JPH1110410A - 切削加工用サーメット工具 - Google Patents

切削加工用サーメット工具

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Publication number
JPH1110410A
JPH1110410A JP9170154A JP17015497A JPH1110410A JP H1110410 A JPH1110410 A JP H1110410A JP 9170154 A JP9170154 A JP 9170154A JP 17015497 A JP17015497 A JP 17015497A JP H1110410 A JPH1110410 A JP H1110410A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cermet
hard particles
cermet tool
resistance
nitride
Prior art date
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Pending
Application number
JP9170154A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ohata
浩志 大畑
Tatsuyuki Nakaoka
達行 中岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱衝撃性、耐欠損性、耐摩耗性に優れた切削
加工用サーメット工具を提供する。 【解決手段】Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物の1種以
上を主成分とするとともにTiを除く4a、5a、6a
族の炭化物、窒化物、炭窒化物の1種以上を含んでなる
60〜95重量%の硬質相、および1種以上の鉄族金属
からなる結合相とにより構成されるサーメット工具にお
いて、焼結体表面に硬質粒子が密に析出するとともに、
該析出した硬質粒子の平均粒子径が表面から深さ100
0μmでの硬質粒子の平均粒子径の1.1〜5.0倍で
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱衝撃性、耐欠
損性、耐摩耗性に優れた切削加工用サーメット工具に関
し、特に正面フライス、エンドミルなど断続切削に好適
な高靱性のサーメット工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、切削工具材料、耐摩耗性工具材料
などに周期律表第4a、5a、6a族元素の複炭窒化物
からなる硬質相と、鉄族金属からなる結合相とによって
構成されるサーメット材が広く用いられてきた。
【0003】かかるサーメットとして当初はTiCを主
成分とするTiC基サーメットが主流であったが、この
TiC基サーメットが超硬合金に比して靱性で劣ってい
たため、この系に窒化物を添加することにより靱性を改
善したいわゆるTiCN基サーメットが開発された。
【0004】特公昭60−34618号にはこのような
表層部を改質したサーメットに関する発明が記載されて
おり、それまでのサーメットでは表層部に不均一層(表
面への金属相のしみ出しと、その内部の硬質層)が存在
しており、これら表層部を研削しないで、工具として用
いると、表面が脆いために欠けやすくなっていたという
欠点を解決するべく、焼成条件を改善することによって
表層まで均一なサーメットを得ることができたことを説
明している。
【0005】また、特公昭59−14534号及び特公
昭59−15970号は、表面から内部に向かい連続的
に硬くなる硬度分布を有し、且つ表面硬さが内部硬さに
対して5〜20%低くなる表面硬化層を有するサーメッ
トに関する発明が記載されており、そのような構成によ
り靭性を向上せしめることができ、特に断続旋削やフラ
イス切削等の重切削における性能を向上せしめることが
できたことを説明している。
【0006】更に、特公昭59−17176号記載のサ
ーメットは、表面から内部に向かい連続的に低くなる硬
度分布を有し、且つ表面硬さが内部硬さに対して5〜3
0%高くなる表面硬化表層有することを特徴としてお
り、これにより優れた耐摩耗性及び耐塑性変形性をする
焼結硬質合金が得られることが説明されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭60−34618号記載の内部から表層部までほぼ
均質な組織状態としたことを特徴とするサーメットで
は、焼成条件を改善して耐欠損性を向上することができ
た一方、破壊靭性が低化してしまうという問題があっ
た。
【0008】また、前記特公昭59−14534号及び
特公昭59−15970号記載の深さ方向に硬度勾配を
