JPH11101969A - 液晶パネル枠,液晶パネル体及び液晶デイスプレイ - Google Patents

液晶パネル枠,液晶パネル体及び液晶デイスプレイ

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JPH11101969A
JPH11101969A JP21271298A JP21271298A JPH11101969A JP H11101969 A JPH11101969 A JP H11101969A JP 21271298 A JP21271298 A JP 21271298A JP 21271298 A JP21271298 A JP 21271298A JP H11101969 A JPH11101969 A JP H11101969A
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crystal panel
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JP21271298A
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Takao Minato
孝夫 湊
Katsuhiro Suzuki
克宏 鈴木
Hisao Hoshi
久夫 星
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐震性、耐衝撃性に優れた液晶パネル構造を
提供する。また、パネル構造体の内部への液晶の浸透過
程と液晶の体積収縮とによって誘導される液晶分子の配
向欠陥及び樹木状の配向欠陥を完全に除去する。 【構成】 少なくとも一方が透明な一対の基板2,3
と、それらの基板の上に形成されていて互いに対向する
一対の電極4,5と、両基板2,3の間に設けられてい
て所定間隔で互いに平行に並べられた複数の隔壁部材8
とを有している。隔壁部材8は、互いに隔離されて平行
に並ぶ複数の直線状空間Rを両基板2,3の間に形成
し、それらの直線状空間内に液晶が封入される。直線状
空間Rの各々の大きさは,幅が50μm乃至2mm,セ
ルギャップが1乃至3μm,長さが少なくとも10cm
である。特に、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶に対し
て好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用、OA(Of
fice Automation)用又は家庭用等の液晶ディスプレイ
に関する。また、そのような液晶ディスプレイに用いら
れる液晶パネル体及び液晶パネル枠に関する。また特
に、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶を用いる場合に好
適な液晶パネル体及び液晶パネル枠に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Dis
play:LCD)は、軽量で薄く形成できるので小型電卓
のための表示体や、テスター等の計測機器のための表示
体や、装飾用、POP用等として図形や文字を平面上に
表示するための表示体等といった各種の表示体として広
く利用されている。最近では、薄膜トランジスタ(TF
T)を用いてフルカラーで動画を表示するテレビや、パ
ソコンやワークステーション用の大容量の薄型端末表示
体としても利用されている。
【0003】上記のような各種の表示体は、主に液晶が
有するシャッター性を利用するものであるが、そのシャ
ッター性を呈する液晶の代表的なものとして、ネマチッ
ク相を用いるツイステッドネマチック(TN)型液晶や
スーパーツイステッドネマチック(STN)型液晶等が
ある。また、カイラルスメクチック相を用いる強誘電性
液晶や反強誘電性液晶等もある。これらの各液晶につい
ては、 (1)「液晶」小林、岡野編著:培風館、1985年 (2)「強誘電性液晶の構造と物性」福田、竹添共著:
(株)コロナ社、1990年 (3)「次世代液晶ディスプレイと液晶材料」福田監
修:シーエムシー(株)、1992年 等に詳述されている。
【0004】強誘電性液晶(FLC: Ferro-Electric
Liquid Crystal)はクラーク等(特開昭56−1072
16号公報、米国特許第4367924号明細書)によ
り提案されている。また、反強誘電性液晶(AFLC:
Anti-Ferro-Electric LiquidCrystal )はチャンダニ等
(A.D .L.Chandani et al 、ジャパニーズ・ジャーナル
・オブ・アプライド・フィジックス誌、28巻、L12
56(1989))により見い出されたものである。い
ずれの液晶も、いわゆる記憶効果を備えているので、T
FT(Thin Film Transistor)のような能動素子を用い
ずに、単純マトリックス駆動で大容量の表示が可能にな
ることが期待されている。
【0005】これらの結晶は、高温側の状態である液体
相(すなわち、等方相)から温度を下げるに従って、例
えばカイラルネマチック相(N* 相)→スメクチックA
(SmA相)→カイラルスメクチックCα相(SmCα
* 相)→SmCβ* 相→SmCγ* 相→SmCA * 相の
ように複雑な相変化を示す。なお、液晶によっては発現
しない相もあり、例えば、反強誘電性液晶ではカイラル
ネマチック相が見い出されていない。また、液晶ディス
プレイに必要な電場に応答する相は、カイラルネマチッ
ク相よりも低温側に位置していて対称性が低く、且つ結
晶状態に近いカイラルスメクチック相であり、具体的に
は、強誘電性液晶(FLC)ではカイラルスメクチック
C相(SmC* 相)であり、反強誘電性液晶(AFL
C)ではカイラルスメクチックCA 相(SmCA *
相),カイラルスメクチックCα相(SmCα* 相),
カイラルスメクチックCβ相(SmCβ* 相),カイラ
ルスメクチックCγ相(SmCγ* 相)のいずれかであ
る。
【0006】しかしながら、強誘電性液晶(FLC)又
は反強誘電性液晶(AFLC)を用いるディスプレイの
実用化には、前記文献(3)にも記載されているよう
に、2つの問題を同時に克服することが必要である。1
つは、大面積の無欠陥なカイラルスメクチック相から成
る薄膜を量産できる製造方法、特に配向制御技術を確立
しなければならないということである。また、他の1つ
は、大面積の無欠陥なカイラルスメクチック相を耐震
性、耐衝撃性に優れた液晶パネル枠によって格納すると
いうことである。
【0007】従来、液晶ディスプレイ(LCD)の製造
方法として、例えば図3に示すような液晶パネル体を用
いる方法が知られている。この方法では、まず、透明電
極104,105を備えた一対のガラス基板102,1
03を微小間隙を開けて互いに接着して液晶封入用のパ
ネル枠を形成する。そして、その微小間隙内に所望の液
晶101を封入して液晶パネル体を形成する。そしてさ
らに、液晶パネル体に偏光板106を貼り合わせ、さら
に駆動用プリント基板や、バックライト等の付帯要素を
実装することによって液晶ディスプレイが作製される。
【0008】液晶封入用のパネル枠を作製する際には、
一対のガラス基板102,103のうちの一方に球状や
円筒状のスペーサ107を多数個配置し、そのまわりに
スクリーン印刷等によってシール部108を枠状に印刷
する。そして、スペーサ107及びシール部108を挟
んで当該ガラス基板に他方のガラス基板を適宜の圧力で
押圧し、この押圧状態で一対のガラス基板を全体的に加
熱してシール部108を加熱硬化させて両ガラス基板を
互いに接着する。
【0009】対向するガラス基板102,103の上に
は、それぞれ透明電極104,105、さらに絶縁膜、
カラーフィルタ等が必要に応じて積層され、さらに、液
晶101に接触する最上部にはその液晶を配向させるた
めの一軸配向処理、例えばラビング処理が施されたポリ
イミド膜109,110が形成される。微小間隙の幅、
すなわちセルギャップは、封入される液晶に応じて1〜
10μmの間の所望の値に設定される。強誘電性液晶
(FLC)や反強誘電性液晶(AFLC)に関しては1
〜3μm、好ましくは1.5〜2μmに設定される。
【0010】液晶封入用のパネル枠への液晶の封入は、
例えば、次のようにして行われる。まず、パネル枠を排
気装置内にセットし、そのパネル枠に形成した開口部を
通してパネル枠内部を排気した後、封入すべき液晶でそ
の開口部を塞ぐ。その後、排気装置内に大気を導入して
開口部の液晶に差圧を与えて、その液晶をパネル枠内部
に浸透させる。浸透速度は差圧によって制御できる。最
も遅いのは、差圧を加えずに表面張力だけで浸透させる
ことである。なお、図3に示した液晶パネル枠の内部
は、仕切りのない連続した単一の空間を成しており、液
晶がその内部空間に浸透する場合は、その内部空間内の
どこへでも浸透可能である。
【0011】浸透温度は、封入される液晶の液体相に対
応する温度であって、強誘電性液晶(FLC)や反強誘
電性液晶(AFLC)では80℃〜120℃程度であ
る。その後、開口部をシールし、温度制御機能付きのオ
ーブン中で再度高温から冷却すると、液体相→カイラル
ネマチック相→スメクチックA相→カイラルスメクチッ
クC相のような相転移を経て、配向したカイラルスメク
チック相を有する液晶パネル体を得る。
【0012】この構造では、シール部108以外の所で
は上下の基板102,103は接着されていないので、
局所的に押されると基板102,103に緩やかな凹凸
が発生して液晶パネル体内の液晶101は流動する。液
晶がネマチック相状態にあれば、そのネマチック相状態
は液体状態に近いので、こうした液晶の流動が生じても
押圧を解除すれば、配向状態が元に戻って何等の問題も
生じない。液晶パネル体を組み込んだ液晶ディスプレイ
をポータブルタイプとして持ち運んだり、あるいはオフ
ィスで日常的に使用する場合、一定の衝撃や物理的スト
レスが基板に加わると、その基板はわずかに変形する
が、衝撃等を解除すれば可逆的に復帰するので問題はな
い。
【0013】一方、強誘電性液晶(FLC)や反強誘電
性液晶(AFLC)がこの種の構造の液晶パネル枠の内
部に封入された場合には、同様にして局所的な押圧や衝
撃により基板が変形すると、その内部の液晶に流動が生
じる。強誘電性液晶等は、通常、図7に示すようなスメ
クチック固有の層構造を有しているが、一旦これに流動
が生じると、ジグザグ欠陥や固有の層構造に乱れが発生
し、これらの乱れは元に戻らない。こうなると、液晶層
を再度、等方相まで加熱し、さらに冷却して再配向させ
る必要があるが、このような作業は、実際上不可能であ
る。液晶層の乱れを防止するためには、配向制御後の付
帯機器の実装工程においても液晶パネル体に振動や衝撃
が印加されないように取り扱いに慎重を期す必要がある
し、さらに液晶ディスプレイとしても衝撃吸収材やパネ
ル面保護部材等の特別な工夫が必要である。これらは、
生産性の低下やコスト増を招き、液晶ディスプレイとし
ての利用範囲を狭めることになる。
【0014】従って、特に強誘電性液晶等の液晶を用い
る場合には、基板が押圧されたり、衝撃を受けたりした
ときにも、内部の液晶に過度の流動が起きないような耐
震耐衝撃性に優れたパネル枠が必要である。そのような
パネル構造を実現できる方法として、一対の基板を互い
にしっかりと接着するという方法が公知である。表示部
面積がA4程度以上の場合では、両基板を接着していな
