JPH11103236A - フィルタ回路 - Google Patents

フィルタ回路

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JPH11103236A
JPH11103236A JP26242397A JP26242397A JPH11103236A JP H11103236 A JPH11103236 A JP H11103236A JP 26242397 A JP26242397 A JP 26242397A JP 26242397 A JP26242397 A JP 26242397A JP H11103236 A JPH11103236 A JP H11103236A
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supply voltage
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Takayuki Shimizu
隆行 清水
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成一 横川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスコンダクタンスアンプ11,12を
備え、赤外線リモートコントローラの受信機などで使用
されるバンドパスフィルタ4において、電源電圧に対す
る汎用性を拡大する。 【解決手段】 入力電圧に対応した出力電流を出力する
トランスコンダクタンスアンプ11,12に対して、バ
ンドギャップ電流源などの電源電圧に依存しない電流源
を備えるバイアス回路40から、バイアス電流を供給す
る。これによって、相互コンダクタンスアンプ11,1
2の相互コンダクタンスgm1,gm2、したがってバ
ンドパスフィルタ4の中心周波数が、電源電圧Vccに
対して変化しなくなり、たとえば3Vと5Vとの複数種
類の電源電圧に対応可能となり、汎用性を拡大すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線遠隔制御装
置や、光空間伝送装置の受信機におけるバンドパスフィ
ルタとして好適に用いられ、入力電圧の振幅に比例した
振幅の出力電流を発生するトランスコンダクタンスアン
プを用いるフィルタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】前記トランスコンダクタンスアンプは、
ピーク周波数やゲイン等を比較的容易に変化させること
ができ、バイポーラトランジスタを使用して集積回路化
されて、特に赤外線データ通信の分野で広く用いられて
いる。前記赤外線データ通信には、家電製品に広く用い
られている、いわゆる赤外線リモコンや、パーソナルコ
ンピュータおよびその周辺機器で使用され、赤外線デー
タ協議会による統一規格であるIrDA1.0,1.1
等が挙げられる。
【0003】図4は、一般的な赤外線リモコンの受信機
1の等価回路ブロック図である。送信機からの赤外線信
号は、通常、38kHzで強度変調され、さらに搬送波
(38kHz)の有無でコード化された信号であり、フ
ォトダイオードなどで実現される受光素子2で光電変換
され、アンプ3に入力される。アンプ3で増幅された受
信信号は、中心周波数foを38kHzとするバンドパ
スフィルタ4に入力されて、搬送周波数成分のみが抽出
される。バンドパスフィルタ4からの出力は、ピークホ
ールド回路5において、ピーク値がホールドされ、その
ホールド値の所定の分圧レベルが検波レベルとして、コ
ンパレータ6の反転入力端子に入力される。コンパレー
タ6は、非反転入力端子に入力される前記バンドパスフ
ィルタ4からの出力を前記検波レベルでレベル弁別し、
こうして前記搬送波の有無が検出されて、その弁別結果
が、積分回路7およびヒステリシスコンパレータ8によ
って波形整形されて、出力端子9に出力信号Voとして
出力され、動作制御用のマイクロコントローラなどに与
えられる。
【0004】図5は、上述のような赤外線リモコンの受
信機などで用いられる一般的なバンドパスフィルタ4の
概略的構成を示すブロック図である。このバンドパスフ
ィルタ4は、前記トランスコンダクタンスアンプ11,
12と、バッファ13,14と、コンデンサ15,16
とを備えて構成されている。このバンドパスフィルタ4
では、トランスコンダクタンスアンプ11,12のトラ
ンスコンダクタンスをそれぞれgm1,gm2とし、コ