有するサーメットでは、表面硬さが内部に対して5〜2
0%低くなる表面軟化層を設けたことにより靭性を向上
させることができたが、耐摩耗性が劣化してしまうとい
う問題があった。
【0009】更に、前記特公昭59−17176号記載
の深さ方向に逆硬度勾配を有するサーメットでは、表面
硬さが内部硬さに対して5〜30%高くなる硬化層を設
けたことにより耐摩耗性を向上させることができたが、
破壊靭性が低下して耐欠損性が劣化してしまうという問
題があった。
【0010】このように、従来のサーメットでは硬度と
破壊靭性とは反比例的な物性であり、硬度を向上させれ
ば破壊靭性が低下し、逆に破壊靭性を向上させれば硬度
が低下するというようにサーメットの本質的な改良は困
難であった。即ち、上記した何れの方法でも硬度と破壊
靭性の両方を向上せしめ、耐摩耗性と耐欠損性とを共に
改善するということはできなかった。
【0011】しかしながら、切削工具の使用条件は温
度、雰囲気、熱衝撃など年々厳しくなる一方であり、特
に耐熱衝撃性や耐機械的衝撃性において超硬合金に匹敵
するようなサーメットからなる切削加工用工具の出現が
望まれてきた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点に対して鋭意検討を重ねた結果、窒化物の含有率が高
いサーメット原料を、非常に高温で焼結することによ
り、耐摩耗性とともに耐欠損性、耐熱衝撃性を向上せし
めることができることを知見し本発明に到った。
【0013】すなわち、本発明は、Tiの炭化物、窒化
物、炭窒化物の1種以上を主成分とするとともにTiを
除く4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物の
1種以上を含んでなる60〜95重量%の硬質相、およ
び1種以上の鉄族金属からなる結合相とにより構成され
るサーメット工具において、焼結体表面に硬質粒子を密
に析出させるとともに、該析出した硬質粒子の平均粒子
径を表面から深さ1000μmまでの間に存在する硬質
粒子の平均粒子径の1.1〜5.0倍としたことを特徴
とする切削加工用サーメット工具を提供せんとするもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
【0015】本発明の切削加工用サーメット工具(以
下、サーメット工具と略称する)は以下のようにして得
ることができる。例えば、サーメット原料として前述し
たTi、W、Ta、Nb等の炭化物、窒化物、炭窒化物の
粉末および鉄族金属粉末を最終焼結体が後述する割合に
成るように秤量混合した後にプレス成形、押し出し成
形、射出成形等の成形手段で成形後、焼成する。
【0016】上記サーメットは全体組成における前記鉄
族金属を除く他の成分組成式を 〔 (M1)a (M2)b (M3)c〕(Cu Nv )z と表した時、 a+ b+ c=1、0.70≦a≦0.90 0.10≦b+ c≦0.30、0 <b/(b+ c) ≦0.95 0.35≦v≦0.60、0.80≦z≦1.0 u+ v=1を満足する組成とする。なお、M1,M2,M3はそれ
ぞれ4a、5a、6a族金属を表す。
【0017】焼成は、真空中、あるいは不活性ガス雰囲
気中で1500〜1800℃の温度で行う。焼結中の任
意の温度において、N2、CO、Ar、Heなどのガスを0〜7
60Torr導入して雰囲気調整を行ってもよい。さらに、
安定した焼結体を得るために1200〜1450℃の範
囲で0.5 〜3 時間の中間保持を行ってもよい。
【0018】このようにして得られるサーメット工具
は、まず、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物、とTiを除
く4a,5a,6a族金属元素の炭化物、窒化物、炭窒化物の1
種または2種以上から成る硬質相と、鉄族金属からなる
結合相とから構成されるTiCN基サーメットからな
り、さらに図1のSEMによる表面組織図の如く、硬質
粒子が表面に密に析出してその自形がはっきりと認識で
きる。このように表面組織に硬質粒子を多量に含み、且
つ内部組織は従来のサーメット工具とほぼ同等なので耐
欠損性、耐熱衝撃性、耐摩耗性のすべてに優れている。
【0019】なお、比較例として従来のサーメット工具
の表面組織図を図2に示し、比較例では表面部分で硬質
相が結合金属に埋没してしまっている。
【0020】また、本発明のサーメット工具において、
表層に析出する硬質層の平均粒径は、焼結体内部の平均
粒径の1.1〜5.0 倍であることが重要である。この平
均粒径比が5.0 より大きいと表層の硬質粒子が脱落し易
くなり、耐摩耗性が劣化する。他方、上記平均粒径が
1.1未満となる条件では表層に存在する鉄族金属元素
の割合が多くなり、硬質粒子の析出が不十分になり、耐
摩耗性が劣化する恐れがある。
【0021】なお、本発明において結合相を形成する鉄
