JPH11103869A - プラスミノーゲン活性化タンパク質をコードするdna - Google Patents

プラスミノーゲン活性化タンパク質をコードするdna

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JPH11103869A
JPH11103869A JP10192466A JP19246698A JPH11103869A JP H11103869 A JPH11103869 A JP H11103869A JP 10192466 A JP10192466 A JP 10192466A JP 19246698 A JP19246698 A JP 19246698A JP H11103869 A JPH11103869 A JP H11103869A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】動物の健康の分野に属し、疾病のためのワクチ
ン組成と診断法を目標としたものである。より具体的に
は哺乳類における乳腺炎に対するワクチンに関連し、該
ワクチンの生産に有用なプラスミノ−ゲン活性化タンパ
ク質をコードするヌクレオチド配列を持つポリヌクレオ
チド分子である。 【解決手段】Streptococcus uberis由来プラスミノゲン
活性化(PauA)タンパク質、および実質的に相同なポリペ
プチド、ペプチド断片、およびその融合タンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子
を提供する。ポリヌクレオチド分子によりコードされる
PauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチ
ド断片、および融合タンパク質を組換え的に発現するた
めの組成物および方法をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動物の健康の分野に
属し、疾病のためのワクチン組成と診断法を目標とした
ものである。より具体的には、本発明は哺乳類における
乳腺炎に対するワクチンに関連し、該ワクチンの生産に
有用なプラスミノーゲン活性化タンパク質をコードする
ヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド分子である。
【0002】
【従来の技術】ウシ乳腺炎は乳牛の牛乳生産の著しい減
少を引き起こし、酪農産業への厳しい経済的影響という
結果を生む。乳腺炎は一またはそれ以上のバクテリア病
原菌によって引き起こされうる。Streptococcusの感染
はウシ乳腺炎の全ての臨床ケースの約30%の原因である
とみられている。とりわけ、S.uberisの感染は、ウシ乳
腺炎の全ての臨床ケースの約20%の原因であるとみられ
ている。
【0003】動物における乳腺炎の予防および治療のた
めの慣用される方法は、衛生的搾乳法および化学的抗体
投与法を使用すること含む。しかしながら、抗体残留物
を含む牛乳はしばしば人間の消費にとって安全であると
みなされないという事実により、抗体の使用は制限され
ており、捨象されるべきである。動物における乳腺炎の
治療または予防への特異的アプローチは、感染した動物
の牛乳から培養された不活性化された乳腺炎病原菌を含
む多価の抗乳腺炎ワクチンの使用を記述したStolleらに
対する米国特許第5,198,214号の研究を含む。さらに、S
ordilloらに対する米国特許第5,234,684号は、ウシのイ
ンターフェロンガンマの動物への投与を含む、乳牛にお
ける乳腺炎の治療と予防の方法を記述する。
【0004】Streptococcus spp.が泌乳している乳腺へ
感染する能力は、バクテリアが分泌物の中で生育するこ
とおよびウシの好中球による食作用をまぬがれる能力に
依存している(Leigh et al., 1990, Res. Vet. Sci. 4
9: 85-87)。ウシの牛乳における窒素の大部分はタンパ
ク質の形で存在し(Aston, 1975, Austral.J.DairyTe
ch. 30: 55-59)、タンパク質分解の非存在下では、牛
乳中でのStreptococciの成長は遊離アミノ酸の欠如によ
り制限される。このことは、好乳性Streptococciの牛乳
中での生育のための、細胞外で働くカゼイン分解性タン
パク質分解酵素への依存によって強調される。さらに、
牛乳中でのバクテリアの生育能力は、乳中のタンパク質
を分解して遊離アミノ酸にするカゼイン分解酵素である
プラスミンの存在によって上昇する(Marshall and Bra
meley, 1984, J. Dairy Res. 51:17-22)。
【0005】ウシの牛乳は、通常タンパク質分解の性質
が不活性の状態にあるが、プラスミノーゲン活性化因子
の働きによりタンパク質分解されて活性化プラスミンに
転化することができるプラスミノーゲンを含む。乳腺炎
原因菌株であるS.uberisなどのStreptococcusは、ウシ
プラスミノーゲンをプラスミンに転化することのできる
プラスミノーゲン活性化因子を生産するということが示
されている。このプラスミノーゲン活性化因子の活動は
牛乳タンパク質の分解による遊離アミノ酸の放出を生じ
させ、遊離アミノ酸は乳腺におけるバクテリアの生育を
支持する。この観察から、Streptococcusのプラスミノ
ーゲン活性化因子に対する免疫に基づく応答、例えば中
和抗体の産生は動物を乳腺炎から防御するのに役立つと
いうことが提案されている。参考文献として本明細書中
に援用された国際特許出願公開WO93/14209はS.uberisの
培養濾過液からのプラスミノーゲン活性化因子(「スト
レプトキナーゼ」と呼ばれている)の精製を示し、Stre
ptococcus spp.由来のそのようなプラスミノーゲン活性
化因子に基づく抗乳腺炎ワクチンの組成をさらに教示し
ている。
【0006】例えばStreptococcus由来のプラスミノー
ゲン活性化因子のような、プラスミノーゲン活性化因子
をコードするヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド
分子の単離は、抗乳腺炎ワクチンの調製を非常に容易に
するであろう。
【0007】
【発明の概要】本発明は、生物学的に活性なプラスミノ
ーゲン活性化因子タンパク質(本明細書中では「PauAタ
ンパク質」と呼ばれ、以前には「PA」あるいは「ストレ
プトキナーゼ」と呼ばれていた)をコードしているヌク
レオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子を
提供する。好ましい態様においては、PauAタンパク質は
例えば哺乳類の種に属する動物の乳腺炎を引き起こす、
またはそれに寄与するStreptococcus等のバクテリアか
ら由来する。より好ましい態様においては、Streptococ
cusの種はS.uberisまたはS.dysgalactiaeである。
【0008】好ましい態様においては、本発明の単離さ
れたポリヌクレオチド分子は、SEQID NO:2 またはSEQ I
D NO:4の、ほぼアミノ酸位置26(Ile)からほぼアミノ酸
位置286(Pro)までのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を
コードするヌクレオチド配列を含む。限定的でない態様
の一例においては、このようなポリヌクレオチド分子
は、SEQ ID NO:1のほぼヌクレオチド位置195からほぼヌ
クレオチド位置977まで、またはSEQ ID NO:3のほぼヌ
クレオチド位置196からほぼヌクレオチド位置978までの
ヌクレオチド配列をそれぞれ含む。
【0009】さらに好ましい態様においては、本発明の
単離ポリヌクレオチド分子は、SEQID NO:2またはSEQ I
DNO:4のほぼアミノ酸位置1(Met)からほぼアミノ酸位置
286(Pro)までのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコー
ドするヌクレオチド配列を含む。限定的でない態様の一
例においては、このようなポリヌクレオチド分子はSEQ
ID NO:1のほぼヌクレオチド位置120からほぼヌクレオ
チド位置980のヌクレオチド配列、または、SEQ ID NO:
3のほぼヌクレオチド位置121からほぼヌクレオチド位置
981のヌクレオチド配列をそれぞれ含む。限定的でない
さらなる態様の一例においては、本発明のポリヌクレオ
チド分子はSEQ ID NO:1のヌクレオチド配列またはSEQ
ID NO:3のヌクレオチド配列をそれぞれ含む。
【0010】本発明はさらに、PauAタンパク質をコード
する本発明のポリヌクレオチド分子と実質的に相同であ
るポリヌクレオチド分子を提供する。
【0011】本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチ
ド分子によってコードされるPauAタンパク質と実質的に
相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含むポリヌクレオチド分子を提供する。
【0012】本発明はさらに、本発明のPauAタンパク質
のペプチド断片あるいは実質的に相同なポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
分子を提供する。特定的であるが限定的でない態様で
は、本発明はアミノ酸位置約28から約286、約104から約
286、約172から約286、約28から約170、約104から約17
0、約104から約208、約172から約208、約28から約103、
約28から約208、および約149から約286のアミノ酸から
なるグループから選択された、SEQ ID NO:2 またはSEQ
ID NO:4由来のアミノ酸配列のサブシークエンスから
なるペプチド断片をコードするヌクレオチド配列からな
るポリヌクレオチド分子を提供する。
【0013】本発明はさらに担体または融合相手と結合
した本発明のPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプ
チド、またはペプチド断片を含む融合タンパク質をコー
ドするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子を
提供する。
【0014】本発明はさらに、増幅技術におけるプライ
マーとして、および特異的な疾病の診断における診断用
のプローブとして有用であるオリゴヌクレオチド分子を
提供する。限定的でない態様の一例では、本発明のオリ
ゴヌクレオチド分子は、SEQID NO:13〜SEQ ID NO:27
とその相補鎖からなる群から選択されたヌクレオチド配
列からなる。限定的でないさらなる態様の一例では、本
発明のオリゴヌクレオチド分子はSEQ ID NO:13〜SEQ I
D NO:27とその相補鎖からなる群から選択されたヌクレ
オチド配列を含む。
【0015】本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチ
ド分子の組換え発現のための組成物と方法を提供し、そ
のなかには組換えクローニングベクターおよびポリヌク
レオチド分子を含む組換え発現ベクター、および該ベク
ターで形質転換した宿主細胞株が含まれる。
【0016】本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチ
ド分子によってコードされた組換え発現によるPauAタン
パク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、
または融合タンパク質を提供する。
【0017】本発明はさらに、本発明のPauAタンパク
質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片または
融合タンパク質の類似体および誘導体を提供する。
【0018】本発明はさらに、哺乳類における乳腺炎に
対する防御反応を誘導することができる、免疫学的に効
果的な量の本発明のPauAタンパク質、実質的に相同なポ
リペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、
誘導体、またはポリヌクレオチド分子、および獣医学的
に許容しうる担体を含む、乳腺炎に対して哺乳類の動物
種を防御するためのワクチンを提供する。このワクチン
は場合によりアジュバントまたは他の免疫調節的な成分
を含むことができる。
【0019】限定的でない態様の一例では、本発明のワ
クチンは、乳腺炎、および、場合により、哺乳類を苦し
める可能性のある一又はそれ以上の他の疾病あるいは病
理学的状態から哺乳類の動物種を防御するための混合ワ
クチンであり、この混合ワクチンは、哺乳類における乳
腺炎に対する防御反応を誘導することができる、免疫学
的に有効な量の本発明のPauAタンパク質、実質的に相同
なポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似
体、誘導体、またはポリヌクレオチド分子を含む第一の
成分;哺乳類を苦しめる可能性のある疾病または病理学
的な状態に対する防御反応を誘導することのできる抗原
を含む、免疫学的に有効な量の第二の成分;および獣医
学的に許容しうる担体を含む。
【0020】本発明はさらに、哺乳類における乳腺炎に
対する防御反応を誘導することができる、免疫学的に有
効な量の本発明のPauAタンパク質、実質的に相同なポリ
ペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、誘
導体、またはポリヌクレオチド分子を、獣医学的に許容
しうる担体と混合することを含む、乳腺炎から哺乳類の
動物種を防護するワクチンを調製する方法を提供する。
【0021】本発明はさらに、本発明のワクチンを哺乳
類へ投与することを含む、哺乳類に属する動物種に乳腺
炎に対するワクチンを投与する方法を提供する。
【0022】本発明はさらに、本発明のPauAタンパク
質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、融合
タンパク質、類似体、または誘導体に特異的に結合する
抗体を提供する。
【0023】本発明はさらに、ワクチンキットおよび診
断用キットを提供する。
【0024】
【課題を解決するための手段】1.プラスミノーゲン活性化タンパク質をコードするポ
リヌクレオチド分子 本発明は、生物学的に活性なプラスミノーゲン活性化タ
ンパク質(本明細書中では「PauAタンパク質」、以前は
「PA」または「ストレプトキナーゼ」と呼ばれた)をコ
ードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌク
レオチド分子を提供する。本明細書中で使用される場
合、「生物学的に活性な」という用語は、哺乳類のプラ
スミノーゲンをプラスミンに転化させる能力を指す。本
発明のポリヌクレオチド分子によりコードされるPauAタ
ンパク質は、PauAタンパク質を産生するいかなる有機体
からも誘導されるPauAタンパク質と同じものでありうる
が、哺乳類の動物種における乳腺炎をひきおこす、また
はそれに寄与するバクテリアから得ることが好ましい。
好ましい態様では、バクテリアの属はStreptococcusで
あり、より好ましくはS.uberisまたはS.dysgelactiaeで
あり、そして、PauAタンパク質はウシのプラスミノーゲ
ンをプラスミンへ転化する能力がある。
【0025】本明細書中で使用される場合、「ポリヌク
レオチド分子」、「コーディング配列」、「ポリヌクレ
オチド配列」、「オープン・リーディング・フレーム
(ORF)」等の用語は、DNA分子とRNA分子両方を指し、
共に一本鎖または二本鎖のいずれかであり得、適当な調
節要素の制御下におかれた際の適当な宿主発現系におい
て、対応するPauAタンパク質、またはPauAタンパク質
に実質的に相同なポリペプチド、または前述したPauAタ
ンパク質または実質的に相同なポリペプチドのペプチド
断片、または融合タンパク質、または類似体へ転写、翻
訳(DNA)、または翻訳(RNA)されうる。コーディング
配列の境界は、一般に5(アミノ)末端の開始コドンと
3(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンの存在によって
決定される。コーディング配列は、原核細胞の配列、cD
NA配列、ゲノムDNA配列、および化学的に合成されたDNA
およびRNA配列を含みうるが、それに制限されることは
ない。本明細書中で使用される場合、「ORF」の用語は
本発明のPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチ
ド、ペプチド断片、融合タンパク質、または類似体をコ
ードするのに必要とされる最小限度のヌクレオチド配列
を指し、この配列には介在するいかなる終止コドンも含
まない。
【0026】S.uberis株c216および95-140由来の天然の
PauAタンパク質の推定アミノ酸配列は、それぞれSEQ ID
NO:2とSEQ ID NO:4として提示される。SEQ ID N
O:2とSEQ ID NO:4において提示される各々の推定アミ
ノ酸配列の最初の25アミノ酸は、各々のpauA遺伝子によ
ってコードされるシグナル配列を表すと考えられ、その
シグナル配列は、分泌された(成熟した)PauAタンパ
ク質を生産するために細胞内プロセシングの過程で除去
される。このように、好ましい態様においては、本発明
の単離されたポリヌクレオチド分子は、SEQ ID NO:2ま
たはSEQ ID NO:4のほぼアミノ酸位置26(Ile)からほぼ
アミノ酸位置286(Pro)までのアミノ酸配列を含むPau
Aタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0027】二つの異なるポリヌクレオチド(DNA)分
子のヌクレオチドコーディング配列(すなわち第一のも
のはS.uberis株c216由来のPauAタンパク質をコード
し、第二のものはS.uberis株95-140由来のPauAタンパ
ク質をコードする)は、それぞれSEQ ID NO:1およびSEQ
ID NO:3として示される。SEQ ID NO:1のヌクレオチド
配列は、ヌクレオチド120-980由来のORFを有する。SEQ
ID NO:3のヌクレオチド配列はヌクレオチド121-981由来
のORFを有する。ペプチドシグナル配列の除去を考慮に
入れると、限定的でない態様の一例では、本発明のポリ
ヌクレオチド分子は、SEQ ID NO:1のほぼヌクレオチド
位置195からほぼヌクレオチド位置977の、またはSEQ ID
NO:3のほぼヌクレオチド位置196からほぼヌクレオチド
位置978のヌクレオチド配列をそれぞれ含む。
【0028】さらに好ましい態様においては、本発明の
ポリヌクレオチド分子はSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4
のほぼアミノ酸位置1(Met)からほぼアミノ酸位置286
(Pro)のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードす
るヌクレオチド配列を含む。限定的でないさらなる態様
の一例では、本発明のポリヌクレオチド分子は、SEQ ID
NO:1のほぼヌクレオチド位置120からほぼヌクレオチド
位置980の、またはSEQ ID NO:3のほぼヌクレオチド位置
121からほぼヌクレオチド位置981のヌクレオチド配列を
それぞれ含む。限定的でないさらなる態様の一例では、
本発明のポリヌクレオチド分子は、SEQ ID NO:1のヌク
レオチド配列またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列を
それぞれ含む。
【0029】本発明のポリヌクレオチド分子は、本明細
書中で提示されるように、SEQ ID NO:1またはSEQ ID N
O:3のORFに隣接するヌクレオチド配列をさらに含むこと
ができる。
【0030】本発明はさらに、PauAタンパク質をコード
する本発明のポリヌクレオチド分子と実質的に相同な、
単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。ポリヌク
レオチド分子を指すのに本明細書中で用いられる場合、
「実質的に相同な」という用語は、(a)SEQ ID NO:1のヌ
クレオチド位置195からヌクレオチド位置977、またはSE
Q ID NO:3のヌクレオチド位置196からヌクレオチド位置
978のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子と
同じPauAタンパク質をコードするが、この実質的に相同
なポリヌクレオチド分子は遺伝暗号の縮重による一また
はそれ以上のサイレント突然変異を含んでおり;および
/または(b)SEQ ID NO:1のヌクレオチド位置195からヌ
クレオチド位置977、あるいはSEQ ID NO:3のヌクレオチ
ド位置196からヌクレオチド位置978のヌクレオチド配列
と、少なくとも約70% さらに好ましい場合少なくとも
約80%、最も好ましい場合少なくとも約90%同じであ
り、本発明の実施に有用である;および/または(c)SEQ
ID NO:1のヌクレオチド位置195からヌクレオチド位置9
77、またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド位置196からヌク
レオチド位置978のヌクレオチド配列に相補的なヌクレ
オチド配列を含むDNA分子に、適度に厳しい条件で、す
なわち0.5M NaHPO4、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
1mM EDTA中65℃でフィルター結合DNAへのハイブリダイ
ゼーション、および0.2×SSC/0.1%SDS中42℃での洗浄
(Ausubel, et al.(eds,), 1989, Current Protocols i
n Molecular Biology, Vol.1, Greene Publishing Asso
ciates, Inc., and John Wiley & Sons, Inc., New Yor
k, at p.2.10.3 参照)で、ハイブリッド形成し、本発
明の実施に有用なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオ
チド分子を指す。好ましい態様においては、実質的に相
同なポリヌクレオチド分子は、SEQID NO:1のヌクレオチ
ド位置195からヌクレオチド位置977、または、SEQ ID N
O:3のヌクレオチド位置196からヌクレオチド位置978の
ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むDN
A分子に、高度に厳しい条件で、すなわち、0.5M NaHP
O4、7%SDS、1mM EDTA中65℃でフィルター結合DNAへのハ
イブリダイゼーションおよび0.1×SSC/0.1%SDS中68℃の
洗浄(Ausubel, et al., 1989, 上記)でハイブリッド
形成し、そして本発明の実施に有用である。
【0031】本明細書中で使用される場合、ポリヌクレ
オチド分子が(a)生物学的に活性なポリペプチドをコー
ドする、すなわち哺乳類のプラスミノーゲンをプラスミ
ンに転化することができ、または(b)免疫原性のポリペ
プチドをコードする、すなわち哺乳類の動物種に投与さ
れた場合乳腺炎に対する防御反応を誘導することがで
き、または(c)哺乳類の動物種に投与された場合PauAタ
ンパク質特異的抗体の生産を誘導することができるポリ
ペプチドをコードし、または(d)感染した哺乳動物由来
の組織または体液試料中の病原体特異的ポリヌクレオチ
ド分子の存在の検出により、S.uberis等の乳腺炎をひき
おこす病原体による感染を検出する診断用試薬として使
用できる場合に、ポリヌクレオチド分子は「本発明の実
施に有用である」。
【0032】本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチ
ド分子によりコードされるPauAタンパク質に実質的に相
同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
含むポリヌクレオチド分子を提供する。
【0033】本明細書中でポリペプチドを指すのに使用
される場合、「実質的に相同な」という用語は、(a)SEQ
ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26からア
ミノ酸位置約286のアミノ酸配列を含むPauAタンパク質
と、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、
最も好ましくは少なくとも80%同じであり、本発明の実
施に有用であり;および/または、(b)そうでなければS
EQ ID NO:2またはSEQID NO:4のアミノ酸位置約26からア
ミノ酸位置約286のアミノ酸を含むPauAタンパク質と同
じであるが、その中で一またはそれ以上のアミノ酸残基
が異なるアミノ酸残基に保存的に置換されていて、この
ような保存的な置換は結果として本発明の実施に有用な
ポリペプチドを生じ;および/または、(c)そうでなけ
ればSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26
からアミノ酸位置約286のアミノ酸配列を含むPauAタン
パク質と同じであるが、その中で一またはそれ以上のア
ミノ酸残基が他のアミノ酸残基に非保存的に置換されて
いて、そのような非保存的な置換は結果として本発明の
実施に有用なポリペプチドを生ずる、このようなアミノ
酸配列を含むポリペプチドを指す。
【0034】保存的アミノ酸置換は当該技術分野におい
てよく知られている。例えば、本発明の天然PauAタンパ
ク質の一またはそれ以上のアミノ酸残基は、類似の電
荷、大きさ、極性を持ったアミノ酸残基に保存的に置換
されることが可能であり、結果として生ずるポリペプチ
ドはやはり本発明の実施に有用である。このような置換
を生じさせる規則は、とりわけDayhof, M.D., 1978, Na
t. Biomed. Res. Found., Washington, D.C., Vol.5, S
up.3.により記述されたものを含む。より具体的には、
保存的なアミノ酸置換は、一般に側鎖で関連しあう一群
のアミノ酸の中でおこる置換である。遺伝学的にコード
されたアミノ酸は、一般に四つのグループに分けられ
る。(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基
性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=
アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリ
ン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;
そして(4)非電荷極性=グリシン、アスパラギン、グ
ルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン
である。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロ
シンは、また芳香性アミノ酸としても一緒に分類され
る。いずれかの特定なグループ中での一またはそれ以上
の置換、例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリン
による置換、またはアスパラギン酸のグルタミン酸によ
る置換、またはスレオニンのセリンによる置換、また
は、他のアミノ酸残基の、構造的に関係のあるアミノ酸
残基による置換は、結果として生ずるポリペプチドの機
能には一般に重要でない効果しかもたらさない。
【0035】いくつかの特異的な、以下の6.7節の表1
に要約したように、S.uberis株c216(SEQ ID NO:2)およ
び95-140(SEQ ID NO:4)由来のPauAタンパク質の推定ア
ミノ酸配列を比較した場合、非保存的アミノ酸置換の例
が観察される。例えば、S.uberis株c216由来のPauAのア
ミノ酸位置73はアスパラギン酸(酸性)で、S.uberis株
95-140由来のものはアスパラギン(中性、極性)であ