ンデンサ15,16の静電容量をそれぞれC1,C2と
し、コンデンサ15,16に流れる電流をそれぞれi
1,ioとするとき、入力端子17に与えられる入力信
号viと、出力端子18に出力される出力信号voとの
間の伝達関数は、
【0005】
【数1】
【0006】で表される。ただし、Sはラプラス演算子
であり、S=jωである。また、中心周波数foは、
【0007】
【数2】
【0008】で表される。
【0009】したがって、トランスコンダクタンスgm
1,gm2を変化することによって、中心周波数foを
任意に設定することができる。
【0010】一方、前記トランスコンダクタンスアンプ
11,12は、具体的には、たとえば図6で示すように
構成されている。図6は、一般的なトランスコンダクタ
ンスアンプ20の電気回路図である。このトランスコン
ダクタンスアンプ20は、第1段目の差動入力回路21
と、第2段目の差動入力回路22と、出力回路23とを
備えて構成されている。
【0011】差動入力回路21は、入力端子n1,n2
への入力信号がそれぞれ与えられる入力用のトランジス
タQ1,Q4と、前記トランジスタQ1,Q4の出力が
それぞれ与えられ、差動対を構成するトランジスタQ
2,Q3と、前記トランジスタQ2,Q3のそれぞれに
関連して設けられる負荷用のダイオードD1,D2と、
前記トランジスタQ2,Q3のエミッタ間に介在される
抵抗REと、トランジスタQ1,Q4にそれぞれ定電流
Iを供給する定電流源F1,F4と、前記トランジスタ
Q2,Q3にそれぞれ定電流I1を供給する定電流源F
2,F3とを備えて構成されている。
【0012】入力端子n1,n2に電位差Vinの差動
入力が与えられ、ダイオードD1,D2に流れる電流が
Δiだけ変化して、それぞれI1+Δi,I1−Δiと
なると、ダイオードD1,D2での電圧降下をそれぞれ
VD1,VD2とするとき、
【0013】
【数3】
【0014】
【数4】
【0015】で表すことができる。ただし、VTはトラ
ンジスタQ2,Q3の熱電圧であり、Isは逆方向飽和
電流である。
【0016】また、差動入力回路22は、前記トランジ
スタQ2,Q3のコレクタ電圧をそれぞれ入力とし、前
記エミッタ間抵抗REを備えていない差動対を構成する
トランジスタQ5,Q6と、これらのトランジスタQ
5,Q6に前記定電流Iをそれぞれ供給する定電流源F
5,F6と、前記トランジスタQ5,Q6のエミッタか
ら所定の定電流I2を引抜く定電流源F7とを備えて構
成されている。
【0017】前記電流Δiの変化によるトランジスタQ
5,Q6のコレクタ電流を、それぞれI2/2+ΔI,
I2/2−ΔIとするとき、
【0018】
【数5】
【0019】が得られる。したがって、
【0020】
【数6】
【0021】から、
【0022】
【数7】
【0023】が得られる。
【0024】出力回路23は、ベースに基準電圧Vre
fがそれぞれ与えられ、エミッタに前記トランジスタQ
5,Q6からの電流I−(I2/2+ΔI),I−(I
2/2−ΔI)がそれぞれ与えられるトランジスタQ
7,Q8と、カレントミラー回路を構成するトランジス
タQ9,Q10と、相互に等しい抵抗値の抵抗r1,r
2とを備えて構成されている。
【0025】ここで、入力の電位差Vinに対する差動
対のトランジスタQ2,Q3を流れる電流の差分Δiの
関係は、
【0026】
【数8】
【0027】で表すことができ、したがって、出力回路
23のトランジスタQ10のコレクタ側から出力端子n
3に出力される電流in3は、トランジスタQ8のコレ
クタ電流と、トランジスタQ7のコレクタ電流の反転値
との加算値であり、
【0028】
【数9】
【0029】となる。
【0030】したがって、トランスコンダクタンスgm
は、
【0031】
【数10】
【0032】で表すことができる。
【0033】したがって、前記図5におけるトランスコ
ンダクタンスアンプ11,12のトランスコンダクタン
スgm1,gm2をgm1=gm2=gmとし、式10
を前記式2に代入すると、
【0034】
【数11】
【0035】から、
【0036】
【数12】
【0037】となり、電流I1,I2を調整することに
よって、前記バンドパスフィルタ4の中心周波数foを
変化可能であることが理解される。
【0038】図7は、上述のようなトランスコンダクタ
ンスアンプ20と、該トランスコンダクタンスアンプ2
0における前記電流I1,I2を規定する典型的な従来
技術のバイアス回路30を組合わせて示す電気回路図で
