JPH11101778A - 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置

Info

Publication number
JPH11101778A
JPH11101778A JP9262016A JP26201697A JPH11101778A JP H11101778 A JPH11101778 A JP H11101778A JP 9262016 A JP9262016 A JP 9262016A JP 26201697 A JP26201697 A JP 26201697A JP H11101778 A JPH11101778 A JP H11101778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
substrate
liquid sample
electrophoresis
silicon oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9262016A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Nakanishi
博昭 中西
Hisahiro Nishimoto
尚弘 西本
Shiyuuichi Shiyouji
習一 庄子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP9262016A priority Critical patent/JPH11101778A/ja
Publication of JPH11101778A publication Critical patent/JPH11101778A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン基板もしくはガラス基板上に凸型の
シリコン酸化膜で構成された中空の流路を形成すること
で、アスペクト比(流路高さ/流路幅)の大きな流路を
有する電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置を
提供する。 【解決手段】 基板1には、液体試料もしくは泳動液の
導入口および排出口5a〜5dが形成されており、3及
び4は基板1上にスパッタ成膜により形成された厚さ数
ミクロンのシリコン酸化膜よりなる中空の凸型流路であ
り、液体試料を導入するための流路溝3および液体試料
を分離するための流路溝4である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極微量の液体試料
中の成分を分離・分析し、紫外あるいは可視領域の光線
の吸収もしくは発光を測定することで分離した成分を検
出する場合に利用されるための、電気泳動部材およびそ
れを用いた電気泳動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】環境計測、臨床、医薬品などの分析化学
の分野において、キャピラリー電気泳動装置は、微量成
分を正確かつ迅速に分析する手法としてよく使用されて
いる。近年、『Science 、vol.261 、p.895-897 (199
3)』に記載されているように、ガラス(例えば、パイ
レックスガラス)基板を材料とした電気泳動部材上に液
体試料を導入するための流路と液体試料を分離するため
の流路を、半導体製造技術を基盤とするマイクロマシニ
ング技術を用いて形成した電気泳動装置が開発されてお
り、従来のキャピラリー電気泳動装置と比較して、高速
分析が可能、溶媒消費量が極めて少ない、必要とするサ
ンプルが極微量、装置の小型化が可能などの利点を有す
ることが報告されている。
【0003】これらの特徴は、上記した分析化学の分野
において従来の分析装置では実現が困難であった、現場
(オンサイト、ベッドサイド)分析を可能とするものと
して、またDNA分析などの分野に対しては高速分析の
視点からスクリーニングに有利なものとして有望視され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまで報告されてい
る小型チップを用いた電気泳動の研究においては、電気
泳動部材は流路を形成したガラス基板と貫通穴を形成し
たガラス基板を接合して製作されている。
【0005】ガラス基板に流路を形成するには、等方性
のウエットエッチングが使われる場合が多いが、等方性
エッチングを行うと、深さ方向と同程度のサイドエッチ
ングが発生するため、エッチング形成する流路断面は横
長の形状になる。一般に、検出光は流路をエッチング形
成した基板面に垂直に入射・出射されるため、横長の流
路断面形状では光路長が短くなりサンプル量当たりの検
出効率が悪くなる。
【0006】また、基板により検出光が吸収され検出効
率が低下することを考えると、ガラス基板は薄い方がよ
いものの取り扱いの利便上ある程度の厚みを持った基板
を使う必要がある。
【0007】さらに、材料には両面を鏡面研磨したガラ
ス基板が必要となるが、両面鏡面研磨によって基板コス
トが高くなり、コストダウンに不利である。
【0008】本発明は、上記課題を解決するために創案
されたもので、1枚のシリコン基板もしくはガラス基板
上に凸型のシリコン酸化膜で構成された中空の流路を形
成することで、アスペクト比(流路高さ/流路幅)の大
きく、かつ厚みの薄い流路を有する電気泳動部材および
それを用いた電気泳動装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の電気泳動部材は、液体試料を導入す
るための流路とその流路の両端に液体試料の導入口およ
び排出口を有し、かつ液体試料を分離するための流路と
その流路の両端に液体試料を分離するために使用する泳
動液の導入口および排出口を有し、前記分離流路の内の
少なくとも一部の領域を測定室として用いる電気泳動部
材であり、前記部材はシリコン基板もしくはガラス基板
上に凸型のシリコン酸化膜で構成された中空の流路が形
成されており、シリコン基板もしくはガラス基板の前記
流路の両端に相当する位置に貫通穴が加工されているこ
とを特徴としている。
【0010】また、上記課題を解決するためになされた
本発明の電気泳動部材を用いて分析を行なう電気泳動装
置は、前記流路の両端に電位差を与えて泳動液と液体試
料を電気泳動させる手段、検出光を照射する光源、前記