る。さらに、S.uberis株c216由来のPauAのアミノ酸位置
115および124はグルタミン(中性、極性)で、S.uberis
株95-140由来のものはアルギニン(塩基性)である。さ
らに、S.uberis株c216由来のPauAのアミノ酸位置211は
ロイシン(非極性)であり、S.uberis株95-140由来のも
のはアルギニン(塩基性)である。さらに、S.uberis株
c216由来のPauAのアミノ酸位置240はグルタミン(中
性、極性)で、S.uberis株95-140由来のものはプロリン
(非極性)である。さらに、S.uberis株c216由来のPauA
のアミノ酸位置242はヒスチジン(塩基性)で、S.uberi
s株95-140由来のものはアスパラギン酸(酸性)であ
る。
【0036】本明細書中で使用される場合、ポリペプチ
ドが(a)生物学的に活性、すなわち哺乳類のプラスミノ
ーゲンをプラスミンに転化することができる;または、
(b)免疫原性である、すなわち哺乳類の動物種に投与さ
れた場合乳腺炎に対する防御反応を誘導することができ
る;または、(c)哺乳類の動物種に投与された場合抗Pau
Aタンパク質特異的抗体の産生を誘導することができ、
この抗体は診断用試薬として有用である;または、(d)
S.uberisなどの乳腺炎をひきおこす病原体による感染の
結果としての、または本発明のワクチンによるワクチン
投与の結果としての哺乳類由来の血液または血清中の抗
PauAタンパク質特異的な抗体の存在を検出するための診
断用試薬として用いることが出来る場合に、ポリペプチ
ドが「本発明の実施に有用である」。
【0037】本発明はさらに、本発明のPauAタンパク質
または実質的に相同なポリペプチドのペプチド断片をコ
ードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子
を提供する。本明細書中で使用される場合、「ペプチド
断片」の用語は、本発明のPauAタンパク質または実質的
に相同なポリペプチドのアミノ酸配列のサブシークエン
スからなるポリペプチドを指し、そのサブシークエンス
は全長のPauAタンパク質または実質的に相同なポリペプ
チドより長さが短く、ポリペプチドについて有用性が上
で述べられたように、本発明の実施に有用である。この
ように、PauAタンパク質または実質的に相同なポリペプ
チドの全長が“n”個のアミノ酸残基を有することが示
される場合、そのペプチド断片は、n-1個のアミノ酸残
基を有するポリペプチドを含む、PauAタンパク質または
実質的に相同なポリペプチドの全長より短いいずれかの
ポリペプチドであり、そこにおいてペプチド断片は本発
明の実施に有用である。本発明のペプチド断片は、好ま
しくは、少なくとも長さが約7から10アミノ酸残基であ
る。好ましい態様では、ペプチド断片はPauAタンパク質
のエピトープを示すアミノ酸配列を含む。
【0038】特定的だが限定的でない態様の一例におい
ては、本発明は、アミノ酸位置約28から約286、約104か
ら約286、約172から約286、約28から約170、約104から
約170、約104から約208、約172から約208、約28から約1
03、約28から約208、および約149から約286を含む群か
ら選択された、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4由来のア
ミノ酸のサブシークエンスからなるペプチド断片をコー
ドするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子を
提供する。
【0039】コードされたペプチド断片がPauAタンパク
質またはその実質的に相同なポリペプチドの一より多く
のサブシークエンスを含む場合、このようなペプチド断
片をコードするポリヌクレオチド分子は、いくつかのサ
ブシークエンスが、それらが前もって天然のPauAタンパ
ク質または実質的に相同なポリペプチド中で隣接してい
ない場合、ペプチド断片の中に一緒に入れられ、互いに
隣接して作られるように形成することが可能である。本
発明のPauAタンパク質の全長または実質的に相同なポリ
ペプチドと比較して、一またはそれ以上の内部アミノ酸
残基の欠失を有するポリプチドは、この定義によりペプ
チド断片とみなされ、本発明の範囲に含まれる。さら
に、本発明のペプチド断片をコードするポリヌクレオチ
ド分子は、サブシークエンスによりコードされるペプチ
ド断片を含む異なるサブシークエンスが、天然のタンパ
ク質または実質的に相同なポリペプチドで見出されるも
のと比べて、互いに異なる相対的順序を持つように改変
されるように形成されることが可能である。好ましい態
様においては、ポリヌクレオチド分子は、本発明のPauA
タンパク質または実質的に相同なポリペプチドの一また
はそれ以上のサブシークエンスをコードし、そのサブシ
ークエンスは、哺乳類の動物種において中和抗体が対抗
して上昇しうる、PauAタンパク質または実質的に相同な
ポリペプチドの一またはそれ以上のエピトープの領域を
表す。本発明はまた、アミノ酸配列のサブシークエンス
が互いに改変された全長(n)PauAタンパク質または実
質的に相同なポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ド分子を含むことも企図する。
【0040】本発明はさらに、融合タンパク質を形成す
るようにポリペプチド担体または融合相手と融合した本
発明のPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、
またはペプチド断片をコードするヌクレオチド配列を含
むポリヌクレオチド分子を提供する。本発明のポリヌク
レオチド分子によりコードされる融合タンパク質の限定
的でない例は、βーガラクトシダーゼ融合物、trpE融合
物、マルトース結合タンパク質融合物、グルタチオン-S
-トランスフェラーゼ(GST)融合物、およびポリヒスチジ
ン融合物(担体領域)を含む。特定的であるが限定的で
ない態様の一例では、本発明は本発明のペプチド断片へ
のGTS融合物をコードするポリヌクレオチド分子を提供
し、該ペプチド断片は、アミノ酸位置約28から約286、
約104から約286、約172から約286、約28から約170、約1
04から約170、約104から約208、約172から約208、約28
から約103、約28から約208、および約149から約286を含
む群から選択された、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4由
来のアミノ酸サブシークエンスからなる。当該技術分野
において既知の方法は、これらの及びその他の融合タン
パク質をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌク
レオチド分子を構築するために使用しうる。
【0041】「PauAポリペプチド」へのこれに続く全て
の言及は、他の指示がなければ、本発明の前述のPauAタ
ンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片
および融合タンパク質を含むことを企図する。
【0042】本発明はさらに、本発明の前述のポリヌク
レオチド分子のいずれかとハイブリッド形成するか、ま
たは本発明の前述のポリヌクレオチド分子のどれかの相
補鎖であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド
分子とハイブリッド形成するオリゴヌクレオチド分子を
提供する。このようなオリゴヌクレオチド分子は、好ま
しくは、少なくとも長さが約10から15ヌクレオチドであ
るが、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のどれかのサブシ
ークエンスの長さまで拡張することができ、そして適度
にまたは高度に厳しい条件で、前述のポリヌクレオチド
分子の一またはそれ以上とハイブリッド形成することが
できる。より短いオリゴヌクレオチド分子については、
高度に厳しい条件の一例は、6×SSC/0.5%ピロリン酸ナ
トリウム中、14塩基オリゴヌクレオチドまでならば約37
℃、17塩基オリゴヌクレオチドまでならば約48℃、20塩
基オリゴヌクレオチドまでならば約55℃、23塩基オリゴ
ヌクレオチドまでならば約60℃での洗浄を含む。より長
いオリゴヌクレオチド分子(すなわち、オリゴヌクレオ
チド数100以上)については、適度におよび高度に厳し
い条件の例は、実質的に相同なポリヌクレオチド分子に
ついて上に記述されている。ハイブリダイゼーションの
条件は、当該技術分野において知られているように、使
用される特定のオリゴヌクレオチド分子に従って適当に
調整することができる。
【0043】好ましい態様においては、本発明のオリゴ
ヌクレオチド分子は、高度に厳しい条件で、SEQ ID NO:
1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列を含むポリヌク
レオチド分子と、またはSEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3
のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含む
ポリヌクレオチド分子とハイブリッド形成する。
【0044】限定的でない態様の一例においては、本発
明のオリゴヌクレオチド分子は、SEQ ID NO:13〜SEQ ID
NO:27と該配列の相補鎖からなる群から選択されたヌク
レオチド配列からなる。限定的でないさらなる態様の一
例では、本発明のオリゴヌクレオチド分子は、SEQ ID N
O:13〜SEQ ID NO:27と該配列の相補鎖からなる群から選
択されたヌクレオチド配列を含む。
【0045】本発明のオリゴヌクレオチド分子は、例え
ば特異的疾病の診断に使われる、PauAタンパク質をコー
ドするポリヌクレオチド分子の増幅のプライマーとし
て、または遺伝子制御に有用なアンチセンス分子をコー
ドする、またはアンチセンス分子として働くことを含
む、様々な目的に有用である。遺伝子増幅は、感染した
動物由来の組織や哺乳類の乳などの体液試料におけるPa
uAタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子の存在
を検出するのに用いることができる。特異的増幅産物の
生産は、バクテリアの感染を示し、一方増幅産物がなけ
れば感染していないことを示す。
【0046】当該技術分野で知られている他の増幅技
術、例えばリガーゼ連鎖反応なども使うことができる
が、増幅は、適当に設計されたオリゴヌクレオチド分子
をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような標準的技術と
共に用いて行うことができる。例えば、PCRに関して
は、適当に設計されたプライマー、増幅すべきヌクレオ
チド配列を含む鋳型、および適当なPCR酵素および緩衝
液を含む混合物を調製し、鋳型の特異的pauA関連ポリヌ
クレオチド配列を増幅するための標準的な手順に従って
処理される。
【0047】本発明のポリヌクレオチド分子およびオリ
ゴヌクレオチド分子の生産と操作は当該技術分野の方法
中に存在し、また、様々な中でも特に、Maniatis et a
l., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring H
arbor, N.Y.; Ausubel, et al., 1989, Current Protoc
ols In Molecular Biology, Greene Publishing Associ
ates & Wiley Interscience, N.Y.; およびSambrook, e
t al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manua
l, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Co
ld Spring Harbor, N.Y.に記載された組換え技術に従っ
て行うことができ、これらすべては参考文献として本明
細書中に援用される。PCRの作動方法は、これ以外の場
所にも記載されているが、Innis, et al., (eds), 199
5, PCR Strategies, Academic Press. Inc., San Dieg
o;およびErlich, (ed), 1992, PCR Technology, Oxford
University Press, New Yorkに記載されており、これ
らは参考文献として本明細書中に援用される。
【0048】2.組換え発現系 2.1. 発現ベクター 本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子を含む
組換えクローニングベクターおよび組換え発現ベクター
を提供する。発現ベクターは、ポリヌクレオチド分子の
コーディング配列(本明細書の以降では「PauAコーディ
ング配列」として指示される)がポリペプチドを生産す
るためにPauAコーディング配列の転写と翻訳に必要な一
またはそれ以上の制御因子と機能的に結合しているよう
に構築されるのが好ましい。
【0049】本明細書で使用される場合、「制御因子」
という用語は、ポリヌクレオチドコーディング配列の発
現を駆動しおよび/または制御するために働く、当該技
術分野で既知の誘導性および非誘動性プロモーター、エ
ンハンサー、オペレーターおよび他の因子を含むがそれ
だけに限定されない。同様に、本明細書で使用される場
合、PauAコーディング配列は、一またはそれ以上の制御
因子と「機能的に結合」しており、制御因子が効果的に
PauAコーディング配列の転写またはそのmRNAの翻訳、ま
たはその両方を制御し、そして許容する。
【0050】様々な発現ベクター、好ましくはPauAコー
ディング配列の複製、転写、および翻訳を指向するため
の必要な制御因子を含む発現ベクターが知られており、
PauAコーディング配列の発現に使用することができる。
発現ベクターには、バクテリアまたは酵母の形質転換の
ための、PauAコーディング配列を含む組換えバクテリオ
ファージDNA、プラスミドDNAおよびコスミド発現ベクタ
ー;昆虫の細胞の形質転換のためのPauAコーディング配
列を含むバキュロウィルス(baculovirus)などの組換
えウィルス発現ベクター;およびとりわけ動物細胞の形
質転換のためのPauAコーディング配列を含むアデノウイ
ルスまたはワクシニアウィルス(vaccinia virus)など
の組換えウィルス発現ベクターなどが含まれる。
【0051】本発明のPauAコーディング配列を含むよう
に設計することができる典型的な原核細胞発現ベクター
プラスミドには、多くの中でも特に、pUC8、pUC9、pBR3
22およびpBR329(Biorad Laboratories, Richmond, C
A)、およびpPLおよびpKK223(Pharmacia, Piscataway, N
J)などを含む。
【0052】適当な制御因子と機能的に結合している特
定のコーディング配列を含む発現ベクターを構築する方
法は当該技術分野でよく知られており、本発明の実施に
用いることができる。これらの方法は、in vitro組換え
技術、合成技術およびin vivo遺伝子組換えを含む(Man
iatis, et al., 1989, 上記;Ausubel, et al., 1989,
上記;およびSambrook, et al., 1989,上記に記載され
た技術等を参照)。
【0053】これらのベクターの制御因子は、その長さ
および特異性において多様でありうる。利用される宿主
/ベクター系に従い、適当な転写および翻訳因子のいか
なるものも用いられることができる。例えば、哺乳類の
細胞系でのクローニングでは、マウスメタロチオネイン
プロモーター等の、哺乳類細胞のゲノムから単離され
た、または、ワクシニアウィルス7.5Kプロモーターまた
はモロニーマウスサルコーマウィルスのロングターミナ
ルリピート(Moloney murine sarcoma virus long term
inal repeat)などの、これらの細胞中で増殖するウィ
ルスから単離されたプロモーターを使用することができ
る。組換えDNAまたは合成技術により獲得されたプロモ
ーターは、挿入配列の転写のために提供するためにも使
用することができる。さらに、特定のプロモーターから
の発現は、特定な誘導因子例えばメタロチオネインプロ
モーターには亜鉛およびカドミウムイオンの存在下で上
昇することができる。
【0054】限定的でない転写制御領域またはプロモー
ターの例は、バクテリアについては、β-galプロモータ
ー、T7プロモーター、TACプロモーター、λ左及び右プ
ロモーター、trpおよびlacプロモーター、trp-lac融合
プロモーターなどがあり;酵母については、ADH-Iおよ
び-IIプロモーターなどの解糖酵素プロモーター、GPKプ
ロモーター、PGIプロモーター、TRPプロモーターがあ
り;哺乳類細胞ではSV40初期および後期プロモーター、
アデノウィルス主要後期プロモーターなどがある。
【0055】特異的開始シグナルもまた、挿入されたPa
uAコーディング配列の十分な翻訳には必要とされる。こ
れらのシグナルは一般的に、ATG開始コドンおよび隣接
した配列を含む。それ自身の開始コドンと隣接配列を含
むPauA遺伝子の全体が適当な発現ベクターに挿入された
場合、いかなる付加的な翻訳制御シグナルも必要ない。
しかしながら、コーディング配列の一部だけが挿入され
た場合、ATG開始コドンを含む外来性の翻訳制御シグナ
ルが必要とされうる。これらの外来性翻訳制御シグナル
および開始コドンは、天然および合成の様々な供給源か
ら得ることができる。さらに、挿入部分全体のインフレ
ーム翻訳を保証するために、開始コドンはPauAコーディ
ング配列の読み枠に合わせておかれなければならない。
【0056】融合タンパク質発現ベクターは、担体また
は融合相手と融合したPauAタンパク質、実質的に相同な
ポリペプチド、またはペプチド断片を含む融合タンパク
質を発現するのに用いられることができる。精製された
融合タンパク質は、例えば診断用試薬として用いられる
ための抗PauAタンパク質抗血清を産生するため、PauAタ
ンパク質の生化学的諸特性の研究のため、生物活性を改
変されたPauA融合タンパク質を設計するため、または発
現PauAタンパク質の同定または精製を補助するために用
いることができる。可能な融合タンパク質発現ベクター
は、β-ガラクトシダーゼおよびtrpE融合物、マルトー
ス結合タンパク質融合物、グルタチオン-S-トランスフ
ェラーゼ(GST)融合物、およびポリヒスチジン融合物
(担体領域)をコードする配列を組み込んだベクターを
含むが、これだけに限定されない。GST-ペプチド断片融
合物の特異的な例は、上記5.1節に記載されており、ま
た本発明はこれらのそれぞれをコードするヌクレオチド
配列を有するポリヌクレオチド分子を含む発現ベクター
を提供する。このようなPauA融合タンパク質をコードす
る発現ベクターを構築するために、当該技術分野で既知
の方法を使用することができる。
【0057】PauA融合タンパク質は、精製のために有用
な領域を含むように設計することができる。例えば、Pa
uA-マルトース-結合タンパク質融合物はアミロース樹脂
を用いて精製することができ;PauA-GST融合タンパク質
はグルタチオンーアガロースビーズを用いて精製するこ
とができ;そしてPauAーポリヒスチジン融合はニ価ニッ
ケル樹脂を用いて精製することができる。別の方法で
は、担体タンパク質またはペプチドに対する抗体を融合
タンパク質のアフィニティークロマトグラフィーによる
精製に用いることができる。例えば、モノクローナル抗
体の標的エピトープをコードするヌクレオチド配列は、
発現ベクターのなかに、制御因子と機能的に結合するよ
うに設計し、そして発現エピトープが融合タンパク質の
PauAパートナーと融合するように位置することができ
る。例えば、親水性マーカーペプチドであるFLAGTMエピ
トープタグ(International Biotechnologies Inc.)を
コードするヌクレオチド配列は、標準的な技術によって
発現ベクター中のPauAパートナーのアミノまたはカルボ
キシル末端に対応する点に挿入することができる。発現
されたPauAーFLAGTMエピトープ融合産物はその後、商業
的に入手可能な抗FLAGTM抗体を用いて検出し、そしてア
フィニティ精製することができる。
【0058】発現ベクターはまた、発現されたPauAパー
トナーが特異的プロテアーゼによる処理により担体領域
または融合相手から解放されうるように、特異的プロテ
アーゼ切断部位をコードするポリリンカー配列を含むよ
うに設計することもできる。例えば、融合タンパク質ベ
クターは、中でも特にトロンビンまたは第Xa因子などの
切断部位をコードするDNA配列を含むことができる。
【0059】PauAコーディング配列の上流および読み枠
内にあるシグナル配列が、発現タンパク質の通行および
分泌を指向するために、既知の方法により発現ベクター
に設計することができる。限定的でないシグナル配列の
例は、中でも特に、α因子、免疫グロブリン、外膜タン
パク質、ペニシリナーゼ、T細胞受容体、および天然Pa
uAタンパク質そのもののシグナル配列から由来するシグ
ナル配列などを含む。
【0060】本発明の発現ベクターにより形質転換また
は感染を受けた宿主細胞の選択において補助するため
に、発現ベクターは、リポーター遺伝子産物または他の
選択マーカーについてのコーディング配列をさらに含む
ように設計することができる。このようなコーディング
配列は、上に記載したように、制御因子コーディング配
列と機能的に結合することが好ましい。本発明の実施に
有用でありうるリポーター遺伝子は、当該技術分野でよ
く知られており、クロラムフェニコール・アセチルトラ
ンスフェラーゼ(CAT)、緑色蛍光タンパク質、ホタル
・ルシフェラーゼおよびヒト成長ホルモン等を含む。選
択マーカーをコードするヌクレオチド配列は当該技術分
野でよく知られており、抗体または抗代謝物への抵抗力
を与える遺伝子産物または栄養要求に補給する遺伝子産
物をコードする配列を含む。このような配列の例は、特
にチミジンキナーゼ活性、または、メトトレキセート、
アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールな
どへの抵抗性またはzeocinをコードする配列を含む。
【0061】2.2. 宿主細胞の形質転換 本発明はさらに、本発明の組換えクローニングまたは発
現ベクターにより形質転換された宿主細胞およびそこか
ら由来する細胞株を提供する。本発明の実施に有用な宿
主細胞は、原核細胞でも真核細胞でもよい。このような
形質転換された宿主細胞は、組換えバクテリオファージ
DNA、プラスミドDNA、コスミドDNA発現ベクターにより
形質転換されたバクテリア、または組換え発現ベクター
で形質転換された酵母などの微生物;またはバキュロウ
ィルスなどの組換えウィルス発現ベクターに感染された
昆虫細胞;または特にアデノウイルスまたはワクシニア
ウィルスなどの組換えウイルス発現ベクターに感染され
た哺乳類細胞などの動物細胞などを含むが、それだけに
限定されない。
【0062】バクテリアの細胞は一般に、宿主細胞とし
て好ましい。E.coliの株、例えばAmerican Type Cultur
e Collection(ATCC)(Rockville, MD, USA; Accession
No.31343)または商業的供給源(Strategene)から入手
可能なDH5α株、またはTAP56またはLW14株(E.coliのPf
izer内部の株)が典型的に用いられる。マウス、ハムス
ター、乳牛、サル、またはヒトの繊維芽細胞株もまた効
果的に用いることができるが、好ましい真核生物の宿主
細胞には酵母細胞を含む。本発明の組換えPauAポリペプ
チドを発現するのに使用することのできる真核生物の宿
主細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細
胞(例えば、ATCC Accession No.CCL61)、およびNIHス
イスマウス胚細胞NIH/3T3(例えば、ATCC Accession N
o.CRL.1658)を含む。
【0063】本発明の組換えベクターは、実質的に均質
な細胞培養の一またはそれ以上の宿主細胞に形質転換さ
れるかまたは感染されることが好ましい。ベクターは一
般に、既知の技術、例えば、リン酸カルシウム沈殿法、
塩化カルシウム法、マイクロインジェクション、エレク
トロポレーション、組換え体ウイルスとの接触による感
染、リポソーム媒介感染法、DEAE-デキストラン感染
法、形質導入法、接合、ミクロ発射衝撃法(microproje
ctile bombardment)といった方法に従って宿主細胞に
導入される。形質転換体の選択は組換えベクターと連結
した抗生物質抵抗性などの選択マーカーを発現する細胞
の選択などの標準的方法により行うことができる。
【0064】ひとたび本発明の組換えベクターが宿主細
胞に導入されると、宿主細胞ゲノムまたはエピソームに
おけるPauAコーディング配列の融合および保存は、標準
的技術、例えばサザンハイブリダイゼーション分析、制
限酵素分析、逆転写PCR(rt-PCR)を含むPCR分析、また
は免疫学的分析によって確認され、期待されるポリペプ
チド産物を検出することができる。組換えPauAコーディ
ング配列を含むおよび/または発現する宿主細胞は、当
該技術分野でよく知られている少なくとも四つの一般的
方法により同定することができる。それらは(i)DNA-D
NA、DNA-RNA、またはRNA-アンチセンスRNAハイブリダイ
ゼーション;(ii)“マーカー”遺伝子の機能の存在の
検出;(iii)宿主細胞でのPauA特異的mRNA転写の発現
によって測定される転写水準の検定;および(iv)イム
ノアッセイまたはPauAの生物活性(すなわち適切な哺乳
類のプラスミノーゲンからプラスミンへの転化)の存在
により、測定された成熟PauAポリペプチド産物の存在の
検出である。
【0065】限定的でない例としては、組換え発現PauA
ポリペプチドの生物活性は、例えば国際特許出願公開WO
93/14029において記載されているようなアガロース/
スキムミルク重層アッセイを用いた、ウシプラスミノー
ゲンのプラスミンへの転化の検出により検査することが
できる。簡単にいえば、PauA生物活性をモニターするた
めの調製物は、例えば1μgタンパク質/mlリン酸緩衝塩
類溶液(PBS)(pH7.4)などの適当な濃度に希釈され、
OxoidTMスキムミルク(1%w/v, Unipath Ltd.,Hampshir
e, England)およびウシプラスミノーゲン(10-3units/
ml)(Sigma)を含むアガロースシート(PBS中1%w/v)の
ウェルの切れ込みに加えられる。生物活性を持つPauAポ
リペプチドの存在は、ウシプラスミノーゲンからプラス
ミンへの転化に引き続いて牛乳タンパク質の破壊を示す
スキムミルク層における透明区域の形成の観察により検
出される。別の方法では、下記の7.3節に記載されたよ
うな色素分析を使用することができる。
【0066】2.3. 組換えポリペプチドの発現および性
質決定 ひとたびPauAコーディング配列が安定に適当な宿主細胞
に導入されると、形質転換された宿主細胞はクローン的
に繁殖され、そして得られた細胞はPauAポリペプチドの
最大限の生産を誘導する条件下で増殖させ、このような
条件は一般的に細胞を高密度まで増殖することを含む。
発現ベクターが誘導性プロモーターを含む場合、温度シ
フト、栄養枯渇、無償性誘導物質(非代謝性誘導物質)
(例えばイソプロピル-D-チオガラクトピラノシド(IPT
G)等の炭水化物の類似体)の付加、過度の代謝副産物
の蓄積等の適当な誘導条件が、発現を誘導するのに必要
であるものとして用いられる。
【0067】発現されたPauAポリペプチドが宿主細胞の
内部に保持された場合、細胞は集菌および溶解され、そ
して産物はタンパク質分解を最小限に抑えるための、当
該技術分野で既知の抽出条件下、例えば4℃で、または
プロテアーゼ阻害剤の存在下で、またはその両方の条件
で、溶解液から単離され精製される。発現されたPauAポ
リペプチドが宿主細胞から分泌されると、枯渇された栄
養培地を簡単に収集することができ、生産物をそこから
単離することができる。
【0068】発現されたPauAポリペプチドは、細胞溶解