ある。この図7では、前記定電流源F1はトランジスタ
Q11と抵抗r11とで構成されており、同様に、前記
定電流源F2がトランジスタQ12と抵抗r12とで、
定電流源F3がトランジスタQ13と抵抗r13とで、
前記定電流源F4がトランジスタQ14と抵抗r14と
で、定電流源F5がトランジスタQ15と抵抗r15と
で、定電流源F6がトランジスタQ16と抵抗r16と
で、定電流源F7がトランジスタQ17と抵抗r17と
でそれぞれ構成されている。
【0039】前記電流Iを規定するトランジスタQ1
1,Q14,Q15,Q16は、ともにバイアス回路3
0のトランジスタQ31とカレントミラー回路を構成し
ており、これらのトランジスタQ11,Q14,Q1
5,Q16;Q31のエミッタ面積比は、相互に同一に
形成されている。また、トランジスタQ31に関連して
設けられている抵抗r31と、前記抵抗r11,r1
4,r15,r16とは、抵抗値が相互に等しく形成さ
れている。トランジスタQ31のコレクタ電流は、定電
流源F31によって前記電流Iに規定されており、した
がって前記トランジスタQ11,Q14,Q15,Q1
6を流れる電流は、ともにIとなる。この電流Iは、前
記式12には現れず、すなわち中心周波数foには殆ど
影響しない。
【0040】これに対して、前記電流I1を供給するト
ランジスタQ12,Q13は、バイアス回路30のトラ
ンジスタQ32とカレントミラー回路を構成しており、
このトランジスタQ32のエミッタは、抵抗r32を介
して接地され、コレクタは、抵抗Rhを介してハイレベ
ルの電源電圧Vccの電源ライン31に接続されてい
る。また、このトランジスタQ32のベースは、トラン
ジスタQ33のエミッタと接続され、コレクタは、トラ
ンジスタQ33のベースと接続され、トランジスタQ3
3のコレクタは、前記電源ライン31に接続されてい
る。
【0041】したがって、トランジスタQ32とトラン
ジスタQ12,Q13とのエミッタ面積比を等しいもの
とし、抵抗r32と抵抗r12,r13との抵抗値を等
しく、かつ、抵抗Rhに比べて充分小さいとすると、電
流I1は、 I1=(Vcc−2VBE)/Rh …(13) となる。ただし、トランジスタQ32,Q33のベース
−エミッタ間電圧は、VBEで等しいものとしている。
【0042】したがって、上記式13から、電流I1は
電源電圧Vccに比例して変化することになる。
【0043】また、同様に、前記電流I2を供給するト
ランジスタQ17は、バイアス回路30のトランジスタ
Q34とカレントミラー回路を構成している。このトラ
ンジスタQ34のエミッタは、抵抗r33を介して接地
され、コレクタは、抵抗Rfoを介して前記電源ライン
31に接続されている。また、このトランジスタQ34
のベースは、トランジスタQ35のエミッタと接続さ
れ、コレクタは、トランジスタQ35のベースと接続さ
れ、トランジスタQ35のコレクタは、前記電源ライン
31に接続されている。
【0044】したがって、トランジスタQ34とトラン
ジスタQ17とのエミッタ面積比が相互に等しく、抵抗
r33と抵抗r17との抵抗値が相互に等しいものとす
ると、前記電流I2も、 I2=(Vcc−2VBE)/Rfo …(14) となり、電源電圧Vccに比例することになる。なお、
トランジスタQ34,Q35のベース−エミッタ間電圧
をVBEとしている。
【0045】前記式10に、これらの式13,式14を
代入すると、
【0046】
【数13】
【0047】となる。ここで、 RE≫VT×Rh/(Vcc−2VBE) …(16) であるときには、上記式15は、
【0048】
【数14】
【0049】と近似することができる。したがって、抵
抗REと抵抗Rhとに、同じ温度係数の抵抗を使用し、
抵抗Rfoを温度係数の小さい外付け抵抗とすることに
よって、トランスコンダクタンスgmの温度特性を最小
限として、前記中心周波数foの変動を抑制することが
できる。
【0050】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記式
16が成立しないときには、トランスコンダクタンスg
mは電源電圧Vccに依存してしまい、前記式15か
ら、中心周波数foは電源電圧Vccの変動に追従する
ことになる。
【0051】一方、赤外線通信装置の前記パーソナルコ
ンピュータおよびその周辺機器への搭載が一層進み、種
々の電源電圧、たとえば、5Vと3Vとに共用すること
が望まれる。しかしながら、上述のように中心周波数f