族金属としては、Niおよび/またはCoが挙げられ、
望ましくはNiとCoから構成され、特にCo/(Ni
+Co)のモル比が0.3〜0.8であることが耐摩耗性向
上の点から望ましい。
【0022】また、この鉄族金属は系中において5 〜40
重量%で存在することが望ましい。
【0023】
【実施例1】原料粉末としてTiN 、TiCN、WC、Ta
C 、NbC、Mo2C、VC、Ni、Coの各粉末を用いて
組成が表1の割合に成るように秤量混合した後、1.5t
on/ cm2 の圧力でSDKN1203用のフライスチップ形状
にプレス成形し、表1に示す焼成雰囲気中、同焼成温度
と保持時間で焼成した。
【0024】
【表1】
【0025】フライス用チップ形状に加工後、チップ中
央部分につき、表面と深さ1000μmの位置の任意の
3点をそれぞれSEMにて撮影し、通法に従って硬質粒
子の平均粒径を測定した。
【0026】さらに、下記に示す切削条件で切削試験を
行い、切削性能の確認した。欠損する送り速度とフラン
ク摩耗量を測定した。
【0027】(断続切削試験) 被削材 SCM440H(溝あり) 切削速度 100m/min 切り込み 2mm 送り 0.2 〜0.6mm/tooth (摩耗試験) 被削材 S50C 切削速度 250m/min 切り込み 2mm 送り 0.2mm/tooth これらの切削試験による結果を表1に示す 試料No1〜6は欠損する送り速度が0.40mm/t
ooth以上と非常に強度が大きく、また断続試験によ
る結果であるので熱衝撃性にも強いことが判った。ま
た、逃げ面摩耗量も0.1mm程度と耐摩耗性も非常に
優れていた。なお、これら試料はいずれも前記平均粒径
比が1.1〜5.0の範囲にあり、また、前記成分組成
式: 〔 (M1)a (M2)b (M3)c〕(Cu Nv )z と表した時、 a+ b+ c=1、0.70≦a≦0.90 0.10≦b+ c≦0.30、0 <b/(b+ c) ≦0.95 0.35≦v≦0.60、0.80≦z≦1.0 u+ v=1 を充たすものである。
【0028】これに対して、試料No7は上記成分組成
式を充たすものではあったが、焼成温度が低かったため
硬質粒子の表面への析出がほとんどなく、硬質粒子の表
面での平均粒径も測定不能であった。そして、切削試験
の結果では欠損する送り速度は0.40mm/toot
hと大きかったが、逃げ面摩耗量が0.25mmもあり
耐摩耗性が不良であった。試料No8は上記成分組成式
を充たすものではあったが、焼成保持時間が長すぎ、そ
の結果、表面に析出した硬質粒子が粒成長しすぎ、前記
粒径比が5超過となってしまった。その結果、切削試験
結果はいずれも低調な結果であった。また、試料No9
は、上記成分組成式において金属の量が範囲外となって
いてその結果、切削試験結果はいずれも低調であった。
【0029】以上の結果から、本発明のサーメット工具
の有効性が確認できた。また、サーメットの組成として
は前記成分組成式を充たすものが好ましく、さらに、焼
成温度としては1500℃以上であること、及び焼成保
持時間が長すぎてもいけないことが判った。
【0030】
【発明の効果】叙上のように本発明によれば、表面組織
に硬質粒子を多量に含ませるとともに、該析出した硬質
粒子の平均粒子径を表面から深さ1000μmまでの間
に存在する硬質粒子の平均粒子径の1.1〜5.0倍と
して耐熱衝撃性、耐摩耗性を向上せしめることができ、
且つ内部組織は従来のサーメット工具とほぼ同等なので
耐欠損性も向上する。従って、耐欠損性、耐熱衝撃性、
耐摩耗性のすべてに優れた、超硬合金に比しても遜色の
ないサーメット工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるサーメット工具の表面組織状態を
示すSEM画像である。
【図2】従来のサーメット工具の表面組織状態を示すS
EM画像である。
【符号の説明】
符号番号なし

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物の1種以
    上を主成分とするとともにTiを除く4a、5a、6a
    族の炭化物、窒化物、炭窒化物の1種以上を含んでなる
    60〜95重量%の硬質相、および1種以上の鉄族金属
    からなる結合相とにより構成されるサーメット工具にお
    いて、焼結体表面に硬質粒子が密に析出するとともに、
    該析出した硬質粒子の平均粒子径が表面から深さ100
    0μmまでの間に存在する硬質粒子の平均粒子径の1.
    1〜5.0倍であることを特徴とする切削加工用サーメ
    ット工具。
JP9170154A 1997-06-26 1997-06-26 切削加工用サーメット工具 Pending JPH1110410A (ja)

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