部材からの検出光を測定する光検出器、前記部材を位置
決めする手段とを備え、前記部材により液体試料を分離
した結果を光学的に検出することを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明による電気泳動部材は、
シリコン基板もしくはガラス基板上にスパッタ成膜され
た凸型の厚み数μm程度のシリコン酸化膜で構成された
中空の試料導入流路および分離流路が形成されており、
シリコン基板もしくはガラス基板の前記流路の両端に相
当する位置には泳動液もしくは液体試料の導入口および
排出口として機能する複数個の貫通穴が加工されてい
る。ここで、シリコン基板もしくはガラス基板上にスパ
ッタ成膜により形成された中空のシリコン酸化膜よりな
る凸型流路は、基板面に対してアスペクト比(流路高さ
/流路幅)が大きい断面形状を実現しやすく、光路長を
長くとれることからサンプル量当たりの検出効率が向上
する。
【0012】また、厚み数μm程度のシリコン酸化膜
で、流路を形成できるため、接合面のさらに、高価なシ
リコン基板もしくはガラス基板は1枚で良くコスト的に
も優位となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、以下、図面に
基づいて説明する。
【0014】図1は本発明で実現する電気泳動部材の一
実施例の斜視図であり、図2は図1の上面図である。本
図において1は石英、パイレックス等のガラス基板もし
くはシリコン基板、3及び4は基板1上にスパッタ成膜
により形成された厚さ数ミクロンのシリコン酸化膜より
なる中空の凸型流路であり、液体試料を導入するための
流路溝3および液体試料を分離するための流路溝4であ
る。基板1には、液体試料もしくは泳動液の導入口およ
び排出口5a〜5dが形成されている。
【0015】図3に、図2のB−B’断面図を示す。2
はスパッタ成膜により形成された厚さ数ミクロンのシリ
コン酸化膜であり、液体試料を導入するための流路溝3
および液体試料を分離するための流路溝4を構成してい
る。本図では、基板1に空けた排出口5bと流路溝3の
端とは一致するように構成されており、5a,5c,5
dで示された導入口および排出口も同様に各流路端と一
致するよう構成されている。
【0016】図4は、形成した流路溝3および流路溝4
の保護材20を構成に加えた例を示す。厚さ数ミクロン
のシリコン酸化膜よりなる中空の凸型流路は強度的に非
常に弱いため、例えば、感光性ポリイミドなどを用いて
流路高さの高い保護材を形成することで、流路の透明性
を損なわずに流路溝3および流路溝4を保護できる構造
となっている。
【0017】図5に、本電気泳動部材を用いた光学測定
装置を示す。図5において、6は重水素ランプ、タング
ステンランプ、分光器が内蔵された所定の波長の光を送
り出す紫外可視光源、7はフォトダイオードアレイ検出
器を使用した測光光学系を有する光検出器であり、いず
れも紫外可視測定に一般的に用いられるものである。8
はステージであり、電気泳動部材9を位置決めできる凹
部10が設けられている。また、11a〜dは電気泳動
部材9の流路の両端に電位差を与えて泳動液と液体試料
を電気泳動させる電極であり、あらかじめ決められてい
る電気泳動部材9の泳動液導入口および排出口に対応す
る位置に設置されている。すなわち、泳動液を充填した
電気泳動部材9をこの凹部10に挿入してステージ8に
位置決めし、自動的に位置決めされた電極11により電
気泳動部材9の流路の両端に電位差を与えて、泳動液と
液体試料を電気泳動させる。さらに、光源6からの光は
電気泳動部材9の検出部に入射されており、検出部を通
過した光が光検出器7に受光できるようにしてある。こ
れにより、ステージ8の凹部10に泳動液を充填した電
気泳動部材9を装着し、分析したい試料を試料導入口に
注入するだけで、電気泳動による分離および光学測定が
可能になる。
【0018】次に、本発明による、電気泳動部材の作製
する手順を、以下、図6に示す工程(1)〜(5)を参
照して説明する。
【0019】(1)まず、ガラスもしくはシリコン基板
1に、液体試料もしくは泳動液の導入口および排出口5
a〜5dとなる貫通穴をあける。基板の厚みには特にこ
だわらないが、取扱いの利便上厚み0.3〜1mm程度
が望ましい。
【0020】ここで、貫通穴の加工には超音波加工、サ
ンドブラスト加工、レーザ加工等、他の方法を使用して
もかまわない。また、貫通穴の大きさは特にこだわらな
いが、径0.5〜2mm程度が望ましい。
【0021】(2)貫通穴5a〜5dを十分に埋める程
度の粘度を有したレジスト21、例えば Heochst社製の
AZ4620を塗布する。必要に応じてレジスト21
は、2度塗りすることでその高さを確保することができ
る。
【0022】(3)レジスト21をフォトリソグラフィ
技術を用いてパターニングし、流路の中空となる部分2
1a、21bを形成する。
【0023】(4)21a、21bを形成した基板1上
に、スパッタ成膜によりシリコン酸化膜2を形成する。
このときのシリコン酸化膜2の厚みは、流路を形成する
に十分な強度を有する厚みであれば良く、数μmの厚み
が望ましい。
【0024】(5)レジスト21を例えばアセトンなど
の溶剤を用いて除去し、中空の流路3、4を形成する。
【0025】以上の工程で図1に示した構造の電気泳動
部材が完成する。
【0026】上記実施例における電気泳動部材で、基板
1にシリコンを用いる場合、少なくとも流路を形成する
面にはシリコン酸化膜が形成されている基板を使用し、
測定室部分のみ流路形成面の反対面より異方性エッチン
グなどによりシリコンを除去することでシリコン酸化膜
を露出させて、光線が透過できる窓を開ける必要があ
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電気
泳動部材によれば、レジストなどの最終段階で除去が可
能な材料を用いて流路形状をパターニングし、その流路
形状をスパッタ成膜したシリコン酸化膜によって覆い、
最終的にレジストなどの最終段階で除去が可能な材料を
溶剤にて除去し、基板とシリコン酸化膜により流路を構
成しているため、高アスペクト比な流路形状が得られや
すく、そのため、少量の試料で高感度な分析が可能とな
る。
【0028】また、検出光は1枚の基板および数ミクロ
ンの厚みの酸化膜を透過すればよく、ガラス基板を2枚
