JPH11103561A - 摩耗量点検センサ付モータのブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリ車において、ブラシ摩耗警告インジ
ケータは、摩耗限界に達して初めて警告灯を点灯した
り、香気を出したりするだけで、点検整備などで摩耗量
をチェックする場合には、ブラシカバーを取外しブラシ
を抜かねばならず、狭いスペースに納められているバッ
テリ車のモータ類は、ブラシカバーやブラシの脱着をす
るだけでも非常に大変な作業となっていた。 【解決手段】 ブラシ(1) 本体の側面又は内部に、ブ
ラシ(1) 本体とは絶縁体(4) で絶縁させてコミュテータ
(3) と接触する抵抗体(6) を一体に形成し、ブラシの新
品状態から摩耗限度近くまでは抵抗体(6) は比較的大き
い抵抗値を持たせたものとし、摩耗限度を越えてからは
抵抗体(6) は導体(5) となるようにした外部に配線端子
部(8) を有するブラシ摩耗量点検センサをブラシ(1) 本
体に装着した摩耗量点検センサ付モータのブラシとし、
必要に応じてブラシ摩耗警告灯(7)を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はバッテリ式産業車
両のモータのブラシ点検に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術において特開平５−１７４９
３５号公報では、香気成分を含有する粒子をカプセルに
入れてブラシに充填し、摩耗限界になると香気を出し
て、ブラシの摩耗限度をオペレータの嗅覚を利用して感
知可能とするものや、実開昭５８−２５５５９号公報で
は、ブラシ摩耗表示装置において、摩耗限界以内では、
キースイッチの投入操作直後の一定時間表示ランプを点
灯することで、ランプ切れの状態を検出可能な回路構成
を有し、摩耗限界になると表示スイッチが入って表示ラ
ンプを点灯しっぱなしとする技術が公知となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】現状のブラシ摩耗警告
インジケータは、摩耗限界に達して初めて警告灯が点灯
したり、香気を出したりするだけで、点検整備などで摩
耗量をチェックする場合には、ブラシカバー類と狭いス
ペースに納められているため、ブラシカバーやブラシの
脱着をするだけでも非常に大変な点検作業となってい
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び作用効果】この発明は
上記の課題に対処するためになされたもので、請求項１
記載の発明は、ブラシ本体の側面または内部に、ブラシ
本体とは絶縁体で絶縁させて、コミュテータと接触する
抵抗体を一体に形成し、ブラシの新品状態から摩耗限度
近くまでは抵抗体は比較的大きい抵抗値を持たせたもの
とし、摩耗限度を越えてからは抵抗体は導体となるよう
にした外部の配線端子部を有するブラシ摩耗量点検セン
サを、ブラシ本体に装着した摩耗量点検センサ付モータ
のブラシとしている。

【０００５】上述のように構成され、ブラシが摩耗量点
検センサ付となっているので、モータのブラシカバーを
取外し、さらにブラシを抜いてチェックをしなくても、
テスタで抵抗値をチェックするだけで、外部からブラシ
の摩耗量が確認できるようになる。摩耗量をチェックす
る場合には、外部の配線端子部とモータのアース側とに
テスタを当てて抵抗値を測定し、新品時の抵抗値と比較
し、抵抗値から摩耗量を把握できる。

【０００６】従ってバッテリ車において、モータブラシ
の摩耗量の点検が容易に実施できると共に、保守・整備
時期の把握が可能となり、補修・交換の事前予測が可能
となって、バッテリ車を最良の整備状態に維持して、稼
働率の向上に寄与することになる。