ければ、どのような形状のスペーサ部材を用いても、配
向制御時、実装工程時及び使用時に必ず基板間に浮きが
発生して全く実用的でない。
【0015】図3に示した従来型の構成において、接着
性のビーズ(すなわち、球状体)を両基板間に散布して
両基板を固着するという技術が特開昭64−18126
号公報に開示されている。また、フォトリソグラフィー
によってドット状(すなわち、円柱形状)の接着性部材
を一方の基板上に形成し、それらの接着性部材によって
両基板をより柔軟且つ強固に接着するという技術が特開
昭63−50817号公報、特開昭62−96925号
公報、特開昭62−118323号公報及び特開平4−
255826号公報等に開示されている。さらに、スト
ライプ状の接着性部材を用いる技術が、特開昭63−5
0817号公報及び特開昭63−135917号公報等
に開示されている。
【0016】上記の各従来技術における接着の目的は、
上下の基板の間隔を一定に保持することや、スペーサを
非画素部に対応させて配置することであって、本発明に
関して特に重要な事項、すなわち(1)液晶パネル枠内
への液晶の浸透のさせ方を規定すること、(2)冷却に
伴う液晶の体積収縮の方向を特定すること、そして
(3)カイラルスメクチック相の層の成長方向の制御を
行うこと等を考慮したものではない。後述するように、
ドット状に接着するもの及びビーズを用いて接着するも
のに関しては、無欠陥のカイラルスメクチック相を得る
ことができない。ストライプ状に接着するものに関して
は、欠陥の少ないカイラルスメクチック相を得られる可
能性があるが、単にストライプ状に接着するということ
だけでは不十分である。
【0017】次に、接着性部材によって両基板を接着し
た液晶パネル体及び接着性部材を用いずに単にビーズ等
で両基板間の間隔を保持する形式の液晶パネル体であっ
て、セルギャップ(すなわち、基板間隔)を2μm程度
以下に設定し、さらに通常のラビング処理を施したもの
に強誘電性液晶を浸透させて液晶パネル体を形成した
後、オーブン中あるいは液体中でその液晶パネル体を冷
却した場合の強誘電性液晶の初期配向状態について簡単
に説明する。
【0018】強誘電性液晶を高温状態相から冷却して得
られたSmC* 相の層には、結晶状体に固有の配向異常
が必ず見い出される。この配向異常には、ループ状のジ
グザグ欠陥(図4の符号113)や、隣り合う結晶層ド
メインが互いにぶつかる部分に発生する樹木状欠陥(図
5の符号114)や、直線に近いタイプの欠陥(図6の
符号115)等がある。
【0019】両基板間に非接着型のスペーサを散布する
場合及びドット型スペーサをランダムに配置して両基板
を互いに接着する場合には、ループ状のジグザグ欠陥が
多く見られ、また希に樹木状欠陥が見られる。さらに、
図18に示すように、ドット状の微細なスペーサ107
を規則的に配置して両基板を互いに接着した場合では、
スペーサ107の規則性の周期に同期したジグザグ欠陥
116が発生した。非接着のストライプ状スペーサを用
いた場合にも同様なジグザグ欠陥が多数発生する。
【0020】ストライプ状スペーサによって両基板を接
着した場合には、パネル面を2〜3分割する大きなジグ
ザグ欠陥が見い出され、さらにその内部に直線状及び樹
木状の配向欠陥が多く見い出される。つまり、ストライ
プ状スペーサによって両基板を接着した場合には、ジグ
ザグ欠陥の発生量が小さくはなるものの、欠陥を完全に
なくすためにはそのような接着だけでは不十分だという
ことである。また、この場合、液晶パネル体を急速に冷
却すると、隣り合うストライプ状スペーサの間の間隙
に、液晶層が相反する方向へ収縮することによって形成
される狭い空隙が見い出される。
【0021】ジグザグ欠陥等の配向欠陥が電極上に1つ
でも存在すると、その配向欠陥の両側で直線偏光に対す
る屈折率が異なったときに、わずかな濃淡差が生じるこ
と、液晶ディスプレイの駆動時に欠陥自身が絶えず輝く
こと、さらに新たな欠陥の発生の温床になること等とい
った問題があるので、実用に供することは難しい。この
ことは、空隙が生じる場合でも同様である。
【0022】ジグザグ欠陥の構造及びその排除の方策に
ついては、上記文献(3)に既述がある。これによれば
ジグザグ欠陥は、SmC* 相が図7に示すシェブロン
(chevron )構造をとるために、必然的に発生するもの
と考えられている。このシェブロン構造というのはカイ
ラルスメクチック相の層が”《”の形状に湾曲する現象
である。この湾曲方向は一義的には決まらず、図の左を
向くもの111と、右を向くもの112との2通りがあ
り、各々の境界にジグザグ欠陥113が発生する。図8
に示すように、カイラルスメクチック層Sが理想的なブ
ックシェルフ構造をとるのであれば、ドメイン状のジグ
ザグ欠陥は発生しないものと考えられるが、樹木状欠陥
及び線状欠陥は発現する可能性はある。なお、図7及び
図8において符号Kは基板と液晶層との界面を示してい
る。
【0023】ジグザグ欠陥を解消するために、シェブロ
ン構造における液晶層の撓み方向を1つの方向に固定す
る方法として、(1)液晶層内の液晶分子軸を基板に対
して平行ではなく、一定方向に大きく有限な角度を予め
形成する方法、すなわちプレチルト角を大きくとる方法
(「次世代液晶ディスプレイと液晶材料」福田監修,8
5ページ,シーエムシー(株),1992年)、(2)
適正な液晶材料を用い、さらに配向膜とラビング方向と
の組み合わせを適正にすること(同誌,19ページ)、
あるいは、(3)スメクチックA相→SmC* 相の相転
移のときに層の折れ曲がり(すなわち、スメクチック相
の層間隔の減少)の少ない強誘電性液晶(FLC)材料
を用いる方法(同誌,37ページ)等が例示されてい
る。
【0024】しかしながら、(1)の方法では斜め蒸着
法が採用されており、表示部がB5サイズ以上の大面積
の配向ではほとんど効果がない。また、(2)及び
(3)の方法は特定の材料に対してのみ有効であり、材
料の進歩に対して有効でないし、そのような特定の材料
を得る明確な指針があるわけではない。さらに付け加え
れば、仮に上記の各方法によって結晶層の撓み方向を一
定方向に揃えられたとしても、液晶の冷却工程において
ドメイン管の衝突に起因して発生する欠陥や、液晶の体
積収縮に起因して発生する欠陥までも解消することはで
きない。
【0025】一方、反強誘電性液晶(AFLC)ではカ
イラルネマチック相の層が無いので、等方相からスメク
チックA(SmA)相が直接に析出、すなわち核成長す
ることが強誘電性液晶(FLC)と異なる。欠陥は、等
方相からスメクチックA(SmA)相へ転移する場合
と、SmA相から反強誘電状態、例えばSmCA*相へ転
移する場合に目視される。SmA相からSmCA*相へ転
移する場合に見られる欠陥は、強誘電性液晶(FLC)
の場合と同様である。
【0026】等方相からスメクチックA(SmA)相が
析出する仕方としては、まず、ラビング方向に平行に成
長しながら析出するが、一般には、同じかわずかに遅い
速度でラビング方向に対して垂直方向にも広がりながら
析出する。この場合の配向欠陥としては、 (1)異なる場所で成長したSmA相ドメインが衝突す
る部分に発生するもの(図9の符号X) (2)ラビング方向に対してある角度方向に成長する速
度が速いドメインであって、それを囲む周囲と配向方向
が若干異なる部分に発生するもの(図10の符号Y) (3)液晶が蛇行した部分に発生する場合が多いが、ス
メクチック相の層の層方向が大きく食い違った部分に発
生するもの(図11の符号Z) 等がある。(1)の欠陥は、ラビング方向に対して略垂
直に延びるヒモ状であり、小さいが数が多い。(2)の
発現理由は不明ではあるが、面積としては大きい。
【0027】(1)と(3)の欠陥は似ているが、食い
違いの大きさが異なっている。(1)の欠陥に関して
は、欠陥を境とする両ドメインの層方向は基本的にラビ
ング方向に規定されていて同一である。またこの欠陥
は、両ドメインが異なる方向から成長してきたことによ
って形成されるものなので、わずかの食い違いである。
こうした欠陥は、SmCA*相にも引き継がれて欠陥とし
て残るものである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したカ
イラルスメクチック相の層に必然的に生じる配向欠陥を
物理的法則性に基づいて完全に除去できる液晶パネル
枠、液晶パネル体及び液晶ディスプレイを提供すること
を目的とする。また、その配向欠陥を除去した状態を、
液晶ディスプレイの製造工程や液晶パネル体の実際の使
用時において確実に安定して保持できる液晶パネル枠等
を提供することを目的とする。
【0029】より具体的には、耐震性及び耐衝撃性に優
れた液晶パネル構造を提供することを目的とする。ま
た、液晶の流れに乱れや歪みを発生させることなく、液
晶を安定した状態で液晶パネル枠内に浸透させることが
できる液晶パネル構造を提供することを目的とする。ま
た、液晶の体積収縮方向の制御可能な液晶パネル構造を
提供することを目的とする。さらに別の目的は、カイラ
ルスメクチック相の層の成長の制御可能な液晶パネル構
造を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る液晶パネル枠は、少なくとも一方が透
明な一対の基板と、それらの基板上に形成されていて互
いに対向する一対の電極と、両基板間に設けられていて
所定の間隔をおいて互いに平行に並べられた複数の直線
状の隔壁部材と、上記一対の基板のうちの少なくとも一
方の上に形成されていて一軸配向処理が施される配向膜
とを有している。そして各隔壁部材は、一軸配向処理の
方向に対して略平行に延びており、さらに各隔壁部材
は、対向する基板に接着されることにより、液晶通過用
の開口端部以外の部分が液体に対して密閉された状態の
直線状空間を形成する。
【0031】また、本発明にかかる液晶パネル体は、上
記の液晶パネル枠の各直線状空間の内部に強誘電性液晶
又は反強誘電性液晶を封入することによって形成され
る。
【0032】直線状空間の長さは液晶パネル体の有効表
示エリアよりも長いことが望ましい。空間の出入口は不
可避的に配向異常が生じるため、概ね8mm以上,より
好ましくは12mm以上に長くする。
【0033】また、一対の電極としては、複数の直線状
電極を一定ピッチで平行に並べたストライプ状電極や、
単一平面として形成される平面状電極等を用いることが
できる。ストライプ状電極は、通常の液晶ディスプレイ
において広く用いられている。このストライプ状電極に
関しては、上下一対のストライプ状電極を互いに直角方
向に配置して、それらのうちのいずれかを選択的に通電
することにより液晶ディスプレイをマトリクス駆動す
る。平面状電極は、基板の上に広く一様に形成される電
極のことである。この平面状電極を用いた液晶パネル体
に関しては、例えば、その平面状電極の適宜の座標位置
にレーザ光を照射することによって適宜のデータを書き
込むことができる。
【0034】ストライプ状電極を用いる場合、隔壁部材
は一方のストライプ状電極の各電極間に位置するように
設けられる。場合によっては、各電極間ごとに隔壁部材
を配置するのではなく、電極の2つおき、又は3つおき
といったように、適当なピッチで隔壁部材を配置するこ
ともできる。このとき、隔壁部材の側面と各電極との間
の距離は、できるだけ狭く設定するのが良い。望ましく
は、5μm以下に設定する。隔壁部材は遮光層としての
働きがあるので、隙間が広いと定常的な透過光の漏れが