oが電源電圧Vccに対応して変動していたのでは、共
用することができないという問題がある。
【0052】本発明の目的は、種々の電源電圧に対応す
ることができる汎用性に富んだフィルタ回路を提供する
ことである。
【0053】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るフ
ィルタ回路は、トランスコンダクタンスアンプを備える
フィルタ回路において、前記トランスコンダクタンスア
ンプに、電源電圧に依存しない電流源を備えるバイアス
回路によってバイアス電流を供給することを特徴とす
る。
【0054】上記の構成によれば、前記式12における
電流I1,I2が、前記電源電圧Vccに依存しなくな
り、トランスコンダクタンスgm、したがって中心周波
数foが一定のままで、異なる電源電圧に対応すること
ができ、汎用性を広げることができる。
【0055】また、請求項2の発明に係るフィルタ回路
では、前記電流源は、バンドギャップ電流源であること
を特徴とする。
【0056】上記の構成によれば、請求項1で示す電源
電圧に依存しない電流源を、具体的に実現することがで
きる。
【0057】さらにまた、請求項3の発明に係るフィル
タ回路では、前記バイアス回路は、前記バンドギャップ
電流源を基準電流源とし、エミッタ抵抗値を任意に設定
したカレントミラー回路によって、複数の差動対にそれ
ぞれ固有の定電流を供給することを特徴とする。
【0058】上記の構成によれば、トランスコンダクタ
ンスgm、したがって前記中心周波数foを決定する前
記電流I1,I2を、所望とするトランスコンダクタン
スを得ることができる任意の値に設定することができ、
電源電圧に対する汎用性の拡大とともに、適用周波数も
拡大することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図3に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0060】図1は、本発明の実施の一形態の概略的構
成を示すブロック図である。この図1は、前記図5で示
すバンドパスフィルタ4に本発明を適用した例であり、
本発明で注目すべきは、この図5で示すバンドパスフィ
ルタ4のようなトランスコンダクタンスアンプを備える
フィルタ回路において、前記トランスコンダクタンスア
ンプへのバイアス電流を、電源電圧に依存しない電流源
を備えるバイアス回路40から供給することである。
【0061】図2は、前記トランスコンダクタンスアン
プ11,12を構成する前記トランスコンダクタンスア
ンプ20に、前記バイアス回路40を適用した本発明の
具体的構成を示す電気回路図である。この図2で示す構
成に用いられるトランスコンダクタンスアンプ20は、
前述の図6で示す一般的なトランスコンダクタンスアン
プ20であり、対応する部分には同一の参照符号を付
し、その説明を省略する。
【0062】前記バイアス回路40において、前述のバ
イアス回路30の定電流源F31、トランジスタQ31
および抵抗r31と同様に、定電流源F41、トランジ
スタQ41および抵抗r41によって、トランジスタQ
11,Q14,Q15,Q16から供給される電流Iが
規定される。また、トランジスタQ12,Q13を流れ
る電流I1は、前述のトランジスタQ32,Q33およ
び抵抗r32と同様のトランジスタQ45,Q46およ
び抵抗r42によって制御される。同様に、トランジス
タQ17を流れる電流I2は、前述のトランジスタQ3
4,Q35および抵抗r33と同様のトランジスタQ4
7,Q48および抵抗r43によって制御される。
【0063】注目すべきは、このバイアス回路40で
は、バンドギャップ電流源41が設けられており、この
バンドギャップ電流源41を流れる基準電流Ioが、ト
ランジスタQ42からトランジスタQ43,Q44でエ
ミッタ面積比に対応して折返されて、それぞれ前記トラ
ンジスタQ45,Q47のコレクタを流れる定電流I
1,I2が作成されることである。
【0064】バンドギャップ電流源41の一端は、ダイ
オード接続されているトランジスタQ42から抵抗Ro
を介して、ハイレベルの電源電圧Vccの電源ライン4
2に接続され、他端は、接地されている。前記トランジ
スタQ42とカレントミラー回路を構成するトランジス
タQ43のエミッタは、前記抵抗Rhを介して、前記電
源ライン42に接続され、コレクタは、前記トランジス
タQ45のコレクタおよびトランジスタQ46のベース