液または培養培地から、以下の方法、すなわち硫酸アン
モニウム沈澱、大きさによる分画、イオン交換クロマト
グラフィー、HPLC、密度遠心分離、およびアフィニティ
クロマトグラフィーのいずれかの組み合わせ(しかしそ
れだけに制限されない)を含む標準的方法を用いて適当
なやり方で、実質的に精製または単離することができ
る。発現されたPauAポリペプチドが生物活性、すなわち
プラスミノーゲンを活性化する能力を示す場合、上述し
たアガロース/スキムミルク重層アッセイまたは下記の
7.3節に記載されたクロマトグラフィーアッセイ、など
のアッセイの使用、またはプラスミノーゲンの活性を検
出する他の関連したアッセイにより、調製物の純度の増
加を精製過程の各段階で監視されることができる。もし
発現されたポリペプチドが生物活性を欠くならば、発現
ポリペプチドは、例えば、大きさ、またはPauAポリペプ
チドに対する他の特異的な抗体に対する反応性、または
融合タグの存在に基づいて検出することができる。
【0069】このように、本発明はさらに、PauAポリペ
プチドの生産に誘導的な条件下で組換え発現ベクターに
より形質転換された宿主細胞を培養しおよび細胞培養か
らのPauAポリペプチドを回収することを含む、PauAポリ
ペプチドを調製する方法を提供し、該組換え発現ベクタ
ーは、(a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位
置26からアミノ酸位置286のアミノ酸配列を含むPauAタ
ンパク質;または(b)PauAタンパク質に実質的に相同な
ポリペプチド;または(c)PauAタンパク質または実質的
に相同なポリペプチドのペプチド断片;または(d)融合
相手と融合したPauAタンパク質、実質的に相同なポリペ
プチド、またはペプチド断片を含む融合タンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列を含む、宿主細胞中でのポリ
ヌクレオチド分子の発現を制御する一またはそれ以上の
制御因子と機能的に結合しているようなポリヌクレオチ
ド分子を含む。
【0070】ひとたび十分な純度のPauAポリペプチドが
得られると、それはSDS-PAGE、サイズ排除クロマトグラ
フィー、アミノ酸配列分析、プラスミノーゲンからプラ
スミンへの転換の生物活性などを含む標準的方法によっ
て性質決定することができる。PauAポリペプチドのアミ
ノ酸配列は、標準的なペプチド配列決定技術を用いて決
定することができる。PauAポリペプチドは親水度分析
(例えばHopp and Woods, 1981, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 78:3824を参照)、または類似のソフトウェアア
ルゴリズム(analogous software algorithms)を用い
ることによりさらに性質決定し、PauAポリペプチドの親
水性および疎水性領域を同定することができる。構造分
析が、特異的二次構造を帯びたPauAポリペプチドの領域
を同定するために行われることができる。X線結晶分析
(Engstrom, 1974, Biochem. Exp.Biol. 11:7-3)、コ
ンピューターモデリング(Fletterick and Zoller(ed
s), 1986, in: Current Communications in Molecular
Biology, Cold Spring HarborLaboratory, Cold Spring
Harbor, NY)および核磁気共鳴(NMR)などの生物物理
学的方法が、PauAタンパク質とその基質の間の相互作用
の領域の位置づけおよび研究のために用いることができ
る。より効果的なワクチン合成物を設計するために、Pa
uAポリペプチドの特異的部分だけを含むワクチンを選択
するために、または天然PauAタンパク質によるプラスミ
ノーゲンの活性化を阻止することができる治療学的また
は薬学的化合物を設計または選択するために、これらの
研究から得られた情報を用いることができる。
【0071】本発明の実施に有用なPauAポリペプチド
は、(a)生物学的に活性、すなわち哺乳類のプラスミノ
ーゲンをプラスミンに転化でき;または(b)免疫原性、
すなわち哺乳類の動物種に投与された場合乳腺炎に対す
る防御反応を誘導することができ;または(c)哺乳類の
動物種に投与された場合、診断用試薬として有用である
抗PauAタンパク質特異的な抗体の生産を誘導することが
でき;または(d)S.uberisなどの乳腺炎をひきおこす病
原体による感染から生じるか、または本発明のワクチン
の投与から生じる、哺乳類の血液または血清の試料中に
おける、抗PauAタンパク質特異的抗体の存在を検出する
ための診断用試薬として用いることができるものであ
る。このようなポリペプチドは、一度調整されると、当
該技術分野で既知の慣例的スクリーニング法を用いるだ
けで同定することができる。例えば、哺乳類のプラスミ
ノーゲンをプラスミンに転換する能力はここに記載した
生物学的定量法の一つを用いて決定することができる。
乳腺炎に対する防御免疫反応を誘導する能力は、S.uber
isなどのStreptococcusのいくつかの種によりひきおこ
される乳腺炎にかかりやすい哺乳類の種に属する動物
に、PauAポリペプチドを投与すること、およびPauA中和
抗体の存在、またはワクチン投与を受けた動物の、その
後の乳腺炎原病原体の感染に対する抵抗能力の検定によ
り、同定することができる。PauAタンパク質特異的抗体
の産生を誘導する能力は、マウス、ブタ、ヒツジ、ヤ
ギ、ウマ、乳牛などのモデル動物にPauAポリペプチドを
投与すること、および標準的方法によりその動物の血清
転換を試験することにより同定することができる。診断
用試薬としてPauAポリペプチドを使用する可能性は、前
もってS.uberisなどの乳腺炎原因病原体の感染を受け
た、または本発明のワクチンを前もって投与された動物
の血液または血清の試料にPauAポリペプチドをさらすこ
と、およびELISA分析などの標準的方法を用いて、試料
のPauAタンパク質特異的抗体のPauAポリペプチドへの結
合を検出することにより決定することができる。
【0072】特定的だが限定的でない本発明の実施に有
用なPauAポリペプチドの例は、SEQIDNO:2またはSEQ ID
NO:4のアミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286の、ま
たは、SEQ IDNO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約1
からアミノ酸位置約286のアミノ酸配列を含むタンパク
質を含む。
【0073】特定的だが限定的でない本発明の実施に有
用なPauAペプチド断片の例は、アミノ酸位置約28から約
286、約104から約286、約172から約286、約28から約17
0、約104から約170、約104から約208、約172から約20
8、約28から約103、約28から約208、および約149から約
286からなる群から選択された、SEQ ID NO:2またはSEQ
ID NO:4のアミノ酸サブシークエンスからなるペプチド
断片を含む。
【0074】特定的だが限定的でない本発明の実施に有
用な融合タンパク質の例は、アミノ酸位置約28から約28
6、約104から約286、約172から約286、約28から約170、
約104から約170、約104から約208、約172から約208、約
28から約103、約28から約208、および約149から約286か
らなる群から選択された、SEQ ID NO:2またはSEQ ID N
O:4のアミノ酸サブシークエンスからなるペプチド断片
と融合したGSTを含むGST融合タンパク質を含む。
【0075】本発明はゆえに、精製されたまたは単離さ
れたPauAタンパク質、その実質的に相同なポリペプチ
ド、そのようなPauAタンパク質および実質的に相同なポ
リペプチドのペプチド断片、および該PauAタンパク質、
実質的に相同なポリペプチドまたはペプチド断片(総括
的に「PauAポリペプチド」として本明細書において言及
した)を含む融合タンパク質を提供する。
【0076】3.PauAの類似体および誘導体 本発明はさらに、前述したPauAポリペプチドの類似体お
よび誘導体を提供する。ポリペプチドについて有用性が
上記で定義されたように、そのような類似体および誘導
体は本発明の実施に有用である。
【0077】類似体の生産を生ずる操作は遺伝子レベル
またはタンパク質レベルかまたはその両方で起こりう
る。遺伝子レベルでは、例えば、PauAポリペプチドをコ
ードするクローン化されたDNA分子は、一またはそれ以
上の既知の方法によりin vitroで、PauAタンパク質の類
似体をコードするように改変することができる。このよ
うな改変は、エンドヌクレアーゼ消化、翻訳、開始およ
び/または終止配列を創造または破壊する変異、または
コーディング領域に変異を作る変異、またはそのどれか
の組み合わせを含むが、それだけに限定されない(例え
ば、Maniatis, etal., 1989, 上記;Ausubel, et al.,
1989, 上記;およびSambrook, et al., 1989,上記を参
照)。X線照射または化学的変異原のような変異誘発剤
に対する曝露、またはin vitroでの部位特異的変異誘発
(例えばHutchinson, et al., 1978. J. Biol. Chem. 2
53:6551参照)(しかし、それだけに限定されない)を
含む当該技術分野で既知の変異誘発のいかなる技術も使
用することができる。
【0078】PauAポリペプチドの操作はタンパク質レベ
ルでも行うことができる。タンパク質の一またはそれ以
上の化学的改変は、以下の技術のいずれかの方法を含
む、既知の技術を用いることにより行うことができる。
すなわち、カルバゼート(carbazates)または三次中心
(teritary centers)を生産するための、天然タンパク
質の一またはそれ以上のL-アミノ酸の、対応するD−
アミノ酸、アミノ酸類似体、またはアミノ酸模擬体によ
る置換;または例えばトリプシン、キモトリプシン、パ
パイン、またはV8プロテアーゼによるタンパク質融解的
な(proteiolytic)な切断、または例えばNaBH4または
臭化シアンによる処理、またはアセチル化、ホルミル
化、酸化または還元などの特異的化学的改変を含むがそ
れだけに制限されない。
【0079】PauAポリペプチドは、一またはそれ以上の
化学基の結合により誘導することができる。アセチル
基、硫黄結合基、グリコシル基、脂質、およびリン酸、
および/または、もう一つのPauAポリペプチド、または
血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、
または商業的な活性化されたBSA等の他のタンパク質、
またはポリアミノ酸(例えばポリリジン)、または多糖
(例えば、セファロース、アガロース、または改変また
は非改変セルロース)等を含む(しかし、それだけに限
定さられない。そのような結合は、アミノ酸側鎖および
/またはポリペプチドのN末端またはC末端において共
有結合されていることが望ましい。このような結合反応
を行う方法は、タンパク質化学分野においてよく知られ
ている。
【0080】本発明の実施に有用な誘導体は、ポリエチ
レングリコールなどの水溶性ポリマーがPauAポリペプチ
ドまたはその類似体または他の誘導体に結合し、それに
より少なくとも部分的にポリペプチドの免疫原性は残し
たまま付加的な望ましい性質を提供するものを含む。こ
れらの付加的な望ましい性質は水溶液中の溶解性を増加
すること、貯蔵中の安定性を増加すること、タンパク質
の分解への抵抗性を増加すること、in vivoでの半減期
を増加することなどを含む。PauAポリペプチドへの結合
に適した水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールホ
モポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、
エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマ
ーを含むがそれだけに限定されない。該ホモポリマーお
よびコポリマーは、片方の末端を置換されていないか、
またはアルキル基、ポリオキシエチル化されたポリオー
ル、ポリビニルアルコール、多糖、ポリビニルエチルエ
ーテル、およびα、β-ポリ[2-ヒドロキシエチル]-DL-
アスパルトアミドにより置換されている。ポリエチレン
グリコールが特に好ましい。タンパク質の水溶性ポリマ
ーの複合体を作る方法は、当該技術分野で既知であり、
特に米国特許第3,788,948号;米国特許第3,960,830号;
米国特許第4,002,531号;米国特許第4,055,635号;米国
特許第4,179,337号;米国特許第4,261,973号;米国特許
第4,412,989号;米国特許第4,414,147号;米国特許第4,
415,665号;米国特許第4,609,546号;米国特許第4,732,
863号;米国特許第4,745,180号;欧州特許(EP)第152,
847号;EP第98,110号;および日本特許(JP)第5,792,4
35号などに記載されており、これらの特許は参考文献と
して本明細書中に援用されている。
【0081】本発明の実用に有用な類似体および誘導体
は、PauAポリペプチドについて上に記載された方法を使
用することにより同定することができる。
【0082】4.抗乳腺炎ワクチン 本発明はさらに、免疫学的に効果的な量の、(a)SEQ ID
NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26から約286の
アミノ酸配列を含むPauAタンパク質;または(b)PauAタ
ンパク質の実質的に相同なポリペプチド;または(c)Pau
Aタンパク質または実質的に相同なポリペプチドのサブ
シークエンスからなるペプチド断片;または(d)融合相
手と融合したPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプ
チド、またはペプチド断片を含む融合タンパク質;(e)P
auAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチ
ド断片、または融合タンパク質の類似体または誘導体;
または(f)PauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチ
ド、ペプチド断片、融合タンパク質、または類似体をコ
ードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子
を含み、そのタンパク質、実質的に相同なポリペプチ
ド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、誘導体、
またはポリヌクレオチド分子は哺乳類での乳腺炎に対す
る防護反応を誘導することができ;そしてワクチンはま
た獣医学的に許容できる担体を含む、乳腺炎に対して哺
乳類に属する動物を防御するためのワクチンを提供す
る。
【0083】限定的でない態様では、本発明のワクチン
は、本発明の発現ベクターまたはポリヌクレオチド分子
を含む形質転換された宿主細胞を含み、発現ベクターま
たはポリヌクレオチド分子は、哺乳類での乳腺炎に対す
る防御反応を誘導することのできる本発明のPauAタンパ
ク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、融
合タンパク質、または類似体を生産するために、宿主細
胞の中で発現される。宿主細胞は本発明の発現ベクター
またはポリヌクレオチド分子を発現することができるい
ずれの細胞でもよく、そして哺乳類の動物にワクチン中
で投与することができるいかなる細胞でもよい。限定的
でない態様では、このような宿主細胞はE.coliの宿主細
胞である。
【0084】本明細書中で使用される場合、「免疫学的
に効果的な量」という用語は、哺乳類に投与された場合
乳腺炎に対する防御反応を誘導することができる、例え
ば本発明のPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチ
ド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、誘導体、
またはポリヌクレオチド分子の免疫原的量を指す。
【0085】「防御反応を誘導することができる」とい
う句は、乳腺炎に対してワクチン投与された哺乳類を防
御するのに役立つ、抗体性または細胞性免疫反応のどち
らかまたはその両方を含む、ワクチン投与に反応して哺
乳動物体内で免疫を基礎とした反応を誘導しまたは増加
することを含むように、本明細書中で広く用いられる。
本明細書中で使用されている「防御反応」「防御する」
という用語は、乳腺炎の完全な予防または乳腺炎の原因
病原体による感染の完全な予防に限定されず、ワクチン
投与されていない感染された哺乳類と比べた場合に、病
原体による感染の程度または速度を幾ばくか減少させ、
または牛乳生産のいくらかでも検出できる増加を含む、
病原体の感染に起因する疾患の重傷度または症候または
症状のいくらかの軽減、または牛乳生産の減少のいかな
る検出しうる阻害や遅速を含むことを企図する。
【0086】本明細書中で使用される場合、「哺乳類に
属する動物種」および「哺乳類」という用語は、ウシの
種類(乳牛、雄牛)、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、イ
ヌ、およびネコに属する動物を含めた、本発明のワクチ
ンを使用することで乳腺炎に対して防御されうるいずれ
かの哺乳類の動物種、または哺乳動物の種類を指す。
【0087】本発明のワクチン組成物は、標準的緩衝
液、担体、安定化剤、希釈剤、防腐剤、および/または
可溶化剤を用いた、許容しうる慣習的方法を用いて作成
することができ、持続的放出を容易にするように設計す
ることもできる。希釈剤は水、塩類溶液、デキストロー
ス、エタノール、グリセロール等を含むことができる。
等張性のための付加物としては、特に塩化ナトリウム、
デキストロース、マンニトール、ソルビトール、および
ラクトースなどを含むことができる。安定化剤としては
特に、アルブミンなどを含む。
【0088】アジュバントは場合により、ワクチンにお
いて用いることができ、限定的でない例として、RIBIア
ジュバント系(Ribi inc)、ミョウバン、水酸化アルミ
ニウムゲル、水中スクアレンなどの水中油乳濁液、フロ
イントの完全および不完全アジュバントなどの油中水乳
濁液、Block コポリマー(CytRx, Atlanta GA)、SAF-M
(Chiron, Emeryville CA)、AMPHIGEN(商標)アジュバ
ント、サポニン、QuilA(Superfos)またはQS-21(Cambrid
ge Biotech inc., Cambridge MA)などの他の精製または
半精製サポニン画分 、モノホスホリル脂質AおよびAvri
dine脂質-アミンアジュバントを含む。ワクチンはさら
に、インターロイキン、インターフェロン、または他の
既知のサイトカインなどの一またはそれ以上の免疫調節
剤を含むことができる。
【0089】適当な、獣医学的に許容しうるワクチンビ
ヒクル、担体、および付加物が、知られているかまたは
当業者に明らかになるであろう(例えば、参考文献とし
て本明細書中に援用するRemington's Pharmaceutical S
cience, 18th Ed., 1990, Mack Publishingを参照)。
ワクチンは溶液として、または別の方法では投与前に滅
菌希釈溶液で再構成されるような凍結乾燥の形で貯蔵さ
れる。
【0090】本発明はさらに、免疫原の持続的放出のた
めのワクチン製剤を提供する。このような持続的放出製
剤の例は、例えばポリ(乳酸)や、ポリ(lactic-co-gl
ycolic acid)、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コ
ラーゲン等の生物学的適合性のポリマーの合成物と組み
合わせた免疫原を含む。薬剤伝達ビヒクルにおける分解
可能なポリマーの構造、選択および使用は、本明細書中
で参考文献として援用するA.Domb, et al., 1992, Poly
mers for Advanced Technologies 3: 279-292う含むい
くつかの出版物においてレビューされている。薬学的製
剤におけるポリマーの選択および使用についてのさらな
る手引きは、本明細書中に参考文献として援用するM.Ch
asin and R. Langer(eds), 1990, "Biodegradable Poly
mers asDrug Delivery System" in Drug and Pharmaceu
tical Sciences, Vol.45, M.Dekker, NYの中に見ること
ができる。別の方法では、または付加的には、本発明の
ワクチンのPauAポリペプチド、類似体、誘導体、または
ポリヌクレオチドは、投与および効果を改善するために
マイクロカプセル化することができる。抗原のマイクロ
カプセル化の方法は当該技術分野でよく知られており、
参考文献として本明細書中に援用する、米国特許第3,13
7,631号;米国特許第3,959,457号;米国特許第4,205,06
0号;米国特許第4,606,940号;米国特許第4,744,933
号;米国特許第5,132,117号;および国際公開WO 95/282
27に記載されている技術を含む。
【0091】リポソームもまた、本発明のPauAポリペプ
チド、類似体、誘導体、またはポリヌクレオチド分子の
いずれかの保存的放出を提供するために用いることがで
きる。リポソーム製剤をいかにして作り、そして使用す
るかに関する詳細は、特に、米国特許第4,016,100号;
米国特許第4,452,747号;米国特許第4,921,706号;米国
特許第4,927,637号;米国特許第4,944,948号;米国特許
第5,008,050号;米国特許第5,009,956号などにおいて見
ることができ、これらすべては本明細書中で参考文献と
して援用する。
【0092】限定的でない態様においては、本発明のワ
クチンは、乳腺炎および場合により一またはそれ以上
の、哺乳類を苦しめる可能性がある疾病または病理学的
状態に対して哺乳類に属する動物種を防御するための混
合ワクチンであることができ、該混合ワクチンは、(a)S
EQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26から
約286のアミノ酸配列 を含むPauAタンパク質;または
(b)PauAタンパク質に実質的に相同なポリペプチド;ま
たは(c)PauAタンパク質または実質的に相同なポリペプ
チドのサブシークエンスからなるペプチド断片;または
(d)融合相手と融合したPauAタンパク質、実質的に相同
なポリペプチド、ペプチド断片を含む融合タンパク質;
または(e)PauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチ
ド、ペプチド断片、または融合タンパク質の類似体また
は誘導体;または(f)PauAタンパク質、実質的に相同な
ポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、または
類似体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレ
オチド分子を含む免疫学的に効果的な量の第一成分を含
み、このタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペ
プチド断片、融合タンパク質、類似体、誘導体、または
ポリヌクレオチド分子は哺乳類における乳腺炎に対する
防御反応を誘導することができ、哺乳類を苦しめる可能
性がある疾病または病理学的状態に対する防御反応を誘
導することのできる抗原を含む第二成分および獣医学的
に許容しうる担体を含む。
【0093】混合ワクチンの第二成分の抗原は、乳腺炎
または哺乳類を苦しめる可能性がある他の疾病または病
理学的状態に対する、または哺乳類に感染することがで
きる病原体に対する防御反応を誘導する能力に基づき、
当該技術分野で知られているようなやり方で選択され
る。特定の哺乳類の種類におけるワクチン組成物におい
て有用であると知られているいかなる免疫原性組成物も
混合ワクチンの第二成分に用いることができる。このよ
うな免疫原性組成物はウシヘルペスウイルス(syn., in
fectious bovine rhinotracheitis)、ウシ呼吸系発疹
ウイルス(bovinerespiratory syncital virus)、ウシ
ウィルス性下痢ウィルス(bovine viral diarrhea viru
s)、I型、II型、またはIII型パラインフルエンザウィ
ルス(parainfluenza virus typeI, II, or III)、レ
プトスピラ属(Leptospira spp.)、カンピロバクター
属(Campylobacter ssp.)、S.aureusなどのブドウ球菌
属(Staphylococcus spp.)、S.agalactiae、S.dysgala
ctiaeなどの連鎖球菌属(Streptococcus spp.)、マイ
コプラズマ属(Mycoplasma spp.)、クレブシエラ属(K
lebsiella spp.)、サルモネラ属(Salmonella sp
p.)、ロタウィルス、コロナウィルス、狂犬病 、P.hea
molytica 、P.multocidaなどのパスツレラ属(Pasteure
lla spp.)、クロストリジウム属(Clostridium sp
p.)、破傷風トキソイド(Tetanus toxoid)、E.coli、
ネオスポラ属(Neospora app.)、およびその他の真核
寄生生物などに対する防御を提供するものを含むが、そ
れだけに限定されない。
【0094】第二成分を含む抗原は、キメラ分子または
融合タンパク質を作るために第一成分のPauAポリペプチ
ド、類似体または誘導体に場合により共有結合すること
ができる。限定的でない態様では、第二成分の抗原は一
つのハプテンを含み、そのハプテンの免疫原性は第一成
分のPauAポリペプチド、類似体、または誘導体に結合す
ることで検出可能なほど増加する。
【0095】混合ワクチンの第一および第二成分の共有
結合した抗原を含むキメラ分子は、当該技術分野で知ら
れた一またはそれ以上の技術を用いて合成することがで
きる。例えば、キメラ分子は、標準的化学合成法(例え
ばMerrifield, 1985, Science 232:341-347を参照)を
用いた、商業的に入手可能なペプチド合成機を用いて合
成的に生産することができる。別の方法では、個々の成
分を個々に合成し、その後化学的結合基を使用すること
により一緒に結合することができる。別の方法では、キ
メラ分子は組換えDNA技術を用いて生産することがで
き、その技術によると、例えばキメラ分子の異なる抗原
をコードするヌクレオチド配列を含む別々のポリヌクレ
オチド分子が一緒に読み枠に合わせてスプライシングを
受け、そしてその後のキメラ分子の単離のために適し
た、宿主細胞のなかで発現される。本発明のワクチンが
ポリペプチドではなくポリヌクレオチド分子を含む場合
は、スプライシングを受けたポリヌクレオチド分子がワ
クチン組成物中に用いることができる。このような組換
え技術を行うための多くの手引きがManiatis, et al.,1
989, 上記;Ausubel, et al., 1989, 上記;Sambrook,
et al., 1989, 上記;Innis et al.(eds) 1995, 上記;
およびErlich,1992, 上記において提供されている。
【0096】上に記述したように、本発明のワクチンは
本発明の発現ベクターまたはポリヌクレオチド分子を含
む形質転換された宿主細胞を含むことができ、その場
合、哺乳類における乳腺炎に対する防御反応を誘導する
ことができる本発明のPauAタンパク質、実質的に相同な
ポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体
を生産するために、発現ベクターまたはポリヌクレオチ
ド分子を宿主細胞の中で発現する。限定的でないさらな
る態様では、本発明の混合ワクチンは、病原体としてS.