増してコントラストが低下するからである。
【0035】液晶パネル体の内部に収容される強誘電性
液晶の相状態は、例えば、カイラルスメクチックC相に
設定される。また、収容される反強誘電性液晶の相状態
は、カイラルスメクチックCA 相、カイラルスメクチッ
クCα相、カイラルスメクチックCβ相、カイラルスメ
クチックCγ相のいずれかである。
【0036】また、隔壁部材には、黒色系着色材料が分
散されることが望ましい。隔壁部材はそれ自身で遮光性
を有するが、これが最も有効なのは2枚の偏光板が完全
なクロスニコル、すなわち完全な直交配置になる場合で
ある。ところが一般には、完全なクロスニコルでは動作
しないので、遮光性が低下する。隔壁部材の中に黒色系
着色部材を分散すれば、そのような遮光性の低下を改善
できる。
【0037】ところで、液晶ディスプレイは、通常、図
20に符号15で示すように、液晶パネル体1に付帯機
器、例えば駆動用ICを実装したプリント基板20や、
バックライト11や、上下フレーム12a,12b等を
組み付けることによって作製される。また、そのような
液晶ディスプレイ15を用いて、例えば図21に示すよ
うな表示装置16を作製できる。この表示装置16は、
例えばコンピュータのための出力装置として使用され
る。この表示装置16は、支持用スタンド13と、その
スタンド13によって支持された方形状のフレーム14
とを有している。液晶ディスプレイ15は、フレーム1
4のほぼ中央に設置される。この表示装置16に関して
は、液晶パネル体1内の隔壁部材8が水平方向に延びる
ように液晶パネル体1を位置設定することが望ましい。
【0038】液晶パネル体が大面積になれば、その液晶
パネル体を垂直方向に立てた場合、下方位置に存在する
液晶にはそれよりも上方位置に存在する液晶の自重によ
って大きな荷重が加わる。何等の措置も講じておかない
と、下方位置に存在する液晶の配向が荷重の作用によっ
て破壊されて配向異常が発生するおそれがある。これに
対し、図21のように隔壁部材8を水平方向に配置して
おけば、各部の液晶の荷重は各隔壁部材8によって受け
持たれることになり、よって、液晶内に配向異常が発生
するのを防止できる。
【0039】上記の液晶パネル枠又は液晶パネル体にお
いて、一軸配向処理というのは、液晶分子を一定の方向
に揃えるために行なう処理のことであって、例えば、ラ
ビング処理、斜方蒸着処理等が考えられる。
【0040】本発明の対象となる液晶パネル枠又は液晶
パネル体は、例えば、図1に示すような構造を有する。
また、この液晶パネル枠等を上方から見ると、図2に示
すような構造になっている。図1において、一方のガラ
ス基板3の上に形成されたストライプ状の透明電極5の
間に、セルギャップGに対応する厚さを有する直線状の
隔壁部材8が形成されている。隔壁部材8には、適当な
手段によって他のガラス基板2が接着され、これによ
り、一対の基板が完全に接着していて、さらにセルギャ
ップGが正確に規定された液晶封入用の液晶パネル枠が
構成される。
【0041】符号9及び符号7はポリイミド配向膜であ
る。符号4は、一方の透明電極5に対向していてその透
明電極5に対して直角方向にストライプ状に延びる対向
透明電極である。符号6は絶縁膜である。絶縁膜として
は、例えばアルミナやシリカの1000オングストロー
ム程度の薄膜を用いることができる。また、絶縁膜は両
側に設けることもできる。カラーフィルタはいずれか一
方の透明電極の下側に設けることができる。この構成に
より、各隔壁部材8の間に直線状の空間Rが形成されて
いる。これらの空間Rの中に強誘電性液晶(FLC)又
は反強誘電性液晶(AFLC)を封入することにより、
液晶パネル体1が作製される。
【0042】ストライプ状電極5の上の直線状空間Rは
隔壁部材8によって相互に隔たっており、図2において
先端部分22の開口部及び後端部分23の開口部を除い
て、完全な閉空間を成している。すなわち、開口以外の
部分は液体に対して密閉されている。後端部分23は、
シール部21と接着して閉じることもできる。直線状空
間Rの断面形状は、偏平な四辺形状、すなわち長方形状
になる。この場合、長方形の長辺Lの最小の幅は、スト
ライプ状電極5の線幅と同程度、例えば約50〜500
μmに自動的に設定される。長方形の短辺Sは、セルギ
ャップGと同程度、例えば1〜3μmに設定する。直線
状空間Rの断面形状は、厳密には透明電極5の厚さによ
る段差や、透明電極5の表面の多少の凹凸や、隔壁部材
8の側面の撓みや、あるいは四隅の丸み等の影響によっ
て完全な四辺形とはならない。
【0043】直線状空間Rを区切る隔壁としての隔壁部
材8の幅Wは、隣接する2つの電極5の間の距離程度以
下、例えば10〜100μmに設定する。直線状空間R
の長さLR (図2)は、表示部Dとして働く電極の長
さ、例えば10〜40cmよりも長く設定する。このよ
うに直線状空間Rの長さを表示部Dよりも長く設定する
のは、直線状空間Rの液晶出入口では5〜10mm程度
の長さLE 又はLX で配向異常Eが見られるからであ
る。このような直線状空間Rを基板上に連続して形成す
るための具体的な方法それ自体は、本出願人により特開
昭62−96925号公報において開示されている。
【0044】一軸配向処理は、直線状空間Rの延びる方
向に略平行に空間Rの内壁に付与される。一軸配向処理
としては、例えば、ラビング処理、斜方蒸着処理等が用
いられるが、大面積のパネル体を対象とする場合には、
生産性及び配向能力からみてラビング処理が望ましい。
このラビング処理は、液晶通路となる直線状空間を形成
する面、すなわち液晶に接触する4面のうち、幅の広い
2面P1及びP2(図1)の少なくとも一方に途切れる
ことなく付与する。これと直角方向に対向する2面P3
及びP4についてもラビング処理は不可能ではないが、
これらの面だけでは十分な結晶分子の配向性は得られな
い。
【0045】対向する2面P1及びP2に配向性を付与
する場合、ラビング方向の揃え方は平行又は反平行のい
ずれかを選択できる。平行というのは、2面P1及びP
2のラビング方向を同一方向(↑↑)に揃える場合のこ
とであり、反平行というのは、2面P1及びP2のラビ
ング方向を逆方向(↑↓)に設定する場合のことであ
る。しかしながら、何等かの要請により、2面P1及び
P2の間で完全にラビング方向を揃えずに、互いに一定
の角度を持たせて対向させても良い。この場合には、両
ラビング方向の成す角の中心線を隔壁部材8の延びる方
向と一致させることが望ましい。このときの両ラビング
方向の角度差は、望ましくは12゜以内に納める。ま
た、一方のラビング方向と隔壁部材8の延びる方向を略
一致させる場合には、両ラビング方向の角度差は6゜以
内に納める。2面P1及びP2の間でラビング方向を一
致させる場合は、ラビング方向と隔壁部材8の延びる方
向との成す角度も必ずしも平行である必要はない。しか
しながら、望ましくは、ラビング方向と隔壁部材8との
成す角度は、12゜以内に納める。
【0046】次に、本発明で採用する液晶封入用の液晶
パネル枠の構造の利点を液晶の浸透の観点から説明す
る。ここでの主要な問題は、(1)液晶と配向膜との親
和性の問題及び(2)液晶がパネル枠内へ浸透するとき
の液晶の蛇行に起因して発生する気泡の残存と液晶の歪
みの蓄積の問題である。強誘電性液晶(FLC)及び反
強誘電性液晶(AFLC)のいずれであっても、それが
液晶パネル枠の内部に浸透する際には、パネル枠の深部
までラビング方向に平行に且つラビングした向きに直線
的に浸透することが望ましい。その理由は、差圧及び温
度に関して同じ条件で液晶を浸透させた場合、ラビング
方向と浸透方向とが角度的にずれると、それに従って浸
透速度が遅くなることが観測されるからである。換言す
れば、ラビング方向と浸透方向との間で角度を付けると
配向膜面と液晶との親和性が低下するからである。例え
ば、表面張力だけで液晶をパネル枠内へ浸透させると、
配向膜に対して液晶を最も自然で安定な状態で配座させ
ることができるが、この場合、ラビング方向と浸透方向
との成す角度を直交させると、概ね2〜4倍程度の速度
差が生じる。
【0047】配向膜と液晶との親和性が良いほど、液晶
はパネル枠の内部に速く浸透するので製造上有利であ
り、液晶が配向膜上に自然な状態で配座して安定であ
り、しかも配向膜の働きによる液晶内部に対する配向性
も強くなる。逆に、ラビング方向と液晶の浸透方向との
傾きを大きくすれば、それにつれて液晶が蛇行すること
も多くなり、エアーポケット、すなわち気泡又は空隙が
生じ易くなる。また、液晶は高粘性であるので、液晶の
蛇行パターンは不安定な配座として液晶自身に記憶さ
れ、その蛇行部分の周囲に歪みを蓄積する。これは、そ
のまま配向異常として発現したり、あるいは液晶の体積
変化に伴って配向異常を誘起する一因となる。ラビング
方向に対して直角方向に液晶を浸透させた場合には、そ
の後に液晶パネル体を本発明に従った最も良好な条件で
冷却したとしても、ジグザグ欠陥が相対的に増えること
が実際に見い出された。この現象は、隔壁部材によって
両基板を接着するか、あるいは接着しないかにかかわら
ず、又隔壁部材の形状にかかわらず発生した。
【0048】次に、液晶をラビング方向に沿って直進状
態で浸透させる手段について説明する。このためには、
一対の基板間にできるだけ狭く仕切られた真っ直ぐな通
路を形成し、その通路内で液晶を浸透させることが望ま
しい。そのような通路は、浸透すべき距離が長くなれば
なる程、すなわち液晶パネル体が大面積になればなる
程、必要である。このことを液晶封入用の液晶パネル枠
に則して述べれば、図1に示すように断面積が狭くて、
しかもラビング方向に延びる直線状空間R内で液晶を浸
透させるということである。
【0049】さらに、ストライプ状の隔壁部材で上下の
基板を完全に接着してセルギャップを均一に保持すると
いうことも必要である。ビーズ状スペーサやドット状ス
ペーサ等のようにストライプ状の隔壁部材を用いない場
合には、上下の基板の間が、解放された単一の空間にな
り、液晶は原理的にどこへでも浸透可能である。一般に
はラビング方向に浸透しやすい傾向があるにしても、実
際にはセルギャップの相対的に狭い部分に最初に浸透す
る。これは、液晶の流れが乱れて蛇行することであっ
て、最悪の場合には気泡として未浸透部が残ったり、又
はその蛇行が液晶自身に記憶されて蛇行部分の周囲に液
晶の歪みとして蓄積する。この傾向は、両基板が接着さ
れていない形式のパネル枠に関して甚だしいが、仮に両
基板が接着される形式のパネル枠であってもドット状の
スペーサを用いる場合には、液晶の蛇行を完全に防止す
ることはできない。その上、ドット状のスペーサを用い
る場合は、スペーサの存在自体が液晶の流れの乱れを引
き起こし、そのスペーサの周囲に液晶の歪みを蓄積する
こともある。
【0050】こうしてみると、望ましい液晶の浸透状態
を得るためには、ストライプ状の隔壁部材によって両基
板間に直線状空間を形成して、液晶をその内部で浸透さ
せることが有効である。このような直線状空間をラビン
グ方向に対して平行に形成するものの、隔壁部材を基板
に接着させない構造、すなわち直線状空間が密閉されて
いない構造のパネル枠は、特開昭61−205919号
公報、特開昭61−205921号公報に開示されてい
る。しかしながらこの構造を用いて大面積の液晶パネル
体を製造すると、隔壁部材と基板との間に必ず浮きが発
生し、その箇所で液晶の流れが乱れて液晶を直進させる
ことが困難になる。この問題を解消するために、液晶を