使用する場合より構成材による吸収量が少なくて済み分
析効率が上がる。さらに、本発明では基板は1枚で良い
ため低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電気泳動部材の斜視
図。
【図2】図1の電気泳動部材の上面図。
【図3】図2の電気泳動部材のB−B’断面図。
【図4】図3の電気泳動部材の変形例を示す断面図。
【図5】本発明の一実施例である検出計セルを用いて測
定をする光学装置の概略図。
【図6】図1の電気泳動部材の作成方法の概略図。
【符号の説明】
1 ガラス基板もしくはシリコン基板 2 シリコン酸化膜 3、4 凸型流路 5a〜5d 導入口もしくは排出口 6 紫外可視光源 7 光検出器 8 ステージ 9 電気泳動部材 10 凹部 20 保護材 21 レジスト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体試料を導入するための流路とその流路
    の両端に液体試料の導入口および排出口を有し、かつ液
    体試料を分離するための流路とその流路の両端に液体試
    料を分離するために使用する泳動液の導入口および排出
    口を有し、前記分離流路の内の少なくとも一部の領域を
    測定室として用いる電気泳動部材であり、 前記部材はシリコン基板もしくはガラス基板上に凸型の
    シリコン酸化膜で構成された中空の流路が形成されてお
    り、シリコン基板もしくはガラス基板の前記流路の両端
    に相当する位置に貫通穴が加工されていることを特徴と
    する電気泳動部材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載される部材に、前記流路の
    両端に電位差を与えて泳動液と液体試料を電気泳動させ
    る手段、検出光を照射する光源、前記部材からの検出光
    を測定する光検出器、前記部材を位置決めする手段とを
    備え、前記部材により液体試料を分離した結果を光学的
    に検出する電気泳動装置。
JP9262016A 1997-09-26 1997-09-26 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置 Pending JPH11101778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9262016A JPH11101778A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9262016A JPH11101778A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11101778A true JPH11101778A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17369854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9262016A Pending JPH11101778A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11101778A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7136161B2 (en) Component analyzing apparatus with microchip
US5757482A (en) Module for optical detection in microscale fluidic analyses
Schmalzing et al. Immunoassay for thyroxine (T4) in serum using capillary electrophoresis and micromachined devices
Becker et al. Planar quartz chips with submicron channels for two-dimensional capillary electrophoresis applications
RU2195653C2 (ru) Анализатор
US6233048B1 (en) Fourier detection of species migrating in a microchannel
JP3736007B2 (ja) マイクロチップ電気泳動装置
JPH09218149A (ja) 検出計セルおよび光学測定装置
Lin et al. Micro capillary electrophoresis chips integrated with buried SU-8/SOG optical waveguides for bio-analytical applications
WO1998010122A1 (en) Microfabricated hybrid capillary array and multichannel detection assembly
JP3176770B2 (ja) 流体検査装置
US20050274618A1 (en) Assay chip
JP3511910B2 (ja) 検出計セル
JPH10274638A (ja) 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置
JP4935750B2 (ja) 双方向電気泳動装置及び双方向電気泳動方法
JP2001264293A (ja) キャピラリアレイ電気泳動装置
JP3876714B2 (ja) キャピラリーアレイユニット及びそれを用いた電気泳動装置
JP3417143B2 (ja) キャピラリ電気泳動装置
JPH1183798A (ja) 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置
JPH11101778A (ja) 電気泳動部材およびそれを用いた電気泳動装置
JP3978937B2 (ja) 検出計セルおよび光学測定装置
JP3882220B2 (ja) キャピラリー電気泳動チップ
JP2001305050A (ja) 測定用セル
JPH1164279A (ja) マイクロチップ電気泳動装置
JP4026002B2 (ja) 分析装置および分析方法