uberisによりひきおこされる乳腺炎以外のいずれかの疾
病または病理学的状態と関連する宿主細胞を含み、その
疾病または病理学的状態は哺乳類を苦しめる可能性があ
り、その宿主細胞は本発明の発現ベクターまたはポリヌ
クレオチド分子をさらに含み、その発現ベクターまたは
ポリヌクレオチド分子は哺乳類における乳腺炎に対する
防御反応を誘導することができる本発明のPauAタンパク
質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、融合
タンパク質または類似体を生産するために宿主細胞の中
で発現され、そしてそのような宿主細胞はS.uberisによ
りひきおこされる乳腺炎以外の疾病または病理学的状態
に対する免疫防御反応を誘導するのに役立つ。限定的で
ない態様においては、このような宿主細胞は、レプトス
ピラ属(Leptospira spp.)、 カンピロバクター属(Ca
mpylobacter ssp.)、S.aureusなどのブドウ球菌属(St
aphylococcus spp.)、S.agalactiae、S.dysgalactiae
などの連鎖球菌属(Streptococcus spp.)、マイコプラ
ズマ属(Mycoplasma spp.)、クレブシエラ属(Klebsie
lla spp.)、サルモネラ属(Salmonella spp.)、P.hea
molytica 、P.multocidaなどのパスツレラ属(Pasteure
llaspp.)、クロストリジウム属(Clostridium sp
p.)、E.coli、ネオスポラ属(Neospora app.)、およ
び他の真核寄生生物からなるグループから選択される。
【0097】本発明はさらに、免疫学的に有効量の(a)S
EQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置およそ26
からアミノ酸位置およそ286のアミノ酸配列を含むPauA
タンパク質;または(b)PauAタンパク質に実質的に相同
なポリペプチド;または(c)PauAタンパク質または実質
的に相同なポリペプチドのサブシークエンスからなるペ
プチド断片;または(d)融合相手に融合したPauAタンパ
ク質、実質的に相同なポリペプチド、またはペプチド断
片;または(e)PauAタンパク質、実質的に相同なポリペ
プチド、ペプチド断片または融合タンパク質の類似体ま
たは誘導体;または(f)PauAタンパク質、実質的に相同
なポリペプチド、ペプチド断片または融合タンパク質ま
たは類似体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌ
クレオチド分子であり、これらのタンパク質、実質的に
相同なポリペプチド、ペプチド断片または融合タンパク
質、類似体、誘導体またはポリヌクレオチドは、哺乳類
の乳房炎に対する防御性応答を誘導することができるも
のであり、これを獣医学的に受容可能な担体を組み合わ
せることを含む、乳房炎に対して哺乳類の動物種を防御
するためのワクチンの製造方法を提供する。
【0098】本発明はさらに、本発明の免疫学的に有効
量のワクチンを哺乳動物に投与することを含む、乳房炎
に対して哺乳類の動物種をワクチン化する方法を提供す
る。
【0099】哺乳動物に投与される免疫原の量は、ワク
チン化される動物の動物種、年齢、体重、健康状態、お
よび総体的な身体特性のような因子、および投与される
特定の免疫またはワクチン組成物によって決定される。
各パラメータの最適量の決定は、例えば経験的な研究の
ような慣用的方法を用いて行うことができる。特にウシ
属の動物種に対する本発明のワクチンのPauAポリペプチ
ドの投与に関しては、投与量は、好ましくはポリペプチ
ドにして約0.01μgから約100mgまでの範囲であり、より
好ましくは約0.1μgから約10mgの範囲であり、もっとも
好ましくは約1.0μgから約1.0mgである。特にウシ属の
動物種に対する本発明のワクチンのポリヌクレオチドの
投与に関しては、投与量は、好ましくはポリヌクレオチ
ドにして約0.05μgから約500mgまでの範囲であり、より
好ましくは約0.5μgから約50mgの範囲であり、もっとも
好ましくは約5.0μgから約5mgである。さらに、ワクチ
ンの一般的な投与体積は、一個体当たり一回投与あたり
約50μlから約50mlの範囲である。
【0100】ワクチン予防法もまた、上に記載された因
子に基づいて選択することができる。動物は、離乳年
齢、またはさらに若い年齢、または繁殖直前または繁殖
時、分娩時、乳終了時、または乳房炎が群れの動物種の
一頭または複数に最初に発症し始めた時を含む、いかな
る適当な時期にもワクチン化することができる。完全な
防御を達成するために、追加投与すなわち追加抗原刺激
が必要とされる場合がある。適当な免疫防御が達成され
たか決定する方法(例えば血清変換を決定することまた
は中和アッセイを利用することによる)は、当該技術分
野でよく知られている。
【0101】本発明のワクチンは、例えば経口、鼻腔
内、筋肉内、乳房内、リンパ節内、腹腔内、静脈内、動
脈内、皮下、直腸または膣内投与のような適当な経路、
または複数の経路の組み合わせによって投与することが
できる。当業者にとっては、選択された経路に従ってワ
クチン組成物を容易に製剤化することが可能であろう。
【0102】本発明はさらに、免疫学的に有効量の(a)S
EQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置およそ26
からアミノ酸位置およそ286のアミノ酸配列を含むPauA
タンパク質;または(b)PauAタンパク質に実質的に相同
なポリペプチド;または(c)PauAタンパク質または実質
的に相同なポリペプチドのサブシークエンスからなるペ
プチド断片;または(d)融合相手に融合したPauAタンパ
ク質、実質的に相同なポリペプチド、またはペプチド断
片からなる融合タンパク質;または(e)PauAタンパク
質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片または
融合タンパク質の類似体または誘導体;または(f)PauA
タンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断
片、融合タンパク質または類似体をコードするヌクレオ
チド配列を含むポリヌクレオチド分子を含む第一の容器
および獣医学的に受容可能な担体または希釈剤からなる
第二の容器を含み、これらのタンパク質、ポリペプチ
ド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、誘導体ま
たはポリヌクレオチド分子は、哺乳類の乳房炎に対する
防御性応答を誘導することができる、乳房炎に対して哺
乳類の動物種を防御するためのワクチンキットを提供す
る。
【0103】5.抗PauA抗体の生産 本発明は、本発明のPauAポリペプチド、類似体、または
誘導体に結合するポリクローナル抗体またはモノクロー
ナル抗体を提供する。このような抗体は、天然または組
換えPauAポリペプチドを精製するため、または例えば感
染哺乳動物由来の組織切片中、若しくは細胞中、組織
中、または液体試料中のPauAタンパク質の存在を、例え
ばELISAまたはウェスタンブロット解析で検出するた
め、または感染動物中の天然のPauAタンパク質活性を治
療的に中和するための親和性試薬として使用できる。
【0104】抗体は、本発明のPauAポリペプチド、類似
体または誘導体のいずれに対しても作製され得る。ウ
シ、ウマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジおよびマウスを含む種
々の宿主動物を(これらに限定されるものではない
が)、抗PauAタンパク質特異的抗体を生産するための既
知の方法に従って使用できる。例えば上の5.4節に挙げ
た種々のアジュバントを、抗体生産を増強するために使
用できる。
【0105】ポリクローナル抗体は免疫化された動物か
ら得られ、標準的な技術を用いて抗PauAポリペプチド特
異性を検定することができる。または、PauAポリペプチ
ドに対するモノクローナル抗体が、培養用の永続的な細
胞株によって抗体生産を提供するいずれかの技術を用い
て調製することができる。これらには、KohlerおよびMi
lstein(Nature, 1975, 256: 495-497)によって最初に記
載されたハイブリドーマ法;ヒトB細胞ハイブリドーマ
法(Kosbor, et al., 1983, Immunology Today 4: 72; C
ote et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 2
026-2030);およびEBV-ハイブリドーマ法(Cole, et a
l., 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therap
y, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)が含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。または、一本鎖抗体の
生産について記載された方法(例えば米国特許第4,946,7
78号を参照)を、PauAポリペプチド特異的一本鎖抗体を
生産するために採用することができる。これらの開示文
献は、本明細書中で参考文献として援用する。
【0106】本発明のPauAポリペプチド、類似体または
誘導体に対する特異的な結合部位を含む抗体断片も、本
発明の範囲に含まれ、既知の方法によって生産すること
ができる。このような断片には、完全な抗体分子のペプ
シン消化によって生成することができるF(ab')2断片、
およびF(ab')2断片のジスルフィド架橋を還元して生成
することができるFab断片が含まれるが、これらに限定
されるものではない。または、PauAポリペプチド、類似
体または誘導体に対する目的の特異性を有するFab断片
を迅速に同定するために、Fab発現ライブラリーを構築
することができる(Huse, et al., 1989, Science 246:
1275-1281)。
【0107】モノクローナル抗体および抗体断片の生産
の方法は、当該技術分野ではよく知られ、さらに他の文
献ではHarlow and Lane, 1988, Antibodies: A Laborat
oryManual, Cold Spring Harbor Laboratory;およびJ.
W. Goding, 1986, Monoclonal Antibodies: Principle
s and Practice, Academic Press, Londonに記載されて
いる。上に挙げた開示文献すべては、本明細書中で参考
文献として援用する。
【0108】6.アンチセンスオリゴヌクレオチドおよ
びリボザイム 本発明の範囲にはさらに、PauA mRNAを分解および/また
はその翻訳を阻害するために結合して機能するアンチセ
ンスオリゴヌクレオチド、チオりん酸、およびリボザイ
ムを含むオリゴヌクレオチド配列がある。
【0109】アンチセンスRNA分子およびアンチセンスD
NA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的
RNAに結合してタンパク質の翻訳を妨げることでmRNAの
翻訳を直接的に阻害するように働く。例えば、少なくと
も約15塩基でPauAポリペプチドをコードするDNA配列の
固有の領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド
を、例えば慣用的なフォスホジエステル法によって合成
することができる。
【0110】リボザイムは、RNAの特異的な切断を触媒
できる酵素的なRNA分子である。リボザイムの作用機構
には、リボザイム分子の相補標的RNAに対する配列特異
的ハイブリダイゼーション、次にヌクレオチド内溶解性
切断が含まれる。PauA mRNA配列のヌクレオチド内溶解
性切断を特異的・効率的に触媒するように設計されたハ
ンマーヘッドモチーフ・リボザイム分子も、本発明の範
囲に含まれる。
【0111】可能性のあるRNA標的中の特異的なリボザ
イム切断部位も、GUA、GUUおよびGUCという配列を含む
リボザイム切断部位に対する標的分子をスキャンするこ
とによって先ず同定される。一度同定されると、切断部
位を含む標的遺伝子の領域に対応する約15から20リボヌ
クレオチドの短いRNA配列は、オリゴヌクレオチド配列
を不適切にし得る、二次構造のような予想される構造特
性について評価することができる。標的候補の適合性も
また、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼー
ションの容易さを例えばリボヌクレアーゼ防御アッセイ
を用いて評価することができる。
【0112】本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド
およびリボザイムの両者とも、既知の方法によって調製
することができる。これらの方法には、例えば固相フォ
スホアミド化学合成のような化学合成についての技術が
含まれる。または、アンチセンスRNA分子は、RNA分子を
コードするDNA配列のin vitroまたはin vivo転写によっ
て生成することができる。このようなDNA配列は、T7ま
たはSP6ポリメラーゼプロモーターのような適当なRNAポ
リメラーゼプロモーターを援用する広範なベクターに導
入することができる。
【0113】本発明のオリゴヌクレオチドに対する種々
の修飾を、細胞内安定性および半減期を増大させるため
に導入することができる。可能性のある修飾には、リボ
ヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドの隣接配
列を分子の5'および/または3'末端に付加すること、ま
たはオリゴヌクレオチド骨格にフォスホジエステル結合
ではなく、チオりん酸または2'-O-メチルを使用するこ
とが含まれるがこれらに限定されるものでは内。
【0114】7.診断用キット 本発明はさらに、診断用キットを提供する。限定的でな
い態様においては、診断用キットは天然のPauAタンパク
質に対して指向する抗体に特異的に結合する本発明のPa
uAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド
断片、融合タンパク質、類似体、または誘導体を含む第
一コンテナ;および抗PauAタンパク質特異的抗体に対し
て作製された二次抗体を含む第二コンテナを含む。二次
抗体は、好ましくは検出可能な標識を含む。このような
診断用キットは、現在PauA生産生物(例えばS. uberis)
に感染している、または以前に感染していた哺乳動物、
または本発明のワクチンでワクチン化された後に血清変
換を受けた哺乳動物を検出するのに有用である。
【0115】限定的でないさらなる態様においては、本
発明の診断用キットは、天然のPauAタンパク質に特異的
に結合する本発明の抗体(一次抗体)を含む第一コンテ
ナ;および天然のPauAタンパク質上の異なるエピトープ
に特異的に結合するか、または一次抗体に特異的に結合
する二次抗体を含む第二コンテナを含む。二次抗体は好
ましくは検出可能な標識を含む。限定的でないさらなる
態様においては、診断用キットは、S. uberisのような
病原体のPauAタンパク質コーディングポリヌクレオチド
分子を特異的に増幅するために有用な本発明のポリヌク
レオチド分子またはオリゴヌクレオチド分子を含むコン
テナを含む。これらの診断用キットの後者二つは、現在
PauA生産生物(例えばS. uberis)に感染している動物を
検出するために有用である。
【0116】以下の実施例は単なる例示であり、本発明
の範囲を限定するためのものではない。
【0117】
【実施例】実施例1: PauAをコードするDNA分子の同定およびクロ
ーニング 1.1. アミノ酸配列分析 S. uberis株c216(Lot No.053196w)由来のPauAタンパク
質を、国際特許出願公開WO 93/14209に記載された方
法、すなわち無細胞培養濾過液からの硫安沈澱、次に分
子ふるいクロマトグラフィー、次に16%SDS-PAGEゲル(No
vex, San Diego,CA)上での分離、そしてN末端エドマン
配列決定法のためのProBlott(Applied Biosystems, Fos
ter City, CA)への電気ブロットを使用して精製した。P
auAバンドに対応するブロット領域(計算上35kDa)が切り
出され、ABI 494 タンパク質シークエンサー(Applied B
iosystems)によるアミノ酸配列分析が行われた。内部配
列決定のため、精製されたPauAは上述のように16%SDS-P
AGEゲルで分離し、改変銀染色(Shevchenko, et al., 19
96, Anal. Chem. 68:850-858)によって染色した。PauA
バンドを切り出し、ゲル切片をDTTで還元し、アクリル
アミドでアルキル化し、50%アセトニトリル/NH4HCO3
で洗浄し、そして真空乾燥した。ゲル切片は体積50μl
で0.1μgの改変トリプシン(Promega, Madison, WI)で処
理し、37℃で一晩インキュベーションした。トリプシン
切断由来のペプチドは150μlの60%アセトニトリル/NH4H
CO3中で超音波処理して二度抽出し、次に1×250mm Vyda
c C18カラム(Nest Group, Inc., Southboro, MA)上での
RP-HPLCによって分離した。220nm吸光のペプチドのピー
クが回収され、ABI 494タンパク質シークエンサーによ
る解析に供された。得られたアミノ酸配列はSEQ ID NO:
5からSEQ ID NO:12として示す。Pep-1(SEQ ID NO:5)お
よびPep-2(SEQ ID NO:6)はN末端配列決定で得られ、一
方Pep-3からPep-8(SEQ ID NO:7からSEQ ID NO:12)は精
製されたPauAのトリプシン酵素処理の結果得られた。
【0118】1.2. S. uberisからの染色体DNAの単離 S. uberis系統c216および95-140は、それぞれ100mlの静
的脳心臓浸出ブロス(BHI, Difco, Detroit. MI)中に
おいて37℃で24時間保温され、そしてその後回収した
(7,700xg、20分)。湿った細胞ペレットは、使用まで-
20℃にて保存された。細胞は、湿った細胞ペレットの5m
l Tris-HCl (10 mM)/EDTA (1 mM)(TE)における再懸濁に
より洗浄し、回収し(2,000xg、15分)、そして2mlのTE
に再懸濁した。洗浄された細胞は、65℃にて20分間加熱
処理され、-20℃にて一晩冷凍され、その後250U ムタノ
リシン(mutanolysin, Sigma)、100mg リゾチーム(Si
gma)、および50μg RNアーゼA(Sigma)の添加、およ
び37℃、105分間のインキュベーションにより溶解され
た。プロテナーゼK(500μg)(Sigma)が添加され、かつ
溶解を完全にするための終濃度2%(w/v)のSDS添加まで、
さらに3時間インキュベーションは続行された。溶解さ
れた細胞は、37℃にてさらに30分間インキュベーション
し、トリス飽和フェノールにより1回抽出し、そしてフ
ェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:
1)により2回抽出した。染色体DNAは、2.5倍体積の100%
エタノールおよび0.1倍体積の3M NaAc(pH 5.2)の添
加、-20℃における24時間の冷却、および遠心分離(15,
000xg、15分、4℃)によるペレット化により沈澱させ
た。DNAは、70%エタノールによりすすぎ、乾燥し、TEに
再懸濁し、かつ260nmの吸光度により定量化した。
【0119】1.3. S. uberis由来pauA遺伝子の部分ク
ローニング 縮重オリゴヌクレオチド(図1)は、精製されたS. uber
is PauAのアミノ酸配列を基に設計された。オリゴヌク
レオチドRA9(SEQ ID NO:14)は、Pep-1(SEQ IDNO:5)のア
ミノ酸11-18をコードするpauA遺伝子の部分にハイブリ
ッド形成するように設計された。オリゴヌクレオチドER
35(SEQ ID NO:15)およびER36(SEQ ID NO:16)は、Pep-5
内部配列(SEQ ID NO:9)のアミノ酸13→5をコードするpa