浸透させるときに一時的に両基板を密着させることも考
えられるが、その場合には両基板を密着させるための特
別な工夫が必要となり、さらに、液晶パネル体に駆動用
トランジスタやバックライト等を装着して液晶ディスプ
レイを製造する時や、製造した液晶ディスプレイを使用
する時に、液晶パネル体の耐震耐衝撃性が不十分となっ
て実用性がない。
【0051】次に、本発明の構成が有利である別の理由
を、カイラルスメクチック相の層の成長態様の面から詳
細に説明する。まず、配向膜の面状が適正に形成された
基板の面積がB5版程度の大きさである液晶封入用のパ
ネル枠に強誘電性液晶(FLC)を高温状態相でラビン
グ方向に平行に浸透させて液晶パネル体を作る。パネル
枠は、(1)ストライプ状隔壁部材で両基板を接着した
もの、(2)ドット状部材で両基板を接着したもの、そ
して(3)ストライプ状部材で両基板を非接着のものの
3種類で比較した。これらの各パネル枠を用いた液晶パ
ネル体を、液晶が液体相を呈する温度に設定された水を
収容した恒温水槽中に浸漬した後、0.5℃/分程度の
速さで冷却する。液体中で冷却するのは、液晶パネル体
の全面を可能な限り均一に冷却するためである。
【0052】すると、ドット状部材で両基板を接着した
液晶パネル体及びストライプ状部材を挟むだけで両基板
が非接着状態の液晶パネル体では、両基板間に形成され
る液晶封入用の空間が単一空間として解放されているの
で、大小のジグザグ欠陥や樹木状欠陥が多数発生した。
これに対し、ストライプ状隔壁部材で接着したものにつ
いては、無欠陥の配向状態が安定して得られた。しかし
ながら、ストライプ状隔壁部材で接着したものの場合で
も、液晶表示部のサイズをA4版、さらにはB4版へと
大きくするにつれて、無欠陥配向は得られなくなった。
【0053】配向欠陥の傾向としては、非接着のストラ
イプ状部材を用いるものと、接着又は非接着のドット状
部材を用いるものの両方とも、大小のジグザグ欠陥が多
く見られ、これに樹木状欠陥が若干加わるようである。
ストライプ状隔壁部材で両基板を接着した形式の液晶パ
ネル体では、配向欠陥の数が少なくなるものの、本発明
の特徴とする冷却方法を用いることなく、例えば単にオ
ーブン中で冷却等をする場合には、液晶パネル体の面内
を2〜3分割するジグザグ欠陥や、樹木状欠陥や、線状
欠陥等が存在する。
【0054】そこで、顕微鏡で観察できる範囲でSmA
相からSmC* 相が発生して成長する様子について、図
12及び図13を用いて説明する。まず初めは、液晶の
全面がSmA相であり(図12(a))、SmA相から
SmC* 相への転移が開始すると歪んだような状態のS
mC* 相ドメインが見え初め(図12(b))、さらに
ジグザグ欠陥ができ始める(図12(c))。その後、
SmC* 相ドメインがさらに成長し(図13(d))、
そして隣同士のSmC* 相ドメインが出会う(図13
(e))。
【0055】この場合のドメインの出会い方としては次
の2つのケースがある。1つは、層の撓み方向が同じで
あるドメインが出会う場合であり、出会ったところのな
じみが悪いと樹木状欠陥又は線状欠陥として内部に残る
ことがある(図13(f))。これは、先の反強誘電性
液晶(AFLC)における配向欠陥の発生理由の1つで
ある理由、すなわち異なる場所で成長したSmA相ドメ
インが衝突する部分に発生するもの(図9)、に酷似し
た欠陥である。この欠陥については、仮に合体したドメ
インの最も外側の境界が液晶表示体の表示部に使う領域
の外側に出れば、表示部の内部には同じ撓み方向のドメ
インだけが存在することになる。ドメインの出会い方の
他の1つは、液晶層の撓み方向が異なっているドメイン
がそれぞれ個別に成長して、最終的に出会うものであ
る。この出会い方によれば、真性のジグザグ欠陥が発生
し、さらに個々のドメインの内部に、衝突による樹木状
欠陥が存在することもある。
【0056】ドメインの衝突によって発生する欠陥とは
別に、全体が1つの成長したドメインのように見える
が、あるタイミングでその内部に小さなループ状のジグ
ザグ欠陥ドメインが突如発現することがある。これは、
ドット状のスペーサ部材を散布又は接着した場合に多く
見られる。
【0057】ジグザグ欠陥が成長する理由として、次の
理由が考えられる。SmA相からSmC* 相に転移する
と、SmA相の層内の分子が層法線方向から傾斜するた
め、SmA相の層の間隔が狭くなる。この狭くなる距離
は、分子の長さの1割、すなわち約3オングストローム
程度である。液晶相の転移点近傍で液晶の体積変化が少
ないとすれば、この層間隔の減少を補償するために液晶
内のどこかの長さがわずかに伸びているはずである。し
かしながら液晶全体としては温度低下による収縮が支配
的である。
【0058】上記の液晶の伸びの1つはセルギャップ方
向へ伸びるものであるが、これは対向する一対のガラス
基板によって束縛されるので、伸びた分だけ湾曲、すな
わち撓むことになる。伸びのもう1つはこれと垂直方
向、すなわちガラス基板と平行な成分の伸びである。実
際はこれらの組み合わせとして出現するのであるが、量
的には、セルギャップ方向への伸びの方が大きい。テー
・ピー・レイカー等(フィジカル・レビュー,A37,
1053(1988))によれば、伸びた量にほぼ比例
する層の撓みが見い出されており、この撓み構造が図7
に示すシェブロン構造といわれるものである。一般に、
層が撓む方向は、符号111で示す方向のものと、符号
112で示すものとの2通りがあり、それぞれの向きを
有するドメインの境界がジグザグ欠陥113である。
【0059】樹木状欠陥は、通常、同じ撓み方向のドメ
イン同士の衝突によって生成すると考えられる。本発明
のように、直線状空間を対向する一対のガラス基板の間
に多数個連続して互いに平行に形成して、それらの空間
内に液晶を封入して液晶パネル体を構成するようにして
も、従来通りの冷却処理、例えばオーブン中で均一に冷
却するものとすれば、この種の樹木状欠陥は発生する。
しかしながら、発生する欠陥の量は、解放された単一の
空間内に液晶を封入するという従来型の液晶パネル体に
比べて、非常に少なかった。これは、細くて狭い空間に
液晶が規制されているかどうかによって生じる差であ
る。すなわち、本発明では、隔壁部材の働きによる直線
状の隔壁が存在するので、液晶相ドメインが図13に矢
印Z−Zで示す横方向、すなわち隔壁部材に対して直角
の方向に成長して互いに衝突することが断然少ないから
である。結晶核が1個発生する領域のサイズを単位面積
1とすると一辺がaの領域では衝突する回数は概ね2a
2 −2aに比例する(a》1)。これは大面積では無視
できなくなる。
【0060】ドット状のスペーサを用いる場合は、それ
らのスペーサによって両基板を接着するときでも、ある
いは接着しないときでも、仮に液晶層の撓み方向を一定
方向に規定できたとしても、液晶相ドメインの衝突によ
る欠陥の発生を大面積の領域内では回避できない。本発
明に係る液晶パネル体の構造を採用しても、直線状空間
に対して平行にドメインが成長して樹木状欠陥が発生す
る確率は皆無ではないが、この確率は、本発明に係る液
晶パネル体の冷却処理を採用することによって確実に低
くなる。
【0061】次に、本発明の最も主要な要素であるカイ
ラルスメクチック相の層の撓み方向を規制する手段と、
それを支える法則的な事実を説明する。配向欠陥を引き
起こす核、すなわち微小なドメインの発生原因は、局所
的な温度ムラである。液晶パネル体のサイズが大きくな
ると、熱容量がどんなに大きな媒体中にその液晶パネル
体を浸しても、温度ムラの発生を阻止できない。阻止す
るには非常に大がかりな冷却装置が必要となり、現実に
は実現不可能である。そこで、液晶パネル体に関して局
部的に温度が低下するときに、液晶層内に何が生じるか
について実験的に検討を重ねたところ、本発明者は、次
の法則的及び経験的事実を見い出した。
【0062】すなわち、シェブロン構造における液晶層
の撓む向きは、時間的に先に温度が下がった方向を向い
ているということである。このような現象が起こる原因
は、冷却に伴う液晶の体積収縮が関与していると推察さ
れた。この現象は、配向膜と液晶との組み合わせには依
存しなかった。
【0063】既述のように、液晶相の転移点でセルギャ
ップ方向に液晶層が伸びるのにほぼ同期して、周囲から
冷却点の中心部に向かって必ず大きな体積収縮があり、
これが周囲部分を冷却点方向へ向かって引っ張り、その
結果、基板に平行な層の中心部がその方向にずれやすい
ということである。すなわち、図14の(a)及び
(b)に模式的に示すように、時間的に先に冷却された
箇所Qに向かって液晶層Aが撓みやすいということであ
り、どの部分が先に冷却されるかによってその撓み方向
が決まる確率が高いということである。なお、図14に
おいて、符号Mは液晶分子を示している。
【0064】上記のことから、液晶パネル体を一方向か
ら冷却すれば、液晶層の撓む方向を必ず一定の方向に規
定できることがわかる。配向膜と液晶との相互作用でカ
イラルスメクチック相の層の層法線方向は、ラビング方
向にほぼ平行となるように規制されているので、撓む方
向は冷却点を中心とする同心円状にはならない。本発明
では、スメクチック相の層の撓む方向を限定するため
に、液晶パネル体を温度勾配が絶対に逆にならないよう
に一端から意図的にラビング方向に対して平行に温度勾
配を与えながら冷却して、その液晶層の撓む方向を一定
方向に規制する。これにより、原理的にも実際的にも液
晶層の撓む方向を規定できる。
【0065】実際に、どのような構成の液晶パネル体で
あっても、ラビング方向に沿って温度勾配がかかるよう
に液晶パネル体を意図的に冷却すると、液晶層はほとん
ど1つの方向に撓んだ。温度勾配を与えながら冷却する
ための好適な方法としては、例えば、一定温度に保った
液体中に液晶パネル体を浸漬し、その後、一定速度で液
晶パネル体を引き上げるか、あるいは液体を排水するこ
とで気液界面を移動するという方法を採用できる。しか
しながら、このような冷却方法を用いたとしても、その
冷却対象が本発明に係る構造を有する液晶パネル体でな
い場合には、ジグザグ欠陥や樹木状欠陥が発生する。
【0066】温度勾配の方向とラビング方向(すなわち
隔壁部材の延びる方向)との成す角度に関しては、温度
勾配の最大の成分がラビング方向と必ずしも平行になら
なければならないということではない。例えば、高温部
又は低温部として働く液体から液晶パネル体を引き上げ
ることによってその液晶パネル体に温度勾配を生じさせ
る場合、液晶パネル体のラビング方向を気液界面に対し
て垂直な方向から適宜角度θだけ傾けたまま、液晶パネ
ル体を垂直方向に引き上げることができるというような
場合である。
【0067】傾斜角度θが90゜のときはラビング方向
に関して温度勾配は発生しないから、このような状態で
は、欠陥が多数発生することがある。しかし、θを70
゜以下、より好ましくは60゜以下にすれば、欠陥は生
じなかった。θが大きいと液晶層が撓む向きがラビング
処理によって決まる液晶層の層方向から大きくずれよう
とするからである。
【0068】一方、本発明に係る液晶パネル枠及び液晶
パネル体を採用することの別の利点は、樹木状欠陥の発
生を確実に阻止できることである。すなわち、液晶パネ
ル体を、隔壁部材によって形成される直線状空間の一方
の端部側から他方の端部側へ向かって順次冷却するもの
とすれば、隔壁部材に対して平行方向の異なる所で液晶
相ドメインが同時に成長することはなくなり、従って、