【０００７】請求項２記載の発明は、上述のブラシ摩耗
量点検センサを利用したブラシ摩耗警告灯を設けた、摩
耗量点検センサ付モータのブラシとしている。

【０００８】従って警告灯を設ければ、摩耗限度までは
抵抗値が大きいために、流れる電流が非常に少なく、警
告灯は点灯しないが、摩耗限界に達すると抵抗体が無く
なるため、当然警告灯が点灯するようになる。外部に配
線端子部を有するブラシ摩耗量点検センサになっている
ので、必要に応じてブラシ摩耗警告灯を設ければ、従来
のようにブラシが摩耗限度に達した時は、警告灯により
オペレータに警告することは容易に可能であり、バッテ
リ車の保守に役立つ。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下この発明の実施例の構成を示
す説明図である図１により説明する。図１においてモー
タのコミュテータ３に接しているブラシ１には、ブラシ
ケーブル２を通してバッテリからの動力が供給されてい
る。

【００１０】ブラシ１の側面には、ブラシ１の長さに沿
って、絶縁体４によりブラシ１とは絶縁された抵抗体６
が、一体に取り付けられており、モータのコミュータ３
に接しているブラシ１の摩耗限界位置Ｍまでは、抵抗体
６には大きい抵抗値をもたせてある。しかしブラシ１の
摩耗限界位置Ｍを越えてブラシ１の摩耗が進むと、大き
い抵抗を持った抵抗体６が無くなり、代わって導体５の
部分がコミュテータ３と接触することになる。

【００１１】警告灯７はこの導体５の部分と、モータの
アース側との間に挿入されているので、当然摩耗限界Ｍ
を越えて摩耗が進行すると、警告灯７は点灯して、ブラ
シが摩耗限界を越えたことを知らせる。以上ここまでの
警告灯７の説明は、従来の警告灯７としての作用効果と
何等変わりないものであるが、この図１に示す実施例で
は、抵抗体６がコミュテータ３と接触していて、ブラシ
１と一緒に摩耗していく点が、従来の摩耗限界になっ
て、初めてスイッチが入るものと基本的に異なってい
る。

【００１２】また導体５からは、警告等７へ配線に使用
している外部の配線端子部８が設けられているので、こ
の配線端子部８のＴ点と、モータのアース側のＴ点との
間で抵抗体６の抵抗値をテスタを使って容易に測定可能
である。

【００１３】従ってブラシ１が取り替えられた新品状態
の時に、抵抗体６の抵抗値の初期値を、テスタを使用し
て測定記録するだけで、点検時にはモータのブラシやカ
バーなどを取り外すことなく、抵抗体６の抵抗値をテス
タによって測定することができ、ブラシ１の摩耗の程度
を稼働時間に沿って把握することが可能である。また狭
いスペースに納められているバッテリ車のモータ類は、
ブラシカバーやブラシの脱着をするだけでも非常に大変
な点検作業となるが、摩耗量をチェックする場合に、ブ
ラシカバーの取外しや、ブラシを抜くことが不要という
ことは、非常な工数低減の効果が出ることになる。

【００１４】以上説明したように、ブラシの摩耗限界に
達した状態になって、警告を行う警告インジケータとは
異なり、ブラシの摩耗状態を必要の都度刻々と測定可能
になることは、この点検測定記録によって、取り替え交
換時期を測定予測できるようになり、バッテリ車の維
持、保守点検には欠くことのできないもので、稼働率の
向上など寄与する面は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の構成を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ブラシ ３ コミュテータ ４ 絶縁体 ５ 導体 ６ 抵抗体 ７ 警告灯 ８ 配線端子部 Ｍ 摩耗限界

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バッテリ車において、モータのブラシ
   (1) 本体の側面または内部に、ブラシ(1) 本体とは絶縁
   体(4) で絶縁させてコミュテータ(3) と接触する抵抗体
   (6) を一体に形成し、ブラシ(1) の新品状態から摩耗限
   度(M) 近くまでは抵抗体(6) は比較的大きい抵抗値を持
   たせたものとし、摩耗限度(M) を越えてからは抵抗体
   (6) は導体(5) となるようにした外部の配線端子部(8)
   を有するブラシ摩耗量点検センサをブラシ(1) 本体に装
   着したことを特徴とする摩耗量点検センサ付モータのブ
   ラシ。
2. 【請求項２】 ブラシ摩耗警告灯(7) を設けたことを特
   徴とする請求項１記載の摩耗点検センサ付モータのブラ
   シ。