uA遺伝子の部分にハイブリッド形成するように設計さ
れ、そして縮重の度合において異なっている。
【0120】pauA遺伝子断片のPCR増幅のため、1xPC2緩
衝液(Ab Peptides, Inc., St. Louis, MO)、200μMの
各デオキシ-NTP、100p molの各プライマー、7.5U KlenT
aq1(Ab Peptides)、および0.15U クローン化Pfu(Str
atagene, La Jolla, CA)温度安定性ポリメラーゼを含
む50μl反応物において、オリゴヌクレオチドRA9(SEQID
NO:14)は、単独で、または、ER35(SEQ ID NO:15)また
はER36(SEQ ID NO:16)と同時に用いられた。DNA鋳型
は、S. uberis系統c216または系統95-140より精製され
た染色体DNA500ngであった。増幅は下記のように行われ
た:すなわち、変性(94℃にて5分);変性(95℃にて3
0秒)、アニーリング(60℃にて1分)、および重合(72
℃にて2分)を1サイクルとして30サイクル;それに続く
72℃、7分間の最終伸長により行う。
【0121】増幅された産物は、2%(w/v) NuSieve GTG
アガロースゲル(FMC Bioproducts,Rockland, ME)にお
ける分離により可視化された。S. uberis系統c216由来
のDNAを鋳型とし、RA9(SEQ ID NO:14)のみを用いた反応
の結果、明瞭な640bp産物が増幅された。PCR反応におい
てS. uberis系統c216または系統95-140由来の染色体DNA
を鋳型とし、RA9(SEQ ID NO:14)をER35(SEQ ID NO:15)
またはER36(SEQ ID NO:16)と同時に用いた際には、640b
pおよび560bpの2つの産物が常に増幅された。このデー
タは、縮重オリゴヌクレオチドRA9(SEQ ID NO:14)が、p
auA領域内部への結合能を有し、そして、その結合部位
はPep-5(SEQ ID NO:9)のC-末端側、すなわちER35(SEQ I
D NO:15)およびER36(SEQ ID NO:16)の標的結合領域へ向
けられていることを示唆した。
【0122】S. uberis系統c216由来DNAおよびRA9(SEQ
ID NO:14)(640bp)、または、RA9(SEQ ID NO:14)およ
びER35(SEQ ID NO:15)(640および560bp)を用いた反応
により得られたPCR産物を、さらに解析した。プライマ
ーのペアRA9/ER35によるS. uberis系統95-140由来DNAの
増幅により得られたPCR反応産物(640および560bp)
も、これらの系統のpauA領域が類似しているかどうかを
決定するために解析された。S. uberis系統c216由来の6
40bpおよび560bpの産物、およびS. uberis系統95-140由
来の640bpの産物は、適切な制限エンドヌクレアーゼ(K
pnI (RA9)、または、KpnIおよびBamHI(RA9/ER35))によ
るPCR産物の消化の後に、それぞれpUC18にクローニング
された。得られたプラスミドの配列解析により、RA9(SE
Q ID NO:14)の二次的結合部位は、オリゴヌクレオチドE
R35(SEQ ID NO:15)の結合部位(内部Pep-5の3'末端側(S
EQ ID NO:9)のアミノ酸13→5)に位置することが確認さ
れた。さらに、S. uberis系統c216および系統95-140よ
り増幅された640bpのDNA断片内部の360ヌクレオチド領
域の比較は、これら2系統由来の部分pauA遺伝子の間に
は、非常に高い(99.2%)ヌクレオチド相同性があるこ
とが示された。配列の解析は、pauAのORF内部におけるE
coRI、HindIII、SpeI、およびSalIに対する制限エンド
ヌクレアーゼ部位の存在を示し、従って、特異的な制限
断片に位置するpauA領域全体を得るために設計されるプ
ラスミドゲノムライブラリーの構築における、これらの
酵素の利用を排除する。
【0123】1.4. プラスミドゲノムライブラリーの構
築およびスクリーニング S. uberis系統c216由来および系統95-140由来の10μgの
染色体DNAを、それぞれ制限エンドヌクレアーゼBglIIに
より37℃にて8時間消化し、フェノール/クロロホルム(2
4:1)により抽出し、そして-20℃にて保存した。1μgの
プラスミドベクターDNA(pUC18)は、BamHIによる消
化、および提供業者(New England Biolabs, Beverly,
MA)の推奨するウシ腸管ホスファターゼを用いた脱リン
酸化により調製された。線状で脱リン酸化されたベクタ
ー(0.5μg)は、提供業者(Gibco BRL, Gaithersburg,
MD)により推奨されるように、5μgのBglII消化染色体
DNAにライゲーションし、そしてE. coli DH5α細胞(Ma
x Efficiency)を形質転換するために利用された。
【0124】PauA活性の検出を容易にするため、スキム
ミルク寒天プレートアッセイが用いられた。E. coli中
のライブラリースクリーニングのため、プレートアッセ
イ材料は、脱脂粉乳(1% w/v; Oxoid(登録商標))、ウ
シプラスミノゲン(0.015U/ml; Sigma カタログ番号 P-
9156)、およびアンピシリン(100μg/ml; Sigma)を添
加したBHI寒天(Gibco)を含んだ。ライブラリースクリ
ーニングは、pUC18のラクトース・プロモーターを誘導
するために、これらのプレートにさらに0.1 mMIPTGを添
加したものを用いても行われた。このプレートアッセイ
では、対照プレートからプラスミノゲンを除去すること
により、非特異的なプロテアーゼ活性とプラスミノゲン
依存性のPauA活性とを区別することが可能である。この
改変は、ライブラリースクリーニングにおいて得られ
る、陽性と予想されるクローンに関して、プラスミノゲ
ン依存的なスキムミルクの分解を確認するために用いら
れた。
【0125】上述のスキムミルクプレートにおいて分解
領域を形成する形質転換E. coli系統DH5αの単離株は、
さらなる解析のために選択された。図2は、S. uberis系
統95-140由来DNAにより形質転換され、上記のように単
離株の一例を示す。S. uberis系統c216由来DNAを含む1
単離株、および、S. uberis系統95-140由来DNAを含む1
単離株が選択され、単一に精製され、そして、個々のコ
ロニーをプラスミノゲンを含まないスキムミルクプレー
トプレート上で成長させても分解領域を形成できないこ
とにより、それらのプラスミノゲン依存的PauA活性の発
現能が確認された。プラスミノゲン依存性は、単離株そ
れぞれを、アンピシリン(100μg/ml)を含むLuriaブロ
ス(Difco)において成長させ、その後、濾過しない培
養液の上清の一部分を、0.015U/mlウシプラスミノゲン
の存在下または非存在下でスキムミルク(1% w/v)を添
加したTodd-Hewitt寒天(Becton-Dickinson and Co., C
ockeysville, MD)上にスポットすることにより確認さ
れた。これらの単離株は、S. uberis系統c216由来PauA
を発現する系統Pz318、およびS. uberis系統95-140由来
PauAを発現する系統Pz319と表記され、それぞれに対応
するプラスミドはpER318およびpER319と表記された。
【0126】1.5. pauAコード領域の予備的解析 S. uberis系統c216由来PauAをコードする遺伝子の一部
分に対応し、PCRにより増幅された640bp内部DNA断片の
ヌクレオチド配列解析に基づき、ライブラリースクリー
ニングにより得られたプラスミドの挿入配列の同一性
を、PCRにより確認した。従って、pER318およびpER319
は、pauA由来プライマーRA9(SEQ ID NO:14)のみ、また
は、それをER37(SEQ ID NO:17)またはER40(SEQ ID NO:1
9)と同時に用いたPCRにおける鋳型として用いた。50μl
の反応混合液は、1xPC2緩衝液、200μMの各dNTP、100p
Molの各プライマー、7.5U KlenTaq1、および0.15U クロ
ーン化Pfuポリメラーゼを含んだ。合成は下記の通り行
われた。変性(94℃にて5分);変性(95℃にて30
秒)、アニーリング(60℃にて1分)、および重合(72
℃にて2分)を1サイクルとして30サイクル;それに続く
72℃、7分間の最終伸長により行う。すべての反応にお
いて、予想される640bp(RA9による増幅)、500bp(RA9
/ER37による増幅)、および300bp(RA9/ER40による増
幅)に対応する産物の増幅に成功し、これらのDNA断片
は、pauA遺伝子の既知の部分配列により予想されるもの
であった。このデータは、pER318およびpER319の内部に
存在する挿入配列が、機能活性を有するPauAをコードす
ることができることを強く示唆した。
【0127】S. uberis系統c216および系統95-140それ
ぞれのpauA領域の構造をより完全に決定するため、プラ
スミドpER318およびpER319は、Advanced Genetic Analy
sisCenter, St. Paul, MN.において自動DNA配列分析機
(ABI Model 377; Applied Biosystems)に供された。
オリゴヌクレオチドER40(SEQ ID NO:19)およびER42(SEQ
ID NO:21)は、過去に決定された部分pauAヌクレオチド
配列に由来し、そしてこの640bp領域より外側の配列決
定のために用いられた。640bpの部分遺伝子配列と組み
合わせた場合、このさらなる配列決定の結果、pauA ORF
全長だけにとどまらず、クローン化されたpauA遺伝子に
直接隣接する領域の予備的な配列決定がなされた。さら
に、ベクター特異的M13フォワードおよびリバースプラ
イマーが、クローン化S. uberis DNA領域の終点を決定
するために用いられた。図3に示されたように、これら
の配列解析は、Streptococcus pneumoniae HexAおよびH
exBタンパク質に高い相同性を示すタンパク質をコード
する遺伝子が、pER318およびpER319にクローン化された
挿入配列の内部に存在することを示した。HexAおよびHe
xBタンパク質は、それぞれ、いくつかの原核生物種およ
びヒトを含む真核生物種に広く存在するMutSおよびMutL
相同物と比較して高度に保存されている。HexAおよびHe
xBタンパク質は、S. pneumoniaeでの形質転換およびDNA
複製の過程におけるミスマッチDNA修復において機能し
ている。興味深いことに、HexAは、E. coliにおいて過
剰発現された場合には、優性陰性表現型(dominant neg
ative phenotype)を付与し(Prudhomme, et al., 199
1, J. Bacteriol. 173: 7196-7203)、従って自然発生
的突然変異率の増加を引き起こす。
【0128】1.6. S. uberis pauA遺伝子の特異的PCR
増幅 PCRにより増幅されたpauAの640bp領域、および、プラス
ミドpER318およびpER319を用いたこの領域の外側配列の
決定の両方による予備的な配列決定の結果は、S. uberi
s染色体DNAから直接正常のpauA遺伝子を特異的に増幅す
るための、オリゴヌクレオチド・プライマーの設計のた
めに用いられた。このアプローチは、E.coliにおける正
常pauAのクローニングの過程において発生する可能性の
ある突然変異による、配列エラーの導入を排除する要求
に基づくのが好ましい。このことは、他で報告されたよ
うに(Estrada, et al., 1992, BioTechnol. 10: 1138-
1142)E. coliにおける他の正常ストレプトキナーゼの
既知の毒性、および、E.coli中で発現された場合にHexA
が示すと報告された優性陰性表現型(ミューテーター表
現型)(Prudhomme, et al., 1991, 上記)の観点から
特に考慮されたものである。
【0129】従って、正常pauA遺伝子に隣接する、オリ
ゴヌクレオチドER45(SEQ ID NO:24)およびER46(SEQ ID
NO:25)が、S. uberis系統c216および95-140からPauAを
コードする1.18kb領域を特異的に増幅するために用いら
れた。PCR増幅は、それぞれの系統につき3回行われた。
反応混合液は、200ngの精製染色体DNA、1xPC2緩衝液、2
00μMの各dNTP、100p MolのプライマーER45(SEQ ID NO:
24)、100p MolのプライマーER46(SEQ ID NO:25)、およ
び7.5U KlenTaq1、および0.15U クローン化Pfu温度安定
性ポリメラーゼを、100μlの最終試料体積中に含んだ。
増幅は下記の通り行われた。変性(94℃にて5分);変
性(95℃にて30秒)、アニーリング(50℃にて1分)、
および重合(72℃にて2分)を1サイクルとして30サイ
クル;それに続けて、標的である正常pauA遺伝子領域の
増幅を完結させるための、72℃、7分間の最終伸長を行
った。増幅に引き続き、3回の試料それぞれより等量の
一部分(70μl、2.8μg)がプールし、そしてアガロー
スゲル電気泳動およびグラスミルク・マトリックス(Ge
neClean(登録商標)、 Bio101、 LaJolla、 CA)による
抽出により1.18kbの産物が精製され、それについて、AB
I自動DNA配列決定機(Lark Technologies Inc.、 Houst
on、 TX)によるダイデオキシ終止反応(DyeDeoxy term
ination)を用いた直接配列解析が行われた。合成オリ
ゴヌクレオチド・プライマーAP1(SEQ ID NO:13)、ER37
(SEQ ID NO:17)、ER39(SEQ ID NO:18)、ER40(SEQ ID N
O:19)、ER41(SEQ ID NO:20)、ER42(SEQ ID NO:21)、ER4
3(SEQ ID NO:22)、ER45(SEQ ID NO:24)、およびER46(SE
Q ID NO:25)(図1)が、S. uberis系統c216および95-14
0由来の増幅産物の両DNA鎖の配列決定のため用いられ
た。S. uberis系統c216由来の1.18kb領域のヌクレオチ
ド配列は、SEQ ID NO:1として示されている。S. uberis
系統95-140由来の1.18kb領域のヌクレオチド配列は、SE
Q ID NO:3として示されている。
【0130】1.7. pauA ORFの分子解析 S. uberis系統c216のpauA ORFは、SEQ ID NO:1のヌクレ
オチド120から980まで伸長し、これはSEQ ID NO:2に示
されたように推定286アミノ酸のタンパク質をコード
し、理論的に約33,419ダルトンの分子量を有する。S. u
beris系統95-140のpauA ORFは、SEQ ID NO:3のヌクレオ
チド121から981まで伸長し、これはSEQ ID NO:4に示さ
れたように異なる推定286アミノ酸のタンパク質をコー
ドする。N-末端配列解析に基づくと、両アミノ酸配列の
アミノ酸1-25は、天然PauAの成熟の過程で除去されるよ
うである。上記の25アミノ酸からなるペプチド(2、767
Da)が、疎水性でかつ正電荷を有し、これはシグナル
配列の特徴である(VonHeijm, 1985, J. Mol. Biol. 18
4: 99-105)という観察結果は、このことと合致する。
予想される両方向転写ターミネーター(図4)が、系統c
216の配列(SEQ ID NO:1)における、逆方向pauAおよびHe
xA ORF群の間のヌクレオチド978-1、088に位置する。こ
のステム-ループ構造(stem-loop structure)の基礎を
形成すると予想される、逆方向対称的な領域が、ヌクレ
オチド1,015から1,032まで、および1,054から1,071まで
伸長する。さらに、ほぼ同一の両方向転写ターミネータ
ーと予想されるものが、系統95-140の配列における、逆
方向pauAおよびHexA ORF群の間のヌクレオチド979-1、0
89に位置する(SEQ ID NO:3)。このステム-ループ構造の
基礎を形成すると予想される、逆方向対称的な領域は、
ヌクレオチド1,016から1,033まで、および1,055から1,0
72まで伸長する。対応するmRNAにおける、これらのステ
ム-ループ構造の会合に関して算出された自由エネルギ
ーは、約-19kcalである(Tinoco, et al., 1973, Natur
e New Biol. 246: 40-41)。
【0131】配列解析は、1.18kb断片領域内部における
S. uberis系統c216および系統95-140の間の高いヌクレ
オチチド相同性を示す。この領域における、ヌクレオチ
ドとコードされるアミノ酸との間の相違点は、下記の表
1に要約されている。
【0132】
【表1】 表1 DNA 系統 タンパク質 系統塩基番号 c216 95−140 アミノ酸番号 c216 95−140 120 −a T −b − − 336 G A 73 D N 463 A G 115 Q R 490 A G 124 Q R 751 T G 211 L R 838 A C 240 Q P 843 C G 242 H D 896 A G − − − 982 G T − − − 1043 C A − − −1090 G A − − − a:1塩基の挿入/欠失がpauAのATG開始コドンのすぐ上流に存在する b:ヌクレオチドの変化は推定ORF内部においては影響がないか、または存在しな い。
【0133】実施例2:E. coliにおける組換えPauAの
発現 2.1. 発現プラスミドの構築 オリゴヌクレオチド・プライマーER43(SEQ ID NO:22)お
よびER45(SEQ ID NO:24)(図1)は、S. uberis系統95-1
40由来のPauAタンパク質全長をコードするヌクレオチド
配列全体を特異的に増幅するために設計された。この配
列は、上述6.7節に記載された天然の転写ターミネータ
ーと予想される領域、およびHexA遺伝子の短い3'部分(S
EQ ID NO:3、ヌクレオチド121-1,181)をも含む。さら
に、プライマーER44(SEQ ID NO:23)およびER45(SEQ ID
NO:24)が、シグナル配列をコードすると予想される部分
(アミノ酸1-25)を欠く、pauA遺伝子の5'短縮部分を特
異的に増幅するために用いられた。この短縮DNA断片
は、ヌクレオチド196から1,181まで伸長する共通3'領域
を含むが、引き続くE. coliにおける発現により、細胞
質局在PauAタンパク質をコードすると予想される。PCR
増幅は、それぞれ100μl反応物において、200ngのS. ub
eris系統95-140由来の精製染色体DNAを用いて3回行われ
た。試料はまた、1xPC2緩衝液、200μMの各dNTP、100p
Molの各プライマー、7.5U KlenTaq1ポリメラーゼ、およ
び0.15U クローン化Pfuポリメラーゼを含んだ。増幅条
件は、下記の通りであった:変性(94℃にて5分);変
性(95℃にて30秒)、アニーリング(50℃にて1分)、
および重合(72℃にて2分)を1サイクルとして30サイク
ル;それに続けて、72℃、7分間の最終伸長を行った。
【0134】ER43(SEQ ID NO:22)およびER45(SEQ ID N
O:24)、またはER44(SEQ ID NO:23)およびER45(SEQ ID N
O:24)を用いたいずれかの増幅の後にも、3回の試料は、
それぞれ反応混合液7μlずつを合わせ最終体積21μlと
して個別に保存された。合成DNA断片は、1%(w/v)アガロ
ースにおいて分離され、そして1,001bp(ER44/ER45)およ
び1,073bp(ER43/ER45)産物が精製された(JetSorb(登録
商標), GenoMed, Research Triangle Park, NC)。精製
されたDNAをKpnIおよびXbaIにて消化した後、約0.3μg
の断片は、KpnIおよびXbaIにて切断され、脱リン酸化さ
れたpEA181ベクターDNAにライゲーションされた。組換
えプラスミドは、Hanahanの方法(1983,J. Mol. Biol.