隔壁部材に対して平行の方向にはドメインの衝突に起因
する樹木状欠陥はほとんど発生しない。
【0069】一方、液晶内に発生するドメインはストラ
イプ状の隔壁部材に対して直角の方向、すなわち図1の
直線状空間Rの幅方向L、に並んで成長するので、その
方向に関してはドメイン同士の衝突による樹木樹欠陥が
発生する可能性はある。しかしながら、隣り合う隔壁部
材8の間隔Lを狭くすることにより、そのような樹木状
欠陥の発生は確実に解消される。その間隔Lを電極5の
幅に等しく設定した場合に、樹木状欠陥の発生の確率は
最小になる。平面状電極の場合は、隔壁部材の間隔Lを
任意に設定できるが、その間隔Lを2mm以下に設定す
れば、この種の樹木状欠陥は全く発生しなかった。こう
して、ジグザグ欠陥と樹木状欠陥との2つの配向異常を
同時に消滅させることができる。隔壁部材8の間隔L、
すなわち直線状空間Rの幅Lを2mm以下に設定し、さ
らにセルギャップGを3μm以下に設定することが望ま
しいということから、直線状空間Rの断面積は0.00
6mm2 以下であることが望ましいということになる。
【0070】次に、本発明に係る構造の液晶パネル体及
びそれを冷却するための特定の冷却方法を用いることに
よって得られる利点を、液晶の体積収縮に伴う物質移動
の円滑化の観点から説明する。この観点からみて解消で
きると考えられる欠陥は、主として、線状欠陥及び図1
4(b)の中央部分に見られる空隙であると思われる。
この空隙は、通常、液晶パネル体を不均一に冷却した場
合に発生する。液晶層の撓み方向を1つの方向に限定す
るため、液晶パネル体の一端からラビング方向に沿って
その液晶パネル体を冷却するとしても、その冷却方向に
は互いに相反する2通りの方向が考えられ、そのうちの
一方は線状欠陥を発生させる場合がある。しかしなが
ら、このような場合でも、全ての線状欠陥は、適正に選
択された他の一方向からラビング方向に沿ってゆっくり
と温度を低下すると完全に消失する。
【0071】液体相からSmC* 相が発現する様子を図
15(a)〜(c)に模式的に示す。(a)では、ガラ
ス基板2に封入された液晶1の全体が高温状態に置かれ
て液体相を呈している。(b)において、図の上方から
徐々に冷却を行うと、液晶内部が、液体相→カイラルネ
マチック(N* )相→SmA相→SmC* 相の順で相転
移する。このとき、配向膜近傍を除いた大部分の液晶
は、矢印B方向へ移動しながら全体として収縮は矢印C
方向へ進行する。(c)では、冷却の進行に従って、無
欠陥のSmC* 相の領域が増える。このような相変化及
び液晶の移動が円滑にいかないと一時的な線状欠陥が発
生すると推察され、甚だしい場合は液晶の移動の進行方
向に直角方向に空隙が発生する。希には、ラビング方向
に対して平行に空隙が発生することもある。
【0072】模型的に述べると、ラビング処理のために
配向膜に形成される溝、すなわちラビング溝によって誘
導される液晶の移動が、隣接するラビング溝間でわずか
に食い違うと線状欠陥となると考えられる。これは、オ
ーブンを用いた冷却では冷却が不均一であるので、隣接
する個別のラビング溝上での物質移動の同期がとれにく
いからである。
【0073】線状欠陥が発生する別の原因は、ストライ
プ状隔壁部材の延びる方向とラビング方向とが平行でな
い場合に、冷却に伴う液晶の収縮が隔壁部材に突き当た
って妨げられることである。収縮が止められた部分に
は、はっきりとした欠陥が現れない場合でも、その部分
には液晶の歪みが蓄積する。
【0074】線状欠陥の発生が液晶パネル体に対する冷
却の方向と関係するというのは、配向膜と液晶との関係
により液晶層が移動し易い方向(図14(a))があっ
て、それと逆向きでは液晶層の移動が円滑に行われない
(図14(b))からである。言い換えれば、配向膜と
液晶との組み合わせに従って、ある種の好ましい液晶層
の撓み方向が存在していて、冷却によって規定される撓
み方向とその好ましい撓み方向との間で競合が生じるた
めに欠陥が生じ易いともいえる。冷却が進む方向に対し
て直角方向にも液晶の体積収縮が生じるが、これは隔壁
部材による仕切りの働きによって規制されて伝搬が防止
される。
【0075】これに対して従来の液晶パネル体の構造に
おいては、ラビング方向に沿った方向以外のあらゆる方
向に液晶の不均一な収縮が生じており、しかもそれに対
応して基板間隙が変化するということがないので、液晶
面内に歪みが蓄積し易い。そしてその歪みが主として大
小の欠陥として現れることになる。ドット状のスペーサ
部材を規則的に配置した従来の液晶パネル体の場合、ジ
グザグ欠陥が規則的に生じることからみても、液晶歪み
は規則的に分布することがわかる。このような従来の液
晶パネル体に関しては、液晶パネル体の一端から冷却す
るようにしても、液晶の不均一な収縮を制御できないの
で、低温状態相における無欠陥配向は得られない。この
ことは、ストライプ状部材を非接着で用いる場合でも同
様にして生じる。
【0076】反強誘電性液晶(AFLC)では特に重要
なことであるが、一般に、SmA相でも冷却に伴って体
積収縮が発生する。しかしながら本発明によればその体
積収縮も、隔壁部材によって仕切られる直線状空間内で
隔壁部材の延びる方向に制限されるので、潜在的な液晶
の歪みの蓄積が少ない。このような仕切りがなければ、
液晶の体積収縮があらゆる方向に発生して液晶の歪みが
蓄積し、これが欠陥を誘起する。
【0077】本発明者は、直線状空間の長さ及びその端
部開口部の幅について検討した。その結果について図1
9を参照して説明する。直線状空間Rの幅Lは各隔壁部
材8間の間隔によって決定されるが、それらの隔壁部材
8は、その隔壁部材8が遮光層を兼ねること、液晶ドメ
インの発生の頻度、隔壁部材8の基板に対する接着強
度、あるいは基板を押圧するときのその押圧に対する剛
性等といった観点から判断して、各ストライプ状電極の
間の全てに配置するのが理想的である。平面状電極を用
いる場合は、ストライプ状電極の場合のように電極間ピ
ッチとの関係で隔壁部材8の配置間隔が決められるとい
うことはなく、上記の各観点から決められる適宜の配置
ピッチが選択される。
【0078】直線状空間Rの端部開口の幅Lを広くとる
と、液晶封入口10から導入される液晶が直線状空間R
内へ入り込んで定常な流れになるまでの距離L1が長く
なるという問題がある。この距離L1内では、液晶の配
向欠陥が発生する可能性が高く、よって、表示部として
は使えない。一般に、直線状空間Rの液晶出入口の近傍
では液晶の流れが乱れるので、直線状空間Rの長さは表
示部として使用する領域よりも片側で10mm以上長く
する必要があった。さらに、液晶パネル体の冷却に際し
てその液晶パネル体の表面に温度勾配が完全に付与され
るためには、直線状空間Rの長さが短かすぎる液晶パネ
ル体は好ましくない。以上のことから、直線状空間Rの
長さは10cm以上にすることが望ましく、また、開口
部の幅Lは2mm以下が望ましい。
【0079】液晶封入口10と直線状空間Rとの位置関
係に関しては、液晶封入口10から直ぐに隔壁部材8を
形成して直線状空間Rとすることが望ましい形態であ
る。しかしながらその場合には、液晶封入口10を大き
くする必要があり、よって、液晶パネル体のシールが難
しくなるおそれがある。また同時に、液晶封入口10の
近傍では、シール部による接着ではなくて、直線状の隔
壁部材8だけで上下基板を接着することになるので、接
着力が不足するという別の問題も生じる。従って、液晶
封入口10の大きさをある程度小さく抑え、その液晶封
入口10と直線状空間Rの液晶出入口との間に、液晶の
流れを広げるためのある程度の距離を設けることが必要
である。
【0080】液晶パネル枠の内部へ液晶を導入するため
の液晶封入口10は、液晶パネル枠のどの部分に設けて
も良いが、望ましくは、図2に示すように、直線状空間
Rの液晶出入口側に設けるのが望ましい。こうしておけ
ば、液晶封入口10を直線状空間Rの側方、すなわち隔
壁部材8の側方に設ける場合に比べて、乱れを発生させ
ることなく液晶を直線状空間R内へ導入でき、しかも封
入時間を節約できる。
【0081】また、直線状空間Rの出入口付近における
液晶の乱れを防止するための別の方法として、図22に
示すように、隔壁部材8の液晶出入口側の端部に外側へ
向けて細くなるテーパ部Tを設けることが望ましい。こ
うすれば 、各直線状空間Rの液晶出入口の付近におい
て、液晶の流れに乱れが生じる距離L2を減少させるこ
とができ、その結果、より広い範囲にわたって液晶の配
向欠陥の発生を防止できる。
【0082】隔壁部材及び電極によって囲まれる直線状
空間に関しては、その内壁面に、高分子有機物膜を塗布
等によって形成することが望ましい。こうすれば、液晶
と接する直線状空間の内壁面が化学的に均一になるの
で、冷却に伴う液晶の体積変化が均一に行われて、欠陥
の発生を低減できる。高分子有機物膜としては、例え
ば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等
を用いることができる。また、高分子有機物膜の形成方
法としては、例えば、スピンコート、ロールコート等と
いった周知の膜形成方法を採用できる。
【0083】上下の基板を均一に密着させるためには、
機械的なプレス処理では難しく、大気圧を利用して両基
板をプレス処理するのが好ましい。このように両基板を
大気圧で加圧しながら加熱すると、両基板を完全に接着
することができる。この際、両基板間の間隔を保持する
隔壁部材の剛性が不十分であると、その隔壁部材がつぶ
れることがある。これに対し、隔壁部材を形成するにあ
たって、予めレジストにセルギャップと同じか、あるい
はそれよりも小さくて,しかも剛性を備えた粒状体を分
散して含有させておけば、隔壁部材の剛性を向上してそ
のつぶれを防止できる。また、バックライト等の付属機
器を装着するときや液晶ディスプレイを実際に使用する
ときに、隔壁部材に外部圧力や基板の自重が加わること
がある。このような場合にも、隔壁部材に剛性粒状体を
分散させておけば、その隔壁部材がつぶれることを防止
できる。特に、液晶パネル体がA3サイズ以上になる場
合に有効である。
【0084】隔壁部材を形成するための手段は、フォト
リソグラフィに限定されるものではなく、高精細な印刷
技術も適用可能である。接着法に関しても、加熱に限定
されず、紫外線硬化法等も考えられる。
【0085】
【作用】隔壁部材によって隔離される直線状空間は、封
入された液晶を円滑に流動させ、そしてそれを配向膜上
に安定に配座させる。これにより、液晶に歪みの蓄積が
発生せず、しかも相変化と液晶の体積変化にともなう液
晶分子の移動を直線状空間の延びる方向に限定して、空
間相互間で液晶が干渉するのを防止し、さらに空間相互
間のドメイン衝突も防止する。
【0086】直線状空間の一端側から液晶パネル体を冷
却するようにすれば、液晶層の撓む方向を一方向に限定
でき、また、液晶の移動を円滑にすることができ、ま
た、ドメインの発生及び衝突も抑制できる。その結果、
ジグザグ欠陥、樹木状欠陥及び線状の欠陥の発生を確実
に防止できる。
【0087】特に、大面積の液晶パネル体を考えた場合
には、液晶パネル枠及び液晶パネル体を本発明のように
構成し、さらに液晶パネル体の冷却方向を直線状空間の
延びる方向に対応させることにより、無欠陥状態に配向
したカイラルスメクチック相内を確実に得ることができ
る。
【0088】
【実施例】
(実施例1)図1において、B4版サイズで厚さが1.