に接続されている。同様に、前記トランジスタQ42と
カレントミラー回路を構成するトランジスタQ44のエ
ミッタは、前記抵抗Rfoを介して前記電源ライン42
に接続され、コレクタは、前記トランジスタQ47のコ
レクタおよびトランジスタQ48のベースに接続されて
いる。
【0065】図3は、前記バンドギャップ電流源41の
具体的構成を示す電気回路図である。このバンドギャッ
プ電流源41は、バイアス用のトランジスタQ51,Q
52と、抵抗R51,R52およびコンデンサCと、定
電流作成用のトランジスタQ53,Q54,Q55,Q
56,Q57および抵抗R53,R54,R55,R5
6と、出力用のトランジスタQ58,Q59,Q60,
Q61および抵抗R57,R58,R59とを備えて構
成されている。
【0066】カレントミラー回路を構成するトランジス
タQ55とトランジスタQ56とのエミッタ面積比は、
相互に等しく、また抵抗R55と抵抗R56との抵抗値
も、相互に等しく形成される。したがって、トランジス
タQ53,Q54のコレクタ電流Icは、相互に等しく
なる。
【0067】一方、対を成すトランジスタQ53とトラ
ンジスタQ54とにおいて、 VBE53=VBE54+VR54 …(18) が成立する。ただし、VBE53,VBE54は、それ
ぞれトランジスタQ53,Q54のベース−エミッタ間
電圧であり、VR54は、抵抗R54による電圧降下で
ある。また、トランジスタQ53,Q54の熱電圧VT
および逆方向飽和電流Isが等しいと、
【0068】
【数15】
【0069】から、
【0070】
【数16】
【0071】したがって、
【0072】
【数17】
【0073】が得られる。
【0074】したがって、バンドギャップ電流源41
は、電源電圧Vccに依存することなく、また温度係数
が熱電圧VTに比例する。このため、前記トランスコン
ダクタンスアンプ20における抵抗RE,Rhを、トラ
ンジスタQ53,Q54の熱電圧VTと同じ温度係数と
することによって、トランスコンダクタンスアンプ20
の利得の温度係数を小さくすることができる。
【0075】前記コレクタ電流Icは、前記トランジス
タQ56とカレントミラー回路を構成するトランジスタ
Q58によって取出され、トランジスタQ59〜Q61
によって、その取出された電流方向が変換されて、前記
基準電流Ioとして出力される。
【0076】したがって、前記図2において、抵抗Ro
およびトランジスタQ42と、抵抗Rhおよびトランジ
スタQ43とから成るカレントミラー回路において、こ
の基準電流Ioと前記電流I1との関係は、トラジスタ
Q42,Q43のベース−エミッタ間電圧をそれぞれV
BE42,VBE43とし、またその熱電圧を等しくV
Tとし、逆方向飽和電流も等しくIsとするとき、 IoRo+VBE42=I1Rh+VBE43 …(22) から、
【0077】
【数18】
【0078】が得られ、したがって、
【0079】
【数19】
【0080】で表すことができる。
【0081】ここで、近似的にVBE42≒VBE43
とすると、前記式22から、 IoRo≒I1Rh …(25) となり、 I1≒(Ro/Rh)Io …(26) となる。
【0082】したがって、前記基準電流Ioに、前述の
ように電源電圧Vccに対する依存性がないので、電流
I1も、電源電圧Vccに対する依存性がなく、定電流
である。
【0083】同様に、抵抗RoおよびトランジスタQ4
2と、抵抗RfoおよびトランジスタQ44とから成る
カレントミラー回路において、基準電流Ioと前記電流
I2との関係は、トランジスタQ44のベース−エミッ
タ間電圧をVBE44とするとき、 IoRo+VBE42=I2Rfo+VBE44 …(27) から、
【0084】
【数20】
【0085】が得られ、したがって、
【0086】
【数21】
【0087】で表すことができる。
【0088】近似的に、VBE42≒VBE44とする
と、前記式27から、 IoRo≒I2Rfo …(30) から、 I2≒(Ro/Rfo)Io …(31) となり、電流I2も、電源電圧Vccに対する依存性が
なく、定電流となる。
【0089】したがって、前述式10に式26および式
31を代入すると、
【0090】
【数22】
【0091】となり、前記図1におけるトランスコンダ
クタンスアンプ11,12を集積回路で実現するにあた
って、抵抗Rh,REに、該集積回路に整合性が良く、
かつ、トランジスタと温度特性の等しい抵抗を使用し、
抵抗Rfoに温度特性が小さい外付け抵抗を使用するこ