166:557)によりE. coli TAP56コンピテント細胞(Pfiz
er in-house系統)に形質転換した。細胞は1mlのSOC培
地(Gibco BRL)において30℃にて75分間培養した。形
質転換体は、温度感受性cI857リプレッサーの不活性化
に起因するPLプロモーターの誘導を防止するため、30℃
以下にて培養され、維持された。この方法により単離さ
れた2系統は、組換えPauAの発現を保持していた。系統P
z330は、プラスミドpER330を保持し、それはプライマー
ER43/ER45による染色体DNAの増幅の結果であるpauA遺伝
子全長を発現する。系統Pz332は、プラスミドpER332を
保持し、それはプライマーER44/ER45による増幅の結果
である、短縮(シグナルペプチドが除去された)pauA遺
伝子を発現する。
【0135】さらなる実施例として、プライマーER43/E
R45またはER44/ER45を用いた、S. uberis系統95-140由
来染色体DNAの増幅の結果であるPCR産物は、PstIおよび
XbaIにて消化された後、pUC19のLacZαペプチドにイン
・フレームでクローニングされた。得られたプラスミド
は、pER326およびpER328と表記されるが、それぞれ全長
および短縮型(シグナルペプチドが除去された)PauAを
コードし、そしてE. coli DH5αに導入され、それぞれ
系統Pz326およびPz328を構成した。
【0136】2.2. 組換えPauA(rPauA)の発現 上述の7.1節に記載された4系統について、全長組換えPa
uAタンパク質(rPauA)(即ち、シグナル配列を含む)(P
z326、 Pz330)、またはシグナル配列を欠くrPauA(Pz3
28、 Pz332)のいずれかの発現能が試験された。各系統
の一晩前培養液は、アンピシリン(100mg/L)またはカ
ナマイシン(50mg/L)を含むLuriaブロスのフラスコに
おいて振盪培養され、その後新鮮な成長培地にて1:10に
希釈された。4-6時間の後に、培養液は0.5 mM IPTGの添
加(Pz326、 Pz328)、または30℃から42℃への温度変
化(Pz330、 Pz332)のいずれかにより誘導を受けた。
組換えタンパク質の発現誘導は、細胞の回収に先立ち2
時間行われた。全細胞ペレットが回収され、Laemmli溶
解緩衝液に再懸濁され、そして溶解物はSDS-PAGEおよび
ウエスタン・ブロットにより解析された。S. uberis系
統95-140の細胞ペレットは、BHIブロス培養液による22
時間の培養の後に同様に得られ、そして比較のためウエ
スタン・ブロットにより解析された。
【0137】誘導前および誘導後の全細胞ペレット試料
は、14%ポリアクリルアミドゲルにおいて分離され、そ
してクーマシー・ブリリアント・ブルーにより染色され
るか(図5)、またはS. uberis系統c216由来の天然PauA
に対して作製されたマウス・モノクローナル抗体EC-3に
よるウエスタン・ブロットにより解析された(図6)(M
ab EC-3の詳細に関してはWO 93/14209を参照)。示され
た実施例は、発現に関しては最適化されていないもの
の、全長およびシグナル配列欠損型rPauA双方の有意な
生成が、形質転換されたE. coli系統Pz330およびPz332
をそれぞれ用いて、42℃のインキュベーション後に得ら
れた。系統Pz330において低い割合で切断型rPauAが検出
されたこと(図6、レーン7)から、S. uberis pauAの異
種シグナル配列が、E. coliの分泌装置により認識さ
れ、そして切断されることが示唆される。しかしなが
ら、Pz330における組換えタンパク質の発現誘導が、細
胞増殖に有害であったことから、rPauA全長の過剰発現
が、異種の宿主であるE. coliにおける通常の分泌過程
を阻害した可能性があることが示唆される。
【0138】2.3. rPauAの酵素活性 rPauAの活性は、以下に記載されたように、ウシプラス
ミノゲンの活性化を測定する発色アッセイを用いて決定
された。上述のE. coli培養液(Pz326、Pz328、Pz330、
Pz332)およびS. uberis系統95-140の全細胞ペレットの
一部分が解析された。活性は異種宿主において発現され
る組換えタンパク質の相対量と合致した。最高力価は系
統Pz332より得られた(表2)。
【0139】
【表2】 表2 系統 OD650 a 力価b S. uberis 95-140 0.274 1.0 Pz326 0.811 23.3 Pz328 0.579 5.3 Pz330 0.240 1.0 Pz332 0.396 >128 a:ELISAプレートにおける第一希釈試料の吸光度 b:本文に記載された方法により算出された力価 。
【0140】発色アッセイは、下記の通り行われた。発
色アッセイに用いた緩衝試薬は、TT緩衝液(0.1% Tween
80、 50 mM Tris-HCl、 pH8.0)およびNaT緩衝液(1.7
7 MNaCl、 52 mM Tris- HCl、 pH 7.0)を含む。これら
の緩衝液は、室温において安定であり、そして使用に先
立ち1か月まで保存できると思われる。ウロキナーゼの
ワーキングストック(Sigma カタログ番号U-8627)は、
水への再溶解により調製され、-70℃にて保存された。
冷凍ワーキングストックの濃度は0.51U/mlであり、そし
てTT緩衝液を用いて1:10に希釈され、0.051U/mlの開始
濃度とされた。ウシプラスミノゲン(Sigma カタログ番
号P-9156)は、Super Q水により1.5U/mlとなるように溶
解され、-70℃にて保存された。基質は、D-Ile-Phe-Lys
p-ニトロアニリド(Sigma カタログ番号I-6886)およ
びD-Val-Leu-Lys p-ニトロアニリド(Sigma カタログ番
号V-0882;Fluka カタログ番号94680、 Fluka Chemical
Corp., Ronkonkoma, NY)を含んだ。これらの基質のワ
ーキングストック溶液は、水への溶解により1 mg/mlに
調製され、-70℃にて保存された。
【0141】Immulon 2アッセイプレート(Dynatech La
boratories, Inc., Chantilly, VA)は下記の通り調製
された。TT緩衝液(20μl)およびウシプラスミノゲン
(20μl)は、Immulon 2プレートへ事前に分注された。
V底プレート(Dynatech Laboratories, Inc.)におい
て、TT緩衝液(ウェル当り50μl)はB-H列に添加され
た。培地対照、陽性対照、および試料は、A列に添加さ
れた。試料、培地対照、および陽性対照は、すべてデュ
プリケートのウェル中で行った。100μlの対照または10
0μlの試料いずれかが適切なウェルへ添加され、その
後、プレートの後列へ向けて段階的に希釈され、最後の
列からは50μl捨てた。事前に分注したTT緩衝液および
ウシプラスミノゲンを含む、対応するImmulon 2プレー
トへ、V底プレートの各ウェルから10μlを移動した。プ
レートは蓋をされ、よく混合され、そしてウシプラスミ
ノゲンを活性化させるため、37℃にて2時間インキュベ
ーションされた。アッセイ対照は、ウロキナーゼが介在
するウシプラスミノゲンの活性化により構成した。
【0142】基質(D-Val-Leu-Lys p-ニトロアニリド、
およびD-Ile-Phe-Lys p-ニトロアニリド)は室温まで加
温された。アッセイ基質は、ストック基質を、NaT緩衝
液を用いて400μg/mlに希釈すること(1:2.5希釈)によ
り調製され、そして100μl/wellのアッセイ基質溶液が
添加され、そしてプレートは蓋をされ、混合された。そ
の後プレートは37℃にて2分間インキュベーションされ
た。活性型PauAは、プラスミノゲンのプラスミンへの変
換を触媒し、次にそれはp-ニトロアニリドから3量体ペ
プチドを切断し、これをA405により測定する。
【0143】プレートは、SoftMax Pro Ver. 1.2.0ソフ
トウエア(Molecular Devices Corp.)を用いたELISAプ
レート読取機(Molecular Devices Corp., Palo Alto,
CA)を用いて読み取られた。アッセイプレート試料は、
混合され、405nmにおける吸光度が決定された。妥当な
試験は、A405が1.30から1.50O.D.である陽性対照を示
す。
【0144】力価(希釈係数の逆数)の算出のため、希
釈系列試料は、希釈率を対数軸にとった離散プロット・
グラフを用いてグラフ化された。試料が、陽性対照に基
づくカットオフ値と交差する点が真の力価として算出さ
れた。カットオフ値を決定するため、陽性対照(0.051U
/ml)の平均O.D.の50%が用いられた。例えば、もし試料
が0.007においてカットオフ線と交差したとすれば、そ
の希釈係数は1/142.86となり、そしてその力価は142.86
と表現されるであろう。さらに、もし試料が0.015にお
いてカットオフ線と交差したとすれば、その希釈係数は
1/66.67となり、そしてその力価は66.67であろう。
【0145】実施例3:PauAペプチド断片の酵素学的お
よび免疫学的評価 3.1. 組換えGST-PauAペプチドの発現 オリゴヌクレオチド・プライマーER74(SEQ ID NO:26)お
よびER75(SEQ ID NO:27)が、コードされるPauAのアミノ
酸27-286を含む領域をコードするpauA遺伝子を特異的に
増幅するために設計された。この領域は、成熟型(分泌
される)PauAのアミノ酸2-261に対応する。PCR合成は、
各100μl反応物中で250ngの精製されたS. uberis系統95
-140染色体DNAを用いて、2回行われた。試料はまた、1x
PC2緩衝液、200μMの各dNTP、100p Molの各プライマ
ー、7.5U KlenTaq1ポリメラーゼ、および0.15U クロー
ン化Pfuポリメラーゼを含んだ。増幅条件は以下の通り
であった:変性(94℃にて5分);変性(95℃にて30
秒)、アニーリング(60℃にて30秒)、および重合(72
℃にて1分)を1サイクルとして30サイクル;それに続け
て、72℃、7分間の最終伸長を行った。増幅後に、両試
料は混合され、そして815bp断片が精製された(QiaQuic
k(登録商標)キット、 Qiagen、 Santa Clarita、CA)。
精製DNAのXhoIおよびNotIによる消化後に、断片はpGEX5
x-2またはpGEX5x-3ベクターDNA(Pharmacia Biotech In
c., Piscataway, NJ)にクローン化された。得られた組
換えプラスミドであるpER354およびpER355は、それぞ
れ、発現ベクターのN-末端にコードされるグルタチオン
S-トランスフェラーゼ(GST)コード領域とずれた読み枠
に位置する、S. uberis 95-140においてコードされるPa
uAのアミノ酸27-286コード領域(SEQ ID NO:4を参照)
を含んだ。
【0146】プラスミドpER354は、成熟型PauAのCOOH-
末端領域を欠失するように改変されるのと同時に、ベク
ターにコードされるGST配列との融合点における読み枠
を復元した。成熟型PauA、または成熟型PauAのN-末端断
片(即ち、カルボキシル末端欠失型)のいずれかを生成
するプラスミドは、XmaIおよびAgeIによりpER345を消化
し、GST-PauA融合点におけるフレームの第一の修復によ
り構築され、pER346を作製した。このプラスミドは、コ
ードされるPauAのアミノ酸28-286に翻訳的に融合され、
26kDaのGSTペプチドを発現し、そしてその産物は成熟型
PauAと表記される。成熟型PauAのCOOH-末端の欠失は、
このプラスミドをさらにSpeI、NruI、またはHindIIIの
いずれかにより処理し、その後NotIにて消化することに
より生成された。平滑末端を生成するのに適切なKlenow
断片による処理の後、プラスミドは再びライゲーション
され、それぞれpER363、pER364、およびpER365が作製さ
れた。これらのプラスミドは、表3に記載されたよう
に、コードされるPauAのそれぞれアミノ酸28-103、28-1
70、および28-208と融合した26kDaのGSTペプチドを発現
する。
【0147】プラスミドpER355はさらに、PauAのNH2-ま
たはCOOH-末端領域のいずれかを欠失するように改変す
るのと同時に、ベクターにコードされるGST配列との融
合点における読み枠を復元された。NH2-末端欠失は、Sa
lIのみ、またはSmaIおよびNruIによるpER355の処理に続
いて、GST-PauA融合結合を修復するために再びライゲー
ションすることにより作製された。得られたプラスミド
であるpER358およびpER359は、コードされるPauAのそれ
ぞれアミノ酸104-286および172-286と融合したGSTペプ
チドを発現する。続いて、PauA内部ペプチド断片を有す
る2種のプラスミドが、pER358をNruIまたはHindIIIによ
る処理に続いてNotI消化、Klenow処理、および再ライゲ
ーションすることにより生成された。これらの組換えプ
ラスミドpER366およびpER367は、コードされるPauAのそ
れぞれアミノ酸104-170および104-208と融合したGSTペ
プチドを発現する。最後に、短いPauA断片(コードされ
るPauAのアミノ酸172-208)と融合したGSTを発現するこ
とができるプラスミドが、pER359をHindIIIおよびNotI
による消化に続きKlenow処理、および再ライゲーション
することにより生成された。このプラスミドは、pER368
と命名された。コードされる断片、およびGSTとの融合
タンパク質として発現されるPauA特異的ペプチドの概算
分子量は、表3に要約されている。
【0148】
【表3】 表3 プラスミドまたは系統a PauAペプチド アミノ酸番号 概算分子量c 断片b (PauA) kDa pER356 28-286 259 30.5 pER363 28-103 76 8.8 pER364 28-170 143 16.7 pER365 28-208 181 21.1 pER358 104-286 183 21.7 pER359 172-286 115 13.7 pER366 104-170 67 7.9 pER367 104-208 105 12.3 pER368 172-208 37 4.3 a:系統表記は、プラスミド番号に先立つPzをpERに置換したことを除き、プラス ミドと同一である b:アミノ酸番号は、SEQ ID NO:4に示された、コードされるPauAタンパク質のも のに対応する c:融合タンパク質におけるPauA部分の分子量を示す。GSTは〜26kDaである。
【0149】pER363によりコードされるものを除くすべ
てのGST-PauA融合タンパク質は、E.coliにおいて発現さ
れ、そして製造者(Pharmacia)により推奨される方法
によりアフィニティー・クロマトグラフィーにて精製さ
れた。pER363によりコードされるタンパク質の発現は、
E. coliにおいて封入体(inclusion body)形成を引き起
こすため、これらのタンパク質集合体は、続くリゾチー
ムによる細胞分解により精製された。細胞は氷上におい
て10分間インキュベーションされ、次に10倍体積の2xRI
PA/TET(5:4 v/v)が添加された。2xRIPAは、20 mM Tri
s (pH 7.4)、0.3 M NaCl、2%デオキシコール酸ナトリウ
ム、および2%(v/v) Igepal CA-630を含む。TET緩衝液
は、0.1 M Tris (pH 8.0)、50 mM EDTA、および2%(v/v)
Triton X-100を含む。懸濁された細胞混合物は、ボル
テックスされ、そして氷上において5分間インキュベー
ションされ、その後懸濁物の粘性がなくなるまで超音波
処理された。封入体は遠心分離(15,000Xg、20分間)に
より回収され、水に再懸濁され、そして-80℃にて保存
された。
【0150】3.2. タンパク質切断分解によるPauA断片
の生成 約13mlのS. uberis系統95-140から精製した天然PauA
(ロット番号9700710A)(0.55 mg/ml)は、50 mM Tris
に対して、pH 8.8、4℃にて透析された。停留物は、YM1
0膜および撹拌された細胞(stirred cell)を用いて〜
2.5mlにまで濃縮された。タンパク質の終濃度は2.64 mg
/mlであった。この濃縮物は、120Uのトロンビン(Boehr
inger Ingelheim)により室温にて3日間処理され、そし
てその消化物は-20℃にて冷凍された。消化物からの〜1
6kDa断片の精製は、2mlの消化物を注入したSuperdex 75
カラム(16/60)(Pharmacia)により達成された。適切な
画分がSDS-PAGE解析に基づき回収され、保存された。2.
5mlにおけるタンパク質の終濃度は0.165 mg/mlであっ
た。N-末端配列分析により、16kDaのペプチドはPauAの
カルボキシル末端部分の半分を有することが確認され
た。得られた配列(KRVEEPITHP)(SEQ ID NO:28)は、S. u
beris系統95-140においてコードされるPauAのリジン149
から開始されていた。従って、このタンパク質分解に由
来するペプチドは、PauA149-286と表記される。
【0151】3.3. PauAペプチド断片の酵素学的活性 表3に記載された9種のGST-PauA融合タンパク質、および
上述8.2節に記載されたPauAタンパク質分解断片(PauA
149-286)の酵素学的活性は、主として上述7.3節に記載
された発色アッセイを用いて、天然PauAと比較された。
精製されたGST-PauA28-286融合タンパク質(力価=344
8)の酵素学的活性は、残存するPauAペプチド断片が酵
素活性を欠損していたにもかかわらず、天然PauA(力価
=3256)の活性と類似していた。力価を、精製されたタ
ンパク質調製物中に存在するPauA特異的タンパク質量で
割ることにより、PauA特異的活性が算出された。この補
正が行われた場合、天然PauAに対する特異的活性は5.9
発色単位/μgであり、そしてGST-PauA28-286の特異的活
性は1.4であった。このデータは、組換えにより生成さ
れたGST-PauAは、精製された天然PauAに比べ酵素学的に
やや低い活性しか示さないにもかかわらず、前者は実際
有意な酵素活性を示すことを示唆する。
【0152】3.4. マウスにおける免疫反応の特性 3.4.1. PauAペプチド断片によるマウスの免疫化 上述のように調製されたPauAペプチド断片の免疫原性を
評価するため、ワクチン化に関するマウスモデル系が用
いられた。端的には、10匹の雌Balb/cマウス(16-18g)
を含む実験グループが、0、21、および42日目に免疫化
された。血液試料は、実験0、21、35、および56日目に
得られた。これらの試料由来の血清は、実験グループ毎
に収集され、そして固相精製天然PauAに対するELISA反
応性、および精製天然PauAの発色活性の血清中和により
解析された。
【0153】天然PauAおよび多様なペプチド断片の製剤
は、マウスに対する毒性のないレベルの免疫刺激体とし
ての、Quil A(Superfos)を含む水中スクアレンエマル
ジョンビヒクル中に存在する。タンパク質は、1回の投
与量100μlにつき3-5μg処方され、そして皮下に投与さ
れた。対照である、抗原なしのワクチンは、抗原成分な
しのビヒクル/免疫刺激体を含むDulbecco's PBS(DPBS;
Gibco BRL)から構成された。
【0154】3.4.2. PauAペプチド断片の免疫原性 上述の免疫化実験により得られた多様なマウス血清は、
PauA特異的抗体が産生されたかどうかを決定するため、
および産生された抗体の特性を決定するため解析され
た。PauA特異的IgG ELISAは、PauAタンパク質分解断片
(PauA149-286)および各GST-PauA融合タンパク質によ
る免疫化後の血清の特異性を決定するため用いられた。
100μlの精製天然PauA(国際特許出願公開WO 93/14209
に記載され、かつその中において「ストレプトキナー
ゼ」と表記された)(PBS中で1.8mg/ml)は、Immulon II
プレート(Dynatech)の各ウェルに添加され、かつ4℃
にて一晩インキュベーションされた。プレートの内容物
はデカンテーションされ、かつプレートは吸収乾燥され
た。プレートは、各ウェルに250μlのPBS溶解(1% PVA/P
BS)ポリ(ビニルアルコール)(87-89%加水分解;Aldri
ch Chemical Company, Inc., Milwaukee, WI)(1% PVA/
PBS)を添加することによりによりブロックされ、そして
37℃にて1時間インキュベーションされた。プレートは
再びデカンテーションされ、かつ吸収乾燥された。
【0155】実験血清は、1% PVA/PBS中において1:100
に希釈され、その後試料ウェルより100μlを順に移動す
ることにより3倍希釈された。陽性対照は、PauA特異的
モノクローナル抗体であるEC-3であり、この抗体は、固
定化Protein Gを用いてアフィニティー精製されたもの
であった。このモノクローナル抗体は、1% PVA/PBS中に
おいて2μg/mlに希釈され、その後100μlが適切なウェ
ルへ添加された。陰性対照は、プールされ、1% PVA/PBS
中において1:100に希釈された、ワクチン前のマウス血
清を含んだ。100μlの陰性対照血清が適切なウェルへ添
加された。
【0156】実験および対照試料の添加後に、プレート
は穏やかに叩かれて混合され、その後37℃にて1時間静
置された。試料ウェルは、自動マイクロプレート洗浄機
(モデルEL403; BIO-TEK Instruments, Inc., Winoosk
i, VT)を用いて0.05% Tween20/PBSにより5回洗浄され
た。結合した抗体の検出は、1% PVA/PBS中において1:1
0,000に希釈された、共役抗マウスIgGヤギ抗体(Hおよ
びL鎖、1.0mg/ml、Kirkegaard & Perry Laboratories,
Gaithersburg, MD)100μlの添加により行われた。プレ
ートは穏やかに叩かれて混合され、37℃にて1時間静置
され、そして上述のように洗浄された。100μlのABTS
(Kirkegaard & Perry)がプレートに添加され、次いで
室温にて15分間発色された。プレートは、Thermo Maxプ
レート読取機(Molecular Devices Corp.)およびSoftM
ax PRO Ver 1.2プログラム(Molecular Devices Cor
p.)を用いて、405/490nmにおいて読み取られた。IgG E
LISA力価は、陽性対照のOD405/490の50%を与える希釈率
の逆数として算出された。
【0157】表4に示されたように、9種のGST-PauA融合
タンパク質それぞれを用いたマウスの免疫化の結果、Pa
uA特異的免疫グロブリンGが産生された。GST-PauA
28-286、GST-PauA104-286、またはGST-PauA28-170のい
ずれかによる免疫化は、天然PauAにより誘導された場合
と同等の、またはそれより高いIgG ELISA力価を誘導し
た。タンパク質分解由来ペプチドであるPauA
149-286は、組換えPauAペプチド断片に比べ、比較的低
い力価を示した。3回目の免疫化の後、このペプチド断
片は、最も類似した比較ペプチド、すなわちGST-PauA
172-286に比べ約1/10のPauA特異的力価を誘導した。こ
の特定のペプチド(PauA149-286)が、低いIgG応答を誘
導するものの、天然PauAの他の断片も、組換えペプチド
に関して示された免疫反応に匹敵する免疫反応を誘導で
きることが予想される。
【0158】3.4.3. 血清中和活性 上述の免疫化による血清は、PauAによるウシプラスミノ
ゲンからプラスミンへの変換を妨害できる抗体を含むか
どうかを決定するため、さらに解析された。血清中和ア
ッセイは、10%ウシ胎児血清を含むTEA緩衝液(TEA/FBS;
Novatech Inc., Grand Island, NE)中において、血清
試料を1:50に希釈することにより行われた。1リットル
のTEA緩衝液は、3.34gのTris Base、3.54g Tris HCl、
5.8g NaCl、1.1g EDTA(4ナトリウム水和物)、42.2g
(L)-アルギニン塩酸塩、および1.0ml Tween80を含ん
だ。緩衝液のpHは8.0に調整され、その後使用まで室温
にて保存された。FBSは、中和アッセイにおいて使用す
る直前にTEA緩衝液に添加された。TEA/FBS中の血清試料
は、その後V底プレート(Dynatech)においてTEA/FBSに
より2倍ずつ段階希釈された。25μlの試験試料は、その
後Immulon IIプレート(Dynatech)に移動された。S. u
berisより単離された精製天然PauA(ロット番号9700710
A)は、TEA緩衝液中において76μg/mlに希釈され、その
後事前に分注された血清を含む各ウェルに25μlが添加
された。プレートは穏やかに叩かれて混合され、37℃に
て1時間静置された。陽性対照は、血清陽性ウシ由来の
凍結乾燥されたIgG画分であった。このIgG画分は、水に
再溶解され3.8mg/mlとなり、TEA/FBS中において1:50に
希釈され、そしてImmulon IIプレートに移動された。25
μlの陽性対照、およびTEA/FBS中において1:50に希釈さ
れた25μlのFBSが、適切なウェルに分注された。
【0159】PauA活性の中和は、基質の添加により検出
された。基質は、プラスミノゲン(1 U/ml; P-9156, Si
gma)、クロモザイム(1mg/ml; Boeringer Mannheim, I
ndianapolis, IN)、およびTEA緩衝液の2:3:1の比率で
の混合により調製された。この基質の150μlが各試料ウ
ェルに添加され、プレートは穏やかに叩かれて混合さ
れ、その後37℃にて90分間インキュベーションされた。
プレートは、Thermo Maxプレート読取機およびSoftMax
PRO Ver 1.2コンピュータプログラムを用いて、405/490
nmにおいて読み取られた。この力価は、陰性対照の50%
に相当する希釈率の逆数として算出された。
【0160】中和アッセイの結果は、いくつかのペプチ
ド断片が、天然PauAへ方向づけられる中和反応を誘導す
ることができることを示した。組換えタンパク質GST-Pa
uA28-286、GST-PauA104-286、GST-PauA28-170、またはG
ST-PauA28-208のマウスへの投与後に得られた血清は、
天然PauAのマウスへの投与により得られた血清と類似し
た中和力価を示した。従って、マウスに投与した場合、
これらのペプチド断片は、天然精製PauAの酵素学的活性
を妨害する能力のある抗体の産生を誘導した。
【0161】
【表4】 表4 グループa IgG ELISA 中和アッセイ 0日 21日 35日 56日 0日 21日 35日 56日 実験1 GST-PauA28-286 <100 135 18519 43478 <50 <50 243 357 GST-PauA104-286 <100 <100 3333 25000 <50 <50 <50 77 GST-PauA172-286 <100 <100 465 3226 <50 <50 <50 <50 GST-PauA28-170 <100 143 11236 20833 <50 <50 58 200 GST-PauA104-170 <100 <100 <100 571 <50 <50 <50 <50 GST-PauA104-208 <100 <100 625 2083 <50 <50 <50 <50 GST-PauA172-208 <100 <100 250 1053 <50 <50 <50 <50天然PauA <100 <100 9091 23810 <50 <50 77 244 実験2 GST-PauA28-103 <100 <100 345 1724 <50 <50 <50 <50 GST-PauA28-208 <100 <100 10870 9091 <50 <50 91 294天然PauA <100 <100 12500 26667 <50 <50 67 500 実験3 PauA149-286 分解物 <100 <100 <100 303 <50 <50 <50 <50 天然PauA <100 <100 20000 20833 <50 <50 <50 115 GST対照 <100 <100 <100 <100 <50 <50 <50 <50 DPBS(アジュバント対照)<100 <100 <100 <100 <50 <50 <50 <50 a:データは3回の異なる実験を要約したものであり,かつ実験により分類されて いる。2種類の対照(GSTおよびDPBS)は,各実験において含まれ,かつ表の下部に 記載されている。
【0162】全ての特許、特許出願、および上述の参照
文献は、本明細書中において、特許参照文献として全て
まとめて含まれる。
【0163】本発明は、発明の個別的側面の一例を提示
する目的で記載された、特異的態様により範囲を限定さ
れない。機能的に同等な組成物および手法は、本発明の
範囲内に含まれる。
【0164】
【配列表】