1mmのガラス基板を光学研磨し、平面の平坦性を2μ
m以内に加工した透明基板2,3を1組用意する。各透
明基板2,3の上に1500オングストロームのITO
膜をスパッタリングによって成膜し、定法のフォトリソ
グラフフィにより線幅270μm、ピッチ300μmの
ストライプ状ITO電極4,5を基板2,3の両側各1
cmを除いて形成した。基板2側の電極4の長さは基板
2の長手方向の長さと同じであり、基板3側の電極5の
長さは基板3の短手方向の長さと同じである。
【0089】次いで、一方の基板3の上にポリイミド樹
脂(HL1110;日立化成工業(株)製)2%溶液を
1000rpmで20秒間スピンコートした後、180
℃のオーブンで約1時間乾燥して配向膜9を形成し、両
側ラビングとするために、室温で電極5と平行方向にラ
ビング処理を施した。さらに、この基板3上にレジスト
AZ1400(シプレイ(株)製)の粘度24cp溶液
を1000rpmで20秒間スピンコートした。その
後、定法のフォトリソグラフィによって図2に示すパタ
ーンの接着性隔壁部材8を各ITO電極5と重ならない
位置にまんべんなく形成した。その後、140℃で1時
間乾燥した。隔壁部材8の厚さは2μm、幅は30μ
m、長さは20cmとした。隔壁部材8の本数は900
本である。
【0090】図2において、表示部Dを囲む線幅の広い
部分21は、ガラス基板2,3の周辺部の接着用であ
り、封入された液晶の余分な拡散及び大気との接触を防
ぐシール部を兼ねている。液晶封入口10は隔壁部材8
の一方の端部側に形成した。対向基板2には、ポリイミ
ド樹脂(HL1110;日立化成工業(株)製)の2%
溶液を1000rpmで20秒間スピンコートした後、
180℃のオーブンで約1時間乾燥して配向膜7を形成
した。そしてさらに、ラビング処理を行った。
【0091】そのラビング処理の後、ラビング方向が隔
壁部材8とほぼ平行になるように、且つ平行ラビング、
すなわち上下のラビング方向が同一方向となるように、
両基板2,3を重ね合わせて仮密着させた。そして、こ
のままの状態で大気圧加圧用治具(図示せず)にセット
してパネル体の内部、すなわち直線状空間Rを脱気する
と、両基板2,3が大気圧により完全に密着した。そし
て、減圧したままパネル体をオーブンの中に入れ、5℃
/分の速度で180℃まで昇温し、その昇温状態で1時
間保持した。その後、徐冷して室温で常圧に戻した。こ
れにより、セルギャップが1.8μmで完全に上下の基
板2,3が接着していて、しかも隔壁部材8による隔壁
群を有する液晶封入用の液晶パネル枠が得られた。表示
部Dの面積は27cm×20cmである。
【0092】その後、得られた液晶パネル枠の周囲をエ
ポキシ樹脂等で固着して、耐震性、耐衝撃性、密封性に
優れた構造を作った。この液晶パネル枠を減圧加熱炉に
セットして10-2paまで減圧した後、温度を90℃ま
で上昇させて、強誘電性液晶CS1014(チッソ
(株)製)が納められた液晶ダメに封入口10を浸け
て、さらにその封入口10を液晶で塞いだ。この状態を
保つと、液晶は約1.5cm/時間の速度でパネル体の
内部に浸透した。なお、CS1014は、液体相→82
℃→カイラルネマチック相→71℃→SmA相→64℃
→SmC* 相の相転移を経る。
【0093】液晶が液晶パネル枠の内部に完全に入った
後、約3時間で室温に戻し、液晶封入口10をエポキシ
樹脂でシールして、液晶が完全に封入された液晶パネル
体を得た。また、それとは別に、全く同様なパネル構造
体及び液晶で上下のラビング方向が反平行のものと、片
側ラビングのものとの2種類の液晶パネル体を準備し
た。計3種類の液晶パネル体に関して冷却方向を変えて
シェブロン構造及び配向欠陥を観察したところ表1のよ
うな結果を得た。
【0094】
【表1】
【0095】具体的な冷却方法として、図29に示すよ
うな装置を用いた方法を採用した。同図において、ま
ず、液晶パネル体1を85゜Cに温度制御された水槽3
4に浸し、3分間保持して液晶全体を高温状態相である
液体相とした。その後、2.5cm/分の速度で水槽の
気水界面Pが低下するように水槽の水33を排水する
か、液晶パネル体1の方を矢印Dのように水中から引き
上げた。冷却方向は、液晶パネル体1を液体に浸す方向
を逆にすることによって変えることができる。
【0096】高温部である大気と低温部である水33と
の間を断熱するための断熱部材32として、液晶パネル
体1が通ることのできるスリットを設けた、厚さ20m
mの発砲スチロール板を用いた。この断熱部材32は液
面の揺れを防ぐように液面に浮いており、排水する場合
には水面と同時に動くようにしてある。気水界面は液晶
パネル体1の表面を平行移動するが、その気水界面の移
動方向は、液晶パネル体1に施されたラビング方向と略
平行、従って隔壁部材8とも略平行である。このときの
高温側と低温側のあり方とラビング方向との関係は図2
3から図28のようにした。なお、これらの図におい
て、太い線Fは配向膜が好む液晶の傾き方向、すなわち
プレチルト方向を示す。
【0097】いずれのラビング方向の場合でも、液晶の
シェブロン構造における液晶層の撓む方向は冷却の始ま
った端部を向いていた。平行ラビングの場合(表1の
a,b:図23,図24)、特に冷却方向をラビング方
向と同じ方向としたとき(表1のb:図24)に、若干
の線状欠陥及び配向異常が見られた。冷却方向をラビン
グ方向と反対方向としたとき(表1のa:図23)に
は、主要部にはどんな配向異常も全く見い出されなかっ
た。これは、液晶と配向膜との相互作用が(表1のa:
図23)の状態をより好むからであり、また、(表1の
a:図23)の状態の方が物質移動が円滑に行われるた
めである。(表1のb:図24)の状態の場合でも、改
めて気水界面の移動方向を逆にすれば、無欠陥配向が得
られた。なお、図23及び図24のいずれの場合でも、
隔壁部材8の液晶出入口から約5〜10mm以内(図2
のLE 及びLX )には配向異常があった。
【0098】また、片側ラビング(表1のe,f:図2
7,図28)の場合にも同様な結果が得られた。
【0099】ラビング方向が上下基板で異なる、いわゆ
る反平行ラビングの場合(表1のc,d:図25,図2
6)には、液晶層の撓む方向に区別はないはずである。
しかしながら、いずれか一方から冷却した場合だけに無
欠陥配向が得られた。但し、欠陥はあってもその量は極
めて少なかった。これは、配向膜上でフォトリソグラフ
ィにより隔壁部材を形成することを行ったため、配向膜
の作用が上下で非対称になったためと考えられる。仮
に、隔壁部材を印刷法で形成して配向膜の作用の対称性
が維持されれば、どちらから冷却しても無欠陥配向状態
が得られるであろう。フォトリソグラフィでも印刷法で
も欠陥が生じる場合があるが、これらの結果は、冷却方
向を選択することで液晶層の撓む方向を自由に反転させ
ることが可能であることを示している。
【0100】今の場合、層の法線方向はラビング方向か
ら3゜程度傾いていた。この液晶パネル体に底面積が1
0cm2 以上では2kg程度の重量物を載せても、ある
いは指で強く押圧しても配向異常は発生しなかった。ボ
ールペンのペン先のような、隔壁部材のピッチ、すなわ
ち配置間隔よりも狭いもので強く押すと隔壁部材と平行
に局所的に液晶の移動が見られたが層の破壊には至らな
かった。
【0101】(比較例1)実施例1と全く同じ材料と基
板を使い同一の構成の液晶パネル体でストライプの隔壁
部材が接着していないものを作製した。図2の中央部の
ストライプパターンは実施例1と同様に形成し、1時間
乾燥させた後、スクリーン印刷法によりエポキシ樹脂で
シール部21を形成した。
【0102】実施例1と同じ手順で両基板を重ね合わせ
て大気圧加圧治具にセットし、両基板のまわりの雰囲気
を90℃に保って両基板をシール部21のところで接着
させた。この方法により、シール部21の近傍では非接
着で密着しているが中央部では浮いている液晶パネル枠
(A)を得た。またそれとは別に、実施例1と同様な手
順に従って接着性部材の形状が半径8μmの円形のもの
を用いた液晶パネル枠(B)を作製した。接着性部材は
実施例1のストライプ状部材があった線上にあって、ピ
ッチが5mmの規則的な配置とした。
【0103】液晶パネル枠A及びBにラビング方向と略
平行になるように液晶を浸透させた。ついで、それらを
実施例1と同じ温度の水槽に浸漬し、同一条件で冷却し
たが、冷却方向にかかわらず無欠陥の初期配向は得られ
なかった。液晶パネル体(A)では大小のジグザグ欠陥
が散在し、液晶パネル体(B)ではジグザグ欠陥に加え
て図18のドット配置に同期した欠陥と樹木状欠陥が見
い出された。液晶パネル体(A)の中央部ではストライ
プ状部材の隙間に液晶が浸透しており、遮光性が低下し
ていた。さらに、液晶パネル体(A)では、中央部に軽
く触れるだけで配向異常が同心円状に発生した。
【0104】(実施例2)実施例1と同じ構成及び同じ
手順で、ストライプ状隔壁部材とラビング方向との成す
角度を90゜,40゜,23゜,12゜とした4種類の
液晶パネル体を作製した。冷却は実施例1と同じように
行ったが、90゜の場合はどのような角度で気水界面を
移動させても、隔壁部材に平行にジグザグ欠陥が多数発
生した。ストライプ状隔壁部材とラビング方向とをほぼ
平行にした液晶パネル体の液晶は完全無欠陥であったの
で、隔壁部材の傾斜角度が90゜からほぼ平行になる間
で、欠陥の発生率が連続的に増大したことがわかる。
【0105】従って、隔壁部材をラビング方向に対して
平行でない方向にずらして配置することは、欠陥の発生
の危険性が生じるだけであり、そのような操作を行うこ
とは実際上意味がない。ちなみに、隔壁部材の傾斜角度
が23゜の場合でも、数は少ないがラビング方向に平行
な線上欠陥が発生した。これは、液晶の浸透方向がラビ
ング方向からずれること、より支配的な理由としては、
ラビング方向に沿って移動しようとする液晶の移動が隔
壁部材に突き当たって妨げられることによるものと考え
られる。
【0106】隔壁部材の傾斜角度が40゜のものに関し
ては、傾斜角度が23゜のものよりも多数の線状欠陥と
一部に小さなジグザグ欠陥が発生した。隔壁部材の傾斜
角度が12゜のものでは、無欠陥配向の液晶が得られ
た。よって、隔壁部材とラビング方向との成す角度は、
12゜以内に抑えることが望ましい。
【0107】(実施例3)実施例1の同じ構成及び同じ
手順で液晶パネル体を作製したが、図17に示すよう
に、複数の隔壁部材8のうちの数本を間引いて、隔壁部
材8間の開口部の幅Lが約1mmと約2mmの2種類の
直線状空間R1及びR2を10本づつ形成した。液晶の
浸透のさせ方と冷却の仕方は実施例1と同様に行った。
幅L=2mmの直線状空間R2に浸透させた液晶内には