とによって、相互コンダクタンスgmの温度依存性を小
さくすることができる。また、電源電圧Vccに対する
依存性も最小限に抑えることができ、このようなバイア
ス回路40を用いることによって、バンドパスフィルタ
4を、複数の電源電圧に対して汎用性を有するものとす
ることができる。
【0092】さらにまた、トランジスタQ42,Q4
3,Q44のエミッタ面積比を調整することによって、
前記電流I1,I2を、所望とするトランスコンダクタ
ンス、したがって中心周波数を得ることができる任意の
値に設定することができ、電源電圧に対する汎用性の拡
大とともに、適用周波数も拡大することができる。
【0093】本発明は、バンドパスフィルタに限らず、
トランスコンダクタンスアンプを用いる他の種類のフィ
ルタにも適用することができる。
【0094】
【発明の効果】請求項1の発明に係るフィルタ回路は、
以上のように、トランスコンダクタンスアンプに、電源
電圧に依存しない電流源を備えるバイアス回路からバイ
アス電流を供給する。
【0095】それゆえ、トランスコンダクタンス、した
がって中心周波数が一定のままで、異なる電源電圧に対
応することができ、汎用性を広げることができる。
【0096】また、請求項2の発明に係るフィルタ回路
は、以上のように、前記電流源を、バンドギャップ電流
源とする。
【0097】それゆえ、請求項1で示す電源電圧に依存
しない電流源を、具体的に実現することができる。
【0098】さらにまた、請求項3の発明に係るフィル
タ回路では、以上のように、前記バイアス回路は、前記
バンドギャップ電流源を基準電流源とし、エミッタ抵抗
値を任意に設定したカレントミラー回路によって、複数
の差動対にそれぞれ固有の定電流を供給する。
【0099】それゆえ、トランスコンダクタンス、した
がって中心周波数を決定するバイアス電流を、所望とす
る任意の値に設定することができ、電源電圧に対する汎
用性の拡大とともに、適用周波数も拡大することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的構成を示すブロ
ック図である。
【図2】図1におけるトランスコンダクタンスアンプ
と、そのバイアス回路との具体的構成を示す電気回路図
である。
【図3】図2におけるバンドギャップ電流源の具体的構
成を示す電気回路図である。
【図4】一般的な赤外線リモコンの受信機の電気的構成
を示す等価回路ブロック図である。
【図5】図4で示す赤外線リモコンの受信機などに用い
られる一般的なバンドパスフィルタの概略的構成を示す
ブロック図である。
【図6】図5で示すバンドパスフィルタに用いられる一
般的なトランスコンダクタンスアンプの具体的構成を示
す電気回路図である。
【図7】図6で示すトランスコンダクタンスアンプに、
典型的な従来技術のバイアス回路を備えた構成の電気回
路図である。
【符号の説明】
1 受信機 2 受光素子 3 アンプ 4 バンドパスフィルタ 5 ピークホールド回路 6 コンパレータ 7 積分回路 8 ヒステリシスコンパレータ 11,12;20 トランスコンダクタンスアンプ 13,14 バッファ 15,16 コンデンサ 21,22 差動入力回路 23 出力回路 40 バイアス回路 41 バンドギャップ電流源(電源電圧に依存しない
電流源)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスコンダクタンスアンプを備えるフ
    ィルタ回路において、 前記トランスコンダクタンスアンプに、電源電圧に依存
    しない電流源を備えるバイアス回路によってバイアス電
    流を供給することを特徴とするフィルタ回路。
  2. 【請求項2】前記電流源は、バンドギャップ電流源であ
    ることを特徴とする請求項1記載のフィルタ回路。
  3. 【請求項3】前記バイアス回路は、前記バンドギャップ
    電流源を基準電流源とし、エミッタ抵抗値を任意に設定
    したカレントミラー回路によって、複数の差動対にそれ
    ぞれ固有の定電流を供給することを特徴とする請求項2
    記載のフィルタ回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100372123B1 (ko) * 1999-03-11 2003-02-14 가부시끼가이샤 도시바 액티브 필터 회로
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