【0165】(2) 配列情報 SEQ ID NO:1: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 1180 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (ix) 特徴: (A) NAME/KEY: CDS (B) 存在位置: 120..980 (xi) 配列: SEQ ID NO:1: GGGCTGCAGA TCCGTTAAAA AATGACATTA ATATCTACTT CAATTTGTTC TAAAATGAAA 60 TTATATTCAC TGCTGTTACA TAACTTTGTG ATTATTTAGG ATAAAATAAG GGAGATTTT 119 ATG AAA AAA TGG TTT TTA ATA TTA ATG CTT TTG GGA ATA TTT GGT TGT 167 Met Lys Lys Trp Phe Leu Ile Leu Met Leu Leu Gly Ile Phe Gly Cys 1 5 10 15 GCT ACT CAA CCA TCA AAG GTT GCA GCA ATA ACC GGT TAT GAT TCC GAC 215 Ala Thr Gln Pro Ser Lys Val Ala Ala Ile Thr Gly Tyr Asp Ser Asp 20 25 30 TAC TAC GCT AGA TAT ATT GAT CCC GAT GAA AAT AAA ATA ACA TTT GCC 263 Tyr Tyr Ala Arg Tyr Ile Asp Pro Asp Glu Asn Lys Ile Thr Phe Ala 35 40 45 ATA AAT GTT GAT GGT TTT GTC GAA GGT AGT AAT CAA GAA ATC CTT ATT 311 Ile Asn Val Asp Gly Phe Val Glu Gly Ser Asn Gln Glu Ile Leu Ile 50 55 60 AGA GGA ATT CAT CAT GTT TTA ACA GAT CAA AAC CAA AAG ATT GTT ACA 359 Arg Gly Ile His His Val Leu Thr Asp Gln Asn Gln Lys Ile Val Thr 65 70 75 80 AAG GCC GAG TTG TTA GAC GCT ATT AGA CAT CAA ATG GTT CTT CTA CAA 407 Lys Ala Glu Leu Leu Asp Ala Ile Arg His Gln Met Val Leu Leu Gln 85 90 95 TTG GAT TAT TCC TAT GAA CTA GTC GAC TTT GCG CCT GAT GCA CAA TTA 455 Leu Asp Tyr Ser Tyr Glu Leu Val Asp Phe Ala Pro Asp Ala Gln Leu 100 105 110 TTA ACA CAA GAT CGA CGG CTT TTA TTT GCC AAT CAA AAT TTT GAG GAA 503 Leu Thr Gln Asp Arg Arg Leu Leu Phe Ala Asn Gln Asn Phe Glu Glu 115 120 125 TCC GTA TCA CTT GAA GAT ACT ATT CAA GAA TAC CTT TTA AAA GGG CAT 551 Ser Val Ser Leu Glu Asp Thr Ile Gln Glu Tyr Leu Leu Lys Gly His 130 135 140 GTT ATT CTC AGA AAA CGG GTT GAA GAA CCT ATC ACT CAT CCT ACT GAG 599 Val Ile Leu Arg Lys Arg Val Glu Glu Pro Ile Thr His Pro Thr Glu 145 150 155 160 ACT GCT AAT ATT GAG TAT AAA GTT CAA TTC GCG ACT AAA GAT GGG GAA 647 Thr Ala Asn Ile Glu Tyr Lys Val Gln Phe Ala Thr Lys Asp Gly Glu 165 170 175 TTC CAC CCA CTA CCT ATT TTT GTA GAC TAC GGA GAA AAA CAT ATT GGA 695 Phe His Pro Leu Pro Ile Phe Val Asp Tyr Gly Glu Lys His Ile Gly 180 185 190 GAA AAA TTA ACC TCT GAC GAG TTT CGA AAA ATT GCA GAA GAA AAG CTT 743 Glu Lys Leu Thr Ser Asp Glu Phe Arg Lys Ile Ala Glu Glu Lys Leu 195 200 205 TTG CAA CTC TAC CCT GAC TAT ATG ATT GAT CAA AAA GAA TAT ACT ATC 791 Leu Gln Leu Tyr Pro Asp Tyr Met Ile Asp Gln Lys Glu Tyr Thr Ile 210 215 220 ATT AAA CAC AAT TCT CTT GGT CAA CTT CCA AGA TAT TAT TCT TAT CAA 839 Ile Lys His Asn Ser Leu Gly Gln Leu Pro Arg Tyr Tyr Ser Tyr Gln 225 230 235 240 GAT CAT TTC AGC TAC GAA ATT CAA GAT AGG CAA CGT ATC ATG GCT AAG 887 Asp His Phe Ser Tyr Glu Ile Gln Asp Arg Gln Arg Ile Met Ala Lys 245 250 255 GAC CCA AAA TCC GGA AAA GAA CTC GGT GAA ACT CAA AGT ATT GAT AAT 935 Asp Pro Lys Ser Gly Lys Glu Leu Gly Glu Thr Gln Ser Ile Asp Asn 260 265 270 GTT TTT GAG AAA TAC CTT ATT ACC AAA AAA AGT TAT AAA CCT TAAAGGAAGT 987 Val Phe Glu Lys Tyr Leu Ile Thr Lys Lys Ser Tyr Lys Pro 275 280 285 ATCCATTAAA TTTTTCTGCA TCACTAAAAA AACACGAGCA TCACTTTCAA AGGGACGGCC 1047 TTCGTTAGTA ACGCTAGTGT TTTTATTTTA TTTTTTTCTT TAGATCAAAC AAAACAGTCA 1107 TAGCTTCCAT TGGAGTCATA TTCATGACAT CTACTTCTTT AAGTCTATTA ATGATATCTA 1167 GAGAGGAATC TCA 1180
【0166】(2) 配列情報 SEQ ID NO:2: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 286 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: タンパク質 (xi) 配列: SEQ ID NO:2: Met Lys Lys Trp Phe Leu Ile Leu Met Leu Leu Gly Ile Phe Gly Cys 1 5 10 15 Ala Thr Gln Pro Ser Lys Val Ala Ala Ile Thr Gly Tyr Asp Ser Asp 20 25 30 Tyr Tyr Ala Arg Tyr Ile Asp Pro Asp Glu Asn Lys Ile Thr Phe Ala 35 40 45 Ile Asn Val Asp Gly Phe Val Glu Gly Ser Asn Gln Glu Ile Leu Ile 50 55 60 Arg Gly Ile His His Val Leu Thr Asp Gln Asn Gln Lys Ile Val Thr 65 70 75 80 Lys Ala Glu Leu Leu Asp Ala Ile Arg His Gln Met Val Leu Leu Gln 85 90 95 Leu Asp Tyr Ser Tyr Glu Leu Val Asp Phe Ala Pro Asp Ala Gln Leu 100 105 110 Leu Thr Gln Asp Arg Arg Leu Leu Phe Ala Asn Gln Asn Phe Glu Glu 115 120 125 Ser Val Ser Leu Glu Asp Thr Ile Gln Glu Tyr Leu Leu Lys Gly His 130 135 140 Val Ile Leu Arg Lys Arg Val Glu Glu Pro Ile Thr His Pro Thr Glu 145 150 155 160 Thr Ala Asn Ile Glu Tyr Lys Val Gln Phe Ala Thr Lys Asp Gly Glu 165 170 175 Phe His Pro Leu Pro Ile Phe Val Asp Tyr Gly Glu Lys His Ile Gly 180 185 190 Glu Lys Leu Thr Ser Asp Glu Phe Arg Lys Ile Ala Glu Glu Lys Leu 195 200 205 Leu Gln Leu Tyr Pro Asp Tyr Met Ile Asp Gln Lys Glu Tyr Thr Ile 210 215 220 Ile Lys His Asn Ser Leu Gly Gln Leu Pro Arg Tyr Tyr Ser Tyr Gln 225 230 235 240 Asp His Phe Ser Tyr Glu Ile Gln Asp Arg Gln Arg Ile Met Ala Lys 245 250 255 Asp Pro Lys Ser Gly Lys Glu Leu Gly Glu Thr Gln Ser Ile Asp Asn 260 265 270 Val Phe Glu Lys Tyr Leu Ile Thr Lys Lys Ser Tyr Lys Pro 275 280 285
【0167】(2) 配列情報 SEQ ID NO:3: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 1181 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (ix) 特徴: (A) NAME/KEY: CDS (B) 存在位置: 121..981 (xi) 配列: SEQ ID NO:3: GGGCTGCAGA TCCGTTAAAA AATGACATTA ATATCTACTT CAATTTGTTC TAAAATGAAA 60 TTATATTCAC TGCTGTTACA TAACTTTGTG ATTATTTAGG ATAAAATAAG GGAGATTTTT 120 ATG AAA AAA TGG TTT TTA ATA TTA ATG CTT TTG GGA ATA TTT GGT TGT 168 Met Lys Lys Trp Phe Leu Ile Leu Met Leu Leu Gly Ile Phe Gly Cys 1 5 10 15 GCT ACT CAA CCA TCA AAG GTT GCA GCA ATA ACC GGT TAT GAT TCC GAC 216 Ala Thr Gln Pro Ser Lys Val Ala Ala Ile Thr Gly Tyr Asp Ser Asp 20 25 30 TAC TAC GCT AGA TAT ATT GAT CCC GAT GAA AAT AAA ATA ACA TTT GCC 264 Tyr Tyr Ala Arg Tyr Ile Asp Pro Asp Glu Asn Lys Ile Thr Phe Ala 35 40 45 ATA AAT GTT GAT GGT TTT GTC GAA GGT AGT AAT CAA GAA ATC CTT ATT 312 Ile Asn Val Asp Gly Phe Val Glu Gly Ser Asn Gln Glu Ile Leu Ile 50 55 60 AGA GGA ATT CAT CAT GTT TTA ACA AAT CAA AAC CAA AAG ATT GTT ACA 360 Arg Gly Ile His His Val Leu Thr Asn Gln Asn Gln Lys Ile Val Thr 65 70 75 80 AAG GCC GAG TTG TTA GAC GCT ATT AGA CAT CAA ATG GTT CTT CTA CAA 408 Lys Ala Glu Leu Leu Asp Ala Ile Arg His Gln Met Val Leu Leu Gln 85 90 95 TTG GAT TAT TCC TAT GAA CTA GTC GAC TTT GCG CCT GAT GCA CAA TTA 456 Leu Asp Tyr Ser Tyr Glu Leu Val Asp Phe Ala Pro Asp Ala Gln Leu 100 105 110 TTA ACA CGA GAT CGA CGG CTT TTA TTT GCC AAT CGA AAT TTT GAG GAA 504 Leu Thr Arg Asp Arg Arg Leu Leu Phe Ala Asn Arg Asn Phe Glu Glu 115 120 125 TCC GTA TCA CTT GAA GAT ACT ATT CAA GAA TAC CTT TTA AAA GGG CAT 552 Ser Val Ser Leu Glu Asp Thr Ile Gln Glu Tyr Leu Leu Lys Gly His 130 135 140 GTT ATT CTC AGA AAA CGG GTT GAA GAA CCT ATC ACT CAT CCT ACT GAG 600 Val Ile Leu Arg Lys Arg Val Glu Glu Pro Ile Thr His Pro Thr Glu 145 150 155 160 ACT GCT AAT ATT GAG TAT AAA GTT CAA TTC GCG ACT AAA GAT GGG GAA 648 Thr Ala Asn Ile Glu Tyr Lys Val Gln Phe Ala Thr Lys Asp Gly Glu 165 170 175 TTC CAC CCA CTA CCT ATT TTT GTA GAC TAC GGA GAA AAA CAT ATT GGA 696 Phe His Pro Leu Pro Ile Phe Val Asp Tyr Gly Glu Lys His Ile Gly 180 185 190 GAA AAA TTA ACC TCT GAC GAG TTT CGA AAA ATT GCA GAA GAA AAG CTT 744 Glu Lys Leu Thr Ser Asp Glu Phe Arg Lys Ile Ala Glu Glu Lys Leu 195 200 205 TTG CAA CGC TAC CCT GAC TAT ATG ATT GAT CAA AAA GAA TAT ACT ATC 792 Leu Gln Arg Tyr Pro Asp Tyr Met Ile Asp Gln Lys Glu Tyr Thr Ile 210 215 220 ATT AAA CAC AAT TCT CTT GGT CAA CTT CCA AGA TAT TAT TCT TAT CCA 840 Ile Lys His Asn Ser Leu Gly Gln Leu Pro Arg Tyr Tyr Ser Tyr Pro 225 230 235 240 GAT GAT TTC AGC TAC GAA ATT CAA GAT AGG CAA CGT ATC ATG GCT AAG 888 Asp Asp Phe Ser Tyr Glu Ile Gln Asp Arg Gln Arg Ile Met Ala Lys 245 250 255 GAC CCA AAG TCC GGA AAA GAA CTC GGT GAA ACT CAA AGT ATT GAT AAT 936 Asp Pro Lys Ser Gly Lys Glu Leu Gly Glu Thr Gln Ser Ile Asp Asn 260 265 270 GTT TTT GAG AAA TAC CTT ATT ACC AAA AAA AGT TAT AAA CCT TAAATGAAGT 988 Val Phe Glu Lys Tyr Leu Ile Thr Lys Lys Ser Tyr Lys Pro 275 280 285 ATCCATTAAA TTTTTCTGCA TCACTAAAAA AACACGAGCA TCACTTTCAA AGGGAAGGCC 1048 TTCGTTAGTA ACGCTAGTGT TTTTATTTTA TTTTTTTCTT TAAATCAAAC AAAACAGTCA 1108 TAGCTTCCAT TGGAGTCATA TTCATGACAT CTACTTCTTT AAGTCTATTA ATGATATCTA 1168 GAGAGGAATC TCA 1181
【0168】(2) 配列情報 SEQ ID NO:4: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 286 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: タンパク質 (xi) 配列: SEQ ID NO:4: Met Lys Lys Trp Phe Leu Ile Leu Met Leu Leu Gly Ile Phe Gly Cys 1 5 10 15 Ala Thr Gln Pro Ser Lys Val Ala Ala Ile Thr Gly Tyr Asp Ser Asp 20 25 30 Tyr Tyr Ala Arg Tyr Ile Asp Pro Asp Glu Asn Lys Ile Thr Phe Ala 35 40 45 Ile Asn Val Asp Gly Phe Val Glu Gly Ser Asn Gln Glu Ile Leu Ile 50 55 60 Arg Gly Ile His His Val Leu Thr Asn Gln Asn Gln Lys Ile Val Thr 65 70 75 80 Lys Ala Glu Leu Leu Asp Ala Ile Arg His Gln Met Val Leu Leu Gln 85 90 95 Leu Asp Tyr Ser Tyr Glu Leu Val Asp Phe Ala Pro Asp Ala Gln Leu 100 105 110 Leu Thr Arg Asp Arg Arg Leu Leu Phe Ala Asn Arg Asn Phe Glu Glu 115 120 125 Ser Val Ser Leu Glu Asp Thr Ile Gln Glu Tyr Leu Leu Lys Gly His 130 135 140 Val Ile Leu Arg Lys Arg Val Glu Glu Pro Ile Thr His Pro Thr Glu 145 150 155 160 Thr Ala Asn Ile Glu Tyr Lys Val Gln Phe Ala Thr Lys Asp Gly Glu 165 170 175 Phe His Pro Leu Pro Ile Phe Val Asp Tyr Gly Glu Lys His Ile Gly 180 185 190 Glu Lys Leu Thr Ser Asp Glu Phe Arg Lys Ile Ala Glu Glu Lys Leu 195 200 205 Leu Gln Arg Tyr Pro Asp Tyr Met Ile Asp Gln Lys Glu Tyr Thr Ile 210 215 220 Ile Lys His Asn Ser Leu Gly Gln Leu Pro Arg Tyr Tyr Ser Tyr Pro 225 230 235 240 Asp Asp Phe Ser Tyr Glu Ile Gln Asp Arg Gln Arg Ile Met Ala Lys 245 250 255 Asp Pro Lys Ser Gly Lys Glu Leu Gly Glu Thr Gln Ser Ile Asp Asn 260 265 270 Val Phe Glu Lys Tyr Leu Ile Thr Lys Lys Ser Tyr Lys Pro 275 280 285
【0169】(2) 配列情報 SEQ ID NO:5: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 18 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (ix) 特徴: (A) NAME/KEY: ペプチド(B) 存在位置: 1..18 (D) その他の情報: /label= Xaa/note= "Xaa = Pro or
Gly" (xi) 配列: SEQ ID NO:5: Ile Thr Xaa Tyr Asp Ser Asp Tyr Tyr Ala Arg Tyr Ile Asp Pro Asp 1 5 10 15 Glu Asn
【0170】(2) 配列情報 SEQ ID NO:6: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 31 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (xi) 配列: SEQ ID NO:6: Tyr Ile Asp Pro Asp Glu Asn Lys Ile Thr Phe Ala Ile Asn Val Asp 1 5 10 15 Gly Phe Val Glu Gly Ser Asn Gln Glu Ile Leu Ile Arg Gly Ile 20 25 30
【0171】(2) 配列情報 SEQ ID NO:7: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 12 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (xi) 配列: SEQ ID NO:7: Ile Val Thr Lys Ala Glu Leu Leu Asp Ala Ile Arg 1 5 10
【0172】(2) 配列情報 SEQ ID NO:8: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 16 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (ix) 特徴: (A) NAME/KEY: ペプチド (B) 存在位置: 1..16 (D) その他の情報: /label= Xaa/note= "Xaa = 不明" (xi) 配列: SEQ ID NO:8: Asp Gly Glu Phe His Pro Leu Pro Ile Phe Val Xaa Tyr Xaa Glu Lys 1 5 10 15
【0173】(2) 配列情報 SEQ ID NO:9: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 13 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (xi) 配列: SEQ ID NO:9: Leu Leu Gln Leu Tyr Pro Asp Tyr Met Ile Asp Gln Lys 1 5 10
【0174】(2) 配列情報 SEQ ID NO:10: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 19 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (xi) 配列: SEQ ID NO:10: Leu Leu Gln Leu Tyr Pro Asp Tyr Met Ile Asp Gln Lys Glu Tyr Thr 1 5 10 15 Ile Ile Lys
【0175】(2) 配列情報 SEQ ID NO:11: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 15 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (xi) 配列: SEQ ID NO:11: Tyr Tyr Ser Tyr Gln Asp His Phe Ser Tyr Glu Ile Gln Asp Arg 1 5 10 15
【0176】(2) 配列情報 SEQ ID NO:12: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 5 アミノ酸(B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (v) フラグメント型: 中間部 (xi) 配列: SEQ ID NO:12: Tyr Leu Ile Thr Lys 1 5
【0177】(2) 配列情報 SEQ ID NO:13: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 20 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:13: ATCATATAGT CAGGGTAGAG 20
【0178】(2) 配列情報 SEQ ID NO:14: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 30 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:14: CGGGTACCGW TATATTGATC CWGATGARAA 30
【0179】(2) 配列情報 SEQ ID NO:15: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 34 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:15: GGGGATCCTT TTGATCAATW GGATAATCWG GATA 34
【0180】(2) 配列情報 SEQ ID NO:16: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 34 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:16: GGGGATCCTT YTGRTCRATW GGRTARTCWG GRTA 34
【0181】(2) 配列情報 SEQ ID NO:17: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 24 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状(ii) 配列の種類: DNA (genomi
c) (xi) 配列: SEQ ID NO:17: GTTACAAAGG CCGAGTTGTT AGAC 24
【0182】(2) 配列情報 SEQ ID NO:18: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 25 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:18: GATTGGCAAA TAAAAGCCGT CGATC 25
【0183】(2) 配列情報 SEQ ID NO:19: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 22 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:19: CTTCAAGTGA TACGGATTCC TC 22
【0184】(2) 配列情報 SEQ ID NO:20: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 20 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:20: GGGGAATTCC ACCCACTACC 20
【0185】(2) 配列情報 SEQ ID NO:21: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 25 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:21: GACGAGTTTC GAAAAATTGC AGAAG 25
【0186】(2) 配列情報 SEQ ID NO:22: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 48 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:22: GGGCTGCAGT CATATGAAAA AATGGTTTTT AATATTAATG CTTTTGGG 48
【0187】(2) 配列情報 SEQ ID NO:23: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 44 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:23: GGGCTGCAGT CATATGATAA CCGGTTATGA TTCCGACTAC TACG 44
【0188】(2) 配列情報 SEQ ID NO:24: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 21 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:24: GAGATTCCTC TCTAGATATC A 21
【0189】(2) 配列情報 SEQ ID NO:25: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 34 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (xi) 配列: SEQ ID NO:25: GGGCTGCAGA TCCGTTAAAA AATGACATTA ATAT 34
【0190】(2) 配列情報 SEQ ID NO:26: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 31 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (iii) ハイポセティカル: NO (iv) アンチセンス: NO (vi) 起源: (A) 生物名: Streptococcus uberis (xi) 配列: SEQ ID NO:26: GCGGCTCGAG ACCGGTTATG ATTCCGACTA C 31
【0191】(2) 配列情報 SEQ ID NO:27: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 33 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: DNA (genomic) (iii) ハイポセティカル: NO (iv) アンチセンス: NO (vi) 起源: (A) 生物名: Streptococcus uberis (xi) 配列: SEQ ID NO:27: GTTGCGGCCG CGGATACTTC ATTTAAGGTT TAT 33
【0192】(2) 配列情報 SEQ ID NO:28: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 10 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (C) 鎖の数: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 配列の種類: ペプチド (iii) ハイポセティカル: NO (iv) アンチセンス: NO (v) フラグメント型: 中間部 (vi) 起源: (A) 生物名: Streptococcus uberis (xi) 配列: SEQ ID NO:28: Lys Arg Val Glu Glu Pro Ile Thr His Pro 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】S.uberis株c216由来のPauAタンパク質からのペ
プチド断片に基いて設計されたオリゴマープローブ(SE
Q ID NO:13〜SEQ ID NO:25)。小文字のヌクレオチドは
