50,52の傾斜面39に対する係
合力は必然的に等しくなるため、ホルダ本体40が直径
方向に離れた2個所において均等に主軸16に押しつけ
られ、取付精度が安定する。また、蹴出機構44におい
ても、蹴出部材60,62の蹴出力が必然的に等しくな
るため、ホルダ本体40を主軸16から蹴り出す力が直
径方向に隔たった2個所で均等に加えられるため、ホル
ダ本体40とアダプタ12との嵌合部にこじり力が作用
することがなく、ホルダ本体40の蹴出しが良好に行わ
れる。
【0041】本実施形態においては、ホルダ本体40側
を回転させることにより係合部76に対して係合部78
を回転させてチャック駆動軸46をドローバーに連結す
るようにされていたが、これ以外にも、主軸を一定の位
相で停止させ、その位相から一定角度回転させる回転制
御装置、または、ドローバーを主軸に対して回転させる
ドローバー回転装置を主軸側に設けることも可能であ
る。この場合には、主軸またはドローバーを回転させる
ことによって両係合部を相対回転させることができる。
【0042】本実施形態における雄ねじ部材54の雄ね
じ部120,122は、ねじの向きを左右異ならせてい
るが、ねじの向きを同じとすることも可能である。その
場合には、両ねじのピッチを異ならせることが必要であ
る。また、雄ねじ部材は、一端部をロック部材の一方と
螺合する雄ねじ部とし、他端部をロック部材の他方と相
対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に係合する構造と
することも可能である。
【0043】また、第1発明は、ホルダ本体が主軸に直
接、あるいはアダプタを介して間接に複数本のボルトに
より固定される従来のチャックホルダに適用することも
可能である。その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した
形態で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1ないし第4発明に共通の一実施形態である
チャックホルダを含み、かつ、第5発明の一実施形態で
あるチャック取付装置を示す正面断面図である。
【図2】上記チャック取付装置の右側面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1の一部を拡大して示す図である。
【図5】上記チャック取付装置の一部を拡大して示す平
面図である。
【図6】上記チャック取付装置のロック部材を示す平面
図である。
【図7】上記チャック取付装置のチャック駆動軸を示す
平面図である。
【図8】上記チャック取付装置の係合部材を示す平面図
である。
【符号の説明】
10:チャック取付装置 12:アダプタ 14:
チャックホルダ 16:主軸 20:チャック保持
部 22:チャック 36:移動指示部材 40:ホルダ本体 42:ロック機構 44:蹴出
機構 46:チャック駆動軸 50,52:ロック
部材 54:雄ねじ部材 60,62:蹴出部材
67,68:カム面 70:中央孔 72:係合
部材 76,78:係合部 120,122:雄ね
じ部 130:後端面 132,134:軸方向穴
166:肩面 182:外端面 194,19
6:外向き突部 222,224:内向き突部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にドローバーを備えた主軸にチャッ
    クを取り付けるためのチャックホルダであって、チャッ
    ク保持部を有して主軸に固定されるホルダ本体の中央を
    貫通する中央孔に、軸方向に移動可能かつ相対回転不能
    にチャック駆動軸を嵌合するとともに、そのチャック駆
    動軸の主軸側の端部に、嵌合位相では、前記ドローバー
    の係合部と軸方向に嵌合,離脱可能であり、嵌合位相か
    ら一定角度相対回転した係合位相では、軸方向に離脱不
    能に係合する係合部を設けたことを特徴とするチャック
    ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記ホルダ本体の直径方向に隔たった2
    個所に設けた2つの半径方向穴にそれぞれロック部材を
    嵌合するとともに、それら2個のロック部材をそれぞれ
    ホルダ本体の外周面から突出したロック位置とそのロッ
    ク位置より引っ込んだ退避位置とに移動させるロック部
    材移動装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    チャックホルダ。
  3. 【請求項3】 前記ロック部材移動装置を、一端部に前
    記2個のロック部材の一方と螺合する雄ねじ部を有し、
    他端部がロック部材の他方と相対回転可能かつ軸方向の
    自由な相対移動不能に係合する1本の雄ねじ部材を含む
    ものとし、その雄ねじ部材と前記チャック駆動軸との一
    方に他方を、チャック駆動軸の軸方向の移動を許容する
    状態で貫通させたことを特徴とする請求項2に記載のチ
    ャックホルダ。
  4. 【請求項4】 前記ホルダ本体の前記2個の半径方向穴
    からホルダ本体の後ろ向きの面まで軸方向に貫通した軸
    方向穴にそれぞれ蹴出部材を軸方向に移動可能に嵌合す
    るとともに、前記2個の半径方向穴に嵌合されるロック
    部材の各々に、対応する蹴出部材に係合してロック部材
    の前記退避位置への運動を蹴出部材の前記後ろ向きの面
    から後方へ突出する運動に変換するカム面を形成したこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載のチャックホル
    ダ。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれか1つに記載
    のチャックホルダと、前記ロック部材に係合される被係
    合部を有して主軸に固定されるアダプタとを含むチャッ
    ク取付装置であって、 少なくとも前記ロック部材のロック位置近傍においては
    ロック部材と一体的に移動し、かつ、外部から視認可能
    な移動指示部を設けるとともに、前記アダプタに、前記
    ロック部材が前記ロック位置にある状態で前記移動指示
    部と半径方向位置がほぼ一致し、かつ、外部から視認可
    能な固定指示部を設けたことを特徴とするチャック取付
    装置。
JP16763497A 1997-06-24 1997-06-24 チャックホルダおよびチャック取付装置 Ceased JPH1110416A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007054943A (ja) * 2005-07-29 2007-03-08 Nippei Toyama Corp 主軸装置に用いる工具ホルダクランプユニット
KR101295945B1 (ko) * 2005-07-29 2013-08-13 코마츠 엔티씨 가부시끼가이샤 주축장치에 이용하는 공구홀더 클램프 유닛

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JP2007054943A (ja) * 2005-07-29 2007-03-08 Nippei Toyama Corp 主軸装置に用いる工具ホルダクランプユニット
KR101295945B1 (ko) * 2005-07-29 2013-08-13 코마츠 엔티씨 가부시끼가이샤 주축장치에 이용하는 공구홀더 클램프 유닛

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