ジグザグ欠陥及び線状欠陥が数は少ないが発生した。L
=1mmでは無欠陥であった。この結果、ストライプ状
隔壁部材の開口部は狭い方が好ましいことがわかる。し
かしながら、その具体的な数値は、パネルサイズ、画素
サイズ、カラーフィルタの配置、接着強度、そして押圧
耐性等に応じて選択される。さらに、本液晶パネル体を
光書き込み用の書き込み体として用いる場合には、書き
込み用のレーザ光の走査ピッチ等により選択される。
【0108】(実施例4)図16において、45cm角
の厚さ1.1mmのガラス基板を光学研磨し、平面の平
坦性を2μm以内に加工した透明基板2,3を1組用意
した。透明基板2,3の上に1500オングストローム
のITO膜をスパッタリングによって製膜して平面状電
極4,5を形成した。
【0109】次いで、一方の基板3上にポリイミド樹脂
HL1110の2%溶液を1000rpmで20秒間ス
ピンコートした後、180℃のオーブンで約1時間乾燥
し、室温で一辺と平行方向にラビング処理を施した。さ
らに、隔壁部材8に粒状剛性体を分散させるために、こ
の基板上に球状スペーサが樹脂分に対して1重量%添加
されたゴム系レジストOMR−83(東京応化工業
(株)製)の粘度30cp溶液を3000rpmで15
秒間スピンコートした。
【0110】その後、定法のフォトリソグラフィによっ
て図2のパターンの接着性隔壁部材8を基板2の中央部
にラビング方向と平行になるように形成した。この隔壁
部材8に関しては、厚さを2.2μm、幅を28μm、
長さを37cm、そして本数を900本とした。実施例
1との主たる相違は、形成される直線状空間Rの長さで
ある。表示部として利用可能な面積D(図2参照)は3
7cm×30cmとなる。対向基板2には、ポリイミド
樹脂HL1110の2%溶液を1000rpmで20秒
間スピンコートした後、180℃のオーブンで約1時間
乾燥した。
【0111】実施例1と同様にして、上下の基板2,3
のラビング方向が平行且つ同一方向であって、中央部で
沈みのない、セルギャップが約2.0μmで完全に上下
の基板が接着した隔壁部材群のある液晶パネル枠を得
た。そしてこの液晶パネル枠に、強誘電性液晶ZL13
774(メルク(株)製)を封入した。この液晶は、液
体相→86℃→N* 相→76℃→SmA相→62℃→S
mC* 相の相転移を経る。
【0112】88℃に温度制御された水槽に液晶パネル
体を浸し、3分間保持して液晶全体が液体相になった
後、2.5cm/分の速度で水槽の気水界面が低下する
ように水槽の水を排水した。気水界面は液晶パネル体の
表面を平行移動するが、その気水界面の移動方向は液晶
パネル体に施されたラビング方向に対して逆方向とし
た。こうして得られた液晶パネル体の主要部にはどんな
欠陥も見い出されなかった。冷却方向を逆にすると、ほ
んのわずかの線状欠陥が見い出された。この実施例の液
晶パネル体における配向膜と液晶層との組み合わせは、
実施例1と逆向きに液晶層が撓む方向を自然の状態とす
るものである。但し、隔壁部材の始端部と終端部には、
10mm程度までジグザグ欠陥を含む配向異常があっ
た。
【0113】この液晶パネル体を液体中に浸したまま、
0.2℃/分の速度でパネル全面の温度差が0.1℃で
あるように温度制御しながら室温まで冷却した。この場
合、パネル全面をほぼ上下1:2に分割する位置に、接
着性部材を横切ってジグザグ欠陥が現れた。ジグザグ欠
陥を形成する2つの液晶相ドメインの内部には、線状欠
陥が多数見い出された。液晶パネル体の浸し方を変えて
冷却を行なうと、ジグザグ欠の位置は変動したが、消失
することはなかった。これは冷却点の分布及び体積収縮
における結晶の移動が欠陥発生の原因であることを示し
ている。
【0114】(実施例6)実施例1と同じ構成及び同じ
手順で液晶封入用の液晶パネル枠を作製し、さらに、そ
の液晶パネル枠内に反強誘電性液晶CS4000(チッ
ソ(株)製)を封入して液晶パネル体を作製した。他の
材料は実施例1と同じである。CS4000は、反強誘
電相を有し、その相転移は、等方相(液体相)→101
℃→スメクチックA相→84℃→カイラルスメクチック
C相→82℃→カイラルスメクチックCA 相となる。こ
の液晶パネル体を合成樹脂製の保護シートで覆い、10
5℃のシリコンオイルに浸してから、実施例1と同一条
件で液晶パネル体に対して温度勾配を形成し、さらにラ
ビング方向に対して平行に気液界面を移動させた。保護
シートで覆うのは、液晶パネル体にシリコンオイルが付
着して液晶パネル体の取り扱いが困難になるのを防止す
るためである。
【0115】本実施例の場合、液晶パネル体をどちら側
から冷却しても、得られた配向状態には大きな差は見い
出されず、いずれの場合も、細長いジグザグ欠陥が見い
出された。但し、液晶パネル体をシリコンオイル中に温
度勾配を設けることなく浸した状態で冷却したものに比
べると、配向欠陥の数は極めて少なく、つまり配向性は
断然優れていた。
【0116】(実施例7)実施例1と同じ構成及び同じ
手順で液晶パネル体を作製した。但し、接着性部材の形
成後に配向膜としてポリビニルアルコールの10%水溶
液を1000rpmで40秒間スピンコートし、120
℃で30分間乾燥した。対向基板には同じポリビニルア
ルコール膜を形成してラビング処理を施した。ラビング
方向が隔壁部材とほぼ平行になるように張り合わせて液
晶パネル体を得た。実施例1と同じ条件で冷却した場
合、どちらから冷却しても無欠陥配向状態が得られた。
【0117】(実施例8)実施例1と同じ構成及び同じ
手順で液晶封入用の液晶パネル枠を作製した。但し、隔
壁部材に関しては、その開始部と終端部とで長さ5mm
の部分を先端に向かって滑らかに狭くなるテーパ状と
し、さらに隔壁部材中にカラーインデックスナンバー7
の有機顔料で粒子径が0.3μm以下のもの及び分散材
を分散させた。実施例1と同じ液晶を封入して同一条件
で冷却すると、液晶出入口における配向異常領域は最大
4mmまで減少した。隔壁部材中に顔料や分散材を分散
しても、接着性が維持され、遮光性に優れた液晶パネル
体が得られた。
【0118】(実施例9)実施例3と同一の液晶パネル
体を作製した。但し、隔壁部材の終端部23(図2)を
シール部21と接着させた。終端部では7〜10mm程
度の範囲で配向異常があった。終端部が下部に位置する
ように、すなわち、ストライプ状隔壁部材が視覚に対し
て縦方向に延びるようにして液晶パネル体を10日程静
置したところ、下部の配向異常領域が約7〜8mm増え
て平衡状態となって止まった。このような配向異常は、
直線状空間内の液晶に作用する重力が液晶下部領域に加
わったためであると考えられる。
【0119】このことからわかることは、液晶ディスプ
レイが通常の使用状態に置かれたときに、液晶パネル体
内部の隔壁部材8が水平方向に延びるように設定すれ
ば、各直線状空間内に入っている液晶に作用する重力は
個々の隔壁部材8によって受けとめられることになり、
これにより、液晶パネル体の下部に位置する液晶に配向
異常が発生することを防止できるということである。
【0120】(実施例10)実施例1及び実施例3と同
じ手順で高温状態相温度と冷却方向とを適正に選択して
完全な無欠陥配向が得られたところの、液晶と配向用ポ
リイミド樹脂との組み合わせを列挙すると、以下の通り
である。
【0121】強誘電性液晶:CS1013、CS101
5、CS1017、CS1019、(以上(株)チッソ
製)、ZLI3774(メルク(株)製)、SCE8、
SCE9、SCE10、SCE11、(以上BDH社
製) ポリイミド樹脂:S610(日産化学(株)製)、PI
Q1400、PIQ5200、(以上日立化成(株)
製) AL3046,AL1051、(以上日本合成ゴム製)
【0122】
【発明の効果】本発明に係る液晶パネル枠及び液晶パネ
ル体によれば、直線状空間を形成する隔壁部材が上下の
基板を強固且つ柔軟に接着するので、配向した液晶相を
破壊しない耐震耐衝撃性に優れた液晶パネル枠又は液晶
パネル体が得られる。この液晶パネル枠等は、手で触っ
ても撓むことが無く、しかも変形させることなく自由に
持ち運ぶこともできるので、液晶パネル体に駆動用トラ
ンジスタ等の付帯要素を付けて液晶ディスプレイを組み
立てる際の操作性が向上する。また、液晶ディスプレイ
として使用するときの耐震耐衝撃性も向上する。
【0123】液晶に乱れを発生させることなく、その液
晶を円滑に液晶パネル枠の内部に導入でき、且つ液晶の
収縮方向と層の成長様態の制御が可能である。従って、
大面積の液晶パネル体に完全無欠陥のカイラルスメクチ
ック相を再現性良く、絶対確実に形成できる。このこと
から、高品質で大型の液晶ディスプレイを安価に製造す
ることも可能になる。
【0124】請求項5記載の液晶パネル体によれば、表
示領域内から配向異常を確実に排除できる。
【0125】請求項6記載の液晶パネル体によれば、隔
壁部材が補強されて大面積でもセルギャップが均一な液
晶パネル体が得られる。
【0126】請求項7記載の液晶パネル体によれば、液
晶と接触する直線状空間の内壁面が化学的に均一になる
ので、冷却に伴う液晶の体積変化等が円滑に行われる。
【0127】請求項8記載の液晶パネル体によれば、隔
壁部材の側方位置から液晶を導入する場合に比べて、液
晶の浸透時間を短くすることができる。
【0128】請求項11記載の液晶パネル体によれば、
隔壁部材が遮光部材として効率良く働くので、液晶パネ
ル体によって画像を表示したとき、コントラストの高い
高品質の画像を得ることができる。
【0129】請求項12記載の液晶パネル体によれば、
隔壁部材の液晶出入口近傍における液晶の流れを円滑に
できるので、液晶パネル体の表面のうち表示領域として
利用可能な領域を拡げることができる。
【0130】請求項13記載の液晶ディスプレイでは、
液晶パネル体内に格納された液晶に作用する重力の作用
に起因して液晶内に配向異常が発生することを確実に防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる液晶パネル枠又は液晶
パネル体の内部構造を示す斜視断面図である。
【図2】同液晶パネル体の平面断面図である。
【図3】従来の液晶パネル体の一例の内部構造を示す正
面断面図である。
【図4】配向異常の1つであるジグザグ欠陥の一例を模
式的に示す平面図である。
【図5】配向異常の他の1つである樹木状欠陥を模式的
に示す平面図である。
【図6】配向異常のさらに他の1つである線状欠陥を模
式的に示す平面図である。
【図7】SmC* 相の層に見られるシェブロン構造とジ
グザグ欠陥の構造との関係を模式的に示す斜視断面図で
ある。
【図8】SmC* 相の層のブックシェル構造を示す斜視
断面図である。