染色体DNA配列に対合しない。
【図2】ウシのプラスミノーゲンをさらに含むスキムミ
ルクアガロースプレート上で培養したS.uberis株95ー140
由来のpauA遺伝子により形質転換されたE.coli株DH5α
の単離。透明区域はプラスミノーゲンの活性化によりプ
ラスミンへ転化し、その後に続いておこる牛乳タンパク
質の分解によって生じた結果である。
【図3】pER318とpER319は、フランキングDNAのHexAとH
exB遺伝子とともに挿入を受けた、クローン化されたpau
Aを示す。
【図4】SEQ ID NO:1のヌクレオチド番号978から1088
において、pauA遺伝子のORFに隣接した、S.uberis株c21
6の二方向の末端配列。pauAのORFの終止コドンには下線
がひいてある。
【図5】SDS-PAGEで分離され、およびクーマシーブリリ
アントブルーで染色された、誘導前および誘導された全
細胞ペレット溶解物のサンプル。レーン1=分子量標識
(RAINBOW Kaleidoscope pre-stained standards、 Bio
rad Laboratories);2=誘導前株Pz326(プラスミドpE
R326をシグナル配列とともに含む);3=誘導後株Pz32
6;4=誘導前株Pz328(プラスミドpER328を含む。シグ
ナル配列を含まない。);5=誘導後株Pz328;6=誘導
前株Pz330(プラスミドpER330をシグナル配列とともに
含む。);7=誘導後株Pz330;8=誘導前株Pz332(プ
ラスミドpER332を含む。シグナル配列は含まない。);
9=誘導後株Pz332;10=S.uberis株95-140由来の、
精製されたPauAタンパク質。
【図6】SDS-PAGEで分離され、およびウェスタン・ブロ
ット分析された、前誘導および誘導された全細胞溶解物
ペレットサンプル。レーンは、レーン10=S.uberis株
95-140由来の、全細胞溶解物ペレットである以外は、図
5における者と同一である。一次抗体はマウスモノクロ
ーナル抗体EC-3であり、二次抗体はBCIPと結合されたヤ
ギ抗マウス抗体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/09 A61K 39/09 39/102 39/102 39/106 39/106 39/108 39/108 39/112 39/112 39/12 AEZ 39/12 AEZ 39/205 39/205 39/21 39/21 39/245 39/245 C07K 14/315 C07K 14/315 19/00 19/00 C12N 1/21 C12N 1/21 9/64 9/64 Z G01N 33/50 G01N 33/50 T 33/53 33/53 D //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:46) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/64 C12R 1:19) (72)発明者 ジェームズ・アンドリュー・レイ イギリス国バークシャー アールジー20・ 7エヌエヌ,ニューバリー,コンプトン, コンプトン・ラボラトリー,インスティチ ュート・フォー・アニマル・ヘルス

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Streptococcus uberis由来PauAタンパク
    質をコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポ
    リヌクレオチド分子。
  2. 【請求項2】 PauAタンパク質が、SEQ ID NO:2またはS
    EQ ID NO:4のアミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286
    までのアミノ酸配列を含む、請求項1の単離されたポリ
    ヌクレオチド分子。
  3. 【請求項3】 それぞれ、SEQ ID NO:1のヌクレオチド
    位置約195からヌクレオチド位置約977まで、またはSEQ
    ID NO:3のヌクレオチド位置約196からヌクレオチド位置
    約978までのヌクレオチド配列を含む、請求項2の単離さ
    れたポリヌクレオチド分子。
  4. 【請求項4】 PauAタンパク質が、SEQ ID NO:2またはS
    EQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む、請求項2の単離され
    たポリヌクレオチド分子。
  5. 【請求項5】 それぞれ、SEQ ID NO:1のヌクレオチド
    位置約120からヌクレオチド位置約980まで、またはSEQ
    ID NO:3のヌクレオチド位置約121からヌクレオチド位置
    約981までのヌクレオチド配列を含む、請求項4の単離さ
    れたポリヌクレオチド分子。
  6. 【請求項6】 それぞれ、SEQ ID NO:1のヌクレオチド
    配列またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列を含む、請
    求項5の単離されたポリヌクレオチド分子。
  7. 【請求項7】 請求項3のポリヌクレオチド分子と実質
    的に相同な、単離されたポリヌクレオチド分子。
  8. 【請求項8】 SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ
    酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ酸配列
    を含むPauAタンパク質と実質的に相同なポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌ
    クレオチド分子。
  9. 【請求項9】 SEQ ID NO:2のアミノ酸配列またはその
    実質的に相同なポリペプチドのペプチド断片、またはSE
    Q ID NO:4のアミノ酸配列またはその実質的に相同なポ
    リペプチドのペプチド断片をコードするヌクレオチド配
    列を含む、単離されたポリヌクレオチド分子。
  10. 【請求項10】 ペプチド断片が、アミノ酸位置約28か
    ら約286、約104から約286、約172から約286、約28から
    約170、約104から約170、約104から約208、約172から約
    208、約28から約103、約28から約208、および約149から
    約286からなる群から選択されるSEQ ID NO:2またはSEQ
    ID NO:4のアミノ酸サブシークエンスからなる、請求項9
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  11. 【請求項11】 (a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4の
    アミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ
    酸配列を含むPauAタンパク質;(b)PauAタンパク質に実
    質的に相同なポリペプチド;または(c)融合相手と融合
    したPauAタンパク質または実質的に相同なポリペプチド
    のペプチド断片を含む融合タンパク質をコードするヌク
    レオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド分
    子。
  12. 【請求項12】 融合タンパク質が、β-ガラクトシダ
    ーゼ融合物、trpE融合物、マルトース結合タンパク質融
    合物、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合
    物、およびポリヒスチジン融合物からなる群から選択さ
    れる、請求項11の単離されたポリヌクレオチド分子。
  13. 【請求項13】 SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミ
    ノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのPauAタンパ
    ク質のアミノ酸配列が、それぞれSEQ ID NO:1のヌクレ
    オチド位置約195からヌクレオチド位置約977まで、また
    はSEQ ID NO:3のヌクレオチド位置約196からヌクレオチ
    ド位置約978までのヌクレオチド配列によりコードされ
    る、請求項11の単離されたポリヌクレオチド分子。
  14. 【請求項14】 ペプチド断片が、アミノ酸位置約28か
    ら約286、約104から約286、約172から約286、約28から
    約170、約104から約170、約104から約208、約172から約
    208、約28から約103、約28から約208、および約149から
    約286からなる群から選択されるSEQ ID NO:2またはSEQ
    ID NO:4のアミノ酸サブシークエンスからなる、請求項1
    1の単離されたポリヌクレオチド分子。
  15. 【請求項15】 融合相手がGSTである、請求項14の単
    離されたポリヌクレオチド分子。
  16. 【請求項16】 適度にまたは高度に厳しい条件下にお
    いて、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配
    列からなるポリヌクレオチド分子、またはSEQ ID NO:1
    またはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列の相補配列であ
    るヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド分子とハ
    イブリッド形成する、オリゴヌクレオチド分子。
  17. 【請求項17】 SEQ ID NO:13〜SEQ ID NO:27および当
    該配列の相補配列からなる群から選択されるヌクレオチ
    ド配列からなる、請求項16のオリゴヌクレオチド分子。
  18. 【請求項18】 SEQ ID NO:13〜SEQ ID NO:27および当
    該配列の相補配列からなる群から選択されるヌクレオチ
    ド配列を含む、請求項16のオリゴヌクレオチド分子。
  19. 【請求項19】 (a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4の
    アミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ
    酸配列を含むPauAタンパク質;または(b)PauAタンパク
    質と実質的に相同なポリペプチド;または(c)PauAタン
    パク質または実質的に相同なポリペプチドのペプチド断
    片;または(d)融合相手に融合した、PauAタンパク質、
    実質的に相同なポリペプチド、またはペプチド断片を含
    む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含
    み、宿主細胞における、そのポリヌクレオチド分子の発
    現を制御する一またはそれ以上の制御因子と機能的に結
    合しているポリヌクレオチド分子を含む、組換え発現ベ
    クター。
  20. 【請求項20】 SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミ
    ノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのPauAタンパ
    ク質のアミノ酸配列が、それぞれSEQ ID NO:1のヌクレ
    オチド位置約195からヌクレオチド位置約977まで、また
    はSEQ ID NO:3のヌクレオチド位置約196からヌクレオチ
    ド位置約978までのヌクレオチド配列を含むポリヌクレ
    オチド分子によりコードされる、請求項19の組換え発現
    ベクター。
  21. 【請求項21】 PauAタンパク質のペプチド断片が、ア
    ミノ酸位置約28から約286、約104から約286、約172から
    約286、約28から約170、約104から約170、約104から約2
    08、約172から約208、約28から約103、約28から約208、
    および約149から約286からなる群から選択されるSEQ ID
    NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸のサブシークエンス
    からなる請求項19の組換え発現ベクター。
  22. 【請求項22】 融合相手がGSTである、請求項19の組
    換え発現ベクター。
  23. 【請求項23】 選択可能なマーカーをさらに含む、請
    求項19の組換え発現ベクター。
  24. 【請求項24】 請求項19の組換え発現ベクターにより
    形質転換された宿主細胞。
  25. 【請求項25】 (a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4の
    アミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286のアミノ酸配
    列を含むPauAタンパク質であるか;または(b)PauAタン
    パク質と実質的に相同であるか;または(c)PauAタンパ
    ク質または実質的に相同なポリペプチドのサブシークエ
    ンスからなるペプチド断片であるか;または(d)融合相
    手に融合した、PauAタンパク質、実質的に相同なポリペ
    プチド、またはペプチド断片を含む融合タンパク質であ
    る、単離されたポリペプチド。
  26. 【請求項26】 PauAタンパク質がSEQ ID NO:2またはS
    EQ ID NO:4のアミノ酸位置約1からアミノ酸位置約286ま
    でのアミノ酸配列を含む、請求項25のポリペプチド。
  27. 【請求項27】 PauAタンパク質のペプチド断片が、ア
    ミノ酸位置約28から約286、約104から約286、約172から
    約286、約28から約170、約104から約170、約104から約2
    08、約172から約208、約28から約103、約28から約208、
    および約149から約286からなる群から選択されるSEQ ID
    NO:2またはSEQ ID NO:4のアミノ酸のサブシークエンス
    からなる請求項25のポリペプチド。
  28. 【請求項28】 融合タンパク質が、アミノ酸位置約28
    から約286、約104から約286、約172から約286、約28か
    ら約170、約104から約170、約104から約208、約172から
    約208、約28から約103、約28から約208、および約149か
    ら約286からなる群から選択されるSEQ ID NO:2またはSE
    Q ID NO:4のアミノ酸サブシークエンスからなるPauAタ
    ンパク質のペプチド断片を含む、請求項25のポリペプチ
    ド。
  29. 【請求項29】 融合相手がGSTである、請求項28のポ
    リペプチド。
  30. 【請求項30】 発現ベクターにコードされるポリペプ
    チドの生成に資する条件下において、請求項19の組換え
    発現ベクターにより形質転換した宿主細胞を培養し、お
    よび細胞培養物からポリペプチドを回収することを含
    む、ポリペプチドの製造方法。
  31. 【請求項31】 ポリペプチドが、(a)SEQ ID NO:2また
    はSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26からアミノ酸位置約2
    86までのアミノ酸配列を含むPauAタンパク質であるか;
    または(b)PauAタンパク質と実質的に相同であるか;ま
    たは(c)PauAタンパク質または実質的に相同なポリペプ
    チドのサブシークエンスからなるペプチド断片である
    か;または(d)融合相手に融合した、PauAタンパク質、
    実質的に相同なポリペプチド、またはペプチド断片を含
    む融合タンパク質である、ポリペプチドの類似体または
    誘導体。
  32. 【請求項32】 (a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4の
    アミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ
    酸配列を含むPauAタンパク質;または(b)PauAタンパク
    質と実質的に相同であるポリペプチド;または(c)PauA
    タンパク質または実質的に相同なポリペプチドのサブシ
    ークエンスからなるペプチド断片;または(d)融合相手
    に融合した、PauAタンパク質、実質的に相同なポリペプ
    チド、またはペプチド断片を含む融合タンパク質;また
    は(e)PauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、
    ペプチド断片、または融合タンパク質の類似体または誘
    導体;または(f)PauAタンパク質、実質的に相同なポリ
    ペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、または類似
    体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチ
    ド分子の免疫学的に有効な量と、そして獣医学的に受容
    できる担体とを含み、そのPauAタンパク質、実質的に相
    同なポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、類
    似体、誘導体、またはポリヌクレオチド分子が、哺乳類
    における乳腺炎に対する防御反応を誘導することができ
    る、哺乳類の動物種を乳腺炎から保護するためのワクチ
    ン。
  33. 【請求項33】 アジュバントをさらに含む、請求項32
    のワクチン。
  34. 【請求項34】 哺乳類における乳腺炎に対する防御反
    応を誘導することができる、PauAタンパク質、実質的に
    相同なポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、
    または類似体をコードするヌクレオチド配列を含み、Pa
    uAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド
    断片、融合タンパク質、または類似体を生成するために
    宿主細胞において発現されるポリヌクレオチド分子を含
    む、形質転換された宿主細胞を含む、請求項32のワクチ
    ン。
  35. 【請求項35】 宿主細胞がE. coliである、請求項34
    のワクチン。
  36. 【請求項36】 哺乳類の動物種を乳腺炎、および所望
    により、哺乳類を苦しめる可能性のある一またはそれ以
    上の他の疾病および病理学的状態から保護するための混
    合ワクチンであって、(a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:
    4のアミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミ
    ノ酸配列を含むPauAタンパク質;または(b)PauAタンパ
    ク質と実質的に相同なポリペプチド;または(c)PauAタ
    ンパク質または実質的に相同なポリペプチドのサブシー
    クエンスからなるペプチド断片;または(d)融合相手に
    融合したPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチ
    ド、またはペプチド断片を含む融合タンパク質;または
    (e)PauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペ
    プチド断片、または融合タンパク質の類似体または誘導
    体;または(f)PauAタンパク質、実質的に相同なポリペ
    プチド、ペプチド断片、融合タンパク質、または類似体
    をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド
    分子を含む免疫学的に有効な量の第一成分、哺乳類に感
    染する可能性のある疾病および病理学的状態に対する防
    御反応を誘導することができる抗原を含む免疫学的に有
    効な量の第二成分、および獣医学的に受容できる担体を
    含み、そのタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、
    ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、誘導体、また
    はポリヌクレオチド分子が、哺乳類における乳腺炎に対
    する防御反応を誘導することができるむ混合ワクチン。
  37. 【請求項37】 混合ワクチンの第二成分の抗原が、乳
    腺炎、ウシヘルペスウイルス、ウシ呼吸系発疹ウイルス
    (bovine respiratory syncytial virus)、ウシウイル
    ス性下痢ウイルス、I、II、III型パラインフルエンザウ
    イルス、レプトスピラ属(Leptospira spp.)、カンピ
    ロバクター属(Campylobacter spp.)、ブドウ球菌属
    (Staphylococcus spp.)、連鎖球菌属(Streptococcus
    spp.)、マイコプラズマ属(Mycoplasma spp.)、クレ
    ブシエラ属(Klebsiella spp.)、サルモネラ属(Salmo
    nella spp.)、ロタウイルス、コロナウイルス、狂犬
    病、パスツレラ属(Pasteurella spp.)、クロストリジ
    ウム属(Clostridium spp.)、破傷風トキソイド(Teta
    nus toxioid)、E. coli、またはネオスポラ属(Neospo
    ra spp.)を含むグループから選択される、疾病、状
    態、病原体に対して、哺乳類における防御反応を誘導す
    ることができる、請求項36の混合ワクチン。
  38. 【請求項38】 アジュバントをさらに含む、請求項36
    の混合ワクチン。
  39. 【請求項39】 S. uberisにより起因される乳腺炎以
    外の、哺乳類を苦しめる可能性のある疾病または病理学
    的状態に病原体として関連する宿主細胞を含む、請求項
    36の混合ワクチンであって、該宿主細胞は哺乳類におけ
    る乳腺炎に対する防御反応を誘導することができるPauA
    タンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチド断
    片、融合タンパク質、または類似体をコードするヌクレ
    オチド配列を含むポリヌクレオチド分子を含み、該ポリ
    ヌクレオチド分子は、PauAタンパク質、実質的に相同な
    ポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、または
    類似体を生成するため宿主細胞において発現され、そし
    て該宿主細胞がS. uberisにより起因される乳腺炎以外
    の疾病または病理学的状態に対する免疫防御反応を誘導
    することができる、請求項36の混合ワクチン。
  40. 【請求項40】 宿主細胞が、レプトスピラ属(Leptos
    pira spp.)、カンピロバクター属(Campylobacter sp
    p.)、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)、連鎖球
    菌属(Streptococcus spp.)、マイコプラズマ属(Myco
    plasma spp.)、クレブシエラ属(Klebsiella spp.)、
    サルモネラ属(Salmonella spp.)、パスツレラ属(Pas
    teurella spp.)、クロストリジウム属(Clostridium s
    pp.)、E. coli、およびネオスポラ属(Neospora sp
    p.)からなる群から選択される、請求項39の混合ワクチ
    ン。
  41. 【請求項41】 免疫学的に有効な量の(a)SEQ ID NO:2
    またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26からアミノ酸位
    置約286までのアミノ酸配列を含むPauAタンパク質;ま
    たは(b)PauAタンパク質と実質的に相同なポリペプチ
    ド;または(c)PauAタンパク質または実質的に相同なポ
    リペプチドのサブシークエンスからなるペプチド断片;
    または(d)融合相手に融合したPauAタンパク質、実質的
    に相同なポリペプチド、またはペプチド断片を含む融合
    タンパク質;または(e)PauAタンパク質、実質的に相同
    なポリペプチド、ペプチド断片、または融合タンパク質
    の類似体または誘導体;または(f)PauAタンパク質、実
    質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパ
    ク質、または類似体をコードするヌクレオチド配列を含
    むポリヌクレオチド分子であり、そのタンパク質、実質
    的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパク
    質、類似体、誘導体またはポリヌクレオチド分子が哺乳
    類における乳腺炎に対する防御反応を誘導することがで
    きるものを獣医学的に受容できる担体と混合することを
    含む、乳腺炎に対する哺乳類動物種の保護のためのワク
    チンの製造方法。
  42. 【請求項42】 哺乳類に請求項32のワクチンを投与す
    ることを含む、乳腺炎に対する哺乳類動物種にワクチン
    接種する手法。
  43. 【請求項43】 免疫学的に有効な量の(a)SEQ ID NO:2
    またはSEQ ID NO:4のアミノ酸位置約26からアミノ酸位
    置約286までのアミノ酸配列を含むPauAタンパク質;ま
    たは(b)PauAタンパク質と実質的に相同なポリペプチ
    ド;または(c)PauAタンパク質または実質的に相同なポ
    リペプチドのサブシークエンスからなるペプチド断片;
    または(d)融合相手に融合したPauAタンパク質、実質的
    に相同なポリペプチド、またはペプチド断片を含む融合
    タンパク質;または(e)PauAタンパク質、実質的に相同
    なポリペプチド、ペプチド断片、または融合タンパク質
    の類似体または誘導体;または(f)PauAタンパク質、実
    質的に相同なポリペプチド、ペプチド断片、融合タンパ
    ク質、または類似体をコードするヌクレオチド配列を含
    むポリヌクレオチド分子であり、そのタンパク質、ポリ
    ペプチド、ペプチド断片、融合タンパク質、類似体、誘
    導体またはポリヌクレオチド分子が哺乳類における乳腺
    炎に対する防御反応を誘導することができるものを含む
    第一容器;および獣医学的に許容可能な担体または希釈
    剤を含む第二容器を含む、乳腺炎に対する哺乳類動物種
    にワクチン接種するためのキット。
  44. 【請求項44】 (a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4の
    アミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ
    酸配列を含むPauAタンパク質;または(b)PauAタンパク
    質と実質的に相同なポリペプチド;または(c)PauAタン
    パク質または実質的に相同なポリペプチドのサブシーク
    エンスからなるペプチド断片;または(d)融合相手に融
    合したPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、
    またはペプチド断片を含む融合タンパク質;または(e)P
    auAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチ
    ド断片、または融合タンパク質の類似体または誘導体に
    特異的に結合する抗体。
  45. 【請求項45】 (a)SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4の
    アミノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ
    酸配列を含むPauAタンパク質;または(b)PauAタンパク
    質と実質的に相同なポリペプチド;または(c)PauAタン
    パク質または実質的に相同なポリペプチドのサブシーク
    エンスからなるペプチド断片;または(d)融合相手に融
    合したPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、
    またはペプチド断片を含む融合タンパク質;または(e)P
    auAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプチ
    ド断片、または融合タンパク質の類似体または誘導体で
    あり、天然PauAに対して指向する抗体に特異的に結合す
    るPauAタンパク質、実質的に相同なポリペプチド、ペプ
    チド断片、融合タンパク質、類似体または誘導体を含む
    第一容器;および抗PauAタンパク質特異的抗体に対して
    指向する二次抗体を含む第二容器を含む診断キット。
  46. 【請求項46】 二次抗体が、検出可能な標識をさらに
    含む、請求項45の診断キット。
  47. 【請求項47】 SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のアミ
    ノ酸位置約26からアミノ酸位置約286までのアミノ酸配
    列を含むPauAタンパク質に特異的に結合する一次抗体を
    含む第一容器、およびPauAタンパク質の異なるエピトー
    プに特異的に結合するか、または一次抗体に特異的に結
    合する、二次抗体を含む第二容器を含む診断キット。
  48. 【請求項48】 二次抗体が、検出可能な標識をさらに
    含む、請求項47の診断キット。
  49. 【請求項49】 PauAタンパク質をコードするS. uberi
    sのポリヌクレオチド分子を特異的に増幅するために有
    用な、ポリヌクレオチド分子またはオリゴヌクレオチド
    分子を含む容器を含む診断キット。
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