【図9】反強誘電性液晶の配向異常の1つである層の食
い違いの状態を模式的に示す図である。
【図10】反強誘電性液晶の配向異常の1つである、成
長方向の異なる2つのドメインが存在する状態を模式的
に示す図である。
【図11】反強誘電性液晶の配向異常の他の1つである
層の食い違いの他の状態を模式的に示す図である。
【図12】樹木状欠陥の発生過程を模式的に示す図であ
る。
【図13】図12に引き続く樹木状欠陥の発生過程を模
式的に示す図である。
【図14】液晶層が温度の低い方に撓む状況を模式的に
示す図である。特に、(a)は右側から先に温度が下が
る場合を示し、(b)は中央部分から左右両側にかけて
順に温度が下がる場合を示している。
【図15】液晶内部において温度の低い方に向かって漸
次異なる相が発生し、さらにSmC* 相の層が撓む状態
を模式的に示す図である。
【図16】本発明に係る液晶パネル枠及び液晶パネル体
の内部構造の他の一実施例を示す斜視断面図である。
【図17】本発明に係る液晶パネル枠及び液晶パネル体
の内部構造のさらに他の一実施例を示す斜視断面図であ
る。
【図18】規則的なドット型部材で接着した液晶パネル
体において発現するジグザグ欠陥の現れ方の一例を模式
的に示す図である。
【図19】直線状空間の液晶出入口の付近の液晶の流れ
を模式的に示す図である。
【図20】液晶ディスプレイの一例の分解斜視図であ
る。
【図21】液晶ディスプレイの使用状態の一例を示す斜
視図である。
【図22】隔壁部材の変形実施例を示す図である。
【図23】ラビング方向と冷却方向との関係に対応した
液晶層の撓み方向及び液晶分子の傾斜状態、特に平行ラ
ビングで冷却方向がラビング方向と逆方向の場合の状況
を模式的に示す図である。
【図24】ラビング方向と冷却方向との関係に対応した
液晶層の撓み方向及び液晶分子の傾斜状態、特に平行ラ
ビングで冷却方向がラビング方向と同じ方向の場合の状
況を模式的に示す図である。
【図25】ラビング方向と冷却方向との関係に対応した
液晶層の撓み方向及び液晶分子の傾斜状態、特に反平行
ラビングで冷却方向が上側ラビング方向と同じ方向の場
合の状況を模式的に示す図である。
【図26】ラビング方向と冷却方向との関係に対応した
液晶層の撓み方向及び液晶分子の傾斜状態、特に反平行
ラビングで冷却方向が下側ラビング方向と同じ方向の場
合の状況を模式的に示す図である。
【図27】ラビング方向と冷却方向との関係に対応した
液晶層の撓み方向及び液晶分子の傾斜状態、特に片側ラ
ビングで冷却方向がラビング方向と逆方向の場合の状況
を模式的に示す図である。
【図28】ラビング方向と冷却方向との関係に対応した
液晶層の撓み方向及び液晶分子の傾斜状態、特に片側ラ
ビングで冷却方向がラビング方向と同じ方向の場合の状
況を模式的に示す図である。
【図29】液晶パネル体を冷却するための装置の一例を
示す正面断面図である。
【符号の説明】
1…液晶パネル体, 2,3…ガラス透明基板, 4,
5…透明ITO電極 6…絶縁膜, 7,9…ポリイミド配向膜,8…
隔壁部材,10…液晶封入口, 21…シール部,
22…直線状空間の先端部分 23…直線状空間の後端部分 R…直線状空間, L…直線状空間Rの断面の長辺寸
法 S…直線状空間Rの断面の短辺寸法 W…隔壁部材
8の幅 P1 ,P2 …直線状空間Rの液晶と接する幅の広い面 P3 ,P4 …直線状空間Rの液晶と接する幅の狭い面

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な一対の基板と、 それらの基板上に形成されていて互いに対向する一対の
    電極と、 両基板間に設けられていて所定の間隔をおいて互いに平
    行に並べられた複数の直線状の隔壁部材と、 上記一対の基板のうち少なくとも一方の上に形成されて
    いて一軸配向処理が施される配向膜とを有しており、 各隔壁部材は、一軸配向処理の方向に対して略平行に延
    びており、 さらに各隔壁部材は、一方の基板上に形成されると共に
    他方の基板に対向する面が他方の基板に接着されること
    により、液晶分子の移動を実質上直線状空間の延びる方
    向に限定しうるように、液晶通過用の開口端部以外の部
    分が液体に対して密閉された状態の直線状空間を形成
    し、 さらに、上記直線状空間の各々の大きさは、幅が50μ
    m乃至2mm、セルギャップが1乃至3μm、長さが少
    なくとも10cmである,ことを特徴とする液晶パネル
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透明な一対の基板と、 それらの基板上に形成されていて互いに対向する一対の
    電極と、 両基板間に設けられていて所定の間隔をおいて互いに平
    行に並べられた複数の直線状の隔壁部材と、 上記一対の基板のうち少なくとも一方の上に形成されて
    いて一軸配向処理が施される配向膜とを有しており、 各隔壁部材は、一軸配向処理の方向に対して略平行に延
    びており、さらに各隔壁部材は、一方の基板上に形成さ
    れると共に他方の基板に対向する面が他方の基板に接着
    されることにより、液晶分子の移動を実質上直線状空間
    の延びる方向に限定しうるように、液晶通過用の開口端
    部以外の部分が液体に対して密閉された状態の直線状空
    間を形成し、 さらに、上記直線状空間の1つの大きさは、幅が50o
    r500μm乃至2mm、セルギャップが3μm以下、
    長さが少なくとも10cmあり,それらの各直線状空
    間の内部に強誘電性液晶又は反強誘電性液晶が封入され
    ることを特徴とする液晶パネル体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液晶パネル体において、
    各直線状空間の内部に封入される強誘電性液晶又は反強
    誘電性液晶がシェブロン構造を採ることを特徴とする液
    晶パネル体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の液晶パネル体において、 上記一対の電極は、それぞれが複数の直線状電極を所定
    ピッチで並べることによって形成された互いに対向する
    一対のストライプ状電極によって構成され、 その一対のストライプ状電極は互いに直交し、 上記の各隔壁部材は、一方の基板上のストライプ状電極
    の間に該電極と同じピッチ又は複数ピッチ間隔で直線状
    に延びることを特徴とする液晶パネル体。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の液晶パネル体において、 上記一対の電極は、それぞれが平面状電極によって構成
    され、 上記の各隔壁部材は、一方の平面状電極上に適宜のピッ
    チで形成されることを特徴とする液晶パネル体。
  6. 【請求項6】 請求項2から請求項5のうちのいずれか
    1つに記載の液晶パネル体において、直線状空間の長さ
    は、表示部として有効に使用される領域の長さよりも長
    いことを特徴とする液晶パネル体。
  7. 【請求項7】 請求項2から請求項6のうちのいずれか
    1つに記載の液晶パネル体において、隔壁部材に剛性体
    が分散されることを特徴とする液晶パネル体。
  8. 【請求項8】 請求項2から請求項7のうちのいずれか
    1つに記載の液晶パネル体において、直線状空間の内壁
    面に高分子有機物膜を形成することを特徴とする液晶パ
    ネル体。
  9. 【請求項9】 請求項2から請求項8のうちのいずれか
    1つに記載の液晶パネル体において、直線状空間の液晶
    通過用の端部側に液晶封入口を設けたことを特徴とする
    液晶パネル体。
  10. 【請求項10】 請求項2から請求項9のうちのいずれ
    か1つに記載の液晶パネル体において、強誘電性液晶の
    相状態は、カイラルスメクチックC相であることを特徴
    とする液晶パネル体。
  11. 【請求項11】 請求項2から請求項9のうちのいずれ
    か1つに記載の液晶パネル体において、反強誘電性液晶
    の相状態は、カイラルスメクチックCA相、カイラルス
    メクチックCα相、カイラルスメクチックCβ相、カイ
    ラルスメクチックCγ相のいずれかであることを特徴と
    する液晶パネル体。
  12. 【請求項12】 請求項2から請求項11のうちのいず
    れか1つに記載の液晶パネル体において、隔壁部材に黒
    色系着色材料が分散されることを特徴とする液晶パネル
    体。
  13. 【請求項13】 請求項2から請求項12のうちのいず
    れか1つに記載の液晶パネル体において、隔壁部材の液
    晶出入口側の端部に、外側へ向けて細くなるテーパ部を
    設けたことを特徴とする液晶パネル体。
  14. 【請求項14】 請求項2から請求項13のうちのいず
    れか1つに記載の液晶パネル体に付帯機器を装着して構
    成される液晶ディスプレイにおいて、液晶パネル体の使
    用状態のときに隔壁部材が水平方向に延びるように液晶
    パネル体が配置されることを特徴とする液晶ディスプレ
    イ。
JP21271298A 1993-07-22 1998-07-28 液晶パネル枠,液晶パネル体及び液晶デイスプレイ Pending JPH11101969A (ja)

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JP5-181032 1994-03-31
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012071300A (ja) * 2010-09-01 2012-04-12 Kochi Univ Of Technology 液体−液晶間相転移を利用した物体選別機構および物体選別方法
JP5093115B2 (ja) * 2006-11-15 2012-12-05 大日本印刷株式会社 液晶表示素子の製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5093115B2 (ja) * 2006-11-15 2012-12-05 大日本印刷株式会社 液晶表示素子の製造方法
JP2012071300A (ja) * 2010-09-01 2012-04-12 Kochi Univ Of Technology 液体−液晶間相転移を利用した物体選別機構および物体選別方法

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